JP5705696B2 - バリア性積層体、ガスバリアフィルムおよびこれらを用いたデバイス - Google Patents

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Description

本発明は、バリア性積層体、ガスバリアフィルムおよびこれらを用いたデバイスに関する。特に、太陽電池素子、有機EL素子、光学部材および封止用袋に適したバリア性積層体およびガスバリアフィルムに関する。
従来、プラスチックフィルムの表面に、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化、窒化、酸窒化珪素等の金属酸化物薄膜を形成したバリア性フィルムは、水蒸気や酸素など各種ガスの遮断を必要とする物品の包装や、食品、工業用品および医薬品等の変質を防止するための包装用途に広く用いられている。
近年、液晶表示素子や有機EL素子等の分野においては、重くて割れやすいガラス基板に代わって、プラスチックフィルム基板が採用され始めている。プラスチックフィルム基板はロールトゥロール(Roll to Roll)方式に適用可能であることから、コストの点でも有利である。しかし、プラスチックフィルム基板はガラス基板と比較して水蒸気バリア性に劣るという問題がある。このため、プラスチックフィルム基板を液晶表示素子に用いると、水蒸気が液晶セル内に侵入し、表示欠陥が発生する。
この問題を解決するために、特許文献1には有機層と無機バリア層の複数層の交互積層体をバリア層とすることにより、水蒸気透過率として0.005g/m2/day未満を実現する技術が開示されている。該明細書によれば有機層と無機バリア層がそれぞれ1層ずつしか積層されていない場合は、水蒸気透過率が0.011g/m2/dayであり、多層積層することの技術的価値が明確に示されている。
米国特許第6,413,645号明細書
しかしながら、産業上の利用性を考慮すると、特許文献1に記載されるように有機層と無機バリア層を多層積層することは生産性を低下させることになるため、ガスバリアフィルムを大量に供給する上で大きな問題となる。ガスバリアフィルムを低コストで大量に製造するには、できるだけ少ない積層数であっても高いバリア性を発現することが求められる。これらの背景から、有機層、無機バリア層の組が1組で0.005g/m2/day以下、特に0.001g/m2/day未満の水蒸気透過率を達成できる有機無機積層型のバリア性積層体、該バリア性積層体を有するガスバリアフィルム、および前記ガスバリアフィルムを用いた有機EL素子の開発が望まれている。有機EL素子のようなデバイス用の基板として用いられるガスバリアフィルムは、プロセス温度に対して高い耐性を有する必要がある。このため、高温時に発生する欠陥の原因となる有機層からのガス発生量は少なく抑える必要がある。
ここで、有機層は一般に重合性化合物を含む重合性組成物を硬化する方法が用いられている。しかしながら、本願発明者が検討を行ったところ、従来公知の重合性化合物を硬化すると、高温時に未硬化成分が揮発してしまうことが分かった。この理由を検討したところ、従来公知の重合性化合物には、非重合性成分(触媒、副生成物)が微量ながら含まれていることに起因していることが分かった。図1は、その状態を示したものであって、1は無機バリア層を、2'は重合性組成物を用いて形成した有機層を、3は有機層の表面にさらに設けられた無機バリア層を示している。従来の有機層2'には、重合性化合物に含まれていた非重合性成分(触媒、副生成物)が残存しており、この状態で加熱や脱気が起こるとガスが放出し、ガスバリア性を低下させてしまっていた。さらに、図1のような、有機層2'を無機バリア層で挟んだ構成では、非重合性成分(触媒、副生成物)4由来のガスが隣接する無機バリア層3を破壊してしまうこともあった。これらの現象は、バリア性積層体を組み込んだデバイスを、高温プロセスに曝された際に、影響が顕著に現れる。
本発明は、上記課題を解決することを目的としたものであって、耐熱温度を向上できる高いバリア性を有するガスバリア性積層体を提供することを目的とする。
上記課題のもと、発明者が鋭意検討を行った結果、有機層の未硬化成分を1.5質量%以下とすることにより、高温下においても破壊されることなく、高いバリア性を維持でき、上記課題を解決することを見出した。具体的には、以下の手段<1>により、好ましくは下記手段<2>〜<15>により上記課題は達成された。
<1>少なくとも1層の有機層と、少なくとも1層の無機バリア層を有し、前記有機層は2個以上の重合性基を有する重合性化合物を含む重合性組成物を硬化させてなり、前記有機層中における未硬化成分の総計が有機層の全質量の1.5質量%以下であるバリア性積層体。
<2>前記重合性化合物の1分子中に1個以上の芳香環を含む、<1>に記載のバリア性積層体。
<3>前記重合性化合物が、1分子中に2〜8個の芳香環と2〜8個の重合性基を含む、<1>に記載のバリア性積層体。
<4>前記重合性化合物が有する重合性基が(メタ)アクリロイルオキシ基である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のバリア性積層体。
<5>前記重合性組成物の固形分の合計の75質量%以上が2個以上の重合性基を有する重合性化合物である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載のバリア性積層体。
<6>前記重合性化合物が、一般式(1)で表される化合物および/または一般式(2)で表される化合物である、<1>〜<5>のいずれか1項に記載のバリア性積層体。
(一般式(1)中、R1およびR2は、それぞれ、水素原子、メチル基、またはシクロヘキシル基を表し、R3は、水素原子、メチル基または下記一般式(a)で表される基を表す。R4はメチル基または式(a)で表される基を表し、R5は水素原子、または下記A群より選択される基を表す。R6は、重合性基を含む1価の置換基を表す。一般式(1)で表される化合物は少なくとも2つの重合性基を有する。)
(一般式(a)中、R1、R2およびR9は、それぞれ、水素原子、メチル基、またはシクロヘキシル基を表し、R6は、重合性基を含む1価の置換基を表す。nは0〜2の整数を表す。*の位置で、一般式(1)に結合する。)
(A群)
(式中、R1およびR2は、それぞれ、水素原子、メチル基、またはシクロヘキシル基を表し、R6は、重合性基を含む1価の置換基を表す。)
(一般式(2)中、R6は、重合性基を含む1価の置換基を表す。R7、R8およびR9は、それぞれ、水素原子、メチル基、またはシクロヘキシル基を表し、mは、0または1を表す。)
<7>前記有機層の表面に前記無機バリア層を有する<1>〜<6>のいずれか1項に記載のバリア性積層体。
<8>前記無機バリア層、前記有機層、前記無機バリア層の順に、互いに隣接して積層した構造を有する、<1>〜<6>のいずれか1項に記載のバリア性積層体。
<9>基材フィルム上に、<1>〜<8>のいずれか1項に記載のバリア性積層体を設けたガスバリアフィルム。
<10><1>〜<8>のいずれか1項に記載のバリア性積層体または<9>に記載のガスバリアフィルムを有するデバイス。
<11><1>〜<8>のいずれか1項に記載のバリア性積層体または<9>に記載のガスバリアフィルムを有する太陽電池素子または有機EL素子。
<12><1>〜<8>のいずれか1項に記載のバリア性積層体または<9>に記載のガスバリアフィルムを有するデバイス光学部材。
<13><1>〜<8>のいずれか1項に記載のバリア性積層体または<9>に記載のガスバリアフィルムを有するデバイス封止用袋。
<14>重合性化合物を含む組成物(A)の不純物を除去した後、該重合性化合物を含む組成物(A)を含む重合性組成物を硬化させて有機層を形成することを含む、<1>〜<8>のいずれか1項に記載のバリア性積層体の製造方法。
<15><14>に記載のバリア性積層体の製造方法によりバリア性積層体を設けることを含むデバイスの製造方法。
本発明における有機層を採用することにより、出ガスの発生が少なく、無機バリア層と有機層の密着性を向上させることが可能になった。さらに、耐熱性能が向上したバリア性積層体を提供することが可能になった。
従来のバリア性積層体からガスが放出する状態を示す断面概略図である。 本発明のバリア性積層体の一例を示す断面概略図である。 本発明のガスバリアフィルムの構成の一例を示す断面概略図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。また、本発明における有機EL素子とは、有機エレクトロルミネッセンス素子のことをいう。本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートの両方を含む意味で使用される。
<バリア性積層体>
本発明のバリア性積層体は、少なくとも1層の有機層と、少なくとも1層の無機バリア層を有し、前記有機層は2個以上の重合性基を有する重合性化合物を含む重合性組成物を硬化させてなり、前記有機層中における未硬化成分の総計が有機層の全質量の1.5質量%以下であることを特徴とする。このような有機層を有するバリア性積層体とすることにより、有機層と無機バリア層の密着性を向上させ、耐熱性能を向上することができる。
本発明のバリア性積層体は、好ましくは、前記有機層の表面に、さらに、第2の無機バリア層を有するバリア性積層体であり、さらに好ましくは、前記第2の無機バリア層の表面に、さらに、第2の有機層を有するバリア性積層体である。
図2は、本発明のバリア性積層体の一例を示す断面概略図であって、1は第1の無機バリア層を、2は有機層を、3は第2の無機バリア層を、10はバリア性積層体をそれぞれ示している。
有機層を形成する際、重合性組成物を無機バリア層の上に塗布して硬化させることが一般的に行われている。ここで、例えば、特開2010−228446号公報に記載のような重合性組成物を使用した場合、重合性化合物に含まれていた未硬化成分(触媒、副生成物等)が有機層に残存してしまう。そして、この残存する未硬化成分が、その後のプロセス、例えば、デバイスに組み込む段階になって、大量の出ガスを放出することが分かった。特に、図2に示す本実施形態のように、有機層が2つの無機バリア層で挟まれている構成の場合には、未硬化成分由来のガスが無機バリア層を破壊してしまっていた。これに対し、本願発明では、重合性化合物に予め非重合性化合物が存在しないよう精製等を施すことから、上記のような問題が起こらない。すなわち、本発明のバリア性積層体は、高いガスバリア性を高温や真空プロセス化でも維持でき、なおかつ、有機層と無機バリア層の密着性を確保できる。
図2では、有機層2は1層のみであるが、さらに、第2の有機層を有していてもよい。2層以上の有機層を有する場合、そのうちの無機バリア層に隣接する1層が少なくとも上記有機層であればよい。すなわち、本願発明では、少なくとも2層の有機層と少なくとも2層の無機バリア層が交互に積層している構成が好ましい。さらに、バリア性積層体を構成する層数に関しては特に制限はないが、典型的には2層〜30層が好ましく、3層〜20層がさらに好ましい。
(有機層)
本発明における有機層のうち少なくとも1層は、本発明における重合性組成物を重合させてなるポリマーを含む。 本発明における重合性組成物は、1分子中に2個以上の重合性基を有する重合性化合物を含むが、1分子中に1個以上の芳香環と2個以上の重合性基を有する重合性化合物を含むことがより好ましく、1分子中に2〜8個の芳香環と2〜8個の重合性基を有する重合性化合物を含むことがさらに好ましく、1分子中に2〜6個の芳香環と2〜6個の重合性基を有する重合性化合物を含むことが特に好ましい。重合性基は、(メタ)アクリロイルオキシ基であることが好ましい。芳香環は、芳香環であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましい。本発明では特に、一般式(1)で表される化合物および一般式(2)で表される化合物の少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明では、分子中に2個以上の重合性基を有する化合物が耐熱性の三次元網目構造を形成する際、未硬化成分が1.5重量%以下であることで、本発明の効果を達成する。未硬化成分の総計を有機層の全質量の1.5質量%以下とする手段としては、重合性組成物の不純物を除去することにより達成される。より具体的には、1分子中に2個以上の重合性基を有する重合性化合物を含む組成物(A)を精製することによって達成される。精製手段としては、カラムクロマトグラフィ、水による洗浄、再結晶、蒸留等が例示される。市販品や合成品の重合性化合物は、純粋な重合性化合物ではなく、現実的には、微量の不純物を含む組成物(A)として提供される。かかる微量の不純物については、これまでは何ら着目することなくバリア性積層体が形成されていた。しかしながら、かかる重合性化合物を含む組成物(A)の不純物を除去することにより、バリア性および密着性を顕著に向上させることが可能であることを見だしたものである。
以下、一般式(1)で表される化合物および一般式(2)で表される化合物について説明する。
(一般式(1)中、R1およびR2は、それぞれ、水素原子、メチル基、またはシクロヘキシル基を表し、R3は、水素原子、メチル基または下記一般式(a)で表される基を表す。R4はメチル基または式(a)で表される基を表し、R5は水素原子、または下記A群より選択される基を表す。R6は、重合性基を含む1価の置換基を表す。一般式(1)で表される化合物は少なくとも2つの重合性基を有する。)
(一般式(a)中、R1、R2およびR9は、それぞれ、水素原子、メチル基、またはシクロヘキシル基を表し、R6は、重合性基を含む1価の置換基を表す。nは0〜2の整数を表す。*の位置で、一般式(1)に結合する。)
(A群)
(式中、R1およびR2は、それぞれ、水素原子、メチル基、またはシクロヘキシル基を表し、R6は、重合性基を含む1価の置換基を表す。)
(一般式(2)中、R6は、重合性基を含む1価の置換基を表す。R7、R8およびR9は、それぞれ、水素原子、メチル基、またはシクロヘキシル基を表し、mは、0または1を表す。)
1分子中に、R1〜R9が2個以上含まれる場合、それぞれ、同一であってもよいし、異なっていても良い。
6の重合性基を含む置換基としては、−CR10 2−(R10は水素原子または置換基)、−CO−、−O−、フェニレン基、−S−、−C≡C−、−NR11−(R11は水素原子または置換基)、−CR12=CR13−(R12、R13は、ぞれぞれ、水素原子または置換基)の1つ以上と、重合性基との組み合わせからなる基が挙げられ、−CR14 2−(R14は水素原子または置換基)、−CO−、−O−およびフェニレン基の1つ以上と、重合性基との組み合わせからなる基がより好ましい。
10〜R14の置換基としては、メチル基、水酸基が好ましい。
6の少なくとも1つの分子量が10〜250であることが好ましく、70〜150であることがより好ましい。
6が結合している位置としては、少なくともパラ位に結合していることが好ましい。
nは、0〜2の整数を示す。
一般式(1)または(2)で表される化合物は、R6の少なくとも2つが同じ構造であることが好ましい。
一般式(1)または(2)が有する重合性基は、(メタ)アクリロイル基またはエポキシ基であることが好ましく、(メタ)アクリロイル基であることがより好ましい。
一般式(1)または(2)が有する重合性基の数は、2つ以上であることが好ましく、3つ以上であることがより好ましい。また、上限は特に定めるものではないが、8つ以下であることが好ましく、6つ以下であることがより好ましい。
一般式(1)または(2)で表される化合物の分子量は、600〜1400が好ましく、800〜1200がより好ましい。
一般式(1)または(2)で表される化合物のうち、一般式(1)で表される化合物がより好ましい。
本発明では、一般式(1)または(2)で表される化合物を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含んでいる場合、例えば、同じ構造のR6を含み、かつ、該R6の数が異なる化合物およびそれらの異性体を含んでいる組成物が例示される。
本発明の上記一般式(1)または(2)によって表わされる重合性化合物の具体例として、以下の化合物を挙げることができる。本発明の化合物がこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。
上記化合物は、市販品として入手することができる。また、上記化合物は、公知の方法によって合成することもできる。例えば、エポキシアクリレートは、エポキシ化合物とアクリル酸との反応で得ることができる。これらの化合物は、通常、反応の際、2官能、3官能、5官能やその異性体なども生成する。これらの異性体を分離したい場合は、カラムクロマトグラフィによって分離できるが、本発明では、混合物として用いることも可能である。
上記以外の本発明で用いられる1分子中に2個以上の重合性基を有する重合性化合物としては、以下の化合物も用いることができる。
本発明における重合性組成物における、分子中に2個以上の重合性基を有する重合性化合物の配合量は、溶媒を除く固形分に対し、30〜99質量%であることが好ましく、50〜95質量%であることがより好ましい。
本発明における重合性組成物は、溶媒を除く固形分に対し、全固形分の60質量%以上が、分子中に2個以上の重合性基を有する重合性化合物(好ましくは一般式(1)または(2)で表される化合物)で構成されることが好ましく、75質量%以上が分子中に2個以上の重合性基を有する重合性化合物(好ましくは一般式(1)または(2)で表される化合物)で構成されることが好ましい。
他の重合性化合物
本発明における有機層に用いる重合性組成物は、他の重合性化合物を含んでいてもよい。このような重合性化合物は、その種類等特に定めるものではないが、好ましくは、ラジカル重合性化合物および/またはエーテル基を官能基に有するカチオン重合性化合物であり、より好ましくは、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物、および/または、エポキシまたはオキセタンを末端または側鎖に有する化合物である。これらのうち、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物が好ましい。エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物の例としては、(メタ)アクリレート系化合物、アクリルアミド系化合物、スチレン系化合物、無水マレイン酸等が挙げられ、(メタ)アクリレート系化合物および/またはスチレン系化合物が好ましく、(メタ)アクリレート系化合物がさらに好ましい。これらの化合物の配合量は、本発明における重合性組成物の溶剤を除く固形分に対し10質量%以下であることが好ましい。
(メタ)アクリレート系化合物としては、(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートやポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が好ましい。
スチレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、4−ヒドロキシスチレン、4−カルボキシスチレン等が好ましい。
以下に、本発明で好ましく用いられる(メタ)アクリレート系化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(重合開始剤)
本発明における有機層は、通常、重合性組成物を塗布硬化させて得られる。本発明では、前記重合性組成物に熱または各種のエネルギー線を照射して重合、架橋させることにより高分子を主成分とする有機層を形成する。エネルギー線の例としては紫外線、可視光線、赤外線、電子線、エックス線、ガンマ線等が挙げられる。このとき、熱で重合させる場合は熱重合開始剤を、紫外線で重合させる場合は光重合開始剤を、可視光線で重合させる場合は光重合開始剤と増感剤を用いる。以上の中では、光重合開始剤を含有する重合性化合物を紫外線で重合、架橋することが好ましい。光重合開始剤を用いる場合、その含量は、重合性化合物の合計量の0.1モル%以上であることが好ましく、0.5〜2モル%であることがより好ましい。このような組成とすることにより、活性成分生成反応を経由する重合反応を適切に制御することができる。光重合開始剤の例としてはチバ・スペシャルティー・ケミカルズ社から市販されているイルガキュア(Irgacure)シリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア754、イルガキュア184、イルガキュア2959、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819など)、ダロキュア(Darocure)シリーズ(例えば、ダロキュアTPO、ダロキュア1173など)、クオンタキュア(Quantacure)PDO、ランベルティ(Lamberti)社から市販されているエザキュア(Esacure)シリーズ(例えば、エザキュアTZM、エザキュアTZTなど)等が挙げられる。
(有機層の形成方法)
重合性組成物を層状にする方法としては、通常、基材フィルムまたは無機バリア層等の支持体の上に、重合性組成物を適用して形成する。適用方法としては、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、スライドコート法、或いは、米国特許第2681294号明細書に記載のホッパ−を使用するエクストル−ジョンコート法が例示され、この中でも塗布による方法が好ましく採用できる。
照射する光は、通常、高圧水銀灯もしくは低圧水銀灯による紫外線である。照射エネルギーは0.1J/cm2以上が好ましく、0.5J/cm2以上がより好ましい。重合性化合物として、(メタ)アクリレート系化合物を採用する場合、空気中の酸素によって重合阻害を受けるため、重合時の酸素濃度もしくは酸素分圧を低くすることが好ましい。窒素置換法によって重合時の酸素濃度を低下させる場合、酸素濃度は2%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。減圧法により重合時の酸素分圧を低下させる場合、全圧が1000Pa以下であることが好ましく、100Pa以下であることがより好ましい。また、100Pa以下の減圧条件下で0.5J/cm2以上のエネルギーを照射して紫外線重合を行うのが特に好ましい。
本発明における有機層は、平滑で、膜硬度が高いことが好ましい。有機層の平滑性は1μm角の平均粗さ(Ra値)として1nm未満であることが好ましく、0.5nm未満であることがより好ましい。モノマーの重合率は85%以上であることが好ましく、88%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、92%以上であることが特に好ましい。ここでいう重合率とはモノマー混合物中の全ての重合性基(例えば、アクリロイル基およびメタクリロイル基)のうち、反応した重合性基の比率を意味する。重合率は赤外線吸収法によって定量することができる。
有機層の膜厚については特に限定はないが、薄すぎると膜厚の均一性を得ることが困難になるし、厚すぎると外力によりクラックを発生してバリア性が低下する。かかる観点から、有機層の厚みは50nm〜2000nmが好ましく、200nm〜1500nmがより好ましい。
有機層の表面にはパーティクル等の異物、突起が無いことが要求される。このため、有機層の成膜はクリーンルーム内で行われることが好ましい。クリーン度はクラス10000以下が好ましく、クラス1000以下がより好ましい。
有機層の硬度は高いほうが好ましい。有機層の硬度が高いと、無機バリア層が平滑に成膜されその結果としてバリア能が向上することがわかっている。有機層の硬度はナノインデンテーション法に基づく微小硬度として表すことができる。有機層の微小硬度は100N/mm以上であることが好ましく、150N/mm以上であることがより好ましい。
(無機バリア層)
無機バリア層は、通常、金属化合物からなる薄膜の層である。無機バリア層の形成方法は、目的の薄膜を形成できる方法であればいかなる方法でも用いることができる。例えば、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法(PVD)、種々の化学的気相成長法(CVD)、めっきやゾルゲル法等の液相成長法がある。本発明では、スパッタリング法で作成した場合であっても、高いバリア性を維持することができる。無機バリア層に含まれる成分は、上記性能を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物または金属炭化物であり、Si、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce、またはTa等から選ばれる1種以上の金属を含む酸化物、窒化物、炭化物もしくは酸化窒化物、酸化窒化炭化物などを好ましく用いることができる。これらの中でも、Si、Al、In、Sn、Zn、Tiから選ばれる金属の酸化物、窒化物もしくは酸化窒化物が好ましく、特にSiまたはAlの金属酸化物、窒化物もしくは酸化窒化物が好ましい。これらは、副次的な成分として他の元素を含有してもよい。本発明では、無機バリア層の材料として、金属酸化物を用い、プラズマプロセスにより成膜した場合であっても、高いバリア性を有するバリア性積層体が得られる点で、極めて有意である。本発明では特に、窒化珪素、酸化ケイ素もしくは窒素化珪素、酸化ケイ素、炭化珪素の混合酸化物が好ましい。これらの無機物を採用することにより、有機層と無機バリア層の密着性がより向上する。さらに好ましくは、窒化珪素であることにより、緻密な膜が得られ高いバリア性を有するバリア積層体が得られる点で望ましい。
本発明により形成される無機バリア層の平滑性は、1μm角の平均粗さ(Ra値)として1nm未満であることが好ましく、0.5nm以下がより好ましい。このため、無機バリア層の成膜はクリーンルーム内で行われることが好ましい。クリーン度はクラス10000以下が好ましく、クラス1000以下がより好ましい。
無機バリア層の厚みに関しては特に限定されないが、1層に付き、通常、5〜500nmの範囲内であり、好ましくは20〜200nmである。無機バリア層は2層以上積層してもよい。本発明では、無機バリア層を2層以上設ける態様において、層間の密着性が向上し、かつ、電子デバイスに用いたときの故障率を低減することができる。また、2層以上設ける場合、各層が同じ組成であっても異なる組成であってもよい。また、2層以上積層する場合は、各々の無機バリア層が上記の好ましい範囲内にあるように設計することが望ましい。また、上述したとおり、米国公開特許2004−46497号明細書に開示してあるように有機層との界面が明確で無く、組成が膜厚方向で連続的に変化する層を含んでいてもよい。
(有機層と無機バリア層の積層)
有機層と無機バリア層の積層は、所望の層構成に応じて有機層と無機バリア層を順次繰り返し成膜することにより行うことができる。無機バリア層を、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法などの真空成膜法で形成する場合、有機層も前記フラッシュ蒸着法のような真空成膜法で形成することが好ましい。特に、本発明は、少なくとも2層の有機層と少なくとも2層の無機バリア層を交互に積層した場合に、高いバリア性を発揮することができる。さらに、2層の無機バリア層に挟まれた有機層が2層以上含まれる構成、例えば、無機バリア層、有機層、無機バリア層、有機層、無機バリア層が該順に互いに隣接している構成では、さらに高いバリア性を発揮することができる。特に、本発明では、重合性芳香族シランカップリング剤由来の有機層の表面に無機バリア層を設けることにより、該有機層と該無機バリア層の密着性が向上し、より好ましい。
(機能層)
本発明のデバイスにおいては、バリア性積層体上、もしくはその他の位置に、機能層を有していても良い。機能層については、特開2006−289627号公報の段落番号0036〜0038に詳しく記載されている。これら以外の機能層の例としてはマット剤層、保護層、帯電防止層、平滑化層、密着改良層、遮光層、反射防止層、ハードコート層、応力緩和層、防曇層、防汚層、被印刷層、易接着層等が挙げられる。
(バリア性積層体の用途)
本発明のバリア性積層体は、通常、支持体の上に設けるが、この支持体を選択することによって、様々な用途に用いることができる。支持体には、基材フィルムのほか、各種のデバイス、光学部材等が含まれる。具体的には、本発明のバリア性積層体はガスバリアフィルムのバリア層として用いることができる。また、本発明のバリア性積層体およびガスバリアフィルムは、バリア性を要求するデバイスの封止に用いることができる。本発明のバリア性積層体およびガスバリアフィルムは、光学部材にも適用することができる。以下、これらについて詳細に説明する。
<ガスバリアフィルム>
ガスバリアフィルムは、基材フィルムと、該基材フィルム上に形成されたバリア性積層体とを有する。図3は、本発明のガスバリアフィルムの構成の一例を示したものであって、基材フィルム5の上に、有機層と無機バリア層が交互に設けられた構成を示している。具体的には、基材フィルム5の側から順に、有機層6、無機バリア層1、有機層2、無機バリア層3の順に、それぞれの面が互いに隣接するように設けられている。有機層6は、アンダーコート層とも呼ばれ、基材フィルム5と無機バリア層13の密着性を向上させている。有機層6は、本発明における重合性組成物を重合させてなる有機層であってもよいし、他の有機層であってもよい。
ガスバリアフィルムにおいて、本発明のバリア性積層体は、基材フィルムの片面にのみ設けられていてもよいし、両面に設けられていてもよい。本発明のバリア性積層体は、基材フィルム側から無機バリア層、有機層の順に積層していてもよいし、有機層、無機バリア層の順に積層していてもよい。本発明のバリア性積層体の最上層は無機バリア層でも有機層でもよい。
ガスバリアフィルムはバリア性積層体、基材フィルム以外の構成成分(例えば、易接着層等の機能性層)を有しても良い。機能性層はバリア性積層体の上、バリア性積層体と基材フィルムの間、基材フィルム上のバリア性積層体が設置されていない側(裏面)のいずれに設置してもよい。
(プラスチックフィルム)
本発明におけるガスバリアフィルムは、通常、基材フィルムとして、プラスチックフィルムを用いる。用いられるプラスチックフィルムは、有機層、無機バリア層等の積層体を保持できるフィルムであれば材質、厚み等に特に制限はなく、使用目的等に応じて適宜選択することができる。前記プラスチックフィルムとしては、具体的には、金属支持体(アルミニウム、銅、ステンレス等)ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン樹脂、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィルンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、フルオレン環変性ポリエステル樹脂、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
本発明のガスバリアフィルムを後述する有機EL素子等のデバイスの基板として使用する場合は、プラスチックフィルムは耐熱性を有する素材からなることが好ましい。具体的には、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上および/または線熱膨張係数が40ppm/℃以下で耐熱性の高い透明な素材からなることが好ましい。Tgや線膨張係数は、添加剤などによって調整することができる。このような熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN:120℃)、ポリカーボネート(PC:140℃)、脂環式ポリオレフィン(例えば日本ゼオン(株)製 ゼオノア1600:160℃)、ポリアリレート(PAr:210℃)、ポリエーテルスルホン(PES:220℃)、ポリスルホン(PSF:190℃)、シクロオレフィンコポリマー(COC:特開2001−150584号公報の化合物:162℃)、ポリイミド(例えば三菱ガス化学(株)ネオプリム:260℃)、フルオレン環変性ポリカーボネート(BCF−PC:特開2000−227603号公報の化合物:225℃)、脂環変性ポリカーボネート(IP−PC:特開2000−227603号公報の化合物:205℃)、アクリロイル化合物(特開2002−80616号公報の化合物:300℃以上)が挙げられる(括弧内はTgを示す)。特に、透明性を求める場合には脂環式ポレオレフィン等を使用するのが好ましい。
本発明のガスバリアフィルムを偏光板と組み合わせて使用する場合、ガスバリアフィルムのバリア性積層体がセルの内側に向くようにし、最も内側に(素子に隣接して)配置することが好ましい。このとき偏光板よりセルの内側にガスバリアフィルムが配置されることになるため、ガスバリアフィルムのレターデーション値が重要になる。このような態様でのガスバリアフィルムの使用形態は、レターデーション値が10nm以下の基材フィルムを用いたガスバリアフィルムと円偏光板(1/4波長板+(1/2波長板)+直線偏光板)を積層して使用するか、あるいは1/4波長板として使用可能な、レターデーション値が100nm〜180nmの基材フィルムを用いたガスバリアフィルムに直線偏光板を組み合わせて用いるのが好ましい。
レターデーションが10nm以下の基材フィルムとしてはセルローストリアセテート(富士フイルム(株):富士タック)、ポリカーボネート(帝人化成(株):ピュアエース、(株)カネカ:エルメック)、シクロオレフィンポリマー(JSR(株):アートン、日本ゼオン(株):ゼオノア)、シクロオレフィンコポリマー(三井化学(株):アペル(ペレット)、ポリプラスチック(株):トパス(ペレット))ポリアリレート(ユニチカ(株):U100(ペレット))、透明ポリイミド(三菱ガス化学(株):ネオプリム)等を挙げることができる。
また1/4波長板としては、上記のフィルムを適宜延伸することで所望のレターデーション値に調整したフィルムを用いることができる。
本発明のガスバリアフィルムは有機EL素子等のデバイスとして利用されることから、プラスチックフィルムは透明であること、すなわち、光線透過率が通常80%以上、好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。光線透過率は、JIS−K7105に記載された方法、すなわち積分球式光線透過率測定装置を用いて全光線透過率および散乱光量を測定し、全光線透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。
本発明のガスバリアフィルムをディスプレイ用途に用いる場合であっても、観察側に設置しない場合などは必ずしも透明性が要求されない。したがって、このような場合は、プラスチックフィルムとして不透明な材料を用いることもできる。不透明な材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、公知の液晶ポリマーなどが挙げられる。
本発明のガスバリアフィルムに用いられるプラスチックフィルムの厚みは、用途によって適宜選択されるので特に制限がないが、典型的には1〜800μmであり、好ましくは10〜200μmである。これらのプラスチックフィルムは、透明導電層、プライマー層等の機能層を有していても良い。機能層については、特開2006−289627号公報の段落番号0036〜0038に詳しく記載されている。これら以外の機能層の例としてはマット剤層、保護層、帯電防止層、平滑化層、密着改良層、遮光層、反射防止層、ハードコート層、応力緩和層、防曇層、防汚層、被印刷層、易接着層等が挙げられる。
<デバイス>
本発明のバリア性積層体およびガスバリアフィルムは空気中の化学成分(酸素、水、窒素酸化物、硫黄酸化物、オゾン等)によって性能が劣化するデバイスに好ましく用いることができる。前記デバイスの例としては、例えば、有機EL素子、液晶表示素子、薄膜トランジスタ、タッチパネル、電子ペーパー、太陽電池等)等の電子デバイスを挙げることができ有機EL素子に好ましく用いられる。
本発明のバリア性積層体は、また、デバイスの膜封止に用いることができる。すなわち、デバイス自体を支持体として、その表面に本発明のバリア性積層体を設ける方法である。バリア性積層体を設ける前にデバイスを保護層で覆ってもよい。
本発明のガスバリアフィルムは、デバイスの基板や固体封止法による封止のためのフィルムとしても用いることができる。固体封止法とはデバイスの上に保護層を形成した後、接着剤層、ガスバリアフィルムを重ねて硬化する方法である。接着剤は特に制限はないが、熱硬化性エポキシ樹脂、光硬化性アクリレート樹脂等が例示される。
従来のバリア性積層体およびガスバリアフィルムは、これらをデバイスに組み込み、その状態で、80℃以上の温度で加熱したとき、シランカップリング剤由来のアルコールガスを放出し、デバイスにダメージを与えてしまっていた。しかしながら、本発明のバリア性積層体およびガスバリアフィルムは、80℃以上の温度(例えば、80〜200℃)で加熱してもアルコールガスを大量に放出しないため、デバイスにダメージを与えることを効果的に抑制できる。
(有機EL素子)
ガスバリアフィルム用いた有機EL素子の例は、特開2007−30387号公報に詳しく記載されている。有機EL素子の製造工程には、ITOのエッチング工程後の乾燥工程や湿度の高い条件下での工程があるため、本発明のガスバリアフィルムを用いることは極めて優位である。
(液晶表示素子)
反射型液晶表示装置は、下から順に、下基板、反射電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、透明電極、上基板、λ/4板、そして偏光膜からなる構成を有する。本発明におけるガスバリアフィルムは、前記透明電極基板および上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を反射電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。透過型液晶表示装置は、下から順に、バックライト、偏光板、λ/4板、下透明電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、上透明電極、上基板、λ/4板および偏光膜からなる構成を有する。このうち本発明の基板は、前記上透明電極および上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を下透明電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。液晶セルの種類は特に限定されないが、より好ましくはTN型(Twisted Nematic)、STN型(Super Twisted Nematic)またはHAN型(Hybrid Aligned
Nematic)、VA型(Vertically Alignment)、ECB型(Electrically Controlled Birefringence)、OCB型(Optically Compensated Bend)、CPA型(Continuous Pinwheel Alignment)、IPS型(In Plane Switching)であることが好ましい。
(太陽電池)
本発明のバリア性積層体およびガスバリアフィルムは、太陽電池素子の封止フィルムとしても用いることができる。ここで、本発明のバリア性積層体およびガスバリアフィルムは、接着層が太陽電池素子に近い側となるように封止することが好ましい。太陽電池は、ある程度の熱と湿度に耐えることが要求されるが、本発明のバリア性積層体およびガスバリアフィルムは好適である。本発明のバリア性積層体およびガスバリアフィルムが好ましく用いられる太陽電池素子としては、特に制限はないが、例えば、単結晶シリコン系太陽電池素子、多結晶シリコン系太陽電池素子、シングル接合型、またはタンデム構造型等で構成されるアモルファスシリコン系太陽電池素子、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウム燐(InP)等のIII−V族化合物半導体太陽電池素子、カドミウムテルル(CdTe)等のII−VI族化合物半導体太陽電池素子、銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池素子、色素増感型太陽電池素子、有機太陽電池素子等が挙げられる。中でも、本発明においては、上記太陽電池素子が、銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池素子であることが好ましい。
(その他)
その他の適用例としては、特表平10−512104号公報に記載の薄膜トランジスタ、特開平5−127822号公報、特開2002−48913号公報等に記載のタッチパネル、特開2000−98326号公報に記載の電子ペーパー、特開平9−18042号公報に記載の太陽電池等が挙げられる。
また、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等の樹脂フィルムと、本発明のバリア性積層体またはガスバリアフィルムを積層して封止用袋として用いることができる。これらの詳細については、特開2005−247409号公報、特開2005−335134号公報等の記載を参酌できる。
<光学部材>
本発明のガスバリアフィルムを用いる光学部材の例としては円偏光板等が挙げられる。
(円偏光板)
本発明におけるガスバリアフィルムを基板としλ/4板と偏光板とを積層し、円偏光板を作製することができる。この場合、λ/4板の遅相軸と偏光板の吸収軸とが45°になるように積層する。このような偏光板は、長手方向(MD)に対し45°の方向に延伸されているものを用いることが好ましく、例えば、特開2002−865554号公報に記載のものを好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
(参考例1)
(原料エポキシ化合物の製造)4,4'−(1,3−フェニレンビス(2,2−プロピリデン))ビスフェノール(225.0g)をエピクロロヒドリン(241.0g)に溶解させ、次いで、60℃で6時間攪拌した。この際、反応の開始時と反応の開始から2時間後の2回に分けて、48%水酸化ナトリウム水溶液を合計にて4.4g滴下した。その後、減圧下に48%水酸化ナトリウム水溶液(4.4g)を2時間かけて滴下し、それと同時に反応系に加わる水と反応系にて生成する水とを除去した。
反応終了後、過剰のエピクロロヒドリンを除去し、得られた樹脂状物にトルエンを加えた後、生成した塩化ナトリウムを水洗によって除去した。さらに、10%水酸化ナトリウム水溶液(6.4g)とベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(0.4mL)とを加え、80℃で90分間攪拌し、静置分液後、水層を除去した。得られた樹脂のトルエン溶液に5%リン酸二水素ナトリウム水溶液を加え、80℃で30分間攪拌して中和し、静置分液後、水層を除去した。この後、トルエンを濃縮除去して、原料エポキシ化合物として、4,4'−〔1,3−フェニレンビス(2,2−プロピリデン)〕ビス〔フェニレンオキシメチレンオキシラン〕を主成分とする反応生成物113.8gを得た。
(合成例1)
(α,α'−ビス〔4−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕−α,α,α',α'−テトラメチル−m−キシレンの製造)攪拌翼、温度計、先端に塩化カルシウム管を取付けた還流冷却管および空気吹き込みのためのキャピラリーを取付けた300mL容量3つ口フラスコに、上記参考例1において得られた4,4'−〔1,3−フェニレンビス(2,2−プロピリデン)〕ビス〔フェニレンオキシメチレンオキシラン〕を主成分とするビスフェノール化合物(エポキシ当量248)(37.2g)、アクリル酸(12.96g)、テトラn−ブチルアンモニウムブロミド(2.42g)、ヒドロキノンモノメチルエーテル(0.025g)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(0.025g)およびトルエン(150g)を仕込み、これに空気を吹き込みながら攪拌し、加熱、還流下に8時間反応させ、EA−1−Aを得た。
反応終了後、得られた反応混合物(溶液)の酸価は8.0mgKOH/gであった。この反応混合物EA−1−Aを室温まで冷却し、これに酢酸エチル(250mL)を加えて希釈し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)で2回、水(100mL)で2回洗浄した後、有機層を分取した。これに無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過した。得られた濾液から溶媒を減圧下に留去して、目的物であるエポキシアクリレート化合物(EA−1−B)(47.5g)(収率99%)を粘稠な淡黄色液体として得た。
このエポキシアクリレート化合物の40℃における粘度は39500mPa・s、25℃における屈折率は1.562であり、窒素気流中におけるTG/DSC(示差走査熱量測定)による10%重量減少温度は387℃であった。
(参考例2)
(原料エポキシ化合物の製造)
4,4'−(1−メチルエチリデン)ビス(2−シクロヘキシルフェノール)294.5gをエピクロロヒドリン(694.0g)に溶解させ、次いで、これに水(1.3g)を加え、60℃で5時間攪拌した。この際、反応の開始時と反応器の開始から2時間後の2回に分けて、48%水酸化ナトリウム水溶液を合計にて(12.4g)滴下した。その後、減圧下に48%水酸化ナトリウム水溶液(130.0g)を2時間かけて滴下し、それと同時に反応系に加わる水と反応系にて生成する水とを除去した。
反応終了後、過剰のエピクロロヒドリンを除去し、得られた樹脂層にメチルイソブチルケトンを加えた後、生成した塩化ナトリウムを水洗によって除去した。さらに、10%水酸化ナトリウム水溶液(229.5g)とベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(0.5mL)とを加え、80℃で90分間攪拌し、静置分液後、水層を除去した。
得られた樹脂のメチルイソブチルケトン溶液に5%リン酸二水素ナトリウム水溶液を加え、80℃で30分間攪拌して中和し、静置分液後,水層を除去した。この後、メチルイソブチルケトンを濃縮除去して、原料エポキシ化合物として、4,4'−(1−メチルエチリデン)ビス(2−シクロヘキシルフェニレンオキシメチレンオキシラン)を主成分とする反応生成物308.0gを得た。
(合成例2)
攪拌翼、温度計、先端に塩化カルシウム管を取付けた還流冷却管および空気吹き込みのためのキャピラリーを取付けた500mL容量四つ口フラスコに上記参考例2で得た4,4'−(1−メチルエチリデン)ビス(2−シクロヘキシルフェニレンオキシメチレンオキシラン)(63.4g)、アクリル酸(20.73g)、テトラブチルアンモニウムブロミド(3.87g)、ヒドロキノンモノメチルエーテル(0.042g)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(0.042g)およびトルエン(240g)を仕込み、これに空気を吹き込みながら攪拌し、加熱、還流下に8時間反応させ、EA−2−Aを得た。
反応終了後、得られた反応混合物(溶液)の酸価は7.7mgKOH/gであった。この反応混合物を室温まで冷却し、これに酢酸エチル400mLを加えて希釈し、2%水酸化ナトリウム水溶液120mLで1回、水120mLで2回洗浄した後、有機層を分取した。これを無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過した。得られた濾液から溶媒を減圧下に留去して、目的物であるエポキシアクリレート化合物(EA−2−B)(80g)を淡黄色の粘稠液体として得た。収率は99%以上であった。
(参考例3)
(原料エポキシ化合物の製造)
温度計、滴下ロート、冷却管、攪拌器を取り付けた内容積 1L(リットル) の4つ口フラスコに、窒素気流下、 2,2',3,5',6,6'−ヘキサメチルビフェノール(67.5g)、エピクロロヒドリン(462.5g)、およびジメチルスルホキシド(170g)を入れ、これに溶解させた。この溶液を55℃に加熱し、フレーク状水酸化ナトリウム(20g)を100分間かけて分割添加した後、55℃で2時間、さらに70℃で30分間反応させた。反応終了後、ロータリーエバポレーターを使用し、130℃の加熱減圧下で過剰のエピクロロヒドリン、ジメチルスルホキシド等を留去した後、メチルイソブチルケトン(96g)を加え残留物を溶解した。
上記で得たメチルイソブチルケトンの溶液を70℃に加熱し、30%水酸化ナトリウム水溶液 5gを添加し、1時間反応させた。反応後、洗浄液のpHが中性となるまで純水で反応液の洗浄を繰り返した。水層を相分離させて除去し、ロータリーエバポレーターを使用して加熱減圧下、有機層からメチルイソブチルケトンを留去し、エポキシ化合物(86g)を得た。
(合成例3)
上記で得たエポキシ化合物(86g)とアクリル酸(32.5g)とを60℃で溶解させた (エポキシ化合物:アクリル酸=0.5:1 モル比) 後、触媒として塩化トリエチルベンジル(1.7g)および重合禁止剤としてハイドロキノン(0.05g)を添加し、90〜95℃に加熱して、攪拌下に反応させた。反応中、酸価とエポキシ当量を測定し、酸価 2.0 mgKOH/g以下に到達した時点を反応の終点として14時間反応を行いエポキシアクリレート化合物(EA−3−A)を収率98%で得た。得られた目的物は温度60℃で粘稠な液体であった。
この反応混合物を室温まで冷却し、これに酢酸エチル250mLを加えて希釈し、2%水酸化ナトリウム水溶液100mLで1回、水100mLで2回洗浄した後、有機層を分取した。これを無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過した。得られた濾液から溶媒を減圧下に留去して、目的物であるエポキシアクリレート化合物(EA−3−B)(50g)を淡黄色の粘稠液体として得た。収率は99%以上であった。
(合成例4)
4,4‘‐[1‐[4‐[1‐(4−ヒドロキシフェニル)‐1‐メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(4.25g)、トリエチルアミン(3.34g)、テトラヒドロフラン(7g部)を仕込み、0℃に冷却した。その後、アクリル酸クロリド(2.99g)を滴下し、反応温度0℃で1時間撹拌した後、25℃で3時間撹拌した。この反応混合物に酢酸エチル(50mL)を加えて希釈し、水(50mL)で2回洗浄した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(80mL)で1回、水(50mL)で1回、飽和食塩水で1回洗浄し、有機層を分取した。これを無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過した。得られた濾液から溶媒を減圧下に留去して、目的物である重合性化合物(EA−4−B)(72.1g)を酢酸エチル溶液として得た。
(合成例5)
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(96.5g)(エポキシ当量170.2)およびジ−tert−ブチル−p−クレゾール(DBPC)(0.13g)の混合物を95℃まで加熱し、撹拌し、気体導入フリットを使って空気を飽和させた。この混合物に22分間かけて、アクリル酸(7.4ml)に溶解したイソオクタン酸CrIII(Hexcem)(0.258g)を滴下した。残りのアクリル酸(21.3ml、合計87.3g、95当量%)を40分間かけて計り入れた。100℃でさらに5時間撹拌した後、混合物を室温まで冷却し、目的とするエポキシアクリレート化合物を含む、均一で透明な僅かに緑色がかった液体(EA−5−A)を得た。
この反応混合物を室温まで冷却し、これに酢酸エチル(500mL)を加えて希釈し、2%水酸化ナトリウム水溶液150mLで1回、水150mLで2回洗浄した後、有機層を分取した。これを無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過した。得られた濾液から溶媒を減圧下に留去して、目的物であるエポキシアクリレート化合物(EA−5−B)(140g)を淡黄色の粘稠液体として得た。収率は99%以上であった。
(参考例1)
(原料エポキシ化合物の製造)1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(196.3g)をエピクロロヒドリン(241.0g)に溶解させ、次いで、60℃で6時間攪拌した。この際、反応の開始時と反応の開始から2時間後の2回に分けて、48%水酸化ナトリウム水溶液を合計にて4.4g滴下した。その後、減圧下に48%水酸化ナトリウム水溶液(4.4g)を2時間かけて滴下し、それと同時に反応系に加わる水と反応系にて生成する水とを除去した。
反応終了後、過剰のエピクロロヒドリンを除去し、得られた樹脂状物にトルエンを加えた後、生成した塩化ナトリウムを水洗によって除去した。さらに、10%水酸化ナトリウム水溶液(6.4g)とベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(0.4mL)とを加え、80℃で90分間攪拌し、静置分液後、水層を除去した。得られた樹脂のトルエン溶液に5%リン酸二水素ナトリウム水溶液を加え、80℃で30分間攪拌して中和し、静置分液後、水層を除去した。この後、トルエンを濃縮除去して、原料エポキシ化合物として、1,1,2,2−テトラキス〔4−オキシメチレンオキシラン〕フェニル〕エタンを主成分とする反応生成物99.3gを得た。
(合成例6)
(1,1,2,2−テトラキス〔4−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕エタンの製造)攪拌翼、温度計、先端に塩化カルシウム管を取付けた還流冷却管および空気吹き込みのためのキャピラリーを取付けた300mL容量3つ口フラスコに、上記参考例1において得られた1,1,2,2−テトラキス〔4−オキシメチレンオキシラン〕フェニル〕エタンを主成分とする化合物(エポキシ当量155.7)(28.0g)、アクリル酸(12.96g)、テトラn−ブチルアンモニウムブロミド(2.42g)、ヒドロキノンモノメチルエーテル(0.025g)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(0.025g)およびトルエン(150g)を仕込み、これに空気を吹き込みながら攪拌し、加熱、還流下に8時間反応させ、EA−6−Aを得た。
反応終了後、得られた反応混合物(溶液)の酸価は6.0mgKOH/gであった。この反応混合物EA−6−Aを室温まで冷却し、これに酢酸エチル(250mL)を加えて希釈し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)で2回、水(100mL)で2回洗浄した後、有機層を分取した。これに無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過した。得られた濾液から溶媒を減圧下に留去して、目的物であるエポキシアクリレート化合物(EA−6−B)(40.9g)(収率99%)を粘稠な淡黄色液体として得た。
(合成例7)
2,6−ビス−(4−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール(3.21g)、トリエチルアミン(3.34g)、テトラヒドロフラン(7g部)を仕込み、0℃に冷却した。その後、アクリル酸クロリド(2.99g)を滴下し、反応温度0℃で1時間撹拌した後、25℃で3時間撹拌した。この反応混合物に酢酸エチル(50mL)を加えて希釈し、水(50mL)で2回洗浄した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(80mL)で1回、水(50mL)で1回、飽和食塩水で1回洗浄し、有機層を分取した。これを無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過した。得られた濾液から溶媒を減圧下に留去して、目的物である重合性化合物(EA−7−B)(54.4g)を酢酸エチル溶液として得た。
(実施例1)
有機層塗布溶液の調整
重合性化合物(EA−1−B)(7重量部)、シランカップリング剤(KBM−5130、信越化学社製)(1重量部)、重合開始剤(有機層塗布溶液の全固形分に対し0.16重量%)、メチルエチルケトン(MEK)(32重量部)からなる有機層塗布溶液を調整した。
ガスバリアフィルムの作製
ポリエチレンナフタレートフィルム(帝人デュポン社製、テオネックスQ65FA、厚さ100μm)上に、上記で調整した有機層塗布溶液を乾燥膜厚が1000nmとなるようにメチルエチルケトンで調整して成膜し、窒素100ppm雰囲気下で紫外線照射量0.5J/cm2で照射して硬化させ、有機層を作製した。その有機層表面に、膜厚が40nmとなるようにSiNをプラズマCVD法で成膜した。さらに、同様の有機層、無機バリア層、有機層を積層し、バリアフィルムを作製した。
シランカップリング剤(KBM−5130)
得られたガスバリアフィルムについて、下記手法により、有機層中の未硬化成分の量、水蒸気透過率、密着性、および耐熱性を評価した。
[有機層中の未硬化成分の定量]
サイズが10cm×10cmのガラス基板上に、上記で調整した有機層塗布溶液を乾燥膜厚が1000nmとなるようにメチルエチルケトンで調整して成膜し、窒素100ppm雰囲気下で紫外線照射量0.5J/cm2で照射して硬化させ、有機層を作製した。得られた有機層付きガラス基板をメチルエチルケトン50mlの入ったシャーレに浸漬させた。1時間放置した後、メチルエチルケトンを取り出し、メチルエチルケトンを50℃で留去した。残存した不純物の重量を測定した。結果を下記表に示した。単位は、質量%で示した。
[バリア性能]
G.NISATO、P.C.P.BOUTEN、P.J.SLIKKERVEERらSID Conference Record of the International Display Research Conference 1435-1438頁に記載の方法を用いて水蒸気透過率(g/m2/day)を測定した。このときの温度は40℃、相対湿度は90%とした。結果を下記表に示した。
[無機層製膜性]
作製したガスバリアフィルムの透明性を目視で評価した。白濁無い場合は○、白濁有る場合は×とした。結果を下記表に示した。
[密着性の試験]
ガスバリアフィルムの密着性を評価する目的で、JIS K5400に準拠した碁盤目試験を行なった。上記層構成を有するガスバリアフィルムの表面にそれぞれカッターナイフで膜面に対して90°の切込みを1mm間隔で入れ、1mm間隔の碁盤目を100個作製した。この上に2cm幅のマイラーテープ[日東電工製、ポリエステルテープ(No.31B)]を貼り付け、テープ剥離試験機を使用して貼り付けたテープをはがした。積層フィルム上の、100個の碁盤目のうち剥離せずに残存したマスの数(n)をカウントした。結果は、%で示した。
[耐熱性試験]
ガスバリアフィルムの耐熱性を評価する目的で、200℃の恒温槽に上記ガスバリアフィルムを入れて、1時間保持した。10cm□を観察し、無機バリア層と無機バリア層に挟まれた有機層中でのガス発生による膨れ部の有無を評価した。膨れ部なしのものは○で表し、膨れ部ありのものは×で表した。
(実施例2、4、参考例1〜4)
前記実施例1において、EA−1−Bを下記表1に示す化合物に変更した以外は実施例1と同様の方法により、バリア性能、および密着性の試験を実施した。結果を表1に示す。
(実施例8)
エポキシアクリレートであるNKオリゴEA−6320(新中村化学社製)15gに酢酸エチル60mLを加えて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液60mLで2回洗浄した後、有機層を分取した。これを無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過した。得られた濾液から溶媒を減圧下に留去して、目的物であるエポキシアクリレート化合物(EA−8−B)100gを淡黄色の粘稠液体として得た。収率は99%以上であった。
(比較例1〜7)
前記合成例1において、EA−1−Bを下記表1に示す化合物に変更した以外は実施例1と同様の方法により、バリア性能、および密着性の試験を実施した。結果を表1に示す。
有機EL発光素子での評価
上記で得られたガスバリアフィルムを用いて、有機EL素子を作成した。まず、ITO膜(抵抗:30Ω)を上記ガスバリアフィルムに上にスパッタで形成した。この基板(陽極)上に真空蒸着法にて以下の化合物層を順次蒸着した。
(第1正孔輸送層)
銅フタロシアニン:膜厚10nm
(第2正孔輸送層)
N,N'−ジフェニル−N,N'−ジナフチルベンジジン:膜厚40nm
(発光層兼電子輸送層)
トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム:膜厚60nm
(電子注入層)
フッ化リチウム:膜厚1nm
この上に、金属アルミニウムを100nm蒸着して陰極とし、その上に厚さ3μm窒化珪素膜を平行平板CVD法によって付け、有機EL素子を作成した。
次に、熱硬化型接着剤(エポテック310、ダイゾーニチモリ(株))を用いて、作成した有機EL素子上と、上記で作製したガスバリアフィルムを、バリア性積層体が有機EL素子の側となるように貼り合せ、65℃で3時間加熱して接着剤を硬化させた。このようにして封止された有機EL素子を計15素子作製した。
この結果、比較例のガスバリアフィルムを用いた場合、ITO膜基板として用いたガスバリアフィルムがダメージを受けてしまい、良好な素子が得られなかった。一方、本発明のガスバリアフィルムを用いた場合、ITO膜基板として用いたガスバリアフィルムがダメージを受けずに、良好な有機EL素子が得られた。
太陽電池の作成
上記で作成したガスバリアフィルムを用いて、太陽電池モジュールを作成した。具体的には、太陽電池モジュールよう充填剤として、スタンダードキュアタイプのエチレン−酢酸ビニル共重合体を用いた。10cm角の強化ガラス上に厚さ450μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体でアモルファス系のシリコン太陽電池セルを挟み込み充填し、さらにその上のガスバリアフィルムを設置することで太陽電池モジュールを作成した。設置条件は、150℃にて真空引き3分行ったあと、9分間圧着を行った。本方法で作成した太陽電池モジュールは、良好に作動し、85℃、85%相対湿度の環境下でも良好な電気出力特性を示した。
封止用袋の作成
上記で作成したガスバリアフィルムを用いて、封止用袋を作成した。ガスバリアフィルムの基材フィルム側と、樹脂フィルムからなるバック(ポリエチレン製のバッグ)をヒートシール法によって融着し、封止用袋を作成した。得られた封止用袋に、薬剤として、セファゾリンナトリウム(大塚製薬工場製)を封入し、40℃相対湿度75%の条件で6ヶ月保存して色調の変化を評価したところ、色調に変化はほとんど見られなかった。
本発明のガスバリアフィルムは、高いバリア性能を有するため、バリア性が求められる各種素子に広く採用することができる。本発明のガスバリアフィルムにおいは、有機層の平滑性を向上させることができるため、無機バリア層も平滑に設けることができる。この結果、最表面の平滑性も向上させることができ、該ガスバリアフィルム上に形成するデバイスの性能を向上させることができる。
1 無機バリア層
2 有機層
3 無機バリア層
4 アルコール
5 基材フィルム
6 有機層
10 バリア性積層体

Claims (15)

  1. 少なくとも1層の有機層と、少なくとも1層の無機バリア層を有し、前記有機層は重合性組成物を硬化させてなり、前記有機層中における未硬化成分の総計が有機層の全質量の1.5質量%以下であるバリア性積層体であって、
    前記重合性組成物の固形分の合計の75質量%以上が2個以上の重合性基を有する重合性化合物であり、
    前記重合性化合物が、分子量600以上1400以下であり、かつ、一般式(1)で表される化合物および/または一般式(2)で表される化合物である、バリア性積層体。
    (一般式(1)中、R 1 およびR 2 は、それぞれ、水素原子、メチル基、またはシクロヘキシル基を表し、R 3 は、水素原子、メチル基または下記一般式(a)で表される基を表し、R 4 はメチル基または式(a)で表される基を表し、R 5 は水素原子、または下記A群より選択される基を表し、R 6 は、重合性基を含む1価の置換基を表し、一般式(1)で表される化合物は少なくとも2つの重合性基を有する。)
    (一般式(a)中、R 1 、R 2 およびR 9 は、それぞれ、水素原子、メチル基、またはシクロヘキシル基を表し、R 6 は、重合性基を含む1価の置換基を表し、nは0〜2の整数を表し、*の位置で、一般式(1)に結合する。)
    (A群)
    (式中、R 1 およびR 2 は、それぞれ、水素原子、メチル基、またはシクロヘキシル基を表し、R 6 は、重合性基を含む1価の置換基を表す。)
    (一般式(2)中、R 6 は、重合性基を含む1価の置換基を表し、R 7 、R 8 およびR 9 は、それぞれ、水素原子、メチル基、またはシクロヘキシル基を表し、mは、0または1を表す。)
  2. 前記重合性化合物が、一般式(1)で表される化合物である、請求項1に記載のバリア性積層体。
  3. 前記重合性化合物が、一般式(2)で表される化合物である、請求項1に記載のバリア性積層体。
  4. 前記重合性化合物が、1分子中に2〜8個の芳香環と2〜8個の重合性基を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバリア性積層体。
  5. 前記重合性化合物が有する重合性基が(メタ)アクリロイルオキシ基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバリア性積層体。
  6. 一般式(1)で表される化合物または一般式(2)で表される化合物が同じ構造であるR 6 を少なくとも2つ有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のバリア性積層体。
  7. 前記有機層の表面に前記無機バリア層を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のバリア性積層体。
  8. 前記無機バリア層、前記有機層、前記無機バリア層の順に、互いに隣接して積層した構造を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のバリア性積層体。
  9. 基材フィルム上に、請求項1〜8のいずれか1項に記載のバリア性積層体を設けたガスバリアフィルム。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のバリア性積層体または請求項9に記載のガスバリアフィルムを有するデバイス。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のバリア性積層体または請求項9に記載のガスバリアフィルムを有する太陽電池素子または有機EL素子。
  12. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のバリア性積層体または請求項9に記載のガスバリアフィルムを有するデバイス光学部材。
  13. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のバリア性積層体または請求項9に記載のガスバリアフィルムを有するデバイス封止用袋。
  14. 重合性化合物を含む組成物(A)の不純物を除去した後、該重合性化合物を含む組成物(A)を含む重合性組成物を硬化させて有機層を形成することを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のバリア性積層体の製造方法。
  15. 請求項14に記載のバリア性積層体の製造方法によりバリア性積層体を設けることを含むデバイスの製造方法。
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