JP5704896B2 - 表面処理車 - Google Patents

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Description

本発明は、道路表面の洗浄、トンネル・防音壁などの側壁の洗浄、若しくは、道路に塗布された白線の洗浄、又は当該白線の消去など、構造物の表面を処理するための車両に関し、現場までの公道を自走することができる表面処理車に関する。
近年、道路表面の洗浄工事や、トンネル・防音壁などの側壁の洗浄工事、若しくは、道路に塗布された白線の洗浄工事、又は当該白線の消去工事なごの施工事例が増加している。なお、白線とは、たとえば、舗装道路の区画線や、車両誘導及び案内のための線などのことを言う。白線は、たとえば、舗装路面上に、耐摩耗性塗料を加熱塗布して形成されることが多い。
たとえば、道路表面の洗浄工事では、高圧水にて舗装道路の表面に蓄積した塵などを洗浄し、汚濁水をブロアによって回収する。これによって、たとえば、水はけを向上させることができる。また、トンネル・防音壁などの側壁の洗浄工事では、高圧水にて側壁の汚れを落とし、汚濁水をブロアによって回収する。これにより、たとえば、経年劣化を防止することができる。また、この白線は、長期間使用することにより、タイヤ等により黒ずみもしくは磨耗して、車両運転者が識別しにくくなり交通事故等の要因となりかねない。そこで、白線の洗浄工事では、道路及び/又は白線を高圧水にて洗浄し、洗浄後の汚濁水をブロアによって回収する。これによって、白線を白く保つことができる。また、白線が摩耗したり、車線を変更する必要が生じたときなどのように、案内を新たに表記したりするために、既存の白線を消去して、白線を再塗布するために、白線に高圧水を吹き付けて、白線を剥がして消去し、剥がされた白線及び汚濁水をブロアによって回収する。これによって、既存の白線が消去されて、消去後に、新たな白線を再塗布することができる。このような、表面処理工事では、高圧水を噴射すると共に、汚濁水を回収することができる装置を備えた表面処理車が用いられる。表面処理車は、工事現場にまで公道を自走していくことができなければならない。
高圧水を生成し、汚濁水を吸取ることができ、しかも、公道を自走することができる表面処理車として、たとえば、特許文献1及び2に記載されている車両が存在する。公道を自走することができないが、空港滑走路の路面に付着したゴムを除去するための装置として、特許文献3に記載されている車両が存在する。
特開平10−82026号公報 特許第3687752号公報 特開平6−264422号公報 段落0017・0019・図3・図4
特許文献1及び2の車両では、高圧ポンプ、ブロア、及びエアーコンプレッサを駆動させるための動力源として、専用のディーゼルエンジンを用いる。そのため、表面処理車は、高圧ポンプ、ブロア、エアーコンプレッサ、専用のディーゼルエンジンを加装しなければならず、加えて、各種アクチュエータや制御装置、カバーなども加装しなければならない。そのため、トラックを含めた全体寸法及び重量が嵩むこととなる。よって、こられの装置を積載して公道を走行するためには、大型車両を用いなければならず、特別な車検取得が必要となり、さらに、購入費や維持管理費などのコストが増大することとなり、運転者も大型車の運転免許を取得している必要がある。
特許文献3の車両では、走行車両のディーゼルエンジン(68)のミッション部(70)から、動力取出軸(72)によって、高圧ポンプ及びブロアの動力が取り出されることとなっている。しかし、特許文献3の車両は、航空滑走路専用の車両であり、公道を自走することができない。さらに、特許文献3の車両では、自走時にも高圧ポンプ等が駆動することとなり、無駄にガソリンを消費することとなる。
そのため、高圧水を生成するための高圧ポンプ、汚濁水を吸引するためのブロア、及び汚濁水を収集するために風を送るコンプレッサを備える表面処理車であって、当該表面処理車を、公道を自走可能にし、かつ、大型車未満の車両(たとえば、車両総重量11トン未満の中型自動車)によって提供することを本発明の目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。本発明は、公道走行用のエンジンによって自走可能な表面処理車であって、水タンクと、水タンクに貯蔵されている水から高圧水を生成するための高圧ポンプと、負圧を発生させるブロアと、ブロアで発生した負圧によって、高圧水による表面処理によって得られた汚濁水を吸引する汚濁水タンクと汚濁水を吸引するための空気を供給するコンプレッサと、エンジンの動力を取り出すパワー・テイク・オフと、汚濁水タンクを開閉させるためのシリンダと、シリンダを駆動させるための油圧ポンプとを備え、パワー・テイク・オフによって取り出された動力を、高圧ポンプ、ブロア、及びコンプレッサに供給し、さらに、パワー・テイク・オフによって取り出された動力を、油圧ポンプに供給する。また、本発明は、公道走行用のエンジンによって自走可能な表面処理車であって、水タンクと、水タンクに貯蔵されている水から高圧水を生成するための高圧ポンプと、負圧を発生させるブロアと、ブロアで発生した負圧によって、高圧水による表面処理によって得られた汚濁水を吸引する汚濁水タンクと、汚濁水を吸引するための空気を供給するコンプレッサと、エンジンの動力を取り出すパワー・テイク・オフと、パワー・テイク・オフによって取り出された動力を、ブロアに供給する第1の伝達機構と、パワー・テイク・オフによって取り出された動力を、高圧ポンプ及びコンプレッサに供給する第2の伝達機構と、高圧ポンプ及びコンプレッサへの動力を結合又は解除する第2のクラッチとを備える。
本発明によれば、パワー・テイク・オフによって取り出された動力を、高圧ポンプ、ブロア、及びコンプレッサに供給することとなるので、従来のように、高圧ポンプ、ブロア、及びコンプレッサを駆動させるために必要な別途の専用のエンジンを搭載しなくてもよくなる。加えて、パワー・テイク・オフは、公道走行用のエンジンから、動力を取り出すので、本発明の表面処理車は、公道を自走することができる。よって、大型車未満の車両(たとえば、車両総重量11トン未満の中型自動車)に、高圧ポンプ、ブロア、及びコンプレッサを搭載することができるので、大型車未満の表面処理車が提供可能となる。
また、パワー・テイク・オフ用の第1のクラッチを設けることによって、表面処理施工時のみ、高圧ポンプ、ブロア、及びコンプレッサを動作させ、公道自走時には、車輪のみを駆動させて、高圧ポンプ、ブロア、及びコンプレッサを動作させないようにすることができるので、無駄なガソリンを消費することなく、公道自走及び表面処理を実現することができる。
また、パワー・テイク・オフによって得られた動力を汚濁水タンクを開閉するための油圧ポンプに供給することによって、油圧ポンプを駆動させるための別途の動力が不要となり、表面処理車の小型化がさらに図られることとなる。
また、第2のクラッチを設けることによって、ブロアの動作が安定した後に、高圧ポンプ及び/又はコンプレッサを駆動させることができる。
本発明のこれら、及び他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る表面処理車1の機能的構成を示すブロック図である。 図2は、表面処理車1本体に設置されたPTO6周辺の構造を示す図である。 図3は、本発明の第2の実施形態に係る表面処理装置1の機能的構成を示すブロック図である。 図4は、第2の実施形態に係る表面処理車1を中型自動車用のトラックシャーシ3に実装したときの各機能部の配置例を示す平面図である。 図5は、第2の実施形態に係る表面処理車1を中型自動車用のトラックシャーシ3に実装したときの各機能部の配置例を示す正面図である。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る表面処理車1の機能的構成を示すブロック図である。図2は、表面処理車1本体に設置されたパワー・テイク・オフ(以下、PTOという)6周辺の構造を示す図である。図1及び図2において、表面処理車1は、ハイジェットクリーナー2と、トラックシャーシ3と、エンジン4と、ミッション5と、PTO6と、PTO用の第1のクラッチ6aと、走行変速機7と、軸受8と、Vプーリ9と、Vプーリ10と、軸受け11,11と、油圧ポンプ12と、ユニバーサルジョイント13と、Vプーリ14と、Vプーリ15と、Vベルト16と、Vベルト17と、第2のクラッチ18と、ブロア19と、Vプーリ20と、Vベルト21と、Vプーリ22と、コンプレッサ23と、エアタンク24と、キャッチャー25と、汚濁水タンク26と、圧力調整器ユニット27と、高圧ポンプ28と、水タンク29と、シリンダ30と、汚濁水吸引パイプ31と、洗浄水噴出パイプ32と、送風機33と、後輪34とを備える。
トラックシャーシ3は、大型車未満の車両、たとえば、車両総重量11トン未満の中型自動車用のトラックシャーシである。
なお、第1の実施形態では、路面の表面を処理(たとえば、路面の洗浄、白線の洗浄、白線の消去など)するための表面処理車1の構造を示している。ただし、本発明は、側壁やその他の構造物の表面を処理するために、現場まで自走することができる表面処理車であるので、図1のように、路面の表面処理以外にも適用される。路面の表面処理以外に本発明が適用される場合、ハイジェットクリーナー2が側壁やそのたの構造物に適合するような構造となっていればよく、このようなハイジェットクリーナー2の構造は周知であるので、詳述は省略する。
表面処理の施工時、第1のクラッチ6aが結合され、エンジン4によって得られた動力は、ミッション5を介して、PTO6に伝達される。走行時、第1のクラッチ6aの結合が解除される。なお、施工時及び走行時における第1のクラッチ6aの結合及び解除は任意であり、本発明を限定するものではない。また、PTO6への動力伝達機構と併せて、エンジン4の動力は、ミッション5を介して、走行変速機7に伝達するように構成されている。エンジン4の動力をPTO6へ取り出すための構成としては、あらゆる周知の構成を使用することができ、本実施形態に示した構成に限られるものではない。また、走行用のクラッチも存在するが、ここでは、図示を省略する。走行変速機7に伝達された動力は、後輪34に伝達されることによって、走行を可能とする。
PTO6には、Vプーリ9,10、及び油圧ポンプ12に動力を伝達するためのユニバーサルジョイント13が結合されている。PTO6の回転軸が回転すると、ユニバーサルジョイント13も回転し、Vプーリ9,10も回転し、併せて、油圧ポンプ12に動力が供給される。ユニバーサルジョイント13の回転を支持するために、軸受8,11,11が設けられているが、軸受8,11,11の構造は、本発明において、特に限定されない。
Vプーリ9の回転は、Vベルト16を介して、Vプーリ14に伝達される。Vプーリ10の回転は、Vベルト17を介して、Vプーリ15に伝達される。Vプーリ14の回転軸は、第2のクラッチ18に結合している。Vプーリ15の回転軸は、ブロア19に結合している。ブロア19は、Vプーリ15の回転軸から伝達される動力によって、負圧を発生させることができる構造になっている。ブロア19の構造は、周知であり詳述は省略する。ブロア19の構造としては、周知のあらゆる構造を利用することができる。ブロア19としては、たとえば、ルーツブロアを用いることができる。第2のクラッチ18は、Vプーリ14の回転軸から伝達される動力を、Vプーリ20に伝達するか、伝達を止めるかを制御するための機械要素である。第2のクラッチ18は、ブロア19の動作が安定した後、結合する。これは、ブロア19の初動時、ブロア19動作が不安定で、汚濁水の吸引が安定的に実現できないため、まず、ブロア19が安定的に動作して、汚濁水が吸引できる状態にした後に、高圧ポンプ28及びコンプレッサ23を動作させて、高圧洗浄水を吹き付けるためである。第2のクラッチ18の結合は、表面処理車1の操作者が手動で行ってもよいし、図示しない制御部によって、ブロア19の安定動作が確認された後、自動で第2のクラッチ18を結合するようにしてもよい。第2のクラッチ18としては、たとえば、電磁クラッチを用いることができるが、これに限られるものではない。
第2のクラッチ18が結合すると、高圧ポンプ28の回転軸に動力が供給される。高圧ポンプ28は、当該回転軸に供給された動力によって、水タンク29内の水を吸い込み、高圧水にすることができる構造を有する。このような高圧ポンプ28の構造は周知であるので、ここでは、詳述を省略する。
また、第2のクラッチ18が結合すると、Vプーリ20に接続されたVベルト21及びVプーリ22を介して、コンプレッサ23の回転軸に動力が供給される。コンプレッサ23は、当該回転軸に供給された動力によって、空気を圧縮して、圧縮空気をエアタンク24に供給することができる構造を有する。このようなコンプレッサ23の構造は周知であるので、ここでは、詳述を省略する。
上記のように、エンジン4からPTO6によって取り出された動力は、ブロア19、高圧ポンプ28、及びコンプレッサ23に供給されることとなる。なお、上記では、Vプーリ9,10,14,15,20,22,Vベルト16,17,21,及びユニバーサルジョイント13などを用いて、ブロア19、高圧ポンプ28、及びコンプレッサ23に動力を伝達することとしたが、動力伝達機構は、これらに限られるものではない。PTO6によって取り出された動力をブロア25、高圧ポンプ28、及びコンプレッサ23に伝達するための伝達機構が設けられていれば、これらの動力伝達機構に限られるものではない。
また、第2のクラッチ18を設ける場合を考慮すると、表面処理車1は、少なくとも、PTO6によって取り出された動力をブロア19に供給する第1の伝達機構と、PTO6によって取り出された動力を高圧ポンプ20及び/又はコンプレッサ23に供給する第2の伝達機構とが設けられていればよい。この場合、第2のクラッチ18は、第1の伝達機構と第2の伝達機構との間に設けられていればよい。
汚濁水吸引パイプ31と汚濁水タンク26とは、連通している。なお、汚濁水の逆流を防止するために、汚濁水吸引パイプ31は、汚濁水タンク26の上方で連通しているが、これに限られるものではない。汚濁水タンク26とキャッチャー25とは、汚濁水タンク26内の汚染空気をキャッチャー25に送り込むためのパイプによって連通されている。キャッチャー25とブロア19とは、キャッチャー25によって塵が取り除かれたきれいな空気をブロア19に送り込むためのパイプによって連通されている。ブロア19が負圧を発生させることによって、汚濁水吸引パイプ31は、汚濁水を吸引する。汚濁水吸引パイプ31によって吸引された汚濁水は、汚濁水タンク26に溜められる。このとき、汚濁水タンク26内には、塵などが含まれる汚染空気が内蔵することとなる。ブロア19の負圧によって、汚染空気は、キャッチャー25に送られる。キャッチャー25には、水が内蔵されており、キャッチャー25は、水内蔵タンクである。汚染空気は、キャッチャー25に内蔵されている水に導入される。これにより、汚濁空気内の塵は、水の中に沈殿し、洗浄された空気が取り出される。洗浄された空気は、ブロア19の負圧によって、ブロア19に供給され、ブロア19から排気される。
水タンク29と高圧ポンプ28とは、パイプによって連通されている。高圧ポンプ28と圧力調整ユニット27とは、パイプによって連通されている。圧力調整ユニット27と洗浄水噴出パイプ32とは、連通されている。水タンク29には、きれいな水が貯蔵されている。水タンク29の水は、高圧ポンプ28に供給される。高圧ポンプ28は、供給された水に圧力を加えて、高圧水にする。高圧水は、圧力調整ユニット27に供給される。圧力調整ユニット27は、高圧水の圧力を調整する。なお、圧力調整ユニット27の構成は周知であるので、詳述は省略する。圧力調整ユニット27によって圧力が調整された高圧水は、洗浄水噴出パイプ32に送られる。洗浄水噴出パイプ32からは、高圧水が噴出し、路面等の表面に吹き付けられる。高圧水によって、路面や白線の汚れが落とされたり、白線が剥がされたりする。このとき、高圧水と汚れや剥離後の白線が高圧水と混ざって、汚濁水となる。汚濁水は、汚濁水吸引パイプ31によって吸引されることとなる。
コンプレッサ23とエアタンク24とは、パイプによって連通されている。エアタンク24と送風機33とは、パイプによって連通されている。コンプレッサ23によって圧縮された空気は、エアタンク24に一旦貯蔵される。エアタンク24からは、適宜、圧縮空気が噴出される。送風機33は、エアタンク24からの圧縮空気を汚濁水吸引パイプ31及び洗浄水噴出パイプ32に供給する。これによって、送風機33から、汚濁水を吸引するために必要な空気が供給されることとなる。なお、ハイジェットクリーナー2の詳細な構成は、図1に示した構成に限られず、周知のあらゆる構成を用いることができる。
油圧ポンプ12は、ユニバーサルジョイント13からの回転力によって作動油に圧力を加え、得られた油圧によって、シリンダ30を駆動させる。シリンダ30は、汚濁水タンク26の開閉部を開閉するために利用される。水タンク29内の水が表面処理に全て利用されると、汚濁水が汚濁水タンク26に貯まることとなる。汚濁水は産業廃棄物として取り扱われる。施工完了後、表面処理車1は、処理場まで自走する。処理場にて、エンジン4を駆動させ、PTO6が動力を取り出し、油圧ポンプ12を駆動させ、シリンダ30によって、汚濁水タンク26を開け、汚濁水を廃棄する。汚濁水の廃棄後、シリンダ30によって、汚濁水タンク26が閉じられる。なお、この廃棄作業のとき、ブロア19、高圧ポンプ28、及びコンプレッサ23は動作しないように、制御しておけばよい。なお、汚濁水タンク26の開閉は、油圧ポンプ12及びシリンダ30を用いた機構以外を採用してもよいので、本発明においては、油圧ポンプ12及びシリンダ30は、必須の構成ではない。
このように、本発明の第1の実施形態では、高圧ポンプ28、ブロア19、及びコンプレッサ23の動力源として、走行用のエンジンからPTO6によって取り出された動力を利用することとなる。したがって、従来のように、高圧ポンプ28、ブロア19、及びコンプレッサ23を駆動させるために必要な別途の専用のエンジンを搭載しなくてもよくなる。よって、大型車未満の車両(たとえば、車両総重量11トン未満の中型自動車)に、高圧ポンプ28、ブロア19、及びコンプレッサ23を搭載することができるので、大型車未満の表面処理車が提供可能となる。
また、PTO6用の第1のクラッチ6aを設けることによって、表面処理施工時のみ、高圧ポンプ28、ブロア19、及びコンプレッサ23を動作させ、公道自走時には、後輪34のみを駆動させて、高圧ポンプ28、ブロア19、及びコンプレッサ23を動作させないようにすることができるので、無駄なガソリンを消費することなく、公道自走及び表面処理を実現することができる。
また、PTO6によって得られた動力を、汚濁水タンク26を開閉するための油圧ポンプ12に供給することによって、油圧ポンプ12を駆動させるための別途の動力が不要とんあり、表面処理車1の小型化がさらに図られることとなる。
また、第2のクラッチ18を設けることによって、ブロア19の動作が安定した後に、高圧ポンプ及び/又はコンプレッサ23を駆動させることができる。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る表面処理装置1の機能的構成を示すブロック図である。図3において、第1の実施形態と同様の機能を有する部分には、同一の符号を付する。以下、第1の実施形態と異なる箇所のみ説明する。
第2の実施形態においては、ブロア19への動力の伝達経路が第1の実施形態と異なる。Vプーリ9、Vベルト16、及びVプーリ14によって、PTO6が取り出した動力が伝達され、伝達された動力がVプーリ14の回転軸を介して、Vプーリ15に伝達される。Vプーリ15は、Vベルト16及びVプーリ10に動力を伝達させる。Vプーリ10の回転軸がブロア19の回転軸に連結している。これにより、ブロア19に動力が供給されることとなる。
このような動力の伝達経路によっても、PTO6によって取り出された動力を、高圧ポンプ28、ブロア19、及びコンプレッサ23に供給することができる。本発明において、PTO6によって取り出された動力の伝達経路は、特に限定されるものではない。
図4は、第2の実施形態に係る表面処理車1を中型自動車用のトラックシャーシ3に実装したときの各機能部の配置例を示す平面図である。図5は、第2の実施形態に係る表面処理車1を中型自動車用のトラックシャーシ3に実装したときの各機能部の配置例を示す正面図である。図4及び図5において、図3に示す機能部と同様の機能を有する部分については、同一の参照符号を付す。なお、図4及び図5では、パイプ等の配管の記載を省略している。
水タンク29及び汚濁水タンク26は、トラックシャーシ3の後方に設置されている。汚濁水タンク26には、汚濁水吸引パイプ31を連接するための吸引口部31aが設けられている。汚濁水タンク26の開閉部26aには、シリンダ29が接続されている。図4において、ハイジェットクリーナー2は、側部に設けていることとしているが、特に限定されるものではない。エアタンク24は、ハイジェットクリーナー2の近傍に設置されているが、特に限定されるものではない。
トラックシャーシ3のエンジン4及びトランスミッション5から、PTO6によって動力が取り出される。エンジン4、トランスミッション5、及びPTO6の配置位置は、あくまでも一例であり、本発明を限定するものではない。車種によって、エンジン4、トランスミッション5、及びPTO6の配置位置は、区々であり、これらの配置位置に応じて、動力の伝達機構を適宜構成すればよい。なお、図5では、エンジン4及びトランスミッション5の配置位置は、詳述に示さず、概念的に概略記載している。
図5では、図2の場合と異なり、PTO6がトラックシャーシ3の下部に設けられている例を示している。この場合であれば、あくまでも一例であるが、図5に示すように、ユニバーサルジョイント13をトラックシャーシ3の下部に軸受8,11によって支持し、Vプーリ9及びVベルト16を利用して動力をトラックシャーシ3の上部に伝達する。Vベルト16によって伝達された動力は、Vプーリ14に伝達される。Vプーリ14の回転軸は、軸受によって支持されている。Vプーリ14の動力は、Vベルト17を介して、Vプーリ10に伝達して、ブロア19に供給される。
また、Vプーリ14の動力は、第2のクラッチ18を介して、Vプーリ20に供給される。Vプーリ20の回転軸は、高圧ポンプ28に結合しており、これにより、動力が高圧ポンプ28に供給される。Vプーリ20は、Vベルト21を介して、Vプーリ22に動力を伝達する。Vプーリ22の回転軸は、コンプレッサ23に結合しており、これにより、動力がコンプレッサ23に供給される。
キャッチャー25は、たとえば、乗車部の後方に配置されている。
なお、図4及び図5の配置例は、全ての点において、あくまでも一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
なお、本発明において、汚濁水タンク26内の水がリサイクルされる機構を備えていてもよい。
なお、本発明では、公道を自走可能としているが、当然、航空滑走路などの公道以外の箇所を自走して、表面処理を施工してもよい。
なお、本明細書に示すハイジェットクリーナー2は、トラックシャーシ3に取り付けられることとなっているが、ハイジェットクリーナー2は、表面処理車1とは、別装置として、提供されてもよい。ハイジェットクリーナーを別装置にすれば、壁面など、あらゆる構造物の表面処理の施工に柔軟に対応することができる。ハイジェットクリーナー2を別装置にする場合、一例として、コンプレッサ23及びエアタンク24からの圧縮空気を供給するための供給口、並びに高圧ポンプ28及び圧力調整器ユニット27からの高圧水を供給するための供給口を表面処理車1に配置しておき、別装置のハイジェットクリーナーに、これらの供給口からパイプを介して、圧縮空気及び高圧水を供給するとよい。これにより、別装置としてのハイジェットクリーナーに、圧縮空気及び高圧水が提供することができる。
また、本明細書に示したハイジェットクリーナー2は、人力や動力によって移動可能なようになっていてもよい。また、ハイジェットクリーナー2は、上記の別装置としてのハイジェットクリーナーに置き換えることができるようにするために、取り外しが可能なように構成されていてもよい。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
本発明は、表面処理車に関し、産業上利用可能である。
1 表面処理車
2 ハイジェットクリーナー
3 トラックシャーシ
4 エンジン
5 ミッション
6 PTO6
6a 第1のクラッチ
7 走行変速機
8 軸受
9,10,14,15,20,22 Vプーリ
11 軸受け
12 油圧ポンプ
13 ユニバーサルジョイント
16,17,21 Vベルト
18 第2のクラッチ
19 ブロア
23 コンプレッサ
24 エアタンク
25 キャッチャー
26 汚濁水タンク
26a 開閉部
27 圧力調整器ユニット
28 高圧ポンプ
29 水タンク
30 シリンダ
31 汚濁水吸引パイプ
31a 吸引口部
32 洗浄水噴出パイプ
33 送風機33
34 後輪

Claims (2)

  1. 公道走行用のエンジンによって自走可能な表面処理車であって、
    水タンクと、
    前記水タンクに貯蔵されている水から高圧水を生成するための高圧ポンプと、
    負圧を発生させるブロアと、
    前記ブロアで発生した負圧によって、前記高圧水による表面処理によって得られた汚濁水を吸引する汚濁水タンクと
    記汚濁水を吸引するための空気を供給するコンプレッサと、
    前記エンジンの動力を取り出すパワー・テイク・オフと
    前記汚濁水タンクを開閉させるためのシリンダと、
    前記シリンダを駆動させるための油圧ポンプとを備え、
    前記パワー・テイク・オフによって取り出された動力を、前記高圧ポンプ、前記ブロア、及び前記コンプレッサに供給し、
    さらに、
    前記パワー・テイク・オフによって取り出された動力を、前記油圧ポンプに供給することを特徴とする、表面処理車。
  2. 公道走行用のエンジンによって自走可能な表面処理車であって、
    水タンクと、
    前記水タンクに貯蔵されている水から高圧水を生成するための高圧ポンプと、
    負圧を発生させるブロアと、
    前記ブロアで発生した負圧によって、前記高圧水による表面処理によって得られた汚濁水を吸引する汚濁水タンクと
    記汚濁水を吸引するための空気を供給するコンプレッサと、
    前記エンジンの動力を取り出すパワー・テイク・オフと
    前記パワー・テイク・オフによって取り出された動力を、前記ブロアに供給する第1の伝達機構と、
    前記パワー・テイク・オフによって取り出された動力を、前記高圧ポンプ及び前記コンプレッサに供給する第2の伝達機構と、
    前記高圧ポンプ及び前記コンプレッサへの動力を結合又は解除する第2のクラッチとを備えることを特徴とする、表面処理車。
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