JP5703966B2 - 撥水性繊維シート - Google Patents

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Description

本発明は、吸湿性、柔軟性及び撥水性に優れた撥水性繊維シートに関する。
具体的には、本発明の、吸湿性、柔軟性及び撥水性に優れた片面撥水性繊維シートは、燃料電池部材、電池液等を含ませたシート、吸放出性の内装化粧材、美容液を含むシートマスク、肌着、靴下等の繊維製品や、おむつ等の衛生用品に好適である。
近年、燃料電池部材、内装化粧材、美容用品、衛生用品などの分野においては、充分な吸湿性、柔軟性等を有すると共に、片面においては優れた撥水性を有するシート部材が要請され、そのための様々なタイプの部材が開発されてきた。
例えば、特許文献1には、撥水性付与繊維処理剤により撥水処理加工されたニードルパンチタイプ撥水性不織布シートと、超吸水性繊維を少なくとも10パーセント以上含有するニードルパンチタイプ超吸水性不織布シートとの二層積層構造よりなる複合不織布内装材に関する発明が記載されている。そして、弗素系、シリコン系等の撥水剤で加工処理したニードルパンチタイプ撥水性不織布シートと、超吸水性繊維を少なくとも10パーセント以上含有するニードルパンチタイプ超吸水性不織布シートとの一体化複合不織布シートを内装用表皮材とすることにより、表面の風合が良好で、外観美麗となし、樹脂の滲み出しを防止し、かつ水分浸出性の問題を解消した複合不織布内装材が記載されている。
特許文献2には、トリメチルグリシンを含有する繊維を用いて、保湿性や帯電防止性や耐黄変性に優れ、かつ風合いや柔軟性がよく、かつ安全性が高い事から直接肌に接する場所に好適な繊維製品に関する発明が記載されている。そして、トリメチルグリシンの含有方法に関しては、「本発明において、繊維素材及びシート状物にトリメチルグリシンを付与した状態は、混練後の紡糸や繊維への含漬等で繊維素材内部に包含された状態、紡糸後に繊維表面に油剤として付与された状態、また布状物に対して後から塗布し繊維や布の表面に付与された状態がとれる。本発明において、トリメチルグリシンを繊維及びシート状物に添加して改質する方法は、特に問わずいろいろな方法がとれる。例えば、直接溶融ポリマーに混練したり、紡糸後に繊維の仕上げ油剤として付与したり、またシート状物になった状態の後に塗布する方法等がとれる。この中で、簡易でコストのかからない方法は、繊維の仕上げ時の油剤としてキスロール等で付着させる方法、シート状物に対する塗工機による塗布、含浸機による含浸、噴霧機によるスプレー等が挙げられる。また、短繊維の抄造法による湿式不織布の製造では、その分散液に直接混ぜ合わせることも簡便でコストのかからない機能付与方法である。また、例えばキュプラやレーヨン繊維などのような湿式紡糸する方法では、紡糸原液に直接混ぜ込む方法や、或いは紡糸後の未乾燥状態の繊維をトリメチルグリシンの水溶液状態で接触させ繊維表面又は内部に付着または含浸させる方法がとれる。特に、キュプラやレーヨン繊維などのようなセルロース系の素材にはトリメチルグリシンは親和性がよく、上記の方法はより好ましい態様である。即ち、一般に紡糸後に改質剤を付与しただけでは、後の染色時や洗濯時に加工剤が流れ出てしまい、その効果が低下するのに対して、セルロース系の繊維素材では、その親和性の高さから特にトリメチルグリシンの固定化剤を使用しなくても、その効果は持続する。この親和性の高さから、セルロース系の繊維素材は合繊系の繊維素材に比べて、紡糸後の油剤付与やシート状物の塗工の方法でも、その効果の持続性や耐久性は高い。」と記載されている。
特許文献3には、繊維に付着させることによりホットメルト系の接着剤との接着強度に優れ、かつ優れた撥水性を示す繊維用油剤、不織布を用いた吸水性物品が記載されている。そして繊維に油剤を付着させる方法として、紡糸・延伸などの任意の工程でオイリング
ロール法、浸漬法、噴霧法などの方法を利用することができる点が記載されている。すなわち、撥水剤がホットメルトとの接着性を阻害するので、撥水性と接着力を、低コスト、安全、コンパクトに得ることが求められる点が示されている。
特許文献4には、スパンボンド不織布/メルトブローン不織布/スパンボンド不織布の複合品は、風合いが悪くごわごわしており、吸汗性に劣る点、及び、フィルター層として透湿防水フィルムを複合しているものは、通気性が悪く蒸れやすい点、及び、ポリエステル/パルプ混綿の水流絡合不織布は、風合いは良好だが撥水性に乏しく、後加工が必要な点が示されている。そして、これらの問題点を克服するものとして、外気に触れる側では透湿・防水性などを発揮すると共に、内側では強力、吸汗性及び帯電防止性などを発揮する防護衣料用の複合不織布が記載され、具体的には、平均繊維径5μm以下のポリオレフィン系極細繊維からなる透湿・防水性不織布(A)と、多孔質布(C)と、それらの間に介在させた熱可塑性エラストマー極細繊維からなる熱接着性不織布(B)とを有し、各布層が複合一体化してなる防護衣料用複合不織布が記載されている。
しかしながら、これらの技術は、いずれも、ニードルパンチや接着性樹脂を介して繊維素材と撥水性シートとを貼り合わせたり、繊維素材の片面ではなく全面に撥水性を付与したりするものである。そのため、いずれの技術によっても、繊維素材の持つ風合いや柔らかさ、吸水性等が損なわれ、充分な性能を持つ撥水性繊維シートを得ることは出来なかった。
特開昭61−141542号公報 特開平10−18179号公報 特開2003−193367号公報 特開2003−336155号公報
本発明は、上記の課題を解決するものであって、繊維素材の持つ風合いや柔らかさ、そして充分な吸水性等を保った上で、確実な撥水性能を発揮する片面撥水性繊維シートを得るものである。
出願人らは上記の問題点を解決すべく研究開発を行った結果、以下の構成を有することを特徴とする本発明に至った。そして本発明においては、以下の構成により、目的とする顕著な効果を発揮するものである。
本発明の撥水性繊維シートは、繊維素材の片面に、化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜からなる撥水層を設けたものであるから、撥水剤が繊維素材の内部に浸透することなく、表面にのみ均一な撥水層を被覆することができる。
また、繊維素材として不織布を用いることにより、製品を安定的かつ均一な品質で生産することができる。
さらに、無機酸化物の蒸着膜を、特に、プラズマ化学気相成長法(プラズマCVD法)の低温処理により形成することから、撥水層の形成に際して熱による負荷が少ないので繊維素材を痛めることがない。したがって、繊維素材に撥水層形成工程での影響が残らず、収縮や変質、黄変のない撥水性繊維シートを得ることができる。また、耐熱性の低い不織布に対しても、その柔らかな風合いや高い吸水性等を損なわずに、蒸着膜を設けることが
できる。さらに、蒸着困難な低表面エネルギー材料からなる不織布等にも、強固に密着した膜を形成することが可能である。
本発明の構成
本発明は、前記課題を解決するための撥水性繊維シートに関する発明であって、次のとおりの構成を有する。
(1)繊維素材の片面に、化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜からなる撥水層を設けた撥水性繊維シート。
(2)繊維素材が不織布であることを特徴とする上記の撥水性繊維シート。
(3)無機酸化物の蒸着膜が、プラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜であることを特徴とする上記の撥水性繊維シート。
(4)無機酸化物の蒸着膜が、プラズマ化学気相成長法による酸化珪素の蒸着膜であることを特徴とする上記の撥水性繊維シート。
本発明においては、繊維素材の片面に、化学気相成長法により、無機酸化物の蒸着膜を設けることにより、繊維素材の特徴である吸水性、保水性、風合い、通気性等の種々の特性を損なうことなく、繊維素材の片面に撥水効果を付与する。
また、繊維素材に含有させた液体等を蒸発しにくくすることができ、さらに、耐久性を向上させることができる。
さらに、本発明の無機酸化物の蒸着膜を成膜する方法では、ドライプロセスのために、成膜に使用する蒸着原料の量が極めて少なく、また繊維素材と化学結合を形成するため密着性に優れている。
そして、本発明の方法による蒸着膜は、経時変化や温湿度変化に強く、表面状態が安定した膜が形成できる。また、巻き取り加工が可能であり、大面積かつ安価に作成が可能である。さらに、本発明の蒸着膜自体は毒性がなく、リサイクルが可能であり、燃焼による廃棄を行っても有害ガスがほとんど発生しないというメリットがある。
特に、本発明の蒸着膜を、プラズマCVD法により設けることにより、すなわち、プラズマCVD法を用いて低温で成膜することにより、収縮や変質、黄変のない撥水性繊維シートを得ることができる。また、必要な機械物性やコストに合わせて、種々の繊維素材を基材として使用することができる。
本発明に係る撥水性繊維シートを示す概略的断面図。 プラズマ化学気相成長装置の一例を示す概略的断面図。
本発明の構成は、繊維素材の片面に、化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜からなる撥水層を設けた撥水性繊維シートである。そして、繊維素材が不織布であり、無機酸化物の蒸着膜が、プラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜であることを特徴とする撥水性繊維シートである。
本発明の撥水性薄膜形成方法によれば、撥水性無機酸化物の連続蒸着膜の厚みがナノメートルレベルからマイクロメートルレベルまで正確に任意の膜厚レベルで制御して形成することが可能であり、しかも、撥水性も制御可能である連続蒸着膜を安定的に形成することができる。
本発明にかかる蒸着膜を有する撥水性繊維シートの層構成の一例を図面を用いて説明する。図1は、本発明にかかる無機酸化物の蒸着膜を有する撥水性繊維シートの層構成の一
例を示す概略的断面図である。
本発明にかかる無機酸化物の連続蒸着膜を有する撥水性繊維シートとしては、図1に示すように、繊維素材1と、該素材1の一方の面に設けた無機酸化物の連続蒸着膜(2a)とからなるものである。
蒸着膜2aである撥水層を形成するプラズマ化学気相成長法は、例えば、図2に示すようなプラズマ化学気相成長装置を用い、真空チャンバー内で繊維素材をプラズマ化学気相成長する雰囲気下に順次送り出し、巻き取り式のプラズマ化学気相成長方式を適用し、連続的に撥水性薄膜を形成することができる。
以下に、本発明の各構成について、さらに詳細に説明する。
(1)繊維素材
本発明の撥水性繊維シートにおいて使用する繊維素材について説明する。
本発明において、シート状物を構成する繊維素材としては、例えば、綿、麻、キュプラ繊維やレーヨン繊維、アセテート繊維等のセルロース系繊維;羊毛、毛、絹等のタンパク質繊維;アクリル繊維、ポリパラフェニレン繊維、ビニロン繊維、ポリウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610等のポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維等の合成繊維が挙げられる。
本発明のシート状物は、織物、編物、不織布、フェルト、キルティング様の綿を不織布や織編物でサンドした物、あるいは綿そのものをシート状に加工した物などの形態で用いられる。また、本発明で用いられる繊維素材は、必要に応じて染色、樹脂加工などの種々の加工処理を施してあってもよい。
本発明においては、特にセルロース系の不織布が好ましい。
本発明の基材である繊維素材の厚さは、特に限定されないが、0.05mm〜50mm、より好ましくは0.05mm〜1mm程度が好ましい。繊維素材の厚さが小さすぎると、撥水層を形成する際、基材の寸法安定性の低下や、CVD法処理などの製造時の温度、気流、支持状況などの製造状況の影響を受け易く、また、処理中に基材が切れるなどの支障を来す恐れがある。厚みが100mmを超えると材料の浪費となり、資源及び環境のコストが高くなる。
本発明の繊維素材には、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、表面粗さなど撥水層の形成に影響を及ぼさない範囲で選択、添加することができる。
本発明における一般的な添加剤としては、撥水性繊維シートとして必要な機能を維持するため、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料等の着色剤等を使用することができる。
本発明において、繊維素材の表面に、撥水層を構成する連続蒸着膜との密接着性を向上させるため、必要に応じて、予め、所望の表面処理をすることができる。上記表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理等の前処理を施すことができる。
繊維素材と、撥水層を構成する連続蒸着膜との密接着性を改善するための方法として、例えば、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカーコート剤層等を形成することもできる。上記の前処理のコート剤
としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂等を使用することができる。
(2)含浸液
本発明の撥水性繊維シートの使用に際して、該繊維シートに含浸させる液体等としては、電池用の電解性液体、燃料電池用のアノード触媒層形成用ペースト組成物あるいはカソード触媒層形成用ペースト組成物、美容液等である。
(3)適用分野
本発明の撥水性繊維シートを適用する技術分野としては、電池部材、サンルーフ仕様車の天井表皮材、壁紙などの建築物の内装化粧材、美容用品、衛生用品などである。
従来の化粧材は吸放湿性に乏しいため、化粧材表面に結露が生じたり、カビ、ダニ等が発生したりし易く、又、住居内湿度の変動によって人の健康状態へ悪影響を及ぼしていたが、本発明による撥水性繊維シートからなる内装化粧材は、その吸放湿性を示す繊維素材に撥水性が付与されているので、内装化粧材表面に汚れが付着しても、汚染物質は繊維素材中に浸透するのが抑制されており、付着した汚れの除去が容易である。従って、本発明の撥水性繊維シートからなる内装化粧材は、優れた吸放湿性能及び耐汚染性能を有する。
また、本発明の撥水性繊維シートは、風合いが良く、保湿性も高く、安全性も高い。特に安全性、風合い等の快適性が高いことから、直接肌に接する繊維製品には好適である。例えば肌着、靴下、ブラウス、各種の裏地等に使用される一般の衣料製品、おむつ生理用品などの衛生用品、包帯、皮膚貼付剤基布、パッド、衣料用ベッドシーツやガウン、手術着などの医療用の繊維製品、化粧用パフ、フェイスマスク等の化粧用品、また例えば布団の中綿や側地、毛布、シーツ、タオル、枕カバー、寝具に使用される繊維製品など様々な用途に利用可能である。
(4)無機酸化膜蒸着膜の形成
無機酸化物の蒸着膜としては、例えば、化学気相成長法、または、物理気相成長法、あるいは、その両者を併用したものがあり、無機酸化物の蒸着膜の1層からなる単層膜あるいは2層以上からなる多層膜または複合膜を形成して製造することができる。
本発明において用いる、化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜について説明すると、かかる化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜としては、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を用いて無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
本発明においては、具体的には、繊維素材の一方の面に、有機珪素化合物等の蒸着用モノマーガスを原料とし、キャリヤガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
上記において、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することができ、而して、本発明においては、高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。
具体的に、上記の低温プラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜の形成法についてその一例を例示して説明すると、図2は、上記のプラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜の形成法についてその概要を示す低温プラズマ化学気相成長装置の概略的構成図である。
上記の図2に示すように、本発明においては、プラズマ化学気相成長装置11の真空チャンバ12内に配置された巻き出しロール13から繊維素材1を繰り出し、更に、該繊維素材1を、補助ロール14を介して所定の速度で冷却・電極ドラム15周面上に搬送する。
而して、本発明においては、ガス供給装置16、17および、原料揮発供給装置18等から不活性ガス、有機珪素化合物等の蒸着用モノマーガス、その他等を供給し、それらからなる蒸着用混合ガス組成物を調整しなから原料供給ノズル19を通して真空チャンバ12内に該蒸着用混合ガス組成物を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラム15周面上に搬送された繊維素材1の上に、グロー放電プラズマ20によってプラズマを発生させ、これを照射して、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を製膜化する。
本発明においては、その際に、冷却・電極ドラム15は、真空チャンバ12の外に配置されている電源21から所定の電力が印加されており、また、冷却・電極ドラム15の近傍には、マグネット22を配置してプラズマの発生が促進されている。
次いで、上記で酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成した繊維素材1は、補助ロール23を介して巻き取りロール24に巻き取って、本発明にかかるプラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
なお、図中、25は、真空ポンプを表す。
上記の例示は、その一例を例示するものであり、これによって本発明は限定されるものではないことは言うまでもない。
図示しないが、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、無機酸化物の蒸着膜の1層だけではなく、2層あるいはそれ以上を積層した多層膜の状態でもよく、また、使用する材料も1種または2種以上の混合物で使用し、また、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
上記において、真空チャンバ内を真空ポンプにより減圧し、真空度1×10-1〜1×10-8Torr位、好ましくは、真空度1×10-3〜1×10-7Torr位に調製することが望ましい。
また、原料揮発供給装置においては、有機珪素化合物等の蒸着原料を揮発させて蒸着用モノマーガスとして、ガス供給装置から供給される不活性ガス等と混合させ、この混合ガスを原料供給ノズルを介して真空チャンバ内に導入される。
この場合、混合ガス中の蒸着用モノマーガスと不活性ガスとの混合比は、求める撥水性等に応じて任意の比であってよい。好適には、蒸着用モノマーガス100質量部に対して、不活性ガス30〜100質量部とすることができる。不活性ガスの量が少ないと製膜ができず、多過ぎると、蒸着膜の撥水性が損なわれ得る。
一方、冷却・電極ドラムには、電源から所定の電圧が印加されているため、真空チャンバ内の原料供給ノズルの開口部と冷却・電極ドラムとの近傍でグロー放電プラズマが生成され、このグロー放電プラズマは、混合ガス中の1つ以上のガス成分から導出されるものであり、この状態において、繊維素材を一定速度で搬送させ、グロー放電プラブマによって、冷却・電極ドラム周面上の繊維素材の上に、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
なお、このときの真空チャンバ内の真空度は、1×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、真空度1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することが望ましく、また、繊維素材の搬送速度は、10〜300m/分位、好ましくは、20〜150m/分位に調製することが望ましい。
また、上記のプラズマ化学気相成長装置において、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜の
形成は、繊維素材の上に、プラズマ化した原料ガスをSiOX等の形で薄膜状に形成されるので、当該形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜は、緻密で、隙間の少ない、可撓性に富む連続層となるものであり、従って、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜の撥水性は、極めて高いものとなり、薄い膜厚で十分な撥水性を得ることができる。
また、本発明においては、プラズマにより、繊維素材の表面が清浄化され、繊維素材の表面に、極性基やフリーラジカル等が発生するので、形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜と繊維素材との密接着性が高いものとなるという利点を有する。
更に、上記のように酸化珪素等の無機酸化物の連続膜の形成時の真空度は、1×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することから、繊維素材を原反交換時の真空状態設定時間を短くすることができ、真空度を安定しやすく、製膜プロセスが安定するという利点を有する。
本発明において、有機珪素化合物等の蒸着用モノマーガスを使用して形成される酸化珪素の蒸着膜は、有機珪素化合物等の蒸着用モノマーガスがプラズマ状態により繊維素材と化学反応し、その反応生成物が、繊維素材の一方の面に密接着し、緻密な、柔軟性等に富む薄膜を形成するものであり、通常、一般式SiOX(ただし、Xは、0〜2の数を表す)で表される酸化珪素を主体とする連続状の薄膜である。
而して、上記の酸化珪素の蒸着膜としては、透明性、撥水性等の点から、一般式SiOX(ただし、Xは、1.3〜1.9の数を表す)で表される酸化珪素の蒸着膜を主体とする薄膜であることが好ましい。
また、上記の酸化珪素の蒸着膜は、酸化珪素を主体とし、これに、更に、炭素、水素、珪素または酸素の1種類、または、その2種類以上の元素からなる化合物を少なくとも1種類を化学結合等により含有する蒸着膜からなることを特徴とする。
例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラーレン状等になっている場合、更に、原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含有する場合がある。
具体例を挙げると、CH3部位を持つハイドロカーボン、SiH3シリル、SiH2シリレン等のハイドロシリカ、SiH2OHシラノール等の水酸基誘導体等を挙げることができる。
上記以外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸化珪素の蒸着膜中に含有される化合物の種類、量等を変化させることができる。
而して、上記の化合物が、酸化珪素の蒸着膜中に含有する含有量としては、0.1〜80%位、好ましくは、5〜60%位が望ましい。
上記において、含有率が、0.1%未満であると、酸化珪素の蒸着膜の耐衝撃性、延展性、柔軟性等が不十分となり、曲げなどにより、擦り傷、クラック等が発生し易く、高い撥水性を安定して維持することが困難になり、また、80%を越えると、撥水性及び蒸着膜の密着性が低下して好ましくない。
更に、本発明においては、酸化珪素の蒸着膜において、上記の化合物の含有量が、酸化珪素の蒸着膜の表面から深さ方向に向かって減少させることが好ましく、これにより、酸化珪素の蒸着膜の表面においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高められ、他方、繊維素材との界面においては、上記の化合物の含有量が少ないために、繊維素材と酸化珪素の蒸着膜との密接着性が強固なものとなるという利点を有する。
而して、本発明において、上記の酸化珪素の蒸着膜について、例えば、X線光電子分光装置(Xray Photoelectron Spectroscopy、XPS)、二
次イオン質量分析装置(Secondary Ion Mass Spectroscopy、SIMS)等の表面分析装置を用い、深さ方向にイオンエッチングする等して分析する方法を利用して、酸化珪素の蒸着膜の元素分析を行うことより、上記のような物性を確認することができる。
次に、上記において、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する有機珪素化合物等の蒸着用モノマーガスとしては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、その他等を使用することができる。
本発明において、上記のような有機珪素化合物の中でも、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキサンを原料として使用することが、その取り扱い性、形成された連続膜の特性等から、特に、好ましい原料である。
また、上記において、不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することができる。
ところで、本発明において、本発明にかかる撥水性繊維シートを構成する無機酸化物の蒸着膜として、例えば、物理気相成長法と化学気相成長法の両者を併用して異種の無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる複合膜を形成して使用することもできる。
而して、上記の異種の無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる複合膜としては、まず、繊維素材の上に、化学気相成長法により、緻密で、柔軟性に富み、比較的にクラックの発生を防止し得る無機酸化物の蒸着膜を設け、次いで、該無機酸化物の蒸着膜の上に、物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を設けて、2層以上からなる複合膜からなる無機酸化物の蒸着膜を構成することが望ましい。
勿論、本発明においては、上記とは逆に、繊維素材の上に、先に、物理気相成長法により、無機酸化物の蒸着膜を設け、次に、化学気相成長法により、緻密で、柔軟性に富み、比較的にクラックの発生を防止し得る無機酸化物の蒸着膜を設けて、2層以上からなる複合膜からなる無機酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
次に、本発明において、上記の物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜について更に詳しく説明すると、かかる物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンクラスタービーム法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)を用いて無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
本発明において、具体的には、金属の酸化物を原料とし、これを加熱して蒸気化し、これを繊維素材の一方の上に蒸着する真空蒸着法、または、原料として金属または金属の酸化物を使用し、酸素を導入して酸化させて繊維素材の一方の上に蒸着する酸化反応蒸着法、更に酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて蒸着膜を形成することができる。
上記において、蒸着材料の加熱方式としては、例えば、抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、エレクトロンビーム加熱方式(EB)等にて行うことができる。
本発明において、上記のような無機酸化物の蒸着膜の膜厚としては、使用する金属、ま
たは金属の酸化物の種類等によって異なるが、蒸着膜の合計として、膜厚2nm〜400nm位であることが望ましく、具体的には、その膜厚としては、5〜200nm位が望ましく、而して、上記において、200nm、更には、400nmより厚くなると、その膜にクラック等が発生し易くなるので好ましくなく、また、5nm、更には、2nm未満であると、撥水性の効果を奏することが困難になることから好ましくない。
上記の膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分析装置(機種名、RIX2000型)を用いて、ファンダメンタルパラメーター法で測定することができる。
また、上記において、蒸着膜の膜厚を変更する手段としては、蒸着膜の体積速度を大きくすること、すなわち、モノマーガス量を多くする方法や蒸着する速度を遅くする方法等によって行うことができる。
本発明を以下の実施例に基づいて説明する。しかしながら、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の実施例は、下記の測定方法を用いて各種測定を行い評価した。以下に実施例の物性値の測定方法、及び、評価方法を説明する。
(測定方法)
1.水接触角
接触角計(Drop Master 協和界面科学製)で実施例1、2及び比較例1、2の表裏の水接触角を確認した。
製造した撥水性繊維シートの撥水層表裏の撥水性を評価するため、作成した撥水性繊維シートの表面に対する水の接触角を、接触角計を用いて、異なる場所で5回測定を実施し、5回の平均値を以て各接触角の測定値を求めた。
2.通気性の測定
撥水性繊維シートの通気度の測定は、JIS L−1096 一般織物試験法の通気度測定(フラジール法)に従って行い、5回の測定の平均値を採用した。
3.手触りの官能試験
撥水性繊維シートの不織布表面の手触りを、セルロース不織布単体と比較して差があるか否かを確認した。
○ セルロース不織布単体と差がない
× セルロース不織布の柔らかさを失った。
4.生分解性の測定
市販の腐葉土中に実施例1、2及び比較例1、2を50mm×50mmにカットして入れ、40℃で保管し、水分を補給しながら30日後に不織布の分解状況を目視で判断した。
○ 不織布が分解されている
× 不織布が残っている
(実施例1)
繊維素材として、厚さ12μmのセルロース不織布(旭化成製:ベンリーゼSD30G)を用い、該セルロース不織布を巻き取り式PE−CVD法蒸着装置の繰り出し側に、片面が被蒸着面となるように設置し、その後、該繊維素材を巻き出し、巻き上げ張力を1.4N/mに設定し、巻き取り式PE−CVD法蒸着装置の容器を密閉し、排気ポンプを稼動させて減圧するとともに、蒸着ドラムの冷却装置の出口側温度を0℃に冷却した。
装置内圧力をキャパシタンスマノメーターにより測定し、0.5Paに到達した段階で
、蒸着材料としてヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)を採用し、HMDSOは常温で液体状態であるので、液体状態で流量を計量し、その供給ラインの流量を4000sccm(standard cc/min、1atm、0℃で規格化されたsccmを意味する) に、また、装置内の雰囲気ガスとしてアルゴンを用い、その供給ラインの流量を1500sccmに、それぞれ設定し、PE−CVD法蒸着装置の真空チャンバ内へ供給し、PE−CVD法蒸着装置の容器内の圧力を5.0Paに調整した。
上記のとおりPE−CVD法蒸着装置を設定し、蒸着装置の動作が安定化した後、下記PE−CVD法の蒸着条件として、印加電圧:40KHzの交流電源4kW、繊維素材の搬送速度:30m/min、成膜圧力:5.0Pa、基材保持温度:0℃で、ヘキサメチレンジシロキサンを蒸着材料としたプラズマ化学気相成長をセルロース不織布の表面に施し、厚さ10nmの蒸着膜を成膜し、酸化珪素の蒸着膜を有する撥水性繊維シートを製造した後、該シートの搬送を停止させ、捲き取り部の撥水性繊維シートを回収し、所定の物性測定を実施した。
(蒸着条件)
繊維素材: セルロース不織布(旭化成せんい ベンリーゼSD30G)
蒸着材料: ヘキサメチレンジシロキサン(HMDSO)
雰囲気ガス: アルゴンガス
導入ガス比: HMDSO:Ar=4000:1500[sccm]
巻き取り型PE−CVD装置
印加電圧: 40KHz交流電源、4kW
フィルムの搬送速度: L/S=30m/min
成膜圧力: 5.0[Pa]
基材保持温度: 0℃
(実施例2)
基材としてのセルロース不織布(旭化成製:ベンリーゼSD30G)の片面にプラズマCVDを用いて酸化珪素の蒸着膜を成膜し、撥水層をもうけた。
(蒸着条件)
基材: セルロース不織布(旭化成せんい ベンリーゼSD30G)
蒸着材料: ヘキサメチレンジシロキサン(HMDSO)
雰囲気ガス: アルゴンガス
導入ガス比: HMDSO:Ar=4000:1500[sccm]
巻き取り型PE−CVD装置
印加電圧: 40KHz交流電源、4kW
フィルムの搬送速度: L/S=90m/min
成膜圧力: 5.0[Pa]
基材保持温度: 0℃
(比較例1)
セルロース不織布(旭化成製:ベンリーゼSD30G)
(比較例2)
セルロース不織布を、不揮発成分濃度2%に調整されたゲラネックスF−2(フッ素系撥水剤:松本油脂製薬製)希釈液に浸漬後、一対の絞りロールによりWPU100%に調整して、撥水性不織布を得た。次いで、得られた撥水性不織布とベンリーゼ単体とをニードルパンチマシーンにより打ち込み深さ6mm、70P/cm2で一体化させた。
(測定結果)
上記各実施例及び比較例に記載された方法により得られた繊維シートに対して、水接触
角、通気性、手触りの官能試験及び生分解性について測定し、それぞれの繊維シートの評価を行った。その結果は、以下のとおりである。
Figure 0005703966
(結果の評価)
実施例1及び2は、セルロース不織布にプラズマCVD法で撥水層を設けるだけで、成膜面のみ撥水性を示し、また、セルロースの特徴である吸水性、通気性、風合い、生分解性を維持しているものである。
比較例1は、セルロース不織布そのものの特徴を現し、撥水性を持たない。
また、一般的に不織布に撥水性を持たせる方法の一つである貼り合わせの例として比較例2があるが、工程数が増えることとセルロースの特徴が失われていることから、CVD法で膜をつけたときの片面撥水膜が優位性を持つといえる。
本発明によれば、効率よく、かつ低コストで物性的に優れた撥水性繊維シートを正確に制御して安定的に製造できる。本発明の撥水性繊維シートは、吸湿性、柔軟性及び撥水性等に優れたものであり、燃料電池部材、電池液等を含ませたシート、吸放出性の内装化粧材、美容液を含むシートマスク、肌着、靴下等の繊維製品や、おむつ等の衛生用品に好適に用いることができる。
A:撥水性繊維シート
1:繊維素材(基材)
2:無機酸化物蒸着膜(撥水層)
11:プラズマ化学気相成長装置
12:真空チャンバ
13:巻き出しロール
14、23:補助ロール
15:冷却・電極ドラム
16、17:ガス供給装置
18:原料揮発供給装置
19:原料供給ノズル
20:グロー放電プラズマ
21:電源
22:マグネット
24:巻き取りロール
25:真空ポンプ

Claims (5)

  1. 不織布の片面に、プラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜からなる撥水層を設けた撥水性繊維シートであって、
    該不織布を、真空度が1×10 -1 〜1×10 -2 Torrの真空チャンバ内に設置された冷却・電極ドラム周面上に20〜150m/分の速度で搬送し、
    蒸着用混合ガス組成物として、ガス供給装置及び原料揮発供給装置から、不活性ガス及び有機珪素化合物からなる蒸着用モノマーガスを供給し、
    ここで上記真空チャンバー内に供給される上記蒸着用混合ガス組成物は、蒸着用モノマーガス100質量部に対して不活性ガス30〜100質量部であり、
    さらに、上記の冷却・電極ドラム周面上に搬送された不織布上に、グロー放電プラズマによってプラズマを発生させて、膜厚5〜200nmの無機酸化物からなる蒸着膜を連続膜として成膜し撥水層とした上記撥水性繊維シート。
  2. 無機酸化物の蒸着膜が、プラズマ化学気相成長法による酸化珪素の蒸着膜であることを特徴とする上記請求項1に記載の撥水性繊維シート。
  3. 不織布が、セルロース系の不織布であることを特徴とする上記請求項1または2に記載の撥水性繊維シート。
  4. 不織布の表面に、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理のうちのいずれかの前処理を施したことを特徴とする上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の撥水性繊維シート。
  5. 上記請求項1〜4のいずれか1項に記載の撥水性繊維シートの製造方法であって、撥水層をプラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜からなる連続膜として成膜する、上記撥水性繊維シートの製造方法。
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