JP5703931B2 - コークス炉及びコークス炉の操業方法 - Google Patents
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Description
炭化室には、石炭を装入するための装入孔が設けられており、石炭装入車が装入孔に対して装入スリーブを接続した状態で石炭の装入が実施される。ここで、炭化室からは、石炭に含まれる揮発成分が揮発することにより、コークス炉ガスが発生することになる。
ドライメンは、オフテークメンを介してサクションメンに接続されており、前述のコークス炉ガスは、オフテークメン及びサクションメンを介して、ガス処理施設へと移送される。
よって、例えば高温の石炭を装入して大量のコークス炉ガスが発生する場合には、開閉弁を開放することで、上述のように、一のドライメンと他のドライメンとを均圧化して、一のドライメンと他のドライメンの圧力制御を行うことができる。
一方、低温の石炭を使用し、コークス炉ガスの発生量が少ない場合には、開閉弁を閉止することにより、それぞれのドライメンに設けられた開度調整手段によってそれぞれのドライメンの圧力制御を行ってもよい。
炭化室から発生するコークス炉ガスには多くの粉塵が混在している。ここで、前記連結管に連結される接続孔が水平方向よりも上方に向けて開口しているので、粉塵が連結管内部に堆積することが防止され、連結管の閉塞を防止することができる。
この構成のコークス炉の操業方法によれば、一のドライメンに接続された炭化室において石炭の装入を行った際に大量のコークス炉ガスが発生する場合であっても、コークス炉ガスを一のドライメンから他のドライメンへと流入させることができ、一の開度調整手段及び他の開度調整手段の制御範囲でコークス炉ガスを流通させることが可能となる。これにより、一の開度調整手段及び他の開度調整手段によって確実に圧力調整を行うことができ、安定した操業を行うことができる。
炭化室に装入される石炭の温度が100℃以上の場合には、炭化室に装入した時点で揮発分が急激に揮発して大量のコークス炉ガスが発生することになる。よって、前記一のドライメンと前記他のドライメンとを連通した状態で石炭の装入を実施することで、ドライメン及び炭化室の圧力を制御することが可能となる。
一方、炭化室に装入される石炭の温度が100℃未満の場合には、炭化室に装入した時点で発生するコークス炉ガスの量が比較的少ないことから、前記一のドライメンと前記他のドライメンとを遮断した状態で石炭の装入を実施することで、それぞれのドライメンに設けられた開度調整手段によってドライメンの圧力制御を行ってもよい。
また、コークス炉1は、第1ドライメン30Aに接続された複数の炭化室10を有するA炉団と、第2ドライメン30Bに接続された複数の炭化室10を有するB炉団と、を備えている。
図2に示すように、石炭装入車20には、炭化室10に設けられた複数の装入孔16にそれぞれ対応する装入スリーブ21が設けられており、この装入スリーブ21を装入孔16に接続した状態で、石炭を炭化室10内に装入する構成とされている。
また、石炭装入車20は、炭化室10のスタンドパイプ15に接続されるジャンパパイプ22を備えている。このジャンパパイプ22は、図1に示すように、石炭を装入する炭化室10(以下、装入窯10a)と、装入窯10aに隣接する炭化室10(以下、隣接窯10b)とを連結する構成とされている。
ここで、本実施形態においては、第1ドライメン30A及び第2ドライメン30Bに設けられた接続孔31A、31Bが水平方向よりも上方に向けて開口しており、連結管40は、第1ドライメン30A及び第2ドライメン30Bから上方に向けて延在するように配設されている。
まず、コークス炉1に装入する石炭の温度を確認する。ここで、石炭の乾留時間を短縮してコークスの生産効率を向上させるために、コークス炉に装入する石炭の温度を100℃以上、好ましくは150℃以上、さらに好ましくは250℃以上とすることがある。但し、石炭の温度が高すぎると石炭が溶融するため、上限は300℃以下とすることが好ましい。このように、100℃以上の石炭を用いる場合には、図4に示すように、連結管40に設けられた開閉弁41を開放して、第1ドライメン30Aと第2ドライメン30Bとを連通させた状態で石炭の装入を実施する。
一方、100℃未満の石炭を用いる場合には、図4に示すように、連結管40に設けられた開閉弁41を閉止して、第1ドライメン30Aと第2ドライメン30Bとを遮断させた状態で石炭の装入を実施する。
まず、石炭装入車20が、装入窯10aの上にまで移動する。そして、装入窯10a及び隣接窯10bのスタンドパイプ15の蓋を開放し、ジャンパパイプ22を接続する。また、装入窯10aの各装入孔16の蓋を開放し、装入スリーブ21を接続する。
これにより、装入窯10aで発生するコークス炉ガスは、装入窯10a及び隣接窯10bを介して第1ドライメン30A又は第2ドライメン30Bへと吸引される。
本実施形態においては、100℃未満の石炭を装入する場合には、連結管40の開閉弁41を閉止し、第1ドライメン30Aと第2ドライメン30Bとを遮断した状態としている。このため、例えばB炉団において装入作業を実施した場合、コークス炉ガスが第2ドライメン30Bに吸引される。そして、第2ドライメン30Bに接続された第2オフテークメン32Bを介して、サクションメン35に排出される。このとき、第1ドライメン30Aには、コークス炉ガスが流入しないことになる。
一方、炭化室10に装入される石炭の温度が100℃未満の場合には、炭化室10に装入した時点で発生するコークス炉ガスの量が比較的少ない。よって、第1ドライメン30Aと第2ドライメン30Bとを遮断した状態で石炭の装入を実施することで、第1制御ダンパ34Aによって第1ドライメン30Aの圧力を制御し、第2制御ダンパ34Bによって第2ドライメン30Bの圧力を制御することになる。このとき、ガスの発生量が少なく第1制御ダンパ34A及び第2制御ダンパ34Bの制御範囲を超えないため、第1ドライメン30A及び第2ドライメン30Bの圧力制御を安定して行うことが可能となる。
以上、炭化室10に装入される石炭の温度が100℃未満の場合に、第1ドライメン30Aと第2ドライメン30Bとを遮断した状態で石炭の装入を実施する形態を例に挙げて説明したが、別の形態として、炭化室10に装入される石炭の温度が100℃未満の場合に、第1ドライメン30Aと第2ドライメン30Bとを連通した状態で石炭の装入を実施してもよい。
B炉団の炭化室10に、例えば200℃に加熱した石炭を装入した場合、第1ドライメン30A及び第2ドライメン30Bを介してサクションメン35に排出されるコークス炉ガス量は、図5(a)及び図6(a)に示すように変化することになる。ちなみに、図5(a)と図6(a)は同一の図である。すなわち、石炭の装入の直後にガスの発生量が大幅に増加(例えば、ベースに対して、ピーク値が約11000Nm3/h増加)し、その後、ガスの発生量は徐々に減少していく。これは、石炭の装入を開始した時点では、石炭が炭化室10の底面と側面とに接触し、揮発成分が急激に揮発してガス発生量が多くなり、その後に装入される石炭は、炭化室10の側面に接触するのみであるため、温度上昇が緩やかになり、ガスの発生量が抑えられるためである。
例えば、ジャンパパイプが設けられた石炭装入車を用いたもので説明したが、これに限定されることはなく、ジャンパパイプを有していないものであってもよい。
さらに、2つのドライメンを連結管で連結するものとして説明したが、3つ以上のドライメンを連結管で連結する構成であってもよい。
10 炭化室
20 石炭装入車
30A 第1ドライメン(一のドライメン)
30B 第2ドライメン(他のドライメン)
31A、31B 接続孔
32A 第1オフテークメン(一のオフテークメン)
32B 第2オフテークメン(他のオフテークメン)
34A 第1制御ダンパ(一の開度調整手段)
34B 第2制御ダンパ(他の開度調整手段)
40 連結管
41 開閉弁
Claims (4)
- 複数の炭化室に接続された一のドライメンと、他の複数の炭化室に接続された他のドライメンと、を有し、
前記一のドライメンには、一のオフテークメンが接続され、前記他のドライメンには、他のオフテークメンが接続されており、
前記一のオフテークメンには、この一のオフテークメンの開度を調整する一の開度調整手段が設けられ、前記他のオフテークメンには、この他のオフテークメンの開度を調整する他の開度調整手段が設けられており、
前記一のドライメンと前記他のドライメンとの間には、これら前記一のドライメンと前記他のドライメンとを連結する連結管が設けられており、
前記連結管には、開閉弁が配設されていることを特徴とするコークス炉。 - 前記一のドライメン及び前記他のドライメンには、前記連結管に連結される接続孔が形成されており、この接続孔が、水平方向よりも上方に向けて開口していることを特徴とする請求項1に記載のコークス炉。
- 請求項1又は請求項2に記載されたコークス炉の操業方法であって、
前記一のドライメンと前記他のドライメンとを連結管によって連通した状態で、石炭の装入を実施することを特徴とするコークス炉の操業方法。 - 前記炭化室に装入される前記石炭の温度が100℃以上の場合には、前記一のドライメンと前記他のドライメンとを連結管によって連通した状態で、石炭の装入を実施することを特徴とする請求項3に記載のコークス炉の操業方法。
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