JP5703442B2 - 放電灯点灯装置および放電灯点灯装置を用いた照明器具 - Google Patents
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(第1実施形態)
図1に示すように、本発明に係る第1実施形態である放電灯点灯装置10を適用した照明器具1は、器具本体2と、器具本体2の下方を覆って器具本体2に取り付けられた反射板3と、反射板3の下面に長手方向に配置される熱陰極形の直管型の放電灯FLと、反射板3の両端に配置される一対のソケット4とを備える。それぞれのソケット4には、不図示のばねを介して二対のピン接触孔5が設けられている。ピン接触孔5に放電灯FLが装着されることにより、放電灯FLの一端に有するフィラメント端子(図2参照)A,Bおよび放電灯FLの他端に有するフィラメント端子(図2参照)C,Dが放電灯点灯回路10に電気的に接続される。なお、放電灯FLは、図示した単一本に代えて複数本であってもよく、その場合は、放電灯FLの本数に応じてソケット4の数が決められる。また、放電灯FLは施設や店舗用途に用いられる直管型や、主に住宅用途に用いられる環状型、あるいは主にダウンライトの器具に用いられるコンパクト型のものであってもよい。
図3に示すように、インバータ回路11は、電源投入されると、共振用インダクタT1、共振用コンデンサC1により決まる無負荷共振周波数f0に対して十分に高い周波数fphにて発振開始し、放電灯FLには点灯できない程度の共振電圧が印加される。このとき共振用インダクタT1の2次巻線よりコンデンサC3,C4を介してフィラメントf1,f2を加熱する為の先行予熱電流が流れる。この動作を先行予熱モードと称する。本実施形態では電源投入後、放電灯点灯装置10内の集積回路の起動時間としてスタンバイモードを先行予熱モードの前に設けてある。
図4に示すように、T1時点において電源が投入される。電源の投入に伴いバイパスコンデンサC5が充電される。これにより、T2時点において、第1電圧比較器EL1がハイレベル信号を出力し、スタンバイモードにおいて、周波数制御回路15および駆動回路17によって放電灯FLへの高周波電力供給を低下もしくは停止する。そして、T3時点からの先行予熱モード、T4時点からの始動モードおよびT5時点,T6時点までの予め定められた時間、第1電圧比較器EL1についてマスクがかけられて動作が禁止され、T6時点において点灯モードへ移行する。
図5に示すように、放電灯FLが寿命末期となり、いずれかのフィラメントf1,f2(図2参照)がエミッタレスの状態となり、T1時点において電源が投入されると、放電灯FLに整流作用が生じ、抵抗R1,R2で分圧され、バイパスコンデンサC5が充電される。このとき、放電灯FLが点灯中にグラウンドに対して正方向に整流作用を生じる方向に、放電灯FLのフィラメントf1(f2)が寿命を迎えた場合、バイパスコンデンサC5は正方向へ充電される。電流源I1と放電灯FLの整流作用により、T2時点において、バイパスコンデンサ両端電圧VC5>第1基準電圧Vth1の関係が成立する。
T5時点からT7時点までの間は第1基準電圧Vth1>バイパスコンデンサ両端電圧VC5の関係が成立し、T7時点においてバイパスコンデンサ両端電圧VC5>第1基準電圧Vth1の関係が成立するために、第1電圧比較器EL1がハイレベル(H)信号を出力して周波数制御回路15を停止させ、スイッチング素子Q1,Q2への駆動信号が停止して保護モードに移行する。
図6に示すように、点灯中に放電灯FLが寿命を迎えグラウンドに対して負方向に整流作用が生じると、バイパスコンデンサC5は抵抗R1,放電灯FLを介して放電される。これにより、バイパスコンデンサC5の電荷が引き抜かれ、バイパスコンデンサ両端電圧VC5<第2基準電圧Vth2の関係が成立すると、第2電圧比較器EL2がハイレベル信号を出力する。そして、上記と同様にして、T7時点においてバイパスコンデンサ両端電圧VC5<第2基準電圧Vth2の関係が成立するために、第2電圧比較器EL2がハイレベル(H)信号を出力して周波数制御回路15を停止させ、スイッチング素子Q1,Q2への駆動信号が停止して保護モードに移行する。なお、点灯モードに入るT6時点において第1電圧比較器EL1および第2電圧比較器EL2のマスクを解除しているが、点灯モードに入ってしばらくしてから、第1電圧比較器EL1および第2電圧比較器EL2のマスクを解除してもよい。
これにより、この第1実施形態の放電灯点灯装置10においては、放電灯FLが寿命末期時に正方向または負方向へ半波放電した場合に放電灯FLへの電力供給を低下もしくは停止する保護機能を少ない部品で実現でき、コストダウンや実装スペースを確保できる。
これにより、この第1実施形態の放電灯点灯装置10においては、放電灯FLの先行予熱時、始動時のような過渡的な不安定状態は正常な放電灯FLであっても放電灯FLの両端電圧に直流成分が発生し易い不安定な動作状態に第1電圧比較器EL1および第2電圧比較器EL2をマスクすることにより、誤検知を回避できる。
これにより、この第1実施形態の照明器具1においては、放電灯FLが寿命末期時に正方向または負方向へ半波放電した場合に放電灯FLへの電力供給を低下もしくは停止する保護機能を少ない部品で実現でき、コストダウンや実装スペースを確保できる。
次に、本発明に係る第2実施形態の放電灯点灯装置および放電灯点灯装置を用いた照明器具について説明する。なお、以下の各実施形態において、上述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
図8に示すように、放電灯FLのフィラメント端子A,Bが正常に接続された状態で電源が投入されると、無負荷検出回路21において、直流電源Vdcからの直流バイアスにより抵抗R3,R1を介して抵抗R2に電流が流れる。フィラメントf1(f2)の抵抗値は概ね数Ω〜数十Ωと低く、一方、抵抗R3,抵抗R1,抵抗R2は共振負荷回路に影響が無いような比較的大きな抵抗値(概ね数十kΩ〜数MΩ)で構成される。バイパスコンデンサC5は電流源I1と直流電源Vdcからの直流バイアスにより充電され、所定値まで上昇する。第3電圧比較器NLの+入力端子の電圧は第3基準電圧Vth3を上回り、第3電圧比較器NLの出力はハイレベル(H)が出力される。この結果、インバータ回路11は通常動作を開始する。
図9に示すように、フィラメント端子A,フィラメント端子Bのいずれかが外れた状態でT1時点において電源が投入されると、電源投入時のような過渡的な場合では、直流電源Vdc,抵抗R3,コンデンサC3,フィラメント端子B,フィラメント端子A,バイパスコンデンサC5の経路でバイパスコンデンサC5が充電される。過渡的には、T2時点からT3時点において上記経路でバイパスコンデンサC5の両端電圧が上昇するが、定常的にはバイパスコンデンサC5の充電経路がない為、T4時点からバイパスコンデンサC5は抵抗R2を介して放電される。電源投入時には、一時的にバイパスコンデンサ両端電圧VC5>第3基準電圧Vth3となるが、抵抗R2を介して放電される為、所定の期間バイパスコンデンサ両端電圧VC5>第3基準電圧Vth3を維持することができない。従って、第3電圧比較器NLの出力はローレベル(L)が維持され、インバータ回路11は動作しない。このように、電流源I1が負荷の有無に関わらず、バイパスコンデンサC5にバイアス供給しているが、バイパスコンデンサ両端電圧VC5>第3基準電圧Vth3となる関係となるように、抵抗R1,抵抗R2,抵抗R3,電流源I1の関係を設定することにより、負荷が無い時に、インバータ回路11が動作することはない。
図10に示すように、放電灯FLが寿命末期となり、いずれかのフィラメントf1,f2がエミッタレスの状態となり、T1時点において電源が投入されると、放電灯FLに整流作用が生じ、抵抗R1,R2で分圧され、バイパスコンデンサC5が充電される。このとき、放電灯FLが点灯中にグラウンドに対して正方向に整流作用を生じる方向に、放電灯FLのフィラメントf1(f2)が寿命を迎えた場合、T2時点からT3時点までの予め定められた時間において第3電圧比較器NLがマスクされる。そして、図5と同様に、周波数制御回路15を停止させ、スイッチング素子Q1,Q2への駆動信号が停止して保護モードに移行する。
図11に示すように、点灯中に放電灯FLが寿命を迎えグラウンドに対して負方向に整流作用が生じると、バイパスコンデンサC5は抵抗R1,放電灯FLを介して放電される。そして、図6と同様に、周波数制御回路15を停止させ、スイッチング素子Q1,Q2への駆動信号が停止して保護モードに移行する。
これにより、この第2実施形態の放電灯点灯装置20においては、電源投入時に高圧側のフィラメントが接続されている場合にのみ放電灯FLへの電力供給を開始する起動時無負荷検出の保護機能と、放電灯FLが寿命末期時に半波放電した場合に放電灯FLへの電力供給を低下もしくは停止する寿命末期検出の保護機能とを備えた放電灯点灯装置20において、起動時無負荷検出と寿命末期検出との部品を共用化することによりコストダウンおよび実装スペースを確保できる。
これにより、この第2実施形態の放電灯点灯装置20においては、放電灯FLが正常点灯している時にバイパスコンデンサC5の両端電圧が下がっても、無負荷であると誤検出することを防止できる。
これにより、この第2実施形態の放電灯点灯装置20においては、無負荷時に電源が投入されて過渡的にバイパスコンデンサC5の両端電圧が上昇した場合に、負荷が接続されていると誤検出することを防止できる。
これにより、この第2実施形態の放電灯点灯装置20においては、バイパスコンデンサC5を充電する経路として、フィラメントを介した直流バイアス回路22と電流源I1の2経路がある。そのため、起動時の負荷の有無を判別する期間は、電流源I1からのバイアスを低下または停止することにより、負荷が外れているときの定常時のバイパスコンデンサ両端電圧VC5と第1基準電圧Vth1との差が広くなることと、負荷が外れている時の電源投入時に生じるバイパスコンデンサ両端電圧VC5の過渡的な上昇に対しても放電が早くなることによって、より確実な起動時の無負荷検出を実施できる。
これにより、この第2実施形態の放電灯点灯装置20においては、インバータ回路11の直流電源Vdcと直流バイアス回路22の直流電源Vdcとを兼用することにより、部品点数の低減に伴うコストダウンや実装スペースを確保できる。
次に、本発明に係る第3実施形態の放電灯点灯装置および放電灯点灯装置を用いた照明器具について説明する。
図12に示すように、本発明に係る第3実施形態の放電灯点灯装置30は、抵抗R3がフィラメント端子Aに、抵抗R1がフィラメント端子Bに接続されている。放電灯点灯装置30の各動作は、第2実施形態と同様であるために説明を省略する。
次に、本発明に係る第4実施形態の放電灯点灯装置および放電灯点灯装置を用いた照明器具について説明する。
図13に示すように、本発明に係る第4実施形態の放電灯点灯装置40は、スイッチング素子Q1,Q2の接続点とグラウンド間に、直流阻止用コンデンサC2と共振用インダクタT1と、共振用コンデンサC1とが直列に接続され、共振用コンデンサC1の両端に放電灯FLが接続される。
次に、本発明に係る第5実施形態の放電灯点灯装置および放電灯点灯装置を用いた照明器具について説明する。
図14に示すように、本発明に係る第5実施形態の放電灯点灯装置50は、電流源I1を駆動回路17が動作中にのみ供給し、負荷の有無を判別する所定の期間中は、バイパスコンデンサC5へのバイアス供給を遮断している。放電灯点灯装置50は、負荷の有無を判別する為のバイパスコンデンサC5の両端電圧は、無負荷検出回路21からの経路のみとなり、電流源I1による充電を考慮しなくていい為、負荷が外れているときの定常時のバイパスコンデンサC5の両端電圧と第1基準電圧Vth1との間隔が広くなることと、放電灯FLが外れている時の電源投入時に生じるバイパスコンデンサC5の両端電圧の過渡的な上昇に対しても放電が早くなる。これにより、上記各実施形態よりも確実な起動時の無負荷検出を実施することができる。
図15に示すように、放電灯FLのフィラメント端子A,Bが正常に接続された状態で電源が投入されると、バイパスコンデンサC5は電流源I1と直流電源Vdcからの直流バイアスにより充電され、所定値まで上昇する。この結果、インバータ回路11は通常動作を開始する。通常動作を開始すると、放電灯FLは点灯し、両端には高周波電圧が発生し、通常点灯が維持される。
図16に示すように、フィラメント端子A,フィラメント端子Bのいずれかが外れた状態で電源が投入されると、上記と同様にして、第3電圧比較器NLの出力はローレベル(L)が維持され、インバータ回路11は動作しない。
図17に示すように、放電灯FLが寿命末期となり、いずれかのフィラメントf1,f2がエミッタレスの状態となり、T1時点において電源が投入されると、放電灯FLに整流作用が生じ、抵抗R1,R2で分圧され、バイパスコンデンサC5が充電される。このとき、放電灯FLが点灯中にグラウンドに対して正方向に整流作用を生じる方向に、放電灯FLのフィラメントf1(f2)が寿命を迎えた場合、T2時点からT3時点までの予め定められた時間において第3電圧比較器NLがマスクされる。そして、図5と同様に、周波数制御回路15を停止させ、スイッチング素子Q1,Q2への駆動信号が停止して保護モードに移行する。
図18に示すように、点灯中に放電灯FLが寿命を迎えグラウンドに対して負方向に整流作用が生じると、バイパスコンデンサC5は抵抗R1,放電灯FLを介して放電される。そして、上記と同様に、周波数制御回路15を停止させ、スイッチング素子Q1,Q2への駆動信号が停止して保護モードに移行する。
次に、本発明に係る第6実施形態の放電灯点灯装置および放電灯点灯装置を用いた照明器具について説明する。
図19に示すように、本発明に係る第6実施形態の放電灯点灯装置60は、第3電圧比較器NLの基準電圧がヒステリシスを有する。すなわち、放電灯点灯装置60は、バイパスコンデンサC5の両端電圧が第3基準電圧Vth3を超えると、第3電圧比較器NLの基準電圧が第3基準電圧Vth3よりも低い第4基準電圧Vth4に変わる。
図20に示すように、放電灯点灯装置60は、正常に放電灯FLが接続されている時に、外来ノイズ等の影響で、負荷の有無を判別する所定の期間において一時的にバイパスコンデンサC5の両端電圧が下がった時に、負荷が無いと判別する誤検知の可能性を低減することができる。
図21に示すように、放電灯点灯装置60は、バイパスコンデンサ両端電圧VC5が第4基準電圧Vth4を所定の期間上回っていない場合は、第3電圧比較器NLの出力はローレベル(L)が維持され、インバータ回路11は動作しない。また、負荷の有無を判別する所定の期間経過後は、基準電圧を第4基準電圧Vth4から第3基準電圧Vth3に戻しておく。これは、負荷が接続されていないと判断した後に、負荷が接続された時に、負荷の有無を高い基準電圧である第3基準電圧Vth3で検知する必要がある為である。なお、基準電圧にヒステリシスを設けることは、上記各実施形態に適用できる。
これにより、この第6実施形態の放電灯点灯装置60においては、起動時に負荷の有無を判別する時は、バイパスコンデンサC5の両端電圧と比較する基準電圧を高くしておき、負荷が接続されていると判別した後は、基準電圧を低くすることにより、負荷が接続されているにも関わらず過渡的にバイパスコンデンサC5の両端電圧が落ちた時や、バイパスコンデンサC5の両端電圧がリップル成分を含む時に、バイパスコンデンサC5の両端電圧が基準電圧以下となり、無負荷と判別することを防止できる。
次に、本発明に係る第7実施形態の放電灯点灯装置および放電灯点灯装置を用いた照明器具について説明する。
図22に示すように、本発明に係る第7実施形態の放電灯点灯装置70は、RSフリップフロップ71,AND論理回路AND_NL,AND論理回路AND_EL1,AND論理回路AND_EL2を更に備えて、第1電圧比較器EL1,第2電圧比較器EL2,第3電圧比較器NLのマスク方法を変更した。放電灯点灯装置70は、無負荷判定信号が負荷の有無を判別する所定の期間はローレベル(L)であり、その他の動作状態ではハイレベル(H)信号を出力する。無負荷判定信号と、第3電圧比較器NLの論理積をRSフリップフロップ71のS入力に入力する。一方、RSフリップフロップ71のR入力には停止信号を入力する。停止信号は、放電灯点灯装置70の不図示の他の制御回路部で何等かの異常が検出された時に、ハイレベル(H)信号となる。他の状態ではローレベル(L)信号が出力される。
図23に示すように、放電灯点灯装置70は、無負荷判定信号は負荷の有無を判別する所定の期間はローレベル(L)信号であり、AND論理回路AND_NLはローレベル(L)信号を出力する。負荷が接続されている時は、バイパスコンデンサC5へは直流電源Vdcからのバイアスが供給されている状態であり、所定の期間経過後もバイパスコンデンサ両端電圧VC5>第3基準電圧Vth3の関係が成立している。所定の期間経過後に、無負荷判定信号はローレベル(L)へ切り替わる為、第3電圧比較器NLおよび無負荷判定信号は共にハイレベル(H)となり、AND論理回路AND_NLの出力はハイレベル(H)となり、RSフリップフロップ71はハイレベル(H)の出力となり、駆動回路17が動作を開始する。駆動回路17が動作開始後にバイパスコンデンサ両端電圧VC5>第3基準電圧Vth3となっても、停止信号(ハイレベル(H))が入力されない限り、RSフリップフロップ71のハイレベル出力は維持され、駆動回路17は動作を継続する。
図24に示すように、放電灯点灯装置70は、無負荷判定信号は負荷の有無を判別する所定の期間はローレベル(L)信号であり、AND論理回路AND_NLはローレベル(L)信号を出力する。フィラメント端子Aまたはフィラメント端子Bが外れた状態で電源が投入された時、過渡的にバイパスコンデンサC5の両端電圧が上昇し、第3電圧比較器NLの出力はハイレベル(H)となるが、所定の期間中は無負荷判定信号がローレベル(L)出力である為、AND論理回路AND_NLの出力はローレベル(L)が維持される。従って、RSフリップフロップ71の出力もローレベル(L)である為、駆動回路17は動作開始しない。
図25および図26に示すように、第1電圧比較器EL1,第2電圧比較器EL2の出力がAND論理回路AND_EL1,AND論理回路AND_EL2にそれぞれ入力される。AND論理回路AND_EL1,AND論理回路AND_EL2へは第1電圧比較器EL1,第2電圧比較器EL2のマスク信号も入力される。先行予熱モード、始動モード時にマスク信号がローレベル(L)であり、この信号と論理積を取ることにより、第1電圧比較器EL1,第2電圧比較器EL2の信号を先行予熱モードおよび始動モード中はマスクすることができる。なお、本タイミングチャートでは、電流源I1の供給は駆動回路17の動作前から供給しているが、駆動回路17が動作中のみ供給する形態でも構わない。
次に、本発明に係る第8実施形態の放電灯点灯装置および放電灯点灯装置を用いた照明器具について説明する。
図27に示すように、本発明に係る第8実施形態の放電灯点灯装置80は、第3電圧比較器NLの出力部にNOR論理回路NOR_NLが接続され、NOR論理回路NOR_NLの入力として、無負荷判定信号が入力される。NOR論理回路NOR_NLの出力はスイッチング素子Q21のゲートに接続され、スイッチング素子Q21のドレインに電流源(直流電流源)I2とコンデンサC6とが接続される。コンデンサC6の両端電圧は第5基準電圧Vth5と電圧比較器CPとで比較される。無負荷判定信号は駆動回路17の動作時はハイレベル(H)であり、その他の状態ではローレベル(L)となる。
図28に示すように、放電灯点灯装置80は、放電灯FLが正常に接続された状態で電源が投入された時、バイパスコンデンサ両端電圧VC5>第3基準電圧Vth3の関係になると、第3電圧比較器NLの出力がハイレベル(H)になる。第3電圧比較器NLの出力がハイレベル(H)となると、NOR論理回路NOR_NLの出力はローレベル(L)となり、スイッチング素子Q21がオフする。電流源I2は放電灯点灯装置80に電源が供給されている間に直流電流を供給する電流源である。電流源I2によりコンデンサC6が充電され、コンデンサC6の両端電圧が電圧比較器CPにて第5基準電圧Vth5と比較される。コンデンサC6の両端電圧VC6が第5基準電圧Vth5を上回ると、電圧比較器CPがハイレベル(H)出力となり、駆動回路17を動作開始させる。
図29に示すように、放電灯点灯装置80は、フィラメント端子Aまたはフィラメント端子Bが外れた状態で電源が投入されると、過渡的にバイパスコンデンサC5の両端電圧が上昇する。これによって第3電圧比較器NLの出力がハイレベル(H)となり、NOR論理回路NOR_NLはローレベル(L)出力となり、スイッチング素子Q21はオフする。コンデンサC6は電流源I2によって充電されるが、バイパスコンデンサC5が放電され、バイパスコンデンサ両端電圧VC5>第3基準電圧Vth3となると第3電圧比較器NLの出力はローレベル(L)となり、NOR論理回路NOR_NLの出力はハイレベル(H)となる。スイッチング素子Q21はオンされ、コンデンサC6の電荷が引き抜かれる。従って、コンデンサC6の両端電圧は第5基準電圧Vth5に達さない為、電圧比較器CPの出力はローレベル(L)となり、駆動回路17は動作しない。駆動回路17が動作しない為、無負荷判定信号もローレベル(L)出力となり、駆動回路17は停止を継続する。
図30および図31に示すように、第1電圧比較器EL1,第2電圧比較器EL2の出力がAND論理回路AND_EL1,AND論理回路AND_EL2にそれぞれ入力される。AND論理回路AND_EL1,AND論理回路AND_EL2へは第1電圧比較器EL1,第2電圧比較器EL2のマスク信号も入力される。そして、上記と同様に、第1電圧比較器EL1,第2電圧比較器EL2の信号を先行予熱モードおよび始動モード中はマスクすることができる。
次に、本発明に係る第9実施形態の放電灯点灯装置および放電灯点灯装置を用いた照明器具について説明する。
図32に示すように、本発明に係る第9実施形態の放電灯点灯装置90は、図22に示した放電灯点灯回路70に、タイマー回路16をリセットするリセット回路91と、寿命末期検出動作後の状態を保持するフリップフロップFFELと、寿命末期検出後の時間を計測するコンパレータCP2とをさらに備える。
通常、この種の放電灯点灯装置では、寿命末期検出回路が動作してインバータの発振が停止した後、正常な放電灯に交換されたことを検出すると、自動的にインバータを再起動させる機能が設けられていることが一般的である。第9実施形態は、この再起動の機能を装備する場合について説明する。
タイマー回路16がスタートすると無負荷判定信号としてローレベル(L)が出力され、無負荷検出判定期間が開始される。そして、点灯モードに移行するとタイマー回路16より出力される寿命末期検出の第1電圧比較器EL1,第2電圧比較器EL2のマスク信号がハイレベル(H)に反転し、寿命末期検出が有効となる。
そこで、コンパレータCP2によって設定される寿命末期検出後の所定時間をコンデンサC5の電圧が無負荷検出のしきい値Vth3よりも大きな値に復帰するまでの時間よりも長くすることにより、負方向の寿命末期検出が動作した直後に無負荷検出回路21が動作することがないようにしている。
10,20,30,40,50,60,70,80,90 放電灯点灯装置
11 インバータ回路
12 共振回路
13 制御回路部(インバータ制御回路)
14 抵抗分圧回路
21 無負荷検出回路
22 直流バイアス回路
C1 共振用コンデンサ(コンデンサ)
C5 バイパスコンデンサ
EL1 第1電圧比較器(第1の異常負荷検出回路)
EL2 第2電圧比較器(第2の異常負荷検出回路)
FL 放電灯
I1 電流源(直流電流源)
NL 第3電圧比較器
Q1,Q2 スイッチング素子
R1,R2 抵抗
T1 共振用インダクタ(インダクタ)
Vdc 直流電源
Vth1 第1基準電圧(第1の基準電圧)(しきい値)
Vth2 第2基準電圧(第2の基準電圧)(しきい値)
Vth3 第3基準電圧(第3の基準電圧)(しきい値)
Vth4 第4基準電圧(第4の基準電圧)(しきい値)
Vth5 第5基準電圧(第5の基準電圧)(しきい値)
Claims (8)
- 直流電源と、
前記直流電源に接続され少なくとも一つのスイッチング素子を有し直流電圧を高周波電圧に変換するインバータ回路と、
前記インバータ回路に接続され少なくともコンデンサおよびインダクタを有し熱陰極形の放電灯を点灯させる共振回路と、
前記インバータ回路の前記スイッチング素子をオンオフ制御するインバータ制御回路と、
前記放電灯に対して並列に2個以上の抵抗が直列に接続された抵抗分圧回路と、
前記抵抗分圧回路の分圧抵抗と並列に接続される交流バイパス用のバイパスコンデンサと、
前記バイパスコンデンサに接続され、直流バイアス電流を前記バイパスコンデンサに供給する直流電流源と、
前記バイパスコンデンサの両端電圧と第1の基準電圧とを比較する第1の異常負荷検出回路と、
前記バイパスコンデンサの両端電圧と第2の基準電圧とを比較する第2の異常負荷検出回路と、
前記抵抗分圧回路が接続されたフィラメント端子と同じフィラメントの逆側のフィラメント端子に所定の直流バイアスを入力する直流バイアス回路と、
前記バイパスコンデンサの両端電圧と第3の基準電圧を比較する無負荷検出回路と、
を有し、
前記第1の異常負荷検出回路が、前記バイパスコンデンサの両端電圧が前記第1の基準電圧を上回ったことを検出すると、前記インバータ制御回路は、前記スイッチング素子のオンオフを制御して、前記放電灯への高周波電力供給を低下もしくは停止させ、
前記第2の異常負荷検出回路が、前記バイパスコンデンサの両端電圧が前記第2の基準電圧を下回ったことを検出すると、前記インバータ制御回路は、前記スイッチング素子のオンオフを制御して、前記放電灯への高周波電力供給を低下もしくは停止させ、
前記無負荷検出回路は、前記バイパスコンデンサの両端電圧が前記第3の基準電圧を上回ったことを検出すると、前記インバータ制御回路の動作を開始させて、前記放電灯へ高周波電力の供給を開始させ、
かつ、少なくとも前記無負荷検出回路が前記バイパスコンデンサの両端電圧が前記第3の基準電圧を上回っていることを検出する所定の期間は、前記直流電流源の、前記バイパスコンデンサへの前記直流バイアス電流の供給が低下もしくは停止する放電灯点灯装置。 - 請求項1に記載の放電灯点灯装置において、
前記第1の異常負荷検出回路および前記第2の異常負荷検出回路は、前記インバータ制御回路が動作を開始して所定の期間マスクされている放電灯点灯装置。 - 請求項1または請求項2に記載の放電灯点灯装置において、
前記無負荷検出回路は前記インバータ制御回路が動作している期間中マスクされている放電灯点灯装置。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載の放電灯点灯装置において、
前記無負荷検出回路は所定の期間前記バイパスコンデンサの両端電圧が前記第3の基準電圧を上回ったことを検出して前記インバータ制御回路を動作開始させる放電灯点灯装置。 - 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1項に記載の放電灯点灯装置において、
前記無負荷検出回路は前記バイパスコンデンサの両端電圧が前記第3の基準電圧を上回ったことを検出すると前記第3の基準電圧よりも小さい第4の基準電圧と前記バイパスコンデンサの両端電圧とを比較するヒステリシス機能を備えた放電灯点灯装置。 - 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1項に記載の放電灯点灯装置において、
前記第1の異常負荷検出回路および前記第2の異常負荷検出回路が動作した後、前記無負荷検出回路の動作が所定の期間マスクされる放電灯点灯装置。 - 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1項に記載の放電灯点灯装置において、
前記直流バイアス回路の電源は前記インバータ回路に接続される直流電源である放電灯点灯装置。 - 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1項に記載の放電灯点灯装置を備えた照明器具。
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