JP5703155B2 - 接触式プローブおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、接触式プローブおよびその製造方法に関し、特に直径100μm未満の微細孔内の形状等を測定するために用いられるプローブに関する。
従来、高精度が求められる機械部品の製造工程では、加工後に製品の形状測定を行って加工結果を確認することが行われている。このような形状測定では、例えば高精度な座標測定機に接触式プローブを装着し、このプローブを製品表面に接触させている。このような測定に用いられる接触式プローブとしては、棒状のステムの先端に球状のチップを形成したものが多用されている(特許文献1参照)。
近年、例えば内燃機関の燃料噴射装置やインクジェット式プリンタ装置など、非常に微少な液体粒子の噴射を行う機器が製造されており、これらの噴射ノズルは孔径が100ミクロン未満とされる。
このような微細形状の測定においても同様な形状をそのまま微少化したプローブが用いられている(特許文献2参照)。
また、ねじ孔内の形状を測定するために、ステムがL字型に形成されたプローブも用いられている(特許文献3参照)。
特開2006−201105号公報 特開2004−325159号公報 特開2007−248295号公報
ところで、前述した燃料噴射装置やインクジェット式プリンタ装置の噴射ノズルにおいては、ノズル孔の奥に流体通路等が形成されていることがあり、ノズル孔の奥が拡がったいわばアンダーカット形状となることがある。
このような場合、一般的なチップが球状のプローブでは十分な形状測定が行えないことがある。
図11において、ワーク80は微細なノズル孔81およびこれに連通するキャビティ82を有する。一例として、ノズル孔81は内径約60μmであり、キャビティ82は幅約150μm、高さ約80μmである。ノズル孔81とキャビティ82の内壁との間には各々と滑らかに連続するベルマウス形状83が形成され、その断面曲率半径は約40μmである。
このようなワーク80の形状測定を行うための接触式プローブ89としては、例えば直径約30μmのステム88に半径20μmのチップ87を有するものが利用される。
しかし、このようなプローブ89で測定できるのは、ノズル孔81の内面とベルマウス形状83の一部である。これよりも奥の部分にチップ87を接触させようとしても、ステム88がノズル孔81と干渉してしまうためである。
図12に示すように、チップ87の半径を大きくすることで、ベルマウス形状83のやや奥までチップ87を送り込むことができるが、ノズル孔81からの出し入れを行うために、チップ87を大きくする際にはノズル孔81の内径を超えることはできず、十分な測定ができないという問題があった。
ここで、特許文献3に記載のL字形ステムを有するプローブを用いれば、前述した図8の形状においても、キャビティ82のかなり奥まで測定できると期待される。
しかし、特許文献3のプローブでも、次のような問題があった。
図13において、L字形プローブ89Aは、ステム88Aが屈曲部88BでL字形に屈曲されている。微少なL字形プローブ89Aでは、屈曲部88Bは効率的な曲げ加工によることが望ましい。このような曲げ加工による屈曲部88Bは一般に内側に迫り出しており、ノズル孔81の辺縁81Aが角張っている場合(図11のようなベルマウス形状83ではないか、あっても曲率が小さい場合)に干渉する可能性があった。
また、チップ87Aが球状であるため、キャビティ82の入隅部分82Aなど、その形状に十分に測定できない可能性があった。
本発明の目的は、微細な孔内の形状測定が行えるとともに屈曲部分の干渉が回避できる接触式プローブおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の接触式プローブは、棒状のステムと、前記ステムに対して交叉方向へ延びるチップと、前記チップと前記ステムとで挟まれた部分に形成された切欠き状のピットとを有することを特徴とする。
ここで、ステムとチップとは、同じ材料から一体に削り出してもよく、連続材を屈曲させてもよく、別部材を接合して形成してもよい。
このような本発明では、ステムとチップとを同じ材料から一体に削り出した場合、ステムとチップとの間に削り残されて迫り出した部分が生じることがある。また、連続材を屈曲させた場合、ステムとチップとの間に内側に迫り出す部分が生じることがある。さらに、別部材を接合する場合でも、接合に伴う例えば溶接跡などがステムとチップとの間に生じて内側に迫り出すことがある。
これに対し、本発明では、ステムとチップとで挟まれた部分に切欠き状のピットを形成するため、この部分に前述した迫り出しあるいは膨出部分が生じても、これを切除することができる。このため、例えばノズル孔の辺縁が断面直角の出隅あるいは曲率半径の小さいベルマウス形状であっても、ステムおよびチップがノズル孔と干渉することを回避できる。
本発明の接触式プローブにおいて、前記チップと前記ステムとは連続した材料で形成され、前記ステムと前記チップとの連続部分に生じる内側の迫り出し部分に前記ピットが形成されていることが望ましい。
このような本発明では、前項で述べたピットによるステムとチップとの間の迫り出し部分解消を図ることができる。特に、連続材料の削り出しによる効率よい加工が行えるとともに、屈曲加工のような残留応力あるいは溶接等のような熱影響を避けることができる。さらに、全体を削り出しとすることで、ステムおよびチップの形成ないしピットの加工までを同じ加工手段で統一的に行うことができる。
本発明の接触式プローブにおいて、前記ピットは、前記ステムの前記チップが延びる方向の側面の延長線と前記チップの前記ステムが接合された面の延長線との交点よりも深く切欠かれていることが望ましい。
このような形状のピットとすることで、ステムおよびチップとノズル孔との干渉を確実に回避できる。
本発明の接触式プローブの製造方法は、棒状のステムと、前記ステムに対して交叉方向へ延びるチップと、前記チップと前記ステムとで挟まれた部分に形成された切欠き状のピットとを有する接触式プローブの製造方法であって、前記チップおよび前記ステムとなるべき材料から前記チップおよび前記ステムを削り出し、前記チップと前記ステムとで挟まれた部分から前記材料を削り取って前記ピットを形成することを特徴とする。
このような本発明では、一体あるいは一連の材料からチップおよびステムを削り出すため、屈曲加工のような残留応力あるいは溶接等のような熱影響を避けることができる。さらに、全体を削り出しとすることで、ステムおよびチップの形成ないしピットの加工までを同じ加工手段で統一的に行うことができる。
さらに、削り出しを行う際にはステムとチップとの間に削り残しによる迫り出し部分が生じることがあるが、ピットの加工によってこの迫り出しを除去することができ、ステムおよびチップがノズル孔と干渉することを回避できる。
本発明の接触式プローブの製造方法において、前記材料を回転させて前記ステムを削り出すとともに、前記チップとなるべき円盤状部分を削り出し、前記円盤状部分を前記ステムの軸方向に切り取って先端が尖った前記チップを形成し、この後、前記ピットを形成することが好ましい。
このような本発明では、材料を回転させて切削することで、ステム部分などの形状が単純だが切削量が多い部分の加工を効率よく行うことができる。一方、チップとなるべき部分については、先ず円盤状とすることで前述したステム部分の回転切削を利用してチップの側面形状を整え、これに続いて軸方向の切削によりチップの平面形状を整えることができ、効率を高めつつ複雑な形状にも対応することができる。そして、最後にピットの加工を行うことで、ステムとチップとの間の切欠きを確実に形成し、迫り出しを解消することができる。
本発明の接触式プローブの製造方法において、前記ステムの削り出し、前記チップの削り出し、および前記ピットの削り出しは、放電加工によって行うことが望ましい。
このような放電加工は、微細形状の形成に好適である。そして、本発明では、全ての加工つまりステムおよびチップの形成ないしピットの加工までを同じ放電加工で統一的に行うことができる。
本発明の接触式プローブの製造方法において、前記ステムの削り出しおよび前記チップの削り出しは放電加工によって行うとともに、前記ピットの削り出しは側方からのレーザ加工により行うことにしてもよい。
このような本発明では、ステムおよびチップの形成について放電加工により微細形状まで効率よく加工できるとともに、ステムとチップとの間のピットについては、チップ先端等に比べて精度が求められないため、レーザによる加熱材料除去を行うことで、一層の効率化、高速化を図ることができる。
本発明の第1実施形態を示す側面図。 前記第1実施形態の製造手順を示す側面図。 前記第1実施形態の製造手順を示す底面図。 前記第1実施形態の製造手順を示す底面図。 前記第1実施形態の製造手順を示す側面図。 前記第1実施形態の製造手順を示す側面図。 本発明の第2実施形態を示す側面図。 前記第2実施形態の製造手順を示す側面図。 本発明の他の実施形態を示す側面図。 本発明の他の実施形態を示す側面図。 従来例を示す断面図。 従来例を示す断面図。 従来例を示す断面図。
〔第1実施形態〕
図1から図6には、本発明の第1実施形態が示されている。
図1において、接触式プローブ10は、内径数十μm程度の微細なノズル孔およびその奥に拡がるキャビティの内面の形状測定を行うための微細プローブである。
接触式プローブ10は、棒状のステム11と、このステム11に対して交叉方向へ延びるチップ12と、チップ12とステム11とで挟まれた部分に形成された切欠き状のピット13とを有する。
ステム11は、基端側が外径約50μmであり先端側が外径約20μmとされた段差付き丸棒状に形成され、全体としての長さは測定対象に応じて適宜調整される。
チップ12は、ステム11に連続する側が基端側でその反対側が先端側とされ、全長約70μm、高さ約40μm、基端側の幅約30μmで先端側に向けて細くなる三角柱状のブロック状とされている。チップ12の先端側は下面側を斜めに切削され、これにより尖った先端121が形成されている。
ピット13は、ステム11およびチップ12の間に挟まれる入隅部分において、ステム11およびチップ12の一部を切り欠いて形成されたものであり、ステム11側の円弧状部分131および先端121に向かって延びる傾斜部分132を有する。
本実施形態において、ステム11およびチップ12は連続した材料で一体に形成されている。ステム11およびチップ12の材質としては、既存の接触式プローブと同様な金属材料が用いられる。
このような本実施形態の接触式プローブ10は、前述した金属材料のブロックを切削することによりステム11ないしチップ12となる部分を削り出し、これにピット13の加工を行う。
図2および図3において、円筒状の素材9を準備し、これを中心軸線廻りに回転させる。そして、素材9の底面側から放電加工電極8を近接させ、ステム11およびチップ12の外周形状に沿って放電加工電極8を上方へ移動させてゆくことにより、ステム11およびチップ12の基本形状を形成してゆく。
この放電加工により、ステム11は円柱状に削り出されるが、チップ12に相当する部分12’は扁平な円錐台状の状態である。
なお、放電加工電極8はステム11側から下方へ移動させつつ加工してもよい。また、素材9を回転させつつ放電加工電極8を同じ平面位置で上下動させてもよく、素材9を回転させつつ放電加工電極8に対して上下動させてもよく、素材9を固定しておき放電加工電極8をその周囲を旋回させつつ上下動させてもよい。
図4および図5において、先に削り出されたステム11およびチップ12に相当する部分12’に対し、3つの方向から放電加工電極8を近接させ、上下動させることで扁平な円錐台状の部分12’を三角錐状に削り出す。この放電加工により、チップ12が形成され、その先端側は円錐台の辺縁部分が三角形に切り出されて先端121とされ、その基端側の端面はステム11の周面に揃えられる。
放電加工電極8は、図4における3つの位置に順次配置したうえ上方へ移動しつつ部分12’の切削を行うことができる。この際、放電加工電極8自体を各位置に移動させてもよいが、放電加工電極8は同じ位置のままステム11ないし部分12’を移動させて相互の相対位置を前述した3つの位置としてもよい。さらに、前述した3つの位置にそれぞれ放電加工電極8を設置し、同時に3方向の切削を行ってもよい。
図6において、ステム11およびチップ12の削り出しができたら、ステム11およびチップ12の間に挟まれた部分に放電加工電極8を近接させ、ピット13を形成する。
放電加工電極8は、先端121の側からステム11に向かって近接させながら、徐々にチップ12の側へ変位するように移動させる。これにより、チップ12には傾斜部分132が形成される。さらに放電加工電極8をステム11に近接させることで、チップ12からステム11にかけて円弧状部分131が形成される。
なお、ピット13の深さとしては、ステム11の先端121側の周面の延長線(ステム11のチップ12が延びる方向の側面の延長線)と、チップ12の傾斜部分132を切削する前の上面の延長線(チップ12のステム11が接合された面の延長線)との交点Cが円弧状部分131の外部となる(交点C部分までが切削される)ように調整する。
このような本実施形態では、ステム11とチップ12とで挟まれた部分に切欠き状のピット13を形成するため、この部分にステム11とチップ12の加工に伴う削り残し、迫り出しあるいは膨出部分が生じても、これを切除することができる。このため、本実施形態の接触式プローブ10が適用される例えばノズル孔の辺縁が断面直角の出隅あるいは曲率半径の小さいベルマウス形状であっても、ステムおよびチップがノズル孔と干渉することを回避できる。
また、本実施形態では、ステム11およびチップ12について、連続した素材9の削り出しによる効率よい加工が行えるとともに、屈曲加工のような残留応力あるいは溶接等のような熱影響を避けることができる。さらに、全体を削り出しとすることで、ステム11およびチップ12の形成ないしピット13の加工までを同じ放電加工電極8を用いた放電加工で統一的に行うことができる。
さらに、本実施形態のピット13は、ステム11のチップ12が延びる方向の側面の延長線とチップ12のステム11が接合された面の延長線との交点Cよりも深く切欠かれているため、ステム11およびチップ12とノズル孔との干渉を確実に回避できる。
また、本実施形態では、素材9と放電加工電極8とを相対回転させてステム11を削り出すとともに、チップ12となるべき円盤状(扁平な円錐台状)の部分12’を削り出し、この部分12’をステム11の軸方向に切り取って先端121が尖ったチップ12を形成し、この後、ピット13を形成した。
このため、素材9を回転させて切削することで、ステム11などの形状が単純だが切削量が多い部分の加工を効率よく行うことができる。
一方、チップ12となるべき部分12’については、先ず円盤状とすることで前述したステム11部分の回転切削を利用してチップ12の側面形状を整え、これに続いて軸方向の切削によりチップ12の平面形状を整えることができ、効率を高めつつ複雑な形状にも対応することができる。そして、最後にピット13の加工を行うことで、ステム11とチップ12との間の切欠きを確実に形成し、迫り出しを解消することができる。
さらに、本実施形態では、ステム11の削り出し、チップ12の削り出し、およびピット13の削り出しを同じ放電加工電極8を用いた放電加工によって行うとしたため、微細形状の形成に好適であるとともに、全ての加工つまりステム11およびチップ12の形成ないしピット13の加工までを同じ放電加工による統一的な品質で行うことができる。
〔第2実施形態〕
前述した第1実施形態では、最終段階のピット13の切削までを放電加工で行うとした。これに対し、本実施形態は、ステム11およびチップ12の形成までは前述した第1実施形態と同様に行うとともに、ピット13の形成をレーザ加工により行う。
レーザ加工としては、市販のレーザ溶接機を用い、そのレーザビームをチップ12の側方から照射するとともに、レーザビームの照射領域を第1実施形態の放電加工電極の断面輪郭(図6および図8に示す円形)に合致するように調整し、先端121の側から徐々に照射領域を移動させてチップ12ないしステム11を切削してゆく。
このような本発明では、ステムおよびチップの形成について放電加工により微細形状まで効率よく加工できるとともに、ステムとチップとの間のピットについては、チップ先端等に比べて精度が求められないため、レーザによる加熱材料除去を行うことで、一層の効率化、高速化を図ることができる。
〔第3実施形態〕
図7および図8には、本発明の第3実施形態が示されている。
図7において、本実施形態の接触式プローブ10Aは、基本的に前述した第1実施形態と同様な構成を備えている。このため共通の部分については説明を省略し、相違する部分について以下に説明する。
本実施形態の接触式プローブ10Aは、前述した第1実施形態よりもチップ12の長さが短い。このため、ピット13を形成する際に前述した第1実施形態のような経路で放電加工電極8を移動させようとすると、チップ12の上面の広さが足りず、先端121を損なってしまう可能性がある。そこで、本実施形態では、放電加工電極8をステム11側から切り込ませる。
図8において、接触式プローブ10Aは、前述した図4および図5で形成されたステム11およびチップ12に対し、放電加工電極8を近接させてピット13を加工する。
放電加工電極8は、先端121よりも上の位置でチップ12の上面に沿ってステム11に近接させてゆく。そして、放電加工電極8がステム11の所定深さまで切り込ませ、この状態で放電加工電極8をチップ12に向かう移動に切り替える。そして、放電加工電極8でステム11を切削しつつチップ12の上面に切り込ませ、放電加工電極8が先端121に到達する前の状態で停止させ、後退させる。
このような本実施形態においても、前述した第1実施形態と同様な効果が得られるとともに、チップ12が短い場合でも先端121を損なうことなく、交点Cまで達した十分なピット13を形成することができる。
なお、本実施形態においても、ピット13の切削をレーザ加工で行ってもよい。
〔他の実施形態〕
本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内の変形等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、それぞれ挟み角αを90度としたが、挟み角αは90度以下であればよい。ただし、ノズル孔内のキャビティの測定に適した形態としては、90度以下かつ70度以上であることが望ましい。
挟み角αが90度より大きいと、キャビティ内の測定時にノズル孔の出隅部分が干渉することがある。70度より小さいとチップの高さ(ステムの軸線方向の長さ)が大きくなり、導入できるノズル孔あるいはキャビティが限定される。
前記各実施形態では、ピット13を放電加工あるいはレーザ加工によって行うとしたが、ピット13の加工が微細な機械的手段を用いてもよい。
図9において、接触式プローブ10Bは、前述した図4および図5で形成されたステム11およびチップ12に対し、外周が切削部分とされた円盤状の回転刃物8Aを近接させることで、スリット状のピット13を形成する。
図10において、接触式プローブ10Cは、同様なステム11およびチップ12に対し、先端が円錐状のエンドミル8Bを近接させ、先端をチップ12の上面に沿って側方へ移動(図10直交方向へ移動)させることで、スリット状のピット13を加工する。
何れの場合も、ピット13は交点Cを含む深さまで形成される。
このような各実施形態によっても、前述した第1実施形態に準じた効果を得ることができる。ただし、ピット13までの全ての切削加工が統一的な手段(例えば放電加工)である、との効果は得られない。
前記各実施形態では、ステム11を回転切削により円柱状に形成したが、ステム11の切削は複数方向において放電加工電極8を昇降させて角柱状に形成してもよい。
また、チップ12となるべき部分12’を三角柱状に切削するとしたが、先端が尖っていればよく、いわゆるホームベース型の平面5角形に形成してもよい。
さらに、前記各実施形態では、先にステム11および部分12’の回転切削を行い、次にチップ12を角柱状に切り出したが、素材9の端面にチップ12(またはチップ12となるべき部分12’)を形成した後、ステム11を切削する、という手順としてもよい。
前述した各実施形態では、それぞれステム11とチップ12とを連続材により一体に形成したが、別体のステム11とチップ12とを接合したうえ、間にピット13を形成してもよい。別体のステム11とチップ12との接合には、例えば、溶接、ろう付け、接着剤が採用できる。
10,10A…接触式プローブ
11…ステム
12…チップ
121…先端
13…ピット
131…円弧状部分
132…傾斜部分
8…放電加工電極
9…素材
α…ステムとチップとの間の挟み角
C…ステムのチップが延びる方向の側面の延長線とチップのステムが接合された面の延長線との交点

Claims (7)

  1. 棒状のステムと、前記ステムに対して交叉方向へ延びるチップと、前記チップと前記ステムとで挟まれた部分に形成された切欠き状のピットとを有することを特徴とする接触式プローブ。
  2. 請求項1に記載した接触式プローブにおいて、
    前記チップと前記ステムとは連続した材料で形成され、前記ステムと前記チップとの連続部分に生じる内側の迫り出し部分に前記ピットが形成されていることを特徴とする接触式プローブ。
  3. 請求項1または請求項2に記載した接触式プローブにおいて、
    前記ピットは、前記ステムの前記チップが延びる方向の側面の延長線と前記チップの前記ステムが接合された面の延長線との交点よりも深く切欠かれていることを特徴とする接触式プローブ。
  4. 棒状のステムと、前記ステムに対して交叉方向へ延びるチップと、前記チップと前記ステムとで挟まれた部分に形成された切欠き状のピットとを有する接触式プローブの製造方法であって、
    前記チップおよび前記ステムとなるべき材料から前記チップおよび前記ステムを削り出し、
    前記チップと前記ステムとで挟まれた部分から前記材料を削り取って前記ピットを形成することを特徴とする接触式プローブの製造方法。
  5. 請求項4に記載した接触式プローブの製造方法において、
    前記材料を回転させて前記ステムを削り出すとともに、前記チップとなるべき円盤状部分を削り出し、
    前記円盤状部分を前記ステムの軸方向に切り取って先端が尖った前記チップを形成し、
    この後、前記ピットを形成することを特徴とする接触式プローブの製造方法。
  6. 請求項4または請求項5に記載した接触式プローブの製造方法において、
    前記ステムの削り出し、前記チップの削り出し、および前記ピットの削り出しは、放電加工によって行うことを特徴とする接触式プローブの製造方法。
  7. 請求項4または請求項5に記載した接触式プローブの製造方法において、
    前記ステムの削り出しおよび前記チップの削り出しは放電加工によって行うとともに、前記ピットの削り出しは側方からのレーザ加工により行うことを特徴とする接触式プローブの製造方法。
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