(第1実施形態)
以下、本発明に係るレンズアレイおよびこれを備えた光モジュールの第1実施形態について、図1〜図18を参照して説明する。
ここで、図1は、本実施形態における光モジュール1の概要を本実施形態におけるレンズアレイ2の縦断面図とともに示した概略構成図である。また、図2は、図1に示すレンズアレイ2の正面図である。さらに、図3は、図1に示すレンズアレイ2の平面図である。さらにまた、図4は、図1に示すレンズアレイ2の左側面図である。また、図5は、図1に示すレンズアレイ2の右側面図である。さらに、図6は、図1に示すレンズアレイ2の下面図である。
図1に示すように、本実施形態におけるレンズアレイ2は、光電変換装置3と光ファイバ5との間に配置されるようになっている。
ここで、光電変換装置3は、半導体基板6におけるレンズアレイ2に臨む面に、この面に対して垂直方向(図1における上方向)にレーザ光Laを出射(発光)する複数の発光素子7を有しており、これらの発光素子7は、前述したVCSEL(垂直共振器面発光レーザ)を構成している。なお、図1において、各発光素子7は、図1における紙面垂直方向に沿って整列形成されている。また、光電変換装置3は、半導体基板6におけるレンズアレイ2に臨む面であって、各発光素子7に対する図1における左方近傍位置に、各発光素子7からそれぞれ出射されたレーザ光Laの出力(例えば、強度や光量)をモニタするためのモニタ光Mを受光する発光素子7と同数の複数の受光素子8を有している。なお、受光素子8は、発光素子7と同方向に整列形成されており、互いに対応する素子7,8同士の間で、整列方向における位置が互いに一致している。すなわち、受光素子8は、発光素子7と同一ピッチで形成されている。この受光素子8は、フォトディテクタであってもよい。また、受光素子8は、少なくとも1つ形成するのであれば、必ずしも発光素子7と同数形成しなくてもよく、発光素子7よりも形成数を少なくしてもよい。さらに、図示はしないが、光電変換装置3には、受光素子8によって受光されたモニタ光Mの強度や光量に基づいて発光素子7から発光されるレーザ光Laの出力を制御する制御回路が接続されている。このような光電変換装置3は、例えば、半導体基板6をレンズアレイ2に当接させた状態で、レンズアレイ2に対して対向配置されるようになっている。そして、この光電変換装置3は、例えば、クランプバネ、接着剤等の不図示の公知の固定手段によってレンズアレイ2に取付けられることにより、レンズアレイ2とともに光モジュール1を構成するようになっている。
また、本実施形態における光ファイバ5は、発光素子7および受光素子8と同数配設されており、図1における紙面垂直方向に沿って発光素子7と同一ピッチで整列形成されている。各光ファイバ5は、互いに同寸法のマルチモード方式の光ファイバ5とされているとともに、その端面5a側の部位が前述したMTコネクタ等の多心一括型の光コネクタ10内に保持されている。このような光ファイバ5は、例えば、光コネクタ10におけるレンズアレイ2側の端面をレンズアレイ2に当接させた状態で、不図示の公知の固定手段(例えば、クランプバネ等)によってレンズアレイ2に取付けられるようになっている。
そして、レンズアレイ2は、このような光電変換装置3と光ファイバ5との間に配置された状態で、各発光素子7と各光ファイバ5の端面5aとを光学的に結合させるようになっている。
このレンズアレイ2についてさらに詳述すると、図1に示すように、レンズアレイ2は、透光性のレンズアレイ本体4を有しており、このレンズアレイ本体4は、その外形が略矩形板状に形成されている。すなわち、図1および図3に示すように、レンズアレイ本体4は、上端面4c、下端面4a、左端面4b、右端面4e、前端面4fおよび後端面4gの各平面によって大まかな外形を構成している。また、上下の端面4c、4aは互いに平行とされ、左右の端面4b、4eも互いに平行とされている。さらに、上下の端面4c、4aと左右の端面4b、4eとは、互いに垂直とされている。
このようなレンズアレイ本体4の下端面4aは、光電変換装置3が取り付けられる第1の面として機能するようになっており、この下端面4aには、図1および図6に示すように、発光素子7と同数の複数(12個)の平面円形状の第1のレンズ面(凸レンズ面)11が形成されている。ここで、図1に示すように、下端面4aは、図1における右側の所定範囲の平面略矩形状の部位が、ザグリ部23を介して他の部位よりも上方に凹入された凹入平面(以下、レンズ形成面23aと称する)に形成されており、複数の第1のレンズ面11は、このような下端面4aにおけるレンズ形成面23a上に形成されている。ただし、レンズ形成面23aは、下端面4aにおける他の部位に対して平行に形成されている。また、各第1のレンズ面11は、発光素子7に対応する所定の整列方向(図1における紙面垂直方向、図6における縦方向)に整列するように形成されている。さらに、各第1のレンズ面11は、互いに同寸法に形成されているとともに、発光素子7と同一ピッチで形成されている。なお、整列方向において互いに隣位する第1のレンズ面11同士は、それぞれの周端部を互いに接触させた隣接状態に形成されていてもよい。また、図1に示すように、各第1のレンズ面11上の光軸OA(1)は、各第1のレンズ面11にそれぞれ対応する各発光素子7から発光されるレーザ光Laの中心軸に一致することが望ましい。より好ましくは、各第1のレンズ面11上の光軸OA(1)は、レンズアレイ本体4の下端面4aに対して垂直になるようにする。
このような各第1のレンズ面11には、図1に示すように、各第1のレンズ面11にそれぞれ対応する各発光素子7ごとに出射されたレーザ光Laが入射する。そして、各第1のレンズ面11は、入射した各発光素子7ごとのレーザ光Laをレンズアレイ本体4の内部へと進行させる。なお、各第1のレンズ面11は、入射した各発光素子7ごとのレーザ光Laをコリメートしてもよいし、または、収束させてもよい。
一方、レンズアレイ本体4の左端面4bは、複数の光ファイバ5が取り付けられる第2の面として機能するようになっており、この左端面4bには、図1および図4に示すように、第1のレンズ面11と同数の平面円形状の複数の第2のレンズ面(凸レンズ面)12が形成されている。ここで、図1および図4に示すように、左端面4bは、中央側の所定範囲の平面略矩形状の部位が、この部位を囲む周辺側の部位に対してザグリ部26を介して図1における右方に凹入された凹入平面(以下、レンズ形成面26aと称する)に形成されており、複数の第2のレンズ面12は、このような左端面4bにおけるレンズ形成面26a上に形成されている。ただし、レンズ形成面26aは、左端面4bの他の部位に対して平行に形成されている。また、各第2のレンズ面12は、各光ファイバ5の端面5aの整列方向すなわち第1のレンズ面11の整列方向と同方向に整列するように形成されている。さらに、各第2のレンズ面12は、互いに同寸法に形成されているとともに、第1のレンズ面11と同一ピッチで形成されている。なお、整列方向において互いに隣位する第2のレンズ面12同士は、それぞれの周端部を互いに接触させた隣接状態に形成されていてもよい。また、各第2のレンズ面12上の光軸OA(2)は、各第2のレンズ面12に対応する各光ファイバ5の端面5aの中心軸と同軸上に位置することが望ましい。より好ましくは、各第2のレンズ面12上の光軸OA(2)は、レンズアレイ本体4の左端面4bに対して垂直になるようにする。
このような各第2のレンズ面12には、図1に示すように、各第2のレンズ面12に対応する各第1のレンズ面11にそれぞれ入射してレンズアレイ本体4の内部の光路を進行してきた各発光素子7ごとのレーザ光Laがそれぞれ入射する。このとき、各発光素子7ごとのレーザ光Laの中心軸は、各第2のレンズ面12上の光軸OA(2)と一致することが望ましい。そして、各第2のレンズ面12は、入射した各発光素子7ごとのレーザ光Laを、収束させて各第2のレンズ面12に対応する各光ファイバ5の端面5aに向けてそれぞれ出射させる。
このようにして、各発光素子7と各光ファイバ5の端面5aとが第1のレンズ面11および第2のレンズ面12を介して光学的に結合されるようになっている。
さらに、図1および図6に示すように、レンズアレイ本体4の下端面4aにおけるレンズ形成面23a上であって、第1のレンズ面11に対する図1の左方近傍位置には、受光素子8と同数(本実施形態においては、発光素子7、光ファイバ5、第1のレンズ面11および第2のレンズ面12とも同数)の平面円形状の第3のレンズ面(凸レンズ面)13が形成されている。各第3のレンズ面13は、受光素子8に対応する所定の整列方向すなわち第1のレンズ面11の整列方向と同方向に整列するように形成されている。また、各第3のレンズ面13は、互いに同寸法に形成されているとともに、各受光素子8と同一ピッチで形成されている。なお、整列方向において互いに隣位する第3のレンズ面13同士は、それぞれの周端部を互いに接触させた隣接状態に形成されていてもよい。また、各第3のレンズ面13上の光軸OA(3)は、各第3のレンズ面13にそれぞれ対応する各受光素子8の受光面の中心軸に一致することが望ましい。より好ましくは、各第3のレンズ面13上の光軸OA(3)は、レンズアレイ本体4の下端面4aに対して垂直になるようにする。
このような各第3のレンズ面13には、図1に示すように、レンズアレイ本体4の内部側から各第3のレンズ面13にそれぞれ対応する各発光素子7ごとのモニタ光Mが入射する。そして、各第3のレンズ面13は、入射した各発光素子7ごとのモニタ光Mを、収束させて各第3のレンズ面13に対応する各受光素子8に向けてそれぞれ出射させる。
さらにまた、図1および図3に示すように、レンズアレイ本体4の上端面4cには、縦断面略台形状の第2の凹部63が凹入形成されており、この第2の凹部63の内面の一部をなす傾斜面4dは、全反射面4dとされている。図1に示すように、全反射面4dは、その上端部がその下端部よりも図1における左側(すなわち、後述する凹部14側)に位置するようなレンズアレイ本体4の下端面4aおよび左端面4bの双方に対して傾きを有する傾斜面に形成されている。この全反射面4dは、第1のレンズ面11と後述する凹部14の第1の光学面14aとの間の各発光素子7ごとのレーザ光Laの光路上に配置されている。
このような全反射面4dには、図1に示すように、各第1のレンズ面11にそれぞれ入射した後の各発光素子7ごとのレーザ光Laが、図1における下方から臨界角以上の入射角で入射する。そして、全反射面4dは、入射した各発光素子7ごとのレーザ光Laを、図1における左側に向かって全反射させる。
なお、全反射面4dの傾斜角は、好ましくは、下端面4aを基準(0°)として図1における時計回りに40°〜50°(より好ましくは、45°)とする。また、全反射面4d上に、Au、Ag、Al等からなる反射膜をコーティングしてもよい。
また、図1および図3に示すように、レンズアレイ本体4の上端面4cには、凹部14が、第1のレンズ面11と第2のレンズ面12とを結ぶ光路上に位置するように凹入形成されている。
ここで、図1に示すように、凹部14の右側面には、図1に示すように、凹部14の内面の一部をなす第1の光学面14aが形成されている。この第1の光学面14aは、レンズアレイ本体4の左端面4bに対して平行に形成されている。
このような第1の光学面14aには、図1に示すように、全反射面4dによって全反射された各発光素子7ごとのレーザ光Laが垂直入射する。この入射角(換言すれば、入射方向)は、左端面4bに対しても垂直な角度(入射方向)となる。
また、図1に示すように、凹部14の左側面には、凹部14の内面の一部であって、第1の光学面14aに対して図1の左方において対向する部位をなす第2の光学面14bが形成されている。この第2の光学面14bも、左端面4bに対して平行に形成されている。
このような第2の光学面14bには、図1に示すように、第1の光学面14aに入射した後に各第2のレンズ面12側に向かって進行した各発光素子7ごとのレーザ光Laが垂直入射する。そして、第2の光学面14bは、入射した各発光素子7ごとのレーザ光Laを垂直に透過させる。
さらに、図1に示すように、凹部14がなす空間内には、縦断面略台形状のプリズム16が配置されている。
ここで、図1に示すように、プリズム16は、第1の光学面14aに図1の左方において臨む位置に、プリズム16の表面の一部をなす第1のプリズム面16aを有している。この第1のプリズム面16aは、その上端部がその下端部よりも図1における右側(すなわち、第1の光学面14a側)に位置するようなレンズアレイ本体4の下端面4aおよび左端面4bに対して所定の傾斜角を有する傾斜面に形成されている。これにより、図1に示すように、第1のプリズム面16aと第1の光学面14aとの間には、縦断面直角三角形状の空間が形成されている。なお、第1のプリズム面16aは、全反射面4dに対して平行に配置されていてもよい。
また、図1に示すように、プリズム16は、その表面の一部であって第1のプリズム面16aに対向する部位をなす第2のプリズム面16bを有している。この第2のプリズム面16bは、第2の光学面14bに対して図1の右方において所定の間隔をもって臨む位置に、第2の光学面14bに対して平行に配置されている。
さらに、図1に示すように、プリズム16は、その図1における右端面が凹部14の右側面における第1の光学面14aの上端から上方に延出された部位に当接され、また、その図1における下端面が凹部14の底面14eに当接され、さらに、その上端部に形成された鍔部36がレンズアレイ本体4の上端面4cに当接されるようにして、凹部14に対する位置決めがなされている。
このようなプリズム16は、第1の光学面14aに入射した後に第2のレンズ面12側に向かって進行する各発光素子7ごとのレーザ光Laの光路を形成するようになっている。
さらにまた、図1に示すように、凹部14とプリズム16との間には、透光性の接着材からなる充填材18が充填されており、この充填材18の接着力によって、プリズム16が凹部14内に安定的に保持されている。また、図1に示すように、充填材18は、鍔部36上にも配置されており、レンズアレイ本体4の上端面4cに対する鍔部36の接着にも用いられている。このような充填材18としては、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂を用いることができる。
また、本実施形態において、充填材18は、プリズム16と同屈折率に形成されている。例えば、プリズム16を、ポリエーテルイミドとしてのSABIC社製Ultem(登録商標)によって形成する場合には、充填材18を、三菱ガス化学社製ルミプラス(登録商標)によって形成してもよい。この場合には、プリズム16および充填材18の屈折率を、波長850nmの光に対していずれも1.64とすることができる。この他にも、例えば、プリズム16を、環状オレフィン樹脂としてのJSR社製のARTON(登録商標)によって形成する場合には、充填材18を、UV硬化樹脂としての(株)テクス製のA1754Bによって形成してもよい。この場合には、プリズム16および充填材18の屈折率を、波長850nmの光に対していずれも1.50とすることができる。
さらに、図1に示すように、凹部14がなす空間内であって、プリズム16に対して各発光素子7ごとのレーザ光Laの進行方向における上流側の位置には、厚みが薄い反射/透過層17が形成されている。ここで、図1に示すように、反射/透過層17は、その第1の光学面14a側の表面が充填材18を隔てて第1の光学面14aに臨んでいるとともに、その第1のプリズム面16a側の表面が第1のプリズム面16aに密接している。このような反射/透過層17は、Ni、CrまたはAl等の単一の金属からなる単層膜もしくは互いに誘電率が異なる複数の誘電体(例えば、TiO2とSiO2)を交互に積層することによって得られる誘電体多層膜を、第1のプリズム面16a上にコーティングすることによって形成してもよい。この場合に、コーティングには、インコーネル蒸着等の公知のコーティング技術を用いることができる。このようなコーティングを用いる場合には、反射/透過層17を、例えば、1μm以下の極めて薄い厚さに形成することができる。ただし、反射/透過層17をガラスフィルタによって構成してもよい。また、反射/透過層17は、第1のプリズム面16aに対して平行に形成されていてもよい。
ここで、図1に示すように、第1の光学面14aに垂直入射した各発光素子7ごとのレーザ光Laは、屈折することなく第1の光学面14aと反射/透過層17との間に充填された充填材18の内部の光路上を第2のレンズ面12側に向かって直進する。このとき、充填材18をレンズアレイ本体4とも同屈折率に形成しておけば、第1の光学面14aと充填材18との界面におけるフレネル反射を抑制することができる。この場合に、レンズアレイ本体4は、プリズム16と同一の材料によって形成してもよい。さらに、このようにして第1の光学面14aと反射/透過層17との間の充填材18内を進行した各発光素子7ごとのレーザ光Laは、反射/透過層17に入射する。そして、反射/透過層17は、入射した各発光素子7ごとのレーザ光Laを、所定の反射率で第3のレンズ面13側に反射させるとともに、所定の透過率でプリズム16側に透過させる。このとき、反射/透過層17の厚みが薄いことによって、反射/透過層17を透過するレーザ光Laの屈折は無視する(直進透過とみなす)ことができる。なお、反射/透過層17の反射率および透過率としては、レーザ光Laの出力をモニタするために十分とみなされる光量のモニタ光Mを得ることができる限度において、反射/透過層17の材質や厚み等に応じた所望の値を設定することができる。例えば、反射/透過層17を、前述した単層膜によって形成する場合には、その厚みにもよるが、反射/透過層17の反射率を20%、透過率を60%(吸収率20%)とすることもできる。また、例えば、反射/透過層17を、前述した誘電体多層膜によって形成する場合には、その厚みや層数にもよるが、反射/透過層17の反射率を10%、透過率を90%とすることもできる。
そして、このような反射または透過の際に、反射/透過層17は、図1に示すように、反射/透過層17に入射した各発光素子7ごとのレーザ光Laのそれぞれの一部(反射率分の光)を、各発光素子7にそれぞれ対応する各発光素子7ごとのモニタ光Mとして各モニタ光Mに対応する各第3のレンズ面13側に向かって反射させる。
さらに、このようにして反射/透過層17によって反射された各発光素子7ごとのモニタ光Mは、各第3のレンズ面13側に向かってレンズアレイ本体4の内部を進行した後に、各第3のレンズ面13からこれらに対応する各受光素子8に向けてそれぞれ出射される。
一方、反射/透過層17によって透過された各発光素子7ごとのレーザ光Laは、透過の直後に第1のプリズム面16aに入射する。この第1のプリズム面16aに対する各発光素子7ごとのレーザ光Laの入射方向は、反射/透過層17に対する各発光素子7ごとのレーザ光Laの入射方向と同一とみなすことができる。これは、反射/透過層17が非常に薄く、この層17でのレーザ光Laの屈折を無視できることによるものである。そして、第1のプリズム面16aに入射した各発光素子7ごとのレーザ光Laは、プリズム16の内部の光路上を第2のレンズ面12側に向かって進行する。
このとき、プリズム16が充填材18と同屈折率に形成されていることによって、各発光素子7ごとのレーザ光Laが第1のプリズム面16aに入射する際に、各レーザ光Laに屈折が生じることはない。そして、プリズム16の内部の光路上を進行した各発光素子7ごとのレーザ光Laは、第2のプリズム面16bに垂直入射するとともにこの第2のレンズ面16bからプリズム16の外部に垂直に出射される。
次いで、第2のプリズム面16bから出射された各発光素子7ごとのレーザ光Laは、第2のプリズム面16bと第2の光学面14bとの間に充填された充填材18に垂直入射する。この垂直入射した各発光素子7ごとのレーザ光Laは、屈折されずに充填材18の内部の光路上を第2のレンズ面12側に向かって直進する。このとき、充填材18がプリズム16と同屈折率に形成されていることによって、第2のプリズム面16bと充填材18との界面におけるフレネル反射が抑制される。
このようにして第2のプリズム面16bと第2の光学面14bとの間の充填材18内を進行した各発光素子7ごとのレーザ光Laは、充填材18から垂直出射され、その直後に、前述のように第2の光学面14bに垂直入射する。そして、第2の光学面14bに垂直入射した各発光素子7ごとのレーザ光Laは、第2の光学面14b以後のレンズアレイ本体4の内部の光路上を各第2のレンズ面12側に向かって進行した後に、各第2のレンズ面12によって、これらに対応する各光ファイバ5の端面に向けてそれぞれ出射される。
なお、図3に示すように、凹部14は、上端面4cの面法線方向(図1における上方)から見た場合に、凹部14における底面14eおよび全ての側面14a〜dが、凹部14における開口部14fの外形によって示される範囲以内に収まるような形状に形成されている。換言すれば、凹部14は、底面14eおよび全ての側面14a〜dのそれぞれについての上端面4cの面法線方向への投影面が、開口部14fの外形によって示される範囲以内に収まるように形成されている。このような凹部14の形状は、金型からの離型性を確保し得る形状となっている。このことは、前述した第2の凹部63においても同様である。
以上のような凹部14、プリズム16、反射/透過層17および充填材18は、各発光素子7ごとのレーザ光Laを第2のレンズ面12側に進行する透過光と第3のレンズ面13側に進行する反射光(モニタ光)とに分離するように制御する本発明における光制御部を構成している。このような光制御部の構成およびバリエーションについては、本出願人によって先になされた特願2010−195737号の明細書および図面に記載されている。
また、図1〜図4および図6に示すように、レンズアレイ本体4の左端面4b上であって、レンズ形成面26aに対して第2のレンズ面12の整列方向における両外側の位置には、レンズアレイ側の光ファイバ位置決め構造としての一対のファイバ位置決め用凸部27が、左端面4bに対して垂直に形成されている。これら一対のファイバ位置決め用凸部27は、左端面4bから光ファイバ5側に向かって突出された互いに同寸法の丸ピン状(円柱形状)に形成されている。
一方、これら一対のファイバ位置決め用凸部27に対応する光ファイバ5側の構成として、図7に示すように、光コネクタ10には、光ファイバ側の光ファイバ位置決め構造としての一対のファイバ位置決め用凹部127が形成されている。ただし、図7においては、両ファイバ位置決め用凹部127が紙面垂直方向において重なっているため、紙面手前側の1つのファイバ位置決め用凹部127のみが見えている。これら一対のファイバ位置決め用凹部127は、前述したF12形多心光ファイバコネクタの規格(IEC 61754-5、JIS C 5981)にしたがった寸法精度を満足するような互いに同寸法の丸ボス穴状に形成されている。
図7に示すように、ファイバ位置決め用凹部127には、光ファイバ5をレンズアレイ2に取り付ける際に、対応するファイバ位置決め用凸部27が挿入されるようになっており、これにより、光ファイバ5をレンズアレイ2に取り付ける際における光ファイバ5の位置決めが行われるようになっている。
さらに、図6に示すように、レンズアレイ本体4の下端面4a上であって、レンズ形成面23aに対して第1のレンズ面11および第3のレンズ面13の整列方向における両外側位置には、レンズアレイ側の光電変換装置位置決め構造としての一対のデバイス位置決め用凹部24が形成されている。これら一対のデバイス位置決め用凹部24は、互いに同寸法の丸ボス穴状に形成されているとともに、その中心軸が第1のレンズ面11における光軸OA(1)に対して平行になるように形成されている。
一方、これら一対のデバイス位置決め用凹部24に対応する光電変換装置3側の構成として、図7に示すように、半導体基板6には、光電変換装置側の光電変換装置位置決め構造としての一対のデバイス位置決め用凸部124が形成されている。ただし、図7においては、両デバイス位置決め用凸部124が紙面垂直方向において重なっているため、紙面手前側の1つのデバイス位置決め用凸部124のみが見えている。これら一対のデバイス位置決め用凸部124は、発光素子7からの出射光の中心軸に対して平行な方向に延びる互いに同寸法の丸ピン状に形成されている。
図7に示すように、各デバイス位置決め用凸部124は、光電変換装置3をレンズアレイ2に取り付ける際に、対応するデバイス位置決め用凹部24にそれぞれ挿入されるようになっており、これにより、光電変換装置3をレンズアレイ2に取り付ける際における光電変換装置3の位置決めが行われるようになっている。
ここで、前述のように、光コネクタ10に形成されたファイバ位置決め用凹部127は、規格化された寸法に形成されているため、光ファイバ5の位置決めは、調芯作業を要することなく、ファイバ位置決め用凸部27をファイバ位置決め用凹部127に挿入する機械的な作業だけで十分な位置決めの精度を出すことができる。このような十分な位置決めの精度が出ていれば、レンズアレイ本体4が温度変化によって変形した場合においても、光ファイバ5側では、レンズアレイ2に対する取り付け位置に問題はない。
これに対して、光電変換装置3の位置決めは、デバイス位置決め用凸部124の規格が定まっていないので、従来は、機械的な作業だけでレンズアレイ本体4の熱変形にも対応し得るような十分な位置決め精度を出すことは困難であった。
しかしながら、本実施形態においては、光電変換装置3の位置決めについても、調芯作業を要することなく高精度に行うための手段が講じられている。
すなわち、本実施形態におけるレンズアレイ2は、光電変換装置3および光ファイバ5と相まって、次の(1)に示す条件式を満足するようになっている。
a+b+d1+e+ΔL≦W1 (1)
但し、(1)式におけるaは、第1のレンズ面11の位置精度〔μm〕であり、レンズアレイ本体4の製造上の誤差(寸法誤差)の一種である(以下、同様)。このaの値は、例えば、各第1のレンズ面11の理想的な形成位置(設計上の位置)からの各第1のレンズ面11の光軸OA(1)に直交する方向への変位量(誤差)を、すべての第1のレンズ面11について合計した値としてもよい。なお、(1)式は、第1のレンズ面11の個数が多いほど、個々の第1のレンズ面11に要求される位置精度が高く(誤差が小さく)なる傾向にあることを示していると言える。ここで、各第1のレンズ面11の位置としては、各第1のレンズ面11の中心点の位置を用いればよい。また、各第1のレンズ面11の位置の基準点は、1つのデバイス位置決め用凹部24の中心点にとってもよい。ただし、aの値は、前述した各第1のレンズ面11の光軸OA(1)に直交する方向への変位量の合計値に、更に、各デバイス位置決め用凹部24の理想的な形成位置(設計上の位置)からの各デバイス位置決め用凹部24の光軸OA(1)に直交する方向への変位量をそれぞれ加算した値としてもよい。この場合には、デバイス位置決め用凹部24の位置として、デバイス位置決め用凹部24の中心点の位置を用いればよい。また、この場合には、第1のレンズ面11およびデバイス位置決め用凹部24の位置の基準点を、デバイス位置決め用凹部24の中心点以外にとればよい。この基準点の例としては、一対のデバイス位置決め用凹部24の中心点同士を結ぶ仮想線分の中点またはこの中点において当該仮想線分に直交するようなレンズアレイ本体4の下端面4aに平行な仮想直線上の一点(ただし、下端面4a上から逸脱しない点)を挙げることができる。
また、(1)式におけるbは、第2のレンズ面12の位置精度〔μm〕であり、レンズアレイ本体4の製造上の誤差の一種である(以下、同様)。このbの値は、例えば、各第2のレンズ面12の理想的な形成位置(設計上の位置)からの各第2のレンズ面12の光軸OA(2)に直交する方向への変位量を、すべての第2のレンズ面12について合計した値としてもよい。なお、(1)式は、第2のレンズ面12の個数が多いほど、個々の第2のレンズ面12に要求される位置精度が高く(誤差が小さく)なる傾向にあることを示していると言える。ここで、各第2のレンズ面12の位置としては、各第2のレンズ面12の中心点の位置を用いればよい。また、各第2のレンズ面12の位置の基準点は、1つのファイバ位置決め用凸部27の中心点にとってもよい。ただし、bの値は、前述した各第2のレンズ面12の光軸OA(2)に直交する方向への変位量の合計値に、更に、各ファイバ位置決め用凸部27の理想的な形成位置(設計上の位置)からの各ファイバ位置決め用凸部27の光軸OA(2)に直交する方向への変位量をそれぞれ加算した値としてもよい。この場合には、ファイバ位置決め用凸部27の位置として、ファイバ位置決め用凸部27の中心点の位置を用いればよい。また、この場合には、第2のレンズ面12およびファイバ位置決め用凸部27の位置の基準点を、ファイバ位置決め用凸部27の中心点以外にとればよい。この基準点の例としては、一対のファイバ位置決め用凸部27の中心点同士を結ぶ仮想線分の中点またはこの中点において当該仮想線分に直交するようなレンズアレイ本体4の左端面4bに平行な仮想直線上の一点(ただし、左端面4b上から逸脱しない点)を挙げることができる。
さらに、(1)式におけるd1は、光電変換装置3の発光素子7の位置精度〔μm〕であり、光電変換装置3の製造上の誤差の一種である(以下、同様)。このd1の値は、例えば、各発光素子7の理想的な形成位置(設計上の位置)からの各発光素子7のレーザ光Laの出射方向(換言すれば、光軸OA(1)方向)に直交する方向への変位量を、すべての発光素子7について合計した値としてもよい。なお、(1)式は、発光素子7の個数が多いほど、個々の発光素子7に要求される位置精度が高く(誤差が小さく)なる傾向にあることを示していると言える。ここで、各発光素子7の位置としては、各発光素子7の発光点の位置を用いればよい。また、各発光素子7の位置の基準点は、1つのデバイス位置決め用凸部124の中心点にとってもよい。ただし、d1の値は、前述した各発光素子7のレーザ光Laの出射方向に直交する方向への変位量の合計値に、更に、各デバイス位置決め用凸部124の理想的な形成位置(設計上の位置)からの各デバイス位置決め用凸部124のレーザ光Laの出射方向に直交する方向への変位量をそれぞれ加算した値としてもよい。この場合には、デバイス位置決め用凸部124の位置として、デバイス位置決め用凸部124の中心点の位置を用いればよい。また、この場合には、発光素子7およびデバイス位置決め用凸部124の位置の基準点を、デバイス位置決め用凸部124の中心点以外にとればよい。この基準点の例としては、一対のデバイス位置決め用凸部124の中心点同士を結ぶ仮想線分の中点またはこの中点において当該仮想線分に直交するような半導体基板6の素子形成面に平行な仮想直線上の一点(ただし、素子形成面上から逸脱しない点)を挙げることができる。
さらにまた、(1)式におけるeは、光ファイバ5の位置精度〔μm〕であり、光コネクタ10の製造上(組立上)の誤差である(以下、同様)。このeの値は、例えば、各光ファイバ5の端面5aの理想的な配置位置(設計上の位置)からの各光ファイバ5の端面5aのファイバ軸方向(換言すれば、光軸OA(2)方向)に直交する方向への変位量を、すべての光ファイバ5について合計した値としてもよい。なお、(1)式は、光ファイバ5の本数が多いほど、個々の光ファイバ5に要求される位置精度が高く(誤差が小さく)なる傾向にあることを示していると言える。ここで、各光ファイバ5の端面5aの位置としては、各光ファイバ5の端面5aの中心点を用いればよい。また、各光ファイバ5の位置の基準点は、1つのファイバ位置決め用凹部127の中心点にとってもよい。ただし、eの値は、前述した各光ファイバ5の端面5aのファイバ軸方向に直交する方向への変位量の合計値に、更に、各ファイバ位置決め用凹部127の理想的な形成位置(設計上の位置)からの各ファイバ位置決め用凹部127のファイバ軸方向に直交する方向への変位量をそれぞれ加算した値としてもよい。この場合には、ファイバ位置決め用凹部127の位置として、ファイバ位置決め用凹部127の中心点の位置を用いればよい。また、この場合には、光ファイバ5の端面5aおよびファイバ位置決め用凹部127の位置の基準点を、ファイバ位置決め用凹部127の中心点以外にとればよい。この基準点の例としては、一対のファイバ位置決め用凹部127の中心点同士を結ぶ仮想線分の中点またはこの中点において当該仮想線分に直交するような光コネクタ10の端面に平行な仮想直線上の一点(ただし、光コネクタ10の端面上から逸脱しない点)を挙げることができる。
また、(1)式におけるΔLは、次式で表される温度変化によるレンズ位置の変化量〔μm〕である(以下、同様)。
ΔL=α×ΔT×L (1a)
但し、(1a)式におけるαは、レンズアレイ本体の線膨脹係数〔1/℃〕である。また、(1a)式におけるΔTは、レンズアレイ本体4の温度変化〔℃〕である。
さらに、(1a)式におけるLは、レンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置と、この固定位置から最も離れた下端面4a上のレンズ面(すなわち、第1のレンズ面11または第3のレンズ面13)の位置との設計上の距離〔mm〕である。なお、固定位置としては、光電変換装置3が取り付けられたレンズアレイ本体4が温度変化によって変形する際における変形の中心とみなすことができる位置を用いることが望ましい。
例えば、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し難い(線膨脹係数が小さい)場合には、一対のデバイス位置決め用凹部24の中心点同士を結ぶ仮想線分の中点の位置を固定位置として用いてもよい。この場合に、(1a)式におけるLとしては、固定位置と、この固定位置から最も離れた下端面4a上のレンズ面11(13)の中心点または周端部上の一点(固定位置から最も離れた点)との距離を用いてもよい。ここで、図8には、このような場合における固定位置Pおよびこれに応じたLが示されている。図8においては、固定位置Pから最も離れた下端面4a上のレンズ面11(13)が、複数の第3のレンズ面13のうちの整列方向における最も外側の第3のレンズ面13となっている。そして、この最も外側の第3のレンズ面13の周端部上における固定位置Pから最も離れた一点と固定位置Pとの間の距離がLとなっている。なお、図8におけるハッチング部は、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し難い場合における(1)式を満足するようなΔLに対応した範囲を示している。この範囲の外形線は、固定位置Pを中心とした半径L+ΔLの円形を呈しており、このことは、固定位置Pを中心にレンズアレイ本体4が変形するとみなしたことに対応している。この範囲内には、すべてのレンズ面11(13)が収まっていることが分かる。
一方、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し易い(線膨脹係数が大きい)場合には、一対のデバイス位置決め用凹部24のそれぞれの中心点の位置を固定位置(2つの固定位置)として用いてもよい。この場合に、(1a)式におけるLとしては、一方の固定位置とこの一方の固定位置から最も離れた下端面4a上のレンズ面11(13)の中心点または周端部上の一点(一方の固定位置から最も離れた点)との距離、および、他方の固定位置とこの他方の固定位置から最も離れた下端面4a上のレンズ面11(13)の中心点または周端部上の一点(他方の固定位置から最も離れた点)との距離のうち、いずれか大きい方を用いてもよい。ここで、図9には、このような場合における2つの固定位置P1、P2およびこれに応じたLが示されている。なお、図9においては、一方の固定位置P1から最も離れた下端面4a上のレンズ面11(13)が、複数の第3のレンズ面13のうちの整列方向一端側の第3のレンズ面13aとなっており、他方の固定位置P2から最も離れた下端面4a上のレンズ面11(13)が、複数の第3のレンズ面13のうちの整列方向他端側の第3のレンズ面13bとなっている。図9においては、一方の固定位置P1と、整列方向一端側の第3のレンズ面13aの周端部上における一方の固定位置P1から最も離れた一点との間の距離が、他方の固定位置P2と、整列方向他端側の第3のレンズ面13bの周端部上における他方の固定位置P2から最も離れた一点との間の距離と一致している。したがって、図9においては、P1−13a間の距離およびP2−13b間の距離の双方がともにLとなっている。なお、図9におけるハッチング部は、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し易い場合における(1)式を満足するようなΔLに対応した範囲を示している。この範囲の外形線は、一方の固定位置P1を中心とした半径L+ΔLの円孤と、他方の固定位置P2を中心とした半径L+ΔLの円孤とによって囲まれた形状を呈しており、このことは、2つの固定位置P1、P2を中心にレンズアレイ本体4が変形するとみなしたことに対応している。この範囲内には、すべてのレンズ面11(13)が収まっていることが分かる。
最後に、(1)式におけるW1は、第1のトレランス〔μm〕である(以下、同様)。ここで、第1のトレランスとは、光電変換装置3を、その発光素子7と光ファイバ5の端面5aとの光結合効率が予め設定された最大効率を示すようなレンズアレイ本体4への取り付け位置から、最大効率に対する2dBに相当する光結合効率の低下が示されるような取り付け位置まで第1のレンズ面11における光軸OA(1)に直交する方向に沿って移動させたと仮定した場合における移動前の取り付け位置と移動後の取り付け位置との間の距離(取り付け位置余裕幅)である。
そして、このような(1)式を満足することにより、光電変換装置3をレンズアレイ本体4に取り付ける際に、発光素子7によるレーザ光Laの出射方向(換言すれば、光軸OA(1)方向)およびこれに直交する方向のいずれの方向の調芯も要することなく、デバイス位置決め用凸部124をデバイス位置決め用凹部24に挿入させる機械的な作業だけで、温度上昇にかかわらず発光素子7と光ファイバ5の端面5aとの間において十分な光結合効率を得ることができるような高精度な光電変換装置3の位置決めを容易に行うことができる。具体的には、温度上昇によってレンズアレイ本体4が変形した場合においても、発光素子7と光ファイバ5の端面5aとの間の光結合効率の設計上からの誤差を2dB以内に抑えることができる。
このような(1)式を満足するレンズアレイ2を製造する場合には、例えば、まず、寸法誤差および取り付け誤差が無い理想的な(すなわち、設計上の)レンズアレイ、光電変換装置および光ファイバを仮定する。次いで、この仮定された理想的な光学系について、光電変換装置を、発光素子−光ファイバ端面間の最大結合効率に対応する理想的な取り付け位置からレーザ光Laの出射方向に直交する方向に移動させたと仮定した場合における発光素子−光ファイバ端面間の光結合効率のシミュレーションを行う。そして、このシミュレーションの結果から得られた第1のトレランスW1を満足するように、(1)式の左辺の各値を設定する。そして、設定された各値を満足するように、レンズアレイ2を製造する。ここで、(1)式のうち、レンズアレイ2の寸法に直接関与するのは、a、bおよびΔLの各値であるが、これら各値は、レンズアレイ本体4を成形する金型の寸法精度(a、bについて)、寸法(Lについて)および樹脂材料の種類(αについて)として反映させればよい。ただし、a、bおよびΔLの各値は、光電変換装置3の発光素子7に関与するd1の値および光ファイバ5に関与するeの値が考慮されたものであることは言うまでもない。なお、eの値については、前述したF12形多心光ファイバコネクタの規格(IEC 61754-5、JIS C 5981)にしたがった寸法精度を満足すれば十分である。
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、レンズアレイ2は、光電変換装置3および光ファイバ5と相まって、次の(2)に示す条件式を満足するようになっている。
a+c+d1+d2+ΔL≦W2 (2)
但し、(2)式におけるcは、第3のレンズ面13の位置精度〔μm〕であり、レンズアレイ本体4の製造上の誤差の一種である(以下、同様)。このcの値は、例えば、各第3のレンズ面13の理想的な形成位置(設計上の位置)からの各第3のレンズ面13の光軸OA(3)に直交する方向への変位量を、すべての第3のレンズ面13について合計した値としてもよい。なお、(2)式は、第3のレンズ面13の個数が多いほど、個々の第3のレンズ面13に要求される位置精度が高く(誤差が小さく)なる傾向にあることを示していると言える。ここで、各第3のレンズ面13の位置としては、各第3のレンズ面13の中心点の位置を用いればよい。また、各第3のレンズ面13の位置の基準点は、1つのデバイス位置決め用凹部24の中心点にとってもよい。ただし、cの値は、前述した各第3のレンズ面13の光軸OA(3)に直交する方向への変位量の合計値に、更に、各デバイス位置決め用凹部24の理想的な形成位置(設計上の位置)からの各デバイス位置決め用凹部24の光軸OA(3)に直交する方向への変位量をそれぞれ加算した値としてもよい。この場合には、デバイス位置決め用凹部24の位置として、デバイス位置決め用凹部24の中心点の位置を用いればよい。また、この場合には、第3のレンズ面13およびデバイス位置決め用凹部24の位置の基準点を、デバイス位置決め用凹部24の中心点以外にとればよい。この基準点の例としては、一対のデバイス位置決め用凹部24の中心点同士を結ぶ仮想線分の中点またはこの中点において当該仮想線分に直交するようなレンズアレイ本体4の下端面4aに平行な仮想直線上の一点(ただし、下端面4a上から逸脱しない点)を挙げることができる。
また、(2)式におけるd2は、光電変換装置3の受光素子8の位置精度〔μm〕であり、光電変換装置3の製造上の誤差の一種である(以下、同様)。このd2の値は、例えば、各受光素子8の理想的な形成位置(設計上の位置)からの各受光素子8のモニタ光Mの入射方向(換言すれば、光軸OA(3)方向)に直交する方向への変位量を、すべての受光素子8について合計した値としてもよい。なお、(2)式は、受光素子8の個数が多いほど、個々の受光素子8に要求される位置精度が高く(誤差が小さく)なる傾向にあることを示していると言える。ここで、各受光素子8の位置としては、各受光素子8の受光面の中心位置を用いればよい。また、各受光素子8の位置の基準点は、1つのデバイス位置決め用凸部124の中心点にとってもよい。ただし、d2の値は、前述した各受光素子8のモニタ光Mの入射方向に直交する方向への変位量の合計値に、更に、各デバイス位置決め用凸部124の理想的な形成位置(設計上の位置)からの各デバイス位置決め用凸部124のモニタ光Mの入射方向に直交する方向への変位量をそれぞれ加算した値としてもよい。この場合には、デバイス位置決め用凸部124の位置として、デバイス位置決め用凸部124の中心点の位置を用いればよい。また、この場合には、受光素子8およびデバイス位置決め用凸部124の位置の基準点を、デバイス位置決め用凸部124の中心点以外にとればよい。この基準点の例としては、一対のデバイス位置決め用凸部124の中心点同士を結ぶ仮想線分の中点またはこの中点において当該仮想線分に直交するような半導体基板6の素子形成面に平行な仮想直線上の一点(ただし、素子形成面上から逸脱しない点)を挙げることができる。
さらに、(2)式におけるW2は、第2のトレランス〔μm〕である(以下、同様)。ここで、第2のトレランスとは、光電変換装置3を、その発光素子7と受光素子8との光結合効率が予め設定された最大効率を示すようなレンズアレイ本体4への取り付け位置から、最大効率に対する2dBに相当する光結合効率の低下が示されるような取り付け位置まで第1のレンズ面11における光軸OA(1)に直交する方向に沿って移動させたと仮定した場合における移動前の取り付け位置と移動後の取り付け位置との間の距離(取り付け位置余裕幅)である。
その他の(2)式の各パラメータa、d1、ΔLの意味は、(1)式の説明において既に述べた通りである。
そして、このような(2)式を満足することにより、光電変換装置3をレンズアレイ本体4に取り付ける際に、デバイス位置決め用凸部124をデバイス位置決め用凹部24に挿入させる機械的な作業だけで、温度上昇にかかわらず発光素子7と受光素子8との間においても十分な光結合効率を得ることができるような高精度な光電変換装置3の位置決めを容易に行うことができる。
このような(2)式を満足するレンズアレイ2を製造する場合には、例えば、まず、寸法誤差および取り付け誤差が無い理想的な(すなわち、設計上の)レンズアレイおよび光電変換装置を仮定する。次いで、この仮定された理想的な光学系について、光電変換装置を発光素子−受光素子間の最大結合効率に対応する理想的な取り付け位置からレーザ光Laの出射方向に直交する方向に移動させたと仮定した場合における発光素子−受光素子間の光結合効率のシミュレーションを行う。そして、このシミュレーションの結果から得られた第2のトレランスW2を満足するように、(2)式の左辺の各値を設定する。そして、設定された各値を満足するように、レンズアレイ2を製造する。ここで、(2)式のうち、(1)式のパラメータ以外でレンズアレイ2の寸法に直接関与するのはcの値であるが、この値は、レンズアレイ本体4を成形する金型の寸法精度として反映させればよい。
以下、本発明の実施例について、図10および図11を参照して説明する。
図10は、第1のトレランスW1を求めるための具体的なシミュレーション結果として、光電変換装置3としてのモニタPD付きのVCSELにおける発光部(発光素子)と直径50μmのマルチモード方式の光ファイバ5の端面5aとの間における設計上のレンズアレイ2を用いた光結合効率のシミュレーション結果を示したものである。
図10における縦軸は、VCSEL−ファイバ間の光結合効率を、結合ロス〔dB〕として示したものであり、また、図10における横軸は、VCSELを、光結合効率が予め設定された設計上の最大効率となるようなレンズアレイ2への取り付け位置(横軸の原点)から、第1のレンズ面11における光軸OA(1)に直交する方向に沿って移動させると仮定した場合における原点からの移動幅〔μm〕を示したものである。なお、このシミュレーションの際における光ファイバ5の位置は、レンズアレイ2に対する取り付け誤差がない設計上の(理想的な)取り付け位置と仮定している。
図10においては、第1のレンズ面11における光軸OA(1)の軸方向をZ軸方向と仮定した上で、VCSELを、Z軸方向に直交し、かつ、発光部の整列方向に平行なX軸方向(図6参照)と、Z軸方向およびX軸方向の双方に直交するY軸方向(図6参照)とに移動させている。しかし、このようなX軸方向およびY軸方向の移動に限らず、VCSELの移動がZ軸方向に直交する方向に行われるのであれば、図10と同様のシミュレーション結果が得られる。
このシミュレーション結果においては、予め設定された最大効率は、光結合効率100%からの結合ロスが約2dBとなる効率である。そして、光結合効率が、最大効率から結合ロス2dBに相当する効率だけ下がる際の横軸の幅は、19μmであり、この幅が第1のトレランスW1となる。
したがって、例えば、a=3μm、b=4μm、d1=2μm、e=5μm、ΔL=3μmとなるようにすれば、図10に対応した(1)式を満足するレンズアレイ2、VCSELおよび光ファイバ5を実現できることになる。なお、この場合に、ΔLの内訳は、α=5.6×10−5〔1/℃〕、ΔT=24℃、L(図8に対応したもの)=2.230mmとしてもよい。
また、この他にも、例えば、a=2μm、b=1μm、d1=1μm、e=2μm、ΔL=11μm(α=5.6×10−5〔1/℃〕、ΔT=88℃、L(図8に対応したL)=2.230mm)となるようにした場合にも、図10に対応した(1)式を満足するレンズアレイ2、VCSELおよび光ファイバ5を実現できることになる。
さらに、これら以外にも、例えば、a=1μm、b=2μm、d1=1μm、e=1μm、ΔL=12μm(α=5.6×10−5〔1/℃〕、ΔT=96℃、L(図8に対応したL)=2.230mm)となるようにした場合にも、図10に対応した(1)式を満足するレンズアレイ2、VCSELおよび光ファイバ5を実現できることになる。
次に、図11は、第2のトレランスW2を求めるための具体的なシミュレーション結果として、光電変換装置3としてのモニタPD付きのVCSELにおける発光部(発光素子)とモニタPDの受光部(受光素子)との間における設計上のレンズアレイ2を用いた光結合効率のシミュレーション結果を示したものである。
図11における縦軸および横軸は、図10と同様である。なお、このシミュレーションの際におけるモニタPDの位置は、VCSEL上における寸法誤差が無い設計上の(理想的な)の形成位置に形成された状態で、VCSELと一体的に移動すると仮定している。
図11においては、図10と同様に、VCSELをX軸方向とY軸方向とに移動させている。しかし、このようなX軸方向およびY軸方向の移動に限らず、VCSELの移動がZ軸方向に直交する方向に行われるのであれば、図11と同様のシミュレーション結果が得られる。
このシミュレーション結果においては、予め設定された最大効率は、光結合効率100%からの結合ロスが約11dBとなる効率である。そして、光結合効率が、最大効率から結合ロス2dBに相当する効率だけ下がる際の横軸の幅は、19μmであり、この幅が第2のトレランスW2となる。
したがって、例えば、a=3μm、c=4μm、d1=2μm、d2=2μm、ΔL=3μm(α=5.6×10−5〔1/℃〕、ΔT=24℃、L(図8に対応したもの)=2.230mm)となるようにすれば、図11に対応した(2)式を満足するレンズアレイ2およびVCSELを実現できることになる。
また、この他にも、例えば、a=2μm、c=1μm、d1=1μm、d2=1μm、ΔL=11μm(α=5.6×10−5〔1/℃〕、ΔT=88℃、L(図8に対応したL)=2.230mm)となるようにした場合にも、図11に対応した(2)式を満足するレンズアレイ2およびVCSELを実現できることになる。
さらに、これら以外にも、例えば、a=1μm、c=2μm、d1=1μm、d2=1μm、ΔL=12μm(α=5.6×10−5〔1/℃〕、ΔT=96℃、L(図8に対応したL)=2.230mm)となるようにした場合にも、図11に対応した(2)式を満足するレンズアレイ2およびVCSELを実現できることになる。
(変形例)
以上のような構成以外にも、本実施形態には、設計コンセプトに応じた種々の変形例を考えることができる。
例えば、図12に示すように、一対のデバイス位置決め用凹部24の位置を、図6に示した位置よりも第1のレンズ面11側にずらしてもよい。図13は、このような場合において、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し難い場合における(1)式を満足するようなΔLに対応した範囲を、図14は、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し易い場合における(1)式を満足するようなΔLに対応した範囲を、それぞれ示している。
また、デバイス位置決め用凹部24は、レンズアレイ本体4の機械強度やレンズアレイ本体4に必要に応じて形成すべき他の形状等との関係から問題がなければ、これを有底穴から貫通孔に設計変更してもよい。また、ファイバ位置決め用凹部127についても、前述した規格から逸脱しなければ、これを有底穴から貫通孔に変更してもよい。さらに、光電変換装置3側の光電変換装置位置決め構造(凸部)と、レンズアレイ2側の光電変換装置位置決め構造(凹部)とは、その凹凸の関係を逆転させてもよい。さらにまた、光ファイバ5側の光ファイバ位置決め構造(凹部)およびレンズアレイ2側の光ファイバ位置決め構造(凸部)についても、その凹凸の関係を逆転させてもよい。
さらに、光制御部としては、図1に示した構成以外にも、前述した特願2010−195737号に開示されているバリエーションを適宜採用することができる。例えば、図15に示すように、第2のプリズム面16bと第2の光学面14bとが接触するように構成した場合においても、適正な光路を確保することができる。また、例えば、図16に示すように、第1の光学面14aを第1のプリズム面16aに対して平行かつ近接する傾斜面に形成し、これら第1の光学面14aと第1のプリズム面16aとの間に反射/透過層17を介在させるように構成してもよい。この場合には、レンズアレイ本体4とプリズム16とを同屈折率に形成することによって、適切な光路を確保することができる。
さらにまた、例えば、図17または図18に示すように、双方向通信に対応した構成を採用してもよい。
すなわち、まず、図17の構成においては、光電変換装置3が、半導体基板6におけるレンズアレイ22に臨む面であって、受光素子8に対する図17の左方近傍位置に、複数の第2の受光素子47を備えている。これら複数の第2の受光素子47は、受光素子8の整列方向と同方向に沿って、受光素子8と同数かつ同一ピッチで形成されている。各第2の受光素子47は、フォトディテクタであってもよい。また、図17に示すように、レンズアレイ本体4の下端面4a(レンズ形成面23a)における各第2の受光素子47に臨む位置には、互いに同寸法とされた平面円形の複数の第4のレンズ面48が形成されている。これら複数の第4のレンズ面48は、第2の受光素子47の整列方向と同方向に沿って、第2の受光素子47と同数かつ同一ピッチで形成されている。さらに、図17に示すように、光コネクタ10における光ファイバ5の近傍(図17における下方近傍)には、受信専用の第2の光ファイバ58が並列配置されている。第2の光ファイバ58は、光ファイバ5の整列方向と同方向に沿って、光ファイバ5と同一ピッチで同数(12本)整列されている。また、第2の光ファイバ58の本数は、第2の受光素子47および第4のレンズ面48と同数とされている。そして、これら複数の第2の光ファイバ58におけるレンズアレイ22に臨む各端面58aからは、レンズアレイ22に向けてレーザ光LRが出射されるようになっている。このレーザ光LRは、受信用の光信号に相当する。さらに、図17に示すように、レンズアレイ本体4の左端面4bにおける各第2のレンズ面12に対してこれらの整列方向に直交する方向(図17おける下方向)において隣位する位置であって、各第2の光ファイバ58の端面58aに臨む位置には、各第2の光ファイバ58から出射されたレーザ光LRが入射する第2の光ファイバ58と同数の第5のレンズ面60が形成されている。これら複数の第5のレンズ面60は、互いに同寸法の平面円形状に形成されているとともに、第2のレンズ面12の整列方向に沿って第2のレンズ面12と同一ピッチで整列形成されている。なお、第5のレンズ面60は、第2のレンズ面と同寸法であってもよい。さらに、図17に示すように、レンズアレイ本体4の上端面4cにおける凹部14に対する左側の位置には、第3の凹部61が、第1のレンズ面11と第2のレンズ面12とを結ぶ光路上であって凹部14よりも左側に位置するように凹入形成されている。ここで、図17に示すように、第3の凹部61は、その内面の一部(第3の凹部61の図17における右側面)をなす第3の光学面61aを有しており、この第3の光学面61aは、レンズアレイ本体4の左端面4bに対して平行に形成されている。このような第3の光学面61aには、図17示すように、凹部14における第2の光学面14bに入射した後に第2のレンズ面12側に向かって進行した各発光素子7ごとのレーザ光LTが、図17における右方から垂直入射する。また、図17に示すように、第3の凹部61は、その内面の一部であって、第3の光学面61aに対して図17の左方において対向する部位(第3の凹部61の図17における左側面)をなす第4の光学面61bを有しており、この第4の光学面61bは、左端面4bに対して平行に形成されている。このような第4の光学面61bには、図17に示すように、第3の光学面61aに入射した後に第2のレンズ面12側に向かって進行した各発光素子7ごとのレーザ光LTが、図17における右方から垂直入射する。さらに、図17に示すように、第3の凹部61は、その内面の一部、すなわち、第3の凹部61の図17における底面の中央部をなす第2の全反射面61cを有している。この第2の全反射面61cは、その上端部がその下端部よりも図17における左側に位置するような傾斜面に形成されている。なお、第3の凹部61の底面における第2の全反射面61c以外の部位は、レンズアレイ本体4の上端面4cに平行に形成されている。第2の全反射面61cは、前述した全反射面4dと平行に形成してもよい。このような第2の全反射面61cには、各第5のレンズ面60に入射した各第2の光ファイバ58ごとのレーザ光LRが、図17における左方から臨界角以上の入射角で入射する。そして、第2の全反射面61cは、入射した各第2の光ファイバ58ごとのレーザ光LRを、各第4のレンズ面48側(図17における下方)に向けて全反射させる。このような構成によれば、各第2の光ファイバ58から出射されたレーザ光LRを、各第5のレンズ面60、第2の全反射面61cおよび各第4のレンズ面48を経て、各第2の受光素子47に結合させることができるので、光信号の受信に有効に対応することができる。特に、図17の構成は、最近提案されたCXP規格による120Gbpsの光通信(2009年9月Annex A6、InfiniBandアーキテクチャ仕様Vol.2 Release1.2.1参照)に適用するのに最適である。また、図17の構成においては、前述のように、第3の光学面61aおよび第4の光学面61bのいずれにもレーザ光LTが垂直入射するので、第2の全反射面61cを部品点数を増やさず且つ離型性が確保できる形状に形成するために有効な要素と言える第3の凹部61が、レーザ光LTを屈折させて進行方向を変更してしまうことはない。したがって、光信号の送受信の双方を確実に両立させることができる。なお、好ましくは、第4のレンズ面48上の光軸OA(4)を、下端面4aに垂直に形成し、第5のレンズ面60上の光軸OA(5)を左端面4bに垂直に形成する。
そして、このような図17の構成においては、(1)および(2)の各条件式に加えて、更に、次の(3)の条件式を満足するように構成してもよい。
f+g+d3+e2+ΔL≦W3 (3)
但し、(3)式におけるfは、第4のレンズ面48の位置精度〔μm〕であり、レンズアレイ本体4の製造上の誤差(寸法誤差)の一種である(以下、同様)。このfの値は、例えば、各第4のレンズ面48の理想的な形成位置(設計上の位置)からの各第4のレンズ面48の光軸OA(4)に直交する方向への変位量(誤差)を、すべての第4のレンズ面48について合計した値としてもよい。ここで、各第4のレンズ面48の位置としては、各第4のレンズ面48の中心点の位置を用いればよい。また、各第4のレンズ面48の位置の基準点は、1つのデバイス位置決め用凹部24の中心点にとってもよい。ただし、fの値は、前述した各第4のレンズ面48の光軸OA(4)に直交する方向への変位量の合計値に、更に、各デバイス位置決め用凹部24の理想的な形成位置(設計上の位置)からの各デバイス位置決め用凹部24の光軸OA(4)に直交する方向への変位量をそれぞれ加算した値としてもよい。この場合には、デバイス位置決め用凹部24の位置として、デバイス位置決め用凹部24の中心点の位置を用いればよい。また、この場合には、第4のレンズ面48およびデバイス位置決め用凹部24の位置の基準点を、デバイス位置決め用凹部24の中心点以外にとればよい。この基準点の例としては、一対のデバイス位置決め用凹部24の中心点同士を結ぶ仮想線分の中点またはこの中点において当該仮想線分に直交するようなレンズアレイ本体4の下端面4aに平行な仮想直線上の一点(ただし、下端面4a上から逸脱しない点)を挙げることができる。
また、(3)式におけるgは、第5のレンズ面60の位置精度〔μm〕であり、レンズアレイ本体4の製造上の誤差の一種である(以下、同様)。このgの値は、例えば、各第5のレンズ面60の理想的な形成位置(設計上の位置)からの各第5のレンズ面60の光軸OA(5)に直交する方向への変位量を、すべての第5のレンズ面60について合計した値としてもよい。ここで、各第5のレンズ面60の位置としては、各第5のレンズ面60の中心点の位置を用いればよい。また、各第5のレンズ面60の位置の基準点は、1つのファイバ位置決め用凸部27の中心点にとってもよい。ただし、gの値は、前述した各第5のレンズ面60の光軸OA(5)に直交する方向への変位量の合計値に、更に、各ファイバ位置決め用凸部27の理想的な形成位置(設計上の位置)からの各ファイバ位置決め用凸部27の光軸OA(5)に直交する方向への変位量をそれぞれ加算した値としてもよい。この場合には、ファイバ位置決め用凸部27の位置として、ファイバ位置決め用凸部27の中心点の位置を用いればよい。また、この場合には、第5のレンズ面60およびファイバ位置決め用凸部27の位置の基準点を、ファイバ位置決め用凸部27の中心点以外にとればよい。この基準点の例としては、一対のファイバ位置決め用凸部27の中心点同士を結ぶ仮想線分の中点またはこの中点において当該仮想線分に直交するようなレンズアレイ本体4の左端面4bに平行な仮想直線上の一点(ただし、左端面4b上から逸脱しない点)を挙げることができる。
さらに、(3)式におけるd3は、光電変換装置3の第2の受光素子47の位置精度〔μm〕であり、光電変換装置3の製造上の誤差の一種である(以下、同様)。このd3の値は、例えば、各第2の受光素子47の理想的な形成位置(設計上の位置)からの各第2の受光素子47のレーザ光LRの入射方向(換言すれば、光軸OA(4)方向)に直交する方向への変位量を、すべての第2の受光素子47について合計した値としてもよい。ここで、各第2の受光素子47の位置としては、各第2の受光素子47の受光面の中心位置を用いればよい。また、各第2の受光素子47の位置の基準点は、1つのデバイス位置決め用凸部124の中心点にとってもよい。ただし、d3の値は、前述した各第2の受光素子47の受信用のレーザ光LRの入射方向に直交する方向への変位量の合計値に、更に、各デバイス位置決め用凸部124の理想的な形成位置(設計上の位置)からのレーザ光LRの入射方向に直交する方向への変位量をそれぞれ加算した値としてもよい。この場合には、デバイス位置決め用凸部124の位置として、デバイス位置決め用凸部124の中心点の位置を用いればよい。また、この場合には、第2の受光素子47およびデバイス位置決め用凸部124の位置の基準点を、デバイス位置決め用凸部124の中心点以外にとればよい。この基準点の例としては、一対のデバイス位置決め用凸部124の中心点同士を結ぶ仮想線分の中点またはこの中点において当該仮想線分に直交するような半導体基板6の素子形成面に平行な仮想直線上の一点(ただし、素子形成面上から逸脱しない点)を挙げることができる。
さらにまた、(3)式におけるe2は、第2の光ファイバ58の位置精度〔μm〕であり、光コネクタ10の製造上(組立上)の誤差である(以下、同様)。このe2の意味は、(1)および(2)式におけるeの意味の説明に用いた「光ファイバ5」の語を、「第2の光ファイバ58」に置き換えたものに相当する。
また、(3)式におけるW3は、第3のトレランス〔μm〕である(以下、同様)。ここで、第3のトレランスとは、光電変換装置3を、その第2の光ファイバ58の端面58aと第2の受光素子47との光結合効率が予め設定された最大効率を示すようなレンズアレイ本体4への取り付け位置から、最大効率に対する2dBに相当する光結合効率の低下が示されるような取り付け位置まで第4のレンズ面48における光軸OA(4)に直交する方向に沿って移動させたと仮定した場合における移動前の取り付け位置と移動後の取り付け位置との間の距離(取り付け位置余裕幅)である。
なお、(3)式のΔLの意味は、(1)式の説明において既に述べた通りである。ただし、ΔL中のLは、下端面4a上の固定位置と、この固定位置から最も離れた第4のレンズ面48との距離となる場合もある。
そして、このような(3)式を満足することにより、光電変換装置3をレンズアレイ本体4に取り付ける際に、デバイス位置決め用凸部124をデバイス位置決め用凹部24に挿入させる機械的な作業だけで、温度上昇にかかわらず第2の光ファイバ58の端面58aと第2の受光素子47との間においても十分な光結合効率を得ることができるような高精度な光電変換装置3の位置決めを容易に行うことができる。
次に、図18の構成は、光電変換装置3が第2の受光素子47を備えているとともに、レンズアレイ本体4に第4のレンズ面48が形成されている点で、図17の構成と同様である。ただし、図18の構成においては、図17の構成とは異なり、第2の光ファイバ58および第5のレンズ面60は設けずに、光ファイバ5および第2のレンズ面12によって送受信の双方を行うようになっている。すなわち、図18の構成においては、各光ファイバ5の端面5aから、レンズアレイ2に向けて互いに同一波長のレーザ光(前述した受信用のレーザ光LRに相当するレーザ光)が出射されるようになっており、これら各光ファイバ5から出射されたレーザ光は、各発光素子7ごとのレーザ光Laとは異なる波長のレーザ光とされている。より具体的な手段としては、例えば、光ファイバ5におけるレンズアレイ2に臨む端面5aと反対側の端面に、光ファイバ5と同数の図示しない複数の発光素子を配置して、これらの発光素子から出射された光を対応する光ファイバ5にそれぞれ入射させるようにすればよい。そして、このようにして各光ファイバ5から出射されたレーザ光は、各光ファイバ5に対応する各第2のレンズ面12にそれぞれ入力するようになっている。また、図18に示すように、第2のプリズム面16b上には、第2の反射/透過層50が配置されている。この第2の反射/透過層50には、各第2のレンズ面12に入射した各光ファイバ5から出射されたレーザ光がそれぞれ入射する。そして、第2の反射/透過層50は、これらの入射したレーザ光を、所定の反射率で各第4のレンズ面48側に反射させるとともに所定の透過率で透過させる。このような構成によれば、各光ファイバ5から出射されたレーザ光を、各第2のレンズ面12、第2の反射/透過層50および各第4のレンズ面48を経て、第2の受光素子47に結合させることができるので、双方向の光通信に有効に対応することができる。なお、第2の反射/透過層50を、反射/透過層17と同じ材質および方法によって形成してもよい。
そして、このような図18の構成においては、(1)および(2)の各条件式に加えて、更に、次の(4)の条件式を満足するように構成してもよい。
f+b+d3+e+ΔL≦W3 (4)
(4)式における各パラメータの意味は、既に述べた通りである。このような(4)式を満足することにより、光電変換装置3をレンズアレイ本体4に取り付ける際に、デバイス位置決め用凸部124をデバイス位置決め用凹部24に挿入させる機械的な作業だけで、温度上昇にかかわらず光ファイバ5の端面5aと第2の受光素子47との間においても十分な光結合効率を得ることができるような高精度な光電変換装置3の位置決めを容易に行うことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係るレンズアレイおよびこれを備えた光モジュールの第2実施形態について、第1実施形態との差異を中心に、図19〜図87を参照して説明する。
なお、第1実施形態と基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
図19は、本実施形態におけるレンズアレイ2の正面図である。また、図20は、図19の平面図である。さらに、図21は、図19の下面図である。なお、図19の左側面図は、図4と同様である。
本実施形態におけるレンズアレイ2は、図示はしないが、第1実施形態と同様に、光電変換装置3および光ファイバ5が取り付けられた状態で、光電変換装置3と光ファイバ5との光学的な結合に用いられるようになっている。
ただし、図19〜図21に示すように、本実施形態におけるレンズアレイ2は、第1実施形態とは異なり、デバイス位置決め用凹部24を有してはおらず、また、これにともなって、不図示の光電変換装置3も、デバイス位置決め用凹部24に挿入されるべきデバイス位置決め用凸部124を有していない。
したがって、本実施形態においては、光電変換装置3をレンズアレイ2に取り付ける際に、デバイス位置決め用凹部24およびデバイス位置決め用凸部124を用いた機械的な位置決めは行わないようになっている。
その代わりに、本実施形態においては、調芯作業としての公知のアクティブアライメントによる光学的な位置決めを行った上で、光電変換装置3をレンズアレイ2に取り付けるようになっている。ここで、アクティブアライメントにおいては、光電変換装置3の各発光素子7ごとに実際にレーザ光Laを出射させ、この出射させたレーザ光Laについての光ファイバ5の端面5aへの結合状態(光強度)と受光素子8へのモニタ光Mとしての結合状態とを観測しつつ、光電変換装置3の最適調芯点(すなわち、取り付け位置)を求めるようになっている。一方、光ファイバ5の取り付けの際の位置決めについては、第1実施形態と同様に、ファイバ位置決め用凸部27およびファイバ位置決め用凹部127を用いた機械的な位置決めによって行うようになっている。
また、図19〜図21に示すように、本実施形態におけるレンズアレイ2は、レンズアレイ本体4の下端面4a上であって、レンズ形成面23aに対して第1のレンズ面11の整列方向における両外側位置に、レンズアレイ2を光電変換装置3と接着するための接着剤の配置位置(溜まる位置)となる一対の接着溜り部30を有している。各接着溜り部30は、レンズアレイ本体4の前端面4fおよび後端面4gをそれぞれU字形状に切り欠いた曲面状に形成されている。また、各接着溜り部30は、レンズアレイ本体4の下端面4aから上端面4cに至るように形成されている。さらに、図20および図21に示すように、各接着溜り部30は、同図において一方の接着溜り部30の上下を反転させることによって他方の接着溜り部30と完全に重なり合うような互いに線対称(同寸法)な形状に形成されている。そして、本実施形態においては、アクテイブアライメントによる光電変換装置3の位置決めを行った上で、接着溜り部30に接着剤を注入(配置)して硬化することにより、この接着剤の接着力によって光電変換装置3をレンズアレイ2に固定する(取り付ける)ようになっている。なお、接着剤としては、例えば、公知の熱硬化樹脂や紫外線硬化樹脂等を用いることができる。
さらに、 本実施形態においても、第1実施形態と同様に、レンズアレイ2が、光電変換装置3および光ファイバ5と相まって、(1)および(2)式を満足するようになっている。
ただし、前述のように、本実施形態においては、レンズアレイ2にデバイス位置決め用凹部24が形成されていないため、(1)および(2)式のaの値を定める際の各第1のレンズ面11の位置の基準点ならびに(2)式のcの値を定める際の各第3のレンズ面13の位置の基準点として、第1実施形態と同様のデバイス位置決め用凹部24の中心点を用いることはできない。その代わりに、本実施形態においては、各第1のレンズ面11の位置の基準点および各第3のレンズ面13の位置の基準点として、接着溜り部30の形状中心点を用いてもよい。この場合に、形状中心点としては、接着溜り部30における円孤部分の曲率中心を用いてもよい。なお、第1実施形態においては、aおよびcの各値の算定に、デバイス位置決め用凹部24の理想的な形成位置からの変位量を用いてもよいことを述べたが、本実施形態においては、これに代わり、接着溜り部30の理想的な形成位置からの光軸OA(1)、OA(3)に直交する方向の変位量を用いてもよい。
また、前述のように、本実施形態においては、光電変換装置3にデバイス位置決め用凸部124が形成されていないため、(1)および(2)式のd1の値を定める際の各発光素子7の位置の基準点ならびに(2)式のd2の値を定める際の各受光素子8の位置の基準点として、第1実施形態と同様のデバイス位置決め用凸部124の中心点を用いることはできない。その代わりに、本実施形態においては、各発光素子7の位置の基準点および各受光素子8の位置の基準点として、例えば、半導体基板6における発光/受光素子配置面の幾何学上の重心点(換言すれば、中心点)を用いてもよい。
さらに、(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置としては、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し難い(線膨脹係数が小さい)場合には、各接着溜り部30の形状中心点同士を結ぶ仮想線分の中点の位置を用いてもよい。図22は、このような場合における固定位置Pと、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。同図は、第1実施形態の図8および図13に対応したものである。
一方、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し易い(線膨脹係数が大きい)場合には、各接着溜り部30のそれぞれの形状中心点の位置を固定位置(2つの固定位置)として用いてもよい。図23は、このような場合における2つの固定位置P1、P2と、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。同図は、第1実施形態の図9および図14に対応したものである。
本実施形態においては、第1実施形態とは異なり、アクティブアライメントを要するが、(1)および(2)式を満足することにより、温度上昇にかかわらず、発光素子7と光ファイバ5の端面5aとの間において十分な光結合効率を得ることができるとともに発光素子7と受光素子8との間においても十分な光結合効率を得ることができるような高精度な光電変換装置3の位置決めを行うことができる。
また、本実施形態においては、アクティブアライメントによって高い位置精度を出すことができるので、(1)および(2)式におけるaおよびd1の各値ならびに(2)式におけるcおよびd2の各値を非常に小さくすることができ、殆ど0とすることも可能である。したがって、本実施形態においては、(1)式におけるbおよびeの各値を第1実施形態よりも大きくすること、換言すれば、光ファイバ5側の位置精度を緩和することも可能となる。
なお、本実施形態において、前述した構成以外の構成は、第1実施形態と同様であり、また、第1実施形態で述べた各変形例は、本実施形態においても適用することができる。更に、本実施形態に特有の変形例としては、以下の第1〜第14の各変形例を挙げることができる。
(第1変形例)
図24は、レンズアレイ2の第1変形例を示す平面図である。また、図25は、図24に示すレンズアレイ2の下面図である。さらに、図26は、図24に示すレンズアレイ2の右側面図である。
図24〜図26に示すように、本変形例におけるレンズアレイ2は、図19〜図21に示した構成に対して接着溜り部30の形成位置のみが異なっている。
すなわち、本変形例においては、一対の接着溜り部30が、レンズアレイ本体4の右端面4eに、第1のレンズ面11の整列方向に間隔を設けて形成されている。具体的には、図25に示すように、レンズアレイ本体4の前端面4f側の一方の接着溜り部30は、レンズ形成面23aの前端部の近傍位置に形成され、レンズアレイ本体4の後端面4g側の他方の接着溜り部30は、レンズ形成面23aの後端部の近傍位置に形成されている。
ここで、図27は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し難い場合における固定位置Pと、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。ただし、図27における固定位置Pは、図22の場合とは異なり、レンズ形成面23aの重心点にとられている。
一方、図28は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し易い場合における2つの固定位置P1、P2と、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図28における固定位置P1、P2は、図23の場合と同様に、各接着溜り部30の形状中心点にとられている。また、図28に示すΔLに対応した範囲は、図23の場合と形状が異なるが、図23の場合と同様に、全ての第1のレンズ面11および第3のレンズ面13が含まれるような範囲であることが分かる。
本変形例においても、図19〜図21に示した構成と同様の作用効果を奏することができる。
(第2変形例)
図29は、レンズアレイ2の第2変形例を示す平面図である。また、図30は、図29に示すレンズアレイ2の下面図である。さらに、図31は、図29に示すレンズアレイ2の右側面図である。
図29〜図31に示すように、本変形例におけるレンズアレイ2は、図19〜図21に示した構成に加えて、更に、レンズアレイ本体4の右端面4eにおける第1のレンズ面11の整列方向の中心位置に、3つ目の接着溜り部30を形成したものに相当する。
ここで、図32は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し難い場合における固定位置Pと、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図32における固定位置Pは、図22の場合と同様に、レンズアレイ本体4の前端面4fおよび後端面4gに形成された一対の接着溜り部30の形状中心点同士を結ぶ仮想線分の中点にとられている。
一方、図33は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し易い場合における3つの固定位置P1、P2、P3と、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図33における固定位置P1、P2、P3は、図23の場合と同様に、各接着溜り部30の形状中心点にとられている。また、図33に示すΔLに対応した範囲は、図23の場合と形状が異なるが、図23の場合と同様に、全ての第1のレンズ面11および第3のレンズ面13が含まれるような範囲であることが分かる。なお、このように、固定位置が3つの場合における(1a)式のLとしては、第1の固定位置P1とこれから最も離れた下端面4a上のレンズ面13の中心点または周端部上の一点(P1から最も離れた点)との距離、第2の固定位置P2とこれから最も離れた下端面4a上のレンズ面13の中心点または周端部上の一点(P2から最も離れた点)との距離、および、第3の固定位置P3とこれから最も離れた下端面4a上のレンズ面13の中心点または周端部上の一点(P3から最も離れた点)との距離のうち、最も大きいものを用いてもよい。
本変形例においても、図19〜図21に示した構成と同様の作用効果を奏することができる。
(第3変形例)
図34は、レンズアレイ2の第3変形例を示す平面図である。また、図35は、図34に示すレンズアレイ2の下面図である。
図34および図35に示すように、本変形例におけるレンズアレイ2は、図19〜図21に示した構成に対して、接着溜り部30の形状のみが異なっている。すなわち、図34および図35に示すように、本変形例において、各接着溜り部30は、平面形状がコの字形状(換言すれば、矩形)に形成されている。
ここで、図36は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し難い場合における固定位置Pと、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図36における固定位置Pは、一対の接着溜り部30の形状中心点同士を結ぶ仮想線分の中点にとられている。なお、この場合における各接着溜り部30の形状中心点としては、コの字形状の幾何学上の重心点を用いてもよい。この重心点は、コの字形状を構成する接着溜り部30の3つの線分(端辺)のそれぞれの中点を通る各線分にそれぞれ垂直な3つの垂線同士の交点となる場合がある。
一方、図37は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し易い場合における2つの固定位置P1、P2と、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図37における固定位置P1、P2は、各接着溜り部30の形状中心点(例えば、コの字形状の重心点)にとられている。
本変形例においても、図19〜図21に示した構成と同様の作用効果を奏することができる。
(第4変形例)
図38は、レンズアレイ2の第4変形例を示す平面図である。また、図39は、図38に示すレンズアレイ2の下面図である。
図38および図39に示すように、本変形例におけるレンズアレイ2は、第1変形例に対して、接着溜り部30の形状のみが異なっており、具体的には、第3変形例と同様に、接着溜り部30の平面形状がコの字形状に形成されている。
ここで、図40は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し難い場合における固定位置Pと、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図40における固定位置Pは、第1変形例の場合と同様に、レンズ形成面23aの重心点にとられている。
一方、図41は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し易い場合における2つの固定位置P1、P2と、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図41における固定位置P1、P2は、第3変形例の場合と同様に、各接着溜り部30の形状中心点にとられている。
本変形例においても、図19〜図21に示した構成と同様の作用効果を奏することができる。
(第5変形例)
図42は、レンズアレイ2の第5変形例を示す平面図である。また、図43は、図42に示すレンズアレイ2の下面図である。
図42および図43に示すように、本変形例におけるレンズアレイ2は、第2変形例に対して、接着溜り部30の形状のみが異なっており、具体的には、第3変形例と同様に、接着溜り部30の平面形状がコの字形状に形成されている。
ここで、図44は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し難い場合における固定位置Pと、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図44における固定位置Pは、第3変形例の場合と同様に、レンズアレイ本体4の前端面4fおよび後端面4gに形成された一対の接着溜り部30の形状中心点同士を結ぶ仮想線分の中点にとられている。
一方、図45は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し易い場合における3つの固定位置P1、P2、P3と、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図45における固定位置P1、P2、P3は、第3変形例の場合と同様に、各接着溜り部30の形状中心点にとられている。
本変形例においても、図19〜図21に示した構成と同様の作用効果を奏することができる。
(第6変形例)
図46は、レンズアレイ2の第6変形例を示す正面図である。また、図47は、図46に示すレンズアレイ2の平面図である。さらに、図48は、図46に示すレンズアレイ2の下面図である。
図46〜図48に示すように、本変形例におけるレンズアレイ2は、図19〜図21に示した構成に対して、接着溜り部30の形状のみが異なっている。すなわち、図47および図48に示すように、本変形例において、各接着溜り部30は、平面形状がV字形状(換言すれば、三角形)に形成されている。
ここで、図49は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し難い場合における固定位置Pと、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図49における固定位置Pは、一対の接着溜り部30の形状中心点同士を結ぶ仮想線分の中点にとられている。なお、この場合における各接着溜り部30の形状中心点としては、V字形状の幾何学上の重心点を用いてもよい。この重心点は、V字形状を構成する接着溜り部30の2つの線分(端辺)のそれぞれの中点を通る各線分にそれぞれ垂直な2つの垂線同士の交点となる場合がある。
一方、図50は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し易い場合における2つの固定位置P1、P2と、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図50における固定位置P1、P2は、各接着溜り部30の形状中心点(例えば、V字形状の重心点)にとられている。
本変形例においても、図19〜図21に示した構成と同様の作用効果を奏することができる。
(第7変形例)
図51は、レンズアレイ2の第7変形例を示す平面図である。また、図52は、図51に示すレンズアレイ2の下面図である。さらに、図53は、図51に示すレンズアレイ2の右側面図である。
図51および図52に示すように、本変形例におけるレンズアレイ2は、第1変形例に対して、接着溜り部30の形状のみが異なっており、具体的には、第6変形例と同様に、接着溜り部30の平面形状がV字形状に形成されている。
ここで、図54は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し難い場合における固定位置Pと、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図54における固定位置Pは、第1変形例の場合と同様に、レンズ形成面23aの重心点にとられている。
一方、図55は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し易い場合における2つの固定位置P1、P2と、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図55における固定位置P1、P2は、第6変形例の場合と同様に、各接着溜り部30の形状中心点にとられている。
本変形例においても、図19〜図21に示した構成と同様の作用効果を奏することができる。
(第8変形例)
図56は、レンズアレイ2の第8変形例を示す平面図である。また、図57は、図56に示すレンズアレイ2の下面図である。さらに、図58は、図56に示すレンズアレイ2の右側面図である。
図56および図57に示すように、本変形例におけるレンズアレイ2は、第2変形例に対して、接着溜り部30の形状のみが異なっており、具体的には、第6変形例と同様に、接着溜り部30の平面形状がV字形状に形成されている。
ここで、図59は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し難い場合における固定位置Pと、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図59における固定位置Pは、第6変形例の場合と同様に、レンズアレイ本体4の前端面4fおよび後端面4gに形成された一対の接着溜り部30の形状中心点同士を結ぶ仮想線分の中点にとられている。
一方、図60は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し易い場合における3つの固定位置P1、P2、P3と、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図60における固定位置P1、P2、P3は、第6変形例の場合と同様に、各接着溜り部30の形状中心点にとられている。
本変形例においても、図19〜図21に示した構成と同様の作用効果を奏することができる。
(第9変形例)
図61は、レンズアレイ2の第9変形例を示す正面図である。また、図62は、図61に示すレンズアレイ2の平面図である。さらに、図63は、図61に示すレンズアレイ2の下面図である。
図61〜図63に示すように、本変形例におけるレンズアレイ2は、図19〜図21に示した構成に対して、接着溜り部30の形状のみが異なっている。すなわち、図62および図63に示すように、本変形例において、各接着溜り部30は、平面形状が五角形状に形成されている。
ここで、図64は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し難い場合における固定位置Pと、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図64における固定位置Pは、一対の接着溜り部30の形状中心点同士を結ぶ仮想線分の中点にとられている。なお、この場合における各接着溜り部30の形状中心点としては、五角形状の幾何学上の重心点を用いてもよい。
一方、図65は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し易い場合における2つの固定位置P1、P2と、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図65における固定位置P1、P2は、各接着溜り部30の形状中心点(例えば、五角形状の重心点)にとられている。
本変形例においても、図19〜図21に示した構成と同様の作用効果を奏することができる。
(第10変形例)
図66は、レンズアレイ2の第10変形例を示す平面図である。また、図67は、図66に示すレンズアレイ2の下面図である。さらに、図68は、図66に示すレンズアレイ2の右側面図である。
図66および図67に示すように、本変形例におけるレンズアレイ2は、第1変形例に対して、接着溜り部30の形状のみが異なっており、具体的には、第9変形例と同様に、接着溜り部30の平面形状が五角形状に形成されている。
ここで、図69は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し難い場合における固定位置Pと、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図69における固定位置Pは、第1変形例の場合と同様に、レンズ形成面23aの重心点にとられている。
一方、図70は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し易い場合における2つの固定位置P1、P2と、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図70における固定位置P1、P2は、第9変形例の場合と同様に、各接着溜り部30の形状中心点にとられている。
本変形例においても、図19〜図21に示した構成と同様の作用効果を奏することができる。
(第11変形例)
図71は、レンズアレイ2の第11変形例を示す平面図である。また、図72は、図71に示すレンズアレイ2の下面図である。さらに、図73は、図71に示すレンズアレイ2の右側面図である。
図71および図72に示すように、本変形例におけるレンズアレイ2は、第2変形例に対して、接着溜り部30の形状のみが異なっており、具体的には、第9変形例と同様に、接着溜り部30の平面形状が五角形状に形成されている。
ここで、図74は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し難い場合における固定位置Pと、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図74における固定位置Pは、第9変形例の場合と同様に、レンズアレイ本体4の前端面4fおよび後端面4gに形成された一対の接着溜り部30の形状中心点同士を結ぶ仮想線分の中点にとられている。
一方、図75は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し易い場合における3つの固定位置P1、P2、P3と、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図75における固定位置P1、P2、P3は、第9変形例の場合と同様に、各接着溜り部30の形状中心点にとられている。
本変形例においても、図19〜図21に示した構成と同様の作用効果を奏することができる。
(第12変形例)
図76は、レンズアレイ2の第12変形例を示す正面図である。また、図77は、図76に示すレンズアレイ2の下面図である。
図76および図77に示すように、本変形例におけるレンズアレイ2は、図19〜図21に示した構成に対して、接着溜り部30の形状のみが異なっている。すなわち、図76および図77に示すように、本変形例において、各接着溜り部30は、平面形状が図19〜図21と同様のU字形状かつ正面形状がコの字形状に形成されている。すなわち、本変形例における接着溜り部30は、図19〜図21のような曲面ではなく、曲面とこれの端辺(曲辺)に連なる平坦面とからなる有底の凹入面に形成されている。
ここで、図78は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し難い場合における固定位置Pと、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図78における固定位置Pは、図22と同様である。
一方、図79は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し易い場合における2つの固定位置P1、P2と、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図79における固定位置P1、P2は、図23と同様である。
本変形例においても、図19〜図21に示した構成と同様の作用効果を奏することができる。
(第13変形例)
図80は、レンズアレイ2の第13変形例を示す下面図である。また、図81は、図80に示すレンズアレイ2の右側面図である。
図80および図81に示すように、本変形例におけるレンズアレイ2は、第1変形例に対して、接着溜り部30の形状のみが異なっており、具体的には、第12変形例と同様に、平面形状がU字形状かつ正面形状がコの字形状の凹入面に形成されている。
ここで、図82は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し難い場合における固定位置Pと、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図82における固定位置Pは、図27と同様である。
一方、図83は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し易い場合における2つの固定位置P1、P2と、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図83における固定位置P1、P2は、図28と同様である。
本変形例においても、図19〜図21に示した構成と同様の作用効果を奏することができる。
(第14変形例)
図84は、レンズアレイ2の第14変形例を示す下面図である。また、図85は、図84に示すレンズアレイ2の右側面図である。
図84および図85に示すように、本変形例におけるレンズアレイ2は、第2変形例に対して、接着溜り部30の形状のみが異なっており、具体的には、第12変形例と同様に、平面形状がU字形状かつ正面形状がコの字形状の凹入面に形成されている。
ここで、図86は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し難い場合における固定位置Pと、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図86における固定位置Pは、図32と同様である。
一方、図87は、本変形例において(1)および(2)式のΔLを定める際におけるレンズアレイ本体4の下端面4a上の固定位置として、半導体基板6がレンズアレイ本体4よりも温度変化によって変形し易い場合における3つの固定位置P1、P2、P3と、これに応じた(1)および(2)式を満足するΔLに対応した範囲(ハッチング部)とをそれぞれ示している。図87における固定位置P1、P2、P3は、図33と同様である。
本変形例においても、図19〜図21に示した構成と同様の作用効果を奏することができる。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。
例えば、第2実施形態の第3〜第11変形例に記載の接着溜り部30に対して、これの平面形状を変えずに第12〜第14変形例と同様の有底の凹入面とする変形を行ってもよい。また、接着溜り部30の平面形状を、例えば、六角形状等の前述した各変形例に示したもの以外の多角形状(正多角形状を含む)としてもよい。