JP5702270B2 - 変速機 - Google Patents

変速機 Download PDF

Info

Publication number
JP5702270B2
JP5702270B2 JP2011277513A JP2011277513A JP5702270B2 JP 5702270 B2 JP5702270 B2 JP 5702270B2 JP 2011277513 A JP2011277513 A JP 2011277513A JP 2011277513 A JP2011277513 A JP 2011277513A JP 5702270 B2 JP5702270 B2 JP 5702270B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission
power
gear
clutch
output shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011277513A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013127301A (ja
Inventor
野田 辰也
辰也 野田
津幡 義道
義道 津幡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2011277513A priority Critical patent/JP5702270B2/ja
Publication of JP2013127301A publication Critical patent/JP2013127301A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5702270B2 publication Critical patent/JP5702270B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Transmission Devices (AREA)

Description

本発明は、トロイダル型無段変速機構及び遊星歯車機構により変速を行う変速機に関する。
このような変速機の一例として、特許文献1には、入力軸と出力軸との間にトロイダル型無段変速機構及び遊星歯車機構を備え、これらの機構を介して入力軸から出力軸へ動力を伝達するようにした変速機が記載されている。この変速機には、動力の伝達を行うための動作モードとして、主に遊星歯車機構を介して動力の伝達を行う動力循環モードと、主にトロイダル型無段変速機構を介して動力の伝達を行う直結モードとが設けられている。
動力循環モードは、変速機が搭載された車両の低速走行時及び後退時に用いられ、直結モードは高速走行時に用いられる。動力循環モードでは、入力軸の動力が、遊星歯車機構のキャリアに伝達され、リングギアを経て出力軸へ伝達される。このとき、遊星歯車機構のサンギアがトロイダル型無段変速機構の出力部材に連結しており、変速機の変速比は、サンギアの回転数を、トロイダル型無段変速機構で適宜変更することにより制御される。
トロイダル型無段変速機構の速度比(変速比の逆数)が出力軸の回転が停止するギアドニュートラル時の速度比より小さいとき、出力軸は車両を前進させる順方向に回転し、大きいとき、車両を後退させる逆方向に回転する。
すなわち、動力循環モードにおいて、トロイダル型無段変速機構の速度比を、最大値から最小値まで変化させるとすれば、変速機の速度比は、出力軸が逆方向に回転するマイナス側の最小値から増大してゆき、出力軸の回転が停止するギアドニュートラルの状態を経て、出力軸が順方向に回転するプラス側に転じ、そして動力循環モードにおける最大値に達する。
この最大値よりも大きな変速機の速度比を得る場合には、動作モードが、動力循環モードから直結モードに切り換えられる。直結モードでは、入力軸の動力は、実質的に遊星歯車機構を経ることなく、トロイダル型無段変速機構のみを経て、その出力部材から出力軸に伝達される。したがって、トロイダル型無段変速機構の速度比の増減に応じて、変速機の速度比が増減する。
特開平10−246327号公報
本発明の目的は、従来よりも動力循環モードにおける動力伝達効率を向上させた変速機を提供することにある。
本発明の変速機は、入力軸と、出力軸と、前記入力軸から前記出力軸へ動力を伝達する第1動力伝達機構と、サンギア、リングギア及びキャリアの3つの要素を有し、各要素が、相対回転速度比を直線で表すことができる共線図における並び順に、一方から第1要素、第2要素及び第3要素とされる遊星歯車機構と、前記入力軸から前記第2要素へ動力を伝達する第2動力伝達機構と、前記出力軸に伝達された動力を、回転方向を切り換えて出力するための切換え機構とを備え、前記第1動力伝達機構は、入力部材及び出力部材を備え、前記入力軸に該入力部材が連結されたトロイダル型無段変速機構と、前記出力部材から出力される動力を前記出力軸に伝達させる伝達状態と、この伝達を絶つ開放状態とに切換え自在な第1クラッチとを備え、前記第2動力伝達機構を介して、前記入力軸の動力を前記出力軸に伝達させる伝達状態と、この伝達を絶つ開放状態とに切換え自在な第2クラッチが設けられ、前記トロイダル型無段変速機構の出力部材は、前記第1要素に連結されており、前記第1クラッチが開放状態で前記第2クラッチが伝達状態であるとき、前記第2動力伝達機構により伝達される動力の一部が、前記第1要素から前記トロイダル型無段変速機構を経て前記入力軸へ戻る変速機において、前記遊星歯車機構のギア比は、前記第1クラッチが開放状態で前記第2クラッチが伝達状態であるとき、前記トロイダル型無段変速機構の取り得る変速比の全範囲において、前記出力軸の回転が逆回転となることを阻止するように設定されていることを特徴とする。
この構成において、遊星歯車機構のギア比(リングギアの歯数/サンギアの歯数)は、トロイダル型無段変速機構の取り得る変速比の全範囲で、出力軸の回転が逆回転となることを阻止するように設定されているので、従来のように動力循環モードで後退できるように構成された変速機の遊星歯車機構のギア比よりも大きくなる。この場合、第1クラッチが開放状態で第2クラッチが伝達状態とされた動力循環モードにおいては、遊星歯車機構の第1要素からトロイダル型無段変速機構を経て入力軸へ戻る動力が少なくなる。
このため、入力軸へ動力が戻る際にトロイダル型無段変速機構における動力の損失が減少するので、伝達効率が向上される。
本発明においては、前記第1クラッチが開放状態で前記第2クラッチが伝達状態であって、前記トロイダル型無段変速機構の変速比が最小であるとき、前記出力軸の回転数がゼロであってもよい。
これによれば、動力循環モードにおいてトロイダル型無段変速機構の変速比が最小であるときにギアドニュートラルの状態となる。このため、エンジン等の動力源の動力を入力軸や出力軸等に伝えるための発進クラッチを不要とすることも可能である。
また、本発明において、前記遊星歯車機構は、サンギアと、リングギアと、サンギア及びリングギアに噛合するピニオンを自転及び公転自在に軸支するキャリアとからなるシングルピニオン型のものであってもよい。
遊星歯車機構として、サンギアと、リングギアと、互いに噛合するとともに、一方がサンギアに噛合し、他方がリングギアに噛合する一対のピニオンを自転及び公転自在に軸支するキャリアとからなるダブルピニオン型のものを用いることができる。しかしながら、遊星歯車機構としてシングルピニオン型のものを用いれば、一対のピニオン間での噛み合いによる動力の損失が生じない分だけ、さらに変速機の効率を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る変速機の構成を示すスケルトン図である。 図1の変速機におけるバリエータ速度比とミッション速度比との関係を示すグラフである。 図1の変速機における第1遊星歯車機構の共線図である。 図1の変速機における動力伝達効率を算出した結果の一例を示す図である。 従来の変速機における動力伝達効率を算出した結果の一例を示す図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係る変速機の構成を示すスケルトン図である。図1に示すように、この変速機1は、入力軸2と、出力軸3と、入力軸2から出力軸3へ動力を伝達する第1動力伝達機構4と、第1サンギア5、第1リングギア6及び第1キャリア7を有する第1遊星歯車機構8と、入力軸2から第1キャリア7へ動力を伝達する第2動力伝達機構9と、出力軸3に伝達された動力を、回転方向を切り換えて出力するための前後進切換え機構10とを備える。
第1遊星歯車機構8は、第1サンギア5及び第1リングギア6に噛合する第1ピニオン11を自転及び公転自在に第1キャリア7によって軸支するシングルピニオン型のものである。第1動力伝達機構4は、ダブルキャビティ方式でハーフトロイダル型のトロイダル型無段変速機構12と、トロイダル型無段変速機構12が出力する動力が伝達される伝達ギア13と、伝達ギア13に伝達された動力を出力軸3に伝達させる伝達状態と、この伝達を絶つ開放状態とに切り換え自在な第1クラッチ14とを備える。
トロイダル型無段変速機構12は、入力ディスクたる入力部材15と、出力ディスクたる出力部材16と、入力部材15に入力される動力を出力部材16に伝達するパワーローラ17とを備える。トロイダル型無段変速機構12の変速比は、パワーローラ17の傾斜角を変化させることにより制御される。入力部材15は、入力軸2に連結されており、入力部材15には、入力軸2から動力が入力される。
出力部材16の周縁部には、第1出力ギア18が設けられている。第1出力ギア18は、伝達ギア13と噛合している。伝達ギア13及び第1サンギア5は、出力軸3の周りに回転自在に設けられたスリーブ19を介して連結され、出力軸3の周りで回転自在となっている。
第2動力伝達機構9は、入力軸2に固定された第2出力ギア20と、第1キャリア7に連結され、一体的に回転するキャリアギア21と、第2出力ギア20とキャリアギア21とに噛合するアイドルギア22とを備える。第1リングギア6と出力軸3との間には、第1リングギア6の動力を出力軸3に伝達させる伝達状態と、この伝達を絶つ開放状態とに切換え自在な第2クラッチ23が設けられる。
前後進切換え機構10は、第2サンギア24、第2リングギア25、及び第2キャリア26を有する第2遊星歯車機構27と、出力軸3の動力を、その回転方向を切り換えて出力するか否かを制御するためのブレーキ28及び第3クラッチ29とを備える。第2遊星歯車機構27は、第2サンギア24及び第2リングギア25に噛合する第2ピニオン30を、第2キャリア26により自転及び公転自在に軸支するシングルピニオン型のものである。
第2サンギア24は出力軸3に固定され、第2リングギア25には足軸31が連結され、足軸31には駆動ギア32が固定されている。駆動ギア32には、従動ギア35が噛合している。従動ギア35は、変速機1が搭載された車両の駆動輪33に連結されたディファレンシャルギア34に連結されている。
ブレーキ28は、第2遊星歯車機構27の第2キャリア26を変速機1のケース36に固定させる固定状態と、この固定状態が解除された解除状態とに切換え自在に構成される。第3クラッチ29は、出力軸3に伝達された動力を第2キャリア26に伝達させる伝達状態と、この伝達を絶つ開放状態とに切り換え自在に構成される。
前後進切換え機構10は、第3クラッチ29が伝達状態で、ブレーキ28が解除状態であるとき、出力軸3に伝達される動力を、その回転方向を変えることなくそのまま第2遊星歯車機構27の第2リングギア25から出力する。一方、第3クラッチ29が開放状態で、ブレーキ28が固定状態であるとき、出力軸3の動力を、その回転方向を反転させて、第2遊星歯車機構27の第2リングギア25から出力する。
図2は、トロイダル型無段変速機構12の速度比であるバリエータ速度比と、変速機1の速度比であるミッション速度比との関係を示す。変速機1は、ミッション速度比がゼロから所定値aまで変化するローモードと、該所定値aから最大値bまで変化するハイモードで動作する。ローモード及びハイモードにおけるバリエータ速度比とミッション速度比との関係が、図2のグラフ曲線Lで示されている。
ローモードは、第1クラッチ14を開放状態とし、第2クラッチ23を伝達状態としたときの動作モードである。ハイモードは、第1クラッチ14を伝達状態とし、第2クラッチ23を開放状態としたときの動作モードである。
ローモードでは、入力軸2から、第2動力伝達機構9、第1遊星歯車機構8の第1キャリア7と第1リングギア6、及び第2クラッチ23を経て、出力軸3に動力が伝達される。このとき、図2のグラフ曲線Lのうちのローモードに対応する部分Laに従い、バリエータ速度比(トロイダル型無段変速機構12の速度比)に応じ、第1サンギア5を介してミッション速度比(変速機1の速度比)が制御される。
これにより、バリエータ速度比が最大(トロイダル型無段変速機構12の変速比が最小)のとき、ミッション速度比がゼロ(出力軸3の回転数がゼロ)となる。バリエータ速度比が最小のとき、ミッション速度比が所定値aとなる。これに対し、従来の変速機におけるローモードでは、例えば、グラフ曲線Lpで示されるように、ミッション速度比がマイナスとなり、出力軸3が逆方向に回転する領域が含まれる。
すなわち、従来の変速機では、ミッション速度比がゼロとなるギアドニュートラル点が、従来のローモードに対応するグラフ曲線Lpの中間点GN1に位置するのに対し、本実施形態では、ギアドニュートラル点が、バリエータ速度比が最大となる点GN2に位置するように第1遊星歯車機構8のギア比が設定されている。
図3は、このようにギア比が設定された第1遊星歯車機構8の共線図である。図3に示すように、第1遊星歯車機構8のギア比(第1リングギア6の歯数/第1サンギア5の歯数)をiとすると、第1サンギア5の回転速度を表す縦軸Lsと第1キャリア7の回転速度を表す縦軸Lcとの間隔がi、縦軸Lcと第1リングギア6の回転速度を表す縦軸Lrとの間隔が1となる。
共線Aは、バリエータ速度比(第1サンギア5の回転速度)が最大であるギアドニュートラルの状態を示している。共線Bは、共線Aの状態よりもバリエータ速度比が小さい場合の状態を示している。共線Cは、バリエータ速度比が最小の状態を示している。したがって、第1リングギア6の回転速度がマイナスとなることはない。
これに対し、従来の変速機では、第1遊星歯車機構8に対応する遊星歯車機構のギア比は、第1遊星歯車機構8のギア比iよりも小さい。
すなわち、従来の遊星歯車機構の共線図は、例えば、図3における縦軸Lsと縦軸Lcを、そのまま該遊星歯車機構におけるサンギア及びキャリアの回転速度を表す縦軸とし、該遊星歯車機構のリングギアの回転速度を示す縦軸を、縦軸Lrの外側の縦軸Lr’としたものに相当する。
この場合、縦軸Lcと縦軸Lr’との間隔は、縦軸Lcと縦軸Lrとの間隔より大きいが、縦軸Lsと縦軸Lcとの間隔は同一である。したがって、縦軸Lcと縦軸Lr’との間隔を1として考えると、従来の遊星歯車機構のギア比は、第1遊星歯車機構8のギア比iよりも小さいことがわかる。
この場合、共線A〜Cに対応する共線は、共線A〜Cをそのまま縦軸Lr’まで延長した共線A’、B’、C’となる。したがって、バリエータ速度比が最大である共線A’の状態では、リングギアの回転速度がマイナスとなる。
このように、本実施形態では、バリエータ速度比が最大のときにギアドニュートラルの状態となるように、第1遊星歯車機構8のギア比を従来の変速機の遊星歯車機構のギア比よりも大きな値に設定している。このギア比によれば、共線Aのようにバリエータ速度比が最大である状態で、リングギアの回転速度がゼロとなる。これにより、ローモードにおいて、トロイダル型無段変速機構12の取り得る速度比の全範囲で、出力軸3の回転が逆回転となることを阻止することができる。
なお、共線Cは、ローモード及びハイモードの切換え点での状態を示している。共線Cの状態では、第1サンギア5、第1キャリア7及び第1リングギア6が同一回転速度で回転するので、第1クラッチ14及び第2クラッチ23によるローモード及びハイモードの間の切換えがスムーズに行われる。
このように、ローモードにおいて出力軸3が逆回転となることを阻止するようにしているので、変速機1が搭載された車両の前進及び後進を切り換えるための前後進切換え機構10が設けられている。
一方、ハイモードでは、入力軸2から、トロイダル型無段変速機構12、伝達ギア13、及び第1クラッチ14を経て、出力軸3に動力が伝達される。このとき、ミッション速度比は、図2のグラフ曲線Lのうちのハイモードに対応する部分Lbに従い、バリエータ速度比に応じ、上述の所定値aから最大値bまでの間で制御される。
変速機が搭載された車両を発進させるためには、入力軸2が所定の回転速度で回転されているとき、ローモードにおいて、バリエータ速度比をギアドニュートラルに対応する最大値から次第に減少させる。これにより、図2のグラフ曲線Lのローモード部分Laに従い、ミッション速度比をゼロから増大させて出力軸3を回転させ、車両を発進させることができる。発進方向が前進方向又は後進方向のいずれであるかは、発進時におけるブレーキ28及び第3クラッチ29の状態に応じて決定される。
その後、バリエータ速度比が最小値に達したとき、さらに車速を増大させる場合には、ローモードからハイモードへ切り換えられ、バリエータ速度比が増大される。これにより、図2のグラフ曲線Lのハイモード部分Lbに従い、出力軸3の回転速度をさらに上昇させ、車速を増大させることができる。
図4は、変速機1の車両の前進時における動力伝達効率を算出した結果の一例を示す。車両の前進時には、第3クラッチ29が開放状態、ブレーキ28が固定状態とされ、出力軸3の動力は、その回転方向が反転されて、足軸31に伝達される。なお、動力伝達効率の算出にあたっては、トロイダル型無段変速機構12における動力伝達効率を95%とし、ギアの噛み合いにおける動力伝達効率を98.5%としている。図4(a)ではローモードの場合について示し、図4(b)ではハイモードの場合について示している。
図4(a)に示すように、ローモードでは、足軸31に付与する動力を1とすれば、各部での動力伝達効率を考慮し、第2遊星歯車機構27の第2ピニオン30に1.015、第2サンギア24に1.03、第1遊星歯車機構8の第1キャリア7に1.335、アイドルギア22に1.356、第2出力ギア20に1.375の動力をそれぞれ伝達する必要がある。
すなわち、ローモードでは、第1遊星歯車機構8の第1キャリア7に伝達される動力の一部が第1キャリア7からトロイダル型無段変速機構12等を経て入力軸2へ戻る動力循環が生じる。このとき、第1サンギア5、第1キャリア7及び第1リングギア6における動力の比は、第1遊星歯車機構8のギア比を3.55とすると、0.28:1.31:1.03となる。
この比率と、ギアの噛み合いにおける動力の損失とを考慮すれば、第2サンギア24に1.03の動力を付与するためには、第1キャリア7には、上述のように、1.335の動力を付与すればよい。この場合、伝達ギア13には0.281、トロイダル型無段変速機構12の出力部材16には0.275の動力が付与される。そして、トロイダル型無段変速機構12を経て、入力軸2に0.260の動力が戻る。
したがって、入力軸2に対して1.115の動力を付与することにより、第2出力ギア20に1.375の動力を伝達し、足軸31に1の動力を付与することができる。このときの、変速機1(入力軸2から足軸31まで)の動力伝達効率は、89.7%となる。
一方、ハイモードでは、図4(b)に示すように、足軸31に付与する動力を1とすれば、第2遊星歯車機構27の第2ピニオン30に1.02、第2サンギア24に1.03、第1出力ギア18に1.05、そしてトロイダル型無段変速機構12に1.10の動力をそれぞれ伝達する必要がある。したがって、入力軸2に対して1.10の動力を付与することにより、足軸31に1の動力を伝達することができる。このときの、変速機1の動力伝達効率は、90.9%となる。
図5は、従来の変速機における前進時の動力伝達効率を算出した結果を示す。この従来の変速機は、図2のグラフ曲線Lpの中間点GN1にギアニュートラル点が位置するような第1遊星歯車機構8のギア比を有すること以外は、本実施形態の変速機1と同様の構成を有する。動力伝達効率の算出は、図4の場合と同様の条件で行っている。
この場合、ローモードでは、図5(a)に示すように、第1遊星歯車機構8の第1サンギア5、第1キャリア7及び第1リングギア6における動力の比は、例えば0.50:1.53:1.03となる。したがって、足軸31に付与する動力を1とすれば、ギアの噛み合いにおける動力伝達効率(98.5%)を考慮すると、第2遊星歯車機構27の第2ピニオン30に1.02、第2サンギア24に1.03、第1遊星歯車機構8の第1キャリア7に1.55、アイドルギア22に1.58、第2出力ギア20に1.60の動力をそれぞれ伝達する必要がある。
また、伝達ギア13には0.49、トロイダル型無段変速機構12の出力部材16には0.48の動力が付与され、そしてトロイダル型無段変速機構12を経て、入力軸2に0.46の動力が戻る。したがって、入力軸2に1.14の動力を付与すれば、足軸31に1の動力を付与することができる。このときの、動力伝達効率は、87.7%となる。ハイモードでは、図5(b)に示すように、図4(b)の場合と同様の効率が得られる。
このように、本実施形態では、従来の変速機よりも、ローモードにおける伝達効率が向上している。これは次のような理由によるものであると考えられる。すなわち、本実施形態のように、速度比が最大のときにギアドニュートラル状態となるように第1遊星歯車機構8のギア比を設定すると、上述のように、このギア比は、従来の変速機の場合よりも大きくなる。
そして、第1遊星歯車機構8のギア比が大きいほど、トロイダル型無段変速機構12を経て循環する動力が少なくなる。その分、入力軸2へ動力が戻る際にギアの噛み合いに比べて伝達効率の劣るトロイダル型無段変速機構12において生じる動力の損失が減少するので、伝達効率が向上される。
以上のように、本実施形態によれば、第1クラッチ14が開放状態で第2クラッチ23が伝達状態であるローモードのとき、第1遊星歯車機構8のギア比を、トロイダル型無段変速機構12の取り得る変速比の全範囲において、出力軸3の回転が逆回転となることを阻止するように設定して、ローモードにおける動力伝達効率を向上させることができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、上述においては、第1遊星歯車機構8として、シングルピニオン型の第1遊星歯車機構8を用いているが、この代わりに、サンギアと、リングギアと、互いに噛合するとともに、一方がサンギアに噛合し、他方がリングギアに噛合する一対のピニオンを自転及び公転自在に軸支するキャリアとを備えたダブルピニオン型の遊星歯車機構を用いてもよい。この場合、第1要素はサンギア、第2要素はリングギア、第3要素はキャリアとなる。
1…変速機、2…入力軸、3…出力軸、4…第1動力伝達機構、5…第1サンギア、6…第1リングギア、7…第1キャリア、8…第1遊星歯車機構、9…第2動力伝達機構、15…入力部材、16…出力部材、12…トロイダル型無段変速機構、14…第1クラッチ、23…第2クラッチ。

Claims (3)

  1. 入力軸と、
    出力軸と、
    前記入力軸から前記出力軸へ動力を伝達する第1動力伝達機構と、
    サンギア、リングギア及びキャリアの3つの要素を有し、各要素が、相対回転速度比を直線で表すことができる共線図における並び順に、一方から第1要素、第2要素及び第3要素とされる遊星歯車機構と、
    前記入力軸から前記第2要素へ動力を伝達する第2動力伝達機構と
    前記出力軸に伝達された動力を、回転方向を切り換えて出力するための切換え機構とを備え、
    前記第1動力伝達機構は、
    入力部材及び出力部材を備え、前記入力軸に該入力部材が連結されたトロイダル型無段変速機構と、
    前記出力部材から出力される動力を前記出力軸に伝達させる伝達状態と、この伝達を絶つ開放状態とに切換え自在な第1クラッチとを備え、
    前記第2動力伝達機構を介して、前記入力軸の動力を前記出力軸に伝達させる伝達状態と、この伝達を絶つ開放状態とに切換え自在な第2クラッチが設けられ、
    前記トロイダル型無段変速機構の出力部材は、前記第1要素に連結されており、
    前記第1クラッチが開放状態で前記第2クラッチが伝達状態であるとき、前記第2動力伝達機構により伝達される動力の一部が、前記第1要素から前記トロイダル型無段変速機構を経て前記入力軸へ戻る変速機において、
    前記遊星歯車機構のギア比は、前記第1クラッチが開放状態で前記第2クラッチが伝達状態であるとき、前記トロイダル型無段変速機構の取り得る変速比の全範囲において、前記出力軸の回転が逆回転となることを阻止するように設定されていることを特徴とする変速機。
  2. 前記第1クラッチが開放状態で前記第2クラッチが伝達状態であって、前記トロイダル型無段変速機構の変速比が最小であるとき、前記出力軸の回転数がゼロであることを特徴とする請求項1に記載の変速機。
  3. 前記遊星歯車機構は、サンギアと、リングギアと、サンギア及びリングギアに噛合するピニオンを自転及び公転自在に軸支するキャリアとからなるシングルピニオン型のものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の変速機。
JP2011277513A 2011-12-19 2011-12-19 変速機 Expired - Fee Related JP5702270B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011277513A JP5702270B2 (ja) 2011-12-19 2011-12-19 変速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011277513A JP5702270B2 (ja) 2011-12-19 2011-12-19 変速機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013127301A JP2013127301A (ja) 2013-06-27
JP5702270B2 true JP5702270B2 (ja) 2015-04-15

Family

ID=48777939

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011277513A Expired - Fee Related JP5702270B2 (ja) 2011-12-19 2011-12-19 変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5702270B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3185400B2 (ja) * 1992-09-18 2001-07-09 日産自動車株式会社 変速比無限大無段変速機の変速制御装置
JP3724175B2 (ja) * 1997-03-22 2005-12-07 マツダ株式会社 トロイダル式無段変速機の制御装置
JP2000104804A (ja) * 1998-07-31 2000-04-11 Mazda Motor Corp 無段変速機
JP3832424B2 (ja) * 2002-11-28 2006-10-11 日本精工株式会社 無段変速装置
JP4797860B2 (ja) * 2006-07-25 2011-10-19 日本精工株式会社 無段変速装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013127301A (ja) 2013-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6565891B2 (ja) 電動車両の駆動装置
WO2015076068A1 (ja) 自動変速機
JP5408627B2 (ja) Cvtバリエータを備えた動力分割式のオートマチックトランスミッション
JP2002089654A (ja) 変速比無限大無段変速機
JP2016175575A (ja) 車両用駆動装置
JP6844268B2 (ja) 電動車両の駆動装置
US20060276295A1 (en) Transmission for a motor vehicle with continuously variable power-split drive ranges
JP6078401B2 (ja) 車両の駆動装置
KR101033858B1 (ko) 무단변속 기어셋트
JP2006308039A (ja) 無段変速装置
JP6214440B2 (ja) 自動変速機
JP2017026077A (ja) 無段変速装置
JP5702270B2 (ja) 変速機
JP5280592B1 (ja) 変速装置
JP2015031312A (ja) 動力伝達機構
JP5595598B2 (ja) 無段変速機
JP2013108588A (ja) 無段変速機
JP6533084B2 (ja) 動力分割式無段変速装置
JP6002605B2 (ja) 無段変速機
JPH0989055A (ja) 歯車式無段変速装置及び自動車用の歯車式無段変速装置と一般産業機械用の歯車式無段変速装置
JP4095616B2 (ja) パワースプリット型無段変速装置
JP2008249120A (ja) 無段変速機
JP2006322482A (ja) 無段変速装置
JP4631876B2 (ja) トロイダル式無段変速機
JP2013148153A (ja) 変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140624

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140626

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140821

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5702270

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees