JP5700944B2 - 金平糖状のシリカ系微粒子の分散ゾル、該分散ゾルを含む塗料組成物、および金平糖状のシリカ系微粒子分散ゾルの製造方法。 - Google Patents

金平糖状のシリカ系微粒子の分散ゾル、該分散ゾルを含む塗料組成物、および金平糖状のシリカ系微粒子分散ゾルの製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は金平糖状のシリカ系微粒子の分散ゾルおよび該分散ゾルを含む塗料組成物に関するものである。また本発明は金平糖状のシリカ系微粒子分散ゾルの製造方法に関するものである。
シリカゾルをフィラーとしてコーティング膜中に配合することが知られているが、アルカリ性のシリカゾルは酸性のバインダー成分と混合すると白濁や増粘の問題が生じやすいため、酸性域であっても使用できる安定性の高いシリカゾルが求められている。
さらに、このようなコーティング膜に配合した際に、膜の硬度などの性能を高めることができるシリカゾルが求められていた。
シリカゾルの安定性を向上させる手段として、シリカ粒子の表面をアルミニウムで改質する方法が知られており、特許文献1には、コロイダルシリカの粒子径が4〜30ミリミクロン、pH2〜9、アルミニウム含有量がAl23/SiO2モル比で0〜0.0008のシリカゾルに、Al23/SiO2モル比が0.0006〜0.004の範囲となるように、アルミン酸アルカリ水溶液を添加したのち、80〜250℃で0.5〜20時間加熱し、その後陽イオン交換樹脂または陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂に接触させてpH2〜5の酸性シリカゾルを得る方法が記載されている。
また、特許文献2には、表面に複数の突起を有する金平糖状シリカ系微粒子の分散ゾルが記載されている。
特開平06−199515号公報 特開2008−169102号公報
特許文献1に記載のシリカゾルは酸性領域で安定なシリカゾルであるが、このようなシリカゾルの安定性をさらに向上させ、また塗膜に配合した場合の膜性能をさらに向上させることが求められていた。
また、特許文献2の金平糖状シリカ系微粒子は、酸性域での安定性について改良の余地があり、また塗膜に配合した際の塗膜性能についてもさらに向上させる必要があった。さらに、特許文献2に記載の金平糖状のシリカ系微粒子およびアルミナーシリカ複合微粒子は表面をアルミニウムで改質したものではなく、そのような改質については記載も示唆もされていない。
本発明は、上記の技術的課題に鑑み、酸性のpH域でも非常に安定性が高く、透明性が高いシリカゾルであって、また塗膜に配合した際の膜性能に優れるシリカゾルを得ることを目的としている。
本発明のシリカ系微粒子の分散ゾルは、表面に複数の突起を有する金平糖状のシリカ系微粒子を含む分散ゾルであって、該シリカ系微粒子の表面が負電荷を有し、かつ該シリカ系微粒子の表面がアルミニウムで修飾されており、該アルミニウムの修飾量はAl23換算基準でシリカ系微粒子の単位表面積当り0.01×10-6〜2.0×10-6モル/m2の範囲にあることを特徴とする。
前記アルミニウムの修飾量は0.05×10-6〜2.0×10-6モル/m2の範囲にあることが好ましい。
前記シリカ系微粒子の透過型電子顕微鏡写真より求めた平均粒子径は5〜50nmの範囲にあることが好ましい。
前記シリカ系微粒子の表面粗度は1.7〜10.0の範囲にあることが好ましい。
前記シリカ系微粒子の分散ゾルは、SiO2固形分濃度30重量%のときのpHが3.0〜6.0の範囲にあることが好ましい。
前記シリカ系微粒子の分散ゾルは、分散媒が水および/またはメタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロピルアルコ-ル等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、メチルエチルケトン、γ−ブチロラクトン等のケトン類から選ばれた有機化合物の少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の塗料組成物は、(A)前記シリカ系微粒子の分散ゾルと、(B)バインダー成分 とを含むことを特徴とする。
前記バインダー成分は、下記式(II)で表される有機ケイ素化合物および/またはその加水分解物であることが好ましい。
1 a2 bSi(OR34-(a+b) (II)
(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基、ビニル基を含有する炭素数8以下の有機基、エポキシ基を含有する炭素数8以下の有機基、メタクリロキシ基を含有する炭素数8以下の有機基、メルカプト基を含有する炭素数1〜5の有機基またはアミノ基を含有する炭素数1〜5の有機基であり、R2は炭素数1〜3のアルキル基、アルキレン基、シクロアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基またはアリル基であり、R3は炭素数1〜3のアルキル基、アルキレン基またはシクロアルキル基である。また、aは0または1の整数、bは0、1または2の整数である。)
前記バインダー成分は、熱硬化性有機樹脂または熱可塑性有機樹脂であることが好ましい。
本発明に係るシリカ系微粒子分散ゾルの製造方法は、表面にアルミニウムが修飾された金平糖状のシリカ系微粒子を含む分散ゾルの製造方法であって、
(1)表面に複数の突起を有する金平糖状のシリカ微粒子またはシリカを主成分とする微粒子を含む、pH9.0〜11.5のアルカリ性シリカゾルに、アルミン酸塩の水溶液を、該シリカゾル中に含まれるケイ素成分をSiO2で表し、さらに該アルミン酸塩中に含まれるアルミニウムをAl23で表したとき、そのモル比(Al23/SiO2)が0.0005〜0.050となるような割合で混合する工程、
(2)前記工程により得られた混合液を60〜200℃の温度に加熱して、0.5〜20時間、撹拌する工程、
を含むことを特徴とする。
前記工程(1)と前記工程(2)の間に、さらに
(1.1) 前記工程(1)で得られた混合液を60〜95℃の温度に加熱して、0.2〜10時間、撹拌する工程、
(1.2) 前記工程(1.1)で得られた混合液を陽イオン交換樹脂と接触させて、該混合液中に含まれる少なくとも一部のアルカリ金属イオンをイオン交換除去して、該混合液のpHを7〜10の範囲に調整する工程、
を含むことが好ましい。
前記モル比(Al23/SiO2)は0.005〜0.050の範囲にあることが好ましい。
前記シリカ微粒子の透過型電子顕微鏡写真により求めた平均粒子径は5〜50nmの範囲にあることが好ましい。
さらに、下記工程
(3)前記工程(2)により得られた混合液を陽イオン交換樹脂と接触させて、該混合液中に含まれるアルカリ金属イオンをイオン交換除去して、該混合液のpHを3.0〜6.0の範囲に調整する工程
を含むことが好ましい。
前記シリカ系微粒子分散ゾルの製造方法は、さらに濃縮および/または溶媒置換する工程に処することが好ましい。
前記溶媒置換に用いる有機溶媒はメタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロピルアルコ-ル等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、メチルエチルケトン、γ−ブチロラクトン等のケトン類から選ばれた有機化合物の1種または2種以上であることが好ましい。
本発明に係るシリカ系微粒子の分散ゾルは分散安定性が高く、たとえ酸性のpH領域でも非常に安定であって、高濃度に濃縮することができ、透明性も高い。
また、このようなシリカ系微粒子の分散ゾルを含む塗料組成物から得られた膜は、高い膜硬度と、耐擦傷性と、密着性および耐候密着性とを両立させることができ、また透明性も高い。
以下、本発明に係るシリカ系微粒子の分散ゾルについて具体的に説明する。
シリカ系微粒子の分散ゾル
本発明に係るシリカ系微粒子の分散ゾルは、表面に複数の突起を有する金平糖状のシリカ系微粒子を含む分散ゾルであって、該シリカ系微粒子の表面が負電荷を有し、かつ該シリカ系微粒子の表面がアルミニウムで修飾されており、該アルミニウムの修飾量は、Al23換算基準でシリカ系微粒子の単位表面積当り0.01×10-6〜2.0×10-6モル/m2の範囲にあることを特徴としている。
本発明に係るシリカ系微粒子は、表面がアルミニウムで修飾され、該アルミニウムはシリカ系微粒子の表面もしくは表面近傍でSi−O−Al結合などの固体酸点を形成するために微粒子の表面負電荷が増加し、該微粒子を含む分散ゾルの分散安定性や透明性が向上する。このようなシリカ系微粒子の分散ゾルは酸性のpH領域であっても安定で、高濃度に濃縮することができる。
また、該シリカ系微粒子が表面に複数の突起を有する金平糖状の形状にあることによって、該分散ゾルの分散安定性と透明性をさらに向上させることができる。
このようなシリカ系微粒子は、安定性が高いため塗膜に配合した際の分散安定性に優れ、膜硬度を向上させることができる。さらには、アルミニウムが修飾された微粒子の表面に負電荷や水酸基が形成されていることに加えて、微粒子が金平糖状であるために表面積が高く、バインダー成分との化学的反応性が高まることや、粒子表面の突起間にバインダー成分が入り込むことで両者の物理的な固着力が高まることによって、塗膜の膜硬度、透明性、耐擦傷性、密着性および耐候密着性を向上させることができる。
前記シリカ系微粒子の表面が正の電荷を有する場合には、塗料組成物中および硬化性塗膜中でシリカ系微粒子とバインダー成分が凝集して透明性が低下する場合があるので好ましくない。
前記シリカ系微粒子の形状が金平糖状でない場合には、分散ゾルの安定性が低下する場合があったり、該分散ゾルを塗料組成物に配合した際に所望の塗膜特性が得られない場合があるので好ましくない。
前記シリカ系微粒子の表面に修飾されたアルミニウムの修飾量は、シリカ系微粒子の単位表面積当りに、Al23換算基準で0.01×10-6〜2.0×10-6モル/m2、より好ましくは0.05×10-6〜2.0×10-6モル/m2、さらに好ましくは0.15×10-6〜1.8×10-6モル/m2 の範囲にあることが好ましい。
前記アルミニウムの修飾量が、0.01×10-6モル/m2未満であると、シリカ系微粒子分散ゾルの安定性が低下したり、該分散ゾルを含む塗料より得られた塗膜の硬度や透明性が低下するので好ましくない。また前記修飾量が2.0×10-6モル/m2を超えると、高濃度に濃縮した場合にシリカ系微粒子の安定性が低下したり、塗料組成物に配合した時にシリカ系微粒子表面に修飾されたアルミニウムの一部が脱離してバインダー成分の加水分解触媒として作用し、塗膜硬度が低下することがあるので好ましくない。
より好ましくはアルミニウムの修飾量が0.05×10-6〜2.0×10-6モル/m2、さらに好ましくはアルミニウム修飾量が0.15×10-6〜1.8×10-6の範囲にあるシリカ系微粒子の分散ゾルは分散安定性と透明性が非常に高く、酸性領域での安定性や高濃縮性により優れ、塗膜に配合した際の膜硬度、耐擦傷性、塗膜の密着性および耐候密着性が特に高いため好ましい。
前記シリカ系微粒子の透過型電子顕微鏡写真より求めた平均粒子径は5〜50nm、より好ましくは10〜30nmの範囲にあることが好ましい。前記平均粒子径が5nm未満の場合には、塗料組成物中でのシリカ系微粒子の安定性が低下し得られる塗膜の硬度が低下する場合があるので好ましくない。また前記平均粒子径が50nmを超えると塗膜の透明性が低下する場合があるので好ましくない。
前記金平糖状のシリカ系微粒子の形状は、表面に複数の突起を有する微粒子であればどのような形状のものであってもよい。
より好ましくは、前記金平糖状のシリカ系微粒子の表面粗度が1.7〜10.0の範囲にあるものが好ましい。このようなシリカ系微粒子を用いるとシリカ系微粒子とバインダー成分との化学的な反応性や物理的な固着力が向上するので得られる塗膜の硬度や密着性が向上する。
前記表面粗度が1.7未満の場合には、シリカ系微粒子表面の突起が少なく表面が比較的平滑になるためシリカ系微粒子とバインダー成分との反応性や固着力が低下し塗膜硬度が低下する場合があり、前記表面粗度が10.0を超えるとシリカ系微粒子自体の強度が低下し塗膜硬度が低下する場合があるので好ましくない。
また、ここで、本発明において前記表面粗度とはBET法により測定されたシリカ系微粒子の比表面積(SA1)を透過型電子顕微鏡写真から求めたシリカ系微粒子の平均粒子径より換算した比表面積(SA2)で除した値(SA1)/(SA2)を指すものとする。
本発明に係るシリカ系微粒子の分散ゾルは、酸性のpH領域での安定性が非常に高く、研磨剤など様々の酸性使用条件下での用途において好適に使用できる。
また、前記分散ゾルは酸性で安定なために特に表面処理を施したり猥雑な工程を経ることなくそのまま加水分解性のバインダーや樹脂に混合して成膜することが可能であり、得られる膜の膜性能も優れている。
シリカ系微粒子の分散ゾルのpHは、該シリカ系微粒子の分散ゾルの固形分濃度がSiO2換算基準で30重量%のとき、pH3.0〜6.0の範囲にあることがより好ましい。
シリカ系微粒子の分散ゾルのpHが3.0未満の場合には該分散ゾルの安定性が低下したり、該分散ゾルを含む塗料組成物より得られる塗膜の膜硬度および透明性、密着性が低下する場合があるので好ましくない。また前記pHが6.0を超えると該分散ゾルを含む塗料組成物に含まれるバインダー成分の加水分解が促進され成膜が困難となる場合があったり、シリカ系微粒子とバインダー成分が凝集を起こし、得られる塗膜の透明性や硬度などが低下する場合があるので好ましくない。
前記安定性の目安としては、本発明に係るシリカ系微粒子の分散ゾルの粘度が、固形分重量30重量%のとき、pH3.0〜6.0の酸性領域において、30mPa・s以下、より好ましくは20mPa・s以下であることが好ましい。また、固形分重量50重量%に濃縮しても、ゲル化しない程度に安定であることが好ましい。
また、前記シリカ系微粒子の分散ゾルのpHが3.0〜6.0の範囲にあるときのシリカ系微粒子表面のアルミニウムの修飾量は0.05×10-6〜2.0×10-6モル/m2、さらに好ましくはアルミニウム修飾量が0.15×10-6〜1.8×10-6の範囲にあることが好ましい。pHおよびアルミニウム修飾量が上記範囲にあるシリカ系微粒子の分散ゾルは酸性領域での安定性が非常に高く、透明性に優れ、塗料組成物に配合した際に得られる膜の硬度、耐擦傷性、密着性、耐候密着性に非常に優れている。
本発明に係るシリカ系微粒子の表面に存在する負の電荷量は、前記分散ゾルのpHが5.0であるとき、該シリカ系微粒子の比表面積あたり0.01〜1.1μeq/m2 より好ましくは0.05〜1.1μeq/m2の範囲にあることが好ましい。
前記負の電荷量が0.01μeq/m2未満の場合には、分散ゾルの安定性が低下したり、塗膜の硬度、耐擦傷性、透明性、密着性が低下することがあるので好ましくない。また前記負の電荷量が1.1μeq/m2を超えると塗膜の透明性が低下する場合があるので好ましくない場合がある。
前記シリカ系微粒子の表面を修飾しているアルミニウムの少なくとも一部は、Si−O−Al結合を含む形態にあることが好ましく、さらには、下記式(I)で表されるシリカ・アルミナ系複合酸化物の形態にあることが好ましい。
Si



Si−O−Al−X (但しXはOまたはOH) (I)



Si
前記アルミニウムが上記式(I)の形態にあることで、強い表面負電荷をシリカ微粒子表面に付与することができる。前記アルミニウムが、アルミニウム単独の水酸化物や酸化物を形成していると、正の電荷を帯び、シリカ系微粒子同士の凝集が起こったり、シリカ系微粒子とバインダー成分との凝集が起こって塗膜の硬度や透明性が低下することがあるので好ましくない。
本発明に係るシリカ系微粒子の分散ゾルは分散安定性が高く、固形分濃度5〜60重量%の範囲で安定に使用することができる。より好ましくは固形分濃度20〜50重量%の範囲が最も安定で高い塗膜効果が発揮できる。前記固形分濃度が5重量%未満の場合には、シリカ系微粒子を塗膜に添加する効果が充分に得られないことがあるので好ましくない。また前記固形分濃度が60重量%を超えると塗膜の硬度や透明性が低下することがあるので好ましくない。
本発明に係るシリカ系微粒子の分散ゾルは透明性が高く、固形分濃度がSiO2換算基準で30重量%にあるときの、前記分散ゾルのヘーズは0.5〜20%の範囲にある。
前記ヘーズが0.5%未満の場合には、少なくとも平均粒子径5nm未満の超微粒子を用いる必要があり、シリカ系微粒子分散ゾルの粘度が増加する場合があるので好ましくない。また、前記ヘーズが20%を越えると硬化性塗膜の透明性が低下する場合があるので好ましくない。
本発明に係るシリカ系微粒子の分散ゾルの分散媒は水および/またはメタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロピルアルコ-ル等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、メチルエチルケトン、γ−ブチロラクトン等のケトン類から選ばれた有機化合物の少なくとも1種であることが好ましい。
本発明に係るシリカ系微粒子は、分散安定性に優れており、酸性領域でも非常に安定であるため、特に表面処理を施さずとも有機化合物よりなる有機溶媒中に容易に分散することができる。
しかし、分散性や膜性能向上等を目的として、シリカ系微粒子の表面をさらに従来公知の表面処理剤(各種有機ケイ素化合物またはアミン類など)により処理してもよい。
本発明に係るシリカ系微粒子の分散ゾルは、安定性、透明性が高く、高濃度に濃縮することができ、あらゆる用途において使用することができる。特に、酸性領域で安定に使用できるため、セラミックファイバーの原料またはバインダー、クロム系の表面処理剤、酸性の研磨剤、各種の塗料、樹脂組成物への充填材として好適である。さらには、塗膜に配合した際の塗膜特性に優れるので、塗膜形成用コーティング組成物材料、中でも透明被膜形成用塗布液として適している。さらには、光学基材用のハードコート層膜形成用塗料およびプライマー層膜形成用塗料としては特に好適である。
本発明に係るシリカ系微粒子の分散ゾルは、本発明に係るシリカ系微粒子分散ゾルの製造方法によって製造することができる。
以下、本発明に係る塗料組成物について具体的に説明する。
塗料組成物
本発明に係る塗料組成物は、
(A)本発明に係るシリカ系微粒子の分散ゾルと、
(B)バインダー成分
とを含むことを特徴としている。
本発明に係る塗料組成物は、本発明に係るシリカ系微粒子の分散ゾルを含むことにより、高い透明性、膜硬度、耐擦傷性、密着性、および耐候密着性を兼ね備えた塗膜を形成することができる。
本発明に係るシリカ系微粒子の分散ゾルは、先にも述べたとおり、表面に複数の突起を有する金平糖状のシリカ系微粒子を含む分散ゾルであって、該シリカ系微粒子の表面が負電荷を有し、かつ該シリカ系微粒子の表面がアルミニウムで修飾されており、該アルミニウムの修飾量は、Al23換算基準でシリカ系微粒子の単位表面積当り0.01×10-6〜2.0×10-6モル/m2の範囲にあることを特徴としている。
前記微粒子が金平糖状の形状にあり、かつ上記範囲のアルミニウムで修飾されているため、該微粒子は膜中での分散安定性が高く、またバインダー成分との化学的反応性や物理的固着力にも優れるため得られる塗膜の硬度、耐擦傷性、密着性および耐候密着性が向上する。
前記微粒子が金平糖の形状にない場合には、所望の塗膜効果が得られない場合があるので好ましくない。
前記アルミニウムの修飾量は、シリカ系微粒子の単位表面積当りに、Al23換算基準で0.01×10-6〜2.0×10-6モル/m2、より好ましくは0.05×10-6〜2.0×10-6モル/m2、さらに好ましくは0.15×10-6〜1.8×10-6モル/m2 の範囲にあることが好ましい。
前記アルミニウムの修飾量が、0.01×10-6モル/m2未満であると該分散ゾルの安定性が低下して、調製方法にもよるが、塗料組成物を調製することや塗膜を形成することが困難となったり、塗膜の硬度、耐擦傷性、密着性、耐候密着性、透明性が低下するので好ましくない。また前記修飾量が2.0×10-6モル/m2を超えると、シリカ系微粒子表面に修飾されたアルミニウムの一部が脱離してバインダー成分の加水分解触媒として作用し、塗膜硬度が低下することがあるので好ましくない。
前記シリカ系微粒子の透過型電子顕微鏡写真より求めた平均粒子径は5〜50nm、より好ましくは10〜30nmの範囲にあることが好ましい。前記平均粒子径が5nm未満の場合には、塗膜硬度が低下する場合があるので好ましくない。また前記平均粒子径が50nmを超えると塗膜の透明性が低下する場合があるので好ましくない。
前記金平糖状のシリカ系微粒子の表面粗度は1.7〜10.0の範囲にあることが好ましい。このようなシリカ系微粒子を用いるとシリカ系微粒子とバインダー成分との化学的な反応性や物理的な固着力が強まり塗膜硬度が向上するため好ましい。
前記シリカ系微粒子の分散ゾルのpHは、3.0〜6.0の範囲にあることが好ましい。シリカ系微粒子の分散ゾルのpHが3.0未満の場合には塗膜の膜硬度および透明性、密着性が低下する場合があるので好ましくない。また前記pHが6.0を超えると、塗料組成物の調製方法にもよるが、該分散ゾルを含む塗料組成物に含まれるバインダー成分の加水分解が促進されたり、塗膜の透明性や硬度などが低下する場合があるので好ましくない。
また、本発明に係る塗料組成物中には、このような金平糖状のシリカ系微粒子の分散ゾルに加えて、さらに球状のシリカ系微粒子の分散ゾルや鎖状のシリカ系微粒子の分散ゾルを添加してもよい。
前記バインダー成分としては塗料組成物の使用目的に応じて従来公知のもの、あるいは現在開発中のものから適宜選択して使用することができる。
前記バインダー成分として、下記式(II)で表される有機ケイ素化合物および/またはその加水分解物が挙げられる。
1 a2 bSi(OR34-(a+b) (II)
(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基、ビニル基を含有する炭素数8以下の有機基、エポキシ基を含有する炭素数8以下の有機基、メタクリロキシ基を含有する炭素数8以下の有機基、メルカプト基を含有する炭素数1〜5の有機基またはアミノ基を含有する炭素数1〜5の有機基であり、R2は炭素数1〜3のアルキル基、アルキレン基、シクロアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基またはアリル基であり、R3は炭素数1〜3のアルキル基、アルキレン基またはシクロアルキル基である。また、aは0または1の整数、bは0、1または2の整数である。)
前記一般式(II)で表される有機ケイ素化合物としては、アルコキシシラン化合物が代表例として挙げられ、具体的には、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、α―グルシドキシメチルトリメトキシシラン、α―グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β―グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ―γ―グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β―(3、4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、β―(3、4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリエトキシシラン、γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)―γ―アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)―γ―アミノプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。これらは1種で用いても2種以上を混合して用いても良い。
このような有機ケイ素化合物および/またはその加水分解物は、特に光学基材などのハードコート膜形成用塗料のバインダーとして好ましい。
このような有機ケイ素化合物をバインダー成分として本発明に係る塗料組成物を調製するには、前記有機ケイ素化合物を無溶媒下、またはアルコール等の極性有機溶媒中で、酸や水などの存在下で部分加水分解または加水分解した後に本発明に係るシリカ系微粒子の分散ゾルと混合することが好ましい。ただし、前記有機ケイ素化合物とシリカ系微粒子の分散ゾルを混合したあとに、これらを部分加水分解または加水分解してもよい。
また、その他の公知の調整方法を用いてもよい。
前記シリカ系微粒子の分散ゾルと前記有機ケイ素化合物および/またはその加水分解物との混合は、前記有機ケイ素化合物をSiO2基準に換算した重量をXで表し、前記シリカ系微粒子の分散ゾルに含まれるシリカ系微粒子の重量をYで表したとき、その重量比が(X/Y)が30/70〜90/10、好ましくは35/65〜80/20となるように行うことが好ましい。ここで、前記重量比が30/70未満であると、基材や他の塗膜との密着性が低下することがあり、また前記重量比が90/10を超えると、塗膜の耐擦傷性が低下することがあるので好ましくない。
また前記バインダー成分として、熱硬化性有機樹脂または熱可塑性有機樹脂が挙げられる。前記熱硬化性有機樹脂としては、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂およびメラミン系樹脂から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
さらに具体的に述べれば、前記ウレタン系樹脂としては、たとえばヘキサメチレンジイソシアネート等のブロック型ポリイシシアネートとポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等の活性水素含有化合物との反応物などが挙げられ、また前記エポキシ樹脂
としては、たとえばポリアルキレンエーテル変性エポキシ樹脂や分子鎖に柔軟性骨格(ソフトセグメント)を導入したエポキシ基含有化合物などが挙げられる。
さらに、前記メラミン系樹脂としては、たとえばエーテル化メチロールメラミンとポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールとの硬化物などが挙げられる。これらの中でも、ブロック型イシシアネートとポリオールとの硬化物であるウレタン系樹脂を使用することが好ましい。また、これらの熱硬化性有機樹脂は、1種類だけでなく2種類以上を使用してもよい。
本発明で使用される前記バインダー成分としての熱可塑性有機樹脂は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂およびエステル系樹脂から選ばれた少なくとも1種であることが好ましく、さらには自己乳化型の水系エマルジョン樹脂であることがより好ましい。
さらに具体的に述べれば、前記アクリル系樹脂としては、たとえば(メタ)アクリル酸アルキスエステルモノマーから得られる水系エマルジョンや前記モノマーとスチレン、アクリロニトリル等とを共重合させたポリマーエマルジョンなどが挙げられ、また前記ウレタン系樹脂としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどのポリオール化合物とポリイシシアネートとを反応させてなる水系エマルジョンなどが挙げられ、さらに前記エステル系樹脂としては、たとえばハードセグメントにポリエステル、ソフトセグメントにポリエーテルまたはポリエステルを用いたマルチブロック共重合体の水分散型エラストマーなどが挙げられる。これらの中でも、ポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオールとポリイシシアネートから得られる水分散型ウレタン系樹脂を使用することが好ましい。また、これらの熱可塑性有機樹脂は、1種類だけでなく2種類以上を使用してもよい。
このような熱硬化性有機樹脂および前記熱可塑性樹脂をバインダー成分とした塗料組成物は、前記樹脂とシリカ系微粒子の分散ゾルを混合することにより調製され、その混合割合は前記樹脂の重量をRで表し、シリカ系微粒子の分散ゾルに含まれるシリカ系微粒子の重量をSで表したとき、その重量比(R/S)が90/10〜30/70、より好ましくは80/20〜35/65となるように行うことが好ましい。
ここで、前記重量比が30/70未満であると、基材や他の塗膜との密着性や基材の耐衝撃性が低下することがあり、また前記重量比が90/10を超えると、塗膜の屈折率や耐熱性が低下することがあるので好ましくない。
このような熱硬化性有機樹脂および熱可塑性樹脂をバインダー成分とした塗料組成物は、特に光学基材用のプライマー層膜形成用塗料組成物として好ましい。
本発明に係る塗料組成物を光学基材用ハードコート膜形成用塗料として用いると、高い透明性と、高い膜硬度および反射防止膜との密着性を両立できるハードコート層膜が得られる。
本発明に係る塗料組成物を光学基材用プライマー膜形成用塗料として用いると、高い膜硬度および高い耐衝撃性を両立できるプライマー層膜が得られる。
また本発明に係るシリカ系微粒子の分散ゾルを含むプライマー層膜とハードコート層膜とを積層して設けた膜付き基材は全体として膜硬度などの性能を相乗的に高く向上させることができる。
本発明の塗料組成物には、さらに各種の未架橋エポキシ化合物、界面活性剤、レべリング剤および/または紫外線吸収剤、光安定剤、希釈溶媒などの1種以上を含んでいても良い。
また本発明に係る塗料組成物のバインダー成分としてはチタニウムアルコキシドなどの金属アルコキシドや紫外線硬化性化合物(例えばアクリロイルオキシ基を有する多官能アクリル系化合物等)などの化合物、さらには前記熱硬化性有機樹脂や前記熱可塑性樹脂のかわりに前記紫外線硬化性化合物などの化合物を使用することもできる。
本発明に係るシリカ系微粒子の分散ゾルを含む塗料組成物を基材上に塗布することにより、シリカ系微粒子を含む塗膜が得られる。
前記塗料組成物の塗布方法(コーティング方法)としては、ディッピング法やスピンコート法等の公知の方法を使用することができる。
このような方法を用いて基材上に塗布された、前記塗料組成物からなる塗膜を熱硬化させると、本発明に係る硬化性塗膜が形成される。この熱硬化は、80〜130℃で0.5〜5時間、加熱処理することによって行われる。このようにして得られる硬化塗膜の膜厚は、1.0〜5.0μm、好ましくは1.5〜4.0μmであることが望ましい。
前記基材としては例えばプラスチックやガラスなどのレンズ、プラスチックフィルム、プラスチックシート、プラスチックパネル、金属などを用いることができる。
さらには、前記プラスチックとしては、ポリスチレン樹脂、アリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリチオウレタン樹脂、ポリチオエポキシ樹脂、PMMA樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂、ポリサルフォン樹脂、PET、TAC、アクリル樹脂などの樹脂化合物が挙げられる。このような基材に本発明に係る塗料組成物を塗布して得られる塗膜付き基材は、光学材料、表示装置などをはじめとして基材に使用される樹脂組成物やガラス、金属の各種用途において使用することができる。
次に、本発明に係るシリカ系微粒子分散ゾルの製造方法について説明する。
シリカ系微粒子分散ゾルの製造方法
本発明に係るシリカ系微粒子水分散ゾルの製造方法は、表面にアルミニウムが修飾された金平糖状のシリカ系微粒子を含む分散ゾルの製造方法であって、
(1)表面に複数の突起を有する金平糖状のシリカ微粒子またはシリカを主成分とする微粒子を含む、pH9.0〜11.5のアルカリ性シリカゾルに、アルミン酸塩の水溶液を、該シリカゾル中に含まれるケイ素成分をSiO2で表し、さらに該アルミン酸塩中に含まれるアルミニウムをAl23で表したとき、そのモル比(Al23/SiO2)が0.0005〜0.050となるような割合で混合する工程、
(2)前記工程により得られた混合液を60〜200℃の温度に加熱して、0.5〜20時間、撹拌する工程、
を含むことを特徴としている。
上記工程により、分散安定性と透明性が高く、塗膜に配合した際の性能に優れるシリカ系微粒子の分散ゾルが得られる。
さらに工程(1)について詳しく説明する。
この製造方法の各工程について具体的に説明すれば、以下の通りである。
工程(1)
この工程では、金平糖状のシリカ微粒子またはシリカを主成分とする微粒子の表面にシリカ・アルミナ系複合酸化物の前駆体を形成させる。
前記シリカ微粒子またはシリカを主成分とする微粒子は、表面に複数の突起を有する金平糖状の形状にあることが好ましい。このような微粒子の表面にシリカ・アルミナ系複合酸化物の前駆体を形成させることによって、分散安定性が高く、塗膜に配合した際の性能に優れるシリカ系微粒子の分散ゾルを得ることができる。
前記シリカ微粒子は原料に由来する微量のアルカリ金属成分を副成分として含んでいてもよい。
前記シリカを主成分とする微粒子とは、シリカを主成分とし、さらにアルミニウムを含むものを指す。シリカを主成分とする微粒子のアルミニウム含有量は1重量%未満であることが好ましい。前記含有量が1重量%を超えると製造時の条件によっては過剰なアルミニウムがシリカを主成分とする微粒子の分散ゾルの安定性を損なわせる場合があるので好ましくない。
前記アルカリ性シリカゾルのpHは、9.0〜11.5、より好ましくはpH9.5〜11.0の範囲にあることが好ましい。アルカリ性シリカゾルのpHが9.0〜11.5の範囲にあることにより、シリカの溶解度が高まるため、アルミン酸塩の水溶液を混合したときにシリカ微粒子表面のシリカ骨格内に存在するケイ酸モノマーとアルミン酸イオンとの置換反応が起こりやすくなる。また、pH9.0〜11.5の範囲にあるシリカゾルはシリカの溶解度が高いために溶媒中にケイ酸モノマーとして溶解しているシリカ成分が存在するが、ここにアルミン酸イオンが共存することによってシリカの溶解度が局所的に低下し、前記ケイ酸モノマーとアルミン酸イオンの複合体がシリカ微粒子表面にシリカ・アルミナ系複合酸化物の前駆体として析出する。このような反応によって均一なシリカ・アルミナの複合酸化物の前駆体が形成され、このような前駆体を後の工程で脱水・縮重合反応させることにより、大量のアルミニウムを負電荷を有する形態でシリカ微粒子またはシリカを主成分とする微粒子の表面に均一に修飾することができる。
このようなシリカ系微粒子分散ゾルは高い分散安定性と透明性を有し、高濃度に濃縮することができ、たとえ酸性のpH領域であっても安定である。また、このようなシリカ系微粒子は、表面に負電荷が形成され、かつ微粒子の形状が金平糖状であるため、塗料組成物に配合した場合には、高い膜硬度、耐擦傷性、密着性、および耐候密着性を兼ね備えた塗膜を得ることができる。
前記アルカリ性シリカゾルのpHが7.0より大きく9.0未満の場合には、シリカの溶解度が低く、ケイ酸モノマーとアルミン酸イオンの置換反応が起こりにくいため、アルミン酸塩の水溶液に含まれるアルミン酸イオンが単独で水酸化物を形成して凝集し、シリカ系微粒子分散ゾルの透明性や安定性が低下するので好ましくない。また前記アルカリ性シリカゾルのかわりにpH7.0以下の酸性シリカゾルを用いるとアルカリ性のアルミン酸塩の水溶液を添加したときに酸性シリカゾルが不安定な中性のpH領域を通過することとなりゲル化するので好ましくない。
また、前記アルカリ性シリカゾルのpHが11.5を超えると、シリカの溶解度が高くなり過ぎるため、シリカ微粒子表面にシリカ・アルミナ系複合酸化物の前駆体が形成されにくくなったり、シリカ・アルミナ系複合酸化物の緻密性が低下するので 好ましくない。
前記アルカリ性シリカゾルはアルカリ金属イオンを含むことが好ましい。前記アルカリ金属イオンの含有量は、該アルカリ金属イオンをM2O(Mはアルカリ金属元素)で表し、さらに該アルカリ性シリカゾル中に含まれるケイ素成分をSiO2で表したとき、そのモル比(SiO2/M2O)が20〜300、より好ましくは30〜200の範囲にあることが好ましい。前記モル比が20未満であると、イオン交換時などにゲル化する場合があり、また前記モル比が300を超えると、シリカの溶解性が低下してアルミン酸塩の水溶液とアルカリ性シリカゾルを混合した際に増粘したり、ゲル化する場合があるので好ましくない。
また、シリカゾルに含まれるアルカリ金属イオンをアミンやアンモニウムイオンでイオン交換したアルカリ性シリカゾルを用いるとシリカの溶解度が低くなりアルミン酸塩の水溶液を混合するとゲル化する場合があるので好ましくない。
また前記シリカを主成分とする微粒子は、製法によってはアルミニウム成分を含む場合があるが、その場合は、アルミニウム含有量がAl23/SiO2モル比で0.007未満のものを用いることが好ましい。前記Al23/SiO2モル比が0.007を超えると、シリカ微粒子またはシリカを主成分とする微粒子内部のアルカリ含有量が多くイオン交換時などにゲル化することがあるので好ましくない。
前記アルカリ性シリカゾルの固形分濃度はSiO2換算基準で10〜50重量%の範囲にあることが好ましい。前記固形分濃度が10重量%未満の場合には、シリカ系微粒子の生産性が低下するので好ましくない。また、前記濃度が50重量%を超えると、アルカリ性シリカゾルの粘度が高くなるので好ましくない。
前記工程(1)に用いられる金平糖状のシリカ微粒子またはシリカを主成分とする微粒子は、水に分散可能な大きさであれば良いが、より好ましくは、透過型電子顕微鏡写真より測定した平均粒子径5〜50nmの範囲にあるものを用いるとシリカ系微粒子分散ゾルの透明性がさらに向上するので好ましい。
このような金平糖状のシリカ微粒子またはシリカを主成分とする微粒子を含むアルカリ性シリカゾルは、例えば特開2008−169102号に記載された金平糖状シリカゾルの製造方法および金平糖状アルミナ−シリカ複合ゾルの製造方法をはじめとする公知の方法で製造することができる。
前記アルカリ性シリカゾルに対して混合する前記アルミン酸塩の水溶液の量は、該シリカゾル中に含まれるケイ素成分をSiO2で表し、さらに該アルミン酸塩中に含まれるアルミニウムをAl23で表したとき、そのモル比(Al23/SiO2)が0.0005〜0.050、より好ましくは0.007〜0.050、さらに好ましくは0.010〜0.050の範囲にあることが好ましい。
前記モル比が0.0005未満であると、シリカ系微粒子表面のアルミニウムの修飾量が少ないため、シリカ系微粒子分散ゾルの安定性が低下し、塗料組成物の安定性や硬化性塗膜の硬度や密着性、透明性も低下するので好ましくない。また前記モル比が0.050を超えると、シリカ系微粒子分散ゾルの安定性や透明性が低下したり、硬化性塗膜の硬度や密着性、透明性が低下するので好ましくない。
また前記アルミン酸塩の水溶液を前記アルカリ性シリカゾルに混合する際の添加速度が、該アルカリ性シリカゾルに含まれるケイ素成分をSiO2で表し、該アルミン酸塩の水溶液に含まれるアルミニウムをAl23で表したとき、該SiO21g当りに対して該Al23が0.1〜10-2g/Hr〜40×10-2g/Hr、より好ましくは1〜30×10-2g/Hrの範囲にあることが好ましい。
前記添加速度が0.1〜10-2g/Hr未満の場合は、添加時間が長くなり経済的でない。また前記添加速度が40×10-2g/Hrを超えると、局所的なpHや塩濃度の上昇によるシリカやアルミニウム成分の凝集が起こったり、前記シリカ・アルミナ系複合酸化物の前駆体の均一性が低下してシリカ系微粒子分散ゾルの安定性が低下する場合があるので好ましくない。
また前記アルミン酸塩は、アルミン酸ナトリウムおよび/またはアルミン酸カリウムであることが好ましい。
また前記アルミン酸塩の水溶液の固形分濃度は、Al23換算基準で0.5〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
前記Al23換算基準の濃度が0.5重量%未満の場合にはアルミン酸塩が加水分解して水酸化物を形成し易くなり、前記濃度が30重量%を超えると局所的なpHや塩濃度の上昇によるシリカやアルミニウム成分の凝集が起こることがあるため好ましくない。
また前記アルミン酸塩の水溶液のM2O/Al23モル比(Mはアルカリ金属元素)は1.0〜1.5の範囲にあることが好ましい。前記モル比が1.0未満の場合には、アルミン酸塩が加水分解して水酸化物を形成し易くなり、また前記モル比が1.5を超えるとシリカ・アルミナ系複合酸化物の前駆体が形成されにくくなることがあるので、好ましくない。
また、アルカリ性シリカゾルにアルミン酸塩の水溶液を添加する間の温度は60℃未満であることが好ましい。前記温度が60℃を超えると、アルミン酸塩が加水分解して水酸化物の凝集物などを形成し易くなるので好ましくない。
次に工程(2)について説明する。
工程(2)
この工程では、前記工程(1)により得られた混合液を60〜200℃の温度に加熱して、0.5〜20時間撹拌する。
前記温度は60〜200℃、より好ましくは80〜180℃の範囲にあることが好ましい。
シリカ微粒子表面でのケイ酸モノマーとアルミン酸イオンの置換反応やシリカゾル中に溶解したシリカとアルミン酸のシリカ微粒子表面への析出反応が前記工程(1)だけで充分に行われなかった場合には、この工程により上記置換反応および析出反応を充分に行わせる。さらにこの工程により、シリカ微粒子の表面に形成したシリカ・アルミナ系複合酸化物の前駆体の脱水・縮重合反応を行わせてシリカ微粒子の表面に安定化させることによってシリカ微粒子の表面をアルミニウムで修飾する。
前記混合液の加熱温度が60℃未満であると、シリカ・アルミナ系複合酸化物の前駆体の脱水・縮重合反応が充分起こらずシリカ系微粒子分散ゾルの安定性や高濃縮性が低下する。また前記加熱温度が200℃を超えると、シリカの溶解度が高くなりすぎるため、前記シリカ・アルミナ系複合酸化物の緻密性が低下し、シリカ系微粒子分散ゾルの安定性や高濃縮性が低下することがあるため好ましくない。
前記加熱は公知の装置および方法を用いて行うことができる。前記加熱は常圧下で行っても加圧下で行ってもよい。オートクレーブ装置などを用いて加圧下で加熱を行った場合はシリカ系微粒子分散ゾルの安定性がより向上する。
前記攪拌時間は0.5〜20時間の範囲にあることが好ましい。前記攪拌時間が0.5時間未満の場合には、前記脱水・縮重合反応が充分起こらずシリカ系微粒子分散ゾルの安定性が低下することがあるので好ましくない。前記攪拌時間が20時間を越えると、技術的に特に問題はないものの、製造時間が長くなり経済的でないため好ましくない。
このような工程によって金平糖状のシリカ系微粒子分散ゾルを得ることができる。
さらに、本発明では前記工程(2)の後に下記工程
(3)前記工程(2)で得られた混合液を陽イオン交換樹脂と接触させて、該混合液中に含まれるアルカリ金属イオンをイオン交換除去して、該混合液のpHを3.0〜6.0の範囲に調整する工程
を含むことが好ましい。
工程(3)
この工程では、前記工程(2)で得られた混合液を陽イオン交換樹脂と接触させて、該混合液中に含まれるアルカリ金属イオンをイオン交換除去して、該混合液のpHを3.0〜6.0の範囲に調整する。
前記pHは、3.0〜6.0、より好ましくは3.5〜5.0の範囲にあることが好ましい。
前記pHが3.0未満であると、シリカ系微粒子表面に修飾されたアルミニウムの一部が溶解して陽イオン樹脂によりイオン交換除去され、シリカ系微粒子分散ゾルの安定性や膜硬度が低下することがあるので好ましくない。また前記pHが6.0を超えるとシリカ系微粒子分散ゾルが不安定化しゲル化することがあるので好ましくない。
前記混合液と陽イオン交換樹脂を接触させる方法としてはバッチ式(樹脂循環式)、カラム式(樹脂充填式)、その他公知の方法を用いることができる。バッチ式においては、必要に応じて攪拌を行うことが好ましい。陽イオン交換を行う時間は適時調節すればよいが、通常、攪拌下で1〜20時間、前記シリカ系微粒子水分散ゾルと陽イオン交換樹脂の接触を行えば充分である。
また前記工程(3)において、前記混合液を加熱して、60〜95℃の温度条件下で前記陽イオン交換樹脂と接触させると、アルカリ金属イオンのイオン交換除去効果をより高めることができる。
さらに、前記工程(1)と前記工程(2)の間に、
工程(1.1) 前記工程(1)で得られた混合液を60〜95℃の温度に加熱して、0.2〜10時間、撹拌する工程、
工程(1.2) 前記工程(1.1)で得られた混合液を陽イオン交換樹脂と接触させて、該混合液中に含まれる少なくとも一部のアルカリ金属イオンをイオン交換除去して、該混合液のpHを7〜10の範囲に調整する工程、
を含むことが好ましい。
上記工程(1.1)および工程(1.2)工程を行うことによって、シリカ微粒子の表面に形成されるシリカ・アルミナ系複合酸化物の緻密性をさらに高め、硬化性塗膜の硬度を高めることができる。また、前記(1.1)および(1.2)工程を行わない場合には、シリカ系微粒子水分散ゾルの溶媒中に溶解したシリカ成分が残存することがあり、濃縮や溶媒置換の方法や条件によってはこれらがシリカ系微粒子水分散ゾルを高濃度に濃縮した際の安定性を低下させる場合があるが、この工程に処することによりシリカ系微粒子水分散ゾルの溶媒中に溶解しているシリカ成分を全てシリカ微粒子表面にシリカ・アルミナ系複合酸化物として析出させることができる。
上記(1.1)および(1.2)工程について具体的に説明する。
工程(1.1)
前記工程(1)で得られた混合液を60〜95℃の温度に加熱して、0.2〜10時間、撹拌する。
この工程により、シリカ微粒子表面でのケイ酸モノマーとアルミン酸イオンの置換反応を充分に行わせる。
上記加熱の温度が60℃未満の場合には、前記置換反応が充分に行われないことがあるので好ましくない。また前記加熱の温度が95℃を超えると、シリカの溶解度が高くなり後の工程(1.2)においてシリカの析出反応が行われにくくなったり、シリカ・アルミナ系複合酸化物の脱水・縮重合が進みすぎてしまうので好ましくない。
前記攪拌時間は0.2時間未満であると、前記前駆体の形成が充分行われないので好ましくない。前記攪拌時間が10時間を越えると、調製時間が長くなり経済的でないので好ましくない。
工程(1.2)
前記工程(1.1)で得られた混合液を陽イオン交換樹脂と接触させて、該混合液中に含まれる少なくとも一部のアルカリ金属イオンをイオン交換除去して、該混合液のpHを7〜10の範囲に調整する。
この工程によって前記混合液中のシリカの溶解性が下がり、混合液中にケイ酸モノマーとして溶解しているシリカ成分がシリカ・アルミナ系複合酸化物の前駆体としてシリカ微粒子表面に析出する。
前記pHは7.0〜10.0、より好ましくは7.0〜9.5の範囲であることが好ましい。前記pHが7.0未満だと、混合液がゲル化するので好ましくない。前記pHが10.0を超えると、混合液中に溶解しているシリカ成分がシリカ微粒子の表面にシリカ・アルミナ系複合酸化物として修飾されにくくなるので好ましくない。
このようなシリカ・アルミナ系複合酸化物の前駆体として析出したシリカ成分は、後の工程(3)によりシリカの溶解度の高い条件で加熱しても再び混合液中に溶解することは殆どない。
このような工程により、シリカ・アルミナ系複合酸化物がより緻密になり、得られるシリカ系微粒子水分散ゾルを高濃度に濃縮した際の安定性がより向上する。
さらに、前記工程(2)または(3)より得られたシリカ系微粒子分散ゾルをさらに濃縮および/または溶媒置換してもよい。
前記濃縮方法としては限外ろ過膜法、エバポレータなどによる蒸留、蒸発などが挙げられる。また、前記溶媒置換方法としては限外ろ過膜法、蒸留などが挙げられる。
濃縮の後に溶媒置換を行ってもよく、溶媒置換の後に濃縮を行ってもよく、濃縮と溶媒置換を同時に行っても良い。
溶媒置換に用いることができる有機溶媒としてはメタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロピルアルコ-ル等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、メチルエチルケトン、γ−ブチロラクトン等のケトン類などが挙げられる。
前記濃縮工程または溶媒置換工程の少なくとも一工程において限外ろ過法を用いると、シリカ系微粒子水分散ゾルまたはシリカ系微粒子有機溶媒分散ゾルの溶媒中にシリカが溶解して残存している場合にはそれを除去できるため、高濃縮時のシリカ系微粒子水分散ゾルまたはシリカ系微粒子有機溶媒分散ゾルの安定性や透明性や硬化性塗膜中での分散性がより向上するので好ましい。
前記シリカ系微粒子水分散ゾルおよびシリカ系微粒子有機溶媒分散ゾルの固形分濃度は、SiO2換算基準で5〜60重量%、より好ましくは20〜50重量%の範囲にあることが好ましい。前記固形分濃度が5重量%未満では該分散ゾルを塗料組成物に配合した際の硬化性塗膜の硬度などが低下し、また前記固形分濃度が60重量%を超えると該分散ゾルの安定性が低下することがあるので好ましくない。
また、前記シリカ系微粒子水分散ゾルおよびシリカ系微粒子有機溶媒分散ゾルを、必要に応じてシランカップリング剤などの公知の表面処理剤を用いてさらに表面処理してもよい。
[測定方法および評価試験方法]
次に、本発明の実施例その他で使用された測定方法および評価試験方法を具体的に述べれば、以下の通りである。
(1)比表面積の測定方法
本発明に係る比表面積は窒素吸着法(BET法)により測定した。
シリカ系微粒子等を含む分散ゾル(分散媒は水であっても有機溶媒であっても良い)50mlをHNO3でpH3.5に調整し、1−プロパノール40mlを加え、110℃で16時間乾燥させた。得られた試料を乳鉢で粉砕した後、マッフル炉にて500℃、1時間焼成し、測定用試料とした。得られた測定用試料について、比表面積測定装置(ユアサアイオニクス製、型番マルチソーブ12)を用いて窒素吸着法(BET法)により窒素吸着量を測定し、得られた吸着量からBET1点法による比表面積を算出した。具体的には、試料0.5gを測定セルに取り、窒素30vol%/ヘリウム70vol%の混合ガス気流中で、300℃で20分間脱ガス処理を行い、その上で試料を上記混合ガス気流中で液体窒素温度に保ち、窒素を試料に平衡吸着させた。次に、上記混合ガスを流しながら試料温度を徐々に室温まで上昇させ、その間に脱離した窒素の量を検出し、予め作成した検量線により、微粒子の比表面積(m2/g)を算出した。
(2)平均粒子径の測定方法
本発明に係る金平糖状のシリカ系微粒子の平均粒子径は透過型電子顕微鏡写真より求めた。
本発明に係るシリカ微粒子、シリカを主成分とする微粒子、シリカ系微粒子の分散ゾルについて透過型電子顕微鏡(HITACHI製H-800)を用いて、加速電圧150kVの条件下、倍率50万倍でTEM写真を撮影した。この写真に撮影された任意の100個以上の微粒子の一次粒子径について短径と長径をそれぞれ目視で観察して、(短径+長径)/2で表される平均粒子径を求めた。
(3)表面粗度の計算方法
BET法により測定されたシリカ系微粒子の比表面積(SA1)を透過型電子顕微鏡写真から求めたシリカ系微粒子の平均粒子径より換算した比表面積(SA2)で除した値(SA1)/(SA2)として求めた。
透過型電子顕微鏡写真より求めたシリカ系微粒子の平均粒子径より換算した比表面積(SA2)は下記式(1)より求めた。
SA2=6000/(D2×ρ) ・・・ (1)
ただし、前記ρは試料粒子の密度で、シリカの場合2.2である。
(4)pHの測定方法
試料50mlを入れたセルを、25℃の温度に保たれた恒温槽中で、pH4、7および9の標準液で更正が完了したpHメータ(堀場製作所製、F22)のガラス電極を挿入してpH値を測定した。
このとき、水分散ゾルについては固形分濃度30重量%のものを試料とし、有機溶媒分散ゾルについては、固形分濃度30重量%のシリカ系微粒子有機溶媒分散ゾルを蒸留水で10倍に希釈して、固形分濃度を3.0重量%としたものを試料とした。
(5)シリカゾルまたはシリカ系微粒子分散ゾルに含まれるケイ素、アルミニウムおよびナトリウム含有量の測定方法
(a)ケイ素の含有量
シリカゾルまたはシリカ系微粒子分散ゾル(分散媒は水であっても有機溶媒であっても良い)10gに50%硫酸水溶液2mlを加え、白金皿上にて蒸発乾固し、得られた固形物を1000℃にて1時間焼成後、冷却して秤量する。次に、秤量した固形物を微量の50%硫酸水溶液に溶かし、更にフッ化水素酸20mlを加えてから、白金皿上にて蒸発乾固し、1000℃にて15分焼成後、冷却して秤量する。これらの重量差をシリカゾルまたはシリカ系微粒子水分散ゾルまたはシリカ系微粒子有機溶媒分散ゾルに含まれるケイ素の含有量(SiO2換算基準での重量%)とした。
(b)アルミニウムの含有量
1) シリカゾルまたはシリカ系微粒子分散ゾル(分散媒は水であっても有機溶媒であっても良い。)1gを白金皿に採取し、0.1mgまで秤量する。
2) フッ化水素酸20mlを加えて、サンドバス上で加熱し、蒸発乾固する。
3) 上記2)で得られた試料を室温まで冷却したのち、塩酸5mlと水を約50ml加えて、サンドバス上で加熱し溶解させる。
4) 上記3)で得られた試料を室温まで冷却したのち、容量200mlのフラスコに供して、水で200mlに希釈して試料溶液を作成する。
5) 上記4)で得られた試料溶液に含まれるアルミニウムの量を、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(島津製作所(株)製、ICPS−8100、検出波長396.153nm)により測定し、Al23換算基準での重量%を求めた。
(c)ナトリウムの含有量
1) シリカゾルまたはシリカ系微粒子分散ゾル(分散媒は水であっても有機溶媒であっても良い)1gを白金皿に採取し、0.1mgまで秤量する。
2) フッ化水素酸20mlを加えて、サンドバス上で加熱し、蒸発乾固する。
3) 上記2)で得られた試料を室温まで冷却したのち、塩酸5mlと水を約50ml加えて、サンドバス上で加熱し溶解させる。
4) 上記3)で得られた試料を室温まで冷却したのち、容量200mlのフラスコに供して、水で200mlに希釈して試料溶液を作成する。
5) 上記4)で得られた試料溶液に含まれるナトリウムの量をNa23換算基準で原子吸光分光光度計((株)日立製作所製、Z−5300、測定モード;原子吸光、測定波長範囲;190〜900nm)により測定した。この測定方法は、試料溶液をフレーム法により原子蒸気化し、その原子蒸気層に適当な波長の光を照射し原子によって吸収された光の強さにより試料溶液中の元素濃度を測定する方法である。ナトリウムの検出波長は589.0nmとした。
(6)表面負電荷量の測定方法
固形分濃度30重量%のシリカ系微粒子分散ゾル(分散媒は水であっても有機溶媒であっても良い)を1.67g採取し、蒸留水98.53gを添加して固形分濃度0.5重量%の混合溶液100.00gを調製した。得られた混合溶液に塩酸水溶液あるいはアンモニア水溶液を添加して25℃においてpHを5.0に調整した測定用水溶液を調製し、そのなかから20.00gを分取して流動電位測定装置(MUETEK社製、PCD-T3)によりカチオン標準滴定液としてPoly−Dadmacを用いてカチオン流動電位滴定値を測定して得られた流動電位滴定値を表面負電荷量とした。
なお、上記測定により得られる値はシリカ微粒子またはシリカ系微粒子1gあたりの表面負電荷量(μeq/g)である。この値をシリカ系微粒子の比表面積(m2/g)で割った値をシリカ系微粒子の単位比表面積あたりに存在する負の電荷量とした。
(7)シリカ系微粒子分散ゾルのヘーズの測定方法
固形分濃度30重量%のシリカ系微粒子分散ゾル(分散媒は水であっても有機溶媒であっても良い)を光路長33mmの石英セルに収納して、色差・濁度測定器(日本電色工業(株)製、COH−300A)を用いて濁度(ヘーズ)を測定した。
(8)シリカ系微粒子に含まれるアルミニウムの修飾量の計算方法
上記測定方法(3)より得られた、シリカ系微粒子分散ゾルのケイ素含有量(SiO2換算基準での重量%)をCSiO2、アルミニウム含有量(Al23換算基準での重量%)をCAl2O3、アルカリ金属含有量(M2O換算基準での重量%)をCM2Oとしたとき、下記式によりシリカ系微粒子1gあたりのアルミニウム修飾量(Al23換算でのモル数)を求めた。Al23の分子量は102とした。
シリカ系微粒子1gあたりのアルミニウム修飾量(mol/g)=[CAl2O3/(CSiO2+CAl2O3+CM2O)]/102
この量をシリカ系微粒子の比表面積(m2/g)で割った値をシリカ系微粒子の単位表面積あたりのアルミニウム修飾量とした。
ただし、シリカを主成分とする微粒子を含むアルカリ性シリカゾルを使用して本発明に係るシリカ系微粒子を製造した場合には、シリカを主成分とする微粒子に含まれるアルミニウム量をCAl2O3からあらかじめ差し引いて算出するものとする。
(9)粘度の測定方法
固形分濃度30重量%のシリカ系微粒子分散ゾル(分散媒は水であっても有機溶媒であってもよい)をそれぞれ20ml秤量して、粘度計(東機産業株式会社製、TV−10M)を用いて25℃の温度下にて粘度測定を行った。このとき、粘度計のローターは試料の粘度が1.0〜10.0mPa・sの範囲にあるときは回転数60rpm、粘度が10.0〜20.0mPa・sの範囲にあるときは回転数30rpm、粘度が20.0〜50.0mPa・sの範囲にあるときは回転数12rpm、粘度が50.0〜100.0mPa・sの範囲にあるときには回転数6rpmとして測定した。
(10)膜硬度(Bayer試験値)の試験方法
磨耗試験機BTM(米コルツ社製)およびヘイズ値測定装置(NIPPON DENSGOKU製NDH2000)を使用し、実施例の調製例にて作成した被試験レンズと、基準レンズとのヘーズ値の変化によりBayer値を測定する。基準レンズはCR39基材(ジエチレングリコールビスアリルカーボネート)を使用し、まずそれぞれのヘーズ値を測定する。基準レンズの初期ヘーズ値をD(std0)、被試験レンズの初期ヘーズ値をD(test0)とする。それぞれのレンズを耐摩耗性試験機パンに設置し、その上に研磨材(専用砂)500gを充填し、600回左右に振動させ試験を行う。試験後の基準レンズの初期ヘーズ値をD(stdf)、被試験レンズの初期ヘーズ値をD(testf)とする。Bayer試験値(R)は以下の式から算出する。
R=[D(stdf)−D(std0)]/[D(testf)−D(test0)]
本発明の膜硬度の評価において、膜硬度(Bayer試験値)は2.5以上であれば、良好であり、2.5未満を不良とする。
(11)塗膜の耐擦傷性試験
実施例の調製例にて作成した試験片の表面を、ボンスタースチールウール♯0000(日本スチールウール(株)製)に1kgの荷重をかけ、3cmの距離を50往復/100秒の条件で擦った後、傷の入り具合を目視にて判定し、以下の基準で評価した。
A:殆ど傷が入らない
B:若干の傷が入る
C:かなりの傷が入る
D:擦った面積のほぼ全面に傷が入る。
(12)塗膜の外観(曇り)
内壁が黒色である箱の中に蛍光灯「商品名:メロウ5N」(東芝ライテック(株)製、三波長型昼白色蛍光灯)を取り付け、前記金属酸化物微粒子を含むハードコート層膜を有する試料基板を蛍光灯の直下に垂直に置き、これらの透明度(曇りの程度)を目視にて確認し、以下の基準で評価する。
A:曇りが無い
B:僅かに曇りがある
C:明らかな曇りがある
D:著しい曇りがある。
(13)塗膜の密着性試験
ナイフにより実施例の調製例にて作成した試験片の表面に1mm間隔で切れ目を入れ、1平方mmのマス目を100個 形成し、セロハン製粘着テープを強く押し付けた後、プラスチックレンズ基板の面内方向に対して90度方向へ急激に引っ張り、この操作を合計5回行い、剥離しないマス目の数を数え、以下の基準で評価した。
良好:剥離していないマス目の数が95個以上
不良:剥離していないマス目の数が95個未満。
(14)塗膜の耐熱水性試験
90℃の湯中に実施例の調製例にて作成した試験片を120分間浸漬させた後、前記の密着性試験と同様の試験を行い、以下の基準で評価した。
良好:剥離していないマス目の数が95個以上
不良:剥離していないマス目の数が95個未満。
(15)塗膜の耐候密着性試験
本発明において、耐候密着性とは、塗膜の密着性の経時変化が少ないこと、特に紫外線照射下などの屋外使用条件下において密着性の経時的な低下を抑制する効果を意味するものである。本発明に係る耐候密着性は下記の方法により評価した。
ハードコート層膜を形成した試料基板をキセノンウエザーメーター(スガ試験機(株)製X−75型)で曝露試験をした後、外観の確認および前記の密着性試験と同様の試験を行い、以下の基準で評価する。なお、曝露時間は、反射防止膜を有している基板は200時間、反射防止膜を有していない基板は50時間とする。
良好:剥離していないマス目の数が95個以上
不良:剥離していないマス目の数が95個未満。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。しかし、本発明は、これらの実施例に記載された範囲に限定されるものではない。
[実施例1]
金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾルの調製(1)
金平糖状のシリカ微粒子を含むアルカリ性シリカゾルの調製
球状のコロイド状シリカ微粒子が分散したアルカリ性シリカゾル(日揮触媒化成(株)製 カタロイドSI−40、SiO2濃度40重量%、Na2O濃度0.40重量%、pH9.5、BET法による平均粒子径17nm、Al23/SiO2(モル比)=0.0006)695gにイオン交換水を加えて、28314g(SiO2濃度1質量%)とし、さらにシリカゾルのpHが11となるように濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加した。ついで、シリカゾルの温度を65℃に昇温し、30分間65℃で維持して核粒子分散液(A液)とした。
水硝子(AGCエスアイテック(株)製、JIS3号水硝子、SiO2濃度24質量%)3904gをイオン交換水14836gで希釈して、珪酸アルカリ水溶液(B液)18740gを調製した。また、電解質として硫酸アンモニウム(三菱化学(株)製)665gにイオン交換水15970gを加えて、電解質水溶液16635gを調製した。そして、温度を65℃に維持した前記核粒子分散液(A液)全量に対して、前記珪酸アルカリ水溶液(B液)および前記電解質水溶液を、それぞれ65℃にて1時間かけて全量添加することにより粒子成長を行った。
ここで、B液中のアルカリ当量数をEAとし、電解質の当量数をEEとするとそれらの当量比EA/EEは1.0であった。ついで、65℃で1時間熟成を行った後、粒子成長した核粒子分散液のpHが10.1になるまで限外濾過膜によりイオン交換水で洗浄を行った。ついで、濃縮してSiO2濃度30重量%のアルカリ性金平糖状シリカゾル(以下、「CP-1」という)4000gを得た。
得られたアルカリ性金平糖状シリカゾル(CP-1)金平糖状のシリカ微粒子を含むアルカリ性シリカゾルであって、SiO2濃度30.36重量%、Na2O濃度0.02重量%、Al23/SiO2(モル比)=0.0004、SiO2/Na2O(モル比)=78、pH9.5、BET比表面積286m2/g、TEM粒子径29nmであった。
また、前記TEM粒子径から計算で求めた比表面積は94m2/gであり、表面粗度は3.0であった。
工程(1)
前記で得られたアルカリ性金平糖状シリカゾル(CP-1)4000gを撹拌機と加熱装置を備えた内容積13リットルのSUS製反応容器に供して、温度25℃で撹拌しながらAl23換算基準で0.9重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液2712gを80分間かけて一定速度で添加して混合溶液を得た。この時、Al23/SiO2(混合モル比)は0.012であり、アルミン酸ナトリウム水溶液の添加速度は1.5×10-2g/Hrであった。
工程(1.1)
得られた混合溶液を攪拌しながら、95℃に加熱したのち、温度を95℃に保ちながら6.0時間撹拌を続けた。この混合液のpH は10.9、SiO2換算基準の固形分濃度は24.2重量%、Al23換算基準の固形分濃度は0.36重量%であった。
工程(1.2)
上記工程で得られた混合溶液に陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)ダイヤイオン SK1BH)を投入してpHを9に調整した。
工程(2)
上記工程で得られた混合溶液から樹脂を分離除去したのち、オートクレーブにて165℃で1時間加熱処理して、アルカリ性のシリカ系微粒子の水分散ゾルを得た。
工程(3)
次いで、上記工程により得られたアルカリ性のシリカ系微粒子の水分散ゾルを室温まで冷却した後に、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)ダイヤイオン SK1BH)を投入して、pH3.5に調整した後、樹脂を分離せず、攪拌下で80℃に保ちながら7時間熟成した。
その後、陽イオン交換樹脂を分離除去し、SiO2換算基準で固形分濃度 24.2重量%、pH4.9の酸性領域にある金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾルを得た。
上記で得られた酸性の金平糖状シリカ系微粒子水分散ゾルを、限外ろ過膜を用いて濃縮し、固形分濃度30重量%のシリカ系微粒子水分散ゾル(以下、「CPA−1」という)5400gを得た。このシリカ系微粒子水分散ゾルのSiO2濃度は29.94重量%、Al23濃度は0.41重量%、 Na2O濃度は0.16重量%、Al23/SiO2モル比は8.1×10-3、 pHは5.0、ヘーズは6.8%、粘度は12.4mPa・s、40℃で7日間加速試験を行った後の粘度は12.4mPa・sであった。また、このシリカ系微粒子水分散ゾルに含まれるシリカ系微粒子は金平糖状で、TEM写真より求めた平均粒子径は29nm、BET比表面積は286m2/g、シリカ系微粒子の単位比表面積当りに存在する負の電荷量は0.084μeq/m2であった。
また、このシリカ系微粒子に含まれるアルミニウムの修飾量は単位表面積換算基準で4.6×10-7モル/m2であった。
また、前記シリカ系微粒子水分散ゾルに含まれるシリカ系微粒子のTEM写真より求めた平均粒子径から求めた比表面積は94m2/gであり、その表面粗度は3.0であった。
また、このシリカ系微粒子水分散ゾルをロータリーエバポレーターにより固形分濃度50重量%に濃縮したときの粘度は56mPa・sであった。
金平糖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾルの調製(1)
上記の工程で得られた金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(CPA−1)5400gを限外濾過膜装置(旭化成(株)製濾過膜、SIP−1013)を用いて分散媒を水からメタノール(林純薬(株)製、メチルアルコール濃度:99.9重量%)に置換した。
このようにして得られた金平糖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾル(以下、「CPM−1」という)の水分含有量は約0.5重量%であって、固形分濃度は30重量%、SiO2換算基準の固形分濃度は29.94重量%、蒸留水で10倍希釈した時のpHは5.2、ヘーズは6.2%、粘度は1.9mPa・s、7日間加速試験後の粘度は1.9mPa・sであった。また前記メタノール分散ゾルに含まれるシリカ系微粒子のTEM写真より求めた平均粒子径は29nm、BET比表面積は286m2/gであって、シリカ系微粒子に修飾されたアルミニウムの量はAl23基準の単位表面積換算で4.6×10-7モル/m2、シリカ系微粒子の単位比表面積当りに存在する負電荷量は0.084μeq/m2であった。
ハードコート層膜形成用塗料組成物(H1)の調製
γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング(株)製Z−6040)180gおよびメタノール(林純薬(株)製、メチルアルコール濃度:99.9重量%)90gの混合液を入れた容器を複数用意し、これらの混合液中に攪拌しながら0.01Nの塩酸水溶液86gを滴下した。更に、この混合液を室温で一昼夜攪拌して、シラン化合物の加水分解を行った。
次いで、これらの加水分解液が入った容器中に、固形分濃度30重量%、pH5.0の金平糖状のシリカ系微粒子を含むシリカ系微粒子水分散ゾル(CPA−1)333g、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテル(ダウケミカル製)303g、トリス(2,4-ペンタンジオナト)アルミニウムIII(東京化成工業(株)製)1.5gおよびレベリング剤としてシリコーン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング(株)製、L−7604)0.6gを加え、室温で一昼夜攪拌して、光学基材用塗料組成物としてのハードコート層膜形成用塗料組成物(H1)を調製した。
[実施例2]
金平糖状シリカ系微粒子水分散ゾルの調製(2)
実施例1の工程(1)において、アルカリ性金平糖状シリカゾル(CP−1)4000gに添加するアルミン酸ナトリウム水溶液(濃度0.9重量%)の量を、2712gから1532gに変更し、添加時間を80分から46分に変更した以外は実施例1と同様の方法を用いて金平糖状のシリカ系微粒子を含むシリカ系微粒子水分散ゾル(CPA−2)を得た。
この時、工程においてアルカリ性シリカゾルにアルミン酸ナトリウム水溶液を混合したときのAl23/SiO2モル比は0.007であった。
このようにして得られたシリカ系微粒子水分散ゾル(CPA−2)のSiO2換算基準での固形分濃度は30.1重量%、Al23換算基準での固形分濃度は0.14重量%、 Na2O換算基準での固形分濃度は0.10重量%、Al23/SiO2モル比は2.7×10-3、pHは4.8、ヘーズは7.0%、粘度は12.8mPa・s、40℃で7日間加速試験を行った後の粘度は12.8mPa・sであった。また、前記シリカ系微粒子水分散ゾルに含まれるシリカ系微粒子は金平糖状で、TEM写真より求めた平均粒子径は29nm、BET比表面積は286m2/g、単位比表面積当りのアルミニウムの修飾量は1.6×10-7モル/m2、単位比表面積当りに存在する負の電荷量は0.070μeq/m2であった。
また、前記シリカ系微粒子水分散ゾルに含まれるシリカ系微粒子のTEM写真より求めた平均粒子径から換算して求めた比表面積は94m2/gであり、その表面粗度は3.0であった。
また、このシリカ系微粒子水分散ゾルをロータリーエバポレーターにより固形分濃度50重量%に濃縮した際の粘度は89mPa・sであった。
金平糖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾルの調製(2)
シリカ系微粒子水分散ゾル(CPA−1)のかわりに本実施例で製造したシリカ系微粒子水分散ゾル(CPA−2)を用いた以外は、実施例1に記載の金平糖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾルの調製(1)と同様の方法で金平糖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾル(CPM−2)を調製した。
このメタノール分散ゾル(CPM−2)の水分含有量は約0.5重量%であって、SiO2換算基準の固形分濃度は30.1重量%、蒸留水で10倍希釈した時のpHは5.3、ヘーズは6.6%、粘度は1.7mPa・s、7日間加速試験後の粘度は1.7mPa・sであった。また、前記メタノール分散ゾル(CPM−2)に含まれるシリカ系微粒子は金平糖状の形状にあって、TEM写真より求めた平均粒子径は29nm、BET比表面積は286m2/gであって、シリカ系微粒子に修飾されたアルミニウムの量はシリカ系微粒子の単位表面積換算で1.6×10-7モル/m2、シリカ系微粒子の単位比表面積当りに存在する負の電荷量は0.070μeq/m2であった。
ハードコート層膜形成用塗料組成物(H2)の調製
金平糖状シリカ系微粒子水分散ゾル(CPA−1)のかわりに金平糖状シリカ系微粒子水分散ゾル(CPA−2)を用いた以外は実施例1に記載のハードコート層膜形成用塗料組成物(H1)の調製と同様の方法でハードコート層膜形成用塗料組成物(H2)を調製した。
[実施例3]
金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾルの調製(3)
実施例1の工程(1)において、アルカリ性金平糖状シリカゾル(CP−1)4000gに添加するアルミン酸ナトリウム水溶液(濃度0.9重量%)を2712gから9158gに変更し、添加時間を80分から4.5時間に変更した以外は実施例1と同様の方法で固形分濃度30重量%の、金平糖状のシリカ系微粒子を含むシリカ系微粒子水分散ゾル(CPA−3)を得た。
この時、工程(1)においてアルカリ性シリカゾルにアルミン酸ナトリウム水溶液を混合したときのAl23/SiO2モル比は0.04であった。
また、得られたシリカ系微粒子水分散ゾル(CPA−3)のSiO2濃度は28.84重量%、Al23濃度は0.78重量%、 Na2O濃度は0.38重量%、Al23/SiO2モル比は1.6×10-2、 pHは5.2、ヘーズは8.1%、粘度は17.9mPa・s、40℃で7日間加速試験を行った後の粘度は、17.9mPa・sであった。
また、前記シリカ系微粒子水分散ゾルに含まれるシリカ系微粒子は金平糖状で、TEM写真より求めた平均粒子径は29nm、BET比表面積は286m2/g、単位比表面積当りに存在する負の電荷量は0.091μeq/m2、単位比表面積あたりのアルミニウムの修飾量は9.0×10-7モル/m2であった。
また、前記シリカ系微粒子水分散ゾルに含まれるシリカ系微粒子のTEM写真から求めた平均粒子径から換算した比表面積は94m2/gであり、その表面粗度は3.0であった。また、このシリカ系微粒子水分散ゾルをロータリーエバポレーターにより固形分濃度50重量%に濃縮した時の粘度は123mPa・sであった。
金平糖状のシリカ系微粒子をメタノール分散ゾルの調製(3)
金平糖状シリカ系微粒子水分散ゾル(CPA−1)のかわりに金平糖状シリカ系微粒子水分散ゾル(CPA−3)を用いた以外は実施例1に記載の金平糖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾルの調製(1)と同様の方法で金平糖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾル(CPM―3)を調製した。
このようにして得られたメタノール分散ゾル(CPM―3)の水分含有量は約0.5重量%であって、SiO2換算基準の固形分濃度は28.84重量%、蒸留水で10倍希釈した時のpHは5.6、ヘーズは7.7%、粘度は2.9mPa・sであった。さらに、7日間加速試験後の粘度は2.9mPa・sであった。また、該メタノール分散ゾルに含まれる金平糖状のシリカ系微粒子のTEM写真で求めた平均粒子径は29nm、BET比表面積は286m2/gであって、単位比表面積あたりのアルミニウムの修飾量は9.0×10-7モル/m2、単位比表面積当りに存在する負電荷量は0.091μeq/m2であった。
ハードコート層膜形成用塗料組成物(H3)の調製
金平糖状のシリカ系微粒子を含むシリカ系微粒子水分散ゾル(CPA−1)のかわりに本実施例で製造した金平糖状のシリカ系微粒子を含むシリカ系微粒子水分散ゾル(CPA−3)を用いた以外は実施例1に記載のハードコート層膜形成用塗料組成物(H1)と同様の方法でハードコート層膜形成用塗料組成物(H3)を調製した。
[実施例4]
金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾルの調製(4)
実施例1の金平糖状のシリカ微粒子を含むアルカリ性シリカゾルの調製の工程で、コロイド状の球状シリカ微粒子が分散したアルカリ性シリカゾル(商品名カタロイドSI−40、日揮触媒化成(株)、SiO2濃度40.7重量%、Na2O濃度0.40重量%、pH9.5、BET法による平均粒子径17nm)695gの代わりにコロイド状の球状シリカ微粒子が分散したアルカリ性シリカゾル(商品名カタロイドSI−30、日揮触媒化成(株)、SiO2濃度30.5重量%、Na2O濃度0.40重量%、pH9.5、BET法による平均粒子径12nm)927gを用いた以外は実施例1に記載の金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾルの調製(1)と同様の方法で、金平糖状のシリカ系微粒子を含むシリカ系微粒子水分散ゾル(CPA−4)を得た。
この時、工程(1)においてアルカリ性金平糖状シリカゾルにアルミン酸ナトリウム水溶液を混合したときのAl23/SiO2モル比は0.009であった。
このようにして得られたシリカ系微粒子水分散ゾル(CPA−4)のSiO2濃度は29.90重量%、Al23濃度は0.44重量%、 Na2O濃度は0.16重量%、Al23/SiO2モル比は8.7×10-3、 pHは5.1、ヘーズは2.5%、粘度は15.1mPa・s、40℃で7日間加速試験を行った後の粘度は、15.3mPa・sであった。また前記シリカ系微粒子水分散ゾルに含まれるシリカ系微粒子は金平糖状で、TEM写真より求めた平均粒子径は15nm、BET比表面積は382m2/g、単位比表面積当りの表面負電荷量は0.086μeq/m2 単位比表面積当りのアルミニウムの修飾量は3.7×10-7モル/m2であった。
また、前記シリカ系微粒子水分散ゾルに含まれるシリカ系微粒子のTEM写真で求めた平均粒子径から換算した比表面積は182m2/gであり、その表面粗度は2.1であった。
また、このシリカ系微粒子水分散ゾルをロータリーエバポレーターにより固形分濃度50重量%に濃縮した時の粘度は114mPa・sであった。
金平糖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾルの調製(4)
金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(CPA−1)のかわりに本実施例で製造した金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(CPA−4)を用いた以外は実施例1に記載の金平糖のシリカ系微粒子のメタノール分散ゾルの調製(1)と同様の方法で金平糖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾル(CPM−4)を調製した。その水分含有量は約0.5重量%であった。
このようにして得られたメタノール分散ゾルのSiO2換算基準の固形分濃度は29.89重量%、蒸留水で10倍希釈した時のpHは5.4、ヘーズは2.2%、粘度は4.5mPa・s、7日間加速試験後の粘度は4.5mPa・sであった。であった。また前記メタノール分散ゾルに含まれる金平糖状のシリカ系微粒子のTEM写真より求めた平均粒子径は15nm、BET比表面積は382m2/gであって、単位比表面積当りのアルミニウムの修飾量は3.7×10-7モル/m2、単位比表面積当りの負の電荷量は0.086μeq/m2であった。
ハードコート層膜形成用塗料組成物(H4)の調製
金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(CPA−1)のかわりに本実施例にて作成した金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(CPA−4)を用いた以外は実施例1に記載のハードコート層膜形成用塗料組成物の調製(1)と同様の方法でハードコート層膜形成用塗料組成物(H4)を調製した。
[実施例5]
金平糖状シリカ系微粒子水分散ゾルの調製(5)
実施例1の金平糖状のシリカ微粒子を含むアルカリ性シリカゾルの調製工程において、コロイド状の球状シリカ微粒子が分散したアルカリ性シリカゾル(商品名カタロイドSI−40、日揮触媒化成(株)、SiO2濃度40.7重量%、Na2O濃度0.40重量%、pH9.5、BET平均粒子径17nm)695gの代わりにコロイド状の球状シリカ微粒子が分散したアルカリ性シリカゾル(商品名カタロイドSI−50、日揮触媒化成(株)、SiO2濃度48.5重量%、Na2O濃度0.50重量%、pH9.2、BET平均粒子径25nm)583gを用いた以外は実施例1に記載の金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾルの調製(1)と同様の方法で、金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(CPA−5)を得た。
この時、工程(1)においてアルカリ性金平糖状シリカゾルにアルミン酸ナトリウム水溶液を混合したときのAl23/SiO2モル比は0.009であった。
このようにして得られたシリカ系微粒子水分散ゾル(CPA−5)のSiO2濃度は30.01重量%、Al23濃度は0.34重量%、 Na2O濃度は0.15重量%、Al23/SiO2モル比は6.7×10-3、 pHは5.0、ヘーズは9.8%、粘度は8.6mPa・s、40℃で7日間加速試験を行った後の粘度は、8.6mPa・sであった。
前記シリカ系微粒子水分散ゾルに含まれるシリカ系微粒子は金平糖状で、TEM写真より求めた平均粒子径は32nm、BET比表面積は271m2/g、単位表面積当りの負の電荷量は0.070μeq/m2、単位表面積当りのアルミニウムの修飾量は4.1×10-7モル/m2であった。
また、前記シリカ系微粒子水分散ゾルに含まれるシリカ系微粒子のTEM写真より求めた平均粒子径から換算して求めた比表面積は85m2/gであり、その表面粗度は3.2であった。
また、このシリカ系微粒子水分散ゾルをロータリーエバポレーターにより固形分濃度50重量%に濃縮した時の粘度は42mPa・sであった。
金平糖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾルの調製(5)
金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(CPA−1)のかわりに本実施例で作成した金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(CPA−5)を用いた以外は実施例1に記載の金平糖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾルの調製(1)と同様の方法で金平糖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾル(CPM−5)を調製した。その水分含有量は約0.5重量%であった。
このようにして得られた金メタノール分散ゾルのSiO2換算基準の固形分濃度は30.00重量%、蒸留水で10倍希釈した時のpHは5.4、ヘーズは9.8%、粘度は8.6mPa・s、7日間加速試験後の粘度は8.6mPa・sであった。また、前記メタノール分散ゾルに含まれる金平糖状のシリカ系微粒子のTEM写真で求めた平均粒子径は32nm、BET比表面積は271m2/gであって、単位表面積あたりのアルミニウムの修飾量は4.1×10-7モル/m2、単位表面積あたりの負の電荷量は0.070μeq/m2であった。
ハードコート層膜形成用塗料組成物(H5)の調製
金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(CPA−1)のかわりに本実施例で作成した金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(CPA−5)を用いた以外は実施例1に記載のハードコート層膜形成用塗料組成物の調製(H1)と同様の方法でハードコート層膜形成用塗料組成物(H5)を調製した。
[比較例1]
球状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾルの調製
実施例1の工程(1)において、アルカリ性金平糖状シリカゾル(CP−1)4000gを用いるかわりに、球状のコロイド状シリカ微粒子が分散したアルカリ性シリカゾル(日揮触媒化成(株)製 カタロイドSI−40、SiO2濃度40重量%、Na2O濃度0.40重量%、pH9.5、BET平均粒子径17nm、Al23/SiO2(モル比)=0.0006)3000gを用いた以外は実施例1と同様の方法によって、固形分濃度30重量%の、球状のシリカ系微粒子が分散したシリカ系微粒子水分散ゾル(RCPA−1)を得た。
この時、工程(1)においてアルカリ性シリカゾルにアルミン酸ナトリウム水溶液を混合したときのAl23/SiO2モル比は0.009であった。
このようにして得られたシリカ系微粒子水分散ゾル(RCPA−1)のSiO2濃度は29.34重量%、Al23濃度は0.42重量%、 Na2O濃度は0.24重量%、Al23/SiO2モル比は8.4×10-3、 pHは4.8、ヘーズは2.5%、粘度は3.5mPa・s、40℃で7日間加速試験を行った後の粘度は、3.5mPa・sであった。
また、前記シリカ系微粒子水分散ゾルに含まれるシリカ系微粒子は球状で、TEM写真より求めた平均粒子径は17nm、BET比表面積は162m2/g、単位比表面積当りに存在する負の電荷量は0.900μeq/m2、単位比表面積あたりのアルミニウムの修飾量は8.5×10-7モル/m2であった。
また、前記シリカ系微粒子水分散ゾルに含まれるシリカ系微粒子のTEM写真から求めた平均粒子径から換算した比表面積は160m2/gであり、その表面粗度は1.0であった。
また、このシリカ系微粒子水分散ゾルをロータリーエバポレーターにより固形分濃度50重量%に濃縮した時の粘度は45mPa・sであった。
球状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾルの調製
金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(CPA−1)のかわりに本比較例で作成した球状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(RCPA−1)を用いた以外は実施例1に記載の金平糖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾルの調製(1)と同様の方法を用いてシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾル(RCPM−1)を調製した。
このようにして得られたメタノール分散ゾル(RCPM−1)は球状のシリカ系微粒子を含み、水分含有量は約0.5重量%であって、SiO2換算基準の固形分濃度は29.32重量%、蒸留水で10倍希釈した時のpHは5.3、ヘーズは2.7%、粘度は1.5mPa・sであった。さらに、7日間加速試験後の粘度は1.5mPa・sであった。また、このメタノール分散ゾルに含まれる球状シリカ系微粒子のTEM写真から求めた平均粒子径は17nm、比表面積は162m2/gであって、単位比表面積あたりのアルミニウムの修飾量は8.5×10-7モル/m2、単位比表面積当りに存在する負電荷量は0.900μeq/m2であった。
ハードコート層膜形成用塗料組成物(C1)の調製
金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(CPA−1)のかわりに本比較例で作成した球状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(RCPA−1)を用いた以外は実施例1に記載のハードコート層膜形成用塗料組成物(H1)と同様の方法でハードコート層膜形成用塗料組成物(C1)を調製した。
[比較例2]
鎖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾルの調製
鎖状のシリカ微粒子を含むアルカリ性シリカゾルの調製
球状のシリカ微粒子を含むアルカリ性シリカゾル(商品名カタロイドSI−550、SiO2濃度20重量%、Na2O濃度0.70重量%、pH10.4、BET平均粒子径5nm、Al23/SiO2(モル比)=0.0006、日揮触媒化成(株)製)8000gにイオン交換水24000gを加え、ついで陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)ダイヤイオン SK―1BH)2472gを添加し、温度25℃で30分間攪拌して脱アルカリ処理した。
ついで、陽イオン交換樹脂を分離した後、イオン交換水21333gを加えてSiO2濃度3重量%のシリカゾルを調製した。このとき、シリカゾルのpHは3.9であった。ついで、このシリカゾルをオートクレーブにて、165℃で3時間処理して、水熱処理されたSiO2濃度3重量%の鎖状シリカゾルを調製した。この鎖状シリカゾルに含まれる鎖状シリカ微粒子は、透過型電子顕微鏡写真から観察される二次粒子100個についての平均短径が9nmで、平均長径が27nm、これより求められる平均粒子径が18nmで、一次粒子が平均3個連結した形状の鎖状粒子であった。さらに、この鎖状シリカゾルのpHは7.0であり、比表面積は274m2/gであった。
ついで、前記鎖状シリカゾルに3重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH10に調整したのち、限外洗浄膜(旭化成(株)製、SIP−1013)を用いて濃縮して、固形分濃度20重量%のアルカリ性鎖状シリカゾルを調製した。得られたアルカリ性鎖状シリカゾルのpHは10.0であった。
実施例1の工程(1)において、アルカリ性金平糖状シリカゾル(CP−1)4000gを用いるかわりに、本比較例で調製したアルカリ性鎖状シリカゾル6000gを用いた以外は実施例1に記載の金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾルの調製方法と同様の方法を用いて鎖状のシリカ系微粒子を含むシリカ系微粒子水分散ゾル(以下、「RCP−2」という)を得た。
この時、工程(1)においてアルカリ性シリカゾルにアルミン酸ナトリウム水溶液を混合したときのAl23/SiO2モル比は0.009であった。
このようにして得られたシリカ系微粒子水分散ゾル(以下、「RCPA−2」という)のSiO2換算基準での固形分濃度は29.74重量%、Al23換算基準での固形分濃度は0.41重量%、 Na2O換算基準での固形分濃度は0.21重量%、Al23/SiO2モル比は8.1×10-3、pHは4.9、ヘーズは1.6%、粘度は16.4mPa・s、40℃で7日間加速試験を行った後の粘度は16.4mPa・sであった。また、前記シリカ系微粒子水分散ゾルに含まれるシリカ系微粒子は透過型電子顕微鏡写真から観察される二次粒子100個についての平均短径が9nm、平均長径が27nm、これより求められる平均粒子径が18nmで、一次粒子が平均3個連結した形状の鎖状粒子であった。
またこの鎖状粒子の比表面積は274m2/g、単位比表面積当りのアルミニウムの修飾量は4.9×10-7モル/m2、単位比表面積当りに存在する負の電荷量は1.0μeq/m2であった。
また、このシリカ系微粒子水分散ゾルをロータリーエバポレーターにより固形分濃度50重量%に濃縮した際の粘度は231mPa・sであった。
鎖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾルの調製
金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(CPA−1)のかわりに本比較例で調製した鎖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(RCPA−2)を用いた以外は、実施例1に記載の金平糖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾルの調製(1)と同様の方法で鎖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾル(RCPM−2)を調製した。
このようにして得られたメタノール分散ゾル(RCPM−2)の水分含有量は約0.5重量%であって、SiO2換算基準の固形分濃度は29.72重量%、蒸留水で10倍希釈した時のpHは5.2、ヘーズは1.4%、粘度は8.2mPa・s、7日間加速試験後の粘度は8.2mPa・sであった。また、前記シリカ系微粒子メタノール分散ゾルに含まれるシリカ系微粒子の平均短径は9nm、平均長径は27nm、これより求められる平均粒子径が18nmで、一次粒子が平均3個連結した形状の鎖状粒子であった。
またこの鎖状粒子の比表面積は274m2/g、単位比表面積当りのアルミニウムの修飾量は4.9×10-7モル/m2、単位比表面積当りに存在する負の電荷量は1.0μeq/m2であった。
ハードコート層膜形成用塗料組成物(C2)の調製
金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(CPA−1)のかわりに本比較例で調製した鎖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(RCPA−2)を用いた以外は実施例1に記載のハードコート層膜形成用塗料組成物(H1)の調製と同様の方法でハードコート層膜形成用塗料組成物(C2)を調製した。
[比較例3]
金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾルの調製(6)
実施例1の工程(1)においてアルカリ性金平糖状シリカゾル(CP−1)に添加するアルミン酸ナトリウム水溶液(濃度0.9重量%)の量を2712gから45791gに変更し、添加時間を80分間から22.6時間に変更した以外は実施例1に記載の金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾルの調製(1)と同様の方法で固形分濃度30重量%の金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(RCPA−3)を得た。
この時、工程(1)においてアルカリ性金平糖状シリカゾルにアルミン酸ナトリウム水溶液を混合したときのAl23/SiO2モル比は0.2であった。
また、この金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(RCPA−3)のSiO2濃度は26.07重量%、Al23濃度は3.51重量%、 Na2O濃度は0.70重量%、Al23/SiO2モル比は7.9×10-2、 pHは6.3、ヘーズは31.2%、粘度は33.1mPa・s、40℃で7日間加速試験を行った後の粘度は、58.4mPa・sであった。
また、このシリカ系微粒子水分散ゾルに含まれる金平糖状シリカ系微粒子のTEM写真より求めた平均粒子径は29nm、BET比表面積は291m2/g、単位表面積あたりの負の電荷量は0.220μeq/m2、単位表面積あたりのアルミニウムの修飾量は4.0×10-6モル/m2であった。
また、前記シリカ系微粒子水分散ゾルに含まれるシリカ系微粒子のTEM写真より求めた平均粒子径から換算した比表面積は94m2/gであり、その表面粗度は3.1であった。また、このシリカ系微粒子水分散ゾルをロータリーエバポレーターにより固形分濃度50重量%に濃縮しようとしたところ、ゲル化した。
金平糖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾルの調製(6)
金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(CPA−1)のかわりに本比較例で調製した金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(RCPA−3)を用いた以外は実施例1に記載の金平糖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾルの調製(1)と同様の方法で金平糖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾル(RCPM−3)を調製した。
このようにして得られた金平糖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾル(RCPM−3)の水分含有量は約0.5重量%であって、固形分濃度は30重量%、SiO2換算基準の固形分濃度は26.07重量%、蒸留水で10倍希釈した時のpHは6.4、ヘーズは45.1%、粘度は10.4mPa・s、7日間加速試験後はゲル化した。また前記メタノール分散ゾルに含まれるシリカ系微粒子のTEM写真より求めた平均粒子径は29nm、BET比表面積は286m2/gであって、シリカ系微粒子に修飾されたアルミニウムの量はAl23基準の単位表面積換算で4.0×10-6モル/m2、シリカ系微粒子の単位比表面積当りに存在する負電荷量は0.220μeq/m2であった。
ハードコート層膜形成用塗料組成物(C3)の調製
金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(CPA−1)のかわりに本比較例で調製した金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(RCPA−3)を用いた以外は実施例1に記載のハードコート層膜形成用塗料組成物の調製(H1)と同様の方法でハードコート層膜形成用塗料組成物(C3)を調製した。
[比較例4]
金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾルの調製(7)
実施例1の工程(1)においてアルカリ性金平糖状シリカゾル(CP−1)に添加するアルミン酸ナトリウム水溶液(濃度0.9重量%)の量を2712gから69gに変更し、添加時間を80分間から2分間に変更した以外は実施例1に記載の金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾルの調製(1)と同様の方法で固形分濃度30重量%のシリカ系微粒子水分散ゾル(RCPA−4)を調製したところ、工程(3)においてゲル化した。
この時、工程(1)においてアルカリ性シリカゾルにアルミン酸ナトリウム水溶液を混合したときのAl23/SiO2モル比は0.002であった。
このシリカ系微粒子水分散ゾルは酸性のpH領域でゲル化したため、有機溶媒への溶媒置換および塗料組成物は調製しなかった。
[比較例5]
金平糖状のアルミナ−シリカ微粒子を含むアルカリ性シリカゾルの調製
球状のコロイド状シリカ微粒子が分散したアルカリ性シリカゾル(日揮触媒化成(株)製 カタロイドSI−40、SiO2濃度40重量%、Na2O濃度0.40重量%、pH9.5、BET法による平均粒子径17nm、Al23/SiO2(モル比)=0.0006)695gにイオン交換水を加えて、1805g(SiO2濃度15.4質量%)とした。
このシリカゾル1805gに、温度25℃で攪拌しながらAl23換算基準で0.9重量%アルミン酸ナトリウム水溶液630gを80分間かけて一定速度で添加して混合溶液を得た。この時、Al23/SiO2(混合モル比)は0.012であった。得られた混合溶液を攪拌しながら、95℃に加熱したのち、温度を保ちながら3.0時間攪拌を続けて、さらにシリカゾルのpHが11となるように濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加した。ついで、シリカゾルの温度を65℃に昇温し、30分間65℃で維持して核粒子分散液(C液)とした。
ついで、実施例1の金平糖状シリカ微粒子を含むアルカリ性ゾルの調製工程において、核粒子分散液(A液)を用いるかわりに、本比較例で調製した各粒子分散液(C液)を用い、かつ電解質水溶液を用いなかった以外は実施例1に記載の金平糖状のシリカ系微粒子を含むアルカリ性シリカゾルの調製方法と同様の方法を用いて金平糖状のアルミナ−シリカ系微粒子を含むアルカリ性金平糖状アルミナ−シリカ系微粒子水分散ゾル(RCP−5)を得た。
さらに、実施例1の工程(1)において、アルミン酸ナトリウム水溶液を添加しない以外は実施例1と同様の方法を用いて金平糖状アルミナーシリカ系微粒子水分散ゾル(RCPA−5)を得た。
このようにして得られたアルミナーシリカ系微粒子水分散ゾル(RCPA−5)のSiO2換算基準での固形分濃度は30.36重量%、Al23換算基準での固形分濃度は0.09重量%、 Na2O換算基準での固形分濃度は0.04重量%、Al23/SiO2モル比は1.7×10-3、pHは4.7、ヘーズは9.3%、粘度は51.3mPa・s、40℃で7日間加速試験を行った後の粘度は51.3mPa・sであった。また、前記アルミナーシリカ系微粒子水分散ゾルに含まれるアルミナーシリカ系微粒子は透過型電子顕微鏡写真から求められる平均粒子径は28nmであった。
また、この金平糖状粒子の比表面積は290m2/g、単位比表面積当りに存在する負の電荷量は0.042μeq/m2であった。
また、このアルミナーシリカ系微粒子水分散ゾルをロータリーエバポレーターにより固形分濃度50重量%に濃縮した際にゲル化した。
金平糖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾルの調製(7)
金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(CPA−1)のかわりに本比較例で調製した金平糖状のアルミナーシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(RCPA−5)を用いた以外は実施例1に記載の金平糖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾルの調製(1)と同様の方法で金平糖状のシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾル(RCPM−5)を調製した。
このようにして得られた金平糖状のアルミナーシリカ系微粒子を含むメタノール分散ゾル(RCPM−5)の水分含有量は約0.5重量%であって、固形分濃度は30重量%、SiO2換算基準の固形分濃度は29.86重量%、蒸留水で10倍希釈した時のpHは5.2、ヘーズは8.9%、粘度は20.4mPa・s、7日間加速試験後はゲル化した。また前記メタノール分散ゾルに含まれるシリカ系微粒子のTEM写真より求めた平均粒子径は28nm、BET比表面積は290m2/gであって、シリカ系微粒子の単位比表面積当りに存在する負電荷量は0.042μeq/m2であった。
ハードコート層膜形成用塗料組成物(C5)の調製
金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(CPA−1)のかわりに本比較例で調製した金平糖状のシリカ系微粒子を含む水分散ゾル(RCPA−5)を用いた以外は実施例1に記載のハードコート層膜形成用塗料組成物の調製(H1)と同様の方法でハードコート層膜形成用塗料組成物(C5)を調製した。
実施例1〜5および比較例1〜5で調製したシリカ系微粒子水分散ゾル(固形分濃度30重量%)、シリカ系微粒子の性状を表1に示す。
この結果より、実施例で調製した金平糖状のシリカ系微粒子水分散ゾルは酸性のpH領域でも安定で、粘度が低く透明性が高いことがわかる。
Figure 0005700944
[プライマーコート層形成用塗料組成物の調製]
[調製例1]
塗料組成物の調製
市販の水分散ポリウレタン樹脂(第一工業製薬(株)製「スーパーフレックス460:固形分濃度38%」)200gに純水100gを混合し、攪拌しながらメタノール500g、およびレベリング剤としてシリコーン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング(株)製「L−7604」)2gを加え、室温にて一昼夜攪拌して、プライマーコート層形成用の塗料組成物(以下、「プライマー塗料」という)を調製した。
[試験片の作製]
[調製例2]
プラスチックレンズ基材の前処理
市販のプラスチックレンズ基材CR−39(PPG社製モノマー使用)を必要枚数、用意し、これらを40℃に保った10重量%濃度のKOH水溶液に3分間浸漬してエッチング処理を行った。更に、これらを取り出して水洗した後、十分に乾燥させた。
プライマー層の形成
上記のようにして得られたプラスチックレンズ基材を、表2に示す組み合わせに従い、上記のプライマー塗料を塗布して塗膜を形成した。なお、この塗料組成物の塗布は、ディッピング法(引き上げ速度100mm/分)を用いて行った。
次に、前記塗膜を100℃で10分間、加熱処理して、塗膜(プライマー層)の予備硬化を行った。
このようにして形成された前記プライマー層の予備硬化後の膜厚は、概ね0.5μmであった。
ハードコート層の形成
前記プラスチックレンズ基材またはプライマーコート層の表面に、表2に示す組み合わせに従い、上記のハードコート層形成用塗料組成物(すなわち、実施例1〜5で得られたハードコート塗料H1〜H5、および比較例1〜5で得られたハードコート塗料C1〜C3)をそれぞれ塗布して塗膜を形成した。なお、この塗料組成物の塗布は、ディッピング法(引き上げ速度230mm/分)を用いて行った。
次に、前記塗膜を100℃で10分間、乾燥させた後、100℃で2時間、加熱処理して、塗膜(ハードコート層)の硬化を行った。この際、前記プライマー層の本硬化も同時に行った。
また、このようにして形成された前記ハードコート層の硬化後の膜厚は、概ね3.0〜3.5μmであった。
反射防止膜層の形成
硬化されたハードコート層の表面に、表2に示す組み合わせに従い、以下に示す構成の無機酸化物成分を真空蒸着法によって蒸着させた。ハードコート層側から大気側に向かって、SiO2:0.06λ、ZrO2:0.15λ、SiO2:0.04λ、ZrO2:0.25λ、SiO2:0.25λの順序で積層された反射防止膜の層を形成した。なお、設計波長λは、520nmとした。
このようにして得られた試験片1〜13について、上記に示した方法により膜硬度、耐擦傷性、透明度(曇りの程度)、密着性、耐候密着性、耐熱水性を評価した結果を表3に示す。
この結果から明らかなように、実施例で作成した塗料組成物、すなわち金平糖状のシリカ系微粒子の分散ゾルを含む塗料組成物を塗布して得られた試験片は優れた膜硬度、耐擦傷性、透明性、密着性および耐候密着性を兼ね備えていることがわかった。
Figure 0005700944
Figure 0005700944

Claims (15)

  1. 表面に複数の突起を有する金平糖状のシリカ系微粒子を含む分散ゾルであって、
    (a)該シリカ系微粒子の表面がシリカ・アルミナ系複合酸化物の形態にあり、
    (b)該シリカ系微粒子の表面が負電荷を有し、前記分散ゾルのpHが5.0であるとき、該シリカ系微粒子の比表面積あたり0.01〜1.1μeq/m の範囲にあり、
    (c)前記表面におけるアルミニウムの修飾量Al換算基準でシリカ系微粒子の単位表面積当り0.01×10−6〜2.0×10−6モル/mの範囲にある
    ことを特徴とするシリカ系微粒子の分散ゾル。
  2. 前記アルミニウムの修飾量が0.05×10−6〜2.0×10−6モル/mの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のシリカ系微粒子の分散ゾル。
  3. 前記シリカ系微粒子の透過型電子顕微鏡写真より求めた平均粒子径が5〜50nmの範囲にあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリカ系微粒子の分散ゾル。
  4. 前記シリカ系微粒子の表面粗度が1.7〜10.0の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシリカ系微粒子の分散ゾル。
  5. SiO固形分濃度30重量%のときのpHが3.0〜6.0の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシリカ系微粒子の分散ゾル。
  6. 分散媒が水および/またはアルコール類エーテル類、ケトン類から選ばれた有機化合物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシリカ系微粒子の分散ゾル。
  7. (A)請求項1〜6のいずれかに記載のシリカ系微粒子の分散ゾルと、
    (B)バインダー成分
    とを含むことを特徴とする塗料組成物。
  8. 前記バインダー成分が、下記式(II)で表される有機ケイ素化合物および/またはその加水分解物であることを特徴とする請求項7に記載の塗料組成物。
    Si(OR4−(a+b) (II)
    (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、ビニル基を含有する炭素数8以下の有機基、エポキシ基を含有する炭素数8以下の有機基、メタクリロキシ基を含有する炭素数8以下の有機基、メルカプト基を含有する炭素数1〜5の有機基またはアミノ基を含有する炭素数1〜5の有機基であり、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルキレン基、シクロアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基またはアリル基であり、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルキレン基またはシクロアルキル基である。また、aは0または1の整数、bは0、1または2の整数である。)
  9. 前記バインダー成分が、熱硬化性有機樹脂または熱可塑性有機樹脂であることを特徴とする請求項8に記載の塗料組成物。
  10. 表面にアルミニウムが修飾された金平糖状のシリカ系微粒子を含む分散ゾルの製造方法であって、
    (1)表面に複数の突起を有する金平糖状のシリカ微粒子またはシリカを主成分とする微粒子を含む、pH9.0〜11.5のアルカリ性シリカゾルに、アルミン酸塩の水溶液を、該シリカゾル中に含まれるケイ素成分をSiOで表し、さらに該アルミン酸塩中に含まれるアルミニウムをAlで表したとき、そのモル比(Al/SiO)が0.0005〜0.050となるような割合で混合する工程、
    (1.1) 前記工程(1)で得られた混合液を60〜95℃の温度に加熱して、0.2〜10時間、撹拌する工程、
    (1.2) 前記工程(1.1)で得られた混合液を陽イオン交換樹脂と接触させて、該混合液中に含まれる少なくとも一部のアルカリ金属イオンをイオン交換除去して、該混合液のpHを7〜10の範囲に調整する工程、
    (2)前記工程(1.2)で得られた混合液を60〜200℃の温度に加熱して、0.5〜20時間、撹拌する工程、
    を含むことを特徴とするシリカ系微粒子分散ゾルの製造方法。
  11. 前記モル比(Al/SiO)が0.005〜0.050の範囲にあることを特徴とする請求項10に記載のシリカ系微粒子分散ゾルの製造方法。
  12. 前記シリカ微粒子の透過型電子顕微鏡写真により求めた平均粒子径が5〜50nmの範囲にあることを特徴とする請求項10〜11のいずれかに記載のシリカ系微粒子分散ゾルの製造方法。
  13. さらに、下記工程
    (3)前記工程(2)により得られた混合液を陽イオン交換樹脂と接触させて、該混合液中に含まれるアルカリ金属イオンをイオン交換除去して、該混合液のpHを3.0〜6.0の範囲に調整する工程
    を含むことを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載のシリカ系微粒子分散ゾルの製造方法。
  14. さらに濃縮および/または溶媒置換する工程に処することを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載のシリカ系微粒子分散ゾルの製造方法。
  15. 前記溶媒置換に用いる有機溶媒がアルコール類、エーテル類、ケトン類から選ばれた有機化合物の1種または2種以上であることを特徴とする請求項14に記載のシリカ系微粒子分散ゾルの製造方法。
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