JP5700545B2 - 熱音響装置用スタックおよび熱音響装置用スタックの製造方法 - Google Patents
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図1に示すように、本実施の形態に係る熱音響装置用スタックを備えた熱音響エンジン1は、作業流体10を封入した管2と、この管2内部に設けられたスタック3と、管2内部においてスタック3をその管2の軸線方向の両側から挟むように設けられスタック3に温度勾配を与える高温側熱交換器4および低温側熱交換器5とを備えている。また、管2外部において、高温側熱交換器4の側には高温熱源6、低温側熱交換器5の側には低温熱源7が設けられている。このような熱音響エンジン1は、管1内に封入された作業流体10と、高温側熱交換器4から低温側熱交換器5へと流れる熱エネルギーの間で、エネルギー交換を行うものである。
中央部311には、貫通孔32を構成する複数の第1の孔311aが形成されている。この第1の孔311aは、管2の長さ(共鳴周波数ω)と熱緩和時間τ(=r2/α、rは孔の半径、αは作業流体の熱拡散係数)がτω=1〜10となるように設定される。すなわち、第1の孔311aの直径は、図12Aに示されるように、共鳴する管の長さから定まる共鳴周波数ωと熱緩和時間τとの積が最小となる条件で定まる。他方、第1の孔311aのピッチは、第1の孔311aをできるだけ稠密に形成されるように定める。これは、スタック3の空隙率は高ければ高いほどよいので、ピッチも狭い方がよいからである。例えば、共鳴周波数を400〜500[Hz]とした場合、外周部31の厚さが加工限界などから0.1[mm]以上0.2[mm]未満に制限されるので、第1の孔311aは、直径が0.76〜0.5[mm]、ピッチが0.9〜0.6[mm]程度となる。
また、本実施の形態において、第1の孔311、すなわち貫通孔32の軸線に垂直な断面は、正六角形である。このような正六角形の断面形状の貫通孔32を周期的に多数設けたいわゆるハニカム状とすることより、貫通孔32の密度を高くする、すなわちスタック3の空隙率を高くできるので、エネルギー交換すべき作業流体10をスタック3内に高い充填率で貯留させておくことが可能となり、結果として、エネルギー変換効率を向上させることができる。
外周部312には、第1の孔311aが形成されないが、位置合わせ用の第2の孔312aが形成されている。このような外周部312は、第2の孔312aを含む総面積が、第1の孔311aおよび第2の孔312aの開口部の面積を含む板状部材31の総面積の20%を超えないようにすることが望ましい。その理由について、図4A,図4Bを参照して説明する。
本実施の形態では、板状部材31の材料として10[W/m・K]を超えない熱伝導率を有する材料を用いているので、その材料として金属等を用いた場合と比較して、1,2桁ほど熱伝導率を小さくすることができる。これにより、スタック3の長さをより短くすることができる。なお、スタック3を構成する板状部材31の材料として10[W/m・K]を超えない熱伝導率を有する材料を用いる理由について、以下に説明する。
空気の熱伝達率hは、約25[W/m2・K]であるから、空隙率εを80%、外周部の面積比率を20%とすると、上式(6)を下式(7)として整理することができる。この下式(7)は、温度THの高温側熱交換器4から温度TCの低温側熱交換器5へと流れる単位面積当たりの熱流<Q>/Aを、その熱流が生じる温度差(TH−TC)で規格化したものである。
したがって、熱音響効果が起こる条件であるΔTm>(ΔT)critを満足するように、スタック長LSを短くしつつ、高温側熱交換器4の温度THをより低い温度へとスケーリングするには、上式(7)の右辺第1項(直接熱伝導の寄与)を右辺第2項(熱伝達による寄与)に対して小さく留めておくか、同程度に留めておく必要がある。そこで、スタック長LSを例えば半分に短縮するには、熱伝導率κも同様に半分にすると、比(κ/LS)を少なくとも不変に留めることができる。熱伝導率κが16.3[W/m・K]のSUS304製スタックを半分の長さのスタックで構成するには、その熱伝導率は少なくとも、SUS304の半分以下(8.15[W/m・K])とすればよいことになる。この値や誤差等を踏まえて、本実施の形態においては、スタック3を構成する板状部材31の材料として、10[W/m・K]未満の熱伝導率を有する材料であるものとした。このような条件を満足する材料としては、図7に示すように、コージライト(4[W/m・K])、ガラス(1.10[W/m・K])、ポリイミド(0.29[W/m・K])などが挙げられる。
次に、本実施の形態に係る熱音響エンジン1におけるスタック3の製造方法について図5および図6A〜図6Gを参照して説明する。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る熱音響装置用スタックの製造方法ついて説明する。なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と同等の構成要素については、同じ名称および符号を付し、適宜説明を省略する。
Claims (7)
- 一方向に沿った複数の貫通孔を備え、管の内部に作業流体とともに配置され、前記作業流体の熱音響自励振動によって前記貫通孔に沿って流れる熱エネルギーと前記管内の作業流体の振動エネルギーとを変換する熱音響装置用スタックであって、
高温側熱交換器と低温側熱交換器により与えられる温度勾配により前記一方向に沿って流れる熱流のうち直接熱伝導による寄与が熱伝達による寄与以下となり、かつ、温度勾配が前記熱音響自励振動が起こる臨界値を超えた上でより短いスタック長に積層された同一材料からなる複数の板状部材からなり、
前記板状部材のそれぞれは、互いに積層されて前記貫通孔を形成する複数の第1の孔が形成された中央部を備え、
前記板状部材は、熱伝導率が10[W/m・K]未満の材料から構成される
ことを特徴とする熱音響装置用スタック。 - 前記板状部材は、ポリイミドおよびガラスの一方から構成される
ことを特徴とする請求項1記載の熱音響装置用スタック。 - 前記板状部材は、前記中央部の周囲に設けられ前記第1の孔が形成されていない外周部の面積の割合が前記板状部材の面積の20%以下である
ことを特徴とする請求項1または2記載の熱音響装置用スタック。 - 前記板状部材の前記第1の孔が形成されていない外周部は、隣接する前記板状部材との位置合わせに用いられる第2の孔を備える
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱音響装置用スタック。 - 前記貫通孔は、正六角形、正三角形、正方形、および、長方形のうち何れか1つの断面形状を有する
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱音響装置用スタック。 - 一方向に沿った複数の貫通孔を備え、管の内部に作業流体とともに配置され、前記作業流体の熱音響自励振動によって前記貫通孔に沿って流れる熱エネルギーと前記管内の作業流体の振動エネルギーとを変換する熱音響装置用スタックの製造方法であって、
基板上に、熱伝導率が10[W/m・K]未満の材料からなる第1の層を形成する第1のステップと、
前記第1の層上にフォトレジスト層を形成する第2のステップと、
前記フォトレジスト層をパターニングしてマスクを形成する第3のステップと、
前記マスクを用いたドライエッチングにより、前記第1の層に複数の第1の孔および位置合わせ用の第2の孔を形成する第4のステップと、
前記パタンを除去する第5のステップと、
前記基板上から前記第1の層を剥離することにより、この第1の層からなり、中央部に前記貫通孔を構成する第1の孔が複数形成され、前記中央部の外周部に前記第2の孔が形成された板状部材を生成する第6のステップと、
前記第2の孔にピンを挿入しながら、高温側熱交換器と低温側熱交換器により与えられる温度勾配により前記一方向に沿って流れる熱流のうち直接熱伝導による寄与が熱伝達による寄与以下となり、かつ、温度勾配が前記熱音響自励振動が起こる臨界値を超えた上でより短いスタック長に複数の前記板状部材を積層する第7のステップと
を有することを特徴とする熱音響装置用スタックの製造方法。 - 一方向に沿った複数の貫通孔を備え、管の内部に作業流体とともに配置され、前記作業流体の熱音響自励振動によって前記貫通孔に沿って流れる熱エネルギーと前記管内の作業流体の振動エネルギーとを変換する熱音響装置用スタックの製造方法であって、
基板上にフォトレジスト層を形成する第1のステップと、
前記フォトレジスト層をパターニングしてマスクを形成する第2のステップと、
前記マスクを用いて前記基板上に、中央部に前記貫通孔を構成する第1の孔が複数形成され、前記中央部の外周部に前記第2の孔が形成された板状部材を生成するための鋳型を形成する第3のステップと、
前記鋳型に熱伝導率が10[W/m・K]未満の材料が溶解している溶液を流し込むことより、鋳型内に第1の層を形成する第4のステップと、
前記鋳型から前記第1の層を剥離することにより、この第1の層からなる前記板状部材を生成する第5のステップと、
前記第2の孔にピンを挿入しながら複数の前記板状部材を積層する第6のステップと
を有することを特徴とする熱音響装置用スタックの製造方法。
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