JP5700545B2 - 熱音響装置用スタックおよび熱音響装置用スタックの製造方法 - Google Patents

熱音響装置用スタックおよび熱音響装置用スタックの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5700545B2
JP5700545B2 JP2011108360A JP2011108360A JP5700545B2 JP 5700545 B2 JP5700545 B2 JP 5700545B2 JP 2011108360 A JP2011108360 A JP 2011108360A JP 2011108360 A JP2011108360 A JP 2011108360A JP 5700545 B2 JP5700545 B2 JP 5700545B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stack
hole
plate
thermoacoustic
holes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011108360A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012237289A (ja
Inventor
小川 重男
重男 小川
晃洋 鴻野
晃洋 鴻野
水沼 守
守 水沼
二朗 中村
二朗 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2011108360A priority Critical patent/JP5700545B2/ja
Publication of JP2012237289A publication Critical patent/JP2012237289A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5700545B2 publication Critical patent/JP5700545B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、熱音響効果を用いて管内の流体に温度勾配を与えて振動させたり、流体に与えた振動から温度勾配を得る熱音響装置用スタックおよび熱音響装置用スタックの製造方法に関するものである。
細い流路の中にある作業流体に対して、ある臨界値以上の温度勾配を与えると、流路の壁と作業流体との熱交換によって「熱音響自励振動」と呼ばれる振動現象が現れることが知られている。このような熱音響現象は、作業流体に温度勾配を与えて熱から流体振動(音波)を行う熱音響原動機(熱音響エンジン)や、流体振動(音波)から温度勾配を生じさせる熱音響ヒートポンプといった熱音響装置に利用されている。また、この熱音響装置を基本要素として、熱音響原動機により生ずる音波を、すなわち機械的振動から電力へとエネルギー変換を行う熱音響発電機や、流体振動(音波)によって生じた温度勾配を介して加熱または冷却するというエネルギー変換を行う熱音響冷却装置について、現在盛んに研究開発がされている(例えば、非特許文献1,2参照。)。
例えば、非特許文献1には、熱音響自励振動を利用した装置として、熱音響エンジンが開示されている。図10に示す熱音響エンジン100は、作業流体110を封入した管101と、この管101内部に設けられ小さな流路を有するスタック(蓄熱器)102と、管101内部においてスタック102をその管101の軸線方向の両側から挟むように設けられ、スタック102に温度勾配を与える高温側熱交換器103および低温側熱交換器104とを備えている。また、管101外部において、高温側熱交換器103の側には高温熱源105、低温側熱交換器104の側には低温熱源106が設けられている。このように、図10に示す熱音響エンジン100は、ガソリンエンジンなどに用いられるピストンやバルブなどの可動部品を有しておらず、管101内部に封入された作業流体110のみが動くものである。
ここで、スタック102は、上述した流路となる管101の軸線方向に沿った多数の貫通孔102aを備えており、この貫通孔102a内部に流入した作業流体110と、その壁面102bとの間で熱交換を行うことにより、蓄熱器、蓄冷器、再生器などとして機能する。このように、スタック102の役割は、作業流体110と熱的相互作用を行う壁面102bを提供することにあって、熱と振動のエネルギー変換はそのスタック102内部で行われる。そのエネルギー変換の効率を向上させるには、壁面102bを多く形成すればよいので、貫通孔102aの直径は後述するように1[mm]以下という小さな値に設定されている。このため、熱音響現象を用いた装置のスタックには、金網や金属製不織布などの金属製メッシュを積層させたものや貫通孔がハニカム状に形成されたセラミックスなどがよく用いられている。
このような構造を有する熱音響エンジンは、管101の形状が異なる3種類の方式が提案されている。すなわち、図11Aに示すように、直線状の管の中に熱音響自励振動によって発生する定在波音波を利用する直管方式と、図11Bに示すように、ループ状の管の中に熱音響自励振動によって発生する進行波音波を利用するループ管方式と、図11Cに示すように、直線状とループ状の管を組み合わせた枝管付きループ管方式とが提案されている。これらのうち、図11Bに示すループ管方式は、熱から流体振動への変換効率が熱力学的な上限値(理想的なカルノー効率)に近いことが理論的に示されている。一方、図11Aに示す直管方式では、音圧と粒子速度とが位相差π/2だけずれた定在波が生じるため、不可逆的な熱交換による時間遅れが生じて波動によるエネルギー輸送量が非常に小さいので、熱から音波への変換効率が熱力学的な上限値と比べて低いとされている。
上述した熱音響装置の応用分野として、工場からの排熱や自動車のエンジンからの排熱などの回収利用が挙げられているが、大規模設備を集約できる工場や発電所などからの排熱を回収するプラントでの応用を除けば、装置自体ができる限り小型であることが望ましい。また、排熱を熱源とするので、その排熱温度が比較的高温ではないことが多いので、できる限り低い温度の熱源で熱音響自励振動が起こることが望ましい。なお、低温熱源(ヒートシンク)の温度は、環境温度、すなわち室温を想定している。
図11Bに示すようなループ管方式の場合、熱から音響への変換効率が高いものの、ループ状の管内を最低一波長分の長さの音波が進行しなければならないので、装置が大型になりやすい。例えば、ループ状の管の音響回路長をLとすると、1気圧、25[℃]前後での音速cが約340[m/sec]であるので、振動周波数νが100[Hz]程度の音波の場合、その進行波の波長λtは3.4[m]程度となる(例えば、非特許文献3参照。)。ループ状の管は最低一波長分の長さを必要とするので、必然的に管長が3.4[m]程度の大きな装置とならざるを得ない。そこで、振動周波数νを5倍の500[Hz]とすると、長さ68[cm]程度のループ管(L=λt=c/ν=34000[cm/sec]÷500[Hz]=68[cm])となり、30[cm]の直線状の管2本と4[cm]の半円状の管2本から構成されたやや小型の装置とすることができる。このように、管路長Lは熱音響装置の占有体積に影響を及ぼすので、管路長Lを短縮することにより熱音響装置の小型化の実現が可能となる。
一方、図11Aに示すような直管方式の場合には、熱から音響への変換効率がループ管の理想効率には至らないものの、直管であるがゆえに小型化を容易に実現できる。これは、片側が閉ざされた直管内に励起される気柱共鳴定在波の波長λsが、管路長の4倍となるからである(λs=4L)。したがって、直管方式の場合には、大きさと占有面積のいずれも小さくすることが可能である。
ところが、ループ管方式および直管方式のいずれの場合も、小型化しようとすればするほど、管路長Lを短縮しなければならないので、必然的に直管内またはループ管内に自励する音波(音響振動)の波長が短くなるため、高周波の定在波または進行波を励起しなければならない。作業流体110によって励起される音響振動が、管路長に応じた周波数からなる定在波または進行波を含むからである。したがって、作業流体110と貫通孔102aの壁面102bとの間のエネルギー交換を担うスタック102において、貫通孔102aの半径rで定まる熱緩和時間τ[sec]と、管路の長さL[m]とから定まる自励振動角周波数ω[rad/sec](=2πν[Hz])との関係が重要となる。すなわち、作業流体110と壁面102bとの間で熱交換が行われるには、作業流体110の熱伝導率κ[W/m・K]、密度ρ[kg/m3]および定圧比熱cp[kJ/kg・K]により定まる熱拡散係数α(=κ/ρcp)[m2/sec]、並びに、貫通孔102aの流路半径rから決まる熱緩和時間τ= r2/(2α)[sec]程度の相互作用時間が必要となる。角周波数ωが高く、ωτ≫1となる場合、壁面102bと作業流体110との熱交換はほとんど行われず、断熱過程となるので、貫通孔102a内を断熱音波が伝搬することとなる。一方、角周波数ωが低く、ωτ≪1となる場合、壁面102bと作業流体110との間で熱交換が十分に行われ、等温過程となる。非特許文献1によれば、熱音響自励振動が効率よく起こるのは、そのωτの値がほぼ1〜10の間にあるときである。非特許文献2に開示された熱音響理論によれば、図12A、図12Bに示すように、自励開始温度とωτとの関係は、最小値を有することが示されている。図12Aでは、自励開始温度を、高温熱源の絶対温度THと低温熱源の絶対温度TCとの温度比(TH/TC)により、またωτの代わりにその平方根を取ったr/δαによって示している。これは、下式(1)に基づくものである。なお、下式(1)において、δαは音波を担う作業流体110の熱境界層厚さを表している。
ωτ=ω・(r2/2α)={r/(2α/ω)1/22=(r/δα2 ・・・(1)
この式(1)からすると、熱音響自励振動により共鳴する管101の管路長(L=ループ管内の進行波の波長λt、または、4L=直管内の定在波の波長λs)から定まるω(=2πν=2πc/λ)に対して、自励開始温度比(TH/TC)が最小となる最適のωτの値があることがわかる。上述したように、管路長Lが短くなれば、ωが大きくなり、これに伴ってτが小さくなるので、スタック102の貫通孔102aの半径rも小さくなければならない。非特許文献2によれば、図12A,図12Bは管の長さLが30[mm]、管の径が10[mm]、スタックの長さが3[mm]であり、貫通孔102aの半径rを計算で求める設計パラメータとしたときの値を示している。また、作業流体110は大気圧(101[kPa])の窒素(ほぼ空気と同じ)とされ、低温熱源の温度TCが300[K](ほぼ室温の27℃)の場合を想定したものである。図12Aによれば、上記条件で計算された熱音響装置において自励開始温度が最も低くなるのは、r/δαが3程度のときである。このとき、この直管方式の熱音響装置内に定在波音波が励起され、定在波音波によるエネルギー変換がωτ=(r/δα2=1〜10で行われていることを意味している。この場合の最低自励開始温度比は1.4、高温熱源の温度THはおおよそ150℃=420[K]となり、自励振動の周波数は図12Bより3[kHz]となる。この周波数での熱境界層厚δαは0.048[mm]となり、r/δαの値が3の場合の条件を用いると、最適な貫通孔102aの直径が約0.144[mm]となる。これは極めて小さな値である。
これらを踏まえた上で熱音響装置の小型化について検討すると、小型化することにより自励振動周波数が高周波になるので、ωτの値を1〜10程度に保つには、対応する熱緩和時間τを短くする必要がある。ところが、作業流体110の比熱、熱伝導率、密度といった熱物性値がさほど大きく変動しないので、τを短くするにはスタックの貫通孔102aの半径rを小さくしなければならない。そこで、想定しうる作業流体110と、この作業流体110に対応する熱境界層の厚さの概算値の関係を図13に示す。この図13は、1気圧の大気(空気)を作業流体とする構成であって、例えば自励振動周波数ωを400[Hz]と仮定した場合、波長λsが約85[cm]、管101の片側を閉じた直管の場合にはλs=4Lなので、管101の長さLは約21.3[cm]となるので、貫通孔102aの直径は0.789[mm]程度となる。このように、小型の熱音響装置を実現するには、直径1[mm]以下の貫通孔102aを多数備えたスタック102を設けなければならない。
また、熱音響自励振動は、高温(温度TH)側熱交換器103と低温(温度TC)側熱交換器104との間に挟まれた長さLsのスタック102における温度勾配ΔT{=(TH−TC)/Ls}がある臨界値(ΔT)critを越えた際に起こることが知られている。したがって、ΔT > (ΔT)critを満足するように温度スケーリングを行うことによって、すなわち、スタックの長さLsを短くすることで、高温側熱交換器102の温度THをより低い温度へとスケールできると考えられる。
実際、図14はスタックの長さと自励開始温度比の関係を示すものであるが、この図14に示すように、スタック102の長さLsを短くすることによって、自励開始温度比(TH/TC)を低下させることがある程度まで可能である。しかし、スタック長Lsをあまりにも短くすると、スタック102を構成する貫通孔102aとその支持部材(外周部)のうち、支持部材による直接熱伝導が高温側から低温側への熱流の大半を占有するようになり、熱から音響振動へのエネルギー変換が行われなくなる。すなわち、スタック102は、その動径方向(作業流体の流通方向に対して垂直な方向)には無限の熱伝導を有して一様温度になることが望まれるが、その流通方向である軸方向に対しては、定常的に線形な温度勾配が形成可能な程度に高い熱抵抗、すなわち熱絶縁性を備えている必要がある。
上述した事項を踏まえると、小型かつ低温度で自励振動可能とする熱音響装置に必要とされるスタックが備えるべき諸性質が明らかとなる。すなわち、(1)直径が1[mm]以下の小さな貫通孔102aを多数備えていること、(2)作業流体110が振動する振動方向(貫通孔の軸方向)には温度勾配が生じるようにある程度熱伝導率が低いこと、(3)振動方向に直交するスタックの動径方向には熱交換がスムーズに行われるように、ある程度熱伝導性がよいことが挙げられる。
このような性質を備えるべきスタック102として、従来は、上述したように、アルミニウム、アルミニウム合金、セラミックス等の伝熱体で形成された複数のプレートを軸方向に積層させたスタックや、セラミックス、焼結金属、金網、金属製不織布などのように熱容量の大きい素材からなり、軸方向に貫通する複数の貫通孔を備えたスタック、あるいは、微小の球状セラミックスなどを敷き詰めて貫通孔として作用する蛇行した導通路を形成するスタック、ハニカム形状のセラミックス、脱脂綿などの繊維材料を圧縮させ、これによって蛇行した導通路を形成したスタックなどが提案されている。一般に、高温側熱交換器の温度が700から800℃まで到達する場合には、スタックを構成する材料には耐熱性が要求される。このような温度範囲では、SUS304などの金属材料やコージライトなどのセラミックス材料が用いられている。
上田 祐樹、「熱音響発電機」、電気学会誌、Vol. 128、No. 12、pp. 812-815、 (2008). 上田 祐樹、「熱音響発電−熱音響現象の基礎−」、桑野博喜監修、「エネルギーハーベスティング技術の最新動向」(シーエムシー出版、2010年)、pp. 171-183 に所蔵。 坂本眞一、渡辺好章、「音と熱のコラボレーション−熱音響冷凍機実現に向けて−」、電子情報通信学会誌、Vol. 90, No. 11, pp. 993-337 (2007年11月)。
しかしながら、これまでに提案されたスタックでは、いずれも小型かつ低温度で自励振動可能な熱音響装置を実現することが困難であった。
例えば、金属やセラミックス等の伝熱体のプレートを管の軸に略平行に複数積層するスタックの場合は、プレートの間に平面状壁の非常に狭い隙間を形成でき、軸方向に垂直な二つの方向のうち一方の方向(積層方向)には熱交換のための壁面を設けることができる。ところが、他方の方向では、熱交換を行うための壁面がないので、熱エネルギーから振動エネルギーへのエネルギー変換を行うことができない。また、軸方向に沿って平行に積層した金属プレートを用いた場合には、軸方向の熱伝導率が高いので、スタックの長さLsを短くすることができない。
また、金網や焼結金属などを積層したスタックの場合は、作業流体と熱交換を行う表面積を大きくすることができ、スタック中で熱交換する流体の経路も長くできる。特に金網の場合、個々の金網に関しては、単位面積当りの網目数を指定することも可能である。ところが、最終的に形成された貫通孔の径を明確に設定することができず、最適な直径の貫通孔を設けることが困難である。
また、ハニカム形状のセラミックスを用いたスタックの場合は、例えば正方格子状など所定の断面形状の貫通孔を形成でき、かつ、その直径を1[mm]以下とすることが可能である。さらに、材料として用いられているコージライトは、熱伝導率が4[W/m・K]程度の値を有しているために自励開始温度を低温化できるので、金属などの伝熱体をスタック材料にする場合よりもスタックの長さLsを短くすることも可能である。ところが、一般に射出成型により多孔が形成されているので、貫通孔を高密度に形成することが困難である。具体的には、セル密度900[cpsi(cell per square inchi)]のもの(正方格子の一辺が約0.79[mm])が最小孔径であって、例えば1200[cpsi](正方格子の一辺が約0.72[mm])といったさらに高密度に貫通孔を形成することが困難である。また、射出成形により多孔を形成する場合、射出の際に高温で押し出された素材が成型用口金の孔内で密着して、目詰まりする可能性が高いので、製造が困難である。
なお、熱音響装置が大型で、励起される自励振動音波の波長が長い場合には、その振動数も50〜100[Hz]の低周波帯域であるので、スタックとして効率的な貫通孔の直径は1[mm]〜5[mm]となる。この程度の直径の貫通孔であれば、金属ブロックに窄孔加工したり、セラミックスを射出成型したり、銅などの金属パイプを束ねるなどして、スタックを容易に形成できる。例えば、波長が3.4[m]、周波数100[Hz]程度の熱音響装置のスタックには、メッシュ間隔1[mm]程度の金属のメッシュやセルの一辺の長さが0.79[mm]程度のハニカム状セラミックが用いられている。ところが、高周波の自励振動を起こすには、さらに小さな直径でかつ多数の貫通孔を備えたスタックを用意する必要がある。すなわち、熱音響装置の小型化に伴って、作業流体を1気圧の空気(あるいは窒素)とする場合、励起されるべき自励振動周波数が100[Hz](ループ管なら3.4[m]、直管なら85[cm])、500[Hz](ループ管なら68[cm]、直管なら17[cm])、1[kHzH] (ループ管なら34[cm]、直管なら8.5[cm])と高周波化する。これに伴って、スタックに設けられる貫通孔に要求される孔径(直径)も、1.55[mm]、0.70[mm]、0.49[mm]と小さくなり、しかも同一断面積に孔径の逆2乗に比例した数だけ貫通孔を設ける必要が生じる。
そこで、本願発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、小型化に伴ってより高い周波数でも低温度差で自励振動できる熱音響装置用スタックおよび熱音響装置用スタックの製造方法を提供することを目的とする。
上述したような課題を解決するために、本発明に係る熱音響装置用スタックは、一方向に沿った複数の貫通孔を備え、管の内部に作業流体とともに配置され、作業流体の熱音響自励振動によって貫通孔に沿って流れる熱エネルギーと管内の作業流体の振動エネルギーとを変換する熱音響装置用スタックであって、積層された複数の板状部材からなり、板状部材のそれぞれは、互いに積層されて貫通孔を形成する複数の第1の孔が形成された中央部を備え、板状部材は、熱伝導率が10[W/m・K]未満の材料から構成されることを特徴とするものである。
上記熱音響装置用スタックにおいて、板状部材は、ポリイミドおよびガラスの一方から構成されるようにしてもよい。
また、上記熱音響装置用スタックにおいて、板状部材は、中央部の周囲に設けられ第1の孔が形成されていない外周部の面積の割合が板状部材の面積の20%以下であるようにしてもよい。
また、上記熱音響装置用スタックにおいて、外周部は、隣接する板状部材との位置合わせに用いられる第2の孔を備えるようにしてもよい。
また、上記熱音響装置用スタックにおいて、貫通孔は、正六角形、正三角形、正方形、および、長方形のうちいずれか1つの断面形状を有するようにしてもよい。
また、本発明に係る熱音響装置用スタックの製造方法は、一方向に沿った複数の貫通孔を備え、管の内部に作業流体とともに配置され、作業流体の熱音響自励振動によって貫通孔に沿って流れる熱エネルギーと管内の作業流体の振動エネルギーとを変換する熱音響装置用スタックの製造方法であって、基板上に、熱伝導率が10[W/m・K]未満の材料からなる第1の層を形成する第1のステップと、第1の層上にフォトレジスト層を形成する第2のステップと、フォトレジスト層をパターニングしてマスクを形成する第3のステップと、マスクを用いたドライエッチングにより、第1の層に複数の第1の孔および位置合わせ用の第2の孔を形成する第4のステップと、パタンを除去する第5のステップと、基板上から第1の層を剥離することにより、この第1の層からなり、中央部に貫通孔を構成する第1の孔が複数形成され、中央部の外周部に第2の孔が形成された板状部材を生成する第6のステップと、第2の孔にピンを挿入しながら複数の板状部材を積層する第7のステップとを有することを特徴とするものである。
また、本発明に係る他の熱音響装置用スタックの製造方法は、基板上にフォトレジスト層を形成する第1のステップと、フォトレジスト層をパターニングしてマスクを形成する第2のステップと、マスクを用いて基板上に、中央部に貫通孔を構成する第1の孔が複数形成され、中央部の外周部に第2の孔が形成された板状部材を生成するための鋳型を形成する第3のステップと、鋳型に熱伝導率が10[W/m・K]未満の材料が溶解している溶液を流し込むことより、鋳型内に第1の層を形成する第4のステップと、鋳型から第1の層を剥離することにより、この第1の層からなる板状部材を生成する第5のステップと、第2の孔にピンを挿入しながら複数の板状部材を積層する第6のステップとを有することを特徴とするものである。
本発明によれば、貫通孔を構成する複数の第1の孔が形成された板状部材を熱伝導率が10[W/m・K]未満の材料から構成することにより、スタックの長さを短くしても温度勾配をスケーリング(比例縮小)することが可能となるので、臨界温度勾配を達成するのに必要な高温側熱交換器の温度を低くすることができる。結果として、小型化に伴って必要となるより高い周波数での自励振動を温度差が低い場合にも実現することができる。
図1は、本発明に係る熱音響エンジンの構成を模式的に示す断面図である。 図2は、熱音響エンジンにおけるスタックの構成を模式的に示す斜視図である。 図3は、スタックにおける板状部材の構成を模式的に示す図である。 図4Aは、スタックを流れる熱流を説明する図である。 図4Bは、比較例のスタックを流れる熱流を説明する図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態に係るスタックの製造方法を説明するフローチャートである。 図6Aは、本発明の第1の実施の形態に係るスタックの製造方法を説明する図である。 図6Bは、本発明の第1の実施の形態に係るスタックの製造方法を説明する図である。 図6Cは、本発明の第1の実施の形態に係るスタックの製造方法を説明する図である。 図6Dは、本発明の第1の実施の形態に係るスタックの製造方法を説明する図である。 図6Eは、本発明の第1の実施の形態に係るスタックの製造方法を説明する図である。 図6Fは、本発明の第1の実施の形態に係るスタックの製造方法を説明する図である。 図6Gは、本発明の第1の実施の形態に係るスタックの製造方法を説明する図である。 図7は、スタックの構成材料とその物性値を示す図である。 図8は、本発明の第2の実施の形態に係るスタックの製造方法を説明するフローチャートである。 図9Aは、本発明の第2の実施の形態に係るスタックの製造方法を説明する図である。 図9Bは、本発明の第2の実施の形態に係るスタックの製造方法を説明する図である。 図9Cは、本発明の第2の実施の形態に係るスタックの製造方法を説明する図である。 図9Dは、本発明の第2の実施の形態に係るスタックの製造方法を説明する図である。 図9Eは、本発明の第2の実施の形態に係るスタックの製造方法を説明する図である。 図9Fは、本発明の第2の実施の形態に係るスタックの製造方法を説明する図である。 図9Gは、本発明の第2の実施の形態に係るスタックの製造方法を説明する図である。 図9Hは、本発明の第2の実施の形態に係るスタックの製造方法を説明する図である。 図10は、従来の熱音響エンジンの構成を模式的に示す断面図である。 図11Aは、直管方式の熱音響エンジンを模式的に示す図である。 図11Bは、ループ方式の熱音響エンジンを模式的に示す図である。 図11Cは、枝管付きループ方式の熱音響エンジンを模式的に示す図である。 図12Aは、自励開始温度比とωτとの関係を示す図である。 図12Bは、自励周波数とωτとの関係を示す図である。 図13は、作業流体と熱境界層厚との関係を示す図である。 図14は、自励開始温度比とスタックの長さとの関係を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<熱音響エンジンの構成>
図1に示すように、本実施の形態に係る熱音響装置用スタックを備えた熱音響エンジン1は、作業流体10を封入した管2と、この管2内部に設けられたスタック3と、管2内部においてスタック3をその管2の軸線方向の両側から挟むように設けられスタック3に温度勾配を与える高温側熱交換器4および低温側熱交換器5とを備えている。また、管2外部において、高温側熱交換器4の側には高温熱源6、低温側熱交換器5の側には低温熱源7が設けられている。このような熱音響エンジン1は、管1内に封入された作業流体10と、高温側熱交換器4から低温側熱交換器5へと流れる熱エネルギーの間で、エネルギー交換を行うものである。
図2に示すように、スタック3は、例えばガラスやポリイミドなど熱伝導率が10[W/m・K]未満の材料からなり、それぞれ同一の厚さからなる平面視略円形の板状部材31を複数積層したものである。また、スタック3には、板状部材31の積層方向、すなわち管1の軸方向に沿って複数の貫通孔32が形成されている。したがって、貫通孔32の延在方向が管2の軸線方向に沿った状態で、管2内部に配設されている。なお、本実施の形態においては、スタック3の材料としてポリイミドを用いた場合を例に説明する。
各板状部材31は、図3に示すように、板状部材31と同心の平面視略円形の領域からなる中央部311と、この周囲に位置する外周部312とから構成される。
中央部311には、貫通孔32を構成する複数の第1の孔311aが形成されている。この第1の孔311aは、管2の長さ(共鳴周波数ω)と熱緩和時間τ(=r2/α、rは孔の半径、αは作業流体の熱拡散係数)がτω=1〜10となるように設定される。すなわち、第1の孔311aの直径は、図12Aに示されるように、共鳴する管の長さから定まる共鳴周波数ωと熱緩和時間τとの積が最小となる条件で定まる。他方、第1の孔311aのピッチは、第1の孔311aをできるだけ稠密に形成されるように定める。これは、スタック3の空隙率は高ければ高いほどよいので、ピッチも狭い方がよいからである。例えば、共鳴周波数を400〜500[Hz]とした場合、外周部31の厚さが加工限界などから0.1[mm]以上0.2[mm]未満に制限されるので、第1の孔311aは、直径が0.76〜0.5[mm]、ピッチが0.9〜0.6[mm]程度となる。
また、本実施の形態において、第1の孔311、すなわち貫通孔32の軸線に垂直な断面は、正六角形である。このような正六角形の断面形状の貫通孔32を周期的に多数設けたいわゆるハニカム状とすることより、貫通孔32の密度を高くする、すなわちスタック3の空隙率を高くできるので、エネルギー交換すべき作業流体10をスタック3内に高い充填率で貯留させておくことが可能となり、結果として、エネルギー変換効率を向上させることができる。
外周部312には、第1の孔311aが形成されないが、位置合わせ用の第2の孔312aが形成されている。このような外周部312は、第2の孔312aを含む総面積が、第1の孔311aおよび第2の孔312aの開口部の面積を含む板状部材31の総面積の20%を超えないようにすることが望ましい。その理由について、図4A,図4Bを参照して説明する。
図4Aは、本実施の形態、すなわち板状部材31の総面積に対する外周部312の面積が20%以下であるスタック3を流れる熱流を示す図、図4Bは、比較例であって、板状部材401の総面積に対する外周部412の面積が20%を超えるスタック400を流れる熱流を示す図である。
図4Bに示す外周部412の面積の割合が20%を超える板状部材401から構成されるスタック400の場合、高温側から低温側に板状部材401中を流れる熱流は、点線矢印b、cで示すように、主に第1の孔411aが形成されていない外周部412を流れる。これは、空隙率εで第1の孔411aが形成された中央部411には、高い熱伝導率κ1を有するスタック400の材料と極めて低い熱伝導率κ2を有する作業流体10が占有する領域が共存しており、この領域の平均熱伝導率<κ>av、が下式(2)で表されるように、第1の孔411aが形成されていない外周部412の熱伝導率κ1よりも小さくなるからである。すなわち、高温側熱交換器4から低温側熱交換器5へ流れる熱流のうち、大半が外周部412を直接流れて貫通熱となるので、作業流体との貫通孔の壁面を介する熱交換が十分に行われず、熱エネルギーから作業流体の振動エネルギーへのエネルギー変換の観点からすると、熱損失が大きくなってしまう。
<κ>av=(1−ε)κ1+εκ2 ・・・(2)
一方、図4Aに示す外周部312の面積の割合が20%以下の板状部材31から構成されるスタック3の場合、その板状部材31を流れる熱流は、点線矢印aで示すように、外周部312から漏れ出る量が少なく、その外周部312と中央部311とで均等な量となる。実際、実験によれば、板状部材31の総面積に対する外周部312の面積を10.6%としたスタック3を製造した場合、自励開始温度比を図14の600[cpsi]まで低下させることができた。一方、板状部材401の総面積に対する外周部412の面積を23.6%としたスタック400では、自励開始温度比が図14の950[cpsi]程度であった。
図14は、板状部材31の中央部311に形成された第1の孔311aの単位面積当りの密度が600[cpsi]と950[cpsi]の場合におけるスタックの長さ(横軸)と自励開始温度比(縦軸)の関係を示すものである。いずれの場合も、板状部材31を積層したスタック3の長さを短くすると、ある長さまでは自励開始温度比が低下し、さらに短くすると自励開始温度比が増大していく。これは、スタックの長さの短縮に伴って、板状部材31を流れてゆく貫通熱による熱損失が増大するためと考えられる。また、図14からは、熱音響エンジン1において最適の第1の孔311aの径および密度が600[cpsi]の場合であることもわかる。これは、第1の孔311aの径を小さくし、密度を高めた方がより自励開始温度比を低下できるという図12A、図12Bに示した理論的予測とは異なった結果となっている。このような結果となった理由は、強度確保のために必要とする外周部312の面積が、600[cpsi]の場合よりも950[cpsi]の場合の方が大きいからである。すなわち、外周部312の面積を削減して外周部312を流れる熱流を抑制した結果、自励開始温度比が図14に示す600[cpsi]のラインまで低下したと考えられる。これは、第1の孔311aの密度がより高い950[cpsi]の場合よりも低い自励開始温度比を示しており、外周部312を流れる熱流の抑制が、熱損失の低減に効果的であることを示している。したがって、熱流がなるべく中央部311に集中して流れるようにするには、板状部材31の面積に対する外周部312の面積の比率を、20%以下に保つことが望ましい。
本実施の形態では、板状部材31の材料として10[W/m・K]を超えない熱伝導率を有する材料を用いているので、その材料として金属等を用いた場合と比較して、1,2桁ほど熱伝導率を小さくすることができる。これにより、スタック3の長さをより短くすることができる。なお、スタック3を構成する板状部材31の材料として10[W/m・K]を超えない熱伝導率を有する材料を用いる理由について、以下に説明する。
スタック3(断面積A)は、貫通孔32が形成された中央部311(面積Ain)と、外周部312(面積Aout)とにより構成される。このことから、高温側熱交換器4(温度TH)から低温側熱交換器5(温度TC)へと単位時間に流れる平均熱流<Q>は、下式(3)で示すように、外周部312を流れる熱流Qoutと貫通孔32が形成された中央部311を流れるQinの和で表される。
<Q>=Qout+Qin ・・・(3)
ところで、長さLSで熱伝導率κ[W/m・K]のスタック3において、高温側熱交換器4から低温側熱交換器5へと外周部312を流れる熱流Qoutは、固体であるスタック3内を熱伝導により流れるので、下式(4)で表される。この下式(4)において、ΔTm≡(TH−TC)/LSとした。
out=Aoutκ{(TH−TC)/LS}=Aoutκ・ΔTm ・・・(4)
他方、空隙率ε(0<ε<1)の中央部311を流れる熱流は、主に空隙率εで定まる空間内の作業流体を介在して流れるので、その作業流体の熱伝達率をh[W/m2・K]とすると、下式(5)で表される。
in=ε・Ainh(TH−TC)+(1−ε)・Ainκ・ΔTm ・・・(5)
したがって、スタック3を流れる平均熱流<Q>/Aは、A=Aout+Ainを用いると、下式(6)で表される。
Figure 0005700545
上式(6)において、左辺はスタック3を介して高温側熱交換器4から低温側熱交換器5を流れる平均熱流を表している。また、右辺第1項は、スタック3中を直接熱伝導することによる熱損失、右辺第2項は作業流体に伝達された熱エネルギーを示している。Aout/Aは、外周部312の面積比率である。この外周部312の面積比率が高いほど、また空隙率εが低いほど、高温側熱交換器4からの熱は、作業流体へ伝達されずに、低温側熱交換器5への貫通熱として無駄に損失することとなる。
作業流体へ伝達されることで有効利用される熱の成分は、空隙率ε、スタック3両端の温度差(TH−TC)および中央部311の面積比率(Ain/Aout)に比例する。他方、上式(6)の右辺第1項が示すように、貫通熱として損失する熱エネルギーは、スタック長LSに反比例するので、スタック長の短縮に伴ってその貫通熱が増大する。
空気の熱伝達率hは、約25[W/m2・K]であるから、空隙率εを80%、外周部の面積比率を20%とすると、上式(6)を下式(7)として整理することができる。この下式(7)は、温度THの高温側熱交換器4から温度TCの低温側熱交換器5へと流れる単位面積当たりの熱流<Q>/Aを、その熱流が生じる温度差(TH−TC)で規格化したものである。
<Q>/{A(TH−TC)}=0.36(κ/LS)+16 ・・・(7)
上式(7)の右辺第1項から、スタック3を直接熱伝導して損失となる成分は、スタック3の長さLSの短縮に伴って増大することがわかる。また、右辺第2項から、熱伝達による作業流体へのエネルギー移動量は、温度差に関わらず一定の値(16[W/m2・K])であることがわかる。
したがって、熱音響効果が起こる条件であるΔTm>(ΔT)critを満足するように、スタック長LSを短くしつつ、高温側熱交換器4の温度THをより低い温度へとスケーリングするには、上式(7)の右辺第1項(直接熱伝導の寄与)を右辺第2項(熱伝達による寄与)に対して小さく留めておくか、同程度に留めておく必要がある。そこで、スタック長LSを例えば半分に短縮するには、熱伝導率κも同様に半分にすると、比(κ/LS)を少なくとも不変に留めることができる。熱伝導率κが16.3[W/m・K]のSUS304製スタックを半分の長さのスタックで構成するには、その熱伝導率は少なくとも、SUS304の半分以下(8.15[W/m・K])とすればよいことになる。この値や誤差等を踏まえて、本実施の形態においては、スタック3を構成する板状部材31の材料として、10[W/m・K]未満の熱伝導率を有する材料であるものとした。このような条件を満足する材料としては、図7に示すように、コージライト(4[W/m・K])、ガラス(1.10[W/m・K])、ポリイミド(0.29[W/m・K])などが挙げられる。
<スタックの製造方法>
次に、本実施の形態に係る熱音響エンジン1におけるスタック3の製造方法について図5および図6A〜図6Gを参照して説明する。
まず、図6Aに示すように、シリコンウェハ601を用意する(ステップS1)。
シリコンやサファイヤは、VLSI(Very Large Scale Integrated circuit:大規模集積回路)技術の進展に伴って、微細加工技術が発達した材料である。このようなシリコンやサファイヤからなる固体基板そのものをスタックを構成する板状部材として用いたり、スタックを構成する板状部材を加工するための基板として用いたりすることが想定できる。シリコンを加工して板状部材を形成するプロセスは、標準的なシリコンプロセスにより実現できることが知られている。そこで、本実施の形態では、シリコン基板を板状部材31を加工するための基板として用いる場合について説明する。その板状部材31の材料としては、図7に示すように、熱伝導率が0.29[W/m・K]と低く、かつ定圧比熱が1.05[kJ/kg・K]と比較的大きなポリイミドを用いる。その熱伝導率は、シリコンの熱伝導率の約1/400である。上述したように、小孔径化や孔密度を向上させることにより、熱音響自励振動の開始温度を低下させることができる。この場合、スタック3に要求される性能のうち、高温に対する耐熱性は必ずしも重要なものではなくなる。例えば、200℃程度で熱音響自励振動が開始できるのであれば、ポリイミドなどの有機系材料をスタック3の構成材料として用いることが可能である。特に、低温での自励発振を実現するためにスタック3の長さを短くして、軸方向の両端間に印加する温度差を小さくするには、熱伝導率が低い有機系材料が望ましい。この場合、ポリイミドは加工しやすく、脆くなく、かつ、熱伝導率が低いので、低温動作熱音響原動機のスタックの構成材料として有望である。
用意したシリコンウェハ601は、RCA洗浄法などの化学的洗浄法によって表面の自然酸化膜を除去した状態、すなわち表面疎水性にした状態からUVオゾン暴露により表面を親水化した状態とされている。本実施の形態においては、シリコンウェハ601として、厚さ0.625[mm]のものを用意した。また、図6Aからもわかるように、大型のシリコンウェハを用意した場合には、1枚のシリコンウェハで一度に複数の板状部材31を形成することができる。
次に、シリコンウェハ601の上面に例えばポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol:PVA)などの水溶性ポリマーを塗布することで、図6Bに示すようにシリコンウェハ601上に離型層602が形成された状態とする(ステップS2)。
次に、スピンコータ等により、離型層602上にN‐メチルピロリドン等の溶媒に溶解させた可溶性ポリイミドを塗布することで、図6Cに示すように離型層602上にポリイミド層603が形成された状態とする(ステップS3)。本実施の形態では、ポリイミド層603を厚さ0.5[mm]程度に形成した。
次に、スピンコータ等により、ポリイミド層603上にフォトレジストを塗布することで、図6Dに示すようにポリイミド層603上にフォトレジスト層604を形成された状態とする(ステップS4)。
次に、公知のフォトリソグラフィ技術により、図6Eに示すようにフォトレジスト層604に板状部材31の平面形状に対応するパタンが形成された状態とする(ステップS5)。
次に、図6Fに示すように、パターニングされたフォトレジスト層604をマスクとしてポリイミド層603がエッチング加工された状態とする(ステップS6)。このエッチングでは、例えば、リアクティブイオンエッチングなどの直線性のよいドライエッチング方法により行い、エッチング箇所において離型層602の表面を露出させる。これにより、マスクされていないポリイミド層603には、第1の孔311aまたは第2の孔312aに対応する孔603aが形成される。なお、本実施の形態では、第1の孔311aの断面形状を六角形状とする場合を例に説明するが、このようなフォトリソグラフィ技術を用いることにより、その断面形状は六角形に限定されず、各種形状を実現することができる。例えば、本実施の形態のような六角形セルを敷き詰めたハニカム状パタン、三角形セルを敷き詰めたカゴメ状パタン、正方形セルを敷き詰めた格子状パタンなど、各種形状を実現することができる。
次に、図6Gに示すように、フォトレジスト層604が除去された状態とする(ステップS7)。これにより、シリコンウェハ601上には、板状部材31となるポリイミド層603が露出することとなる。このとき、図6Aで示したように大型のシリコンウェハ601を用いた場合には、図6Gに示すように、シリコンウェハ601上に複数の板状部材31となるポリイミド層603が形成されることとなる。
次に、離型層602およびパターニングされたポリイミド層603を備えたシリコンウェハ601を純水等でリンスすることにより、離型層602が除去された状態とする(ステップS9)。そして、シリコンウェハ601からポリイミド層603を剥離することにより、このポリイミド層603からなる板状部材31を取得する(ステップS9)。
このような方法により、スタック3を構成する所定枚数の板状部材31を生成すると、ポリイミドからなるピンを各板状部材31に設けられた位置合わせ用の第2の孔312aに貫通させることにより、それらの板状部材31を整列させた状態で積層する(ステップS10)。これにより、第1の孔311aから構成される貫通孔32が板状部材31の中央部311に稠密に形成されたポリイミドからなるスタック3を生成することができる。
これにより、設計通りの微細な孔径を有する第1の孔311aが稠密に形成された中央部311と、設計通りの面積を有する外周部312とを備えた板状部材31から構成されるスタック3を生成することができる。このようなスタック3を生成することにより、高温熱源から低温熱源へと流れる熱流が、中央部311と外周部312とで均等に流れるので、その熱流が外周部312を貫通熱として直接伝わって、熱エネルギーから作業流体10の振動エネルギーへの変換に対して熱損失となるのを防ぐことができる。結果として、臨界温度勾配を達成するのに必要な高温側熱交換器の温度を低くすることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、貫通孔32を構成する複数の第1の孔311aが形成された板状部材31を熱伝導率が10[W/m・K]未満の材料から構成することにより、スタック3の長さを短くしても温度勾配をスケーリング(比例縮小)することが可能となるので、臨界温度勾配を達成するのに必要な高温側熱交換器の温度を低くすることができる。結果として、小型化に伴って必要となるより高い周波数での自励振動を温度差が低い場合にも実現することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る熱音響装置用スタックの製造方法ついて説明する。なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と同等の構成要素については、同じ名称および符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施の形態では、シリコン基板上に周期的な凹凸を有する構造体を形成し、この構造体を鋳型(以下、「モールド」という。)として用いることにより、長方形の断面形状を有する第1の孔311a’を備えた板状部材31’を形成するものである。モールドの大きさは、熱音響装置の大きさにより任意のものを設計し、標準的なシリコンプロセスにより作成される。その詳細について、図8を参照して説明する。なお、本実施の形態では、シリコン基板からモールドを形成する場合を例に説明するが、そのモールドを形成する材料はシリコンに限定されず、例えば金属など各種材料を用いることができることは言うまでない。また、以下においては、凹凸のアスペクト比が1、ハーフピッチが1[mm]、構造体の1辺の長さが0.5[mm]、構造体の形状が正方形の場合を例に説明するが、これらの値は熱音響装置の寸法に依存するものであって、最適形状や最適値を設計することにより適宜設定される。
まず、図9Aに示すように、シリコン基板901を用意する(ステップS11)。用意したシリコン基板901は、RCA洗浄法などの化学的洗浄法によって表面の自然酸化膜を除去した状態、すなわち表面疎水性にした状態からUVオゾン暴露により表面を親水化した状態とされている。本実施の形態においては、シリコン基板901として、厚さ2[mm]のものを用意した。
次に、スピンコータ等により、シリコン基板901上にフォトレジストを塗布することで、図9Bに示すようにシリコン基板901上にフォトレジスト層902を形成された状態とする(ステップS12)。
次に、公知のフォトリソグラフィ技術により、図9Cに示すようにフォトレジスト層902に板状部材31’の平面形状に対応するパタンが形成された状態とする(ステップS13)。
次に、図9Dに示すように、パターニングされたフォトレジスト層902をマスクとしてシリコン基板901がエッチング加工された状態とする(ステップS14)。このエッチングでは、例えば、リアクティブイオンエッチングなどの直線性のよいドライエッチングにより行い、シリコン基板901に第1の孔311aや第2の孔312aを形成するための溝901aを形成する。なお、シリコン基板901の替わりに金属板を用いた場合には、金属腐食剤を用いたウェットエッチングによりその金属板をエッチングすればよい。
ここで、シリコン基板901をウェットエッチングする場合には、(110)面のシリコン基板に対して、異方性エッチング溶液として水酸化カリウム(KOH)を主体としたエッチング液を用いる。この場合、パターニングした熱酸化膜(SiO2)をマスクとして用いる。このようにすることで(111)側面を持つ深い溝を形成できる。ここで異方性エッチング溶液は、イソプロピルアルコールを混合した水酸化カリウム(KOH)水溶液である。KOHを用いる場合、マスク材であるSiO2もエッチングされてしまうが、KOHによるSiとSiO2との選択比がおよそ100:1であることを考慮して、SiO2マスクパタンの膜厚を設計し、熱酸化時間を調節して必要なマスク厚の熱酸化膜を形成しておけば、マスク材がエッチングされるのを防ぐことができる。なお、マスクとして用いたSiO2は、HF(フッ酸)により除去できる。
次に、図9Eに示すように、フォトレジスト層902が除去された状態とする(ステップS15)。これにより、上面に溝901aが形成された板状部材31’を生成するためのモールドが生成されることとなる。なお、本実施の形態では、一例として、第1の孔311aの断面形状を長方形とした場合について説明する。したがって、溝901aは、図9Eに示すように格子状の平面形状を有している。
次に、モールドとして機能するシリコン基板901の上面をUVオゾン暴露により表面を親水化して蒸留水で洗浄した後、例えばディップコートにより、シリコン基板901の上面に例えばポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol:PVA)などの水溶性ポリマーを塗布することで、図9Fに示すようにシリコン基板901上に離型層903が形成された状態とする(ステップS16)。ここで、離型層903の厚さは、寸法制御の観点からシリコン基板901の溝901aが形成する凹凸の大きさの10分の1以下が望ましい。その厚さは、ディップコートの引き上げ速度やPVAのモル濃度を調節することにより調節することができる。
次に、離型層903上に、例えばディップコートにより、N−メチルピロリドン等の溶媒に溶解させた可溶性ポリイミドを塗布し、その溶媒を蒸発させることで、図9Gに示すように離型層903上にポリイミド層904が形成された状態とする(ステップS17)。ここで、ポリイミド層904は、その上面の高さが溝901aの上端を超えないように形成される。
次に、離型層903およびポリイミド層904が形成されたシリコン基板901を蒸留水に浸漬することにより、離型層903を除去し、図9Hに示すようにポリイミド層904がシリコン基板901から剥離された状態とする(ステップS18)。これにより、そのポリイミド層904から構成される板状部材31を取得する。
このようなポリイミド層904からなる板状部材31の生成は、スタック3を構成する板状部材31の必要枚数が取得されるまで、上述したステップS16〜S18を繰り返すことにより行われる。ステップS16〜S18によるポリイミド層904の作成プロセスでは、モールドとして機能するシリコン基板901が損傷しないので、同じモールドを繰り返し使用することができる。
板状部材31が所定枚数生成されると(ステップS19:YES)、例えば筒状カッターなどを用いて孔の位置合わせを行いながら動径方向の大きさを調節した後、ポリイミドからなるピンを各板状部材31に設けられた位置合わせ用の第2の孔312aに貫通させることにより、それらの板状部材31を整列させた状態で積層する(ステップS20)。これにより、設計通りの微細な口径を有する第1の孔311a’から構成される貫通孔が板状部材31の中央部311に稠密に形成されたポリイミドからなるスタック3を生成することができる。
このような方法によりスタック3を構成する板状部材31’を生成することによっても、上述した第1の実施の形態と同等の作用効果を実現することができる。
なお、第1,第2の実施の形態では、第1の孔311aが正六角形または長方形の平面形状を有する場合を例に説明したが、その平面形状はそれらに限定されず、適宜自由に設定することができる。例えば、円形、楕円形、正三角形、正方形、正五角形などにしてもよい。ここで、平面形状を多角形にする場合には、各辺の長さは同一でなくてもよい。また、第1の孔311aの平面形状は、全て同一でなくてもよい。そのように、平面形状を適宜設定して、多数の第1の孔311aを設けることにより、その貫通孔311の内壁面を多数形成できるので、エネルギー変換効率を向上させることができる。
また、第1,第2の実施の形態では、板状部材31の平面形状が略円形の場合を例に説明したが、その平面形状は略円形に限定されず、例えば矩形や楕円形など適宜自由に設定することができる。
また、第1,第2の実施の形態では、各板状部材31、31’が同一の厚さを有する場合を例に説明したが、その厚さが異なるようにしてもよい。
本発明は、熱音響装置に適用することができる。
1…熱音響エンジン、2…管、3…スタック、4…高温側熱交換器、5…低温側熱交換器、6…高温熱源、7…低温熱源、31,31’…板状部材、32…貫通孔、311…中央部、311a,311a’…第1の孔、312…外周部、312a…第2の孔、601…シリコンウェハ、602…離型層、603…ポリイミド層、603a…孔、604…フォトレジスト層、901…シリコン基板、901a…溝、902…フォトレジスト層、903…離型層、904…ポリイミド層。

Claims (7)

  1. 一方向に沿った複数の貫通孔を備え、管の内部に作業流体とともに配置され、前記作業流体の熱音響自励振動によって前記貫通孔に沿って流れる熱エネルギーと前記管内の作業流体の振動エネルギーとを変換する熱音響装置用スタックであって、
    高温側熱交換器と低温側熱交換器により与えられる温度勾配により前記一方向に沿って流れる熱流のうち直接熱伝導による寄与が熱伝達による寄与以下となり、かつ、温度勾配が前記熱音響自励振動が起こる臨界値を超えた上でより短いスタック長に積層された同一材料からなる複数の板状部材からなり、
    前記板状部材のそれぞれは、互いに積層されて前記貫通孔を形成する複数の第1の孔が形成された中央部を備え、
    前記板状部材は、熱伝導率が10[W/m・K]未満の材料から構成される
    ことを特徴とする熱音響装置用スタック。
  2. 前記板状部材は、ポリイミドおよびガラスの一方から構成される
    ことを特徴とする請求項1記載の熱音響装置用スタック。
  3. 前記板状部材は、前記中央部の周囲に設けられ前記第1の孔が形成されていない外周部の面積の割合が前記板状部材の面積の20%以下である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の熱音響装置用スタック。
  4. 前記板状部材の前記第1の孔が形成されていない外周部は、隣接する前記板状部材との位置合わせに用いられる第2の孔を備える
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱音響装置用スタック。
  5. 前記貫通孔は、正六角形、正三角形、正方形、および、長方形のうち何れか1つの断面形状を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱音響装置用スタック。
  6. 一方向に沿った複数の貫通孔を備え、管の内部に作業流体とともに配置され、前記作業流体の熱音響自励振動によって前記貫通孔に沿って流れる熱エネルギーと前記管内の作業流体の振動エネルギーとを変換する熱音響装置用スタックの製造方法であって、
    基板上に、熱伝導率が10[W/m・K]未満の材料からなる第1の層を形成する第1のステップと、
    前記第1の層上にフォトレジスト層を形成する第2のステップと、
    前記フォトレジスト層をパターニングしてマスクを形成する第3のステップと、
    前記マスクを用いたドライエッチングにより、前記第1の層に複数の第1の孔および位置合わせ用の第2の孔を形成する第4のステップと、
    前記パタンを除去する第5のステップと、
    前記基板上から前記第1の層を剥離することにより、この第1の層からなり、中央部に前記貫通孔を構成する第1の孔が複数形成され、前記中央部の外周部に前記第2の孔が形成された板状部材を生成する第6のステップと、
    前記第2の孔にピンを挿入しながら、高温側熱交換器と低温側熱交換器により与えられる温度勾配により前記一方向に沿って流れる熱流のうち直接熱伝導による寄与が熱伝達による寄与以下となり、かつ、温度勾配が前記熱音響自励振動が起こる臨界値を超えた上でより短いスタック長に複数の前記板状部材を積層する第7のステップと
    を有することを特徴とする熱音響装置用スタックの製造方法。
  7. 一方向に沿った複数の貫通孔を備え、管の内部に作業流体とともに配置され、前記作業流体の熱音響自励振動によって前記貫通孔に沿って流れる熱エネルギーと前記管内の作業流体の振動エネルギーとを変換する熱音響装置用スタックの製造方法であって、
    基板上にフォトレジスト層を形成する第1のステップと、
    前記フォトレジスト層をパターニングしてマスクを形成する第2のステップと、
    前記マスクを用いて前記基板上に、中央部に前記貫通孔を構成する第1の孔が複数形成され、前記中央部の外周部に前記第2の孔が形成された板状部材を生成するための鋳型を形成する第3のステップと、
    前記鋳型に熱伝導率が10[W/m・K]未満の材料が溶解している溶液を流し込むことより、鋳型内に第1の層を形成する第4のステップと、
    前記鋳型から前記第1の層を剥離することにより、この第1の層からなる前記板状部材を生成する第5のステップと、
    前記第2の孔にピンを挿入しながら複数の前記板状部材を積層する第6のステップと
    を有することを特徴とする熱音響装置用スタックの製造方法。
JP2011108360A 2011-05-13 2011-05-13 熱音響装置用スタックおよび熱音響装置用スタックの製造方法 Expired - Fee Related JP5700545B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011108360A JP5700545B2 (ja) 2011-05-13 2011-05-13 熱音響装置用スタックおよび熱音響装置用スタックの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011108360A JP5700545B2 (ja) 2011-05-13 2011-05-13 熱音響装置用スタックおよび熱音響装置用スタックの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012237289A JP2012237289A (ja) 2012-12-06
JP5700545B2 true JP5700545B2 (ja) 2015-04-15

Family

ID=47460388

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011108360A Expired - Fee Related JP5700545B2 (ja) 2011-05-13 2011-05-13 熱音響装置用スタックおよび熱音響装置用スタックの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5700545B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6205936B2 (ja) * 2013-07-19 2017-10-04 いすゞ自動車株式会社 蓄熱器
JP6376895B2 (ja) * 2014-08-19 2018-08-22 東邦瓦斯株式会社 熱音響装置
JP6291392B2 (ja) 2014-09-30 2018-03-14 日本碍子株式会社 熱・音波変換部品および熱・音波変換ユニット
JP6348404B2 (ja) 2014-11-11 2018-06-27 日本碍子株式会社 熱・音波変換部品および熱・音波変換ユニット
KR101932700B1 (ko) * 2017-06-13 2019-03-20 한국기계연구원 초음파 냉각 장치 및 그 제조 방법

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2731140B2 (ja) * 1996-02-08 1998-03-25 株式会社移動体通信先端技術研究所 再生式熱交換器
JP2004028389A (ja) * 2002-06-24 2004-01-29 Sanyo Electric Co Ltd 音響冷却装置、温度勾配発生ユニット及びその製造方法
JP2006002598A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Toyota Motor Corp 熱音響エンジン
JP4515207B2 (ja) * 2004-09-17 2010-07-28 セイコーインスツル株式会社 型の製造方法とその型を用いて製造された部品
JP2008249223A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Doshisha スタック及びその製造方法
JP2010199429A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Fujifilm Corp プラズマエッチング方法及びプラズマエッチング装置並びに液体吐出ヘッドの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012237289A (ja) 2012-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5616287B2 (ja) 熱音響装置用スタックおよび熱音響装置用スタックの製造方法
JP5700545B2 (ja) 熱音響装置用スタックおよび熱音響装置用スタックの製造方法
JP7206339B2 (ja) ナノ設計多孔性網目構造材料を使用し、エネルギー変換器として固体デバイスを使用する前平衡システムおよび方法
JP2012202586A (ja) 熱音響装置用スタックおよび熱音響装置用スタックの製造方法
JPH11513477A (ja) 超小型スターリング・サイクル・低温クーラーおよびエンジン
US9862151B1 (en) Hollow porous materials with architected fluid interfaces for reduced overall pressure loss
US9051175B2 (en) Bulk nano-ribbon and/or nano-porous structures for thermoelectric devices and methods for making the same
JP4958910B2 (ja) 熱音響装置
US20070261839A1 (en) Heat Exchanger and Thermoacoustic Device Using The Same
WO2012068426A2 (en) Arrays of long nanostructures in semiconductor materials and method thereof
CN106604607B (zh) 一种无吸液芯超薄热管装置
WO2006073007A1 (ja) 熱音響装置
JP6694874B2 (ja) アディティブ製造された熱交換器を含んだクライオクーラー
WO2018089432A1 (en) Method and device for spreading high heat fluxes in thermal ground planes
JP2012047440A (ja) スタック及びその製造方法並びにそのスタックを用いた熱音響装置
US10746478B2 (en) Silicon biporous wick for high heat flux heat spreaders
JP2008249223A (ja) スタック及びその製造方法
JP2019190718A (ja) 熱音響装置
US7832462B2 (en) Thermal energy transfer device
JPWO2019102564A1 (ja) 熱音響エンジン
JP2012229892A (ja) 熱音響装置用スタックおよび熱音響装置用スタックの製造方法
CN113275569A (zh) 一种用于液膜沸腾的复合微腔梯度多孔表面及其制备方法
US10495072B2 (en) Thermoacoustic energy converting element part, thermoacoustic energy converter, and method of manufacturing thermoacoustic energy converting element part
JP2009194309A (ja) 熱電モジュール
So et al. Nanowire-integrated microporous silicon membrane for continuous fluid transport in micro cooling device

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130826

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140515

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140520

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140722

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150210

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5700545

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees