JP5699827B2 - 接着剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、高飽和ニトリルゴムのラテックスを含有してなる接着剤組成物に関する。
ゴムと繊維との複合体は、ベルトやゴムホース、ダイヤフラムなどの多くの分野で使用されている。ベルトの分野では、自動車用タイミングベルト、ポリリブドベルト、ラップドベルト、Vベルト等があり、通常、織布状の基布とゴムとの複合体で構成されている。例えば、Vベルトでは、ベルトの周囲を帆布で保護しており、歯形ベルトでは、歯部に被覆布が積層されている。
ゴムとしては、従来、耐油性ゴムであるクロロプレンゴムやアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムが主として用いられてきたが、近年、自動車の排ガス規制対策、自動車の軽量化のためのエンジンルームの小型化、騒音対策のためのエンジンルームの密閉化等に対応して、高度の耐熱性が要求されるようになったため、耐熱性と耐油性とを兼ね備えた高飽和ニトリルゴムが使用されるようになってきている。
ところで、タイミングベルトを例にとると、歯部はナイロンの基布で保護されているが、ゴムと基布との接着力を高め、かつ、ベルトと歯車との噛み合いによる摩耗を抑制するため、一般に、基布には、溶剤系のゴム糊による処理が施されている。しかし、最近では、有機溶剤による環境汚染をなくすために、溶剤系のゴム糊による処理にかわる水系の接着剤による処理技術が望まれている。
このような水系の接着剤による処理技術として、特許文献1には、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴムラテックスとレゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂とを含む接着剤組成物が開示されている。しかしながら、自動車のエンジンルームの高性能化への要求がますます厳しくなり、更に接着性および耐熱性が改善された接着剤組成物が求められていた。
特開平6−286015号公報
本発明の目的は、接着性および耐熱性が改善された接着剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定の単量体単位を特定量有する高飽和ニトリルゴムのラテックスと、硬化剤とを含有し、無機充填材の含有量が特定量以下の接着剤組成物を用いることにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位20〜55重量%、共役ジエン単量体単位25〜77重量%、および窒素原子含有芳香族ビニル単量体単位3〜20重量%を有し、ヨウ素価が120以下である高飽和ニトリルゴム(A)のラテックス、ならびに、硬化剤(B)を含有し、かつ、無機充填材を、高飽和ニトリルゴム(A)100重量部に対して、0〜0.1重量部(0重量部を含む)含有する接着剤組成物が提供される
また、本発明で用いる硬化剤(B)は、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂またはマレイミド化合物であることが好ましい。
そして、好ましくは、上記高飽和ニトリルゴム(A)が、カルボキシル基含有単量体単位0〜0.1重量%(0重量%を含む)を有するものである。
さらに、本発明によれば、繊維基材と高飽和ニトリルゴムを、上記の接着剤組成物で接着してなる繊維基材−高飽和ニトリルゴム複合体が提供される。
本発明により、接着性および耐熱性が改善された接着剤組成物が提供される。
本発明の接着剤組成物は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位20〜55重量%、共役ジエン単量体単位25〜77重量%、および芳香族ビニル単量体単位3〜20重量%を有し、ヨウ素価が120以下である高飽和ニトリルゴム(A)のラテックス、ならびに、硬化剤(B)を含有し、かつ、無機充填材を、高飽和ニトリルゴム(A)100重量部に対して、0〜0.1重量部含有する。
高飽和ニトリルゴム(A)
本発明で用いる高飽和ニトリルゴム(A)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、芳香族ビニル単量体、共役ジエン単量体および必要に応じて加えられる、上記各単量体と共重合可能な単量体を共重合する工程を経て得られる、ヨウ素価が120以下のゴムである。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、ニトリル基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物であれば特に限定されず、たとえば、アクリロニトリル;α−クロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリルなどのα−ハロゲノアクリロニトリル;メタクリロニトリルなどのα−アルキルアクリロニトリル;などが挙げられる。これらのなかでも、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが好ましく、アクリロニトリルが特に好ましい。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体は、一種単独でも、複数種を併用してもよい。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量は、高飽和ニトリルゴム(A)を構成する全単量体単位に対して、20〜55重量%、好ましくは25〜50重量%、さらに好ましくは25〜40重量%である。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量が少なすぎると、得られる硬化接着層(本発明の接着剤組成物を用いて接着した後に形成される、接着剤組成物が硬化した層)の耐油性が低下するおそれがあり、逆に、多すぎると耐寒性が低下する可能性がある。
芳香族ビニル単量体としては、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等の窒素原子含有芳香族ビニル単量体;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン類;ビニルナフタレン等のビニル基含有ナフタレン類;などが挙げられるが、接着性および耐熱性が改善された接着剤組成物が得られ易いことから、窒素原子含有芳香族ビニル単量体が好ましく、2−ビニルピリジンおよび4−ビニルピリジンがより好ましく、2−ビニルピリジンが特に好ましい。芳香族ビニル単量体は、一種単独でも、複数種を併用しても良い。
芳香族ビニル単量体単位の含有量は、高飽和ニトリルゴム(A)を構成する全単量体単位に対して、3〜20重量%、好ましくは3〜15重量%、特に好ましくは3〜10重量%である。芳香族ビニル単量体単位の含有量が少なすぎると、接着性および耐熱性が悪化し、逆に、多すぎると耐寒性が悪化する可能性がある。
本発明で用いる高飽和ニトリルゴム(A)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、および芳香族ビニル単量体とともに、得られる硬化接着層に柔軟性を付与するために共役ジエン単量体を共重合する。
共役ジエン単量体としては、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、および芳香族ビニル単量体と共重合可能なものであれば特に限定されず、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどの炭素数4〜6の共役ジエン単量体が好ましく、1,3−ブタジエンおよびイソプレンがより好ましく、1,3−ブタジエンが特に好ましい。共役ジエン単量体は一種単独でも、複数種を併用してもよい。
共役ジエン単量体単位の含有量は、高飽和ニトリルゴム(A)を構成する全単量体単位に対して、25〜77重量%、好ましくは35〜72重量%、さらに好ましくは50〜72重量%である。共役ジエン単量体単位の含有量が少なすぎると、得られる硬化接着層の柔軟性が低下するおそれがあり、逆に、多すぎると耐熱性や耐化学的安定性が損なわれる可能性がある。なお、上記共役ジエン単量体単位の含有量は、後述の共重合体の水素化を行った場合には、水素化された部分も含めた含有量である。
また、本発明で用いる高飽和ニトリルゴム(A)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、芳香族ビニル単量体、および共役ジエン単量体とともに、これらと共重合可能なその他の単量体を共重合したものであってもよい。このようなその他の単量体としては、エチレン;α−オレフィン単量体;フッ素含有ビニル単量体;α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体;共重合性老化防止剤;α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸単量体(無水物を含む)、およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体などのカルボキシル基含有単量体;などが挙げられる。
α−オレフィン単量体としては、炭素数が3〜12のものが好ましく、たとえば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。
フッ素含有ビニル単量体としては、たとえば、フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o−トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体としては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メトキシメチル、メタクリル酸メトキシエチル、などが挙げられる。
共重合性老化防止剤としては、たとえば、N−(4−アニリノフェニル)アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)シンナムアミド、N−(4−アニリノフェニル)クロトンアミド、 N−フェニル−4−(3−ビニルベンジルオキシ)アニリン、N−フェニル−4−(4−ビニルベンジルオキシ)アニリンなどが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸単量体(無水物を含む)としては、フマル酸やマレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体としては、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノn−ブチル、マレイン酸モノシクロペンチル、マレイン酸モノシクロヘキシル、フマル酸モノn−ブチル、シトラコン酸モノn−ブチル、シトラコン酸モノシクロペンチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノn−ブチルなどが挙げられる。
これらの共重合可能なその他の単量体は、一種単独で使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
カルボキシル基含有単量体以外の、その他の単量体の単位の含有量は、高飽和ニトリルゴム(A)を構成する全単量体単位に対して、好ましくは30重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。
一方、カルボキシル基含有単量体の場合は、本発明の効果がより一層顕著になることから、高飽和ニトリルゴム(A)を構成する全単量体単位に対して、カルボキシル基含有単量体単位の含有量が、好ましくは0〜0.1重量%、より好ましくは0重量%(カルボキシル基含有単量体単位を含まない)である。
高飽和ニトリルゴム(A)のヨウ素価は、120以下であり、好ましくは80以下、より好ましくは60以下、特に好ましくは40以下である。高飽和ニトリルゴム(A)のヨウ素価が高すぎると、得られる硬化接着層の耐熱性および耐オゾン性が低下するおそれがある。
高飽和ニトリルゴム(A)のポリマームーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは15〜250、より好ましくは20〜200、特に好ましくは30〜150である。高飽和ニトリルゴム(A)のポリマームーニー粘度が低すぎると、得られる硬化接着層の機械的強度が低下するおそれがあり、逆に、高すぎると、接着性が低下するおそれがある。
本発明の接着剤組成物に用いる高飽和ニトリルゴム(A)のラテックスは、上述の単量体を共重合し、必要に応じて、得られる共重合体中の炭素−炭素二重結合を従来公知の方法で水素化し、さらに必要に応じて乳化することによって得られる。
重合方法は、特に限定されず公知の重合法によればよいが、工業的生産性の観点から乳化重合法が好ましい。
水素化を行う場合の具体的な方法としては、(i)ラテックス状態の共重合体を水素化する方法、(ii)有機溶剤に溶解した共重合体を水素化した後に、転相乳化法によってラテックス状態にする方法、などが挙げられるが、生産性向上の観点から、上記(i)の方法が好ましい。
乳化重合の方法としては、従来公知の方法を採用すればよい。
重合に使用する乳化剤は、通常、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を使用できる。なかでもアニオン性界面活性剤が好ましく、その使用量に特に制限はないが、このラテックスから得られる接着剤組成物の接着力の観点から、全単量体100重量部に対して1〜10重量部、好ましくは2〜6重量部の範囲である。また、重合開始剤等も通常使用されているものでよい。
また、重合方式も特に限定されず、回分式、半回分式及び連続式のいずれでもよく、重合温度や圧力も制限されない。
本発明の接着剤組成物に用いる高飽和ニトリルゴム(A)のラテックスは、乳化重合で得られたニトリルゴムのラテックスを、水素化処理(水相水素化法)に付することによって得られるものが好ましい。
ニトリルゴム中の共役ジエン単量体単位の量が少なく、そのため、乳化重合により得られたニトリルゴムのヨウ素価が所望の数値以下である場合には、必ずしも、水素化を行なう必要はない。
なお、このようにして得られる高飽和ニトリルゴム(A)のラテックスの平均粒径は、好ましくは0.01〜0.5μmである。また、該ラテックスの固形分濃度は、凝集化を防止するため50重量%以下であることが好ましく、5〜50重量%であることが特に好ましい。
水相水素化法においては、乳化重合により調製したニトリルゴムのラテックスに、必要に応じて水を加えて希釈し、水素化触媒存在下で水素を供給して水素化反応を行なうのが好ましい。
水素化触媒は、水で分解しにくい化合物であれば特に限定されない。
その具体例として、パラジウム触媒としては、ギ酸、プロピオン酸、ラウリン酸、コハク酸、オレイン酸、フタル酸等のカルボン酸のパラジウム塩;塩化パラジウム、ジクロロ(シクロオクタジエン)パラジウム、ジクロロ(ノルボルナジエン)パラジウム、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸アンモニウム等のパラジウム塩素化物;ヨウ化パラジウム等のヨウ素化物;硫酸パラジウム・二水和物等が挙げられる。
これらの中でもカルボン酸のパラジウム塩、ジクロロ(ノルボルナジエン)パラジウム及びヘキサクロロパラジウム(IV)酸アンモニウムが特に好ましい。
水素化触媒の使用量は、適宜定めればよいが、ニトリルゴムに対し、好ましくは5〜6,000重量ppm、より好ましくは10〜4,000重量ppmである。
水相水素化法における反応温度は、好ましくは0〜300℃、より好ましくは20〜150℃、特に好ましくは30〜100℃である。
反応温度が低すぎると反応速度が低下するおそれがあり、逆に、高すぎるとニトリル基の水素添加等の副反応が起こる可能性がある。
水素圧力は、好ましくは0.1〜30MPa、より好ましくは0.5〜20MPaである。
反応時間は、好ましくは1〜15時間、特に好ましくは2〜10時間である。
本発明の接着剤組成物は、高飽和ニトリルゴム(A)のラテックスを含有してなる。
本発明の接着剤組成物における高飽和ニトリルゴム(A)の含有量は、好ましくは5〜60重量%、特に好ましくは10〜50重量%である。
硬化剤(B)
本発明の接着剤組成物は、硬化剤(B)を含有する。
硬化剤(B)としては、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂、マレイミド化合物、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂、1,4−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン等の有機過酸化物、p−キノンジオキシム等のキノンジオキシム、ラウリルメタクリレートやメチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアネート等のアリル化合物などが挙げられるが、本発明の効果がより一層顕著になることから、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂およびマレイミド化合物が好ましい。
硬化剤(B)は、高飽和ニトリルゴム(A)のラテックスの固形分100重量部に対して、好ましくは1〜100重量部、より好ましくは5〜60重量部の割合で使用される。この使用量が過度に多い場合は、得られる硬化接着層の柔軟性が低下する。また、過度に少ない場合は、接着性が低下する。
レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂は、公知のものが使用できる。レゾルシンとホルムアルデヒドとの反応比率は、通常、1:0.5〜1:5(モル比)、好ましくは1:0.8〜1:3(モル比)である。
なお、硬化剤(B)としてレゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂を用いる場合には、高飽和ニトリルゴム(A)100重量部に対して、5〜20重量部の割合で使用することが特に好ましい。
マレイミド化合物としては、分子内にマレイミド基を1個以上有する化合物であれば、特に限定されないが、接着性および耐熱性が改善された接着剤組成物が得られ易いことから、分子内にマレイミド基を1個および2個有する化合物が好ましく、分子内にマレイミド基を2個有する化合物が特に好ましい。
分子内にマレイミド基を1個有する化合物の具体例は、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の芳香族環を分子内に含有しない化合物;N−フェニルマレイミド、N−p−トリルマレイミド、N−m−トリルマレイミド、N−o−トリルマレイミド、N−p−キシリルマレイミド、N−m−キシリルマレイミド、N−o−キシリルマレイミド、N−p−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−m−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−o−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−α−ナフチルマレイミド、N−ベンジルマレイミド等の芳香族環を分子内に含有する化合物;が挙げられる。
分子内にマレイミド基を2個有する化合物の具体例は、N,N’−エチレンジマレイミド、N,N’−ヘキサメチレンジマレイミド、N,N’−ドデカメチレンジマレイミド、N,N’−オキシジプロピレンジマレイミド、エチレンジオキシ−ビス−N−プロピルマレイミド、オキシ−ビス−N−エチルマレイミド、1,3−ビス(4−マレイミドブチル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−マレイミドプロピル)テトラメチルジシロキサン等の芳香族環を分子内に含有しない化合物;N,N’−m−フェニレンジマレイミド、N,N’−p−フェニレンジマレイミド、N,N’−(オキシジ−p−フェニレン)ジマレイミド、N,N’−(メチレンジ−p−フェニレン)ジマレイミド、N,N’−2,4−トリレンジマレイミド、N,N’−2,6−トリレンジマレイミド、N,N’−m−キシリレンジマレイミド、N,N’−p−キシリレンジマレイミド、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−マレイミドフェニル)プロパン等の芳香族環を分子内に含有する化合物;が挙げられるが、本発明の効果がより一層顕著になることから、分子内に芳香族環を1個有する化合物が好ましく、N,N’−m−フェニレンジマレイミドおよびN,N’−p−フェニレンジマレイミドがより好ましく、N,N’−m−フェニレンジマレイミドが特に好ましい。
なお、硬化剤(B)としてマレイミド化合物を用いる場合には、高飽和ニトリルゴム(A)100重量部に対して、25〜55重量部の割合で使用することが特に好ましい。
無機充填材
本発明の接着剤組成物は、無機充填材の含有量が、高飽和ニトリルゴム(A)100重量部に対して、0〜0.1重量部であり、好ましくは0重量部(無機充填材を含有しない)である。無機充填材の含有量が上記範囲より多いと、得られる硬化接着層の柔軟性が低下し、また接着性が悪化するおそれがある。
無機充填材としては、炭酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スティブンサイト、マイカ、タルクなどが挙げられる。
繊維基材−高飽和ニトリルゴム複合体
本発明の接着剤組成物で接着して得られる複合体としては、例えば、繊維基材と高飽和ニトリルゴムからなる繊維基材−高飽和ニトリルゴム複合体を挙げることができる。
繊維基材−高飽和ニトリルゴム複合体の形態は、特に限定されないが、繊維基材と高飽和ニトリルゴムとを貼り合わせたもの、高飽和ニトリルゴムに繊維基材の一部又は全部を埋め込んだもの等を例示することができる。
繊維基材を構成する繊維の種類は、特に限定されず、その具体例としては、ポリエステル繊維、ナイロン、ビニロン繊維、アラミド(芳香族ポリアミド)等のポリアミド繊維、ガラス繊維、綿、レーヨン等が挙げられる。
繊維基材の形状は特に限定されず、その具体例としては、フィラメント、ステープル、コード状、ロープ状、織布(帆布等)等を挙げることができ、繊維基材−高飽和ニトリルゴム複合体の用途に応じて適宜選定される。例えば、繊維基材としてコード状のものを用いて芯線入りの高飽和ニトリルゴム製歯付きベルトとすることができ、また帆布等の基布状の繊維基材を用いて基布被覆高飽和ニトリルゴム製歯付きベルトとすることができる。
繊維基材−高飽和ニトリルゴム複合体に用いる高飽和ニトリルゴム(以下、高飽和ニトリルゴム(A)と区別するために、「高飽和ニトリルゴム(C)」という。)は、共役ジエンおよびα,β−エチレン性不飽和ニトリルを必須成分単量体とし、所望により、これらと共重合可能な単量体を共重合し、必要に応じて水素化して得た共重合体である。
共重合可能なその他の単量体としては、高飽和ニトリルゴム(A)の合成に用いられるものと同様のものを挙げることができる。
高飽和ニトリルゴム(C)の具体例としては、高飽和ブタジエン−アクリロニトリル共重合ゴム、カルボキシル基含有高飽和ブタジエン−アクリロニトリル共重合ゴム、高飽和イソプレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合ゴム、高飽和イソプレン−アクリロニトリル共重合ゴム、高飽和ブタジエン−アクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合ゴム、高飽和ブタジエン−アクリル酸−アクリロニトリル共重合ゴム、高飽和ブタジエン−エチレン−アクリロニトリル共重合ゴム等が挙げられる。
これらのうち、特に、自動車用途に用いられる繊維基材−高飽和ニトリルゴム複合体用の高飽和ニトリルゴム(C)としては、耐油性、耐熱性の観点から、高飽和ブタジエン−アクリロニトリル共重合ゴムが好ましい。
高飽和ニトリルゴム(C)の水素化率は、ヨウ素価で120以下、好ましくは100以下、より好ましくは50以下である。ヨウ素価が高すぎると、得られる繊維基材−高飽和ニトリルゴム複合体の耐熱性が低下するおそれがある。
高飽和ニトリルゴム(C)のアクリロニトリル単量体単位の含有量は、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは15〜50重量%、特に好ましくは20〜50重量%である。アクリロニトリル単量体単位の含有量が少なすぎると繊維基材−高飽和ニトリルゴム複合体の耐油性が劣るおそれがあり、逆に多すぎると耐寒性が低下する可能性がある。
また、高飽和ニトリルゴム(C)のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは10〜300、より好ましくは20〜250、特に好ましくは30〜200である。ムーニー粘度が小さすぎると成形加工性や機械的特性が低下するおそれがあり、大きすぎると成形加工性が低下する可能性がある。
高飽和ニトリルゴム(C)には、硫黄、過酸化物系架橋剤、ポリアミン架橋剤等の架橋剤のほか、ゴム加工に際して通常配合される、カーボンブラック、シリカ、短繊維等の補強剤;老化防止剤;可塑剤;顔料;粘着付与剤;加工助剤;スコーチ防止剤;等の配合剤を適宜添加することができる。
繊維基材−高飽和ニトリルゴム複合体を得る方法は特に限定されないが、例えば、浸漬処理等により本発明の接着剤組成物を付着させた繊維基材を高飽和ニトリルゴム(C)上に載置し、これを加熱及び加圧する方法を示すことができる。
加圧は圧縮(プレス)成形機、金属ロール、射出成形機等を用いて行なうことができる。
加圧の圧力は、好ましくは0.5〜20MPa、より好ましくは2〜10MPaであり、加熱の温度は、好ましくは130〜300℃、より好ましくは150〜250℃であり、操作時間は、好ましくは1〜180分、より好ましくは5〜120分である。
この方法により、高飽和ニトリルゴム(C)の加硫及び成形、並びに、繊維基材と高飽和ニトリルゴム(C)との間の接着を同時に行なうことができる。
圧縮機の型の内面やロールの表面には、目的とする繊維基材−高飽和ニトリルゴム複合体の高飽和ニトリルゴム(C)の所望の表面形状を実現する型を形成させておくとよい。
また、繊維基材−高飽和ニトリルゴムの一態様として、繊維基材−高飽和ニトリルゴム−繊維基材複合体を挙げることができる。
繊維基材−高飽和ニトリルゴム−繊維基材複合体は、例えば、繊維基材(2種以上の繊維基材の複合体であってもよい。)と繊維基材−高飽和ニトリルゴム複合体とを組み合わせてなる。
具体的には、繊維基材としての芯線、高飽和ニトリルゴム(C)および基布としての繊維基材を重ね(このとき、芯線及び基布には、本発明の接着剤組成物を適宜付着させておく)、加熱しながら加圧すればよい。
本発明の接着剤組成物で接着して得られる繊維基材−高飽和ニトリルゴム複合体は、繊維基材と高飽和ニトリルゴムとの接着が強固で、また、耐熱性にも優れる。
そのため、耐熱性自動車用接油部材として、特に、ベルトとしては、平ベルト、Vベルト、Vリブドベルト、丸ベルト、角ベルト、歯付ベルト等のベルト用に好適であり、油中ベルト用に特に適している。
また、本発明の接着剤組成物で接着して得られる繊維基材−高飽和ニトリルゴム複合体は、ホース、チューブ、ダイアフラム等にも好適に使用できる。
ホースとしては、単管ゴムホース、多層ゴムホース、編上式補強ホース、布巻式補強ホース等が挙げられる。ダイアフラムとしては、平形ダイアフラム、転動形ダイアフラム等が挙げられる。
本発明の接着剤組成物で接着して得られる繊維基材−高飽和ニトリルゴム複合体は、上記の用途以外にも、シール、ゴムロール等の工業用製品として用いることができる。シールとしては、回転用、揺動用、往復動等の運動部位シールと固定部位シールが挙げられる。運動部位シールとしては、オイルシール、ピストンシール、メカニカルシール、ブーツ、ダストカバー、ダイアフラム、アキュムレータ等が挙げられる。固定部位シールとしては、Oリング、各種ガスケット等が挙げられる。
ゴムロールとしては、印刷機器、コピー機器等のOA機器の部品であるロール;紡糸用延伸ロール、紡績用ドラフトロール等の繊維加工用ロール;ブライドルロール、スナバロール、ステアリングロール等の製鉄用ロール;等が挙げられる。
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明する。なお、以下において「部」は、特に断りのない限り、重量基準である。
また、試験および評価は、下記の方法で行なった。
高飽和ニトリルゴムラテックスに含まれるゴムの組成分析
高飽和ニトリルゴムラテックスに含まれる高飽和ニトリルゴムの各単量体単位の含有割合は、以下の方法により測定した。
まず、高飽和ニトリルゴムラテックスに過剰量のメタノールを添加し、析出したゴムを取り出し、さらにこれを数回メタノールで攪拌、洗浄して、減圧下60℃で24時間乾燥することにより、高飽和ニトリルゴムを得た。このようにして得られた高飽和ニトリルゴムを、H−NMR分析することにより各単量体単位の含有割合を求めた。
ヨウ素価
ヨウ素価は、上記ゴムの組成分析の場合と同様の方法で得られた高飽和ニトリルゴムを用いて、JIS K 6235に準じて測定した。
接着剤組成物の硬化膜の熱老化試験
縦23cm、横16cmのガラスの型枠内に、接着剤組成物を流し込み、20℃で96時間乾燥させた後、枠から剥がして厚さ0.5mmの膜を得た。この膜を、170℃で20分間熱処理して、接着剤組成物の硬化膜を得た。
次に、得られた硬化膜を、3号形ダンベルで打ち抜いて試験片を作製し、この試験片を用いて、300mm/分の引張速度で引張試験を行い、破断伸びEb(1)を測定した。
また、上記と同様にして作製した試験片(硬化膜を、3号形ダンベルで打ち抜いたもの)を空気循環式オーブンにて140℃で168時間加熱した後、上記と同様にして破断伸びEb(2)を測定し、熱による老化の度合いを下記式で計算して求めた。
((Eb(2)−Eb(1))/Eb(1))×100[%]
この値の絶対値が小さいほど熱による老化が少なく、耐熱性に優れる。
ゴム−繊維複合体の接着試験
接着剤組成物に、ナイロン66からなる基布(織布)を浸漬し、引き上げることにより、接着剤組成物を塗布した。この際、ナイロン66の基布100部に対して、接着剤組成物中のゴムが20部付着するようにした。
次に、接着剤組成物を塗布した基布を、空気循環式オーブンにて170℃で2分間加熱して、接着剤組成物で前処理した基布を得た。
次に、表1に記載の配合処方でバンバリーミキサーにより15分間混練して調整した架橋性高飽和ニトリルゴム組成物を、上記の前処理した基布(縦15cm、横15cmの平面状)に重ね、プレス機で5MPaの圧力をかけながら、170℃で30分間保持して架橋し、ナイロン66からなる基布と高飽和ニトリルゴムの複合体を得た。
この複合体について、JIS K6256に従い、高飽和ニトリルゴムと基布の剥離強度を測定した。
この剥離強度は接着剤組成物の接着性を表すものであり、以下の基準により、3段階で評価した。点数が高いほど接着性に優れる。
「3」 剥離強度が10N/mm以上
「2」 剥離強度が8N/mm以上 10N/mm未満
「1」 剥離強度が8N/mm未満
合成例1
反応器に、イオン交換水180部、濃度10重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液25.0部、アクリロニトリル34.0部、2−ビニルピリジン6.5部、およびt−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.5部の順に仕込み、内部の気体を窒素で3回置換した後、1,3−ブタジエン59.5部を仕込んだ。反応器を5℃に保ち、クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤)0.1部を仕込み、攪拌しながら重合反応を継続し、重合転化率が80%になった時点で、濃度10重量%のハイドロキノン水溶液(重合停止剤)0.1部を加えて重合反応を停止した。次いで、水温60℃のロータリーエバポレータを用いて残留単量体を除去し、ニトリルゴムラテックス(固形分濃度約30重量%)を得た。
そして、上記にて得られたニトリルゴムラテックスに含有されるゴムの乾燥重量に対するパラジウム含有量が700重量ppmになるように、オートクレーブ中に、ニトリルゴムラテックスおよびパラジウム触媒(1重量%酢酸パラジウムアセトン溶液と等重量のイオン交換水を混合した溶液)を添加して、水素圧3MPa、温度50℃で6時間水素添加反応を行い、固形分濃度を調整して高飽和ニトリルゴム(A1)のラテックス(L1)(固形分濃度30重量%)を得た。
高飽和ニトリルゴム(A1)の各単量体単位の含有割合は、アクリロニトリル単位33.2重量%、2−ビニルピリジン単位6.1重量%、1,3−ブタジエン単位(水素化された部分も含む)60.7重量%であった。また、ヨウ素価は28であった。
合成例2
合成例1において、2−ビニルピリジン6.5部を4.5部に、1,3−ブタジエン59.5部を61.5部に変更した以外は合成例1と同様にして高飽和ニトリルゴム(A2)のラテックス(L2)(固形分濃度30重量%)を得た。
高飽和ニトリルゴム(A2)の各単量体単位の含有割合は、アクリロニトリル単位33.3重量%、2−ビニルピリジン単位4.2重量%、1,3−ブタジエン単位(水素化された部分も含む)62.5重量%であった。また、ヨウ素価は30であった。
合成例3
合成例1において、2−ビニルピリジン6.5部を1.5部に、1,3−ブタジエン59.5部を64.5部に変更した以外は合成例1と同様にして高飽和ニトリルゴム(A3)のラテックス(L3)(固形分濃度30重量%)を得た。
高飽和ニトリルゴム(A3)の各単量体単位の含有割合は、アクリロニトリル単位33.3重量%、2−ビニルピリジン単位1.2重量%、1,3−ブタジエン単位(水素化された部分も含む)65.5重量%であった。また、ヨウ素価は25であった。
合成例4
合成例1において、2−ビニルピリジン6.5部をメタクリル酸4.0部に、1,3−ブタジエン59.5部を62.0部に変更した以外は合成例1と同様にして高飽和ニトリルゴム(A4)のラテックス(L4)(固形分濃度30重量%)を得た。
高飽和ニトリルゴム(A4)の各単量体単位の含有割合は、アクリロニトリル単位33.6重量%、メタクリル単位3.8重量%、1,3−ブタジエン単位(水素化された部分も含む)62.6重量%であった。また、ヨウ素価は29であった。
合成例5
合成例4において、メタクリル酸4.0部を6.5部に、1,3−ブタジエン62.0部を59.5部に変更した以外は合成例4と同様にして高飽和ニトリルゴム(A5)のラテックス(L5)(固形分濃度30重量%)を得た。
高飽和ニトリルゴム(A5)の各単量体単位の含有割合は、アクリロニトリル単位33.5重量%、メタクリル単位6.1重量%、1,3−ブタジエン単位(水素化された部分も含む)60.4重量%であった。また、ヨウ素価は25であった。
合成例6
合成例1において、2−ビニルピリジンを使用せず、アクリロニトリル34.0部を37.0部に、1,3−ブタジエン59.5部を53.0部に変更した以外は合成例1と同様にして高飽和ニトリルゴム(A6)のラテックス(L6)(固形分濃度30重量%)を得た。
高飽和ニトリルゴム(A6)の各単量体単位の含有割合は、アクリロニトリル単位36.4重量%、1,3−ブタジエン単位(水素化された部分も含む)63.6重量%であった。また、ヨウ素価は32であった。
実施例1
レゾルシン11部、ホルマリン(ホルムアルデヒドの濃度37重量%水溶液)8.1部、水酸化ナトリウム(濃度10重量%水溶液)3部を蒸留水194部に溶解し攪拌後、室温で20時間静置し、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂液(RF液)を得た。
ラテックス(L1)(固形分濃度30重量%)333.3部に、RF液(濃度6.5重量%)153.8部、及び蒸留水68.9部を添加し、攪拌して、接着剤組成物(LS1)を得た。なお、接着剤組成物(LS1)は、無機充填材を含有していなかった。
この接着剤組成物(LS1)につき、上記試験を行った結果を表2に示す。
実施例2
ラテックス(L1)333.3部に、N,N’−m−フェニレンジマレイミド(商品名「HVA−2」デュポン社製、硬化剤)の水分散体100部(N,N’−m−フェニレンジマレイミドは50部)を添加し、攪拌して、接着剤組成物(LS2)を得た。
なお、接着剤組成物(LS2)は、無機充填材を含有していなかった。
この接着剤組成物(LS2)につき、上記試験を行った結果を表2に示す。
実施例3
ラテックス(L1)に代えて、ラテックス(L2)を用いた以外は実施例1と同様にして、接着剤組成物(LS3)を得た。なお、接着剤組成物(LS3)は、無機充填材を含有していなかった。
この接着剤組成物(LS3)につき、上記試験を行った結果を表2に示す。
比較例1
ラテックス(L1)に代えて、ラテックス(L3)を用いた以外は実施例1と同様にして、接着剤組成物(LC1)を得た。なお、接着剤組成物(LC1)は、無機充填材を含有していなかった。
この接着剤組成物(LC1)につき、上記試験を行った結果を表2に示す。
比較例2
ラテックス(L1)に代えて、ラテックス(L4)を用いた以外は実施例1と同様にして、接着剤組成物(LC2)を得た。なお、接着剤組成物(LC2)は、無機充填材を含有していなかった。
この接着剤組成物(LC2)につき、上記試験を行った結果を表2に示す。
比較例3
ラテックス(L1)に代えて、ラテックス(L5)を用いた以外は実施例1と同様にして、接着剤組成物(LC3)を得た。なお、接着剤組成物(LC3)は、無機充填材を含有していなかった。
この接着剤組成物(LC3)につき、上記試験を行った結果を表2に示す。
比較例4
ラテックス(L1)に代えて、ラテックス(L6)を用いた以外は実施例1と同様にして、接着剤組成物(LC4)を得た。なお、接着剤組成物(LC4)は、無機充填材を含有していなかった。
この接着剤組成物(LC4)につき、上記試験を行った結果を表2に示す。
Figure 0005699827
Figure 0005699827
表2より、アクリロニトリル単位、1,3−ブタジエン単位および2−ビニルピリジン単位を本願で規定する範囲で含有する高飽和ニトリルゴムのラテックスと、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂またはN,N’−m−フェニレンジマレイミドを硬化剤として含有し、無機充填材の含有量が本願で規定する範囲の接着剤組成物は、耐熱性および接着性に優れるものであった。
一方、高飽和ニトリルゴムが2−ビニルピリジン単位は含有するものの、本願で規定する範囲より小さい場合には、耐熱性および接着性に劣っていた(比較例1)。
また、高飽和ニトリルゴムが2−ビニルピリジン単位を含有せず、メタクリル酸単位を含有する場合には、接着性は良好であるが、耐熱性が劣っていた(比較例2、比較例3)。
さらに、高飽和ニトリルゴムが、アクリロニトリル単位および1,3−ブタジエン単位のみを含有する場合にも、耐熱性および接着性に劣っていた(比較例4)。

Claims (4)

  1. α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位20〜55重量%、共役ジエン単量体単位25〜77重量%、および窒素原子含有芳香族ビニル単量体単位3〜20重量%を有し、ヨウ素価が120以下である高飽和ニトリルゴム(A)のラテックス、ならびに、
    硬化剤(B)を含有し、かつ、無機充填材を、高飽和ニトリルゴム(A)100重量部に対して、0〜0.1重量部(0重量部を含む)含有する接着剤組成物。
  2. 前記硬化剤(B)が、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂またはマレイミド化合物である請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 前記高飽和ニトリルゴム(A)が、カルボキシル基含有単量体単位を0〜0.1重量%(0重量%を含む)含有することを特徴とする請求項1または2に記載の接着剤組成物。
  4. 繊維基材と高飽和ニトリルゴムを、請求項1〜のいずれか1項に記載の接着剤組成物で接着してなる繊維基材−高飽和ニトリルゴム複合体。
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