JP5698937B2 - フクロウ用巣箱 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1では、表皮を付けたままの自然丸木をくりぬいて巣箱本体が形成されている。出入り口は、巣箱本体の上部をくりぬいて円形に形成されている。従来は、特許文献1のような一般の野鳥用の巣箱を、フクロウに適した大きさに形成して山林に設置することにより、フクロウに営巣場所を提供していた。
ところで、フクロウは眼球が眼窩に固定されているため、眼球を動かすことができない。このため、フクロウは、候補となる営巣場所の出入り口から、頭部を内部の奥深くまで突っ込んで、営巣場所の安全性や居住性を確認する必要がある。
ところで、フクロウの抱卵時の体高は、一般に250mmから300mm程度である。また、フクロウ用巣箱の内側底面には、わらや小枝等により産座が50mm程度形成されている。そのため、抱卵時にフクロウの頭頂部は、フクロウ用巣箱の内側底面より300mmから350mm程度の範囲に配置される。本発明によれば、フクロウ用巣箱の内側底面から開口部の下端開口縁部までの高さが、300mm以上400mm以下の範囲にある。このため、抱卵時にフクロウの頭頂部は、開口部の下端開口縁部の近傍もしくは下端開口縁部の下方に配置される。これにより、抱卵時のフクロウは、フクロウ用巣箱の外部から視認されにくいため、外敵に見つかりにくくなる。したがって、フクロウは快適に営巣および繁殖することができる。
また、抱卵時のフクロウがフクロウ用巣箱の外部を確認したいときには、体を伸長させて開口部の下端開口縁部の上方に頭部を飛び出させ、開口部から外部を覗き見ようとする。ここで、フクロウは体を50mmから80mm程度伸長することができる。そのため、フクロウが抱卵しつつ体を伸長させた時に、フクロウの体高は300mmから380mm程度になる。そして、体を伸長させた時のフクロウの頭頂部は、産座の高さ50mm程度を含めると、フクロウ用巣箱の内側底面より350mmから430mmの範囲に配置される。また、フクロウの頭頂部から目の中心までの距離は45mmから60mm程度であるため、フクロウの目は、フクロウ用巣箱の内側底面より290mmから385mmの範囲に配置される。このように、フクロウは体を伸長させるだけで、開口部から目を出し、フクロウ用巣箱の外部を簡単に確認できる。したがって、フクロウは快適に営巣および繁殖することができる。
一般にフクロウの足爪は、薄い板材よりも棒状の止まり木のほうを把持しやすい。本発明によれば、下端開口縁部は、側面を構成する板材の板厚よりも大きい直径を有する止まり木によって形成されている。したがって、フクロウは足爪で棒状の止まり木を強固に把持し、さらに安定した足場を確保することができる。これにより、フクロウは足場を気にせず頭部を奥深くまで突っ込んで、候補となる営巣場所の内部を十分に確認することができるので、確実にフクロウの営巣を誘引できる。
本発明によれば、フクロウ用巣箱の内側底面にたまったフクロウの糞や食べかす等のゴミを簡単に掃除することができる。したがって、フクロウ用巣箱の整備が簡単にできるので、フクロウが快適に営巣および繁殖できる環境を提供することができる。
ところで、フクロウの抱卵時の体高は、一般に250mmから300mm程度である。また、フクロウ用巣箱の内側底面には、わらや小枝等により産座が50mm程度形成されている。そのため、抱卵時にフクロウの頭頂部は、フクロウ用巣箱の内側底面より300mmから350mm程度の範囲に配置される。本発明によれば、フクロウ用巣箱の内側底面から開口部の下端開口縁部までの高さが、300mm以上400mm以下の範囲にある。このため、抱卵時にフクロウの頭頂部は、開口部の下端開口縁部の近傍もしくは下端開口縁部の下方に配置される。これにより、抱卵時のフクロウは、フクロウ用巣箱の外部から視認されにくいため、外敵に見つかりにくくなる。したがって、フクロウは快適に営巣および繁殖することができる。
また、抱卵時のフクロウがフクロウ用巣箱の外部を確認したいときには、体を伸長させて開口部の下端開口縁部の上方に頭部を飛び出させ、開口部から外部を覗き見ようとする。ここで、フクロウは体を50mmから80mm程度伸長することができる。そのため、フクロウが抱卵しつつ体を伸長させた時に、フクロウの体高は300mmから380mm程度になる。そして、体を伸長させた時のフクロウの頭頂部は、産座の高さ50mm程度を含めると、フクロウ用巣箱の内側底面より350mmから430mmの範囲に配置される。また、フクロウの頭頂部から目の中心までの距離は45mmから60mm程度であるため、フクロウの目は、フクロウ用巣箱の内側底面より290mmから385mmの範囲に配置される。このように、フクロウは体を伸長させるだけで、開口部から目を出し、フクロウ用巣箱の外部を簡単に確認できる。したがって、フクロウは快適に営巣および繁殖することができる。
以下に、本発明の実施形態のフクロウ用巣箱につき図面を参照して説明する。
図1は、フクロウ用巣箱1の斜視図である。
図2は、フクロウ用巣箱1の正面図である。
なお、以下の説明では、フクロウ用巣箱1の幅方向をW方向とし、正面視で右側を+W側とし、正面視で左側を−W側としている。また、フクロウ用巣箱1の奥行き方向をD方向とし、正面側を+D側とし、背面側を−D側としている。さらに、フクロウ用巣箱1の高さ方向をH方向とし、上側を+H側とし、下側を−H側としている。
正面板10は、W方向の寸法が例えば370mm程度、H方向の寸法が例えば600mm程度の外形を有している。そして、正面板10は、長方形状の板の角部を切り欠いた切り欠き部10aを有している。具体的には、+W側かつ+H側に配置された角部を、+W側から−W側に向かって例えば210mm程度、+H側から−H側に向かって例えば265mm程度の範囲を切り欠いて、切り欠き部10aを形成している。これにより、切り欠き部10aの−H側端には、W方向に沿って水平縁部10bが形成され、切り欠き部10aの−W側端には、H方向に沿って鉛直縁部10cが形成される。この鉛直縁部10cと、天板30と、右側板20と、水平縁部10bに取り付けられる後述の止まり木40とで、フクロウが出入りする矩形状の開口部11を形成している。開口部11のH方向の寸法は、鉛直縁部10cの長さ265mmから止まり木40の半径値15mm(後述)を引いた250mm程度となる。また、開口部11のW方向の寸法は、水平縁部10bの長さ210mmから右側板の板厚を引いた200mm程度となる。ここで、フクロウの足から頭頂部までの体高は一般に270mm程度であり、フクロウの体幅は、一般に185mm程度である。したがって、フクロウは開口部11をくぐって、フクロウ用巣箱1の内部に入ることができる。なお、開口部11のH方向およびW方向の寸法は、フクロウのサイズ等に応じて、例えば±25mm程度の範囲で設定される。
図3は、図2のA−A線における断面図である。
図3に示すように、正面板10の開口部11の−H側開口縁部11aは、止まり木40によって形成されている。止まり木40は、木材や樹脂等により形成される丸棒状の部材である。
止まり木40のW方向の長さは、200mm程度である。これにより、−H側開口縁部11aの全体を止まり木40で形成することができる。
また、止まり木40の直径は、例えば30mm程度である。なお、止まり木40の直径は、例えば30mmから40mm程度が好ましい。止まり木40の直径を30mmから40mm程度の太さとすることにより、一般にフクロウは止まり木を把持しやすいと考えられるためである。
上述ように各板を組み合わせることで、内部におけるW方向の寸法が例えば350mm程度、D方向の寸法が例えば350mm程度、H方向の寸法が例えば600mm程度のフクロウ用巣箱1が形成されている。具体的には、フクロウ用巣箱1内部のW方向の寸法は、正面板10および背面板15のW方向の寸法370mmから右側板20および左側板25の板厚を引いて350mm程度に形成される。フクロウ用巣箱1内部のD方向の寸法は、右側板20および左側板25のD方向の寸法と同じため、350mm程度に形成される。フクロウ用巣箱1のH方向の寸法は、正面板10および背面板15のH方向の寸法と同じため、600mm程度に形成される。なお、各方向の寸法は例えば±100mm程度の範囲で、営巣させるフクロウのサイズに合わせて適宜設定される。
前述のとおり、成鳥フクロウ5の体幅は、一般に185mm程度である。また、幼鳥フクロウ7の体幅は、一般に125mm程度である。フクロウ用巣箱1内部のW方向およびD方向の寸法を350mm程度に形成することで、成鳥フクロウ5と幼鳥フクロウ7とがW方向およびD方向に沿って並んで生活することができる。したがって、図4に示すように、成鳥フクロウ5が1羽および幼鳥フクロウ7が2〜3羽生活するのに十分なスペースを確保できる。
また、成鳥フクロウ5の足から頭頂部までの体高は270mm程度である。フクロウ用巣箱1内部のH方向の寸法を600mm程度に形成することで、成鳥フクロウ5の頭上とフクロウ用巣箱1の天板30との間に十分なスペースを確保できる。したがって、成鳥フクロウ5が生活するのに十分なスペースを確保できる。
前述のとおり、正面板10の−H側端部から、開口部11の−H側開口縁部11aまでの高さh(図2参照)は、350mm程度となる。また、正面板10の−H側端部と、フクロウ用巣箱1の内側底面35aとは面一である。したがって、フクロウ用巣箱1の内側底面35aから、開口部11の−H側開口縁部11aまでの高さhは、350mm程度となる。
ここで、フクロウ5が卵51を抱卵しているときの体高は、一般に250mmから300mm程度である。また、フクロウ用巣箱1の内側底面35aには、わらや小枝等により産座53が50mm程度形成されている。そのため、抱卵時のフクロウ5の頭頂部5aは、フクロウ用巣箱1の内側底面35aより300mmから350mmの範囲に配置される。ここで、本実施形態では、内側底面35aから開口部11の−H側開口縁部11aまでの高さhは、350mm程度に形成されている。そのため、抱卵時にフクロウの頭頂部5aは、開口部11の−H側開口縁部11aよりも−H側に配置される。これにより、抱卵時のフクロウ5はフクロウ用巣箱1の外部から視認されにくいので、フクロウ5は外敵に見つかりにくくなる。したがって、フクロウ5は安心して抱卵できるので、快適に営巣および繁殖することができる。
図6に示すように、フクロウ5が卵51を抱卵しつつフクロウ用巣箱1の外部を確認したいとき、フクロウ5は体5bを伸長させて、開口部11の−H側開口縁部11aよりも+H側に頭部を飛び出させ、開口部11からフクロウ用巣箱1の外部を覗き見ようとする。ここで、フクロウ5は体5bを50mmから80mm程度伸長することができる。そのため、卵51を抱卵しつつフクロウ5が体5bを伸長させた時に、フクロウ5の体高は300mmから380mm程度である。したがって、体5bを伸長させた時のフクロウ5の頭頂部5aは、フクロウ用巣箱1の内側底面35aより350mmから430mmの範囲に配置される。また、フクロウ5の頭頂部5aからフクロウ5の目5cの中心までの距離は45mmから60mm程度であるので、フクロウ5の目5cは、フクロウ用巣箱1の内側底面より290mmから385mmの範囲に配置される。ここで、本実施形態では、内側底面35aから開口部11の−H側開口縁部11aまでの高さhは、350mm程度に形成されている。そのため、フクロウ5は体5bを伸長させるだけで、開口部11の−H側開口縁部11aよりも+H側に目5cを出し、フクロウ用巣箱1の外部を簡単に確認できる。したがって、フクロウ5は快適に営巣および繁殖することができる。
本実施形態のフクロウ用巣箱の外形は、略直方体形状に形成しているが、実施形態の形状に限られず、例えば略円筒形状等の種々の形状に変更が可能である。
また、本実施形態のフクロウ用巣箱の止まり木は、丸棒状であるが、実施形態の形状に限られず、例えば角棒状等の種々の形状に変更が可能である。
Claims (3)
- フクロウが出入りする開口部を側面に有するフクロウ用巣箱であって、
前記開口部が形成される正面板は、角部を切り欠くことにより鉛直縁部と水平縁部とを備え、
前記開口部の下端開口縁部は、略水平に形成されており、
前記フクロウ用巣箱の内側底面から前記開口部の前記下端開口縁部までの高さが300mm以上400mm以下の範囲にあることを特徴とするフクロウ用巣箱。 - 請求項1に記載のフクロウ用巣箱であって、
前記下端開口縁部は棒状の止まり木によって形成されており、
前記止まり木の直径は、前記側面を構成する板材の板厚よりも大きく形成されていることを特徴とするフクロウ用巣箱。 - 請求項1または2に記載のフクロウ用巣箱であって、
少なくとも前記フクロウ用巣箱の底板が開閉可能に取付けられていることを特徴とするフクロウ用巣箱。
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JP2010188186A JP5698937B2 (ja) | 2010-08-25 | 2010-08-25 | フクロウ用巣箱 |
Applications Claiming Priority (1)
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Family Cites Families (1)
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JPH0631451U (ja) * | 1992-09-28 | 1994-04-26 | 俊雄 笠間 | 多角柱状巣箱 |
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2010
- 2010-08-25 JP JP2010188186A patent/JP5698937B2/ja active Active
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