JP5697562B2 - 被覆された締結部品 - Google Patents

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本発明は、クロムを含まない、環境負荷を軽減した耐食性に優れる皮膜で被覆された締結部品に関する。
従来、耐食性の良好なねじ、ボルト、ナットなどの締結部品を亜鉛めっきしたものが多用されているが、湿潤雰囲気、排ガス雰囲気、海岸近傍の雰囲気等に長期間にわたって曝されると表面に白錆が発生し、外観を劣化させる。また、さらに腐食が進むと、基材が腐食して赤錆が発生し、基材の強度を劣化させる。このような錆の防止には、亜鉛めっきされた締結部品をクロメート処理する方法が採用されていた。しかし、クロメート処理では、クロムイオンを含む廃液の処理に多大な負担がかかる。また、環境負荷物質の削減として、六価クロムの廃止やクロムフリーの要求が強くなっている。
亜鉛めっき鋼板に用いるクロムフリーの処理液として、たとえば、特許文献1には、チタン、ジルコニウムなどのフッ素化合物と、コバルト、マンガン、マグネシウム、アルミニウムなどの陽イオンを含む酸性液状組成物を用いて被膜を形成することが示されている。
また特許文献2には、亜鉛めっき鋼板の表面処理に用いる表面処理液として、水溶性の多価金属リン酸塩化合物と、ヘキサフルオロチタン酸(またはその塩)と、バナジウム化合物と、キレート剤とを含む表面処理液が示されている。
特開平5−195244号公報 特開2008−274388号公報
しかしながら、前述の表面処理液を締結部品に適用した場合、耐食性は良好ではない。これは、締結部品は形状の凹凸が激しく、特に突起部に被覆された亜鉛は反応性に富むので、前述の酸性の表面処理液と反応し、亜鉛被覆が反応により消失してしまうことが原因である。一方、亜鉛被覆との反応を抑制するために、表面処理液を中性からアルカリ性にした場合には、密着性が著しく悪くなり、やはり耐食性は良好ではない。
また、表面処理液は、強酸性から弱酸性へ酸性度が減るにしたがい、液が不安定になり、不均一な沈澱が生じ易い。このような表面処理液を用いて塗布すると不均一な皮膜が生じやすく、皮膜の密着性低下をきたし、それにより耐食性が劣化しやすい。
本発明の目的は、凹凸のある締結部品の亜鉛または亜鉛合金を含む被覆材に対する反応性が小さく、また該被覆部と密着性が良く耐食性の良好な皮膜で被覆された締結部品を提供することにある。
さらにまた、本発明の目的は、高耐食や意匠(色彩の付与)などのために、皮膜を形成してなる締結部品の表面上に上塗り塗料を被覆する場合において、上塗り塗料との密着性が良好であり、また耐食性が非常に良好な締結部品を提供することにある。
発明は、亜鉛または亜鉛合金を含む被覆材で被覆された締結部品の表面上に、第一リン酸アルミニウムおよび第一リン酸マグネシウムの少なくとも1種と、ヘキサフルオロチタン酸もしくはその塩と、キレート剤と、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムおよび炭酸マグネシウムから選択される1種以上のマグネシウム化合物とを含み、かつpHが2〜5に調整された表面処理液による皮膜が形成されてなる締結部品である。
また、本発明は、pH3〜4に調整された表面処理液による皮膜が形成されてなる締結部品である。
また本発明は、キレート剤が、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸である表面処理液による皮膜が形成されてなる締結部品である。
また本発明は、アンモニア水溶液によってpH調整された表面処理液による皮膜が形成されてなる締結部品である。
本発明によると、凹凸のある締結部品の亜鉛または亜鉛合金を含む被覆層に対しても反応性が小さく、また該被覆層との密着性が良い、皮膜耐食性が良好な皮膜が形成された締結部品を提供することができ、これにより、耐食性の良好な被覆締結部品を提供することができる。
また、本発明によると、前記皮膜の表面にさらに上塗り塗料による被覆を行えば、前記皮膜は上塗り塗料との密着性が良好であり、より耐食性が良好な被覆された締結部品を提供することができる。
本発明において、皮膜(以下、本発明の表面処理液によって形成される膜を皮膜という)を形成する亜鉛または亜鉛合金を含む被覆材で被覆処理を施した締結部品としては、前記被覆処理を施したねじ、ボルト、ナット、ワッシャー、リベット、ピン、レンチ、止め輪、ビス、スクリュー、座金、スペーサー、シムなど、部材と部材を固定するために使用される締結用部品が挙げられる。
亜鉛または亜鉛合金を含む被覆材による被覆処理としては、亜鉛めっきまたは亜鉛合金めっき、またはジンクリッチ塗料による被覆処理等を挙げることができ、とりわけ、亜鉛めっきによって被覆された締結部品に対して好適に保護皮膜を形成することができる。
この亜鉛めっきまたは亜鉛合金めっきとしては、特に制限されないが、溶融亜鉛めっき、溶融Zn−5質量%Al合金めっき、溶融Zn−55質量%Al合金めっき、電気亜鉛めっき、電気Zn−Ni合金めっき等を挙げることができる。
本発明の皮膜は、前記被覆処理を施した締結部品の表面に形成されるものであって、皮膜量は、0.5g/m〜10g/m、好ましくは3.0g/m〜4.0g/mとなるよう形成される。
また、この皮膜は、リン酸塩化合物のリン酸基同士の脱水縮合反応に加えて、リン酸塩化合物とキレート剤との反応により、網状(ネットワーク)構造をもつ皮膜として形成される。この皮膜形成は、低い焼き付け温度で、均一で緻密な皮膜を形成することができる。したがって、この表面処理液は、低い焼き付け温度で、優れた耐食性を有する皮膜を亜鉛または亜鉛合金を含む被覆材により被覆処理がされた締結部品の上に形成することができるという特徴を有する。
前記皮膜を形成するための、表面処理液は、第一リン酸アルミニウムおよび第一リン酸マグネシウム(以下、リン酸塩化合物という)、ヘキサフルオロチタン酸もしくはその塩、キレート剤などを含む。
本発明の締結部品を被覆する皮膜形成に使用する表面処理液(以下、表面処理液という)に含有されるリン酸塩化合物は、皮膜を形成する主体(ベース)となる成分である。リン酸塩化合物は、工業的に製造され、市販されているものであれば、いずれも好適に使用することができる。また、リン酸塩化合物のうち、第一リン酸アルミニウムとしては、Al/Pのモル比が0.7/3〜1.2/2のものが好ましく、第一リン酸マグネシウムとしては、Mg/Pのモル比が0.7/2〜1.2/2のものが好ましい。
これら第一リン酸アルミニウムおよび第一リン酸マグネシウムは、それぞれの1種を単独で使用することもでき、2種を併用することもできる。
表面処理液中のリン酸塩化合物濃度は、表面処理液全体に対して1重量%以上50重量%以下となる量を用いることが好ましい。1重量%未満では、加水分解を起こし沈殿を生じることがあり、50重量%を超えると、このリン酸塩化合物の溶解度を超えてリン酸塩化合物が沈殿し、表面処理液の安定性に問題を生じることがある。
また、表面処理液に含有されるヘキサフルオロチタン酸(チタンフッ化水素酸)は、遊離のものであっても、またその塩であっても、工業的に製造され、市販されているものであれば、いずれも好適に使用することができる。
ヘキサフルオロチタン酸の塩としては、リチウム、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属との塩やアンモニウム塩が挙げられる。
具体的な化合物として、ヘキサフルオロチタン酸ナトリウム(チタンフッ化ナトリウム)、ヘキサフルオロチタン酸カリウム(チタンフッ化カリウム)、ヘキサフルオロチタン酸リチウム(チタンフッ化リチウム)およびヘキサフルオロチタン酸アンモニウム(チタンフッ化アンモニウム)などを挙げることができる。これらのうち、ヘキサフルオロチタン酸塩としては、ヘキサフルオロチタン酸アンモニウムが好ましい。
表面処理液においては、ヘキサフルオロチタン酸は、遊離のものとその塩を、それぞれ単独で使用することもでき、遊離のものと塩とを併用することもできる。
ヘキサフルオロチタン酸(以下、ヘキサフルオロチタン酸塩を含めた意味で、ヘキサフルオロチタン酸ということがある)は、前記リン酸塩化合物100重量部に対して、10重量部以上1000重量部以下含有することが好ましい。10重量部未満では、優れた耐食性を有する均一で緻密な皮膜を形成することができず、また、形成された皮膜は、機械的強度が低くなってしまう。また、1000重量部を超えると結合に関与しないチタンが増えすぎて、優れた耐食性を有する均一で緻密な皮膜を形成することができず、形成された皮膜の機械的強度が低くなる。
表面処理液では、ヘキサフルオロチタン酸を含むことで、このリン酸塩化合物のリン酸基同士を、チタンを介在させた結合(リン酸基−チタン−リン酸基)を形成することができる。この結合形成は、低い焼き付け温度で、皮膜を形成することができる。この皮膜は、チタンを介在させた結合が形成されることによって、耐アルカリ性が高くなり、さらに、機械的強度が高くなる。
表面処理液に含有されるキレート剤は、リン酸塩化合物との反応により、網状(ネットワーク)構造をもつ皮膜を形成させることができるものであれば、どのようなキレート剤でも使用することができる。
かかるキレート剤としては、たとえばホスホン酸系キレート剤やオキシカルボン酸系キレート剤が挙げられ、本発明においては、特に、ホスホン酸系キレート剤が好ましい。
ホスホン酸系キレート剤の具体例としては、アミノトリメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシアリキリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸またはそれらの塩を挙げることができる。
特に、表面処理液を製造する際の溶解性の観点から、1−ヒドロキシアリキリデン−1,1−ジホスホン酸またはその塩が好ましい。さらに好ましくは、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸またはその塩である。
上記キレート剤の塩としては、たとえばリチウム、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属との塩やアンモニウム塩が挙げられる。
表面処理液中のキレート剤は、前記リン酸塩化合物100重量部に対して、10重量部以上1000重量部以下含有することが好ましい。10重量部未満では、充分な耐食性を得ることができず、1000重量部を超えると、形成された皮膜がべたつきを生じることがある。
表面処理液は、前記リン酸塩化合物、ヘキサフルオロチタン酸およびキレート剤の所定量を、水性媒体に溶解させたのち、pHが2〜5の範囲となるように調整することによって、製造することができる。
水性媒体としては、水のみであっても良いし、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒であっても良いが、水のみであることが好ましい。
また、表面処理液のpHを調整するためには、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物やアンモニア水溶液などのアルカリ剤を用いることができる。このうち、塗布して焼き付け中に大半が気散して皮膜に影響を及ぼさないアンモニア水が好ましい。
表面処理液のpH調整を行わない場合には、pHが低いため、そのまま塗布すると、亜鉛または亜鉛合金を含む被覆層が反応で毀損するか、溶解して消失してしまう。このため耐食性が著しく低下する。
表面処理液のpHが2より低いと被覆層に対する反応性抑制の効果が小さく、5より大きいと表面処理液の安定性が悪く、密着性が悪くなるので好ましくない。表面処理液の、さらに好ましいpHの範囲は3〜4である。
表面処理液は、pH1前後の強酸性からpHが上昇するにしたがい、リン酸塩化合物の脱水縮合反応が弱くなる傾向があり、このため脱水縮合反応による被膜形成が不十分となり、結果として被覆材の耐食性が悪くなるという傾向がある。
これを防ぐために、表面処理液に、さらにマグネシウム化合物を含有させることによって、脱水縮合反応を促進し、pH3〜4でも安定して密着性の良い皮膜を得ることが出来る。
かかるマグネシウム化合物としては、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムおよび酸化マグネシウムが挙げられ、これらは単独で、または2種以上を併用することができる。
マグネシウム化合物は、前記リン酸塩化合物やヘキサフルオロチタン酸を水性媒体に溶解する際に、加えてもよく、あるいはリン酸塩化合物やヘキサフルオロチタン酸を水性媒体に溶解した後に加えてもよい。
このマグネシウム化合物によって、皮膜物性もバラツキが少なく、さらに良好な耐食性を得ることができる。
マグネシウム化合物は、リン酸塩化合物に対して0.2〜20重量部となるよう含有させることが好ましい。0.2重量部未満の場合には、アンモニア水溶液でpH3〜4に維持する場合に、皮膜形成に対する改良効果はあまり認められず、20重量部を超えると安定性が劣る傾向がある。
かくして得られた表面処理液は、有害なクロム化合物を含有していないため、従来のクロム化合物の使用による環境汚染などの問題は、発生しない。
この表面処理液は、亜鉛または亜鉛合金を含む被覆材で被覆された締結部品の表面に塗布して低温で焼き付けることにより、均一で緻密な膜が形成された本発明の締結部品を製造することができる。
締結部品に表面処理液を塗布するには、この技術分野において常用される方法によって実施することができ、たとえば噴霧、塗布、浸漬などの方法を採用することができる。
たとえば、浸漬方法によるときは、亜鉛または亜鉛合金を含む被覆材で被覆された締結部品をこの表面処理液に浸漬し、引き上げて遠心振り切りにより塗布する。これにより、0.2〜5μm程度の皮膜を塗布することが可能である。
焼き付けは、特に限定されないが、たとえば、熱風式、赤外式、および誘導加熱式などなどの焼き付け方法によって行うことができる。また、焼き付け温度は、50℃以上200℃以下で行うことができる。焼き付け温度が50℃未満では、焼き付けが不十分となり、皮膜形成ができず、200℃を超えると、皮膜の耐食性の向上が得られず、製造効率が悪くなる。
このようにして得られた、前記処理液で被覆された締結部品の表面に、高耐食や意匠(色彩の付与)などの目的で、さらに上塗り塗料を施すことが可能である。この上塗り塗料は、有機樹脂塗料や無機系塗料などを使用することができる。
このような上塗り塗料としては、好ましくは工業用の焼付硬化型有機樹脂塗料を挙げることができ、特に好ましくは、エポキシ系、ポリエステル系、アクリル系または、フッ素系の有機樹脂塗料、またはこれらから選択される2種以上を混合してなる有機樹脂塗料を使用することができる。
有機樹脂塗料をベースとする上塗り塗料の被覆を施す場合、特に無機系の被覆締結部品との密着性が問題となる。たとえば亜鉛めっきされた締結部品の上に直接これら有機樹脂塗料を被覆した場合には、なじみ性、濡れ性が悪く密着性のよい被覆層を形成することが困難である。これに対し、表面処理液で被覆された締結部品は、上塗り塗料とのなじみ性、濡れ性が良く、結果として密着性が極めて良好であり、耐食性も良好となることがわかった。
上塗り塗料の塗布法は、好ましくは、表面処理液で被覆された亜鉛めっき締結部品を上塗り塗料中に浸漬し、引き上げて塗布するかまたは、引上げた後遠心振り切りにより塗布することが可能である。これにより、3〜15μm程度の皮膜を塗布することが可能である。
焼き付けは、特に限定されないが、たとえば、熱風式、赤外式、および誘導加熱式などなどの焼き付け方法によって行うことができる。また、焼き付け温度は、80℃以上350℃以下で行うことができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。実施例および比較例中、表面処理液の%は、重量%を表し、残部は水である。
実施例1
表面処理液として、第一リン酸アルミニウム(Al/P原子比=0.9/3)8.5%、と、チタンフッ化水素酸4.0%と、チタンフッ化アンモニウム0.8%と、水酸化マグネシウム0.6%と、キレート剤として、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸7.1%と、水酸化マグネシウム0.6%、残部が水からなる水溶液を調整した。このときのpHは1.1であった。さらに、この水溶液にアンモニア水溶液をアンモニア換算で6.8%加えpHを3.3に調整することによって、表面処理液を製造した。この表面処理液の安定性を下記に示す方法で評価した。結果を表1に示す。
また、鋼製のねじ部材として、電気亜鉛めっき(2級、めっき厚み約5μm)を施したねじ(PH型、径5mm、長さ20mm、脱脂洗浄なし)を用い、次いで、前記で製造した表面処理液に浸漬し、引き上げて遠心振り切りにより表面処理液を塗布した。これを100℃で焼き付けを行うことによって被覆量3.5g/m(付着厚みが約1.5μm)の皮膜が形成された本発明のねじを製造した。このねじの耐食性の評価(白錆)は下記の方法で行った。結果を表1に示す。
(表面処理液の安定性の評価方法)
表面処理液を調整後、差をより明確に把握するため、40℃で1ヶ月間保持し、沈殿物の状態を目視で確認し評価した。
(ねじ部材の耐食性の評価方法)
ねじ部材に表面処理液を塗布し、100℃で焼き付け後、JIS Z−2371規格に準拠した塩水噴霧装置を用いて、塩水濃度5%、槽内温度35℃、噴霧圧力200psi(14.1kg/cm)の条件で塩水噴霧環境に曝し、試験96時間後に、表面に白錆の発生したねじの本数を目視にて確認した。
実施例2〜7および参考例1
表面処理液の組成を表1に示すとおりとした他は、実施例1と同様に実施することによって、実施例2〜7および参考例1で使用する表面処理液を製造した。各表面処理液の安定性を実施例1と同じ方法で評価した。結果を表1に示す。また、前記各表面処理液を実施例1と同様に亜鉛めっきされたねじに塗布して、焼き付けし実施例2〜7および参考例1のねじを製造した。
その耐食性を実施例1と同様に評価した。
実施例
実施例1と同様にして表面に皮膜を形成したねじの表面に、上塗り塗料として、市販のポリエステル系塗料(大豊塗料株式会社製、商品名マイコート黒色)を用いて、その塗料中に浸漬し引き上げて遠心振り切りにより、この被覆ねじの表面に上塗り塗料による被覆をおこなった。これを140℃で焼き付けを行うことによって、被覆量6.5g/m2(付着厚みが約4μm)の皮膜を形成させた本発明の被覆ねじを製造した。この上塗り被覆ねじの耐食性の評価(赤錆)を下記の方法で行った。結果を表2に示す。
(被覆ねじの耐食性の評価方法)
赤錆の発生は、亜鉛めっきが犠牲防食により欠落している部分から腐食が発生していることを示しているものと考えられるので、試験500時間後に赤錆の発生したねじの本数を目視にて確認した。
なお、各実施例のねじは、目視による評価では、上塗り被覆層における塗りムラ等の欠陥部分はなく良好であった。
また、各実施例のねじは、粘着テープによる剥離テストにおいて剥離は認められなかった。
実施例9〜14および参考例2
実施例2〜7および参考例1と同様にして亜鉛めっきに皮膜を施したねじの表面に、実施例と同様にして、上塗り塗料による皮膜を形成して、実施例9〜14および参考例2のねじを製造した。この上塗り被覆ねじの耐食性の評価(赤錆)を下記の方法で行った。結果を表2に示す。
比較例1〜4
表面処理液の組成を表1に、ねじ部材への塗布量を表1に、それぞれ示すとおりとした他は、実施例1と同様な方法にして、比較例1〜4のねじを製造し、評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005697562
比較例5〜8
比較例1〜4同様にして亜鉛めっきに皮膜を施したねじの表面に、実施例と同様にして、上塗り塗料による皮膜を形成して、比較例5〜8のねじを製造し、この上塗り被覆ねじの耐食性の評価(赤錆)を下記の方法で行った。結果を表2に示す。
表1において、PAは第一リン酸アルミニウム、PMは第一リン酸マグネシウム、MOHは水酸化マグネシウム、MCOは炭酸マグネシウムをそれぞれ表す。
表1の安定性において、◎〜×は以下の結果を示す。
◎:沈殿物なし、○:ごく僅かに沈殿物あり、△:少し沈殿物が認められる、×:全体が白濁またはゲル化
表1の耐食性において、◎〜×は以下の結果を示す。
◎:発生数0/5本、○:発生数1/5本、△:発生数2〜3/5本、×:発生数4〜5/5本
Figure 0005697562
表2の耐食性において、◎〜×は以下の結果を示す。
◎:発生数0/5本、○:発生数1/5本、△:発生数2〜3/5本、×:発生数4〜5/5本

Claims (4)

  1. 亜鉛または亜鉛合金を含む被覆材で被覆された締結部品の表面上に、第一リン酸アルミニウムおよび第一リン酸マグネシウムの少なくとも1種と、ヘキサフルオロチタン酸もしくはその塩と、キレート剤と、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムおよび炭酸マグネシウムから選択される1種以上のマグネシウム化合物とを含み、かつpHが2〜5に調整された表面処理液による皮膜が形成されてなる締結部品。
  2. pH3〜4に調整された表面処理液による皮膜が形成されてなる請求項1に記載の締結部品。
  3. キレート剤が、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸である表面処理液による皮膜が形成されてなる請求項1または2に記載の締結部品。
  4. アンモニア水溶液によってpH調整された表面処理液による皮膜が形成されてなる請求項1〜のいずれか1つに記載の締結部品。
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