JP5697477B2 - 遮光塗膜及び光学素子 - Google Patents
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Description
黒色無機顔料と、
屈折率が1.75以上2.92以下の無機微粒子と、を含有する遮光塗膜であって、
前記遮光塗膜における無機微粒子の含有量が10体積%以上40体積%以下であり、
シラノール基含有の表面処理剤によって前記黒色無機顔料及び前記無機微粒子の表面が処理されており、
前記黒色無機顔料の表面の表面修飾率と、前記無機微粒子の表面の表面修飾率と、が共に48%以上であり、
前記黒色無機顔料及び前記無機微粒子の平均粒子径がいずれも5nm以上40nm以下
であることを特徴とする。
さらに酸化鉄系顔料としては、黒色酸化鉄系顔料等が挙げられる。
(式[1]において、R’は、ビニル基、アミノ基、エポキシ基、クロロ基(塩素原子)、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、イソシアネート基等の官能基のうち、少なくとも1つを有する置換基であり、Rは、アルキル基であり、nは、1乃至3の整数である。)
本発明の遮光塗膜は、変性シリコーン樹脂、黒色無機顔料、無機微粒子、カップリング剤及び有機溶媒を含有する塗料組成物を用いて形成される。以下に説明する実施例及び比較例で使用した材料を下記表1乃至3に示す。
表面修飾処理後における黒色無機顔料及び無機微粒子の表面修飾率の測定にあたっては、熱重量分析法(TGA)を利用した。具体的には、TGAにより修飾後の微粒子の重量と修飾前の微粒子の重量とを測定し、これらの測定値から換算した。
まず下記に示す材料を250mlの容器中に投入した。
変性シリコーン樹脂(シリコーン導入比率:50%、信越化学工業製):10g
黒色無機顔料(製品名:シリコーン処理カーボンブラック、大東化成工業製):1.5g
ノルマルヘキサン:10g
シランカップリング剤:3g
チタニアスラリー(テイカ製):90g
(チタニアスラリーとは、一次粒子径が20nmのシリコーン処理された酸化チタンと、ノルマルヘキサン(溶媒)とを混合して調製されたスラリーであり、酸化チタンの含有量が25重量%である。)
実施例1において、変性シリコーン樹脂として、実施例1で使用したものに代えてシリコーン導入比率が30%のエポキシ変性シリコーン樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。
実施例1において、変性シリコーン樹脂として、実施例1で使用したものに代えてシリコーン導入比率が70%のエポキシ変性シリコーン樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。
実施例1において、黒色無機顔料及び無機微粒子として、実施例1で使用したものに代えて、シラノール基による表面修飾率が50%である黒色無機顔料と、当該表面修飾率が48%である無機微粒子と、を用いた。これらを除いては、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。尚、本実施例で使用した黒色無機顔料及び無機微粒子の表面修飾率は、それぞれ本発明における下限値である。
実施例1において、黒色無機顔料及び無機微粒子として、実施例1で使用したものに代えて、シラノール基による表面修飾率が95%である黒色無機顔料と、当該表面修飾率が98%である無機微粒子と、を用いた。これらを除いては、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。尚、本実施例で使用した黒色無機顔料及び無機微粒子の表面修飾率は、それぞれ本発明における上限値である。
実施例1において、黒色無機顔料の添加量を0.6gとし、無機微粒子の添加量を25gとした以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。尚、本実施例において、黒色無機顔料の添加量及び無機微粒子の添加量は、塗料組成物中の含有率という観点からいずれも本発明における下限値である。
実施例1において、黒色無機顔料の添加量を2.9gとし、無機微粒子の添加量を154gとした以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。尚、本実施例において、黒色無機顔料の添加量及び無機微粒子の添加量は、塗料組成物中の含有率という観点からいずれも本発明における上限値である。
実施例1において、変性シリコーン樹脂として、実施例1で使用したものに代えてアクリル変性シリコーン樹脂(シリコーン導入比率:50%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。
実施例1において、変性シリコーン樹脂として、実施例1で使用したものに代えてアルキッド変性シリコーン樹脂(シリコーン導入比率:50%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。
実施例1において、無機微粒子として、実施例1で使用したものに代えてアンチモンドープ酸化錫(ATO)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。
実施例1において、無機微粒子として、実施例1で使用したものに代えてテルル化亜鉛(ZnTe)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。
実施例1において、変性シリコーン樹脂として、実施例1で使用したものに代えてシリコーン導入比率が10%のエポキシ変性シリコーン樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。
実施例1において、変性シリコーン樹脂として、実施例1で使用したものに代えてシリコーン導入比率が85%のエポキシ変性シリコーン樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。
実施例1において、黒色無機顔料及び無機微粒子として、実施例1で使用したものに代えて、シラノール基による表面修飾率が45%である黒色無機顔料と、当該表面修飾率が40%である無機微粒子と、を用いた。これらを除いては、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。
実施例1において、黒色無機顔料の添加量を0.4gとし、無機微粒子の添加量を20gとした以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。尚、本実施例において、塗料組成物中における黒色無機顔料及び無機微粒子の含有率は、それぞれ1.4体積%、8.7体積%である。
実施例1において、黒色無機顔料の添加量を3.3gとし、無機微粒子の添加量を180gとした以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。尚、本実施例において、塗料組成物中における黒色無機顔料及び無機微粒子の含有率は、それぞれ6.4体積%、43.4体積%である。
実施例1において、変性シリコーン樹脂として、実施例1で使用したものに代えてポリエステル変性シリコーン樹脂(シリコーン導入比率:50%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。
実施例又は比較例にて調製した塗料組成物を光学素子(プリズム)の表面に塗布して塗膜を形成した。図4は、遮光塗膜の評価用サンプルを示す概略図である。図4のサンプル(内面反射測定用サンプル7)は、次に説明する方法で作製した。即ち、上記塗料組成物の染み出す連続気孔が形成されたウレタン製スポンジ(商品名:フソラス、富士ケミカル製)に塗料組成物を含浸させ、図4中のプリズム6等の光学素子の表面に倣って50mm/秒の速さで移動させながら塗料組成物を塗布した。そして、恒温槽を用いて80℃で120分間塗布膜の焼成を行うことで遮光塗膜の評価用サンプル(内面反射測定用サンプル7)を得た。この遮光塗膜の膜厚は10μmであった。得られた遮光塗膜について膜の特性を測定・評価した。
ASP分光計(ASP−32/自動光学測定装置;分光計器)を用いて内面反射率の測定を行った。図5は、内面反射率の測定系を示す模式図である。図5の測定系は、測定サンプルとして反射面に遮光塗膜1を形成した三角プリズム(プリズム6)が用いられている。尚、プリズム6の寸法は、直角を挟む1辺の長さは30mmであり厚みは10mmである。またプリズム6の材質は、S−LaH53(nd=1.805)である。
(n:三角プリズム(プリズム6)の屈折率)
キセノンアークランプ式耐光性試験機(XWOM)を用いて、遮光塗料の耐光性評価を行った。ところで使用したXWOMの分光分布は太陽光の分光分布に近似しており、315nm乃至400nmのUV−Aについてはほぼ太陽光と近いレベルにある放射照度を示す。
Claims (4)
- エポキシ変性シリコーン樹脂、アルキッド変性シリコーン樹脂及びアクリル変性シリコーン樹脂から選ばれるシリコーン導入比率が30%以上70%以下の変性シリコーン樹脂と、
黒色無機顔料と、
屈折率が1.75以上2.92以下の無機微粒子と、を含有する遮光塗膜であって、
前記遮光塗膜における無機微粒子の含有量が10体積%以上40体積%以下であり、
シラノール基含有の表面処理剤によって前記黒色無機顔料及び前記無機微粒子の表面が処理されており、
前記黒色無機顔料の表面の表面修飾率と、前記無機微粒子の表面の表面修飾率と、が共に48%以上であり、
前記黒色無機顔料及び前記無機微粒子の平均粒子径がいずれも5nm以上40nm以下
であることを特徴とする、遮光塗膜。 - 前記黒色無機顔料の含有量が2体積%以上6体積%以下であることを特徴とする、請求
項1に記載の遮光塗膜。 - 請求項1又は2に記載の遮光塗膜を有すること特徴とする、光学素子。
- 内面反射率が0.4%以下であることを特徴とする、請求項3に記載の光学素子。
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