JP5696299B2 - 二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤 - Google Patents

二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤 Download PDF

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Description

本発明は、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤に関する。
二酸化炭素は、概ね次の(1)〜(10)に示すような症状等に有効であると特許文献1に記載されている(特許文献1参照)。
(1) 水虫、虫さされ、アトピー性皮膚炎、貨幣状湿疹、乾皮症、脂漏性湿疹、蕁麻疹、痒疹、主婦湿疹、尋常性ざ瘡、膿痂疹、毛包炎、癰、せつ、蜂窩織炎、膿皮症、乾癬、魚鱗癬、掌蹠角化症、苔癬、粃糠疹、創傷、熱傷、き裂、びらん、凍瘡などの皮膚粘膜疾患もしくは皮膚粘膜障害に伴う痒み、褥創、創傷、熱傷、口角炎、口内炎、皮膚潰瘍、き裂、びらん、凍瘡、壊疽などの皮膚粘膜損傷;
(2) 移植皮膚片、皮弁などの生着不全;
(3) 歯肉炎、歯槽膿漏、義歯性潰瘍、黒色化歯肉、口内炎などの歯科疾患;
(4) 閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化症、糖尿病性末梢循環障害、下肢静脈瘤などの末梢循環障害に基づく皮膚潰瘍や冷感、しびれ感;
(5) 慢性関節リウマチ、頸肩腕症候群、筋肉痛、関節痛、腰痛症などの筋骨格系疾患;
(6) 神経痛、多発性神経炎、スモン病などの神経系疾患;
(7) 乾癬、鶏眼、たこ、魚鱗癬、掌蹠角化症、苔癬、粃糠疹などの角化異常症;
(8) 尋常性ざ瘡、膿痂疹、毛包炎、癰、せつ、蜂窩織炎、膿皮症、化膿性湿疹などの化膿性皮膚疾患;
(9) 除毛後の再発毛抑制(むだ毛処理);
(10) そばかす、肌荒れ、肌のくすみ、肌の張りや肌の艶の衰え、髪の艶の衰えなどの皮膚や毛髪などの美容上の問題及び部分肥満。
上記症状の改善を達成するために、二酸化炭素吸収手段として二酸化炭素外用剤調製用組成物(特許文献2〜3参照)、二酸化炭素外用組成物(特許文献4参照)、二酸化炭素外用ゲル調製用組成物(特許文献5参照)、二酸化炭素外用剤調製用材料(特許文献6参照)、二酸化炭素外用投与装置(特許文献7〜8参照)が開示されている。
さらに、筋力増強のための二酸化炭素吸収手段の使用(特許文献9参照)が開示されている。
しかしながら、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤については何ら知られていない。
腫瘍の治療方法は、外科療法、化学療法、放射線療法が「腫瘍治療の三大療法」とも呼ばれる、一般的な治療法である。また、一般的には複数の腫瘍治療法を組み合わせる、集学的療法が現在の腫瘍治療の方針と言える。さらに近年は第四の腫瘍治療法と言われる免疫療法なども注目を集めている。
外科療法は腫瘍の治癒的療法として古い時代から行われ発展してきており、外科療法は腫瘍の集学的治療の中核を成している。しかし、その反面、外科手術の後に腫瘍細胞が急速に増殖したり、転移する例があり、腫瘍部位を切除することによって生体機能が損なわれたり、術後障害などQOLの面ではどうしてもマイナスになる可能性がある。また、この腫瘍治療法は手術に耐えられる体力も必要となり、高齢者や長い治療生活で体力が低下してしまった場合には、手術を受けること自体が難しくなる。
化学療法は、化学物質(抗癌剤)を用いて腫瘍細胞の分裂を抑え、また破壊する治療法である。抗癌剤は注射するか、内服すると血液中に入り、全身の隅々まで運ばれて体内に潜む腫瘍細胞を攻撃し、破壊する。全身のどこに腫瘍細胞があってもそれを破壊する力を持っているので、全身的な治療に効果がある。しかし抗癌剤には腫瘍細胞を破壊するだけでなく、正常な細胞も損傷させてしまうという副作用があり、現在用いられている抗癌剤は、正常な細胞には作用しないという選択毒性はない。この選択毒性をなるべく高める為の研究は現在も行われているが、今のところ副作用の無い抗癌剤はなく、副作用を防止するための決定的な方法も無いというのが現状である。
放射線療法は、X線やγ線といった放射線を照射し、腫瘍細胞の分裂を阻害し、増殖を抑える治療法である。しかし正常な細胞も放射線によって損傷を受ける。この損傷を出来るだけ少なくし、腫瘍細胞だけに最大の効果を発揮できるように照射法を工夫して治療しているのが現状である。しかし放射線療法にも副作用があり、治療終了直後(急性期)のものと、終了して半年から数年たった後(晩期)から出てくる副作用がある。副作用の症状として一般的なものに、皮膚・粘膜の炎症、骨髄障害、疲労、食欲不振が挙げられ、その他程度の差はあれ副作用と思われる症状が出るのが一般的である。
免疫療法は、患者の免疫機構を賦活するなどして、免疫系の細胞や蛋白などが腫瘍細胞を攻撃して腫瘍を治療する治療法である。免疫の賦活には、レンチナン、クレスチン、 ピシパニール、シゾフィラン、BCG、腫瘍ワクチンなどが用いられる。患者のリンパ球を体外に取り出し、培養・活性化させて再び体内に戻し、腫瘍細胞を破壊させる治療法や、抗腫瘍抗体により、直接腫瘍細胞を攻撃させる治療法も検討されている。
特開2000−319187号公報 国際公開第2002/80941号パンフレット 国際公開第2006/80398号パンフレット 国際公開第2003/57228号パンフレット 国際公開第2005/16290号パンフレット 国際公開第2004/4745号パンフレット 国際公開第2004/2393号パンフレット 国際公開第2007/112726号パンフレット 特開2009−120606号公報
本発明は、簡便かつ安全に効果が得られる、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤を提供することを目的とする。さらに本発明は、腫瘍の治療において、外科療法、化学療法、放射線療法、免疫療法との併用において、それらの効果増強及び/もしくは副作用を低減する、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、二酸化炭素を生体内に吸収させることにより、腫瘍が縮小もしくは消失すること、及び腫瘍の転移を抑制することを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、二酸化炭素の吸収によって、(1)腫瘍が縮小もしくは消失する、(2)腫瘍の転移が抑制される、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤である。
なお、本発明で言う腫瘍とは、悪性腫瘍と良性腫瘍の両方を含む。
悪性腫瘍としては、神経膠腫、髄膜腫などの脳神経の悪性腫瘍、舌がん、歯肉がん、悪性リンパ腫、悪性黒色腫、上顎がん、鼻がん、鼻腔がん、喉頭がん、咽頭がんなどの口腔・鼻・鼻腔・喉頭・咽頭の悪性腫瘍、甲状乳頭腺がん、甲状腺濾胞がん、甲状腺髄様がんなどの甲状腺の悪性腫瘍、扁平上皮がん、腺がん、肺胞上皮がん、大細胞性未分化がん、小細胞性未分化がん、カルチノイドなどの呼吸器の悪性腫瘍、乳がん、乳房ペーシジェット病、乳房肉腫などの乳房の悪性腫瘍、急性骨髄性白血病、急性前髄性白血病、急性骨髄性単球白血病、急性単球性白血病、急性リンパ性白血病、急性未分化性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、成人型T細胞白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、原発性マクログロブリン血症などの血液の悪性腫瘍、食道がん、胃がん、胃・大腸平滑筋肉腫、胃・腸悪性リンパ腫、膵・胆嚢がん、十二指腸がん、大腸がん、原発性肝がん、肝芽腫などの消化器の悪性腫瘍、子宮上皮内がん、子宮頸部扁平上皮がん、子宮腺がん、子宮腺扁平上皮がん、子宮体部腺類がん、子宮肉腫、子宮がん肉腫、子宮破壊性奇胎、子宮悪性絨毛上皮腫、子宮悪性黒色腫、卵巣がん、中胚葉性混合腫瘍などの女性性器の悪性腫瘍、腎がん、腎盂移行上皮がん、尿管移行上皮がん、膀胱乳頭がん、膀胱移行上皮がん、前立腺がん、尿道扁平上皮がん、尿道腺がん、ウィルムス腫瘍などの消化器の悪性腫瘍、横紋筋肉腫、線維肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、滑液膜肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、 ユーイング肉腫、多発性骨髄腫などの運動器の悪性腫瘍、皮膚扁平上皮がん、皮膚基底細胞がん、皮膚ボーエン病、皮膚ページェット病、皮膚悪性黒色腫などの皮膚の悪性腫瘍、悪性中皮がん、悪性黒色腫、転移性腺がん、転移性扁平上皮がん、転移性肉腫、白血病、悪性リンパ腫、神経芽細胞腫などの体腔の悪性腫瘍が挙げられる。
良性腫瘍としては、髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫などの脳の良性腫瘍、母斑、懸垂線維腫、血管腫、血管性母斑、リンパ管腫、化膿性肉芽腫、脂漏性角化症、皮膚線維腫、ケラトアカントーマ、ケロイド、脂肪腫、褐色脂肪腫、神経線維腫、シュワン細胞腫、粉瘤などの皮膚、皮下組織の良性腫瘍、骨軟骨性外骨症、軟骨腫、軟骨芽細胞腫、類骨骨腫、巨細胞腫などの骨の良性腫瘍、脂肪腫、筋腫、ポリープなどの腸の良性腫瘍、肝細胞性腺腫、胆管腺腫などの肝臓の良性腫瘍、乳頭腫、絨毛腺腫などの胆管の良性腫瘍、耳茸、真珠腫などの耳の良性腫瘍、良性多形性腺腫、単形性腺腫、オンコサイトーマ、乳頭状リンパ腫嚢腺腫、エナメル上皮腫などの口腔・唾液腺の良性腫瘍が挙げられる。
本発明は、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤である。
本発明は、二酸化炭素が局所投与される、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤である。
本発明は、二酸化炭素の局所投与が、腫瘍近傍皮膚からの経皮投与である、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤である。
本発明は、二酸化炭素の局所投与が、腫瘍から離れた皮膚からの経皮投与である、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤である。
本発明は、腫瘍の転移を抑制する、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤である。
本発明は、腫瘍の外科療法、化学療法、放射線療法、免疫療法の1種もしくは2種以上に併用される、それらの抗腫瘍効果増強、及び/もしくは副作用低減のための、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤である。
本発明は、以下の態様が好適に用いられる。すなわち、
本発明の好適例は、二酸化炭素吸収手段が、二酸化炭素外用投与装置である、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤である。
本発明の好適例は、二酸化炭素吸収手段が、体表面を外気から密閉することができる密閉包囲材と、この密閉包囲材の内部に二酸化炭素を供給するための供給手段と、前記密閉包囲材の内部において、二酸化炭素を溶解する媒体を含み、二酸化炭素の経皮吸収を助ける吸収補助材と、を備えていることを特徴とする、二酸化炭素外用投与装置である、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤である。
本発明の好適例は、二酸化炭素の供給手段が、体表面を外気から密閉することができる密閉包囲材と、密閉包囲材の内部に二酸化炭素を供給するための供給手段と、密閉包囲材の内部の体表面での発汗を増進させる発汗増進手段と、を備えていることを特徴とする、二酸化炭素外用投与装置である、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤である。
本発明の好適例は、二酸化炭素吸収手段が、二酸化炭素外用剤である、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤である。
本発明の好適例は、二酸化炭素外用剤が、
1)二酸化炭素が溶解する媒体を含み、二酸化炭素が溶存している二酸化炭素外用剤。
2)酸を含む固形物と、炭酸塩を含む液状物からなり、使用前に前記粒状物と前記液状物を混合して得られる二酸化炭素外用剤。
3)炭酸塩を含む固形物と、酸を含む液状物からなり、使用前に前記粒状物と前記液状物を混合して得られる二酸化炭素外用剤。
4)酸と炭酸塩を含む固形物に、使用前に水を加えて得られる二酸化炭素外用剤。
5)酸を含む液状物と、炭酸塩を含む液状物からなり、使用前にこれらの液状物を混合して得られる二酸化炭素外用剤。
6)水溶性酸、増粘剤、水溶性分散剤を必須成分とし、増粘剤が水溶性酸及び水溶性分散剤と混合されている粒状物と、炭酸塩、水、増粘剤を必須成分とし、使用時に前記粒状物と混合する粘性組成物とを含む二酸化炭素外用剤調製用組成物から得られる二酸化炭素外用剤。
7)下記の粒状物(A)と、この粒状物(A)と混合する粘性物(B)と、からなることを特徴とする二酸化炭素外用ゲル調製用組成物から得られる二酸化炭素外用剤。
(A)弱酸と、カルシウムイオン捕捉剤とを必須成分とする粒状物。
(B)炭酸カルシウムと、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤と、水とを必須成分とする粘性物。
8)加水分解されて酸を生じる物質、炭酸塩、増粘剤、及び水を必須成分とすることを特徴とする二酸化炭素外用剤調製用組成物から得られる二酸化炭素外用剤。
9)少なくとも水と増粘剤からなる粘性物に二酸化炭素が非気泡状態で溶解していることを特徴とする二酸化炭素外用組成物(二酸化炭素外用剤と同義)、または少なくとも発酵菌と当該菌の代謝産物、増粘剤、水および二酸化炭素を含むことを特徴とする二酸化炭素外用組成物(二酸化炭素外用剤と同義)。
10)高分子立体網目構造体に少なくとも酸と水とを含む粘性物が含浸され、使用時に皮膚に接触させる主剤と、
使用時に前記主剤に接触させることにより二酸化炭素が発生するとともに、当該二酸化炭素が前記粘性物に溶解する、少なくとも炭酸塩を含む反応剤と、からなることを特徴とする二酸化炭素外用剤調製用材料から得られる二酸化炭素外用剤。
からなる群より選ばれる1種もしくは2種以上である、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤である。
本発明の好適例は、二酸化炭素の供給手段が、二酸化炭素を溶解する媒体の蒸気及び/もしくは浮遊液滴と二酸化炭素の混合物の局所投与である、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤である。
本発明は、腫瘍縮小もしくは消失と転移抑制を同時に達成することができる、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤である。
本発明の二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤により、外科療法、化学療法、放射線療法、免疫療法が困難な腫瘍患者の腫瘍を、副作用をほとんど伴わずに縮小もしくは消失させることができる。
さらに本発明の二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤は、(A)腫瘍近傍皮膚からの、二酸化炭素の局所吸収のみならず、(B)腫瘍から遠い皮膚からの二酸化炭素の局所吸収によっても、(1)腫瘍の縮小もしくは消失、(2)腫瘍の転移の抑制ができるので有用である。
本発明の二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤を、外科療法、化学療法、放射線療法、免疫療法のいずれか1種または2種以上と併用すると、それらの単独療法もしくは集学的療法に比べて、効果を増強したり、副作用を低減したりできる。
より具体的には、腫瘍の外科療法において、本発明の二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤を併用すると、外科療法のみに比べて、腫瘍細胞の急激な増殖や、転移を抑制し、あるいは腫瘍を縮小させて治療成績を上げることができる。
腫瘍の化学療法において、本発明の二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤を併用すると、化学療法剤投与のみに比べて、より少ない化学療法剤の投与量で同じ効果が得られ、副作用が低減される。また、化学療法剤の投与量が同じ場合、より高い効果が得られる。
腫瘍の放射線療法において、本発明の二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤を併用すると、放射線照射のみに比べて、より少ない線量で同じ効果が得られ、副作用が低減される。また、線量が同じ場合、より高い効果が得られる。
腫瘍の免疫療法において、本発明の二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤を併用すると、免疫療法のみに比べて、より少ない免疫療法剤の投与量で同じ効果が得られ、副作用が低減される。また、免疫療法剤の投与量が同じ場合、より高い効果が得られる。
本発明の二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤は、二酸化炭素外用剤調製用組成物や二酸化炭素外用投与装置のような、携行が可能な二酸化炭素の局所吸収手段を用いて二酸化炭素を目的部位に吸収できるため、入院設備等がない医療機関でも、容易に腫瘍治療が可能である。
本発明の二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤は、有効成分である二酸化炭素が安価なため、治療に要する費用は、外科療法、化学療法、放射線療法、免疫療法のいずれよりも少なくて済む。
もちろん、本発明の、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤は、動物にも適用できる。
ヌードマウスの移植腫瘍に対する週2回合計4回の二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤による抗腫瘍効果を示す図である。 ヌードマウスの移植腫瘍に対する週2回合計3回の二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤による抗腫瘍効果を示す図である。 ヌードマウスの移植腫瘍に対する週2回の二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤による抗腫瘍効果を示す図である。 ヌードマウスの移植腫瘍に対する治療開始初日から5日間連続の二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤による抗腫瘍効果を示す図である。 ヌードマウスの移植腫瘍に対する二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤と化学療法剤との併用効果を示す図である。 本発明で使用される二酸化炭素外用投与装置の概略構成図である。 本発明で使用される二酸化炭素外用投与装置の概略構成図である。 本発明で使用される二酸化炭素外用投与装置の概略構成図である。 本発明で使用される二酸化炭素外用投与装置の概略構成図である。 本発明で使用される二酸化炭素外用投与装置の概略構成図である。 ヌードマウスの移植悪性乳癌に対する二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤と化学療法剤との併用効果を示す図である。 ヌードマウスの移植悪性乳癌に対する二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤と化学療法剤との併用における副作用(体重変化)を示す図である。 ヌードマウスの移植腫瘍に対する二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤と放射線照射との併用効果を示す図である。 ヌードマウスの移植腫瘍に対する1回治療における二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤と化学療法剤各々単独治療効果及び併用効果を示す図である。 ヌードマウスの移植腫瘍に対する1回治療における二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤と化学療法剤各々単独治療及び併用治療における副作用(体重変化)を示す図である。 ヌードマウスの高肺転移性移植腫瘍に対する二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤の転移抑制効果(肺重量)を示す図である。 ヌードマウスの高肺転移性移植腫瘍に対する二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤の転移抑制効果(肺転移率)を示す図である。 ヌードマウスの高肺転移性移植腫瘍に対する二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤の抗腫瘍効果を示す図である。
本発明の二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤は、二酸化炭素を生体内に吸収させるものであれば特に限定されるものではない。二酸化炭素を生体内に吸収させる手段としては、二酸化炭素外用投与装置、二酸化炭素外用剤、炭酸泉、二酸化炭素を溶解する媒体の蒸気及び/もしくは浮遊液滴と二酸化炭素の混合物が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が使用できる。
本発明でいう二酸化炭素外用投与装置とは、気体状の二酸化炭素を経皮吸収させる手段であって、二酸化炭素を吸収させる部位を外気からほぼ密閉する密閉包囲材で包囲し、
二酸化炭素溶解媒体を含み、皮膚に適用して皮膚に二酸化炭素の吸収路を形成する、二酸化炭素吸収補助材を用いるか、あるいは、
ヒーターや発熱物質などの、密閉包囲材の内部の体表面での発汗を増進させる発汗増進手段を用い、汗を二酸化炭素吸収補助材として利用し、密閉包囲材内部に二酸化炭素を供給して経皮吸収させる手段、及び、
密閉包囲材内部に二酸化炭素を溶解する媒体の蒸気及び/もしくは浮遊液滴と二酸化炭素の混合物を供給して二酸化炭素を経皮吸収させる手段
を意味する。もちろん、本発明において、二酸化炭素外用投与装置はこれらに限定されず、気体状の二酸化炭素を経皮吸収させる手段が全て含まれる。
本発明でいう二酸化炭素外用剤とは、二酸化炭素を溶解する媒体を含み、二酸化炭素が溶存している、皮膚に適用可能な、液状物、半固形物、又はそれらを含浸させた貼付物を意味する。液状物としては、溶液、クリーム、ゲル、ペーストなどの流動性のあるものが挙げられる。二酸化炭素外用剤は、皮膚に直接塗布しても良いし、不織布等に含浸させたりして、皮膚に貼付しても良い。大量の二酸化炭素外用剤に、所望の部位を浸しても良い。
本発明でいう、二酸化炭素を溶解する媒体の蒸気及び/もしくは浮遊液滴と二酸化炭素の混合物とは、室温でその一部もしくは全部が気化する、二酸化炭素を溶解する媒体の気体、及び/もしくは当該媒体の浮遊液滴と二酸化炭素の混合物を意味する。浮遊液滴とは、空気中に浮遊する微小な液体であり、媒体が水の場合は、霧と呼ばれる。
本発明において、二酸化炭素を生体に吸収させる手段の一つである、二酸化炭素外用投与装置の例を以下に示す。
(1)体表面を外気から密閉することができる密閉包囲材と、この密閉包囲材の内部に二酸化炭素を供給するための供給装置と、前記密閉包囲材の内部において二酸化炭素の経皮経粘膜吸収を助ける吸収補助材とを備えていることを特徴とする二酸化炭素外用投与装置(国際公開2004/02393号公報)。
(2)ヒト又は動物の体表面を外気から密閉することができる密閉包囲材と、この密閉包囲材の内部に二酸化炭素を供給するための供給装置と、前記密閉包囲材の内部の体表面での発汗を増進させる発汗増進手段とを備えていることを特徴とする二酸化炭素外用投与装置(国際公開2008/047829号公報)
上記(1)及び(2)の二酸化炭素外用投与装置を用いた場合につき、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。なお、各図面において、同一符号は、同一要素又は相当する要素を示している。
(1)の二酸化炭素外用投与装置
本発明で用いられる二酸化炭素外用投与装置1は、少なくとも、体表面を外気から密閉することができる密閉包囲材2と、この密閉包囲材2の内部に二酸化炭素を供給するための供給装置3と、密閉包囲材2の内部において二酸化炭素の経皮吸収を助ける吸収補助材4とから構成されている。ただし、密閉包囲材2は必ずしも体表面を完全に外気から密閉する必要はなく、少量の二酸化炭素を密閉包囲材2に持続的に供給することによって、密閉包囲材2の内部の二酸化炭素濃度を一定以上に保つことができればよい。なお、吸収補助材4はシートで例示しているが、二酸化炭素を溶解し、皮膚に塗布可能であれば、液体であっても半固体であってもよく、製剤としては、例えば液、クリーム、ペースト、ゲルなどがあげられ、これらの1種もしくは2種以上が使用される。
二酸化炭素外用投与装置1において、上記密閉包囲材2は、皮膚を覆い、二酸化炭素が保持される一定の空間を持つものであれば、その形状や材質などは特に制限されない。
その形状としては、例えば、図6に示すように、手(足でもよい。)を包むことができる袋体や、図7に示すように、腕(足でもよい。)に巻き付くチューブ状の袋体を採用することができる。また、密閉包囲材2の形状は、図8に示すように、腹部などの比較的広い皮膚面に密着する開口下縁を有する容器や、図9に示すように、一端部が開口されかつ他端部が供給装置3の接続部分とされたカップ状の筒体を採用することができる。もっとも、密閉包囲材2の形状はこれらの例に限定されるものではない。
密閉包囲材2の材質としては、気体不透過性であれば特に制限はなく、金属、プラスチック、ゴム、ガラスなどから目的や使用部位などに応じて適宜選んで使用できる。
密閉包囲材2が金属やガラスのような伸縮性のない、固い材料のみからなる密閉包囲材(以下、「堅牢型密閉包囲材」という。)の場合は、使用部位を囲む密閉された一定の空間を持つ形状が好ましい。皮膚の接触部分は二酸化炭素が漏れないように、使用部位に応じた形状であることが好ましいが、伸縮性のあるゴムや樹脂などの材料を皮膚粘膜接触部分に組み合わせると、使用部位に柔軟に対応できるため好ましく、例えば粘弾ゲルのような、より柔軟性が高く、皮膚への密着性に優れる材料との組み合わせがより好ましい。
また、堅牢型密閉包囲材で皮膚を密閉した密閉空間に二酸化炭素を満たすために、当該包囲材は気体排出口を持つことが好ましい。密閉空間内に二酸化炭素を注入するとき、皮膚接触部分の隙間から当該密閉空間内の空気を逃がし、二酸化炭素と置換してもよいが、隙間の大きさの調節が難しいため、確実な置換が行い難く、置換に必要な二酸化炭素の量が一定しないが、例えば気体注入口から一番遠い位置に気体排出口を設けることにより、空気と二酸化炭素の置換が効率よく短時間で行える。
堅牢型密閉包囲材の気体注入口2a(図8及び図9参照)には、二酸化炭素の供給装置3とつなぐチューブ3aが接続され、気体が漏れないものであれば特に制限されないが、気体の逆流を防止する逆止弁が付いたものがより好ましい。堅牢型密閉包囲材の気体排出口2b(図8及び図9参照)は、皮膚接触部分の隙間を利用してもよいが、当該包囲材内の空気と二酸化炭素の置換を確実かつ効率的にするためには、気体の逆流を防止する逆止弁が付いたものがより好ましい。
密閉包囲材2がゴムや樹脂、軟質プラスチックのような柔軟性のある材料のうち、多少の外力によっても形状が大きく崩れることのない、形状保持能力のある材料からなる密閉包囲材(以下、「柔軟型密閉包囲材」という。)の場合は、皮膚接触部分も柔らかいため、そのまま使うことができるが、例えば粘弾ゲルのような、より柔軟性が高く、皮膚への密着性に優れる材料を皮膚接触部分に組み合わせるとより好ましい。なお、柔軟型密閉包囲材においても、堅牢型密閉包囲材の場合と同じ気体注入口と気体排出口を採用することができる。
密閉包囲材2がゴムや樹脂のような柔軟性のある材料のうち、風船のような高い伸縮性を持つ材料からなる密閉包囲材(以下、「伸縮性密閉包囲材」という)の場合は、筒状もしくは袋状などで使用でき、所望部位を覆った筒もしくは袋などの口を縛るか、あるいは口にゴムやばねなどを入れた伸縮式開閉口を設けることにより皮膚を密閉できる。
また、例えば適用部位を腕とする筒状伸縮性密閉包囲材の場合であれば、筒の周囲径が腕の周囲径とほぼ同じか、小さくし、皮膚に密着した状態、もしくは当該包囲材と皮膚との間の空間が非常に小さい状態で皮膚を密閉し、当該包囲材と皮膚との間に二酸化炭素を注入して当該包囲材を膨張させ、該二酸化炭素自身で、二酸化炭素が保持される一定の空間を作ってもよい。
この伸縮性密閉包囲材の気体注入口及び気体排出口は、前記堅牢型密閉包囲材と同じ構造でもよいが、筒もしくは袋などで皮膚を密閉し、中の空気をあらかじめできるだけ排出しておき、内部に空気ができるだけ入らないように筒状もしくは袋状などの伸縮性密閉包囲材の口からチューブ3aを差し込み、二酸化炭素を注入してもよい(図6及び図7参照)。
密閉包囲材2が折り畳み可能なシートもしくはフィルム状の材料からなる密閉包囲材(以下、「シート型密閉包囲材」という。)の場合は、筒状もしくは袋状などで使用でき、所望部位を覆った筒もしくは袋などの口を縛るか、あるいは口にゴムやばねなどを入れた伸縮式開閉口を設けることにより皮膚を密閉できる。
また、例えば適用部位を腕(足でもよい。)とする筒状のシート型密閉包囲材の場合であれば、筒の周囲径を腕の周囲径より大きくし、腕を密閉して当該包囲材を折り畳み、中の空気をできるだけ排出しておき、皮膚に密着させて使用することができる。当該包囲材の気体注入口及び気体排出口は堅牢型密閉包囲材と同じでもよいが、筒もしくは袋などで皮膚粘を密閉し、中の空気をあらかじめできるだけ排出しておき、内部に空気ができるだけ入らないように筒状もしくは袋状などのシート型密閉包囲材の口からチューブを差し込み、二酸化炭素を注入してもよい。
二酸化炭素外用投与装置1において、二酸化炭素の供給装置3としては、特に制限はなく、例えば市販の炭酸ガスボンベなどが使用できる。また、例えばチューブの付いた密閉容器を利用し、固体の二酸化炭素である、いわゆるドライアイスを当該容器内部で気化させるか、あるいは当該容器内部で炭酸塩と酸との反応により二酸化炭素を発生させる装置などを使用してもよい。
二酸化炭素外用投与装置1において、密閉包囲材2と二酸化炭素の供給装置3をつなぐチューブ3aとしては、気体が外部に漏れないものであれば、ゴム、樹脂、金属、ガラスなどのチューブとして成形できる材料であれば、特に制限なく使用できる。
二酸化炭素外用投与装置1において、二酸化炭素の吸収補助材4に使用されるシート状物は、二酸化炭素を溶解する媒体を含浸でき、皮膚に貼付できるものであれば特に制限されず、例えば天然繊維、合成繊維、もしくは半合成繊維などからなる織布や不織布、あるいはセルロース膜などの半透膜、あるいは天然高分子、合成高分子、半合成高分子などからなるハイドロゲルシートなどがあげられ、これらの1種もしくは2種以上が使用される。
前記の二酸化炭素を溶解する媒体としては、水、アルコール、油脂、ワックスなどが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が使用できる。
水はpH7〜pH2が好ましく、pH6.5〜pH4の酸性水が更に好ましい。その理由は、二酸化炭素はpH4以上の酸性溶媒に溶解したとき、効率的に経皮吸収されるからである。水を酸性にする方法としては、有機酸もしくは無機酸を水に加えるか、あるいは酸性電気分解水を用いても良い。
アルコールは、常温で気化しにくいアルコールが好ましく、多価アルコールがより好ましい。常温で気化しやすいアルコールは、気化熱によって皮膚温を下げ、二酸化炭素の血流増加作用を減じるため好ましくない。
油脂とワックスは、常温で液体もしくは半固形で、シート状物に含浸できるものが用いられる。
二酸化炭素を溶解する媒体としては、特に制限されないが、水を含むものが好ましく、含水量ができるだけ多く、また、皮膚に水分を補給できるものが好ましい。液としては、少量で必要な粘度が得られることや、皮膚との密着性や粘着性に優れることから、増粘剤の水溶液や懸濁液、膨潤液などが好適に使用される。これらの製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法によることができる。
前記粘性物に使用する増粘剤としては、天然高分子、半合成高分子、合成高分子、無機物からなる群より選ばれる1種もしくは2種以上が用いられる。
天然高分子としてはアラビアゴム、カラギーナン、ガラクタン、寒天、キサンタンガム、クインスシードガム、グアガム、トラガント、ペクチン、マンナン、ローカストビーンガム、小麦澱粉、米澱粉、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉などの植物系高分子、カードラン、キサンタンガム、サクシノグルカン、デキストラン、ヒアルロン酸、プルランなどの微生物系高分子、アルブミン、カゼイン、コラーゲン、ゼラチン、フィブロインなどの蛋白系高分子があげられ、これらの1種もしくは2種が使用される。これらのなかでも皮膚との親和性等の点でアラビアゴム、カラギーナン、キサンタンガム、トラガント、ヒアルロン酸、プルラン、ペクチン、マンナン、ローカストビーンガムが好ましく、使用感等の点でカラギーナンとペクチンが更に好ましく用いられる。
半合成高分子としてはエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルスターチ、クロスカルメロース、結晶セルロース、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系高分子、アルファー化澱粉、部分アルファー化澱粉、カルボキシメチル澱粉、デキストリン、メチル澱粉、デンプン−アクリル酸共重合体、セルロース−アクリロニトリルグラフト共重合体などの澱粉系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステルなどのアルギン酸系高分子、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムなどのその他の多糖類系高分子があげられ、これらの1種もしくは2種以上が使用される。
これらのなかでも皮膚との親和性等の点でアルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、ヒアルロン酸ナトリウムが好ましく、使用感等の点からアルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ヒアルロン酸ナトリウムが更に好ましく用いられる。
合成高分子としては、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアミン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルメチルエーテルなどがあげられ、これらの1種もしくは2種が使用される。これらのなかでも皮膚との親和性等の点でカルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンが好ましく、使用感等の点からポリビニルアルコールとポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマーが更に好ましく用いられる。
無機物としては含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、コロイダルアルミナ、ベントナイト、ラポナイトなどがあげられ、これらの1種もしくは2種が使用される。
二酸化炭素外用投与装置1において、二酸化炭素の吸収補助材4に使用されるアルコールとしては、常温で液状もしくは半固形状であり、ヒトの皮膚温では容易に気化しないものであれば特に制限されず、例えばイソプロピルアルコールや1−ブタノールなどの一価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、イソプレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリンなどの多価アルコールがあげられ、これらの1種もしくは2種が使用できる。アルコールの使用方法としては特に制限されず、物性等に応じてそのまま皮膚に塗布するか、噴霧するか、不織布等に含浸させるなどして貼付してもよい。
二酸化炭素外用投与装置1において、二酸化炭素の吸収補助材4に使用される油脂類としては、常温で液状もしくは半固形状で、皮膚に比較的薄く塗布できるものであれば特に制限されず、例えば、アボカド油、アボカドバター、オリーブ油、ゴマ油、サフラワー油、大豆油、ツバキ油、ヒマワリ油、マカデミアナッツ油などの天然植物油脂;スクアラン、ミンクオイル、牛脂、豚脂、鶏脂、馬脂などの動物油脂などがあげられ、これらの1種もしくは2種が使用できる。
油脂の使用方法としては特に制限されず、物性等に応じてそのまま皮膚に塗布するか、噴霧するか、不織布等に含浸させるなどして貼付してもよい。
二酸化炭素外用投与装置1において、二酸化炭素の吸収補助材4に使用されるワックスとしては、常温で液状もしくは半固形状で、皮膚に比較的薄く塗布できるものであれば特に制限されず、例えば、ホホバ油、カルナバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、ラノリンなどがあげられ、これらの1種もしくは2種が使用できる。
ワックスの使用方法としては特に制限されず、物性等に応じてそのまま皮膚に塗布するか、噴霧するか、不織布等に含浸させるなどして貼付してもよい。
二酸化炭素の吸収補助材4は、単一の原料からなるものを使用しても良いが、皮膚への密着性や皮膚との親和性、二酸化炭素の溶解性から、酸性粘性組成物が好ましい。酸性粘性組成物としては、少なくとも酸、増粘剤、水を含む組成物が好ましい。酸性度としては、pH4〜6.5が、二酸化炭素が分子状で水に溶解し、経皮吸収効率が高いため好ましい。
二酸化炭素外用投与装置1において、二酸化炭素の吸収補助材4を皮膚に適用したとき、皮膚上に二酸化炭素溶解媒体の膜ができるだけ薄く形成されることが好ましい。二酸化炭素溶解媒体の膜が厚すぎると、二酸化炭素が当該媒体に溶解し、さらに皮膚に拡散吸収されるのに時間がかかるため、二酸化炭素の吸収効率が悪くなるおそれがある。ただし、二酸化炭素溶解媒体の気化温度が比較的低い場合、形成される二酸化炭素溶解媒体の膜が薄すぎると、二酸化炭素が吸収されている間に、当該媒体が皮膚温のために気化もしくは蒸発し、皮膚上から消失するおそれがあるため、使用量を調節する必要がある。
前記二酸化炭素の吸収補助材4には、通常外用剤や化粧料に用いられる原料、例えば香料、色素、界面活性剤、油分、保湿剤、アルコール類、防腐剤、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、着色防止剤、紫外線吸収・散乱剤、ビタミン類、アミノ酸類、アルブチン、コウジ酸、栄養剤、抗炎症剤、血管拡張剤、ホルモン剤、収斂剤、抗ヒスタミン剤、殺菌剤、皮脂抑制剤、角質剥離・溶解剤、抗脂漏剤、鎮痒剤などの薬剤などが配合でき、美容もしくは医療目的に一層好適に使用される。
二酸化炭素外用投与装置1において、使用する二酸化炭素は気体状であり、当該気体に占める二酸化炭素の割合は10%以上が好ましく、30%以上がより好ましい。割合に上限はない。二酸化炭素の投与時間としては5分以上が好ましく、10分以上がより好ましい。投与時間に上限はない。
(2)の二酸化炭素外用投与装置
図10は、本発明で用いられる二酸化炭素外用投与装置1を示している。
図10に示すように、本実施形態の投与装置1では、加圧包囲材6は、硬質且つ中空のボックス体16であり、被施療者15の首から下の体全体を収納できる。ボックス体16は、座部17と背凭れ部18とを有する本体部19と、本体部19の前方開放部を開閉自在に密閉する前蓋部20と、を備えている。
ボックス体16の内面側には、密閉包囲材2が設けられている。密閉包囲材2は、可撓性を有する合成樹脂製の袋体であり、被施療者15の首から下の体全体を収納できる。
ボックス体16の下部には、逆止弁機能を有する、第一カプラ8及び第二カプラ10が、取り付けられている。そして、密閉包囲材2の内部には、第一カプラ8に接続された第一ボンベ9から、二酸化炭素を供給できる。また、密閉包囲材2と加圧包囲材6の間の空間には、第二カプラ10に接続された第二ボンベ11から、空気を供給できる。
本実施形態では、ボックス体16の座部17の下面に、電熱線ヒーターなどからなる加温部材21が設けられている。加温部材21は、密閉包囲材2の内部を皮膚温を超える温度に加熱できる。なお、被施療者の皮膚温は、通常、体温(摂氏36度程度)よりも低温(摂氏25度程度)であるので、加温部材21は、密閉包囲材2の内部を上記低温を超える温度に加熱できる能力を有していればよい。
本実施形態の投与装置1を使用する際には、図10に示すように、被施療者15を、首だけ外部に露出させた状態でボックス本体16の座部17に座らせ、前蓋部20を閉じてボックス本体16を気密的に閉塞する。
この状態で、第一ボンベ9から、密閉包囲材2の内部に二酸化炭素を供給し、それと同時に、第二ボンベ11から、密閉包囲材2と加圧包囲材6との間の空間に空気を供給する。
その結果、密閉包囲材2の内部が、概ね、二酸化炭素で満たされるとともに、密閉包囲材2が、加圧包囲材6の内部の空気圧によって外部から加圧され、これによって、密閉包囲材2の内部の気体が大気圧を超える圧力で加圧される。このため、本実施形態においても、加圧包囲材6と、加圧包囲材6の内部に空気を供給する第二ボンベ11と、によって、密閉包囲材2の内部の気体を大気圧を超える圧力に加圧する加圧部材13が、構成されている。
上述のように、体表面に接している二酸化炭素含有気体の圧力を、大気圧を超える圧力に加圧すると、後述する実施例から明らかなとおり、施療部位である首から下の体全体の温感が非常に強くなり、被施療者15に発汗が生じる。したがって、本実施形態の加圧部材13も、密閉包囲材2の内部の体表面での発汗を増進させる発汗増進手段4として機能する。
また、座部17に設けた加温部材21によって、密閉包囲材2の内部が皮膚温を超える温度に加熱されるので、被施療者15の発汗が助長される。このため、本実施形態では、加温部材21も、体表面での発汗を増進させる発汗増進手段4として機能する。
被施療者15自身の発汗で生じた体表面の汗に、二酸化炭素が溶解し、この溶解した二酸化炭素が、効果的に経皮吸収される。すなわち、汗が結果的に二酸化炭素の吸収補助材となるので、抗腫瘍作用を得ることができる。
上述のように、本実施形態の投与装置1においても、吸収補助材を密閉包囲材2の内部に予め設けるか否かに拘わらず、抗腫瘍作用を得ることができる。
また、本実施形態では、加圧包囲材6が密閉包囲材2の周囲を取り囲んでおり、両包囲材2、6の間に空気を供給するようになっているので、二酸化炭素の供給量を増大させなくても、密閉包囲材2の内部の気体を加圧することができる。このため、二酸化炭素の供給量を増大させることによって加圧する場合に比べて、密閉包囲材2の内部を安価に加圧することができ、二酸化炭素の経皮吸収による治療を安価に行うことができる。
本発明において、二酸化炭素を生体に吸収させる手段の一つである、二酸化炭素外用剤について以下に説明する。
二酸化炭素外用剤に含まれる、二酸化炭素を溶解する媒体としては、水、アルコール、油脂、ワックスが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が使用できる。水、アルコール、油脂、ワックスとしては、二酸化炭素外用投与装置で挙げたものが同様に使用できる。
二酸化炭素外用剤の調製手段を以下に例示する。
1)二酸化炭素を溶解する媒体中に二酸化炭素を直接吹き込むなどして溶解させる方法、
2)二酸化炭素を溶解する媒体中で、酸と炭酸塩の反応により、二酸化炭素が当該媒体中に発生する、二酸化炭素外用剤調製用組成物、
3)二酸化炭素を溶解する媒体中で、発酵により二酸化炭素を発生する微生物等と、当該発酵に必要な原料を含む二酸化炭素外用剤調製用組成物
が挙げられる。
溶存二酸化炭素は大気中に散逸しやすく、媒体中に長期間保存することが困難である。また、媒体に溶解する二酸化炭素の量は限られている。そのため、使用前に調製し、使用中に二酸化炭素が連続的に媒体中に発生する、二酸化炭素を溶解する媒体中で、酸と炭酸塩の反応により、二酸化炭素が当該媒体中に発生する、二酸化炭素外用剤調製用組成物を使用することが好ましい。
二酸化炭素を溶解する媒体中で、酸と炭酸塩の反応により、二酸化炭素が当該媒体中に発生する、二酸化炭素外用剤調製用組成物の例を以下に示す。
a)酸を含む固形物と、炭酸塩を含む液状物からなり、使用前に前記粒状物と前記液状物を混合する二酸化炭素外用剤調製用組成物。
b)炭酸塩を含む固形物と、酸を含む液状物からなり、使用前に前記粒状物と前記液状物を混合する二酸化炭素外用剤調製用組成物。
c)酸と炭酸塩を含む固形物に、使用前に水を加えて混合する二酸化炭素外用剤調製用組成物。
d)酸を含む液状物と、炭酸塩を含む液状物からなり、使用前にこれらの液状物を混合する二酸化炭素外用剤調製用組成物。
より具体的には、以下の二酸化炭素外用剤調製用組成物が例示される。
e)加水分解されて酸を生じる物質、炭酸塩、増粘剤および水を必須成分とし、さらにカルシウムイオンによってゲル化するゲル化剤、および水不溶性若しくは水難溶性カルシウム塩からなることを特徴とする二酸化炭素外用剤調製用組成物(国際公開2006/80398号パンフレット)。
f)水溶性酸、増粘剤、水溶性分散剤を必須成分とし、増粘剤が水溶性酸及び水溶性酸および水溶性分散剤と混合されている粒状物と、炭酸塩、水、増粘剤を必須成分とし、使用時に粒状物と混合される粘性組成物からなる二酸化炭素外用剤調製用組成物(国際公開2002−80941号パンフレット)。
g)下記の粒状物(A)と、この粒状物(A)と混合する粘性物(B)と、からなることを特徴とする二酸化炭素外用ゲル調製用組成物。
(A)弱酸と、カルシウムイオン捕捉剤とを必須成分とする粒状物。
(B)炭酸カルシウムと、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤と、水とを必須成分とする粘性物(国際公開2005/16290号パンフレット)
h)高分子立体網目構造体に少なくとも酸と水とを含む粘性物が含浸され、使用時に皮膚に接触させる主剤と、
使用時に前記主剤に接触させることにより二酸化炭素が発生するとともに、当該二酸化炭素が前記粘性物に実質的に非気泡状態で溶解する、少なくとも炭酸塩を含む反応剤と、からなることを特徴とする二酸化炭素外用剤調製用材料(国際公開第2004/4745号パンフレット)
前記e)の二酸化炭素外用剤調製用組成物(以下、二酸化炭素外用剤調製用組成物〔1〕という。)から得られる二酸化炭素外用剤について以下に詳細に説明する。
本発明に用いる二酸化炭素外用剤調製用組成物〔1〕は、加水分解されて酸を生じる物質、炭酸塩、増粘剤及び水を必須成分とする。
加水分解されて酸を生じる物質としては、ラクトン、有機酸の環状二量体及び、酸無水物から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、より好ましくは結晶状態の、ラクトン、有機酸の環状二量体及び、酸無水物から選ばれる1種又は2種以上である。具体的には、グルコノデルタラクトン、パントラクトン、D,L−又はL−ラクチド(3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオン)、D,L−又はL−グリコリド、無水フタル酸、無水マレイン酸及び無水コハク酸が挙げられる。これらを1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。無水マレイン酸や無水コハク酸は加水分解、並びにそれに続く酸の生成が速いため、グルコノデルタラクトンやD,L−ラクチドなど他の加水分解されて酸を生じる物質と組み合わせて用いる方が、酸の生成速度ひいては二酸化炭素の発生速度を任意にコントロールできるために好ましい。
炭酸塩としては、酸と反応して二酸化炭素を発生する炭酸塩であれば特に限定されるものではなく、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、セスキ炭酸リチウム、炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、セスキ炭酸セシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水酸化マグネシウム、炭酸バリウム等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。これらの中で、炭酸水素ナトリウムや炭酸ナトリウム等の水溶性炭酸塩が好ましい。
増粘剤としては、特に限定されるものではなく、天然高分子、半合成高分子、合成高分子及び、無機物から選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。
上記のうち、中性又はアルカリ性の増粘剤は以下のものを挙げることができる。
天然高分子としては、アラビアゴム、カラゲニン、ガラクタン、寒天、クインスシード、グアガム、トラガント、マンナン、ローカストビーンガム、小麦澱粉、米澱粉、タラガム、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉などの植物系高分子、カードラン、キサンタンガム、サクシノグルカン、デキストラン、プルランなどの微生物系高分子、アルブミン、カゼイン、コラーゲン、ゼラチン、フィブロインなどの蛋白系高分子を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
半合成高分子としては、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩類、カルボキシメチルエチルセルロース及びその塩類、カルボキシメチルスターチ及びその塩類、クロスカルメロース及びその塩類、結晶セルロース、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系高分子、アルファー化澱粉、部分アルファー化澱粉、カルボキシメチル澱粉、デキストリン、メチル澱粉などの澱粉系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコールエステルなどのアルギン酸系高分子、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムなどのその他の多糖類系高分子を挙げることができ、これらの1種もしくは2種以上を使用することができる。
合成高分子としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メタアクリル酸−アクリル酸エチルコポリマー、メタアクリル酸−メタアクリル酸エチルコポリマー、メタアクリル酸エチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチルコポリマー、メタアクリル酸ジメチルアミノエチル・メタアクリル酸メチルコポリマーなどを挙げることができ、これらの1種もしくは2種以上を使用することができる。
無機物としては、含水二酸化ケイ素、コロイダルアルミナ、ベントナイト、ラポナイト等を挙げることができ、これらの1種もしくは2種以上を使用することができる。
酸性増粘剤としては以下のものを挙げることができる。
天然高分子としては、アルギン酸、ペクチン、ヒアルロン酸を、半合成高分子としてはカルボキシビニルポリマーを、無機物としては軽質無水ケイ酸などを挙げることができ、これらの1種若しくは2種以上を使用することができる。
水としては、特に限定されるものではなく、天然水、水道水、蒸留水、精製水等を使用することができる。
上記のうち、二酸化炭素外用剤調製用組成物〔1〕における二酸化炭素の発生原料は、加水分解されて酸を生じる物質及び炭酸塩である。加水分解されて酸を生じる物質は、水に接触すると徐々に加水分解されて酸になり、この酸が炭酸塩と反応することによって徐々に二酸化炭素を発生する。さらに、二酸化炭素外用剤調製用組成物〔1〕は、必須成分として増粘剤と水とを含んでおり、これらが粘性物を形成する。加水分解されて酸を生じる物質の加水分解と、それに引き続く二酸化炭素発生の反応速度が、水中よりも粘性物中の方が遅いため、二酸化炭素が徐々に、しかも持続的に発生し、当該二酸化炭素が大気中に散逸しにくい二酸化炭素外用剤が得られる。
二酸化炭素外用剤調製用組成物〔1〕の調製は、水以外の成分(加水分解されて酸を生じる物質、炭酸塩及び増粘剤)が粒状物を形成している二酸化炭素外用剤調製用組成物(以下、二酸化炭素外用剤調製用組成物〔1−1〕という。)であるか、もしくは加水分解されて酸を生じる物質、炭酸塩及びカルシウムイオンによってゲル化するゲル化剤及び、水不溶性又は水難溶性カルシウム塩から選ばれる1種又は2種以上の成分が粒状物を形成し、かつ、少なくとも増粘剤と水とが粘性物を形成している二酸化炭素外用剤調製用組成物(以下、二酸化炭素外用剤調製用組成物〔1−2〕という。)であることが好ましい。なお、本発明において、粒状物とは、粉末、細粒、顆粒、結晶等の固形物、又はこれら固形物の混合物を意味する。
上記二酸化炭素外用剤調製用組成物〔1−1〕は、常法によって予め調製された、加水分解されて酸を生じる物質、炭酸塩及び増粘剤からなる粒状物(以下、粒状物〔A〕という。)と水とからなる。使用時に粒状物〔A〕と水とを混合することにより二酸化炭素外用剤が得られる。
粒状物〔A〕と水とは使用するまで接触しない状態で保存され、使用時に粒状物〔A〕と水とを混合すれば容易に二酸化炭素外用剤が得られる。粒状物〔A〕は、例えば、加水分解されて酸を生じる物質と炭酸塩と増粘剤とを単に混ぜ合わせることによって調製することができる。加水分解されて酸を生じる物質と炭酸塩と増粘剤はできるだけ均一に混合されていることが好ましい。
粒状物〔A〕には、さらに分散剤が含まれることが好ましい。これは、増粘剤と水を混合したとき、いわゆる、「だま」又は「ままこ」を作りにくくして、増粘剤が水に溶解又は均一に分散し易くするためである。ここで、「だま」又は「ままこ」とは、増粘剤を水と混合したときに、固形物である増粘剤どうしが凝集して形成される、内部に水を含まない固形物であり、その外側が溶解又は膨潤した粘性物に囲まれた凝集塊のことをいう。
上記分散剤としては、水に溶けやすく、化学的に安定で、粒子状で使用できるものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、アルファー化澱粉、α−シクロデキストリン等の澱粉誘導体、白糖、ブドウ糖、果糖、ショ糖、乳糖、キシリトール、D−ソルビトール、D−マンニトール等の糖類、プルラン、キサンタンガム等の多糖類、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム等のセルロース誘導体及びその塩類、ポリピニルピロリドン等の合成高分子並びに尿素等を挙げることができ、これらの1種もしくは2種以上を使用することができる。
さらに、上記分散剤以外にも、増粘剤を水に溶解し易くするために、又は均一に分散し易くするために通常医薬品又は化粧品等に配合される添加剤を加えることもできる。
上記の二酸化炭素外用剤調製用組成物〔1−2〕は、加水分解されて酸を生じる物質及び/又は炭酸塩が粒状物を形成し、かつ、少なくとも増粘剤と水とが粘性物を形成しており、当該増粘剤が水に溶けるか又は均一に分散した状態であることが好ましい。
増粘剤と水との混合が十分に行われないと、得られる二酸化炭素外用剤の粘度が不十分となり、発生した二酸化炭素が大気中に散逸して経皮経粘膜吸収される量が少なくなったり、二酸化炭素外用剤が皮膚から垂れたりするおそれがある。そのため、少なくとも増粘剤と水とで予め粘性物を形成させ、使用時に粒状物と混合して十分な粘度の二酸化炭素外用剤を調製することが好ましい。
粘性物と粒状物の組み合わせの例は、以下に示される。
(1) 炭酸塩、増粘剤及び水からなる粘性物(以下、粘性物〔B〕という。)と、加水分解されて酸を生じる物質からなる粒状物(以下、粒状物〔B〕という。)
(2) 増粘剤及び水からなる粘性物(以下、粘性物〔C〕という。)と、加水分解されて酸を生じる物質と炭酸塩からなる粒状物(以下、粒状物〔C〕という。)
増粘剤が炭酸塩と組み合わされて粘性物中に配合されている場合、すなわち、粘性物〔B〕の場合には、増粘剤は、前記の、二酸化炭素外用剤調製用組成物〔1〕に用いる増粘剤のうち中性又はアルカリ性の増粘剤を使用することが好ましい。その理由は、もし増粘剤が酸性であれば、粘性物の調製時に炭酸塩が増粘剤と反応して二酸化炭素が発生するおそれがあるためである。
粘性物〔C〕の場合には、増粘剤は前記の二酸化炭素外用剤調製用組成物〔1〕に用いる増粘剤(前記中性又はアルカリ性、若しく前記酸性増粘剤)と同様のものが使用できる。
二酸化炭素外用剤調製用組成物〔1〕は、二酸化炭素外用剤調製用組成物〔1−1〕の場合においても、二酸化炭素外用剤調製用組成物〔1−2〕の場合でも、二酸化炭素外用剤としての使用時にすべての成分が混合されることが好ましい。
また二酸化炭素外用剤調製用組成物〔1−1〕を、吸水性支持体を用いて調製する場合には、使用時まで水と接触しない状態で粒状物〔A〕が吸水性支持体に含まれていることが好ましい。この場合、使用時に当該吸水性支持体を水に浸すかあるいは水で濡らすだけで使用することができる。
前記吸水性支持体としては、粒状物〔A〕を保持することが可能で、かつ吸水能があり、皮膚に適用できるものであれば特に限定されるものではなく、具体的な目的や使用部位に応じて適宜選択することが可能である。吸水性支持体としては、例えば、織布、不織布、スポンジ等を挙げることができる。それらの中でも、軽く、粒状物の保持能力に優れる不織布が好ましい。
得られた二酸化炭素外用剤は、所望の部位に1mm以上の厚さに塗布する。当該外用剤が塗布部位から動かないように、プラスチックフィルム等で覆い、テープ等で留めておいても良い。塗布時間は5分以上が好ましく、10分以上がさらに好ましい。塗布時間に上限はないが、連続塗布する場合は、概ね24時間で新たな二酸化炭素外用剤に交換することが好ましい。塗布頻度は、週1回以上が好ましい。塗布頻度に上限はない。二酸化炭素濃度としては300ppm以上が好ましく、1,000ppm以上がさらに好ましい。
その他、人工炭酸泉を含む炭酸泉や二酸化炭素含有水蒸気も利用可能である。前記二酸化炭素含有水蒸気とは、東ヨーロッパなどで痔疾治療等に利用される、地下から噴出する、二酸化炭素を含有した天然の水蒸気や、ドライアイスを空気中に置くと発生する、二酸化炭素を含有した水蒸気の白煙などを意味する。
気体状の二酸化炭素を注入する方法も利用できる。
もちろん、本発明はこれらの二酸化炭素供給手段に限定されるものではなく、腫瘍が縮小もしくは消失する、或いは腫瘍の転移が抑制される量の二酸化炭素が目的部位に吸収される手段であればよい。二酸化炭素を生体に吸収させる手段として、これらの中でも上記二酸化炭素外用投与装置がより好ましい。
本発明の二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤を、外科療法、化学療法、放射線療法、免疫療法に併用する場合、各療法(集学的療法を含む)を行うたびに二酸化炭素を吸収させても、あるいは、各療法(集学的療法を含む)を行わない日に、二酸化炭素を吸収させてもよい。
本発明の二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤を併用する外科療法としては、拡大根治手術、縮小手術、機能温存手術、内視鏡手術、体腔鏡手術などがあげられる。
本発明の二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤を併用する放射線療法としては、リニアック(直線加速器)を用いた定位的放射線照射療法である、ガンマー線を照射するガンマーナイフ療法、X線を照射するサイバーナイフ療法などがあげられる。
本発明の二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤と併用する化学療法としては、分子標的薬、アルキル化剤、代謝拮抗剤、植物アルカロイド、抗がん性抗生物質、プラチナ製剤、ホルモン剤、生物学的応答調節剤などの抗がん剤の投与があげられる。
併用する化学療法としての分子標的薬としては、イブリツモマブチウキセタン、イマチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、スニチニブ、セツキシマブ、ソラフェニブ、ダサチニブ、タミバロテン、トラスツズマブ、トレチノイン、パニツムマブ、ベバシズマブ、ボルテゾミブ、リツキシマブがあげられる。
併用する化学療法に用いられるアルキル化剤としては、イホスファミド、シクロホスファミド、ダカルバジン、テモゾロミド、ニムスチン、ブスルファン、メルファランがあげられる。
併用する化学療法に用いられる代謝拮抗剤としては、エノシタビン、カペシタビン、カルモフール、ゲムシタビン、シタラビン、テガフール、テガフール・ウラシル、ネララビン、フルオロウラシル、フルダラビン、ペメトレキセド、ペントスタチン、メトトレキサートがあげられる。
併用する化学療法に用いられる植物アルカロイドとしては、イリノテカン、エトポシド、ソブゾキサン、ドセタキセル、ノギテカン、パクリタキセル、ビノレルビン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンブラスチンがあげられる。
併用する化学療法に用いられる抗がん性抗生物質としては、アクチノマイシンD、アクラルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ピラルビシン、ブレオマイシン、ぺプロマイシン、マイトマイシンC、ミトキサントロンがあげられる。
併用する化学療法に用いられるプラチナ製剤としては、オキサリプラチン、カルボプラチン、シスプラチン、ネダプラチンがあげられる。
併用する化学療法に用いられるホルモン剤としては、アナストロゾール、エキセメスタン、エチニルエストラジオール、クロルマジノン、ゴセレリン、タモキシフェン、ビカルタミド、フルタミド、ブレドニゾロン、リュープロレリン、レトロゾールがあげられる。
併用する化学療法に用いられる生物学的応答調節剤としては、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、インターロイキン2、ウベニメクス、乾燥BCG、レンチナンがあげられる。
本発明の二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤と併用する免疫療法としては、能動免疫療法として、サイトカイン療法、免疫賦活剤等があげられる。また、受動免疫療法(免疫細胞療法)として、高度活性化NK細胞療法や活性リンパ球療法等があげられる。
本発明の二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤と併用する化学療法剤として、核酸合成阻害剤を用いることができる。この療法に用いる核酸合成阻害剤としては、アドリアマイシンが好適に用いられる。
次に実施例をあげて本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 ヌードマウスの移植腫瘍に対する抗腫瘍効果1(二酸化炭素吸収手段として二酸化炭素外用投与装置を使用)
[試験方法]
5週齢のヌードマウス10匹の背部皮下に、悪性軟部腫瘍のMFH細胞株NaraHを1,200万/匹移植した。移植後、各ヌードマウスの体重と腫瘍体積を計測し、体重と腫瘍体積のばらつきが少なくなるよう、二酸化炭素吸収群と、二酸化炭素吸収群と同じ処置は行うが二酸化炭素吸収は行わないコントロール群の2群に分け、移植2日後から治療を開始した。治療は全群にエーテル吸入麻酔後、特許文献7を参考に、水93.77質量%、グリセリン5質量%、カルボマー0.65質量%、アルギン酸ナトリウム0.15質量%、リン酸二水素ナトリウム0.15質量%、水酸化ナトリウム0.18質量%、メチルパラベン0.10質量%からなる、二酸化炭素の吸収補助材を、腫瘍移植背部皮膚に2mmの厚さに塗布した。二酸化炭素吸収群は、ヌードマウスの下半身を幅4cm、長さ4cmのポリエチレン製袋で覆って密閉し、液化二酸化炭素を使用して、その内部にほぼ100%濃度の二酸化炭素を充填し、10分間経皮的に吸収させた。二酸化炭素の吸収は週2回、治療は14日間行ない、二酸化炭素は合計4回吸収させた。腫瘍体積は、移植腫瘍塊の(最大径)×(最小径)×(最小径)×1/2で求めた。腫瘍体積の計測は、腫瘍移植後2、7、9、14、16日目に行った。
[試験結果]
腫瘍の大きさは、腫瘍移植後16日目で二酸化炭素吸収群が、コントロール群と比較して、t検定により統計学的に有意に縮小した(図1)。この間、両群で死亡例はなかった。
実施例2 ヌードマウスの移植腫瘍に対する抗腫瘍効果2(二酸化炭素吸収手段として二酸化炭素外用投与装置を使用)
[試験方法]
5週齢のヌードマウス12匹の背部皮下に、悪性軟部腫瘍のMFH細胞株NaraHを1,200万/匹移植した。移植後、各ヌードマウスの体重と腫瘍体積を計測し、体重と腫瘍体積のばらつきが少なくなるよう、二酸化炭素吸収群と、二酸化炭素吸収群と同じ処置は行うが二酸化炭素吸収は行わないコントロール群の2群に分け、移植3日後から実施例1と同様に治療を開始した。二酸化炭素の吸収は週2回、治療は14日間行ない、二酸化炭素は合計3回吸収させた。腫瘍体積は、移植腫瘍塊の(最大径)×(最小径)×(最小径)×1/2で求めた。腫瘍体積の計測は、腫瘍移植後3、7、10、14日目に行った。
[試験結果]
腫瘍移植後14日後で二酸化炭素吸収群が、コントロール群と比較して、t検定により統計学的に有意に腫瘍が小さいことが示された(図2)。この間、両群で死亡例はなかった。
実施例3 ヌードマウスの移植腫瘍に対する抗腫瘍効果3(二酸化炭素吸収手段として二酸化炭素外用投与装置を使用)
[試験方法]
5週齢のヌードマウス20匹の背部皮下に、悪性軟部腫瘍のMFH細胞株NaraHを1,200万/匹移植した。移植後、各ヌードマウスの体重と腫瘍体積を計測し、体重と腫瘍体積のばらつきが少なくなるよう以下の3群に分け、移植3日後から実施例1と同様に治療を開始した(表1)。
Figure 0005696299
治療は16日間行った。腫瘍体積は、移植腫瘍塊の(最大径)×(最小径)×(最小径)×1/2で求めた。腫瘍体積の計測は、腫瘍移植から3、7、10、14、16日目に行った。
[試験結果]
週2回投与群、治療初期週5回投与群は、コントロール群に対して、t検定により統計学的に有意に腫瘍が小さいことが示された(図3、4)。
実施例4 ヌードマウスの移植腫瘍に対する化学療法剤との併用効果(二酸化炭素吸収手段として二酸化炭素外用投与装置を使用)
[試験方法]
5週齢のヌードマウス17匹の背部皮下に、悪性軟部腫瘍の細胞株NaraHを1,200万/匹移植した。移植後、各ヌードマウスの体重と腫瘍体積を計測し、体重と腫瘍体積のばらつきが少なくなるよう以下の3群に分け、移植3日後から実施例1と同様に治療を開始した(表2)。
Figure 0005696299
治療は9日間行った。腫瘍体積は、移植腫瘍塊の(最大径)×(最小径)×(最小径)×1/2で求めた。腫瘍体積の計測は、腫瘍移植から3、7、9日目に行った。
[試験結果]
結果のまとめを図5に示す。腫瘍移植7日後に、二酸化炭素単独群、化学療法剤単独群、および併用群は、コントロール群と比較して、t検定により統計学的に有意に腫瘍体積が小さいことが示された(表3)。
Figure 0005696299
腫瘍移植9日後に、二酸化炭素単独群、化学療法剤単独群、および併用群は、コントロール群と比較してt検定により統計学的に有意に腫瘍体積が小さくなった。それに加えて、併用群は、二酸化炭素単独群、化学療法剤単独群の両者と比較して、t検定により統計学的に有意に腫瘍体積が小さいことが示された(表4)。
Figure 0005696299
以上の結果より、本発明の、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤は、単独で腫瘍治療効果を示すだけでなく、化学療法剤との併用により、それぞれ単独の場合よりも、更に優れた腫瘍治療効果を示すことは明らかである。
実施例5 ヌードマウスの移植悪性乳癌に対する化学療法剤との併用効果(二酸化炭素吸収手段として二酸化炭素外用投与装置を使用)
[試験方法]
5週齢のヌードマウス18匹の背部皮下に、悪性乳癌細胞株MDA−MB−231を1,200万/匹移植した。移植53日後に、各ヌードマウスの体重と腫瘍体積を計測し、体重と腫瘍体積のばらつきが少なくなるよう以下の4群に分け、実施例1と同様に治療を行った(表5)。
Figure 0005696299
試験開始日を0日とし、1日後、5日後、8日後、12日後、15日後に各処置を行った。腫瘍体積は、移植腫瘍塊の(最大径)×(最小径)×(最小径)×1/2で求めた。腫瘍体積の計測は、腫瘍移植から8、15日目に行った。副作用の目安として、ヌードマウスの体重の測定を、腫瘍移植から8、15日目に行った。
[試験結果]
結果のまとめを図11に示す。腫瘍移植8日後に、併用群は、コントロール群と比較して、t検定により統計学的に有意に腫瘍体積が小さいことが示された(P<0.05)。
腫瘍移植15日後に、二酸化炭素単独群、化学療法剤単独群、および併用群は、コントロール群と比較してt検定により統計学的に有意に有意に腫瘍体積が小さいことが示された(表6)。特筆すべきは、併用群4匹中、2匹で腫瘍が完全に消失したことである。
Figure 0005696299
副作用の指標となる体重減少は、コントロール群に比較して、化学療法群(P<0.01)では有意に減少したが、二酸化炭素群では有意な減少は認められ得なかった。併用群(P<0.01)では、コントロール群に比較して、化学療法単独群(P<0.05)では、二酸化炭素単独群に比較して、有意に体重減少が認められた(図12)。これらの結果から、二酸化炭素投与による、マウスの体重減少作用は認められないと判断できる。
以上の結果より、本発明の、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤は、単独で腫瘍治療効果を示すだけでなく、化学療法剤との併用により、それぞれ単独の場合よりも、更に優れた腫瘍治療効果を示すこと、副作用がほとんどないことは明らかである。
実施例6 ヌードマウスの移植腫瘍に対する放射線との併用効果(二酸化炭素吸収手段として二酸化炭素外用投与装置を使用)
[試験方法]
5週齢のヌードマウス18匹の背部皮下に、悪性軟部腫瘍のMFH細胞株NaraHを1,200万/匹移植した。移植後、各ヌードマウスの体重と腫瘍体積を計測し、体重と腫瘍体積のばらつきが少なくなるよう、以下の4群に分け、移植3日後から実施例1と同様に治療を開始した(表7)。
Figure 0005696299
放射線は、X線発生装置(MBR−1505R2、日立メディコ社製)を用いて照射した。
なお、上記腫瘍細胞に対する二酸化炭素単独の効果は既に分かっているので、この実験では省略した。
[試験結果]
結果のまとめを図13に示す。腫瘍移植12日後に、併用群は、コントロール群と比較して、t検定により統計学的に有意に腫瘍体積が小さいことが示された(P<0.01)。更に併用群は、放射線照射単独群と比較して、t検定により統計学的に有意に腫瘍体積が小さいことが示された(P<0.05)。放射線照射単独群はコントロール群と比較して、t検定により統計学的に有意に腫瘍体積が小さいことが示された(P<0.01)。
以上の結果より、本発明の、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤は、放射線照射との併用により、抗腫瘍効果が増強されることが明らかである。
実施例7 ヌードマウスの移植腫瘍に対する抗腫瘍効果4(二酸化炭素吸収手段として二酸化炭素外用投与装置を使用)
[試験方法]
5週齢のヌードマウス23匹の背部皮下に、悪性軟部腫瘍の乳癌細胞株MDA−MB−231を2、000万/匹移植した。移植18日後、各ヌードマウスの体重と腫瘍体積を計測し、体重と腫瘍体積のばらつきが少なくなるよう以下の4群に分け、実施例1と同様に治療した(表8)。ただし、治療は1回のみ行った。
Figure 0005696299
腫瘍体積は、移植腫瘍塊の(最大径)×(最小径)×(最小径)×1/2で求めた。腫瘍体積の計測は、治療3日目に行った。
[試験結果]
二酸化炭素単独群と併用群は、わずか1回10分間の二酸化炭素吸収にも関わらず、腫瘍体積は3分の2まで縮小した。化学療法単独群とコントロール群は腫瘍体積に変化がなかった(図14)。二酸化炭素単独群とコントロール群は、副作用の指標である体重の減少がなかったが、化学療法単独群と併用群は体重が減少した(図15)。
以上の結果より、本発明の、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤は、わずか1回の投与でも抗腫瘍効果が得られ、即効性があることが明らかである。
実施例8 ヌードマウスの高肺転移性移植腫瘍に対する効果(二酸化炭素吸収手段として二酸化炭素外用投与装置を使用)
[試験方法]
5週齢のヌードマウス11匹の背部皮下に、高肺転移性骨肉腫細胞株LM−8を100万/匹移植した。移植3日後、各ヌードマウスの体重と腫瘍体積を計測し、体重と腫瘍体積のばらつきが少なくなるよう、二酸化炭素吸収群6匹と、二酸化炭素吸収群と同じ処置は行うが二酸化炭素吸収は行わないコントロール群5匹の2群に分け、同日から実施例1と同様に治療を開始した。二酸化炭素の吸収は週3回、治療は14日間行ない、二酸化炭素は合計6回吸収させた。腫瘍体積は、移植腫瘍塊の(最大径)×(最小径)×(最小径)×1/2で求めた。腫瘍体積の計測は、腫瘍移植後3、7、10、14、17、21日目に行った。腫瘍移植21日目にマウスの肺を摘出し、肺の重量を測定した。また、ヘマトキシリン・エオジンで転移腫瘍を染色した肺組織の断面を無作為に3ヶ所選び、組織全体に占める染色部分の割合を、画像解析ソフトウェアImageJを用いて解析し、腫瘍の肺転移率を求めた。
[試験結果]
腫瘍移植21日後で二酸化炭素吸収群が、コントロール群と比較して、t検定により統計学的に有意に肺重量(P<0.05;図16)も肺転移率(P<0.05;図17)も小さいことが示された。皮下移植腫瘍もコントロール群より小さいことが示された(P<0.05;図18)。この間、両群で死亡例はなかった。
以上の結果より、本発明の、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤は、腫瘍の縮小効果があるだけでなく、転移を抑制することが明らかである。
本発明の二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤は、外科療法、化学療法、放射線療法、免疫療法が困難な腫瘍患者の腫瘍を、副作用をほとんど伴わずに縮小もしくは消失させ、転移を抑制することができる。また、これらの療法と併用することにより、それらの単独療法もしくは集学的療法に比べて、効果を増強したり、副作用を低減できたりする。

Claims (6)

  1. 腫瘍近傍皮膚から経皮投与される、二酸化炭素を有効成分とする抗腫瘍剤。
  2. 腫瘍の転移を抑制する、請求項1に記載の抗腫瘍剤。
  3. 外科療法、化学療法、放射線療法、免疫療法から選ばれる1種又は2種以上の療法と併用される、請求項1または2に記載の抗腫瘍剤。
  4. 化学療法と併用される請求項3に記載の抗腫瘍剤。
  5. 化学療法に用いる薬剤が核酸合成阻害剤である、請求項4に記載の抗腫瘍剤。
  6. 腫瘍が、神経膠腫および髄膜腫より選択される脳神経の悪性腫瘍;舌がん、歯肉がん、悪性リンパ腫、悪性黒色腫、上顎がん、鼻がん、鼻腔がん、喉頭がんおよび咽頭がんより選択される口腔・鼻・鼻腔・喉頭・咽頭の悪性腫瘍;甲状乳頭腺がん、甲状腺濾胞がんおよび甲状腺髄様がんより選択される甲状腺の悪性腫瘍;扁平上皮がん、腺がん、肺胞上皮がん、大細胞性未分化がん、小細胞性未分化がんおよびカルチノイドより選択される呼吸器の悪性腫瘍;乳がん、乳房ページェット病および乳房肉腫より選択される乳房の悪性腫瘍;食道がん、胃がん、胃・大腸平滑筋肉腫、胃・腸悪性リンパ腫、膵・胆嚢がん、十二指腸がん、大腸がん、原発性肝がんおよび肝芽腫より選択される消化器の悪性腫瘍;子宮上皮内がん、子宮頸部扁平上皮がん、子宮腺がん、子宮腺扁平上皮がん、子宮体部腺類がん、子宮肉腫、子宮がん肉腫、子宮破壊性奇胎、子宮悪性絨毛上皮腫、子宮悪性黒色腫、卵巣がんおよび中胚葉性混合腫瘍より選択される女性性器の悪性腫瘍;腎がん、腎盂移行上皮がん、尿管移行上皮がん、膀胱乳頭がん、膀胱移行上皮がん、前立腺がん、尿道扁平上皮がん、尿道腺がんおよびウィルムス腫瘍より選択される悪性腫瘍;横紋筋肉腫、線維肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、滑液膜肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、ユーイング肉腫および多発性骨髄腫より選択される運動器の悪性腫瘍;皮膚扁平上皮がん、皮膚基底細胞がん、皮膚ボーエン病、皮膚ページェット病および皮膚悪性黒色腫より選択される皮膚の悪性腫瘍;悪性中皮がん、悪性黒色腫、転移性腺がん、転移性扁平上皮がん、転移性肉腫、白血病、悪性リンパ腫および神経芽細胞腫より選択される体腔の悪性腫瘍;髄膜腫、下垂体腺腫および神経鞘腫より選択される脳の良性腫瘍;母斑、懸垂線維腫、血管腫、血管性母斑、リンパ管腫、化膿性肉芽腫、脂漏性角化症、皮膚線維腫、ケラトアカントーマ、ケロイド、脂肪腫、褐色脂肪腫、神経線維腫、シュワン細胞腫および粉瘤より選択される皮膚・皮下組織の良性腫瘍;骨軟骨性外骨症、軟骨腫、軟骨芽細胞腫、類骨骨腫および巨細胞腫より選択される骨の良性腫瘍;脂肪腫、筋腫およびポリープより選択される腸の良性腫瘍;肝細胞性腺腫および胆管腺腫より選択される肝臓の良性腫瘍;乳頭腫および絨毛腺腫より選択される胆管の良性腫瘍;耳茸および真珠腫より選択される耳の良性腫瘍;良性多形性腺腫、単形性腺腫、オンコサイトーマ、乳頭状リンパ腫嚢腺腫およびエナメル上皮腫より選択される口腔・唾液腺の良性腫瘍の1種又は2種以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
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