[第1実施の形態]
以下、本発明の第1実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態では、二次電池モジュールの一例として、リチウムイオンバッテリ装置の場合について説明する。
本実施の形態に係わるリチウムイオンバッテリ装置は、電動車両、例えば電気自動車の電動機駆動システムにおける車載電源装置に適用されるものである。この電気自動車の概念には、内燃機関であるエンジンと電動機とを車両の駆動源として備えたハイブリッド電気自動車、および電動機を車両の唯一の駆動源とする純正電気自動車等が含まれる。
まず、図1〜図5を用いて、リチウムイオンバッテリ装置の全体構成について説明する。図1は、リチウムイオンバッテリ装置の外観構成を示す斜視図、図2は、図1の分解斜視図、図3は、図1のIII-III線断面図、図4は、図3のIV部の拡大図、図5は、図3のV部の拡大図である。なお、以下の説明では、リチウムイオンバッテリ装置の取り付け位置や方向にかかわらず、冷却空気の上流側を前側、冷却空気の下流側を後側として説明する。
リチウムイオンバッテリ装置1は、モジュール筐体2内に電池ユニット3と制御ユニット4の二つを収容した構成を有している。モジュール筐体2は、図1及び図2に示すように、平面状に広がる横長矩形のボックス形状を有しており、下蓋部11と上蓋部12によって構成されている。下蓋部11は、所定深さを有する浅皿形状を有し、上蓋部12は、下蓋部11の上部を閉塞する平板形状を有している。上蓋部12及び下蓋部11は、金属製の薄板をプレス加工等することによって形成されている。下蓋部11は、モジュール筐体2の前後方向に離間して対峙する筐体前壁部21と筐体後壁部31を有している。筐体前壁部21と筐体後壁部31には、冷媒である冷却空気をセルブロック40内に流通させるための吸気口22と排気口32が設けられている。
モジュール筐体2内には、モジュール筐体2の横方向一方側に電池ユニット3を収容する電池ユニット収容エリア2Aが形成されており、横方向他方側に制御ユニット4を収容する制御ユニット収容エリア2Bが形成されている。
電池ユニット3は、第1セルブロック41、第2セルブロック42、第3セルブロック43の3個のセルブロック40を有している。各セルブロック41〜43は、長軸のブロック形状を有しており、長手方向同士が平行となるように互いに隣接して並列に配置される。本実施の形態では、下蓋部11内でモジュール筐体2の前後方向に延在するように収容され、制御ユニット収容エリア2Bから離反する方向に向かって第1セルブロック41、第2セルブロック42、第3セルブロック43の順番に並べて配置される。
各セルブロック41〜43には、長手方向両側に分かれた部位に正極端子41A〜43Aと負極端子41B〜43Bが設けられている。本実施の形態では、第1セルブロック41と第2セルブロック42は、第1セルブロック41の正極端子41A側の端部と第2セルブロック42の負極端子42B側の端部とが対向し、かつ、第1セルブロック41の負極端子41B側の端部と第2セルブロック42の正極端子42A側の端部とが対向するように並列に配置される。
そして、第2セルブロック42と第3セルブロック43は、第2セルブロック42の負極端子42B側の端部と第3セルブロック43の正極端子43A側の端部とが対向し、かつ、第2セルブロック42の正極端子42A側の端部と第3セルブロック43の負極端子43B側の端部とが対向するように並列に配置される。
そして、第1セルブロック41の負極端子41Bと第2セルブロック42の正極端子42Aの間、及び、第2セルブロック42の負極端子42Bと第3セルブロック43の正極端子43Aの間が、バスバー51、52によって電気的に接続される。第2セルブロック42と第3セルブロック43との間は、SD(サービスディスコネクト)スイッチ53によって両者間を電気的に接続または遮断できるようなっている。SDスイッチ53は、リチウムイオンバッテリ装置1の保守、点検の時の安全性を確保するために設けられた安全装置であり、スイッチとヒューズとを電気的に直列に接続した電気回路から構成され、サービスマンによって保守、点検時に操作される。
第1セルブロック41の正極端子41A、及び、第3セルブロック43の負極端子43Bは、ハーネス54(図3及び図5を参照)を介して制御ユニット4の外部端子であるインバータ接続端子311(図16(b)を参照)に接続される。セルブロック40は、電圧検出基板44と温度検出センサ45を有しており、それぞれ電圧検出線55とセンサ線56(図3及び図5を参照)によって制御ユニット4の制御装置(図示せず)に接続されている。
セルブロック40は、図3に示すように、保持ケース61内に複数の電池セル101を保持した構成を有しており、その両端部には、セルブロック40内に冷媒を流通させるための冷媒流通口が設けられている。冷媒流通口として、例えば、保持ケース61の長手方向一方側のケース前端面部62には、冷却空気を保持ケース61内に導入するための冷媒導入口62aが設けられており、保持ケース61の長手方向他方側のケース後端面部64には、保持ケース61内を通過した冷却空気を保持ケース61外に導出するための冷媒導出口64aが設けられている。そして、保持ケース61の内部には、冷媒導入口62aから保持ケース61内に冷却空気を流入させて、保持ケース61内を長手方向に亘って流通させ、冷媒導出口64aから流出させることができるように冷却通路が形成される。
セルブロック40は、図5に示すように、モジュール筐体2内に収容された状態で、筐体前壁部21にケース前端面部62が対向して配置され、ケース前端面部62の冷媒導入口62aが筐体前壁部21の吸気口22と対向する。そして、図4に示すように、筐体後壁部31にケース後端面部64が対向して配置され、ケース後端面部64の冷媒導出口64aが筐体後壁部31の排気口32と対向する。
第1セルブロック41と第2セルブロック42は、図3に示すように、長手方向の長さがモジュール筐体2の筐体前壁部21と筐体後壁部31との間の距離よりも若干短く形成されている。そして、モジュール筐体2内において筐体後壁部31側に偏位した位置に各々配置され、図4に示すように、筐体後壁部31とケース後端面部64とが当接されて、ケース後端面部64の冷媒導出口64aと筐体後壁部31の排気口32とが直接連通した状態とされる。かかる状態では、筐体後壁部31とケース後端面部64との間が密着されており、モジュール筐体2内のガスが漏れ入るのを防止できる。さらに、筐体後壁部31とケース後端面部64との間に、シール材を介在させてもよい。
そして、図3及び図5に示すように、筐体前壁部21とケース前端面部62との間には、連通部材71が装着される。連通部材71は、筐体前壁部21の吸気口22とケース前端面部62の冷媒導入口62aとの間を連通すると共に、筐体前壁部21とケース前端面部62との間でかつ連通部材71の上方及び下方(連通部材の外側)に横方向に連続する空間領域80A、80Bを形成する構成を有している。
そして、この空間領域80A、80Bを配線通路として利用し、第1〜第3セルブロック41〜43と制御ユニット4との間を接続する配線が通される。空間領域80A、80Bに通される配線としては、第3セルブロック43の負極端子43Bと制御ユニット4との間を接続するハーネス54、各セルブロック41〜43の電圧の検出信号を制御ユニット4に送信する電圧検出線55、温度検出センサ45の検出信号を制御ユニット4に送信するセンサ線56等が含まれる。
<連通部材>
次に、本実施の形態における連通部材の構造について図6及び図7を用いて詳細に説明する。
図6は、連通部材の正面図、図7は、連通部材の平面図である。
連通部材71は、図6及び図7に示すように、筐体前壁部21の吸気口22とケース前端面部62の冷媒導入口62aとの間を連通し、ホルダー81は、連通部材71をその連通位置に保持する構成を有している。連通部材71は、筐体前壁部21と第1セルブロック41のケース前端面部62との間に介在される第1連通部材73と、筐体前壁部21と第2セルブロック42のケース前端面部62との間に介在される第2連通部材74を有している。
第1連通部材73と第2連通部材74は、例えば図5及び図6に示すように、筐体前壁部21の吸気口22の周囲に上流端面が接面し、下流端面が第1セルブロック41及び第2セルブロック42の各ケース前端面部62の冷媒導入口62aの周囲に接面する枠形状を有している。そして、筐体前壁部21及びケース前端面部62に密着され、モジュール筐体2内のガスが漏れ入るのを防ぐようになっている。なお、筐体前壁部21との間、及び、ケース前端面部62との間にシール材を設けてシールしてもよい。
第1連通部材73と第2連通部材74は、モジュール筐体2内におけるセルブロック41、42の長手方向の移動を規制して位置決めする寸法形状を有している。そして、筐体前壁部21とケース前端面部62との間でかつ第1連通部材73と第2連通部材74の下方及び上方に、第1セルブロック41と第2セルブロック42との間に亘ってモジュール筐体2の横方向に連続する上方空間領域80Aと、下方空間領域80Bを形成する。下方空間領域80Aは、各セルブロック41〜43の電圧検出線55を配線可能な大きさを有する。
ホルダー81は、図6に示すように、第1連通部材73と第2連通部材74の上部に沿って延在して第1連通部材73と第2連通部材74を保持する構成を有している。
ホルダー81は、図5に示すように、上方空間領域80B内を第1セルブロック41と第2セルブロック42との間に亘って横方向に連続して延在する長棒形状を有しており、第3セルブロック43の負極端子43Bの近傍位置に一端が配置され、他端が制御ユニット収容エリア2Bに配置される長さ寸法を有している。
ホルダー81は、上方空間領域80Bに装着されることで、第1連通部材73と第2連通部材74を、筐体前壁部21の吸気口22とケース前端面部62の冷媒導入口62aとの間を連通する位置に位置決め配置する。
ホルダー81は、長手方向に沿って延在する第1配線通路83を有する。第1配線通路83は、上方に向かって開口する断面が略コ字形の溝形状を有しており、本実施の形態では、ハーネス54が収容される。
ホルダー81は、筐体前壁部21に前面が対向し、ケース前端面部62に後面が対向しており、その後面には、係止用の凹部84と、フランジ85が設けられている。係止用の凹部84は、筐体前壁部21とケース前端面部62との間の空間領域に、上方から連通部材71を挿入した場合に第1セルブロック41と第2セルブロック42に係止されて、連通部材71を固定し、連通部材71の上方への移動を抑制する。
本実施の形態では、凹部84に、ケース前端面部62から突出する係止爪63が進入して係止される構成を有しており、係止爪63による係止を解除することによって連通部材71の取り外しが可能となる。したがって、簡単に取り付け及び取り外しの作業を行うことができ、リチウムイオンバッテリ装置1の組立作業、及び、メンテナンス作業の容易化を図ることができる。
フランジ85は、ホルダー81の後面上端からセルブロック40の上面に沿うように後方に向かって突出して所定幅でホルダー81に沿って延在する形状を有しており、バスバー51の上面を覆い隠すことができるようになっている。これにより、例えばサービスマンがメンテナンス等により上蓋部12を開けた場合に、バスバー51の露出を防ぎ、バスバー51に不用意に触れてしまうのを防止して、安全性を確保することができる。
フランジ85の上部には、図5に示すように、第2配線通路86が設けられている。第2配線通路86は、ホルダー81の長手方向に沿って延在し、上方に向かって開口する浅溝形状を有しており、本実施の形態では、サーミスタ線などのセンサ線56を収容して配線できるようになっている。
上記構成を有する連通構造によれば、筐体前壁部21とケース前端面部62との間でかつ連通部材71の外側に空間領域80A、80Bを形成し、その空間領域80A、80Bに、各セルブロック41〜43と制御ユニット4との間の配線を纏めることができる。したがって、セルブロックの上方に配線される従来技術と比較して、リチウムイオンバッテリ装置1全体の高さ方向の寸法を小さくすることができ、省スペース化を図ることができる。これにより、例えば横方向よりも高さ方向の制約が大きい車内に適用することが可能となり、より広い車内空間を確保することができる。
そして、各配線55、54、56を定位置に保持することができるので、振動などの衝撃が加えられた場合でも、配線の連結部分に無理な力が作用するのを防ぐことができる。したがって、コネクタ部の破損等を防ぐことができ、耐久性を向上させて、長期間の使用に耐える仕様とすることができる。
また、筐体前壁部21とケース前端面部62との間に電圧検出線55を配線して連通部材71を組み付けるだけで、電圧検出線55を配線分離でき、下方空間領域80Aに保持できるので、別部品を用いて電圧検出線55を下蓋部11あるいはセルブロック40に固定する必要がなく、部品点数を低減でき、組立作業を容易化できる。
なお、上述の配線構造では、下方空間領域80A、第1配線通路83、第2配線通路86に、電圧検出線55、ハーネス54、センサ線56の各配線を通す場合を例に説明したが、少なくとも一つの配線を通してもよく、また、上記した電圧検出線55、ハーネス54、センサ線56の各配線は、必ず下方空間領域80A、第1配線通路83、第2配線通路86に通して配置しなければならないものではなく、互いに場所を入れ替えたりすることもできる。
<セルブロック>
次に、本実施の形態におけるセルブロックの構成について図8から図15を用いて詳細に説明する。
図8は、複数本の電池セルを保持ケースで保持した状態を示す図、図9は、図8の分解斜視図、図10は、下保持枠部材と中保持枠部材との結合構造を説明する断面図、図11は、中保持枠部材と上保持枠部材との結合構造を説明する断面図、図12は、セルブロックの組立完成状態を示す斜視図、図13は、導電部材と電圧検出基板の取り付け構造を説明する分解斜視図、図14は、電圧検出基板の取り付け方法の一例を示す図、図15は、電圧検出基板の取り付け方法の他例を示す図である。
セルブロック40のうち、第1セルブロック41と第2セルブロック42は、例えば図14及び図15に示すように電圧検出基板201の取り付ける向きが異なる以外は、同一の構成を有しており、正極端子41A、42Aと負極端子41B、42Bの位置が互いに反対となるように並んでモジュール筐体2内に配置される。一方、第3セルブロック43は、第1セルブロック41及び第2セルブロック42の電池セル101が各14個であるのに対して、12個である点で構成が相異している。そして、モジュール筐体2内に配置される向き及び位置は、1つに決定されている。以下の説明では、第1セルブロック41及び第2セルブロック42の場合を例に、セルブロック40の構成について説明する。
セルブロック40は、保持ケース111内に複数本の電池セル101を保持し、各電池セル101を導電部材によって電気的に直列に接続することによって組電池とする構成を有する。電池セル101には、リチウムイオン電池セルが用いられている。
電池セル101は、円柱形状の構造体であり、電解液が注入された電池容器の内部に電池素子および安全弁等の構成部品が収納されて構成されている。正極側の安全弁は、過充電などの異常によって電池容器の内部の圧力が所定の圧力になったときに開裂する開裂弁である。安全弁は、開裂によって電池蓋と電池素子の正極側との電気的な接続を遮断するヒューズ機構として機能するとともに、電池容器の内部に発生したガス、すなわち電解液を含むミスト状の炭酸系ガス(噴出物)を電池容器の外部に噴出させる減圧機構として機能する。
電池容器の負極側にも開裂溝が設けられており、過充電などの異常によって電池容器の内部の圧力が所定の圧力になったときに開裂する。これにより、電池容器の内部に発生したガスを負極端子側からも噴出させることができる。リチウムイオン電池セル101の公称出力電圧は3.0〜4.2ボルト、平均公称出力電圧は3.6ボルトである。
保持ケース111は、図8に示すように、長軸の六面体形状を有しており、上下方向に離間して対向し略一定幅で長手方向に延在する上面部112と下面部113、短手方向に離間して対向し上面部112と下面部113の各長辺部間に亘る一対の縦壁面部114、114、長手方向に離反して対向し上面部112、下面部113、一対の縦壁面部114、114の各短辺部間に亘る一対の端面部115、115を有する。
保持ケース111は、電池セル101の中心軸が保持ケース111の短手方向である一対の端面部115、115間に沿って延在するように電池セル101を横倒にして複数本並列に配置した電池セル配列体103とし、その電池セル配列体103を、積層配置した状態で保持する構成を有している。
第1セルブロック41と第2セルブロック42は、電池セル101を列方向に7個、高さ方向に二段或いは二層並べて俵積みした状態で保持する構成を有する。そして、第3セルブロック43は、特に図示していないが、電池セル101を列方向に6個、高さ方向に二段或いは二層並べて俵積みした状態で保持する構成を有する。
下層の電池セル配列体103Lと上層の電池セル配列体103Uは、互いに列方向に偏位させた状態で保持され、本実施の形態では、保持ケース111の長手方向に半個分だけずれた状態で保持される。このように、下層の電池セル配列体103Lと上層の電池セル配列体103Uとを列方向に偏位させた状態で保持することにより、下層の電池セル配列体103Lと上層の電池セル配列体103Uを互いに接近させることができ、列方向に直交する方向の寸法を短くすることができる。したがって、組電池全体としての高さ方向を低くでき、セルブロック40の高さを低くすることができる。
下層の電池セル配列体103Lと上層の電池セル配列体103Uは、各電池セル101の正極と負極の向きが逆向きになるように配列され、下層の電池セル配列体103Lは、各電池セル101の正極が、保持ケース111の短手方向一方側に位置し、上層の電池セル103Uは、各電池セル101の負極が、保持ケースの短手方向他方側に位置するように保持されている。
保持ケース111は、下保持枠部材121と中保持枠部材131と上保持枠部材141の3つの部材からなり、下保持枠部材121と中保持枠部材131により下層の電池セル配列体103Lを挟み込んで保持し、中保持枠部材131と上保持枠部材141により上層の電池セル配列体103Uを挟み込んで保持する構成を有する。
保持ケース111は、組み立て状態において、ケース内部に、各電池セル101が露出して長手方向に延在する冷却通路が形成され、保持ケース111のケース前端面部62及びケース後端面部64を構成する一対の端面部115、115には、通路部の両端部にそれぞれ連通する開口部118、118が形成される。
各開口部118、118は、セルブロック40をモジュール筐体2内に装着する方向によって、すなわち、セルブロック40を第1セルブロック41または第2セルブロック42のいずれに用いるかに応じて、一方の開口部118が冷媒導入口62a又は冷媒導出口64aとなり、他方の開口部118が冷媒導出口64a又は冷媒導入口62aとなる(図3〜図5を参照)。本実施の形態では、第1セルブロック41は、正極端子41A側の開口部118が冷媒導入口62a、負極端子41B側の開口部118が冷媒導出口64aとなり、第2セルブロック42は、負極端子42B側の開口部118が冷媒導入口62a、正極端子42A側の開口部118が冷媒導出口64aとなる。
下保持枠部材121は、一定の横幅で延在する平板状の下面部122と、下面部122の短手方向両側端から上方に起立して対峙する一対の下縦壁面部123、123を有する。下保持枠部材の下面部122は、保持ケース111の下面部113を構成し、下縦壁面部123、123は、保持ケース111の縦壁面部114、114の下方部分を構成する。
一対の下縦壁面部123、123には、下層の電池セル配列体103Lを構成する電池セル101の下側部分をそれぞれ保持する下層下保持部124と、下層下保持部に保持された電池セル101の中心軸方向両側の端面をそれぞれ露出させる開口窓部125が設けられている。各下層下保持部124は、電池セル101の端部の外周面に接面するように下縦壁面部123、123の上辺部から下面部122に向かって半円弧状に切り欠かれた下層下凹陥面と、電池セル101の中心軸方向の端面に対向する対向面を有しており、後述する中縦壁面部132、132の下層上保持部134との協働により、電池セル101をその中心軸方向と径方向への移動を規制した状態で下層の電池セル配列体103Lを保持する下保持部を構成する。
開口窓部125は、下縦壁面部123、123に開口して形成されており、下層下保持部124に保持された電池セル101の端面の中央部分を、保護ケース111の側方に露出させることができるようになっている。
中保持枠部材131は、一定の高さ幅で延在して互いに対向する一対の中縦壁面部132、132と、中縦壁面部132、132の長手方向両端の短辺部間に亘って設けられる一対の端面部133、133を有する。中保持枠部材131は、下保持枠部材121の上に重ねて結合することによって、下保持枠部材121の各下縦壁面部123、123の上部に各中縦壁面部132、132が連続して接続され、保持ケース111の縦壁面部114、114の高さ方向中央部分を構成する。そして、中保持枠部材131、131の各端面部133、133は、保持ケース111の各端面部115、115を構成する。
一対の中縦壁面部132、132には、下保持枠部材121に保持された電池セル101の上側部分をそれぞれ保持する下層上保持部134と、上層の電池セル配列体を構成する電池セルの下側部分をそれぞれ保持する上層下保持部136が設けられている。そして、下層上保持部134に保持された電池セル101の中心軸方向両側の端面と、上層下保持部136に保持された電池セル101の中心軸方向両側の端面をそれぞれ露出させる開口窓部135、137が設けられている。
各下層上保持部134は、電池セル101の端部の外周面に接面するように中縦壁面部132の下辺部から上辺部に向かって半円弧状に切り欠かれた下層上凹陥面と、電池セル101の中心軸方向の端面に対向する対向面を有しており、下保持枠部材121の下層下保持部124との協働により、電池セル101の中心軸方向と径方向への移動を規制した状態で下層の電池セル配列体103Lを保持する下保持部を構成する。
各上層下保持部136は、電池セル101の端部の外周面に接面するように中縦壁面部132の上辺部から下辺部に向かって半円弧状に切り欠かれた上層下凹陥面と、電池セル101の中心軸方向の端面に対向する対向面を有しており、後述する上保持枠部材141の上層上保持部144との協働により、電池セル101の中心軸方向と径方向への移動を規制した状態で上層の電池セル配列体103Uを保持する上保持部を構成する。
各下層上保持部134と各上層下保持部136は、下層の電池セル配列体103Lと上層の電池セル配列体103Uを互いに列方向に偏位させた状態で保持するために、互いに中保持枠部材131の長手方向に半個分だけずれた位置に配置されており、互いに隣り合う下層上保持部134の間に、上層下保持部の中心が位置するようになっている。そして、中縦壁面部132の高さが、電池セル101の直径よりも短くなるように構成されている。
上保持枠部材141は、一定の横幅で延在する平板状の上面部142と、上面部142の短手方向両側端から下方に垂下して対峙する一対の上縦壁面部143、143を有する。上保持枠部材141の上面部142は、保持ケース111の上面部112を構成し、上縦壁面部143、143は、保持ケース111の縦壁面部114の上方部分を構成する。
一対の上縦壁面部143、143には、上層の電池セル配列体103Uを構成する電池セル101の上側部分をそれぞれ保持する上層上保持部144と、上層上保持部144に保持された電池セル101の中心軸方向両側の端面をそれぞれ露出させる開口窓部145が設けられている。
各上層上保持部144は、電池セル101の端部の外周面に接面するように上縦壁面部143、143の下辺部から上面部142に向かって半円弧状に切り欠かれた上層上凹陥面と、電池セル101の中心軸方向の端面に対向する対向面を有しており、中保持枠部材131の上層下保持部136との協働により、電池セル101の中心軸方向と径方向への移動を規制した状態で上層の電池セル配列体103Uを保持する上保持部を構成する。
開口窓部145は、上縦壁面部143、143に開口して形成されており、上層上保持部144に保持された電池セル101の端面の中央部分を、保護ケース111の側方に露出させることができるようになっている。
保持ケース111は、下保持枠部材121と中保持枠部材131を結合する下結合手段と、中保持枠部材131と上保持枠部材141を結合する上結合手段を備えている。下結合手段によって下保持枠部材121と中保持枠部材131は、下保持枠部材121の上に中保持枠部材131を重ねた状態で互いに結合され、上結合手段によって中保持枠部材131と上保持枠部材141は、中保持枠部材131の上に上保持枠部材141を重ねた状態で互いに結合される。
下結合手段は、下締結部151、155及び下係止部171を有し、上結合手段は、上締結部161、165及び上係止部181を有する。
下締結部151、155は、図9に示すように、保持ケース111の長手方向両端部に互いに離間して設けられており、短手方向に対をなし、下係止部171は、長手方向中央寄りの位置において短手方向に対をなして設けられている。
下締結部151、155は、下締結ねじ152、156と、中保持枠部材131に貫通形成されたねじ挿通孔153、157と、下保持枠部材121に穿設された螺入孔154、158を有しており、下保持枠部材121の上に中保持枠部材131を重ねた状態で中保持枠部材131の上方から下締結ねじ152、156を取り付けることによって下保持枠部材121と中保持枠部材131を結合する構造を有する(図10では、下締結部151のみを示す)。
下締結部151は、保持ケース111の長手方向一方側である正極端子40A側(図12を参照)に設けられている。下締結部151は、上層の電池セル配列体103Uを構成する電池セル101のうち、下層の電池セル配列体103Lよりも列方向一方側に突出した電池セル101の下方位置に配置されており、締結により下保持枠部材121と中保持枠部材131を結合する。
すなわち、この下締結部151は、上層の電池セル配列体103Uの方が下層の電池セル配列体103Lよりも列方向に突出する側に設けられており、中保持枠部材の長手方向で最も外側に位置する上層下保持部136の下方位置にねじ挿通孔153と螺入孔154が配置されている(例えば図4を参照)。
上述のように、中保持枠部材131の下層上保持部134は、上層下保持部136よりも負極端子40B側、すなわち、下層の電池セル配列体103Lの方が上層の電池セル配列体103Uよりも列方向に突出する側に電池セル101の半個分だけずれた位置に形成されており、中保持枠部材131の最も正極端子40A側に位置する上層下保持部136の下方位置には、電池セル101の約半個分の長さだけ中保持枠部材131の下層上保持部134が存在しない中縦壁部分132aが形成される。そして、その下の下保持枠部材121にも、下層下保持部124が存在しない下縦壁部分123aが連続して形成される。
したがって、この中縦壁部分132aと下縦壁部分123aに下締結部151を設けることによって、下締結部151が、中保持枠部材131の最も正極端子側に位置する上層下保持部136よりも長手方向外側、すなわち、列方向に突出した電池セル101よりもさらに列方向外側に配置されるのを防ぐことができる。
したがって、下保持枠部材121と中保持枠部材131と上保持枠部材141の3つの保持枠部材を上下に貫通して一本のねじで共締めした場合と比較して、保持ケース111の長手方向の長さを短くすることができる。したがって、セルブロック40の小型化を図ることができ、筐体前壁部21とケース前端面部62との間に配線用の空間領域を形成することができる。
下係止部171は、図10に示すように、中保持枠部材131から下方に突出する中係止爪172と、下保持枠部材121に形成された下係止穴173を有しており、下保持枠部材121の上に中保持枠部材131を重ね合わせて中係止爪172を下係止穴173に挿入して係止することによって下保持枠部材121と中保持枠部材131を結合する構造を有する。
上締結部161、165は、図9に示すように、保持ケース111の長手方向両端部に互いに離間して設けられており、短手方向に対をなし、上係止部181は、長手方向中央寄りの位置において短手方向に対をなして設けられている。
上締結部161、165は、上締結ねじ162、166と、上保持枠部材141に貫通形成されたねじ挿通孔163、167と、中保持枠部材131に穿設された螺入孔164、168を有しており、中保持枠部材131の上に上保持枠部材141を重ねた状態で上保持枠部材141の上方から上締結ねじ162、166を取り付けることによって中保持枠部材131と上保持枠部材141を結合する構造を有する(図11では、上締結部161のみを示す)。
上締結部161は、保持ケース111の長手方向他方側である負極端子40B側(図12を参照)に設けられている。上締結部161は、下層の電池セル配列体103Lを構成する電池セル101のうち、上層の電池セル配列体103Uよりも列方向他方側に突出した電池セル101の上方位置に配置されており、締結により中保持枠部材131と上保持枠部材141を結合する。
すなわち、この上締結部161は、下層の電池セル配列体103Lの方が上層の電池セル配列体103Uよりも列方向に突出する側に設けられており、中保持枠部材131の長手方向で最も外側に位置する下層上保持部134の上方位置にねじ挿通孔163と螺入孔164が配設されている。
上述のように、中保持枠部材131の上層下保持部136は、中保持枠部材131の下層上保持部134よりも正極端子40A側、すなわち、上層の電池セル配列体103Uの方が下層の電池セル配列体103Lよりも列方向に突出する側に電池セル101の半個分だけずれた位置に形成されており、中保持枠部材131の最も負極端子40B側に位置する下層上保持部134の上方位置には、電池セル101の約半個分の長さだけ中保持枠部材131の上層下保持部136が存在しない中縦壁部分132b(図5を参照)が形成される。そして、その上の上保持枠部材141にも、上層上保持部144が存在しない上縦壁部分143a(図5を参照)が連続して形成される。
したがって、この中縦壁部分132bと上縦壁部分143aに上締結部161を設けることによって、上締結部161が、中保持枠部材131の最も負極端子40B側に位置する下層上保持部134よりも長手方向外側、すなわち、列方向に突出した電池セル101よりもさらに列方向外側に配置されるのを防ぐことができる。
したがって、下保持枠部材121と中保持枠部材131と上保持枠部材141の3つの保持枠部材を上下に貫通して一本のねじで共締めした場合と比較して、保持ケース111の長手方向の長さを短くすることができる。したがって、セルブロック40の小型化を図ることができ、筐体前壁部21とケース前端面部62との間に配線用の空間領域を形成することができる。
上係止部181は、図11に示すように、上保持枠部材141から下方に突出する上係止爪182と、中保持枠部材131に形成された中係止穴183を有しており、中保持枠部材131の上に上保持枠部材141を重ね合わせて上係止爪182を中係止穴183に係止することによって中保持枠部材131と上保持枠部材141を結合する構造を有する。
次に、上記構成を有する保持ケース111の組み立て方法について以下に説明する。
まず、下保持枠部材121の上方から電池セル101を挿入して、各下層下保持部124にそれぞれ保持させる。各電池セル101は、各電池セル101の正極が、保持ケース111の短手方向一方側に位置するように整列して保持され、下層の電池セル配列体103Lを構成する。
次いで、下保持枠部材121の上に中保持枠部材131を重ね合わせて、下係止部171の中係止爪172を下係止穴173に挿入して係止させる。そして、中保持枠部材131の上方から下締結部151の下締結ねじ152を中保持枠部材131のねじ挿通孔153に挿通させて、下保持枠部材121の螺入孔154に螺入し、締結する。これにより、下保持枠部材121と中保持枠部材131は、下保持枠部材121と中保持枠部材131の間に電池セル101を保持した状態で互いに結合される。
そして、中保持枠部材131の上方から電池セル101を挿入して、中保持枠部材131の各上層下保持部136にそれぞれ保持させる。各電池セル101は、各電池セル101の正極端子が、保持ケース111の短手方向他方側に位置するように整列して保持される。
それから、中保持枠部材131の上に上保持枠部材141を重ね合わせて、上係止部181の上係止爪182を中係止穴183に挿入して係止させる。そして、上保持枠部材141の上方から上締結部161の上締結ねじ162を上保持枠部材141のねじ挿通孔163に挿通させて、中保持枠部材131の螺入孔164に螺入し、締結する。これにより、中保持枠部材131と上保持枠部材141は、中保持枠部材131と上保持枠部材141との間に電池セル101を保持した状態で互いに結合される。
上記した保持ケース111の組み立て方法によれば、保持ケース111を組み立てる途中で、下保持枠部材121、中保持枠部材131、上保持枠部材141の上下をひっくり返したりすることなく、保持ケース111の下部から上部に向かって順番に組み立てることができる。したがって、セルブロック40の組み立てを容易にすることができ、工数の削減により製造コストを削減することができる。
セルブロック40は、保持ケース111が組み立てられて図8に示す状態にされると、次いで、導電部材191と電圧検出基板201が取り付けられる。
導電部材191は、保持ケース111内に保持された各電池セル101を電気的に直列に接続して組電池とするものであり、図13に示すように、保持ケース111の両側の縦壁面部114、114にそれぞれ取り付けられる。
そして、下層の各電池セル101の端部に一端が電気的に接続され、下層の各電池セル101の長手方向斜め上方に位置する上層の各電池セル101の端部に他端が電気的に接続される。導電部材191の略中央位置には、電圧検出基板の電圧検出端子に電気的に接続するための接続端子192が設けられている。
セルブロック40の正極端子40Aは、上層の電池セル配列体103Uのうち、下層の電池セル配列体103Lよりも長手方向に突出した位置に配置される電池セル101の電極に接続されている。そして、セルブロック40の負極端子40Bは、下層の電池セル配列体103Lのうち、上層の電池セル配列体103Uよりも長手方向に突出した位置に配置される電池セル101の電極に接続されている。
電圧検出基板201は、各導電部材191が取り付けられた後、これらの導電部材191の上に重ね合わせるように、保持ケース111の両側の縦壁面部114、114に沿ってそれぞれ取り付けられる。本実施の形態では、電圧検出基板201は、保持ケース111にビス留めされる。
電圧検出基板201は、各電池セル101の電圧を検出する電圧検出回路を有している。電圧検出基板201は、例えば一定幅で延在する帯板形状を有しており、電圧検出基板201の一方端部には、電圧検出線55を接続するためのコネクタ202が設けられている。
電圧検出基板201には、縦壁面部114に取り付けられた状態で各導電部材191の略中央部分に対向する部位に開口部203がそれぞれ形成されている。各開口部203には、導電部材191の接続端子192に電気的に接続される電圧検出端子204が突出して設けられている。
電圧検出端子204は、電圧検出基板201を長手方向にひっくり返して長手方向一方側と他方側を入れ替えた状態で取り付けた場合でも、各導電部材191に接続できるように、各導電部材191の略中央位置に対向する位置にそれぞれ配置されるようになっている。
そして、電圧検出基板201の一方端部には、正極端子40A又は負極端子40Bのいずれか一方に電気的に接続可能な第1接続端子205が設けられ、電圧検出基板201の他方端部には、正極端子40A又は負極端子40Bのいずれか他方に接続される第2接続端子206が設けられている。
第1接続端子205と第2接続端子206は、電圧検出基板201を長手方向にひっくり返して取り付けた場合でも、正極端子40Aと負極端子40Bにそれぞれ接続できるように、その位置が設定されている。
例えば、セルブロック40を第1セルブロック41として用いる場合には、負極端子40B側がケース前端面部62となって連通部材71側に配置される(図3を参照)。したがって、図14に示すように、コネクタ202が連通部材71側となる負極端子40B側に配置されるように電圧検出基板201が取り付けられる。なお、図14では示されていない他方の縦壁面部114においても、コネクタ202が負極端子40B側に配置されるように電圧検出基板201が取り付けられる。
このように負極端子40B側にコネクタ202が配置されるように電圧検出基板201が取り付けられた場合、第1接続端子205は、負極端子40Bと下層の電池セル101との間を接続する接続部分193に対向する位置に配置されて接続される。そして、第2接続端子206は、正極端子40Aから下方に延出して上層の電池セル101に接続されてさらに下方に延長された延長部分194に対向する位置に配置されて接続される。
一方、セルブロック40を第2セルブロックとして用いる場合には、正極端子40A側がケース前端面部62となって連通部材71側に配置される。したがって、図15に示すように、コネクタ202がホルダー側となる正極端子40A側に配置されるように電圧検出基板201が取り付けられる。
正極端子40A側にコネクタ202が配置されるように電圧検出基板201が取り付けられた場合、第1接続端子205は、正極端子40Aの延長部分194に対向する位置に配置されて接続される。そして、第2接続端子206は、負極端子40Bの接続部分193に対向する位置に配置されて接続される。
上記構成によれば、電圧検出基板201は、前後方向に取り付け互換性があり、専用品を使用する必要がなく、部品の種類を減らすことができ、製造コストを低減できる。
なお、第3セルブロック43の構成について、第1セルブロック41及び第2セルブロックとの相違点を簡単に説明すると、第3セルブロック43は、電池セルの個数が12個であり、保持ケースの長手方向の長さが第1セルブロック及び第2セルブロックよりも短く形成されている。
そして、特に図示していないが、負極端子43B側となるケース前端面部には、冷媒導入口を前方に延長する延長連通部材が一体に形成されており、モジュール筐体2内に装着することによって、延長連通部材の前端部が筐体前壁部21に当接して吸気口22に連通し、かつ、ケース後端面部が筐体後壁部31に当接して排気口32に連通するようになっている。
<シャッター構造>
次に、本実施の形態における上蓋部12の構造について図16及び図17を用いて詳細に説明する。
図16は、上蓋部に設けられたシャッター構造を説明する斜視図、図17は、図16(a)のXVII−XVII線断面を矢視した図である。図16(a)は、シャッターの閉状態を示し、図16(b)は、シャッターの開状態を示す。
モジュール筐体2の上蓋部12には、モジュール筐体2内に連通する上蓋開口12aが形成されており、その上蓋開口12aを開閉するスライド式のシャッター301が設けられている。
シャッター301は、上蓋部12の上面に沿って開方向と閉方向に往復移動可能に支持された平板部302と、平板部302の開方向側の端部に連続して延設されたスラット部303を有する。
平板部302は、上蓋開口12aを開放する開位置と上蓋開口12aを閉塞する閉位置に選択的に配置可能に支持されており、図16(b)に示す開位置に配置された場合に上蓋開口12aを開放して筐体2内のインバータ接続端子311を露出させる。そして、図16(a)に示す閉位置に配置された場合に上蓋開口12aを閉塞してインバータ接続端子311を覆い隠すようになっている。
また、平板部302には、窓穴302aが設けられており、開位置以外の位置では安全ボルト312を覆い隠し、開位置において安全ボルト312を露出させることができるようになっている。安全ボルト312は、上蓋部12と下蓋部11とを締結する複数のボルト5の一つを構成するものであり、締結を解除しない限り、上蓋部12の取り外しを阻止する。
スラット部303は、開方向に移動させた場合に、上蓋部12の後端縁でその移動方向を下方に変更するように、レール部304によって案内されている。
シャッター301は、図17に示すように、平板部302を閉位置に配置させた状態で、スラット部303の移動方向開側に対向する位置に、SDスイッチ53のコネクタ53aが着脱可能に取り付けられており、コネクタ53aを取り外さない限り、平板部302を閉位置から開方向に移動させることができない。SDスイッチ53は、コネクタ53aを取り外すことによって第2セルブロック42と第3セルブロック43の電気的な接続を遮断する構成を有する。
上記構成を有するシャッター構造によれば、SDスイッチ53のコネクタ53aが取り付けられている状態では、シャッター301は閉位置に保持され、シャッター301を開方向に移動させることはできない。したがって、第2セルブロック42と第3セルブロック43との間の電気的な接続が維持されたままの状態で、インバータ接続端子311と安全ボルト312が外部に露出されるのを防ぐことができる。
したがって、作業者等が誤って、接続状態のままインバータ接続端子311に触れるのを防ぐことができ、また、安全ボルト312の締結解除により上蓋部12が下蓋部11から取り外されるのを防ぐことができる。したがって、必ず通電が遮断された状態でメンテナンス等の作業が行われるようにすることができ、作業者の安全を確保することができる。
<モジュール筐体>
次に、本実施の形態におけるモジュール筐体2の構成について図18及び図19を用いて詳細に説明する。
図18は、モジュール筐体の下蓋部の平面図、図19は、二次電池モジュールの要部を断面で示す図である。
下蓋部11内には、横方向に所定間隔をおいて前後方向に延在する4本のリブ411〜414が設けられている。各リブ411〜414は、下蓋部11の筐体前壁部21と筐体後壁部31との間に亘って平面状に広がる筐体底壁部23に立設されている。これら4本のリブ411〜414のうち、第1リブ411は、下蓋部11内を横方向一方側と横方向他方側に仕切り、電池ユニット3を収容する電池ユニット収容エリア2Aと、制御ユニット4を収容する制御ユニット収容エリア2Bを形成する(中壁リブ)。
第2リブ412と第3リブ413は、電池ユニット収容エリア2Aを3つのセルブロック収容室に区画し、第1リブ411と第2リブ412との間には、第1セルブロック41を収容可能な第1収容室421を形成し、第2リブ412と第3リブ413との間には、第2セルブロック42を収容可能な第2収容室422を形成する(中壁リブ)。
第4リブ414は、筐体側壁部33に沿って設けられており、第3リブ413との間に第3セルブロック43を収容可能な第3収容室423を形成する(側壁リブ)。
各リブ411〜414の上部には、セルブロックブラケット91(図2を参照)を固定するためのねじ孔が設けられている。セルブロックブラケット91は、各収容室421〜423に収容されたセルブロック41〜43をそれぞれ上方から押さえて、上下方向の移動を規制して固定するものであり、ねじによって各リブ411〜414の上部に締結される。
図19に示すように、第4リブ414と筐体側壁部33との間には、所定の室内空間を有するガス排出室424が形成される。筐体側壁部33には、ガス排出口34が開口して形成されており、ガス排気管35が接続されている。
そして、図18に示すように、筐体前壁部21の吸気口22と筐体後壁部31の排気口32は、各収容室421〜423に対応する位置にそれぞれ対をなして形成されている。各セルブロック41〜43は、リブ411〜414によって横方向の移動が抑制された状態で収容される。
下蓋部11の筐体底壁部23には、図19に示すように、複数本の浅溝部24が設けられている。各浅溝部24は、例えば下蓋部11をプレス成形する際に筐体底壁部23から下方に突出させることによって形成される。各浅溝部24は、互いに交差するように前後方向及び横方向に延在して設けられている。横方向に延在する浅溝部24は、第1収容室421から第3収容室423の間に亘って連続しており、その端部は、第4リブ414と筐体側壁部33との間に形成されたガス排出室424に連通している。
浅溝部24は、各収容室421〜423に収容された各セルブロック41〜43の少なくとも一つの電池セル101からガスが放出された場合に、図19に流れ方向を矢印で示すようにガスを通過させて、ガス排出室424に流入させることができる。ガス排出室424に流入したガスは、ガス排気管35を通してモジュール筐体2の外部に排出される。
上記した構成によれば、浅溝部24が第1収容室421から第3収容室423の間に亘って連続して形成されており、浅溝部24の端部がガス排出室424に連通しているので、収容室421〜423に収容されている各セルブロック41〜43の少なくとも一つの電池セル101からガスが放出された場合に、浅溝部24を通過させてガス排出室424までガスを流通させることができ、ガス排出室424からモジュール筐体2の外部に排出させることができる。したがって、モジュール筐体2内で放出されたガスがモジュール筐体2内に滞留して、例えば筐体前壁部21とケース前端面部62との間からセルブロック40の保持ケース61内に侵入し、あるいは、筐体後壁部31とケース後端面部64との間を通過して、筐体後壁部31の排気口32から排出されるのを防ぐことができる。
また、筐体底壁部23には、前後方向及び横方向に延在する浅溝部24が形成され、かつ、第1リブ411から第4リブ414が前後方向に延在して設けられているので、下蓋部11の高い剛性を得ることができ、モジュール筐体2の変形を防ぐことができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施の形態では、筐体前壁部21とケース前端面部62との間に連通部材71が介在されて空間領域80A、80Bが形成される場合を例に説明したが、モジュール筐体2の筐体後壁部31とセルブロック40のケース後端面部64との間に連通部材を介在させて、空間領域を形成する構成としてもよい。また、上述の実施の形態では、セルブロック40が上層の電池セル配列体103Uと下層の電池セル配列体103Lの2層の場合を例に説明したが、3層以上としてもよい。
[第2実施の形態]
次に、本発明の第2実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、第1実施の形態と同様の構成要素については、同一の符号を用いてその詳細な説明を省略する。
本実施の形態において主な特徴構成は、下蓋部511の筐体前壁部521とセルブロック40のケース前端面部62との間、及び、下蓋部511の筐体後壁部531とセルブロック40のケース後端面部64との間を所定距離だけ離間させ、吸気ダクト連通部材601で吸気ダクト6とセルブロック40の冷媒導入口62aとの間を連通すると共に、排気ダクト連通部材701で排気ダクト7とセルブロック40の冷媒導出口64aとの間を連通する構成としたことである。これにより、下蓋部511の筐体前壁部521とセルブロック40のケース前端面部62との間でかつ吸気ダクト連通部材601の上方に前方空間領域541を形成し、下蓋部511の筐体後壁部531とセルブロック40のケース後端面部64との間でかつ排気ダクト連通部材7の上方に後方空間領域542を形成し、これら前方空間領域541と後方空間領域542に各セルブロック30と制御ユニット4との間の配線54〜56を纏めることができる。
リチウムイオンバッテリ装置501は、図20に示すように、平面状に拡がる横長矩形のボックス形状のモジュール筐体502を有している。モジュール筐体502の前部には吸気ダクト6が接続され、後部には排気ダクト7が接続されている。吸気ダクト6は、図示していない車両の空調装置に接続されており、冷却空気の供給を受けることができるようになっている。排気ダクト7は、図示していない車両の車室内に連通して接続されており、吸気ダクト6から導入されてモジュール筐体502内を通過した空気を車内あるいは車外に排出できるようになっている。
モジュール筐体502は、下蓋部511と上蓋部512によって構成されている。下蓋部511は、浅皿形状を有しており、上蓋部512は、下蓋部511の上部を閉塞する平板形状を有している。下蓋部511と上蓋部512は、金属製の薄板をプレス加工等することによって形成されている。
下蓋部511は、箱曲げ加工により形成されており、平面視略矩形の筐体底壁部523と、筐体底壁部523の4辺で折曲されて垂直に立ち上げられて前後に対峙する筐体前壁部521及び筐体後壁部531と左右に対峙する一対の筐体側壁部533を有している。そして、筐体前壁部521及び筐体後壁部531と筐体側壁部533との間は、溶接加工により気密的に接合されている。
下蓋部511は、箱曲げ加工によって筐体前壁部521と筐体後壁部531と筐体側壁部533が筐体底壁部523に対して垂直に立ち上げられた形状を有しているので、第1実施の形態における下蓋部11の深絞り加工と比較して、スペースに無駄がなく、車両内の限られた空間を有効に利用することができ、同一の設置空間に設置した場合に、筐体内の内部スペースをより大きく確保することができる。なお、下蓋部511内に設けられている4本のリブ411〜414には、複数の穴部が設けられており、軽量化を目的とした肉抜き加工が施されている。また、下蓋部511の下部には、車両の床に固定するための複数のブラケット503が設けられている。
上蓋部512には、第1実施の形態におけるセルブロックブラケット91の代わりに、各セルブロック40を下蓋部511に押さえつけて固定するセルブロック押さえ部522が設けられている。セルブロック押さえ部522は、プレス成形によって上蓋部512の一部を下方に膨出させることによって形成されている。セルブロック押さえ部522は、上蓋部512を下蓋部511に取り付けた場合に、各リブ411〜414に対向して、ねじによって各リブ411〜414の上部に締結されるようになっている。したがって、第1の実施の形態におけるセルブロックブラケット91を省略することができ、軽量化を図ることができる。また、セルブロックブラケット91の分だけ、上蓋部512の高さ位置を低くしてモジュール筐体502の薄型化を図ることや、例えば上蓋部512の高さ位置を変えずに、モジュール40の高さを大きくしてモジュール40の全長を短くし、セルブロック40に対する筐体前壁部及び筐体後壁部との離間距離を大きくすることができる等、設計の自由度を向上させることができる。そして、部品点数の減少による部品コストの削減、及び、組み立て工数の減少による製造コストの削減を図ることができる。
モジュール筐体502内の電池ユニット収容エリア2Aには、第1セルブロック41、第2セルブロック42、第3セルブロック43の3個のセルブロック40が収容されている。各セルブロック41〜43は、互いに同一の構成を有しているが、第3セルブロック43のみ、電池セル101が2個少なく、その2個分のスペースには、ダミーセルが収容されている。したがって、各セルブロック41〜43を共通化することができ、製造及び組み立ての容易化を図ることができる。
セルブロック40は、図24に示すように、下蓋部511の前後方向中間位置に配置されており、セルブロック40のケース前端面部62と下蓋部511の筐体前壁部521との間、及び、セルブロック40のケース後端面部64と下蓋部511の筐体後壁部531との間は所定距離だけ離間している。
下蓋部511の筐体前壁部521には、吸気ダクト6とセルブロック40の冷媒導入口62aとの間を連通する吸気ダクト連通部材601が取り付けられている。そして、下蓋部511の筐体後壁部531には、セルブロック40の冷媒導出口64aと排気ダクト7との間を連通する排気ダクト連通部材701が取り付けられている。
吸気ダクト連通部材601は、吸気口22に挿通されてセルブロック40のケース前端面部62と下蓋部511の筐体前壁部521との間に亘って延在し、吸気ダクト6からセルブロック40内に冷却空気を流入させて導入する構成を有している。排気ダクト連通部材701は、排気口32に挿通されてセルブロック40のケース後端面部64と下蓋部511の筐体後壁部531との間に亘って延在し、セルブロック40内の空気を排気ダクト7に流出させて導出する構成を有している。
排気ダクト連通部材701の構成について、図25〜図27を用いて以下に詳細に説明する。なお、吸気ダクト連通部材601については、排気ダクト連通部材701とほぼ同様の構成を有するので、図26及び図27に対応する構成の符号を付することでその詳細な説明を省略する。
排気ダクト連通部材701は、筐体後壁部531の後面に固定される平板状の固定部702と、固定部702から筒状に突出して排気口32に挿通されるノズル部703とを有している。固定部702の排気口32に対応する位置には開口穴が設けられており、その開口穴に連続するようにノズル部703の中心孔が設けられている。固定部702には、複数のボルト孔711が設けられており、かかるボルト孔711に対して、筐体後壁部531の後面に突設された固定ボルト721を挿通してナット722を螺合することによって筐体後壁部531に固定される。そして、固定部702の排気ダクト接続面702bには、複数の係止爪712が設けられており、排気ダクト7を取り付けることができるようになっている。
固定部702の筐体後壁部531に対向する対向面702aには、シール材714が設けられており、下蓋部511の筐体後壁部531との間をシールしている。また、固定部702の排気ダクト接続面702bにもシール材713が設けられており、排気ダクト7との間をシールしている。
セルブロック40の冷媒導出口64aは、断面が矩形の筒形状を有しており、ノズル部703は、その冷却導出口64aの外側に外嵌されて接続される。したがって、排気ダクト連通部材701は、セルブロック40の内部空間と排気ダクト7の内部空間との間を連続させる通路を構成し、セルブロック40から排気ダクト7に冷却後の空気を排出することができる。
ノズル部703は、図25に示すように、セルブロック40のケース後端面部64との間に介在されたシール材715によってシールされている。なお、本実施の形態では、ノズル部703は、下蓋部511の筐体後壁部531に開口する3つの排気口32に対応して、3個が設けられている。
上記構成を有する吸気ダクト連通部材601と排気ダクト連通部材701は、下蓋部511内にセルブロック40を配置した後に取り付けられる。吸気ダクト連通部材601は、下蓋部511の前方から接近されて筐体前壁部521に固定され、排気ダクト連通部材701は、下蓋部511の後方から接近されて筐体後壁部531に固定される。そして、吸気ダクト連通部材601に吸気ダクト6が取り付けられ、また、排気ダクト連通部材701に排気ダクト7が取り付けられる。
このように、下蓋部511内にセルブロック40を配置した後に、セルブロック40の長手方向両側から挟み込むように吸気ダクト連通部材601と排気ダクト連通部材701を下蓋部511に取り付けるので、吸気ダクト連通部材601と冷媒導入口62aとの間、及び、排気ダクト連通部材701と冷媒導出口64aとの間を簡単かつ確実に連通させることができ、高い気密性を得ることができる。
また、吸気ダクト連通部材601と吸気ダクト6との間、及び、排気ダクト連通部材701と排気ダクト7との間は、係止爪712により固定されるので、作業性がよく、リチウムイオンバッテリ装置501全体の組立作業の簡単化を図ることができる。また、係止爪712は、リベット留めなどと比較して貫通孔を設ける必要がないので、高い気密性を容易に得うることができる。
吸気ダクト連通部材601と排気ダクト連通部材701の取り付けが終わると、次に、各セルブロック41〜43と制御ユニット4との間を配線で接続する作業が行われる。下蓋部511の筐体前壁部521とセルブロック41〜43のケース前端面部62との間でかつ吸気ダクト連通部材601の外側上方には前方空間領域541が形成されており、さらに、下蓋部511の筐体後壁部531とセルブロック41〜43のケース後端面部64との間でかつ排気ダクト連通部材701の外側上方には後方空間領域542が形成されている。この前方空間領域541と後方空間領域542を配線通路として利用し、各セルブロック41〜43と制御ユニット4との間を接続する配線を纏める。
したがって、セルブロックの上方に配線される従来技術と比較して、リチウムイオンバッテリ装置501全体の高さ方向の寸法を小さくすることができ、省スペース化を図ることができる。これにより、例えば横方向よりも高さ方向の制約が大きい車内に適用することが可能となり、より広い車内空間を確保することができる。
また、前方空間領域541と後方空間領域542は、吸気ダクト連通部材601と排気ダクト連通部材701の上方に形成されているので、下蓋部511の上方から配線状態を目視で確認しながら配線作業を行うことができる。したがって、第1実施の形態のように各セルブロック41〜43の電圧検出線55が連通部材の下方に隠れることがない。したがって、作業性がよく、簡単かつ確実に配線でき、リチウムイオンバッテリ装置501全体の組立作業の簡単化を図ることができる。
<上蓋部固定構造>
次に、本実施の形態における上蓋部512の固定構造について図28から図30を用いて説明する。
上蓋部512は、複数のボルト5によって下蓋部511に固定されている。そして、安全が確保された上で上蓋部512の取り外しができるようにするために、特別な固定構造を有している。
図28は、SDスイッチ取付部の正面図、図29は、上蓋部の裏面を示す斜視図である。
モジュール筐体502後部の制御ユニット収容エリア2B側には、SDスイッチ53が設けられている。SDスイッチ53は、下蓋部511の筐体後壁部531に開口するSDボックス535内にソケット53bが取り付けられており、コネクタ53aが着脱可能に装着されている。
コネクタ53aは、モジュール筐体502の後方側からソケット53bに挿入して装着される。コネクタ53aには、レバー53cが設けられており、かかるレバー53cを手前側に引いて開くことによって、セルブロック40の電気的な接続を遮断し、ソケット53bから取り外すことができるようになっている。
SDボックス535の底部535aには、図28に示すように、固定ボルト536を挿入可能な開口孔が穿設されている。そして、図29に示すように、上蓋部512の下面には、上蓋部512を下蓋部511の上に適切に配置した場合に、SDボックス535の底部535aに対向配置されるフランジ513が設けられている。フランジ513には、SDボックス535のボルト孔に連通する位置にネジ孔513aが設けられており、固定ボルト536の先端を螺合することによって、上蓋部512を下蓋部511に固定できるようになっている。
SDボックス535の底部535aに設けられている開口穴は、図28に示すように、SDスイッチ53のソケット53bの側方位置であって、レバー53cを閉じた状態では、レバー53cによって覆い隠されて工具が挿入できず、レバー53cを開いてコネクタ53aをソケット53bから取り外すことによって工具を挿入することができる位置に設けられている。したがって、固定ボルト536を取り外すには、必ずレバー53cを開いてコネクタ53aを取り外した状態にする必要があり、セルブロック40の電気的な接続を遮断した状態でのみ、上蓋部512を取り外すことができる。したがって、安全が確保された上で上蓋部512の取り外し作業ができるようになっている。
図30は、上蓋部を固定するボルトの拡大図である。本実施の形態では、上蓋部512を固定する複数のボルト5の少なくとも一つに、一般に流通していない専用の特殊工具でのみ操作可能なヘッド構造を有する特殊ボルト505を用いている。したがって、例えばリチウムイオンバッテリ装置501の構造について知識が乏しい者等によって、固定ボルトが取り外されて、上蓋部512が開放されるのを防止することができる。