JP5693474B2 - 一酸化炭素を酸化処理できる多孔質フィルムおよびその用途 - Google Patents

一酸化炭素を酸化処理できる多孔質フィルムおよびその用途 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解質二次電池や電気二重層キャパシタなどの蓄電デバイスにおける、蓄電要素が封入された容器内において発生する一酸化炭素の処理に適する多孔質フィルムに関する。特に、非水電解質二次電池用のセパレータとして好適に使用できる多孔質フィルムに関する。
近年、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池や電気二重層キャパシタなどの蓄電デバイスは、携帯電話等の携帯機器やOA機器、電気自動車やハイブリッド自動車など、広い範囲で注目され、その使用が拡大している。
非水電解質二次電池や電気二重層キャパシタは、その蓄電要素が封入された容器内に水分が存在すると性能が著しく低下し、したがって寿命の低下を招くため、それらの蓄電要素は、金属缶、アルミラミネートフィルムなどの容器内に封入されている。
しかし、非水電解質二次電池や電気二重層キャパシタは,蓄電要素が封入された容器内で一酸化炭素ガスが発生しやすいという性質があり、その結果、容器の変形・破裂による寿命の低下を招くという問題がある。
一酸化炭素ガスの発生による容器の変形・破裂を防ぐために、金属缶にガス放出弁を設けることが広く行われているが、ガスの放出は外気からの水分の浸入を招き、寿命の低下は避けられない。また、ラミネートフィルム外装のタイプでは、ガス放出弁を設けることは困難である。
一酸化炭素ガスを直接吸収・吸着する物質がいくつか知られているが、それらは、単位量当たり極少量の一酸化炭素しか吸収できず、充分な量の一酸化炭素を吸収・吸着させるという目的には不向きである。
一方、気体中の一酸化炭素を除去する方法として、一酸化炭素酸化触媒としての金ナノ粒子触媒と二酸化炭素除去剤としてのアルカリ性多孔質体とを含有する触媒を使用する方法(例えば、特許文献1)および一酸化炭素酸化触媒としての金ナノ粒子触媒と二酸化炭素及び水の除去剤としてのゼオライトとを含有する触媒を使用する方法(例えば、特許文献2)が知られている。これらの方法は、一酸化炭素ガスを二酸化炭素ガスに酸化させ、その結果生じた二酸化炭素ガスを二酸化炭素吸着剤によって除去するものであり、一酸化炭素ガスを直接除去するよりも安価であるが、一酸化炭素ガスの酸化には気体酸素の存在を必要とする。
非水電解質二次電池や電気二重層キャパシタは、その蓄電要素が封入された容器の内部への気体酸素の供給源を有しない。これは、容器内により多くの蓄電要素を封入する目的から、製造された段階ではその内部に気体空気が占めるような空間は存在していないし、また、上記容器は密封されているので外界からの気体酸素供給も実質的に有り得ないからである。
気体酸素の不存在下で一酸化炭素を二酸化炭素に酸化することができるならば、酸化によって生じた二酸化炭素を上記容器内で吸着することにより、上記容器内で発生する一酸化炭素ガスを上記容器内で十分にかつ安価に処理することができる。これは、非水電解質二次電池や電気二重層キャパシタなどの蓄電デバイスにおける蓄電要素が封入された容器が、一酸化炭素ガスの発生によって変形・破壊するのを防止する上で有用であり、その結果、上記蓄電デバイスの寿命の長期化に有利である。
本発明者は、上記事情を鑑み、気体状酸素が実質的に存在せずかつ一酸化炭素を発生する物質を収容する密閉容器内で発生する一酸化炭素を十分かつ安価に処理できる方法を提供することを目的として鋭意研究した結果、上記密閉容器内において発生した一酸化炭素の上記容器内での二酸化炭素への酸化が、一酸化炭素酸化触媒を樹脂に組み入れた樹脂組成物からなる成形体を上記容器内に予め配置しておくことにより行われ得ること、および上記樹脂組成物にさらに二酸化炭素吸着物質を含めることにより、上記一酸化炭素の処理(吸収)が良好に行われ得ることを見出した(特願2009−023790号および特願2009−023888号)。
しかし、上記成形体を非水電解質二次電池において一酸化炭素吸収材として使用するとき、下記の点でさらに改善の余地がある。すなわち、一酸化炭素は非水電解質二次電池の正極と負極との間で特に発生し、小さな泡でも電池内部抵抗を大きくし、性能を低下させる。また、近年の電子機器の小型化に伴い、非水電解質二次電池の小型化、大容量化が求められており、配置スペースの問題もある。
一方、非水電解質電池の正極と負極との間には、セパレータが配置されている。これは、正極と負極とを隔離して短絡を防ぎ、かつ正極と負極との間のイオン伝導性を確保するための重要な部品である。
そこで、上記の一酸化炭素吸収材としての成形体がセパレータとしても機能することができるならば、さらに有利である。
電池用セパレータとして好適に使用できる成形体として、熱可塑性樹脂と充填材を含む多孔質フィルムが提案されている(例えば、特許文献3)。このフィルムは、電解液の分解によって発生して電池性能を低下させ得るところのCO、CO、CHおよびCの1以上のガスを吸着することができるものであり、充填材としてカーボンブラックおよび炭酸カルシウムが使用されている。しかし、カーボンブラックおよび炭酸カルシウムはCO吸収機能が不十分である。また、カーボンブラックは導電性を有するので、セパレータに充填された場合、短絡による電池の故障を招く恐れがある。
また、ガス吸収剤が、ポリオレフィン系樹脂から成る多孔質フィルム等のセパレータ基材に混ぜ込まれている非水電解質二次電池用セパレータも知られている(例えば、特許文献4)。しかし、吸収されるガスは特定されておらず、また、上記ガス吸収剤は、一酸化炭素酸化触媒と二酸化炭素吸着物質との組合せではない。
特開2004−188243号公報 国際公開第2005/120686号パンフレット 特開2004−139933号公報 特開2008−146963号公報
本発明者は、先の一酸化炭素吸収材としての成形体を延伸することによって多孔質フィルムが得られること、および得られた多孔質フィルムは電池の電極間に配置されると一酸化炭素吸収材として機能するだけでなく、セパレータとしても機能することができ、したがって電池の小型化、大容量化の要求をも損なわないことを見出した。
すなわち、本発明は、
(A)エチレン系重合体および酸変性エチレン系樹脂を含有するエチレン系樹脂組成物 100質量部、
(B)一酸化炭素酸化触媒 1〜300質量部、および
(C)二酸化炭素吸着物質 1〜300質量部
を含む樹脂組成物からなる多孔質フィルムである。
本発明の多孔質フィルムは、多孔性であるとともに一酸化炭素吸収機能を有し、非水電解質二次電池の電極間に配置されると、一酸化炭素吸収材兼セパレータとして機能することができ、電池の性能維持の点で、また電池の小型化、大容量化の点において非常に有利である。
本明細書において、「多孔質フィルム」は、透気性を有するフィルムを意味する。なお、透気性は、JIS P8117にしたがって測定されるガーレー透気度によって示される。ガーレー透気度の値が小さいほど、フィルムの透気性が大きい。本発明の多孔質フィルムを電池用セパレータとして使用する場合には、ガーレー透気度が1000秒/100cc以下であることが好ましい。より好ましくは100〜1000秒/100ccであり、特に200〜600秒/100ccである。
本発明における成分(A)は、樹脂であれば何でも良く、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性エラストマーおよびゴムを包含する。具体的には、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのエチレン系重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチルなどのエチレン系共重合体、プロピレン系重合体、プロピレン系共重合体が挙げられる。ゴムとしては、例えば、エチレン−αオレフィン共重合体ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、イソプレンゴム、水添スチレン系エラストマーなどが挙げられる。上記αオレフィンは、例えばプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デカンを包含する。
成分(A)は、フィラーとしての成分(B)及び成分(C)との混和性の点から、エチレン系重合体(A−1)と酸変性エチレン系樹脂(A−2)とを含むエチレン系樹脂組成物であるのが好ましい。エチレン系重合体(A−1)はフィラー受容性に優れ、酸変性エチレン系樹脂(A−2)は成分(B)及び成分(C)の成分(A)中での分散を良好にする。
上記エチレン系重合体(A−1)としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンとα−オレフィン(例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等)とのコポリマーが挙げられ、これらを単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、電池用セパレータは、耐熱性が小さいと、電池の通常の使用環境として想定される範囲内の温度において熱溶融して電極間のイオン移動を遮断してしまうことが起こり得る。そこで、上記エチレン系重合体(A−1)は、フィラーとの十分な混和性を有するとともに十分な耐熱性を有するように、下記(i)〜(iv)を満たすものが特に好ましい。
(i)DSC融解曲線における最も高い温度側のピークトップ融点(Tm)が110℃以上である、
(ii)DSC融解曲線における融解熱量(ΔH)が90〜180J/gである、
(iii)110℃における結晶化度(Xc110)が10〜60%である、および
(iv)MFR(190℃、21.18N)が0.1g/10分以上10g/10分未満である。
上記ピークトップ融点(Tm)が110℃より低いと、耐熱性が不充分になる場合がある。上記ピークトップ融点(Tm)は、好ましくは120℃以上、より好ましくは125℃以上である。
また、上記融解熱量(ΔH)が90J/g未満であると、耐熱性が不充分になる場合があり、180J/gを超えるとフィラーとの混和性が不十分になり、製膜性に劣る場合がある。上記融解熱量(ΔH)は、好ましくは100〜170J/gである。
また、上記結晶化度(Xc110)が10%未満では耐熱性が不充分になる場合があり、60%を超えるとフィラーとの混和性が不十分になり、製膜性に劣る場合がある。上記結晶化度(Xc110)は、好ましくは15〜45%である。なお、110℃における結晶化度とは、DSC融解曲線における融解熱量ΔH全体に対する110℃以上での融解熱量の割合を意味する。
さらに、上記MFRが10g/10分以上では、ポリエチレン系樹脂組成物(A)と吸水性フィラー(B)との混和性が不充分になる場合や、フィルム製膜時の引落性が低下する場合があり、0.1g/10分未満では、フィルムの肉厚調整が困難になる場合がある。上記MFRは、好ましくは0.2〜7g/10分、最も好ましくは0.5〜5g/10分である。
なお、本明細書において、DSC融解曲線は、特に断らない限り、TA Instruments(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社)のDSC Q1000型を使用し、試料を190℃で5分間保持した後、10℃/分の降温速度で−10℃まで冷却し、−10℃で5分間保持した後、10℃/分の昇温速度で190℃まで加熱するという温度プログラムでDSC測定を行って得られる曲線である。
エチレン系重合体(A−1)としてエチレン系重合体の混合物を使用する場合には、混合物全体が上記要件(i)〜(iv)を満たすようにすればよい。
エチレン系重合体(A−1)として使用され得る具体例として、日本ポリエチレン(株)からKF360の商品名で市販されている超低密度ポリエチレンならびにKF271およびUF240の商品名で市販されている直鎖状低密度ポリエチレン、プライムポリマー(株)からSP2040およびSP2520の商品名で市販されている直鎖状低密度ポリエチレン等が挙げられる。
上記酸変性エチレン系樹脂(A−2)は、不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフト重合および/または共重合したエチレン系樹脂であり、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。不飽和カルボン酸の例としては、例えば、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸が挙げられ、その誘導体の例としては、例えば、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、無水マレイン酸、イタコン酸モノエステル、イタコン酸ジエステル、無水イタコン酸、フマル酸モノエステル、フマル酸ジエステル、無水フマル酸等のエステルおよび無水物が挙げられる。上記エチレン系樹脂としては、直鎖状ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル(VA)共重合体、エチレン−エチルアクリレート(EA)共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体などが挙げられる。
上記酸変性エチレン系樹脂(A−2)は、好ましくは0.1〜10g/10分のMFR(190℃、21.18N)を有する。さらに好ましくは、0.2〜7g/10分、最も好ましくは0.5〜5g/10分である。MFRが上記上限より高いと、フィルム製膜時の引落性が低下する場合がある。MFRが上記下限より低いと、フィルムの肉厚調整が困難になる場合がある。
酸変性エチレン系樹脂(A−2)の具体例としては、三井化学(株)製のアドマー(商品名)、日本ポリオレフィン(株)製のアドテックス(商品名)、クロンプトン社製のポリボンド(商品名)および住友化学(株)製のボンドファースト(商品名)が挙げられる。
上記ポリエチレン系樹脂組成物は、成分(B)及び成分(C)との混和性の点から、エチレン系重合体(A−1)99〜60質量%および酸変性エチレン系樹脂(A−2)1〜40質量%を含む(ここで、成分(A−1)と成分(A−2)の量の合計は100質量%である)。より好ましくは、エチレン系重合体(A−1)97〜70質量%および酸変性エチレン系樹脂(A−2)3〜30質量%であり、更に好ましくは、エチレン系重合体(A−1)95〜80質量%および酸変性エチレン系樹脂(A−2)5〜20質量%である。
成分(B)としては、一酸化炭素酸化触媒として知られている、ホプカライト(銅−マンガン系複合酸化物)などの複合金属酸化物触媒および担持貴金属触媒のいずれも使用することができる。上記担持貴金属触媒は、アルミナ担持パラジウムなどの金属酸化物担持貴金属触媒(貴金属を金属酸化物表面に担持した触媒)、パラジウム−酸化セリウムなどの貴金属−易還元性酸化物触媒、酸化チタン担持プラチナなどの貴金属担持光触媒、カーボンブラック担持塩化パラジウム-塩化銅などの担持Wacker型触媒および金ナノ粒子触媒(金ナノ粒子を金属酸化物表面に担持した触媒)を包含する。高濃度の一酸化炭素による被毒/失活の起き難いものであればより好ましいが、本発明では成分(B)を成分(A)に組み入れることにより、成分(B)の被毒/失活が防止・抑制されるという効果も得られた。本発明における樹脂組成物では、ホプカライトなどの複合金属酸化物およびアルミナ担持パラジウム、酸化マグネシウム担持パラジウムなどの金属酸化物担持貴金属触媒が好ましく使用される。一酸化炭素酸化触媒は、1種を単独で、または2種以上を組みわせて使用され得る。なお、ホプカライトと同じ組成であっても、複合酸化物の形ではなく、酸化銅(II)と酸化マンガン(IV)とを単に混合した混和物の形のものは、一酸化炭素酸化触媒としての機能が不十分である。
成分(C)としては、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム、0.4nm以上の細孔径を有するゼオライトおよびBET比表面積が50m/g以上である酸化マグネシウムを好ましく使用することができる。成分(C)は、1種を単独で、または2種以上を組みわせて使用され得る。
成分(B)及び成分(C)は、成分(A)との混和性および溶融混練性の点から、その粒子径分布として30μm以下の粒子径(D99)および20μm以下の粒子径(D50)を有するものが好ましい。ここで、D99およびD55はそれぞれ、粒子径分布において粒子径の小さい方から累積して99質量%および50質量%になる点における粒子径を言う。D99は、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下である。また、D50は、好ましくは0.01〜15μm、より好ましくは0.1〜10μmである。上記範囲から外れるような粗い粒子は、得られるフィルムの欠点や異物になる場合がある。また、粒子が細かすぎると、凝集して、得られるフィルムの欠点や異物になったり、凝集しなかった場合には多量の空気を抱き込んでコンパウンド製造時の溶融混練作業性を悪くしたりする場合がある。
粒子径分布の制御は、大きな粒子を生成した後、それを粉砕、分球する方法、及び最初から細かい粒子を生成しそして分球する方法がある。粒子径分布を上記範囲内に制御できるならばどちらの方法でも良く、特に限定はされないが、押出負荷および成形性の観点から、細かい粒子を最初から生成する方法がより好ましい。
成分(B)の配合量は、成分(A)100質量部に対して1〜300質量部、好ましくは3〜200質量部、より好ましくは5〜150質量部である。上記下限よりも少ないと、一酸化炭素を二酸化炭素に酸化する機能が不満足なものになる。上記上限を超えると、コンパウンド製造時の溶融混練、および原反フィルム成形が困難になる場合がある。また、多孔性付与のために延伸法を適用するのが難しくなる。
成分(C)の配合量は、成分(A)100質量部に対して1〜300質量部、好ましくは10〜250質量部、より好ましくは20〜200質量部である。上記下限よりも少ないと、一酸化炭素を二酸化炭素に酸化する機能が不満足なものになる。上記上限を超えると、コンパウンド製造時の溶融混練、および原反フィルム成形が困難になる場合がある。また、多孔性付与のために延伸法を適用するのが難しくなる。
本発明の多孔質フィルムのための樹脂組成物は、さらにスリップ剤を含むことが好ましい。これにより、コンパウンド製造時の溶融混練作業性を向上させ、また、成形性をより良好にすることができる。スリップ剤としては、ステアリン酸カルシウムなどの金属石鹸、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどの脂肪酸アミド、ポリエチレンワックス、シリコンガム、シリコンオイルなどが挙げられる。スリップ剤の好ましい添加量は、成分(A)100質量部に対して0.1〜20質量部、より好ましくは1〜10質量部である。
本発明の多孔質フィルムのための樹脂組成物は、さらに水分吸収剤を含んでいてもよい。これにより、一酸化炭素の除去とともに水分の除去を同時に行うことが出来る。水分吸収剤としては、モレキュラーシーブ3A、モレキュラーシーブ4A、モレキュラーシーブ5AなどのA型ゼオライトが好ましい。水分吸収剤の好ましい添加量は、成分(A)100質量部に対して5〜200質量部、より好ましくは10〜150質量部、更に好ましくは15〜120質量部である。
また、本発明の多孔質フィルムのための樹脂組成物は、必要に応じてリン系、フェノール系、硫黄系などの酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの耐候剤、銅害防止剤、芳香族リン酸金属塩系、ゲルオール系などの造核剤、グリセリン脂肪酸モノエステルなどの帯電防止剤、着色剤、芳香剤、抗菌剤、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、タルク、金属水和物などのフィラー、グリセリン脂肪酸エステル系、パラフィンオイル、フタル酸系、エステル系などの可塑剤等の添加剤を含んでいてもよい。
本発明の多孔質フィルムのための樹脂組成物は、必要成分を溶融混練することにより得ることができる。溶融混練は、二軸押出機、バンバリーミキサーなどの慣用の装置を使用して行うことができる。混練温度は、成形時の吸湿発泡トラブルを回避するため、成形温度よりも高くすることが好ましい。得られた樹脂組成物は造粒機によってペレット化した後、Tダイ等を使用する通常の製膜に付することができるが、その場合には、ペレット化を、ホットカット法などの水を介在させない方法で行うことが好ましい。また真空ベントを設けたり、ギヤポンプ等を介したりしても良い。更に、ペレット化することなく、直接製膜に付する方法、例えば、溶融混練して得られた組成物をそのままギヤポンプ等を介してTダイに送って製膜する方法を使用することもできる。
本発明の多孔質フィルムは、上記で得られたフィルムに多孔性を付与することにより得られる。多孔性を付与する方法は特に制限されず、例えば下記が挙げられる。
1.樹脂組成物に化学発泡剤をあらかじめ配合しておき、フィルム状にした後、適切な温度で発泡剤を分解する。
2.フィルムに超臨界流体の二酸化炭素などを含浸させた後、気化させる。
3.樹脂組成物に可塑剤等をあらかじめ配合しておき、フィルム状にした後、可塑剤を適切な方法で抽出する。
4.フィルムを適切な温度で延伸して、結晶と非晶との界面や樹脂とフィラーとの界面でミクロボイドを発生させる。
5.切削刃、針等によりフィルムに機械的に孔を開ける。
中でも、上記4および5の方法は、追加の物質を必要としないので酸化触媒や吸着物質の劣化が起こらないという点で好ましい。また、多孔性を付与する前の本発明におけるフィルムは膜厚が均一で外観も良好である(ブツ等の欠陥がない)ので、それを延伸することにより均一な膜厚および良好な外観を有する多孔質フィルムが得られる点から、上記4の方法が特に好ましい。延伸倍率は、成分(B)および(C)の種類と配合量により適宜調節されるが、通常は縦、横それぞれ1.1〜8倍、好ましくは1.2〜5倍程度である。延伸温度は、フィルムのベースである成分(A)の特性により適宜調節されるが、多孔性を付与する目的から、通常の延伸条件よりは低めの温度が好ましい。具体的には、延伸温度における成分(A)の結晶化度が70%以下であるように選択される。
得られた成形体は、必要に応じて、γ線照射や加硫に付すことができる。
こうして得られる本発明の多孔質フィルムは、外観が良好で目に見える穴開き等の欠陥がないので短絡の恐れがなく、厚さも均一であるとともに、十分な一酸化炭素処理能力を有する。したがって、非水電解質電池におけるセパレータとして有利に使用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1〜8、比較例1〜5および参考例1
表1に示す配合量(質量部)の成分をドライブレンドし、(株)日本製鋼所の二軸押出機TEX28により溶融混練して樹脂組成物を得た後、そのままギヤポンプを介し、東芝機械(株)製のTダイを用いて製膜して、膜厚100μmのフィルム(a)を得た。製造条件は以下の通りである。
二軸押出機出口樹脂温度 220℃(真空ベント使用)
ギヤポンプ出口樹脂温度 220℃
Tダイ出口樹脂温度 220℃
チルロール温度 40℃
引取速度 6m/分
次いで、上記で得られたフィルム(a)について、東洋精機製作所(株)のテーブル型試験用延伸装置を使用して表1に記載の延伸温度で縦、横それぞれ2.0倍に延伸して、膜厚25μmの多孔質フィルム(b)を得た。得られた多孔質フィルム(b)を、露点温度−50℃以下にしたガス置換型グローブボックス(アズワン株式会社のSG−1000)の中に保管した。下記(1)〜(6)の評価試験を行った。結果を表1に示す。実施例2および8については、下記(7)の試験も行った。
(1)フィルム外観
10cm×10cmの大きさに裁断したフィルム(b)10枚を目視で観察し、以下の基準で判定した。
○:穴開きもブツもない。
△:穴開きはないが、ブツがある。
×:穴開きもブツもある。
(2)透気度
フィルム(b)のガーレー透気度を、JIS P8117に準じて、旭精工(株)の王研式透気度試験機を使用して測定した。
(3)窒素/一酸化炭素混合気体中での一酸化炭素および二酸化炭素の濃度変化
テトラバックに1000cmのフィルム(b)を入れ、255mLの窒素を充填した。ここに45mLの一酸化炭素を注入した(一酸化炭素の計算濃度:15vol%)。これを24時間、常温、常圧で放置した後、一酸化炭素濃度および二酸化炭素濃度をガスクロマトグラフにより測定した。なお、テトラバックからはガスが少しずつ透過して抜けるため、同時にブランク(上記フィルムを使用しない場合)の測定も行ったところ、24時間後の一酸化炭素濃度は14.1vol%であり、二酸化炭素は検出されなかった。
(4)空気/一酸化炭素混合気体中での一酸化炭素および二酸化炭素の濃度変化
上記(3)の試験おいて、255mLの窒素の代わりに255mLの空気(窒素/酸素=80/20(体積比))を用いた以外は試験(3)と同様に測定を行った。ブランクでの一酸化炭素濃度は14.2vol%であり、二酸化炭素は検出されなかった。
(5)窒素/二酸化炭素混合気体中での二酸化炭素の濃度変化
二酸化炭素は透過性が高いため、フィルムによる二酸化炭素の吸着能の測定を行った。上記(3)の試験おいて、45mLの一酸化炭素を注入する代わりに、45mLの二酸化炭素を注入した以外は試験(3)と同様にして、二酸化炭素濃度の測定を行った。ブランクでの二酸化炭素濃度は12.3vol%であった。
(6)耐熱性
株式会社東洋精機製作所のHG−100型ヒートシール試験機を用い、80〜130℃の所定のシール温度で2枚のフィルム(b)をその縦延伸方向がT字剥離試験の引張方向になるように融着した(3秒間、圧力0.2MPa)。次いで、T字剥離試験を、株式会社東洋精機製作所のAE−CT型引張試験機を使用し、引剥幅25mm、引剥速度100mm/分、引剥角度180°で行った。より高いシール温度まで○判定になるものが耐熱性の良いフィルムである。
○:全くあるいは殆ど融着していない(引剥強度<0.1N/25mm)
△:僅かに融着している(引剥強度0.1〜2.0N/25mm)
×:融着している(引剥強度>2.0N/25mm)
(7)水分吸収能
ジメチルカーボネート(DMC)/ジエチルカーボネート(DEC)/エチレンカーボネート(EC)=1/1/1(容積比)に水を極少量混合し、試験液とした。この試験液中の水分量をカールフィッシャー容量滴定装置(平沼産業株式会社のAQ−300)により測定したところ982ppmであった。次いで、この試験液30g中に450cmのフィルム(b)を浸漬して、25℃×48hr後に試験液中の水分量を同様に測定した。以上の操作はアイ・エイ・シー株式会社のエアードライヤーQD20−75により露点温度−50℃以下にしたガス置換型グローブボックス(アズワン株式会社のSG−1000)中で行った。
使用した材料は以下の通りである。
成分(A)
KF271:日本ポリエチレン(株)製、直鎖状低密度ポリエチレン、Tm=127℃、ΔH=127J/g、Xc110=26%、Xc110=26%、MFR(190℃、21.18N)=2.4g/10分、密度913kg/m
アドマーXE070:三井化学(株)製、無水マレイン酸変性エチレン系重合体、MFR(190℃、21.18N)=3 g/10分
アドマーXM7070:三井化学(株)製、プロピレン系ランダム共重合体、MFR(230℃、21.18N)=7g/10分
成分(B)
ホプカライト:ジーエルサイエンス(株)製の複合金属酸化物触媒(CuMn)、乳鉢で粉砕・分級したもの、D99=12μm、D50=3μm
5%Pd−MgO−01:エヌ・イー・ケムキャット(株)製の酸化マグネシウム担持パラジウム触媒、担持量5質量%、D99=6μm、D50=2μm
比較成分(B)
カーボンブラック:電気化学工業(株)製、D99=2.1μm(凝集体としての値)、D50=0.5μm(凝集体としての値)
炭酸カルシウム:備北粉化工業(株)製のソフトン1800、D99=17μm、D50=2.8μm
成分(C)
スターマグU:神島化学工業(株)製の高BET酸化マグネシウム、BET比表面積=125m2/g 、D99=6μm、D50=2μm
ゼオラムA4 LPH:東ソー(株)製、細孔径0.4nmのA型ゼオライト(モレキュラーシーブ4A)、D99=20μm、D50=12μm
STO:堺化学工業(株)製、酸化ストロンチウム、粗粉を分級したもの、D99=18μm、D50=5μm
成分(C)の比較
スターマグP:神島化学工業(株)の酸化マグネシウム、BET比表面積=10m2/g、D99=9μm、D50=3μm
その他材料:スリップ剤
LBT−77:堺化学工業(株)製のポリエチレンワックス
ステアリン酸カルシウム
モレキュラーシーブ3Aパウダー:ユニオン昭和(株)製、細孔径0.3mmのA型ゼオライト、粗粉を分級したもの、D99=19μm、D50=9μm
Figure 0005693474
表1から明らかなように、実施例1〜8の本発明の多孔質フィルムは良好な外観を有し、一酸化炭素および二酸化炭素の吸収吸着機能に優れ、透気度もあり、かつ耐熱性も電池のセパレータ用として十分である。なお、非水電解質電池は、安全機構の一つとして、電池が100〜130℃の高温に曝されるとセパレータの材料が熱溶融して孔を塞ぎ、電極間のイオンのやり取りを止める(シャットダウン)という機構を有する。従って、本発明の多孔質フィルムをセパレータとして使用する場合には、100℃までは熱溶融しない耐熱性を必要とする。
また、成分(C)としてモレキュラーシーブ4Aを使用した実施例2および水分吸収剤を含む実施例8のフィルムについては、上記試験(7)も行った。その結果、初期水分量982ppmに対して、48時間浸漬後の水分量が実施例2では17ppmであり、実施例8では18ppmであり、ともに十分な水分吸収能を示した。
一方、成分(B)を含有しない比較例1および2のフィルムは一酸化炭素吸収機能を有しない。成分(C)を含有しない比較例3のフィルムは一酸化炭素を酸化することはできたが、二酸化炭素を吸着することはできなかった。成分(B)の配合量が多過ぎる比較例4および成分(C)の配合量が多過ぎる比較例5では、溶融混練と原反フィルム製膜の連続製造時に押出負荷が高くなってスクリュが停止し、原反フィルムを得ることが出来なかった。したがって、試験(1)〜(6)を行うことができなかった。
参考例1では、成分(C)として低BET比表面積の酸化マグネシウムを使用した。低BET比表面積の酸化マグネシウムは、二酸化炭素を吸収するために水を必要とする。したがって、絶乾状態で行われる試験(3)〜(5)において、一酸化炭素を酸化することはできたが、二酸化炭素を吸着することはできなかった。

Claims (9)

  1. (A)エチレン系重合体および酸変性エチレン系樹脂を含有するエチレン系樹脂組成物 100質量部、
    (B)一酸化炭素酸化触媒 1〜300質量部、および
    (C)二酸化炭素吸着物質 1〜300質量部
    を含む樹脂組成物からなる多孔質フィルム。
  2. 成分(B)が、ホプカライトおよび担持貴金属触媒から成る群より選択される少なくとも1を含む、請求項1に記載の多孔質フィルム。
  3. 成分(C)が酸化ストロンチウム、酸化カルシウム、0.4nm以上の細孔径を有するゼオライトおよびBET比表面積が50m/g以上である酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも1を含む、請求項1または2に記載の多孔質フィルム。
  4. 成分(C)が、BET比表面積が50m /g以上である酸化マグネシウムである、請求項3に記載の多孔質フィルム。
  5. 成分(A)が
    (A−1)下記(i)〜(iv)の特性を有するエチレン系重合体99〜60質量%、
    (i)DSC融解曲線における最も高い温度側のピークトップ融点(Tm)が110℃以上である、
    (ii)DSC融解曲線における融解熱量(ΔH)が90〜180J/gである、
    (iii)110℃における結晶化度(Xc110)が10〜60%である、および
    (iv)MFR(190℃、21.18N)が0.1g/10分以上10g/10分未満である
    および、
    (A−2)酸変性樹脂1〜40質量%
    を含むポリエチレン系樹脂組成物であり、ここで成分(A−1)と成分(A−2)の量の合計が100質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔質フィルム。
  6. 少なくとも一軸方向に1.1〜8倍延伸することにより多孔性を付与された、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多孔質フィルム。
  7. 100〜1000秒/100ccのガーレー透気度を有する、請求項1〜6のいずれか1項記載の多孔質フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の多孔質フィルムを、蓄電要素が封入された容器の中に含む非水電解質二次電池。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の多孔質フィルムを、蓄電要素が封入された容器の中に含む電気二重層キャパシタ。
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