JP5692728B2 - 内視鏡挿入補助器具 - Google Patents
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Description
内視鏡は、画像や照明光を送受信するための光ファイバーや、検査治療器具を出し入れしたり、空気や液体を供給吸引したりするためのパイプ、先端部を動かすためのワイヤー等が組み込まれたシャフト(ファイバースコープ)を備えている。そして、胃内部にこのシャフトを入れることによって、内視鏡による胃内部の検査や治療が可能となるのである。
例えば、救急外来を受診した患者は、救急医の診察後、消化管出血(胃潰瘍や十二指腸潰瘍や胃癌や食道静脈瘤や胃静脈瘤など)と診断されれば、消化器内視鏡医(内視鏡が専門の医師、以下単に内視鏡医という)による緊急内視鏡検査・治療が施行される。
そして、現在の内視鏡技術では、消化管出血が生じていても、出血部位が確認できればほぼ止血できるので、出血部位の確認同定を迅速に行うことが、患者を迅速に治療(止血)するうえで重要である。
しかし、内視鏡検査の基本姿勢である左側臥位に患者の姿勢を保持した場合には、胃体部〜穹隆部が重力の方向となる。このため、消化管出血を起こしている場合には、この部位に出血した血液が溜まることになる。すると、胃体部〜穹隆部に出血部位が存在している場合には、血液によって出血部位が覆われてしまい、そのままでは出血部位を内視鏡によって確認できない。
しかし、出血からある程度時間が経過して、血液が凝固して凝血塊となっていたり半ゲル状となっていた場合には、これらの凝固した血液は内視鏡では吸引除去できない可能性がある。すると、凝固した血液に出血部位が覆われている場合には、出血部位が確認できない。
かかる場合には、出血点を確認・同定するために、患者の姿勢を変換して、胃内の凝血塊を移動させることが行われる。具体的には、左側の胃内凝血塊(例えば、胃体部〜穹隆部に存在する凝血塊)を右側に移動させるために、患者を右側臥位にすることが行われる。
左側臥位の場合と同様に、左手にアングル・右手にシャフトを持って内視鏡を操作してもよいが、この場合には、左右逆の画像での治療となってしまう。この状態は、内視鏡医にとって内視鏡の操作が非常に困難な状態である。
つまり、基本姿勢である左側臥位とは逆の右側臥位とした場合には、内視鏡医による内視鏡操作が非常に困難な状態となり、出血部位の同定やその止血治療に通常よりも時間が掛かってしまう上、その精度も低下してしまう。
そして、緊急内視鏡止血処置では、上述したような右側臥位における内視鏡よる検査治療を迅速に行うことが要求されるため、右側臥位でも左側臥位と同等程度の検査治療ができるように、内視鏡医による内視鏡の操作性を向上させることが必要である。
しかし、従来のマウスピースは、ファイバースコープを患者が噛んでファイバースコープの操作ができなくなることなどを防ぐために設けられているに過ぎない。
また、従来のガイドチューブは、人の体内に挿入されている部位を確実に案内するために使用されるものにすぎない。
つまり、いずれの器具も患者の姿勢を変更した場合において、内視鏡医による内視鏡の操作性の低下を防ぐものではない。
第2発明の内視鏡挿入補助器具は、第1発明において、前記本体部が移動しないように固定する保持部を備えていることを特徴とする。
(固定型)
第3発明の内視鏡挿入補助器具は、第2発明において、前記本体部に形成されている貫通孔が曲がっており、前記保持部は、内視鏡を前記本体部の貫通孔に挿入したときに、内視鏡から加わる力によって前記本体部が移動しないように固定するものであることを特徴とする。
第4発明の内視鏡挿入補助器具は、第1、第2または第3発明において、前記本体部は、筒状の部材であって、その一端と他端との間で屈曲されているガイドパイプを備えていることを特徴とする。
第5発明の内視鏡挿入補助器具は、第4発明において、前記本体部は、前記ガイドパイプと、該ガイドパイプ内に内視鏡が挿入された際に、該内視鏡から該ガイドパイプに加わる力を支持する支持部材とを備えており、該支持部材は、前記内視鏡から前記ガイドパイプに加わる力を支持する、凹んだ支持曲面を備えていることを特徴とする。
第6発明の内視鏡挿入補助器具は、第4または第5発明において、前記ガイドパイプが、U字状に形成された筒状部材であることを特徴とする。
(可動型)
第7発明の内視鏡挿入補助器具は、第1または第2発明において、前記本体部は、前記貫通孔が形成された、該貫通孔の中心軸が該貫通孔の一端と他端との間での曲がった状態となるように変形可能な外殻部材と、該外殻部材の姿勢を保持する姿勢保持手段とを備えていることを特徴とする。
第8発明の内視鏡挿入補助器具は、第7発明において、前記外殻部材は、複数の筒状部材から形成されており、該複数の筒状部材は、全ての筒状部材の中心軸が同一平面内に位置し、かつ、全ての筒状部材の中心軸が同一平面に位置した状態のまま隣接する筒状部材同士が互いに屈曲可能となるように、連結されていることを特徴とする。
第9発明の内視鏡挿入補助器具は、第8発明において、筒状部材は、前記円筒状の内面を有する一対の壁部材を備えており、該一対の壁部材は、互いに接近離間可能であって、互いに接近した状態では両者の間に前記貫通孔が形成され、互いに離間させると両者の間に内視鏡を配置しうるように、構成されていることを特徴とする。
(マスクタイプ)
第10発明の内視鏡挿入補助器具は、第2発明において、前記本体部が筒状の部材であり、前記保持部が、前記本体部の一端が取り付けられたマウスピースと、該マウスピースが固定された、患者の顔面を覆うように取り付けられるマスクプレートと、該マスクプレートを患者の頭部に固定する固定手段とを備えており、前記マスクプレートは、前記マウスピースの素材と同等以上の強度を有する素材によって形成されていることを特徴とする。
第11発明の内視鏡挿入補助器具は、第10発明において、前記本体部の一端が、前記保持部の前記マウスピースに対して、着脱可能であることを特徴とする。
第2発明によれば、内視鏡のシャフトを本体部に形成されている貫通孔に挿入したときに内視鏡のシャフトから本体部に加わる力を保持部によって支持させることができるので、この力によって本体部が移動することを防ぐことができる。
(固定型)
第3発明によれば、本体部に形成されている貫通孔が曲がっており、しかも、本体部は、保持部によって内視鏡が挿入されても移動しないように保持されている。このため、本体部をその貫通孔の一端開口部がマウスピースの貫通孔と対向するように配置すれば、内視鏡医が患者の口が向いている方向と異なる位置にいても、内視鏡のシャフトを患者がくわえているマウスピースに挿入することができる。すると、患者の姿勢に係わらず、一定の場所から内視鏡医が内視鏡を操作することも可能となるので、患者の姿勢によって内視鏡医による内視鏡の操作性が低下することを防ぐことができる。
第4発明によれば、ガイドパイプに内視鏡のシャフトを挿入して、ガイドパイプに沿ってシャフトを移動させれば、シャフト先端を患者がくわえているマウスピースに案内することができる。また、貫通孔を筒状の部材によって形成するので、本体部を簡単な構造とすることができる。
第5発明によれば、支持曲面が患者と対向するように本体部を配置すれば、支持部材の支持曲面によって内視鏡のシャフトから加わる力を保持することができるので、ガイドパイプの強度を低くすることができる。そして、ガイドパイプとして可撓性を有する部材を使用すれば、貫通孔の一端開口部と患者がくわえているマウスピースの貫通孔との相対的な位置を簡単に調整できる。
第6発明によれば、患者が右側臥位の状態でも、患者が左側臥位の状態と同じように内視鏡を操作できるので、内視鏡医による内視鏡の操作性の低下を防ぐことができる。
(可動型)
第7発明によれば、外殻部材の曲がりを調整した後、姿勢保持手段によって外殻部材の曲がりを固定すれば、外殻部材の貫通孔を、所定の曲がりを有する貫通孔とすることができる。このため、本体部をその貫通孔の一端開口部がマウスピースの貫通孔と対向し、その他端開口部が内視鏡医を向くようにすれば、患者の姿勢に係わらず、一定の場所から内視鏡医が内視鏡を操作することが可能となる。よって、患者の姿勢によって内視鏡医による内視鏡の操作性が低下することを防ぐことができる。しかも、内視鏡に外殻部材を取り付けておけば、外殻部材を変形させることによって、内視鏡を患者に挿入したまま患者の姿勢を変更させても、その姿勢変更に合わせて内視鏡を曲げることができる。すると、患者の姿勢を変更する度に内視鏡の挿入を行う必要がないので、内視鏡による検査治療を迅速に行うことが可能となる。
第8発明によれば、隣接する筒状部材同士を屈曲すれば、外殻部材の貫通孔を曲がった状態とすることができる。また、外殻部材は、筒状部材同士を互いに屈曲可能に連結しているだけであるから、外殻部材の構造が簡単になるし、各筒状部材の剛性も高くすることができる。
第9発明によれば、筒状部材における一対の壁部材同士を離間させれば、外殻部材の貫通孔内に内視鏡のシャフトを入れることができるので、内視鏡のシャフトを患者に挿入したままでも、外殻部材の貫通孔に内視鏡のシャフトを収容とすることができる。すると、検査や治療を開始した後、患者の姿勢を変更する必要が生じた場合でも、外殻部材を取り付ければ、内視鏡を患者に挿入したまま患者の姿勢を変更することが可能となる。
(マスクタイプ)
第10発明によれば、本体部がマウスピースに固定されているので、内視鏡のシャフトを確実に患者の口に案内することができる。また、強度の高いマスクプレートを患者の顔面に取り付けるので、内視鏡のシャフトから本体部に加わる力を、あご骨などに支持させることができる。よって、内視鏡による検査中でも、本体部を安定した状態で保持することができる。
第11発明によれば、本体部がマウスピースに対して着脱可能であるから、通常は保持部のみを患者に装着しておき、必要な場合にのみ本体部を使用することができる。すると、患者の姿勢を変更したときに、本体部を着脱するだけで患者の姿勢変更後の検査や治療を行うことができるので、姿勢変更作業が容易になり、姿勢変更後において迅速に検査治療を開始することができる。
本発明の内視鏡挿入補助器具は、人の口から体内に挿入する内視鏡によって検査や治療を行う際に使用する補助器具であって、右側臥位や仰向け等、左側臥位以外の状態にある患者に対して、内視鏡を使用した検査や治療を行いやすくするようにできることに特徴を有している。
ここで、右側臥位の状態とは、右腕が下になるように患者が横になった状態(図1参照)を意味している。この状態は、通常、内視鏡検査を行うときに患者が取る左側臥位(図5参照)、つまり、左腕が下になるように患者が横になった状態と逆向きの姿勢である。
図1に示すように、本実施形態の内視鏡挿入補助器具10は、本体部11と、本体部11に連結された保持部15とを備えている。
この本体部11に形成されている貫通孔11hは、その内径Dが、内視鏡のシャフトSを挿通し得る大きさに形成されている。具体的には、貫通孔11hの内径Dは、シャフトSを挿入したときに、シャフトSの表面と貫通孔11hの内面との間に3〜5mm程度の隙間が形成されるように形成されている。現在、口から体内に挿入する内視鏡では、そのシャフトSの外径は、大体9〜12mm程度であるので、貫通孔11hの内径Dは、12〜17mmであればよい。
保持部15は、本体部11が移動しないように保持できるものであれば、構造はとくに限定されない。例えば、保持部15を、本体部11に一端が固定されたアングル等の棒状材料と、この棒状材料を診察台や手術台などに固定する公知の固定手段によって構成することができる。
まず、通常の内視鏡検査等では、まず、マウスピースMをくわえた患者がベッドBの上に左側臥位で寝かされる。すると、内視鏡医は、左側臥位の患者の正面から内視鏡を操作して、シャフトSの挿入および検査を行う(図5)。
患者が右側臥位になると、本実施形態の内視鏡挿入補助器具10の本体部11が、患者の顔の正面に位置するように配置され、保持部15によってベッドBなどに固定される。より具体的には、本体部11を、その貫通孔11hの一端開口部が患者がくわえているマウスピースMの貫通孔Mhと対向するように配置する。
しかし、本実施形態の内視鏡挿入補助器具10では、これらの反力は保持部15によって支持されるので、この反力によって本体部11が移動することを防ぐことができる。つまり、本体部11の貫通孔11h内にシャフトSが挿入された状態でも、本体部11を、その一端開口部を、患者がくわえているマウスピースMの貫通孔Mhと対向するように配置した状態に維持できるので、右側臥位の患者に対しても確実にシャフトSをマウスピースMに挿入することができる。
とくに、本体部11とマウスピースMのズレを防ぐのであれば、本体部11の一端にマウスピースMを設けてもよい。
また、上記例では、本体部11がU字状に屈曲された筒状に形成された部材である場合を説明した。しかし、本体部11は必ずしもU字状である必要はなく、本体部11の屈曲割合を種々選択可能であり、本体部11は、L字状に屈曲したものや、U字状とL字状の中間的ぐらいに屈曲させたもの、L字状よりも曲げ角度が小さいもの等でもよい。
例えば、仰向けにしか寝させることができない患者の場合には、仰向けに寝させた患者に内視鏡のシャフトSを挿入しなければならない。しかし、L字状に屈曲した本体部11を使用すれば、患者が仰向けの状態でも、患者が左側臥位の状態と同じように内視鏡医が内視鏡を操作できる。
同様に、患者の姿勢に適した本体部11を使用すれば、患者の姿勢にかかわらず、患者が左側臥位の状態と同じように内視鏡医が内視鏡を操作できる。
しかし、本体部11を筒状の部材で形成すれば、本体部11を簡単な構造とすることができる点で好ましい。
上述した本体部11の素材はとくに限定されず、内視鏡のシャフトSから加わる反力によって破損しない程度の強度を有するものであればよく、とくに限定されない。
しかし、シャフトSから加わる反力が大きくなるのは、シャフトSを屈曲させる部分であるから、図2に示すように、本体部11を、屈曲した貫通孔を有するガイドパイプ12と、このガイドパイプ12において屈曲している部分を支持する支持部材13とから構成してもよい。かかる支持部材13は、例えば、図2に示すように、支持部材13として、ガイドパイプ12を収容する貫通孔を有し、その貫通孔が凹んだ支持曲面13aを有するものを使用することができる。
すると、内視鏡のシャフトSからガイドパイプ12に加わる力を支持部材13によって支持させることができるので、ガイドパイプ12の強度を低くすることも可能となる。つまり、ガイドパイプ12の強度をシャフトSから加わる力を支持できる強度としなくても良くなる。よって、ガイドパイプ12として使用する部材やその素材の自由度が高くなるから、本体部11を軽量化でき製造コストを抑えることも可能となる。
そして、ガイドパイプ12として可撓性を有する部材を使用すれば、ガイドパイプ12の一端と患者がくわえているマウスピースMとの相対的な位置や、ガイドパイプ12の他端と内視鏡医との相対的な位置を微調整することが可能となり、本実施形態の内視鏡挿入補助器具10を使用した検査や治療を迅速に開始することができる。
また、上述した支持部材13では、患者が姿勢を変更した場合において、内視鏡のシャフトSの曲がり具合を変化させる場合には、ガイドパイプ12および支持部材13を変更しなければならない。つまり、患者が姿勢を変更する度に、内視鏡のシャフトSを患者から一端外して、別のガイドパイプ12および支持部材13にシャフトSを挿通させた後、再度シャフトSを患者に挿入しなければならない。
図7に示すように、外殻部材14は、その両端間(図7(A)では左右端間)を貫通する貫通孔を備えた筒状の部材である。この外殻部材14は、その軸方向(図7(A)では左右方向)を貫通する貫通孔を備えた部材である、複数の筒状部材14aを連結して形成されている。
なお、図7において、符号14dは、図1および図2に示す保持部15に外殻部材14を取り付ける公知の部材である。
しかも、外殻部材14が真っ直ぐになった状態(図7(A)の状態)において、全ての筒状部材14aの貫通孔の中心軸が同軸上(図7(A)におけるCL上、以下、外殻部材14の中心軸CLという)に並ぶように連結されている。
例えば、図7(A)に示すように、隣接する筒状部材14a同士をその軸方向と直交する軸(連結軸)で連結し、かつ、全ての連結軸が互いに平行であって外殻部材14の中心軸CLに対して同じ側に位置するように連結する。すると、全ての筒状部材14aの中心軸が同一平面に位置した状態のまま、隣接する筒状部材14a同士を互いに屈曲させることができる。
かかるワイヤー14wと巻上装置14fを使用する場合には、図7(A)に示すように、外殻部材14の一端に位置する筒状部材14aに巻上装置14fを取り付け、外殻部材14の他端に位置する筒状部材14aにブラケットなどを介してワイヤー14wの先端を固定する。また、ワイヤー14wが外殻部材14の中心軸CLと同一平面状に位置するように配置する。すると、外殻部材14を所定の姿勢として(図7(B)参照)、この状態でワイヤー14wが張った状態となるまで巻上装置14fによってワイヤー14wを巻き取り、ワイヤー14wが張った状態を維持する。すると、ワイヤー14wの張力が内視鏡のシャフトSから外殻部材14を真っ直ぐにしようとする力に対する抵抗力となるので、外殻部材14を所定の姿勢に維持することができる。
しかも、外殻部材14を変形させることによって、可撓性を有するガイドパイプ12とともに、内視鏡のシャフトSを曲げることができる。つまり、外殻部材14を取り付けておけば、シャフトSを患者に挿入したまま患者の姿勢を変更しても、その姿勢変更に合わせてシャフトSを曲げることができる。すると、患者の姿勢を変更する度に内視鏡のシャフトSの挿入を行う必要がなくなるので、内視鏡による検査治療を迅速に行うことが可能となる。
また、一対の壁部材LP,RPは、上述したように互いに連結されていてもよいが、一対の壁部材LP,RPが完全に分離されるような構造となっていてもよい。
また、上記例では、保持部15がベッドBなどに固定する構造を有する場合を説明したが、図3および図4に示すように、保持部25を介して、本体部21が人の顔面に固定できるようにしてもよい。
以下、本体部21を人の顔面に固定する内視鏡挿入補助器具20を説明する。
したがって、本体部21の他端の開口部から内視鏡のシャフトSを挿入すれば、貫通孔に案内されて、シャフトSを患者の体内に導入することができるのである。
しかも、マスクプレート27は、マウスピース26側に凹んだ凹面している。この凹面は、マウスピース26を患者がくわえた状態において、その凹面が患者の顔面に密着するような形状に形成されている。
よって、内視鏡を挿入する作業や内視鏡による検査治療中において、シャフトSから本体部21に力が加わっても、本体部21を安定した状態で保持することができる。
しかも、本体部21に加わる力は、マスクプレート27を介してあご骨などの大きく強度の高い骨によって支持されるので、マウスピース26が接触している歯等に加わる力を弱くすることができる。
上記実施形態では、内視鏡挿入補助器具10が、保持部15によって本体部11に加わる力を支持する場合を説明したが、必ずしも保持部15は設けなくてもよい。
例えば、本体部11を人が保持する(持っておく)だけで内視鏡のシャフトSから本体部11に加わる力を支持することができる場合であれば、保持部15のない本体部11だけの内視鏡挿入補助器具10を使用して、右側臥位の患者に対して、内視鏡のシャフトSを患者の体内に挿入することができる。
この場合には、保持部15をベッドBなどに固定しない分、内視鏡のシャフトSを患者に挿入するまでの時間を短くできるし、保持部15を固定する位置によって患者の姿勢が制限されない。また、保持部15を固定する対象がない場所でも、内視鏡挿入補助器具10を使用できるので、患者を寝かせる場所(検査や手術を行う場所)なども制限されない。
なお、内視鏡のシャフトSから本体部11に加わる力を人の力で支持することができる場合であれば、内視鏡挿入補助器具10の保持部15を人が保持して、右側臥位の患者に対して、内視鏡のシャフトSを患者の体内に挿入してもよいのはいうまでもない。
11 本体部
11h 貫通孔
12 ガイドパイプ
13 支持部材
13a 支持曲面
14 外殻部材
14a 筒状部材
15 保持部
20 内視鏡挿入補助器具
21 本体部
22 ガイドパイプ
23 支持部材
25 保持部
26 マスクプレート
27 マスクプレート
28 固定手段
S シャフト
M マウスピース
LP 壁部材
RP 壁部材
Claims (11)
- 患者がくわえているマウスピースに挿入される内視鏡を、口腔外において支持する補助器具であって、
内視鏡を挿入しうる内径を有する屈曲した貫通孔を備えた本体部を備えていることを特徴とする内視鏡挿入補助器具。 - 前記本体部が移動しないように固定する保持部を備えていることを特徴とする請求項1記載の内視鏡挿入補助器具。
- 前記保持部は、内視鏡を前記本体部の貫通孔に挿入したときに、内視鏡から加わる力によって前記本体部が移動しないように固定するものであることを特徴とする請求項2記載の内視鏡挿入補助器具。
- 前記本体部は、筒状の部材であって、その一端と他端との間で曲がっているガイドパイプを備えていることを特徴とする請求項1、2または3記載の内視鏡挿入補助器具。
- 前記本体部は、前記ガイドパイプと、該ガイドパイプ内に内視鏡が挿入された際に、該内視鏡から該ガイドパイプに加わる力を支持する支持部材とを備えており
該支持部材は、前記内視鏡から前記ガイドパイプに加わる力を支持する、凹んだ支持曲面を備えていることを特徴とする請求項4記載の内視鏡挿入補助器具。 - 前記ガイドパイプが、U字状に形成された筒状部材であることを特徴とする請求項4または5記載の内視鏡挿入補助器具。
- 前記本体部は、前記貫通孔が形成された、該貫通孔の中心軸が該貫通孔の一端と他端との間での曲がった状態となるように変形可能な外殻部材と、該外殻部材の姿勢を保持する姿勢保持手段とを備えていることを特徴とする請求項1または2記載の内視鏡挿入補助器具。
- 前記外殻部材は、複数の筒状部材から形成されており、
該複数の筒状部材は、全ての筒状部材の中心軸が同一平面内に位置し、かつ、全ての筒状部材の中心軸が同一平面に位置した状態のまま隣接する筒状部材同士が互いに屈曲可能となるように、連結されていることを特徴とする請求項7記載の内視鏡挿入補助器具。 - 前記筒状部材は、円筒状の内面を有する一対の壁部材を備えており、
該一対の壁部材は、
互いに接近離間可能であって、互いに接近した状態では両者の間に前記貫通孔が形成され、互いに離間させると両者の間に内視鏡を配置しうるように、構成されていることを特徴とする請求項8記載の内視鏡挿入補助器具。 - 前記本体部が筒状の部材であり、
前記保持部が、前記本体部の一端が取り付けられたマウスピースと、該マウスピースが固定された、患者の顔面を覆うように取り付けられるマスクプレートと、
該マスクプレートを患者の頭部に固定する固定手段とを備えており、
前記マスクプレートは、前記マウスピースの素材と同等以上の強度を有する素材によって形成されていることを特徴とする請求項2記載の内視鏡挿入補助器具。 - 前記本体部の一端が、前記保持部の前記マウスピースに対して、着脱可能であることを特徴とする請求項10記載の内視鏡挿入補助器具。
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