JP5691553B2 - 耐圧摺動部材及びブレーキパッド - Google Patents
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Description
(1)フッ素樹脂繊維集合体とマトリックス樹脂を含む摺動部(A)と繊維集合体とマトリックス樹脂を含む基盤部(B)から構成される耐圧摺動部材(図1)。
(2)フッ素樹脂繊維集合体と繊維集合体とマトリックス樹脂を含む摺動部(A)と繊維集合体とマトリックス樹脂を含む基盤部(B)から構成され、前記摺動部(A)のフッ素樹脂繊維集合体と繊維集合体が交互に積層して構成される耐圧摺動部材(図2)。
(3)フッ素樹脂繊維集合体及び繊維集合体が織物、編物、交織物、フエルトから選択される形態である(1)又は(2)に記載の耐圧摺動部材。
(4)繊維集合体が綿、毛、絹、麻、レーヨン、ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、アラミド、ボロン、ザイロン、ガラス、炭素から少なくとも1種から選ばれる(1)〜(3)のいずれかに記載の耐圧摺動部材。
(5)摺動部(A)のフッ素樹脂繊維集合体及び繊維集合体の積層面と摺動面のなす角が2〜90°である(2)〜(4)のいずれかに記載の耐圧摺動部材(図3)。
(6)マトリックス樹脂がフェノール樹脂又はエポキシ樹脂である(1)〜(5)のいずれかに記載の耐圧摺動部材。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の耐圧摺動部材からなるブレーキパッド。
また、摺動部と基盤部の二層構造とすることで、耐摩耗特性と低コストの両立が可能な摺動材料を提供できる。
また、さらに摺動部(A)をフッ素樹脂繊維集合体と他の素材の繊維集合体を1枚又は複数枚ずつ交互に積層させることによって、耐摩耗性は若干低下するものの、その低下の程度は軽微であり、実用に耐えうる十分な耐摩耗性が得られることに加えて、さらに低コスト化が可能である。
(プリプレグの作製)
100mm×100mmにカットしたPTFE繊維織布(東レ株式会社製、商品名:トヨフロン(登録商標)、目付:201g/m2)及びガラス繊維織布(日東紡績株式会社製、目付:570g/m2)をそれぞれレゾール型フェノール樹脂ワニス(日立化成工業株式会社製、商品名:VP−51N)に浸漬し、引き上げた後、110℃、10分乾燥させ、PTFE繊維織布、ガラス繊維織布のプリプレグを得た。
PTFE繊維織布プリプレグを17枚、ガラス繊維織布プリプレグを1枚、綿織布プリプレグ(日立化成工材株式会社製、商品名:GP−51NS)を40枚積層させ、300トン油圧成形機(東邦プレス製作所株式会社製)を用いて、165℃、8MPaで10分プレスした後、180℃、1時間処理し、PTFE繊維織布積層部からなる摺動部(A):2.6mmとガラス繊維織布積層部と綿織布積層部からなる基盤部(B):4.0mmで構成される硬化物を得た。
圧縮強度試験は、アムスラー式万能試験機(株式会社島津製作所製)を用い、摺動部(A)及び基盤部(B)の層に直交する方向に荷重を加え、JIS−A 1108に基づき圧縮強度試験を行った。圧縮強度は300MPaであった。
リングオンディスク型摩耗試験機(株式会社茨城製作所製)を用い摺動摩耗試験を行った50mm×10mm×5mmに切り出したサンプルのPTFE繊維織布側に、リング(材質:SUS304(JIS―G 4303:2005)、外径:34mm、内径:25.6mm、巾:4.2mm)を押しあて、面圧:8MPa、回転速度:0.16m/sの条件で8時間測定した。時間当たりの摩耗深さは0.02mm/hであった。
PTFE繊維織布プリプレグと綿織布プリプレグを交互に20枚積層し、さらに下部に綿織布プリプレグを40枚積層させ、実施例1と同様にプレス、熱処理し、PTFE/綿交互積層部からなる摺動部(A):2.5mmと綿織布積層部からなる基盤部(B):4.0mmで構成される硬化物を得た。実施例1と同様に圧縮強度試験を行った結果、圧縮強度は280MPaであった。また、実施例1と同条件において摺動摩耗試験を行った結果、時間当たりの摩耗深さは0.10mm/hであった。
PTFE繊維織布プリプレグと綿織布プリプレグを交互に30枚積層し、実施例1と同様にプレス、熱処理したPTFE/綿交互積層部を5°傾け、厚み:2.5mmに切り出した。これに、綿織布プリプレグを40枚積層させ、実施例1と同様にプレス、熱処理し、PTFE/綿交互積層傾斜部からなる摺動部(A):2.5mmと綿積層部からなる基盤部(B):4.0mmで構成される硬化物を得た。実施例1と同様に圧縮強度試験を行った結果、圧縮強度は240MPaであった。また、実施例1と同条件において摺動摩耗試験を行った結果、時間当たりの摩耗深さは0.06mm/hであった。
綿繊維織布プリプレグを50枚積層し、実施例1と同様にプレス、熱処理し、硬化物を得た。実施例1と同様に圧縮強度試験を行った。その結果、圧縮強度は260MPaであった。また、実施例1と同条件において摺動摩耗試験を行った結果、時間当たりの摩耗深さは2.0mm/hであった。
カーボン摺動材料(日立化成工業株式会社製、商品名:ヒタロックHCB−10、ヒタロックは登録商標)を入手し、実施例1と同様に圧縮強度試験を行った。その結果、圧縮強度は100MPaであった。また、実施例1と同条件において摺動摩耗試験を行った結果、0.17mm/hであった。
フェノール樹脂(エア・ウォーター株式会社製、商品名:ベルパールS890、ベルパールは登録商標):70重量%、黒鉛(日本黒鉛工業株式会社製、商品名:CB150):30重量%を混練した後、150℃に熱した金型に入れ、2MPaで5分プレスした後、180℃で8時間処理し、フェノール樹脂材料を得た。実施例1と同様に圧縮強度試験を行った結果、圧縮強度は220MPaであった。また、実施例1と同条件において摺動摩耗試験を行った結果、時間当たりの摩耗深さは0.40mm/hであった。
実施例1で作製した硬化物を直径80mmの円盤形状にくり抜き、ブレーキパッドを製作した。
このブレーキパッドを、風車回転面を変動する風向に追尾させるヨー制御装置に用いるブレーキ部材(図4)に適用し、このブレーキパッドが、優れた耐圧性と耐摩耗性を示すことが確認された。
Claims (11)
- フッ素樹脂繊維集合体とマトリックス樹脂を含む摺動部(A)と繊維集合体とマトリックス樹脂を含む基盤部(B)から構成される耐圧摺動部材からなるヨー制御用ブレーキパッドであって、
前記摺動部(A)は複数枚の前記フッ素樹脂繊維集合体が積層して構成される、ヨー制御用ブレーキパッド。 - フッ素樹脂繊維集合体と繊維集合体とマトリックス樹脂を含む摺動部(A)と繊維集合体とマトリックス樹脂を含む基盤部(B)から構成される耐圧摺動部材からなるヨー制御用ブレーキパッドであって、
前記摺動部(A)のフッ素樹脂繊維集合体と繊維集合体が1枚又は複数枚ずつ交互に積層して構成される、ヨー制御用ブレーキパッド。 - フッ素樹脂繊維集合体及び繊維集合体が織物、編物、交織物、フエルトから選択される形態である請求項1又は2に記載のヨー制御用ブレーキパッド。
- 繊維集合体が綿、毛、絹、麻、レーヨン、ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、アラミド、ボロン、ザイロン(登録商標)、ガラス、炭素から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のヨー制御用ブレーキパッド。
- 摺動部(A)のフッ素樹脂繊維集合体及び繊維集合体の積層面と摺動面のなす角が2〜90°である請求項2〜4のいずれか一項に記載のヨー制御用ブレーキパッド。
- マトリックス樹脂がフェノール樹脂又はエポキシ樹脂である請求項1〜5のいずれか一項に記載のヨー制御用ブレーキパッド。
- フッ素樹脂繊維集合体と繊維集合体とマトリックス樹脂を含む摺動部(A)と繊維集合体とマトリックス樹脂を含む基盤部(B)から構成される耐圧摺動部材であって、
前記摺動部(A)のフッ素樹脂繊維集合体と繊維集合体が交互に積層して構成され、
前記摺動部(A)のフッ素樹脂繊維集合体及び繊維集合体の積層面と摺動面のなす角が2〜90°である耐圧摺動部材。 - フッ素樹脂繊維集合体及び繊維集合体が織物、編物、交織物、フエルトから選択される形態である請求項7に記載の耐圧摺動部材。
- 繊維集合体が綿、毛、絹、麻、レーヨン、ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、アラミド、ボロン、ザイロン(登録商標)、ガラス、炭素から選ばれる少なくとも1種である、請求項7または8に記載の耐圧摺動部材。
- マトリックス樹脂がフェノール樹脂又はエポキシ樹脂である請求項7〜9のいずれか一項に記載の耐圧摺動部材。
- 請求項7〜10のいずれか一項に記載の耐圧摺動部材からなるブレーキパッド。
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