図1は、本実施の形態にかかる画像形成装置が接続された遠隔管理システムの全体構成図である。図1に示すように、遠隔管理システムは、仲介装置200と、管理装置300と、アプリダウンロードサーバ400とが、インターネットなどのネットワーク80を介して接続されている。また、仲介装置200は、複数の複合機100a、100b、100c(以下、特定しない複合機を単に複合機100と称する。)が接続されている。そして、複合機100とネットワーク80との間には、ファイアウォール90が設けられている。
ファイアウォール90は、公衆回線やインターネットなどの外部ネットワークを通じて仲介装置200に侵入した第三者により不正が行われないように、外部との境界を流れるデータを監視し、不正なアクセスを検出・遮断する。
複合機100は、コピー、ファックス、プリンタなどの複数の機能を備えた装置であって、LAN(Local Area Network)などのローカルネットワークにより仲介装置200に接続されている。本実施の形態の遠隔管理システムでは、3台の複合機100が接続されているが、これに限定されることなく、1台、2台、または4台以上の複合機を接続した構成としてもよい。
アプリダウンロードサーバ400は、複合機100において利用されるアプリケーションを保持しており、該アプリケーションを、仲介装置200を介して複合機100に提供する装置である。
仲介装置200は、アプリダウンロードサーバ400と、複合機100との間で行われる処理を仲介する装置である。具体的には、仲介装置200は、アプリダウンロードサーバ400が提供するアプリケーションを複合機100に送信する。
管理装置300は、仲介装置200を介して複合機100を遠隔管理する装置である。管理装置300は、複合機のメーカやサービス提供会社等のサービスセンタ等に設置されたサーバ装置であり、各種の管理データを格納する管理用データベースを備えている。
管理用データベースには、顧客ごとに、顧客サイトでの管理対象の複合機に関するネットワーク機器構成、顧客情報及び技術情報等の管理情報が格納されている。ネットワーク機器構成・管理情報は、例えば、各顧客サイトのネットワーク構成と当該ネットワークに接続されている複合機の構成、当該複合機の機種、機番、納入日、設置場所情報等の各情報で構成され、管理対象である複合機とネットワーク構成を特定できる情報である。また、顧客情報は、例えば、顧客名、住所、電話番号、FAX番号、機器管理者、ネットワーク管理者等で構成され、顧客及び連絡先、特に機器管理者とネットワーク管理者への連絡先情報等を特定できる情報である。また、技術情報は、例えば、機種、機番、印刷枚数やスキャナ枚数等のカウント値、故障コード、推定原因等から構成され、故障した管理対象の複合機の現象に対する原因と処置をある程度特定できる情報である。
そして、本実施例の遠隔管理システムは、遠隔管理を実現するため、各装置に、RPC(Remote Procedure Call)により、相互実装するアプリケーションのメソッドに対する処理の要求、応答を送受信する機能を有しており、また、RPCを実現するために、SOAP(Simple Object Access Protocol)、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)、FTP(File Transfer Protocol)等のプロトコルを利用することができる。
次に、管理装置300について説明する。図2は、本実施の形態にかかる管理装置300の構成図である。図2に示すように、管理装置300は、制御部301と、操作者端末307と、データベース302と、ネットワークI/F306とから主に構成されている。ネットワークI/F306は、仲介装置200などの他の装置との間の通信制御を行う。操作者端末307は、キーボード、マウス、ディスプレイ等で構成されたオペレータによる各種データの入力インターフェースである。データベース302は、複合機100の管理に用いる各種管理パラメタ(管理情報)、管理プログラム、オペレータが入力するデータを記憶するパラメタ記憶エリア303と、複合機100のカウンタ値を記憶するカウンタ記憶エリア304とから構成される。制御部301は、図示しないCPU、ROM、RAM等から構成させるマイクロコンピュータを備え、管理装置300を全体的に制御して、カウンタ情報の受信機能を実現する。
次に、アプリダウンロードサーバ400について説明する。図3は、本実施の形態にかかるアプリダウンロードサーバの構成図である。図3に示すように、アプリダウンロードサーバ400は、制御部401と、操作者端末407と、データベース402と、ネットワークI/F406とから主に構成されている。ネットワークI/F406は、通信制御を行うものである。操作者端末407は、キーボード、マウス、ディスプレイ等で構成されたオペレータによる各種アプリの管理などの入力インターフェースである。データベース402は、各種複合機のアプリを管理に用いる各種パラメタ、管理プログラム、オペレータが入力するデータを記憶するパラメタ記憶エリア403と、アプリケーションを記憶するアプリ保持エリア404とから構成される。制御部401は、図示しないCPU、ROM、RAM等から構成させるマイクロコンピュータを備え、アプリダウンロードサーバ400を全体的に制御し、アプリのダウンロード要求の受信/応答機能を実現する。
次に、仲介装置200について説明する。図4は、本実施の形態にかかる仲介装置の構成図である。図4に示すように、仲介装置200は、CPU(Central Processing Unit)201と、RTC(リアルタイムクロック)202と、HDD(Hard Disk Drive)203と、RAM(RANDOM Access Memory)204と、NIC(Network Interface Card)205と、ROM(Read Only Memory)206とにより主に構成されており、各部は、バス207で接続されている。
CPU201は、仲介装置200全体を制御する。RTC202は、発振器、分周器等を備え、クロック信号を生成する内部時計である。HDD203は、不揮発性記憶媒体であって、複合機100のアプリケーション等を保持する。RAM204は、ROM206に格納されたプログラムを実行する際に各種データを一時的に保持する。NIC205は、ローカルネットワークを介して複合機100と、またネットワーク80を介して、外部装置(管理装置300およびアプリダウンロードサーバ400)と接続するインターフェースである。また、NIC205には、CE(カスタマー・エンジニア)端末が接続され、Webページでユーザインターフェースとなる画面であるWebUIを表示させる。ROM206は、仲介装置200で実行される種々のプログラムを格納する。
仲介装置200は、複合機100に対して、状態情報やカウンタ情報等の管理情報、ファームウェアやアプリやSDK(Software Development Knit)を含むアプリ情報の収集、ファームウェアバージョン情報の収集、生死確認(故障有無の確認)、IPアドレス不明や変更による接続不可状態下の検索、ファームウェア更新、コマンドの実行等の要求をメソッド単位で送信する機能、また、複合機100からのメソッドに対する応答を受信し、管理装置300に通報する機能を有している。また、仲介装置200は、複合機100から定期あるいは即時的にまたは不定期的な異常通報、サプライ通報、起動通報、カウンタ未収集通報等を受信し、管理装置300に通報する機能を有している。さらに、仲介装置200は、スケジューラ機能、ファイル送受信機能、保持するファームウェアの取捨機能を有し、これらの各機能を実現する際のパラメタを設定する。例えば、仲介装置200は、情報の収集タイミング、ファームウェア更新タイミング、コマンド実行タイミング、通報タイミングなどのパラメタを設定する。また、仲介装置200は、WebUI画面表示機能を備えており、管理者端末、CE端末と接続することにより、WebUIから、管理対象となる情報の収集、生死確認、IPアドレス不明や変更による接続不可状態下の検索、管理対象となる複合機のアプリケーションをインストールさせることができる。
図5は、本実施の形態にかかる仲介装置のソフトウェア構成図である。図5に示すように、仲介装置200は、アプリケーション層270と、サービス層280と、プロトコル層290とから構成されている。
アプリケーション層270は、デバイス制御モジュール271と、複合機管理機能モジュール群272とを有している。デバイス制御モジュール271は、複合機100の情報管理や通信の設定等を行うためのモジュールである。複合機管理機能モジュール群272は、複合機アプリ/SDKインストール管理モジュール273と、複合機機器情報収集管理モジュール274とを備える。
複合機アプリ/SDKインストール管理モジュール273は、複合機100のアプリケーションのインストールを管理するモジュールである。また、複合機機器情報収集管理モジュール274は、複合機100のカウンタ収集(管理情報の収集)、設定変更、生死確認、管理装置300へのカウンタ通知、異常通知の各メソッドを備え、管理装置300からの要求に従って、複合機100に動作を行わせるモジュールである。
サービス層280は、セキュリティサービス281と、通信サービス282と、スケジューラサービス283と、WEB UIサービス284とを備えている。セキュリティサービス281は、内部情報等の外部への不正流出を予防する等のジョブを生成し、実行するモジュールである。通信サービス282は、仲介装置200と、複合機100または管理装置300との間における情報の送受信を実現するモジュールである。スケジューラサービス283は、所定の設定時間情報に基づいて、各メソッド群の処理を実施させるモジュールである。WEB UIサービス284は、WEBアクセスを操作するモジュールである。
プロトコル層290は、情報の送受信対象に応じたプロトコルを用いて情報の送受信を行うジョブを生成し、実行するモジュールである。
図6は、本実施の形態にかかる複合機機器情報管理モジュールの詳細を示す説明図である。図6に示すように、複合機機器情報管理モジュール274は、機器情報収集要求部275と、機器情報受信部276と、通信部277とを備えている。
通信部277は、管理装置300、アプリダウンロードサーバ400、および複合機100と各種情報を送受信する。例えば、通信部277は、管理装置300から機器情報収集要求を受信する。ここで、機器情報収集要求とは、複合機100から指定機器情報を収集し送信する要求のことである。また、機器情報収集要求には、複合機100が有する全ての機器情報のうちの個々の機器情報が、指定機器情報に該当するか否かを判定するための判定条件が含まれる。また、指定機器情報とは、管理装置300に送信する機器情報として指定された機器情報のことである。なお、ここでは、送信用機器情報は、管理装置300に送信する機器情報は管理装置300だけでなく、複合機100の操作パネルからのユーザによる入力により指定されてもよい。
ここで、判定条件の一例について説明する。判定条件は、複合機100が有する各機器情報が指定機器情報に該当するか否かを判定する条件であり、複数の項目を含む。例えば、項目としては、複合機100の稼動時における異常事象発生や異常事前事象の発生の有無、複合機100のアプリ構成やアプリバージョン、複合機100のオプション構成やオプション接続、複合機100の稼動時における省エネ状態やジョブ実行状態、または複合機100のSDKインストール状況やSDKバージョン等がある。
また、通信部277は、複合機100から送信用機器情報として受信した機器情報を管理装置300に送信する。ここで、送信用機器情報とは、複合機100が有する全ての機器情報のうち、指定された指定機器情報として抽出された機器情報を1つにまとめて生成されたものである。
機器情報収集要求部275は、通信部277により管理装置300から機器情報収集要求を受信すると、複合機100に機器情報収集要求を送信する。
次に、複合機100について説明する。図7は、本実施の形態にかかる複合機のハードウェア構成図である。図7に示すように、複合機100は、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成となる。コントローラ10は、複合機100全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)18とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM12aと、RAM12bと、をさらに有する。
CPU11は、複合機100の全体制御を行うものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGP15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、HDD103およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics engineers 1394)インターフェース50が接続される。操作パネル20はASIC16に直接接続されている。
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD18は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
AGP15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
図8は、本実施の形態にかかる複合機のソフトウェア構成図である。図8に示すように、複合機100は、白黒レーザプリンタ(B&W LP)101と、カラーレーザプリンタ(Color LP)102と、HDD103と、スキャナ、ファクシミリ、メモリなどのハードウェアリソース104、通信部105を有するとともに、プラットホーム120と、アプリケーション130とから構成されるソフトウェア群110とを備えている。
プラットホーム120は、アプリケーションからの処理要求を解釈してハードウェア資源の獲得要求を発生させるコントロールサービスと、一または複数のハードウェア資源の管理を行い、コントロールサービスからの獲得要求を調停するシステムリソースマネージャ(SRM)123と、汎用OS121とを有する。
コントロールサービスは、複数のサービスモジュールから形成され、SCS(システムコントロールサービス)122と、ECS(エンジンコントロールサービス)124と、MCS(メモリコントロールサービス)125と、OCS(オペレーションパネルコントロールサービス)126と、FCS(ファックスコントロールサービス)127と、NCS(ネットワークコントロールサービス)128と、NRS(ニューリモートサービス)129と、アプリインストール制御サービス131と、SDKI/F132とから構成される。このプラットホーム120は、あらかじめ定義された関数により前記アプリケーション130から処理要求を受信可能とするアプリケーションプログラムインタフェース(API)を有する。
汎用OS121は、UNIX(登録商標)などの汎用オペレーティングシステムであり、プラットホーム120並びにアプリケーション130の各ソフトウェアをそれぞれプロセスとして並列実行する。
SRM123のプロセスは、SCS122とともにシステムの制御およびリソースの管理を行うものである。SRM123のプロセスは、スキャナ部やプリンタ部などのエンジン、メモリ、HDDファイル、ホストI/O(セントロI/F、ネットワークI/F、IEEE1394 I/F、RS232C I/Fなど)のハードウェア資源を利用する上位層からの要求にしたがって調停を行い、実行制御する。
具体的には、このSRM123は、要求されたハードウェア資源が利用可能であるか(他の要求により利用されていないかどうか)を判断し、利用可能であれば要求されたハードウェア資源が利用可能である旨を上位層に伝える。また、SRM123は、上位層からの要求に対してハードウェア資源の利用スケジューリングを行い、要求内容(例えば、プリンタエンジンにより紙搬送と作像動作、メモリ確保、ファイル生成など)を直接実施している。
SCS122のプロセスは、アプリ管理、操作部制御、システム画面表示、LED表示、リソース管理、割り込みアプリ制御などを行う。
ECS124のプロセスは、白黒レーザプリンタ(B&W LP)101、カラーレーザプリンタ(Color LP)102、スキャナ、ファクシミリなどからなるハードウェアリソース104のエンジンの制御を行う。
MCS125のプロセスは、画像メモリの取得および解放、ハードディスク装置(HDD)の利用、画像データの圧縮および伸張などを行う。
FCS127のプロセスは、システムコントローラの各アプリ層からPSTN/ISDN網を利用したファクシミリ送受信、BKM(バックアップSRAM)で管理されている各種ファクシミリデータの登録/引用、ファクシミリ読みとり、ファクシミリ受信印刷、融合送受信を行うためのAPIを提供する。
NCS128のプロセスは、ネットワークI/Oを必要とするアプリケーションに対して共通に利用できるサービスを提供するためのプロセスであり、ネットワーク側から各プロトコルによって受信したデータを各アプリケーションに振り分けたり、アプリケーションからデータをネットワーク側に送信する際の仲介を行ったりする。
本実施の形態では、NCS128のプロセスは、仲介装置200から、アプリケーションおよびライセンス情報とともに、インストール要求やアンインストール要求を受信する。また、NCS128のプロセスは、インストール要求に基づくプリケーションのインストールが成功した場合は、仲介装置200にインストール完了情報を通知する。一方、インストール要求に基づくアプリケーションのインストールが失敗した場合は、仲介装置200にインストール未完了情報を通知する。また、NCS128のプロセスは、アンインストール要求に基づくアプリケーションのアンインストールが成功した場合は、仲介装置200にアンインストール完了情報を通知する。一方、アンインストール要求に基づくアプリケーションのアンインストールが失敗した場合は、仲介装置200にアンインストール未完了情報を通知する。
OCS126のプロセスは、オペレータ(利用者)と本体制御間の情報伝達手段となるオペレーションパネル(操作パネル)910の制御を行う。OCS126は、オペレーションパネル910からキー押下(またはタッチ操作)をキーイベントとして取得し、取得したキーに対応したキーイベント関数をSCS122に送信するOCSプロセスの部分と、アプリケーション130またはコントロールサービスからの要求によりオペレーションパネル910に各種画面を描画出力する描画関数やその他オペレーションパネル910に対する制御を行う関数などがあらかじめ登録されたOCSライブラリの部分とから構成される。このOCSライブラリは、アプリケーション130およびコントロールサービスの各モジュールにリンクされて実装されている。なお、OCS126のすべてをプロセスとして動作させるように構成しても良く、あるいはOCS126のすべてをOCSライブラリとして構成しても良い。
アプリインストール制御サービス131は、NCS128のプロセスにより受信したインストール要求に基づいて、受信したアプリケーションおよびライセンス情報により、アプリケーションのインストール処理を行う。また、アプリインストール制御サービス131は、NCS128のプロセスにより受信したアンインストール要求に基づいて、受信したライセンス情報により、アプリケーションのアンインストール処理を行う。
NRS129のプロセスは、ネットワークを介してデータを送受信する際のデータの変換を行う等のネットワークを介した機器遠隔管理に関する機能及びスケジューラ機能を有している。
アプリケーション130は、ページ記述言語(PDL)、PCLおよびポストスクリプト(PS)を有するプリンタ用のアプリケーションであるプリンタアプリ111と、コピー用アプリケーションであるコピーアプリ112と、ファクシミリ用アプリケーションであるファックスアプリ113と、スキャナ用アプリケーションであるスキャナアプリ114と、ネットワークファイル用アプリケーションであるネットファイルアプリ115と、工程検査用アプリケーションである工程検査アプリ116と、インターネットに接続されたPC等のクライアント端末に対してWEBサーバ(httpサーバ)として動作し、クライアント端末上で動作するWEBブラウザに各種画面を表示するWEBアプリ117と、外部アプリ172と、機種依存吸収モジュール174を備えた遠隔管理SDK180とを有している。
アプリケーション130の各プロセス、コントロールサービスの各プロセスは、関数呼び出しとその戻り値送信およびメッセージの送受信によってプロセス間通信を行いながら、コピー、プリンタ、スキャナ、ファクシミリなどの画像形成処理にかかるユーザサービスを実現している。
このように、本実施の形態にかかる複合機100には、複数のアプリケーション130および複数のコントロールサービスが存在し、いずれもプロセスとして動作している。そして、これらの各プロセス内部には、一または複数のスレッドが生成されて、スレッド単位の並列実行が行われる。そして、コントロールサービスがアプリケーション130に対し共通サービスを提供しており、このため、これらの多数のプロセスが並列動作、およびスレッドの並列動作を行って互いにプロセス間通信を行って協調動作をしながら、コピー、プリンタ、スキャナ、ファクシミリなどの画像形成処理にかかるユーザサービスを提供するようになっている。
また、複合機100には、複合機100の顧客、サードベンダなどの第三者がコントロールサービス層の上のアプリケーション層に外部アプリ172を開発して搭載することが可能となっている。この外部アプリ172は、仲介装置200から受信したアプリケーションであり、アプリインストール制御サービス131によりインストールされる。
なお、本実施の形態にかかる複合機100では、複数のアプリケーション130のプロセスと複数のコントロールサービスのプロセスとが動作しているが、アプリケーション130とコントロールサービスのプロセスがそれぞれ単一の構成とすることも可能である。また、各アプリケーション130は、アプリケーションごとに追加または削除することができる。すなわち、上述したように、外部アプリ172をインストール可能であり、かつアンインストールも可能となっている。
図9は、遠隔管理SDK180の詳細な機能的構成を示すブロック図である。図9に示すように、遠隔管理SDK180は、要求応答管理部181と、遠隔管理機能制御部182と、機器情報管理部183と、パネル設定処理部189と、パネル表示制御部190と、記憶領域管理部191と、スケジューラ管理部196とを備える。
要求応答管理部181は、仲介装置200への要求応答を管理する。例えば、要求応答管理部181は、通信部105により仲介装置200から機器情報収集要求を受信すると、機器情報収集要求を機器情報管理部183に送信する。また、要求応答管理部181は、機器情報管理部183により生成された送信用機器情報を仲介装置200に送信する。
パネル設定処理部189は、ユーザから判定条件の入力を受け付ける受付部としての機能を有する。また、パネル設定処理部189は、操作パネル20から遠隔管理機能の各パラメタが設定された場合、遠隔管理SDK180が保持している各パラメタの書き込み処理、もしくは各パラメタを管理する管理元に書き込みを依頼する。
ここで、判定条件のパラメタが設定された場合、パネル設定処理部189は、機器情報管理部183の判定条件管理部185に判定条件のパラメタ設定を依頼する。また、パネル設定処理部189は、通知タイミングなどのパラメタについてもスケジューラ管理部196にパラメタの設定を依頼しても良い。
パネル表示制御部190は、操作パネル20に各種情報を表示する。例えば、パネル表示制御部190は、送信用機器情報の入力画面や各パラメタの設定画面を操作パネル20に表示する。
遠隔管理機能制御部182は、操作パネル20からのユーザ操作により、遠隔管理機能、また、遠隔管理機能においての機器情報収集機能、各コール通報機能の詳細機能のON/OFFを切り替える。
機器情報管理部183は、生成部187により生成した送信用機器情報を要求応答管理部181に機器情報収集要求の応答として返答する。機器情報収集部184と、判定条件管理部185と、判定部186と、生成部187とを備える。
機器情報収集部184は、要求応答管理部181から機器情報収集要求を受信した場合、機種依存吸収モジュール174を経由し、SDKI/F132から複合機100が有する全ての機器情報を収集し、取得した全ての機器情報を機器情報記憶領域192に保存する。
判定条件管理部185は、要求応答管理部181により受信した機器情報収集要求から判定条件を取得し、取得した判定条件を判定条件記憶領域193に保存する。
図10は、判定条件を含む判定基準テーブルの一例を示す図である。ここで、判定基準テーブルとは、機器情報と、フラグと、判定結果と、判定条件とを対応付けたテーブルである。図10の判定基準テーブルには、機器情報がNo.1(コントローラ情報―1)〜No.4(エンジン情報―2)まで登録されている。ここで、フラグは、○は送信用機器情報に含まれる機器情報を示し、×は送信用機器情報に含まれない機器情報を示す。また、判定条件が示す、省エネ<無効>は、省エネの設定が無効であること、構成<有効>は、当該構成が有効であること、他条件―1<有効>は、他条件―1としてあらかじめ定められた所定の条件が有効であること、他条件―2<無効>は、他条件―2としてあらかじめ定められた所定の条件が無効であることをそれぞれ示す。
また、図10の判定基準テーブルには、判定条件がNo.1(省エネ<無効>)〜No.4(他条件―2<無効>)まで登録されている。ここで、各判定条件に対応する○は該当することを示し、×は該当しないことを示す。
判定部186は、機器情報収集部184により収集された複合機100が有する全ての機器情報それぞれが、判定条件管理部185により取得された判定条件を満たすか否かを判断し、判定条件を満たすと判断した場合に、当該機器情報が指定機器情報に該当すると判定する。例えば、判定部186は、各機器情報について、判定条件に含まれる複数の項目を満たす場合は真(○)と、満たさない場合は偽(×)と判定し、判定値の論理和を算出する。判定部186は、算出した論理和が真である場合に当該機器情報が指定機器情報に該当すると判定する。
図11は、判定部186による判定結果およびフラグの書き換えの一例を示す図である。図11は、図10に示した判定基準テーブルの書き換えの流れを示す説明図である。図11に示すように、判定部186は、判定基準テーブルに登録されている各機器情報を、判定条件に含まれる複数の項目を満たすか否かを判断し、満たす場合に○を登録する。判定部186は、判定条件に含まれる複数の項目のうち1つでも○が登録されている場合に、当該機器情報が指定機器情報に該当すると判定する。
例えば、機器情報No.1(コントローラ情報―1)のレコードに着目すると、判定条件は、No.1(省エネ<無効>と、No.2(構成<有効>)には○が、No.3(他条件―1<有効>)とNo.4(他条件―2<無効>)には×が登録されている。判定部186は、判定条件に含まれる複数の項目を論理和で算出し、算出した値が○である場合に、判定結果を○と判定し、フラグに○を上書きしている。
また、例えば、収集された複合機100が有する全ての機器情報の中に大型用紙のトレイ構成を示す機器情報が含まれ、判定条件に、B4用紙カウンタ情報の項目と、A3用紙カウンタ情報の項目が含まれているとする。この場合、判定部186は、トレイ構成を示す機器情報に、B4用紙のトレイおよびA3用紙のトレイが構成として存在するか否かを判断する。判定部186は、トレイ構成を示す機器情報に、B4用紙のトレイおよびA3用紙のトレイが構成として存在しない場合、B4用紙カウンタ情報の項目とA3用紙カウンタ情報の項目に×を登録する。これにより、従来は、複合機100が、該当するサイズのトレイを備えない場合、カウンタ情報を0として送信されるケースもあったが、大型用紙のトレイ構成を送信用機器情報に含めない構成とすることができる。
生成部187は、全ての機器情報の中から、判定部186により送信用機器情報に該当すると判定された機器情報を抽出し、抽出した機器情報を1つにまとめて送信用機器情報を生成する。生成部187は、生成した送信用機器情報を送信用機器情報記憶領域194に保存する。
記憶領域管理部191は、機器情報記憶領域192と、判定条件記憶領域193と、送信用機器情報記憶領域194と、その他遠隔管理用パラメタ記憶領域195を備える。
機器情報記憶領域192は、機器情報収集部184により収集された複合機100が有する全ての機器情報を記憶する。
判定条件記憶領域193は、判定条件管理部185により機器情報収集要求から取得された判定条件を記憶する。
送信用機器情報記憶領域194は、生成部187により生成された送信用機器情報を記憶する。
その他遠隔管理用パラメタ記憶領域195は、機器情報、判定条件、送信用機器情報以外のその他遠隔管理用のパラメタを記憶する。
スケジューラ管理部196は、遠隔管理SDK180のコール通報のタイミングを制御する。スケジューラ管理部196は、要求応答管理部181、パネル設定処理部189の要求に応じ、記憶領域管理部191のスケジュールパラメタを設定、変更する。
次に、以上のように構成された管理システムによる機器情報を収集する機器情報収集処理の手順について説明する。図12は、管理システムによる機器情報収集処理の手順を示すフローチャートである。
複合機100は、機器情報収集要求を受信する(ステップS101)。複合機100は、複合機100が有する全ての機器情報を収集する(ステップS102)。機器情報収集部184は、要求応答管理部181より機器情報収集要求を受信した場合、機種依存吸収モジュール174経由でSDKI/F132から複合機100が有する全ての機器情報を取得し、機器情報記憶領域192に保存する。
判定条件管理部185は、機器情報収集要求から判定条件を抽出する(ステップS103)。判定部186は、機器情報から判定結果を算出する(ステップS104)。判定部186は、機器情報収集部184により収集された全ての機器情報を、判定条件に従って、送信用機器情報に該当するか否かを判定する。ここで、判定部186は、登録されているフラグを判定結果に書き換える。
生成部187は、仲介装置200に送信する送信用機器情報を生成する(ステップS105)。生成部187は、全ての機器情報の中から、判定部186により書き換えられたフラグが○を示す機器情報だけを抽出し、抽出した機器情報を1つにして送信用機器情報を生成する。
機器情報管理部183は、仲介装置200に機器情報収集要求の応答を送信する(ステップS106)。機器情報管理部183は、通信部105を介して、生成部187により生成された送信用機器情報を要求応答部181に機器情報収集要求の応答として返答する。
このように、本実施の形態によれば、複合機100は、複合機100が有する全ての機器情報の中から管理装置300または複合機100の操作パネル20からの指定による判定条件に従って管理装置300に送信する送信用機器情報を抽出し、生成するので、機器ファームのリリース後も仲介装置に送信する機器情報に含める情報を容易に変更することができる。
また、このように、本実施の形態によれば、複合機100は、操作パネル20または管理装置300からの指定によって、複合機100の全ての機器情報のうち限定した情報だけを通知することができる。
また、このように、本実施の形態によれば、管理装置300は、指定した機器情報だけを複合機100から取得することができる。
また、本実施の形態によれば、操作パネル20または管理装置300からの指定によって、判定条件を任意に取捨選択することができるので、管理装置300は必要な機器情報だけを複合機100から容易に取得することができる。