以下に添付図面を参照して、情報処理装置、画像処理装置、遠隔管理システム、ライセンス更新方法、およびライセンス更新プログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。以下の実施の形態においては、本発明における画像処理装置を、コピー、ファックス、プリンタなどの複数の機能を一つの筐体に収納した複合機(MFP:Multi Function Peripherals)に適用した例を示すが、これに限定されることなく、アプリケーションをインストール可能な複写機、ファクシミリ装置、スキャナ装置等の画像処理装置であれば本発明を適用することができる。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる遠隔管理システムの構成を示す概要図である。図1に示すように、遠隔管理システムは、仲介装置200と、ライセンス管理サーバ300と、ソフトウェア配布サーバ400と、管理装置500とが、インターネットなどのネットワーク80を介して接続されている。そして、仲介装置200とネットワーク80との間には、ファイアウォール90が設けられている。また、仲介装置200は、複数の複合機100a、100b、100c(以下、特定しない複合機を単に複合機100と称する。)が接続されている。
ファイアウォール90は、公衆回線やインターネットなどの外部ネットワークを通じて仲介装置200に侵入した第三者により不正が行われないように、外部との境界を流れるデータを監視し、不正なアクセスを検出・遮断する。
複合機100a、100b、100cは、コピー、ファックス、プリンタなどの複数の機能を備えた装置であって、LAN(Local Area Network)などのローカルネットワークにより仲介装置200に接続されている。本実施の形態の遠隔管理システムでは、3台の複合機100a、100b、100cが接続されているが、これに限定されることなく、1台、2台、または4台以上の複合機を接続した構成としてもよい。
ソフトウェア配布サーバ400は、複合機100において利用されるアプリケーションを保持しており、該アプリケーションを、仲介装置200を介して複合機100に提供する装置である。
ライセンス管理サーバ300は、ソフトウェア配布サーバ400から提供され、複合機100にインストールされるアプリケーションのライセンス(利用権)を、仲介装置200を介して管理する装置である。
仲介装置200は、ソフトウェア配布サーバ400およびライセンス管理サーバ300と、複合機100a、100b、100cとの間で行われる処理を仲介する装置である。具体的には、ソフトウェア配布サーバ400が提供するアプリケーションを複合機100a、100b、100cに送信したり、ライセンス管理サーバ300が管理するアプリケーションのライセンスデータを要求して、複合機100a、100b、100cに送信する。ここで、ライセンスデータとは、アプリケーションのライセンスが記述されたデータであり、詳細は後述する。
管理装置500は、仲介装置200を介して複合機100a、100b、100cを遠隔管理する装置である。管理装置500は、複合機のメーカやサービス提供会社等のサービスセンタ等に設置されたサーバ装置であり、各種の管理データを格納する管理用データベースを備えている。
管理用データベースには、顧客ごとに、顧客サイトでの管理対象の複合機に関するネットワーク機器構成、顧客情報及び技術情報等の管理情報が格納されている。ネットワーク機器構成・管理情報は、例えば、各顧客サイトのネットワーク構成と当該ネットワークに接続されている複合機の構成、当該複合機の機種、機番、納入日、設置場所情報等の各情報で構成され、管理対象である複合機とネットワーク構成を特定できる情報である。また、顧客情報は、例えば、顧客名、住所、電話番号、FAX番号、機器管理者、ネットワーク管理者等で構成され、顧客及び連絡先、特に機器管理者とネットワーク管理者への連絡先情報等を特定できる情報である。また、技術情報は、例えば、機種、機番、印刷枚数やスキャナ枚数等のカウント値、故障コード、推定原因等から構成され、故障した管理対象の複合機の現象に対する原因と処置をある程度特定できる情報である。
そして、本実施例の遠隔管理システムは、遠隔管理を実現するため、各装置に、RPC(Remote Procedure Call)により、相互実装するアプリケーションのメソッドに対する処理の要求、応答を送受信する機能を有しており、また、RPCを実現するために、SOAP(Simple Object Access Protocol)、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)、FTP(File Transfer Protocol)等のプロトコルを利用することができる。
また、上記の接続環境において、仲介装置200とネットワーク80との間にファイアウォール90があるため、管理装置500が直接に仲介装置200に要求を送信する際に、ファイアウォール90にはじかれるという問題点がある。このため、仲介装置200から定期的に管理装置500にポーリングを行うと、管理装置500は、ファイアウォール90のHTTPレスポンスが通過できる特性を利用して、HTTPレスポンスにより仲介装置200へ要求等を送信する方策を用いることができる。
次に、複合機100について説明する。図2は、実施の形態1にかかる複合機のソフトウェア構成図である。図2に示すように、複合機100は、白黒レーザプリンタ(B&W LP)101と、カラーレーザプリンタ(Color LP)102と、HDD103と、スキャナ、ファクシミリ、メモリなどのハードウェアリソース104、通信I/F(インターフェース)105を有するとともに、プラットホーム120と、アプリケーション130とから構成されるソフトウェア群110とを備えている。
本実施の形態の複合機100では、HDD103に、ソフトウェア配布サーバ400から仲介装置200を介して取得したアプリケーション、およびライセンス管理サーバ300から仲介装置200を介した取得した該アプリケーションのライセンスデータ、および複合機100に固有の識別情報である複合機IDが保存されている。
図3は、アプリケーションの一例を示す模式図である。図3に示すように、アプリケーション180には、アプリケーションに固有の識別情報であるアプリID181と、アプリケーションの名称であるアプリ名182が含まれている。これらの情報により、アプリケーションを特定できる。
また、図4は、ライセンスデータの一例を示す模式図である。ライセンスデータ190には、ライセンスに固有のライセンスキー(不図示)と、ライセンスが取得されたアプリケーションのアプリID191と、ライセンスが許諾された複合機100の複合機ID192と、該アプリケーションのライセンスが更新可能なライセンスであるか否かを示す更新可否情報193と、ライセンスの有効期限194「2010/1/1 10:10:00」が含まれている。更新可否情報193とは、アプリケーションの購入時点で予め定められたものであり、「更新可能」または「更新不可能」のいずれかの設定が記録されている。そして、更新可能なライセンスであれば、更新を行うことで継続的にソフトウェアを利用できる。また、有効期限194は、複合機を所有する利用者がアプリケーションの購入時に契約した期限であって、複合機にインストールされたアプリケーションの使用可能な期限を示している。
プラットホーム120は、アプリケーションからの処理要求を解釈してハードウェア資源の獲得要求を発生させるコントロールサービスと、一または複数のハードウェア資源の管理を行い、コントロールサービスからの獲得要求を調停するシステムリソースマネージャ(SRM)123と、汎用OS121とを有する。
コントロールサービスは、複数のサービスモジュールから形成され、SCS(システムコントロールサービス)122と、ECS(エンジンコントロールサービス)124と、MCS(メモリコントロールサービス)125と、OCS(オペレーションパネルコントロールサービス)126と、FCS(ファックスコントロールサービス)127と、NCS(ネットワークコントロールサービス)128と、NRS(ニューリモートサービス)129と、アプリインストール制御サービス131と、から構成される。このプラットホーム120は、あらかじめ定義された関数により前記アプリケーション130から処理要求を受信可能とするアプリケーションプログラムインタフェース(API)を有する。
汎用OS121は、UNIX(登録商標)などの汎用オペレーティングシステムであり、プラットホーム120並びにアプリケーション130の各ソフトウェアをそれぞれプロセスとして並列実行する。
SRM123のプロセスは、SCS122とともにシステムの制御およびリソースの管理を行うものである。SRM123のプロセスは、スキャナ部やプリンタ部などのエンジン、メモリ、HDDファイル、ホストI/O(セントロI/F、ネットワークI/F、IEEE1394 I/F、RS232C I/Fなど)のハードウェア資源を利用する上位層からの要求にしたがって調停を行い、実行制御する。
具体的には、このSRM123は、要求されたハードウェア資源が利用可能であるか(他の要求により利用されていないかどうか)を判断し、利用可能であれば要求されたハードウェア資源が利用可能である旨を上位層に伝える。また、SRM123は、上位層からの要求に対してハードウェア資源の利用スケジューリングを行い、要求内容(例えば、プリンタエンジンにより紙搬送と作像動作、メモリ確保、ファイル生成など)を直接実施している。
SCS122のプロセスは、アプリ管理、操作部制御、システム画面表示、LED表示、リソース管理、割り込みアプリ制御などを行う。
ECS124のプロセスは、白黒レーザプリンタ(B&W LP)101、カラーレーザプリンタ(Color LP)102、スキャナ、ファクシミリなどからなるハードウェアリソース104のエンジンの制御を行う。
MCS125のプロセスは、画像メモリの取得および解放、ハードディスク装置(HDD)の利用、画像データの圧縮および伸張などを行う。
FCS127のプロセスは、システムコントローラの各アプリ層からPSTN/ISDN網を利用したファクシミリ送受信、BKM(バックアップSRAM)で管理されている各種ファクシミリデータの登録/引用、ファクシミリ読みとり、ファクシミリ受信印刷、融合送受信を行うためのAPIを提供する。
NCS128のプロセスは、ネットワークI/Oを必要とするアプリケーションに対して共通に利用できるサービスを提供するためのプロセスであり、ネットワーク側から各プロトコルによって受信したデータを各アプリケーションに振り分けたり、アプリケーションからデータをネットワーク側に送信する際の仲介を行う。
OCS126のプロセスは、オペレータ(利用者)と本体制御間の情報伝達手段となるオペレーションパネル(操作パネル)の制御を行う。OCS126は、オペレーションパネルからキー押下(またはタッチ操作)をキーイベントとして取得し、取得したキーに対応したキーイベント関数をSCS122に送信するOCSプロセスの部分と、アプリケーション130またはコントロールサービスからの要求によりオペレーションパネルに各種画面を描画出力する描画関数やその他オペレーションパネルに対する制御を行う関数などがあらかじめ登録されたOCSライブラリの部分とから構成される。このOCSライブラリは、アプリケーション130およびコントロールサービスの各モジュールにリンクされて実装されている。なお、OCS126のすべてをプロセスとして動作させるように構成しても良く、あるいはOCS126のすべてをOCSライブラリとして構成しても良い。
アプリインストール制御サービス131は、複合機100にアプリケーションをインストールする制御を行うものであり、以下において詳細に説明する。
図5は、アプリインストール制御サービスにおける機能の説明図である。図5に示すように、アプリインストール制御サービス131は、ライセンスデータ取得部151と、有効期限判定部152と、更新期間判定部153と、更新可否判定部154と、送信部155と、受信部156と、更新部157と、実行部158とを主に備えている。
ライセンスデータ取得部151は、複合機にインストールされたアプリケーションが起動された場合に、HDD103に記憶されているライセンスデータを取得する。そして、ライセンスデータ取得部151は、取得したライセンスデータに含まれた複合機IDと、複合機100のHDD103に保持された複合機IDとが一致するか否かにより、自装置がアプリケーションのインストール対象装置であるか否かを判断する。
有効期限判定部152は、複合機100において計時されている現在の時刻が、ライセンスデータ取得部151により取得したライセンスデータに含まれた有効期限内であるか否かを判定する。
更新期間判定部153は、現在の時刻が、ライセンスデータに含まれた有効期限を基準とした所定の期間内であって、アプリケーションのライセンスの更新が可能な期間内である更新期間内か否かを判定する。更新期間とは、予め定められた期間であって、例えば、ライセンスの有効期限が図4に示すように、2010年1月1日の10時10分00秒(「2010/1/1 10:10:00」)であった場合に、当該日時を基準として過去に向かって予め定めた所定期間を更新期間と設定したり、当該日時を基準として未来に向かって予め定めた所定期間を更新期間と設定したり、さらには、当該日時を基準として過去から未来における予め定めた所定時間を更新期間と設定することができる。そして、更新期間判定部153は、現在の時刻が、この予め定めた更新期間内である場合は、ライセンスの更新が可能な期間であると判定する。
更新可否判定部154は、ライセンスデータに含まれた更新可否情報を参照して、複合機100にインストールされているアプリケーションのライセンスが更新可能なライセンスか否か、すなわち「更新可能」が設定されているか「更新不可能」が設定されているかを判定する。
送信部155は、更新期間判定部153により、現在の時刻が更新期間内であると判定され、かつ更新可否判定部154により、アプリケーションのライセンスが更新可能なライセンスであると判定された場合、仲介装置200にアプリケーションのライセンスの更新を促す更新催促通知を送信する。また、送信部155は、更新可否判定部154により、アプリケーションのライセンスが更新可能なライセンスでないと判定された場合、仲介装置200にアプリケーションのライセンスの有効期限が終了する旨の有効期限終了通知を送信する。
受信部156は、送信部155により更新催促通知を送信した後に、仲介装置200から、アプリケーションのライセンスを更新したライセンスデータ(更新情報)を受信する。
更新部157は、受信部156により受信した更新されたライセンスデータを、HDD103に記憶されているライセンスデータに上書きすることにより、複合機100で利用しているアプリケーションのライセンスを更新する。ここで、本実施の形態では、更新されたライセンスデータを受信してライセンスデータを上書きする構成としているが、有効期限を更新した旨を示す更新キーを受信して、更新キーによりライセンスデータの有効期限の部分のみ上書きする構成としてもよい。
実行部158は、HDD103に記憶されているライセンスデータに基づいて、アプリケーションを実行する。
NRS129のプロセスは、ネットワークを介してデータを送受信する際のデータの変換を行う等のネットワークを介した機器遠隔管理に関する機能及びスケジューラ機能を有している。
アプリケーション130は、ページ記述言語(PDL)、PCLおよびポストスクリプト(PS)を有するプリンタ用のアプリケーションであるプリンタアプリ111と、コピー用アプリケーションであるコピーアプリ112と、ファクシミリ用アプリケーションであるファックスアプリ113と、スキャナ用アプリケーションであるスキャナアプリ114と、ネットワークファイル用アプリケーションであるネットファイルアプリ115と、工程検査用アプリケーションである工程検査アプリ116と、インターネットに接続されたPC等のクライアント端末に対してWEBサーバ(httpサーバ)として動作し、クライアント端末上で動作するWEBブラウザに各種画面を表示するWEBアプリ117とを有している。
アプリケーション130の各プロセス、コントロールサービスの各プロセスは、関数呼び出しとその戻り値送信およびメッセージの送受信によってプロセス間通信を行いながら、コピー、プリンタ、スキャナ、ファクシミリなどの画像形成処理にかかるユーザサービスを実現している。
このように、実施の形態1にかかる複合機100には、複数のアプリケーション130および複数のコントロールサービスが存在し、いずれもプロセスとして動作している。そして、これらの各プロセス内部には、一または複数のスレッドが生成されて、スレッド単位の並列実行が行われる。そして、コントロールサービスがアプリケーション130に対し共通サービスを提供しており、このため、これらの多数のプロセスが並列動作、およびスレッドの並列動作を行って互いにプロセス間通信を行って協調動作をしながら、コピー、プリンタ、スキャナ、ファクシミリなどの画像形成処理にかかるユーザサービスを提供するようになっている。
また、複合機100には、複合機100の顧客、サードベンダなどの第三者がコントロールサービス層の上のアプリケーション層に外部アプリ172を開発して搭載することが可能となっている。この外部アプリ172は、仲介装置200から受信したアプリケーションであり、アプリインストール制御サービス131によりインストールされる。
なお、実施の形態1にかかる複合機100では、複数のアプリケーション130のプロセスと複数のコントロールサービスのプロセスとが動作しているが、アプリケーション130とコントロールサービスのプロセスとがそれぞれ単一の構成とすることも可能である。また、各アプリケーション130は、アプリケーションごとに追加または削除することができる。すなわち、上述したように、外部アプリ172をインストール可能であり、かつアンインストールも可能となっている。
次に、仲介装置200について説明する。図6は、実施の形態1にかかる仲介装置の構成を示すブロック図である。図6に示すように、仲介装置200には、入力装置201と表示装置202が接続されており、HDD220と、入力受付部211と、表示制御部212と、受信部213と、取得部214と、送信部215とを主に備えている。
入力装置201は、マウス、トラックボールやトラックパッドなどのポインティングデバイスやキーボード等であり、利用者が仲介装置200に対して入力を行う装置である。表示装置202は、文字や画像等の情報を表示するディスプレイ装置である。HDD220は、仲介装置200で実行されるプログラムを記憶する記憶媒体である。
入力受付部211は、入力装置201から入力された入力を受付ける。表示制御部212は、各種情報を表示装置202に視認可能な状態で表示する。
受信部213は、複合機100において現在の時刻が更新期間内であり、かつアプリケーションのライセンスが更新可能と判定された場合に、複合機100から、アプリケーションのライセンスの更新を促す更新催促通知を受信する。また、受信部213は、複合機100においてアプリケーションのライセンスが更新可能なライセンスでないと判定された場合に、複合機100から有効期限終了通知を受信する。
取得部214は、受信部213により、複合機100から更新催促通知を受信した場合、ネットワーク80を介して接続されたライセンス管理サーバ300に、複合機100で利用されているアプリケーションの有効期限が更新された新たなライセンスデータ(更新されたライセンスデータ)の取得要求をし、ライセンス管理サーバ300から更新されたライセンスデータを取得する。
送信部215は、取得部214により取得された更新されたライセンスデータを、更新催促通知を送信した複合機100に送信する。また、送信部215は、複合機100から受信した有効期限終了通知を、管理装置500に送信する。
以上のように構成された遠隔管理サーバによるライセンス更新処理の流れについて説明する。始めに、複合機100から仲介装置200にライセンスに関する通知を送信する処理の流れを示す。図7は、実施の形態1にかかる複合機によるライセンスに関する通知の送信処理の流れを示すフローチャートである。
まず、複合機100のアプリインストール制御サービス131によりアプリケーションが起動されると(ステップS10)、ライセンスデータ取得部151は、HDD103に記憶されているライセンスデータを取得する(ステップS11)。そして、ライセンスデータ取得部151は、取得したライセンスデータの複合機IDとHDD103に保持された複合機IDとにより、自装置がアプリケーションのインストール対象装置であるか否かを判断する(ステップS12)。インストール対象装置でない場合(ステップS12:No)、実行部158は、アプリケーションを終了する(ステップS23)。
一方、インストール対象装置である場合(ステップS12:Yes)、有効期限判定部152は、現在の時刻がライセンスデータに含まれた有効期限内であるか否かを判定する(ステップS13)。有効期限内である場合、すなわち現在の時刻が有効期限を過ぎていない(ステップS13:Yes)、更新期間判定部153は、現在の時刻が更新期間内か否かを判定する(ステップS14)。更新期間外である場合(ステップS14:No)、実行部158は、アプリケーションを実行する(ステップS18)。
一方、更新期間内である場合(ステップS14:Yes)、更新可否判定部154は、ライセンスデータに含まれた更新可否情報を参照して、複合機100にインストールされているアプリケーションのライセンスが更新可能なライセンスか否かを判定する(ステップS15)。そして、更新可能と判断した場合(ステップS15:Yes)、送信部155は、仲介装置200にアプリケーションのライセンスの更新を促す更新催促通知を送信する(ステップS16)。そして、実行部158は、アプリケーションを実行する(ステップS18)。
一方、更新可能でないと判断した場合(ステップS15:No)、送信部155は、仲介装置200にアプリケーションのライセンスの有効期限が終了する旨の有効期限終了通知を送信する(ステップS17)。そして、実行部158は、アプリケーションを実行する(ステップS18)。
ステップS13において、有効期限外である場合、すなわち現在の時刻が有効期限を過ぎている場合(ステップS13:No)、更新期間判定部153は、現在の時刻が更新期間内か否かを判定する(ステップS19)。更新期間外である場合(ステップS19:No)、実行部158は、アプリケーションを終了する(ステップS23)。
一方、更新期間内である場合(ステップS19:Yes)、更新可否判定部154は、ライセンスデータに含まれた更新可否情報を参照して、複合機100にインストールされているアプリケーションのライセンスが更新可能なライセンスか否かを判定する(ステップS20)。そして、更新可能と判断した場合(ステップS20:Yes)、送信部155は、仲介装置200にアプリケーションのライセンスの更新を促す更新催促通知を送信する(ステップS21)。そして、実行部158は、アプリケーションを終了する(ステップS23)。
一方、更新可能でないと判断した場合(ステップS20:No)、送信部155は、仲介装置200にアプリケーションのライセンスの有効期限が終了する旨の有効期限終了通知を送信する(ステップS22)。そして、実行部158は、アプリケーションを終了する(ステップS23)。
次に、複合機100から送信されたライセンスに関する通知を受信した場合の処理の流れを示す。図8は、実施の形態1にかかる仲介装置によるライセンスデータ取得処理の流れを示すフローチャートである。
取得部214は、受信部213により複合機100から更新催促通知を受信したか否かを判断する(ステップS40)。更新催促通知を受信した場合(ステップS40:Yes)、取得部214は、ライセンス管理サーバ300に要求を行って、新たなライセンスデータを取得する(ステップS41)。そして、送信部215は、取得したライセンスデータを複合機100に送信する(ステップS42)。
ステップS40において、更新催促通知を受信しない場合(ステップS40:No)、送信部215は、受信部213により複合機100から有効期限終了通知を受信したか否かを判断する(ステップS43)。有効期限終了通知を受信していない場合(ステップS43:No)、ステップS40に戻って処理を繰り返す。
一方、有効期限終了通知を受信した場合(ステップS43:Yes)、送信部215は、有効期限終了通知を管理装置500に送信し(ステップS44)、複合機100にインストールされているアプリケーションの有効期限が終了する旨を通知する。
次に、仲介装置200から更新されたライセンスデータを受信した場合の処理の流れを示す。図9は、実施の形態1にかかる複合機によるライセンス更新処理の流れを示すフローチャートである。
更新催促通知を仲介装置200に送信した後、更新部157は、仲介装置200から更新されたライセンスデータを受信したか否かの判断をする(ステップS50)。更新されたライセンスデータを受信していない場合(ステップS50:No)、受信するまで待機する。一方、更新されたライセンスデータを受信した場合(ステップS50:Yes)、更新部157は、HDD103に記憶されているライセンスデータに、受信した更新されたライセンスデータを上書きすることで、ライセンスを更新する(ステップS51)。
このように、本実施の形態の遠隔管理システムは、複合機100にインストールされているアプリケーションに対するライセンスの更新期間内であって、当該アプリケーションのライセンスが更新可能なライセンスである場合、ライセンスの更新を仲介装置200に催促して、仲介装置200から受信した新たなライセンスデータによりライセンスの更新を行う。従って、複合機100からアプリケーションのライセンスを取得する手間を省くことができる。
また、ライセンスの更新の可否を遠隔管理システムと連動させることで、ライセンス管理サーバ300から仲介装置200を介して複合機100に送信された新たなライセンスデータにより、複合機100においてライセンスの更新が行われるため、アプリケーションの販売元が複合機100にインストールされているアプリケーションのライセンスの更新を管理することができる。従って、例えば、ライセンス契約の前に限定的な期間のみ利用可能なトライアルソフトウェアの配布を行い、その後実際に契約を完了したライセンスに対してのみ、本来の利用可能期間の設定を実施することが可能となる。また、未払いの利用者へのライセンス更新を停止するといった運用が可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、複合機においてアプリケーションが起動された場合、ライセンスデータを取得してライセンスを更新していた。これに対し、実施の形態2では、仲介装置からアプリケーションのライセンスが有効期限内か否かの問合わせを受信した場合に、ライセンスの更新を行う。本実施の形態の遠隔管理システムの構成は実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
次に、複合機100について説明するが、ソフトウェア構成図は、実施の形態1と同様である(図2参照)。以下では、複合機100におけるアプリインストール制御サービス131の詳細について説明する。図10は、アプリインストール制御サービスにおける機能の説明図である。図10に示すように、アプリインストール制御サービス131は、ライセンスデータ取得部151と、有効期限判定部152と、更新期間判定部153と、更新可否判定部154と、送信部155と、受信部166と、更新部157と、実行部158とを主に備えている。ここで、ライセンスデータ取得部151と、有効期限判定部152と、更新期間判定部153と、更新可否判定部154と、送信部155と、更新部157と、実行部158の構成および機能は実施の形態1と同様である。
受信部166は、仲介装置200から、アプリケーションのライセンスがライセンスデータにおける有効期限内か否かの問合わせを受信する。この問合わせを受信した際にライセンスの更新期間内である場合は、仲介装置200にライセンスの更新を催促する。また、受信部166は、実施の形態1と同様に、送信部155により更新催促通知を送信した後に、仲介装置200から、アプリケーションのライセンスを更新したライセンスデータ(更新情報)を受信する。
次に、仲介装置200について説明する。図11は、実施の形態2にかかる仲介装置の構成を示すブロック図である。図11に示すように、仲介装置200には、入力装置201と表示装置202が接続されており、HDD220と、入力受付部211と、表示制御部212と、受信部213と、取得部214と、送信部225とを主に備えている。ここで、入力装置201と表示装置202が接続されており、HDD220と、入力受付部211と、表示制御部212と、受信部213と、取得部214の構成および機能は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
送信部225は、複合機100にインストールされているアプリケーションのライセンスが有効期限内か否かの問合わせを、複合機100に送信する。また、送信部225は、実施の形態1と同様に、取得部214により取得された更新されたライセンスデータを、更新催促通知を送信した複合機100に送信する。また、送信部225は、複合機100から受信した有効期限終了通知を、管理装置500に送信する。
以上のように構成された遠隔管理サーバによるライセンス更新処理の流れについて説明する。始めに、複合機100から仲介装置200にライセンスに関する通知を送信する処理の流れを示す。図12は、実施の形態2にかかる複合機によるライセンスに関する通知の送信処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ライセンスデータ取得部151は、受信部166により、仲介装置200から複合機100にインストールされているアプリケーションのライセンスが有効期限内か否かの問合わせを受信したか否かを判断する(ステップS60)。問合わせを受信していない場合(ステップS60:No)、受信するまで待機する。一方、問合わせを受信した場合(ステップS60:Yes)、ライセンスデータ取得部151は、HDD103に記憶されているライセンスデータを取得する(ステップS61)。
そして、自装置がアプリケーションのインストール対象装置であるか否かの判断から、アプリケーションの終了までの処理(ステップS62〜73)は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する(ステップS12〜23)。
次に、複合機100から送信されたライセンスに関する通知を受信した場合の処理の流れを示す。図13は、実施の形態2にかかる仲介装置によるライセンスデータ取得処理の流れを示すフローチャートである。
まず、送信部225は、複合機100にインストールされているアプリケーションのライセンスが有効期限内か否かの問合わせを、複合機100に送信する(ステップS90)。そして、取得部214は、受信部213により複合機100から更新催促通知を受信したか否かを判断する(ステップS91)。新たなライセンスデータの取得から、有効期限終了通知の送信までの処理(ステップS92〜95)は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する(ステップS41〜44)。また、複合機によるライセンス更新処理の流れは、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する(図9参照)。
このように、実施の形態2にかかる遠隔管理システムは、仲介装置200から複合機100にインストールされているアプリケーションのライセンスが有効期限内か否かの問合わせを送信してライセンスの更新処理が行われるため、実施の形態1の効果に加え、アプリケーションの販売元の所望の時間に、複合機100にインストールされているアプリケーションのライセンスが有効期限内か否かを問合せることができる。
図14は、実施の形態1、2にかかる複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。本図に示すように、この複合機100は、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成となる。コントローラ10は、複合機100全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)103とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、をさらに有する。
CPU11は、複合機100の全体制御をおこなうものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGP15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、HDD103およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics engineers 1394)インターフェース50が接続される。操作表示部20はASIC16に直接接続されている。
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)103は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
AGP15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
なお、実施の形態1、2の複合機100で実行されるライセンス更新プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
実施の形態1、2の複合機100で実行されるライセンス更新プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、実施の形態1、2の複合機100で実行されるライセンス更新プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の複合機100で実行されるライセンス更新プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
実施の形態1、2の複合機100で実行されるライセンス更新プログラムは、上述した各部(ライセンスデータ取得部151と、有効期限判定部152と、更新期間判定部153と、更新可否判定部154と、送信部155と、受信部156、166と、更新部157と、実行部158)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからライセンス更新プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、ライセンスデータ取得部151と、有効期限判定部152と、更新期間判定部153と、更新可否判定部154と、送信部155と、受信部156、166と、更新部157と、実行部158が主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、上記実施の形態では、複合機にアプリケーションのソフトウェアをインストールする構成について説明したが、これに限定されることはなく、アプリケーション以外のソフトウェアにも適用可能である。
また、上記実施の形態では、仲介装置200と複数の複合機100(100a、100b、100c)とが接続されているが、これに限定されることはない。すなわち、例えば、仲介装置200が接続される複合機100の台数が増加した場合、その増加させた複合機と仲介装置200との間にさらに別の仲介装置を設けた階層構造としてもよい。この場合、増加された複合機を遠隔管理するために管理装置500から発せられた情報は、仲介装置200とその下位のノードである新たな仲介装置とを経由して、増加された複合機に到達することになる。また、仲介装置200を設けずに、仲介装置200の機能を併せ持たせた仲介機能付複合機を備えた構成としてもよく、また、その仲介機能付複合機の下位にさらに複合機を接続した構成としてもよい。
また、上記実施の形態では、仲介装置200と、ソフトウェア管理サーバ400、ライセンス管理サーバ300、管理装置500とがインターネットなどのネットワーク80に接続され、仲介装置200と複合機100とがLANなどのローカルネットワークに接続された構成となっているが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、仲介装置200とソフトウェア管理サーバ400とライセンス管理サーバ300と管理装置500と複合機100とがインターネット等の単一のネットワークに接続されている構成としてもよい。