JP5689043B2 - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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Description
排気ガスの排気抵抗が小さくなり、排気管が長くなる結果、エンジンの性能を高めることができる。
仮に、リヤクッションの後方に排気管が配置する場合には、リヤクッションの傾動を考慮してより車両後方へ排気管を配置する必要がある。
この点、本発明では、排気管はリヤクッションの車両前方に配置されるので、リヤクッションの傾動を考慮することなくリヤクッションを配置することができる。
請求項2に係る発明では、排気管の車幅方向長さは、エンジンブロックの車幅方向長さの範囲内に収まるようにしたので、エンジン周囲に排気管をコンパクトに配置できる。
エンジンのカムチェーン室は空気で満たされ、この空気が断熱作用を発揮するため、カムチェーン室の近傍に排気管を配置してもエンジンのシリンダボア部への熱影響は小さい。従って、排気管をエンジンへより近づけて配置することができる。排気管をエンジンへ近づけて配置することで、乗員脚部の移動空間が広く確保され、車両の操作性を高めることができる。
図1に示すように、自動二輪車10は、車体フレーム11にエンジン12を懸架し、車体フレーム11の前後に前輪13と後輪14とを設け、これらの前輪13と後輪14との間にシート39を設け、このシート39に乗員が跨って座る形態の鞍乗り型車両である。
ダウンフレーム23は、エンジン12の前方を通り、エンジン12の下方に延びている。すなわち、エンジン12は、ダウンフレーム23の後方に配置される。
なお、本実施例では、スイングアームの前端は、車体フレームに支持されるが、エンジンに支持されるようにしても差し支えない。
図2に示すように、排気管51は、エンジン12のシリンダ部47から車両前方へ延び、ダウンフレーム23の前方を迂回してエンジン12の車幅方向左側に延び、エンジン12の車幅方向左側から車両後方へ延び、エンジン12の後方にて車幅方向左側から車幅方向右側へ延びた後、消音器55に接続される。
図3に示すように、排気管51は、エンジンのシリンダ部(図2、符号47)から延びた後車両後方に延びる前排気管73と、この前排気管73の後端に接続される中排気管74と、この中排気管74から車両後方に延びて消音器55に接続される後排気管75とからなる。
図4に示すように、前排気管73の後端近傍の外周83に、ストッパリング77が固着される。前排気管73の外周面73aに、中排気管74の内周面84bを、ストッパリング77aの側面に当たるまで嵌め込むようにして接合される。
中排気管74の外周に、保護用のプロテクタ79が中排気管74の外周面に対して隙間をもたせた状態で配置される。
図5に示すように、主要断面を展開したときに、エンジン12は、クランク軸91、変速用のギヤ列92、クラッチ装置93及びACGユニット94等が収納されるクランクケース95と、このクランクケース95から上方に延びてピストン96が摺動するピストン摺動部97が形成されるシリンダブロック98と、このシリンダブロック98の上に載置されカム軸101及び吸排気バルブ102を有するシリンダヘッド103と、このシリンダヘッド103に載置されるヘッドカバー104とを主要構造部として有する。なお、シリンダブロック98、シリンダヘッド103及びヘッドカバー104をまとめてシリンダ部47という。
クラッチ装置93は、車幅右側に配置され、このクラッチ装置93が収納されるクランクケース95の側方がクラッチカバー111によって覆われる。
カムチェーン室112の車幅方向外側に、排気管51のうち、エンジン12の車幅方向他側(左側)にて車両後方に延びている。
図6に示すように、排気管51のうちの前排気管73は、シリンダ部47から右斜め前方へ延びた後、ダウンフレーム23の前方を迂回するようにして車幅左側へ延び、その後、シリンダ部47の左側方に沿って車両後方へ延びている。
ラジエータユニット41は、ダウンフレーム23の車幅方向左右に分割配置される。
図7に示すように、車両後部にシート39を支えるテール部材131が設けられ、このテール部材131は、サブフレーム36とシートフレーム35とにより支持される。
このテール部材131に消音器55の後端が取付けられる。
図8に示すように、テール部材131に凸部となるリブ部136が車両外方へ突設され、このリブ部136に消音器55の後部上部145を当て、締結部材137で消音器55をテール部材131へ締結した。
取付座部140に消音器の前端部144を当て、締結部材137で消音器55を消音器ブラケット123へ締結した。
図10に示すように、排気管51は、車両上方から見て、前排気管73と中排気管74と後排気管75とからなる。
前排気管73は、シリンダ部(図2、符号47)に接続される第1曲がり管部151と、この第1曲がり管部151の左端に固着される第1直管部156と、この第1直管部156の左端に固着される第2曲がり管部152と、この第2曲がり管部152の後端に固着される第2直管部157とからなる。
後排気管75は、第3曲がり管部153の後端に着脱可能に接続され消音器55の上流部を兼ねる第3直管部158である。
ここで、排気管51のうち、エンジンブロック100の前方を横切る部分117は、第1曲がり管部151と第1直管部156と第2曲がり管部152に含まれる。
エンジンブロック100の後方を横切る部分118は、第3曲がり管部153に含まれる。
図11に示すように、エンジン(図2、符号12)の排気ポートにナット又はボルト161で装着されるエンジンフランジ162へ、前排気管73の上流部73aが着脱可能に装着される。前排気管73の外周部でその前端近傍に2つのフック71c、71cが固着され、エンジンフランジ162にフック孔163、163が開けられ、エンジンフランジ162に筒状を呈し突設される筒部164へ前排気管73の上流部73aを嵌め、フック71c、71cとフック孔163、163の間に、各々、スプリング72、72を渡すことでエンジンフランジ162へ前排気管73を着脱可能に装着することができるようにした。
詳細には、シリンダ部47の側方に車両前後に延びている部分121と車幅方向他側(左側)から車幅方向一側(右側)へ向かって上向きに傾斜している部分、すなわち、上傾斜部132を含む第3曲がり管部153とは、前後に分離可能な分割構造である。
分割構造をもつ排気管51とすることで、排気管51を部分的に交換可能なものとした。従って、排気管51のメンテナンス性を高めることができる。
図6にて、排気管51は、エンジン12の前方から車幅方向一側(右側)前方に延び、ダウンフレーム23の前方を迂回しエンジン12の車幅方向他側(左側)に延びている。
ここで、曲率半径は曲線の曲がり具合を表す値であり、曲率半径が大きいほど曲がり具合は緩やかなものとなる。なお、曲率半径の逆数は曲率で示される。
図6を併せて参照し、排気管51の車幅方向長さWは、エンジンブロック100の車幅方向長さWEの範囲内に収まるようにした。
このため、エンジン12周囲に排気管51をコンパクトに配置しつつ、排気管51を長くすることができる。排気管51が長くなれば、特に、低中速においてエンジン性能を高めることができる。
排気ガスの排気抵抗が小さくなった上に、排気管51が長くなる結果、エンジン12の性能を高めることができる。
図12に示すように、エンジン12からダウンフレーム23の前方を迂回するように車幅方向右側から左側へ排気管51が延びており、この排気管51にバイパス管167が付設されている。
実施例1と大きく異なる点は、エンジン12の車幅方向一側方(右側)に、排気管51の上流側と下流側とを接続して排気特性を変更することができるバイパス管168が設けられている点にあり、その他、大きく異なるところはなく説明を省略する。
図13に示すように、エンジン12からダウンフレーム23の前方を迂回するように車幅方向右側から左側へ排気管51が延びており、この排気管51にバイパス管167が付設され、このバイパス管167に膨張室(図15、符号170)を構成する膨張管169が介在される。
バイパス管168に膨張室170が設けられる。この膨張室170によって、エンジン性能を高めることができる。
図16に示すように、吸気装置135の構成要素であるエアクリーナ53は、鍔状に広がりクリーナエレメント175が取付けられる座部171を有する前半体173と、この前半体173に着脱可能に設けるクリーナエレメント175と、このクリーナエレメント175の周囲を着脱可能に覆う後半体174とを主要素とする。
を取入れる上下の開口186、187が形成される。また、クリーンサイド183を形成する前半体173にクリーンエアの出口188が開けられている。
Claims (7)
- ヘッドパイプ(21)とこのヘッドパイプ(21)から下方に延びるダウンフレーム(23)とを有する車体フレーム(11)と、この車体フレーム(11)に懸架され前記ダウンフレーム(23)の後方に配置されるエンジン(12)と、このエンジン(12)から延びている排気管(51)と、この排気管(51)の先端に接続され前記エンジン(12)の後方で前記車体フレーム(11)に取付けられる消音器(55)とが備えられている鞍乗り型車両において、
前記排気管(51)は、前記エンジン(12)の前方から車幅方向一側前方に延び、前記ダウンフレーム(23)の前方を迂回して前記エンジン(12)の車幅方向他側に延びた後車両後方へ延び、前記エンジン(12)の後方にて前記車幅方向他側から前記車幅方向一側へ延びて、前記車体フレーム(11)の側方に配置される前記消音器(55)に接続され、
前記エンジン(12)の車両後方にて車幅方向中心にリヤクッション(27)が配置され、前記エンジン(12)と前記リヤクッション(27)の間に、前記排気管(51)のうちの前記車幅方向他側から前記車幅方向一側へ延びる部分(118)が置かれることを特徴とする鞍乗り型車両。 - 前記排気管(51)の車幅方向長さは、エンジンブロック(100)の車幅方向長さの範囲内に収まることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
- 前記排気管(51)のうち、前記エンジン(12)の車幅方向他側にて車両後方に延びている部分(121)は、前記エンジン(12)のシリンダ部(47)に設けられるカムチェーン室(112)の車幅方向外側に配置されることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
- 前記エンジン(12)の車幅方向一側にクラッチ装置(93)を覆うクラッチカバー(111)が備えられ、前記エンジン(12)の車両後方に吸気装置(135)が備えられ、
前記排気管(51)は、前記車幅方向他側から前記車幅方向一側へ向かって上向きに傾斜し、前記クラッチカバー(111)の後方且つ上方で迂回するようにして配置されることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。 - 前記排気管(51)のうち、前記シリンダ部(47)の側方に車両前後に延びている部分(121)は、前後に分離可能な分割構造であることを特徴とする請求項3記載の鞍乗り型車両。
- 前記エンジン(12)の車幅方向一側方に、前記排気管(51)の上流側と下流側とを接続して排気特性を変更することができるバイパス通路(168)が設けられることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
- 前記バイパス通路(168)に、このバイパス通路(168)の内径よりも大きな内径をもつ膨張室(170)が設けられることを特徴とする請求項6記載の鞍乗り型車両。
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