以下に本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採り得ることができ、各実施例に記載された内容の相違部分を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
図1は、本実施例のパチンコ機の遊技盤8の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。
遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、多数の遊技釘27が植設されている。遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54b(図2参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
また、窓部28aの上方左には、7セグメントLED等の発光部材により構成される特別図柄表示装置29、上方右には左と同一部材の普通図柄表示装置30が設けられており、窓部28a下には4個の発光部材で構成される特別図柄保留数表示装置29aが設けられている。特別図柄の保留記憶数は、LCD画面の保留記憶表示領域(図11参照)にも遊技者が視認可能に表示される。
液晶枠飾り28の左右両側又は左側には後述する普通図柄作動スイッチ42a(図2参照)を備える普通図柄作動ゲート42が設けられており、下側には始動口31と開放時のみ入賞可能となる普通電動役物40が始動口32として設けられている。普通電動役物40の下方には、アタッカー式の大入賞口33aを備える大入賞口ユニット33が配置され、該大入賞口ユニット33の下方にはアウト口34が設けられている。大入賞口33aの左側には4個のLEDで構成される普通図柄保留数表示装置41aが設けられている。
また、大入賞口ユニット33の左右両側には、後述する一般入賞口スイッチ35b(図2参照)を備える一般入賞口35aが複数備えられる入賞口ユニット35が設けられている。
上記のように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート42に入球(普通図柄作動スイッチ42a(図2参照)にて遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置30で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド40b(図2参照)を駆動させる。普通電役ソレノイド40bを駆動させると、ほぼ同期して普通電動役物40の羽根部材が駆動して、普通電動役物40への入球(特別図柄始動スイッチ32a(図2参照)での検出率)が可能となるように構成されている。尚、本実施形態におけるパチンコ機では、普通電動役物40の羽根部材が駆動する開放時間は、通常時は0.3秒(1回)、時短状態(開放延長状態)では5.0秒(1回)である。
始動口31に遊技球が入球(第1特別図柄始動スイッチ31a(図2参照)にて遊技球を検出)すると、特別図柄表示装置29において特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、普通電動役物40に入球(特別図柄始動スイッチ32a(図2参照)にて遊技球を検出)すると、同様に特別図柄表示装置29において特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。また、特別図柄の変動中は、窓部28aに配置された演出図柄表示装置54bにおいて特別図柄の変動に連動した演出態様を表示する。
変動開始から所定時間後に停止した特別図柄の態様に応じて、後述する大入賞口ソレノイド33c(図2参照)を駆動させる。大入賞口ソレノイド33cを駆動させると、ほぼ同期して大入賞口ユニット33の扉部材が駆動して、大入賞口33aへの入球(カウントスイッチ33b(図2参照)での検出率)が可能となるように構成されている。
続いて、図2に本実施例におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。図2には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に供給される構成となっている。尚、遊技盤8を装着するパチンコ機本体に関する部品は図示を省略している。
図2に示す通り、主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板62を介して始動口31に入球した遊技球を検出する特別図柄始動スイッチ31aと普通電動役物40に入球した遊技球を検出する特別図柄始動スイッチ32aと、普通図柄作動ゲート42に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ42aと、大入賞口33aに入球した遊技球を検出するカウントスイッチ33bと、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ35bとが接続されており、裏配線中継端子板63を介して前面枠が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチ38と、意匠枠が閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bと、が接続されている。
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板62を介して大入賞口33aの扉部材を駆動する大入賞口ソレノイド33cと、普通電動役物40の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイド40bとが接続されており、図柄表示装置中継端子板64を介し特別図柄を表示する特別図柄表示装置29と、特別図柄の保留数を表示する特別図柄保留数表示装置29aと、普通図柄を表示する普通図柄表示装置30と、普通図柄の保留数を表示する普図保留数表示装置30aとが接続されており、裏配線中継端子板63及び外部接続端子板61を介して図示しないホールコンピュータ70と、が接続されている。
主制御装置50はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51及びサブ統合装置53に出力する。ここで、主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合制御装置53とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成されている。
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板63を介して球タンク(図示せず)又はタンクレール(図示せず)内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチ22a又は23aと、裏配線中継端子板63及び払出中継端子板66を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチ24bと、各種端子板を介することなく下皿への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチ13aと、が接続されている。払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板63及び払出中継端子板66を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータ24aが接続されている。
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50及び発射制御装置52に出力する。ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置52とは払出制御装置51から発射制御装置52への一方向通信回路として構成されている。
また、払出制御装置51は、外部接続端子板61を介して賞球に関する情報などをホールコンピュータ70に送信するほか、発射制御装置52に対して発射停止信号を送信する。発射制御装置52は発射モータ36を制御して、遊技球を遊技領域26に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置52には払出制御装置51以外に発射ハンドル18からの回動量信号、タッチスイッチ20aからのタッチ信号、発射停止スイッチ19aから発射停止スイッチ信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル18を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル18を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ19aを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置52に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル18を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置53の入力端には、遊技者により操作可能な遊技スイッチ14aが接続されている。サブ統合制御装置53の出力端には、図示しない意匠枠及び遊技盤8に備えられる各種LED・ランプ37と、前面枠及びスピーカユニットに備えられるスピーカ10と、が接続されている。尚、サブ統合制御装置53と主制御装置50とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置54aとはサブ統合制御装置53から演出図柄制御装置54aへの一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチ14aの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニット54の演出図柄制御装置54aに出力する。
また、サブ統合制御装置53には、音量を調節する音量調節スイッチ10aが備えられ、音量調節スイッチ10aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ10へ送信する内容とを判断し、スピーカ10から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
演出図柄制御装置54aは、サブ統合制御装置53から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置50から送信されてきたものとサブ統合制御装置53が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置54bを制御して、演出図柄等の演出画像を窓部28aに表示させる。
本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成されている。具体的に説明すると、本実施形態のパチンコ機による遊技は、大入賞口33aを閉鎖した遊技と大入賞口33aを開放する大当たり遊技とに大別され、大入賞口33aを閉鎖した遊技には、大きく分類して、通常確率状態(以下、通常状態)と、該通常状態に比べて遊技者にとって有利な状態となる高確率状態(以下、確率変動状態)とが存在する。また通常状態は、特別図柄及び普通図柄の変動時間を短縮する時短状態を含む。
特別図柄は、確率変動図柄及び非確率変動図柄とからなり、確率変動状態は確率変動図柄での大当たり遊技終了後に移行可能に設定され、通常状態、確率変動状態のうち、いずれの遊技状態でも確率変動図柄で大当たりすれば、該大当たり遊技終了後、確率変動状態に移行する。同様に通常状態は、非確率変動図柄での大当たり遊技終了後に移行可能に設定され、通常状態、確率変動状態のうち、いずれの遊技状態でも非確率変動図柄で大当たりすれば、該大当たり遊技終了後、通常状態に移行する。
通常状態に移行後は、規定回数(例えば、100回)だけ特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ普通電動役物40の開放延長機能が作動する時短状態となる。特別図柄及び普通図柄の変動時間(変動開始から結果が表示されるまでの時間)が短縮されると、一定時間内の変動表示回数が増大する。
具体的には、本実施形態の時短状態では、特別図柄の変動時間の短縮とともに、普通図柄表示装置30に表示される普通図柄の時間短縮も行われるが、この普通図柄の変動表示を短縮させることで、一定時間内で多数回普通図柄の確定表示を行う。従って、一定時間内での普通図柄が当りとなる回数が増大し、これにより普通電動役物40の作動回数も増大する。また、普通電動役物40の開放時間が長くなるように設定されているので、多数の遊技球が入賞し易くなる。このように多数の遊技球が入賞し易くなることにより、特別図柄の変動表示回数が更に増大されるとともに、普通電動役物40入賞による賞球により遊技者の持ち玉が減り難くなり、有利な遊技を行うことができる。
なお、確率変動状態では、時短状態と同様に、特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、普通電動役物40開放延長機能が作動する。各種図柄の短縮と普通電動役物40の開放延長機能に関わる設定は時短状態と同一であるが、確率変動状態は時短状態に加えて特別図柄の大当り確率が高くなる(大当りし易い)。
次に、主制御装置50が行う保留記憶処理について図3を用いて説明する。保留記憶処理は、本願発明における保留記憶手段と保留記憶数送信手段と実行条件成立時判定手段と予告許可手段とを含む処理となる。尚、メインルーチンとして行われる各処理は従来技術にそったものであるため、説明は割愛する。
保留記憶処理が開始されると、始動口31または普通電動役物40に遊技球が入球(特別図柄始動スイッチ31a又は特別図柄始動スイッチ32aが遊技球を検知)したか否か判定する(S10)。肯定判定であれば(S10:YES)、主制御装置50に既に格納されている保留記憶数が最大値(本願発明では4個)未満であるか否か判定する(S11)。肯定判定であれば(S11:YES)、当否乱数等の各種乱数を抽出し保留記憶として主制御装置50の保留記憶数に応じた記憶領域に記憶する (S12)。この構成が保留記憶手段となる。
続いて、確率変動フラグが0であるか否か判定する(S13)。確率変動フラグとは、主制御装置50にて記憶される値であり、確率変動フラグが0のときは、大当り確率が通常状態であることを、確率変動フラグが1のときは、確率変動状態であることを主制御装置50が判断するための値である。本願発明では、始動口31、普通電動役物40及び普通図柄作動ゲート42への遊技球入球時に、取得した各種乱数を判定するのは大当り確率が通常状態時のみであるが、確率変動状態時に同様の処理を行う構成でも何ら問題ない。
S13が肯定判定(大当り確率が通常状態)であれば(S13:YES)、最も新しく記憶された保留記憶を読み出し、大当り判定用乱数が通常確率時の大当り判定用テーブル1と異なるか否か判定する(S14)。肯定判定(大当り値とは異なる)であれば(S14:YES)、リーチ決定用乱数が通常時にスーパーリーチとなる値か否か判定する(S15)。S15が肯定判定(スーパーリーチとなる)か(S15:YES)、又はS14が否定判定(大当り判定用乱数が大当り値と一致)であれば(S14:NO)、予告許可信号をサブ統合装置53に送信する(S16)。尚、予告許可信号の内容は、大当り判定に基づく許可なのか、スーパーリーチ判定に基づく許可なのかが判断できる構成となっている。上記構成が、本願発明における実行条件成立時判定手段と、該実行条件成立時判定手段に基づく予告許可手段となる。本実施例では、始動口入球時に取得した各種乱数の中で、大当りとスーパーリーチに係る乱数(大当り判定用とリーチ決定用)の判定を基に保留記憶処理時に予告許可信号を送信する構成としたが、同じタイミングで他の乱数(例えば確率変動乱数や大当り図柄決定用乱数や変動パターン選択用乱数)の判定、または他の複数の乱数の判定の組合せを基に送信する構成でもよい。
続いて、S16の処理の後か、S13の否定判定(確率変動状態)(S13:NO)の後か、S15の否定判定(非スーパーリーチ)(S15:NO)の後、S12で記憶処理した数を含む保留記憶数を示す保留記憶数指示信号をサブ統合装置53に送信する(S17)。この構成が本願発明における保留記憶数送信手段となる。
尚、上記S12で抽出し記憶する乱数の種類には、大当り判定用乱数、確率変動乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン選択用乱数及び大当り図柄決定用乱数等があり、各乱数とそれぞれの判定に用いるテーブル構成は従来技術にそったものである。また、始動口入球時に予告を許可するか否かを判定する専用の乱数を取得し記憶する構成としてもよく、それに合わせ予告許可テーブルを備える構成としてもよい。
上記処理では、予告許可信号を送信するのは、保留記憶処理時に特別図柄が大当り判定の場合か、若しくは非大当りでスーパーリーチ決定となる判定の場合となる。このような判定基準構成(特にスーパーリーチになるか否かを考慮した点)にした効果を以下に述べる。
保留記憶表示を用いた予告の演出効果を考えた場合、始動口31又は普通電動役物40への入球状況即ち保留記憶数の有無にも左右されるが、予告が遊技者に報知されてからその結果が導出されるまでに長い時間を費やす場合が多く、遊技者の期待感もその時間に合わせて長くなることが特徴といえる。しかしながらこれは、期待する時間が長ければ長いほどその結果によっては落胆の度合いも他の予告に比べ大きくなる予告演出ともいえる。
本願発明ではその解決手段として保留予告演出の結果がハズレの場合、特別図柄の変動の変動パターンはスーパーリーチとなるよう構成した。この構成により、保留予告演出の結果が外れる(大当りしない)ものであっても、最終結果が表示されるまでスーパーリーチの変動態様が遊技者の期待感を大きく振幅させ演出効果を最後まで発揮するとともに、「大当りに近づいた」、「もう少しで大当りだった」という感覚を遊技者に与え再遊技意向を高める構成としている。
図3に示す処理の説明に戻り、S17の処理が終わるか、S10で否定判定(S10:NO)か又はS11で否定判定(S11:NO)の場合、リターンとなる。
次に、サブ統合装置53が実行する保留球数・予告判定処理について説明する。保留球数・予告判定処理は、本願発明における保留表示制御手段と予告判定手段と保留予告態様表示手段と保留予告態様変化手段とを含む処理となる。従ってこの処理が、演出図柄表示装置54bに表示する保留記憶表示の態様を、通常の保留記憶表示態様から保留予告態様へ、更に保留予告態様をその後の始動口への入球(主制御装置50から保留球数指示信号の受信)を起因として変化させることになる。
図4に示す保留球数・予告判定処理では、主制御装置50から保留球数指示信号を受信したか否か判定する(S20)。肯定判定であれば(S20:YES)、保留球数カウンタの値に1を加え(S21)、主制御装置50から予告許可信号を受信したか否かを判定する(S22)。S22が肯定判定であれば(S22:YES)、予告フラグの値が0か否か判定する(S23)。保留球数カウンタは、新たな変動が開始(主制御装置50から変動指示コマンドを受信)される毎にデクリメントされる従来技術に沿ったカウンタである。
予告フラグは、サブ統合装置53で記憶される値であり、図9の(2)予告フラグの値と種類の表が示すように、予告フラグの値が0の時は保留予告が未実施であることを、予告フラグの値が1の時は、保留予告が実施中であり該保留予告は主制御装置50からの大当り判定に基づく予告許可信号受信により実施したことを、保留予告フラグの値が2の時は、保留予告が実施中であり該保留予告は主制御装置50からのスーパーリーチ判定に基づく予告許可信号の受信により実施したことをサブ統合装置53が判断するための値である。尚、予告フラグの値は、保留予告態様の保留記憶表示位置を把握するための予告態様保留球数カウンタ処理によって、該予告態様保留球数カウンタの値が0と判定された時点(保留予告に係る変動が開始した時点即ち保留予告態様の表示を終了した時点)で0がセットされる。
S23が肯定判定(予告未実施)であれば(S23:YES)、予告判定用乱数の抽出処理を行う(S24)。次にS23で受信した予告許可信号が大当り判定に基づくものか否かを判定し(S25)、肯定判定ならば(S25:YES)、S24で抽出した乱数が、予告判定テーブル1の予告実施値となる値か否かを判定し(S26)、肯定判定ならば(S26:YES)、予告フラグの値に1をセットする(S27)。S25が否定判定の場合(S25:NO、スーパーリーチ判定に基づく予告許可信号を受信した場合)、S24で抽出した乱数が、予告判定テーブル2の予告実施値となる値か否かを判定し(S28)、肯定判定ならば(S28:YES)、予告フラグの値に2をセットする(S29)。
図9(1)は予告判定用テーブルを説明するための図である。予告判定用テーブルは、主制御装置50から受信する予告許可信号が大当り判定に基づく場合と、スーパーリーチ判定に基づく場合のそれぞれに対応して設定されている。例えば、主制御装置50から受信した予告許可信号が、大当り判定に基づいて送信されたものであった場合、予告判定用に抽出した乱数は予告判定用テーブル1を用いて判定を行い、その値が「0〜6」ならば予告フラグの値は0のままとし保留予告は行わず、抽出した乱数の値が「7〜9」ならば予告フラグの値に1をセットし保留予告を実施する。
主制御装置50から受信した予告許可信号が、スーパーリーチ判定に基づいて送信されたものであった場合、予告判定用に抽出した乱数は予告判定用テーブル2を用いて判定を行い、その値が「0〜8」ならば予告フラグの値は0のままとし保留予告は行わず、抽出した乱数の値が「9」ならば予告フラグの値に2をセットし保留予告を実施する。
この設定により、主制御装置50から大当り判定に基づく予告許可信号とスーパーリーチ判定に基づく予告許可信号を受信した場合では保留予告を実施する確率が異り、大当り判定を基にした許可信号を受信した場合の保留予告実施を実施する確率が高くなる。これは、大当り判定及びスーパーリーチ判定となる確率によっても異なるが、保留予告が出現した場合は大当りとなる確率が高く、保留予告出現時の遊技者の期待感を裏切らない構成といえる。尚、各テーブルの設定についてはこの内容に限るものではない。
図4の処理の説明に戻り、S27又はS29の処理に続き、予告態様保留球数カウンタをセットする(S30)。予告態様保留球数カウンタは、通常の保留記憶表示の表示位置を特定するための保留球数カウンタとは別に、保留予告態様の表示位置を特定するためのカウンタである。当該予告態様保留球数カウンタは、S21で+1した保留球数カウンタの値を初期値としてセットする。従って予告フラグに0以外の値がセットされるのとほぼ同時に予告態様保留球数カウンタがセットされる。
上記した予告態様保留球数カウンタ処理について図10を用いて説明する。予告態様保留球数カウンタ処理を開始すると予告フラグの値が0とは異なるか否か判定する(S80)。肯定判定(S80:YES、予告実施中)ならば、主制御装置50から特別図柄変動指示コマンドを受信したか否かを判定し(S81)、肯定判定ならば(S81:YES)、予告態様保留球数カウンタの値から−1するデクリメント処理を行い(S82)、続いてデクリメント処理後の予告態様保留球数カウンタの値が0か否かを判定する(S83)。S83で予告態様保留球数カウンタの値が0と判定された時点で保留予告態様を表示した記憶保留が変動を開始したことになる。S83が肯定判定なら(S83:YES)、予告フラグの値に0をセットし(S84)、続いて後述する予告態様フラグの値に0をセットする(S85)。S85の処理後、又はS80の否定判定後(S80:NO)、又はS81の否定判定後(S81:NO)、又はS83の否定判定後(S83:NO)にリターンとなる。
図4の処理の説明に戻り、S30の処理の後、S21で保留球数カウンタに1を加えた値に該当する表示位置に保留予告態様の表示を指定する信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S31)。S22が否定判定(S22:NO)、又はS26が否定判定(S26:NO)、又はS28が否定判定(S28:NO)なら、S21で保留球数カウンタに1を加えた値に該当する表示位置に通常の保留記憶態様を表示指定する信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S32)。S31、S32の処理後又はS20が否定判定(S20:NO)ならば、リターンとなる。
図4の処理中において、S32に係る処理の流れが本願発明における保留表示制御手段となり、S24〜S26とS28が予告判定手段となり、S31が保留予告態様表示手段となり、S30と図10に示す処理がカウンタ手段となる。
次に図4のS23否定判定(S23:NO)に続く図5の処理を説明する。これ以降の保留球数・予告判定処理に係る処理は、予告フラグの値が0以外の場合に行われる処理、即ち保留予告態様の表示中に保留球数指示信号を主制御装置50から受信(始動口31又は普通電動役物40への新たな入球に起因して)した場合の処理であり、本願発明における保留予告態様変化手段となる。
図5に示す処理は、前述した予告態様保留球数カウンタの値によって、保留予告態様を示す保留記憶表示がどの位置に表示されているかを判断し(保留記憶表示の表示位置の名称については図11を参照)、且つ通常の保留球数カウンタの値との差を参照することによって、保留予告態様の表示位置から何個目の保留球数指示信号を受信(新たな始動口31(又は普通電動役物40)への入球)したかを判定する処理となる。尚、保留予告態様を図11に示す保留記憶表示4の位置に表示中は、保留記憶数が最大値となるため、サブ統合装置53は主制御装置50から保留記憶数指示信号は受信することが無く、サブ統合装置53が新たな保留記憶数指示信号を受信するのは保留予告態様の表示が保留記憶表示3の位置にシフトしてからとなり、このときの予告態様保留球数カウンタの値は3となる。
図4のS23が否定判定(S23:NO)なら、予告態様保留球数カウンタの値が3か否か判定する(S40)。肯定判定なら(S40:YES)、図6の処理に進む。この判定内容は、保留予告態様の表示位置が保留記憶されてから時間が最も経過しているものから数えて3番目の位置(保留記憶表示3、図11参照)か否かを判定するものである。尚且つこの3番目の位置に保留予告態様を表示中の場合は、本願弾球遊技機の保留記憶数の最大値が4であるため、主制御装置50から保留球数指示信号を受信した場合は、保留球数カウンタに1が加算された結果としては、必ず4番目の位置(保留記憶表示4)への保留記憶の表示を指定することなる。
S40が否定判定ならば(S40:NO)、予告態様保留球数カウンタの値が2か否か判定する(S41)。S41が否定判定なら(S41:NO)、通常の保留球数カウンタの値と予告態様保留球数カウンタの値の差が3か否か判定する(S42)。S42が否定判定(S42:NO)、又はS41が肯定判定なら(S41:YES)、通常の保留球数カウンタの値と予告態様保留球数カウンタの値の差が2か否か判定する(S43)。肯定判定なら(S43:YES)、図7の処理に進み、否定判定なら(S43:NO)、S40の肯定判定と同様に図6の処理に進む。S42が肯定判定なら(S42:YES)、図8の処理に進む。
S41とS43の判定では、保留予告態様の表示位置が保留記憶されてから最も時間が経過しているものから数えて2番目の位置(保留記憶表示2の位置)か否かを判定し(S41)、肯定判定であれば受信した保留球数指示信号分を加算した保留球数カウンタの値を参照(減算)し(S43)、保留予告態様の表示位置と新たに受信した保留球数指示信号の相対的な位置関係を判定する処理となる。
具体的には、S41で保留予告態様の表示位置が保留記憶表示2の位置と判定された場合、S43では、保留球数カウンタの値(処理の契機となった新たに受信した保留球数指示信号分の1を加算した値)から予告態様保留球数カウンタの値を減算した値が2か否かを判定するが、この判定が肯定判定であった場合は、新たな保留記憶の表示位置と保留予告態様の表示位置の相対関係は、間に1個の保留記憶表示を挟む関係、即ち保留予告態様が保留記憶表示2の位置ならば新たな保留記憶表示は保留記憶表示4の位置となる。S43の判定が否定判定ならば減算した値は1であり、これは保留予告態様の表示後初めての保留記憶の表示(直ぐ隣への表示)を意味し、S40の肯定判定と同様の処理に続く。
S41が否定判定の場合、保留予告態様の表示位置は保留記憶後最も時間が経過しているものとして保留記憶表示1の位置となる。S42の処理ではこのときの新たな保留記憶の表示位置が保留予告態様の表示位置と相対的に3個離れているか(表示間に保留記憶表示を2個挟むか)を判定し、具体的には保留予告態様の表示位置が保留記憶表示1に限定されるため、新たな保留記憶の表示位置が保留記憶表示4の位置か否かを判定するものとなる。保留記憶表示4の位置ではないならば(S42否定判定)、保留記憶表示3又は2かの判定をS43の処理に移行し行う。
次に、図5のS40肯定判定とS43否定判定から続く処理について、図6を用いて説明する。図6の処理は、保留予告態様を表示後に最初の保留球数指示信号を主制御装置50から受信した場合に行われる処理であり、当該保留予告態様を示す保留記憶の大当り期待度報知の期待度の大中小を決定するとともに、保留予告態様の1回目の変化指示(レベル1の変化)を行う処理である。
図6に示す処理では、図5のS40肯定判定(S40:YES)又は、S43否定判定(S43:NO)の後、予告態様乱数の抽出処理を行う(S50)。次にS50での抽出値が0か否かを判定し(S51)、肯定判定なら(S51:YES)、予告態様フラグに1をセットし(S52)、後述する予告態様変化レベルテーブルの内容に従って、表示中の保留予告態様を予告態様フラグの値が1の場合のレベル1に変化させる(1回目の保留球数指示信号受信時の変化)指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S53)。
S51が否定判定なら(S51:NO)、S50での抽出値が1か否かを判定し(S54)、肯定判定なら(S54:YES)、予告態様フラグに2をセットし(S55)、予告態様変化レベルテーブルの内容に従って、表示中の保留予告態様を予告態様フラグの値が2の場合のレベル1に変化させる指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S56)。S54が否定判定なら(S54:NO)、予告態様フラグに3をセットし(S57)、予告態様変化レベルテーブルの内容に従って、表示中の保留予告態様を予告態様フラグの値が3の場合のレベル1に変化させる指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S58)。
図6の処理説明にある、予告態様乱数と予告態様フラグについて図12を用いて説明する。図12(1)は、予告態様判定用テーブルを説明するための図表である。予告態様判定用テーブルは、図6のS50で取得する予告態様判定用乱数(0、1、2)と、保留予告態様の変化が表す期待値の小中大を予告態様フラグ値1、2、3に対応させて設定している。例えば、S50で抽出した乱数が2ならば予告態様フラグの値には3がセットされ、報知する期待度は大となる。同様にS50で抽出した乱数が1ならば予告態様フラグの値には2がセットされ、報知する期待度は中となる。同様にS50で抽出した乱数が0ならば予告態様フラグの値には1がセットされ、報知する期待度は小となる。
図12(2)は、予告態様変化レベルテーブルを説明するための図である。セットされた予告態様フラグの値に対応して、新たな保留球数指示信号を受信する場合、該受信する毎に保留予告態様をどのように変化させるか(レベル1からレベル3)の設定を示した図である。レベル1の行にある予告態様フラグ値毎の色変化は、保留予告態様表示後に、新たな1個目の保留球数指示信号を受信したタイミングで行われる保留予告態様の変化を表し、レベル2の行にある予告態様フラグ値毎の形状変化は、保留予告態様表示後に、2個目となる保留球数指示信号を受信したタイミングで行われる保留予告態様の変化を表し、レベル3の行にある予告態様フラグ値毎の数字変化は、保留予告態様表示後に、3個目となる保留球数指示信号を受信したタイミングで行われる保留予告態様の変化を表すものである。また、レベル3の変化では、後述するプレミアム変化のパターンを備えている。尚、変化の態様についてはこれに限るものではなく、遊技者が認識可能のものであれば1個の保留予告態様を複数の図形(文字を含む)や複雑な形状で表現するものでもよく、レベルメータやパーセント表示といった態様に変化してもよい。
レベル1、2、3は、保留予告態様を表示後に主制御装置50から受信する保留球数指示信号の数、言いかえれば該保留球数指示信号の基となる始動口31(又は普通電動役物)への追加入賞の数に対応しており、1個目の保留球数指示信号の受信による保留球数・予告判定処理時(図6の処理)に決定した予告態様フラグの値によって、2個目3個目の受信時の変化も決定される。またフラグ値がどの値となっても、レベルの上昇(受信数の増加)に伴って、保留予告態様の変化は色、形状、数字と徐々に具体的な期待度が認識可能となるように設定されている。これは本願発明の請求項4にある保留球数指示信号の受信数の増加に伴って保留予告態様の変化内容を変更するに該当する構成となる。
図6の説明に戻り、S53か、S56か、S58の処理後、図4のS32の処理(保留球数表示信号送信)に戻る。
次に、図5のS43の肯定判定から続く図7を説明する。図7の処理は、保留予告態様を表示後に2個目となる保留球数指示信号を主制御装置50から受信した場合に行われ、保留予告態様の2回目の変化指示(レベル2の変化)を行う処理である。
図7に示す処理では、図5のS43肯定判定(S43:YES)の後、予告態様フラグの値が3か否か判定する(S60)。肯定判定なら(S60:YES)、予告態様変化レベルテーブルの内容に従って、表示中の保留予告態様(レベル1)を予告態様フラグの値が3の場合のレベル2に変化させる指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S61)。S60が否定判定なら(S60:NO)、予告態様フラグの値が2か否か判定する(S62)。肯定判定なら(S62:YES)、予告態様変化レベルテーブルの内容に従って、表示中の保留予告態様(レベル1)を予告態様フラグの値が2の場合のレベル2に変化させる指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S63)。S62が否定判定なら(S62:NO)、予告態様変化レベルテーブルの内容に従って、表示中の保留予告態様(レベル1)を予告態様フラグの値が1の場合のレベル2に変化させる指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S64)。S61か、S63か、S64の処理後、図4のS32の処理(保留球数表示信号送信)に戻る。
次に、図5S42の肯定判定から続く図8を説明する。図8の処理は、保留予告態様を表示後に3個目となる保留球数指示信号を主制御装置50から受信した場合に行われる処理であり、保留予告態様の最終の態様変化となる3回目の変化指示(レベル3の変化)を行う処理となる。加えてこの最終の態様変化処理では、保留予告態様表示を実施することとなった予告許可信号が大当り判定を基にしたものであった場合(予告フラの値が1)、プレミアム態様となるか否かの判定も行う。
図8に示す処理では、図5のS42肯定判定(S42:YES)の後、予告フラグの値が1か否か判定する(S70)。肯定判定なら(S70:YES)、予告プレミアム態様判定用乱数の抽出処理を行い(S71)、抽出値が予告プレミアム態様の実施値か否かを判定する(S72)。肯定判定なら(S72:YES)、表示中の保留予告態様をプレミアム態様に変化させる指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S73)。
予告プレミアム態様判定用乱数と予告プレミアム態様について図12の(2)(3)を用いて説明する。図12の(3)は、予告プレミアム態様判定用テーブルを説明するための図である。予告プレミアム態様判定用テーブルは、図8のS71で取得する予告プレミアム態様判定用乱数「0〜9」と、各乱数値が予告プレミアム態様の未実施値と実施値に設定されている。
図12の(2)に示す図表の最下部行(レベル3の行)の右端に、予告プレミアム態様の内容を示す。該態様は数字の99を表し、遊技者に対して該態様を示す保留記憶がほぼ大当りとなることを報知するものである。尚、遊技者にインパクトを与えることが可能(通常時や多くの保留予告時には出現しない)な他の数字又は図形を用いてプレミアム態様としても何ら問題ない。
図8の説明に戻り、S70が否定判定又はS72が否定判定なら(S70:NO、S72:NO)予告態様フラグの値が3か否か判定する(S74)。肯定判定なら(S74:YES)、予告態様変化レベルテーブルの内容に従って、表示中の保留予告態様(レベル2)を予告態様フラグの値が3の場合のレベル3に変化させる指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S75)。S74が否定判定なら(S74:NO)、予告態様フラグの値が2か否か判定する(S76)。肯定判定なら(S76:YES)、予告態様変化レベルテーブルの内容に従って、表示中の保留予告態様(レベル2)を予告態様フラグの値が2の場合のレベル3に変化させる指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S77)。S76が否定判定なら(S76:NO)、予告態様変化レベルテーブルの内容に従って、表示中の保留予告態様(レベル2)を予告態様フラグの値が1の場合のレベル3に変化させる指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S78)。
S73か、S75か、S77か、S78の処理後、図4のS32の処理(保留球数表示信号送信)に戻る。
図5、図6、図7、図8の処理が、本願発明におけるカウンタ手段を含む保留予告態様変化手段となる。この一連の処理を行った場合の、演出図柄表示装置54bにおける実際の表示例を図13を用いて説明する。
図13に示す内容は、演出図柄表示装置54bの保留記憶表示領域を表すものであり、保留予告態様の表示位置が保留記憶表示3の位置で、新たに保留記憶が可能となってから、始動口31(又は普通電動役物40)への新たな入賞(主制御装置50からの保留球数指示信号受信)による保留記憶表示の追加と、保留記憶の消化(記憶分の図柄変動の実施)を繰り返す場合の表示例である。
図13(1)は、○で表す保留予告態様が保留記憶表示3の位置に表示され、新たな保留記憶(表示)が可能な状態を示す(保留記憶表示4に表示無し)。図13(2)は、(1)の状態から始動口31(又は普通電動役物40)に入球があった場合(保留球数指示信号を受信)の表示態様である。保留記憶表示4の位置に新たな通常の保留記憶態様の表示が行われるとともに、保留予告態様が白色から橙色に変化する。(予告態様フラグの値が2にセットされた状態)。この時では保留記憶態様の色が白色から橙色の暖色系に変化することにより、遊技者は保留予告態様に対する期待感を増幅させるが、橙色は暖色系としては中間に位置する色のため、その期待度も大中小の中間をイメージさせることになる。
図13の(1)から(2)に変化する際に、仮に予告態様フラグの値に1がセットされた場合、図12(2)の図表に示すように、保留予告態様は白色から黄色に変化する。この変化で遊技者は、色が変化したことに対して期待はするが、色のイメージは期待度を大きく上昇させるものではない。また、仮に予告態様フラグの値に3がセットされた場合、保留予告態様は白色から赤色に変化する。この色変化に対して遊技者は、暖色系として最も強い効果を発揮する色であるため大きな期待度を認識することになる。
図13(3)は、(2)の状態から、保留記憶表示1の位置に表示された保留記憶の変動が開始され、新たな保留記憶が可能となった状態である(保留記憶表示4に表示無し)。図13(4)は、(3)の状態から始動口31(又は普通電動役物40)に入球があった場合(保留球数指示信号を受信)の表示態様である。保留記憶表示4の位置に新たな通常の保留記憶態様の表示が行われるとともに、保留予告態様が丸型から四角形に形状が変化する。この時点では保留記憶態様の形状が丸形から四角形に変化することにより、遊技者は保留予告態様に対する期待感を橙色で認識した大中小の中間を保持するが、さらに具体的な期待度の報知を求め、新たな保留記憶の発生を目指すことになる。
また、予告態様フラグの値が1であった場合、保留予告態様は丸形から三角形に変化する。この変化で遊技者は、三角形という図形に対して黄色変化時に認識した期待度と同様にあまり期待できないことを認識する。予告態様フラグの値が3であった場合、保留予告態様は丸形から☆(星)形に変化する。この変化で遊技者は、☆(星)形という輝くイメージを持つ図形に対して赤色変化時に認識した期待度と同様に大きな期待度を認識し保持することになる。但し、三角形又は☆(星)形のどちらの図形に変化した場合でも、更に具体的な報知内容を求めて新たな保留記憶の発生を目指すことになる。
次の新たな保留記憶の発生では、プレミアム態様表示の抽選が行われる。これは例え黄色、三角形という流れで期待度報知を行った場合であっても、該当する保留予告態様が大当り判定に基づいて実施された場合なら、抽選結果によって期待度を一気に上昇(逆転)させることになる演出である。従って更に最終形態での報知を求め、遊技者は新たな保留記憶の発生を目指すため、発射装置の中断を抑止することが可能となる(図13(7)参照)。プレミアム態様表示については、該プレミアム態様表示が出現した時点で大当りが確定してしまうため、発射操作をそれ以降も継続させるためには好ましくはないが、現在のパチンコ遊技機には標準的に装備されており、商品価値を保つために稀に出現する仕様とすることが望ましい。
図13(5)は、(4)の状態から、保留記憶表示1の位置に表示された保留記憶の変動か開始され、新たな保留記憶が可能となった状態である(保留記憶表示4に表示無し)。図13(6)は、(5)の状態から始動口31(又は普通電動役物40)に入球があった場合(保留球数指示信号を受信)の表示態様である。保留記憶表示4の位置に新たな通常の保留記憶態様の表示が行われるとともに、保留予告態様が四角形から数字に変化する。この時点では保留記憶態様が四角形から数字の60に変化することにより、遊技者は保留予告態様に対する期待度を具体的に認識することになる。
また、予告態様フラグの値が1であった場合と、予告態様フラグの値が3であった場合も同様にこの段階(3個目の追加入賞)では保留予告態様が数字に変化し、遊技者に具体的な期待度を報知する。
以上が実施例1の説明となる。一般的に、大当りの期待が大きい保留記憶を用いた予告演出が出現した際には、遊技者はその保留予告態様となった保留記憶の結果が変動表示の結果として表示されるまで発射操作を中断してしまうことが多い。これは、無駄な遊技球を発射しないという意識からの行為であるが、本実施例の構成を備えることにより、保留予告態様の表示後も始動口31(又は普通電動役物40)への入球毎に当該保留予告態様の変動結果となる大当りの期待度を報知することとなる。又その報知の内容(保留予告態様の変化内容)は、新たに追加される保留記憶の数が最高記憶数を満たすまで徐々に具体化されて行くため、最終的な報知(本実施例では数字)が出現するまで発射操作を中断することがない。
次に、実施例3を説明する。本実施例ではパチンコ機を構成する部品とその電気的接続は実施例1と共通であり、特別に説明のない部分については共通内容であり重複する説明は割愛する。
本実施例は、保留予告態様表示中に新たな保留記憶が発生した場合、実施例1、2のように保留予告態様を変化させるのではなく、新たな保留記憶の表示態様を通常の態様とは異なる態様とし、該異なる態様を保留予告態様の期待度として段階的にいわゆるステップアップ形式で報知する構成である。
この段階的な期待度報知は、保留予告態様が表示されてからそれ以降の連続した4個の保留記憶表示を用いて4段階で行い、4個目が表示された時点で期待度の報知を完了するとともに遊技者が期待度の内容を認識することが可能となる(但し4個目の表示が、保留予告態様を示した保留記憶分の図柄変動が終了するまでに行われる場合に限る)。また、該4個目の保留記憶表示は、保留予告態様を示した記憶分の変動、即ち遊技者が大当りを期待する変動が開始された時点で表示可能となる(主制御装置50の保留記憶数4個目に対応した記憶領域に空きが発生するため)。従って、本実施例の構成は、保留予告態様を示した記憶分の変動開始後においても、遊技者に発射操作の継続を促す(中断を抑止する)効果を発揮するものである。
本実施例の処理内容を図19から図28を用いて説明する。図19に示すサブ統合装置53が行う保留球数・予告判定処理2は、実施例1で図4を用いて説明した保留球数・予告判定処理の内容とほぼ同一であるが、以下の点のみ異なる。
実施例1では保留球数指示信号を受信時に保留予告態様を表示中(予告実施中)ならば(図4、S23:NO)、該保留予告態様を変化させる処理(図5、図6、図7、図8)を行い、受信した保留球数指示信号に応じて通常の保留記憶態様の表示指示処理(図4、S32)を行ったが、本実施例の場合、保留予告態様を表示中(S23:NO)に行う処理は、受信した保留球数指示信号に対応した保留記憶の表示態様を変化させる指示を行う処理となるため、後述する当該処理(図20、図21、図22、図23、図24)は、図4のS32の処理を含む処理となる。従って、実施例1の図4のようにS23の否定判定後の処理が終了後、S32に戻るのではなく、S23の否定判定後の処理が終了後は、リターンに抜ける処理となる(図19のRet前(11→)が図4との相違点)。
次に、本実施例において保留予告態様の表示中に保留球数指示信号を受信した場合の、該保留球数指示信号に対応した保留記憶表示の態様を変化させる段階的な期待度表示の処理について説明する。図20に示す処理は、実施例1で説明した予告態様保留球数カウンタの値によって、保留予告態様を示す保留記憶表示がどの位置に表示されているかを判断し、且つ通常の保留球数カウンタの値との差を参照することによって、保留予告態様の表示から何個目の保留球数指示信号を受信(新たな始動口31(又は普通電動役物40)への入球)したかを判定する処理となる。
処理内容としては、実施例1で説明した図5の処理と類似するが、実施例1が保留予告態様を表示中に最高3個の保留球数指示信号の受信を処理するのに対して、本実施例では前述したように4段階で期待度の報知を行うため、予告を実施中に最高4回の保留球数指示信号の受信を処理することになり、この最高処理個数の差が図5の処理との相違点となる。具体的には図20の処理は、図5の処理に対して予告態様保留球数カウンタの値、及び通常の保留球数カウンタの値を判定する回数が1回多くなる。
また、実施例1では保留予告態様の表示が終了した時点(予告態様保留球数カウンタの値が0になった時点)でサブ統合装置53が記憶する予告フラグの値に0をセットし、予告実施期間は終了したが、本実施例では最高4個の保留記憶表示の表示態様を変化させ期待度報知を行うため、保留予告態様の表示が終了した後も保留予告態様を示した記憶分の図柄変動が終了するまでは予告実施期間とし、予告フラグの値に1又は2を保持する必要がある。
従って、本実施例では予告フラグの値に0をセットする契機が実施例1と異なるため、予告フラグ(及び予行態様フラグ)の値に0をセットする処理(図26予告リセット処理)は、実施例1とは異なる内容となっている。またそれに伴い予告態様保留球数カウンタのデクリメント処理(図25予告態様保留球数カウンタ処理2)の内容も実施例1とは異なるものとなっている。
本実施例における予告態様保留球数カウンタのデクリメント処理を図25を用いて説明する。予告態様保留球数カウンタ処理2を開始すると予告フラグの値が0とは異なるか否か判定する(S150)。肯定判定(S150:YES、予告実施中)ならば、主制御装置50から特別図柄変動指示コマンドを受信したか否かを判定し(S151)、肯定判定ならば(S151:YES)、予告態様保留球数カウンタの値から−1するデクリメント処理を行う(S152)、S152の処理後、又はS150の否定判定後(S150:NO)、又はS151の否定判定後(S151:NO)リターンとなる。
この処理は、実施例1の図10で説明した予告態様保留球数カウンタ処理から予告態様保留球数カウンタの値が0か否かの判定部と、それに続く予告フラグの値と予告態様フラグの値に0をセットする処理部を削除した内容となる。また、通常の保留球数カウンタ処理はこの処理とは別に行われるが、従来技術に沿った内容であるため割愛する。
次に図26に示す予告リセット処理を説明する。この処理は、前述したように実施例1とは異なる契機で予告フラグの値と予告態様フラグの値に0をセットする処理となる。予告リセット処理を開始すると、予告フラグの値が0とは異なるか否か判定する(S160)。肯定判定であれば(S160:YES)、予告態様保留球数カウンタの値が0か否か判定する(S161)。肯定判定であれば(S161:YES)、主制御装置50から特別図柄停止指示コマンド(保留予告態様を示した記憶分の図柄変動を終了させるコマンド)を受信したか否かを判定する(S162)。肯定判定であれば(S162:YES)、予告フラグの値に0をセットし(S163)、予告態様フラグの値に0をセットし(S164)、期待度報知として表示中の保留記憶の表示態様を通常の保留記憶の表示態様に変化させる指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S165)。
この予告リセット処理によって、保留予告態様を示した記憶分の図柄変動が終了するまでは予告実施期間となり、実施例1よりもプラス1個多く4個目の保留球数支持信号受信時の処理が実行可能となる。同時に、保留予告態様を示した記憶分の図柄変動が終了する時点で、期待度報知を行った表示中の保留記憶の表示態様を、通常の保留記憶表示態様に戻す処理を行うため、無意味な表示態様を図柄変動終了後に行うことはない。本実施例では、保留予告態様を示した保留記憶分の変動が終了するまでを予告実施期間としたが、該変動の開始から所定のタイマを設ける構成や、複数ある演出図柄の何れかが停止するのを契機とする構成や、新たな変動の開始までを予告実施期間としてもよい。
図20の説明に戻り、図19のS23が否定判定の場合(予告実施中)(S23:NO)、予告態様保留球数カウンタの値が3か否か判定する(S120)。否定判定なら(S120:NO)、予告態様保留球数カウンタの値が2か否か判定する(S121)。否定判定なら(S121:NO)、予告態様保留球数カウンタの値が1か否か判定する(S122)。否定判定なら(S122:NO)、通常の保留球数カウンタの値と予告態様保留球数カウンタの値の差が4か否か判定する(S123)。肯定判定なら(S123:YES)、図24の処理に進み、否定判定(S123:NO)又はS122が肯定判定なら(S122:YES)、通常の保留球数カウンタの値と予告態様保留球数カウンタの値の差が3か否か判定する(S124)。肯定判定なら(S124:YES)、図23の処理に進み、否定判定(S124:NO)又はS121が肯定判定なら(S121:YES)、通常の保留球数カウンタの値と予告態様保留球数カウンタの値の差が2か否か判定する(S125)。肯定判定なら(S125:YES)、図22の処理に進み、否定判定(S125:NO)又はS120が肯定判定なら(S120:YES)、図21の処理に進む。
次に図20のS120肯定判定(S120:YES)又はS125否定判定(S125:NO)から続く図21の処理について説明する。図21の処理は、保留予告態様を表示後に1個目の保留球数指示信号を主制御装置50から受信した場合に行われる処理であり、以降に実施される4段階の期待度報知の内容を決定する予告態様2乱数を抽出し、決定した内容に従って受信した1個目の保留球数指示信号に対応した表示位置に、1段階目(レベル1)の報知態様として保留記憶を表示する指示を行う処理である。また、期待度報知内容を決定するにあたっては、4段階目(レベル4)の報知で、大当り確定を示す(暗示する)内容とするか否かを判定(プレミアム判定)している。
図21の処理は、図20のS120肯定判定(S120:YES)又はS125否定判定(S125:NO)に続いて、予告態様2乱数抽出処理を行い(S130)、抽出した乱数値が4か否か判定する(S131)。肯定判定ならば(S131:YES)、予告フラグの値が1か否か判定(S132)する。このS131、S132の判定処理は、後述する期待度報知態様を選択する場合、4段階目で大当りとなることを示す報知態様を選択することが可能か否か(主制御装置50から受信した予告許可信号が大当り判定を基にしたものであれば可能)の判定である。S132が肯定判定なら(S132:YES)、予告態様フラグの値に5をセットし(S133)、S132が否定判定なら(S132:NO)、予告態様フラグの値に4をセットし(S134)、S131が否定判定なら(S131:NO)、S130で抽出した乱数値に対応した予告態様フラグの値(図27参照)をセットする(S135)。S132が否定判定の場合、強制的に予告態様フラグの値に4をセットしているが、S130の処理に戻る処理としてもよいし、予告態様フラグの値に5以外の何れかの値をセットする処理としてもよい。本実施例における予告態様フラグは、サブ統合装置53が記憶する値であり、保留球数指示信号を受信するごとに実施する保留記憶表示の期待度報知としての態様を示す値である。詳細については図27を用いて後述する。S133、又はS134、又はS135の処理の後、図19のS21で保留球数カウンタに1を加えた値に該当する表示位置に、セットした予告態様フラグの値に対応した1段階目(レベル1)の保留記憶態様の表示を指示する信号を、演出図柄制御装置54aに送信する(S136)。
図21の処理説明にある本実施例における予告態様2乱数と予告態様フラグについて図27を用いて説明する。(1)の図表は予告態様2判定用テーブルの内容を示すものであり、図21のS130で抽出する予告態様2判定用乱数(0、1、2、3、4)と、それに対応した予告態様フラグの値(1、2、3、4、5)の設定を表している。(2)は予告態様テーブルの内容であり、予告フラグの値(1、2、3、4、5)と、それに対応した4段階(レベル1からレベル4)の期待度報知内容(保留記憶表示の態様)の設定を表している。
予告態様2判定用乱数の値が「0」の場合、予告態様フラグの値には「1」がセットされ、その値に対応した4段階の期待度報知として保留予告態様の表示以降の保留記憶表示には、主制御装置50からの保留球数指示信号の受信に合わせて1回目「あ」2回目「た」3回目「っ」4回目「て」が表示される。同様に予告態様2判定用乱数の値が「1」の場合、予告態様フラグの値には「2」がセットされ、4段階の期待度報知として「あ」「た」「れ」「よ」が表示される。同様に予告態様2判定用乱数の値が「2」の場合、予告態様フラグの値には「3」がセットされ、4段階の期待度報知として「あ」「た」「る」「の?」が表示される。同様に予告態様2判定用乱数の値が「3」の場合、予告態様フラグの値には「4」がセットされ、4段階の期待度報知として「あ」「た」「る」「かも」が表示される。
予告態様2判定用乱数の値が「4」の場合、予告態様フラグの値には「5」がセットされ、4段階の期待度報知として「あ」「た」「っ」「た!」が表示されるが、これは4段階目の「た!」が表示された時点で変動中の図柄が大当りとなることを報知する報知内容であり、この報知を実施する場合は必ず大当りとなることが条件となるため、図21で説明したS131とS132の判定処理が行われる。
次に図22に示す処理を説明する。図20のS125が肯定判定なら(S125:YES)、図19のS21で保留球数カウンタに1を加えた値に該当する表示位置に、図21の処理でセットした予告態様フラグの値に対応した2段階目(レベル2)の保留記憶態様の表示を指示する信号を、演出図柄制御装置54aに送信する(S140)。この処理は保留予告態様を表示後に2個目となる保留球数指示信号を主制御装置50から受信した時に行われ、該保留球数指示信号に対応した保留記憶表示を2段階目(レベル2)の期待度報知態様として表示する指示を行う処理である。2段階目(レベル2)の期待度報知態様は、1段階目の処理時にセットされた予告態様フラグの値を用いて図27(2)図表の設定に合わせて選択される。
次に図23に示す処理を説明する。図20のS124が肯定判定なら(S124:YES)、図19のS21で保留球数カウンタに1を加えた値に該当する表示位置に、図21の処理でセットした予告態様フラグの値に対応した3段階目(レベル3)の保留記憶態様の表示を指示する信号を、演出図柄制御装置54aに送信する(S141)。この処理は保留予告態様を表示後に3個目となる保留球数指示信号を主制御装置50から受信した時に行われ、該保留球数指示信号に対応した保留記憶表示を3段階目(レベル3)の期待度報知態様として表示する指示を行う処理である。3段階目(レベル3)の期待度報知態様は、1段階目の処理時にセットされた予告態様フラグの値を用いて図27(2)図表の設定に合わせて選択される。
次に図24に示す処理を説明する。図20のS123が肯定判定なら(S123:YES)、図19のS21で保留球数カウンタに1を加えた値に該当する表示位置(保留記憶表示4の位置)に、図21の処理でセットした予告態様フラグの値に対応した4段階目(レベル4)の保留記憶態様の表示を指示する信号を、演出図柄制御装置54aに送信する(S142)。この処理は保留予告態様を表示後に4個目となる保留球数指示信号を主制御装置50から受信した時(保留予告態様を示した記憶分の図柄変動を実施中)に行われ、該保留球数指示信号に対応した保留記憶表示を4段階目(レベル4)の期待度報知態様として表示する指示を行う処理である。4段階目(レベル4)の期待度報知態様は、1段階目の処理時にセットされた予告態様フラグの値を用いて図27(2)図表の設定に合わせて選択される。
次に、図19から図26の処理を行った場合の期待度報知(保留記憶表示態様)の表示例を図28を用いて説明する。図28に示す内容は、演出図柄表示装置54bの保留記憶表示領域を表すものであり、保留予告態様の表示が保留記憶表示4の位置に表示されてから、保留記憶の消化(記憶分の図柄変動の実施)と始動口31(又は普通電動役物40)への遊技球の新たな入球(主制御装置50からの保留球数指示信号受信)による保留記憶表示を順じ行う場合の表示例である。またこの表示例は、予告態様フラグの値に4がセットされた場合のものである。
図28(1)は、○で表す保留予告態様が保留記憶表示4の位置に表示された状態を示し、(2)は(1)から保留記憶分の新たな変動表示が開始され、それに伴い残りの保留記憶(表示)が全体に左へシフトし、更に始動口31(又は普通電動役物40)に新たな入球があった場合(新たな保留球数指示信号を受信した場合)の表示態様である。
(2)の表示内容は、保留記憶表示1、2の位置には通常の保留記憶態様が表示され、保留記憶表示3の位置に保留予告態様が表示され、保留記憶表示4の位置に該保留予告態様の大当りとなる期待度を4段階で期待度報知する1段階目(レベル1)の報知態様として「あ」が表示されたものである。この段階での遊技者は、「あ」自体から期待度を読み取ることはできないため、次にどういった文字が保留記憶として表示されるのか興味を持ち、積極的に始動口31(又は普通電動役物40)への入球を試みることになる。
(3)は(2)から保留記憶分の新たな変動表示が開始され、それに伴い残りの保留記憶(表示)が全体に左へシフトし、更に始動口31(又は普通電動役物40)に新たな入球があった場合(新たな保留球数指示信号を受信した場合)の表示態様である。
(3)の表示内容は、保留記憶表示1の位置には通常の保留記憶態様が表示され、保留記憶表示2の位置に保留予告態様が表示され、保留記憶表示3の位置に1段階目(レベル1)の期待度報知「あ」が表示され、保留記憶表示4の位置に2段階目(レベル2)の期待度報知として「た」が表示されたものである。この段階でも「あ」「た」の表示から期待度を読み取ることはできないため、次にどういった文字が保留記憶として表示されるのか興味を持ち、積極的に始動口31(又は普通電動役物40)への入球を試み発射操作を継続することになる。
(4)は(3)から保留記憶分の新たな変動表示が開始され、それに伴い残りの保留記憶(表示)が全体に左へシフトし、更に始動口31(又は普通電動役物40)に新たな入球があった場合(新たな保留球数指示信号を受信した場合)の表示態様である。
(4)の表示内容は、保留記憶表示1の位置に保留予告態様が表示され、保留記憶表示2の位置に1段階目(レベル1)の期待度報知「あ」が表示され、保留記憶表示3の位置に2段階目(レベル2)の期待度報知「た」が表示され、保留記憶表示4の位置に3段階目(レベル3)の期待度報知として「る」が表示されたものである。「あ」「た」「る」という文字の組合せが表示された時点で、遊技者は大当りを期待することになるが、次にどのような態様が表示されるかによって成立する言葉の意味が異なるため、興味を持って積極的に始動口31(又は普通電動役物40)への入球を試み発射操作を継続することになる。
(5)は(4)から保留予告態様を示した記憶分の新たな変動表示が開始され、それに伴い残りの保留記憶(表示)が全体に左へシフトし、更に始動口31(又は普通電動役物40)に新たな入球があった場合(新たな保留球数指示信号を受信した場合)の表示態様である。
(5)の表示内容は、保留記憶表示1の位置に1段階目(レベル1)の期待度報知「あ」が表示され、保留記憶表示2の位置に2段階目(レベル2)の期待度報知「た」が表示され、保留記憶表示3の位置に3段階目(レベル3)の期待度報知として「る」が表示され、保留記憶表示4の位置に4段階目(レベル4)の期待度報知として「かも」が表示されたものである。「あ」「た」「る」「かも」という文字の組合せが表示された時点で、4段階の報知は完了し遊技者は文字通りの意味で大当りの期待度を認識することになる。
以上が実施例3の内容となる。即ち、本実施例における演出制御装置は、保留予告態様の表示開始から該保留予告態様を示す保留記憶の開始条件成立による可変表示の終了までに保留球数指示信号を受信すると、該保留球数指示信号の受信に応じた保留記憶表示の態様を、保留予告期待度態様として表示する保留予告期待度態様表示手段を含み、該保留予告期待度態様表示手段は、保留予告態様に係る導出結果の期待度を保留球数指示信号を受信する毎に該期待度を表す内容を段階的に報知し、該保留球数指示信号を所定回数受信したときに報知を完了する構成である。
本実施例は実施例1、2とは異なり、保留予告表示の態様を変化させる構成ではなく、該保留予告表示に係る期待度を新たに表示する保留記憶表示の態様によって報知する構成であり、この構成でも実施例1、2と同様に、遊技者に発射操作を継続させる効果を備え、更に保留予告態様を示した記憶分の変動が開始後に4段階目の期待度報知を実施するため、実施例1、2よりも長時間遊技者に発射操作の意欲を継続させる構成といえる。また、期待度報知が4段階で徐々に明らかになっていく様子は、遊技者が所謂ステップアップ式の予告として捉えることが可能であり、従来の遊技機にはない興趣を付加している。
実施例1、2、3で示した期待度報知の表示態様はこれに限るものではなく、表示態様の変化に加え効果音及び可動役物の動作を組合せることによって更に好適な状態となる。また、実施例1と実施例3又は実施例2と実施例3を組み合わせた構成も可能であり、その結果、長時間の期待度を持続させる保留予告演出に対して、保留予告態様が示す保留記憶分の変動結果が表示されるまで遊技者の発射操作を意欲的に継続させる効果を発揮する構成となる。