以下、本発明の第1の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠(遊技枠)3及びガラス枠(前枠)12によって構成される。
前面枠3には、遊技領域10aを有する遊技盤10(図2参照)が、裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)12aを備えたガラス枠12が取り付けられる。前面枠3及びガラス枠12は、それぞれ個別に開放することが可能であり、例えば、ガラス枠12のみを開放して遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠3をガラス枠12が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤10の裏側に配置された遊技制御装置(遊技制御手段)100(図3参照)などにアクセスすることができる。
ガラス枠12のカバーガラス12aの周囲には、装飾光を発光する装飾部材18が備えられている。装飾部材18の内部にはランプやLED等によって構成された枠装飾装置43(図4参照)が備えられている。枠装飾装置43を所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材18が所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠12の上方中央部には、照明ユニット11が備えられる。照明ユニット11の内部には、LEDやランプなどの発光部材が備えられる。
照明ユニット11の左側には第1可動式照明13が、右側には第2可動式照明14が備えられる。第1可動式照明13及び第2可動式照明14は、上スピーカ19aの上方に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動モータ(枠演出装置45)がそれぞれ備えられており、演出内容に応じて動作(例えば、回転)するように制御される。
また、遊技機1には、音響(効果音、警報音、報知音等)を発するスピーカ19が備えられる。スピーカ19には、上スピーカ19a及び下スピーカ19bが含まれる。上スピーカ19aはガラス枠12の上方に配置され、下スピーカ19bは後述する上皿21の下方に配置される。
第1可動式照明13の右側には、遊技機1において異常が発生したことなどを報知するための遊技状態LED29が備えられている。遊技機1において異常が発生した場合には、さらに、スピーカ19から異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施などが含まれる。不正行為は、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や、遊技機1を振動させて入賞を狙う行為などである。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ(SW)61(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ(SW)62(図3参照)によって振動を検出したりすることによって検知される。また、不正に開閉枠を開放する行為も不正行為に含まれる。このとき、枠開放センサスイッチ(前面枠開放検出スイッチ63、ガラス枠開放検出スイッチ64、図3参照)によって前面枠3やガラス枠12の開閉枠が開放されたことが検出され、営業時間中であればスピーカ19より報知音が報知される。以上のような不正行為が検出されると、遊技状態LED29やスピーカ19などによって異常が報知されるようになっている。
ガラス枠12のカバーガラス12aの下方には、上皿21などを含む上皿ユニットが備えられる。上皿21は、図示しない打球発射装置に遊技球(遊技媒体)を供給する。上皿ユニットには、演出ボタン25を備えた上皿カバーユニット20が含まれている。
さらに、ガラス枠12の下方位置であって前面枠3に固定される固定パネル22には、下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)に発射する。
下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3の下部右側には、ガラス枠12を施錠するための鍵26が備えられている。
また、上皿ユニットのうち上皿21の手前側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン(操作手段)25が備えられている。遊技者は、演出ボタン25を操作することによって、表示装置(変動表示装置)41(図2参照)における変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことが可能となる。例えば、演出内容を選択させることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には、特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、変動表示ゲームが実行されていない客待ち中又は通常状態に遊技者が演出ボタン25を操作することによっても演出パターンを変更可能である。なお、通常状態(通常遊技状態)とは、例えば、確変状態、時短状態(特定遊技状態)もしくは、大当り状態(特別遊技状態)が発生していない遊技状態である。
また、変動表示ゲームが開始された後、演出ボタン25の操作を促進するための操作促進演出が実行され、操作促進演出が実行されている間に演出ボタン25を操作することによって、始動記憶(保留記憶)に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出などを実行することができる。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン27、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン28が設けられている。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤10の正面図である。
遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール32で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール32の外側には、前面構成部材(サイドケース)33が取り付けられている。そして、このガイドレール32で囲まれた遊技領域10a内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域10aには、多数の障害釘(図示略)が配設されており、発射された遊技球は障害釘などにより転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。
遊技領域10aの略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース46が取り付けられている。センターケース46に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置41が配置されている。表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース46の窓部を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示装置41において画像を表示可能な表示画面(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクターが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
遊技領域10aのセンターケース46の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
さらに、センターケース46の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース46の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。また、一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ(SW)35a〜35n(図3参照)によって検出される。
また、センターケース46の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域)36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の開閉部材37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域)37が配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口36又は第2始動入賞口37に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口37の一対の開閉部材37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口37の上方には、第1始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるように構成されている。
第2始動入賞口37の開閉部材37bの動作態様(普電サポート)には、入賞非容易状態(普電サポートなし)と入賞容易状態(普電サポートあり、時短状態)とが含まれる。
入賞非容易状態は、第2始動入賞口37の開閉部材37bが開放状態になりにくく、第2始動入賞口37に遊技球が入賞しにくい状態である。一方、入賞容易状態は、入賞非容易状態と比較して第2始動入賞口37の開閉部材37bが開放状態になりやすい状態である。例えば、入賞非容易状態では、普図変動表示ゲームの当選確率が1/251、開放時間が0.1秒であり、入賞容易状態では、普図変動表示ゲームの当選確率が250/251、開放時間が1.7秒、さらに開放回数が3回とする。
さらに、第2始動入賞口37の下方の遊技領域10aには、大入賞口ソレノイド38b(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉を有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置38が設けられている。特別変動入賞装置38は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。
一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、及び特別変動入賞装置38の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置200(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠3の上皿21又は下皿23に排出するように制御する。また、特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の右下部)には、表示装置41における特図変動表示ゲーム、及び、普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部が設けられている。
なお、特図変動表示ゲームには、第1始動入賞口36に遊技球が入賞した場合に実行される特図1変動表示ゲーム(第1変動表示ゲーム)と、第2始動入賞口37に遊技球が入賞した場合に実行される特図2変動表示ゲーム(第2変動表示ゲーム)とが含まれる。
ここで、一括表示装置50について説明する。一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間毎に切り替える変動表示を行う。特図1表示器51又は特図2表示器52において特図変動表示ゲームが行われている間、それに対応して表示装置41においても飾り特図変動表示ゲームが行われる。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームを終了する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えば、ランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口37の始動記憶数(保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(保留数)を表示する。例えば、保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器60は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器58は、例えば、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が通常確率(低確率)状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が確率変動(高確率)状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
ここで、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域10aの最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠3の上皿21又は下皿23に排出される。
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口37が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の普図保留表示器56に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば、数字、記号、キャラクター図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口37の一対の開閉部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口37に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、開閉部材37bが所定の時間だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口37への遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口36への入賞球及び第2始動入賞口37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36a(図3参照)と始動口2スイッチ37a(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口36に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口37に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース46の表示装置41においても表示される。
遊技制御装置100は、第1始動入賞口36又は第2始動入賞口37への入賞、もしくはそれらの始動記憶(第1始動記憶、第2始動記憶)に基づいて、特図表示器(変動表示装置、特図1表示器51又は特図2表示器52)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、変動している図柄を所定時間後に順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクターの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口36又は第2始動入賞口37への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の大当り乱数の値が当り値であるとき)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、特別変動入賞装置38は、大入賞口ソレノイド38b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置38に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、表示装置41における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、特図2変動表示ゲームが実行される。
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口36(第2始動入賞口37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口36(第2始動入賞口37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了もしくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠3に前枠開放検出スイッチ63やガラス枠12に設けられたガラス枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置100の構成を示すブロック図である。
遊技機1は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAM111cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
図3では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤10及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、電源装置400もしくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM111cに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置100は、停電復旧後、RAM111cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部420は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)111a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンリメモリ、不揮発性記憶手段)111b及びデータを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)111cを備える。
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶し、RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROM(登録商標)のような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数(振り分け乱数)をCPU111aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるハズレ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)3リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。
ここで、ROM111bは、特図変動表示ゲームにおける実行時間の設定に係る変動振り分け情報を複数記憶した変動振り分け情報記憶手段を構成している。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め設定された特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置41における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、SP1リーチ、SP2リーチ、SP3リーチ、SP4リーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<SP1リーチ<SP2リーチ<SP3リーチ<SP4リーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置(演出制御手段)300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの普図当り乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。さらに、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理や特図普段処理にて、ROM111bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口37の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート123に入力される。
近接I/F121に入力された信号の出力はすべて入力ポート122に供給され、データバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに遊技用マイコン111に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を遊技用マイコン111に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び近接I/F121により変換された第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する入力ポート122が設けられている。入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル(CE)信号1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機1の前面枠3に設けられた前枠開放検出スイッチ63及びガラス枠12に設けられたガラス枠開放検出スイッチ64からの信号、及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに中継基板70に直接出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、中継基板70を介してリセット信号RSTを試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各入力ポート(122、123)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各入力ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132と、を備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号もしくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル(CE)信号も供給され、該CE信号により選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開閉させるソレノイド(大入賞口ソレノイド38b)や第2始動入賞口37の開閉部材37bを開閉させるソレノイド(普電ソレノイド37c)の開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末(図示省略)や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第1ドライバ(駆動回路)138a、第2ドライバ138b、第3ドライバ138c、及び第4ドライバ138dが設けられている。第1ドライバ138aは、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ138bは、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ138cは、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ138dは、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置300の構成を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップからなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で専ら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該映像制御用マイコン312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などの出力を制御する音源LSI314と、を備えている。
主制御用マイコン311と映像制御用マイコン312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクター画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容の指示、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン311と映像制御用マイコン312の作業領域を提供するRAM(311a、312a)は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311と映像制御用マイコン312との間、主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、映像制御用マイコン312との間、主制御用マイコン311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクターなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠3や遊技盤10に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン312には、主制御用マイコン311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン311とは別に映像制御用マイコン312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、外部からの検出信号を主制御用マイコン311に受け渡すSW入力回路336、前面枠3に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠3に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。SW入力回路336の入力側は、演出ボタン25が操作されたときに検出信号を発する第1操作手段SW25a、及び盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータSW10hと接続されている。
また、演出制御装置300には、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置38を制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠3に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置43を制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠3に設けられている枠演出装置(例えば前述した第1可動式照明13、第2可動式照明14を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路(332、333、334、335)は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカ19を駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準として電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。さらに、主制御用マイコン311や映像制御用マイコン312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(332〜335)、スピーカ19を駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、制御信号生成部430は、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
以上が、本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。次に、これらの制御回路によって行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100のCPU111aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aを通過した遊技球の検出信号の入力に基づき、普図当り乱数を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、第2始動入賞口37の開閉部材37bを所定時間開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、CPU111aは、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100のCPU111aは、第1始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り乱数を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、遊技制御装置100のCPU111aは、第2始動入賞口37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り乱数を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、上記の特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19(19a、19b)からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置100のCPU111aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉を開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
続いて、遊技制御装置100による制御について具体的に説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半手順を示すフローチャートである。図6は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半手順を示すフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置100は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S501)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する(S502)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S503)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S504)。
次に、遊技制御装置100は、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するまで待機する(S505)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に遊技制御装置100が先に起動してしまい、払出制御装置200の起動が完了する前にコマンドを当該払出制御装置200に送信し、払出制御装置200が送信されたコマンドを取りこぼしてしまうことを回避できる。
続いて、遊技制御装置100は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S506)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S507)。また、遊技用マイコン111に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S508)。本発明の実施の形態では、遊技制御装置100は払出制御装置200及び演出制御装置300とパラレル通信を行うことから、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置100は、電源装置400内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否かを判定する(S509)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置100は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S509の結果が「N」:NO)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S510〜S513)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S510及びS511の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、S512及びS513の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置100は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(S513の結果が「Y」:YES)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S514)。
そして、遊技制御装置100は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(S515)、これらの値が一致するか否かを判定する(S516)。
一方、遊技制御装置100は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S509の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(S511又はS513の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS514の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(S516の結果が「N」)、図6のS539〜S543の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置100は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S516の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図5のS517〜S523)。
遊技制御装置100は、まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(S517)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(S518)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S519)。
次に、遊技制御装置100は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S520)。高確率状態でないと判定された場合には(S520の結果が「N」)、S523以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置100は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S520の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブする(S521)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器)をオン(点灯)に設定してセグメント領域にセーブする(S522)。
さらに、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300に送信する(S523)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置100は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(S539)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(S540)。そして、初期化すべき領域に電源投入時用の初期値をセーブする(S541)。
続いて、遊技制御装置100は、RWMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)を出力する出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする(S542)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置300に送信し(S543)、S524以降の処理を実行する。
遊技制御装置100は、S523又はS543の処理が終了すると、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S524)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU111aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置100は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S525)。具体的には、CPU111aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S526)。その後、遊技制御装置100は、割込みを許可する(S527)。
なお、本実施形態のCPU111a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S528)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、普図当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、普図当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
次に、遊技制御装置100は、電源装置400から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(S529)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。
次に、遊技制御装置100は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S530)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S530の結果が「N」)、S528の初期値乱数更新処理を再び実行し、S528からS530までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(S528)の前に割り込みを許可(S527)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(S528)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S530の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がS529の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(S531)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(S531の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S530)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(S531の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S532〜S538)。
停電発生時の処理では、遊技制御装置100は、割込みを禁止し(S532)、全出力ポートをオフに設定する(S533)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(S534)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(S535)。
さらに、遊技制御装置100は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S536)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブする(S537)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S538)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU111aに入力されることによって開始される。
遊技制御装置100は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S701)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS701の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置100は、入力部120を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S702)。各種センサには、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図ゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
次に、遊技制御装置100は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置300及び払出制御装置200に送信するための出力処理を実行する(S703)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド(SOL)38b、普電ソレノイド(SOL)37cが含まれる。また、出力処理では、遊技機1の各種遊技データを収集する情報収集端末装置(図示略)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置100は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出払出制御装置200、制御装置300等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S704)。
次に、遊技制御装置100は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S705)、特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S706)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、普図当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
次に、遊技制御装置100は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理を実行する(S707)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠3やガラス枠12が不正に開放されていないかなどを対象としている。
次に、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S708)。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S709)。
次に、遊技制御装置100は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S710)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
次に、遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(S711)。異常の発生を検出した場合には、スピーカ19から報知音を出力したり、遊技状態LED29を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置100は、外部情報端子71から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行し(S712)、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S713)。
最後に、遊技制御装置100は、S701の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S714)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S715)、本処理を終了する。本処理の終了後はメイン処理に復帰する。
〔コマンド送信処理〕
次に、上述したタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理について説明する。図8は、本発明の第1の実施の形態のコマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。
コマンド送信処理は、遊技制御装置100が、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンド、を演出制御装置300に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置200に送信する処理である。
遊技制御装置100は、まず、演出制御装置300に対して各種の演出制御コマンドを送信するための演出制御コマンド送信処理を実行する(S801)。
次に、遊技制御装置100は、払出制御装置200に対して賞球の払出指令などの払出コマンドを送信するための払出コマンド送信処理を実行し(S802)、タイマ割込み処理に復帰する。
演出制御装置300へのコマンド送信も払出制御装置200へのコマンド送信もパラレル通信で送信される。払出制御装置200への通信は、不正信号を受け付けない様に暗号化してもよい。
〔演出制御コマンド送信処理〕
次に、上述したコマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態の演出制御コマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、送信コマンドをRWMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RWMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかチェックし(S901)、未送信コマンドの有無を判定する(S902)。ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一である場合には(S902の結果が「N」)、未送信のコマンドがないため、本処理を終了する。
一方、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には(S902の結果が「Y」)、未送信のコマンドがあるため、遊技制御装置100は、リードカウンタを「+1」更新し(S903)、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))から未送信のコマンドをロードする(S904)。
次に、遊技制御装置100は、取得したコマンドが格納されていた領域(MODE(上位バイト))をリセットし(S905)、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(S906)。
最後に、遊技制御装置100は、取得したコマンドが格納されていた領域(ACTION(下位バイト))をリセットし(S907)、演出制御コマンドを演出制御装置300へ送信し(S908)、本処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理の詳細について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理は、遊技制御装置100が、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示設定を行う処理である。
遊技制御装置100は、まず、第1始動入賞口36、第2始動入賞口37に遊技球が入賞すると、各種乱数(大当り乱数など)を抽出し遊技結果を事前に判定する始動口スイッチ監視処理を実行する(S1001)。
次に、遊技制御装置100は、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aによって当該特別変動入賞装置38に入賞した遊技球を検出し、アタッカに入賞した遊技球の数を監視する(S1002)。
次に、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを−1更新した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S1003)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされる。
ここで、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S1004の結果が「N」)、S1020以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S1004の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S1005)。
次に、遊技制御装置100は、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し(S1006)、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させて(S1007)、ゲーム処理番号に応じて分岐処理を実行する(S1009〜S1019)。
ゲーム処理番号が「0」の場合には、遊技制御装置100は、特図普段処理を実行する(S1009)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「1」の場合には、遊技制御装置100は、特図変動中処理を実行する(S1010)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「2」の場合には、遊技制御装置100は、特図表示中処理を実行する(S1011)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口の開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
ゲーム処理番号が「3」の場合には、遊技制御装置100は、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S1012)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「4」の場合には、遊技制御装置100は、大入賞口開放中処理を実行する(S1013)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
ゲーム処理番号が「5」の場合には、遊技制御装置100は、大入賞口残存球処理を実行する(S1014)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉を閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
ゲーム処理番号が「6」の場合には、遊技制御装置100は、大当り終了処理を実行する(S1015)。大当り終了処理は、S1009の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「7」の場合には、遊技制御装置100は、小当りファンファーレ中処理を実行する(S1016)。小当りファンファーレ中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「8」の場合には、遊技制御装置100は、小当り中処理を実行する(S1017)。小当り中処理は、小当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で、最終ラウンドであれば小当り終了画面のコマンドを設定したり、小当り残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
また、小当り中処理は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になった場合に、大当りに比べて短い時間ではあるが、大入賞口の開放時間に基づいて特別変動入賞装置38の開閉扉を開放して遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させるものであるため、遊技制御装置100が特別遊技状態制御手段をなす。
ゲーム処理番号が「9」の場合には、遊技制御装置100は、小当り残存球処理を実行する(S1018)。小当り残存球処理は、小当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
小当り残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ中処理、又は小当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の開放時間が経過した場合に開閉扉を閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を10に設定する。
ゲーム処理番号が「10」の場合には、遊技制御装置100は、小当り終了処理を実行する(S1019)。小当り終了処理は、S1009の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームにおける図柄の変動、具体的には、特図1表示器51における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S1020)。続いて、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(S1021)。
次に、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームにおける図柄の変動、具体的には、特図2表示器52における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S1022)。続いて、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行し(S1023)、本処理を終了する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理は、第1始動入賞口36、第2始動入賞口37に遊技球が入賞すると、遊技制御装置100が各種乱数を抽出し、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する処理である。
遊技制御装置100は、まず、第1始動入賞口36に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S1101)。さらに、第1始動入賞口36(始動口1)に遊技球が入賞したことによって送信される始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する。
次に、遊技制御装置100は、第1始動入賞口36又は第2始動入賞口37に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S1102)。
次に、遊技制御装置100は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口37の開閉部材37b)が作動中であるか否かを判定し(S1103)、普通電動役物が作動中である場合には(S1103の結果が「Y」)、S1106以降の処理を実行する。
一方、普通電動役物が作動中ではない場合には(S1103の結果が「N」)、遊技制御装置100は、第2始動入賞口37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(S1104)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S1105)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口37は、開閉部材が閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生している可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、S1104及びS1105の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
ここで、不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S1105の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、第2始動入賞口37への遊技球の入賞を無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、本処理を終了する。
一方、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S1105の結果が「N」)、遊技制御装置100は、第2始動入賞口37による保留の情報を設定するテーブルを準備する(S1106)。このとき、第2始動入賞口37による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルも準備しておく。
最後に、遊技制御装置100は、後述する特図始動口スイッチ共通処理を実行し(S1107)、本処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理の詳細について説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口36や第2始動入賞口37に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a)から信号が入力されたか否かをチェックする(S1201、S1202)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S1202の結果が「N」)、本処理を終了する。
一方、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S1202の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S1203)。続いて、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S1204)。
次に、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報をロードし(S1205)、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)を+1更新する(S1206)。
次に、遊技制御装置100は、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(S1207)。始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S1207の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S1208)。
次に、遊技制御装置100は、S1208の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数の値がオーバーフローする場合には(S1207の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチに対応する始動記憶数が上限値未満か否かを判定する(S1209、S1210)。
ここで、特図保留数が上限値未満ではない場合には(S1210の結果が「N」)、遊技制御装置100は、S1211〜S1214の処理を実行する。
遊技制御装置100は、始動口信号が始動口1スイッチ36aで検出された入力信号か否かを判定し(S1211、S1212)、始動口信号が始動口1スイッチ36aからの信号ではない場合には(S1212の結果が「N」)、本処理を終了する。
始動口信号が始動口1スイッチ36aからの信号である場合には(S1212の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備して(S1213)、コマンド設定処理を実行し(S1214)、本処理を終了する。
一方、特図保留数が上限値未満の場合には(S1210の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、S1215〜S1224の処理を実行する。
遊技制御装置100は、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)を+1更新する(S1215)。
次に、遊技制御装置100は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S1216)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S1217)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(S1218)。
次に、遊技制御装置100は、更新された特図保留数に対応するRWMの乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S1219)。
次に、遊技制御装置100は、S1204の処理で準備された大当り乱数を乱数セーブ領域(特図1始動記憶領域、特図2始動記憶領域)にセーブする(S1220)。大当り乱数は、特図1か特図2かによらずに共通に生成される乱数である。さらに、対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を準備(大当り図柄乱数を抽出)し、乱数セーブ領域にセーブする(S1221、S1222)。
大当り乱数は、例えば、65535を上限値として、0〜65535までの65536の値を循環する乱数である。高確率用の判定値を用いる場合には、そのうち、例えば、値が0から32767が「はずれ」と判定される値であり、32768から32976までの208個の値が「通常確率(低確率)時においても確率変動(高確率)時においても大当り」と判定される値である。また、32977から34768までの1792個の値が「高確率時においてのみ大当り」と判定される値であり、36561から36864までの値が「小当り」と判定される値である(いずれも図18参照)。
このように、大当り乱数は、低確率時においても高確率時においても大当りと判定される値を持ち、また、高確率時においてのみ大当りと判定される値を持つ。
大当り図柄乱数(大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2)は、例えば、0から99までの100の値を循環する乱数であり、識別情報の停止態様、特別遊技状態における大入賞口の開放時間、ラウンド数及び特別遊技状態終了後に付与される時短回数、確率変動状態の決定に関する乱数である。つまり、特別遊技状態の種類を決定するための種類決定乱数としての機能も有し、大当り乱数と同様に入賞時に取得される乱数である。
次に、遊技制御装置100は、対応する変動パターン乱数を抽出し、抽出した値を乱数セーブ領域にセーブする(S1223)。変動パターン乱数は、各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む変動パターンを決定するための乱数である。
ここで、変動パターン乱数は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
最後に、遊技制御装置100は、特図保留情報判定処理を実行し(S1224)、本処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述した特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理の詳細について説明する。図13は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各保留記憶(始動記憶)に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該保留記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置100は、まず、先読み演出(先読み予告)を実行するか否かの対象となる保留記憶が先読み演出を実行してよい条件を満たしているか否かをチェックする(S1301、S1302)。例えば、特別遊技状態では、特図1及び特図2の先読み演出を実行しない。また、例えば、特図2の変動表示ゲームを特図1の変動表示ゲームよりも優先して実行する遊技機では、特定遊技状態(時短遊技状態)において、特図1の保留記憶の先読み演出を実行しない。そして、先読み演出を実行してよい条件を満たしていない場合には(S1302の結果が「N」)、以降の先読み処理を行わずに本処理を終了する。
対象となる保留記憶が先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合には(S1302の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、保留記憶が大当り、小当り、はずれのいずれであるかを判定する事前判定処理を実行する(S1303)。事前判定処理は、特図始動記憶領域に記憶する大当り乱数の値が、はずれ、低確率時・高確率時共通の大当り(共通大当り)、高確率時のみの大当り(特定大当り)、小当り、の各判定値としてそれぞれ設定されている所定の範囲の数値であるかを判定することによって、先読み予告の対象となる保留記憶の抽選結果を事前に判定する処理である。
例えば、大当り判定値として「1」を低確率時の判定値、「1〜10」を高確率時の判定値とした場合、大当り乱数値が1であれば低確率時・高確率時共に大当りとなる共通大当り、大当り乱数値が2〜9であれば高確率時の場合のみ大当りとなる特定大当りと判定される。
S1304〜S1310では、事前判定処理の判定結果に基づいて、対応する情報テーブルを設定する。具体的には、遊技制御装置100は、まず、事前判定処理の判定結果が高確率時のみの特定大当りであるか否かを判定する(S1304)。判定結果が特定大当りである場合には(S1304の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして設定する(S1306)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当りか否かの振分率を表す乱数の判定値や当該判定値に対応する大当り情報テーブルのアドレスが定義されている。続けて、当該大当り図柄乱数に対応する大当り情報テーブルを取得して設定する(S1307)。大当り情報テーブルには、図柄情報や始動口入賞演出図柄コマンドが定義されている。
一方、判定結果が高確率時のみの特定大当りではない場合には(S1304の結果が「N」)、次に、遊技制御装置100は、事前判定処理の判定結果が低確率時・高確率時共通の共通大当りであるか否かを判定する(S1305)。判定結果が共通大当りである場合には(S1305の結果が「Y」)、S1306以降の処理を実行する。
判定結果が共通大当りではない場合には(S1305の結果が「N」)、次に、遊技制御装置100は、事前判定処理の判定結果が小当りであるか否かを判定する(S1308)。判定結果が小当りである場合には(S1308の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチに対応する小当り情報テーブルを設定する(S1309)。一方、判定結果が小当りではない場合には(S1308の結果が「N」)、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定する(S1310)。
このように保留中の保留記憶に基づく変動表示ゲームの結果に応じて演出内容が設定されるので、遊技制御装置100は、変動表示ゲームの結果に対応するテーブルを設定する(S1304〜S1310)。
次に、遊技制御装置100は、設定した情報テーブルから図柄情報を取得し、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1311)。続いて、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(S1312)。
次に、遊技制御装置100は、対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備し(S1313)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備する(S1314)。
次に、遊技制御装置100は、対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行し(S1315)、特図変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1316)。
変動パターン設定処理(S1316)は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターン(変動パターン番号)を選択する処理である。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)及び始動口入賞演出コマンド(ACTION)を準備し(S1317)、準備したコマンドの設定処理を実行する(S1318)。
次に、遊技制御装置100は、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして(S1319)、コマンド設定処理を実行する(S1320)。
次に、遊技制御装置100は、一定の条件下において先読み演出実行コマンドを設定する事前報知設定処理を実行する(S1321)。事前報知設定処理は、事前判定処理の判定結果が特定大当りである場合であって、当該判定対象の保留記憶よりも先に確率状態を低確率に設定する通常大当りがある場合(当該判定対象の保留記憶を記憶する特図1/特図2始動記憶領域よりも前の特図1/特図2始動記憶領域に通常大当りがある場合)には、先読み演出を実行しない。その後、本処理を終了する。
本処理中、変動パターン設定処理(S1316)後の処理では、取得した変動パターン番号に基づいて始動口入賞演出コマンドを準備し(S1317)、さらに、始動口入賞演出図柄コマンドを準備する(S1319)。そのため、保留記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して通知することが可能になっている。演出制御装置300は、表示装置41に表示されている保留表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する先読み演出を行う。
〔事前判定処理〕
次に、前述した特図保留情報判定処理における事前判定処理の詳細について説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態の大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技球の入賞による抽選結果には、はずれ、小当り、大当りの3種類があるが、大当りには低確率時・高確率時共通に設定される大当り判定値(通常時判定値)による大当り(共通大当り)と、高確率時にのみ設定される大当り判定値(高確率時判定値)による大当り(特定大当り)と、があり、特定大当りに対応する乱数値では、確率状態が低確率時の場合には大当りに当選しない。このように、導出される判定結果が確率状態ごとに異なる場合があるので、事前判定に基づいて行なわれる予告演出と実際の変動内容とに矛盾を生じさせないためには、同じ大当りであっても共通大当りであるか、特定大当りであるかを事前判定において区別する必要がある。かかる判定は、0から65535の値を循環する大当り乱数の値がどの範囲の値であるかを判定することによって行う。事前判定処理は、先読み演出の対象となる保留記憶について、はずれ、低確率時・高確率時共通の大当り(共通大当り)、高確率時のみの大当り(特定大当り)、特図1の小当り、を一連で判定する処理である。特に、判定テーブルから取得するフラグデータにマスク処理を行うため、共通大当りに限定した判定や特図1の入賞に限定した小当り判定が可能である。
遊技制御装置100は、まず、図18で説明する事前判定テーブルを準備する(S1401)。次に、圧縮振分コードに基づいて事前判定結果のフラグデータを取得する圧縮値振分処理を実行する(S1402)。圧縮値振分処理は、事前判定テーブルを用いる振り分け処理でも変動パターン選択テーブルを用いる振り分け処理でも同一のモジュールを使用するため、本発明では、ROM容量の増加を抑制する効果を有する。
次に、遊技制御装置100は、圧縮値振分処理で取得したフラグデータをチェックし(S1403)、状態フラグと変動フラグとによりマスクデータを算出する(S1404)。状態フラグは、現在の遊技機1の遊技状態に合わせて設定されるフラグである。変動フラグには、特図1変動フラグ、特図2変動フラグがあり、特図1の入賞に基づいて実行される変動表示ゲームであるか、特図2の入賞に基づいて実行される変動表示ゲームであるかを判別するために用いられる。マスクデータは、マスクデータテーブル(図19参照)に1バイト(8ビット)のビットデータとして設定されている。
次に、遊技制御装置100は、算出したマスクデータを用いてフラグデータにマスク処理を実行する(S1405)。
次に、遊技制御装置100は、マスク処理によって得られたマスク結果(図20参照)
から遊技結果を判定する(S1406)。その後、本処理を終了する。
このように、事前判定処理では、はずれ、低確率時・高確率時共通の大当り、高確率時のみの大当り、小当り、の判定を同一モジュール内で実行するため、プログラムの容量が削減され、RAM容量を削減する効果を有する。
〔圧縮値振分処理〕
次に、上述した事前判定処理における圧縮値振分処理の詳細について説明する。図15は、本発明の第1の実施の形態の圧縮値振分処理の手順を示すフローチャートである。
圧縮値振分処理は、1バイトに圧縮された圧縮振分コード(第1判定値)から振分値を算出し、算出された振分値(第2判定値)及び取得した大当り乱数に基づいて、事前判定テーブル(図18参照)よりフラグデータを取得する処理である。
本処理は、後述する変動パターン設定処理(図28参照)においても実行されるモジュールであり、変動パターン設定処理内において実行される場合には、算出された振分値及び取得した変動パターン乱数に基づいて、対象となる当り/はずれの変動パターン選択テーブル(図30参照)より変動パターン番号を取得する処理となる。
フラグデータの取得にあたって、従来は、圧縮されていない2バイトの振分値を事前判定テーブルより読み込み、大当り乱数の値(選択値)がマイナスになるまで、選択値から順に振分値を減算し、選択値がマイナスになる場合の振分値に対応付けられたフラグデータを事前判定テーブルより取得していた。
これに対し、本発明の第1の実施の形態では、2バイトの振分値の代わりに1バイトに圧縮された圧縮振分コードfを所定の変換式にて変換し、振分値Fとして利用する。
大当り乱数は、上述のとおり、例えば、65535を上限値として、0から65535までの値を循環する乱数である。これに対し振分値は、大当り乱数にフラグデータがそれぞれ振り分けられる(割り振られる)乱数値の幅を表す数値であり、大当り乱数の値の区切り値としての役割を有する。
図18を参照して説明すると、1段目の「はずれ」には、値が0〜32768の32768個の大当り乱数が振り分けられており、振分値は「32768」である。取得した大当り乱数が、はずれ、共通大当り、特定大当り、小当り、のいずれの判定結果に該当するかは、大当り乱数の値から1段目の「はずれ」の振分値「32768」、2段目の「共通大当り」の振分値「208」、と順次減算処理して求める。減算処理の結果、大当り乱数の値がマイナスになるところが大当り乱数に振り分けられた(大当り乱数の属する)判定結果である。このように、遊技制御装置100は、大当り乱数の値から1段目の「はずれ」の振分値、「共通大当り」の振分値、と順次減算することで、値がマイナスになる振分値に対応付けられたフラグデータを取得する。
本処理では、かかる処理を実行して、入賞時に取得した大当り乱数からフラグデータを取得する。
遊技制御装置100は、まず、選択したテーブル(事前判定処理内では事前判定テーブル、変動パターン設定処理内では当り/はずれ変動パターン選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(例えば、「0」)であるか否かをチェックし、判定する(S1501、S1502)。例えば、変動パターン乱数を判定する場合であって、はずれ変動においてリーチなしの場合には、振り分けの必要がないため、振り分けなしのコードが先頭に定義されている。選択したテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合には(S1502の結果が「Y」)、振り分けなしに該当するフラグデータ(変動パターン乱数の判定にあっては変動パターン番号)を取得し(S1509)、本処理を終了する。
一方、選択したテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードではない場合には(S1502の結果が「N」)、遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値を一時記憶領域にロードし、選択値Sとしてセットする(S1503)。
次に、遊技制御装置100は、選択したテーブルの1段目(最上段)の圧縮振分コード(振分値f)を取得して準備する(S1504)。例えば、事前判定テーブルを用いる場合には、図18の1行目の圧縮振分コード「11001000」を取得して準備する。なお、本願において、振分値(圧縮振分コード)fの書き込まれた行と、フラグデータの書き込まれた次の行との2行分を合わせて「1段」と呼ぶ。
次に、遊技制御装置100は、圧縮振分コードfに基づいて振分値Fを算出する圧縮振分コード変換処理を実行する(S1505)。圧縮振分コード変換処理の詳細は図16において説明するが、8ビットのバイナリデータから所定の変換式に上位2ビットと下位6ビットの数値を代入して振分値Fを算出する。具体的には、圧縮振分コード「11001000」からは、振分値「32768」を得ることができる。
次に、遊技制御装置100は、選択値SからS1505で算出した振分値Fを減算し(S1506)、減算後の選択値sがマイナスになるか否かを判定する(S1507)。ここでは、選択値sがマイナスになる振分値Fと対応付けられたフラグデータを取得するので、選択値Sの取り得る最大値よりも各振り分けの振分値を合計した値のほうが大きくなるように設定されていれば、選択値と選択したテーブルの最下段の行の振分値とが一致しなくてもよい。
減算後の選択値sがマイナスになる場合には(S1507結果が「Y」)、大当り乱数に振り分けられた判定結果が特定されたため、遊技制御装置100は、振り分け結果により得られたフラグデータを取得し(S1509)、本処理を終了する。
一方、減算後の選択値sがマイナスにはならない場合には(S1507結果が「N」)、遊技制御装置100は、事前判定テーブルの次の行の圧縮振分コードを取得し(S1508)、選択値がマイナスになるまでS1505〜S1508の処理を繰り返し実行する。ここで、選択値sは、繰り返し実行される処理(S1506)では選択値Sとして使用され、前回の減算結果から引き続いて次の振分値を減算する。
〔圧縮振分コード変換処理〕
次に、前述した圧縮値振分処理における圧縮振分コード変換処理の詳細について説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態の圧縮振分コード変換処理の手順を示すフローチャートである。圧縮振分コード変換処理は、遊技制御装置が備える判定値変換手段において実行される。
圧縮振分コード変換処理は、8ビットに圧縮して判定値記憶手段に記憶されている圧縮振分コードのうち、上位2ビットをn、下位6ビットをaとし、所定の変換式「F=bn×a」に各値を代入して振分値「F」を算出する処理である。なお、bは、任意の正の値をとり、必ずしも整数である必要はないが、好適な値として4の倍数が挙げられる。なお、本実施形態においては、事前判定テーブルに保持する圧縮振分コードの変換には、b=16が設定され、当り/はずれ変動パターン選択テーブルに保持する圧縮振分コードの変換には、b=4が設定される。
遊技制御装置100は、まず、S1504又はS1508で取得した圧縮振分コードの上位2ビットをチェックし(S1601)、上位2ビットによる値をnにセットする(S1602)。
次に、遊技制御装置100は、圧縮振分コードの下位6ビットをチェックし(S1603)、下位6ビットによる値をaにセットする(S1604)。
次に、遊技制御装置100は、変換式「F=bn×a」を計算する(S1605)。具体的には、圧縮振分コードを上述の「11001000」とすると、nは上位2ビットの値「11」、つまり10進数での「3」を、aは下位6ビットの値「001000」、つまり10進数での「8」をとる。n及びaの値を変換式に代入すると、「F=163×8」であり、Fは「32768」が算出される。
最後に、遊技制御装置100は、得られた値「F」を振分値にセットし(S1606)、本処理を終了する。
〔圧縮振分コード及び変換式〕
図17は、本発明の第1の実施の形態の圧縮振分コードの構成を説明する図である。圧縮振分コードは、前述のように、上位nビットに対応する第1ビット、及び、下位aビットに対応する第2ビットで構成されている。本実施形態では、圧縮振分コードfは8ビットとなっており、さらに、第1ビット(n)は上位2ビット、第2ビット(a)は下位6ビットとなっている。
第1ビット(n)は、2ビットで構成されるためビットデータとして00〜11、つまり10進数での0〜3の値が設定される。同様に、第2ビット(a)は、6ビットで構成されるためビットデータとして000000〜111111、つまり10進数での0〜63の値が設定される。しかし、aの値が0の場合には変換式の結果がnの値にかかわらず0になってしまうため、ここでは10進数での1〜63の値を設定することとする。
したがって、b=16の変換式(F=bn×a)において、Fの範囲は、1(=160×1)〜258048(=163×63)となる。変換式及び振分値「F」についての詳細な説明は、図33で後述する。
〔事前判定テーブル〕
次に、事前判定テーブルの詳細について説明する。図18は、本発明の第1の実施の形態の事前判定テーブルを説明する図である。
事前判定テーブルは、はずれ、低確率時・高確率時ともに大当りと判定される共通大当り、高確率時のみ大当りと判定される特定大当り、小当りの判定結果に対応するフラグデータ及び振分値を定義するテーブルである。振分値は、0〜65535の値を循環する変動パターン乱数の区切りを示す値であるため、各振分値と各変動パターン番号とは、1対1の関係で1行毎に定義される。
振分値fは圧縮振分コードとして1バイトで表現され、図18では、説明のため「;(セミコロン)」右側に、計算された振分値Fを示している。なお、1列目の「DB(Define Byte)」は、1バイトの定数が定義されていることを示す。テーブル中の「;(セミコロン)」の右側に記された変換式の計算と判定結果は、プログラムリストのコメントに相当する部分なので、実際には遊技制御装置100が読み込まないようにするか、テーブルに書き込まないようにする。
〔マスクデータテーブル〕
次に、マスクデータテーブルの詳細について説明する。図19は、本発明の第1の実施の形態のマスクデータテーブルを説明する図である。また、図20は、本発明の第1の実施の形態のマスク結果を説明する図である。
図19に示すとおり、マスクデータテーブルには、遊技状態が低確率時であるか、高確率時であるか、及び当該変動表示ゲームが特図1であるか、特図2であるかの組み合わせにより4通りのマスクデータが設定されている。マスクデータは、S1404の処理で状態フラグ及び変動フラグに基づいて選択される。
マスク処理はフラグデータをビット単位で、or演算又はand演算を実行する。具体的には、フラグデータの各ビットに、マスクデータの対応ビットが「1」である場合にはor演算、「0」である場合にはand演算し、確率状態又は変動する特別図柄の別によって注目するべき判定結果のみを読み出す。遊技制御装置100は、マスク処理によるマスク結果として、図20に示すように、はずれ、小当り、共通大当り、特定大当りのいずれかを得る。
このように、確率状態にかかわらず大当りと判定される共通大当りと、低確率時には大当りと判定されなくなってしまう特定大当りとを分けて判定できるため、演出制御装置300に送信する制御コマンドを分けて送信することが可能となる。
〔事前報知設定処理〕
次に、前述した特図保留情報判定処理における事前報知設定処理の詳細について説明する。図21は、本発明の第1の実施の形態の事前報知設定処理の手順を示すフローチャートである。
事前報知設定処理は、一定の条件をみたす保留記憶について先読み演出の実行コマンドを設定する処理である。
遊技制御装置100は、まず、S1318で設定された始動口入賞演出コマンドをチェックし、対象となる保留記憶が先読み演出を実行する保留記憶であるか否かを判定する(S2101、S2102)。対象となる保留記憶が先読み演出を実行しない保留記憶である場合には(S2102の結果が「N」)、本処理を終了する。
対象となる保留記憶が先読み演出を実行する保留記憶である場合には(S2102の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、S1406で取得するマスク後の判定結果が高確率時のみ大当りとなる特定大当りであるか否かを判定する(S2103)。判定結果が特定大当りである場合には(S2103の結果が「Y」)、次に、当該対象となる保留記憶よりも前の特図始動記憶領域に通常大当りの保留記憶があるか否かを判定する(S2104)。
当該対象となる保留記憶よりも前の特図始動記憶領域に通常大当りの保留記憶がない場合には(S2104の結果が「N」)、遊技制御装置100は、演出制御装置300での先読み予告設定に必要な先読み演出実行コマンドを設定する(S2105)。また、判定結果が特定大当りではない場合にも(S2103の結果が「N」)、先読み演出実行コマンドを設定する(S2105)。その後、本処理を終了する。
一方、当該対象となる保留記憶よりも前の特図始動記憶領域に通常大当りの保留記憶がある場合には(S2104の結果が「Y」)、先読み演出を実行しないため、遊技制御装置100は、先読み演出実行コマンドを設定せずに、本処理を終了する。
このように、事前判定の結果が高確率時のみの大当りである特定大当りの場合であって、判定対象の保留記憶よりも先に通常大当りとなる保留記憶がある場合には、先読み演出を実行しない。確率状態が高確率時であれば大当りとなる特定大当りも、低確率時には大当りとならないため、従来の遊技機では、事前判定時と実際の変動開始時との確率状態との違いによる判定のくい違いが生じるが、本実施形態の遊技機では回避可能である。
また、ここでは、特定大当りの場合であって、判定対象の保留記憶よりも先に通常大当りとなる保留記憶がある場合には先読み演出実行コマンドを設定しないことで先読み演出との矛盾を回避したが、それ以外にも、先読み禁止のコマンドを設定し、演出制御装置にて先読み禁止コマンドを受信した場合には先読み演出を実行しないようにしてもよい。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図普段処理の詳細について説明する。図22は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックし、判定する(S2201、S2202)。
特図2保留数が0の場合には(S2202の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックし、判定する(S2203、S2204)。このように、特図2保留数のチェック(S2201)を、特図1保留数のチェック(S2203)よりも先に行うことによって、特図1変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
特図1保留数が0の場合には(S2204の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックし、判定する(S2205、S2206)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みではない場合には(S2206の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(S2207)。次に、客待ちデモコマンドを準備し(S2208)、コマンド設定処理を実行する(S2209)。
一方、既に客待ちデモが開始されている場合には(S2206の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置300に送信済みであるため、遊技制御装置100は、S2210以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置100は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(S2210)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、本処理を終了する。
一方、特図2保留数が0でない場合(S2202の結果が「N」)、すなわち、第2始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、遊技制御装置100は、特図2変動開始処理を実行する(S2211)。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行する(S2212)。
具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、本処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、特図1保留数が0でない場合(S2204の結果が「N」)、すなわち、第1始動入賞口36に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図1変動開始処理を実行する(S2213)。
そして、遊技制御装置100は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行する(S2214)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する。その後、本処理を終了する。
〔特図変動開始処理〕
次に、上述した特図普段処理における特図1変動開始処理の詳細について説明する。図23Aは、本発明の第1の実施の形態の特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。
特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置100は、まず、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1に、はずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(S2301a)。すなわち、大当りフラグ1設定処理において特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定している。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ1に、はずれ情報又は大当り情報を設定する小当りフラグ1設定処理を実行する(S2302a)。
次に、遊技制御装置100は、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(S2303a)。その後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄)に対応する試験信号を試験信号出力データ領域にセーブし(S2304a)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S2305a)。即ち、特図変動表示ゲームが大当りであれば大当り図柄情報が設定され、特図変動表示ゲームがはずれであれば、はずれ図柄情報が設定される。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動フラグ(変動中フラグ)をロードして準備し(S2306a)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(S2307a)。
次に、遊技制御装置100は、変動パターンに関する情報を設定する対象のテーブルを準備し(S2308a)、特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(S2309a)。続いて、特図1変動表示ゲームにおける変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S2310a)。特図変動表示ゲームは、これらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
最後に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(S2311a)、本処理を終了する。
また、図23Bは、本発明の第1の実施の形態の特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理は、特図1変動開始処理と同様の手順である。相違点は、S2303bの処理で特図2停止図柄設定処理が実行される点、S2304bの処理で特図1停止図柄番号に変わって特図2停止図柄番号に対応する信号をセーブする点、S2306b及びS2307bの処理で特図1変動フラグが特図2変動フラグとなる点である。
〔大当りフラグ設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理の詳細について説明する。図24Aは、本発明の第1の実施の形態の大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブして、前回のセーブ内容をはずれ情報にてクリアする(S2401a)。
次に、遊技制御装置100は、RWMの特図1用の大当り乱数セーブ領域(特図1始動記憶領域、特図2始動記憶領域)から判定対象となる特図1用の大当り乱数をロードして準備した後(S2402a)、前述した大当り判定処理を実行し(S2403a)、判定対象の大当り乱数が大当りか否かを判定する(S2404a)。
次に、遊技制御装置100は、大当り判定処理の判定結果が大当りである場合には(S2404aの結果が「Y」)、大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブする(S2405a)。大当り判定処理の判定結果が大当りではない場合には(S2404aの結果が「N」)、S2405aの処理は実行しない。
最後に、遊技制御装置100は、大当り乱数を読み出したRWMの特図1始動記憶領域を0クリアして(S2406a)、本処理を終了する。
また、図24Bは、本発明の第1の実施の形態の大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。大当りフラグ2設定処理は、大当りフラグ1設定処理と同様の手順であり、処理に用いるRWMの領域が異なる。
〔小当りフラグ設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における小当りフラグ1設定処理の詳細について説明する。図25Aは、本発明の第1の実施の形態の小当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。小当りフラグ1設定処理は、特図1変動表示ゲームにおいて、小当りが発生する場合に必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置100は、まず、RWMの小当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(S2501a)。さらに、大当りフラグ1設定処理でセーブされた大当りフラグ1が大当りか否かをチェックし(S2502a)、特図1変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する(S2503a)。
遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの結果が大当りでない場合には(S2503aの結果が「N」)、特図1始動記憶領域から大当り乱数をロードし、準備する(S2504a)。さらに、特図1変動表示ゲームの結果を判定するための特図1判定データを準備する(S2505a)。
遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの結果が小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を実行する(S2506a)。そして、特図1変動表示ゲームの結果が小当りであるか否かを判定し(S2507a)、判定結果が小当りの場合には(S2507aの結果が「Y」)、小当りフラグ1領域に小当り情報をセーブする(S2508a)。
遊技制御装置100は、小当りフラグ1領域に小当り情報をセーブした後、大当りフラグ1が大当りの場合(S2503aの結果が「Y」)、又は、小当り判定処理の判定結果が小当りでない場合には(S2507aの結果が「N」)、大当り乱数を読み出した特図1始動記憶領域を0クリアし(S2509a)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
また、図25Bは、本発明の第1の実施の形態の小当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。小当りフラグ2設定処理は、小当りフラグ1設定処理と同様の手順であり、処理に用いるRWMの領域が異なる。
〔大当り判定処理〕
次に、前述した大当りフラグ設定処理における大当り判定の詳細について説明する。図26は、本発明の第1の実施の形態の大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。
大当り判定処理は、入賞時に取得して特図始動記憶領域に格納された大当り乱数が、大当り判定値として設定されている所定の範囲の数値であるか否かを判定する処理である。具体的には、判定時の遊技状態(確率状態)に応じて判定値の上限値と下限値とを大当り乱数値と比較して判定する。そのため、乱数値を加工(例えば、加算、減算)することなく判定するため、狂いや誤差が生じにくい。なお、先読みのための事前判定処理と同様に、圧縮データを用いた減算による判定手法を用いてもよい。
大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り乱数(例えば、0〜65535の間で循環する乱数)の取り得る数値の中で設定されている。大当り判定値は、遊技状態が通常遊技状態(低確率状態)の時の大当り抽選で用いる低確率用の大当り判定値(通常時判定値)と、遊技状態が確変状態(高確率状態)の時の大当り抽選で用いる高確率用の大当り判定値(高確率時判定値)とがあり、高確率時判定値の数は、通常時判定値の数よりも多く設定されている。例えば、通常時判定値として32768から32975までの「208」個の数値が、高確率時判定値として32768から34767までの「2000」個の数値が設定されているとすると、大当りに当選する確率は、通常遊技状態時が「208/65536(≒1/315)」となり、確変状態時が「2000/65536(≒1/32.8)」となる。
遊技制御装置100は、まず、大当り判定値の下限判定値を設定する(S2601)。下限判定値は、低確率用の判定値も高確率用の判定値も同一の数値である。
次に、遊技制御装置100は、判定対象の大当り乱数の値がS2601でセットした下限判定値よりも小さい値であるかをチェックし、判定する(S2602、S2603)。判定対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合には(S2603の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定し(S2609)、本処理を終了する。
判定対象の大当り乱数の値が下限判定値未満ではない場合には(S2603の結果が「N」)、遊技制御装置100は、現時点が高確率時であるか否か、すなわち、現在の遊技状態が確変状態か否かを判定する(S2604)。高確率時である場合には(S2604の結果が「Y」)、高確率時の上限判定値を設定し(S2605)、高確率時ではない場合には(S2604の結果が「N」)、低確率時の上限判定値を設定する(S2606)。
次に、遊技制御装置100は、判定対象の大当り乱数の値がS2605又はS2606でセットした上限判定値よりも大きい値であるかをチェックし、判定する(S2607、S2608)。判定対象の大当り乱数の値が上限判定値を超える場合には(S2608の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定し(S2609)、本処理を終了する。
判定対象の大当り乱数の値が上限判定値を超えない場合には(S2608の結果が「N」)、大当り乱数の値が大当り判定値に該当する値であるため、遊技制御装置100は、判定結果として大当りを設定し(S2610)、本処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
次に、前述した小当りフラグ設定処理における小当り判定の詳細について説明する。図27は、本発明の第1の実施の形態の小当り判定処理の手順を示すフローチャートである。
小当り判定処理は、入賞時に取得して特図始動記憶領域に格納された大当り乱数が、小当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が小当りであるか否かを判定する。本実施形態では、大当り乱数値を用いて小当り判定処理を行っているが、大当り乱数値とは別に小当り乱数値を設けてもよい。
小当り判定値には、入賞口が特図1の場合の小当り抽選で用いる特図1用の小当り判定値と、入賞口が特図2の場合の小当り抽選で用いる特図2用の小当り判定値とがあり、特図2用の小当り判定値の数は、特図1用の小当り判定値の数よりも多く設定されている。
遊技制御装置100は、まず、小当り判定値の下限判定値を設定する(S2701)。下限判定値は、特図1用の判定値も特図2用の判定値も同一の数値である。
次に、遊技制御装置100は、判定対象の大当り乱数の値がS2701でセットした下限判定値よりも小さい値であるかをチェックし、判定する(S2702、S2703)。判定対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合には(S2703の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定し(S2710)、本処理を終了する。
判定対象の大当り乱数の値が下限判定値未満ではない場合には(S2703の結果が「N」)、遊技制御装置100は、準備された判定データが特図1判定データであるか否かをチェックし、判定する(S2704、S2705)。準備された判定データが特図1判定データである場合には(S2705の結果が「Y」)、特図1小当り上限演判定値を設定し(S2706)、準備された判定データが特図2判定データである場合には(S2705の結果が「N」)、特図2小当り上限判定値を設定する(S2707)。
次に、遊技制御装置100は、判定対象の大当り乱数の値がS2706又はS2707でセットした上限判定値よりも大きい値であるかをチェックし、判定する(S2708、S2709)。判定対象の大当り乱数の値が上限判定値を超える場合には(S2709の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定し(S2710)、本処理を終了する。
判定対象の大当り乱数の値が上限判定値を超えない場合には(S2708の結果が「N」)、遊技制御装置100は、判定結果として小当りを設定し(S2711)、本処理を終了する。
〔変動パターン設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動パターン設定処理の詳細について説明する。図28は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理は、変動表示ゲームの結果に対応する変動パターン選択テーブルに基づいて、変動パターンを選択する処理である。変動パターン選択テーブルには、図30に示すように大当り用とはずれ用の変動パターン選択テーブルが定義されている。
遊技制御装置100は、まず、RWMの図柄情報領域に格納された作業用の図柄情報がはずれ図柄情報であるかをチェックし、判定する(S2801、S2802)。
作業用の図柄情報がはずれ図柄情報である場合には(S2802の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、はずれ変動パターン選択テーブルのアドレスを取得して準備する(S2803)。
一方、作業用の図柄情報がはずれ図柄情報ではない場合には(S2802の結果が「N」)、遊技制御装置100は、当り変動パターン選択テーブルのアドレスを取得して準備する(S2804)。
次に、遊技制御装置100は、RWMの乱数記憶領域から変動パターン乱数をロードし(S2805)、圧縮振分コードに基づいて変動パターン番号を取得する圧縮値振分処理を実行する(S2806)。圧縮値振分処理は、図15で説明したサブモジュールにおいて実行する。
最後に、遊技制御装置100は、取得した変動パターン番号を対象の変動パターン番号領域にセーブし(S2807)、本処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理の詳細について説明する。図29は、本発明の第1の実施の形態の変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
変動開始情報設定処理は、特図変動表示ゲームを開始するために必要な処理を含み、例えば、変動時間を算出したり、変動コマンドを生成したりする。
遊技制御装置100は、まず、実行対象の特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)に対応する変動パターン乱数のセーブ領域を0クリアする(S2901)。
次に、遊技制御装置100は、変動時間値テーブルのアドレスを取得して、作業用の一時領域にセットする(S2902)。
次に、遊技制御装置100は、変動時間値テーブルからS1509で取得した変動パターン番号に対応する変動時間の値を取得し(S2903)、当該変動時間の値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S2904)。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン番号に対応する変動コマンドを生成して準備し(S2905)、コマンド設定処理を実行することによって変動コマンド(MODE及びACTION)を演出制御装置300に送信する(S2906)。
次に、遊技制御装置100は、飾り特図コマンド領域にセーブされた飾り特図コマンドを、演出制御装置300に送信するためにロードして準備し(S2907)、コマンド設定処理を実行する(S2908)。
次に、遊技制御装置100は、S2306a又はS2306bでセーブした変動図柄判別フラグ(特図1変動フラグ又は特図2変動フラグ)に対応する飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S2909)、特図1又は特図2始動記憶領域のアドレスをセットする(S2910)。
次に、遊技制御装置100は、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新する(S2911)。続いて、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備し(S2912)、コマンド設定処理を実行する(S2913)。
最後に、遊技制御装置100は、変動図柄判別フラグに対応する特図1又は特図2始動記憶領域をシフトし(S2914)、シフト後の空き領域を0クリア(S2915)した後に、本処理を終了する。
〔当り/はずれ変動パターン選択テーブル〕
次に、変動パターン選択テーブルの詳細について説明する。図30は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン選択テーブルを説明する図であり、(A)は抽選結果が大当りの場合に選択される当り変動パターン選択テーブル、(B)は抽選結果がはずれの場合に選択されるはずれ変動パターン選択テーブルである。2つのテーブルの構造は同一である。
変動パターン選択テーブルは、通常変動、ノーマルリーチ、SP1〜SP4リーチ等の各種変動に対応する変動パターン番号及び振分値を定義するテーブルである。振分値は、0〜1999の値を循環する変動パターン乱数の区切りを示す値であるため、各振分値と各変動パターン番号とは、1対1の関係で1行毎に定義される。
振分値fは圧縮振分コードとして1バイトで表現され、図30では、説明のため「;(セミコロン)」右側に、計算された振分値Fを示している。なお、1列目の「DB(Define Byte)」は、1バイトの定数が定義されていることを示す。テーブル中の「;(セミコロン)」の右側に記された変換式の計算と変動パターン名(通常変動及びSP1〜SP4リーチ)は、プログラムリストのコメントに相当する部分なので、実際には遊技制御装置100が読み込まないようにするか、テーブルに書き込まないようにする。
〔変動パターンと振分値等〕
図31は、本発明の第1の実施の形態の変動パターンを説明する図であり、(A)は各変動パターンの当り時/はずれ時の振分値Fと期待度を表し、(B)は各変動パターンと変動パターン乱数の値との対応を表す。
図31(A)に示すように、変動パターンには通常変動及びSP1〜SP4リーチの変動名があり、各変動パターンは対応する変動パターン番号を有する。また、各変動パターンには大当り期待度が規定されており、通常変動では期待度0%、ノーマルリーチでは期待度0.2%、SP1リーチでは期待度1.1%、SP2リーチでは期待度6.6%、SP3リーチでは63.1%、SP4リーチでは100%と、ノーマルリーチ<SP1リーチ<SP2リーチ<SP3リーチ<SP4リーチの順に期待度が高い。
変動パターン毎の振分値Fは、当り時用とはずれ時用とに別個に規定され、当り/はずれ変動パターン選択テーブルにおいて1バイトの圧縮振分コードfとして保持される(図30参照)。各振分値Fは変換式「F=4n×a」の結果に対応する値が設定される。
図31(B)では、各変動パターンに対応する変動パターン乱数の値を示す。変動パターン乱数は入賞時に取得し(S1223)、当り/はずれに関わらず同一の乱数を用いる。例えば、遊技制御装置100は、入賞時に値が「1300」の変動パターン乱数を取得すると、変動表示ゲームの結果がはずれの場合には通常変動を取得するが、変動表示ゲームの結果が当りの場合にはSP3リーチを取得する。
〔変換式及び振分値の特性〕
次に、変換式及び振分値「F」の特性について説明する。図32は、bを4とした場合の圧縮振分コードが表現可能な最小値と最大値を表す図であり、(A)は振分値の最小値、(B)は振分値の最大値を表す。
図32(A)(B)に示すように、振分値Fの最小値は「1」であり、最大値は「4032」である。1バイトでは通常は255までの値が表現可能であるが、本発明の第1の実施の形態のb=4の変換式では、1バイトで最大4032まで表現可能となる。このように、2バイトでなければ表現できない255以上の値も圧縮振分コードであれば、1バイトで表現可能であり、記憶容量を削減する効果を有する。
ただし、変換式の特性上、64以上252未満の値であって4の倍数ではない値は算出することができない。同様に、253以上1008未満の値であって16の倍数ではない値は算出することができない。しかし、本実施形態では、次の説明するように、変動パターンを選択する場合に大きな不都合は生じない。
図33は、圧縮振分コードが表現可能な値を帯状に表した図である。帯の右側の縦の破線は、4032の中央値を示す。
図33に示すように、本発明の第1の実施の形態では、圧縮振分コードは、値の範囲全体を均一に圧縮するのではなく、小さな値の方が細かく設定可能となるように圧縮している。具体的には、中央値よりも大きな値では、64刻みの値しか設定できないが、中央値よりも小さな値である1〜63は1刻みの値を、64〜252は4刻みの値を設定可能であり、小さな値の方がより細かな振り分け設定が可能となっている。
例えば、振分値Fが1の場合(F=40×1)と2の場合(F=40×2)とを比較すると、振り分け率がそれぞれ1/2000又は2/2000となり、振分値Fの値が1異なるだけで該当する変動パターンの出現率が2倍に変化してしまうため、遊技性能に大きな違いが生じてしまう。それに対し、例えば、振分値Fが1472の場合(F=43×23)と1536の場合(F=43×24)とを比較すると、振り分け率がそれぞれ1472/2000又は1536/2000となり、これにより生じる変動パターンの出現率の差異は微差であるため遊技性能に大きな影響はない。つまり、小刻みな設定が必要となる小さな値に対しては細かく設定可能とする形式で、圧縮振分コードは設けられている。
遊技機における遊技では、超プレミアムリーチとして稀にしか実行されない変動パターン(例えば、稀にしか登場しないレアキャラ)や、はずれ変動のように高頻度で実行される変動パターンに基づいて変動表示ゲームが実行される。本実施形態では、値が小さいほど所定の範囲内で設定可能な値の数を多くすることにより、振分値を1バイトに圧縮しながら、実行頻度の低い変動パターンについては細かく振り分け可能とし、実行頻度の高い変動パターンについては精度を大きく低下させることなく振り分け可能としている。
また、従来2バイトで表現していた振分値を1バイトの圧縮振分コードに置き換えても、1から63までは全ての値を振分値に設定できるため、従来設定されていた振分値を変更することなく細かな振り分けを行うことが可能となっている。
図34は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン選択テーブル(A)と従来の変動パターン選択テーブル(B)とを対比するために表す図である。(B)の1列目の「DW(Define Word)」は、2バイトの定数が定義されていることを示す。
従来の変動パターン選択テーブルに書き込まれる振分値は、バイナリデータとしてそのまま値を取得できるが、本実施形態の振分値(圧縮振分コード)でも63よりも小さい値は、bn=1(n=1)であるため、そのまま値を取得することができる。例えば、振分値が1及び19の場合には、従来の振分値の上位8ビットはすべて「0」であり、従来の振分値の下位8ビットと、本願の圧縮振分コードは同じビットデータである。
このように、小さな値(1〜63)の振分値であれば、ビットデータを変更することなく1単位(圧縮振分コードの下位6ビット)で表現することが可能である。
〔第1の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第1の実施の形態によれば、先読み時の大当り判定によって得られた判定結果が「高確率時のみの大当り」である場合であって、判定対象の保留記憶よりも先に通常大当りがある場合には、先読み演出を実行しない。そのため、先読み時の事前判定の結果に基づく先読み演出と、実際の変動内容とに矛盾が生じない。また、確率状態によっては、事前の判定と判定結果が変わってしまうおそれのある場合でも、先読み演出と、実際の変動内容とに矛盾が生じない。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、従来は256以上の値の振分値を設定するために2バイト以上を要していた振分値を圧縮振分コードとして圧縮することで、1バイトの容量でも2バイトの値に近似して表現することができる。そのため、振分値を記憶するROMの容量を削減することが可能である。中でも、乱数の振り分けに用いる振分値に、1バイトで表現できる値(0〜255)と2バイトで表現する値(256〜65535)が混在している場合であっても、データ処理のフォーマットを合わせるためにすべての振分値を2バイトで格納しなければならず、結果として記憶容量を削減することができなかった点を解決する。
また、圧縮された振分値を算出する式は、算出値が小さいほど小さな間隔で算出できるため、値の小さい振分値を詳細に設定可能である。また、一方で大きな値も算出できるため、大きな振分値も設定可能である。そのため、出現率の極めて低い演出も出現率の高い演出も同一の圧縮コードで効果的に設定することができる。上述のとおり、小さな値では振分値がひとつ異なるだけでも振分率に大きな影響が生じてしまうが、大きな値の場合は振分値に若干の差があっても振分率に大きな影響は生じない。具体的には、1/2000が2/2000となると振り分けの精度が半減するが、1472/2000が1536/2000となっても振り分けの精度に大差はなく、例えば、全体を8刻みで均一に圧縮するよりも、所定の範囲で細かく設定可能な圧縮コードであるほうが遊技機の制御に利用する場合により適している。
(第1の実施の形態の変形例1)
第1の実施の形態では、1バイトの圧縮振分コードを第1ビット(上位2ビット)及び第2ビット(下位6ビット)に分けて変換式に代入し、振分値を算出した。これに対して、変形例1では、圧縮振分コードの各ビットを分けずに振分値を算出する。
以下、第1の実施の形態の変形例1について図35から図38を参照して説明する。なお、第1の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
〔圧縮振分コード変換処理2〕
図35は、本発明の第1の実施の形態の変形例1の圧縮振分コード変換処理2の手順を示すフローチャートである。
圧縮振分コード変換処理2は、圧縮振分コードの値「f」が所定の範囲の値である場合には、fから200を減算し、所定の範囲の値ではない場合には、fに10を積算して振替値「F」を算出する処理である。なお、減算する値及び積算する値は、それぞれ任意の値を設定可能である。
遊技制御装置100は、まず、S1504又はS1508で取得した圧縮振分コードの値「f」をチェックし(S3501)、fが201から255の範囲の値であるかを判定する(S3502)。値「f」は圧縮振分コードのビットデータをバイナリデータとしてそのまま値を取得する。
fが201から255ではない場合には(S3502の結果が「N」)、遊技制御装置100は、fに10を積算した値を振分値「F」として算出する(S3503)。一方、fが201から255である場合には(S3502の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、fから200を減算した値を振分値「F」として算出する(S3504)。
次に、遊技制御装置100は、算出したFを振分値に設定し(S1606)、本処理を終了する。なお、S3501、S3502及びS3503の処理に代えて、fが所定の範囲の値の場合には、F=fとし、fが所定の範囲の値ではない場合には、fに任意の数値を演算してFを算出するようにしてもよい。
図36は、本発明の第1の実施の形態の変形例1の圧縮振分コードの値「f」と振分値算出法及び振分値「F」の対応をまとめた図である。
圧縮振分コードの値「f」は、1から255の値をとる。fが1から200である場合には、fに10を積算するため、振分値「F」は10から2000の範囲において10刻みで算出される。また、fが201から255である場合には、fから200を減算するため、振分値「F」は1から55の範囲において1刻みで算出される。
図37は、本発明の第1の実施の形態の変形例1の変動パターン選択テーブルを説明する図であり、(A)は抽選結果が大当りの場合に選択される当り変動パターン選択テーブル、(B)は抽選結果がはずれの場合に選択されるはずれ変動パターン選択テーブルである。
本変形例の振分値「F」の算出法は、テーブル中の「;(セミコロン)」の右側に記された変換式の計算に示すように、遊技機の開発者は圧縮振分コードから振分値「F」を容易に算出することができる。
図38は、本発明の第1の実施の形態の変形例1の圧縮振分コードが表現可能な値を説明する図である。
図38に示すように、振分値「F」は1から55まで1刻みで設定可能であり、実行頻度の低い変動パターンについては細かく振り分け可能である。また60から2000までは10刻みで設定可能であるため、本発明の第1の実施の形態と比較して、小さい間隔で振分値の設定が可能である。
〔第1の実施の形態の変形例1の効果〕
以上のように、本発明の第1の実施の形態の変形例1によれば、振分値「F」を1/10に圧縮して記憶容量を削減しつつ、Fが小さな値(1〜55)である場合には、振分値を細かく設定可能である。
また、上述のとおり、圧縮状態のコード(圧縮振分コード)から振分値「F」の算出が容易である。
(第1の実施の形態の変形例2)
第1の実施の形態では、変動パターン選択テーブルに、変動パターン番号を重複せずに配置した。これに対して、第1の実施の形態の変形例2では、一の判定結果に複数の振分値を設定可能とすることで、つまり、変動パターン選択テーブルに同一番号の変動パターン番号を複数の振分値に設定可能とすることで、きめ細かな振分値の設定及び振分処理を可能とする。
以下、第1の実施の形態の変形例2について図39から図41を参照して説明する。なお、第1の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
図39は、本発明の第1の実施の形態の変形例2のはずれ変動パターン選択テーブルを説明する図である。本変形例では、振分値の算出は、変換式「F=bn×a」を用いる。また、圧縮値振分処理は、図15を参照し、圧縮振分コード変換処理は、図16を参照する。
図39のテーブルの1段目及び2段目を参照すると、ともに「01」の変動パターン番号が配置されている。このように、同一の変動パターン番号の複数段にわたる配置が本変形例の特徴である。
1段目の振分値は1472であるため、例えば、変動パターン乱数の値が1471の場合には、1段目での計算(1471−1472=−1)がマイナスとなり(S1507)、遊技制御装置100は、当該変動パターン乱数から「01」の変動パターン番号を取得する。
また、例えば、変動パターン乱数の値が1473の場合には、選択値は1段目での計算(1473−1472=1)ではマイナスにならないが、2段目での計算(1−28=−27)においてマイナスになるため(S1504〜1508)、遊技制御装置100は、2段目の変動パターン番号「01」を取得する。
このように、値が0〜1499の変動パターン乱数に対して、変動パターン番号「01」を振り分けることができる。つまり、変換式では1500を算出できないが、変換式の算出可能な値である1472と28とを合計することで、1500の振分値を設定可能とする。中でも、下位6ビットは1〜63の範囲の値をとるため、1〜63の任意の値を2段目に配置することができる。そのため、変換式の算出値が64間隔であっても、1〜63の任意の値を2段目に配置することによって、算出不可能な範囲(例えば、1473から1535の範囲)に、1刻みで振分値の設定が可能となる。
図40は、本発明の第1の実施の形態の変形例2の振分値の設定可能な値を説明する図として、1472を起点として振分値の設定可能な値を示す図である。
図40に示す、1472から1536へと向かう上側の矢印は、本発明の第1の実施の形態における振分値の設定可能な値が64刻みであり、1473〜1535へは設定不能であることを示す。これに対して図40の下側の3本の矢印は、本変形例において、1472から1刻みで任意の値を設定可能であることを示す。
このように、振分値として、1472から1536までの値のみならず、1から最大値までの値において、1刻みで任意の値を設定可能である。そのため、任意の振り分け率を正確に実現できる。
図41は、本発明の第1の実施の形態の変形例2の圧縮振分コードの構成例を表す図であり、所定の変換式「F=bn×a」において、(A)は第1ビット(n)が上位2ビット、第2ビット(a)が下位6ビットで構成される図、(B)は第1ビット(n)が上位1ビット、第2ビット(a)が下位7ビットで構成される図である。また、(C)は変換式を選択する上位1ビットと、第1ビット(n)及び第2ビット(a)とが下位7ビットで構成される図であり、(D)は第1ビット(n)と第2ビット(a)のビット長を選択する上位1ビットと、第1ビット(n)及び第2ビット(a)とが下位7ビットで構成される図である。
図41(A)に示すように、2ビット+6ビットでは、第1ビット(a)は0〜63の範囲の値をとるため、図40の下側の矢印のとおり、b0×aが64間隔の算出不可能な範囲を補う働きをする。
次に、図41(B)に示す、1ビット+7ビットでは、第1ビット(a)は0〜127の範囲の値をとるため、b=128とする変換式においてb0×aは128間隔の算出不可能な範囲を補う働きをする。つまり、b=128では、1280×a(aは1〜127)を2段目に配置すれば、1から16256まで全て1刻みで振分値の設定が可能となる。
「bnの最大値」(例えば、43=64)は、変換式における算出値の最大間隔(1刻み、4刻み、16刻み、64刻みのうちの最大値である64刻み)である。そのため、間隔を補う働きをする「aの最大値+1」が「bnの最大値」と等しいか大きい場合には、1からbnの最大値まで1刻みで振分値の設定が可能である。
つまり、1ビット+7ビットでは、1<b≦128と設定することで、1から最大値である16256まで1刻みで振分値の設定が可能であり、2ビット+6ビットでは、1<b≦4と設定することで、1から最大値である4032まで1刻みで振分値の設定が可能となる。特に、「bnの最大値=aの最大値+1」の場合には、変換式で算出可能な最大値までを、最大でも2段配置すれば、1刻みで設定可能である。
このように、2段配置においては、「bnの最大値≦aの最大値+1」となるように第1ビットと第2ビットとを分け、bに任意の値を設定することで、1からbnの最大値まで1刻みで振分値の設定が可能である。
さらに、同一の変動パターン番号の振分値を2段配置に限定せずに、多段配置としてもよい。例えば、2ビット+6ビットでのb=64とした場合には、変換式「64n×a」の643×aの間隔において、642×aが4096刻みで、641×aが64刻みで、640×aが1刻みで、当該間隔を補うことができる。そのため、同一の変動パターン番号の振分値を2段、3段、4段と配置することで、1から16515072(643×63)までの値を1刻みに設定可能である。なお、16515072をバイナリデータとして表すと3バイトが必要である。
次に、上位1ビットに選択ビット(X)を定義し、残り7ビットにおいて第1ビット(n)及び第2ビット(a)を定義する図41(C)及び(D)について説明する。
1バイトに圧縮された圧縮振分コード(第1判定値)を格納するデータテーブルの種類によっては振分値(第2判定値)の定義にあたり、用いる変換式が異なる場合がある。そこで、1バイトに圧縮される圧縮振分コードに変換式の選択のためのビットも含めるパターンも用意する。
図41(C)は、変換式を選択するためのビット(X)を上位1ビットに定義し、残る7ビットにおいて変換式の第1ビット(n)及び第2ビット(a)を2ビット+5ビットとして定義する図である。
変換式を選択するためのビット(X)が0である場合、例えば、b=4の変換式を、Xが1である場合、例えば、b=3の変換式を選択する。残る7ビットは2ビット+5ビットとして定義するため、第1ビット(n)は0〜3の範囲の値を、第2ビット(a)は0〜31の範囲の値を設定できる。
このように、所定の変換式「F=bn×a」において、b=4だけでなく、b=3の変換式も選択できるようにしたことで、設定可能な最大値が1984(b=4の変換式による)になるが、b=3でしか表現できない値も振分値として使用することができる。
図41(D)は、第1ビットと第2ビットのビット長を選択するためのビット(X)を上位1ビットに定義し、残る7ビットにおいて変換式の第1ビット(n)及び第2ビット(a)を3ビット+4ビット又は2ビット+5ビットとして定義する図である。
ビット長を選択するためのビット(X)が0である場合、例えば、下位7ビットを3ビット+4ビットとして定義し、Xが1である場合、例えば、下位7ビットを2ビット+5ビットとして定義する。
3ビット+4ビットでは、第1ビット(n)は0〜7の範囲の値を、第2ビット(a)は0〜15の範囲の値を設定できるため、b=4の変換式においては、1刻みで設定可能な範囲が最大15であるが、最大値が245760(47×15)となる。
2ビット+5ビットでは、第1ビット(n)は0〜3の範囲の値を、第2ビット(a)は0〜31の範囲の値を設定できるため、b=4の変換式においては1刻みで設定可能な範囲が最大31であるが、最大値が1984(43×31)となる。
このように、下位7ビットの範囲において第1ビット(n)及び第2ビット(a)のビット長を選択できるため、小さな値の振分値を任意に設定することが容易である一方、大きな値を振分値として使用することができる。
〔第1の実施の形態の変形例2の効果〕
以上のように、本発明の第1の実施の形態の変形例2によれば、変換式が算出できない値でもテーブル内に同一の変動パターン番号の振分値を複数段に配置することで、精度の高い振り分けを実現することができる。
特に、「bnの最大値=aの最大値+1」とすると、一度の変換式で表現しきれなかった値を、変換式の計算処理を2回繰り返すことによって表現するのに好適となる。
このように、本変形例では、振分値全体を2バイトで構成するよりは、必要な箇所のみ2段(2バイト)とするだけなので、全体的な記憶容量を抑えつつ、任意の振分率を正確に実現できるようになる。つまり、変換式「F=4n×a」では表せない振分値を設定したい箇所だけを2段(計2バイト)とすることで、全てを2バイトの振分値とした場合に比べて記憶容量を削減しつつ、第1の実施の形態と共通のモジュールを使用して、より詳細に所望の振分値を設定することができる。
また、上位1ビットを選択ビット(設定ビット)とし、下位7ビットにおいて変換式に代入する値を設定することで、変換式等の選択も含めた情報を1バイトに定義することができ、幅広い値の振分値の設定が可能となる。特に、圧縮振分コードを格納するデータテーブルの種類によっては、適当な変換式等が異なる場合があるが、選択ビットの情報に基づいて変換式等を適宜選択することで、上記の適当な変換式が任意に選択可能となる。
なお、本変形例において、圧縮振分コード変換処理を圧縮振分コード変換処理2にかえて実行してもよい。
(第1の実施の形態の変形例3)
第1の実施の形態の変形例2では、テーブルに同一の変動パターン番号の振分値を複数段配置した。これに対して、第1の実施の形態の変形例3では、変換式で算出できない値を振分値に設定したい場合には、本来の振分値よりも大きな値を示す圧縮振分コードをテーブルの最下段に配置する。
以下、第1の実施の形態の変形例3について図42から図43を参照して説明する。なお、第1の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
図42は、本発明の第1の実施の形態の変形例3のはずれ変動パターン選択テーブルである。最上段の変動パターン番号が「01」ではなく「02」であり、「01」は最下段に配置されている点が、本変形例の特徴である。
変動パターン番号「01」に振り分けたい本来の振分値は1500であるが、変換式から1500は算出できない。そのため、変動パターン番号「02」から「05」を「01」よりも先に振り分け、「02」から「05」の振分値の合計をもって「01」を振り分ける仕組みとする。
図42に示すように、変動パターン番号「02」から「05」の振分値の合計は500である。圧縮振分処理のループ処理(図15参照)において、変動パターン乱数の値が500未満のものは、「02」から「05」のいずれかに振り分けられ、変動パターン乱数の値が500を超えるものは、「01」に振り分けられる。
図43は、本発明の第1の実施の形態の変形例3の変動パターン番号と変動パターン乱数の値との対応を表す図である。
これまでの本発明の第1の実施の形態から変形例2の実施例までと異なり、変動パターン番号「01」に対応する変動パターン乱数の値は、500〜1999の値に設定される。ここで、実際の振り分け数は1500であるが、振分値Fは1536である。振分値Fが振り分け数よりも大きいのは、S1507の処理で変動パターン番号「01」に該当する選択値を全てマイナスにするためであり、振分値と実際の振り分け数とは必ずしも同じ値である必要はない。
このように、変動パターン番号「02」、「03」、「04」、「05」には変換式で算出できる任意の値の振分値を設定し、「01」の振分値には実際の振り分け数よりも大きい値を設定してテーブルの最下段に配置することで、遊技制御装置100は、取得した変動パターン乱数から各変動パターン番号へと正確に振り分けることができる。
〔第1の実施の形態の変形例3の効果〕
以上のように、本発明の第1の実施の形態の変形例3によれば、変換式では算出できない振り分け数であっても、変動パターン選択テーブルの最下段に実際の振り分け数(変動パターン乱数の上限値)よりも大きな振分値として配置することで、記憶容量を削減しつつ、正確な振り分けが可能である。
なお、本変形例において、圧縮振分コード変換処理を圧縮振分コード変換処理2にかえて実行してもよい。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、特定遊技状態の直前においても特図1及び特図2の先読み演出が実行可能な場合があった。これに対して、第2の実施の形態では、特定遊技状態(時短遊技状態、普電サポート状態)となることが事前に分かっている場合において、特図2の先読み演出のみを実行可能とする。
また、第1の実施の形態では、判定対象の保留記憶が高確率時のみの大当りであって、当該判定対象の保留記憶よりも先に通常大当りの保留記憶がある場合には、先読み演出を禁止した。これに対して、第2の実施の形態では、当該先読み演出の禁止に加えて、大当り入賞フラグがオンである間(先の保留に大当りがある、又は、大当りとなる変動表示ゲームを実行中)は、特図1の先読み演出を禁止する。
特図2の変動表示ゲームを優先して実行する遊技機にあっては、特図1の保留記憶に大当りの保留記憶があり、かつ、大当りを事前報知する場合であっても、特図2保留数が「0」になって、大当りである特図1の変動表示ゲームが実行されない限り特別遊技状態に遷移しない。そのため、特図2を優先消化する遊技機の場合には、事前報知に関する知識のある遊技者は、特定遊技状態が開始したとしても、特図1の大当りとなる変動表示ゲームを実行させるために特図2の始動記憶を発生させない、という判断を行うことができる。
一方、事前報知に関する知識がない遊技者は、特定遊技状態が開始したことにより第2始動入賞口を狙って遊技球を発射させ、特図2の始動記憶を発生させてしまうので、特図1の始動記憶が後回しにされ、すぐには消化され難くなる。特に、特定遊技状態の開始後、所定回転数以内に発生した大当りは有利な大当りとする遊技機の場合、事前報知に関する知識の有無によっては、遊技者間に不平等が生じることとなる。かかる不平等を解消するために、本実施形態では、大当り発生前の特図1の先読み演出の実行を禁止することを特徴とする。
以下、第2の実施の形態について図44から図52を参照して説明する。なお、第1の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
〔特図保留情報判定処理〕
図44は、本発明の第2の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
本発明の第2の実施の形態の特図保留情報判定処理は、所定の遊技状態において、特図1の先読み演出を実行しない。
遊技制御装置100は、まず、先読み演出を実行するか否かの対象となる保留記憶(始動記憶)が先読み演出を実行してよい条件を満たしているか否かをチェックする(S1301)。例えば、特別遊技状態では、特図1及び特図2の先読み演出を実行しない。次に、現在の遊技状態が特定遊技状態であるか否かを判定する(S4401)。
現在の遊技状態が特定遊技状態である場合には(S4401の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、対象となる保留記憶が特図1の保留記憶であるか否かを判定する(S4402)。特定遊技状態では、特図1の先読み演出を実行しないため、対象となる保留記憶が特図1の保留記憶である場合には(S4402の結果が「Y」)、本処理を終了する。
一方、現在の遊技状態が特定遊技状態ではない場合(S4401の結果が「N」)、又は、現在の遊技状態が特定遊技状態である場合(S4401の結果が「Y」)かつ対象となる保留記憶が特図1の保留記憶ではない場合には(S4402の結果が「N」)、S1303以降の処理を実行する。
また、特図保留情報判定処理では、コマンド設定処理(S1318)の次に、事前報知設定処理(S4403)を実行する。事前報知設定処理は、大当り入賞フラグがオンである間(先の保留に大当りがある、又は、大当りとなる変動表示ゲームを実行中)は、特図1の先読み演出を実行しないように制御する処理である。
〔事前報知設定処理〕
図45は、本発明の第2の実施の形態の事前報知設定処理の手順を示すフローチャートである。
本発明の第2の実施の形態の事前報知設定処理は、判定対象の保留記憶が特図1であって、当該判定対象よりも先に大当りの保留記憶がある場合には、先読み演出実行コマンドを設定しない機能が、第1実施形態の事前報知設定処理(図21参照)に付加される。
判定対象の保留記憶が高確率時のみの特定大当りではない場合(S2103の結果が「N」)、又は、特定大当りであっても、当該保留記憶よりも前に実行される特図1/特図2始動記憶領域に通常大当りの保留記憶がない場合には(S2104の結果が「N」)、先読み演出の対象が特図1であるか否かを判定する(S4501)。なお、S2103での判定は、マスク処理後での判定である。
先読み演出の対象が特図1である場合には(S4501の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、当該保留記憶よりも先に実行される変動表示ゲームに大当りの保留記憶があるか否かを判定する(S4502)。当該判定にあたっては、通常大当り、確変大当りのどちらでもよく、特定遊技状態が新たに開始される場合は、S4502の結果が「Y」となる。
当該保留記憶よりも先に実行される始動記憶領域に大当りの保留記憶がない場合には(S4502の結果が「N」)、遊技制御装置100は、先読み演出実行コマンドを設定する(S2105)。当該保留記憶よりも前の特図1始動記憶領域に大当りの保留記憶がある場合には(S4502の結果が「Y」)、特図1の先読み演出は実行しないため、先読み演出実行コマンドを設定せずに、本処理を終了する。
このように、特図保留情報判定処理では、特定遊技状態中の特図1の先読み演出を実行しないように制御する。また、事前報知設定処理では、通常遊技中であっても先読み演出の対象となる特図1の保留記憶より先に実行される始動記憶領域に大当りの保留記憶がある場合には、特図1の先読み演出を実行しないように制御する。
〔大当り終了処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における大当り終了処理の詳細について説明する。図46は、本発明の第2の実施の形態の大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
大当り終了処理では、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行い、特に、特別遊技状態中に発生した大当りか否かによって時短遊技状態の終了までの回転数を設定する。そのため、大当り発生時の電サポ状態によって、新たに設定される時短の設定回数が異なるように制御される。
遊技制御装置100は、まず、普電サポートの有無、種類、回数等の情報を保持する確率変動判定フラグを確率変動判定フラグ領域からロードし(S4601)、確率変動判定フラグの値に基づく分岐処理を実行する(S4602)。
確率変動判定フラグの値が「0」である場合には、遊技制御装置100は、大当り終了設定処理1を実行する(S4603)。確率変動判定フラグの値が「0」の場合に設定される遊技状態は、特図低確率、普電サポート有りの時短遊技状態である。
確率変動判定フラグの値が「1」である場合には、遊技制御装置100は、大当り終了設定処理2を実行する(S4604)。確率変動判定フラグが「1」の場合に設定される遊技状態は、特図高確率、普電サポート有りの確変サポ有り状態(高サポ確変状態)である。
次に、遊技制御装置100は、大当り終了設定処理1又は2から復帰すると、確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備し(S4605)、確率情報コマンドを演出制御装置300に送信するためのコマンド設定処理を実行する(S4606)。
確率情報コマンドは、特別遊技状態終了後に確変状態にするか否かを示すコマンドである。遊技制御装置100が低確率情報コマンドを演出制御装置300に送信する場合には、コマンド送信領域の上位バイトであるMODE部には「A0h」を準備し、下位バイトであるACTION部には「01h」を準備する。高確率情報コマンドを演出制御装置300に送信する場合には、MODE部には「A0h」を準備し、ACTION部には「02h」を準備する。
次に、遊技制御装置100は、特図普段処理移行設定処理2を実行し(S4607)、本処理を終了する。特図普段処理移行設定処理2では、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
〔大当り終了設定処理〕
次に、上述した大当り終了処理における大当り終了設定処理の詳細について説明する。図47Aは、本発明の第2の実施の形態の大当り終了設定処理1の手順を示すフローチャートである。
大当り終了設定処理は、時短遊技状態としてのフラグ情報等を設定するとともに、時短遊技状態の終了までの回転数を設定する処理である。
遊技制御装置100は、まず、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(S4701a)、時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(S4702a)。次に、遊技制御装置100は、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブする(S4703a)。
次に、遊技制御装置100は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率・普電サポートフラグをセーブする(S4704a)。当該フラグの設定により、遊技状態が時短遊技状態に移行する。次に、遊技制御装置100は、特図ゲームモードフラグ領域に低確率・時短フラグをセーブする(S4705a)。
次に、遊技制御装置100は、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブし(S4706a)、現在の大当りが普電サポート中の大当りであるか否かを判定する(S4707a)。
現在の大当りが普電サポート中の大当りである場合には(S4707aの結果が「Y」)、時短変動回数領域に時短変動回数初期値B(例えば、100回転)をセーブし(S4708a)、本処理を終了する。現在の大当りが普電サポート中の大当りではない場合には(S4707aの結果が「N」)、時短変動回数領域に時短変動回数初期理A(例えば、5回転)をセーブし(S4709a)、本処理を終了する。
時短変動回数初期値は、AよりもBの方が多い。つまり、通常遊技状態での初当りでは時短回数が少なく、連続した大当りでは時短回数が多い。そのため、仮に本実施形態において、普電サポート中や、普電サポートを開始させる始動記憶がある場合に特図1の先読み演出を実行すると、先読み演出の知識を有する遊技者と有さない遊技者との間で不平等が生じてしまう。そこで、本実施形態では、特図保留情報判定処理(図44参照)において、普電サポート中の特図1の先読み演出を実行しないように設定する。また、本実施形態では、事前報知設定処理(図45参照)において、通常遊技状態であっても、先に実行される始動記憶領域に大当りの保留記憶がある場合には特図1の先読み演出を実行しないように設定する。
図47Bは、本発明の第2の実施の形態の大当り終了設定処理2の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、高確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(S4701b)、高確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(S4702b)。次に、遊技制御装置100は、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブする(S4703b)。
次に、遊技制御装置100は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率・普電サポートフラグをセーブする(S4704b)。当該フラグの設定により、遊技状態が時短遊技状態に移行する。次に、遊技制御装置100は、特図ゲームモードフラグ領域に高確率・時短フラグをセーブする(S4705b)。
次に、遊技制御装置100は、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブする(S4706b)。その後の処理(S4707b〜S4709b)は、大当り終了設定処理1と同一である。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置300によって実行される1stCPUメイン処理の詳細を説明する。図48は、本発明の第2の実施の形態の演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311によって実行される1stCPUメイン処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
演出制御装置300は、まず、割込みを禁止する(S4801)。次に、作業領域であるRAM311aを0クリアする(S4802)。次に、CPU初期化処理を実行する(S4803)。次に、各種処理の実行に必要な初期値をRAM311aに設定し(S4804)、乱数初期化処理を実行する(S4805)。
次に、演出制御装置300は、所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(S4806)。そして、割込みを許可する(S4807)。割込みの発生タイミングではコマンド受信割込み処理が実行される。
ここで、演出制御装置300は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S4808)。WDTは、上述したCPU初期化処理(S4803)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を行ったりする演出ボタン入力処理を実行する(S4809)。次に、遊技制御装置100から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S4810)。
次に、演出制御装置300は、テストモード処理を実行する(S4811)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。
次に、演出制御装置300は、遊技制御コマンド解析処理(S4810)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置41に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(S4812)。
次に、演出制御装置300は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(S4813)。演出制御装置300に関わる異常の他に、遊技制御装置100からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。
次に、演出制御装置300は、映像制御用マイコン312に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(S4814)。次に、演出制御装置300は、スピーカ19から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S4815)。
次に、演出制御装置300は、LED等の装飾装置(盤装飾装置42、枠装飾装置43)を制御する装飾制御処理を実行し(S4816)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置42、枠演出装置43)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S4817)。
次に、演出制御装置300は、乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S4818)、S4808の処理に戻る。以降、S4808からS4818までの処理を繰り返す。
〔1stシーン制御処理〕
次に、上述した1stメイン処理における1stシーン制御処理の詳細について説明する。図49は、本発明の第2の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、遊技機1がテスト中モードであるか否かを判定する(S4901)。テスト中モードの場合には(S4901の結果が「Y」)、実際に演出制御を行う必要がないため、本処理を終了する。
遊技機1がテスト中モードでない場合には(S4901の結果が「N」)、演出制御装置300は、遊技制御装置100から送信されたシーン変更コマンドを受信しているか否かを判定する(S4902)。シーン変更コマンドを受信していない場合には(S4902の結果が「N」)、ステップS4907以降の処理を実行する。
シーン変更コマンドを受信している場合には(S4902の結果が「Y」)、演出制御装置300は、更新する(現在の)遊技状態を取得し(S4903)、有効なコマンドを受信しているか否かを判定する(S4904)。具体的には、変更先のシーンが現在の遊技状態と整合するか否かなどを判定する。有効なコマンドを受信していない場合には(S4904の結果が「N」)、ステップS4907以降の処理を実行する。
有効なコマンドを受信した場合には(S4904の結果が「Y」)、演出制御装置300は、受信したコマンドをメモリ(RAM)の所定の領域にセーブし(S4905)、演出リクエストフラグをセットする(S4906)。演出リクエストフラグは、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグであり、後述する変動中処理(S4911)で、演出リクエストフラグが設定されているか否かに応じた処理が実行される。
続いて、演出制御装置300は、受信したコマンドの識別子に応じた処理を実行する(S4907)。
受信したコマンドが「電源投入コマンド」の場合には、演出制御装置300は、電源投入処理を実行する(S4908)。電源投入処理では、遊技機1の電源が投入された際に表示される画面の制御を行う。
受信したコマンドが「停電復旧コマンド」の場合には、演出制御装置300は、停電復旧処理を実行する(S4909)。停電復旧処理では、遊技機1が停電から復旧した際に表示される画面の制御を行う。なお、停電前に客待ち処理が実行されていた場合には特別な処理を実行しない。
受信したコマンドが「客待ちデモコマンド」の場合には、演出制御装置300は、客待ち処理を実行する(S4910)。客待ち処理では、変動表示ゲームが最後に実行されてから所定時間経過した場合に表示される画面の制御を行う。
受信したコマンドが「変動パターンコマンド」の場合には、演出制御装置300は、変動中処理を実行する(S4911)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。
受信したコマンドが「図柄停止コマンド」の場合には、演出制御装置300は、図柄停止処理を実行する(S4912)。図柄停止処理では、図柄の変動表示を指定された図柄で停止させる。
受信したコマンドが「ファンファーレコマンド」の場合には、演出制御装置300は、ファンファーレ処理を実行する(S4913)。ファンファーレ処理では、発生した大当りに対応するファンファーレオンをスピーカ19から出力する。
受信したコマンドが「大入開放m回目コマンド」の場合には、演出制御装置300は、ラウンド中処理を実行する(S4914)。ラウンド中処理では、特別遊技状態における各ラウンド中の演出制御を行う。
受信したコマンドが「インターバルコマンド」の場合には、演出制御装置300は、インターバル処理を実行する(S4915)。インターバル処理では、特別遊技状態における各ラウンド間の演出制御を行う。
受信したコマンドが「エンディングコマンド」の場合には、演出制御装置300は、エンディング処理を実行する(S4916)。エンディング処理では、特別遊技状態が終了した際の演出制御を行う。
次に、演出制御装置300は、図柄コマンド受信処理を実行する(S4917)。図柄コマンドには、停止図柄を指定する情報が含まれる。
次に、演出制御装置300は、保留数コマンド受信処理を実行する(S4918)。保留数コマンドは、更新された保留数を通知するコマンドである。保留数コマンド受信処理では、受信した保留数に基づいて、保留表示などを更新する。
次に、演出制御装置300は、先読み予告設定処理を実行する(S4919)。先読み予告設定処理は、始動記憶先読み演出コマンドに基づいて先読み演出を実行する処理である。
次に、演出制御装置300は、確率情報コマンド受信処理を実行し(S4920)、本処理を終了する。確率情報コマンド受信処理は、受信した確率情報コマンドに基づいて、内部確率等の遊技状態を設定する処理である。確率情報コマンドには、例えば、高確/時短コマンド、低確/時短コマンド、低確/サポなしコマンドなどが含まれる。
〔先読み予告設定処理〕
次に、上述した1stシーン制御処理における先読み予告設定処理の詳細について説明する。図50は、本発明の第2の実施の形態の先読み予告演出設定処理の手順を示すフローチャートである。また、図51は、本処理内でセットする先読み予告振分テーブルを説明する図である。
演出制御装置300は、まず、事前判定コマンドの受信待ちの保留記憶があるか否かをチェックし、判定する(S5001、S5002)。事前判定コマンドは、遊技球が始動入賞口に入賞した場合に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される始動口入賞演出コマンド及び始動口入賞演出図柄コマンドを含む。始動口入賞演出コマンドは対応する保留記憶がはずれの場合を表し、実行されるリーチが特定される。始動口入賞演出図柄コマンドは、対応する保留記憶が当りの場合を表し、大当り図柄の種類を特定する。リーチの種類などは、演出制御装置300側で決定してもよい。
事前判定コマンドの受信待ちの保留記憶がある場合には(S5002の結果が「Y」)、演出制御装置300は、事前判定コマンド(始動口入賞演出コマンド及び始動口入賞演出図柄コマンド)を受信したか否かを判定する(S5003)。
事前判定コマンドを受信した場合には(S5003の結果が「Y」)、演出制御装置300は、コマンド受信待ちの保留記憶の始動記憶領域に事前判定コマンドの内容をセーブし(S5004)、先読み演出実行コマンドを受信したか否かを判定する(S5005)。先読み演出実行コマンドは、事前報知設定処理において設定されるコマンドであり(S2105)、先読み演出の対象となる保留記憶の事前判定の結果内容を含む。
先読み演出実行コマンドを受信した場合には(S5005の結果が「Y」)、演出制御装置300は、現在、先読み演出を実行中であるか否かを判定する(S5006)。先読み演出を実行中である場合には(S5006の結果が「Y」)、本処理を終了する。
説明が遡るが、S5002の結果が「N」の場合、S5003の結果が「N」の場合、S5005の結果が「N」の場合にも、演出制御装置300は、その後の処理を実行せずに、本処理を終了する。
先読み演出を実行中ではない場合には(S5006の結果が「N」)、演出制御装置300は、始動口入賞演出図柄コマンドに基づいて対象となる保留記憶の図柄情報を取得し(S5007)、当該保留記憶の当り/はずれを判定する(S5008)。
対象となる保留記憶がはずれである場合には(S5008の結果が「Y」)、演出制御装置300は、先読み予告振分テーブル1をセットし(S5009)、当りである場合には(S5008の結果が「N」)、先読み予告振分テーブル2をセットする(S5010)。
先読み予告振分テーブルには、図51(B)に示す、先読み演出の対象となる保留記憶がはずれの場合に選択される先読み予告振分テーブル1、及び、図51(C)に示す、当該保留記憶が大当りの場合に選択される先読み予告振分テーブル2がある。先読み予告振分テーブルは、対象となる保留記憶の始動口入賞演出コマンドに基づいてリーチ系統情報を取得し、当該テーブルに保持するいずれの先読み態様を選択するかを振り分けるために用いる(S5011〜S5013)。先読み態様は、保留記憶の表示態様の変化なしに加えて、期待度に応じた態様AからCまでの3種類の演出変化態様がある(図51(A)参照)。
対象となる保留記憶がはずれの場合でも、先読み態様A〜Cが選択される場合があるが、この場合はいわゆるガセ報知となる。一方で、大当りの場合でも保留記憶の表示態様の変化なしが選択される場合がある。そのため、先読み演出は不確実性を有し、遊技の興趣を高める効果を有する。
次に、演出制御装置300は、受信した始動口入賞演出コマンドに基づいて対象となる保留記憶のリーチ系統情報を取得する(S5011)。
次に、演出制御装置300は、S5009又はS5010でセットした先読み予告振分テーブル及びS5011で取得したリーチ系統情報に基づいて先読み予告態様を選択する(S5012)。
次に、演出制御装置300は、対象となる保留記憶の表示態様にS5012で選択した先読み予告態様を設定し(S5013)、本処理を終了する。
〔特図2を優先実行する場合の画面遷移〕
図52は、本発明の第2の実施の形態を説明するために、特図2の変動表示ゲームを優先的に実行する場合の画面遷移の一例を示す図である。なお、ここで説明する画面遷移は、時短遊技中においても特図1の先読み演出を実行する遊技機の画面遷移である。図52(A)〜(C)までは時短遊技状態になる前の段階的な変化を表し、(D1)〜(G1)は、時短遊技状態中であって特図2に連続して入賞が発生している場合の画面遷移を表す。また、(D2)〜(G2)は、時短遊技状態中であって特図2に入賞が発生していない場合の画面遷移を表す。
(A)は、結果が「大当り」の特図1の変動表示ゲームが実行され、特別図柄(識別情報)が変動中の画面である。画面には、特図1に白丸で表す保留記憶(記憶A)があるが、この保留記憶は結果が「はずれ」である。また、画面には、3個の下向き矢印(↓)が表されているが、これは特別図柄が完全に停止していないことを示し、(B)以降でも同様である。
(B)は、(A)と同一の変動表示ゲームがリーチ状態の画面である。第1始動入賞口36に入賞し、結果が「大当り」であり、先読み演出により先読み態様Bで表す特図1の保留記憶(記憶B)が表示されている。
(C)は、全ての特別図柄が停止し、大当りが確定した画面である。ここまでが時短開始前の状態である。
ここからは、特別遊技状態を経て特定遊技状態(時短中)となり、特図2に保留記憶を発生させる打ち方の場合(D1)〜(G1)と、特図2に保留記憶を発生させない打ち方の場合(D2)〜(G2)とに分岐する。
先に、特図2に保留記憶を発生させる打ち方の場合から説明する。記憶Bが先読み演出により、高確率で大当りであることを表示するが、先読み演出又は保留記憶の消化順の知識に乏しい遊技者は、記憶Bを消化させずに普電サポートの開始とともに第2始動入賞口37付近を狙う打ち方をする。
(D1)は、記憶Aを実行中の画面である。普電サポートの開始とともに、第2始動入賞口37に遊技球が1個入賞し、記憶Cが表示されている。
(E1)は、記憶Aの変動表示ゲームの「はずれ」結果が確定した画面である。(D1)から(E1)の間に、さらに第2始動入賞口37に遊技球が1個入賞し、記憶Dが表示されている。
(F1)は、特図2の記憶Cを実行中の画面である。特図2を優先的に実行するため、特図1の記憶Bは未実行として待機となる。(E1)から(F1)の間に、さらに第2始動入賞口37に遊技球が2個入賞し、記憶E及び記憶Fが表示されている。
(G1)は、記憶Cの変動表示ゲームの「はずれ」結果が確定した画面である。(F1)から(G1)の間に、さらに第2始動入賞口37に遊技球が1個入賞し、記憶Gが表示されている。
このように、先読み演出又は保留記憶の消化順の知識に乏しい遊技者は、折角大当りの保留記憶(記憶B)を得ていても、特図2の変動表示ゲームの実行を続けることで時短中に大当りを得ることができないことになる。時短中に大当りを得る方が遊技者にとって価値の高い遊技価値を獲得できるため、特図1に大当りの保留記憶がある場合に特図2へ入賞を続けることは、得られるべき遊技価値の一部を逸失することになる。
次に、特図2に保留記憶を発生させない打ち方の場合を説明する。記憶Bが高確率で大当りであり、特図2に未消化の保留記憶があると記憶Bが実行されないことを知る遊技者は、第2始動入賞口37付近を狙わない打ち方をする。
(D2)は、記憶Aを実行中の画面である。(D1)と異なり、特図2に保留記憶が生じていない。
(E2)は、記憶Aの変動表示ゲームの「はずれ」結果が確定した画面である。ここでも(D2)と同様に特図2に保留記憶が生じていない。
(F2)は、特図1の記憶Bを実行中の画面である。特図2に保留記憶がないことから、記憶Aの次に記憶Bが実行されている。
(G2)は、記憶Bの変動表示ゲームの「大当り」結果が確定した画面である。特に、この大当りは、普電サポート中の大当り(いわゆる連荘)であるため、次の時短変動回数初期値はB(例えば、100回転)が設定され(S4708a)、遊技者は価値の高い遊技価値を獲得する。
このように、先読み演出又は保留記憶の消化順の知識の有無によって、得られる遊技価値に大きな違いを生む。かかる不平等が生じないように、本実施形態では、時短遊技状態での特図1の先読み演出を禁止する。そのため、遊技の公平性を確保することができる。
また、通常遊技状態であっても、特図1に大当りの保留記憶が先にある場合には、特図1の先読み演出を禁止する。これにより、大当りの保留記憶が消化され、その後、普電サポートが発生しても、特図1の先読み演出は実行されていないので、遊技の公平性を確保することができる。
〔第2の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第2の実施の形態によれば、時短遊技中の特図1の先読み演出を実行しない。そのため、遊技者の先読み演出の知識及び保留記憶の消化順の知識に関わらず、遊技者に公平な遊技価値の付与が可能である。
また、本発明の第2の実施の形態によれば、通常遊技状態であっても、保留記憶に大当りの保留記憶がある場合には、大当りの保留記憶よりも後ろの保留記憶については、先読み演出を実行しない。そのため、遊技者の先読み演出の知識の有無に関わらず、遊技者に公平な遊技価値の付与が可能である。
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態、及び、第2の実施の形態では、先読み演出において通常大当りと確変大当りとの演出上の区別をしていない。これに対して、第3の実施の形態では、通常大当りと確変大当りとを分けた先読み演出を実行する。また、先読み演出の一環として、遊技者の操作入力が可能な先読みウィンドウ(図56(C)参照)が表示される。先読みウィンドウは、先読み演出の対象である保留記憶の変動表示ゲームを、事前にポップアップで表示するウィンドウである。なお、先読みウィンドウにおいて表示される変動表示ゲームを、本願ではミニ変動表示ゲームと記載する。
以下、第3の実施の形態について図53から図62を参照して説明する。なお、第1の実施の形態又は第2の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
〔先読み予告設定処理〕
図53は、本発明の第3の実施の形態の先読み予告設定処理の手順を示すフローチャートである。
本発明の第3の実施の形態の先読み予告設定処理は、先読みウィンドウの表示を制御する先読み演出実行フラグをオンに設定する処理が第2実施形態の先読み予告設定処理に付加される。
演出制御装置300は、選択した先読み予告振分テーブルに基づいて先読み予告態様を設定(S5011〜S5013)後に、先読み演出実行フラグをオンに設定する(S5301)。
先読み演出実行フラグは、後述する先読みウィンドウの実行制御に使用する。先読み演出の実行にあたり、これから実行する変動表示ゲームの変動開始時に先読み演出実行フラグがオンの場合には、先読みウィンドウ予告選択テーブルを用いて先読みウィンドウ予告の選択を行う。先読み演出実行フラグは、1stシーン制御処理内の変動中処理(S4911)において、先読み演出の対象となった保留記憶の変動開始時にオフに設定する。
〔先読みウィンドウ予告選択テーブル〕
次に、先読みウィンドウ予告選択テーブルの詳細について説明する。図54は、本発明の第3の実施の形態の先読みウィンドウ予告選択テーブルを説明する図である。
先読みウィンドウ予告選択テーブルは、事前判定コマンドに基づいて先読みウィンドウに表示する予告内容(ミニ変動表示ゲームの変動内容)を選択するテーブルである。ミニ変動表示ゲームの変動内容には、「通常リーチ」、「確変リーチ」、「通常大当り」、「確変大当り」、「仮停止なし」、の5種類がある。ここで、通常リーチとは中図柄も揃えば通常大当りとなる図柄によるリーチ状態、確変リーチとは中図柄も揃えば確変大当りとなる図柄によるリーチ状態の表示態様である。
予告対象である始動記憶の結果がはずれの場合には、通常大当り及び確変大当りのミニ変動表示ゲームは実行されない。また、結果が通常大当りの保留記憶の場合には、確変大当りのミニ変動表示ゲームは実行されない。そのため、通常大当りのミニ変動表示ゲームが先読みウィンドウにおいて実行されると、当該先読み演出の予告対象であった始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果は通常大当り又は確変大当りとなる。また、確変大当りのミニ変動表示ゲームが実行されると、結果は確変大当りとなる。
ミニ変動表示ゲームは、保留記憶を消化して変動表示ゲームが実行される都度、先読みウィンドウ予告選択テーブルから選択されて、先読みウィンドウにポップアップ表示される。ミニ変動表示ゲームの実行は、先読み演出の対象である保留記憶の変動表示ゲームが実行されるまで、当該保留記憶よりも前の保留記憶にかかる変動中に変動と仮停止(リーチ態様としての仮停止)を実行する。
このように、本実施形態では、期待度によってミニ変動表示ゲームの停止結果内容の選択率が異なるので、保留数が多い状態で先読み演出の対象となる入賞を得ると、先読み演出の回数が多くなり、予告内容への信頼度が高まる。
〔先読みウィンドウが表示される場合の画面遷移〕
次に、先読みウィンドウ予告選択テーブルで選択される各ミニ変動表示ゲームの変化態様について説明する。図55は、本発明の第3の実施の形態の先読みウィンドウが表示される場合の画面遷移図である。画面間の黒い手は、遊技者がボタン操作をしていることを表す。
(A)は、先読みウィンドウが出現した画面である。先読みウィンドウ内のいずれのミニ図柄も変動している。
先読みウィンドウが表示されると、ボタン操作が有効となる。遊技者は、ボタン操作により、ミニ変動表示ゲームの変化態様を確認することができる。上述のとおり、ミニ変動表示ゲームの変化態様は、先読みウィンドウ予告選択テーブルより選択される。
(B1)は、「通常リーチ」のミニ変動表示ゲームの変化後の画面である。「4、↓、4」として、ミニ左図柄とミニ右図柄は「4」で仮停止し、ミニ中図柄は変動を続けている。
(B2)は、「確変リーチ」のミニ変動表示ゲームの変化後の画面である。「7、↓、7」として、ミニ左図柄とミニ右図柄は「7」で仮停止し、ミニ中図柄は変動を続けている。
(B3)は、「通常大当り」のミニ変動表示ゲームの変化後の画面である。「4、4、4」として、ミニ図柄は全て「4」で仮停止している。
(B4)は、「確変大当り」のミニ変動表示ゲームの変化後の画面である。「7、7、7」として、ミニ図柄は全て「7」で仮停止している。
(B5)は、「仮停止なし」のミニ変動表示ゲームの変化後の画面である。「仮停止なし」では、ボタン操作がされてもミニ図柄がいずれも仮停止しない。
〔保留4の大当りが確定するまでの画面遷移〕
図56は、本発明の第3の実施の形態を説明するために、大当りの保留4が入賞し、当該保留記憶の大当りが確定するまでの画面遷移の一例を示す図である。
(A)は、変動表示ゲームが実行され、特別図柄(識別情報)が変動中の画面である。画面には、特図1に白丸で表す保留記憶が3個(左から記憶A、B、C)あるが、結果はいずれも「はずれ」である。
(B)は、(A)で実行中であった変動表示ゲームの「はずれ」結果が確定した画面である。入賞により、画面には、特図1に大当りとなる保留記憶(記憶D)が表示されている。記憶Dは、先読み演出により、大当りとなる期待度が高いことを表す色で表示されている。
(C)は、記憶Aの消化による変動及び、記憶Dの先読みウィンドウが表示中の画面である。記憶Dの先読みウィンドウは、記憶Aの変動開始と同時に表示されるが、記憶Aの変動開始から所定に時間が経過した後に表示されてもよい。
(D)は、遊技者の操作によりミニ変動表示ゲームが通常リーチ態様となった画面である。遊技者の操作がなければ、ミニ左図柄とミニ右図柄は仮停止しないため、遊技者に操作ボタン25の操作を促し、遊技への参加、関与が高まる。この後、リーチ態様となった先読みウィンドウの表示は一旦消えて、記憶Aの変動が表示装置41の中央に表示される。
(E)は、記憶Aの変動が確定した画面である。
(F)は、記憶Bの消化による変動及び、記憶Dの先読みウィンドウが表示中の画面である。新たな変動表示ゲームの開始とともに、ミニ変動表示ゲームも新たに先読みウィンドウ予告選択テーブルから選択され、実行する。
(G)は、ミニ変動表示ゲームが通常大当り態様で仮停止している画面である。「4、4、4」での仮停止であるため、通常大当りを予感させる態様である。
(H)は、記憶Bの変動が確定した画面である。
(I)は、記憶Cの消化による変動及び、記憶Dの先読みウィンドウが表示中の画面である。
(J)は、ミニ変動表示ゲームが確変大当り態様で仮停止している画面である。「7、7、7」での仮停止であるため、確変大当りを予感させる態様である。なお、確変大当りの仮停止態様は、結果が確変大当りである場合にしか選択されない(図54参照)。
(K)は、記憶Cの変動が確定した画面である。
(L)は、記憶Dの消化による変動が表示中の画面である。記憶Dの変動開始時に(J)でのミニ変動表示ゲームの仮停止画面の表示態様を所定時間表示してから記憶Dの変動が開始する。
(M)は、リーチ態様を経て記憶Dの大当りが確定した画面である。「7、7、7」での停止であるため、確変大当りである。
このように、保留4として大当りの先読み演出がされる場合には、先読みウィンドウが3回表示される演出が実行されるため、予告内容への信頼度が高くなる。なお、図55では、リーチ(画面(D))、通常大当り(画面(F))、確変大当り(画面(J))と、信頼度が昇格する演出例を用意して本実施形態を説明したが、ミニ変動表示ゲームの停止結果内容には関連がなくてもよい。例えば、複数回の表示される先読みウィンドウのいずれかにおいて、確変大当りで仮停止すれば確変大当りの告知となる。
また、図56では、全ての先読みウィンドウを同じ大きさ及び同じ背景で図示したが、期待度や遊技状態に応じてウィンドウの大きさや背景、ミニ図柄の表示を変化させてもよい。先読みウィンドウの大きさなどについては本実施形態の変形例3において詳述する。
〔タイムチャート〕
次に、タイムチャートを用いて本発明の第3の実施の形態を説明する。図57は、本発明の第3の実施の形態における先読み演出のタイミングを示すタイムチャートである。図56の先読み演出例を図57ではタイムチャートとして説明する。
入賞により、保留4に先読み演出の対象であり、かつ大当りの保留記憶(記憶D)が生じ、保留4の表示色が変化する。そして、時刻t1において、先読み演出実行フラグがオンに設定される。先読み演出実行フラグがオンに設定されたため、次に実行される変動表示ゲームから先読みウィンドウが表示される。なお、時刻t1における保留1を記憶A、保留2を記憶B、保留3を記憶Cとする。
記憶Aの変動表示ゲームが実行される時刻t2において、記憶Dの先読みウィンドウが表示される。また、先読みウィンドウの表示と同時にプッシュボタンの操作が有効となる。プッシュボタンは、操作有効となってから所定時間の経過後又は所定の操作量を検出すると、操作無効となる。
時刻t2から所定の時間が経過した時刻t3において、記憶Aの変動表示ゲーム中に表示される先読みウィンドウが一旦消える。その後、画面右上において表示されていた記憶Aの変動表示ゲームが、画面中央に表示される。
記憶Bの変動表示ゲームが実行される時刻t4において、記憶Dの先読みウィンドウが再び表示される。ここでのミニ変動表示ゲームは、改めて先読みウィンドウ予告選択テーブルから選択される。
記憶Cの変動表示ゲームが実行される時刻t5において、記憶Dの先読みウィンドウが再び表示される。ここでのミニ変動表示ゲームも、改めて先読みウィンドウ予告選択テーブルから選択される。
記憶Dの変動表示ゲームが実行される時刻t6において、先読み演出実行フラグがオフに設定される。記憶Dの変動表示ゲームは、最後に表示された先読みウィンドウのミニ変動表示ゲームの仮停止態様と連続性のある態様で始まってもよいし、連続性のない態様で始まってもよい。
その後、記憶Dの大当りが確定し、時刻t7において特別遊技状態に移行する。
このように、先読み演出の対象となる保留記憶が発生すると、先読み演出実行フラグがオンになり、当該保留記憶の変動表示ゲームが実行されるとフラグがオフに設定される。先読み演出実行フラグがオンの間は、変動表示ゲームが実行される都度、保留記憶の先読みウィンドウが出現する。そのため、保留記憶の表示が変化する先読み演出に加えて、先読みウィンドウによる先読み演出が実行され、先読み演出への興味を遊技者に与える。
〔第3の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第3の実施の形態によれば、確変大当りの先読み演出において、先読みウィンドウ内に確変大当りを予告する態様のミニ変動表示ゲームが実行されることがあるため、遊技者は先読み演出により事前に大当りとなることのみならず、該大当りが確変大当りであることを知ることができる。そのため、遊技者の先読み演出に対する関心を高め、確変大当りへの期待感を高める。
また、ミニ変動表示ゲームは、操作ボタン25を操作しないと仮停止結果を表示しないため、遊技者に遊技への参加を促し、先読み演出された保留記憶の変動表示ゲームへの期待感を高める。
また、先読み対象の保留記憶よりも前に大当りがある場合には、先読み演出を実行しないため、大当りによって確率状態が変更されることで異なる遊技結果となる場合でも、矛盾する演出により遊技者の興趣が低下してしまうことを防止できる。
(第3の実施の形態の変形例1)
第3の実施の形態では、先読みウィンドウ予告選択テーブルに5種類のミニ変動表示ゲームを用意した。これに対して、第3の実施の形態の変形例1では、3種類のミニ変動表示ゲームを用意する。
以下、第3の実施の形態の変形例1について図58から図59を参照して説明する。なお、第3の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
〔先読みウィンドウ予告選択テーブル〕
図58は、本発明の第3の実施の形態の変形例1の先読みウィンドウ予告選択テーブルを説明する図である。また、図59は、本発明の第3の実施の形態の変形例1の先読みウィンドウが表示される場合の画面遷移図である。
図58に示すように、本変形例では、「通常大当り」、「確変大当り」、「仮停止なし」の3種類からミニ変動表示ゲームが選択される。本変形例では、図54に示す先読みウィンドウ予告選択テーブルよりも簡素化されるため、先読み演出のパターンが絞られて、遊技者は先読み演出の理解が容易となる。
図58及び図59に示すように、本変形例では、通常リーチ及び確変リーチのミニ変動表示ゲームが、本変形例では削除され、結果がはずれの場合には、ミニ変動表示ゲームは仮停止しない。そのため、ボタン操作によりミニ図柄が仮停止した場合には、大当り確定を予告する。
また、確変大当りのミニ変動表示ゲームは、結果が確変大当りの場合にしか選択されないので、ミニ図柄の停止態様によっては、通常大当りであるか、確変大当りであるかを予告可能である。
〔第3の実施の形態の変形例1の効果〕
以上のように、本発明の第3の実施の形態の変形例1によれば、第3の実施の形態の効果に加え、ミニ変動表示ゲームの種類が3種類に限られて、選択パターンも簡素化されるため、先読み演出のパターンを遊技者に容易に把握させることができる。
特に、結果がはずれの場合の選択パターンが「仮停止なし」に限定されるため、いわゆるガセ報知がなく、無用な期待感を遊技者に与えずに、遊技者に安心感をもって遊技に集中させることができる。
〔第3の実施の形態の変形例2〕
第3の実施の形態の変形例1では、先読みウィンドウ予告選択テーブルに3種類のミニ変動表示ゲームを用意した。これに対して、第3の実施の形態の変形例2では、2種類のミニ変動表示ゲームを用意する。
以下、第3の実施の形態の変形例2について図60から図61を参照して説明する。なお、第3の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
〔先読みウィンドウ予告選択テーブル〕
図60は、本発明の第3の実施の形態の変形例2の先読みウィンドウ予告選択テーブルを説明する図である。また、図61は、本発明の第3の実施の形態の変形例2の先読みウィンドウが表示される場合の画面遷移図である。
図60に示すように、本変形例では、「通常大当り」、「確変大当り」の2種類からミニ変動表示ゲームが選択される。本変形例では、図58に示す先読みウィンドウ予告選択テーブルよりもさらに簡素化されるため、先読み演出のパターンが絞られて、遊技者は先読み演出の理解がさらに容易となる。
図60及び図61に示すように、本変形例では、先読み演出の対象であり、かつ結果が大当りの保留記憶に対して、通常大当り又は確変大当りのミニ変動表示ゲームが表示される。そのため、先読みウィンドウが表示された場合には、大当り確定を予告する。
また、確変大当りのミニ変動表示ゲームは、結果が確変大当りの場合にしか選択されないので、ミニ図柄の停止態様によっては、通常大当りであるか、確変大当りであるかを予告可能である。
〔第3の実施の形態の変形例2の効果〕
以上のように、本発明の第3の実施の形態の変形例2によれば、ミニ変動表示ゲームの種類が2種類に限られて、選択パターンもより簡素化されるため、先読み演出のパターンを遊技者にさらに容易に把握させることができる。
また、先読みウィンドウが出現することで大当りの告知となり、ボタン操作では確変大当りであるか否かの告知を得ることができる。そのため、遊技者にボタン操作を促し、遊技への参加を高めることができる。
〔第3の実施の形態の変形例3〕
第3の実施の形態では、先読みウィンドウは画面の大半を占める大きさとして表示された。これに対して、第3の実施の形態の変形例3では、複数の大きさの先読みウィンドウが表示される。
以下、第3の実施の形態の変形例3について図62を参照して説明する。本変形例では、先読みウィンドウの表示形態として複数の表示形態を例示する。なお、第3の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
〔先読みウィンドウが表示中の画面〕
図62は、本発明の第3の実施の形態の変形例3の先読みウィンドウの表示形態を説明する図である。
(A)は、実行中の変動表示ゲームの表示に重ねて先読みウィンドウを表示する画面である。重なる範囲が広くなると、実行中の変動表示ゲームが見難くなるため、先読みウィンドウは小さく表示される。この表示形態では、変動表示ゲームが主、先読みウィンドウが従、の関係であるため表示のバランスが良く、先読み演出が過度に強調されない。また、変動表示ゲームの部分は通常時と同じ画像データを使用可能なので、データ容量の増加を防止できる。
(B)は、表示領域を上下に分割し、変動表示ゲームと先読みウィンドウを半々に表示する画面である。先読みウィンドウの大きさは(A)よりも大きく表示されるため、ミニ変動表示ゲームが見やすくなる。また、変動表示ゲームも十分な大きさで表示されるため、遊技者は両方の変動の確認が容易である。
(C)は、先読みウィンドウが大きく表示され、変動表示ゲームが右上に小さく表示される画面である。先読みウィンドウが大きく表示されるため、先読み演出に期待感を持たせることができる。また、遊技者は変動表示ゲームよりもミニ変動表示ゲームの先読み演出に関心が向き易くなり、遊技の興趣を高める効果を有する。
このように、先読みウィンドウの表示形態には複数の形態が考えられ、例えば、期待度が高いほど先読みウィンドウを大きく表示してもよい。また、先読みウィンドウの表示形態は、先読みウィンドウを出現させる都度、遊技者に選択させてもよい。
なお、(A)〜(C)では、先読みウィンドウが表示された画面を図示したが、いずれの表示形態であっても、先読みウィンドウの表示から所定時間に先読みウィンドウの表示は消える。
また、先読みウィンドウの表示形態は図62に図示する形態に限定されず、変動表示ゲームと先読みウィンドウを交互に表示させる形態、先読みウィンドウを透かして表示させる形態、遊技者によるボタン操作の操作量に応じて先読みウィンドウが大小する形態など、図示しない形態であってもよい。
〔第3の実施の形態の変形例3の効果〕
以上のように、本発明の第3の実施の形態の変形例3によれば、先読みウィンドウは、複数の表示形態のうちから任意に選択可能であるため、適宜効果的に視認性や演出性を確保して、先読み予告(先読み演出)を演出することが可能である。
〔第3の実施の形態の変形例4〕
第3の実施の形態では、先読み演出として先読みウィンドウが表示された。これに対して、第3の実施の形態の変形例4では、大当り演出を実行中の先読み演出として操作入力が可能なキャラクタが表示される。
以下、第3の実施の形態の変形例4について図63を参照して説明する。本変形例では、お化けキャラを用いた表示形態を例示する。なお、第3の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
〔特別遊技状態における先読み演出の画面遷移図〕
図63は、本発明の第3の実施の形態の変形例4の特別遊技状態における先読み演出を説明する画面遷移の一例を示す図である。
(A)は、結果が「はずれ」である特図1の変動表示ゲームを実行中の画面である。特図1の保留記憶が3個表示されており、そのうち1個目の保留記憶が大当りとなる保留記憶である。
(B)は、実行中の変動表示ゲームの結果が確定した画面である。(A)から(B)へと遷移する間に特図1に先読みの対象となる入賞があり、先読みされた結果として特別色で保留記憶4に表示されている。
(C)は、結果が「当り」である特図1の変動表示ゲームの実行を開始した画面である。この後、リーチがかかり、リーチ演出となる。
(D)は、全ての特別図柄(識別情報)が「7、7、7」となり、大当りが確定した画面である。
(E)は、特別遊技状態に移行し、ラウンド1が開始されるとともに、先読み対象の保留記憶の形態が変化し、これから当該保留記憶に対して先読み演出を実行することを報知する画面である。ここでは、例えば、先読みの対象となる保留記憶にキャラクタの目が表示されて、保留記憶が徐々に大きくなり、あたかも保留記憶に意思があるかのように表現される。
(F)は、先読み演出の一環として、徐々に大きくなった先読み対象の保留記憶がお化けキャラへと成長した画面である。例えば、ここで保留記憶が変化するキャラクタの形態によって、確変大当りとなる期待度を報知してもよい。
(G)は、先読み演出が開始された画面である。「殲滅させたら大チャンス!」の表示が消えるとともにお化けキャラの操作が有効となる。
(H)は、お化けキャラが敵を撃破する画面である。操作量に応じてお化けキャラが縦横に飛び回り、敵を撃破する。このように、大当り中の画面において、保留内で連続大当りが発生するか否かの演出を実行する。そして、例えば、現在実行中の大当りが通常図柄での大当りか確変図柄での大当りかによって、先読み演出の結果を導出する判定値が設定される。
(I−1)は、お化けキャラによる敵の殲滅に成功し、先読み対象の保留記憶が大チャンスに繋がることを報知する画面である。保留内で大当りが発生する場合は、先読み対象の保留記憶が、画面(B)〜(D)での表示形態とは異なる表示形態に変化して表示される。
従来では、特別遊技状態が終了すると、先読み対象の保留記憶の表示形態が先読みされていない通常の表示形態に戻ってしまうが、本変形例では、特別遊技状態終了後も先読みされた形態が持続する。そのため、さらなる大当りへの期待感を遊技者に与えることができる。
(I−2)は、敵の殲滅に失敗し、先読み対象の保留記憶の表示形態が通常の表示形態に戻った画面である。敵の殲滅に失敗した画面となっても、対象の保留記憶が大当りとなる場合があるが、ここでは先読み演出にメリハリをつけるため、先読み対象の保留記憶の表示形態は通常の表示形態に戻される。
〔第3の実施の形態の変形例4の効果〕
以上のように、本発明の第3の実施の形態の変形例4によれば、特別遊技状態に移行する状態であっても、先読み対象となる保留記憶がある場合には、大当り中の各ラウンド画面において、先読み演出を実行する。特に、一定の時間を確保することができる特別遊技状態において先読み演出を実行するため、従来にない演出時間を確保することができ、先読み演出にゲーム性や物語性等を持たせることができる。
また、先読み演出の報知態様が、大当りを示唆する報知態様である場合には、現在実行中の特別遊技が終了しても、すぐに次の大当りが発生する期待感を遊技者に与えるため、遊技の興趣を大きく高めることができる。
(第4の実施の形態)
第1の実施の形態から第3の実施の形態では、先読み対象となる保留記憶について保留記憶単体で先読み演出を実行した。また、先読みの期待度は、保留記憶の形態を変化させる先読み態様(図51参照)や、先読みウィンドウにおけるミニ変動表示ゲームによって表現された。これに対して、第4の実施の形態では、先読み対象となる保留記憶から後の保留記憶を連続的に使用して先読み演出の期待度を演出する(図66参照)。
以下、第4の実施の形態について図64から図68を参照して説明する。なお、第2の実施の形態又は第3の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
〔先読み予告設定処理〕
図64は、本発明の第4の実施の形態の先読み予告設定処理の手順を示すフローチャートである。
本発明の第4の実施の形態の先読み予告設定処理は、先読み演出実行フラグがオンである場合には、事前判定コマンドから先読み予告態様を選択する処理が第3実施形態の先読み予告設定処理に付加される。
演出制御装置300は、先読み演出実行コマンドを受信した場合には(S5005の結果が「Y」)、先読み演出実行フラグがオンであるか否かを判定する(S6401)。先読み演出実行フラグがオンである場合には、後述する先読み演出選択処理を実行し(S6402)、本処理を終了する。先読み演出選択処理は、事前判定コマンドにより選択した先読み予告振分テーブルから先読み予告態様を設定する処理であり、第2実施形態及び第3実施形態の先読み予告設定処理のS5011〜S5013に相当する。
一方、先読み演出実行フラグがオンではない場合には(S6401の結果が「N」)、演出制御装置300は、先読み対象となる保留記憶の表示に所定の先読み予告態様を設定する。先読み演出実行フラグがオフである場合には、先読み対象の保留記憶の表示は、期待度に関係なく、所定の表示態様が設定される。その後、S5007以降の処理を実行する。
〔先読み演出選択処理〕
次に、上述した第4実施形態の先読み予告設定処理における先読み演出選択処理の詳細について説明する。図65は、本発明の第4の実施の形態の先読み演出選択処理の手順を示すフローチャートである。
先読み演出選択処理は、選択したはずれ時又は大当り時の先読み予告振分テーブル(図67参照)から、先読み予告態様(図66参照)を設定する処理である。
演出制御装置300は、まず、受信した始動口入賞演出コマンドから先読みの対象となる保留記憶のリーチ系統情報を取得する(S6501)。
次に、演出制御装置300は、S5009又はS5010でセットした先読み予告振分テーブル及びS6501で取得したリーチ系統情報から先読み予告態様を選択する(S6502)。
次に、演出制御装置300は、対象となる保留記憶の後続の保留記憶であって、連続的に先読み演出を実行する保留記憶の表示態様にS6502で選択した表示態様を設定し(S6503)、本処理を終了する。S6503の処理により、後続の保留記憶の表示態様が設定され、先読み対象の保留記憶の期待度が報知される。
〔先読み予告態様〕
次に、本実施形態における連続的な先読み予告態様の詳細について説明する。図66は、本発明の第4の実施の形態の先読み予告態様を示す図であり、(A)は先読み演出として表示される保留記憶の連続的な表示形態を表す図、(B)は先読み予告態様と期待度の関係を表す図である。また、図67は、本発明の第4の実施の形態の先読み予告振分テーブルを表す図である。
図66(A)は、先読み演出として表示される保留記憶の形態を表す図である。ここでは、保留1から保留4までの4つの保留記憶が連続的な先読み演出として表示されている。汽車の先頭にあたる絵柄が記憶1を表し、先読みの対象となる保留記憶である。また、記憶1に続く貨車の絵柄が記憶2、さらに続く貨車の絵柄が記憶3、記憶4を表す。
図68の画面遷移図でも説明するが、先読み演出の対象となる保留記憶が入賞すると、先読み演出として、まず所定の表示態様(例えば、汽車)が保留記憶として表示される。続いて、さらに入賞があると、当該後続の入賞の保留記憶は所定の態様(例えば、貨車)として表示される。
(B)では、期待度に応じた積荷量をもつ3種類の貨車を例示する。貨車の積荷は、期待度の低い先読み態様Aから期待度の高い先読み態様Cへと、積荷の量が増加する。なお、貨車がいずれの貨車として表示するかは、上述の先読み演出選択処理で設定される。
このように、本実施形態は、先読み対象の保留記憶の後続の保留記憶によって期待度を演出する。表示される貨車の数が多いほど変動内容の予測を行ないやすくなり、予告の信頼度が高まるため、止め打ちを抑制する効果を有する。
また、図67に示す、本実施形態の先読み予告振分テーブルは、第2実施形態の先読み予告振分テーブルと比較して、予告態様として「変化なし」が設定されない。そのため、いずれのリーチ系統情報であっても、先読み態様AからCのいずれかが選択される。
〔本実施形態の先読み演出の画面遷移〕
図68は、本発明の第4の実施の形態を説明するために、特図1に先読み対象の入賞及び後続の3個の入賞があった場合の画面遷移の一例を示す図である。
(A)は、結果が「はずれ」の特図1の変動表示ゲームが実行され、特別図柄(識別情報)が変動中の画面である。画面には、特図1に白丸で表す保留記憶がある。
(B)は、先読み対象の入賞があり、先読み対象の保留記憶が所定の形態として先読み演出が実行された画面である。入賞と同時に汽車として表示される。
(C)は、さらに入賞があり、先読み対象の保留記憶の後続の入賞として、先読み演出が実行された画面である。当該後続の保留記憶は、期待度「中」の先読み態様Bとして表示され、大当りの期待度が高まる。
(D)は、先読み対象のひとつ前の入賞が消化されて、新たな変動表示ゲームが開始するとともに、さらに入賞があり、後続の入賞として先読み演出が実行された画面である。当該後続の保留記憶は、期待度「低」の先読み態様Aとして表示されているため、期待度が低下する。
(E)は、さらに入賞があり、後続の入賞として先読み演出が実行された画面である。当該後続の保留記憶は、期待度「大」の先読み態様Cとして表示されているため、期待度が上昇する。
(F)は、先読み対象の保留記憶の変動表示ゲームが開始した画面である。
(G)は、その後、先読み対象の保留記憶の変動表示ゲームが実行され、変動停止した画面である。確定すると、貨車として表示された保留記憶は通常の保留記憶(白丸の保留記憶)として表示される。
先読み態様で表示された後続の保留記憶を通常の表示態様に戻すタイミングは、(G)のように先読み対象の保留記憶の変動表示ゲームの結果が確定したときの他、先読み対象の保留記憶の変動表示ゲームが開始したときや、先読み対象の保留記憶の変動表示ゲームの次に実行される変動表示ゲームが開始したときとしてもよい。
〔第4の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第4の実施の形態によれば、先読み対象の保留記憶が所定の形態として表示され、当該先読み対象の保留記憶の後続の保留記憶は、期待度を演出する形態として表示される。特に、後続の入賞数が多いほど、先読み演出の信頼度が高まる。そのため、先読み対象の入賞後の止め打ちを抑制する効果を有する。
また、本発明の第4の実施の形態によれば、先読み対象の保留記憶と後続の保留記憶の表示態様は、例えば、汽車と貨車のように連続性をもって表示され、ゲーム性を高めることができるとともに、始動記憶の表示態様の装飾性を高めることもできる。そのため、先読み演出により、さらに遊技の興趣が向上する。
(第4の実施の形態の変形例1)
第4の実施の形態では、先読み対象の保留記憶と後続の保留記憶とを、連続性のある所定の形態で先読み演出(例えば、汽車と貨車として表示し、貨車の積荷量によって期待度を演出)した。これに対して、第4の実施の形態の変形例1では、連続性のある所定の形態での先読み演出としつつも、絵柄として連結する形態又は連結しない形態(例えば、ブロック形態)として期待度を演出する(図70参照)。
以下、第4の実施の形態の変形例1について図69から図72を参照して説明する。なお、第4の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
〔先読み演出選択処理〕
図69は、本発明の第4の実施の形態の先読み演出選択処理の手順を示すフローチャートである。
本発明の第4の実施の形態の変形例1の先読み予告設定処理は、先読み対象の保留記憶の後続の保留記憶が何番目の保留記憶であるかにより先読み態様を選択する処理が第4実施形態の先読み演出選択処理に付加される。
演出制御装置300は、S6501の処理に続いて、後続の保留記憶が何番目の保留記憶であるかをチェックする(S6901)。次に、S5009又はS5010で設定した先読み予告振分テーブル(図71参照)、リーチ系統情報及び記憶番号から先読み態様を選択する(S6902)。
次に、演出制御装置300は、表示対象となる保留記憶の表示にS6902で選択された先読み態様を設定し(S6503)、その後、本処理を終了する。
〔先読み予告態様〕
次に、本変形例における連続的な先読み予告態様の詳細について説明する。図70は、本発明の第4の実施の形態の変形例1の先読み予告態様を示す図であり、(A)は先読み演出として表示される保留記憶の表示形態を表す図、(B)は先読み予告態様として記憶1から記憶4までが連結した状態を表す図である。また、図71は、本発明の第4の実施の形態の変形例1の先読み予告振分テーブルを表す図である。
図70(A)に示すように、先読み予告態様AからDは、例えば、凹又は凸を一部に持つブロック形態である。先読み予告態様AからDまでが連結した態様は(B)に示す。
先読み対象の記憶1には、先読み予告態様Aが選択される。後続の記憶2〜4は、図71に示す先読み予告振分テーブルから選択される。
記憶1の先読み予告態様Aの次に記憶2として先読み予告態様Bが表示されると、絵柄として連結するが、記憶2として先読み予告態様Cが表示されると、絵柄として連結しない。このように、絵柄が連結すると期待度が高く、絵柄が連結しないと期待度が低い先読み演出となることが、本変形例の特徴である。
〔本変形例の先読み演出の画面遷移〕
図72は、本発明の第4の実施の形態の変形例1を説明するために、特図1に先読み対象の入賞及び後続の3個の入賞があった場合の画面遷移の一例を示す図である。図72(A)〜(C)までは先読み予告演出の開始から絵柄が連結する先読み予告態様を表し、(D1)〜(E1)は、さらに絵柄が連結する場合の画面遷移を表す。また、(D2)〜(E2)は、絵柄が連結しない場合の画面遷移を表す。
(A)は、結果が「はずれ」の特図1の変動表示ゲームが実行され、特別図柄(識別情報)が変動中の画面である。画面には、特図1に白丸で表す保留記憶がある。
(B)は、先読み対象の入賞があり、先読み対象の保留記憶が所定の形態として先読み演出が実行された画面である。入賞と同時に保留記憶が先読み予告態様Aとして表示される。また、先読み演出の開始とともに、破線で示す後続の記憶表示部が、「丸」から先読み予告態様の「外枠」に変化して表示される。この先読み予告態様の破線表示(ブロックの破線表示)を「ナビ」と呼び、ナビは連結する態様として表示される。
(C)は、さらに入賞があり、先読み対象の保留記憶の後続の入賞として、先読み演出が実行された画面である。当該後続の保留記憶は、ナビと同じ形態の先読み予告態様Bとして表示され、大当りの期待度が高まる。
次に、後続の保留記憶の絵柄がさらに連結するD1からE1の画面について説明する。
(D1)は、先読み対象のひとつ前の保留記憶が消化されて、新たな変動表示ゲームが開始するとともに、さらに入賞があり、後続の入賞として先読み演出が実行された画面である。当該後続の保留記憶は、ナビと同じ形態の先読み予告態様Cとして表示され、期待度がさらに高まる。
(E1)は、さらに入賞があり、後続の入賞として先読み演出が実行された画面である。当該後続の保留記憶は、ナビと同じ形態の先読み予告態様Dとして表示され、先読み予告態様AからDまでが連結し、期待度がさらに高まる。また、先読み演出の完成形に接することで、遊技者に達成感を与える。
一方、D2からE2は絵柄が連結しない場合の画面遷移である。
(D2)は、先読み対象のひとつ前の入賞が消化されて、新たな変動表示ゲームが開始するとともに、さらに入賞があり、後続の入賞として先読み演出が実行された画面である。当該後続の保留記憶は、ナビと異なる形態の先読み予告態様Bとして表示され、期待度が低下する。
(E2)は、さらに入賞があり、後続の入賞として先読み演出が実行された画面である。当該後続の保留記憶は、ナビと同じ形態の先読み予告態様Dとして表示されるが、一連の先読み予告として連結していないため、期待度が低い。
〔第4の実施の形態の変形例1の効果〕
以上のように、本発明の第4の実施の形態の変形例1によれば、先読み対象の保留記憶が所定の形態として表示され、当該先読み対象の保留記憶の後続の保留記憶は、期待度を演出する形態として表示される。特に、後続の入賞数が多いほど、先読み演出の信頼度が高まる。また、保留4まで連結する先読み演出がされると遊技者に爽快感や達成感を与え、期待感を高める。そのため、先読み対象の入賞後の止め打ちを抑制する効果を有する。
また、本発明の第4の実施の形態の変形例1によれば、先読み対象の保留記憶と後続の保留記憶の表示態様は、例えば、凹凸を持つブロックとして表示され、ブロックが連結するか否かというゲーム性を有する。そのため、先読み演出により、遊技の興趣がさらに向上する。
(第4の実施の形態の変形例2)
第4の実施の形態の変形例1では、期待度の高低は後続の保留記憶の絵柄が連結する/連結しないによって表現した。これに対して、第4の実施の形態の変形例2では、期待度の高低は後続の保留記憶の絵柄の関連性の有無によって表現する(図73参照)。
以下、第4の実施の形態の変形例2について図73から図74を参照して説明する。なお、第4の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
〔本変形例の先読み演出の画面遷移〕
図73は、本発明の第4の実施の形態の変形例2を説明するために、特図1に先読み対象の入賞及び後続の3個の入賞があった場合の画面遷移の一例を示す図である。図73(A)〜(D)は絵柄が関連する画面遷移を表し、(E1)〜(E3)は、絵柄が関連する場合、関連しない場合、絵柄が表示されない場合の画面遷移を表す。また、図74は、絵柄の関連性がそれぞれ異なるグループとしてグループA、グループBを示す図である。ここでは例として果物をグループAに、海の生物をグループBとしているが、遊技機のテーマに合わせた内容やキャラクターとするのが望ましい。また、表示されるグループによって期待度が異なるようにしてもよい。
(A)は、結果が「はずれ」の特図1の変動表示ゲームが実行され、特別図柄(識別情報)が変動中の画面である。画面には、特図1に白丸で表す保留記憶がある。
(B)は、先読み対象の入賞があり、先読み対象の保留記憶が所定の形態として先読み演出が実行された画面である。入賞と同時に先読み予告態様のグループが選択され、ここでは保留記憶がグループAのブドウとして表示される。ただし、後続の保留記憶は必ずしも同じグループから選択されるものではない。
(C)は、さらに入賞があり、先読み対象の保留記憶の後続の入賞として、先読み演出が実行された画面である。当該後続の保留記憶は、先読み対象と同じグループAのメロンとして表示され、大当りの期待度が高まる。
(D)は、さらに入賞があり、先読み対象の保留記憶の後続の入賞として、先読み演出が実行された画面である。当該後続の保留記憶は、先読み対象と同じグループAのリンゴとして表示され、大当りの期待度がさらに高まる。
次に、さらに入賞があり、後続の保留記憶の絵柄が先読み対象の保留記憶と関連して表示される場合と関連せずに表示される場合とをE1からE3の画面を用いて説明する。
(E1)は、保留4に入賞があり、当該後続の保留記憶は、先読み対象と同じグループAのパイナップルとして表示された画面である。先読み対象の保留1から保留4まで果物として関連性を有するグループAの先読み予告態様が表示され、期待度「大」の先読み演出である。
(E2)は、保留4に入賞があり、当該後続の保留記憶は、先読み対象とは異なるグループBのカメとして表示された画面である。保留4のカメは、果物としての関連性を有さず、期待度「中」の先読み演出である。
(E3)は、保留4に入賞があり、当該後続の保留記憶は、白丸として表示された画面である。保留4の白丸は、先読み予告態様ではない通常の表示態様であるため、期待度「低」の先読み演出である。
〔第4の実施の形態の変形例2の効果〕
以上のように、本発明の第4の実施の形態の変形例2によれば、先読み対象の保留記憶が所定の形態として表示され、当該先読み対象の保留記憶の後続の保留記憶は、期待度を演出する形態として表示される。特に、後続の入賞数が多いほど、先読み演出の信頼度が高まる。また、保留4まで関連性のある先読み演出がされると遊技者に爽快感や達成感を与え、期待感を高める。そのため、先読み対象の入賞後の止め打ちを抑制する効果を有する。
また、本発明の第4の実施の形態の変形例2によれば、先読み対象の保留記憶と後続の保留記憶の表示態様が関連性を有するか否かというゲーム性を有する。そのため、先読み演出により、遊技の興趣が向上する。また、関連性への認識(例えば、果物がテーマであることの認識)が遊技の興趣を高める。
(第5の実施の形態)
第4の実施の形態では、先読み演出において、始動口への入賞によって始動記憶が追加されると、該始動記憶の表示態様にて予告態様を表示させたが、それ以上始動口への入賞が検出されても、先読み演出は行われず無効にされるのみであった。これに対して、第5の実施の形態では、保留記憶がオーバーフローすることで先読み演出の予告内容が判明するように表現する(図75参照)。
以下、第5の実施の形態について図75を参照して説明する。なお、第4の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
〔本変形例の先読み演出の画面遷移〕
図75は、本発明の第5の実施の形態を説明するために、特図1に先読み対象の入賞及び後続の4個の入賞(3個が保留され、1個はオーバーフロー)があった場合の画面遷移の一例を示す図である。
(A)は、先読み対象の入賞があり、先読み予告演出画面へと移行した画面である。先読み予告演出画面は、表示装置41の表示領域の大半を占める大きさの画面であり、先読み演出の一部である。先読み予告演出画面では、例えば、まず、タイトルが表示され、先読み演出の開始を報知する。また、先読み予告演出画面では、実行中の変動表示ゲームが画面の中央から外れた位置に表示される。
(B)は、さらに入賞があり、1コマ目の演出画面が表示された画面である。例えば、無警戒なカエルが登場し、演出の序盤を構成する。
(C)は、さらに入賞があり、2コマ目の演出画面が表示された画面である。例えば、自信たっぷりなヘビが登場し、演出の中盤を構成する。
(D)は、さらに入賞があり、3コマ目の演出画面が表示された画面である。例えば、ヘビがカエルに今にも襲いかかろうという状態であり、演出の終盤を構成する。
(E)は、さらに入賞があり、入賞がオーバーフローしたことで、4コマ目の演出画面が表示された画面である。例えば、ヘビが襲おうとしたカエルの方が実は大きく、カエルに押さえこまれてしまい、ヘビが負けてしまうという先読み演出の最終場面(オーバーフロー演出)を表示しており、期待度の低い先読み演出結果を遊技者に報知する。最終場面の表示により、先読み演出のストーリーが完結する。あるいは、最終場面の表示により、先読み対象の抽選結果が事前に判明する。
また、図示していないが、オーバーフロー発生を契機に表示される最終場面にて、ヘビがカエルに勝利する場面が表示された場合には、期待度の高い先読み演出結果として遊技者に報知される。
このように、入賞の都度、先読み予告演出画面の演出が進行し、保留記憶のオーバーフローが発生することで、先読み演出が完結する。そのため、先読み演出において、物語性のある演出を実行することが可能であり、遊技の興趣を高める。また、先読み演出の最終場面の演出においては、例えば、遊技者に意外性を与える演出とすることで、遊技の興趣が高まる。また、保留数に対応する段階まで先読み演出が進行するため、止め打ちを抑制する効果を有し、先読み演出の完結を求めて保留記憶のオーバーフローを誘引することで遊技機の稼働率を高めることができる。
なお、図75では、先読み対象の保留記憶が保留1に発生した場合を説明したが、本実施形態においては、先読み対象の保留記憶が保留2から保留4に発生した場合であって、保留記憶のオーバーフローが発生した場合であっても上記の先読み演出は実行可能である。
例えば、先読み対象の保留記憶の後続の保留記憶が発生する都度、先読み予告演出画面が進行するのではなく、保留記憶のオーバーフローが発生すると、所定の時間ごとに先読み予告演出画面が進行するようにしてもよい。また、保留記憶のオーバーフローが発生すると、遊技者による操作入力により先読み予告演出画面が進行するようにしてもよい。さらには、保留記憶のオーバーフローが発生すると、一般入賞口35に入賞する都度、先読み予告演出画面が進行してもよい。
また、先読み予告演出画面の最終場面の表示は、保留記憶のオーバーフローではなく、遊技者による操作入力を条件としてもよい。
また、先読み予告演出画面は表示装置41の表示領域の大半を占めるものではなく、表示領域の一部の領域において小さく表示される画面であってもよい。例えば、本願の第3実施形態の変形例3のように、小ウィンドウによって先読み予告演出画面を任意の大きさで表示することが考えられる。
また、先読み予告演出画面は所定時間の経過で終了させ、始動入賞またはオーバーフローの検出がなされる度に出現させるようにしてもよい。
〔第5の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第5の実施の形態によれば、表示装置41の表示領域の大半を占める先読み予告演出画面によって先読み演出が実行される。そのため、先読み演出の表現力が高まり、遊技者に娯楽性の高い先読み演出を提供することが可能となる。
また、本発明の第5の実施の形態によれば、入賞の都度、先読み予告演出画面の演出が進行する。そのため、演出の進行が遊技の興趣を高め、演出の進行を求める遊技者の止め打ちを抑制する効果を有する。特に、先読み演出の進行にあたっては、先読み演出全体を通じて、テーマや物語性を持たせることで、従来にない新鮮な先読み演出を可能とする。
また、本発明の第5の実施の形態によれば、保留記憶のオーバーフローが発生することで、先読み演出の予告内容が判明可能である。そのため、事前に抽選結果を知りたい遊技者の要望を満たすことが可能であり、抽選結果の事前報知を求める遊技者の止め打ちを抑制し、遊技機の稼働率を高める効果を有する。
(第6の実施の形態)
第3の実施の形態では、先読みウィンドウは先読み対象の保留記憶に対してのみ表示された。これに対して、第6の実施の形態では、先読み対象の保留記憶及び後続の保留記憶に対して先読みウィンドウを表示可能である(図76参照)。また、第3の実施の形態における、先読みウィンドウで実行されたミニ変動表示ゲームは、先読み対象の保留記憶が消化されて実行される変動表示ゲームとは別のものであった。これに対して、第6の実施の形態では、保留記憶に基づく変動表示ゲームの変動態様をそのまま先読みウィンドウにおいて実行し、先読み演出とする。
以下、第6の実施の形態について図76から図78を参照して説明する。なお、第3の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
〔本実施形態の先読み演出の画面遷移〕
図76は、本発明の第6の実施の形態を説明するために、特図1に保留記憶が4個ある場合に先読みゲームモード画面に移行した画面遷移の一例を示す図である。
(A)は、特図1に保留1から保留4まで4個の保留記憶がある画面である。画面(A)での保留1を記憶A、保留2を記憶B、保留3を記憶C、保留4を記憶Dとする。記憶Aは先読みゲームモードを実行させる保留記憶である。先読みゲームモードは、先読みゲームモードを実行させる保留記憶の変動中のみ実行される。
(B)は、記憶Aの消化により先読みゲームモードが実行された画面である。先読みゲームモードでは、例えば、画面が上下に分割されて、画面上部はゲーム情報を表示する予告領域として使用し、画面下部は小ウィンドウを表示する保留演出領域として使用する。小ウィンドウ内には、現在実行中の変動表示ゲーム及び保留記憶の変動表示ゲームが表示される。保留記憶は全て変動表示ゲームとして表され、保留記憶の内容を小ウィンドウ内で見ることができる。
予告領域は、全ての保留記憶に対しての期待度をまとめて、例えば、朝背景、昼背景、夜背景とだんだん期待度が高くなるようにして報知する。図76では、予告領域における期待度の報知態様として、期待度の低い朝背景が選択されている。
小ウィンドウは、左から順にWindow1、Window2、Window3、Window4とし、Window1には現在特図1表示器51において変動中の記憶Aの変動表示ゲームが表示される。Window2には現在保留1である記憶Bの変動表示ゲームが、Window3には現在保留2である記憶Cの変動表示ゲームが、Window4には、現在保留3である記憶Dの変動表示ゲームが表示される。
(C)は、保留1の記憶Bの変動表示ゲームがリーチ態様となった画面である。先読みゲームモードの間は、保留記憶を小ウィンドウでそれぞれ表示し、各保留記憶に基づく変動表示ゲームの変動を小ウィンドウ内に表示する。小ウィンドウでは、該当する始動記憶に基づき飾り特図変動表示ゲームが実行される際に変動表示する飾り特別図柄に対応した表示が行われる。
(D)は、遊技者の操作により、Window2を大きく表示した画面である。遊技者は操作ボタン25のセレクトボタン及びプッシュボタンによって任意の小ウィンドウを拡大して確認可能であり、拡大されたウィンドウでは、リーチの種類を確認することが可能である。
また、操作ボタン25のプッシュボタンのみを操作する都度、例えば、Window1を拡大表示、Widnow2を拡大表示、Window3を拡大表示、Window4を拡大表示、拡大表示なし、を繰り返し、図78のように表示されない小ウィンドウは拡大表示をスキップする。
(E)は、先読みゲームモードが実行されてから所定の時間が経過し、抽選結果が「はずれ」の保留記憶の変動がはずれ態様として停止した図である。小ウィンドウでの変動時間には、一律の先読みゲームモード変動時間が設定されており、リーチなし変動のみ最終停止図柄が小ウィンドウ内で事前に表示され、リーチ変動は、リーチ状態の図柄として先読みゲームモードを終了する。また、Window1の停止結果は、特図1表示器51の停止結果と対応している。なお、先読みゲームモードを実行する保留記憶が当りである場合には、Window1において当り図柄として停止する。この場合には、Window1を拡大表示することで、大当り確定までの変動をより詳細に確認することが可能である。
(F)は、先読みゲームモードが終了し、通常の変動表示ゲームの実行画面が表示された画面である。(F)では、記憶Bが消化されて実行されている。先読みゲームモードにおいて、記憶Bはリーチ状態まで表示されたが、通常の変動表示ゲームの実行画面に戻ると、全ての図柄の変動から表示される。
(G)は、記憶Bの変動表示ゲームがリーチ状態となった画面である。先読みゲームモードで表示されたリーチ態様と同一であり、この後抽選結果が報知される。
このように、保留記憶の記憶内容を事前に開示して先読み演出とすることが本実施形態の特徴である。
〔変動パターン設定処理〕
次に、本発明の第6の実施の形態における変動パターン設定処理の詳細について説明する。図77は、本発明の第6の実施の形態の変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
本実施形態における変動パターン設定処理は、先読みゲームモードフラグの設定状態により対応する変動パターン選択テーブルを設定する処理が、第1実施形態における変動パターン設定処理に付加される。
遊技制御装置100は、まず、RWMの図柄情報領域に格納された作業用の図柄情報がはずれ図柄情報であるかをチェックし、判定する(S2801、S2802)。
作業用の図柄情報がはずれ図柄情報である場合には(S2802の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、先読みゲームモードフラグがオンであるか否かを判定する(S7701)。先読みゲームモードフラグは、先読みゲームモードを実行させる保留記憶が発生するとオンに設定され、当該変動の開始時にオフに設定される。
先読みゲームモードフラグがオンである場合には(S7701の結果が「Y」)、小ウィンドウでの変動表示ゲームを実行するため、遊技制御装置100は、先読みゲームモード用のはずれ変動パターン選択テーブルのアドレスを取得し、準備する(S7702)。先読みゲームモード用のはずれ変動パターン選択テーブルには、変動時間が一律に設定されている。その後、S2805以降の処理を実行する。
先読みゲームモードフラグがオフである場合には(S7701の結果が「N」)、通常の変動表示ゲームを実行するため、遊技制御装置100は、はずれ変動パターン選択テーブル(図30(B)参照)のアドレスを取得して準備し、(S2803)その後、S2805以降の処理を実行する。
一方、作業用の図柄情報がはずれ図柄情報ではない場合には(S2802の結果が「N」)、遊技制御装置100は、先読みゲームモードフラグがオンであるか否かを判定する(S7703)。
先読みゲームモードフラグがオンである場合には(S7703の結果が「Y」)、小ウィンドウでの変動表示ゲームを実行するため、遊技制御装置100は、先読みゲームモード用の当り変動パターン選択テーブルのアドレスを取得し、準備する(S7704)。なお、先読みゲームモード用の当り変動パターン選択テーブルには、変動時間が一律に設定されている。先読みゲームモード用の当り変動パターン選択テーブルと先読みゲームモード用のはずれ変動パターン選択テーブルでは同じ時間値が一律に設定されるので、先読みゲームモードでの小ウィンドウによる先読み演出では複数の変動を同時に終了させることができる。その後、S2805以降の処理を実行する。
先読みゲームモードフラグがオフである場合には(S7703の結果が「N」)、通常の変動表示ゲームを実行するため、遊技制御装置100は、当り変動パターン選択テーブル(図30(A)参照)のアドレスを取得して準備し、(S2804)その後、S2805以降の処理を実行する。
〔保留記憶が3個で先読みゲームモード画面に移行した場合の画面遷移〕
図78は、本発明の第6の実施の形態を説明するために、特図1に保留記憶が3個ある場合に先読みゲームモード画面に移行した画面遷移の一例を示す図である。
(A)は、特図1に保留1から保留3まで3個の保留記憶がある画面である。画面(A)での保留1を記憶A、保留2を記憶B、保留3を記憶Cとする。ここで、記憶Aは先読みゲームモードを実行させる保留記憶である。
(B)は、記憶Aの消化により先読みゲームモードが実行された画面である。Window1には記憶Aの変動表示ゲームが、Window2には記憶Bの変動表示ゲームが、Window3には記憶Cの変動表示ゲームが表示される。
ここで、Window4は、保留4の保留記憶がないため、Window枠のみ表示され、変動表示ゲームは表示されない。
(C)は、先読みゲームモード中に新たな入賞があった画面である。画面左上の保留記憶の表示が、(B)から1個増えている。しかし、Window4には当該新たな入賞分の変動表示ゲームは表示されない。
このように、小ウィンドウには先読みゲームモードが実行された時の保留記憶分しか表示されない。
〔第6の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第6の実施の形態によれば、先読みゲームモードを実行する保留記憶が消化されると、先読みゲームモードに移行し、当該保留記憶の変動表示ゲームが終了するまでの一変動の間、先読みゲームモードが継続する。先読みゲームモードでは、保留記憶に基づく変動表示ゲームで変動する飾り特別図柄の内容がそのまま小ウィンドウ内に表示される。そのため、遊技者はどの保留でどのような変動が行われるのかを事前に把握することができる。
また、本発明の第6の実施の形態によれば、遊技者の操作により任意の小ウィンドウを拡大して表示することが可能である。特に、拡大表示によってリーチの種類が判明するため、遊技者の関心の高い保留記憶の変動について事前に詳細な変動を把握することができる。そのため、遊技者は大当りへの期待度を事前に把握することができる。
また、本発明の第6の実施の形態によれば、予告領域は、全ての保留記憶に対しての期待度を、例えば、朝背景、昼背景、夜背景として報知し、保留演出領域は、実行中の変動表示ゲーム及び保留記憶の変動表示ゲームを個別に小さく表示する。そのため、遊技者にこれまでにない斬新な先読み演出を提供することができる。
また、小ウィンドウ内の変動時間は一律に設定され、先読みゲームモードが終了するまでに、一定の停止態様又はリーチ態様として表示される。そのため、先読みゲームモードから通常の変動表示ゲームの画面に移行するにあたって、遊技者に唐突感を与えることなく表示モードを移行することができる。
また、本発明の第6の実施の形態によれば、先読みゲームモードでは、リーチになる変動表示ゲームは小ウィンドウ内においてリーチ状態までしか変動しない。そのため、遊技者の期待感を高めるリーチ演出自体は、表示装置41の表示領域全体を使って臨場感のある演出が可能であり、遊技者に大当り確定への期待感を高めることができる。
(第7の実施の形態)
第1の実施の形態では、先読み時の大当り判定によって得られた判定結果が「高確率時のみの大当り」である場合であって、判定対象の保留記憶よりも先に通常大当りがある場合には、先読み演出を制限した。これに対して、第7の実施の形態では、変動表示ゲームが実行される直前(以下、変動開始時と記載)の保留数に基づいて変動パターンが決定される乱数値の場合には、先読み演出を制限する。
具体的には、本実施形態では、変動パターンの決定方法として、変動開始時の保留数に基づいて変動開始時に変動パターンが決定される保留数対応パターンと、保留数に関係なく変動パターンが決定される保留数非対応パターンとが設けられる。そして、入賞時の事前判定において、変動パターンの決定が保留数対応パターンに該当すると判定された場合には、遊技制御装置100は、専用の未確定変動パターンコマンドを演出制御装置300に送信する。未確定変動パターンコマンドを受信した演出制御装置300は、先読み演出を行わない等の先読み演出の制限をする。
以下、第7の実施の形態について図79から図87を参照して説明する。なお、第1の実施の形態又は第2の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
〔特図保留情報判定処理〕
図79は、本発明の第7の実施の形態の先読み予告設定処理の手順を示すフローチャートである。上述のとおり、特図保留情報判定処理は、変動表示ゲームの開始タイミングより前に保留記憶の結果関連情報(抽選結果、変動パターン等の情報)を判定する先読み処理である。
遊技制御装置100は、特図情報設定処理の実行(S1315)に続いて、変動パターン乱数の値から変動パターンを事前に判定する変動パターン事前判定処理を実行する(S7901)。
変動パターン事前判定処理(S7901)では、図81に示す本実施形態の変動パターン選択テーブルを使用し、入賞時に取得した変動パターン乱数の圧縮値振分処理(図15参照)を実行することで、判定対象となる保留記憶の変動パターンを事前に判定する。
本実施形態における変動パターン選択テーブルでは、変動開始時の保留数に基づいて変動開始時に変動パターンが決定される保留数対応パターンが設けられているが、入賞時に行なわれる事前判定においては、変動開始時にいずれの変動パターンが選択されるのか分からない。そこで、本実施形態では、保留数対応パターンに対応するため、事前判定時には変動パターンが未確定である変動パターン番号(図81(A)の2段目を参照)を用意する。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン事前判定処理(S7901)での判定結果となる変動パターン番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)及び始動口入賞演出コマンド(ACTION)を準備し(S7902)、準備したコマンドの設定処理を実行する(S1318)。遊技制御装置100が保留数対応パターンとして取得する変動パターン番号「07」を取得した場合には、上述のとおり、専用の未確定変動パターンコマンドが準備され、コマンド設定処理が実行される。
このように、本実施形態における特図保留情報判定処理は、変動パターン設定処理(S1316)に代えて変動パターン事前判定処理(S7901)を実行する。そして、事前判定の結果が保留数対応パターンである場合には、専用の未確定変動パターンコマンドが発信されるため、例えば、演出制御装置300において、先読み演出を禁止する制御が可能となる。
〔変動パターン事前判定処理〕
図80は、本発明の第7の実施の形態の変動パターン事前判定処理の手順を示すフローチャートである。
本処理の手順は変動パターン設定処理(図28参照)と同様であるため、詳細な説明は省略するが、S8003において準備する「はずれ変動パターン選択テーブル」は、図81(A)に示すテーブルである。本実施形態においては、変動開始時の保留数によって変動パターンが決定されるものには、全て本処理によって変動パターン「07」が振り分けられる。
第1の実施の形態においては、事前判定として始動記憶の入賞時に特図保留情報判定処理にて行う変動パターン設定処理と、実際の変動内容を決定するために変動開始時に変動開始処理にて行う変動パターン設定処理とにおいて処理内容が共通していたために同一のモジュール(変動パターン設定処理)を使用していたが、第7の実施の形態においては、事前判定時と変動開始時とで実行する処理内容が異なる。
図81は、本発明の第7の実施の形態の変動パターン選択テーブルを説明する図であり、(A)は抽選結果がはずれの場合に選択されるはずれ変動パターン選択テーブル、(B)は抽選結果が大当りの場合に選択される当り変動パターン選択テーブルである。
図81(A)に示す、はずれ変動パターン選択テーブルの2段目を参照すると、入賞時には変動パターンが未確定であるとして保留数対応パターンに対応する変動パターン番号「07」が配置されている。このように、事前判定において変動パターンが未確定である旨の変動パターン番号が定義されていることが本実施形態の特徴である。
事前判定により変動パターン番号「07」が振り分けられた場合は、実際の変動開始時に、図86(A)〜(C)に示す、はずれ変動パターン選択テーブル(保留数1用)〜(保留数3用)のうちいずれかを準備して変動パターンが振り分けられる。
一方、変動結果が当りの場合には、保留数による変動時間の調整を行なわないため、図81(B)に示す本実施形態の当り変動パターン選択テーブルには、上記の変動パターン番号「07」が定義されていない。
図82は、保留数対応パターンと保留数非対応パターンを説明するために、本実施形態のはずれ変動パターン選択テーブルに変動開始時の保留数を合わせて説明する図である。乱数値が所定の範囲(例えば、乱数値が1152〜1551の範囲)の場合、事前判定では変動パターンは未確定として振り分けられ、実際の変動開始時に、当該範囲の乱数値が図86に示す保留数1用から保留数3用のはずれ変動パターン選択テーブルを参照して振り分けられる。
太線で階段状に示す範囲は、事前判定により取得した変動パターン番号が「07」の場合であって、実際の変動開始時に振り分けられる変動パターンのうちリーチ態様となる変動パターンである。保留数対応パターンに該当する、乱数値が1152〜1551の範囲について説明すると、保留数が1の場合には、変動開始時にSP1〜SP3リーチのいずれかの変動パターンに振り分けられる。また、保留数が2の場合には、通常変動に振り分けられる割合が設けられるとともに、それ以外の割合ではSP1〜SP3リーチに振り分けられる。さらに、保留数が3の場合には、保留数が2の場合よりも通常変動に振り分けられる割合が大きくなり、残りの割合においてSP1〜SP3リーチに振り分けられる。保留数が4の場合には、乱数値が1152〜1551の範囲における全ての割合において通常変動が振り分けられる。
このように、保留数対応パターンの振り分けにおいて、保留数が多くなるほど、変動時間の短い変動パターンが振り分けられる割合が多くなるため、保留数が多い場合には保留記憶の消化を優先することができる。つまり、保留数対応パターンを設けることによって、保留数の積み上げと消化の調整機能を持たせることでき、保留数が上限まである時間を短くすることで、遊技者の止め打ちを防止して遊技機の稼働を高める効果を有する。
保留数対応パターンとなる乱数値の範囲は、事前判定時と実際に実行される変動パターンとに齟齬が生じる可能性があるため、先読み演出の制限対象となる。一方、それ以外(保留数非対応パターン)の乱数値の範囲は、入賞時の事前判定と実際に実行される変動パターンとに齟齬が生じないため、先読み演出の対象となる。
このように、本実施形態において、保留数対応パターンとなる乱数値の範囲では、保留記憶の積み上げと消化の調整を図ることができる。また、一の変動パターン乱数で、保留数対応/非対応パターンに対応できるため、それぞれに別途の変動パターン乱数を用意する必要がない。
図83は、本発明の第7の実施の形態の変動パターン番号と変動名、及び先読み演出の制限の有無を表す図である。変動パターン番号「07」において、先読み演出が「制限あり」として設定されるのは、変動開始時の保留数に応じて変動パターンが異なるためである。上述のとおり、保留数対応パターンを取得した場合には、先読み演出を制限することで事前判定と実際の変動との齟齬が生じることを防止できる。
〔特図変動開始処理〕
図84A及びBは、本発明の第7の実施の形態の特図1変動開始処理、特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理と特図2変動開始処理の相違点は既述であるため、ここでは本実施形態における特図1変動開始処理について説明する。
特図1変動開始処理は、変動開始時に実行する処理であり、先読みのために実行する処理ではない。具体的には、変動時に実際に実行する変動パターンを設定するために、取得した変動パターン乱数の値が保留数対応パターンの場合には、本処理において保留数に応じた詳細な変動パターンが決定される。
遊技制御装置100は、特図情報設定処理の実行(S2309a)に続いて、変動パターン設定処理を実行する(S8401a)。変動パターン設定処理は、変動開始時に変動パターン乱数に基づいて変動パターンを振り分け、変動パターンを決定する処理である。事前判定時に変動パターン番号「07」を取得した場合には、変動パターン設定処理において、保留数に基づいて変動パターンが振り分けられる。
次に、遊技制御装置100は、変動開始情報設定処理を実行する(S2311a)。変動表示ゲームの開始にあたり保留記憶が1個消化されるので、変動開始情報設定処理によって、保留数は−1更新される(S2911参照)。
〔変動パターン設定処理〕
図85は、本発明の第7の実施の形態の変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
S2801〜S2806の処理において、保留数対応/非対応パターンの区別なく振分処理を実行し、S2806にて変動パターン番号「07」を取得した場合には、保留数に応じて変動パターンを決定するために、再度振分処理を実行する(S8502〜S8508)。
遊技制御装置100は、圧縮値振分処理の実行(S2806)に続いて、S2806で取得した変動パターン番号が07であるか否かを判定する(S8501)。変動パターン番号が07ではない場合(S8501の結果が「Y」)、つまり保留数非対応パターンである場合には、再振分の必要はないため、S2806で取得した変動パターン番号を対象の変動パターン番号領域にセーブし(S2807)、本処理を終了する。
変動パターン番号が07である場合(S8501の結果が「Y」)、つまり保留数対応パターンである場合には、遊技制御装置100は、変動パターンの再振分を行うための処理を実行する。具体的には、まず、保留数が1であるか否かを判定する(S8502)。なお、本処理内で判断される保留数には、実行を開始する直前の変動表示ゲームの保留記憶が含まれる。そのため、保留数が1である場合とは、当該変動パターンを設定中の始動記憶のみが保留されており、変動表示ゲームの実行により、保留記憶の表示が「0」となる場合である。
保留数が1である場合には(S8502の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、保留数1用のはずれ変動パターン選択テーブル(図86(A)参照)のアドレスを取得し、準備する(S8503)。保留数が1ではない場合には(S8502の結果が「N」)、遊技制御装置100は、保留数が2であるか否かを判定する(S8505)。
保留数が2である場合には(S8505の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、保留数2用のはずれ変動パターン選択テーブル(図86(B)参照)のアドレスを取得し、準備する(S8506)。保留数が2ではない場合には(S8505の結果が「N」)、遊技制御装置100は、保留数が3であるか否かを判定する(S8507)。
保留数が3である場合には(S8507の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、保留数3用のはずれ変動パターン選択テーブル(図86(C)参照)のアドレスを取得し、準備する(S8508)。
次に、遊技制御装置100は、S8503、S8506又はS8508において準備したはずれ変動選択テーブルを参照して、圧縮値振分処理を実行し、変動パターン番号を取得する(S8504)。当該振分処理において、保留数対応パターンの変動パターンが決定される。
次に、遊技制御装置100は、S2806又はS8404において取得した変動パターン番号を対象の変動パターン番号領域にセーブし(S2807)、本処理を終了する。
一方、保留数が3ではない場合(S8507の結果が「N」)、つまり保留数が4である場合には、全て通常変動となるため、遊技制御装置100は再振分の必要がなく、変動パターン番号「01」を対象の変動パターン番号領域にセーブする(S8509)。
このように、変動開始時に実行される変動パターン設定処理において、変動パターンが決定される。入賞時に取得し特図記憶領域に格納された変動パターン乱数は、入賞時の事前判定と、変動開始時とにおいて振分処理が行われ、保留数対応パターンの場合には、再振分が実行される。
図86は、本発明の第7の実施の形態の保留数1用〜保留数3用のはずれ変動パターン選択テーブルである。保留数1用〜保留数3用のはずれ選択テーブルは、保留数対応パターンをS8504において再判定するための再判定用選択テーブルである。
保留数1用の選択テーブルには、ノーマルリーチ〜SP2リーチが定義されているが、保留数が少なくても信頼度の高いリーチが発生すると遊技者が止め打ちをする可能性があるため、信頼度の高いSP3リーチは保留数1用の選択テーブルには定義されていない。
また、保留数3用の選択テーブルには、保留数2用の選択テーブルよりも通常変動が選択される確率が高くなるように振分値で定義されている。また、保留数1用には定義されていない高期待度のSP3リーチが定義されている。このように定義することで、保留数が多いほどデジタルを早く回すか、期待度の高いリーチが発生するように設定し、遊技の興趣を高めることができる。
また、図86(A)〜(C)のいずれの選択テーブルも、1段目には乱数値が0〜1151の範囲の通常変動の振分値も含めて振分値が定義される。例えば、図86(A)に示す保留数1用の選択テーブルを参照すると、1段目の振分値「1344」は、横に内訳を示すとおり、1152と192の合計値である。当該選択テーブルを使用することで、0〜1343の乱数値は、変動パターン番号「02」に振り分けられることになるが、S2806の圧縮値振分処理により0〜1151の乱数値には変動パターン番号「01」が振り分けられて、S8501の判定処理によりS8502以降の処理を実行しないため、実際には1152〜1343の192個の乱数値が「02」に振り分けられることになる。
このように、通常変動の範囲となる乱数値0〜1151に続いて保留数対応パターンの乱数値の範囲を設定し、再判定用の選択テーブルの1段目には0〜1151の範囲の振分値も含めた振分値を定義することで、選択テーブルに定義するデータ量を抑えて、ROM容量の消費を抑制することができる。
〔先読み予告設定処理〕
図87は、本発明の第7の実施の形態の先読み予告設定処理の手順を示すフローチャートである。上述のとおり、先読み予告設定処理は演出制御装置300において実行される。
本実施形態では、保留数対応パターンの乱数値である場合には先読み演出を制限するために、S5006の処理に続いて事前判定により取得した変動パターン番号が「07」であるか否かを判定する処理(S8701)が、第2実施形態の先読み演出設定処理に追加される。
現在、先読み演出を実行中ではない場合には(S5006の結果が「N」)、演出制御装置300は、変動パターン事前判定処理において取得した変動パターン番号が「07」であるか否かを判定する(S8701)。
変動パターン番号が「07」である場合には(S8701の結果が「Y」)、演出制御装置300は、先読み演出を制限するため、以降の処理を実行せずに本処理を終了する。
変動パターン番号が「07」でない場合には(S8701の結果が「N」)、演出制御装置300は、先読み演出を実行するため、S5007以降の処理を実行する。これにより、図52の示すように、先読み対象となる保留記憶の形態が期待度に応じて変化する先読み演出が実行される。
〔第7の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第7の実施の形態によれば、保留数によって異なる変動パターンが選択される乱数値の場合には、先読み演出を制限する。そのため、入賞時の判定に基づく事前予告の内容と、実際の変動内容とに齟齬が生じることを防止することができる。
また、保留数によって異なる変動パターンが選択される乱数値を取得した場合には、先読み演出を制限しつつも変動開始時に保留数に基づいて変動パターンが決定される。これにより、一定の確率で変動パターンが選択されず、変動開始時の保留数に基づいて変動パターンが選択されるため、変動パターンの選択に変則性が取り入れられて遊技の興趣が向上する。
また、再振分用のはずれ変動パターン選択テーブルを用意することで、保留数によって異なる変動パターンを設けつつ、事前判定時と変動開始時の振り分けを同一の変動パターン乱数において実行できる。また、再振分用の選択テーブルの1段目には、通常変動の振分値も含めた振分値を定義するため、ROM容量の使用を抑制できる。
(第7の実施の形態の変形例1)
第7の実施の形態の変形例1では、保留数非対応パターンの先読み演出を実行するにあたって、先読みウィンドウが表示可能な先読み演出を行う。
以下、第7の実施の形態の変形例1について図88を参照して説明する。なお、第3の実施の形態又は第7の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
〔先読み予告設定処理〕
図88は、本発明の第7の実施の形態の変形例1の先読み予告設定処理の手順を示すフローチャートである。
本変形例では、保留数対応パターンの乱数値である場合には先読み演出を制限するために、S5006の処理に続いて事前判定により取得した変動パターン番号が「07」であるか否かを判定する処理(S8701)が、第3の実施の形態の先読み演出設定処理に追加される。
S8701において、変動パターン番号が「07」ではないと判定されると(S8701の結果が「N」)、演出制御装置300は、先読み演出を実行するため、S5007〜S5301の処理を実行する。S5301の処理において先読み演出実行フラグがオンに設定されると、当該フラグがオフになるまで先読み演出として図56に示すように先読みウィンドウが表示される。
一方、変動パターン番号が「07」である場合には(S8701の結果が「Y」)、演出制御装置300は、対象となる保留記憶の先読み演出を実行しないため、本処理を終了する。
〔第7の実施の形態の変形例1の効果〕
以上のように、本発明の第7の実施の形態の変形例1によれば、保留数非対応パターンのみを先読み演出の対象として先読みウィンドウ内にミニ変動表示ゲームを表示可能であるため、遊技の興趣が高まる。
(第7の実施の形態の変形例2)
第7の実施の形態の変形例2では、保留数非対応パターンの先読み演出を実行するにあたって、先読み対象となる保留記憶から後の保留記憶を連続的に使用して先読み演出の期待度を演出する。
以下、第7の実施の形態の変形例2について図89を参照して説明する。なお、第4の実施の形態又は第7の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
〔先読み予告設定処理〕
図89は、本発明の第7の実施の形態の変形例2の先読み予告設定処理の手順を示すフローチャートである。
本変形例では、保留数対応パターンの乱数値である場合には先読み演出を制限するために、S6401の処理に続いて事前判定により取得した変動パターン番号が「07」であるか否かを判定する処理(S8701)が第4実施形態の先読み演出設定処理に追加される。
S8701において、変動パターン番号が「07」ではないと判定されると(S8701の結果が「N」)、演出制御装置300は、先読み演出を実行するため、S6403〜S5301の処理を実行する。S5301の処理において先読み演出実行フラグがオンに設定されると、当該フラグがオフになるまで先読み演出として、図68に示すように先読み対象となる保留記憶から後の保留記憶を連続的に使用して先読み演出の期待度を演出する。
一方、変動パターン番号が「07」である場合には(S8701の結果が「Y」)、演出制御装置300は、対象となる保留記憶の先読み演出を実行しないため、本処理を終了する。
〔第7の実施の形態の変形例2の効果〕
以上のように、本発明の第7の実施の形態の変形例2によれば、保留数非対応パターンのみを先読み演出の対象として、先読み対象の保留記憶と後続の保留記憶とをゲーム性の高い表示態様とすることができ、遊技の興趣が高まる。
(第7の実施の形態の変形例3)
第7の実施の形態の変形例3では、事前判定時にはどの変動パターンが選択されるか分からない保留数対応パターンも先読み演出の対象とし、期待度を明確に報知しない態様として曖昧先読み演出を行う。
以下、第7の実施の形態の変形例3について図90から図91を参照して説明する。なお、第7の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
〔先読み予告設定処理〕
図90は、本発明の第7の実施の形態の変形例3の先読み予告設定処理の手順を示すフローチャートである。
本変形例では、所定の場合に期待度を明確に報知しない曖昧先読み演出を行うために、所定の場合に先読み予告実行フラグをオンに設定する処理が第7実施形態の先読み演出設定処理に追加される。
S8701において、変動パターン番号が「07」であると判定されると(S8701の結果が「Y」)、演出制御装置300は、先読み演出を実行するため、対象となる始動記憶表示に曖昧先読み演出である未確定先読み予告態様を設定する(S9001)。未確定先読み予告態様は、例えば、先読み演出の対象となる保留記憶を「?」として表示する等、期待度を曖昧なものとする予告態様である。
次に、演出制御装置300は、先読み予告変更フラグをオンに設定する(S9002)。先読み予告変更フラグがオンである場合、曖昧先読み演出を行っている始動記憶の変動開始時に、始動記憶数に基づいて先読み演出の表示態様を変更する。
一方、変動パターン番号が「07」ではない場合には(S8701の結果が「N」)、保留数非対応パターンの一部を曖昧先読み演出の報知態様に設定するため、演出制御装置300は、所定の割合での分岐処理を実行する(S9003)。
変動パターン番号「07」は、はずれ変動選択テーブルにのみ定義されるので、仮に変動パターン番号「07」のみを期待度が不明である報知態様とすると、結果として曖昧先読み演出は、はずれである報知となってしまう。そのため、当りであっても一定の割合で期待度を明確に報知しない曖昧先読み演出が実行されるように、変動パターン番号「07」以外の変動パターン番号の一部をS9001の処理へと分岐させる。
〔本変形例の演出態様を説明する画面遷移図〕
図91は、本発明の第7の実施の形態の変形例3の先読み演出の態様を説明するための画面遷移図である。
(A)〜(B)は、先読み対象となる保留記憶が発生し、次に実行されるという状況の画面であり、(C)〜(E)は、先読み対象となる保留記憶が実行される直前の保留数によって演出態様が異なることを説明するために3パターンに分かれている。
(A)は、先読み対象となる保留記憶が入賞し、保留記憶が「?」として未確定先読み予告態様による先読み演出が実行された画面である。事前判定により変動パターン番号「07」を取得した保留記憶、及び事前判定により「07」以外の変動パターン番号を取得した保留記憶のうち所定の割合の保留記憶が先読み対象となる。
(B)は、先読み対象の保留記憶よりのひとつ前に入賞した保留記憶が消化されて、新たな変動表示ゲームが実行された画面である。
(C−1)〜(C−3)は、先読み対象となる保留記憶が実行される直前の保留数によって異なっており、(C−1)は保留数が1個である画面、(C−2)は保留数が2個である画面、(C−3)は保留数が4個である画面である。
先読み対象となる保留記憶のひとつ前の保留記憶による変動表示ゲームが確定して、先読み対象の保留記憶が実行されるまでのインターバル期間である(C)までは、先読み演出は「?」として未確定先読み予告態様の状態である。
(D)は、先読み対象の保留記憶が実行される直前の画面である。(D)が表示される時間は(C)から(E)へと遷移する間の僅かな時間であるが、先読み演出が未確定先読み予告態様から、変動開始時に実際に振り分けられた変動パターンに基づいた演出態様に変化する。
(D−1)での先読み演出は、保留数が1個であるため、保留数1用の選択テーブルによって振り分けられた変動パターンとして期待度の高位のリーチ態様が選択されたことを示唆する先読み態様Bに変化している。
(D−2)での先読み演出は、保留数が2個であるため、保留数2用の選択テーブルによって振り分けられた変動パターンとして期待度が中位のリーチ態様が選択されたことを示唆する先読み態様Aに変化している。
(D−3)での先読み演出は、保留数が4個であるため、通常変動が選択されたことを示唆する通常の保留表示態様に変化している。
(E−1)〜(E−3)は、先読み対象の保留記憶が消化されて、変動表示ゲームが実行された画面である。
このように、保留数対応パターン及び保留数非対応パターンの一部は、入賞時から変動開始直前まで、例えば、「?」として先読み演出がされ、変動開始直前の僅かな時間において実際に振り分けられた変動パターンに基づく期待度を報知する。これにより、先読み対象の保留記憶が変動開始の直前まで不明であるため、遊技者に期待感を与えるとともに、保留数対応パターンについて実際の期待度と矛盾なく先読み演出が可能となる。
また、保留数非対応パターンについても第7実施形態のとおり、先読み演出が実行可能であるため、保留数対応パターン及び保留数非対応パターンのいずれも先読み演出が可能となる。
なお、本変形例では、変動開始時に実際に振り分けられた変動パターンに基づいて先読み演出の演出態様を変化させたが、事前判定で変動パターン番号「07」以外を取得した保留記憶に関しては、それぞれの変動パターン番号に基づいた先読み演出態様とする一方、事前判定で変動パターン番号「07」を取得した保留記憶に関しては、変動開始時の保留数に基づいて、先読み態様を変更するようにしてもよい。具体的には、保留数が1の場合は必ずリーチが発生するので期待度中の先読み態様Bに、保留数が2または3の場合はリーチまたは通常変動が発生するので期待度低の先読み態様Aに、保留数が4の場合は必ず通常変動が発生するので先読み態様を終了させて通常時の保留表示態様に変更するようにしてもよい。このようにした場合、変動開始時の変動パターンの判定結果を確認することなく、曖昧先読み演出の表示態様を変更させることができる。
〔第7の実施の形態の変形例3の効果〕
以上のように、本発明の第7の実施の形態の変形例3によれば、保留数対応パターンについても実際の変動内容との矛盾が生じがたい態様にて先読み演出が可能であり、遊技の興趣が向上する。
なお、本願において、先読み演出を実行しないように制御するにあたっては、全く先読み演出を実行しないようにすること以外にも、チャンスアップ演出しか実行しない、激熱演出は実行しない、など、少なくとも、当選確実を報知する当確演出は実行しないように制御してもよい。
(第8の実施の形態)
第7の実施の形態では、事前判定によって判定対象の変動パターンが保留数対応パターン(非共通部、可変振分判定値)であると判定された場合には、再振分において、保留数非対応パターンにて振り分けられる全ての種類の変動パターンのいずれかに振り分けられていた。これに対して、第8の実施の形態では、事前判定によって判定対象の変動パターンが保留数対応パターン(非共通部、共通振分判定値)であると判定された場合には、再振分において、ノーマルリーチを除くいずれかの変動パターンに振り分けられるものとする。
以下、第8の実施の形態について図92、図93を参照して説明する。なお、第7の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
図92は、本発明の第8の実施の形態のはずれ変動パターン選択テーブルに変動開始時の保留数を合わせて説明する図である。非共通部において、ノーマルリーチが振り分けられていない点で図82と相違する。
太線で階段状に示す範囲には、ノーマルリーチの振り分けを含まず、保留数1〜保留数3のそれぞれにおいてSPリーチの選択率が変更される。なお、保留数4の非共通部は、全て通常変動に振り分けられているが、保留数3よりも少ない割合でSPリーチを振り分けるようにしてもよい。
図93は、本発明の第8の実施の形態との対比となる、従来のはずれ変動パターン選択テーブルに変動開始時の保留数を合わせて説明する図である。(A)は従来1として、通常変動又はノーマルリーチが保留数対応パターンの範囲に定義されている従来のはずれ変動パターン選択テーブルを説明する図であり、(B)は従来2として、保留数ごとに個別に乱数値の振り分けが定義されている従来のはずれ変動パターン選択テーブルを説明する図である。
図93(A)での従来1のはずれ変動パターン選択テーブルは、保留数非対応パターンの範囲(保留数が異なっても振り分け内容が共通する共通部)と保留数対応パターンの範囲(保留数に応じて振り分け内容が異なる非共通部)とによって定義されるが、保留数対応パターンの範囲には、通常変動かノーマルリーチのいずれかが定義されている。従来1では、保留数対応パターンの範囲であっても、通常変動以外にはノーマルリーチしか定義されていないため、保留数が少ないほどノーマルリーチの出現率が高まるのみである。SPリーチは保留数非対応パターンの範囲でのみ選択可能とされ、保留数が変化しても選択率は一定であるため、実際の変動内容との整合性を維持した先読み演出を実行し易いものの、興趣向上の効果が乏しい。
これとは別に、図93(B)での従来2のはずれ変動パターン選択テーブルは、興趣向上のためにSPリーチの選択率を保留数によって変化させているものの、共通部と非共通部といった定義のされ方ではないため、先読み演出との整合性を保つことが困難である。図93(B)の下方に示す点線の乱数値の振り分けを例にとると、保留数が1の場合には、SP2リーチに振り分けられるが、保留数が2〜4の場合には、SP1リーチに振り分けられる。このように、事前判定においてSP2リーチと判定されても、実施の変動開始時にはSPリーチ1として実行される場合があるなど、先読み演出と実変動とが異なる結果となるため、従来2の選択テーブルでは先読み演出の信頼度が損なわれることになる。特に、実変動における期待度が、事前判定時の期待度から低下すること(いわゆる格下げ)は、遊技の興趣を損なわせてしまうおそれがある。
一方、事前判定と実変動との間で、期待度の格下げが発生しないようにするために、保留数1〜4での振り分けにおいてSP1〜SP3リーチの振分率を共通とした場合には、ゲーム性が乏しくなってしまい、遊技者の興趣を高めにくくなる問題がある。例えば、保留数が多いほど変動時間の短い変動パターンを選択して保留消化を迅速に行うことを優先し、保留数が少ないほど遊技者に期待感を持たせるためにSP3リーチの発生率を高めるといった、柔軟な振分率の設定ができなかった。
このような課題を解決するために、本実施形態では、先読み演出の信頼性を維持しつつ、保留数に応じて遊技者の興趣を高める変動パターンを選択することができる。
実変動での変動パターンの決定手順は、第7の実施の形態と同一であるため説明を省き、事前判定において乱数値が非共通部の範囲であると判定された場合についてを説明する。
本実施形態では、抽選結果がはずれである場合には、図81(A)に示すはずれ変動パターン選択テーブルによって事前判定し、共通部の範囲である変動パターン番号「01」〜「05」に振り分けられた場合、変動開始時の保留数がいくつであっても、事前判定と実変動とに齟齬が生じることはないので、事前判定された変動パターンに基づいて先読み演出を実行する。
一方、非共通部の範囲である変動パターン番号「07」に振り分けられた場合には、変動開始時に保留数に応じて、保留数1用から保留数3用の変動パターン選択テーブルを用いて再判定し、変動パターン番号を「01」もしくは「03」〜「05」のいずれかに振り分ける。
変動パターン番号「07」の場合、保留数に基づいて変動開始直前に行なわれる再振分において変動パターン番号「01」もしくは「03」〜「05」のいずれかが選択される。つまり、変動パターン番号「07」の場合には、保留数に基づいて通常変動もしくはSPリーチ1〜SPリーチ3のいずれかがが実行されることとなる。
〔第8の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第8の実施の形態によれば、保留数対応パターンである非共通部の範囲にてSPリーチを積極的に振り分けるようにしたので、期待度の低いノーマルリーチの出現率を増やすことなく、期待度の特に高い変動パターンの出現率を保留数に応じて増やすことができ、遊技状態に応じて遊技者の興趣を積極的に高めることができる。
特に、保留数が少ない時に、期待度の高い変動パターンを積極的に実行可能となるので、遊技者に期待感を与えて、遊技台から遊技者が離れることを抑制することができる。
(第9の実施の形態)
第7の実施の形態では、事前判定において変動パターンの決定が保留数対応パターンであると判定された場合には、先読み演出を制限した。これに対して、第9の実施の形態では、事前判定において実際の保留数に関係なく保留数4用の変動パターン選択テーブルを用いて判定を行い、リーチと判定されなかった場合には、先読み演出を制限する。
以下、第9の実施の形態について図94、図95を参照して説明する。なお、本実施形態では、抽選結果が「はずれ」となる場合の変動パターンの振り分けに特徴があることから、抽選結果が「はずれ」となる始動記憶の事前判定及び変動開始時の振り分けについて説明する。また、第7の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
図94は、本発明の第9の実施の形態において、複数用意されるはずれ変動パターン選択テーブルを、縦軸に変動パターン乱数の乱数値、横軸に保留数、として説明する図である。
また、図95は、本発明の第9の実施の形態のはずれ変動パターン選択テーブルを説明する図であり、(A)は第1振り分けで用いるテーブル群振分用テーブルを説明する図、(B)は第2振り分けで用いるはずれ変動パターン選択テーブルを説明する図である。
本実施形態では、はずれ変動パターン選択テーブルが、図95(B)に示すように、例えば、16個用意され、実変動の決定に際して2段階での振り分けを実行する。16個のテーブルは、テーブルA群〜テーブルD群までの4群に分かれ、各テーブル群は、保留数1用〜保留数4用の4個のテーブルをそれぞれ含む。また、図94に示すように、各テーブル群は、それぞれに決まった種類のリーチが定義されている。例えば、乱数値が0〜12499の範囲のテーブルA群では、通常変動に加えてノーマルリーチが、乱数値が12500〜24999の範囲のテーブルB群では、通常変動に加えてSP1リーチが定義される。
まず、実変動の変動パターンを決定する手順から説明する。
遊技制御装置100は、変動開始時に、変動パターン乱数の値を、例えば、12500ごとの区切りのいずれの範囲であるかを1回目の振り分け(第1振り分け)において振り分け、図95(A)に示すテーブル群を決定する。
16個のテーブルには、保留数ごとに変動パターンの振分率が異なるよう設定するが、保留数ごとの各リーチの判定開始値は共通となる。そのため、第1振り分けの結果、テーブル群が決定すると、リーチの種類も決定される。
その後、2回目の振り分け(第2振り分け)において、振り分けられたテーブル群と変動開始時の保留数に基づいて、リーチか通常変動かの振り分けを行う。その結果、実変動の変動パターンが決定する。図94に示すように、いずれのテーブル群においても保留数が少ないほど遊技者に期待感を与えるためにリーチの発生する割合が多い。
次に、事前判定の手順について説明する。
図94に示すとおり、保留数4用のテーブルにおける通常変動の範囲(リーチではない範囲)は、保留数1用〜保留数3用のテーブルにおいては、通常変動又はリーチと判定される範囲である。そのため、保留数4用のテーブルにおけるリーチではない範囲は、実際の変動開始時に通常変動であるかリーチであるか不明であり、演出制御装置での変動パターンの認識では「?」として表している。
仮に、「?」の範囲を先読みすると、先読み演出と実変動とに齟齬が生じる場合があるが、保留数4用のテーブルにおけるリーチの範囲は、保留数1用〜保留数3用のテーブルにおいても同一のリーチが発生する範囲である。そのため、保留数4用のテーブルでのリーチの範囲のみを先読み演出の対象とする。
〔第9の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第9の実施の形態によれば、リーチ発生率の一番低い保留数4用のテーブルで事前判定するため、実際の変動開始時に保留数が何個であっても、実変動が先読み演出で報知された期待度から格下げとなることはない。そのため、信頼度の高い先読み演出によって遊技の興趣を高めることができる。
また、第7の実施の形態と同様に、変動開始時の保留数ごとに変動パターンの振り分けが可能であるため、保留数が少ないほど期待度の高いリーチの発生割合が高く、保留数が多いほど変動時間を短くするといった、柔軟な設定が可能である。そのため、従来の遊技機と比べて遊技の興趣を高めることができる。
なお、2段階の振り分けとせずに、第7の実施の形態と同様に、保留数ごとのテーブルのみを用意し、乱数値0〜49999を1個のテーブルで振り分けて、判定する方法でもよい。当該方法では、1個のテーブル内に通常変動の範囲が4か所に定義されるが、テーブル数を少なくすることが可能である。
(第9の実施の形態の変形例1)
第9の実施の形態では、事前判定において実際の保留数に関係なく保留数4用の選択テーブルを用いて判定を行い、リーチと判定されなかった場合には、先読み演出を制限した。これに対し、第9の実施の形態の変形例1では、事前判定において実際の保留数に関係なく保留数4用の選択テーブルを用いて判定を行い、リーチと判定された場合に加え、保留数に応じて実行内容が変化しない共通部における通常変動と判定された場合にも、先読み演出の対象とする。特に、連続予告などのある演出の発生条件として、保留内にリーチがないことを条件にするような場合に、先読み演出を実行することができる。
以下、第9の実施の形態の変形例1について図96から図97を参照して説明する。なお、第9の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
図96は、本発明の第9の実施の形態の変形例1において、複数用意されるはずれ変動パターン選択テーブルを、縦軸に変動パターン乱数の乱数値、横軸に保留数、として説明する図である。図94とは、振り分け方が異なり、またそれによって演出制御装置での変動パターンの認識が異なる。特に、振分値を共通部と非共通部とに分け、いずれの保留数のテーブルにおいても、共通部に通常変動を振り分けている点が本変形例の特徴である。
また、図97は、本発明の第9の実施の形態の変形例1のはずれ変動パターン選択テーブルを説明する図である。
図96に示すように、本変形例では、例えば、乱数値0〜20749を保留数非対応パターン(共通部)、乱数値20750〜49999を保留数対応パターン(非共通部)との大きく2つに分けて、保留数ごとのテーブルにそれぞれ変動パターンを定義する。そして、実変動の変動パターンの決定において、非共通部に振り分けられた場合のみ2段階での振り分けを実行する。
実変動の第1振り分けにおいて、共通部である通常変動に振り分けられた場合には、第2振り分けを実行せず、非共通部に振り分けられた場合のみ第2振り分けを実行する。一般に、変動パターンの選択において、通常変動に振り分けられる割合は多いため、本変形例では、常に2段階での振り分けが実行される第9の実施の形態と比較して遊技制御装置100の処理負担を軽減することができる。
また、事前判定に保留数4用の選択テーブルを用いるのは、先読み演出での報知内容と、実変動とで齟齬が生じないように判定するためである。すなわち、共通部である通常変動に振り分けられた場合には、実変動においていずれの保留数に態様する選択テーブルを用いて振り分けられたとしても通常変動であるため、矛盾のない先読み演出とすることができる。また、非共通部であってもリーチ(ノーマルリーチ〜SP3リーチ)に振り分けられた場合には、実変動においていずれの保留数に対応する選択テーブルを用いて振り分けられたとしても、振分結果はリーチ変動となるため、実変動で期待度の格下げが生じることのない先読み演出とすることができる。
なお、保留数1用〜保留数4用のテーブルは第9の実施の形態と同様に、テーブル群に分かれて用意されるが、テーブル群に分かれずに、保留数ごとに1個のテーブルとして用意されてもよい。
まず、事前判定の手順について説明する。
図96に示すように、共通部の範囲は変動開始時の保留数がいくつであっても、通常変動の変動パターンが選択されるため、事前判定において判定対象の乱数値が共通部の範囲であると判定された場合には、実変動は必ず通常変動となる。また、各テーブル群ごとに振り分けられるリーチの種類が同一であり、各リーチの振り分けの判定開始値を共通とし、保留数4用のテーブルがリーチに振り分けられる割合が一番小さいため、保留数4用の変動パターン選択テーブルにてリーチに振り分けられた場合には、実変動は必ず振り分けられたリーチとなる。
このように、保留数4用のテーブルによる事前判定を実行することで、判定対象の保留記憶が通常変動となるか否か、いずれのリーチとなるか否かが事前に確定する判定結果を得ることが可能なため、本変形例では、保留数4用のテーブルを用いて事前判定を実行する。
本変形例の事前判定では、共通部にて通常変動であると判定された場合の全てにおいて、実変動は必ず通常変動であり、事前判定で実変動が通常変動となることが確定する。そして、保留数が複数あって、いずれの保留記憶も通常変動であると確定できる場合には、例えば、保留内にリーチとなる保留記憶がないことを条件とする連続予告演出等を実行可能となる。
一方、事前判定において、判定対象の乱数値が非共通部の範囲であり、リーチではないと判定された場合には、実際の変動開始時に通常変動であるかリーチであるか事前には不明であるため、先読み演出の実行を制限する。
次に、実変動の変動パターンを決定する手順を説明する。
図96に示すように、乱数値0〜20749の範囲は、保留数1〜保留数4のいずれにおいても、通常変動となる範囲であり、各テーブルでの共通部となる。そのため、変動パターン乱数の乱数値が共通部の範囲か非共通部の範囲のいずれか(テーブル群A〜テーブル群D)を判定する。
変動パターン乱数の乱数値が共通部の範囲である場合は、いずれの保留数に対応するテーブルで判定しても通常変動が選択されるため、通常変動の変動パターンが実変動の変動パターンとして決定する。
一方、変動パターン乱数の乱数値が非共通部の範囲である場合は、変動開始時の保留数によって、処理が分岐する。
変動開始時の保留数が「1」である場合には、第1振り分けの判定結果(ノーマルリーチ〜SP3リーチのいずれか)より、実変動の変動パターンを決定する。
変動開始時の保留数が「1」ではない場合には、第1振り分けの判定結果であるテーブル群と変動開始時の保留数に合わせたテーブルを用いて、第2振り分けを実行し、実変動の変動パターンを決定する。
このように、本変形例では、第1振り分けにおいて、乱数値が共通部の範囲であると判定された場合には、第2振り分けが実行されずに、実変動の変動パターンが決定する。そのため、第9の実施の形態よりも遊技制御装置100の処理負担が軽減される。
また、図96に示すように、非共通部であっても保留数ごとの全てのテーブルの区切り値(乱数値の判定開始値)が同一であるので、テーブル群を組むことができ、第1振り分けから第2振り分けへと2段階の振り分けを実行することができる。
〔第9の実施の形態の変形例1の効果〕
以上のように、本発明の第9の実施の形態の変形例1によれば、通常変動に振り分けられる乱数値の一部を全ての保留数に共通する乱数値に定義されるので、実変動時に保留数が何個であっても、実変動が通常変動となるか否かを確定することができる。そのため、実行条件として、保留内にリーチとなる保留記憶がないことを条件とする、例えば、連続予告演出を実行することができる。
また、本発明の第9の実施の形態の変形例1によれば、リーチとなる割合が一番少ない保留数4用のテーブルを用いて事前判定するため、実変動がリーチとなるか否かが確定する判定結果を得ることができる。そのため、格下げとなることがない先読み演出を実行することが可能となる。
(第9の実施の形態の変形例2)
第9の実施の形態の変形例2では、事前判定において実際の保留数に関係なく保留数1用の選択テーブルを用いて判定を行い、保留数に応じて実行内容が変化しない共通部における通常変動と判定された場合に、先読み演出の対象とする。第9の実施の形態の変形例1と同様に、連続予告などのある演出の発生条件として、保留内にリーチがないことを条件にするような場合に、先読み演出を実行することができる。
以下、第9の実施の形態の変形例2について図98から図99を参照して説明する。なお、第9の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
図98は、本発明の第9の実施の形態の変形例2において、複数用意されるはずれ変動パターン選択テーブルを、縦軸に変動パターン乱数の乱数値、横軸に保留数、として説明する図である。事前判定に用いるテーブルが保留数1用である点で図96と相違する。
また、図99は、本発明の第9の実施の形態の変形例2のはずれ変動パターン選択テーブルを説明する図であり、(A)は第1振り分けで用いる保留数1用のはずれ変動パターン選択テーブルを説明する図、(B)は第2振り分けで用いる保留数2用から保留数4用のはずれ変動パターン選択テーブルを説明する図である。
図98に示すように、本変形例では、例えば、乱数値0〜20749を保留数非対応パターン(共通部)、乱数値20750〜49999を保留数対応パターン(非共通部)との大きく2つに分けて、保留数ごとのテーブルにそれぞれ変動パターンを定義する。そして、実変動の変動パターンの決定にのみ2段階での振り分けを実行する。
事前判定及び第1振り分けにおいて用いる保留数1用のテーブルは、テーブルA群〜テーブルD群の4つに分かれて用意されず、図99(A)に示すように、通常変動〜SP3リーチまでの5つの振分値を定義された1個のテーブルが用意される。保留数2用〜保留数4用のテーブルは、テーブル群に分かれて用意される。
まず、事前判定の手順について説明する。
図98に示すように、共通部の範囲は変動開始時の保留数がいくつであっても、通常変動の変動パターンが選択されるため、事前判定において判定対象の乱数値が共通部の範囲であると判定された場合には、実変動は必ず通常変動となる。
そして、保留数1用のテーブルによる事前判定のみを実行することで、判定対象の保留記憶が通常変動となるか否かが事前に確定するため、本変形例では、保留数1用のテーブルを用いて事前判定を実行する。
本変形例の事前判定では、通常変動であると判定された場合の全てにおいて、実変動は必ず通常変動であり、事前判定で実変動が通常変動となることが確定する。一方、事前判定において、判定対象の乱数値が非共通部の範囲であると判定された場合には、実際の変動開始時に通常変動であるかリーチであるか事前には不明であるため、先読み演出の実行を制限する。
なお、事前判定において、保留数1用のテーブルを用いて第1振り分けを実行した結果、非共通部であると判定された場合には、保留数4用のテーブルを用いて第2振り分けを実行することで、実変動がリーチとなるか否かを確定することができる。その場合は、演出制御装置での変動パターンの認識として「?」として表している範囲以外を先読み演出の対象とすることが可能となる。
次に、実変動の変動パターンを決定する手順を説明する。
図98に示すように、乱数値0〜20749の範囲は、保留数1〜保留数4のいずれにおいても、通常変動となる範囲であり、各テーブルでの共通部となる。そのため、実変動の変動パターンの決定にあたっては、保留数1用のテーブルを用いて振り分け、変動パターン乱数の乱数値が共通部の範囲か非共通部の範囲のいずれか(テーブル群A〜テーブル群D)を判定する。
変動パターン乱数の乱数値が共通部の範囲である場合は、保留数がいくつであっても通常変動であるため、通常変動の変動パターンが実変動の変動パターンとして決定する。
一方、変動パターン乱数の乱数値が非共通部の範囲である場合は、変動開始時の保留数によって、処理が分岐する。
変動開始時の保留数が「1」である場合には、第1振り分けの判定結果(ノーマルリーチ〜SP3リーチのいずれか)より、実変動の変動パターンを決定する。
変動開始時の保留数が「1」ではない場合には、第1振り分けの判定結果であるテーブル群と変動開始時の保留数に合わせたテーブルを用いて、第2振り分けを実行し、実変動の変動パターンを決定する。
このように、本変形例では、第1振り分けにおいて、乱数値が共通部の範囲であると判定された場合には、第2振り分けが実行されずに、実変動の変動パターンが決定する。そのため、第9の実施の形態と比べて遊技制御装置100の処理負担が軽減される。
〔第9の実施の形態の変形例2の効果〕
以上のように、本発明の第9の実施の形態の変形例2によれば、通常変動となる割合が一番少ない保留数1用のテーブルで事前判定するため、実際の変動開始時に保留数が何個であっても、実変動が通常変動となるか否かを確定することができる。そのため、実行条件として、保留内にリーチとなる保留記憶がないことを条件とする、例えば、連続予告演出を実行することができる。
また、本発明の第9の実施の形態の変形例2によれば、事前判定において、保留数1用のテーブルを用いて第1振り分けを実行した結果、非共通部であると判定された場合には、保留数4用のテーブルを用いて第2振り分けを実行することで、実変動がリーチとなるか否かを確定することができる。そのため、格下げとなることがない先読み演出を実行することが可能となる。
(第9の実施の形態の変形例3)
第9の実施の形態では、第2振り分けにおいて、リーチと通常変動の2個の振分値が定義された保留数4用の選択テーブルを用いて判定を行い、リーチと判定されなかった場合には、先読み演出を制限した。これに対し、第9の実施の形態の変形例3では、第2振り分けにおいて、リーチと、暫定の通常変動と確定の通常変動の3個の振分値が定義された保留数4用の選択テーブルを用いて判定を行い、リーチ又は確定の通常変動と判定された場合には、先読み演出の対象とする。そのため、本変形例では、第9の実施の形態と同様に格下げとなることがない先読み演出を実行することができ、また、第9の実施の形態の変形例1と同様に連続予告を実行することができる。
以下、第9の実施の形態の変形例3について図100から図101を参照して説明する。なお、第9の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
図100は、本発明の第9の実施の形態の変形例3において、複数用意されるはずれ変動パターン選択テーブルを、縦軸に変動パターン乱数の乱数値、横軸に保留数、として説明する図である。図94とは、演出制御装置での変動パターンの認識が異なる。
また、図101は、本発明の第9の実施の形態の変形例3のはずれ変動パターン選択テーブルを説明する図であり、(A)は第1振り分けで用いるテーブル群振分用テーブルを説明する図、(B)は第2振り分けで用いる保留数1用から保留数4用のはずれ変動パターン選択テーブルを説明する図である。
実変動の変動パターンの決定手順は、第9の実施の形態と同一であるため説明を省略し、本変形例における事前判定について説明する。
図101(B)に示すように、本変形例の保留数4用のテーブルでは、通常変動と判定される範囲を、他の保留数ではリーチと判定される可能性がある「暫定の」通常変動の範囲と、他の保留数でも必ず通常変動と判定される「確定の」通常変動の範囲とに分けて定義される。
暫定の通常変動の範囲は、図100の演出制御装置での変動パターンの認識において「?」で示す範囲であり、変動開始時の保留数によって変動パターンが異なる範囲であるため、先読み演出を禁止する範囲となる。
一方、リーチと判定される範囲と、確定の通常変動と判定される範囲は、変動開始時の保留数がいくつであっても、実変動が判定結果と同一の変動パターンとなるため、先読み演出の対象とすることができる。
そして、変動開始時の判定では、確定の通常変動と暫定の通常変動とのどちらに振り分けられても、通常変動として変動パターンを決定する。
〔第9の実施の形態の変形例3の効果〕
以上のように、本発明の第9の実施の形態の変形例3によれば、通常変動となる割合が一番小さい保留数1用の乱数値に合わせた「確定の」通常変動の範囲が定義された保留数4用のテーブルによって、事前判定を実行することで、実際の変動開始時に保留数が何個であっても、実変動が通常変動となるか否かを確定することができる。そのため、実行条件として、保留内にリーチとなる保留記憶がないことを条件とする、例えば、連続予告演出を実行することができる。
また、本発明の第9の実施の形態の変形例3によれば、通常変動の範囲を暫定の通常変動の範囲と確定の通常変動の範囲に分けた保留数4用のテーブルによって、事前判定することで、通常変動であるか否かに加えてリーチであるか否かを確定することができる。そのため、連続予告演出の実行制御に加えて、格下げとなることがない先読み演出を実行することが可能となる。
(第9の実施の形態の変形例4)
第9の実施の形態から第9の実施の形態の変形例3までは、リーチの種類ごとにテーブル群を設けて2段階振り分けを実行した。これに対し、第9の実施の形態の変形例4では、変動パターン乱数を共通部と非共通部に振り分ける第1振り分けと、通常変動〜SP3リーチに振り分ける第2振り分けとを実行する。
以下、第9の実施の形態の変形例4について図102から図103を参照して説明する。なお、第9の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
図102は、本発明の第9の実施の形態の変形例4において、複数用意されるはずれ変動パターン選択テーブルを、縦軸に変動パターン乱数の乱数値、横軸に保留数、として説明する図である。
また、図103は、本発明の第9の実施の形態の変形例4のはずれ変動パターン選択テーブルを説明する図であり、(A)は第1振り分けで用いる非共通部の下限値判定用テーブルを説明する図、(B)は第2振り分けで用いる非共通部及び共通部のはずれ変動パターン選択テーブルを説明する図である。
図102に示すように、本変形例では、はずれ変動パターン選択テーブルは、非共通部と共通部の2個の範囲に大きく分かれ、いずれの範囲においても、通常変動〜SP3リーチが定義される。
まず、実変動の変動パターンを決定する手順から説明する。
実変動の変動パターンの決定に際しては、まず、図103(A)に示すテーブルを用いて、変動パターン乱数の乱数値が非共通部の範囲か共通部の範囲かを判定する。本変形例では、非共通部を判定値の端に寄せているため、非共通部であるか否かを判定するに際して、範囲の上限または下限を判定すればよく、遊技制御装置100の処理負担を少なくすることができる。
次に、図103(B)に示すテーブルを用いて、第2振り分けを実行する。第1振り分けにより非共通部の範囲であると判定された場合には、変動開始時の保留数に応じたテーブルを選択して、第2振り分けが実行される。
第1振り分けにより共通部の範囲であると判定された場合には、共通部用のテーブルを用いて第2振り分けが実行される。なお、この共通部用のテーブルは、事前判定においても用いられる。
次に、事前判定について説明する。
事前判定においても、図103(A)に示すテーブルを用いて第1振り分けを実行し、共通部の範囲であると判定された場合には、(B)に示す共通部用のテーブルを用いて第2振り分けを実行して、判定結果を演出制御装置300に送信する。
一方、第1振り分けにおいて非共通部の範囲であると判定された場合には、実変動との齟齬が生じるおそれがあるため、先読み演出は制限される。
〔第9の実施の形態の変形例4の効果〕
以上のように、第9の実施の形態の変形例4によれば、実変動の決定では、非共通部に振り分けられるか否かを最初に判定し、非共通部であると判定された場合には、保留数に対応した第2振り分けを実行するため、非共通部の判定を実行する際の遊技制御装置100の処理負担を少なくすることができる。
また、事前判定では、第1振り分けにおいて非共通部であると判定された場合には、先読み演出を制限し、共通部であると判定された場合には、実変動での振り分けと同一の共通部用テーブルを用いて判定するため、遊技制御装置100の処理負担を少なくすることができる。
なお、先読み演出は、複数の保留記憶を一連の演出として消費する、いわゆる連続予告として実行してもよい。
また、本願で説明する圧縮データ(圧縮振分コード)は、変動パターン乱数の振り分けの他、大当り乱数の判定や普図の判定に用いてもよく、また、スロットマシンでの乱数判定に用いてもよい。
以上の説明より、特許請求の範囲に記載した以外の本発明の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(1)変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置と、始動条件の成立に基づいて抽出した乱数値を所定の判定値と比較して判定した判定結果に基づいて前記変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段と、を備え、前記変動表示ゲームの結果態様が特別結果となる場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、前記乱数値を、所定数を上限に始動記憶として記憶する始動記憶保留手段と、前記所定の判定値に対応する第1判定値を記憶する判定値記憶手段と、前記第1判定値を、前記所定の判定値である第2判定値に変換する判定値変換手段と、を備え、前記変動表示ゲームの進行制御内容を、前記始動記憶保留手段に記憶されている乱数値と前記第2判定値とに基づいて判定し、前記判定値記憶手段は、前記第2判定値を格納するために必要な容量よりも少ない容量で前記第1判定値を格納可能であることを特徴とする遊技機。
(2)前記第2判定値は、該第2判定値として設定することのできる最大値内において、所定間隔で値を設定可能であり、前記値が小さいほど所定の範囲内で設定可能な値の間隔が狭くなることを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(3)前記第2判定値は、一の前記判定結果に複数の値を設定可能であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の遊技機。
(4)前記乱数値は、上限値が設定されており、前記第2判定値は、前記上限値よりも大きな値を設定可能であることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の遊技機。
(5)前記判定値変換手段は、前記第1判定値が所定の値以下の場合には、所定の定数を乗じた数を前記第2判定値として算出する一方、前記第1判定値が所定数よりも大きい場合には、前記所定数を減じた数を前記第2判定値として算出することを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の遊技機。
(6)前記第1判定値は、少なくとも1のビットからなる第1のビットと、前記第1のビット以外のビットからなる第2のビットとによって構成され、前記判定値変換手段は、前記第1のビットを指数として所定の定数の累乗を算出した値に、前記第2のビットを乗じた数を前記第2判定値として算出することを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の遊技機。
(7)前記第1のビットに設定可能な最大値を指数として所定の定数の累乗を算出した値は、前記第2のビットに設定可能な最大値に1を加算した数と同じであることを特徴とする(6)に記載の遊技機。
(8)変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置と、始動条件の成立に対応して取得した乱数値に基づいて前記変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段と、を備え、前記変動表示ゲームの結果態様が予め定められた特別結果となる場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、前記乱数値を、所定数を上限に始動記憶として記憶する始動記憶保留手段と、前記変動表示ゲームの実行内容を当該変動表示ゲームの実行時に判定する判定手段と、前記変動表示ゲームの実行内容を事前に判定する事前判定手段と、を備え、前記事前判定手段は、変動表示ゲームを実行する際の確率状態が、通常確率状態及び高確率状態のいずれの確率状態である場合に当該変動表示ゲームで導出する予定の結果態様が特別結果となるかを区別可能であることを特徴とする遊技機。