<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は上下方向、より詳細には鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。電動役物34aが閉鎖状態である場合には下作動口34への入賞が不可となり、電動役物34aが開放状態となることで下作動口34への入賞が可能となる。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部43にて明示される。そして、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部43にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ちなみに、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、メイン表示部43にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。また、メイン表示部43にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット36には、絵柄として数字が付された図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、メイン表示部43及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留ランプ部45の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の右上部分には、役物用表示部44に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45,46の機能が図柄表示装置41の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び音声ランプ制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板と、電源を監視する電断監視基板を具備しており、これら主制御基板及び電断監視基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や音声ランプ制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一電断が発生した際でも電断時の状態を保持し、電断からの復帰の際には電断時の状態に復帰できるようになっている。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図5のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた電断監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a〜211eなどが接続されている。この場合に、電断監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には電断監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a〜211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に対して1対1で対応させて設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、電断監視基板205、払出制御装置97及び音声ランプ制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア223が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置82には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア223が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
電断監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置98は、主制御基板201から出力された発射許可信号に基づいて遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45,46及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64を駆動制御する。また、音声ランプ制御装置82は、表示制御装置212を制御する。表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図6に基づいて説明する。図6は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図6(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、複数の変動表示領域が設定されている。具体的には、複数の変動表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。
詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図6(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄の種類は上記のように数字が付された図柄に限定されることはなく、例えば、数字そのものが変動表示される構成としてもよく、図柄そのものが変動表示される構成としてもよい。
表示画面Gの下部には、保留表示領域Gaが設定されている。保留表示領域Gaは、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1〜Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
例えば、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1〜第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて所定の保留用画像が表示される。
<各種カウンタ及び保留球格納エリアについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図7に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43及び図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ231において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア232に格納される。
保留球格納エリア232は、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ231に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜299)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図8を用いて説明する。
当否テーブルには、2進数の情報からなるアドレス情報と、同じく2進数の情報からなる大当たり数値情報とが1対1で対応させて設定されている。具体的には、アドレス情報は10進数で表して「1」〜「10」の10種類が設定されているとともに、大当たり数値情報は10進数で表して「7」,「36」,「67」,「100」,「131」,「164」,「195」,「223」,「241」,「272」の10種類が設定されており、これらアドレス情報と大当たり数値情報とが1対1で対応付けられている。各大当たり数値情報の数値は、大当たり乱数カウンタC1において更新され得る乱数情報の数値範囲である「0」〜「299」に含まれている。
ここで、本パチンコ機10では、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。そして、低確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数とが異なっており、前者の方が後者よりも少ない数となっている。具体的には、低確率モードにおいては当否抽選に際して、アドレス情報が「1」である大当たり数値情報のみが参照され、高確率モードにおいては当否抽選に際して、全てのアドレス情報に対応した大当たり数値情報が参照される。つまり、低確率モードでは大当たり当選となる数値情報が1個であり、高確率モードでは低確率モードよりも多い10個である。これにより、低確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/300であるのに対して高確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/30であり、高確率モードの方が低確率モードよりも大当たり当選となる確率が高くなる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。
ここで、本パチンコ機10では、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における当否抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という2つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。当否抽選モードとしては、上述したとおり低確率モードと高確率モードとが設定されている。
サポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき役物用表示部44にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
振分テーブルにおいて、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が確変大当たり結果に対応しているが、この数値の振分は任意である。また、大当たり結果の振分先は、上記の2種類に限定されることはなく、例えば、開閉実行モードにおいて遊技球の獲得期待値が高低となるように複数のモードを設定し、当該開閉実行モードの移行先のモードに差異を設けることで大当たり結果の種別を上記の2種類よりも増やす構成としてもよい。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。例えば、「0〜99」がリーチ発生当選に対応した数値情報となるようにリーチ用テーブルが設定されている。
ちなみに、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32が開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図6の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43における変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSのバッファ値は、メイン表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して取得される。なお、変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて上記変動表示時間を決定する場合には、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア222に記憶された変動表示時間テーブルが参照される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリアに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
<主制御基板201のMPU202にて実行される各種処理について>
次に、主制御基板201のMPU202にて各遊技回の遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。
なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行されるとともに、NMI端子(ノンマスカブル端子)への電断監視基板205からの電断信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図9のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、図10のフローチャートに示すように、先ずステップS201にて、上作動口33に対応した検知センサからMPU202の入力ポート(入力部)に入力されている情報を確認し、その入力されている情報に基づいて上作動口33の入賞信号を入力しているか否かを判定する。
具体的には、上作動口33に対応した検知センサは、遊技球を検知していない場合には非入賞信号としてのHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している場合には入賞信号としてのLOWレベル信号を出力する構成であるが、主制御装置81には反転回路が設けられており、上記検知センサからHIレベル信号が出力されている場合には入力ポートの1ビットからなる上作動口用エリアには無しデータとしての「0」が格納され、上記検知センサからLOWレベル信号が出力されている場合には入力ポートの上作動口用エリアには有りデータとしての「1」が格納される。ステップS201では、上記上作動口用エリアに「1」が格納されているか否かを判定する。
上作動口33の入賞信号を入力していないと判定した場合には、ステップS202にて、主制御装置81のRAM204の各種カウンタエリア233における上作動口用カウンタエリアの情報を入賞基準回数情報に設定する。具体的には、上作動口用カウンタエリアの情報を「2」に設定する。その後、ステップS206に進む。
一方、上作動口33の入賞信号を入力していると判定した場合には、ステップS203にて、上作動口用カウンタエリアの情報を1減算する。続くステップS204では、上作動口用カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、そのままステップS206に進む。「0」となっている場合には、ステップS205にて、RAM204の各種フラグ格納エリア234における上作動口入賞フラグ格納エリアに上作動口入賞フラグ(「1」の情報)を格納する。その後、ステップS206に進む。
ステップS206では、下作動口34に対応した検知センサからMPU202の入力ポートに入力されている情報を確認し、その入力されている情報に基づいて下作動口34の入賞信号を入力しているか否かを判定する。
具体的には、下作動口34に対応した検知センサは、上作動口33に対応した検知センサと同様に、遊技球を検知していない場合には非入賞信号としてのHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している場合には入賞信号としてのLOWレベル信号を出力する構成であるが、主制御装置81には反転回路が設けられており、上記検知センサからHIレベル信号が出力されている場合には入力ポートの1ビットからなる下作動口用エリアには無しデータとしての「0」が格納され、上記検知センサからLOWレベル信号が出力されている場合には入力ポートの下作動口用エリアには有りデータとしての「1」が格納される。ステップS206では、上記下作動口用エリアに「1」が格納されているか否かを判定する。
下作動口34の入賞信号を入力していないと判定した場合には、ステップS207にて、主制御装置81のRAM204の各種カウンタエリア233における下作動口用カウンタエリアの情報を入賞基準回数情報に設定する。具体的には、下作動口用カウンタエリアの情報を「2」に設定する。その後、ステップS211に進む。
一方、下作動口34の入賞信号を入力していると判定した場合には、ステップS208にて、下作動口用カウンタエリアの情報を1減算する。続くステップS209では、下作動口用カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、そのままステップS211に進む。「0」となっている場合には、ステップS210にて、RAM204の各種フラグ格納エリア234における下作動口入賞フラグ格納エリアに下作動口入賞フラグ(「1」の情報)を格納する。その後、ステップS211に進む。
ステップS211では、その他の読み込み処理として、一般入賞口31に対応した検知センサや、可変入賞装置32に対応した検知センサなどからの検知結果を確認し、その確認結果に応じた処理を実行する。
以上のとおり、本パチンコ機10では、MPU202において上作動口33や下作動口34の入賞信号の入力を確認したとしても即座に入賞の発生と特定するのではなく、複数回として設定された入賞基準回数の確認タイミングに亘って継続して上記入賞信号の入力を確認した場合に、入賞が発生したと特定する。これにより、電気的なノイズ等の原因で入賞信号を単発的に入力したとしても、それに対して入賞の発生と特定してしまうことを抑制することができる。なお、上記入賞基準回数の具体的な値は「2」に限定されることはなく、複数であれば任意であり、例えば「3」又は「4」以上としてもよい。
タイマ割込み処理(図9)の説明に戻り、ステップS101にて読み込み処理を実行した後は、ステップS102に進む。ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、音声ランプ制御装置82に対して、保留記憶数と対応する可変表示ユニット36の第2保留ランプ部46を点灯させるための処理を実行する。
その後、ステップS105にて、作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
作動口用の入賞処理について図11のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS301では、RAM204に上作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。上作動口入賞フラグが格納されていない場合には、ステップS302〜ステップS306の処理を実行することなくステップS307に進む。上作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS302に進む。
ステップS302では、上作動口入賞フラグを消去する。続くステップS303では、保留球格納エリア232の保留数記憶エリアNAに格納された値を読み出し、保留用エリアREに保留記憶されている始動保留球数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。始動保留球数Nが上限値以上である場合には、そのままステップS307に進む。始動保留球数Nが上限値未満である場合には、ステップS304に進み、始動保留球数Nを1加算する。
続くステップS305では、前回のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値(各数値情報)を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち上記ステップS304にて1加算した保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。
続くステップS306では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに後述する保留予告を実行させるための処理である保留コマンドの設定処理を実行する。当該処理については、後に詳細に説明する。
なお、保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは音声ランプ制御装置82に送信されることとなるが、音声ランプ制御装置82では、当該保留コマンドを受信することで、第1保留ランプ部45における表示を、保留個数の増加に対応させて変更するための処理を実行する。
ステップS301にて否定判定した場合、ステップS303にて否定判定した場合又はステップS306の処理を実行した後には、ステップS307にて、RAM204に下作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。下作動口入賞フラグが格納されていない場合には、そのまま本入賞処理を終了する。下作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS308にて下作動口入賞フラグを消去した後に、ステップS303〜ステップS306の処理を実行する。この場合、ステップS303〜ステップS306の処理後におけるステップS307の処理にて否定判定をすることで、本入賞処理を終了する。
遊技領域に作動口として上作動口33と下作動口34とが設けられ両作動口33,34への入賞が同時に発生し得る構成において、タイマ割込み処理の1回の処理回で、上作動口33への入賞が発生したか否か及び下作動口34への入賞が発生したか否かが判定されるとともに、両作動口33,34への入賞が同時に発生している場合には、それぞれの入賞に対して、ステップS303〜ステップS305の情報取得処理と、ステップS306の処理とが実行される。これにより、両作動口33,34への入賞が同時に発生した場合であっても、上作動口33への入賞に基づく保留情報の取得及び下作動口34への入賞に基づく保留情報の取得を正確に行うことができるとともに、保留予告用の処理を早いタイミングで実行することができる。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図12のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理である。その概要として、ステップS401〜ステップS409の処理が4msec周期の処理として実行され、その残余時間でステップS410及びステップS411のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS401では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、所定の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置82に対して送信する。
続くステップS402では、制限解除処理を実行する。当該制限解除処理はタイマ割込み処理(図9)におけるステップS306において保留予告用の所定の確認処理が制限されている状況においてそれを解除するための処理であるが詳細については後に説明する。
続くステップS403では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS404では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、及びメイン表示部43の表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS405では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
続くステップS406では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM204の電役保留エリアに格納されている情報を用いて電動役物34aを開放状態とするか否かの判定、電動役物34aの開閉処理及び役物用表示部44の表示制御などを行う。
その後、ステップS407では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS408では、RAM204に電断フラグが格納されているか否かを判定する。電断フラグは、電断監視基板205において電断の発生が確認され当該電断監視基板205からMPU202のNMI端子に停電信号が入力されることにより格納され、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
電断フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS409にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS410では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。また、ステップS411では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS401〜S407の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS408にて、電断フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS412以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS412では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS413にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS414にてRAM204のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
ここで、NMI割込み処理において電断の発生を特定したとしても即座に電断時処理を実行するのではなく、RAM204に電断フラグを格納するようにし、さらに電断フラグが格納されているか否かの判定を通常処理においてステップS401〜ステップS407の処理を実行した後に行うことにより、復電後に通常処理が実行される場合、常に最初の処理から実行されることとなる。これにより、電断発生時に実行していた処理の番地をスタック情報としてRAM204に記憶しなくても、電断前の状態に復帰することが可能となる。
なお、ステップS409において4msecが経過したか否かを判定する構成は必須のものではなく、例えば、タイマ割込み処理が所定回数(例えば2回)実行されたか否かを判定する構成としてもよい。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS404の遊技回制御処理を図13〜図17のフローチャート等を参照して説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS501にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア234における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS503〜ステップS506の遊技回開始用処理及びステップS507〜ステップS511の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS502にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリア234における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、メイン表示部43において変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS503〜ステップS506の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS503にて、始動保留球数Nが「0」であるか否かを判定する。始動保留球数Nが「0」である場合とは、保留球格納エリア232に保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
始動保留球数Nが「0」でない場合には、ステップS504にて保留球格納エリア232の保留用エリアREに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS505にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。
その後、ステップS506にて、RAM204の各種フラグ格納エリア234における変動開始フラグ格納エリア(開始実行情報記憶手段)に変動開始フラグ(開始実行情報)を格納した後に、本遊技回制御処理を終了する。当該変動開始フラグは、変動表示が開始された直後であることをMPU202において特定するためのフラグであり、通常処理(図12)のステップS402における制限解除処理にて消去される。
ここで、ステップS504のデータ設定処理及びステップS505の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、ステップS504のデータ設定処理について、図14のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS601にて、始動保留球数Nを1減算する。続くステップS602にて、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS603にて、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアするとともに、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS604では、保留エリアのデータのシフトが行われたことを音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。ステップ604にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、シフト時コマンドを受信することで、第1保留ランプ部45における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、ステップS505の変動開始処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS701にて、今回の変動開始処理に対応した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。
当否判定処理では、図16のフローチャートに示すように、先ずステップS801にて、実行エリアAEに格納された情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。続くステップS802では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア234に設けられた高確率モードフラグ格納エリア(高確率状態情報記憶手段)に高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納されているか否かを判定する。高確率モードフラグは確変大当たり結果の発生に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
低確率モードである場合には、ステップS803にて、ROM203の当否テーブルとして設定された各種大当たり数値情報のうち、今回当否判定を行う上で参照する大当たり数値情報の数を設定すべく、確認個数を「1」に設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア233には、確認個数記憶手段(又は当否判定用計測手段)として確認個数カウンタエリアが設けられており、ステップS803では、当該確認個数カウンタエリアの情報を「1」の情報に更新する。一方、高確率モードである場合には、ステップS804にて、確認個数を「10」に設定する。具体的には、上記確認個数カウンタエリアの情報を「10」の情報に更新する。
ステップS803又はステップS804の後は、ステップS805にて、確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得する。例えば、上記確認個数カウンタエリアの情報が「1」である場合には、当否テーブルにおいて「1」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「7」の情報を取得する。また、例えば、上記確認個数カウンタエリアの情報が「10」である場合には、当否テーブルにおいて「10」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「272」の情報を取得する。
続くステップS806では、比較処理を実行する。具体的には、ステップS801にて把握した大当たり判定用の情報と、ステップS805にて取得した大当たり数値情報とを比較する。その後、ステップS807にて、ステップS806にて比較処理を行った結果、両情報が一致しているか否かを判定する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS808にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS809にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS805に戻り、次の大当たり数値情報を参照して当否判定を行う。
つまり、当否抽選モードが高確率モードである場合には、既に説明したように、ステップS804にて確認個数として「10」を設定する。この場合においてステップS801にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選とならない情報である場合には、先ず「10」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「272」を参照して比較処理を行い、次に「9」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「241」を参照して比較処理を行い、さらに「8」〜「2」のそれぞれのアドレス情報に対応した大当たり数値情報を参照して比較処理を行い、最後に「1」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「7」を参照して当否判定を行うように、ステップS805〜ステップS809の処理を繰り返し実行する。そして、「1」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報を参照して比較処理を行った後に、本当否判定処理を終了する。
なお、当否抽選モードが低確率モードである場合には、既に説明したように、ステップS803にて確認個数として「1」が設定されるため、比較処理の結果が不一致でありステップS807にて否定判定をした場合には、ステップS808にて確認個数を1減算することに伴って当該確認個数が「0」となり、ステップS809にて否定判定されることで、ステップS805〜ステップS809の処理を繰り返すことなく、本当否判定処理を終了する。
一方、ステップS801にて把握した大当たり判定用の情報がいずれかの大当たり数値情報と一致する場合には、かかる大当たり数値情報をステップS805にて取得した場合に、ステップS806における比較処理にて比較対象の両情報が一致し、ステップS807にて肯定判定をする。この場合、ステップS810にてMPU202のレジスタに大当たり情報を記憶する。その後、本当否判定処理を終了する。
変動開始処理(図15)の説明に戻り、ステップS701にて当否判定処理を実行した後は、ステップS702にて大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、MPU202のレジスタに大当たり情報が記憶されているか否かを判定する。大当たり情報が記憶されている場合には、ステップS703にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。また、ROM203の振分テーブルから確変大当たり情報に対応した情報を取得する。そして、両情報を比較し、確変大当たり情報に対応しているか否かを特定する。
続くステップS704では、ステップS703における種別判定処理において特定した情報に基づいて今回の大当たり当選の種別が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS705にて確変大当たり用の停止結果設定処理を実行し、確変大当たり結果でない場合には、ステップS706にて通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS702にて大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS707にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS705〜ステップS707の各停止結果設定処理では、メイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM203に予め記憶されている情報から特定し、その特定した情報をRAM204に記憶する。また、ステップS705及びステップS706では、今回の遊技回の当否判定結果が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果であることをMPU202にて特定するための情報をRAM204の各種フラグ格納エリア234に格納する(対応するエリアに「1」の情報を記憶する)。具体的には、ステップS705では確変大当たりフラグを格納し、ステップS706では通常大当たりフラグを格納する。
ステップS705〜ステップS707のいずれかの処理を実行した後は、ステップS708にて、変動表示時間の設定処理を実行する。
変動表示時間の設定処理では、図17のフローチャートに示すように、先ずステップS901にて、RAM204の変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得し、MPU202のレジスタに記憶させる。続くステップS902では、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、RAM204に、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、リーチ表示の発生として、ステップS902にて肯定判定をする。また、上記各フラグのいずれもが格納されていない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS902にて肯定判定をする。
ステップS902にて肯定判定をした場合には、ステップS903にてROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア222に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、ステップS904にて、その変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリア233に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
一方、ステップS902にて否定判定をした場合には、ステップS905にて変動表示時間テーブル記憶エリア222に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS906にて、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、始動保留球数Nの数が多いほど、変動表示時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、始動保留球数Nやサポートモードに応じて変動表示時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、保留情報の数及び変動種別カウンタの値をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
変動開始処理(図15)の説明に戻り、ステップS708にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS709にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS709にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。その後、ステップS710にてメイン表示部43において絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図13)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS507〜ステップS511の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS507にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図17)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図9)が起動される度に、1減算される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS508にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS509にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS705〜ステップS707のいずれかの処理にてRAM204に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様がメイン表示部43にて表示されるように当該メイン表示部43を表示制御する。
続くステップS510では、変動終了コマンドを設定する。ここで設定された変動終了コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
その後、ステップS511にて、RAM204の各種フラグ格納エリア234における制限フラグ格納エリア(制限情報記憶手段)に制限フラグ(制限情報)を格納した後に、本遊技回制御処理を終了する。当該制限フラグは、後述する保留予告用の確認処理の実行が制限されている状況であることをMPU202において特定するためのフラグであり、通常処理(図12)のステップS402における制限解除処理にて消去される。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS405の遊技状態移行処理を図18のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1001では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS1002に進み、1の遊技回のメイン表示部43における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS1003にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、通常大当たりフラグ又は確変大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS1004にて、RAM204の各種カウンタエリア233に設けられたラウンドカウンタエリアRCに、「15」をセットする。ラウンドカウンタエリアRCは、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS1001にて肯定判定をし、ステップS1005に進む。ステップS1005では、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大入賞口32aが閉鎖中である場合には、ラウンドカウンタエリアRCが「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部32cを駆動状態とすることで大入賞口32aを開放させる。また、大入賞口32aが開放中である場合には、当該大入賞口32aの開放から所定時間が経過していること又は所定個数の遊技球が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部32cの駆動状態を停止し、大入賞口32aを閉鎖させる。
続くステップS1006では、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」である場合には、ステップS1007にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
開閉実行モード終了時の移行処理では、RAM204に確変大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを高確率モードに設定するとともに、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。また、RAM204に通常大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを低確率モードに設定するとともに、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了され、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。
その後、ステップS1008にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、通常大当たりフラグ又は確変大当たりフラグのうち、格納されているフラグを消去する。
<保留予告について>
ここで、本パチンコ機10では、保留球格納エリア232に記憶されている保留情報の内容を示唆する保留予告が、当該保留情報に係る遊技回が開始されるよりも前のタイミングにおいて所定の確率で行われる構成となっている。かかる保留予告は、主制御装置81から送信された所定のコマンドに基づいて表示制御装置212にて所定の制御が実行されることにより行われる。当該保留予告に係る電気的構成及び処理構成を以下に説明する。
<保留予告に係る電気的構成について>
先ず、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について、図19のブロック図を参照して以下に説明する。
音声ランプ制御装置82に設けられた音声ランプ制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。なお、MPU242に対してROM243及びRAM244が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のMPUにおいても同様である。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、既に説明した、変動用コマンド、種別コマンド及び変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、シフト時コマンド及び後述する保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)を受信する。
MPU242の出力側には、既に説明したように、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45,46及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。この場合に、上記各種コマンドは、情報形態をそのまま維持した状態で表示制御装置212に送信される。
表示制御装置212は、プログラムROM253及びワークRAM254が複合的にチップ化された素子であるMPU252と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM256と、ビデオRAM257とがそれぞれ搭載された表示制御基板251を備えている。なお、MPU252に対してプログラムROM253及びワークRAM254が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU252は、音声ランプ制御装置82を経由して主制御装置81から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP255の制御(具体的にはVDP255に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM253は、MPU252により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。上記固定値データの一部は、プログラムROM253の報知発生抽選用テーブル記憶エリア261に予め記憶されている。かかるエリア261の詳細については、MPU252にて実行される処理を説明する際に合わせて説明する。
ワークRAM254は、MPU252による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM254の各エリア262〜263に記憶される。これらのエリア262〜263の詳細については、MPU252にて実行される処理を説明する際に合わせて説明する。
VDP255は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP255はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP255は、MPU252、ビデオRAM257等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM257に記憶させる画像データを、キャラクタROM256から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM256は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM256には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。キャラクタROM256には、上記データの一部として、図柄表示装置41の保留表示領域Gaに表示させるための画像データが格納された保留用画像データ記憶エリア269が設定されている。
なお、キャラクタROM256を複数設け、各キャラクタROM256に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM253に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM256に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM257は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM257の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。ビデオRAM257には、保留表示領域Gaに対応した保留表示用エリア271が設定されている。
保留表示用エリア271には、保留表示領域Gaにおける第1〜第4単位保留表示領域Ga1〜Ga4と1対1で対応するように、第1単位エリア272、第2単位エリア273、第3単位エリア274、第4単位エリア275が設定されている。保留表示領域Gaの各単位保留表示領域Ga1〜Ga4では、各単位エリア272〜275に書き込まれたデータに応じた画像が表示される。なお、データが設定されていない単位エリア272〜275に対応した単位保留表示領域Ga1〜Ga4では、何ら画像が表示されない又は図柄表示装置41の表示画面における背景画像が表示される。
<保留予告に係る処理について>
次に、主制御装置81のMPU202及び表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告に係る処理について説明する。ここで、本パチンコ機10では、保留予告用の確認処理の実行が制限されることがあるとともに、当該制限が開始された場合には所定の解除条件が成立するまで継続される。以下の説明では、先ず保留予告用の確認処理の実行が制限されていない場合について説明し、その後に、保留予告用の確認処理の実行が制限される場合及び当該制限が解除される場合について説明する。
<主制御装置81のMPU202にて実行される保留コマンドの設定処理ついて>
主制御装置81のMPU202にて実行される保留コマンドの設定処理について説明する。ここで、保留コマンドの設定処理は既に説明したとおり、タイマ割込み処理(図9)の一部の処理として設定された作動口用の入賞処理(図11)のステップS306において実行される。かかるステップS306の保留コマンドの設定処理は上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したタイミングで実行される。そして、当該保留コマンドの設定処理では、今回の入賞によって取得された保留情報に大当たり当選の情報が含まれているか否かを確認する。この場合に、大当たり当選の情報が含まれているか否かの確認に際しては、上記当否判定処理(図16)において当否判定を行う上で用いられたROM203の当否テーブル及びRAM204の各種カウンタエリア233における確認個数カウンタエリアが用いられる。
図20は保留コマンドの設定処理を示すフローチャートである。当該確認処理においてステップS1101では、保留予告用の確認処理の実行を制限すべき一の条件が成立していることを示す制限フラグがRAM204に格納されているか否かを判定する。また、ステップS1102にて、始動保留球数Nが「1」であるか否かを判定する。また、ステップS1103にて、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に高確率モードフラグが格納されているか否かを判定する。
制限フラグが格納されており(ステップS1101:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1103:NO)には、ステップS1104〜ステップS1113の保留予告用の確認処理の実行が制限される。また、制限フラグが格納されていない場合(ステップS1101:NO)であっても、始動保留球数Nが「1」である場合すなわち複数の保留情報が記憶されてない場合(ステップS1102:YES)であって当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1103:NO)には、ステップS1104〜ステップS1113の保留予告用の確認処理の実行が制限される。
今回は、保留予告用の確認処理の実行が制限されない場合の処理であるため、上記制限条件のいずれにも該当しない。つまり、制限フラグが格納されていない場合(ステップS1101:NO)であって複数の保留情報が記憶されている場合(ステップS1102:NO)には、当否抽選モードが低確率モード及び高確率モードのいずれであるかに関係なく保留予告用の確認処理が開始される。また、制限フラグが格納されている場合(ステップS1101:YES)又は複数の保留情報が記憶されていない場合(ステップS1102:YES)のいずれかに該当する状況であっても、当否抽選モードが低確率モードである場合(ステップS1103:YES)には、保留予告用の確認処理が開始される。
保留予告用の確認処理では先ずステップS1104にて、今回の入賞に基づきステップS305にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。その後、ステップS1105〜ステップS1112にて、当否判定処理(図16)におけるステップS802〜ステップS809と同一の処理を実行する。
すなわち、ステップS1105では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合には、ステップS1106にて、RAM204の確認個数カウンタエリアの情報を「1」の情報に更新することで、確認個数を「1」に設定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS1107にて、RAM204の確認個数カウンタエリアの情報を「10」の情報に更新することで、確認個数を「10」に設定する。
ステップS1106又はステップS1107の後は、ステップS1108にて、確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得する。続くステップS1109では、比較処理を実行する。具体的には、ステップS1104にて把握した大当たり判定用の情報と、ステップS1108にて取得した大当たり数値情報とを比較する。その後、ステップS1110にて、ステップS1109において比較処理を行った結果、両情報が一致しているか否かを判定する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS1111にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS1112にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS1108に戻り、次の大当たり数値情報を参照して比較処理を行う。
ステップS1110にて比較結果が一致していると判定した場合には、ステップS1113にて一致保留コマンドを設定した後に本保留コマンドの設定処理を終了する。一方、ステップS1106又はステップS1107にて設定された確認個数に対応する大当たり数値情報のいずれとも一致しない場合には、最終的にステップS1112の処理にて否定判定をする。この場合、ステップS1114にて不一致保留コマンドを設定した後に本保留コマンドの設定処理を終了する。
ステップS1113にて設定された一致保留コマンド及びステップS1114にて設定された不一致保留コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、かかる保留コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定する。また、音声ランプ制御装置82では、保留コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、その受信した保留コマンドに基づいて保留予告用の処理を実行する。
<表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告制御処理について>
次に、表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告制御処理を、図21のフローチャートを参照しながら説明する。保留予告制御処理は、MPU252において繰り返し実行される複数種の処理のうちの一部の処理であり、概ね所定周期(例えば、2msec周期)で起動される。なお、以下の説明では、図22(a),(b)を適宜参照する。図22(a),(b)は保留予告の様子を説明するための説明図である。
保留予告制御処理では、先ずステップS1201にて、音声ランプ制御装置82からいずれかの保留コマンドを受信したか否かを判定する。いずれかの保留コマンドを受信している場合には、ステップS1202にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア263に保留記憶されている表示側保留記憶数SNを1加算する。当該表示側保留記憶数SNは、ビデオRAM257の保留表示用エリア271に対応しており、保留コマンドの受信に対して保留表示情報の設定を行う場合には、保留表示用エリア271における表示側保留記憶数SNに対応した単位エリア272〜275に対して保留表示情報の設定が行われる。
続くステップS1203では、今回受信した保留コマンドが一致保留コマンドであるか否かを判定する。一致保留コマンドである場合には、ステップS1204にて、保留予告を実行するか否かの抽選を行うための報知発生抽選処理を実行する。報知発生抽選処理では、先ず、ワークRAM254の抽選用カウンタエリア262から報知発生抽選用のカウンタ値を読み出す。
ここで、抽選用カウンタエリア262は「0〜99」のカウンタ値を格納可能に構成されており、例えば2msec周期といった所定の周期で1加算される構成となっているとともに、最大値に達した後「0」に初期化される構成となっている。そして、報知発生抽選処理では、プログラムROM253の抽選用テーブル記憶エリア261に記憶されている報知発生抽選用テーブルを参照して、上記読み出した報知発生抽選用のカウンタ値が報知発生当選に対応しているか否かを判定する。
報知発生当選となる確率は、任意であるが、本パチンコ機10では、低確率モード及び高確率モードのいずれであっても1/5の確率で報知発生当選となるように報知発生抽選用テーブルが設定されている。ちなみに、主制御装置81は当否抽選モードが低確率モードから高確率モードに移行する場合に高確移行コマンドを音声ランプ制御装置82に送信するとともに、高確率モードから低確率モードに移行する場合に低確移行コマンドを音声ランプ制御装置82に送信する構成であり、表示制御装置212では音声ランプ制御装置82を経由して受信する高確移行コマンド及び低確移行コマンドによって高確率モード及び低確率モードのいずれであるかを特定する。なお、報知発生抽選の当選確率は上記のものに限定されることはなく、低確率モードと高確率モードとで当選確率が異なっていてもよい。
ステップS1204にて報知発生抽選処理を実行した後は、ステップS1205にて上記報知発生抽選処理の結果が報知発生当選であるか否かを判定する。報知発生当選である場合には、ステップS1206にて当たり情報の設定処理を実行する。具体的には、保留表示用エリア271における単位エリア272〜275のうち、上記ステップS1202にて1加算した表示側保留記憶数SNに対応した単位エリアに対して当たり情報が格納されるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。
例えば、表示側保留記憶数SNが「1」であれば、第1単位エリア272に対して当たり情報が格納されるように内部コマンドを出力し、表示側保留記憶数SNが「4」であれば、第4単位エリア275に対して当たり情報が格納されるように内部コマンドを出力する。単位エリアに当たり情報が格納されることにより、図22(a)に示すように、保留表示領域Gaの対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4において「当」の画像が表示される。この場合、遊技者は、当該保留情報に対応した遊技回となった場合には、大当たり当選となることを把握することができる。このように保留予告が行われることにより、遊技者にとっては、図柄表示装置41にて実行される各遊技回の変動表示だけでなく、保留表示領域Gaにも注目することとなる。
一方、今回受信した保留コマンドが不一致保留コマンドである場合(ステップS1203:NO)又は今回受信した保留コマンドが一致保留コマンドであったが報知発生抽選処理にて報知発生当選とならなかった場合(ステップS1205:NO)には、ステップS1207にて、外れ情報の設定処理を実行する。
具体的には、保留表示用エリア271における第1単位エリア272〜第4単位エリア275のうち、上記ステップS1202にて1加算した表示側保留記憶数SNに対応した単位エリアに対して外れ情報が格納されるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。単位エリアに外れ情報が格納されることにより、図22(b)に示すように、保留表示領域Gaの対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4において「●」の画像が表示される。
ステップS1201にて否定判定をした場合、ステップS1206の処理を実行した場合又はステップS1207の処理を実行した場合には、ステップS1208にて、音声ランプ制御装置82からシフト時コマンドを受信したか否かを判定する。シフト時コマンドを受信していない場合にはそのまま本保留予告制御処理を終了する。
シフト時コマンドを受信している場合には、ステップS1209にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア263に保留記憶されている表示側保留記憶数SNを1減算する。続くステップS1210では、シフト処理を実行する。当該シフト処理は、保留表示用エリア271の第1単位エリア272〜第4単位エリア275に設定されている保留表示情報を下位エリア側に順にシフトさせるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。
具体的には、第1単位エリア272の保留表示情報をクリアするとともに、第2単位エリア273→第1単位エリア272、第3単位エリア274→第2単位エリア273、第4単位エリア275→第3単位エリア274といった具合に各単位エリア272〜275内の保留表示情報がシフトされる。その後、本保留予告制御処理を終了する。
<保留予告用の確認処理の実行が制限される場合について>
次に、主制御装置81のMPU202において保留予告用の確認処理の実行が制限される場合について説明する。
図20のフローチャートを用いて既に説明したように、ステップS1104〜ステップS1113にて示す保留予告用の確認処理の実行が制限される場合とは、
(I)制限フラグが格納されており(ステップS1101:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1103:NO)
(II)制限フラグが格納されていない場合であっても、複数の保留情報が記憶されておらず(ステップS1102:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1103:NO)
である。
先ず上記(I)の条件で保留予告用の確認処理の実行が制限される場合について説明する。
制限フラグは、既に説明したように、主制御装置81のMPU202における遊技回制御処理(図13)にて、ステップS510において変動終了コマンドを設定した後に、ステップS511にて格納される。
当該制限フラグは、主制御装置81のMPU202における通常処理(図12)にてステップS402の制限解除処理において消去される。制限解除処理について、図23のフローチャートを用いて説明すると、先ずステップS1301にて、RAM204に変動開始フラグが格納されているか否かを判定する。変動開始フラグは、既に説明したように、主制御装置81のMPU202における遊技回制御処理(図13)にて、ステップS505において変動開始処理を実行した後に、ステップS506にて格納される。つまり、変動開始フラグは、任意の一の遊技回が開始される場合に常に格納される。
変動開始フラグが格納されていない場合には、そのまま本制限解除処理を終了する。変動開始フラグが格納されている場合には、ステップS1302にてRAM204から制限フラグを消去するとともに、ステップS1303にてRAM204から変動開始フラグを消去した後に、本制限解除処理を終了する。
ここで、遊技回制御処理(図13)は通常処理(図12)が1回実行される場合に1回実行される構成であるとともに、変動開始処理及び変動終了処理のうち変動終了処理を1回の遊技回制御処理にて実行した場合にはかかる処理回の遊技回制御処理にて変動開始処理が実行されることがない。また、1回の通常処理において制限解除処理は遊技回制御処理よりも早いタイミングで実行されるため、所定の処理回の通常処理における遊技回制御処理にて変動開始フラグが格納された場合、当該処理回の通常処理にて制限解除処理のステップS1302が実行されることはなく、次の処理回の通常処理にて制限解除処理のステップS1302が実行される。
つまり、制限フラグは、任意の一の遊技回が終了される場合に常に格納されるとともに、かかる遊技回の終了処理が実行された処理回の通常処理よりも後の処理回の通常処理にて新たな遊技回の変動開始処理が実行され、さらに当該変動開始処理が実行された処理回の通常処理の次に実行される処理回の通常処理にて消去される。
制限フラグが格納されており、上記(I)の条件が成立している場合には、保留コマンドの設定処理(図20)におけるステップS1103にて否定判定をすることで、ステップS1104〜ステップS1113に示す保留予告用の確認処理を実行することなくステップS1114に進む。ステップS1114では、既に説明したように不一致保留コマンドを設定し、その後、保留コマンドの設定処理を終了する。
上記(I)の条件が設定されていることによる作用について、図24のタイミングチャートを用いて以下に説明する。
図24(a)は通常処理の最初の処理が実行されるタイミングを示し、図24(b)は変動開始処理が実行されるタイミングを示し、図24(c)は遊技回が行われているタイミングを示し、図24(d)は制限フラグが格納されているタイミングを示し、図24(e)は保留情報が取得されるタイミングを示し、図24(f)は保留予告用の確認処理が実行されるタイミングを示している。また、図24では、当否抽選モードが高確率モードである場合を示している。
なお、図24において、t2のタイミングからt4のタイミングまでの期間、t4のタイミングからt8のタイミングまでの期間、t8のタイミングからt11のタイミングまでの期間、t12のタイミングからt13のタイミングまでの期間、及びt13のタイミングからt16のタイミングまでの期間が、それぞれ通常処理の1処理回分の期間を示している。
先ず、図24(A)の範囲にて示す遊技回が連続して実行される場合について説明する。
所定の遊技回が実行されている状況において作動口33,34への入賞が発生することで、t1のタイミングでタイマ割込み処理(図9)における作動口用の入賞処理にて保留情報が取得されるとともに、この取得された保留情報について保留予告用の確認処理が実行される。
その後、t2のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始されるとともに、t3のタイミングで上記所定の遊技回について変動終了処理が実行される。この場合、t3のタイミングにて制限フラグが格納される。
その後、t4のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始されるとともに、t6のタイミングで変動開始処理が実行され新たな遊技回が開始される。この場合、t4のタイミング以降であって、t6のタイミングに前後したt5のタイミング及びt7のタイミングにて保留情報が新たに取得されているが、当否抽選モードが高確率モードである状況で制限フラグが格納されているため保留予告用の確認処理の実行が制限される。
その後、t8のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始されるとともに、t9のタイミングにて制限解除処理(図23)が実行されることで制限フラグが消去される。その後、t10のタイミングにて保留情報が新たに取得されるとともに、この取得された保留情報について保留予告用の確認処理が実行される。その後、t11のタイミングにて通常処理の新たな処理が開始される。
次に、図24(B)の範囲にて示す保留情報が記憶されておらず且つ遊技回及び開閉実行モードが実行されていない状況で保留情報が取得されかかる保留情報について遊技回が開始される場合について説明する。
前回の遊技回の終了に際して制限フラグが格納された状態が維持された状況において、t12のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始される。その後、保留情報が新たに取得されることなくt13のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始される。
その後、t14のタイミングにて保留情報が新たに取得される。但し、当否抽選モードが高確率モードである状況で制限フラグが格納されているため保留予告用の確認処理の実行が制限される。その後、t15のタイミングにて、t14のタイミングで取得した保留情報に対して変動開始処理が実行され、遊技回が開始される。
その後、t16のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始されるとともに、t17のタイミングにて制限解除処理(図23)が実行されることで制限フラグが消去される。その後、t18のタイミングにて保留情報が新たに取得されるとともに、その取得された保留情報について保留予告用の確認処理が実行される。
上記のように保留予告用の確認処理の実行が制限されることにより、当否抽選モードが高確率モードである状況では、変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることが制限される。
ここで、高確率モードである状況における変動開始処理の当否判定処理(図16)及び保留予告用の確認処理(ステップS1104〜ステップS1113)では、大当たり数値情報の確認個数が「10」に設定され、少なくとも確認対象の情報が大当たり当選に対応していない場合には、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てについて比較処理が実行される。
さらにまた、本パチンコ機10では、遊技領域に作動口として上作動口33と下作動口34とが並設されていて両作動口33,34への入賞が同時に発生し得るとともに、各作動口33,34への入賞が発生したか否かの判定及びそれぞれの入賞に対する情報取得処理がタイマ割込み処理にて実行される構成であるため、通常処理の1処理回において、上作動口33への入賞に対する情報取得処理が実行される処理回のタイマ割込み処理が割り込んで起動されるとともに、下作動口34への入賞に対する情報取得処理が実行される処理回のタイマ割込み処理が割り込んで起動されることがある。この場合に、当否抽選モードが高確率モードである状況において変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでの範囲内で保留予告用の確認処理の実行が制限されない構成を想定すると、1処理回の通常処理が完了するまでの範囲内で大当たり数値情報との比較処理を30回行う必要が生じ得る。
上記想定した構成の場合、1処理回の通常処理が完了するまでに要する時間が長時間化する現象が突発的に生じることとなる。そうすると、遊技回の進行、遊技状態の移行、及び遊技球の発射制御などを良好に行えなくなってしまうことが懸念される。また、上記想定した構成の場合、本パチンコ機10では、通常処理においてステップS401〜ステップS408の処理の実行が終了したタイミングで4msecが経過している状態となることが起こり得る。そうすると、その処理回では乱数初期値カウンタCINIや変動種別カウンタCSの更新処理が実行されなくなってしまう。
これに対して、本パチンコ機10では、変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることが制限されるため、1処理回の通常処理が完了するまでに要する時間が長時間化する現象が突発的に生じることが抑えられる。
ちなみに、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新処理の実行を担保する上では、通常処理において第1番目の処理が実行される周期を4msecよりも長くする構成も考えられるが、この場合、ステップS401〜ステップS408の各処理が実行される周期が遅くなり好ましくない。
また、上記処理時間を短くするという点では、高確率モードにおける大当たり数値情報の数を減らす構成も考えられるが、この場合、高確率モードにおける当選確率がそれだけ低くなり、高確率モードに滞在する期間が必要以上に長くなってしまい好ましくない。また、大当たり乱数カウンタC1の数値範囲を狭くすることで、高確率モードにおける当選確率を低下させることなく、上記処理時間を短くする構成も考えられるが、この場合、低確率モードにおける当選確率がそれに影響されてしまい、好ましくない。
さらにまた、保留コマンドの設定処理において比較処理を行った結果、大当たり当選に対応している場合には、保留情報に含まれる当否情報として「1」を格納し、大当たり当選に対応していない場合には、保留情報に含まれる当否情報として「0」を格納し、当否判定処理では、当否情報が「0」又は「1」のいずれであるかを判定する構成も考えられる。この場合、当否判定処理の処理時間を短縮することが可能となる。しかしながら、4個の保留情報が記憶されている状況においては、各保留情報に係る遊技回のリーチ発生の有無などによって4個目の保留情報が当否判定処理の対象となるまでに長時間を要することがある。そうすると、電気的なノイズなどの原因により「0」の当否情報が「1」に書き換えられてしまう可能性が高まり、書き換えられてしまうと大当たり当選が発生してしまうため、好ましくない。
上記のように例示した各構成に対して、本パチンコ機10では変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることを制限する構成であるため、上記のような不都合を生じさせることなく、1処理回の通常処理が完了するまでに要する時間が長時間化する現象が突発的に生じてしまうことが抑えられる。
ちなみに、1遊技回の平均消化時間は約10secとなっており、当該10secの間に4msec周期の通常処理が実行される回数は約2500回となる。つまり、1遊技回単位で見た場合に、2500回の処理回の通常処理のうち変動開始処理は1回の処理回の通常処理に対してのみ実行されるため、保留予告用の確認処理の実行が制限されるのも2500回に1回となる。また、遊技ホールの1営業日単位で見た場合、本パチンコ機10の遊技を終日行ったとしても、保留予告用の確認処理の実行が制限されるのは1,2回あるかないかといった程度となる。したがって、変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることを制限する構成としたとしても、保留予告用の確認処理の実行が実際に制限されることは稀であり、保留予告の演出に対する実質的な影響はないものと考えられる。
次に上記(II)の条件で保留予告用の確認処理の実行が制限される場合について説明する。
既に説明したとおり制限フラグは、任意の一の遊技回が終了される場合に常に格納されるとともに、かかる遊技回の終了処理が実行された処理回の通常処理よりも後の処理回の通常処理にて新たな遊技回の変動開始処理が実行され、さらに当該変動開始処理が実行された処理回の通常処理の次に実行される処理回の通常処理にて消去される。したがって、保留情報が記憶されていない状況では基本的に制限フラグが格納されており、当否抽選モードが高確率モードである状況では上記(I)の条件が成立することとなる。
但し、ノイズの発生などにより制限フラグが消去された直後においては、制限フラグが格納されていない状況で保留情報が記憶されていない状況となる。これに対して、このような状況では上記(II)の条件が成立する。そうすると、保留コマンドの設定処理(図20)では、ステップS1103にて否定判定をすることで、ステップS1104〜ステップS1113に示す保留予告用の確認処理を実行することなくステップS1114に進む。ステップS1114では、既に説明したように不一致保留コマンドを設定し、その後、保留コマンドの設定処理を終了する。
これにより、ノイズの発生などにより制限フラグが消去された直後において保留情報が取得された状況であっても、変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることが制限される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
保留球格納エリア232に記憶されている保留情報に応じた保留予告が、当該保留情報が当否判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、上作動口33又は下作動口34への入賞を発生させる遊技と、当該入賞に基づき取得された保留情報の当否判定結果を確認する遊技だけでなく、複数の保留情報が保留記憶されている場合には当否判定の対象となる順番が後の保留情報について当否判定の対象となった場合の結果を保留予告の内容に応じて確認するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、参照すべき大当たり数値情報の数が多く設定されている高確率モードでは、当否判定処理が実行される処理回の通常処理の範囲内では保留予告用の確認処理の実行が行われないように制限される。これにより、通常処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。つまり、本構成によれば、通常処理の良好な実行を担保しつつ、保留予告の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
特に、当否判定処理は、遊技者の利益に直結するものであるため、通常処理の1処理回の実行が完了するまでの処理時間に関係なく、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てを参照する必要があるのに対して、保留予告用の確認処理は、保留予告という演出を行うための処理であるため、その実行が制限されたとしても遊技者の利益に影響を及ぼさない。
また、保留予告用の確認処理の実行を制限する場合、当該保留予告用の確認処理が実行されないようにされる。これにより、制限に係る処理構成の簡素化が図られる。
また、低確率モードにおいては上記制限は行われない。これにより、低確率モードにおいては保留予告用の確認処理が確実に実行されることとなり、当該保留予告用の確認処理が実行される機会が極端に低減されてしまうことが抑えられる。
また、遊技回を終了させる処理が実行された処理回の通常処理では当否判定処理が実行されることはなく、当該処理回よりも後の処理回にて当否判定処理が実行され得る構成において、遊技回を終了させる処理が実行された場合に制限が開始される。これにより、通常処理の1処理回の範囲内で当否判定処理よりも先に保留予告用の確認処理が行われ得る構成であっても、当否判定処理が行われる場合における通常処理の処理回の範囲内では保留予告用の確認処理の実行を制限することができる。
また、上記制限が行われている状況では、当否判定処理が実行された範囲内の通常処理の処理回よりも後の処理回の範囲内において制限が解除される。これにより、通常処理の1処理回の範囲内で当否判定処理よりも後に保留予告用の確認処理が行われ得る構成であっても、当否判定処理が行われる場合における通常処理の処理回の範囲内では保留予告用の確認処理の実行を制限することができる。
また、本構成によれば、当否判定処理の実行が阻止されていない状況であって保留情報が記憶されていない状況において保留情報が新たに取得された場合、当該保留情報について保留予告用の確認処理が実行されることが制限される。よって、かかる状況において通常処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、保留予告用の確認処理の実行が制限される構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における構成について説明する。
先ず、本実施の形態における作動口用の入賞処理について、図25のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1401では、RAM204に上作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。上作動口入賞フラグが格納されていない場合には、ステップS1402〜ステップS1407の処理を実行することなくステップS1408に進む。上作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS1402に進む。
ステップS1402では、上作動口入賞フラグを消去する。その後、ステップS1403にて、始動保留球数Nが上限値未満であるか否かを判定する。始動保留球数Nが上限値以上である場合には、そのままステップS1408に進む。始動保留球数Nが上限値未満である場合には、ステップS1404に進み、始動保留球数Nを1加算する。
続くステップS1405では、前回のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値(各数値情報)を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち上記ステップS304にて1加算した保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。
続くステップS1406では、RAM204の各種フラグ格納エリア234に設けられた待機フラグ格納エリア(待機情報記憶手段)に待機フラグ(待機情報)が格納されている場合には当該待機フラグを消去する。待機フラグは保留予告用の確認処理の実行が回避された場合に格納され、後述する待機用処理の待機状態であることをMPU202にて特定するための情報である。その後、ステップS1407にて保留コマンドの設定処理を実行する。
ここで、保留コマンドの設定処理について図26のフローチャートを参照して説明する。
保留コマンドの設定処理ではステップS1501〜ステップS1514にて、上記第1の実施の形態におけるステップS1101〜ステップS1114と同様の処理を実行する。したがって、本実施の形態であっても、
(I)制限フラグが格納されており(ステップS1501:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1503:NO)
(II)制限フラグが格納されていない場合であっても、複数の保留情報が記憶されておらず(ステップS1502:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1503:NO)
のいずれかの条件が成立している場合には、ステップS1504〜ステップS1513にて示す保留予告用の確認処理の実行が制限される。
上記(I)の条件又は上記(II)の条件が成立している場合にはステップS1503にて否定判定をし、ステップS1515に進む。ステップS1515では、始動保留球数Nが「1」を超えているか否かを判定し、「1」以下である場合にはステップS1514にて不一致保留コマンドを設定した後に、本設定処理を終了する。「1」を超えている場合にはステップS1511にてRAM204に待機フラグを格納するとともに、ステップS1514にて不一致保留コマンドを設定した後に、本設定処理を終了する。
作動口用の入賞処理(図25)の説明に戻り、ステップS1408では、RAM204に下作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。下作動口入賞フラグが格納されていない場合には、そのままステップS1410に進む。下作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS1409にて下作動口入賞フラグを消去した後に、ステップS1404〜ステップS1407の処理を実行する。この場合、ステップS1404〜ステップS1407の処理後におけるステップS1408の処理にて否定判定をすることで、ステップS1410に進む。
ステップS1410では、RAM204に制限フラグが格納されているか否かを判定する。制限フラグが格納されている場合にはそのまま本入賞処理を終了する。制限フラグが格納されていない場合には、ステップS1411にてRAM204に待機フラグが格納されているか否かを判定し、待機フラグが格納されていない場合にはそのまま本入賞処理を終了する。
待機フラグが格納されている場合にはステップS1412にて待機フラグを消去するとともにステップS1413にて待機用処理を実行した後に、本入賞処理を終了する。待機用処理は、保留予告用の確認処理の実行が制限され大当たり数値情報に対応しているか否かに関係なく不一致保留コマンドが送信されている保留情報について、修正可能な状況であることを条件として、保留予告用の確認処理を実行し、大当たり数値情報に対応している場合にはその旨を示す修正用コマンドを送信するための処理である。
当該待機用処理について、図27のフローチャートを参照して説明する。なお、本パチンコ機10では保留予告用の確認処理の実行が制限されるのは低確率モード及び高確率モードのうち高確率モードのときのみであるため、当該待機用処理も高確率モードにおいてのみ実行される。
ステップS1601では、前回取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。続くステップS1602では、RAM204の確認個数カウンタエリアの情報を、高確率モード用の大当たり数値情報の数である「10」の情報に更新することで、確認個数を「10」に設定する。
その後、ステップS1603では、確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得する。続くステップS1604では、比較処理を実行する。具体的には、ステップS1601にて把握した大当たり判定用の情報と、ステップS1603にて取得した取得した大当たり数値情報とを比較する。その後、ステップS1605にて、ステップS1604において比較処理を行った結果、両情報が一致しているか否かを判定する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS1606にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS1607にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS1603に戻り、次の大当たり数値情報を参照して比較処理を行う。
ステップS1605にて比較結果が一致していると判定した場合には、ステップS1608にて修正用コマンドを設定した後に本待機用処理を終了する。一方、ステップS1602にて設定された確認個数に対応する大当たり数値情報のいずれとも一致しない場合には、最終的にステップS1607の処理にて否定判定をする。この場合、そのまま本待機用処理を終了する。
ステップS1608にて設定された修正用コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、かかる修正用コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、修正用コマンドを受信している場合、保留予告制御処理にてそれに対応した処理を実行する。
ここで、表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告制御処理について、図28のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1701〜ステップS1710の各処理は、上記第1の実施の形態における保留予告制御処理(図21)のステップS1201〜ステップS1210の各処理と同一である。
本保留予告制御処理では、ステップS1708にて否定判定をした場合又はステップS1710の処理を実行した場合には、ステップS1711にて修正用コマンドを受信しているか否かを判定する。修正用コマンドを受信していない場合には、そのまま本保留予告制御処理を終了する。修正用コマンドを受信している場合には、ステップS1712にて報知発生抽選処理を実行する。当該報知発生抽選処理の処理内容は、ステップS1204と同様である。
続くステップS1713では、上記報知発生抽選処理の結果が報知発生当選であるか否かを判定する。報知発生当選でない場合には、そのまま本保留予告制御処理を終了する。報知発生当選である場合には、ステップS1714にて修正処理を実行した後に、本保留予告制御処理を終了する。
修正処理では、保留表示用エリア271における単位エリア272〜275のうち、現状の表示側保留記憶数SNに対応した単位エリアに対して外れ情報に代えて当たり情報が格納されるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。これにより、実際には大当たり数値情報に対応した保留情報であるにも関わらず、保留報知用の確認処理の実行が制限されたことに伴って外れ情報が表示されていた単位保留表示領域Ga1〜Ga4の対応する領域において当たり情報が表示されることとなる。
以上詳述した本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様に当否抽選モードが高確率モードである状況では、当否判定処理が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることが制限される。よって、かかる制限に基づく、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、本実施の形態では、保留予告用の確認処理の実行が制限されたとしても所定の条件を満たしている場合には、その制限に係る保留情報について後から保留予告用の確認処理が実行される。これにより、当否判定処理が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることを制限しながら、各保留情報に対して保留予告用の確認処理が実行される機会を上記第1の実施の形態よりも高められる。
特に、保留予告用の確認処理の実行が制限された場合には、制限対象となった保留情報が大当たり数値情報に対応しているか否かに関係なく当該保留情報が大当たり数値情報に対応していないとする特定結果を導出し、その後に当該制限対象となった保留情報について保留予告用の確認処理が実行され大当たり数値情報に対応していると判定された場合にはそれに対応した修正結果が導出される。特定結果が導出されることで保留予告用の確認処理の実行が制限されたとしても保留予告に係る処理を円滑に行うことができるとともに、修正結果が導出されることで、一旦は保留予告の実行が制限されたとしても、その後に保留予告を実行することが可能となり、保留予告が実行される機会が高められる。
また、保留予告用の確認処理の実行が制限された後であって当該制限対象となった保留情報について保留予告用の確認処理が実行される前のタイミングで保留情報が新たに取得された場合、当該制限対象となっている保留情報について保留予告用の確認処理が実行されない。これにより、保留予告用の確認処理をいずれの保留情報について行うべきかの特定を行うための処理が煩雑なものとなってしまうことを抑えながら、上記のような優れた効果を奏することができる。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、保留予告用の確認処理の実行が制限される構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における構成について説明する。
図29は、本実施の形態における保留コマンドの設定処理を示すフローチャートである。
保留コマンドの設定処理ではステップS1801〜ステップS1803にて、上記第1の実施の形態におけるステップS1101〜ステップS1103と同様の処理を実行する。したがって、本実施の形態であっても、
(I)制限フラグが格納されており(ステップS1801:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1803:NO)
(II)制限フラグが格納されていない場合であっても、複数の保留情報が記憶されておらず(ステップS1802:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1803:NO)
のいずれかの条件が成立している場合には、ステップS1804における通常時の確認処理の実行が制限される。なお、当該通常時の確認処理では、上記第1の実施の形態におけるステップS1104〜ステップS1114と同様の処理を実行する。
上記(I)の条件又は上記(II)の条件が成立している場合にはステップS1803にて否定判定をし、ステップS1805に進む。ステップS1805では、今回の入賞に基づきステップS305にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。続くステップS1806では、RAM204の確認個数カウンタエリアの情報を一部判定個数の情報である「4」の情報に更新することで、確認個数を「4」に設定する。
ステップS1806の後は、ステップS1807〜ステップS1813において上記第1の実施の形態におけるステップS1108〜ステップS1114と同様の処理を実行する。すなわち、ステップS1807にて、確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得する。続くステップS1808では、ステップS1805にて取得した大当たり判定用の情報とステップS1807にて取得した大当たり数値情報との比較処理を実行する。その後、ステップS1809では、比較処理にて両情報が一致していると判定されたか否かを判定する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS1810にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS1811にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS1807に戻り、次の大当たり数値情報を参照して比較処理を行う。
ステップS1809にて比較結果が一致していると判定した場合には、ステップS1812にて一致保留コマンドを設定した後に本保留コマンドの設定処理を終了する。一方、ステップS1806にて設定された確認個数に対応する大当たり数値情報のいずれとも一致しない場合には、最終的にステップS1811の処理にて否定判定をする。この場合、ステップS1813にて不一致保留コマンドを設定した後に本保留コマンドの設定処理を終了する。
以上のとおり、本実施の形態では、保留予告用の確認に係る通常時の確認処理の実行が制限される場合であっても、高確率モード用に設定されている複数の大当たり数値情報のうちの一部を確認対象として保留予告用の確認処理が実行される。これにより、通常処理の1処理回が完了するまでの範囲内で遊技回の開始処理と保留情報の取得処理とが重なり、保留予告用の確認処理が制限される場合であったとしても、その取得に係る保留情報の内容をある程度は反映した状態で保留コマンドの設定が行われることとなり、制限に係る保留情報であっても保留予告を行うことが可能となる。
また、上記制限に係る確認処理では、高確率モード用に設定されている複数の大当たり数値情報の全てを確認対象とするのではなく一部を確認対象とする構成であるため、全てを確認対象とする構成に比べ、通常処理の1処理回が完了するまでの範囲内で遊技回の開始処理と保留情報の取得処理とが重なったとしても、かかる処理回が完了するのに要する時間の短縮化は図られる。
なお、一部判定個数は「4」に限定されることはなく、高確率モード用に設定されている大当たり数値情報の数よりも少なく且つ1以上であれば任意であり、例えば、「2」又は「3」であってもよく、「5」以上であってもよい。
<第4の実施の形態>
本実施の形態では、遊技回制御処理の処理構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における構成について説明する。
図30は、本実施の形態における遊技回制御処理を示すフローチャートである。
遊技回制御処理では、先ずステップS1901にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS1902〜ステップS1907の遊技回進行用処理に進む。
遊技回進行用処理では、先ずステップS1902にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過している場合には、ステップS1903にて変動終了処理を実行するとともにステップS1904にて変動終了コマンドを設定する。これらステップS1903及びステップS1904の処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS509の処理及びステップS510の処理と同様である。
変動表示時間が経過しておらずステップS1902にて否定判定をした場合には、ステップS1905にて変動表示用処理を実行する。かかる処理は上記第1の実施の形態におけるステップS508の処理と同様である。続くステップS1906では、保留予告用の確認処理の制限開始タイミングであるか否かを判定する。
ここで、制限開始タイミングとは、実行されている遊技回について変動終了処理が実行されることとなる通常処理の処理回に対して制限開始回数分だけ前の処理回となっているタイミングのことである。本パチンコ機10では、上記制限開始回数が1回として設定されているが、これに限定されることはなく複数回として設定されていてもよい。但し、保留予告用の確認処理が制限される期間を極力抑える上では、上記制限開始回数を1回として設定することが好ましい。
また、制限開始タイミングを特定するための具体的な構成は任意であるが、本パチンコ機10では、遊技回の開始に際して遊技回の終了タイミングを特定するために変動表示時間情報が格納されることとなる変動表示時間カウンタエリアの情報が制限開始回数に対応した値となっているか否かを判定することにより行われる。
なお、変動表示時間カウンタエリアへの変動表示時間情報の格納に係る構成や減算に係る構成は上記第1の実施の形態と同様である。また、変動表示カウンタエリアの更新が減算式で行われるのではなく加算式で行われる構成においては、加算後の値が制限開始回数に対応した値であるか否かを判定する構成としてもよい。
制限開始タイミングでない場合には、そのまま本遊技回制御処理を終了する。制限開始タイミングである場合には、ステップS1907にてRAM204の各種フラグ格納エリア234における制限フラグ格納エリアに制限フラグを格納した後に、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS1901にて、メイン表示部43が変動表示中ではないと判定した場合、又はステップS1904の処理を実行した後は、ステップS1908〜ステップS1912の遊技回開始用処理に進む。
遊技回開始用処理では、先ずステップS1908にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中である場合にはそのまま本遊技回制御処理を終了する。開閉実行モード中でない場合には、ステップS1909にて、始動保留球数Nが「0」であるか否かを判定する。
始動保留球数Nが「0」である場合には、そのまま本遊技回制御処理を終了する。始動保留球数Nが「0」でない場合には、ステップS1910にてデータ設定処理を実行し、ステップS1911にて変動開始処理を実行し、さらにステップS1912にてRAM204の各種フラグ格納エリア234における変動開始フラグ格納エリアに変動開始フラグを格納した後に、本遊技回制御処理を終了する。これらステップS1910〜ステップS1912の処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS504〜ステップS506の処理と同様である。
以上のとおり本実施の形態における遊技回制御処理では、遊技回進行用処理が優先して行われ、遊技回進行用処理が行われない場合又は遊技回進行用処理が行われる場合であっても遊技回の終了に係る処理を実行した場合に、遊技回開始用処理が行われる。これにより、例えば、一の遊技回が実行されている状況において保留情報が保留記憶されている場合には、当該遊技回の終了処理を実行した処理回の通常処理の範囲内で次の遊技回が開始されることとなるため、1の遊技回の終了から次の遊技回が開始されるまでの期間の短縮化が図られる。
本実施の形態では、上記のとおり、遊技回制御処理の構成が上記第1の実施の形態と異なっているが、その他の処理構成は同一となっている。保留予告に係る処理について具体的には、通常処理(図12)では、遊技回制御処理よりも前のタイミングで制限解除処理が実行されるとともに、当該制限解除処理の処理構成は上記第1の実施の形態における処理構成(具体的には、図23にて示す処理構成)と同一となっている。また、保留コマンドの設定処理の処理構成や、表示制御装置212における保留予告制御処理の処理構成も上記第1の実施の形態における処理構成(具体的には、前者については図20にて示す処理構成、後者については図21にて示す処理構成)と同一となっている。
次に、保留予告用の確認処理の実行が制限される様子について、図31のタイミングチャートを用いて説明する。
図31(a)は通常処理の最初の処理が実行されるタイミングを示し、図31(b)は変動開始処理が実行されるタイミングを示し、図31(c)は遊技回が行われているタイミングを示し、図31(d)は制限フラグが格納されているタイミングを示し、図31(e)は保留情報が取得されるタイミングを示し、図31(f)は保留予告用の確認処理が実行されるタイミングを示している。また、図31では、当否抽選モードが高確率モードである場合を示している。
所定の遊技回が実行されている状況であるt1のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始される。当該処理回の通常処理は、現在実行されている遊技回について変動終了処理が実行される処理回の通常処理に対して1回前の処理回に係る通常処理である。したがって、当該処理回の通常処理についてt2のタイミングにて遊技回制御処理が実行されることにより、制限フラグが格納される。
その後、t3のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始される。そして、t4のタイミングにて現在行われている遊技回について変動終了処理が実行されるとともに、t5のタイミングにて変動開始処理が実行され新たな遊技回が開始される。その後、t3のタイミングにて開始された処理回の通常処理が完了するタイミングよりも前のタイミングであるt6のタイミングにて保留情報が新たに取得されているが、当否抽選モードが高確率モードである状況で制限フラグが格納されているため、保留予告用の確認処理の実行が制限される。
その後、t7のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始されるとともに、t8のタイミングにて制限解除処理(図23)が実行されることで制限フラグが消去される。その後、t9のタイミングにて保留情報が新たに取得されるとともに、この取得された保留情報について保留予告用の確認処理が実行される。その後、t10のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始される。
以上のとおり、遊技回制御処理において遊技回進行用処理が優先して行われ、遊技回進行用処理が行われない場合又は遊技回進行用処理が行われる場合であっても遊技回の終了に係る処理を実行した場合に同一の処理回の遊技回制御処理にて遊技回開始用処理が実行される構成であったとしても、制限フラグの格納タイミング及び消去タイミングを上記のように設定したことで、通常処理の1処理回が完了するまでの範囲内で遊技回の開始処理と通常の保留予告用の確認処理との両方が実行されてしまうことが制限される。
<第5の実施の形態>
本実施の形態では、主制御装置81において遊技を進行させるための処理構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における処理構成について説明する。
図32は、主制御装置81のMPU202にて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理はパチンコ機10の電源が立ち上げられた場合に実行される処理である。
先ずステップS2001では、電源投入に伴う立ち上げ処理を実行する。続くステップS2002では、RAM204のアクセスを許可する。その後、ステップS2003では、電源及び発射制御装置98に設けられたRAM消去スイッチがオンされているか否かを判定し、続くステップS2004ではRAM204に電断フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS2005ではRAM判定値を算出し、続くステップS2006では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
RAM消去スイッチがオンされておらず、さらに電断フラグが格納されているとともにRAM判定値が正常である場合には、ステップS2007にてRAM204から電断フラグを消去するとともに、ステップS2008にてRAM判定値を消去する。その後、ステップS2009にて割込み許可を設定し、ステップS2010にて乱数初期値カウンタCINIの更新を実行し、ステップS2011にて変動種別カウンタCSの更新を実行する。そして、ステップS2009〜ステップS2011の処理を実行した後は、ステップS2009に戻り、ステップS2009〜ステップS2011の処理を繰り返す。
なお、ステップS2009にて割込み許可の設定を行った直後に割込み禁止の設定を行う構成としてもよい。この場合、後述するタイマ割込み処理は、割込み禁止の設定が行われている状況において起動タイミングとなった場合には、次回の割込み許可の設定が行われるまでその実行が待機される構成としてもよい。
一方、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS2012〜ステップS2013の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS2012〜ステップS2013の処理に移行する。
ステップS2012では、RAM204の使用領域を「0」にクリアし(初期化し)、ステップS2013では、RAM204の初期設定を実行する。その後、ステップS2009〜ステップS2011の処理に移行する。
図33は、主制御装置81のMPU202にて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理では、ステップS2101〜ステップS2105にて、上記第1の実施の形態におけるタイマ割込み処理(図9)のステップS101〜ステップS105と同様の処理を実行する。
その後、ステップS2106にて、変動種別カウンタCSの更新処理を実行し、ステップS2107にて遊技回制御処理を実行し、ステップS2108にて遊技状態移行処理を実行し、ステップS2109にて電役サポート用処理を実行し、ステップS2110にて遊技球発射制御処理を実行し、ステップS2111にて外部出力処理を実行する。上記ステップS2106〜ステップS2111のうち、ステップS2107の遊技回制御処理以外の各処理は、上記第1の実施の形態における通常処理(図12)のステップS401〜ステップS407において対応する処理と同様である。
以下、図34のフローチャートを用いて本実施の形態における遊技回制御処理について説明する。
遊技回制御処理では、ステップS2201〜ステップS2205にて、上記第1の実施の形態における通常処理(図13)のステップS501〜ステップS505と同様の処理を実行する。そして、ステップS2205にて変動開始処理を実行した後に、ステップS2206にてRAM204に制限フラグが格納されている場合には当該制限フラグを消去する。
また、ステップS2207〜ステップS2211では、上記第1の実施の形態における通常処理(図13)のステップS507〜ステップS511と同様の処理を実行する。したがって、ステップS2210にて変動終了コマンドを設定した後に、ステップS2211にてRAM204に制限フラグを格納する。
つまり、本実施の形態における遊技回制御処理では、制限フラグの格納タイミングは上記第1の実施の形態と同様となっているが、制限フラグの消去タイミングは異なっており、変動開始処理が実行された場合に制限フラグが消去される。
ここで、本実施の形態では、通常処理とそれに割り込んで起動されるタイマ割込み処理とのうち一方に遊技回制御処理が設定されているとともに他方に保留コマンドの設定処理が設定されているのではなく、通常処理及びタイマ割込み処理のうちいずれか一方、具体的にはタイマ割込み処理の一連の処理として、保留コマンドの設定処理と遊技回制御処理とが設定されている。また、1処理回のタイマ割込み処理において保留コマンドの設定処理が実行される順番は、遊技回制御処理よりも先となっている。さらに、遊技回制御処理では、1処理回において変動終了処理が実行された場合には、保留情報が保留記憶されている場合であっても当該処理回において変動開始処理が実行されることはなく、当該保留情報に係る変動開始処理は次の処理回の遊技回制御処理にて実行される。そして、変動終了処理が実行された場合に制限フラグが格納され、当該制限フラグは変動開始処理が実行された場合に消去される。
上記構成であることにより、例えば、1遊技回の変動終了処理が実行されて制限フラグが格納された場合には、少なくとも次の処理回のタイマ割込み処理において保留コマンドの設定処理における保留予告用の確認処理の実行が制限される。そして、その後に変動開始処理が実行される場合には、当該変動開始処理が実行される処理回のタイマ割込み処理において保留予告用の確認処理の実行が制限された後に、制限フラグが消去される。よって、1処理回のタイマ割込み処理の範囲内において通常の保留予告用の確認処理と当否判定処理とが共に実行されてしまうことを防止することができる。
特に、定期的に起動されるタイマ割込み処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長時間化する状況が生じるとすると、複数のタイマ割込み処理が重複して起動されてしまうことを防止すべく、タイマ割込み処理が起動される周期を長くせざるをえなくなる。そうすると、遊技を進行させる上での処理速度が遅くなってしまい好ましくない。これに対して、上記のように保留予告用の確認処理の実行が制限されることで、上記不都合の発生が抑えられる。
<第6の実施の形態>
本実施の形態では、遊技回制御処理の処理構成が上記第5の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における構成について説明する。
図35は、本実施の形態における遊技回制御処理を示すフローチャートである。
遊技回制御処理では、先ずステップS2301にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS2302〜ステップS2307の遊技回進行用処理に進む。
遊技回進行用処理では、先ずステップS2302にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過している場合には、ステップS2303にて変動終了処理を実行するとともにステップS2304にて変動終了コマンドを設定する。これらステップS2303及びステップS2304の処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS509の処理及びステップS510の処理と同様である。
変動表示時間が経過しておらずステップS2302にて否定判定をした場合には、ステップS2305にて変動表示用処理を実行する。かかる処理は上記第1の実施の形態におけるステップS508の処理と同様である。続くステップS2306では、保留予告用の確認処理の制限開始タイミングであるか否かを判定する。かかる制限開始タイミングの内容及び制限開始タイミングを特定するための具体的な構成は、上記第4の実施の形態と同様である。
制限開始タイミングでない場合には、そのまま本遊技回制御処理を終了する。制限開始タイミングである場合には、ステップS2307にてRAM204に制限フラグを格納した後に、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS2301にて、メイン表示部43が変動表示中ではないと判定した場合、又はステップS2304の処理を実行した後は、ステップS2308〜ステップS2312の遊技回開始用処理に進む。
遊技回開始用処理では、先ずステップS2308にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中である場合にはそのまま本遊技回制御処理を終了する。開閉実行モード中でない場合には、ステップS2309にて、始動保留球数Nが「0」であるか否かを判定する。
始動保留球数Nが「0」である場合には、そのまま本遊技回制御処理を終了する。始動保留球数Nが「0」でない場合には、ステップS2310にてデータ設定処理を実行し、ステップS2311にて変動開始処理を実行し、さらにステップS2312にてRAM204から制限フラグを消去した後に、本遊技回制御処理を終了する。これらステップS2310〜ステップS2312の処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS504〜ステップS506の処理と同様である。
以上のとおり本実施の形態における遊技回制御処理では、遊技回進行用処理が優先して行われ、遊技回進行用処理が行われない場合又は遊技回進行用処理が行われる場合であっても遊技回の終了に係る処理を実行した場合に、遊技回開始用処理が行われる。これにより、例えば、1遊技回が実行されている状況において保留情報が保留記憶されている場合には、当該遊技回の終了処理を実行した処理回の通常処理の範囲内で次の遊技回が開始されることとなるため、1遊技回の終了から次の遊技回が開始されるまでの期間の短縮化が図られる。
本実施の形態では、上記のとおり、遊技回制御処理の構成が上記第5の実施の形態と異なっているが、その他の処理構成は同一となっている。保留予告に係る処理について具体的には、タイマ割込み処理(図33)では、遊技回制御処理よりも前のタイミングで、保留予告用の確認処理を含む保留コマンドの設定処理が実行される。また、保留コマンドの設定処理の処理構成や、表示制御装置212における保留予告制御処理の処理構成も上記第5の実施の形態における処理構成(すなわち、上記第1の実施の形態における処理構成)と同一となっている。
上記構成であることにより、遊技回制御処理において遊技回進行用処理が優先して行われ、遊技回進行用処理が行われない場合又は遊技回進行用処理が行われる場合であっても遊技回の終了に係る処理を実行した場合に同一の処理回の遊技回制御処理にて遊技回開始用処理が実行される構成であったとしても、1遊技回の終了に係る処理回よりも前の処理回のタイマ割込み処理にて制限フラグが格納され、当該制限フラグは次の遊技回の開始に係る処理回であって保留予告用の確認処理の実行が制限された後に消去される。したがって、タイマ割込み処理の1処理回が完了するまでの範囲内で遊技回の開始に係る当否判定処理と通常の保留予告用の確認処理との両方が実行されてしまうことが制限される。
<第7の実施の形態>
本実施の形態では、タイマ割込み処理の処理構成が上記第5の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における構成について説明する。
図36は、本実施の形態におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理では、先ずステップS2401にて、RAM204に制限フラグが格納されているか否かを判定する。制限フラグが格納されている場合にはステップS2402にて制限フラグを消去した後にステップS2403に進み、制限フラグが格納されていない場合にはステップS2402の処理を実行することなくステップS2403に進む。
その後、ステップS2403では遊技回制御処理を実行し、ステップS2404にて遊技状態移行処理を実行し、ステップS2405にて電役サポート用処理を実行し、ステップS2406にて遊技球発射制御処理を実行し、ステップS2407にて読み込み処理を実行し、ステップS2408にて各種カウンタの更新処理を実行し、ステップS2409にてスルー用の入賞処理を実行し、ステップS2410にて作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
図37は、本実施の形態における遊技回制御処理を示すフローチャートである。
遊技回制御処理では、ステップS2501〜ステップS2505にて、上記第1の実施の形態における通常処理(図13)のステップS501〜ステップS505と同様の処理を実行する。そして、ステップS2505にて変動開始処理を実行した後に、ステップS2506にてRAM204に制限フラグを格納する。また、ステップS2507〜ステップS2510では、上記第1の実施の形態における通常処理(図13)のステップS507〜ステップS510と同様の処理を実行する。
つまり、本実施の形態では、1処理回のタイマ割込み処理において保留予告用の確認処理を含む保留コマンドの設定処理が実行される順番は、遊技回制御処理よりも後となっている。また、制限フラグは、変動開始処理が実行された場合に格納され、当該変動開始処理の実行に係る処理回よりも後、具体的には当該処理回の次の処理回のタイマ割込み処理において消去される。
上記構成であることにより、例えば、1遊技回の変動開始処理が実行されて制限フラグが格納された場合には、その変動開始処理が実行された処理回に係るタイマ割込み処理では通常の保留予告用の確認処理が実行されることが制限され、次の処理回のタイマ割込み処理において制限フラグが消去される。よって、1処理回のタイマ割込み処理の範囲内において通常の保留予告用の確認処理と当否判定処理とが共に実行されてしまうことを防止することができる。
<他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。また、以下の別形態の構成は、適用対象として例示した実施の形態とは異なる実施の形態に対して適用してもよい。
(1)上記各実施の形態では、通常処理の1処理回の範囲内において当否判定処理が実行される場合には保留予告用の確認処理の実行が制限され得る構成としたが、これに限定されることはなく、通常処理の1処理回の範囲内において保留予告用の確認処理が実行される場合には当否判定処理の実行が制限され得る構成としてもよい。但し、本パチンコ機10では当否判定処理において遊技者に利益を与えるか否かの判定が行われるため、当該当否判定処理の実行が制限されると本来得られたはずの利益を遊技者が得られないという不都合が生じ得る。この点、上記各実施の形態のように当否判定処理の実行を制限することなく、保留予告用の確認処理の実行を制限することが好ましい。
なお、当否判定処理の実行を制限するための具体的な構成としては制限フラグを用いる構成が考えられる。また、当否判定処理の実行を制限する方法としては、所定の保留情報について当否判定処理を実行しない構成や、所定の保留情報について当否判定処理を一旦実行しないようにしがらその後に当否判定処理を実行する構成や、所定の保留情報について大当たり数値情報の一部のみを参照して当否判定処理を実行する構成が考えられる。
(2)当否判定処理とは異なる予め定められた特別処理と保留予告用の確認処理とが通常処理の1処理回の範囲内で重複して実行されないように制限する構成としてもよい。この場合、通常処理の1処理回の範囲内において特別処理が実行される場合には保留予告用の確認処理の実行が制限され得る構成としてもよく、通常処理の1処理回の範囲内において保留予告用の確認処理が実行される場合には特別処理の実行が制限され得る構成としてもよい。なお、特別処理としては、例えば、電役サポート用処理における電役開放抽選の処理や、遊技状態移行処理における開閉実行モードへの移行処理などが考えられる。
(3)上記各実施の形態において、パチンコ機10の電源が投入されてから制限の解除条件が成立するまで保留予告用の確認処理といった制限対象の処理の実行が制限され得る構成としてもよい。例えば、パチンコ機10の電源が投入されてメイン処理が実行された場合に制限フラグが格納され、上記各実施の形態にて示したような消去タイミングまで当該制限フラグが記憶保持される構成としてもよい。また、パチンコ機10の電源遮断に際して制限フラグが格納され、バックアップ電力により電源遮断中も記憶保持されるとともに、パチンコ機10の電源投入後において上記各実施の形態にて示したような消去タイミングまで当該制限フラグが記憶保持される構成としてもよい。本構成は、当否抽選モードが低確率モードであっても保留予告用の確認処理の実行が制限される構成に対して適用すると有効である。
(4)上記各実施の形態では、当否抽選モードが高確率モードであることを一条件として保留予告用の確認処理が制限される構成としたが、これに限定されることはなく、当否抽選モードが低確率モードであっても保留予告用の確認処理が制限される構成としてもよい。
(5)上記第1の実施の形態、上記第2の実施の形態又は上記第3の実施の形態において、当否判定処理と保留予告用の確認処理とが共にタイマ割込み処理の一部の処理として実行される構成としてもよい。また、当否判定処理と保留予告用の確認処理とが共に通常処理の一部の処理として実行される構成としてもよい。さらにまた、通常処理とタイマ割込み処理とに区別されておらず、単一の一連の処理が実行タイミングとなる度に実行される構成においては、当該一連の処理における一部の処理として、当否判定処理及び保留予告用の確認処理の両方が実行される構成としてもよい。上記いずれの場合であっても、上記第5の実施の形態、上記第6の実施の形態又は上記第7の実施の形態における制限フラグの格納及び消去の処理構成を適用するとよい。
(6)読み込み処理がタイマ割込み処理の一部の処理として実行され、保留予告用の確認処理が通常処理の一部の処理として実行される構成としてもよい。本構成において、保留予告用の確認処理の実行タイミングとなるまでに、上作動口33への入賞に基づき保留情報が取得されているとともに下作動口34への入賞に基づき保留情報が取得されている場合には、それぞれの保留情報に対して保留予告用の確認処理が実行されるようにすることで、各保留情報に対する保留予告用の設定処理を早期に実行することが可能となる。
但し、本構成において、通常処理の1処理回の範囲内において当否判定処理と保留予告用の確認処理とが共に実行されるとすると、当該通常処理の1処理回の処理時間が極端に長くなってしまうことが考えられる。したがって、かかる構成であっても、上記各実施の形態における制限の構成を適用することが好ましい。
(7)上記第1の実施の形態、上記第2の実施の形態又は上記第3の実施の形態において、通常処理にて4msecの残余期間内で行われる処理は、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新処理に限定されることはなく、遊技を進行させる上で実行される他の処理であってもよい。
(8)上記各実施の形態のように保留表示領域Gaといった個別表示領域にて保留予告を行う構成に限定されることはなく、図柄表示装置41にて図柄の変動表示が行われている状況において当該図柄の変動表示の態様やそれに付随して表示されるキャラクタ等の態様を保留予告用の態様とすることで、保留予告を行う構成としてもよい。
具体的には、表示制御装置212では保留予告用の確認処理にて確認対象となった保留情報が大当たり当選に対応していると判定されたことに基づいて、当該保留情報を保留予告の実行の契機として設定し、かかる実行の契機として設定された保留情報よりも前に実行される遊技回における図柄表示装置41での表示態様を保留予告用の表示態様とする構成が考えられる。そして、かかる保留予告用の表示態様としては、図柄の変動表示中に所定の報知画像を表示する構成や、図柄の変動表示の停止結果を保留予告に対応した停止結果とする構成が考えられる。
かかる構成においては、主制御装置81にて保留予告用の確認処理が実行され当該主制御装置81から一致保留コマンドが送信されることで、表示制御装置212にて当該一致保留コマンドの送信に係る保留情報を保留予告の実行の契機として設定するか否かの判定が行われ、実行の契機として設定する旨の決定が行われた場合に契機情報を記憶するようにする。そして、契機情報が記憶されている状況では、保留予告の実行の契機として設定された保留情報よりも前に当否判定の対象となった保留情報に係る遊技回にて保留予告用の表示態様を表示させる。
上記構成であっても、主制御装置81における通常処理又はタイマ割込み処理といった進行用処理の1処理回の範囲内において保留予告用の確認処理と当否判定処理との両方が実行されることは好ましくない。したがって、上記各実施の形態のように、当否判定処理が実行される進行用処理の1処理回の範囲内においては保留予告用の確認処理の実行が制限され得る構成とすることが好ましい。
なお、図柄表示装置41とは異なる報知用装置にて保留予告を行う構成としてもよい。例えば、図柄表示装置41とは異なる表示装置にて保留予告を行う構成としてもよく、所定の音をスピーカ部64から出力することにより保留予告を行う構成としてもよく、所定の発光態様で発光部を発光させることで保留予告を行う構成としてもよい。
(10)主制御装置81は大当たり乱数カウンタC1から取得した情報をそのまま音声ランプ制御装置82や表示制御装置212といったサブ側の制御装置に送信し、サブ側の制御装置において保留予告用の確認処理を実行する構成としてもよい。この場合であっても、サブ側の制御装置において進行用処理の1処理回の範囲内で保留予告用の確認処理とその他の特別処理との両方が実行されるとすると、進行用処理の1処理回に要する処理時間の長時間化が懸念される。したがって、進行用処理の1処理回の範囲内において特別処理が実行される場合には保留予告用の確認処理の実行が制限され得る構成とする、又は進行用処理の1処理回の範囲内において保留予告用の確認処理が実行される場合には特別処理の実行が制限され得る構成とするとよい。なお、特別処理としては、例えば、サブ側の制御装置において1遊技回の演出内容を決定する処理、より具体的には図柄の変動表示態様を決定する処理が考えられる。
(11)上記第2の実施の形態において、保留予告用の確認処理の実行が制限された場合には何ら保留コマンドを送信することなく、その後に待機用処理が実行された場合にその処理結果に対応したコマンドを送信する構成としてもよい。また、保留予告用の確認処理の実行が制限されてから待機用処理が実行されるまでの間に保留情報が新たに取得されたとしても、待機用処理が実行される構成としてもよい。この場合、表示制御装置212において、待機用処理の対象となっている保留情報と新たに取得された保留情報とを明確に区別するための構成が必要となる。
(12)高確率モード用に設定される大当たり数値情報の数が10個以外でもよいことは言うまでもなく、低確率モード用に設定される大当たり数値情報の数は高確率モード用に設定された大当たり数値情報の数よりも少ないのであれば複数であってもよいことは言うまでもない。
(13)上記各実施の形態では、保留予告の設定を行う上で、大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報のみが確認される構成としたが、これに限定されることはなく、大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報や、リーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報も確認される構成としてもよい。また、大当たり当選となる遊技回においては、図柄表示装置41における図柄の変動表示パターンとして、リーチ表示が発生する構成とした場合には、保留情報が大当たり当選に対応しているか否かに関係なく当該保留情報にリーチ表示に対応した情報が含まれているか否かを確認し、保留予告ではリーチ発生の有無を報知する構成としてもよい。また、リーチ発生の有無だけでなく、変動表示時間の情報も、保留コマンドの設定処理にて確認する構成としてもよい。この場合、保留予告としてリーチ表示の種別などを報知することが可能となる。
上記各構成では、保留コマンドの設定処理では、保留情報が大当たり数値情報に対応しているか否かの確認だけでなく、保留情報がリーチ発生数値情報に対応しているか否かの確認や保留情報がいずれの変動表示時間に対応しているかの確認などを行う必要がある。そうすると、当否判定処理と保留予告用の確認処理とが通常処理又はタイマ割込み処理といった進行用処理の1処理回の範囲内で実行されると、当該進行用処理の処理時間が長時間化してしまう。これに対して、上記各実施の形態のように保留予告用の確認処理の実行が制限され得る構成とすることが好ましい。
(14)上記各実施の形態では、低確率モードにおける大当たり数値情報が高確率モードにおける大当たり数値情報に含まれる構成としたが、これに限定されることはなく、低確率モードにおける大当たり数値情報が高確率モードにおける大当たり数値情報に含まれない構成としてもよい。
(15)上記各実施の形態では、当否判定処理や保留コマンドの設定処理の処理プログラムにて参照すべき大当たり数値情報の数が指定される構成としたが、これに限定されることはなく、参照すべき大当たり数値情報の数を指定するための指定用テーブルが別途用意されていて、当否判定処理や保留コマンドの設定処理では指定用テーブルにおいて参照すべきアドレス情報が指定される構成としてもよい。この場合、当否判定処理や保留コマンドの設定処理では、指定用テーブルから読み出した大当たり数値情報の数だけ、参照して保留情報との比較処理を実行する。また、上記指定用テーブルが当否テーブルに含まれた構成としてもよい。
(16)保留予告が行われ得る状態と保留予告が不可となる状態との切り換えがなされる構成としてもよい。この場合、当該切り換えを行う主体は、主制御装置81、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212のうちのいずれであってもよい。また、切り換えの契機に関しては、所定の開始条件が成立した場合に保留予告が行われ得る状態となり、所定の終了条件が成立した場合に保留予告が不可となる状態となるのであれば任意であり、例えば、許可抽選と不可抽選とを設け、許可抽選にて当選結果となった場合に保留予告が行われ得る状態となるとともに、不可抽選にて当選結果となった場合に保留予告が不可となる状態となるよう構成してもよい。
(17)上作動口33への入賞に係る保留情報と下作動口34への入賞に係る保留情報とが区別して記憶されるとともに、下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよく、これとは逆に上作動口33への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。この場合に、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報及び下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報のうち、前者の保留情報が保留予告の実行の契機として設定され得る構成としてもよく、後者の保留情報が保留予告の実行の契機として設定され得る構成としてもよく、いずれの保留情報も保留予告の実行の契機として設定され得る構成としてもよい。
また、下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用する場合、保留予告を上作動口33への入賞に係る保留情報について行う構成とするとともに、当該保留予告では大当たり当選となる旨の情報だけでなく、高確率モードであれば大当たり当選となる旨の情報、低確率モードであれば大当たり当選となる旨の情報、高確率モード及び低確率モードのいずれであっても大当たり当選となる旨の情報、又は高確率モード及び低確率モードのうちいずれか一方でのみ大当たり当選となる旨の情報を報知する構成としてもよい。上作動口33及び下作動口34のうち、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定に際して優先される構成において上記保留予告の構成を適用することで、遊技者にとっては、保留予告の内容に応じて、保留予告に係る保留情報が当否判定の対象とならないようにすべく下作動口34への入賞に係る保留情報が記憶された状態が維持されることを期待して発射ハンドル54を操作する態様を選択することができるとともに、保留予告に係る保留情報が当否判定の対象となるようにすべく下作動口34への入賞がそれ以上発生しないように発射ハンドル54の操作を中止するという態様を選択することができる。
特に、上記構成を、下作動口34に電動役物34aが設けられておらず、上作動口33及び下作動口34の両方において入賞頻度が遊技状態に依存しない構成に適用した場合、遊技状態に関係なく上記遊技を遊技者に提供することが可能となる。
また、上記構成において、複数の作動口が上下に並設されているのではなく、上作動口33に対応した第1作動口と、下作動口34に対応した第2作動口とが左右に並設された構成としてもよく、これら両作動口が斜めに並設された構成としてもよい。さらにまた、発射ハンドル54の操作態様に応じて、第1作動口への入賞のみ又は第2作動口への入賞のみを狙えるように、両作動口を離間して配置する構成としてもよい。この場合、遊技者にとっては、保留予告に応じて、第1作動口又は第2作動口の一方の入賞のみを狙うことが可能となる。
また、上記構成において、メイン表示部43に、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第1表示領域と、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第2表示領域とを設けてもよい。この場合、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第1表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。また、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第2表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。
(18)上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合と、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合とで、遊技者が得られる利益が異なる構成としてもよい。例えば、上記(17)のように下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成において、当該下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合の方が、当否判定の実行が優先されない上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合よりも、遊技者にとって有利となる構成としてもよい。
このように有利な状態を設定する上では、例えば、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合の大当たり当選確率を、上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合の大当たり当選確率よりも高く設定する構成としてもよい。また、下作動口34への入賞に係る保留情報が大当たり当選となった場合における大当たり結果の振分先が、上作動口33への入賞に係る保留情報が大当たり当選となった場合における大当たり結果の振分先よりも有利なものとなるように設定された構成としてもよい。
かかる構成についてより詳細には、下作動口34への入賞に係る大当たり結果の振分先に、上作動口33への入賞に係る大当たり結果の振分先には設定されていない大当たり結果が設定されており、かかる大当たり結果が設定されていることにより前者の方が後者よりも有利なものとなる構成としてもよく、上作動口33への入賞に係る大当たり結果の振分先に、下作動口34への入賞に係る大当たり結果の振分先には設定されていない大当たり結果が設定されており、かかる大当たり結果が設定されていることにより後者の方が前者よりも有利なものとなる構成としてもよい。さらには、上作動口33への入賞に係る大当たり結果の振分先の種類と、下作動口34への入賞に係る大当たり結果の振分先の種類とが同一となるように設定されているとともに、下作動口34への入賞では上作動口33への入賞よりも、有利な大当たり結果への振分確率が高く設定された構成としてもよい。
上記構成によれば、上作動口33への入賞が発生することに比して、下作動口34への入賞が発生することの有利性が高められる。そして、下作動口34への入賞により取得された保留情報が優先して当否判定される構成においては、下作動口34への入賞が発生した場合には、下作動口34について設定された有利性が優先して遊技者に提供されることとなる。これにより、上作動口33と下作動口34との機能に明確な差異が設けられ、遊技者にとっては、上作動口33への入賞よりも下作動口34への入賞の発生を期待することとなり、遊技の多様化が図られる。
また、上記各実施の形態のように作動口を複数設ける構成においては、作動口の数は2個に限定されることはなく、3個以上であってもよい。また、作動口が1個のみ設けられた構成としてもよい。
(19)当否抽選モードが複数段階設定されているのではなく、単一の当否抽選モードのみが設定されており、さらに当該当否抽選モードについて複数種類の大当たり数値情報が設定された構成としてもよい。
(20)上記各実施の形態では、既に保留予告が行われている状況であっても、作動口33,34への新たな入賞に基づき取得された保留情報について保留予告が開始され得る構成としたが、既に保留予告が行われている状況においては新たな保留予告が開始されない構成としてもよい。つまり、作動口33,34への新たな入賞に基づき保留情報が取得された場合に、既に保留予告が実行されているか否かを判定する手段と、既に保留予告が実行されていると判定された場合には新たな入賞に基づき取得された保留情報に対して保留予告が実行されないように規制する手段と、を備えた構成としてもよい。この場合、複数の保留予告が同時に実行されることはなく、各保留予告への注目度を高めることが可能となる。
(21)主制御装置81に大当たり当選に対応した保留情報が記憶されている場合であって、かかる保留情報について保留予告が実行されていない場合には、作動口33,34への新たな入賞に基づき取得された保留情報について保留予告が開始されない構成としてもよい。つまり、作動口33,34への新たな入賞に基づき保留情報が取得された場合に、既に記憶されている保留情報に大当たり当選に対応した保留情報が含まれているか否かを判定する手段と、大当たり当選に対応した保留情報が含まれていると判定された場合には新たな入賞に基づき取得された保留情報に対して保留予告が実行されないように規制する手段と、を備えた構成としてもよい。この場合、大当たり当選に対応した保留情報について保留予告が実行されていないにも関わらず、他の保留情報について保留予告が実行されてしまうことが規制され、保留予告への注目度を高めることが可能となる。
(22)保留表示領域Gaにおける複数の単位保留表示領域にて保留予告が実行されている状況において、先に当否判定の対象となった保留情報について開閉実行モードへの移行が発生した場合には、後に当否判定の対象となる保留情報についての保留予告を、開閉実行モードへの移行に際して、開閉実行モード中の所定のタイミング又は開閉実行モードの終了に際して、終了させる構成(すなわち、保留予告の解除手段を有する構成)としてもよい。この場合、開閉実行モードへの移行が発生した場合には、保留予告の実行状況を一旦リセットすることが可能となる。
(23)上記各実施の形態では、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置82により表示制御装置212が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置212が音声ランプ制御装置82を制御する構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82と表示制御装置212とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置82,212が一のサブ側の制御装置として設けられた構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82又は表示制御装置212の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよく、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の両方の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよい。
(24)上作動口33への入賞が発生しているか否かの判定や下作動口34への入賞が発生しているか否かの判定を行うための処理構成は、上記各実施の形態における構成に限定されることはなく、任意である。例えば、MPU202のレジスタ又はRAM204に、今回用エリア、前回用エリア、前々回用エリアを設け、検知センサからの信号の入力結果の3回分をそれらエリアに格納する。そして、それらエリアに格納されている情報を演算することにより、非入賞信号が出力されている状況に続いて入賞信号が出力されている状況が複数回の確認タイミングに亘って継続されているか否かの特定を行うようにしてもよい。具体的には、非入賞信号の入力が確認されたタイミングに対応したエリアには「0」の情報が格納され、入賞信号の入力が確認されたタイミングに対応したエリアには「1」の情報が格納されるようにする。そして、前々回用エリアに格納されている情報を反転した情報と、前回用エリアに格納されている情報と、今回用エリアに格納されている情報との論理積が「1」の場合に、非入賞信号が出力されている状況に続いて入賞信号が出力されている状況が複数回の確認タイミングに亘って継続されていると特定する構成としてもよい。
(25)上記各実施の形態では、保留情報が取得される条件を作動口33,34への入賞が発生することとしたが、これに限定されることはなく、他の入球部に入賞したことに基づき保留情報が取得される構成としてもよい。また、遊技領域を流下する遊技球が所定の入球部に入球したことに基づき保留情報が取得されるのではなく、遊技者により手動操作される操作部が操作されたことに基づき保留情報が取得される構成としてもよい。
(26)上記各実施の形態における保留予告用の確認処理の実行を行わないようにする構成や、その実行を待機する構成や、通常時の処理のうち一部の処理のみを実行する構成に代えて、以下の構成を適用してもよい。すなわち、主制御装置81において実行される処理として、複数種の処理を含み繰り返し実行される第1繰り返し処理と、複数種の処理を含み繰り返し実行される第2繰り返し処理と、が設定されているとともに、第1繰り返し処理が完了した後に第2繰り返し処理が開始され、さらに第2繰り返し処理が完了した後に第1繰り返し処理が開始される構成においては、第1繰り返し処理又は第2繰り返し処理の一方における一部の処理として当否判定処理が含まれ、他方における一部の処理として保留予告用の確認処理が含まれる構成としてもよい。この場合、第1繰り返し処理の1処理回が完了するまでの時間や第2繰り返し処理の1処理回が完了するまでの時間が長時間化してしまうことを抑えながら当否判定や保留予告の設定を行うことが可能となる。
(27)上記各実施の形態では、保留コマンドの設定処理が、作動口33,34への入賞に基づき取得された情報が保留情報として保留球格納エリア232に格納された後に実行される構成としたが、これに限定されることはなく、保留コマンドの設定処理が、作動口33,34への入賞に基づき情報が取得された後であって当該情報が保留情報として保留球格納エリア232に格納される前に実行される構成としてもよい。
(28)上記各実施の形態では、主制御装置81において当否判定が行われたことに基づいてメイン表示部43における一の遊技回が開始される構成としたが、これに限定されることはなく、主制御装置81において当否判定が行われる条件が成立した場合に実際に当否判定が行われるタイミングよりも前のタイミングで上記遊技回が開始され、その後に当否判定が行われたことに基づいてその遊技回におけるその後の変動表示パターン、変動表示時間及び停止結果が決定される構成としてもよい。この場合、主制御装置81では遊技回の開始タイミングとなった場合に、先ず変動用コマンドを送信し、その後に当否判定、変動表示時間の決定及び種別判定を行った場合に、変動時間コマンド及び種別コマンドを送信する構成としてもよく、これら変動時間コマンド及び種別コマンドの送信タイミングもずれている構成としてもよい。但し、変動時間コマンドや種別コマンドが送信されるタイミングは、図柄表示装置41において図柄の変動表示が高速変動から低速変動に切り換えられるまでのタイミングとする必要がある。
(29)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.進行用処理(第1乃至第3の実施の形態では通常処理、第4乃至第6の実施の形態ではタイマ割込み処理)を繰り返し実行することに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81のMPU202)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1104〜ステップS1113の処理を実行する機能等)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による前記特定の処理及び当該特定の処理とは異なる予め定められた特別処理のうち制限対象となっていない処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行を制限する制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1101〜ステップS1103の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、先特定手段による特定の処理及び当該特定の処理とは異なる予め定められた特別処理のうち制限対象となっていない処理が進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行が制限されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。つまり、本構成によれば、進行用処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
なお、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、を備えている構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
また、「制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行を制限する」には、制限対象となっている処理が実行されないように制限する構成だけでなく、制限対象となっている処理において非制限時に実行される各種処理のうち一部の処理が実行されないように制限する構成も含まれる。
特徴A2.進行用処理(第1乃至第3の実施の形態では通常処理、第4乃至第6の実施の形態ではタイマ割込み処理)を繰り返し実行することに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81のMPU202)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1104〜ステップS1113の処理を実行する機能等)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定の処理及び前記先特定手段による前記特定の処理のうち制限対象となっていない処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行を制限する制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1101〜ステップS1103の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、付与判定手段による付与判定の処理及び先特定手段による特定の処理のうち制限対象となっていない処理が進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行が制限されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。つまり、本構成によれば、進行用処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
なお、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、を備えている構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
また、「制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行を制限する」には、制限対象となっている処理が実行されないように制限する構成だけでなく、制限対象となっている処理において非制限時に実行される各種処理のうち一部の処理が実行されないように制限する構成も含まれる。
特徴A3.進行用処理(第1乃至第3の実施の形態では通常処理、第4乃至第6の実施の形態ではタイマ割込み処理)を繰り返し実行することに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81のMPU202)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報として、予め定められた範囲の数値情報から所定の数値情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記予め定められた範囲の数値情報のいずれかに対応した付与情報を予め記憶する付与情報記憶手段(当否テーブル記憶エリア221)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、前記付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記付与情報記憶手段には、少なくとも特定状況において前記付与判定手段により参照される付与情報が複数種類記憶されており、
前記付与判定手段は、少なくとも前記特定状況において前記付与判定を行う場合、前記複数種類の付与情報の全てを参照し、判定対象となった特別情報が、いずれかの付与情報と対応している場合に付与判定の結果が前記付与対応結果であるとするものであり、
さらに、前記特定状況において前記複数種類の付与情報を参照することで、前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を特定するとともに、当該特定を前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて行う先特定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1104〜ステップS1113の処理を実行する機能等)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定の処理及び前記先特定手段による前記特定の処理のうち制限対象となっていない処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行を制限する制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1101〜ステップS1103の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A3によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、付与判定手段による付与判定の処理及び先特定手段による特定の処理のうち制限対象となっていない処理が進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行が制限されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。つまり、本構成によれば、進行用処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
なお、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、を備えている構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
また、「制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行を制限する」には、制限対象となっている処理が実行されないように制限する構成だけでなく、制限対象となっている処理において非制限時に実行される各種処理のうち一部の処理が実行されないように制限する構成も含まれる。
特徴A4.前記制限手段は、前記制限対象となっていない処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、前記制限対象となっている処理が当該1処理回の範囲内で実行されないようにするものであることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、制限対象となっていない処理が実行される範囲の進行用処理の処理回では、制限対象となっている処理が実行されないため、制限対象となっている処理の一部が実行される構成に比べ、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が長時間化してしまうことを抑える効果が高められる。
特徴A5.前記制限対象となっている処理が前記進行用処理における所定の処理回の範囲内で実行されないように制限された場合に、この制限された処理が前記所定の処理回に対して次回以降の処理回の範囲内で実行されるようにする制限後実行手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1410〜ステップS1413の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、制限対象となっている処理が実行されないように制限されたとしても、その制限された処理がその後に実行されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことを抑えながら、制限対象となっている処理が実行される機会が極端に低減されてしまうことを抑えることができる。
特徴A6.前記制限対象となっている処理として、非制限用処理(ステップS1804の処理)と、当該非制限用処理のうち一部の処理が省略された制限用処理(ステップS1805〜ステップS1813の処理)とが設定されており、
前記制限手段は、前記制限対象となっていない処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、前記制限対象となっている処理として前記制限用処理が実行されるようにするものであることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、制限対象となっている処理の実行が制限される場合であっても、当該制限対象となっている処理は通常時の非制限用処理に対して一部の処理が省略された状態で実行される。よって、制限対象となっている処理の実行をある程度確保しながら、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。
特徴A7.前記付与判定手段は、付与判定モードとして、前記付与対応結果となる付与情報の数が相対的に多い及び少ないとなるように設定されていることで前記付与対応結果となる確率が相対的に高低となった高確率モードと低確率モードとが設定されており、
前記制限手段は、前記付与判定モードが前記高確率モードである場合に前記制限を行うものであることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
高確率モードにおいては、付与判定の処理及び先特定の処理のいずれにおいても低確率モードの場合よりも処理時間が長時間化することとなる。この場合に、特徴A7によれば、高確率モードにおいて制限対象となっている処理の実行が制限されることがあるため、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。その一方、低確率モードにおいては上記制限を行わないようにすることで、制限対象となっている処理の実行を低確率モードにおいては担保することが可能となる。
特徴A8.前記制限対象となっている処理及び前記制限対象となっていない処理のうち一方は前記付与判定手段による前記付与判定の処理であるとともに、他方は前記先特定手段による前記特定の処理であり、
前記制限手段は、前記制限対象となっていない処理の実行が阻止されていない状況であって前記取得情報記憶手段に前記特別情報が記憶されていない状況において前記情報取得手段により前記特別情報が取得された場合、前記制限対象となっている処理の実行を制限するものであることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
制限対象となっていない処理の実行が阻止されていない状況であって取得情報記憶手段に特別情報が記憶されていない状況において特別情報が新たに取得された場合には、付与判定の処理及び先特定の処理が進行用処理の1処理回の範囲内で実行される可能性が高まる。これに対して、特徴A8によれば、制限対象となっていない処理の実行が阻止されていない状況であって取得情報記憶手段に特別情報が記憶されていない状況において特別情報が新たに取得された場合には、制限対象となっている処理の実行が制限されるため、かかる状況において進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。
特徴A9.予め定められた制限条件が成立した場合に制限情報(制限フラグ)を制限情報記憶手段(各種フラグ格納エリア234)に記憶させるとともに、予め定められた制限解除条件が成立した場合に前記制限情報記憶手段から前記制限情報を消去させる制限情報更新手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS511及びステップS1302の処理を実行する機能)を備え、
前記制限手段は、前記制限情報記憶手段に前記制限情報が記憶されている場合に、前記制限対象となっている処理の実行を制限するものであることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、制限情報の有無によって、制限対象となっている処理の実行を制限するか否かが決定される。よって、制限を行うための処理構成の簡素化が図られる。
特徴A10.前記制限情報更新手段は、前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させる場合、前記制限対象となっていない処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも前の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、制限対象となっていない処理の実行に対応した範囲の進行用処理の処理回よりも前の処理回の範囲内において制限対象となっている処理の実行の制限が開始される。これにより、進行用処理の1処理回の範囲内で制限対象となっていない処理よりも先に制限対象となっている処理が行われる又は行われ得る構成であっても、制限対象となっていない処理が行われる場合における進行用処理の処理回の範囲内では制限対象となっている処理の実行を制限することができる。
なお、「前記制限対象となっていない処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも1回分前の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させる」構成とすることで、制限対象となっている処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴A11.前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記制限対象となっていない処理よりも先に前記制限対象となっている処理が行われない構成であり、
前記制限情報更新手段は、前記制限対象となっていない処理が実行された場合に前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A11によれば、進行用処理の1処理回の範囲内で制限対象となっていない処理よりも先に制限対象となっている処理が行われない構成において、制限対象となっていない処理が実行された場合に制限情報が記憶されることで、その後の制限対象となっている処理の実行を制限することが可能となる。特に、本構成によれば、制限対象となっていない処理が実行されるよりも前に制限情報が記憶される構成に比べ、制限対象となっている処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴A12.前記制限情報更新手段は、前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去する場合、前記制限対象となっていない処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも後の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去させるものであることを特徴とする特徴A9乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、制限対象となっていない処理の実行に対応した範囲の進行用処理の処理回よりも後の処理回の範囲内において制限対象となっている処理の実行の制限が解除される。これにより、進行用処理の1処理回の範囲内で制限対象となっていない処理よりも後に制限対象となっている処理が行われる又は行われ得る構成であっても、制限対象となっていない処理が行われる場合における進行用処理の処理回の範囲内では制限対象となっている処理の実行を制限することができる。
なお、「前記制限対象となっていない処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも1回分後の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去させる」構成とすることで、制限対象となっている処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴A13.前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記制限対象となっていない処理よりも後に前記制限対象となっている処理が行われない構成であり、
前記制限情報更新手段は、前記制限対象となっていない処理が実行された場合に前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去させるものであることを特徴とする特徴A9乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A13によれば、進行用処理の1処理回の範囲内で制限対象となっていない処理よりも後に制限対象となっている処理が行われない構成において、制限対象となっていない処理が実行された場合に制限情報が消去されることで、その後の制限対象となっている処理の実行が制限されなくなる。特に、本構成によれば、制限対象となっていない処理が実行されたとしても制限情報が消去されない構成に比べ、制限対象となっている処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴A14.前記進行制御手段は、予め定められた所定の周期で前記進行用処理に割り込んで起動され、複数種の処理を含む定期処理を実行する定期処理実行手段(主制御装置81のMPU202におけるタイマ割込み処理を実行する機能)を備えており、
前記進行用処理及び前記定期処理のうちの一方に前記制限対象となっていない処理が含まれているとともに、他方に前記制限対象となっている処理が含まれていることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、進行用処理及び定期処理のうちの一方に制限対象となっていない処理が含まれているとともに、他方に制限対象となっている処理が含まれている構成において、上記特徴A1、A2又はA3等の優れた効果を奏することができる。
なお、上記特徴A9のように制限情報を参照して制限を実行するようにした場合、進行用処理と定期処理との両方を具備する構成であったとしても、制限対象となっている処理の実行を無理なく制限することが可能となる。
特徴A15.前記制限対象となっていない処理及び前記制限対象となっている処理の両方は、前記進行用処理として設定された複数種の処理における一部の処理として含まれていることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A15によれば、制限対象となっていない処理及び制限対象となっている処理の両方が、進行用処理として設定された複数種の処理における一部の処理として含まれている構成において、上記特徴A1、A2又はA3等の優れた効果を奏することができる。
なお、進行用処理が定期的に起動される構成においては、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長時間化する状況が生じるとすると、複数の進行用処理が重複して起動されてしまうことを防止すべく、進行用処理が起動される周期を長くせざるをえなくなる。そうすると、遊技を進行させる上での処理速度が遅くなってしまい好ましくない。これに対して、上記特徴A1、A2又はA3等の構成を備え、制限対象となっている処理の実行が制限され得ることで、上記不都合の発生が抑えられる。
特徴A16.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1始動入球部(上作動口33)及び第2始動入球部(下作動口34)と、を備え、
前記進行用処理の1回の処理回が行われる範囲内において、前記情報取得手段による前記特別情報を取得する処理が実行されるとともに、前記先特定手段による前記特定の処理が実行される構成であり、
さらに、前記情報取得手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するものであり、
前記先特定手段は、前記第1始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得及び前記第2始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得の両方が、前記進行用処理の1回の処理回において行われている場合には、前記進行用処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して前記特定の処理を行うものであることを特徴とする特徴A1乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A16の遊技機では、始動入球部として少なくとも第1始動入球部及び第2始動入球部が設けられていることにより、特別情報が取得される機会が高められる。また、第1始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得及び第2始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得が、進行用処理の1回の処理回において行われる場合には、進行用処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して先特定手段による特定の処理が行われることにより、特別報知を行うための処理を早いタイミングで実行することができる。
但し、進行用処理の1処理回の範囲内において、第1始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての先特定の処理と、第2始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての先特定の処理と、付与判定の処理等の特別処理とが実行されるとすると、当該処理回の進行用処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが懸念される。これに対して、上記特徴A1、A2又はA3等の構成を備え、制限対象となっていない処理が実行される進行用処理の処理回では制限対象となっている処理の実行が制限されるため、上記不都合の発生が抑えられる。
特徴B1.進行用処理(第1乃至第3の実施の形態では通常処理、第4乃至第6の実施の形態ではタイマ割込み処理)を繰り返し実行することに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81のMPU202)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1104〜ステップS1113の処理を実行する機能等)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記先特定手段による前記特定の処理とは異なる特別処理が行われる場合には、当該処理回における前記先特定手段による前記特定の処理の実行を制限する制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1101〜ステップS1103の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、進行用処理の1処理回の範囲内で予め定められた特別処理が行われる場合には、当該処理回における先特定手段による特定の処理の実行が制限されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。つまり、本構成によれば、進行用処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
なお、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、を備えている構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
また、「当該処理回における前記先特定手段による特定の処理の実行を制限する」には、先特定手段による特定の処理が実行されないように制限する構成だけでなく、先特定手段による特定の処理において非制限時に実行される各種処理のうち一部の処理が実行されないように制限する構成も含まれる。
特徴B2.進行用処理(第1乃至第3の実施の形態では通常処理、第4乃至第6の実施の形態ではタイマ割込み処理)を繰り返し実行することに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81のMPU202)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1104〜ステップS1113の処理を実行する機能等)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記付与判定手段による付与判定の処理が行われる場合には、当該処理回における前記先特定手段による前記特定の処理の実行を制限する制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1101〜ステップS1103の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、進行用処理の1処理回の範囲内で付与判定手段による付与判定の処理が行われる場合には、当該処理回における先特定手段による特定の処理の実行が制限されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。つまり、本構成によれば、進行用処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
特に、付与判定は、遊技者の利益に直結するものであるため、進行用処理の1処理回の実行が完了するまでの処理時間に関係なく、付与判定用に設定された付与情報の全てを参照する必要があるのに対して、先特定は、特別報知という演出を行うための処理であるため、その実行が制限されたとしても遊技者の利益に影響を及ぼさない。
なお、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、を備えている構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
また、「当該処理回における前記先特定手段による特定の処理の実行を制限する」には、先特定手段による特定の処理が実行されないように制限する構成だけでなく、先特定手段による特定の処理において非制限時に実行される各種処理のうち一部の処理が実行されないように制限する構成も含まれる。
特徴B3.進行用処理(第1乃至第3の実施の形態では通常処理、第4乃至第6の実施の形態ではタイマ割込み処理)を繰り返し実行することに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81のMPU202)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報として、予め定められた範囲の数値情報から所定の数値情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記予め定められた範囲の数値情報のいずれかに対応した付与情報を予め記憶する付与情報記憶手段(当否テーブル記憶エリア221)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、前記付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記付与情報記憶手段には、少なくとも特定状況において前記付与判定手段により参照される付与情報が複数種類記憶されており、
前記付与判定手段は、少なくとも前記特定状況において前記付与判定を行う場合、前記複数種類の付与情報の全てを参照し、判定対象となった特別情報が、いずれかの付与情報と対応している場合に付与判定の結果が前記付与対応結果であるとするものであり、
さらに、前記特定状況において前記複数種類の付与情報を参照することで、前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を特定するとともに、当該特定を前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて行う先特定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1104〜ステップS1113の処理を実行する機能等)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記付与判定手段による付与判定の処理が行われる場合には、当該処理回における前記先特定手段による前記特定の処理の実行を制限する制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1101〜ステップS1103の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B3によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、進行用処理の1処理回の範囲内で付与判定手段による付与判定の処理が行われる場合には、当該処理回における先特定手段による特定の処理の実行が制限されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。つまり、本構成によれば、進行用処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
特に、付与判定は、遊技者の利益に直結するものであるため、進行用処理の1処理回の実行が完了するまでの処理時間に関係なく、付与判定用に設定された付与情報の全てを参照する必要があるのに対して、先特定は、特別報知という演出を行うための処理であるため、その実行が制限されたとしても遊技者の利益に影響を及ぼさない。
なお、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、を備えている構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
また、「当該処理回における前記先特定手段による特定の処理の実行を制限する」には、先特定手段による特定の処理が実行されないように制限する構成だけでなく、先特定手段による特定の処理において非制限時に実行される各種処理のうち一部の処理が実行されないように制限する構成も含まれる。
特徴B4.前記制限手段は、前記付与判定手段による付与判定の処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、前記先特定手段による前記特定の処理が当該1処理回の範囲内で実行されないようにするものであることを特徴とする特徴B2又はB3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、付与判定手段による付与判定の処理が実行される範囲の進行用処理の処理回では、先特定手段による特定の処理が実行されないため、当該特定の処理の一部が実行される構成に比べ、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が長時間化してしまうことを抑える効果が高められる。
特徴B5.前記先特定手段による特定の処理が前記進行用処理における所定の処理回の範囲内で実行されないように制限された場合に、その制限対象となった特別情報について前記所定の処理回に対して次回以降の処理回の範囲内で前記先特定手段による前記特定の処理が実行されるようにする制限後実行手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1410〜ステップS1413の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、先特定手段による特定の処理が実行されないように制限されたとしても、その制限対象となった特別情報についてその後に先特定手段による特定の処理が実行されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことを抑えながら、先特定手段による特定の処理が実行される機会が極端に低減されてしまうことを抑えることができる。
特徴B6.前記制限手段により前記先特定手段による特定の処理の実行が制限された場合に、その制限対象となった特別情報が前記付与情報に対応しているか否かに関係なく当該制限対象となった特別情報が前記付与情報に対応していないとする特定結果を導出する制限用導出手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1503にて否定判定をした後にステップS1514の処理を実行する機能)を備えており、
前記先特定手段は、前記制限対象となった特別情報が前記制限後実行手段により特定対象とされた場合であって当該制限対象となった特別情報が前記付与情報に対応している場合には、当該特別情報が前記付与情報に対応しているとする修正結果(修正用コマンド)を導出するものであることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、先特定手段による特定の処理の実行が制限されたとしても特定結果が導出されるため、その後の特別報知に係る処理などを円滑に行うことができる。そして、当該特定結果の導出に際しては特別情報が付与情報に対応しているか否かの判定を要さないため、処理時間の長時間化を招くこともない。
さらにまた、制限対象となった特別情報が制限後実行手段により特定対象とされた場合であって制限対象となった特別情報が付与情報に対応している場合には、当該特別情報が付与情報に対応しているとする修正結果が導出されることがある。したがって、一旦は特別報知の実行が制限されたとしても、その後に特別報知を実行することが可能となり、特別報知が実行される機会が高められる。
特徴B7.前記制限後実行手段は、前記先特定手段による特定の処理の実行が制限された後であって当該制限対象となった特別情報について前記先特定手段による特定の処理が実行される前のタイミングで前記取得条件が成立した場合、当該制限対象となっている特別情報について前記先特定手段による前記特定の処理が実行されないようにするものであることを特徴とする特徴B5又はB6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、制限対象となっている特別情報が存在している場合であっても、新たに特別情報が取得された場合には、当該制限対象となっている特別情報について先特定手段による特定の処理が実行されないため、先特定手段による特定対象の決定に係る処理が煩雑なものとなってしまうことを抑えながら、上記特徴B5等の効果を奏することができる。
特徴B8.前記先特定手段による特定の処理として、非制限用処理(ステップS1804の処理)と、当該非制限用処理のうち一部の処理が省略された制限用処理(ステップS1805〜ステップS1813の処理)とが設定されており、
前記制限手段は、前記付与判定手段による付与判定の処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、前記非制限用処理及び前記制限用処理のうち前記制限用処理が実行されるようにするものであることを特徴とする特徴B2又はB3に記載の遊技機。
特徴B8によれば、先特定手段による特定の処理の実行が制限される場合であっても、当該特定の処理は通常時の非制限用処理に対して一部の処理が省略された状態で実行される。よって、特別報知の実行をある程度担保しながら、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。
特徴B9.前記先特定手段による特定の処理として、少なくとも前記特定状況において前記複数種類の付与情報を全て参照して前記特定を行う非制限用処理(ステップS1804の処理)と、少なくとも前記特定状況において前記複数種類の付与情報のうち一部を参照して前記特定を行う制限用処理(ステップS1805〜ステップS1813の処理)とが設定されており、
前記制限手段は、前記付与判定手段による付与判定の処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、前記非制限用処理及び前記制限用処理のうち前記制限用処理が実行されるようにするものであることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B9によれば、先特定手段による特定の処理の実行が制限される場合であっても、複数種類の付与情報のうち一部を参照して特定の処理が実行される。よって、特別報知の実行をある程度担保しながら、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。
さらにまた、複数種類の付与情報のうち一部の付与情報を参照して先特定手段による特定の処理が実行されることで、付与判定の結果が付与対応結果となる特別情報であっても、かかる付与対応結果となる旨の情報を反映した特別報知は必ず行われるのではなく、所定の確率で行われることとなる。これにより、上記付与対応結果となる旨の情報を反映した特別報知が、自ずと不規則なものとなり、特別報知の態様の多様化が図られる。
特徴B10.前記付与判定手段は、付与判定モードとして、前記付与対応結果となる付与情報の数が相対的に多い及び少ないとなるように設定されていることで前記付与対応結果となる確率が相対的に高低となった高確率モードと低確率モードとが設定されており、
前記制限手段は、前記付与判定モードが前記高確率モードである場合に前記制限を行うものであることを特徴とする特徴B2乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
高確率モードにおいては、付与判定の処理及び先特定の処理のいずれにおいても低確率モードの場合よりも処理時間が長時間化することとなる。この場合に、特徴B10によれば、高確率モードにおいて先特定手段による特定の処理の実行が制限されることがあるため、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。その一方、低確率モードにおいては上記制限を行わないようにすることで、先特定手段による特定の処理の実行を低確率モードにおいては担保することが可能となる。
特徴B11.前記制限手段は、前記付与判定手段による付与判定の処理の実行が阻止されてない状況であって前記取得情報記憶手段に前記特別情報が記憶されていない状況において前記情報取得手段により前記特別情報が取得された場合、当該取得された特別情報についての前記先特定手段による特定の処理の実行を制限するものであることを特徴とする特徴B2乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
付与判定の処理の実行が阻止されていない状況であって取得情報記憶手段に特別情報が記憶されていない状況において特別情報が新たに取得された場合には、付与判定の処理及び先特定の処理が進行用処理の1処理回の範囲内で実行される可能性が高まる。これに対して、特徴B11によれば、付与判定の処理の実行が阻止されていない状況であって取得情報記憶手段に特別情報が記憶されていない状況において特別情報が新たに取得された場合には、先特定手段による特定の処理の実行が制限されるため、かかる状況において進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。
特徴B12.予め定められた制限条件が成立した場合に制限情報(制限フラグ)を制限情報記憶手段(各種フラグ格納エリア234)に記憶させるとともに、予め定められた制限解除条件が成立した場合に前記制限情報記憶手段から前記制限情報を消去させる制限情報更新手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS511及びステップS1302の処理を実行する機能)を備え、
前記制限手段は、前記制限情報記憶手段に前記制限情報が記憶されている場合に、前記先特定手段による前記特定の処理の実行を制限するものであることを特徴とする特徴B2乃至B11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B12によれば、制限情報の有無によって、先特定手段による特定の処理の実行を制限するか否かが決定される。よって、制限を行うための処理構成の簡素化が図られる。
特徴B13.前記制限情報更新手段は、前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させる場合、前記付与判定手段による付与判定の処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも前の処理回において前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする特徴B12に記載の遊技機。
特徴B13によれば、付与判定の処理の実行に対応した範囲の進行用処理の処理回よりも前の処理回の範囲内において先特定に係る処理の実行の制限が開始される。これにより、進行用処理の1処理回の範囲内で付与判定の処理よりも先に先特定の処理が行われる又は行われ得る構成であっても、付与判定の処理が行われる場合における進行用処理の処理回の範囲内では先特定の処理の実行を制限することができる。
なお、「前記付与判定手段による付与判定の処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも1回分前の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させる」構成とすることで、先特定の処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴B14.前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように前記報知手段又はそれとは異なる報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81のMPU202における遊技回制御処理を実行する機能、表示制御装置212のMPU252)を備え、
前記付与判定手段による前記付与判定は前記遊技回用動作が行われている状況では実行されないように設定されており、
前記遊技回制御手段が前記進行用処理の1処理回の範囲内で遊技回を終了させる処理を実行した場合、前記付与判定手段は当該1処理回よりも後の処理回の範囲内において前記付与判定の処理を実行するものであり、
前記制限情報更新手段は、前記遊技回制御手段により前記遊技回を終了させる処理が実行された場合に前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする特徴B13に記載の遊技機。
特徴B14によれば、遊技回制御手段が進行用処理の1処理回の範囲内で遊技回を終了させる処理を実行した場合、付与判定手段が当該1処理回よりも後の処理回の範囲内において付与判定の処理を実行する構成において、付与判定の処理の実行に対応した範囲の進行用処理の処理回よりも前の処理回の範囲内において先特定に係る処理の実行の制限を開始することができる。
特徴B15.前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように前記報知手段又はそれとは異なる報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81のMPU202における遊技回制御処理を実行する機能、表示制御装置212のMPU252)を備え、
前記付与判定手段による前記付与判定は前記遊技回用動作が行われている状況では実行されないように設定されており、
前記遊技回制御手段が前記進行用処理の1処理回の範囲内で遊技回を終了させる処理を実行した場合、前記付与判定手段は当該1処理回の範囲内で前記付与判定の処理を実行し得るものであり、
前記制限情報更新手段は、前記遊技回制御手段により前記遊技回を終了させる処理が実行される範囲の前記進行用処理の処理回よりも前の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする特徴B13に記載の遊技機。
特徴B15では、遊技回制御手段が進行用処理の1処理回の範囲内で遊技回を終了させる処理を実行した場合、付与判定手段は当該1処理回の範囲内で付与判定の処理を実行し得る構成であるため、1遊技回が終了されてから次の遊技回が開始されるまでの時間を短くすることが可能となる。
また、このように遊技回制御手段が進行用処理の1処理回の範囲内で遊技回を終了させる処理を実行した場合、付与判定手段は当該1処理回の範囲内で付与判定の処理を実行し得る構成であっても、遊技回制御手段により遊技回を終了させる処理が実行される範囲の進行用処理の処理回よりも前の処理回の範囲内において制限情報が記憶される。よって、付与判定の処理の実行に対応した範囲の進行用処理の処理回よりも前の処理回の範囲内において先特定に係る処理の実行の制限を開始することができる。
なお、本構成においては、遊技回の終了タイミングを計測する計測手段を備えた構成においては、当該計測手段により計測されている情報が終了タイミングよりも前のタイミングとして設定された制限開始タイミングに対応した情報となったことに基づいて前記制限情報更新手段が前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させる構成としてもよい。この場合、遊技回の終了タイミングを計測する構成を利用して、制限情報を記憶させるタイミングを特定することができる。
特徴B16.前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記付与判定手段による付与判定の処理よりも先に前記先特定手段による特定の処理が行われない構成であり、
前記制限情報更新手段は、前記付与判定手段による付与判定の処理が実行された場合に前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする特徴B12に記載の遊技機。
特徴B16によれば、進行用処理の1処理回の範囲内で付与判定の処理よりも先に先特定の処理が行われない構成において、付与判定の処理が実行された場合に制限情報が記憶されることで、その後の先特定に係る処理の実行を制限することが可能となる。特に、本構成によれば、付与判定の処理が実行されるよりも前に制限情報が記憶される構成に比べ、先特定に係る処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴B17.前記制限情報更新手段は、前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去する場合、前記付与判定手段による付与判定の処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも後の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去させるものであることを特徴とする特徴B12乃至B16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B17によれば、付与判定の処理の実行に対応した範囲の進行用処理の処理回よりも後の処理回の範囲内において先特定に係る処理の実行の制限が解除される。これにより、進行用処理の1処理回の範囲内で付与判定の処理よりも後に先特定の処理が行われる又は行われ得る構成であっても、付与判定の処理が行われる場合における進行用処理の処理回の範囲内では先特定に係る処理の実行を制限することができる。
なお、「前記付与判定手段による付与判定の処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも1回分後の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去させる」構成とすることで、先特定に係る処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴B18.前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記付与判定手段による付与判定の処理よりも後に前記先特定手段による特定の処理が行われない構成であり、
前記制限情報更新手段は、前記付与判定手段による付与判定の処理が実行された場合に前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去させるものであることを特徴とする特徴B12乃至B16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B18によれば、進行用処理の1処理回の範囲内で付与判定の処理よりも後に先特定の処理が行われない構成において、付与判定の処理が実行された場合に制限情報が消去されることで、その後の先特定に係る処理の実行が制限されなくなる。特に、本構成によれば、付与判定の処理が実行されたとしても制限情報が消去されない構成に比べ、先特定に係る処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴B19.前記進行制御手段は、予め定められた所定の周期で前記進行用処理に割り込んで起動され、複数種の処理を含む定期処理を実行する定期処理実行手段(主制御装置81のMPU202におけるタイマ割込み処理を実行する機能)を備えており、
前記進行用処理及び前記定期処理のうちの一方に前記付与判定手段による付与判定の処理が含まれているとともに、他方に前記先特定手段による特定の処理が含まれていることを特徴とする特徴B2乃至B18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B19によれば、進行用処理及び定期処理のうちの一方に付与判定の処理が含まれているとともに、他方に先特定の処理が含まれている構成において、上記特徴B2又はB3等の優れた効果を奏することができる。
なお、先特定の処理が定期処理に含まれているとともに当該定期処理の周期が進行用処理の繰り返し周期に比べ短い場合には、進行用処理において付与判定の処理が実行されることとなる処理回の範囲内で、先特定の処理が複数回行われることが想定される。そうすると、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなることが想定されるが、上記特徴B2又はB3等の構成を備えていることにより、かかる不都合の発生を抑えることができる。
また、上記特徴B12のように制限情報を参照して制限を実行するようにした場合、進行用処理と定期処理との両方を具備する構成であったとしても、先特定に係る処理の実行を無理なく制限することが可能となる。
特徴B20.前記付与判定手段による付与判定の処理及び前記先特定手段による特定の処理の両方が、前記進行用処理として設定された複数種の処理における一部の処理として含まれていることを特徴とする特徴B2乃至B18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B20によれば、付与判定の処理及び先特定の処理の両方が、進行用処理として設定された複数種の処理における一部の処理として含まれている構成において、上記特徴B2又はB3等の優れた効果を奏することができる。
なお、進行用処理が定期的に起動される構成においては、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長時間化する状況が生じるとすると、複数の進行用処理が重複して起動されてしまうことを防止すべく、進行用処理が起動される周期を長くせざるをえなくなる。そうすると、遊技を進行させる上での処理速度が遅くなってしまい好ましくない。これに対して、上記特徴B2又はB3等の構成を備え、先特定に係る処理の実行が制限され得ることで、上記不都合の発生が抑えられる。
特徴B21.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1始動入球部(上作動口33)及び第2始動入球部(下作動口34)と、を備え、
前記進行用処理の1回の処理回が行われる範囲内において、前記情報取得手段による前記特別情報を取得する処理が実行されるとともに、前記先特定手段による前記特定の処理が実行される構成であり、
さらに、前記情報取得手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するものであり、
前記先特定手段は、前記第1始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得及び前記第2始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得の両方が、前記進行用処理の1回の処理回において行われている場合には、前記進行用処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して前記特定の処理を行うものであることを特徴とする特徴B2乃至B20のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B21によれば、始動入球部として少なくとも第1始動入球部及び第2始動入球部が設けられていることにより、特別情報が取得される機会が高められる。また、第1始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得及び第2始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得が、進行用処理の1回の処理回において行われる場合には、進行用処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して先特定手段による特定の処理が行われることにより、特別報知を行うための処理を早いタイミングで実行することができる。
但し、進行用処理の1処理回の範囲内において、第1始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての先特定の処理と、第2始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての先特定の処理と、付与判定の処理とが実行されるとすると、当該処理回の進行用処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが懸念される。これに対して、上記特徴B2又はB3等の構成を備え、付与判定の処理が実行される進行用処理の処理回では先特定に係る処理の実行が制限されるため、上記不都合の発生が抑えられる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
なお、以上の各特徴は、以下の課題を解決可能である。
例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動入球部に遊技球が入球したことを契機として、大当たり遊技状態等の所定遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止結果が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。また、抽選結果がいわゆる大当たり遊技状態への移行当選である場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後などにおいて、例えば遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
また、絵柄の変動表示が行われている最中に遊技球が始動入球部に入球した場合、当たり抽選に用いる情報が予め定められた所定数(例えば4個)を上限として保留記憶されるようになっているパチンコ遊技機がある。保留記憶された場合には、絵柄の変動表示が終了した後に、前記保留記憶された情報を用いて当たり抽選が行われ、次回の絵柄の変動表示が開始される。
上記構成の遊技機における遊技は、始動入球部への入球が発生するように遊技球を発射させるという遊技と、始動入球部への入球が発生した場合にその抽選結果が当たりか否かを確認するという遊技とからなると言える。そして、前者の遊技に関しては、保留記憶の上限に至るまでは始動入球部への入球が発生するか否かに遊技者は注目するとともに、後者の遊技に関しては、絵柄の変動表示の態様が、大当たり遊技状態への移行当選に対応した停止結果となり易いものであるか否かに遊技者は注目する。
ここで、遊技機においては、遊技の多様化を図ることで、遊技への注目度を高める必要がある。かかる遊技の多様化を図る上では、上記のように遊技球を発射させるという遊技においては遊技領域における遊技球の流下態様を多様化させる方法が考えられ、上記のように各遊技回の抽選結果が当たりか否かを確認するという遊技においては各遊技回で行われる表示演出の表示パターンを多様化する方法が考えられる。
しかしながら、前者については遊技領域の広さは限られているため遊技の多様化を図ろうとしても限界があり、後者については各遊技回における表示パターンを多様化したとしても、遊技への注目度を高めるという点においてやはり限界がある。かかる問題を解決する上では、遊技球の転動態様や各遊技回の表示パターンとは異なる要素に着目し、遊技の多様化を図る必要がある。
但し、遊技機においては制御装置における処理負荷が増大化する傾向にある。そうすると、上記異なる要素に着目して遊技の多様化を図る上で、制御装置において処理が良好に行えなくなることは好ましくなく、これを考慮しつつ、上記異なる要素に着目して遊技の多様化を図る必要がある。