JP5688505B2 - コンクリート舗装構造 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート舗装構造に関し、特に融雪効果の高いコンクリート舗装版に関する。
降雪地域において、道路等に電熱線等の融雪装置を埋設して路面上の雪を融かし、路面の凍結を防止するようにしている(例えば特許文献1)。
舗装の主流であるアスファルト舗装では、アスファルトフィニッシャーによりアスファルトを敷き均し、更に、電熱線をアスファルト層の所定位置に埋設し、その後、ロードローラにより転圧する。施工現場で電熱線を埋設する際の作業性を考慮すると、構造が単純なため、電熱線を直列配線とすることが好ましい。
ところで、トンネル出口個所、トンネル入口個所、道路傾斜個所、料金所個所、及び交差点個所などの舗装に、耐久性や急速施工等の観点からコンクリート舗装版が用いられることもある。コンクリート舗装版を平面状に複数枚に敷き並べ、隣り合うコンクリート舗装版同士を連結することにより、剛性の高い舗装構造が形成される。融雪機能を持たせる場合は、コンクリート舗装版内に電熱線を埋設する。なお、歩道においてもコンクリート舗装版が用いられることもある。
このとき、アスファルト舗装と同様に、電熱線を直列配線とすることが一般的である。具体的には、コンクリート舗装版端部に結線部を設け、コンクリート舗装版同士を連結する際に、結線部同士を電気的に直列に接続する。
特開平11−152708号公報
従来技術のような直列配線では以下の様な課題があった。
コンクリート舗装版は着脱可能であり、断線したコンクリート舗装版のみを交換すればよいため、全面補修となるアスファルト舗装に比べれば、補修時の作業性はよい。それでも、断線時の対策について、改善の余地がある。
すなわち、電熱線が一部断線した場合、その影響が全体に及ぶ。その結果、舗装構造の融雪機能は全て失われる。また、どのコンクリート舗装版の電熱線が断線したか不明である。すべてのコンクリート舗装版の電熱線において、断線の有無を確認しなければならない。
また、例えばトンネルの出入口では積雪量は均一でない。トンネルから離れるに従って積雪量は増える。また、当日の風向きや地形などによっても、積雪量の多い箇所は変化する。直列配線では、積雪量が多い箇所も少ない箇所も均一に加熱する。無用な加熱は無駄な消費電力となり、維持管理費用が嵩む。
本発明は上記課題を解決するものであり、断線時の影響を低減し、かつ、最大電力及び消費電力量を低減できるコンクリート舗装構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、コンクリート中に電熱線が埋設された床版を平面状に複数枚敷き並べてなる舗装構造であって、前記電熱線が電気的に並列に接続されてなる。
電熱線の並列配置により、電熱線の一つが断線した場合でも、他の電熱線は融雪を継続でき、また断線を容易に検出でき、断線時の影響を低減できる。
電熱線の並列配置により、各床版をそれぞれ加熱することにより、積雪量に応じた加熱制御ができる。これにより最大電力及び消費電力量を低減できる。
上記発明において好ましくは、前記舗装構造は、電源装置と、前記電源装置から前記各床板の電熱線への電力供給のON/OFFを制御する制御装置とを更に備える。
電力供給OFFとすることにより、無用の加熱を避け、最大電力及び消費電力量を低減できる。
更に好ましくは、前記床版は、水分センサと温度センサとに接続され、前記制御装置は、前記水分センサの情報に基づいて、第1温度制御と第2温度制御とのいずれかの制御を選択し、前記第1温度制御を選択する場合、前記温度センサの温度が、第1目標基準温度を含む第1目標温度範囲になるように、電力供給を制御し、前記第2温度制御を選択する場合、前記温度センサの温度が、第2目標基準温度を含む第2目標温度範囲になるように、電力供給を制御し、前記第1目標基準温度は前記第2目標基準温度より高く設定されている。
積雪時には融雪効果を期待する第1温度制御を選択し、融雪完了により凍結防止効果を期待する第2温度制御を選択する。第2温度制御は第1温度制御に比較して消費電力量を低減できる。これにより、無用の加熱を避け、消費電力量を低減できる。
上記発明において好ましくは、前記床版は、前記電熱線を挟んで、熱伝導率の高い上層部と熱伝導率の低い下層部とからなる。
更に好ましくは、前記上層部の粗骨材には、珪石が含まれ、前記下層部の粗骨材には、高炉スラグまたは製鋼スラグが含まれる。
この様な構成の床板は、加熱による昇温が速く、自然降温がゆっくりである。言い換えると、温まりやすく冷めにくいという性質を持つ。これにより、電力供給ONにより急昇温し、電力供給OFFとしても、融雪効果または凍結防止効果を維持できる。すなわち、ON/OFF制御をおこなうことができる。
更に好ましくは、前記第1目標温度範囲は、2.0〜2.5℃であり、前記第2目標温度範囲は、0.5〜1.0℃である。
温まりやすく冷めにくいという性質の床板により、第1目標基準温度の下限値2.0℃でも融雪効果が得られ、第2目標基準温度の下限値0.5℃でも凍結防止効果が得られる。目標基準温度を低く設定できることで、消費電力量を低減できる。
上記発明において好ましくは、降雪地域におけるトンネル出口個所、トンネル入口個所、道路傾斜個所、料金所個所、及び交差点個所のいずれかの個所の舗装に用いられる。
本発明によれば、断線時の影響を低減できる。さらに、最大電力及び消費電力量を低減できる。
コンクリート舗装版の一部破断斜視図 コンクリート舗装版の断面図 電熱線配線図 加熱システム概念図 温度制御選択機能処理フロー 電源供給ON/OFF機能処理フロー フィジビリティスタディの温度履歴 消費電力量概念図 全体動作説明図 補修手順
〜コンクリート舗装版構成〜
図1は本実施形態に係るコンクリート舗装版の一部破断斜視図である。図2は断面図である。コンクリート舗装版4は、路盤(地面)2上に、厚さが約30ミリの断熱系グラウト材3を介して配置され、道路の一部として機能する。
断熱系グラウト材3は、コンクリート舗装版4に埋設されている電熱線9による熱が路盤2側に逃げるのを遮断する断熱材の役目をなすもので、断熱系グラウト材3に代えて発泡ウレタン系の断熱材を使用する場合等もある。
コンクリート舗装版4は、横幅が約1750ミリ、縦幅が5000ミリ、厚さ180ミリを基準とした様々な形状の平板である。自動車等の通行を可能にする一般道路に適用できるように、20〜50N(ニュートン)/cm2の強度を有する。コンクリート舗装版4を平面状に複数枚敷き並べ、隣り合うコンクリート舗装版4間は継手装置で連結されている。継手装置としては、例えば図示したようなコッター式継手装置6を使用する。
コッター式継手装置6は、対向するコンクリート舗装版4にそれぞれインサートされる受け金具であるC型継手金具6aと、対峙した受け金具の相互に亘って着脱可能な差し込み金具であるH型金具6bとから構成される。対向するコンクリート舗装版4はコッター式継手装置6により機械的にかつ強固に連結されて、連続した一枚の基盤として形成されている。
コンクリート舗装版4は、現場または工場において、成形型内に、鉄筋7を配置するとともに、所定量の生コンを流し込んで約120ミリの下層部8aを形成し、さらに下層部8上にヒータとしての電熱線9を敷設した後、電熱線9の上から所定量の生コンを流し込み、約60ミリの上層部8bを形成することにより、電熱線9をコンクリート内に埋設して一体化するものである。一体化により、電熱線9の敷設時における耐熱性や耐圧性が不要となり、加えて耐久性も向上してコスト削減に寄与する。
図3は、コンクリート舗装版4における電熱線9の配線図である。電熱線9は平面方向に蛇行状に敷設される。
また、コンクリート舗装版4の前後左右の各端面10aには、電熱線9を電気接続するための結線部(コネクタ)9aが露出している。一方、コンクリート舗装版4の上面10bにおける前後左右の各端部には、コッター式継手装置6のC型継手金具6aが対向する様に設けられている。
コンクリート舗装版4は、熱伝導率の低い下層部8aと熱伝導率の高い上層部8bとから構成される。たとえば、上層部8bの粗骨材には5〜20mm程度のけい石砕石を用い、細骨材には5mm未満のけい石砕砂を用いる。下層部8aの粗骨材には5〜20mm程度の製鋼スラグを用い、細骨材には5mm未満の製鋼スラグ(水砕)を用いる。
なお、この構成により、下層部8aの熱伝導率は1.1〜1.2kcal/mh℃となり、上層部8bの熱伝導率は3.2kcal/mh℃となる。これにより、電熱線9による熱を路面に効率よく供給することができる。また、熱が路盤2側に逃げるのを抑制できる。すなわち、コンクリート舗装版4は加熱による昇温が速く、自然降温がゆっくりである。言い換えると、温まりやすく冷めにくいという性質を持つ。
〜制御システム構成〜
図4は本実施形態に係る加熱システムの概念図である。
複数(図示では6枚)のコンクリート舗装版4を平面状に敷き並べて、隣り合うコンクリート舗装版4間を連結し、舗装構造を形成する。ただし、図示では、説明の便宜上、連結していない。
加熱システムは、複数のコンクリート舗装版4と、水分センサ41と、温度センサ42と、電源装置45と、制御装置50とを備えている。
水分センサ41と温度センサ42はコンクリート舗装版4の表面に設けられている。水分センサ41と温度センサ42は送信機能を有し、有線または無線を介して、情報を制御装置50に送信する。
なお、水分センサ41は、コンクリート舗装版4の外部に設けられる場合もある。これにより、融雪剤の主成分である塩化カルシウムを水分と誤認して作動することを防止できる。
電源装置45は各コンクリート舗装版4(No.1〜6)それぞれに電力を供給する。すなわち、電熱線9が電気的に並列に接続される。
なお、コンクリート舗装版4同士を連結する際に、電熱線9を電気的に直列に接続する場合は、連結した舗装版を一つのコンクリート舗装版4とみなす。すなわち、直列配線された電熱線をさらに並列配線する。
制御装置50は、電源装置45から各電熱線9(No.1〜6)への電力供給のON/OFFを制御する。制御装置50は、水分センサ情報取得機能51と温度センサ情報取得機能52と、温度制御選択機能53と、電源供給ON/OFF機能54とを有する。機能ブロックを図4に追記する。
水分センサ情報取得機能51は、水分センサ41からの情報(水分の有無)を受信する。温度センサ情報取得機能52は、温度センサ42からの情報(温度)を受信する。
温度制御選択機能53は、水分センサ41の情報に基づいて、第1温度制御と第2温度制御とのいずれかの制御を選択する。
図5は、温度制御選択機能53の処理フローである。水分センサ情報取得機能51を介して水分情報を取得し(ステップS11)、水分の有無を判断する(ステップS12)。
ステップS12において、水分有と判断する場合、第1目標温度範囲を設定し(ステップS13)、第1温度制御を行う(ステップS14)。ここで、第1目標温度範囲は、第1目標基準温度2.0℃と変動幅+0.5℃とにより設定される。すなわち、第1目標温度範囲は2.0〜2.5℃となる。
第1目標基準温度2.0℃は融雪効果が得られる温度である(後述)。許容誤差として上方に変動幅を設けている。
ステップS12において、水分無と判断する場合、第2目標温度範囲を設定し(ステップS15)、第2温度制御を行う(ステップS16)。ここで、第2目標温度範囲は、第2目標基準温度0.5℃と変動幅+0.5℃とにより設定される。すなわち、第2目標温度範囲は0.5〜1.0℃となる。
第2目標基準温度0.5℃は凍結防止効果が得られる温度である(後述)。許容誤差として上方に変動幅を設けている。
このとき、第1目標基準温度(2.0℃)は第2目標基準温度(0.5℃)より高く設定されている。
電源供給ON/OFF機能54は、第1温度制御(S14)が選択されると、温度センサ42の温度が、第1目標温度範囲(2.0〜2.5℃)になるように、電源装置45から電熱線9(No.1〜6)への電力供給のON/OFFを制御する。また、電源供給ON/OFF機能54は、第2温度制御(S16)が選択されると、温度センサ42の温度が、第2目標温度範囲(0.5〜1.0℃)になるように、電源装置45から電熱線9(No.1〜6)への電力供給のON/OFFを制御する。
すなわち、第1温度制御(S14)と第2温度制御(S16)とは、目標温度範囲が異なるが、制御内容は同様である。
図6は、電源供給ON/OFF機能54の処理フローである。温度センサ情報取得機能52を介して温度情報を取得する(ステップS21)。
同時に、現在の電源装置45のスイッチ情報を取得し(ステップS22)、スイッチのON/OFFを判断する(ステップS23)。
ステップS23において、スイッチONと判断する場合、更にステップS21での温度が、温度範囲上限値を超えているか否かを判断する(ステップS24)。
ステップS24において、温度範囲上限値超と判断する場合、スイッチをONからOFFに切り替えるように、電源装置45に指令する(ステップS25)。一方、温度範囲上限値以下と判断する場合、スイッチONを継続する(ステップS26)。すなわち、指令を出力しない。
ステップS23において、スイッチOFFと判断する場合、更にステップS21での温度が、温度範囲下限値未満か否かを判断する(ステップS27)。
ステップS27において、温度範囲下限値未満と判断する場合、スイッチをOFFからONに切り替えるように、電源装置45に指令する(ステップS28)。一方、温度範囲下限値未満と判断する場合、スイッチOFFを継続する(ステップS29)。すなわち、指令を出力しない。
ステップS25〜29のいずれかの処理をおこなうと、スッテプS21に戻る。
〜システム動作〜
発明者は、本実施形態に係る加熱システムの実証実験をおこなった。当然ながら、外気温や降雪量、雪質などの条件よって、結果は異なった。そこで、複数の実験結果に基づいて、外気温0℃、降雪量30mmという仮想環境において、フィジビリティスタディを行った。なお、便宜上、コンクリート舗装版4を1枚とした。
発明者は、第1目標基準温度および第2目標基準温度を様々な値に変更した実証実験の結果に基づいて、上記仮想環境において、融雪効果が得られる下限値が2.0℃であり、凍結防止効果が得られる下限値が0.5℃であると判断した。なお、第1目標基準温度2.0℃および第2目標基準温度0.5℃は仮想環境における下限値であり、第1目標基準温度および第2目標基準温度は実際の環境に応じて適宜温度設定する。これに伴い、第1目標温度範囲2.0〜2.5℃および第2目標温度範囲0.5〜1.0℃も適宜温度設定する。
図7は、フィジビリティスタディの温度履歴を示す図である。横軸は経過時間tを示し、縦軸は温度センサの温度を示す。
積雪の温度は0℃とすると、初期状態(t=0.0h)で、温度センサの温度は0℃である。この状態で加熱を開始する。コンクリート舗装版4は加熱による昇温が速い(図示、正の傾きが大きい)という特性をもつ。
積雪により制御装置50は水分有と判定し第1温度制御をおこなう(S11→S12→S13→S14)。一方、当然、スイッチOFFであり、第1温度範囲下限2.0℃未満であるため、制御装置50はスイッチをOFFからONに切り替えるように指令する(S21→S22→S23→S27→S28→S21)。
スイッチONにより加熱は開始する。徐々に融雪しながら、コンクリート舗装版4は急昇温する。第1目標基準温度2.0℃以上になると、充分な融雪効果を発揮する。
制御装置50は、第1温度範囲上限2.5℃を超えるまで、スイッチONを継続する(S21→S22→S23→S24→S26→S21→繰り返し)。
そして、t=1.3hにて温度センサの温度は2.5℃を超える。無用の加熱を避けるため加熱を中断する。
融雪途中であり、制御装置50は水分有と判定し第1温度制御をおこなう(S11→S12→S13→S14)。一方、スイッチONであり、第1温度範囲上限2.5℃超であるため、制御装置50はスイッチをONからOFFに切り替えるように指令する(S21→S22→S23→S24→S25→S21)。
スイッチOFFにより加熱は中断される。コンクリート舗装版4は自然降温がゆっくりである(図示、負の傾きが小さい)という特性をもつ。第1目標基準温度2.0℃以上であるため、加熱中断でも融雪効果は継続する。融雪を継続しながら、コンクリート舗装版4は緩やかに降温する。
制御装置50は、第1温度範囲下限2.0℃未満になるまで、スイッチOFFを継続する(S21→S22→S23→S27→S29→S21→繰り返し)。
そして、t=3.0hにて温度センサの温度は2.0℃未満となる。融雪効果を維持するため再加熱する。
融雪途中であり、制御装置50は水分有と判定し第1温度制御をおこなう(S11→S12→S13→S14)。一方、スイッチOFFであり、第1温度範囲下限2.0℃未満であるため、制御装置50はスイッチをOFFからONに切り替えるように指令する(S21→S22→S23→S27→S28→S21)。
スイッチONにより加熱が再開する。融雪を継続しながら、コンクリート舗装版4は急昇温する。
制御装置50は、スイッチONを継続する(S21→S22→S23→S24→S26→S21→繰り返し)。
急昇温の途中のt=3.3hにて、融雪が完了する。これにより、融雪効果から凍結防止効果に着目点を移す。
積雪がないため制御装置50は水分無と判定し第2温度制御をおこなう(S11→S12→S15→S16)。一方、スイッチONであり、第2温度範囲上限1.0超であるため、制御装置50はスイッチをONからOFFに切り替えるように指令する(S21→S22→S23→S24→S25→S21)。
スイッチOFFにより加熱は中断される。コンクリート舗装版4は緩やかに降温する。コンクリート舗装版4は自然降温がゆっくりであるという特性をもつ。このとき、第2目標基準温度0.5℃以上であるため、加熱中断でも凍結防止効果を発揮する。
制御装置50は、第2温度範囲下限0.5℃未満になるまで、スイッチOFFを継続する(S21→S22→S23→S27→S29→S21→繰り返し)。
そして、t=8.1hにて温度センサの温度は0.5℃未満となる。
積雪はなく、制御装置50は水分無と判定し第2温度制御をおこなう(S11→S12→S15→S16)。一方、スイッチOFFであり、第2温度範囲下限0.5℃未満であるため、制御装置50はスイッチをOFFからONに切り替えるように指令する(S21→S22→S23→S27→S28→S21)。
スイッチONにより加熱が再開する。凍結防止効果を維持しながら、コンクリート舗装版4は急昇温する。
制御装置50は、スイッチONを継続する(S21→S22→S23→S24→S26→S21→繰り返し)。
そして、t=8.6hにて温度センサの温度は第2温度範囲上限1.0℃を超える。無用の加熱を避けるため加熱を中断する。
積雪はなく、制御装置50は水分無と判定し第2温度制御をおこなう(S11→S12→S15→S16)。一方、スイッチONであり、第2温度範囲上限1.0℃超であるため、制御装置50はスイッチをONからOFFに切り替えるように指令する(S21→S22→S23→S24→S25→S21)。
以降、スイッチON/OFFを繰り返し、温度センサの温度が第2目標温度範囲0.5〜1.0℃になるように制御し、凍結防止効果を維持する。
〜比較例との比較〜
比較例として、従来の一般的なコンクリート舗装版の加熱について検討する。本実施形態のコンクリート舗装版4は加熱による昇温が速く自然降温がゆっくりであるという特性を有するのに対し、比較例のコンクリート舗装版は加熱による昇温がゆっくりであり、自然降温が速いという特性を有する。言い換えると、温まりにくく冷めやすいという性質を持つ。一方、電熱線9や電源装置45の諸元は同レベルである。また、仮想環境も同様とする。
比較例の温度履歴を図7に追記する。
加熱開始により、徐々に融雪しながら、コンクリート舗装版は緩やかに(正の傾きが小さい)昇温する。t=5.2hにて基準温度3.0℃以上になると、充分な融雪効果を発揮する。なお、比較例のコンクリート舗装版は熱拡散の影響が大きいため、基準温度は本実施形態に比べて高めになる。
温度3.0℃にて、加熱による供給エネルギーと、融雪の消費エネルギーとが均衡する。
なお、このとき、仮に加熱を中断すると、比較例のコンクリート舗装版は急降温(負の傾きが大きい)する(図示破線)。したがって、本実施形態の様にスイッチON/OFF制御をおこなうと、融雪効果を維持できない。すなわち、比較例のコンクリート舗装版において、スイッチON/OFF制御することはできない。
逆に言うと、本実施形態のコンクリート舗装版4を開発したことにより、スイッチON/OFF制御をおこなうことができる。
比較例の温度履歴の説明に戻る。温度3.0℃にて均衡した状態が継続し、t=7.8hにて、融雪が完了する。
前述のように、比較例のコンクリート舗装版において、スイッチON/OFF制御することはできない。実際の環境においても、スイッチON/OFF制御では急な降雪に対応できない。したがって、加熱を継続する。コンクリート舗装版は緩やかに昇温する。
本実施形態と比較例とを比較する。
図8は、消費電力量の概念図である。
本実施形態は、スイッチON/OFF制御をおこない、スイッチONの間のみ電力を供給する。これに対し、比較例は、常時電力供給する。
本実施形態は、積雪時は第1温度制御を選択し、融雪完了により第2温度制御を選択する。第2温度制御は第1温度制御に比較して消費電力量を低減できる。これに対し、比較例はこのような制御をおこなわない。
これらの制御により、本実施形態に係る加熱システムは、消費電力量を低減できる。
また、本実施形態は、比較例に比べ早く融雪できる(図7参照)。
〜システム全体の動作〜
図9は、本実施形態に係る加熱システム全体の動作を説明する図である。図示構成は、図4の構成を簡略したものであり、同じ符号を付す。第1温度制御および第2温度制御の濃淡は消費電力を示唆する。
本実施形態の特徴的な構成について再度簡単に説明する。各コンクリート舗装版4の電熱線9(No.1〜6)は並列配線されている。制御装置50は、第1温度制御または第2温度制御を選択し、電力供給のON/OFFを制御する。電源装置45は制御装置50の指令に基づき各電熱線9(No.1〜6)それぞれに電力を供給する。
ところで、トンネル出口個所、トンネル入口個所、道路傾斜個所、料金所個所、及び交差点個所などの積雪量は、風向き、地形、障害物、交通量など諸要因により、均一ではない。たとえば、コンクリート舗装版(No.1〜6)の積雪量が0〜60mmであったとする。
このとき、積雪のあるコンクリート舗装版(No.1〜5)では、融雪効果を期待して第1温度制御を行い、積雪のないコンクリート舗装版4(No.6)では、凍結防止効果を期待して第2温度制御を行う。
さらに、積雪の少ないコンクリート舗装版(No.3,5)では、融雪完了により第2温度制御をおこなう。他のコンクリート舗装版(No.1,2,4)でも、融雪完了により、順次、第2温度制御をおこなう。
第2温度制御は第1温度制御に比較して消費電力量を低減できる。これにより、確実に融雪を行うとともに、一律に加熱するのに比べ、消費電力量を低減できる。
また、第1温度制御および第2温度制御において、電力供給OFFとなるコンクリート舗装版(No.1〜6)がある。これにより、システム全体での最大電力も低減できる。
更に、断線時の影響について説明する。
電熱線の並列配置により、電熱線の一つが断線した場合でも、他の電熱線は加熱可能であり、融雪を継続できる。
また、制御装置50は、電力供給しても昇温しないことにより、容易に断線を検出できる。また、システム管理者は、断線箇所のみ融雪されないことを目視により検出できる。このように、断線の検出が容易である。
さらに、コンクリート舗装版は着脱可能であり、断線したコンクリート舗装版のみを交換すればよいため、補修が容易である。下記に補修手順について説明する。
この様に、本実施形態に係る加熱システムは、断線時の影響を低減できる。
〜補修手順〜
図10は、断線時の補修手順を示す図である。図示は、2つの舗装版を電気的直列に接続し、連結した舗装版を一つのコンクリート舗装版4とみなす例である。繰り返し述べているように、複数のコンクリート舗装版4が電気的並列に接続されている。
コンクリート舗装版4はコッター式継手装置6により機械的にかつ強固に連結されている。まずは、電気的な接続を解除する(手順1)。目地部をカッターで切断するとともに、H型金具6bを除去する(手順2,3)。これにより、機械的連結を解除でき、断線したコンクリート舗装版4をラフタークレーン等により撤去できる(手順4)。
既存の裏込グラウト3を撤去し、再度、路盤2を整正する(手順5,6)。さらに、新しいコンクリート舗装版4をラフタークレーン等により設置する(手順7)。
H型金具6bをC型継手金具6aに挿入しコッター式継手装置6の仮締めを行う(手順8)。新たに、裏込グラウト3を注入し、コッター式継手装置6の仮締めを行う(手順9,10)。これにより、コンクリート舗装版4は他のコンクリート舗装版に機械的にかつ強固に連結される。
最後に、コンクリート舗装版4を電気的並列に接続する(手順11)。
2 路盤
3 断熱系グラウト材
4 コンクリート舗装版
6 コッター式継手装置
7 鉄筋
8a 下層部
8b 上層部
9 電熱線
10a 端面
10b 上面
41 水分センサ
42 温度センサ
45 電源装置
50 制御装置
51 水分センサ情報取得機能
52 温度センサ情報取得機能
53 温度制御選択機能
54 電源供給ON/OFF機能

Claims (5)

  1. コンクリート中に電熱線が埋設された床版を平面状に複数枚敷き並べてなる舗装構造であって、
    前記床版は、前記電熱線を挟んで、熱伝導率の高い上層部と熱伝導率の低い下層部とからなり、
    前記上層部の粗骨材および細骨材は、珪石であり、
    前記下層部の粗骨材および細骨材は、製鋼スラグであり、
    対向するコンクリート前記床版にそれぞれインサートされる受け金具と、対峙した受け金具の相互に亘って着脱可能な差し込み金具と、から構成される継手装置により、対向する前記床版は連結され、連続した一枚の基盤として形成され、
    前記電熱線が電気的に並列に接続されてなる
    ことを特徴とする舗装構造。
  2. 電源装置と、
    前記床版に設けられた温度センサと、
    前記電源装置から前記各床版の電熱線への電力供給のON/OFFを制御する制御装置と
    を更に備え、
    前記制御装置は、前記温度センサの温度が、目標温度範囲になるように、電力供給を制御する
    ことを特徴とする請求項1記載の舗装構造。
  3. 前記床版は、水分センサと温度センサとに接続され、
    前記制御装置は、
    前記水分センサの情報に基づいて、第1温度制御と第2温度制御とのいずれかの制御
    を選択し、
    前記第1温度制御を選択する場合、前記温度センサの温度が、第1目標基準温度を含む第1目標温度範囲になるように、電力供給を制御し、
    前記第2温度制御を選択する場合、前記温度センサの温度が、第2目標基準温度を含む第2目標温度範囲になるように、電力供給を制御し、
    前記第1目標基準温度は前記第2目標基準温度より高く設定されている
    ことを特徴とする請求項2記載の舗装構造。
  4. 前記第1目標温度範囲は、2.0〜2.5℃であり、
    前記第2目標温度範囲は、0.5〜1.0℃である
    ことを特徴とする請求項3記載の舗装構造。
  5. 降雪地域におけるトンネル出口個所、トンネル入口個所、道路傾斜個所、料金所個所、交差点個所及び歩道のいずれかの個所の舗装に用いられる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4いずれか記載の舗装構造。
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