JP5687434B2 - 板材のプレス加工方法、板材のプレス加工装置 - Google Patents

板材のプレス加工方法、板材のプレス加工装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5687434B2
JP5687434B2 JP2010076594A JP2010076594A JP5687434B2 JP 5687434 B2 JP5687434 B2 JP 5687434B2 JP 2010076594 A JP2010076594 A JP 2010076594A JP 2010076594 A JP2010076594 A JP 2010076594A JP 5687434 B2 JP5687434 B2 JP 5687434B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate material
press
pressing
bending angle
press position
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010076594A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011206804A (ja
Inventor
敏明 荒川
敏明 荒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tadano Ltd
Original Assignee
Tadano Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tadano Ltd filed Critical Tadano Ltd
Priority to JP2010076594A priority Critical patent/JP5687434B2/ja
Publication of JP2011206804A publication Critical patent/JP2011206804A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5687434B2 publication Critical patent/JP5687434B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Bending Of Plates, Rods, And Pipes (AREA)

Description

本発明は、板材のプレス加工方法、板材のプレス加工装置に関するものである。
従来から、プレス加工装置を用いて金属製の板材を曲げて塑性加工を行うプレス加工が知られている。
このプレス加工では、ロット毎の材料の物性値のばらつきや、同一ロットでの材料の物性値の不均一な分布などによって、曲げ角度が変化するという問題があった。
このような問題を解決するため、特許文献1では、曲げ加工中に検出される実曲げ角度と推定曲げ角度との差分に基づいて、予め記憶されているスプリングバック挙動に関するデータの補正値を求め、この補正値に基づいて駆動金型の追い込み位置を求めることが開示されている。
特許第3734315号公報
しかしながら、特許文献1の構成は、同一位置において実曲げ角度を確認しながら数回プレスするものであるため、全体のプレス加工の回数が増えてプレス時間が長くなるという問題があった。
そこで、本発明は、プレス加工の回数を少なくする板材のプレス加工方法と、板材のプレス加工装置と、を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の板材のプレス加工方法は、固定金型に駆動金型を押し込んで板材をプレスして円弧形状を形成する際に、円弧方向に位置を変えながら複数のプレス位置でプレスすることで円弧形状を形成する板材のプレス加工方法であって、第1のプレス位置における押し込み量に対する前記板材の曲げ角度と、基準となる曲げ角度と、の差異を、前記板材の降伏点の誤差と仮定して、前記第1のプレス位置に隣接する第2のプレス位置における押し込み量を算出することを特徴とする。
このように、本発明の板材のプレス加工方法は、固定金型に駆動金型を押し込んで板材をプレスして円弧形状を形成する際に、円弧方向に位置を変えながら複数のプレス位置でプレスすることで円弧形状を形成する板材のプレス加工方法であって、第1のプレス位置における押し込み量に対する板材の曲げ角度に基づいて、第1のプレス位置に隣接する第2のプレス位置における押し込み量を決定する。
したがって、同じプレス位置での再プレスを回避することで全体のプレス加工の回数を減らして効率化しつつ、板材の物性値のばらつきを考慮して全体として所定の円弧形状を形成できる。
実施例の構成を説明するブロック図である。 材料特性を説明するグラフである。(a)は降伏強度と曲げ角度、(b)は厚みと曲げ角度の関係を示すグラフである。 板材を区分する領域を説明する説明図である。 全体のプレス加工の手順を説明するフローチャートである。 各領域におけるプレス加工の手順を説明するフローチャートである。 各領域におけるプレス加工の条件と結果を説明する一覧表である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、図1を用いて本実施例の板材のプレス加工装置の構成を説明する。
本実施例の板材のプレス加工装置1は、移動しない固定金型21と、固定金型21に向けて移動して押し込まれる駆動金型22と、駆動金型22を駆動する金型駆動手段2と、プレスした板材の曲げ角度を検出する角度検出手段3と、検出された曲げ角度を一時的に記憶する検出角度記憶手段4と、押し込み量を演算する演算手段5と、過去に検出された曲げ角度を記憶する過去データ記憶手段6と、を備えている。
この金型駆動手段2は、演算手段5からの入力を受けて、駆動金型22を固定金型21に形成した隙間に押し込み、固定金型21上に設置した板材としての高張力鋼板を塑性変形させて屈曲させる。
また、角度検出手段3は、屈曲箇所を挟んだ両側の板材のなす相対角度を計測するもので、屈曲箇所の一方側に配置される第1の傾斜計31と、屈曲箇所を挟んで第1の傾斜計31と対峙する位置に配置される第2の傾斜計32と、これらの傾斜角度の差を算出する角度算出部30と、を備えている。
なお、この角度検出手段3は、曲げ角度を検出できればよく、画像認識によるものや、レーザー光反射を用いたもの、など、どのような構成であってもよい。
さらに、演算手段5は、後述するように、第1のプレス位置における押し込み量に対する板材の曲げ角度に基づいて、第1のプレス位置に隣接する第2のプレス位置における押し込み量を演算する。
同様に、演算手段5は、後述するように、第1のプレス位置における押し込み量に対する板材の曲げ角度と、第2のプレス位置における押し込み量に対する板材の曲げ角度と、に基づいて、第2のプレス位置に隣接する第3のプレス位置における押し込み量を演算する。
そして、過去データ記憶手段6には、図2に示すように、降伏強度と実曲げ角度との関係を示す降伏強度データ61と、板材の厚みと実曲げ角度との関係を示す厚みデータ62と、が格納されている。
この降伏強度データ61は、図2(a)に示すように、特定の板材の厚みtでの特定の押し込み量に対する過去の複数の降伏強度σypと実曲げ角度θを記憶したもので、降伏強度σypの増加に伴って曲げ角度が小さくなるような関係を表している。このσyp−θ関係は、例えば2次関数である強度−曲げ関数で近似できる。
同様に、厚みデータ62は、図2(b)に示すように、特定の板材の降伏強度σypでの特定の押し込み量に対する過去の複数の板材の厚みtと実曲げ角度θを記憶したもので、厚みtの増加に伴って曲げ角度が大きくなるような関係を表している。このt−θ関係は、例えば1次関数である厚み−曲げ関数で近似できる。
なお、前述した検出角度記憶手段4、演算手段5及び過去データ記憶手段6は、実際の物理的構成(ハードウェア)としては、CPUなどの演算部、メモリ、HDD、SSDなどの記憶部、入力部及び出力部などを有するマイクロコンピュータによって構成されている。
次に、本実施例の板材のプレス加工方法について、図3〜図6を用いて説明する。
はじめに、図3を用いて、板材を区分する領域について説明すると、この実施例では、ラウンドブーム7下半部の両端の直線部分を除いて、中央寄りの円弧形状となる部分を4区画に区分し、この区分された領域毎にプレス位置を少しずつずらしながら、所望の円弧形状を形成する。
なお、この区分は4区画に限定されるものではなく、板材の物性値のばらつきを適切に考慮できる程度の区分数であれば何等分でもよく、板材の大きさによっても異なるが2区画、3区画、5区画以上であってもよい。
つづいて、図4〜図6を用いて、本実施例の板材のプレス加工の手順について説明する。
まず、図4を用いて、第1ステージから第4ステージまでのプレス加工全体の手順を説明する。
本実施例のプレス加工の全体の実行手順では、第1ステージ(STAGE1)、第2ステージ(STAGE2)、第3ステージ(STAGE3)、第4ステージ(STAGE4)の順に各ステージが実行される。
この第1ステージ(STAGE1)では、板材としての高張力鋼板を、第1のプレス位置(ステップS1)から第nのプレス位置(ステップSn)まで、微小曲げ角度ずつ順にプレスしていき、第1ステージの微小曲げ角度の総和が所望の曲げ角度となるように形成する。
例えば、第1ステージ(STAGE1)の所望の曲げ角度が45度の場合に、5回プレスする場合(n=5)を想定すると、1回の微小曲げ角度の目標値として5度と10度が設定されて、第1ステージの微小曲げ角度の総和が45度となるように形成する。
なお、一般的な大きさのブームの場合、ステージ毎のプレス回数は、最小で3回くらいでもよいが、精度と効率のバランスを考慮すると、6回ぐらいが好ましい。
また、各ステージ内では、高張力鋼板の物性値である厚みtと降伏強度σypはある値に収束するものと仮定してプレス加工するが、実際にはステージ内でもプレス位置によって物性値にバラつきがあるため、厚みtや降伏強度σypは逐次修正していくことになる(後述)。
そして、第2ステージ(STAGE2)、第3ステージ(STAGE3)、第4ステージ(STAGE4)についても同様の処理手順が実行されて、全体として所望の曲げ角度、幅、高さの円弧形状のブームとしてのラウンドブーム7(図3参照)が形成される。
次に、図5,6を用いて、ステージ毎のプレス加工の手順を説明する。
この図5は、各領域におけるプレス加工の手順を説明するフローチャートである。また、図6は、区分された領域におけるプレス加工の条件と結果を表す表であり、図中の・・・はマスターデータに基づく押し込み量、S・・・Sは実押し込み量、ΔS・・・ΔSは押し込み量の差分、θ・・・θはマスターデータに基づく曲げ角度、θ・・・θは実曲げ角度、Δθ・・・Δθは曲げ角度の差分、をそれぞれ表している。
(第1のプレス位置での処理)
第1のプレス位置では、はじめに、押し込み量Sを決定する(ステップS11)。ここでは、板材の厚みtと降伏強度σypには誤差がないと仮定して、降伏強度データ61の強度−曲げ関数又は厚みデータ62の厚み−曲げ関数に基づいて押し込み量Sを算出する。
次に、決定した押し込み量Sだけ、金型駆動手段2によって駆動金型22を固定金型21の隙間に向かって移動させることで、板材としての高張力鋼板を折り曲げて塑性変形させる(ステップS12)。
つづいて、塑性変形して折れ曲がった高張力鋼板の実曲げ角度を角度検出手段3によって検出する(ステップS13)。すなわち、第1の傾斜計31と第2の傾斜計32によってそれぞれ傾斜角度を計測し、角度算出部30において両者の差分として実曲げ角度θを算出し、検出角度記憶手段4に記憶する。
そして、演算手段5では、マスターデータとしての降伏強度データ61の強度−曲げ関数に基づく曲げ角度θと、実曲げ角度θと、の差分Δθを算出し、この差分Δθの値の正負を判定する(ステップS14)。
(a)Δθが0より大きい場合(ステップS14の左側矢印)、想定ほどは曲がっていないことを示しており、実際のσypが仮定値よりも大きかったものと考えて、負の値としてΔSを算出する(ステップS15)。すなわち、正の差分Δθを負の差分Δθによって打ち消すことができるように、負の差分ΔSによって、実押し込み量Sを算出する(ステップS18)。
具体的には、例えば、厚みtは前回と同じ値とし、降伏強度σypは前回よりも大きい値と仮定したうえで、強度−曲げ関数に基づく押し込み量よりも大きい値となるように実押し込み量Sを計算する。
(b)Δθが0と等しい場合(ステップS14の中央矢印)、想定どおりに曲がっていることを示しており、実際のσypが仮定値と一致していたものと考えて、ΔSを0として(ステップS16)、実押し込み量Sを算出する(ステップS18)。
具体的には、例えば、厚みt及び降伏強度σypが前回と同じ値と仮定したうえで、強度−曲げ関数に基づく押し込み量と同一の値として実押し込み量Sを計算する。なお、実際には、Δθは厳密に0となる必要はなく、0の上下の所定幅内にあればよい。
(c)Δθが0より小さい場合(ステップS14の右側矢印)、想定を超えて曲がっていることを示しており、実際のσypが仮定値よりも小さかったものと考えて、正の値としてΔSを算出する(ステップS17)。すなわち、負の差分Δθを正の差分Δθによって打ち消すことができるように、正の差分ΔSによって実押し込み量Sを算出する。
具体的には、例えば、厚みtは前回と同じ値とし、降伏強度σypは前回よりも小さい値と仮定したうえで、強度−曲げ関数に基づく押し込み量よりも小さい値となるように実押し込み量Sを計算する。
(第2のプレス位置での処理)
高張力鋼板の位置を所定量だけずらした第2のプレス位置では、決定した押し込み量Sだけ駆動金型22を移動させて高張力鋼板を折り曲げ(ステップS21)、折れ曲がった高張力鋼板の実曲げ角度を角度検出手段3によって検出する(ステップS22)。
そして、演算手段5では、マスターデータとしての降伏強度データ61の強度−曲げ関数に基づく曲げ角度θと、実曲げ角度θと、の差分Δθの値の正負を判定する(ステップS23)。
(a)Δθが0より大きい場合(ステップS23の左側矢印)、想定ほどは曲がっていないことを示しており、実際のtが仮定値よりも小さかったものと考えて、正の値としてΔSを算出する(ステップS24)。すなわち、正の差分Δθを負の差分Δθによって打ち消すことができるように、正の差分ΔSによって、実押し込み量Sを算出する(ステップS27)。
具体的には、例えば、降伏強度σypは前回と同じ値とし、厚みtは前回よりも小さい値と仮定したうえで、厚み−曲げ関数に基づく押し込み量よりも大きい値となるように実押し込み量Sを計算する。
(b)Δθが0と等しい場合(ステップS23の中央矢印)、想定どおりに曲がっていることを示しており、実際のtが仮定値と一致していたものと考えて、ΔSを0として(ステップS25)、実押し込み量Sを算出する(ステップS27)。
具体的には、例えば、厚みt及び降伏強度σypが前回と同じ値と仮定したうえで、厚み−曲げ関数に基づく押し込み量と同一の値として実押し込み量Sを計算する。
(c)Δθが0より小さい場合(ステップS23の右側矢印)、想定を超えて曲がっていることを示しており、実際のtが仮定値よりも大きかったものと考えて、負の値としてΔSを算出する(ステップS26)。すなわち、負の差分Δθを正の差分Δθによって打ち消すことができるように、負の差分ΔSによって実押し込み量Sを算出する(ステップS27)。
具体的には、例えば、降伏強度σypは前回と同じ値とし、厚みtは前回よりも大きい値と仮定したうえで、厚み−曲げ関数に基づく押し込み量よりも小さい値となるように実押し込み量Sを計算する。
(第3のプレス位置以降での処理)
高張力鋼板の位置を同一方向に所定量だけずらした第3のプレス位置以降では、第2のプレス位置と同様に、曲げ角度の差分Δθが厚みtの影響であるとして逐次修正処理が実行される。
つまり、(a)差分Δθが0より大きい場合には、正の差分ΔSを算出して実押し込み量Sを算出し、(b)差分Δθが0と等しい場合には差分ΔSを0として実押し込み量Sを算出し、(c)差分Δθが0より小さい場合には、負の差分ΔSを算出して実押し込み量Sを算出する。
そして、各ステージ内の最終の第nのプレス位置では、実押し込み量Sが第1のプレス位置から第(n−1)のプレス位置までの曲げ角度の差分Δθ,・・・,Δθn−1の総和(Δθ+・・・+Δθn−1)を打ち消すように、算出される。
例えば、降伏強度σypと厚みtは第(n−1)のプレス位置と同じとし、(a)総和(Δθ+・・・+Δθn−1)が0より大きい場合には、負の差分ΔSによって実押し込み量Sを算出し、(b)総和(Δθ+・・・+Δθn−1)が0と等しい場合には差分ΔSを0として実押し込み量Sを算出し、(c)総和(Δθ+・・・+Δθn−1)が0より小さい場合には、正の差分ΔSによって実押し込み量Sを算出する。
そして、本実施例の板材のプレス加工方法を用いて加工された円弧形状部分を有するラウンドブーム7は、物性値のばらつき(変化)に応じて押し込み量が逐次修正されているため、全体として精度の高い円弧形状に形成されている。
すなわち、ごく微小な形状にまで着目すると、このラウンドブーム7は、各ステージの1番目のプレス位置で曲げ角度の差分Δθが大きく、プレス位置の移動につれて曲げ角度の差分Δθが大小を繰り返しながら徐々に収束していき、最終のプレス位置において曲げ角度が調整されて全体の形状誤差が吸収されるように形成されている。
なお、各ステージで算出された実押し込み量Siから各ステージでの降伏強度σypiを逆算により求め算出し、算出した降伏強度がマスターデータに比較して大きく異なる場合には、早期にプレスのオペレータに警告するようにしてもよい。これにより、降伏強度の異なる鋼板を間違ってセットしたまま作業を続行することを防止できる。
次に、本実施例の板材のプレス加工方法、ブームとしてのラウンドブーム7、板材のプレス加工装置1、が発揮する効果を列挙して説明する。
(1)このように、本実施例の板材のプレス加工方法は、固定金型21に駆動金型22を押し込んで板材としての高張力鋼板をプレスして円弧形状を形成する際に、円弧方向に位置を変えながら複数のプレス位置でプレスすることで円弧形状を形成する板材のプレス加工方法である。
そして、第1のプレス位置における押し込み量に対する板材の曲げ角度に基づいて、第1のプレス位置に隣接する第2のプレス位置における押し込み量を決定する。
したがって、同じプレス位置での再プレスを回避することで全体のプレス加工の回数を減らして効率化しつつ、板材の物性値のばらつきを考慮して全体として所定の円弧形状を形成できる。
つまり、ラウンドブーム7の入れ子状の各ブーム部材は、同心円状の円弧形状に形成されており、ブーム部材ごとに曲げ半径Rが異なるため、1つずつ金型を製造して交換することは、コストと工程の効率化の両面で問題がある。
そこで、金型の交換及び同一位置の再プレスを回避することで工程を効率化しつつも、押し込み量を逐次修正することで物性値のばらつきをも考慮して所望の円弧形状を正確に形成できる。
(2)また、第1のプレス位置における押し込み量に対する板材の曲げ角度と、第2のプレス位置における押し込み量に対する板材の曲げ角度と、に基づいて、第2のプレス位置に隣接する第3のプレス位置における押し込み量を決定するため、プレス位置が変わる度にプレスの精度が向上していく。
(3)さらに、第1のプレス位置における押し込み量に対する板材の曲げ角度と、基準となる曲げ角度と、の差異を、板材の降伏点の誤差と仮定して第2のプレス位置における押し込み量を算出し、第2のプレス位置における押し込み量に対する板材の曲げ角度と、基準となる曲げ角度と、の差異を、板材の厚みの誤差と仮定して第3のプレス位置における押し込み量を算出することで、より早く真の物性値に漸近させることができる。
つまり、一般には、高張力鋼板の物性値では、製造者から提供されるミルシートに記載された基準値からの誤差の大きさは、降伏強度σypのほうが厚みtよりも大きいため、先に降伏強度σypを修正することでより早く誤差を少なくすることができる。
(4)板材を円弧方向に複数の領域に区分して、区分された領域ごとに第1のプレス位置、第2のプレス位置、第3のプレス位置を設定してプレスすることで、板材面内で場所ごとに異なる物性値の誤差を考慮できるためプレスの精度がより向上する。
つまり、プレス位置を少しずつ変えながらプレスする場合に、円弧形状部分の全体を通じて1つだけ第1のプレス位置を設定すると、第1のプレス位置や第2のプレス位置の影響が最終のプレス位置まで及ぶこととなり、板材面内の物性値の変化を十分に反映できない可能性がある。
そこで、全体を複数の領域としてのステージに区分して、区分されたステージごとに物性値を計算し直せば、板材面内の物性値の誤差を十分に反映することができる。
(5)第3のプレス位置に隣接する第4のプレス位置以降の各プレス位置における押し込み量を、区分された領域ごとに、板材の曲げ角度と基準となる曲げ角度との差異の総和が零となるように算出することで、区分された領域ごとに仕上がり寸法が調整されて、全体として精度の高い円弧形状を形成できる。
さらに、総和の打ち消し処理(相殺)を最終プレス位置で行えば、計算量を抑えて全体の処理速度を向上させつつ、物性値のバラつきも考慮して全体として所望の円弧形状に形成することができる。
(6)そして、本実施例のブームとしてのラウンドブーム7は、上記したいずれかに記載のプレス加工方法によって加工された円弧形状のラウンドブーム7であるから、円弧形状の精度が高く真円に近い形状となっているため、座屈に対して安全性の高いラウンドブーム7となる。
さらに、本実施例のラウンドブーム7を備えるラフテレーンクレーンやオールテレーンクレーンなどの移動式クレーンは、ラウンドブーム7が座屈しにくく安全性の高い移動式クレーンとなる。
(7)さらに、本実施例の板材のプレス加工装置1は、固定金型21に駆動金型22を押し込んで板材としての高張力鋼板をプレスして円弧形状を形成する際に、円弧方向に位置を変えながら複数のプレス位置でプレスすることで円弧形状を形成する板材のプレス加工装置1である。
そして、駆動金型22を設定した押し込み量だけ固定金型21に押し込み移動させる金型駆動手段2と、プレスした板材の曲げ角度を検出する角度検出手段3と、検出された曲げ角度を記憶する検出角度記憶手段4と、第1のプレス位置における押し込み量に対する板材の曲げ角度に基づいて、第1のプレス位置に隣接する第2のプレス位置における押し込み量を演算する演算手段5と、を備えている。
したがって、同じプレス位置での再プレスを回避することでプレス加工を効率化しつつ、板材の物性値のばらつきを考慮して全体として所定の円弧形状を形成できる。
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、物性値を修正するステップである第1のプレス位置や第2のプレス位置などにおいてΔθを打ち消すようにΔSを算出したが、これに限定されるものではなく、物性値を修正するステップではΔθの打消処理を実行せずに物性値の修正のみを実行してもよい。
また、前記実施例では、第3のプレス位置以降も物性値を修正する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、第3のプレス位置以降は、Δθの打消処理のみを実行して、物性値は修正しなくてもよい。
さらに、前記実施例では、最終のプレス位置において総和を相殺する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、途中のプレス位置でも総和を相殺するように構成してもよい。
S 押し込み量
θ 曲げ角度
厚み
σyp 降伏強度
1 プレス加工装置
2 金型駆動手段
21 固定金型
22 駆動金型
3 角度検出手段
4 検出角度記憶手段
5 演算手段
6 過去データ記憶手段
7 ラウンドブーム(ブーム)

Claims (7)

  1. 固定金型に駆動金型を押し込んで板材をプレスして円弧形状を形成する際に、円弧方向に位置を変えながら複数のプレス位置でプレスすることで円弧形状を形成する板材のプレス加工方法であって、
    第1のプレス位置における押し込み量に対する前記板材の曲げ角度と、基準となる曲げ角度と、の差異を、前記板材の降伏点の誤差と仮定して、前記第1のプレス位置に隣接する第2のプレス位置における押し込み量を算出することを特徴とする板材のプレス加工方法。
  2. 前記第1のプレス位置における押し込み量に対する前記板材の曲げ角度と、前記第2のプレス位置における押し込み量に対する前記板材の曲げ角度と、に基づいて、前記第2のプレス位置に隣接する第3のプレス位置における押し込み量を決定することを特徴とする請求項1に記載の板材のプレス加工方法。
  3. 前記第2のプレス位置における押し込み量に対する前記板材の曲げ角度と、基準となる曲げ角度と、の差異を、前記板材の厚みの誤差と仮定して前記第3のプレス位置における押し込み量を算出することを特徴とする請求項2に記載の板材のプレス加工方法。
  4. 前記押し込み量に基づいて板材の降伏強度を算出し、前記算出された板材の降伏強度と記憶手段にあらかじめ記憶された板材の降伏強度との差異が所定値を超える場合に報知を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の板材のプレス加工方法。
  5. 前記板材を円弧方向に複数の領域に区分して、区分された領域ごとに前記第1のプレス位置、前記第2のプレス位置、前記第3のプレス位置を設定してプレスすることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の板材のプレス加工方法。
  6. 前記第3のプレス位置に隣接する第4のプレス位置以降の各プレス位置における押し込み量を、
    区分された領域ごとに、前記板材の曲げ角度と基準となる曲げ角度との差異の総和が零となるように算出することを特徴とする請求項5に記載の板材のプレス加工方法。
  7. 固定金型に駆動金型を押し込んで板材をプレスして円弧形状を形成する際に、円弧方向に位置を変えながら複数のプレス位置でプレスすることで円弧形状を形成する板材のプレス加工装置であって、
    前記駆動金型を設定した押し込み量だけ前記固定金型に押し込み移動させる金型駆動手段と、プレスした板材の曲げ角度を検出する角度検出手段と、検出された曲げ角度を記憶する検出角度記憶手段と、
    第1のプレス位置における押し込み量に対する前記板材の曲げ角度と、基準となる曲げ角度と、の差異を、前記板材の降伏点の誤差と仮定して、前記第1のプレス位置に隣接する第2のプレス位置における押し込み量を演算する演算手段と、を備えることを特徴とする板材のプレス加工装置。
JP2010076594A 2010-03-30 2010-03-30 板材のプレス加工方法、板材のプレス加工装置 Active JP5687434B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010076594A JP5687434B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 板材のプレス加工方法、板材のプレス加工装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010076594A JP5687434B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 板材のプレス加工方法、板材のプレス加工装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011206804A JP2011206804A (ja) 2011-10-20
JP5687434B2 true JP5687434B2 (ja) 2015-03-18

Family

ID=44938485

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010076594A Active JP5687434B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 板材のプレス加工方法、板材のプレス加工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5687434B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013103239A (ja) * 2011-11-11 2013-05-30 Miraikikai Inc 曲げ加工装置及び曲げ加工方法
AT512282B1 (de) 2012-06-18 2013-07-15 Trumpf Maschinen Austria Gmbh Biegepresse mit Winkelerfassungsvorrichtung
JP6595163B2 (ja) * 2014-09-17 2019-10-23 株式会社アマダホールディングス プレスブレーキ及び多段曲げ加工方法
JP6616067B2 (ja) * 2014-09-17 2019-12-04 株式会社アマダホールディングス プレスブレーキ及び多段曲げ加工方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0639439A (ja) * 1992-07-28 1994-02-15 Komatsu Ltd アール曲げ加工データ補正方法
JP2009090293A (ja) * 2007-10-03 2009-04-30 Kobelco Cranes Co Ltd 曲げ加工用パンチ型、曲げ加工方法及びこれらを用いて製造されたクレーン等入れ子式箱型ブーム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011206804A (ja) 2011-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5687434B2 (ja) 板材のプレス加工方法、板材のプレス加工装置
US8776570B2 (en) Workpiece bending method and apparatus
EP1602418A2 (en) Bent-forming method
US20170157659A1 (en) Method for bending metal sheet and device for regulating residual stress
JPH10166059A (ja) 板の曲げ加工方法
CN105246609B (zh) 钢管的冲压成形方法及钢管的制造方法
KR20230015974A (ko) 강관의 진원도 예측 방법, 강관의 진원도 제어 방법, 강관의 제조 방법, 강관의 진원도 예측 모델의 생성 방법, 및 강관의 진원도 예측 장치
US9669444B2 (en) Method of manufacturing curvilineal closed structure parts without flange and apparatus for the same
JP6202059B2 (ja) プレス成形方法
JP5573080B2 (ja) 積層鉄心の製造方法及び製造装置
CA2818716C (en) Method for designing material to be subjected to cylinder forming and product formed by performing cylinder forming
JP2006224144A (ja) 板材折曲げ加工方法及び板材折曲げ加工機
JP5765013B2 (ja) 多工程プレス成形におけるスプリングバック要因分析方法
CN115213542A (zh) 真空扩散焊设备控制方法、真空扩散焊设备及存储介质
JP2011245506A (ja) 段曲げ加工装置および方法
JP2017051992A (ja) エンボス鋼板用のインターメッシュの決定方法、及び、エンボス鋼板の反り矯正方法
WO2011096442A1 (ja) プレスブレーキを用いた折曲げ加工方法および折曲げ加工システム
KR101798728B1 (ko) 판재 교정 장치 및 방법
CN104438501A (zh) T型钢压弯装置
JP7420199B1 (ja) プレス成形品の形状予測方法及び装置
JP2021186833A (ja) プレス成形品の剛性評価方法、形状決定方法およびプレス成形品
Wu et al. A position-adjustable universal backing plate to improve geometric accuracy in incremental sheet forming
JP6536646B2 (ja) 冷延鋼板の製造方法および冷延鋼板製造設備
JP5920119B2 (ja) Lp鋼板の圧延方法および圧延装置
JP2004243386A (ja) ローラ矯正におけるロール位置設定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130315

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140305

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140902

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141003

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20141104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5687434

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250