JP2009090293A - 曲げ加工用パンチ型、曲げ加工方法及びこれらを用いて製造されたクレーン等入れ子式箱型ブーム - Google Patents

曲げ加工用パンチ型、曲げ加工方法及びこれらを用いて製造されたクレーン等入れ子式箱型ブーム Download PDF

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Abstract

【課題】粗い曲げピッチで加工しても、出来上がった製品の座屈強度が高いより滑らかな曲面を有する曲げ加工が可能な曲げ加工用パンチ型及び曲げ加工方法を提供する
【解決手段】板の曲げ加工に用いるパンチ型11により被加工板Wへ曲げ加工する際、前記パンチ型11の長手方向に垂直な側断面を平面視したときの加工点nが、パンチ中心Pの両側に配置された2点(n=2)11a,11b以上、または、このパンチ中心Pの両側に配置された2点11a,11bとパンチ中心11c(P)とを含む3点(n=3)以上である曲げ加工用パンチ型11。また、前記曲げ加工用パンチ型11とこのパンチ型11に対向する雌型2を用い、この雌型2の長手方向に垂直な側断面を平面視したとき前記被加工板Wを支持する支持点を2点2a,2bとし、前記n点の加工点と前記2点2a,2bの支持点とによって構成される(n+2)点曲げ状態で前記被加工板Wを曲げ加工する曲げ加工方法。
【選択図】図5

Description

本発明は、金属や樹脂等の板の曲げ加工に用いるパンチ型、曲げ加工方法及びこれらを用いて製造されたクレーン等入れ子式箱型ブームに関し、より詳しくは、粗い曲げピッチで加工しても、座屈強度の高い滑らかな曲面を有する曲げ加工が可能な曲げ加工用パンチ型(以下、単にパンチ型ともいう)、曲げ加工方法及びこれらを用いて製造されたクレーン等入れ子式箱型ブームに関する。
クレーンや作業車両等用のブームには様々な断面形状が採用されている。従来例に係るこの様なブーム断面としては、例えば、略四角形状や略六角形状を有するもの(特許文献1,2参照)や異形の六角形状を有するもの(特許文献3,4)、あるいは異形の八角形状を有するもの(特許文献5)等多様であるが、その多くがブーム底板、側板の座屈特性を向上させようとするものである。
次に、近年主流となりつつあるブーム断面形状について、図11を参照しながら説明する。図11は、近年主流となりつつある従来例に係るブームの側断面を示す。この様な断面形状を有するブーム30では、下断面を大きな半径Rで曲げ加工して形成することを特徴としている。
この大きな半径Rは、長尺の鋼板を全長に亘って幅方向に曲げ加工することによって得ることが出来る。この様な形状を有する曲げ加工品をプレス成型により製作する場合、入れ子式ブームでは、1本のブーム長さが数mに及ぶ上、組立てられた1セットのブームに断面寸法の異なるブームが数本必要となるため金型費が膨大となり、現在ではエアベンディング方式の一つであるパーシャルベンディング方式による曲げ加工が一般的になりつつある。
従来例に係るパーシャルベンディング方式による曲げ加工について、図12を参照しながら説明する。図12は、パーシャルベンディング方式による曲げ加工を説明するための模式的側断面図である。パーシャルベンディング方式では、パンチ型31と雌型2との間にセットされた被加工板Wが、前記パンチ型31の圧下に伴なって、雌型2に設けられた2つの支持点2a,2bで支持されつつ、パンチ中心Pに突起状に設けられた加工点31cにより、3点曲げ状態で曲げ加工が進行する。この曲げ加工方式によれば、前記支持点2a,2bと加工点31cの3点以外に被加工板Wと接触するものがない(底付きしない)。
本発明において、「パンチ中心」とは、パンチ型31の側断面において上下方向に延びる中心線Cが通る最下端を言うものとする。この曲げ加工方式は、曲げ角度の範囲を比較的自由に取れることが特徴である。例えば、前記パンチ型31の先端角度θを60度とし、雌型2のV字状溝2cの角度が少なくとも前記先端角度θ以上として曲げ加工する場合、60〜180度の範囲の任意の角度まで加工可能となる。
クレーンの入れ子式箱型ブーム30等を、この様なパーシャルベンディング方式による曲げ加工で製作するには、曲げ面における曲げピッチを細かく取り、曲げ加工の完成形状がほぼ滑らかな半径Rの描く円弧に近似することを目指す加工方法と、曲げピッチを粗く取り、完成形状が半径Rの描く円弧に内接もしくは外接する多角形状になることを目指した加工方法がある。前者では、曲げ回数が多くなるため製造コストが上昇するが、出来上がり形状はプレス成形品に多少劣る程度で強度上も優れる。一方、後者による加工は、曲げ回数を少なくすることが出来るため製造コストを抑えられるが、出来上がり形状は曲げ部で応力集中を起こすため強度上劣るものとなる。
実公平2−11431号公報 特開2000−143163号公報 特開2000−16763号公報 特開2005−112514号公報 特開昭52−105451号公報
従って、本発明の目的は、粗い曲げピッチで加工しても、出来上がった製品の座屈強度が高いより滑らかな曲面を有する曲げ加工が可能な曲げ加工用パンチ型、曲げ加工方法及びこれらを用いて製造されたクレーン等入れ子式箱型ブームを提供することにある。
即ち、上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る曲げ加工用パンチ型が採用した手段は、板の曲げ加工に用いるパンチ型であって、このパンチ型により被加工板へ曲げ加工する際、前記パンチ型の長手方向に垂直な側断面を平面視したときの加工点nが、パンチ中心の両側に配置された2点(n=2)以上、またはこのパンチ中心の両側に配置された2点とパンチ中心とを含む3点(n=3)以上であることを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係る曲げ加工用方法が採用した手段は、板の曲げ加工方法において、請求項1に記載の曲げ加工用パンチ型とこのパンチ型に対向する雌型を用い、この雌型の長手方向に垂直な側断面を平面視したとき前記被加工板を支持する支持点を2点とし、前記n点の加工点と前記2点の支持点とによって構成される(n+2)点曲げ状態で前記被加工板を曲げ加工することを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係る曲げ加工用方法が採用した手段は、請求項2に記載の曲げ加工方法において、前記被加工板の曲げ面に対し略等ピッチで曲げ加工して曲げ面を形成することを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係る曲げ加工用パンチ型が採用した手段は、請求項1に記載の曲げ加工用パンチ型において、前記曲げ加工用パンチ型が、クレーン等入れ子式箱型ブームのブーム曲げ加工用パンチ型であることを特徴とするものである。
本発明の請求項5に係る曲げ加工用方法が採用した手段は、請求項2または3に記載の曲げ加工方法において、前記曲げ加工方法が、クレーン等入れ子式箱型ブームのブーム曲げ加工方法であることを特徴とするものである。
本発明の請求項6に係るクレーン等入れ子式箱型ブームが採用した手段は、クレーン等入れ子式箱型ブームを構成する少なくとも下部材が、請求項2または3に記載の曲げ加工方法を用いて製作されたことを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る曲げ加工用パンチ型によれば、板の曲げ加工に用いるパンチ型であって、このパンチ型により被加工板へ曲げ加工する際、前記パンチ型の長手方向に垂直な側断面を平面視したときの加工点nが、パンチ中心の両側に配置された2点(n=2)以上、またはこのパンチ中心の両側に配置された2点とパンチ中心とを含む3点(n=3)以上であるので、従来の曲げ加工用パンチ型に比べ、被加工板の受ける塑性変形が前記加工点間で一定またはほぼ一定な曲げ加工用パンチ型を提供し得る。
また、本発明の請求項2に係る曲げ加工用方法によれば、板の曲げ加工方法において、請求項1に記載の曲げ加工用パンチ型とこのパンチ型に対向する雌型を用い、この雌型の長手方向に垂直な側断面を平面視したとき前記被加工板を支持する支持点を2点とし、前記n点の加工点と前記2点の支持点とによって構成される(n+2)点曲げ状態で前記被加工板を曲げ加工するので、被加工板の受ける塑性変形は前記加工点間で一定またはほぼ一定となり、この間で一定の曲率が形成されるため、粗い曲げピッチで加工しても、出来上がった製品の座屈強度の高いより滑らかな曲面を有する曲げ加工が可能となる。
更に、本発明の請求項3に係る曲げ加工用方法によれば、請求項2に記載の曲げ加工方法において、前記被加工板の曲げ面に対し略等ピッチで曲げ加工して曲げ面を形成するので、大きい曲げ面も製品の座屈強度を落とすことなく形成可能である。
また更に、本発明の請求項4に係る曲げ加工用パンチ型によれば、前記曲げ加工用パンチ型が、クレーン等入れ子式箱型ブームのブーム曲げ加工用パンチ型であり、本発明の請求項5に係る曲げ加工方法によれば、前記曲げ加工方法が、クレーン等入れ子式箱型ブームのブーム曲げ加工方法であるので、粗い曲げピッチで加工しても、座屈強度の高いより滑らかな曲面を有するクレーン等入れ子式箱型ブームの曲げ加工が可能となる。
そして、本発明の請求項6に係るクレーン等入れ子式箱型ブームによれば、クレーン等入れ子式箱型ブームを構成する少なくとも下部材が、請求項2または3に記載の曲げ加工方法を用いて製作されたので、粗い曲げピッチで加工されているにも拘わらず、座屈強度の高いより滑らかな曲面を有するクレーン等入れ子式箱型ブームが得られる。
次に、本発明の実施の形態1に係る曲げ加工用パンチ型及び曲げ加工方法につき、以下添付図1,2を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態1に係る曲げ加工用パンチ型を説明するための側断面図、図2は従来例に係るパンチ型と本発明の実施の形態1に係るパンチ型における被加工板の曲げモーメント分布の相違を示す説明図であり、図(a)は従来例に係るパンチ型の場合を、図(b)は本発明の実施の形態1に係るパンチ型の場合を示す。
図1において、本発明の実施の形態1に係る曲げ加工用パンチ型1は、パンチ中心Pの両側に配置された2つの加工点1a,1bを有する雄型である。ここで、「加工点」とは、このパンチ型1により被加工板Wを圧下して曲げ加工する際、前記パンチ型1の長手方向に垂直な断面(即ち、図1に示す側断面)を平面視したとき、前記パンチ型1の先端が非加工板Wに接触するポイントをいう。従って、前記加工点は、実際には符号1a,1bを通り紙面に垂直な直線状の接触線を形成している。一方、雌型2には、前記パンチ型1の先端が挿入可能な様に、側断面がV字状の溝2cが形成されている。
そして、この様なパンチ型1と雌型2のV字状溝2cとが対向する様に配置され、前記パンチ型1の圧下に伴って、被加工板Wに2つの加工点1a,1bが作用し、前記V字状溝2c内に押し込むことにより、雌型2に形成されたV字状溝2cの両端部を支持点2a,2bとして、前記非加工板Wに、曲げ面の片側でδ、両側で2δの曲げ角をなす曲げ加工が施される。曲げの曲率は、前記加工点1a,1b間の距離L1を変えることにより制御可能である。
従って、前記パンチ型1の長手方向に垂直な側断面を平面視したときの加工点をn点とすれば、前記n点の加工点と前記2点の支持点とによって構成される(n+2)点曲げ状態、即ち今、n=2であるから(n+2)=4点曲げ状態で前記被加工板Wが曲げ加工されるのである。前記加工点1a,1bは、パンチ型1の先端において、前記パンチ中心Pに対して等距離をなして形成された突起部であるのが、被加工板Wへの圧下力が均等に作用する点で好ましい。
次に、従来例に係るパンチ型と本発明の実施の形態1に係るパンチ型における曲げ加工時の被加工板の曲げモーメント分布につき、図2を参照しながら比較して説明する。先ず、従来例に係るパンチ型の場合(図(a))は、パンチ型31はパンチ中央Pの突起部を加工点31cとして被加工板Wに接触し、雌型2のV字状溝2c両端の2つの支持点2a,2bと合わせ3点曲げ状態で曲げ加工が進行する。3点曲げを受ける被加工板Wの曲げモーメントは、荷重の作用する加工点31cで最大となり、支持点2a,2bで0となる三角形分布となる。従って、被加工板Wは加工点31c付近で局所的に塑性変形を生じる結果、加工後の形状は加工点で折れ曲がる形状となる。
一方、本発明の実施の形態1に係るパンチ型1においては、被加工板Wは、荷重の作用する2つの加工点1a,1bと2つの支持点2a,2bの4点で曲げられることになる。4点曲げを受ける被加工板Wの曲げモーメントは、加工点1a,1b間で一定の最大モーメント、支持点2a,2bで0となる台形分布となる。従って、被加工板Wの受ける塑性変形は加工点1a,1b間で一定となり、この間で一定の曲率が形成されることが予測される。
次に、本発明の実施の形態1に係る曲げ加工用パンチ型1を用いて、入れ子式箱型ブームを製作する例につき、以下添付図3,4を参照しながら説明する。図3は本発明の実施の形態1に係る入れ子式箱型ブームの側断面図、図4は本発明の実施の形態1に係り、図3の入れ子式箱型ブームの下部材の曲げ加工方法を説明するための側断面の左半分を示す模式的説明図である。
本発明の実施の形態1に係る入れ子型ブームは、鋼板を長手方向に2箇所曲面を有して直角に曲げ加工して形成された上部材3と、別の鋼板を長手方向に大きな半径Rで曲げ加工して形成された下部材4とを開口側で突き合わせ、突き合わせた両端面を溶接接続5a,5bして構成される。本発明の実施の形態1に係る曲げ加工用パンチ型1やこれを用いた曲げ加工方法は、前記上部材3や下部材4の何れにも適用可能であるが、下部材4を曲げ加工する場合を例に以下説明する。
図4に示す下部材4の側断面において、左半分90度の曲げ面を10回の曲げ加工により、また図示しない右半分90度の曲げ面を同様に10回の曲げ加工により、合わせて両側で180度計20回の曲げ加工によって大きな半径Rに近似する曲げ面を形成するためには、1回の加工で9度曲げる必要がある。即ち、下部材4の左半分の曲げ面に略等ピッチで10箇所の曲げ中心4a〜4jを設定し、これらの曲げ中心4a〜4j各々に雌型2の中心とパンチ型1のパンチ中心を図4に示す如く合致させて配置し、各中心一回の曲げ加工で片側の曲げ角δ=4.5度に曲げ加工を施すのである。そして、下部材4の右半分の曲げ加工についても上記と同様に施すことにより、所望とする下部材4の曲げ加工を実施出来る。
但し、前記下部材4の曲げ中心における20回の曲げ加工は、曲げ加工の進行に伴ってパンチ型1と下部材4が干渉しない様に、適宜順序を選択して実施する必要がある。ここで、前記曲げ中心4a〜4jは、等ピッチに設定されるのが下部材4の強度を保持する上で好ましいが、±5%程度の寸法差を有する略等ピッチに設定されても良い。
次に、本発明の実施の形態2に係る曲げ加工用パンチ型及び曲げ加工方法につき、以下添付図5を参照しながら説明する。図5は本発明の実施の形態2に係る曲げ加工用パンチ型を説明するための側断面図である。但し、本発明の実施の形態2が上記実施の形態1と相違するところは、曲げ加工用パンチ型の加工点の数とそれに伴う曲げ加工状態に相違があり、これらの相違以外は上記実施の形態1と全く同構成であるから、上記実施の形態1と同一のものに同一符号を付して、以下その相違する点について説明する。
即ち、上記実施の形態1の曲げ加工用パンチ型1が、図1に示す如く、2つの加工点1a,1bを有しているのに対し、本実施の形態2の曲げ加工用パンチ型11は、図5に示す如く、3つの加工点11a,11b,11cを有している。つまり、本実施の形態2の曲げ加工用パンチ型11は、本発明の実施の形態1の加工点1a,1bに相当する加工点11a,11bに加え、前記実施の形態1のパンチ中心Pに該当する部位にも突起部を設けて加工点11cを形成し、被加工板Wに対して加工点n=3と2点の支持点2a,2bの計(n+2)=5点曲げ状態で加工が進行されるのである。
この様な曲げ加工用パンチ型11においては、曲げ初期段階で、パンチ中心Pの加工点11cが被加工板Wと接触して3点曲げ状態で加工が進行し、接触点近傍の被加工板W内が塑性変形した後、他の2点の加工点11a,11bが前記板Wと接触し始め、5点曲げ状態に移行する。そのため、被加工板Wの受ける曲げモーメントは、曲げ初期段階では、実施の形態1被と同様、2つの加工点1a,1b間では最大曲げモーメント一定かつ塑性変形もこの間では均一となる。
一方、その後5点曲げ状態に移行すると、図示はしないが、加工点11cで最大曲げモーメント、加工点11a,11bで前記最大モーメントより多少低めの曲げモーメントを有し、支持点2a,2bで0となる分布となる。従って、被加工板Wの受ける塑性変形は加工点1a,1b間でほぼ一定となるが加工点11cでは多少塑性変形が大きく、加工点1a,1b間でほぼ一定の曲率が形成されることが予測される。
曲げの出来上がり形状は、3点の加工点11a,11b,11cの位置関係から制御可能である。そのため、本発明の実施の形態1に係る曲げ加工用パンチ型1より、より滑らかな曲面が得られる。また、この様な曲げ加工用パンチ型11では、パンチ型11の加工点11cが被加工板Wと初期に1点(実際には1線)接触するため、本発明の実施の形態1で説明したパンチ型1の如く、初期に2点(実際には2線)接触する場合より安定した加工が可能となる。即ち、前期実施の形態1に係る曲げ加工用パンチ型1においては、2点接触となるため、何らかの誤差により1点のみの接触状態となった場合、左右対称な荷重が被加工板Wに負荷されず、前記被加工材Wが動いてしまう等の不具合がある。
そして更に、本発明に係る曲げ加工用パンチ型は、上記加工点nを、n=3,4,5,・・・と増やして、被加工板Wを(n+2)点曲げ加工することも可能であるが、加工点nを増やし過ぎると全ての加工点を前記被加工板Wに接触させるのが困難になるため、n=5程度が上限である。
以上の通り、本発明の実施の形態に係る曲げ加工用パンチ型によれば、このパンチ型により被加工板へ曲げ加工する際、前記パンチ型の長手方向に垂直な側断面を平面視したときの加工点nが、パンチ中心の両側に配置された2点(n=2)以上、またはこのパンチ中心の両側に配置された2点とパンチ中心とを含む3点(n=3)以上であるので、従来の曲げ加工用パンチ型に比べ、被加工板の受ける塑性変形が前記加工点間で一定またはほぼ一定な曲げ加工用パンチ型を提供し得る。
また、本発明の実施の形態に係る曲げ加工用方法によれば、前記曲げ加工用パンチ型とこのパンチ型に対向する雌型を用い、この雌型の長手方向に垂直な側断面を平面視したとき前記被加工板を支持する支持点を2点とし、前記n点の加工点と前記2点の支持点とによって構成される(n+2)点曲げ状態で前記被加工板を曲げ加工するので、被加工板の受ける塑性変形は前記加工点間で一定またはほぼ一定となり、この間で一定の曲率が形成されるため、粗い曲げピッチで加工しても、製品の座屈強度の高いより滑らかな曲面を有する曲げ加工が可能となる。
次に、本発明の実施の形態1,2に係る曲げ加工用パンチ型を用い、板厚6mmの被加工鋼板をパーシャルベンディング方式により1回当たり9度(即ち、δ=4.5度)曲げて、計20回の曲げにより半径R=350mmに内接する曲面を形成し、図3に示したブームの下部材4を形成する実施例の曲げ加工時の解析結果につき、従来例に係る曲げ加工用パンチ型を用いた場合と比較して、以下添付図6〜10を参照しながら説明する。 尚、雌型2のV字状溝2cによって形成される支持点間の距離L3は全て100mmとした。
図6は本発明の実施例に係り、実施の形態1の曲げ加工用パンチ型(L1=10mm)を用いた場合の被加工板右半分の加工解析結果を示す模式的側断面図、図7は本発明の実施の形態1の曲げ加工用パンチ型(L1=25mm)を用いた場合の被加工板右半分の加工解析結果を示す模式的側断面図、図8は本発明の実施の形態2の曲げ加工用パンチ型(L2=25mm)を用いた場合の被加工板右半分の加工解析結果を示す模式的側断面図、図9は本発明の比較例に係り、従来例の曲げ加工用パンチ型を用いた場合の被加工板右半分の加工解析結果を示す模式的側断面図、図10は実施例と比較例の曲げ加工後の形状の違いを示す図である。
<実施例−1>
先ず、加工点2点及び支持点2点の4点曲げ状態において、被加工板Wを9度(即ち、δ=4.5度)に曲げ加工した実施例−1の加工解析結果を図6により説明する。被加工板W内に生じた塑性変形部分を斜線で示す。即ち、被加工板W内の塑性変形は、2点の加工点1a,1b間及びこれら加工点1a,1b近傍の板Wの表裏面にほぼ均等に分布して生じている。従って、この場合の曲げ加工によって得られた板Wの曲面は、2点の加工点1a,1b間に形成された比較的大きい半径の曲面と、これらの加工点1a,1b近傍の小半径の曲面とで構成される結果となっている。
<実施例−2>
次に、図7は、実施例−2の加工解析結果を示し、実施例−1と同様、4点曲げ状態において被加工板Wを9度曲げ加工したものであるが、加工点間距離L1を実施例−1より大きく取っている点が実施例−1と異なる。被加工板W内の塑性変形部分は、2点の加工点間距離L1を実施例−1より大きく取っている分、被加工板Wの表裏面により広く分布して生じている。従って、この場合の曲げ加工によって得られた被加工板Wの曲面は、2点の加工点1a,1b間に形成された実施例−1より更に大きい半径の曲面と、これらの加工点1a,1b近傍の小半径の曲面とで構成される結果となる。
<実施例−3>
図8は、上記実施例−1,2と異なり、加工点3点及び支持点2点の5点曲げ状態において、被加工板Wを9度曲げ加工した実施例−3の加工解析結果である。本発明の実施の形態2に係るパンチ型11では、加工は前述した様に3点曲げ状態から5点曲げ状態に移行する。このため、加工点11a,11c,11b間の曲面の曲げ半径が小さくなり、前記加工点11a,11c,11b近傍の曲げ半径は大きく変化している。この様に、加工点を2点から3点に増加することによって、更に均一な曲げ形状が得られた。
<比較例−1>
パンチ先端の加工点21cの半径を30mmとした従来例に係るパンチ型21を用いて、3点曲げ成形により被加工板Wを9度(δ=4.5度)曲げ加工した比較例−1の加工解析結果は、図9に示す通りである。被加工板Wは1点の加工点21cにより曲げられるため、塑性変形はこの加工点21c近傍の表裏面のみに集中して生じている。そのため、板Wの曲げも前記加工点21c近傍の小さな曲げ半径で形成されている。
次に、図10において、X−Y座標は、図7〜9に示す如く、パンチ中心P直下の被加工板の板厚中心を原点とし、加工前の被加工板Wの板厚中心右方向にX軸、この被加工板Wに垂直に配置されパンチ型の軸心上方向にY軸を取っている。従って、各X方向位置におけるY方向位置の値は、曲げ加工完了後の板厚中心位置を示している。実施例−1,2の曲げ加工完了後の最終形状を、比較例−1曲げ加工完了後の最終形状と比較してみると、実施例−1,2による曲げ加工は比較例−1の曲げ加工に比べ、より大きな曲げ半径により形成されており、実施例では実施例−2の方が実施例−1より大きな曲げ半径となっていることが分かる。
即ち、前述したように、本発明の実施の形態1に係る曲げ加工用パンチ型の曲げ加工は、4点曲げ加工となるため被加工板W内の塑性変形が加工点間で一定となり、この間で一定の曲げ半径となる形状が得られることが裏付けられた。
以上、本発明に係る曲げ加工用パンチ型によれば、このパンチ型により被加工板へ曲げ加工する際、前記パンチ型の長手方向に垂直な側断面を平面視したときの加工点nが、パンチ中心の両側に配置された2点(n=2)以上、またはこのパンチ中心の両側に配置された2点とパンチ中心とを含む3点(n=3)以上であるので、従来の曲げ加工用パンチ型に比べ、被加工板の受ける塑性変形が前記加工点間で一定またはほぼ一定な曲げ加工用パンチ型を提供し得る。
また、本発明に係る曲げ加工用パンチ型が、クレーン等入れ子式箱型ブームのブーム曲げ加工用パンチ型であり、本発明に係る曲げ加工方法によれば、前記曲げ加工方法が、クレーン等入れ子式箱型ブームのブーム曲げ加工方法であるので、粗い曲げピッチで加工しても、製品の座屈強度の高いより滑らかな曲面を有するクレーン等入れ子式箱型ブームの曲げ加工が可能となる。
一方、本発明に係るクレーン等入れ子式箱型ブームによれば、クレーン等入れ子式箱型ブームを構成する少なくとも下部材が、前記曲げ加工方法を用いて製作されたので、粗い曲げピッチで加工されているにも拘わらず、製品の座屈強度の高いより滑らかな曲面を有するクレーン等入れ子式箱型ブームが得られる。
本発明の実施の形態1に係る曲げ加工用パンチ型を説明するための側断面図を示す。 従来例に係るパンチ型と本発明の実施の形態1に係るパンチ型における被加工板の曲げモーメント分布の相違を示す説明図であり、図(a)は従来例に係るパンチ型の場合を、図(b)は本発明の実施の形態1に係るパンチ型の場合を示す。 本発明の実施の形態1に係る入れ子式箱型ブームの側断面図を示す。 本発明の実施の形態1に係り、図3の入れ子式箱型ブームの下部材の曲げ加工方法を説明するための側断面の左半分を示す模式的説明図である。 本発明の実施の形態2に係る曲げ加工用パンチ型を説明するための側断面図である。 本発明の実施例に係り、実施の形態1の曲げ加工用パンチ型(L1=10mm)を用いた場合の被加工板右半分の加工解析結果を示す模式的側断面図である。 本発明の実施の形態1の曲げ加工用パンチ型(L1=25mm)を用いた場合の被加工板右半分の加工解析結果を示す模式的側断面図である。 本発明の実施の形態2の曲げ加工用パンチ型(L2=25mm)を用いた場合の被加工板右半分の加工解析結果を示す模式的側断面図である。 本発明の比較例に係り、従来例の曲げ加工用パンチ型を用いた場合の被加工板右半分の加工解析結果を示す模式的側断面図である。 実施例と比較例の曲げ加工後の形状の違いを示す図である。 近年主流となりつつある従来例に係るブームの側断面を示す。 パーシャルベンディング方式による曲げ加工を説明するための模式的側断面図である。
符号の説明
P:パンチ中心, R:半径, W:被加工板, δ:片側の曲げ角度,
1,11:曲げ加工用パンチ型(パンチ型),
1a,1b,11a,11b,11c:加工点,
2:雌型, 2a,2b:支持点, 2c:V字状溝,
3:上部材,
4:下部材, 4a〜4j:曲げ中心,
5a,5b:突合せ溶接
21,31:従来例に係る曲げ加工用パンチ型(パンチ型),
21c,31c:従来例に係る加工点

Claims (6)

  1. 板の曲げ加工に用いるパンチ型であって、このパンチ型により被加工板へ曲げ加工する際、前記パンチ型の長手方向に垂直な側断面を平面視したときの加工点nが、パンチ中心の両側に配置された2点(n=2)以上、またはこのパンチ中心の両側に配置された2点とパンチ中心とを含む3点(n=3)以上であることを特徴とする曲げ加工用パンチ型。
  2. 板の曲げ加工方法において、請求項1に記載の曲げ加工用パンチ型とこのパンチ型に対向する雌型を用い、この雌型の長手方向に垂直な側断面を平面視したとき前記被加工板を支持する支持点を2点とし、前記n点の加工点と前記2点の支持点とによって構成される(n+2)点曲げ状態で前記被加工板を曲げ加工することを特徴とする曲げ加工方法。
  3. 板の曲げ加工方法において、前記被加工板の曲げ面に対し略等ピッチで曲げ加工を施して曲げ面を形成することを特徴とする請求項2に記載の曲げ加工方法。
  4. 前記曲げ加工用パンチ型が、クレーン等入れ子式箱型ブームのブーム曲げ加工用パンチ型であることを特徴とする請求項1に記載の曲げ加工用パンチ型。
  5. 前記曲げ加工方法が、クレーン等入れ子式箱型ブームのブーム曲げ加工方法であることを特徴とする請求項2または3に記載の曲げ加工方法。
  6. クレーン等入れ子式箱型ブームを構成する少なくとも下部材が、請求項2または3に記載の曲げ加工方法を用いて製作されたことを特徴とするクレーン等入れ子式箱型ブーム。
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