JP5686704B2 - 分散染料混合物、それを含有する染料組成物及びそれを用いた染色法 - Google Patents

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本発明は分散染料混合物、該染料混合物を含む染料組成物及びそれを用いた合成繊維材料等の染色法に関する。特に、ピロリン系染料とアントラキノン系染料との分散染料混合物、該染料混合物を含有する染料組成物、更に該染料組成物を用いた合成繊維材料又はその混合繊維材料の染色法、及び該染色法により得られる染色物に関する。
従来、合成繊維等の疎水性繊維の染色、合成樹脂の着色において、青〜青緑色、所謂シアン色の染色物又は着色物を得るにはモノアゾ系分散染料、アントラキノン系分散染料、ナフトキノン系分散染料、フタロシアニン系顔料、多環縮合系顔料等が使用されている(例えば、特許文献1〜5参照)が、深い色調、繊維への親和性、樹脂への着色力や樹脂への相容性、染色物又は着色物の耐光性、耐湿潤性、耐溶剤性等の種々の要求に対応し得るものは知られていない。
シアン色に着色するために用いられているアントラキノン系分散染料は、C.I.ディスパースブルー56、C.I.ディスパースブルー60、C.I.ディスパースブルー87、C.I.ディスパースブルー158等である。
特開平6−41461号公報 特開平5−263002号公報 特開平8−209019号公報 特開平11−21465号公報 特表2002−527562号公報
即ち、分散染料を用いた合成繊維材料又はその混合繊維材料の捺染における染料組成物には、十分な濃度の発色を与えること、鮮明にして繊維への親和性に富んでいること、色再現の範囲が広いこと、高堅牢性の染色物の提供が可能であること等が要求されている。しかしながら、従来の分散染料又は分散染料混合物では色相範囲を完全には再現できず、色再現範囲が狭いという問題があった。特にこれらの要求を満足するシアン色の分散染料又は分散染料混合物は未だ知られておらず、現在、シアン色として一般的に用いられているアントラキノン系分散染料又はアントラキノン系分散染料を含有する混合染料では発色性が不十分であり、又、色相が赤みで色再現範囲が狭いという欠点があった。
本発明の目的は、捺染の際に広い色再現範囲、特にブルー〜シアン〜グリーン〜イエローの色相範囲での色再現性に優れる分散染料混合物を提供することにある。
本発明者等は前記の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のピロリン系染料とアントラキノン系染料とを含有してなるシアン色の分散染料混合物を見出し、該染料混合物を含有する染料組成物を用いて染色することにより、ブルー〜シアン〜グリーン〜イエローの色相範囲での色再現性に優れ、且つ、均染性や色相の鮮明性にも優れたシアン色の染色物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下の1)〜12)に関する。
1)下記一般式(1)で表される染料から選ばれる少なくとも1種のピロリン系染料(成分(A))及び下記一般式(2)で表される染料から選ばれる少なくとも1種のアントラキノン系染料(成分(B))を含有する染料混合物。
Figure 0005686704
(式中、R、Rはそれぞれ独立に、無置換の(C1−C6)アルキル基、アリル基、(C1−C6)アルコキシ(C1−C4)アルキル基、フェノキシ(C1−C3)アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、アリール(C1−C3)アルキル基、(C1−C6)アルコキシカルボニル(C1−C3)アルキル基又はフェノキシエトキシカルボニル(C2−C3)アルキル基を示し、Rは置換基を有していてもよいフェニル(C1−C3)アルキル基、(C1−C6)アルコキシカルボニル(C1−C3)アルキル基、フェノキシエトキシカルボニル(C2−C3)アルキル基又はシアノ(C1−C2)アルキル基を示す)
Figure 0005686704
(式中、Rは、(CHORであり、Rは無置換の(C1−C5)アルキル基又は(C1−C6)アルコキシ(C1−C3)アルキル基を示し、nは1〜6を示す)
2)R、Rがそれぞれ独立に、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、アリル基、ベンジル基、フェネチル基又はフェニルプロピル基であり、Rがベンジル基、p−クロロベンジル基、p−ニトロベンジル基又はフェネチル基、シアノメチル基、シアノエチル基である前記1)に記載の染料混合物。
3)Rが(CHORでRがメチル基、エチル基又はメトキシエチル基である前記1)又は2)に記載の染料混合物。
4)染料混合物中の成分(A):成分(B)の質量比が3:97〜50:50の範囲である前記1)〜3)のいずれか1項に記載の染料混合物。
5)染料混合物中の成分(A):成分(B)の質量比が8:92〜35:65の範囲である前記4)に記載の染料混合物。
6)前記1)〜5)のいずれか1項に記載の染料混合物を含有する染料組成物。
7)更に、分散剤及び/又は界面活性剤及び/又は湿潤剤を含有する前記6)に記載の染料組成物。
8)前記6)又は7)に記載の染料組成物を使用することを特徴とする合成繊維材料又はその混合繊維材料の染色法。
9)前記6)又は7)に記載の染料組成物を水性媒体中に分散させた水性分散液を使用することを特徴とする合成繊維材料又はその混合繊維材料の染色法。
10)合成繊維材料又はその混合繊維材料がポリエステル、ポリエステル−セルロース混合繊維材料又はポリエステル−ウール混合繊維材料である前記8)又は9)に記載の染色法。
11)前記8)〜10)のいずれか1項に記載の染色法により得られる合成繊維材料又はその混合繊維材料。
12)前記11)に記載の合成繊維材料又はその混合繊維材料を用いた物品。
本発明の特定の分散染料混合物を使用することを特徴とする染色により、広い色再現範囲、特にブルー〜シアン〜グリーン〜イエローの色相範囲での色再現性に優れ、繊維への親和性、染色物の耐光性、耐湿潤性、耐溶剤性等も優れ、且つ均染性や色相の鮮明性にも優れたシアン色の染色物を提供することができる。
本発明を詳細に説明する。
本発明の染料混合物は、前記一般式(1)(式中、R、Rはそれぞれ独立に、無置換の(C1−C6)アルキル基、アリル基、(C1−C6)アルコキシ(C1−C4)アルキル基、フェノキシ(C1−C3)アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、アリール(C1−C3)アルキル基、(C1−C6)アルコキシカルボニル(C1−C3)アルキル基又はフェノキシエトキシカルボニル(C2−C3)アルキル基を示し、Rは置換基を有していてもよいフェニル(C1−C3)アルキル基、(C1−C6)アルコキシカルボニル(C1−C3)アルキル基、フェノキシエトキシカルボニル(C2−C3)アルキル基又はシアノ(C1−C2)アルキル基を示す)で表される染料から選ばれる少なくとも1種のピロリン系染料(成分(A))及び前記一般式(2)(式中、Rは、(CHORであり、Rは無置換の(C1−C5)アルキル基又は(C1−C6)アルコキシ(C1−C3)アルキル基を示し、nは1〜6を示す)で表される染料から選ばれる少なくとも1種のアントラキノン系染料(成分(B))を含有する。
式(1)におけるR〜Rはそれぞれ独立の置換基である。
、Rにおける無置換の(C1−C6)アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
、Rにおける(C1−C6)アルコキシ(C1−C4)アルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、3−メトキシブチル基、エトキシメチル基、2−エトキシエチル基、3−エトキシプロピル基、プロピルオキシメチル基、2−プロピルオキシエチル基、3−プロピルオキシプロピル基、2−ブトキシエチル基、2−ペントキシエチル基、2−ヘキソキシエチル基等が挙げられる。
、Rにおけるフェノキシ(C1−C3)アルキル基としては、例えば、フェノキシメチル基、フェノキシエチル基、フェノキシプロピル基等が挙げられる。
、Rにおける置換基を有していてもよいフェニル基としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ジメチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、シアノフェニル基等が挙げられる。ここで各置換基の置換位置及び置換数は置換可能であれば特に限定されない。
、Rにおけるアリール(C1−C3)アルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
、Rにおけるアルコキシ(C1−C6)カルボニルアルキル(C1−C3)基としては、例えば、メトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、メトキシカルボニルプロピル基、エトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニルプロピル基、ブトキシカルボニルメチル基、ブトキシカルボニルエチル基、ペントキシカルボニルメチル基、ペントキシカルボニルエチル基、ヘキソキシカルボニルメチル基、ヘキソキシカルボニルエチル基等が挙げられ、フェノキシエトキシカルボニル(C2−C3)アルキル基としては、例えば、フェノキシエトキシカルボニルエチル基又はフェノキシエトキシカルボニルプロピル基等が挙げられる。
中でもR、Rとして好ましくはエチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、アリル基、ベンジル基、フェネチル基又はフェニルプロピル基が挙げられる。
における置換基を有していてもよいフェニル(C1−C3)アルキル基としては、例えば、ベンジル基、クロロベンジル基、ニトロベンジル基、フェネチル基、クロロフェネチル基、ニトロフェネチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。ここで各置換基の置換位置及び置換数は置換可能であれば特に限定されない。
における(C1−C6)アルコキシカルボニル(C1−C3)アルキル基としては、例えば、メトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、メトキシカルボニルプロピル基、エトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニルプロピル基、ブトキシカルボニルメチル基、ブトキシカルボニルエチル基、ペントキシカルボニルメチル基、ペントキシカルボニルエチル基、ヘキソキシカルボニルメチル基又はヘキソキシカルボニルエチル基等が挙げられ、フェノキシエトキシカルボニル(C2−C3)アルキル基としては、例えば、フェノキシエトキシカルボニルエチル基又はフェノキシエトキシカルボニルプロピル基等が挙げられる。
におけるシアノ(C1−C2)アルキル基としては、シアノメチル基又はシアノエチル基が挙げられる。
中でもRとして好ましくはベンジル基、p−クロロベンジル基、p−ニトロベンジル基、フェネチル基、p−クロロフェネチル基、p−ニトロフェネチル基、フェニルプロピル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルプロピル基、ブトキシカルボニルメチル基、フェノキシエトキシカルボニルエチル基、フェノキシエトキシカルボニルプロピル基、シアノメチル基又はシアノエチル基が挙げられ、特に好ましくはベンジル基、p−クロロベンジル基、p−ニトロベンジル基、フェネチル基、シアノメチル基又はシアノエチル基が挙げられる。
本発明の分散染料混合物に含有されるピロリン系染料(成分(A))は、例えば、特公平7−8183号公報記載の方法又はそれを応用して製造することができる。
本発明では一般式(1)で表されるピロリン系染料から複数の染料を選んで使用してもよい。
一般式(2)におけるRは前記のように(CHORであり、Rは無置換の(C1−C5)アルキル基又は(C1−C6)アルコキシ(C1−C3)アルキル基である。ここでRとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、2−メトキシエチル基、エトキシメチル基、2−エトキシエチル基、3−エトキシプロピル基、プロピルオキシメチル基、2−プロピルオキシエチル基、3−プロピルオキシプロピル基、2−ブトキシエチル基、2−ペントキシエチル基又は2−ヘキソキシエチル基等が挙げられる。
中でも好ましくはメチル基、エチル基又は2−メトキシエチル基が挙げられる。
本発明の分散染料混合物に含有されるアントラキノン系染料(成分(B))は、自体公知の方法又はそれを応用して製造することができ、あるいは、市販の染料を使用することもできる。
本発明では一般式(2)で表されるアントラキノン系染料から選ばれる複数の染料を使用してもよい。
本発明の染料混合物中の成分(A):成分(B)の質量比は、3:97〜50:50が好ましく、8:92〜35:65が特に好ましく、10:90〜30:70が殊更好ましい。
本発明の染料組成物にはピロリン系染料とアントラキノン系染料を含有する前記の分散染料混合物を含有する。該染料組成物には分散剤、界面活性剤、湿潤材及び添加剤等から選ばれる化合物を含有していてもよい。
本発明の染料組成物中の分散染料混合物の濃度は特に限定されないが、通常5〜35質量%程度が好ましい。
該分散剤としては、例えば、高分子系スルホン酸のホルマリン縮合物が挙げられ、好ましくは芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物やリグニンスルホン酸のホルマリン縮合物等が挙げられる。なお、該芳香族スルホン酸等において「スルホン酸」と記載した場合でもその塩を含む意味である。
該芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物としては、例えば、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物、クレゾールスルホン酸のホルマリン縮合物、フェノールスルホン酸のホルマリン縮合物、β−ナフトールスルホン酸のホルマリン縮合物、β−ナフタリンスルホン酸とβ−ナフトールスルホン酸のホルマリン縮合物、クレゾールスルホン酸と2−ナフトール−6−スルホン酸のホルマリン縮合物等が挙げられる。
これらの中で該分散剤として好ましくは、例えば、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸のホルマリン縮合物等が挙げられる。
前記のように、これらの縮合物はいずれもナトリウム塩等の塩であってもよい。
これらの分散剤は市販品として入手することもでき、芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物としては、例えば、デモールTRMN(商品名、花王(株)製)、デモールTRMC(商品名、花王(株)製)、特殊芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物である"デモールTRM SNB(商品名、花王(株)製)等が挙げられる。
本発明の染料組成物中に分散剤を含む場合、その分散剤の濃度は通常5〜35質量%程度が好ましい。
該界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類等のノニオン界面活性剤が挙げられ、該湿潤剤としては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチルセロソルブ、グリセリン等が挙げられる。
又、本発明の染料組成物の使用目的等により該添加剤を含んでいてもよく、前記の分散染料混合物と他の成分との混合の際に共存させて一緒に混合しても、前記の染料組成物の水性分散液に添加して調製してもよい。
該添加剤としては防腐・防黴剤、pH調整剤、高分子担体等が挙げられ、該防腐・防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピリジンチオン−1−オキシド、ジンクピリジンチオン−1−オキシド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩等が、該pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の有機アミン類等が、該高分子担体としては、例えば、ポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明の染料組成物はピロリン系染料とアントラキノン系染料を微粒子化しながら若しくは微粒子化した後に分散剤等の他の成分と適宜撹拌混合して製造されるが、この製造法に限定されるものではない。又、水性媒体に分散してスラリーとしてもよい。更に、水希釈による濃度調整等を行い、必要に応じて濾過してもよい。
分散剤を用いて水性分散液として使用する場合、該水性分散液中の分散染料混合物の濃度は、通常0.3〜35質量%程度、好ましくは1〜30質量%程度、特に好ましくは3〜25質量%程度であり、分散剤の濃度は通常1〜35質量%程度、好ましくは2〜30質量%程度、より好ましくは3〜25質量%程度である。
前記の染料を微粒子化しながら他の成分と混合する方法としては、自体公知のサンドミル(ビーズミル)、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等を用いる撹拌混合法を挙げることができる。これらの中でもサンドミル(ビーズミル)の使用が好ましい。サンドミル(ビーズミル)による該染料の粉砕においては、径の小さいビーズを使用し、ビーズの充填率を大きくすること等によって粉砕効率を高めた条件で処理するのが特に好ましい。粉砕処理後に通常の方法、例えば、濾過、遠心分離等でビーズ等を除去すればよい。
なお、分散剤の中には発泡性を有するものもあるので、粉砕効率を高めるために粉砕時の泡立ち性をできるだけ抑えた粉砕条件とするのが好ましく、場合によってはシリコーン系、アセチレンアルコール系等の消泡剤等を粉砕時に極微量添加使用してもよい。
こうして得られる本発明の染料組成物中の分散染料混合物の粒径は、粒度分布計による測定で通常50〜150nm程度が好ましい。
本発明の染料組成物は合成繊維材料又はその混合繊維材料の染色に使用することができ、又、該染料組成物を水性媒体中に分散させた水性分散液も合成繊維材料又はその混合繊維材料の染色に使用することができ、それらの染色法も本発明に含まれる。
該合成繊維材料としては、例えば、ポリエステル、ナイロン、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維、ポリアミド繊維等が挙げられ、該混合繊維材料としては、これらの繊維を2種以上用いた混紡品や、これらの繊維とレーヨン等の再生繊維あるいはセルロース(木綿等)、絹、羊毛等の天然繊維との混紡品が挙げられる。好ましくはポリエステル、ポリエステル−セルロース混合繊維材料又はポリエステル−ウール混合繊維材料が挙げられる。合成繊維材料又はその混合繊維材料はフィラメント、ばら毛、糸又は織物又は編み物構造の形であってもよい。
本発明の染料組成物を使用する染色法には多様な態様があるが、一般的な染色法について更に説明する。
本発明の染料組成物の水性分散液を用いて染色する場合には、通常、繊維材料を浸漬し加圧下100℃以上、好ましくは110℃〜140℃で行う。又、o−フェニルフェノールやトリクロロベンゼン等のキャリヤーの存在下で比較的高温、例えば、95〜100℃で染色することもできる。あるいは、染料分散液を布にパディングし、150〜230℃、30秒〜1分間の乾熱処理を施す所謂サーモゾル方式での染色も可能である。加えて、本発明の染料組成物を天然糊剤(例えば、ローカストビーンガム、グアーガム等)、加工糊剤(例えば、カルボキシメチルセルロース等の繊維素誘導体、加工ローカストビーンガム等)、合成糊剤(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニル酢酸等)等とともに捺染糊を調製し、布に印捺した後、スチーミング又はサーモゾル処理して染色を行なってもよい。スチーミングは高温スチーマーで通常170〜180℃、通常10分程度の処理、又は、高圧スチーマーで通常120〜130℃、通常20分程度の処理で染着させることができる(湿熱固着)。
染着後にはそれ自体公知の方法である、例えば、アルカリ還元洗浄やソーピング処理等で繊維表面の未染着染料を洗い落とすことが、繊維に染着した染料の堅牢性の点から好ましい。
本発明の分散染料混合物を用いる染色法により、ブルー〜シアン〜グリーン〜イエローの色相範囲での色再現性に優れ、且つ、均染性や色相の鮮明性にも優れた染色物が得られる。本発明にはこの染色物である合成繊維材料又はその混合繊維材料も含まれ、更に、該染色物を用いた物品も含まれる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。実施例において特に断りがない限り、部は質量部を、%は質量%をそれぞれ意味する。
合成例1
Figure 0005686704
(i)イソプロピルアルコール600mlと28%ナトリウムメトキシド・メタノール溶液(260.51g、1.35mol)を加え、マロノニトリル(200.2g、3.00mol)を40℃以下で滴下し、75〜79℃で還流させて1時間反応した。マロノニトリルが消費されていることを確認した後、30℃まで冷却し、28%ナトリウムメトキシド・メタノール溶液(347.29g、1.80mol)を15〜30℃で滴下し、15〜25℃で15分攪拌した。次いでシュウ酸ジエチル(263.0g、1.80mol)を15〜25℃で滴下し、同温度で2時間反応させ、73℃まで昇温して73〜75℃で1時間加熱攪拌した。その後、25℃まで冷却して15〜25℃で1時間攪拌した。析出した黄色の結晶を濾別後、イソプロピルアルコールで洗浄し乾燥して上記化合物(3)(349.0g、収率99%)を得た。
Figure 0005686704
(ii)(i)で得られた化合物(3)(253.1g、1.10mol)をN,N−ジメチルホルムアミド1100mlに溶解し、塩化チオニル(654.3g、5.50mol)を氷冷下0〜5℃にて2時間を要して滴下する。更に、0〜5℃にて2時間反応させた後、0〜5℃に保ちながらN,N−ジブチルアニリン(248.5g、1.21mol)とN,N−ジメチルホルムアミド230mlからなる溶液を、30分を要して滴下した。0〜5℃にて3時間反応させて緑青色の反応液を得た。次いで70%メタノール水溶液2200gを0〜10℃にて1時間を要して滴下し、更に5〜10℃にて1時間攪拌し得られた暗緑色結晶を濾別した。メタノール4170mlで洗浄し、更に水洗、湯洗し、乾燥して上記の化合物(4)(252.2g、収率58%)を得た。
Figure 0005686704
(iii)(ii)で得られた化合物(4)(7.5g、0.02mol)をN,N−ジメチルホルムアミド42mlに溶解させ、次いで炭酸カリウム(1.7g、0.01mol)を加え、55〜60℃に加熱しベンジルブロマイド(5.8g、0.03mol)を同温度で30分を要して滴下した。同温度にて1時間反応させ、反応を完結させた。次いでメタノール76mlを氷冷下0〜5℃にて30分を要して滴下し、0〜5℃にて1時間攪拌して暗緑色結晶を析出させた。析出した粗結晶を濾別し、メタノール76mlで洗浄し、次いで水洗、乾燥して上記の化合物(5)(8.8g、収率95%)を暗緑色結晶(最大吸収波長:640nm(アセトン溶液中))として得た。
合成例2
Figure 0005686704
合成例1の(ii)で得られた化合物(4)(7.5g、0.02mol)をN,N−ジメチルホルムアミド42mlに溶解させ、次いで炭酸カリウム(2.5g、0.018mol)を加えて55〜60℃に加熱し、2−ブロモエチルベンゼン(17.0g、0.09mol)を同温度で30分を要して滴下した。同温度にて10時間反応させ、反応を完結させた後、メタノール76mlを氷冷下0〜5℃にて30分を要して滴下し、0〜5℃にて1時間攪拌して暗緑色結晶を析出させた。析出した粗結晶を濾別し、メタノール76mlで洗浄し、次いで水洗、乾燥して上記の化合物(6)(8.3g、収率87%)を暗緑色結晶(最大吸収波長:637nm(アセトン溶液中))として得た。
実施例1、2
下記表1又は表2に示す組成割合で各成分を、0.2mm径ガラスビーズを用いるサンドミルにて、水冷下で約15時間分散処理を行い、分散処理終了後、該分散液をガラス繊維ろ紙GC−50(東洋濾紙(株)製)にて濾過し、粗大粒子を除去した。次いで得られた分散液を乾燥して微粒子染料を得た。
なお、C.I.Disperse Blue 60は一般式(2)(Rが(CHOCH)で表されるアントラキノン系染料である。
[表1]
化合物(5)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7.5部
C.I.Disperse Blue 60・・・・・17.5部
ラベリンWRTM・・・・・・・・・・・・・・・・・15.0部
NIKKOL RTM BPS−30・・・・・・・・・6.0部
10%サーフィノールRTM104PG・・・・・・・・0.6部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53.4部
[表2]
化合物(6)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7.5部
C.I.Disperse Blue 60・・・・・17.5部
ラベリンWRTM・・・・・・・・・・・・・・・・・15.0部
NIKKOL RTM BPS−30・・・・・・・・・6.0部
10%サーフィノールRTM104PG・・・・・・・・0.6部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53.4部
ラベリンWRTM:第一工業製薬社製、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物粉末(該縮合物粉末15部のイオン交換水40%水溶液として使用)
NIKKOL RTM BPS−30:日光ケミカルズ社製、フィトステロールのエチレンオキシド(繰り返し数30)付加物
10%サーフィノールRTM104PG:エアープロダクツ社製、アセチレンアルコール系消泡剤のプロピレングリコール10%溶液
実施例3
実施例1で得られた微粒子化染料3部、カルボキシメチルセルロース系糊剤(第一工業製薬(株)製、セロゲンPR)5.6部、糊剤(AVEBE社製、ソルビトーゼC−5)4.5部、塩素酸ソーダ0.5部、クエン酸0.3部、均染・消泡助剤(横浜ポリマー研究所製、インプルーバー880)2部、湯83.0部の組成からなる色糊を調製した。この色糊をポリエステル繊維(トロピカルPET、縦40cm×横14cm)上に印捺し、80℃にて乾燥後、175℃で8分間の加熱蒸気によるスチーミングを行った。次いで水洗、湯洗、還元洗浄し、更に水洗、乾燥を行った。色糊を印捺した部分がシアン色に発色した染色物を得た。なお、還元洗浄はハイドロサルファイト2g/L、苛性ソーダ2g/L、界面活性剤1g/Lの水溶液を調製し、80℃に加温した後、染布を加えて20分間処理により行った。得られた染色物は均染性や色相の鮮明性が優れていた。
実施例4
実施例2で得られた微粒子化染料を用いて、実施例3と同様に色糊を調製し、染色を行い、色糊を印捺した部分がシアン色に発色した染色物を得た。この染色物は均染性や色相の鮮明性が優れていた。
参考例1
下記の表3に示す組成割合で各成分を使用し、実施例1と同様に微粒子染料を得た。得られた微粒子化染料を用いて実施例3と同様に色糊を調製し、染色を行い、染色物を得た。
[表3]
C.I.Disperse Red 152・・・・・25.0部
ラベリンWRTM・・・・・・・・・・・・・・・・・15.0部
NIKKOL RTM BPS−30・・・・・・・・・6.0部
10%サーフィノールRTM104PG・・・・・・・・0.6部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53.4部
参考例2
下記の表4に示す組成割合で各成分を使用し、実施例1と同様に微粒子染料を得た。得られた微粒子化染料を用いて実施例3と同様に色糊を調製し、染色を行い、染色物を得た。
[表4]
C.I.Disperse Yellow 114・・25.0部
ラベリンWRTM・・・・・・・・・・・・・・・・・15.0部
NIKKOL RTM BPS−30・・・・・・・・・6.0部
10%サーフィノールRTM104PG・・・・・・・・0.6部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53.4部
実施例5 バイオレット色の染布の作成(1)
実施例1で得られた微粒子化染料(シアン):参考例1で得られた微粒子化染料(マゼンタ)をOD比率1:1で配合した微粒子化染料3部、カルボキシメチルセルロース系糊剤(第一工業製薬(株)製、セロゲンPR)5.6部、糊剤(AVEBE社製、ソルビトーゼC−5)4.5部、塩素酸ソーダ0.5部、クエン酸0.3部、均染・消泡助剤(横浜ポリマー研究所製、インプルーバー880)2部、湯83.0部の組成からなる色糊を調製した。この色糊を用いて、実施例3と同様に染色を行い、バイオレット色の染色物を得た。
実施例6 バイオレット色の染布の作成(2)
実施例2で得られた微粒子化染料(シアン):参考例1で得られた微粒子化染料(マゼンタ)をOD比率1:1で配合した微粒子化染料を用い実施例5と同様に色糊を調製し、染色を行い、バイオレット色の染色物を得た。
実施例7 グリーン色の染布の作成(1)
実施例1で得られた微粒子化染料(シアン):参考例2で得られた微粒子化染料(イエロー)をOD比率7:3で配合した微粒子化染料3部、カルボキシメチルセルロース系糊剤(第一工業製薬(株)製、セロゲンPR)5.6部、糊剤(AVEBE社製、ソルビトーゼC−5)4.5部、塩素酸ソーダ0.5部、クエン酸0.3部、均染・消泡助剤(横浜ポリマー研究所製、インプルーバー880)2部、湯83.0部の組成からなる色糊を調製した。この色糊を用いて、実施例3と同様に染色を行い、グリーン色の染色物を得た。
実施例8 グリーン色の染布の作成(2)
実施例2で得られた微粒子化染料(シアン):参考例2で得られた微粒子化染料(イエロー)をOD比率7:3で配合した微粒子化染料を用い実施例7と同様に色糊を調製し、染色を行い、グリーン色の染色物を得た。
比較例1
下記表5に示す組成割合で各成分を用いて、実施例1と同様に微粒子染料を得た。得られた微粒子化染料を用いて実施例3と同様に色糊を調製し、染色を行い、染色物を得た。
[表5]
C.I.Disperse Blue 60・・・・・25.0部
ラベリンWRTM・・・・・・・・・・・・・・・・・15.0部
NIKKOL RTM BPS−30・・・・・・・・・6.0部
10%サーフィノールRTM104PG・・・・・・・・0.6部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53.4部
比較例2
Figure 0005686704
(i)アニリン(242.7g、2.6mol)と2−ブロモブタン(416.6g、3.0mol)をN,N−ジメチルホルムアミド158mlに溶解し、次いで炭酸カリウム(518.7g、3.8mol)を加えて107〜110℃で8時間加熱攪拌した。その後、室温に戻して反応液を濾過し、ろ液を減圧蒸留して上記の化合物(7)(249.8g、収率64%)を得た。得られた化合物(7)(135.1g、0.91mol)と1−ヨードブタン(316.4g、1.72mol)をN,N−ジメチルホルムアミド217mlに溶解し、次いで炭酸カリウム(250.1g、1.81mol)を加えて107〜110℃で8時間加熱攪拌した。その後、室温に戻して反応液を濾過し、ろ液を減圧蒸留して上記の化合物(8)(156.9g、収率84%)を得た。
Figure 0005686704
(ii)合成例1で得られた化合物(3)(34.3g、0.15mol)をN,N−ジメチルホルムアミド155mlに溶解し、塩化チオニル(86.8g、0.73mol)を氷冷下0〜5℃にて2時間を要して滴下する。0〜5℃にて2時間反応させた後、前記(i)で得られた化合物(8)(32.9g、0.16mol)とN,N−ジメチルホルムアミド25mlからなる溶液を0〜5℃に保ちながら30分を要して滴下した。更に、0〜5℃にて3時間反応させて緑青色の反応液を得た。次いで70%メタノール水溶液290gを0〜10℃にて1時間を要して滴下し、5〜10℃にて1時間攪拌し、得られた粗結晶を濾別した。メタノール280mlで洗浄し、更に水洗、湯洗し、乾燥して上記の化合物(9)(29.6g、収率54%)の暗緑色結晶(最大吸収波長:623nm(アセトン溶液中))を得た。
下記表6に示す組成割合で各成分を用いて実施例1と同様に微粒子染料を得た。
[表6]
化合物(9)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7.5部
C.I.Disperse Blue 60・・・・・17.5部
ラベリンWRTM・・・・・・・・・・・・・・・・・15.0部
NIKKOL RTM BPS−30・・・・・・・・・6.0部
10%サーフィノールRTM104PG・・・・・・・・0.6部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53.4部
比較例3 バイオレット色の染布の作成(3)
比較例1で得られた微粒子化染料(シアン):参考例1で得られた微粒子化染料(マゼンタ)をOD比率1:1で配合した微粒子化染料4部、カルボキシメチルセルロース系糊剤(第一工業製薬(株)製、セロゲンPR)5.6部、糊剤(AVEBE社製、ソルビトーゼC−5)4.5部、塩素酸ソーダ0.5部、クエン酸0.3部、均染・消泡助剤(横浜ポリマー研究所製、インプルーバー880)2部、湯82.0部の組成からなる色糊を調製した。この色糊を用いて、実施例3と同様に染色を行い、染色物を得た。
比較例4 バイオレット色の染布の作成(4)
比較例2で得られた微粒子化染料(シアン):参考例1で得られた微粒子化染料(マゼンタ)をOD比率1:1ので配合した微粒子化染料2.9部、カルボキシメチルセルロース系糊剤(第一工業製薬(株)製、セロゲンPR)5.6部、糊剤(AVEBE社製、ソルビトーゼC−5)4.5部、塩素酸ソーダ0.5部、クエン酸0.3部、均染・消泡助剤(横浜ポリマー研究所製、インプルーバー880)2部、湯83.1部の組成からなる色糊を調製し、実施例3と同様に染色を行い、バイオレット色の染色物を得た。
比較例5 グリーン色の染布の作成(3)
比較例1で得られた微粒子化染料(シアン):参考例2で得られた微粒子化染料(イエロー)をOD比率7:3で配合した微粒子化染料4部、カルボキシメチルセルロース系糊剤(第一工業製薬(株)製、セロゲンPR)5.6部、糊剤(AVEBE社製、ソルビトーゼC−5)4.5部、塩素酸ソーダ0.5部、クエン酸0.3部、均染・消泡助剤(横浜ポリマー研究所製、インプルーバー880)2部、湯82.0部の組成からなる色糊を調製した。この色糊を用いて、実施例3と同様に染色を行い、グリーン色の染色物を得た。
比較例6 グリーン色の染布の作成(4)
比較例2で得られた微粒子化染料(シアン):参考例2で得られた微粒子化染料(イエロー)をOD比率7:3で配合した微粒子化染料2.9部、カルボキシメチルセルロース系糊剤(第一工業製薬(株)製、セロゲンPR)5.6部、糊剤(AVEBE社製、ソルビトーゼC−5)4.5部、塩素酸ソーダ0.5部、クエン酸0.3部、均染・消泡助剤(横浜ポリマー研究所製、インプルーバー880)2部、湯83.1部の組成からなる色糊を調製し、実施例3と同様に染色を行い、グリーン色の染色物を得た。
試験例 各染布の色相評価
実施例3〜8及び比較例1〜6で得られた各試験染布の色相について評価を行った。色相評価は、GRETAG−MACBETH社製の測色機SpectroEye(商品名)を用いて各染布を測色しa、bを測定して行った。バイオレットに関してはbの値が小さいほど、グリーンに関してはaの値が小さいほど色再現範囲が広くなり、優れた値である。結果を下記表7に示す。
[表7] 試験結果
Figure 0005686704
以上の結果から明らかなように、アントラキノン系染料のみである比較例1及び一般式(1)に含まれないピロリン系染料とアントラキノン系染料との混合染料である比較例2は、色相が赤みであり、求められるシアンの色相から外れている。本発明の一般式(1)で表されるピロリン系染料と一般式(2)で表されるアントラキノン系染料との混合染料から得られた染布は理想的なシアン色の深い色調を呈しており、又、鮮明性及び発色性も優れている。
更に、本発明の混合染料とマゼンタあるいはイエローとの配合染料は、比較例1又は比較例2の染料を用いた配合染料と比べてその染布の色再現範囲が広く、且つ、均染性や色相の鮮明性が優れており十分に実用に供し得るものである。

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)で表される染料から選ばれる少なくとも1種のピロリン系染料(成分(A))及び下記一般式(2)で表される染料から選ばれる少なくとも1種のアントラキノン系染料(成分(B))を含有する染料混合物。
    Figure 0005686704
    (式中、R、Rはそれぞれ独立に、無置換の(C1−C6)アルキル基、アリル基、(C1−C6)アルコキシ(C1−C4)アルキル基、フェノキシ(C1−C3)アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、アリール(C1−C3)アルキル基、(C1−C6)アルコキシカルボニル(C1−C3)アルキル基又はフェノキシエトキシカルボニル(C2−C3)アルキル基を示し、Rは置換基を有していてもよいフェニル(C1−C3)アルキル基、(C1−C6)アルコキシカルボニル(C1−C3)アルキル基、フェノキシエトキシカルボニル(C2−C3)アルキル基又はシアノ(C1−C2)アルキル基を示す)
    Figure 0005686704
    (式中、Rは、(CHORであり、Rは無置換の(C1−C5)アルキル基又は(C1−C6)アルコキシ(C1−C3)アルキル基を示し、nは1〜6を示す)
  2. 、Rがそれぞれ独立に、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、アリル基、ベンジル基、フェネチル基又はフェニルプロピル基であり、Rがベンジル基、p−クロロベンジル基、p−ニトロベンジル基又はフェネチル基、シアノメチル基、シアノエチル基である請求項1に記載の染料混合物。
  3. が(CHORでRがメチル基、エチル基又はメトキシエチル基である請求項1又は2に記載の染料混合物。
  4. 染料混合物中の成分(A):成分(B)の質量比が3:97〜50:50の範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載の染料混合物。
  5. 染料混合物中の成分(A):成分(B)の質量比が8:92〜35:65の範囲である請求項4に記載の染料混合物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の染料混合物を含有する染料組成物。
  7. 更に、分散剤及び/又は界面活性剤及び/又は湿潤剤を含有する請求項6に記載の染料組成物。
  8. 請求項6又は7に記載の染料組成物を使用することを特徴とする合成繊維材料又はその混合繊維材料の染色法。
  9. 請求項6又は7に記載の染料組成物を水性媒体中に分散させた水性分散液を使用することを特徴とする合成繊維材料又はその混合繊維材料の染色法。
  10. 合成繊維材料又はその混合繊維材料がポリエステル、ポリエステル−セルロース混合繊維材料又はポリエステル−ウール混合繊維材料である請求項8又は9に記載の染色法。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項に記載の染色法により得られる合成繊維材料又はその混合繊維材料。
  12. 請求項11に記載の合成繊維材料又はその混合繊維材料を用いた物品。
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