JP5685921B2 - 情報提供装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ユーザが実施すべき行動の情報を提供する情報提供装置に関する。
健康増進及び改善を目的として、所定のメニューに従って運動や食事制限を行う人は多い。例えば、健康指導を行う保健師は、対象者の健康状況に応じて、健康改善のためのメニューを提示する。そして、提示されたメニューを対象者が実行することにより、健康増進及び改善を図ることが行われている。
また、コンピュータが、健康に関するメニューを作成し、更新する技術が存在する(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1では、ユーザのトレーニング状況に応じた無理のないトレーニングメニューをコンピュータにより処方する。このとき、コンピュータは、トレーニングメニューを実施した時間や負荷量に応じて、次のトレーニングメニューを作成する。
特開平8−52244号公報
しかしながら、ある目的のために、対象者が提示されたメニューを実行したとしても、体質的に合わない場合、生活習慣に合わない場合等があるため、必ずしも対象者にとって効果的でないこともある。
本願は、上記の課題を解決するため、同一の目的を達成する複数のメニュー(行動計画)から、対象者にとって効果的な可能性が高いメニューを抽出して、新たなメニューを提示する情報提供装置を提供することを目的とする。
本願に開示する情報提供装置は、ユーザが実施すべき行動を示す行動情報、前記行動が栄養の摂取に関する行動であるか、若しくは運動に関する行動であるかを示す区分、又は、行動の場所、行動の頻度、若しくは行動の時間帯を示す区分に基づいた行動の属性を示す属性情報、及び前記行動の実施に対して想定する効果を示す効果情報を関連付けて複数組記憶する記憶部と、該記憶部に行動情報が記憶されている行動のうちの1又は複数の行動をユーザが実施することによって得られた効果の情報を取得する取得部と、該取得部が取得した効果の情報と前記ユーザが実施した行動の行動情報に関連付けて記憶してある効果情報とを比較し、前記ユーザが実施した行動により得られた効果が該行動について想定してある効果より小さい場合、該行動に代えて実施すべき行動を、前記記憶部に行動情報が記憶されている行動のうち、前記ユーザが実施した行動とは異なる行動であって、前記ユーザが実施した行動についての属性と同一の属性を有する行動を選択する選択部と、該選択部が選択した行動の行動情報を提供する情報提供部とを備えることを特徴とする。
本願によれば、同一の目的を達成する複数のメニュー(行動計画)から、対象者にとって効果的な可能性が高いメニューを抽出して、新たなメニューを提示することができる。
本実施の形態に係る情報提供システムの全体構成を示す模式図である。 情報提供装置のハードウェア構成を示す模式図である。 情報提供装置の機能的構成を示す模式図である。 行動計画の作成手順の概略を示すフローチャートである。 生活習慣に関する質問の一例を示す図である。 栄養行動分類テーブルの一例を示す図である。 運動行動分類テーブルの一例を示す図である。 行動計画の区分を説明する説明図である。 行動区分テーブルの一例を示す図である。 行動計画選定テーブルの一例を示す図である。 行動計画の再設定処理の処理手順を説明するフローチャートである。 効果テーブルの一例を示す図である。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本実施の形態に係る情報提供システムの全体構成を示す模式図である。本実施の形態に係る情報提供システムは、インターネットなどの通信ネットワーク5を介して通信可能に接続された情報提供装置10及び端末装置20を備える。
情報提供装置10は、例えば、健康指導や生活習慣指導を行う公的又は民間の保健機関、健康管理センタ、病院等により設置されるコンピュータ、サーバ等の情報処理装置である。情報提供装置10は、ユーザから得られる生活習慣の情報を基に健康増進や健康改善のための行動計画を作成し、作成した行動計画の情報をユーザが使用する端末装置20へ提供する。
端末装置20は、パーソナルコンピュータ、携帯型情報端末などの装置であり、情報の入力を受付ける手段、通信ネットワーク5を介して情報を送受信する手段、情報を表示する手段等を備える。ユーザは、端末装置20を利用して、情報提供装置10から送信される生活習慣に関する質問に回答し、この回答を基に情報提供装置10にて作成される行動計画の情報を取得する。ユーザは、取得した行動計画の情報に沿って健康増進及び改善のための行動を実施し、行動計画に対する自己評価、及び行動によって得られた効果の計測を適宜行う。ユーザは、自己評価の結果及び計測した効果を、端末装置20を利用して情報提供装置10に通知する。
情報提供装置10は、ユーザによる自己評価の結果及び行動計画により得られた効果を基に行動計画の見直しを行う。そして、ユーザが行動計画に沿って行動を実施していると自覚しているにも関わらず、情報提供者側で予め想定していた効果が得られていない場合、情報提供装置10は、効果が得られていない行動計画を、より効果が高く、変更前と同一の属性を有する行動計画に変更し、新たな行動計画として端末装置20に提供する。
図2は情報提供装置10のハードウェア構成を示す模式図である。情報提供装置10は、CPU101、ROM102、RAM103、通信インタフェース104、ハードディスクドライブ105、光ディスクドライブ106、キーボード107、及びディスプレイ108を備える。
ROM102には、上述したハードウェア各部の動作を制御するために必要なコンピュータプログラムが予め格納されている。また、ハードディスク105Dには、本願の情報提供方法を実現するためのコンピュータプログラムが予め格納されている。
CPU101は、適宜のタイミングでROM102又はハードディスク105Dに格納されているコンピュータプログラムをRAM103上に読み出し、実行することにより、上述したハードウェア各部の動作を制御し、情報提供装置10を本願の情報提供方法を実現する装置として動作させる。
RAM103は、例えば、DRAM(Dynamic RAM)、SRAM(Static RAM)、フラッシュメモリなどであり、CPU101によるコンピュータプログラムの実行時に発生する種々のデータ(例えば、演算結果、選択結果、各種パラメータ)を一時的に記憶する。
通信インタフェース104は、通信ネットワーク5を介して、ユーザの端末装置20と通信を行う。
ハードディスクドライブ105は、ハードディスク105Dに対してデータの書き込み、及びハードディスク105Dからのデータの読み出しを制御する。ハードディスクドライブ105は、キーボード107を通じて受付けた情報、通信インタフェース104にて受信した情報、光ディスクドライブ106により光ディスク106Dから読み出された情報等をハードディスク105Dに書き込むことにより、ハードディスク105Dに各種情報を記憶させる。
光ディスクドライブ106は、光ディスク106Dに対してデータの書き込み、及び光ディスク106Dに記録されたデータの読み出しを制御する。なお、本実施の形態では、本願の情報提供方法を実現するためのコンピュータプログラムがハードディスク105Dに記憶されているものとしたが、光ディスク106Dに記録された状態で提供されるものであってもよい。
キーボード107は、情報提供者側(例えば、システム管理者、栄養士など)による操作及び文字入力を受付ける。ディスプレイ108は、情報提供者側に報知すべき情報を表示する。
なお、情報提供装置10が通信ネットワーク5を介して遠隔操作が可能である場合には、光ディスクドライブ106、キーボード107、ディスプレイ108等が省略されていてもよい。
図3は情報提供装置10の機能的構成を示す模式図である。情報提供装置10は、記憶部11、取得部12、選択部13、及び情報提供部14を備える。
情報提供装置10は、ROM102又はハードディスク105Dに格納されたコンピュータプログラムをCPU101に実行させ、図2に示したハードウェア各部を制御することにより、記憶部11、取得部12、選択部13、及び情報提供部14による各機能を実現する。
記憶部11は、情報提供を受けるユーザに提示する行動計画の情報を記憶する。後述するように、記憶部11は、行動計画の種類、行動計画の属性、各行動について情報提供者側が想定している効果の情報等を記憶しておくための各種テーブル11A〜11Eを備える。
取得部12は、行動計画を作成するにあたり、必要な情報を通信ネットワーク5を通じてユーザの端末装置20から取得する。例えば、生活習慣に関する質問に対するユーザの回答、行動計画の実施に対するユーザの自己評価、ユーザによって計測された効果等の情報を取得する。
選択部13は、取得部12で取得した情報に基づいて、ユーザに提供すべき行動計画の情報を選択する。例えば、情報提供対象の新規のユーザが存在する場合、このユーザに生活習慣に関する質問を行い、取得部12で取得した回答を基にして、ユーザが実施すべき行動計画の情報を、記憶部11に記憶してある行動計画の情報から選択する。
また、ユーザが行動計画に沿って行動を実施していると自覚しているにも関わらず、予め想定していた効果が得られていない場合、選択部13は、効果が得られていない行動計画を、より効果が高く、変更前と同一の属性を有する行動計画に変更するために、記憶部11から行動計画の情報を選択する。
情報提供部14は、選択部13で選択した行動計画の情報をユーザに提供する。具体的には、選択部13で選択した行動計画の情報を、通信ネットワーク5を介して該当するユーザの端末装置20へ送信する。
以下、情報提供装置10が実行する処理内容について説明する。情報提供装置10は情報提供対象の新規のユーザに対し、推奨する行動計画をユーザ毎に作成する。図4は行動計画の作成手順の概略を示すフローチャートである。ユーザの行動計画を新たに作成するために、情報提供装置10は、生活習慣に関する質問のリストをユーザの端末装置20へ送信する(ステップS1)。図5は生活習慣に関する質問の一例を示す図である。情報提供装置10が送信する質問のリストには、図5に示すように、「朝食や昼食に野菜をほとんど食べません」、「食後でも好きなものを見ると、食べてしまいます」、「移動はほとんど車を使います」等の食生活及び運動に関する40問程度の質問が含まれる。情報提供装置10は、このような質問のリストを例えばスプレッドシート形式のデータとして用意しておき、通信ネットワーク5を通じてユーザの端末装置20へ送信する。
ユーザは、端末装置20にて受信した質問のリストに対して回答を行う。回答は、例えば、「まったくその通りだと思う」、「そう思う」、「あまり思わない」、「まったく思わない」の4段階で行う。端末装置20は、ユーザによって記入された回答(スプレッドシート形式のデータ)を情報提供装置10へ返信する。
情報提供装置10は、端末装置20から返信される回答を受信し(ステップS2)、その回答を基にユーザの生活習慣をタイプ別に分類する(ステップS3)。このとき、情報提供装置10は、図6に一例を示すような栄養行動分類テーブル11A、図7に一例を示すような運動行動分類テーブル11Bを用いて分類を行う。図6に示す栄養行動分類テーブル11Aは、食生活に関するタイプ別の分類と前述した質問に対するユーザの回答との対応付けを規定したテーブルである。情報提供装置10は、ユーザの回答を集計し、栄養行動分類テーブル11Aの中で、該当する回答が多かったものをユーザのタイプとして分類する。運動の生活習慣に関しても同様であり、運動行動分類テーブル11Bを利用して、複数のタイプに分類することができる。
例えば、「朝食や昼食に野菜をほとんど食べません」といった質問に対し、ユーザが「全くその通りだと思う」又は「そう思う」と回答した場合、ユーザの回答は「朝食または昼食に野菜を食べないことが多い」ということになる。ユーザの回答を集計した結果、「朝食や昼食に野菜を食べないことが多い」、「1週間に3回以上フライや天ぷらなど揚げ物を食べる」等の回答が多かった場合、そのユーザを、前記回答に対応付けて規定している「知識・認識不足・食嗜好問題型」に分類する。他の回答が多かった場合、同様に「早食い・大食い・不規則型」、「環境刺激反応型」、「ストレス解消・暇つぶし型」等のタイプに分類することができる。
次いで、情報提供装置10は、分類した生活習慣のタイプ別に応じて行動計画を設定する(ステップS4)。ここで、行動計画とは、「1日5皿(1皿70g)を意識して野菜を食べる」、「食事は腹八分目で止める」、「歩数計をつけて、毎日の歩数を記録する」、「車なら自転車に、自転車なら徒歩に変える」といったように、それぞれのユーザが実施すべき個別具体的な行動の内容を表す。
初期設定では、それぞれのユーザに対して20個程度の行動計画を設定する。このとき、情報提供装置10は、ユーザの回答及び分類したタイプ別に応じて、予め規定してある行動計画の中から20個程度の行動計画を選択する。
本実施の形態では、栄養行動分類テーブル11A及び運動行動分類テーブル11Bの中で個別具体的な行動計画を規定している。例えば、「朝食または昼食に野菜を食べないことが多い」と回答したユーザに対して、「1日5皿(1皿70g)を意識して野菜を食べる」という行動計画、「野菜をたくさん入れた具たくさん汁物を食べる」という行動計画、又は「すぐに食べられる生野菜や茹で野菜を常備して朝食や昼食に食べる」という行動計画を提示できるように、それぞれの分類テーブル11A,11Bは、ユーザの回答と提示すべき行動計画とを対応付けて記憶している。
それぞれの分類テーブル11A,11Bは、1つの回答に対して複数の行動計画を対応付けて記憶している。情報提供装置10は、分類したユーザのタイプ、回答のバランス等によって、全体としてユーザに提示する20個程度の行動計画を選択する。
また、栄養行動分類テーブル11A及び運動行動分類テーブル11Bにおいて、各行動計画に対し、情報提供者側が想定している効果(5段階の点数)を予め規定している。例えば、効果が「5点」の行動計画は、その行動計画に沿って行動を実施することにより高い効果が得られる行動計画を示し、逆に、効果が「1点」の行動計画は、得られる効果が低いものの、ユーザにとって実施しやすい行動計画を示している。
情報提供装置10は、ユーザからの回答を基に20個程度の行動計画を選択した場合、ユーザの端末装置20へ設定した行動計画の情報を提供する(ステップS5)。情報提供装置10が提供する行動計画の情報は、健康増進及び改善を目的として、ユーザに推奨する行動の内容を具体的定めたものである。ユーザには、提供された行動計画の情報に沿って行動することが期待される。
しかしながら、ユーザによっては、生活習慣に合わないために実施率が低かったり、体質に合わなかったりする場合がある為、想定していた効果が得られない可能性もある。
本実施の形態では、ユーザに行動計画の情報を提供してから一定期間(例えば、6ヶ月)が経過するまでの間に、行動計画の見直しを行う。このため、情報提供装置10は、日々の行動計画に対するユーザの自己評価、及び行動によって得られた効果の計測結果を取得する(ステップS6)。自己評価は、通知された各行動計画に対する日々の進捗状況、(例えば、○(できた)、×(できなかった)、△(どちらでもない)の何れか)をユーザが回答することによって行う。また、効果については、行動の実施前後のBMI(ボディマス指数)の変化を計測する。BMIの変化に限らず、ユーザの健康状態を表す指数であって、食事面又は運動面の生活習慣の変化により、その値が変化する指標(例えば、体重、血圧値、尿酸値、コレステロール値等)であれば、どのような値を用いてもよい。
情報提供装置10は、ユーザが自己評価及び効果の計測を行う都度、これらの結果を取得してもよく、定期的又は行動計画の見直しを行う際にまとめて取得する構成としてもよい。
また、本実施の形態では、BMIの変化をユーザ自身が計測する構成としたが、行動開始前のユーザの体重及び身長を情報提供装置10に通知しておき、行動実施後にユーザによって計測される体重の情報を取得し、行動実施前後のBMIの変化を情報提供装置10が算出する構成としてもよい。
情報提供装置10は、ユーザからの回答を基に、自己評価の入力率及び行動計画の達成率を算出する(ステップS7)。自己評価の入力率は、例えば、ユーザに通知した行動計画の中で進捗状況の入力が1項目でもあった日数を、ステップS15で行動計画の情報を提供してからの経過日数で除算して算出する。また、達成率は、例えば、各行動計画に対する進捗状況の入力で、○(できた)と回答した個数を、各行動計画で進捗状況の入力があった日数で除算して算出する。
情報提供装置10は、ユーザの入力率が50%以上であるか否かを判断し(ステップS8)、入力率が50%未満である場合(S8:NO)、入力を促すメールをユーザが使用するメールアドレス宛に送信する(ステップS9)。
ユーザの入力率が50%以上である場合(S8:YES)、情報提供装置10は、算出した達成率が80%以上であるか否かを判断する(ステップS10)。達成率が80%以上である場合(S10:YES)、情報提供装置10は、後述する行動計画の再設定処理を行う(ステップS11)。
行動計画の再設定処理では、ユーザが行動計画に沿って行動していると自覚しているにも関わらず、想定していた効果が得られていない場合において、事前に想定されていた効果が得られていない行動計画を、より効果が高く、変更前と類似の行動計画に変更する処理を行う。
なお、達成率が80%未満である場合には(S10:NO)、行動計画に沿って行動を実施するように励ましのメールを送信する処理(達成率が80%未満かつ20%以上の場合)、又は行動計画の自己評価時に×(できなかった)と回答した行動計画を、○(できた)、△(どちらでもない)と回答した行動計画に変更する処理(達成率が20%以上の場合)を行う(ステップS12)。
ステップS11の再設定処理で行動計画を再設定した場合、情報提供装置10は、再設定した行動計画の情報をユーザが使用する端末装置20へ提供する(ステップS13)。このとき、情報提供装置10は、行動計画の情報を通信ネットワーク5を介して端末装置20へ送信する。また、情報提供装置10は、再設定した行動計画には試行期間(例えば、7日間)があることを通知すると共に、その試行期間中の自己評価の送信を依頼する。自己評価は、前述と同様、通知された各行動計画に対する日々の進捗状況をユーザが回答することによって行う。
次いで、情報提供装置10は、ユーザによる自己評価を基に、行動計画の再設定処理を再度実行するか否かを判断する(ステップS14)。自己評価を受信していない場合、又は自己評価が×(できなかった)との回答であった場合には、行動計画を再設定したもののユーザの生活習慣に合わない等の原因により、行動計画に沿った行動が全く実施されていない可能性があるため、行動計画の再設定処理を再度実行すると判断し(S14:YES)、情報提供装置10は、処理をステップS11へ戻す。
一方、自己評価の結果が、○(できた)、△(どちらでもない)との回答であった場合、この時点での再設定は行わないと判断する(S14:NO)。
次いで、情報提供装置10は、予め定めている範囲内で最大の効果が得られたか否かを判断する(ステップS15)。本実施の形態では、行動計画に沿った行動の実施による効果をBMIにより計測しているため、行動を実施する前に計測したBMIから、行動を実施した後に計測したBMIを差し引いた値が、予め定められた値(例えば、1.1)を上回った場合、予め定めている範囲内で最大の効果が得られたと判断する。
最大の効果が得られていない場合には(S15:NO)、情報提供装置10は、処理をステップS6へ戻す。
また、最大の効果が得られた場合(S15:YES)、本フローチャートによる処理を終了する。
次いで、行動計画の再設定処理について説明する。上述したように、行動計画の再設定処理では、事前に想定されていた効果が得られていない行動計画を、より効果が高く、変更前と類似の行動計画に変更する処理を行う。
本実施の形態では、変更前と類似の行動計画を抽出するために、複数の属性を用いて行動計画を予め区分している。
図8は行動計画の区分を説明する説明図である。まず、第1属性の属性値を用いて、該当する行動計画を、栄養行動(属性値:0)、又は運動行動(属性値:1)に区分する。
栄養行動に関して、更に、第2属性〜第5属性の属性値を用いて区分する。第2属性は、食事をする場所に関する区分であり、属性値0は家庭での食事、属性値1は外食を表す。第3属性は、頻度に関する区分であり、属性値0〜6は、1週間当たりの回数(1回〜7回)を表す。第4属性は、食事の時間帯に関する区分であり、属性値0は朝、属性値1は昼、属性値2は晩、属性値3は深夜(21時以降)、属性値4は間食を表す。第5属性は、消費カロリーを表し、消費カロリーの値(例えば、10kcal単位)を属性値としている。なお、栄養行動の第5属性は、食事をすることによって得られる摂取カロリーではなく、食事をすることによって抑えることができるカロリーを消費カロリーとして規定している。
運動行動に関しても同様であり、第2属性〜第5属性の属性値を用いて更に細分化を行っている。第2属性は運動をする場所に関する区分であり、属性値0はインドア、属性値1はアウトドアを表す。第3属性は、頻度に関する区分であり、属性値0〜6は、1週間当たりの回数(1回〜7回)を表す。第4属性は、有酸素運動及び無酸素運動に関する区分であり、属性値0は有酸素運動、属性値1は無酸素運動を表す。第5属性は、運動をすることによって消費する消費カロリーを表し、消費カロリーの値(例えば、10kcal単位)を属性値としている。
情報提供装置10は、上記の第1属性〜第5属性の属性値を用いて区分される各行動計画に関して、各属性値により特定される行動を識別する行動計画選定番号、第1属性〜第5属性の属性値、及び行動の実施による効果を関連付けて記憶するテーブル(行動区分テーブル11C)を有する。なお、前記効果は、情報提供者側が想定している効果であり、例えば、効果の低い方から高い方へ1〜5の5段階の数値により表している。
図9は行動区分テーブル11Cの一例を示す図である。例えば、行動計画選定番号が「0101」の行動は、第1属性〜第5属性の属性値が図9に示すように定められているため、家庭にて週3回の朝食を摂ることにより、100kcal消費する行動であることを表す。また、この行動に対して、情報提供者側は、効果が「5」であること(効果が最も高いこと)を想定している。
他の行動計画選定番号が付された行動についても同様である。例えば、行動計画選定番号が「0301」の行動は、図9の第1属性〜第5属性の属性値を参照すれば、インドアにて週3回の有酸素運動を行うことにより、100kcal消費する行動であることが分かる。
このように、行動区分テーブル11Cでは、第1属性〜第5属性からの属性値を用いて様々な行動を規定し、それぞれの行動に対して想定する効果を定めている。
また、図9に示す行動区分テーブル11Cにより規定する行動は、ユーザに提示する行動計画と所定の関係を有する。「1日5皿(1皿70g)を意識して野菜を食べる」という行動計画を例にとって説明する。
上記の行動計画は、栄養行動であるから、第1属性の属性値は0である。
また、家庭で野菜を食べてもよく、外食で野菜を食べてもよいので、第2属性の属性値は0及び1の双方をとる。
また、上記行動計画は、1週間に7回の行動を表しているため、第3属性の属性値は6である。
更に、上記行動計画は、深夜または間食として野菜を食べることを推奨するものではないので、第4属性の属性値は、3及び4以外の値(すなわち、0〜2)をとる。
消費カロリーについては、第2属性及び第4属性の値に応じて栄養管理士等が適宜の値を設定する。
以上により、「1日5皿(1皿70g)を意識して野菜を食べる」という1つの行動計画は、X1〜X6を適宜の消費カロリーの値として、「0060X1」、「0061X2」、「0062X3」、「0160X4」、「0161X5」、「0162X6」という少なくとも6種類の属性で表される行動を意味する。X1〜X6の値を更に細かく規定すれば、6種類より多くの行動を規定することも可能である。これらの属性により表されるそれぞれの行動に対して行動計画選定番号を割り当てる。
情報提供装置10は、図10に一例を示すような各行動計画に対して複数の行動計画選定番号を対応付けて規定した行動計画選定テーブル11Dを、記憶部11に格納している。
情報提供装置10は、行動計画の再設定時に上記行動区分テーブル11Cを参照して類似の行動計画を抽出する。図11は行動計画の再設定処理の処理手順を説明するフローチャートである。行動計画に対する自己評価の結果を受信し、自己評価の入力率が50%以上、かつ行動計画の達成率が80%以上である場合、以下で説明する再設定処理を行う。まず、情報提供装置10は、初期設定により設定した20個程度の行動計画から所定数(例えば、5個)の行動計画を選択する(ステップS110)。例えば、各行動計画に対して選択する際の優先順位を予め定めておき、情報提供装置10が、この優先順位に従って所定数の行動計画を選択する。また、ユーザ自身による選択を受付けて、ユーザが変更したいと所望する行動計画を所定数だけ選択させる構成としてもよい。また、初期設定で設定した20個程度の行動計画を全て選択する構成としてもよい。
次いで、情報提供装置10は、選択した行動計画のそれぞれについて想定されている効果と、実際に得られた効果とを比較する(ステップS111)。ここで、選択した行動計画のそれぞれについて想定されている効果とは、図6に示す栄養行動分類テーブル11A又は図7に示す運動行動分類テーブル11Bで規定している、情報提供者側が予め想定している効果である。また、実際に得られた効果は、行動前後のユーザのBMIの変化の値そのものではなく、図12に一例を示す効果テーブル11Eで換算した値を用いる。図12に示した効果テーブル11Eの例では、行動前後のBMIの減少幅が小さい程、効果の値を小さく設定し、行動前後のBMIの減少幅が大きい程、効果の値を大きく設定している。ステップS111では、選択した行動計画のそれぞれについて想定されている効果の値と、効果テーブル11Eで換算した効果の値とを比較する。
そして、情報提供装置10は、実際に得られた効果が予め想定されていた効果より小さい行動計画について、より効果が高く、類似の行動計画を抽出する。予め想定されていた効果が得られていない行動計画が複数存在する場合には、それらの行動計画の中で、想定されている効果が最も小さい値を持つ行動計画を選択し、選択した行動計画について類似する行動計画を抽出する。
情報提供装置10は、行動区分テーブル11Cで規定されている属性値を利用して、類似の行動計画を抽出する。本実施の形態では、第1属性〜第5属性のうち、第1属性、第2属性、第4属性、第5属性の属性値が同一の行動計画を抽出する。
なお、どの属性値を用いて類似の行動計画を抽出するかについては、適宜設定することができる。
具体例を用いて類似の行動計画を抽出する手順について説明する。例えば、「1日に5皿(1皿70g)を意識して野菜を食べる」という行動計画を対象として、類似の行動計画を抽出する例を説明する。
対象の行動計画は、栄養行動に属するため、第1属性の属性値は0である。情報提供装置10は、行動区分テーブル11Cで規定している行動計画選定番号のうち、第1属性の属性値が0のものを選択する。
また、上記行動計画は、食事場所を限定していないので、第2属性の属性値は0及び1の双方を取り得る。情報提供装置10は、第2属性の属性値が0及び1の双方の行動計画選定番号を選択する。
更に、上記行動計画は、深夜や間食として野菜を食べることを推奨するものではない。したがって、情報提供装置10は、第4属性の属性値が3及び4以外の行動計画選定番号を選択する。
次いで、情報提供装置10は、上記行動計画と同一の消費カロリーが記録されている行動計画選定番号を選択する。
上記では、栄養行動に属する行動計画を例にとり、同一の属性を有する行動計画選定番号を抽出する手順について説明したが、運動行動に属する行動計画についても、全く同様の手順にて、同一の属性を有する行動計画選定番号を抽出することができる。
以上のように、情報提供装置10は、対象の行動計画の属性と同一の属性を有する行動計画選定番号を抽出する(ステップS112)。このとき、第1属性、第2属性、第4属性、第5属性の順に合致する行動計画選定番号を順次絞り込んでもよい。また、各属性値に合致する行動計画選定番号をそれぞれ選択し、その後に、それぞれで選択した行動計画選択番号の中から全てに含まれる行動計画選定番号のみを抽出してもよい。
そして、情報提供装置10は、抽出した行動計画選定番号のうち、対象としている行動計画より効果の値が1つだけ大きい行動計画選定番号を選択する(ステップS113)。行動区分テーブル11Cでは、それぞれの行動計画選定番号に対応付けて効果の値を記憶し、栄養行動分類テーブル11A及び運動行動分類テーブル11Bでは、それぞれの行動計画に対応付けて効果の値を記憶している。情報提供装置10は、これらのテーブルを参照し、変更前より効果の値が1つだけ大きくなる行動計画選定番号を選択する。
次いで、情報提供装置10は、上述した行動計画選定テーブル11Dを参照して、選択した行動計画選定番号に該当する行動計画を抽出する(ステップS114)。この時点で抽出した行動計画が1つのみである場合、その行動計画が再設定する行動計画となる。また、この時点で複数の行動計画を抽出した場合、抽出した行動計画の中から、ユーザに1つだけ行動計画を選択させ、再設定する行動計画を定める(ステップS115)。以上の手順で選択した行動計画は、変更前より効果が高く、変更前と類似(属性が同一)の行動計画となる。
情報提供装置10は、再設定した行動計画の情報を、図4のフローチャートで示すステップS11において、ユーザが使用する端末装置20へ提供する。
以上のように、本実施の形態では、ユーザが行動計画に沿って行動を実施していると自覚しているにも関わらず、予め想定していた効果が得られていない場合、情報提供装置10が、効果が得られていない行動計画を、より効果が高く、変更前と類似の行動計画に変更してユーザに情報提供を行う。したがって、本実施の形態では、ユーザの生活習慣や嗜好に見合う行動計画を設定するともに、設定した行動計画に沿ってユーザが行動を実施することにより、BMIの減少等の確実な効果が得られる。
5 通信ネットワーク
10 情報提供装置
11 記憶部
11A 栄養行動分類テーブル
11B 運動行動分類テーブル
11C 行動区分テーブル
11D 行動計画選定テーブル
11E 効果テーブル
12 取得部
13 選択部
14 情報提供部
20 端末装置

Claims (1)

  1. ユーザが実施すべき行動を示す行動情報、前記行動が栄養の摂取に関する行動であるか、若しくは運動に関する行動であるかを示す区分、又は、行動の場所、行動の頻度、若しくは行動の時間帯を示す区分に基づいた行動の属性を示す属性情報、及び前記行動の実施に対して想定する効果を示す効果情報を関連付けて複数組記憶する記憶部と、
    該記憶部に行動情報が記憶されている行動のうちの1又は複数の行動をユーザが実施することによって得られた効果の情報を取得する取得部と、
    該取得部が取得した効果の情報と前記ユーザが実施した行動の行動情報に関連付けて記憶してある効果情報とを比較し、前記ユーザが実施した行動により得られた効果が該行動について想定してある効果より小さい場合、該行動に代えて実施すべき行動を、前記記憶部に行動情報が記憶されている行動のうち、前記ユーザが実施した行動とは異なる行動であって、前記ユーザが実施した行動についての属性と同一の属性を有する行動を選択する選択部と、
    該選択部が選択した行動の行動情報を提供する情報提供部と
    を備えることを特徴とする情報提供装置。
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