JP5685789B2 - ペーパースラッジ灰及び石炭灰中のメタカオリン有効利用方法及び製造装置 - Google Patents

ペーパースラッジ灰及び石炭灰中のメタカオリン有効利用方法及び製造装置 Download PDF

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Description

紙パルプ産業の生産工程から発生するぺーパースラッジ(以後PSと略)を燃焼し発生するPSボイラー、バイオマスボイラーの灰(燃焼後の木屑灰、石油脱色剤の灰、ペーパースラッジ灰)及び石炭ボイラーから発生する石炭灰の主成分であるメタカオリン及びメタカオリンに金属原子を含んだ複合体を産業廃棄物として埋設処理していたが、天然鉱物資源のカオリン代替品として有効利用する方法を提案する。
PS焼却炉、バイオマスボイラーを燃焼させ得られた灰(燃焼後の木屑灰、石油脱色剤の灰、ペーパースラッジ灰)及び石炭ボイラーから発生する石炭灰の処理は産業界共通の課題であり、有効利用する技術が提案されてきている。特に石炭には8〜20重量%の灰分(産地により異なるが、一般的に12重量%)が含まれており燃料に石炭を使用することで、増加し続ける灰の処理が問題となっている。
電気業界では、大量に排出する石炭ボイラーからの石炭灰をコンクリート骨材へ加工する方法(特許文献2)や熱水作用により路盤材として機能する合成石に加工する方法を開発し、有効利用している。
大学機関などは、PS焼却炉から排出されるPS灰を人口ゼオライト(特許文献6)、アパタイトに加工する技術を開発し、素材の骨材として使用する方法を開発している。
製紙業界でも他業種と同様に生産に伴いPS灰、石炭灰が多量に発生している。製紙業界でも、先に述べた路盤材やポーラスな特徴を活かした土壌改良剤の用途に一部分を使用(特許文献2)しているだけである。
特に製紙業として、多量に消費する天然白色鉱物類の代替品としての利用価値が高く、天然白色鉱物類(カオリン、クレー、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム)の代用品として使用する方法が研究されてきた(特許文献5)。しかし、異物が残留し、また、十分な白色化ができず、天然白色鉱物類の代替品として使用するには至らなかった。
抄紙工程において、表面平滑性や印刷特性を改善するため紙匹表面に塗工液をサイズプレス及びコートマシンにて紙匹表面に塗工し、吸着性能を向上させ、インキ着肉性能の向上やインキ乾燥速度を速める印刷特性を改善する塗工液の開発が製紙会社間では競争される。(特許文献8)
塗工液に配合されるカオリンは産地により品質が異なり、白色度が高く印刷特性を良化させるものは、将来枯渇する危惧がある。また、人工的にカオリンを製造する技術も存在するが、製造原料を輸送し、加工するためにエネルギーを多く要し、化石燃料を消費している。そこで、製造工程から発生するPSを燃焼し、発生するPS灰を高品質カオリンの代替として安価にエネルギーを少なく使用し、原料を加工する技術開発が進められていた。
高機能材開発など基礎化学レベルでの研究が進み、有機・無機分子内の薬品添加によるπ電子の挙動変化による光学影響などの研究が進み、メタカオリンへの化学作用による利用方法の可能性が出てきた。(特許文献7)
鉱物学的に天然鉱物の研究においても、鉱物毎の分子構造の違いがX線による構造解析により、鉱物毎の特性や特徴が明らかになってきた。特に石炭灰の成分比率において珪素酸化物とアルミニウム酸化物の比が2〜3:1とカオリン若しくはカオリンに相当する複合体を形成していることが分析の結果明らかになり、燃焼後の形態が、カオリンから結晶水を取り除いたメタカオリンとして扱えると推察するに至った。
基礎科学、鉱物学の最新技術により、PS灰、石炭灰由来のメタカオリンへの技術転用を考察し、本発明において天然白色鉱物と同等の白色度を得られる技術を研究してきた。
近年セルロース配合率100%の紙匹はなく、白色化したPS灰、石炭灰由来のメタカオリンがセルロース代替及び不透明度を向上させ、紙匹品質を改善するための填料、顔料に使用している天然白色鉱物以上の機能を有した製紙素材原料として活用されることが期待されている。
石炭灰は石炭ボイラーの燃焼状態により、ある程度性状をコントロールでき、内部から噴出するガスにより、多孔性の粒子となり、特に均一で白色化した珪素酸化物・アルミニウム酸化物・有機物複合体の開発ができれば、抄紙原料の填料として紙匹原料に配合することにより、嵩高な性質を有すると同時にサイズプレスまたはコートマシンで塗工する塗工液に顔料として配合し、インキなど油脂性の物質を吸着し、且つ早期乾燥性を持つため、製紙原料として優れた素材の特性を有することになる。
特に白色化したメタカオリン・有機物複合体から更に加工し、酸性白土若しくは活性珪酸ゲル、珪素酸化物にすることができ、紙匹原料に配合することで、セルロースを減量し、二酸化炭素を吸収し、森林資源保護に貢献できる他、酸性白土(珪酸アルミニウム)、活性白土(活性珪酸ゲル無定形)をノーカーボン紙の呈色剤として使用することもでき、ノーカーボン紙、感圧紙に含まれるカプセル塗料を発色時、吸着することで呈色する。前記のメタカオリン・有機物複合体と同様に紙製品の印刷特性を改善し、白色度、光沢度、平滑性の改善、インキ受理性やインキセット乾燥性の面で優れた性質をコート紙に与えることができる。
また、PS灰及び石炭灰の主成分であるメタカオリンを洗浄白色化した後、珪酸ソーダ(水ガラス)へ加工し、DIP工程に助剤として使用する方法、硫酸煮沸後の反応液を排水処理の凝集剤として使用する方法、KP排水に酸性白土(珪酸アルミニウム)、活性白土(活性珪酸ゲル無定形)を吸着剤として使用し、廃液中のリグニン質を吸着回収し、エネルギー資源化することができるようになる。
特許公開平5−163017号公報 特許公開平10−280380号公報 特許公開平10−102620号公報 特許公開2000−53412号公報 特許公開2001−39710号公報 特許公開2002−348114号公報 特許公開2004−196656号公報 特許公開2006−342433号公報 特許公開2007−190494号公報 特許公開2007−915815号公報
燃焼装置由来のメタカオリンを加工する方法には次のような問題点が挙げられる。
電気事業を営む業種では、石炭ボイラーを使用し、大量の石炭燃焼に伴い大量に灰分が発生し、灰に含まれるメタカオリンを有効利用するための技術が開発されている。ポーラスな特性を活かした土壌改良材、路盤材、ゼオライトシリカゲルに加工されているが、用途が限られており、発生量に対応する需要ではない。
一般的な燃焼装置由来のメタカオリンを白色化する製造方法は水素イオン若しくは、一酸化炭素、炭酸ガスと燃焼装置内でメタカオリンに接触させ、光学特性を変化させ、白色化する。水素イオン若しくは一酸化炭素、炭酸ガスと効率的に接触させる燃焼行程が必要で専用燃焼装置が必要となり、実用化されているが既に産業界に普及している燃焼装置では、白色化することができないため、大規模な設備投資が必要となる。また、製紙原料として使用するには、白色度JIS80度以上少なくとも必要だが、従来の方法では安定して白色度JIS80度以上に製造することができない。
製紙業におけるスラッジ焼却炉の燃焼に伴い発生する灰分に含まれるメタカオリンを骨材として、表面をコーティングして白色化する技術がある。ボリューム及び白色度を稼ぐために表面をコーティングするためには表面のコーティング剤が必要となり、また、骨材を加工するため、骨材の品質管理や破損など原料として使用することによる最終製品への影響が発生するため、コスト面と品質面により実用化に至っていない。
一般的な燃焼装置由来の灰色の状態のままメタカオリンを苛性ソーダで熱処理して、非結晶状態の珪酸ソーダ(水ガラス)に加工した場合、メタカオリンが持つ吸着性能により結晶内部に取り込んだ金属イオンが不純物となり、悪影響を及ぼす。また、珪酸ソーダ(水ガラス)と硫酸を混合し、硫酸ナトリウム・珪素酸化物・アルミニウム酸化物複合体のゲル状物質は不純物が黒色となり、製紙原料としては使用できない。
製造工程の排水を凝集沈殿処理し、発生するPSは燃焼処理されている。また、最近は、バイオマス資源とPSを混焼していることから、PS焼却炉を広義のバイオマス焼却炉とし、残渣として発生するバイオマス灰を廃棄処理するだけでは環境影響も危惧され、加工し再利用することで、天然資源の使用を減らし、循環型資源とし、自然環境への影響を配慮することも社会上重要な課題となっている。
抄紙原料として天然資源を使用している鉱石類の代替品として用途開発を行い、天然資源使用量を減らし、自然環境への影響を配慮すると伴に、製造業の使命であるユーザへの良質な品質の提供のため、付加価値の高い製品作りが要求されている。
古紙の原料使用増加に伴い、DIP原料中に存在するインキ類や粘着異物を除去するために使用する薬品使用量も増加してきている。脱墨剤の助剤と使用する珪酸ソーダ(水ガラス)使用量が増加し、製造コストを引き下げるため、珪酸ソーダ(水ガラス)を安価に製造し、使用できる方法が求められている。
DIP原料の品質が中国需要の拡大により悪化してきており、インキ類や粘着異物が多量に含まれるようになってきた。従来ではコロイダルシリカを吸着剤して使用していたが、薬品代が高く、安価にインキ類や粘着異物を系外に放出する方法が必要となっている。メタカオリン、酸性白土(珪酸アルミニウム)、活性白土(活性珪酸ゲル無定形)はイオン吸着性能を有するため、インキ類や粘着異物を吸着し、原料と分離する目的に使用できる技術開発が望まれている。
抄紙工程において、表面平滑性や印刷特性を改善するためメタカオリン由来の代替カオリンを塗工液に配合し、サイズプレス及びコートマシンにて紙匹表面に塗工し、従来のカオリンを使用した塗工液よりも吸着性能を向上させ、インキ着肉性能の向上やインキ乾燥速度を速める印刷特性を紙匹に付与する塗工液の開発が必要である。
製造工程に使用する若しくは排水処理設備で硫酸アルミニウム成分が凝集剤の用途で使用されている。製造設備の中で、副産物として発生しやすい物質で、自社内で自製化することで、物流費の削減や副産物の有効利用することが求められている。
製紙業界は原材料の高騰のたびに経済的に生産コストと製品価格の不釣合いにより、収益面で問題となっており、品質向上と生産コスト削減の努力が求められている。特に複数の薬品が使われており、資源を有効に使用することで、物質収支による搬送コスト削減も大きな課題となっている。
上記の目的を達成するべく本発明は、以下の構成を提供する。図3に構成を記す。
(1) 本発明の第1の態様は、珪素酸化物・アルミニウム酸化物(Al・2〜3SiO・2HO)がPS焼却炉及び石炭ボイラーでの燃焼状態をコントロールし、灰内面から噴出するガスによる多孔性の性質と摂氏600℃以上の熱で結晶水を含まない結晶構造へ変化し、メタカオリン(Al・2〜3SiO)化することに特徴を有する。また、メタカオリン化する前後では吸油量が30〜45であったものが、50〜70となり、製紙原料となった時に着肉性の優れた性質を発揮し、また、有機性物質の吸着剤としての機能を強く発揮できるようになる。
一般の白色度の低い不純物を多く含む低級カオリンをメタカオリンに読み替えて以降同じように製造できる。
(2) 本発明の第2の態様は、灰分中のメタカオリンが一般的に30μmを中心とする粒度分布であり、5μm以上の灰分は分級後粉砕し、粉砕処理後は0.2〜5μm粒度分布で比重は1.55〜1.6であることを特徴とする。
(3) 本発明の第3の態様は、前記灰の主成分であるメタカオリンをメタカオリン・有機複合体に変え、白色化(洗浄漂白)する製造方法である。灰の主成分であるメタカオリンに、弱電位の四面体を持つ分子構造を有し、またはカルボキシル基若しくはヒドロキシル基を有する強誘電体であり双極子を構成する有機物群(グリコール、メタノール、エタノールの1価または多価アルコール類、アセトン、アセトアミド、アセトニトリル、クエン酸、アルデヒド化合物、酢酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、ケトンを有する化合物及びチオウレア、ウレア、オキソニウムイオン、ホルムアミド、ヒドラジン)をインターカレートし、双極子により不均一な光学特性に影響するπ電子配列の向きを揃える。結晶構造の構成及びインターカレートする条件毎に有機分子配列は異なるが、メタカオリン・有機物複合体の結晶構造の原子間距離を4Å、8Å、17Å、22Åと移行させることにより、光学特性が変化し、均一なメタカオリン・有機物複合体への変化により白色化(洗浄漂白)する。強誘電体の作用する影響力は、物質毎に温度条件が異なる。これらの現象は、双極性強誘電体が結晶構造内にインターカレートすることで、固体中で協力現象を引き起こすことによるもので、相転移による分極の揃った領域の層を一般的にドメインと呼んでいるが、本発明ではメタカオリンにおいて双極性強誘電体が結晶構造内にインターカレートし、無秩序であった無機イオン性結晶の分極が相転移によりドメインを形成することを予測し、好適であることを確認することができた。チオウレア、ウレアは臨界温度以下で双極子を発生し、極性π分子の変位型強誘電相転移を起こすタイプである。アセトン、アルコール類など同一π分子上にヒドロキシル基、カルボニル基を有し、分子間で強い水素結合を2次元的にネット上に形成する分子群は、水素結合鎖型の強誘電相転移を起こすタイプである。強い分子間の水素結合により極性π電子を協奏的に配列することが可能である。いずれの場合も内部に取り込んでいたイオンを払出し、双極性強誘電体がインターカレートされることで光学特性を変化させ均一な物質構成を作り出す。
(4) 本発明の第4の態様は、上記第3の態様において、前記メタカオリン・有機物複合体生成において、反応温度を10〜150℃、0.5〜144時間掛けて有機物をイオン交換またはインターカレートされることにより、排出されたイオンをメタカオリン・有機物複合体と伴に洗浄することにより、分離することを特徴とする。
(5) 本発明の第5の態様は、メタカオリン・有機物複合体を苛性ソーダ添加後5〜12時間煮沸(摂氏100〜220℃)することにより苛性ソーダと珪素酸化物が反応し、非結晶構造物質珪酸ソーダ(水ガラス)が生成されることを特徴とする。また、この時、加熱条件により有機成分を残留した有機複合体を生成する方法と有機成分を分解し、冷却過程で沸点以上の条件で有機成分をガス分離する無機複合体の製造方法を選択できることを特徴とする。
(6) 本発明の第6の態様は、第5の態様の非結晶構造物質珪酸ソーダ(水ガラス)に硫酸または硫酸アルミニウムを添加することによりナトリウム、珪素、アルミニウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質を比重2〜2.2白色度JIS90度以上で生成することを特徴とする。
(7) 本発明の第7の態様は第6の態様のナトリウム、珪素、アルミニウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質とセルロースに電気的な結合を促す歩留まり向上剤を製紙原料に混合し、セルロースに絡みついた硫酸ナトリウム・珪素酸化物・アルミニウム酸化物(ゲル状物質)が紙匹を構成することにより、独自の粒子構造から紙匹を通過する光が乱反射する配置に成ることを特徴とする。
(8) 本発明の第8の態様は、第5の態様の非結晶構造物質珪酸ソーダ(水ガラス)に硫酸または硫酸アルミニウム、炭酸カルシウムを添加することによりナトリウム、珪素、アルミニウム、カルシウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質を比重2〜2.2白色度JIS90度以上で生成することを特徴とする。
(9) 本発明の第9の態様は第8の態様のナトリウム、珪素・アルミニウム・カルシウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質とセルロースに電気的な結合を促す歩留まり向上剤を製紙原料に混合し、セルロースに絡みついた硫酸ナトリウム・珪素酸化物・アルミニウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質が紙匹を構成することにより、独自の粒子構造から紙匹を通過する光が乱反射する配置に成ることを特徴とする。
(10)本発明の第10の態様は、第5の態様の非結晶構造物質珪酸ソーダ(水ガラス)に加工後、DIP原料の脱墨助剤として使用する。非結晶構造物質(水ガラス)は遊離したインキを分散し、セルロースから引き離し、再結合することを防止することに特徴を有する。
(11)本発明の第11の態様は、第5の態様の非結晶構造物質珪酸ソーダ(水ガラス)に加工後、DIP漂白工程、TMP漂白工程で、漂白剤、苛性ソーダと伴にリグニン質を無色透明の結晶にする反応において結晶を安定化させることに特徴を有する。
(12)本発明の第12の態様は、第4態様のメタカオリン・有機物複合体を2時間〜2ヶ月間水熱作用領域で煮沸(摂氏150〜300℃)することにより、板状若しくは球状の結晶構造に均一に変化することに特徴を有する。但し、摂氏150℃未満で製造した場合は第4態様のメタカオリン・有機物複合体の状態であるが、そのまま、メタカオリン・有機物複合体として使用することはできる。製紙で紙匹塗工用の顔料に使用される場合は、六角平板構造の結晶のものが一般的に使用される。テストによる結晶構造と特長により、填料・顔料の用途に使い分ける。
(13)本発明の第13の態様は、抄紙工程において、第7の態様と同様に第12の態様のメタカオリン・有機物複合体とセルロースに電気的な結合を促すために使用される歩留まり向上剤を製紙原料に混合し、紙匹を構成することにより、セルロースの使用量を減じ、且つ、光学特性において、紙匹表面から通過する光を遮断し、乱反射することで不透明度が向上することに特徴を有する。
(14)本発明の第14の態様は、第12の態様のメタカオリン・有機物複合体を抄紙工程サイズプレス及びコートマシンにおいて紙匹表面に塗工する塗工液に顔料として配合し、メタカオリン・有機物複合体の電気的な吸着特性により、製品化した紙匹は印刷機に掛けられ、比表面積が大きくインキと接触する時の着肉性に優れた性質を示す。
(15)本発明の第15の態様は、第4態様のメタカオリン・有機物複合体を15〜45重量%硫酸に添加後、摂氏90〜105℃で煮沸し、アルミニウム酸化物を反応液に溶出させ、3〜5時間処理してアルミニウム酸化物を30〜50重量%溶出させた酸性白土(珪酸アルミニウム)が生成することに特徴を有する。
(16)本発明の第16の態様は、第4態様のメタカオリン・有機物複合体を15〜45重量%硫酸に添加後、摂氏90〜105℃で煮沸し、アルミニウム酸化物を反応液に溶出させ、6〜12時間処理してアルミニウム酸化物の大半を溶出させ結晶構造の崩壊による活性白土(活性珪酸ゲル無定形)が生成することに特徴を有する。
(17)本発明の第17の態様は、抄紙工程において、第15の態様の酸性白土(珪酸アルミニウム)若しくは第16の態様の活性白土(活性珪酸ゲル無定形)を第7の態様と同様にセルロースと電気的な結合を用いるために使用される歩留まり向上剤とを製紙原料に混合し、紙匹を構成することにより、セルロースの使用量を減じ、且つ、光学特性において、紙匹表面から通過する光を遮断し、乱反射することで不透明度を向上するために使用する。
(18)本発明の第18の態様は、第15の態様の酸性白土(珪酸アルミニウム)若しくは第16の態様の活性白土(活性珪酸ゲル無定形)を抄紙工程サイズプレス及びコートマシンにおいて紙匹表面に塗工する塗工液に顔料として配合し、酸性白土(珪酸アルミニウム)若しくは活性白土(活性珪酸ゲル無定形)の電気的な吸着特性により、製品化した紙匹は印刷機に掛けられ、インキと接触する時の着肉性に優れた性質を示す。また、酸性白土(珪酸アルミニウム)若しくは活性白土(活性珪酸ゲル無定形)をノーカーボン紙、感圧紙の塗工液に呈色剤として使用する。ノーカーボン紙、感圧紙の塗料に含まれる発色剤カプセルが割れ、酸性白土(珪酸アルミニウム)若しくは活性白土(活性珪酸ゲル無定形)が発色剤を吸収し、色素中の有機陽イオンが交換性無機陽イオンと交換し、イオン複合体を生成し、呈色を示す。発色剤(一般的にベンジジン)が表面または層間にイオン交換機能により吸着し、灰成分の第三鉄酸化物が電子を得て、第二鉄酸化物となり、有機アミン系である発色剤(ベンジジン)が電子を失って、共鳴反応を起し発色すると考えられている。
(19)本発明の第19の態様は第15の態様の酸性白土(珪酸アルミニウム)若しくは第16の態様の活性白土(活性珪酸ゲル無定形)を生成後酸化アルミニウム成分が30〜100重量%反応液に溶出したものが、廃液として硫酸アルミニウムとなり、硫酸アルミニウムの凝集効果を有する特徴がある。第3の態様の洗浄濾液中に含まれる不溶性の不純物を凝集沈殿する目的で使用され、且つ、一般排水においても凝集剤として使用可能である。また、第6の態様のナトリウム、珪素、アルミニウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質、第8の態様のナトリウム、珪素、アルミニウム、カルシウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質にも使用できる。
(20)本発明の第20の態様は第18の態様の硫酸アルミニウムと水酸化カルシウムとを混合し、濃度、温度、反応時間をコントロールすることにより、カルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウム複合体の結晶を析出させる。カルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウム複合体は、粒度分布0.3〜2μmの分布を持ち、針状結晶構造で白色度JIS95°以上、比重1.48の特徴を有する。
(21)本発明の第21の態様は第20の態様のカルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウム複合体を抄紙工程において、塗工液に顔料として配合し、サイズプレス及びコートマシンで塗工することにより、顔料として白色度JIS95度以上の特徴を活かし、且つ、光沢度、平滑性の改善、インキ受理性やインキセット乾燥性の面で優れた性質を紙匹に与えることができる特徴がある。
(22)本発明の第22の態様は、第6の態様のナトリウム、珪素、アルミニウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質、第8の態様のナトリウム、珪素、アルミニウム、カルシウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質、第15態様の酸性白土(珪酸アルミニウム)若しくは第16の態様の活性白土(活性珪酸ゲル無定形)をDIP除塵工程前の若しくはKP精選工程前の原料に混合し、原料中の有機性物質である粘着異物・ピッチに電気的に吸着、凝結させた後、大型化した異物として、除塵工程で系外に排出し易くする特徴を有する。
(23)本発明の第23の態様は第4、12、15の態様のメタカオリン・有機物複合体の処理方法で生成する物質の中では、特に比表面積の大きい酸性白土(珪酸アルミニウム)若しくは第16の態様の活性白土(活性珪酸ゲル無定形)が好適であるが、有機性イオン吸着性能を有し、KP排水中のリグニン質を吸着する処理装置の吸着剤として、使用できる。処理装置で有機性イオンの吸着により濃縮後、酸性物質及び揮発性有機物発生装置により、1種又は複数種の成分分子の官能基を電子的励起状態とする紫外光〜赤外光の波長範囲から選択された1又は複数の波長の電磁波を照射することにより、前記有機性イオンを吸着した前記吸着剤を含む液から酸性物質(二酸化炭素、硫化水素、水素、酸素、二酸化硫黄)及び揮発性有機物(メタン、エタン、メタノール、エタノール、他リグニン成分由来の有機物質)を生成しかつ分離することに特徴を有する。また、同時に吸着剤も再生される。
(24)本発明の第24の態様は硫酸で洗浄する若しくは強誘電体の有機物群(グリコール、メタノール、エタノールの1価または多価アルコール類、アセトン、アセトアミド、アセトニトリル、クエン酸、アルデヒド化合物、酢酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、ケトンを有する化合物及びチオウレア、ウレア、オキソニウムイオン、ホルムアミド、ヒドラジン)をインターカレートし、前記吸着剤として再生できる特徴を有する。
(25)本発明の第25の態様は第23の態様において、分離した酸性物質及び揮発性有機物を重油、回収ボイラーで燃焼し、エネルギー回収を行うことに特徴を有する。
(26)本発明の第26の態様は第4、12の態様のメタカオリン・有機物複合体と生石灰若しくは炭酸カルシウムを定量配合し、有機化合物の特性を活かしながらインターカレートしたメタカオリン・有機物複合体からカルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・珪素酸化物複合体を製造することができる。メタカオリン・有機物複合体の代用として、カルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・珪素酸化物複合体を使用することができる。
(27)本発明の第27の態様はメタカオリン・有機複合体を加熱条件によりインターカレートした状態のままで、有機成分を分解し、ガス分離せずに珪酸ソーダ、ナトリウム、珪素、アルミニウムの酸化物、ナトリウム、珪素、アルミニウム、カルシウムの酸化物、酸性白土(珪酸アルミニウム)、活性白土(活性珪酸ゲル無定形)、カルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウム、硫酸アルミニウムを製造することを特徴とする。また、珪酸ソーダまたはナトリウム、珪素、アルミニウムの酸化物またはナトリウム、珪素、アルミニウム、カルシウムの酸化物または酸性白土(珪酸アルミニウム)または活性白土(活性珪酸ゲル無定形)またはカルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウムまたは硫酸アルミニウムは第5、8、15、16、20の態様の無機複合体と同様の性質を示すことを特徴とする。尚、以降、珪酸ソーダまたはナトリウム、珪素、アルミニウムの酸化物またはナトリウム、珪素、アルミニウム、カルシウムの酸化物酸性白土(珪酸アルミニウム)活性白土(活性珪酸ゲル無定形)またはカルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウム、硫酸アルミニウムに読み替えてインターカレート状態で有機成分を含む珪酸ソーダまたはナトリウム、珪素、アルミニウムの酸化物またはナトリウム、珪素、アルミニウム、カルシウムの酸化物または酸性白土(珪酸アルミニウム)または活性白土(活性珪酸ゲル無定形)またはカルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウムまたは硫酸アルミニウムを使用することができる。
(28)本発明の第28の態様は第5、8、15、16、20の態様メタカオリンにインターカレートした有機成分を残留させたナトリウム、珪素、アルミニウムの酸化物またはナトリウム、珪素、アルミニウム、カルシウムの酸化物または酸性白土(珪酸アルミニウム)または活性白土(活性珪酸ゲル無定形)またはカルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウムまたは硫酸アルミニウムが第5、8、15、16、20の態様の無機複合体と同様の用途で使用できることを特徴とする。
(29)本発明の第29の態様は第19、20の態様の水熱作用を施したメタカオリンを水簸し、ケン濁性を活かした方法で0.02〜3.5μm以下の粒子を分離し、粘土物質を得ること特徴とする製造方法。
(30)本発明の第30の態様は第29の態様のメタカオリン複合体0.02〜3.5μm以下の粒子を抄紙前処理工程において、カチオン性高分子ポリマー若しくはカチオン化デンプン若しくはカチオン性高分子ポリマーとカチオン化デンプンを0〜100重量%の割合で配合したものと使用することにより、填料(炭酸カルシウム、カオリンまたは本発明のナトリウム、珪素、アルミニウムの酸化物またはナトリウム、珪素、アルミニウム、カルシウムの酸化物または酸性白土(珪酸アルミニウム)または活性白土(活性珪酸ゲル無定形)またはカルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウムまたは硫酸アルミニウムをセルロース繊維に定着させることを特徴とする。
(31)本発明の第31の態様は第29の態様のメタカオリン複合体0.02〜3.5μm以下の粒子をKP蒸解工程において、蒸解助剤(触媒)として蒸解液とともに蒸解釜に加え、蒸解液が木質チップへ浸透し、リグニン成分を分離するにあたり、積極的に分離したリグニン質を捉え、蒸解液と木質チップの化学反応接触面積を広げ、また、蒸解液と木質チップとの反応により生成する炭酸ソーダと反応し、蒸解液を再生させ、反応性を向上させ、蒸解によるセルロース抽出を促進する。このとき、蒸解釜において、一塔式、二塔式を問わず、釜の入口、中間、末端と蒸解温度、蒸解圧力、蒸解液の添加方法は、蒸解方法にあった条件を選択することができ、各蒸解方法にあった蒸解助剤(触媒)としての添加が可能である。通常のメタカオリン複合体を加えない蒸解によるセルロース抽出よりも蒸解性が改善し、蒸解液によるセルロースの分解、または、ノット粕の排出量を抑制できるため、セルロース歩留まりが向上し、結果的にセルロースの引き裂き、引っ張り強度が上昇することを特徴とする。
(32)本発明の第32の態様は第29の態様のメタカオリン複合体0.02〜3.5μm以下の粒子をDIP工程において、除塵設備前の原料にメタカオリン複合体を添加し、メタカオリン複合体が持つイオン吸着性能により原料中の粘着異物吸着し、除塵装置にて粘着異物と共に系外に排出することを特徴とする。
本発明の一態様においては、PS焼却炉または石炭ボイラーの燃焼状態を最適化し、発生する灰(燃焼後の木屑灰、石油脱色剤の灰、ペーパースラッジ灰及び石炭灰)の結晶構造を有効利用に最適な多孔性の粒子に変化させる。メタカオリンをスラリー化し、粉砕及び有機化合物を添加することで、均一なメタカオリン・有機物複合体が形成する。メタカオリン・有機物複合体は光学特性が変化したことにより白色化(洗浄漂白)し、多岐に亘る有効利用が可能となる。従来は廃棄物として埋立処理に頼るほか一部の限られた有効利用方法に限定されていたため、増大する廃棄物の影響が廃棄物永久保管管理や埋立処分場の確保や搬送費の負担など環境面、経済面で年々企業の経営に重く圧し掛かっており、将来的に憂慮される状況であった。
製紙業における製紙原料となる天然白色鉱物は有限であり、また、産地毎に品質が異なり、メタカオリン・有機物複合体が天然鉱石の代用品として安定した品質で、より機能的に活用できる意義は大きい。
製紙原料の用途としては、紙匹にセルロースと混合する填料として活用する場合は、不透明度向上、裏抜け防止剤としての機能と天然資源のセルロースを減容し、二酸化炭素削減に寄与できる。
印刷特性を改善する紙匹表面に塗工する塗工液の顔料としての原料に使用する場合は、本発明による安価なメタカオリン・有機物複合体若しくは、酸性白土(珪酸アルミニウム)、活性白土(活性珪酸ゲル無定形)をアンダーコートし、カルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウム複合体をトップコートするダブル塗工方式を採用し、従来のコート紙よりも高品質の環境対応型高白色度コート紙を製造することができる。環境対応型高白色度コート紙は白色度、光沢度、平滑度、インキ受理性やインキセット乾燥性の面で優れた性質を有する。
酸性白土(珪酸アルミニウム)若しくは活性白土(活性珪酸ゲル無定形)をノーカーボン紙、感圧紙の塗工液に呈色剤として使用する。ノーカーボン紙、感圧紙の塗料に含まれる発色剤カプセルが割れ、酸性白土(珪酸アルミニウム)若しくは活性白土(活性珪酸ゲル無定形)が発色剤を吸収し、色素中の有機陽イオンが交換性無機陽イオンと交換し、イオン複合体を生成し、呈色を示し、優れた素材性能を発揮する。
メタカオリン・有機物複合体を苛性ソーダで煮沸してできる非結晶構造物質珪酸ソーダ(水ガラス)は、現在は原料を購入して使用している。年々DIP原料の循環システムが構築され、価値が高まる中、非結晶構造物質珪酸ソーダ(水ガラス)の脱墨助剤として使用する用途が増えてきている。非結晶構造物質珪酸ソーダ(水ガラス)は遊離したインキを分散し、セルロースから引き離し、再結合することを防止する作用を及ぼすことで役立っている。
メタカオリン・有機物複合体を硫酸処理して発生する廃液も硫酸アルミニウムとして製紙排水凝集剤と使用するのと同時にナトリウム、珪素、アルミニウム、カルシウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質加工原料薬品として使用する。
メタカオリン・有機物複合体(板状結晶体、球状結晶)をそのまま若しくは熱水作用領域で加温し、結晶構造を整えたもの及び酸処理した酸性白土(珪酸アルミニウム)、活性白土(活性珪酸ゲル無定形)、ナトリウム、珪素、アルミニウム、カルシウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質はイオン吸着性能を有し、KP排水中のリグニン質の吸着及びDIP工程における脱墨剤及び粘着異物除去に凝結剤として使用することができる。特に酸性白土(珪酸アルミニウム)、活性白土(活性珪酸ゲル無定形)が好適である。
PS灰、石炭灰の処分、埋立維持管理費の削減及びメタカオリン・有機物複合体を基に製造される天然鉱石を原料とする薬品の代替薬品の自製化は相乗効果をなし、製紙業界に限らず、電気産業界へも大きな経済効果をもたらす。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
図1の構成図において、太線囲みの部分は、製紙業の各工程に対して本発明を組み合わせた一実施例を概略的に示している。本発明は、層状分子構造を有する珪素酸化物・アルミニウム酸化物複合体を対象とし、分子結合状態が四面体構造の頂点の共有の仕方により基本分子構成が特定の構造を取るものに制限したものではない。バイオマス焼却炉や石炭ボイラーといった燃焼炉で摂氏600℃以上に燃焼し、結晶水を払出しメタカオリン化した珪素酸化物・アルミニウム酸化物複合体が好適である。製紙原料に使用されるカオリン、ホワイトカーボン、クレー、タルク、ベントナイトがPSボイラーで燃焼され集塵されたもの、また、製造工程から残液回収したもの、石炭由来のフライアッシュ、ボトムアッシュに限らず、本発明を適用可能な層状分子構造を有する珪素酸化物・アルミニウム酸化物に適用される。PS灰は再生使用のため、成分は省略する。一般的な石炭灰の成分はれき青炭、亜れき青炭、無煙炭を対象とし、SiO:40〜70重量%、Al:17〜32重量%、Fe:2〜20重量%、CaO:0.1〜16重量%、MgO:0.4〜2.1重量%、SO:0.3〜6.5重量%、NaO:0.1〜2.7重量%、Cl:0.02重量%未満、F:0.01重量%未満である。豪州産褐炭は成分が本発明に不向きなので、成分は省略する。データからも判るように石炭灰は珪酸化物とアルミニウム酸化物の比が2〜3:1で、灰全体の約65〜95重量%を珪酸化物・アルミニウム酸化物複合体で構成していることを示している。重量成分比(SiO+Al)/(Fe+CaO+MgO)を酸性率と呼び、酸性率を灰の性状の指標とできる。本発明に有利な産地の石炭由来の灰分をSiO/Alの比及び酸性率で管理し、用途別に使分ける。以降灰成分を総称してメタカオリンと呼び、主成分であるメタカオリンに本発明を適用する。
摂氏600℃以上に燃焼したメタカオリンは、PSボイラー(バイオマスボイラー)101や石炭ボイラー104から得ることができる。例えば、PSボイラー(バイオマスボイラー)101の炉低下部で燃焼ガス若しくは排ガスから集塵後集塵装置下部でスクリューコンベア若しくはロータリフィーダで燃焼灰が分離・排出され、搬送はケースコンベア若しくは風送でPS貯槽サイロ102を経由して、ジェットパッカー車、タンクローリで離れた場所のPS貯槽サイロ103に貯留される。石炭ボイラー104も同様に炉底及び集塵装置から排出され、搬送装置により石炭灰貯槽105を経由して、石炭灰貯槽106に貯留される。
メタカオリンは、PS貯槽サイロ103または、石炭灰貯槽106から定量供給装置(メタリングスクリュー、ロータリフィーダ)で先に一定量水張りした溶解槽108へ送る。溶解槽構造は一般的なタンクの形状で、円筒平板図23若しくは傾斜底図24のものを使用する。フレコンでの投入を行う場合は、つぼ型のタンクを用い、作業員の転落防止柵を設ける。後述の洗浄装置114、濃縮装置129を清澄した濾液または清水と金属イオンを捕集するキレート剤107(図7工程300B−305の珪酸ソーダをキレート剤として使用できる)を重量比で一定の割合で濃度が0〜80重量%になるように溶解する。このとき、溶解槽108用の集塵機を運転し、回収した灰は、溶解槽108へ回収する。受入完了後溶解槽108の攪拌機で一定時間攪拌し、均一化した時点で異物スクリーン109へ流送する。500μm以上の異物を系外へ除去する。スクリーンは振動篩タイプ、回転翼自洗スクリーンタイプ、傾斜スクリーンタイプがある。何れもスクリーン部のスリットスクリーン、ホールスクリーン、メッシュスクリーンが選定できる。一般的には振動篩タイプが好適である。メタカオリン40μm以下の目的の粒度分布へ(一般的に製紙原料として使用される10μm以下が標準)粉砕機111で粉砕処理する。粉砕機111は市販される装置(図15)を用い、ノズル1から入りノズル4に出て行く間にメタカオリンの処理に適した直径0.5〜3mmガラスビーズ3、ジルコニア製セラミックビーズ3を選定し、粉砕機111に充填し、形状に特徴を有するセラミック若しくは金属の攪拌用の回転子2を多段で組み合わせて回転し、ビーズ3間に粒子を挟み擦り潰し使用する。ノズル1、ノズル4からはビーズ3が流出しない構造になっており、ビーズ3が流出しても分級機112で分級され、スラリー液に混入し、流れていかない。粒径は1台当りの処理量を調整し、粉砕機111の内部に滞留する時間の調整により、粒度分布をコントロールする。
粉砕機111で適正化された粒度分布のメタカオリンを分級機112により分級する。分級機は一般品を使用する。分級機は振動篩機タイプ、遠心分離機タイプなどが使用される。振動篩機タイプはスクリーンメッシュを用途により適宜取り替え品質管理を行うことができる。遠心分離機タイプは遠心力により、分級するタイプで、一般的には振動篩機が好適である。分級機112でリジェクトされた設定外の径の粒子は粉砕機111前に戻され再度粉砕される。通過したものを選別タンク113に受入れ、洗浄機114でスラリー液中の溶出成分を濾液側に分離する。メタカオリンスラリー液で溶出したイオンは洗浄装置114、濃縮装置129の清澄した濾液または清水で置換され、洗浄機出口で0〜65重量%濃度に希釈されてストレージタンク115に受け入る。洗浄機はディスクシックナ型、ドラムシックナ型、フィルムフィルタ型、ワイヤプレス型、ロータリフィルタタイプなど選定できる。濃縮機は洗浄機と同様にディスクシックナ型、ドラムシックナ型、フィルムフィルタ型、ワイヤ(ベルト)プレス型、ロータリフィルタ型、遠心分離機タイプ、スクリュープレス型、スレーカ型、沈降分離槽型がある。洗浄機の場合は濾布で一旦スラリー液の固形分を漉き取り、新たに洗浄水で置換し、希釈洗浄する。濃縮機は水分のみを濾布を通過させ濃縮させる若しくは、濾布にスラリー液の固形分を漉き取り固形分を分離する。また、機械式に水分を濾布から吐き出し、スラリー固形分をスクリュー、ドラッグコンベアで掻き出す方式で濃縮する。沈降分離槽で沈降した下部より濃縮したスラリー固形分を抜き出すタイプのものもある。特にここではどのタイプでも選定できるが、設置スペースが小さいディスクシックナタイプ、ワイヤ(ベルト)プレスタイプが好適である。
その後、インラインミキサー116に送液し、適切な量(メタカオリン重量比1に対し、0.1〜1.2)の洗浄漂白剤117[弱電位の四面体を持つ分子構造を有し、またはカルボシル基若しくはヒドロキシル基を有する強誘電体であり双極子を構成する有機物群(グリコール、メタノール、エタノールの1価または多価アルコール類、アセトン、アセトアミド、アセトニトリル、クエン酸、アルデヒド化合物、酢酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、ケトンを有する化合物及びチオウレア、ウレア、オキソニウムイオン、ホルムアミド、ヒドラジン]を25〜90℃で混合し、安定槽118に3〜10時間貯留する。この際、反応時間を十分取り、双極性強誘電体が結晶構造内にインターカレートし、金属イオン等を追い出すと同時に均一な光学特性に影響するπ電子配列の向きを揃え、光学特性を変化させ、均一なメタカオリン・有機物複合体の生成により、メタカオリンを白色化(洗浄漂白)する。例として添加量はメタカオリン1に対し重量比で、チオウレアの場合0.2〜1、ウレアの場合0.1〜0.8、アセトンの場合0.1〜0.73で、薬液と強誘電体の作用する影響力は、物質毎により温度条件、メタカオリンの状態によって異なるため、有効な薬品、添加量、反応時間は実際にはテーブルテストで決定する。インラインミキサーはステータ流体を分割し、複数段で均一に混合するタイプが最近使用される。ミキサーとしては、ロータにパドルが付いて回転し、攪拌するタイプ、タンク内で攪拌する方法もある。一般的なミキサー内のステータによる流体分断タイプが好適である。
白色化したメタカオリン・有機物複合体を単体若しくは複数の洗浄工程を有する洗浄機119に掛け、洗浄液と反応液を1から3回置換し、不純物を洗浄する。洗浄機119で分離した濾液は前段の洗浄工程を向流で順次使用される。洗浄機119からでた濾液は洗浄濾液タンク120へ送られ、全工程洗浄機114の落し口で希釈水として使用される。洗浄機119から出たスラリー液は小型タンク(スタンドパイプ)に落され、インラインミキサー121へ移送され、15〜45%の希硫酸と混合される。洗浄機123で希硫酸を洗い流し、濾液は濾液タンク124に送られ洗浄機123で循環して使用し、一部を清澄タンク125のpH調整用に使用する。清澄タンク125で不純物を沈降分離後、溶解槽108に送られ溶解に使用される。なお、清澄タンク125では凝集剤として使用される硫酸アルミニウム204とpH調整用の苛性ソーダ127が混合され、SS成分を沈降分離し、不純物は形外に放出される。清澄槽は沈降分離槽、高速沈殿分離槽など汎用的なものを使用し、沈降槽下部に沈殿した沈殿物を汲みだして、系外に放出する。上澄み液を濾液として回収する。
洗浄後のメタカオリン・有機物複合体は白色メタカオリン槽128に貯留される。次工程の使用条件により、必要に応じ苛性ソーダを加え、pH調整を行う。白色化したメタカオリン・有機物複合体は循環使用可能な薬品原料として、濃縮装置129により濃縮後乾燥機130で粉体にした後、サイロ131で貯蔵する。また、濃度調整し、スラリー液のまま有効利用することができる。主な用途は抄紙工程前処理132で填料801、コート調薬で塗工液用の顔料902、1002、1016、KP排水処理用のイオン吸着剤506(次工程212、213がより好適)となる。
例として、図4処理工程200A(酸処理)により酸性白土(珪酸アルミニウム)、活性白土(活性珪酸ゲル無定形)加工処理方法を説明する。白色化したメタカオリン・有機物複合体は、原料貯槽136からインラインミキサー201へ移送され、15〜45重量%硫酸をメタカオリン・有機物複合体に対し2〜3倍容を加え、反応器202に充填する。反応器202は常温から摂氏300℃まで0.5〜3℃/minで加温可能な構造のものを使用し、蒸気若しくは電気を反応器の加熱エネルギー源とし、白色化したメタカオリン・有機物複合体スラリーを間接的に加温する構造を有する。図16は蒸気を使用するタイプで圧力容器となる。ヘッダ5−a、胴部5−bすべてジャケット式でジャケット部に熱源の蒸気を入れる。図17は熱源に電気を用いる。反応器ヘッダ5−a、胴部5−bにそれぞれ電気抵抗コイルを設け、通電量により加温する。図6、図7は周囲を断熱剤で囲い放熱ロスを避ける。図16の場合、ノズル9より設定温度の飽和蒸気をスチームトラップ若しくは、温度調節弁によりドレンを排出し、ドレンをドレンタンクへ移送し、フラッシュさせて蒸気として乾燥機130、214、322、413製造プロセスへ回収され使用される。反応器は1又は複数設置され、仕込み、製造、冷却、払出しの工程を循環サイクルの位相をずらして使用される。製造条件は有効利用するメタカオリン・有機物複合体の由来により異なるが、吸着剤・凝結剤として反応させる場合は、摂氏95〜140℃の範囲で反応時間は3〜5時間加熱反応させる。このとき、酸性白土(珪酸アルミニウム)が生成する。更に反応時間を全体で6〜12時間となるように加熱反応させると活性白土(活性珪酸ゲル無定形)が生成する。
反応後は反応器202を緩やかに冷却し、アルミニウム酸化物を溶出し吸着性能を強化した酸性白土(珪酸アルミニウム)、活性白土(活性珪酸ゲル無定形)と反応液を反応器202から分離装置203へ送液し、洗浄機205で洗浄する。分離装置は、ディスクシックナ型、ドラムシックナ型、フィルムフィルタ型、ワイヤ(ベルト)プレス型、ロータリフィルタ型、遠心分離機タイプ、スクリュープレス型、スレーカ型、傾斜スクリーン型、沈降分離槽型がある。ここでは、沈降分離槽型と沈降分離した上澄み液を更に傾斜スクリーンで固形分を分離する方法が好適である。沈降分離槽の下部から固形分を抜き出し、洗浄機205へ移送する。分離装置の上澄み液は硫酸アルミニウムタンク204へ移送し、清澄タンク125、凝集剤、インラインミキサー310で珪酸ソーダとの反応液に使用する。また、インラインミキサー405で水酸化カルシウムとの反応液に使用する。洗浄機205で洗浄分離した液は原料貯槽136出口のポンプ吸込み口で希釈液に使用する。余剰液は濾液タンク124、清澄タンク125へ移送する。酸性白土(珪酸アルミニウム)、活性白土(活性珪酸ゲル無定形)スラリー液を洗浄機205で水洗浄後、洗浄機落ち口で希釈し、適正な濃度5〜80重量%に調整し、ストレージタンク207に受け入る。粉砕機208で必要に応じた粒度分布(一般的には粒度0.2μから10μm)若しくは非結晶ゲルを均一に分散するまで粉砕する。粉砕後は用途に応じて分級機209の振動篩メッシュを選択し、分級する。リジェクトされたものは、再度粉砕機前に戻し、品質管理を行う。分級後は濃縮装置210で濃調され、酸性白土ストレージタンク212、活性白土ストレージタンク213に貯蔵するか若しくは乾燥機214へ搬送され、乾燥後粉体サイロ215へ貯蔵され、製品化する。洗浄機205、濃縮装置210濾液は濾液タンクに回収後前工程の清澄タンク125、原料貯槽136希釈水として使用される。酸性白土(珪酸アルミニウム)、活性白土(活性珪酸ゲル無定形)は抄紙工程132填料801、塗工顔料902、1002、1016、ノーカーボン紙、感圧紙用呈色剤135、KP排水処理設備吸着剤506の用途で適用できる。
処理工程200Bによりメタカオリン・有機物複合体の結晶構造を整える加工処理方法について説明する。主要設備は前記図4処理工程200Aと同じである。図5工程200Bは白色化したメタカオリン・有機物複合体を原料貯槽136からインラインミキサー201へ移送し、インラインミキサー201では硫酸を添加せず、メタカオリン・有機物複合体に対し2〜3倍容の水で希釈し、反応器202に充填し、熱水作用を起させる。反応器は工程200Aと同じ構造のものを使用し、白色化したメタカオリン・有機物複合体スラリーを間接的に加温する。有効利用するメタカオリンの由来により異なるが、抄紙工程填料、コート紙塗工液用顔料の用途として反応させる場合は、摂氏100〜300℃の範囲で反応時間は2時間〜2ヶ月間加熱反応させる。特に摂氏150〜180℃で5時間以内が製造費の関係から好適である。
反応後は反応器202を緩やかに最適な温度勾配で冷却し、抄紙工程填料、コート紙塗工液用顔料の用途に適した板状または球状結晶構造に整える。反応液を反応器から分離装置203へ送液する。メタカオリン・有機物複合体は分離装置203で固形分を5〜80重量%まで濃縮し、洗浄機205で濃縮機210の濾液211を使用し洗浄する。洗浄後濃度は5〜80重量%でストレージタンク207に受入後粉砕機へ移送し、粉砕処理により粒度を整える。分離装置濾液及び洗浄機濾液は、濾液タンク206若しくは濾液タンク211へ移送する。濾液は原料貯槽136出口ポンプ吸込み口に希釈水として使用する。填料の場合は0.02〜5μm、顔料の場合は0.2〜10μmの粒度分布範囲が好適な粒子径である。最終的に製品に適した粒度分布のスラリーになるまで粉砕する。分級機209以降は説明が同じなので省略する。
処理工程200Cによりメタカオリン・有機物複合体の結晶構造を整える加工処理方法について説明する。主要設備は前記図4、5処理工程200A、200Bと同じである。工程200Cは白色化したメタカオリン・有機物複合体を原料貯槽136からインラインミキサー201へ移送し、インラインミキサー201では硫酸を添加せず、メタカオリン・有機物複合体に対し2〜3倍容の水で希釈し、反応器202に充填し、熱水作用を起させる。反応器は工程200A,200Bと同じ構造のものを使用し、白色化したメタカオリン・有機物複合体スラリーを間接的に加温する。有効利用するメタカオリンの由来により異なるが、抄紙工程歩留まり向上剤に使用する粘土物質(メタカオリン・有機物複合体またはメタカオリン・無機物複合体)、KP蒸解助剤(触媒)の用途として反応させる場合は、摂氏100〜300℃の範囲で反応時間は2時間〜2ヶ月間加熱反応させる。特に摂氏150〜180℃で5時間以内が製造費の関係から好適である。また、工程200Cでは、有機物をインターカレートしないメタカオリン無機物に読み替えても製造方法は適用できる。
反応後は反応器202を緩やかに最適な温度勾配で冷却し、抄紙工程歩留剤に使用する粘土物質(メタカオリン・有機物複合体またはメタカオリン・無機物複合体)、DIPピッチコントロール剤、KP蒸解助剤(触媒)の用途に適した板状または球状結晶構造に整える。反応液を反応器から分離装置203へ送液する。メタカオリン・有機物複合体は分離装置203で固形分をケン濁性粒子と沈降性粒子に分級し、沈降性物質は5〜80重量%まで濃縮し、残渣タンクへ一旦貯めた後、粉砕機で0.02〜3.5μmの粒度分布まで粉砕し、原料貯槽へ移送する。分離装置203にてケン濁した上澄み水は水簸装置へ移送し、濾液とケン濁性物質と分離する。このとき、凝集剤を添加することにより沈降分離する時間を早めることができる。沈降したケン濁性物質は5〜80重量%でストレージタンクに受入後粉砕機へ移送し、粉砕処理により粒度を整える。水簸装置濾液及び濃縮装置濾液は、濾液タンク若しくは濾液タンクへ移送する。濾液は原料貯槽136出口ポンプ吸込み口に希釈水として使用する。抄紙工程歩留まり向上剤に使用する粘土性物質(メタカオリン・有機物複合体またはメタカオリン・無機物複合体)の場合は0.02〜3.5μm以下、DIPピッチコントロール剤、KP蒸解助剤(触媒)の場合も同様に0.02〜3.5μmの粒度分布範囲が好適な粒子径である。最終的に製品に適した粒度分布のスラリーになるまで粉砕する。分級機以降仕上がった粘土物質は抄紙工程132では歩留向上剤、DIP工程600では粘着異物除去、KP工程700ピッチコントロール、蒸解助剤(触媒)へ移送され、使用される。
例として、図6カルシウム有機物複合体(インターカレート複合体との反応物質)工程300Aにおいてメタカオリン・有機物複合体を原料タンク134からインラインミキサー301へ移送し、インラインミキサー301では生石灰若しくは炭酸カルシウムをメタカオリン・有機物複合体(有機物:ウレア、チオウレアとした場合)重量1gに対し、生石灰の場合0.15〜0.2g、炭酸カルシウムの場合0.27〜0.35gを加え、2〜3倍容の水で希釈し、反応器303に充填し、メタカオリン・有機物複合体から白色度80度以上のカルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・珪素酸化物複合体を製造する。60〜210℃で1時間から5時間加熱反応させる。
残渣分離装置304にて異物及び未反応の残渣を分級し、カルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・珪素酸化物複合体をカルシウム有機物複合タンク324へ移送する。残渣分離装置、分級機は振動篩機タイプ、遠心分離機タイプなどが使用される。振動篩機タイプはスクリーンメッシュを用途により適宜取り替え品質管理を行うことができる。遠心分離機タイプは遠心力により、分級するタイプで、一般的には振動篩機が好適である。分級機312でリジェクトされた設定外の径の粒子は粉砕機311前に戻され再度粉砕される。通過したものをストックタンク313に受入れ、洗浄機314でスラリー液中の未反応液成分を濾液側に分離する。pH調整タンク以降は図5工程200Bのメタカオリン・有機物複合体の粒子結晶を整えたものと同じ工程なので省略する。
例として、図7珪酸ソーダ/硫酸ナトリウム(カルシウム)有機複合体(ゲル状物質)図6工程300B(アルカリ処理)により珪素ソーダ(水ガラス)及び非結晶型珪素酸化物・アルミニウム酸化物複合体へ加工処理する方法を説明する。白色化したメタカオリン・有機物複合体は、インラインミキサー301で5〜50重量%苛性ソーダ302をメタカオリン・有機物複合体に対し2〜3倍容を加え、熱水作用を起す反応器303に充填する。反応器303は図16、図17と同様の構造と機能を有する。有効利用するメタカオリン・有機物複合体の由来により異なるが、非結晶物質珪酸ソーダ(水ガラス)として反応させる場合は、摂氏100〜190℃の範囲で反応時間は3〜12時間加熱反応させる。
反応後は反応器303を緩やかに冷却し、非結晶構造へ変化した珪素ソーダ(水ガラス)と反応液を反応器303から残渣分離装置304を経由し、水ガラスタンク305へ送液される。生成した珪素ソーダ(水ガラス)は、一旦水ガラスタンク305に貯留された後、用途別に移送ポンプで各工程に供給される。珪酸ソーダの特徴は、解膠効果を損ねる2価の陽イオンをケイ酸塩として沈降させる効果がある。また、2価の陽イオンの表面をマスクキングする作用や珪酸イオンやコロイド性の珪酸が粒子に吸着し、全表面の電荷を負にする保護コロイドを形成する特徴を有する。これらの特徴を活かし、DIP工程600では脱墨助剤307として使用され、DIP原料をアルカリ性にし、古紙仕込み工程で苛性ソーダと一定配合し、仕込み装置に添加される。また、脱墨工程ではソーキング装置手前のニーダ装置で苛性ソーダおよび脱墨剤と一緒に一定比率配合され、遊離したインキ除去の用途で陽電化を持つインキがセルロースに再付着防止のために使用される。DIP漂白工程308及びTMP漂白工程309で、苛性ソーダ、漂白剤と伴に珪酸ソーダを安定剤として添加する。リグニン質を無色結晶化する時安定剤として珪酸ソーダが作用する。また、珪素ソーダ(水ガラス)は一般的に抄紙工程コート調薬でと塗工液用の顔料50重量%以上配合時の粘度上昇を抑制する分散剤306としても使用できる。顔料高配合が可能となり高粘性を示す塗工液の流動性を改善することができる。珪素酸化物・アルミニウム酸化物・有機物複合体及びカルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウム複合体を配合したとき特に粘性が高くなるため、自製且つ分散効果を持つメタカオリン由来の珪酸ソーダを配合し、分散剤306として利用することができる。
非結晶構造化した珪素ソーダ(水ガラス)305は製紙填料・顔料として使用するため、硫酸122、硫酸アルミニウム204若しくは硫酸処理した反応液の濾液206とインラインミキサー310で混合し、ナトリウム、珪素・アルミニウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質が生成する。硫酸122を添加する場合は珪酸ソーダ重量1gに対し、硫酸1.34〜2.38を添加、硫酸アルミニウム204及び廃酸206の場合、珪酸ソーダ重量1に対し、硫酸アルミニウム1.58〜2.8g添加する。生成したナトリウム、珪素、アルミニウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質はそのまま粉砕機311で均一に分散しきるまで粉砕処理をする。未反応及び残渣は分級され、リジェクトされたものは、系外に排出される。分級機312で分級されたスラリーはストックタンク313に受入れた後、洗浄機314へ移送し、濾液318で洗浄される。洗浄後のスラリー溶液は苛性ソーダによりpH調整タンク316でpH調整する。pH調整後は濃縮機317によりナトリウム、珪素、アルミニウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質タンク319で貯留するかコンベアで乾燥機322へ送られ、乾燥後粉体サイロ323へ貯留される。濃縮機317で分離した濾液は濾液タンク318に回収し、前段の洗浄機314の洗浄液として使用される。
また、この時PS由来の場合は、PSに含まれるカルシウム、二酸化チタン成分がナトリウム、珪素、アルミニウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質と更に複合体を形成するが、抄紙工程132填料801、コート紙塗工液用顔料902、1002、1016の用途で使用可能である。
ナトリウム、珪素、アルミニウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質タンク319で貯留されたナトリウム、珪素、アルミニウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質319を抄紙工程132前処理で填料801として添加するため、図12のフローシートでは、異物分級のため振動篩を通過し、一旦ストレージタンク802に貯蔵された後、容量の小さなサービスタンク803へ移送される。一般的にはサービスタンク803から抄紙機前処理工程のヘッドボックス806へ原料を移送するフィードポンプ(807)、810直前に配合されるが、歩留まり向上剤との相関関係により、添加位置が決まる。
ナトリウム、珪素、アルミニウム、カルシウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質319を図10DIP工程600のDIP原料中の粘着異物を除去するために添加する場合は、水ガラスタンク305より、図10DIP工程600の除塵装置611前で添加し、有機性イオン吸着性能により凝結させ、大きく成長したフロックを除塵装置611により、リジェクトし易くする。
ナトリウム、珪素、アルミニウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質319を図11KP工程700のピッチコントロール剤として使用する場合も、KP晒工程を経た後、精選工程除塵装置715前で添加し、有機性イオン吸着性能により凝結させ、大きく成長したフロックを除塵装置により、リジェクトする。
非結晶構造化した珪素ソーダ(水ガラス)305は製紙填料・顔料として使用するため、硫酸122、硫酸アルミニウム204若しくは硫酸処理した反応液の濾液206、炭酸カルシウムとインラインミキサー310で混合し、ナトリウム、珪素、アルミニウム、カルシウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質が生成する。硫酸122を添加する場合は珪酸ソーダ重量1に対し、硫酸1.34〜2.38g、炭酸カルシウム0.93〜1.64gまたは生石灰0.52〜0.92gを添加、硫酸アルミニウム204及び廃酸206の場合、珪酸ソーダ重量1に対し、硫酸アルミニウム1.58〜2.8g、炭酸カルシウム0.93〜1.64gまたは生石灰0.52〜0.92gを添加する。生成したナトリウム、珪素、アルミニウム、カルシウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質はそのまま粉砕機311で均一に分散しきるまで粉砕処理をする。以降ナトリウム、珪素、アルミニウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質と同じ製造工程及び効果であるため、ナトリウム、珪素、アルミニウム、カルシウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質の取扱はナトリウム、珪素、アルミニウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質と読替えて使用することができる。
メタカオリン・有機物複合体及び酸性白土(珪酸アルミニウム)212若しくは活性白土(活性珪酸ゲル無定形)213を抄紙工程132で填料801として使用する場合と同様にナトリウム、珪素、アルミニウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質319を取り扱うため、説明を省略する。
例として、図6工程400により、カルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウム複合体を製造する方法について説明する。反応に適した粒度分布の生石灰をサイロ402から溶解タンク403へ移送し、攪拌溶解した後スラリー化したものを炭カルストレージタンク404へ貯留する。炭酸カルシウムを使用する場合は、炭酸カルシウムサイロ401から、溶解タンク403へ移送する。スラリー液とメタカオリン・有機物複合体136を硫酸処理した反応液の廃液206または硫酸アルミニウム204をインラインミキサー405で生石灰402の場合は生石灰重量を1gに対し、廃液206または硫酸アルミニウム204を1.14〜3.05gを混合し、炭酸カルシウム401の場合は、炭酸カルシウム重量1gに対し、廃液206または硫酸アルミニウム204を0.88〜1.71gを混合し、間接式熱交換式結晶析出槽406で、濃度5〜80重量%、10〜90℃の温度、1〜3時間の滞留時間をコントロールしながら、カルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウム複合体を析出させる。間接式熱交換式結晶析出槽の構造はジャケット付の内部に分散板が付いている。滞留時間を基準に処理量に合わせ内径を決定する。ジャケットは幾つかのパートに分割され、流れに沿って温度勾配を付けられるものが好適である。温度は温水をジャケットに通し、内部温度に合わせ、温水温度を設定する。カルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウム複合体は適正な濃度5〜80重量%に調整し、粉砕機408で必要に応じた粒度分布(一般的には粒度0.2μから5μm)まで粉砕する。粉砕後は分級機409振動篩メッシュを選択し、用途に応じた粒度に分級され、リジェクトされたものは、再度粉砕機408前に戻し、品質管理を行う。濃縮機410で濃縮後はストレージタンク412で貯留するかコンベアで乾燥機413へ送られ、粉体サイロ414へ貯留される。濃縮機410で分離した濾液は濾液タンク411に回収後前段の溶解タンク403希釈水として使用される。また、ストレージタンク412で保管する際は濃度が60重量%以上になると粘性が高くなり、流動性が落ちるため、塗工液に必要な濃度での粘度に抑えるため、分散剤(水ガラス)306を添加し、抄紙工程133サイズプレスまたはコートマシン塗工工程134塗工液を調合するブレンディングタンク902、1002、1016へ配合する。ブレンディングタンク902、1002、1016で配合する珪素酸化物・アルミニウム酸化物・有機物複合体は一般的に顔料として60〜80重量%で塗工液を製造する。
完成した塗工液はサービス移送後インラインフィルタ905、1005、1019、1010、1024及び脱泡器906、1006、1020、1011、1025を通過した後、塗工装置907、1007、1021、1012、1026へ供給され、紙匹に塗工される。このとき、アンダーコートに珪素酸化物・アルミニウム酸化物・有機物複合体を主体とした顔料を配合した塗工液を塗布し、乾燥した後、再度カルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウム複合体を配合した塗工液を塗布するダブル塗工により、高品質、高機能を持たせた経済的にも有利な環境対応型高白色度コート紙が製造される。塗工液を紙匹に塗工する装置は表裏のアンダーコートに原紙抄紙機サイズプレス、表裏のトップコートにコートマシン塗工装置を用いるか、表裏にアンダーコート、トップコートする塗工装置を2段有するコートマシンを用いる。
例として、図9KP排水処理有機イオン吸着処理工程500について説明する。パルプ製造工程から排出する排水には、パルプ繊維が含まれており、パルプ繊維回収装置502でパルプ繊維をKP製造工程に回収する。パルプ繊維回収装置の構造例を図21、図22に示す。パルプ繊維回収装置502後の排水は排水ピット503でポンプにより吸着塔506へ送液される。図18吸着塔は多塔式のものが好適で、吸着塔の構成は多種選択できるが、KP排水量から3塔以上が望ましいと考える。並列に使用する場合は、吸着、再生、吸着剤仕込みのサイクルで各工程同数の塔を切替えながら使用する。直列に吸着塔を使用する場合は、1塔を再生し、使用時間の長いものから向流で各塔を流す。再生直後の塔を通過することで、排水中の有機成分は所定の量まで吸着し、排出することができる。
吸着塔506の4搭タイプを例に説明する。排水は1〜4搭の内3塔にメタカオリン・有機物複合体131、215、酸性白土(珪酸アルミニウム)212若しくは活性白土(活性珪酸ゲル無定形)213を充填する。KP排水は運転時間の長い塔から流れ、再生直後の塔を最後通過する。再生直後の塔出口有機イオン濃度(電導度計により電導度を)を測定し、設定した濃度まで上昇したら、運転時間の長い塔を再生サイクルに移す。次に運転時間の長い塔を第1塔とし、再生直後を第3塔(最終塔)として運転を継続する。運転時間が長く再生に入る塔から吸着剤を抜き取り、入れ替えが終了した時点で、待機とする。再度吸着塔出口の有機成分濃度が設定値になった時点で、吸着塔を切り替え、再生を繰り返す。一定の電導度により、濃縮された塔を再生塔に切替えて使用する。
有機イオンを吸着した吸着剤は回収槽511に流送する。回収槽液面から10.3m以上の高さの脱気反応器512へ移送し、1種又は複数種の成分分子の官能基を電子的励起状態とする紫外光(100〜400nm)、可視光(400〜700nm)、赤外光(0.7〜10.6μm)の波長範囲から選択された1又は複数の波長の電磁波の組合せを照射することにより、脱気反応器512内を脱気ブロアにより665Pa〜大気圧とし、10〜90℃で有機イオンを加水分解し、吸着剤[メタカオリン・有機物複合体131、215、酸性白土(珪酸アルミニウム)212若しくは活性白土(活性珪酸ゲル無定形)213]から酸性物質(二酸化炭素、硫化水素、水素、酸素、二酸化硫黄)及び揮発性有機物(メタン、エタン、メタノール、エタノール他リグニン成分由来の有機物質)を生成しかつ分離する。脱気ガスはボイラー送風中に結露する可能性があるため、熱交換器514で冷却し、ドレン化した有機化合物は有機化合物回収タンク515に回収され、回収ボイラー若しくは、重油ボイラーで燃焼する。また、冷却後の脱気ガスは加温若しくはそのまま回収ボイラー若しくは重油ボイラーへ風送し、逆火弁を備えた吹き込み口より燃焼ガスとして供給する。脱気反応器512内で再生した吸着剤は再生槽513へ流送し、脱気反応器のレグ配管は、再生槽513の液面以下にシールされている。
再生槽513に硫酸若しくは強誘電体の有機物群(グリコール、メタノール、エタノールの1価または多価アルコール類、アセトン、アセトアミド、アセトニトリル、クエン酸、アルデヒド化合物、酢酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、ケトンを有する化合物及びチオウレア、ウレア、オキソニウムイオン、ホルムアミド、ヒドラジン)溶液を助剤として補助的に添加し、0〜90℃で0.5〜10時間掛けて再生を完了させる。助剤添加により発生するガスは、脱気反応器512に吸引する。脱気ブロアが停止する場合は、臭気ブロアを代用として運転し、回収槽511、脱気反応器512、再生槽513、有機化合物回収タンク515から常時臭気ガスは捕集し、ボイラーで燃焼するようにする。停電時は各タンク内にガスが溜らないように通気管および臭気検知器を設置して運転を行う。
以下本発明の特徴であるメタカオリンからメタカオリン・有機物複合体を製造する実施例を示すが、本発明はそれら実施例に限定されるものではない。試薬品関係は家庭で実験可能な薬品を選定し、代表例としてテストを行った。また、請求項に示す各薬品及び紙匹の製造方法はメタカオリン・有機物複合体を基に製造することを限定しており、メタカオリン・有機物複合体製造後の各薬品及び紙匹の製造方法は公開特許で示されている。公開特許で示されている無機複合体との関係は図2に示す。
<試験方法1>
メタカオリンテスト条件
試料1:コート紙10gを燃焼し、集まった灰を更にるつぼに入れ摂氏600℃以上で完全燃焼させ残った灰中の無機質を回収し、無機質中のメタカオリン化した灰成分に本発明を適用する。灰分は2.5g発生した。
コート紙を燃焼したものは、ペーパースラッジを燃焼したものと同じである。
灰の白色度はJIS80度以上のコート紙を基準と比較し、灰色に色相が変化し、そのままでは製紙原料として使用できないものであった。
試料2:石炭10gを燃焼し、集まった灰を更にるつぼに入れ摂氏600℃以上に完全燃焼させ残った灰中の無機質を回収し、無機質中のメタカオリン化した灰成分に本発明を適用する。灰分は1.5g発生した。
灰の白色度はJIS80度以上のコート紙を基準と比較し、灰色に色相が変化し、そのままでは製紙原料として使用できないものであった。
試薬:a蒸留水 (市販品)
b〜d強誘電体試薬
bウレア (市販品) 純度99重量%以上無色結晶を蒸留水で16.7
重量%水溶液にして使用。
大洋製薬株式会社製
cエタノール(市販品) 純度99.5重量%以上無色液体
健栄製薬株式会社製
dグリセリン+エタノール混合液(市販品) 無色液体 液体歯磨き液
花王株式会社
1)メタカオリン・有機物複合体製造テスト
白色度がJIS80度よりも低下した灰を白色度基準のコート紙、カオリン原料と対比し、同じ白色度以上(一定基準以上)になるか評価する。
<テスト>
試料1PS灰、試料2石炭灰の各0.2gに対して、摂氏23℃(常温)で試薬a、b、c、d、1.5gを添加した。
<試験結果>
試料1PS灰、試料2石炭灰の試薬添加前、コート紙(基準紙)、カオリン原料と対比し、試薬添加前の灰色からコート紙(基準紙)、カオリン原料(天然石)と同等以上の白色に変化した。また、メタカオリン・有機物複合体となったサンプルを再度るつぼで摂氏600℃燃焼した結果、有機成分が変化し、茶色を帯びた灰になった。乾燥に留意する必要があり、必要以上に加熱するとメタカオリン・有機物複合体の成分、結晶構造が変化することを示している。品質を維持できる温度で水分を揮発させることで、白色化した天然鉱石の代用品として使用することが可能である。
2)メタカオリン・有機物複合体のインク吸着性能(脱インク)の確認テスト
再度試料1PS灰、試料2石炭灰のメタカオリン・有機物複合体1.5g用意し、摂氏23℃(常温)でインク水溶液に入れ、攪拌し1時間放置した。
<試験結果>
着色成分を吸着し、溶液の底にメタカオリン・有機物複合体が沈降し、メタカオリン・有機物複合体を加えないインク水溶液と対比し、清澄していることを確認した。
3)メタカオリン・有機物複合体の結晶構造の確認。
3)−a水熱条件で、メタカオリン・有機物複合体1.5gを摂氏120℃で1時間加熱し、結晶構造を確認する。
厳密には異なるが、溶媒を水からサラダ油に替え、メタカオリン・有機物複合体を含ませて、テストは摂氏120℃で1時間加熱し、結晶構造の変化を確認した。
3)−b水熱条件で、メタカオリン・有機物複合体1.5gを摂氏200℃で1時間加熱し、結晶構造を確認する。
厳密には異なるが、溶媒を水からサラダ油に替え、メタカオリン・有機物複合体を含ませて、テストは摂氏200℃で1時間加熱し、結晶構造の変化を確認した。
<試験結果>
3)−aの条件ではテスト前に比べ、メタカオリン・有機物複合体が微粒化し、均一に溶媒に分散し、浮遊するようになった。顕微鏡で観察すると球状となった結晶構造が増加している。
3)−bの条件ではテスト前に比べ、メタカオリン・有機物複合体が集合し、平板状の結晶を構成し、小さな塊を成形している。顕微鏡で観察すると平板状の結晶構造が増加している。
4)PS灰、石炭灰のメタカオリン・有機物複合体のアルカリ煮沸による珪酸ソーダ製造テスト。
石炭灰92gに尿素水をインターカレートし、苛性ソーダ50g、水140gを100℃で煮沸し続け、蒸発水分を湯で補充しながら、珪酸ソーダが製造できることを確認した。また、酸性白土(珪酸アルミニウム)、活性白土(活性珪酸ゲル無定形)からも製造できることが確認できた。
5)珪酸ソーダ(+水酸化アルミニウム)の溶液に硫酸を混合し、無結晶硫酸ナトリウム・珪素酸化物・アルミニウム酸化物複合体(ゲル状)を製造テスト。
珪酸ソーダ(+水酸化アルミニウム)174g(濃度40重量%)、硫酸76g(濃度45重量%)に希釈水を混合し、1000mLになるように調整し、反応を確認した。無結晶硫酸ナトリウム・珪素酸化物・アルミニウム酸化物複合体(ゲル状)が生成するのが確認できた。
6)メタカオリン・有機物複合体硫酸処理後の廃液を用いたカルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウム複合体製造テスト。
廃液900g、生石灰30gを混合し、一旦加熱して、徐々に冷却し放置した。廃液pHを測定したところ、pHが7から10の間にあったことからカルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウム複合体ができたことが確認できた。
7)塗工液製造と塗工テスト(白色度JIS80度)
カルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・珪素酸化物有機物複合体を抄紙工程において、80重量%と重質カルシウム10重量%と配合し、塗工液用顔料が液総重量の90重量%を占めるように製造し、また、塗工液用顔料の他に酸化澱粉10重量%を塗工液に配合し、紙匹表面へ両面で、12〜15g/mに塗工して、アイロンで表面に光沢を出し、白色度JIS80度の塗工紙と対比試験を行った。
<試験結果>
メタカオリン・有機物複合体を原料としても基準紙と同等な塗工紙ができた。
8)酸性白土(珪酸アルミニウム)、活性白土(活性珪酸ゲル無定形)のリグニン質含有の吸着剤テスト
8)−a木片を煮立てリグニン質を溶出させた水溶液にメタカオリンを混合・撹拌し、混含しなかったものと状態の変化を対比し、吸着効果の確認を行った。
<試験結果>
酸性白土(珪酸アルミニウム)、活性白土(活性珪酸ゲル無定形)を混合しなかったものは、水溶液が黒色に着色したままであるが、酸性白土(珪酸アルミニウム)、活性白土(活性珪酸ゲル無定形)を混合したものは、無色層と黒色層に分離し、上澄み液が清澄することを確認した。また、吸着剤として酸性白土(珪酸アルミニウム)、活性白土(活性珪酸ゲル無定形)が機能することが確認されている。
9)カルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・珪素酸化物複合体製造テスト
メタカオリン・有機物複合体(テストではaウレア、bチオウレアをインターカレートしたものを使用)を1.5g準備し、試料aでは生石灰0.3g、試料bでは生石灰0.27gと混合し、るつぼへ投入し、水3mlで溶解後、60〜95℃の間で加熱し、カルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・珪素酸化物複合体が生成することを確認。生成したカルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・珪素酸化物複合体の白色度を基準試料と対比し、白色度を確認する。
<試験結果>
試料a、資料bそれぞれから白色度80度以上(推定で95度程度)のカルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・珪素酸化物複合体が生成されたのを確認できた。
10)パルプ手抄き試験による炭酸カルシウムの歩留テスト
550カナディアンスタンダードフリーネスの新聞紙由来のパルプ絶乾0.04gにカチオン化デンプン0.16mgと粘土性物質0.16mgを配合し、炭酸カルシウム6mgを配合し、1000mLになるように水で希釈分散させた状態で、手抄きでパルプシートを作り、5分間置き、パルプに残留している炭酸カルシウム歩留を確認した。
<試験結果>
炭酸カルシウムが75重量%パルプシートに残留し、歩留効果があることが確認できた。
<まとめ>
テストの結果、PS、石炭灰中のメタカオリンに強誘電体である有機物を加え、白色化できたことで、多岐に亘る有効利用の可能性を示している。公開特許文献5、8、10からも特に製紙業に重要な白色鉱物系の代用品として使用が可能なことを示している。
高品質、機能的原材料として、製造コストを抑え、環境対応型の新規製品を製造することができる。
<試算条件>
石炭燃焼により12重量%アッシュ分が生成。不足分は電力会社より補充する。
コート紙を塗工液顔料に従来のカオリン処方とカルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウム複合体、メタカオリン・有機物複合体を使用した場合の経済効果を試算する。
例)仮に製紙業界でコート紙1トン当たりの生産に消費するエネルギーを2,830×10kCal/tとした場合、一般的に17.8×10kCal/tを石炭ボイラーで賄っており、石炭使用量は2,871kg/t(6,200kCal/kg)となる。このとき、発生する石炭灰の量は、石炭使用量の約12重量%で345kg/tである。一般的にコート紙重量の10〜30重量%が塗工液を乾燥させたもので、そのうち、65重量%をメタカオリン・有機物複合体とカオリンを振替えて使用するとした場合、塗工液に使用する顔料に見合う石炭灰を有効利用できる可能性がある。大幅に石炭灰の埋設量を減らし、天然石の使用量を削減することができる。結果的に外国からの天然石の輸送が減り、二酸化炭素削減に寄与することができる。
<結 果>
薬品加工費を試算した場合、塗工液へのメタカオリン・有機物複合体配合65重量%振替で最終製品売価の5〜8%コスト削減が可能となる見込みである。また、カルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウム複合体をダブル塗工で塗工し、カルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウム複合体を15〜30重量%配合、メタカオリン・有機物複合体35〜50重量%配合した場合、最終製品売価の3〜6%コスト削減が可能となる見込みである。
従来の産業廃棄物(石炭灰・PS灰)に本発明を適用し、有効利用したシステムの一実施例を示す構成図である。 従来の産業廃棄物(石炭灰・PS灰)の無機複合体としての活用方法と本発明を適用した有機物複合体としての活用方法の対比を示す表である。 燃焼装置を経て発生した石炭灰・PS灰に本発明を適用し、洗浄後強誘電体を添加するシステムの一実施例の概略構成図である。 メタカオリン・有機物複合体に本発明を適用し、酸性白土・活性白土(活性珪酸ゲル)を製造するシステムの一実施例の概略構成図である。 メタカオリン・有機物複合体に本発明を適用し、結晶構造を整える設備の一実施例の概略構成図である。 メタカオリン・有機物複合体に本発明を適用し、メタカオリンに有機物をインターカレートした複合体と炭酸カルシウム、生石灰との反応物質を製造するシステムの一実施例の概略構成図である。 メタカオリン・有機物複合体に本発明を適用し、珪酸ソーダ/硫酸ナトリウム(カルシウム)有機物複合体(ゲル状物質)を製造するシステムの一実施例の概略構成図である。 メタカオリン・有機物複合体に本発明を適用し、カルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウム複合体を製造するシステムの一実施例の概略構成図である。 KP排水に本発明を適用し、メタカオリン・有機物複合体由来の有機イオン吸着性を示す物質を使用し、KP排水を処理するシステムの一実施例の概略構成図である。 DIP工程に本発明を適用し、メタカオリン・有機物複合体由来の珪酸ソーダ及び凝結性を示す物質を使用したシステムの一実施例の概略構成図である。 KP工程に本発明を適用し、メタカオリン・有機物複合体由来の凝結性を示す物質を使用したシステムの一実施例の概略構成図である。 抄紙工程前処理に本発明を適用し、メタカオリン・有機物複合体由来の填料を添加するシステムの一実施例の概略構成図である。 抄紙工程サイズプレスに本発明を適用し、メタカオリン・有機物複合体由来の顔料を含む塗工液をアンダーコートするシステムの一実施例の概略構成図である。 コート調薬/コートマシン塗工工程に本発明を適用し、メタカオリン・有機物複合体由来の顔料を含む塗工液をアンダーコートまたはトップコートするシステムの一実施例の概略構成図である。 本発明に使用できる一般的な粉砕機の原理及び構造を示す概略構成図である。 本発明に使用できる一般的な加熱反応器(蒸気式)の構造を示す概略図である。 本発明に使用できる一般的な加熱反応器(電気式)の構造を示す概略図である。 本発明に使用できる一般的な吸収剤を充填する充填塔の構造を示す概略図である。 本発明に使用できる光反応式酸性物質及び揮発性有機物発生装置(分散板使用タイプ)の構造を示す概略図である。 本発明に使用できる光反応式酸性物質及び揮発性有機物発生装置(天板分散タイプ)の構造を示す概略図である。 本発明に使用できる繊維回収装置の一実施例(サンドフィルタ濾過原料回収レイキ式)の構造を示す概略図である。 本発明に使用できる繊維回収装置の一実施例(サンドフィルタ濾過スクリュエキスト式)の構造を示す概略図である。 本発明に使用できる溶解タンクの一実施例(平底型)の構造を示す概略図である。 本発明に使用できる溶解タンクの一実施例(傾斜底型)の構造を示す概略図である。 本発明に使用できる溶解タンクの一実施例(つぼ型)の構造を示す概略図である。 本発明に使用できる洗浄機・濃縮機の一実施例(ディスク型)の構造を示す概略図である。
1 原料入口
2 回転子
3 ビーズ(0.5〜3mm) ガラスビーズまたはジルコニア製
4 原料出口
5−a 反応器キャップ
5−b 反応器胴体
6 加熱蒸気入口
7 原料入口
8 原料出口
9 加熱蒸気ドレンまたは結露、漏洩ドレン放出口
10 電気ヒータコイル
11 KP排水入口/再生吸着剤投入ガス排出/吸着剤排出用吸気口
12 吸着剤
13 KP排水排出口
14 再生吸着剤入口
15 吸着剤排出口
16 マルチレーザ照射装置
17 脱気反応装置
17−a 分散板
17−b 排気口
17−c 再生吸着剤出口
17−d 堰板
20 吸収剤流入口
30 反応液
40 酸性物質/揮発性有機物
50 排水受入ヘッドタンク
51 原料リジェクト用レーキ
52 サンドフィルタ入口原料スクリーン
53 サンドフィルタ用濾剤
54 サンドフィルタ目詰まり逆先装置
55 濾過排水放出口ハンドコントロールバルブ
56 濾過排水放出口
57 回収原料リジェクトシュート
58 廃水リジェクトタンク
59 原料回収タンク
60 KP排水吸着処理設備移送ポンプ
61 KP製造工程へ返却
62 KP排水吸着処理設備移送ポンプ
70 原料入口
71 胴体
71−a 平底板
71−b 傾斜底
72 放出ノズル
73 集塵機バグフィルタ
74 集塵機ブロア
75 アジテータ
80 原料入口
81 加圧・給気ノズル
82 濃縮原料
83 濾液放出口
84 脱水用セクタ
85 回収原料受入シュート
86 洗浄機・濃縮機フード

Claims (29)

  1. ペーパースラッジ又はボイラー用の石炭燃焼を燃焼させ得られた灰を、更に摂氏600℃以上で熱処理し得られる結晶水を含まない珪素酸化物・アルミニウム酸化物複合体(化学式Al・2〜3SiOで示され、以降メタカオリンと呼ぶ)に重量比0.1〜1.2の比率で強誘電体である有機化合物群(メタノール、エタノールの1価又はグリコールの多価アルコール類、アセトン、アセトアミド、アセトニトリル、クエン酸、アルデヒド化合物、酢酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、ケトンを有する化合物、チオウレア、ウレア、オキソニウムイオン、ホルムアルデヒド、ヒドラジン)をインターカレートし、均一に白色化したメタカオリン・有機物複合体の製造方法。
  2. 請求項1の製造方法により得られるメタカオリン・有機物複合体をメディアの直径0.5〜3mmの湿式又は乾式粉砕機と分級機を使用し、粒子径40μm以下、白色度50度以上とするメタカオリン・有機物複合体の製造方法。
  3. 請求項2の製造方法により得られるメタカオリン・有機物複合体に苛性ソーダを添加し摂氏100〜220℃で煮沸する非結晶構造物質珪酸ソーダ(水ガラス)の製造方法。
  4. 請求項3の製造方法により得られる非結晶構造物質珪酸ソーダ(水ガラス)に硫酸または硫酸アルミニウムを添加した後、希釈水を添加し比重2〜2.2、白色度JIS90度以上のナトリウム、珪素、アルミニウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質の製造方法。
  5. 請求項4の製造方法により得られるナトリウム、珪素、アルミニウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質を抄紙工程で1〜30重量%製紙原料に配合する紙匹の製造方法。
  6. 請求項3の製造方法により得られる非結晶構造物質珪酸ソーダ(水ガラス)に硫酸または硫酸アルミニウム、炭酸カルシウムを添加し、比重2〜2.2、白色度JIS90度以上のナトリウム、珪素、アルミニウム、カルシウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質の製造方法。
  7. 請求項6の製造方法により得られるナトリウム、珪素、アルミニウム、カルシウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質を抄紙工程で1〜30重量%製紙原料に配合する紙匹の製造方法。
  8. 請求項3の製造方法によって得られる非結晶構造物質珪酸ソーダ(水ガラス)をDIP仕込み工程及び脱墨工程で脱墨助剤として使用するDIP原料の製造方法。
  9. 請求項2の製造方法によって得られるメタカオリン・有機物複合体のスラリー溶液を2時間〜2ヶ月間、摂氏90〜300℃の熱水作用領域で煮沸し、粒度分布0.02〜5μm、比重1.55〜1.6、白色度JIS80度以上の板状若しくは球状結晶構造物質を製造する方法。
  10. 請求項9の製造方法によって得られる板状若しくは球状結晶構造物質を抄紙工程において、パルプ原料に1〜30重量%配合する紙匹の製造方法。
  11. 請求項9の製造方法によって得られる板状若しくは球状結晶構造物質を抄紙工程において、10〜90重量%、市販カオリンを0〜80重量%と重質カルシウム0〜10重量%と配合し、塗工液用顔料が液総重量の50〜90重量%を占めるように製造し、また、塗工液用顔料の他にバインダー(酸化澱粉、ラテックス)10〜30重量%及び防腐剤、ダスティング防止剤、染料を塗工液に配合し、サイズプレス及びコートマシンにて紙匹表面へ両面で12g/m以下、12〜15g/m、15〜20g/mの範囲のグレード毎に塗工する白色度JIS80度以上の紙匹の製造方法。
  12. 請求項2の製造方法によって得られるメタカオリン・有機物複合体を15〜45重量%硫酸に添加後、摂氏90〜105℃で煮沸し、アルミニウム酸化物を溶出させ、3〜5時間処理してアルミニウム酸化物を30〜50重量%溶出させた酸性白土(珪酸アルミニウム)の製造方法。
  13. 請求項2の製造方法によって得られるメタカオリン・有機物複合体を15〜45重量%硫酸に添加後、摂氏90〜105℃で煮沸し、アルミニウム酸化物を溶出させ、6〜12時間処理してアルミニウム酸化物の大半を溶出させ構造の崩壊による活性白土(活性珪酸ゲル無定形)を製造する方法。
  14. 請求項12の製造方法によって得られる酸性白土を、抄紙工程においてパルプ原料に0〜30重量%配合する紙匹を製造方法。
  15. 請求項13の製造方法によって得られる活性白土(活性珪酸ゲル無定形)を、抄紙工程においてパルプ原料に0〜30重量%配合する紙匹を製造方法。
  16. 請求項12の製造方法によって得られる酸性白土若しくは請求項13の製造方法によって得られる活性白土を10〜90重量%、市販カオリンを0〜80重量%、重質カルシウム0〜10重量%と配合し、塗工用顔料が液総重量の50〜90重量%を占めるように製造し、また、塗工液用顔料の他にバインダー(酸化澱粉、ラテックス)10〜30重量%及び防腐剤、ダスティング防止剤、染料を配合した塗工液に配合し、サイズプレス及びコートマシンにて紙匹表面へ両面で12g/m以下、12〜15g/m、15〜20g/mの範囲のグレード毎に塗工する白色度JIS80度以上の紙匹を製造する方法。
  17. 請求項12の製造方法によって得られる酸処理後の廃液及び/又は請求項13の製造方法によって得られる酸処理後の廃液を貯留し、濾液、廃液中のSS成分を凝集沈殿のために使用する硫酸アルミニウムを主体とする凝集剤の製造方法。
  18. 請求項12の製造方法によって得られる酸処理後の廃液及び/又は請求項13の製造方法によって得られる酸処理後の廃液と水酸化カルシウムを反応させ、カルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウム複合体の製造方法。
  19. 請求項18の製造方法によって得られるカルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウム複合体を抄紙工程において、10〜90重量%、市販カオリンを0〜80重量%、重質カルシウム0〜10重量%と配合し、塗工用顔料が液総重量の50〜90重量%を占めるように製造し、また、塗工液用顔料の他にバインダー(酸化澱粉、ラテックス)10〜30重量%及び防腐剤、ダスティング防止剤、染料を配合した塗工液に配合し、サイズプレス及びコートマシンにて紙匹表面へ両面で12g/m以下、12〜15g/m、15〜20g/mの範囲のグレード毎に塗工した紙匹の製造方法。
  20. 請求項2の製造方法により得られるメタカオリン・有機物複合体または請求項9の製造方法によって得られる板状若しくは球状結晶物質を混合した塗工液をアンダーコートし、請求項18のカルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・硫酸カルシウム複合体0〜90重量%と請求項2の製造方法により得られるメタカオリン・有機物複合体を0〜90重量%、市販カオリンを0〜80重量%、重質カルシウム0〜10重量%と配合し、塗工用顔料が液総重量の50〜90重量%を占めるように製造し、また、塗工液用顔料の他にバインダー(酸化澱粉、ラテックス)10〜30重量%及び防腐剤、ダスティング防止剤、染料を塗工液に配合し、サイズプレス及びコートマシンにて塗工液をアンダーコート、トップコートの塗工量が合計して紙匹表面(両面)へ12g/m以下、12〜15g/m、15〜20g/mの範囲のグレード毎に塗布した白色度JIS80度以上の紙匹の製造方法。
  21. 請求項20の紙匹の製造方法において、メタカオリン・有機複合体の代わりに、請求項12の製造方法により得られる酸性白土、請求項13の製造方法により得られる活性白土(活性珪酸ゲル無定形)若しくは請求項4の製造方法により得られるナトリウム、珪素、アルミニウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質、請求項6の製造方法により得られるナトリウム、珪素、アルミニウム、カルシウムの酸化物及び硫酸塩ゲル状物質を各0〜90重量%を使用し、アンダーコート及びトップコート用塗工液を製造し、サイズプレス及びコートマシンにてアンダーコート及びトップコートの塗工量が合計して紙匹表面(両面)へ12g/m以下、12〜15g/m、15〜20g/mの範囲のグレード毎に塗布した白色度JIS80度以上の紙匹の製造方法。
  22. 請求項21の紙匹の製造方法において、アンダーコート、トップコート用塗工液を組替えて、サイズプレス及びコートマシンにてアンダーコート及びトップコートの塗工量が合計して紙匹表面(両面)へ12g/m以下、12〜15g/m、15〜20g/mの範囲のグレード毎に塗布した白色度80度以上の紙匹の製造方法。
  23. インターカレート反応が10〜150℃で実行されることを特徴とする請求項1に記載のメタカオリン・有機物複合体の製造方法。
  24. インターカレート反応が0.5〜144時間で実行されることを特徴とする請求項1に記載のメタカオリン・有機物複合体の製造方法。
  25. インターカレート反応が3〜36時間で実行されることを特徴とする請求項1に記載のメタカオリン・有機物複合体の製造方法。
    請求項24に重複するので、削除可能?
  26. 請求項2の製造方法によって得られるメタカオリン・有機物複合体と生石灰を定量配合した後、水を添加後、60〜210度で加熱し、白色度JIS80度以上のカルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・珪素酸化物複合体の製造方法。
  27. 請求項26の製造方法によって得られるカルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・珪素酸化物複合体を抄紙工程において、パルプ原料に1〜30%重量%配合する紙匹の製造方法。
  28. 請求項26の製造方法によって得られるカルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・珪素酸化物有機物複合体を抄紙工程において、10〜90重量%、市販カオリンを0〜80重量%と重質カルシウム0〜10重量%と配合し、塗工液用顔料が液総重量の50〜90重量%を占めるように製造し、また、塗工液用顔料の他にバインダー(酸化澱粉、ラテックス)10〜30重量%及び防腐剤、ダスティング防止剤、染料を塗工液に配合し、サイズプレス及びコートマシンにて紙匹表面へ両面で12g/m以下、12〜15g/m、15〜20g/mの範囲のグレード毎に塗工する白色度JIS80度以上の紙匹を製造する方法。
  29. 請求項20、22の紙匹の製造方法において、メタカオリン・有機複合体の代わりに、請求項26の製造方法によって得られるカルシウム酸化物・アルミニウム酸化物・珪素酸化物有機物複合体を使用し、アンダーコート及びトップコート用塗工液を製造し、サイズプレス及びコートマシンにてアンダーコート及びトップコートの塗工量が合計して紙匹表面(両面)へ12g/m以下、12〜15g/m、15〜20g/mの範囲のグレード毎に塗布した白色度JIS80度以上の紙匹を製造することに特徴のあるメタカオリン・有機物複合体の製造方法。
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