〔遊技機の全体構成〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という。)100の正面図である。パチンコ機100は、その本体として主に外枠アセンブリ110、ガラス枠ユニット120、受け皿ユニット130、及びプラ枠アセンブリ140(遊技機枠)を備えている。
外枠アセンブリ110は、木材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、遊技場内の島設備(不図示)に対してねじ等の締結具を使用して固定される。
ガラス枠ユニット120、受け皿ユニット130、プラ枠アセンブリ140も外枠アセンブリ110を介して島設備に固定され、それぞれ不図示のヒンジ機構を介して開閉可能に取り付けられている。
またパチンコ機100は、遊技用ユニットとして遊技盤150を備えている。遊技盤150は、ガラス枠ユニット120の内側でプラ枠アセンブリ140に支持されており、ガラス枠ユニット120を開放した状態でプラ枠アセンブリ140に対して着脱可能である。
ガラス枠ユニット120の中央には縦長円形状の窓120aが形成されており、窓120aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたガラスユニットが取り付けられている。
遊技盤150には、その外周端部付近に円弧状の外レールと内レール(不図示)が取り付けられ、これらのレールによって囲まれた円弧状の遊技領域150aが形成されている。遊技領域150aは、窓120aを通じて遊技者に視認可能になっている。ガラス枠ユニット120と遊技盤150との間に形成された空間である遊技領域150aを遊技球が自重落下する。
受け皿ユニット130の右側には鍵穴付きのシリンダ錠130aが設けられており、専用キーを時計回りに捻ると、統一錠ユニットが作動してプラ枠アセンブリ140とともにガラス枠ユニット120及び受け皿ユニット130が開放可能な状態となり、反時計回りに捻ると、プラ枠アセンブリ140は施錠されたままでガラス枠ユニット120の施錠だけが解除され、ガラス枠ユニット120が開放可能な状態となる。ガラス枠ユニット120を開放すると遊技盤150が露出し、盤面内の球詰まり等の障害を取り除くことができる。
また、受け皿ユニット130の上面には上皿130bが形成され、遊技者に貸し出され或いは入賞により獲得した遊技球を貯留することができる。また受け皿ユニット130の下方には下皿130cが形成され、上皿130bが遊技球で満たされた状態においてさらに払い出された遊技球が貯留される。
本実施形態のパチンコ機100は、いわゆるCR機(プリペイドカードやICカードに対応した遊技機)である。受け皿ユニット130の上面には貸出操作部131が設けられており、ここには球貸ボタン132及び返却ボタン133が配置されている。不図示のCRユニットにプリペイドカードを投入した状態で球貸ボタン132を遊技者が押下すると、予め決められた度数に対応する個数分の遊技球が貸し出される。また、返却ボタン133を押下することで、プリペイドカードの返却を受けることができる。なお、パチンコはCR機に限られるわけではなく、現金で直接に遊技球を借り受けて遊技するいわゆる現金機であってもよい。
また、受け皿ユニット130の上皿130bには上皿球抜きレバー130dが設置されており、下皿130cには下皿球抜きボタン130eが設置されている。遊技者は上皿球抜きレバー130dを左方向へスライドさせることで、上皿130bに貯留された遊技球を下皿130cへ流下させることができる。また遊技者は、下皿球抜きボタン130eを押し込み操作することで、下皿130cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
そして、受け皿ユニット130の右下部にはグリップユニット134が設置され、遊技者はこれを操作することで遊技領域150aに向けて遊技球を発射することができる。発射された遊技球は、遊技盤150の左側縁部に沿って上昇し、不図示の外バンドに案内されて遊技領域150a内に放出される。遊技領域150a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放出された遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域150a内を自重落下する。
〔遊技盤の構成〕
遊技領域150a内には、通過ゲート(スルーチャッカー)151や、普通入賞口152/153、第1始動入賞口154、第2始動入賞口155、大入賞口(アタッカー)156が設置されている。遊技領域150a内に放出された遊技球は、その自重落下の過程で通過ゲート151を通過したり、あるいは、普通入賞口152/153や第1始動入賞口154、第2始動入賞口155に入賞したりする。通過ゲート151を通過した遊技球は続けて遊技領域150a内を自重落下する。
遊技球が通過ゲート(スルーチャッカー)151を通過するのが検出されると、後述する普通図柄の抽選が開始される。また、遊技球が普通入賞口152/153に入賞するのが検出されると、予め決められた数の遊技球が払い出される。そして、遊技球が第1始動入賞口154、及び、第2始動入賞口155に入賞するのが検出されると、予め決められた数の遊技球が払い出されると共に、特別図柄の抽選、いわゆる大当たりの抽選が開始される。そして、遊技球が大入賞口(アタッカー)156に入賞するのが検出されると、予め決められた数の遊技球が払い出される。
第2始動入賞口155は、第1始動入賞口154の下部に構成され、上部に位置する第1始動入賞口は、いつでも入賞可能に開口される。一方、下部に位置する第2始動入賞口155は、普通電動役物(電動チューリップ)と称される左右に開閉可能な可動片155aを有し、普通電動役物が普通図柄による抽選で当選して場合閉状態から開状態に変化すると、第2始動入賞口155への遊技球の入賞が可能となる。すなわち、左右一対の可動片155aが閉位置にある状態では遊技球が流入できる隙間はなく、第2始動入賞口155への入賞は不可能な状態になっている。なお、可動片155aの作動は不図示のソレノイドによってなされる。
開閉部材156aで構成される大入賞口156は、特別図柄による抽選で当選した場合に作動して開状態となり、これにより大入賞口156への入賞が可能となる(特別電動役物)。すなわち、開閉部材156aが閉位置にある状態では遊技球が流入できる隙間はなく、大入賞口156への入賞は不可能である。なお、開閉部材156aの作動も不図示のソレノイドによってなされる。
入賞しなかった遊技球は、アウト口157を通じて遊技盤150の裏側へ回収される。
また、遊技盤150には、遊技状態表示部160が設けられている。この遊技状態表示部160については、図2を参照して詳しく説明する。
図2は、遊技盤150内の遊技状態表示部160を拡大して示した図である。
遊技状態表示部160には、2個のLEDで構成される普通図柄表示装置161が含まれ、普通図柄の抽選中は双方のLEDが点滅表示を繰り返し、最終的に両LEDの点灯/消灯の組み合わせによって、普通図柄の抽選結果を報知する。
また、遊技状態表示部160には、2個のLEDで構成される普通図柄保留表示ランプ162が含まれ、両LEDの点灯/消灯又は点滅の組み合わせによって0〜4個の保留球の数を報知する。例えば、2つのランプがともに消灯のときは保留数0個を表示し、1つのランプが点灯すると保留数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅すると保留数2個を表示し、この状態からもう1つのランプが点灯すると保留数3個を表示し、そして2つのランプがともに点滅すると保留数4個を表示する、といった具合である。
また、遊技状態表示部160には、7セグメントLED表示により第1特別図柄の抽選結果を報知する第1特別図柄表示装置163と、第2特別図柄の抽選結果を報知する第2特別図柄表示装置164と、2個のLEDで構成される第1特別図柄保留表示ランプ165と、2個のLEDで構成される第2特別図柄保留表示ランプ166とが含まれる。そして、第1特別図柄保留表示ランプ165と、2個のLEDで構成される第2特別図柄保留表示ランプ166は、普通図柄保留表示ランプ162同様、両LEDの点灯/消灯又は点滅の組み合わせによって0〜4個の保留球の数を報知する。
第1特別図柄保留表示ランプ165による表示は、第1始動入賞口154への入賞と対応しており、第1始動入賞口154に遊技球が流入し、変動中に遊技球が検知される度に1個ずつ表示態様が変化し、特別図柄の変動が開始される毎に1個ずつ表示態様が変化する。また、第2特別図柄保留表示ランプ166による表示は、第2始動入賞口155への入賞と対応しており、第2始動入賞口155に遊技球が流入する度に、1個ずつ表示態様が変化し、特別図柄の変動が開始される毎に1個ずつ表示態様が変化する。いずれも、各特別図柄保留表示ランプ165,166の表示態様は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない分の入賞した遊技球の数を示している。
さらに、遊技状態表示部160には、大当り種別表示ランプ167、確率変動状態表示ランプ168、時短状態表示ランプ169にそれぞれ対応する3つのLEDも含まれている。
なお、図2における破線は、遊技状態表示部160が1枚の統合表示基板170に実装された状態で遊技盤150に取り付けられていることを示している。
以上の他、遊技盤150には各種の装飾部品で構成される演出ユニット158が設置されており、その立体的な造形により遊技盤150の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで様々な演出を行うようになっている。また演出ユニット158の内側には液晶表示器159(画像表示部)が設置されており、この液晶表示器159には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。
そして、演出ユニット158の左側部には、球案内通路158aが形成されており、その下縁部には、ステージ158bが形成されている。球案内通路158aは左斜め上方に開口し、遊技領域150a内を自重落下する遊技球が流入可能に形成されており、その内部を通過してステージ158b上に放出される。ステージ158bの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ステージ158b上を転動した遊技球の一部は、球放出路158cから再び遊技領域150a内に放出され、その他の遊技球は、球放出路158c以外から、遊技領域150a内に放出される。ここで、球放出路158cは、第1始動入賞口154の直上に位置しており、球放出路158cから放出された遊技球が第1始動入賞口154に流入しやすい構成になっている。
〔枠前面の構成〕
ガラス枠ユニット120には、演出に用いるガラス枠トップランプ121/122やガラス枠サイドランプ123がガラス枠ユニット120を囲むようにして複数の箇所に設置されている。また、受け皿ユニット130には、受け皿ランプ124が設置されている。これら受け皿ランプ124、ガラス枠トップランプ121/122及びガラス枠サイドランプ123は、パチンコ機100の前面において一体的にデザインされている。
また、ガラス枠ユニット120及び受け皿ユニット130には、スピーカ125が内蔵されており、これらスピーカによって遊技の進行に合わせた効果音やBGM等による演出がなされる。
そして、受け皿ユニット130の中央には、演出切替ボタン135が設置されており、遊技者は、この演出切替ボタン135を操作することにより演出内容(例えば液晶表示器159に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔制御系〕
次に、パチンコ機100の制御系について説明する。
図3は、パチンコ機100の制御系を示すブロック図である。図3に示されるように、本実施形態に係るパチンコ機100の制御系は、主制御部310を中心として構成されており、この主制御部310には、演出制御部320と払出制御部330とが接続されている。主制御部310内のROM312には遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部310からの命令信号に基づいて、以下に述べる各部の動作が制御されるようになっている。以下、詳述する。
主制御部310には、中央演算処理装置である主制御CPU311を実装した回路基板が装備されており、主制御CPU311は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM312、RAM313等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御部310には乱数発生器314やサンプリング回路315が装備される。乱数発生器314は、大当りの抽選判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させ、サンプリング回路315を通じて主制御CPU311に入力される。その他にも主制御部310には、入出力ドライバ(I/O)316や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等が装備されており、これらは主制御CPU311とともに回路基板上に実装されている。なお回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した通過ゲート151には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ351が一体的に設けられている。また、第1始動入賞口154、第2始動入賞口155及び大入賞口156にそれぞれ対応して、第1始動入賞口スイッチ352、第2始動入賞口スイッチ353及びカウントスイッチ354が装備されている。各始動入賞口スイッチ352、353は、それぞれ第1始動入賞口154、第2始動入賞口155への遊技球の入賞を検出するためのものである。またカウントスイッチ354は、大入賞口156への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。同様に、普通入賞口152、153への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ355が装備されている。
これらスイッチ類351〜355の入賞検出信号は、不図示の入出力ドライバを介して主制御CPU311に入力される。なお、ゲートスイッチ351、カウントスイッチ354及び入賞口スイッチ355からの入賞検出信号は、パネル中継端子板350を経由して送信され、パネル中継端子板350には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置161や普通図柄保留表示ランプ162、第1特別図柄表示装置163、第2特別図柄表示装置164、第1特別図柄保留表示ランプ165、第2特別図柄保留表示ランプ166、大当たり種別表示ランプ167、確率変動状態表示ランプ168、時短状態表示ランプ169は、主制御CPU311からの制御信号に基づいて表示動作が制御される。主制御CPU311は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置160,161,163,164及び表示ランプ162,165,166,167,168,169に対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置160,161,163,164及び表示ランプ162,165,166,167,168,169は、既に述べたとおり1枚の統合表示基板170に実装された状態で遊技盤150に設置されており、この統合表示基板170には上記のパネル中継端子板350を中継して主制御CPU311から制御信号が送信される。
また、遊技盤150には、第2始動入賞口155及び大入賞口156にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド356及び大入賞口ソレノイド357が設けられている。これらソレノイド356,357は、主制御CPU311からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ第2始動入賞口155、大入賞口156を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド356,357についても、上記のパネル中継端子板350を中継して主制御CPU311から制御信号が送信される。
その他、ガラス枠ユニット120にはガラス枠開放スイッチ358が設置されており、プラ枠アセンブリ140にはプラ枠開放スイッチ359が設置されている。ガラス枠ユニット120が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ358からの接点信号が主制御部310(主制御CPU311)に入力され、また外枠アセンブリ110からプラ枠アセンブリ140が開放されると、プラ枠開放スイッチ359からの接点信号が主制御部310(主制御CPU311)に入力される。主制御CPU311は、これら接点信号からガラス枠ユニット120やプラ枠アセンブリ140の開放状態を検出することができる。
払出制御部330は、パチンコ機100の裏側に設置され、賞球の払出に関する処理を制御する。払出制御部330には、払出制御CPU331を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU331もまた、不図示のCPUコアとともにROM332、RAM333等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御部330は、主制御CPU311からの賞球指示コマンドに基づいて、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。
不図示の払出装置ユニットの賞球ケース内には、払出モータ361(ステッピングモータ)とともに払出装置基板360が設置されており、この払出装置基板360には払出モータ361の駆動回路が設けられている。払出装置基板360は、払出制御部330からの払出数指示信号に基づいて払出モータ361の回転角度を制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、不図示の流路ユニット内の払出流路を通って受け皿ユニット130に送られる。賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ362が設置されている他、払出モータ361の下流位置には払出計数スイッチ363が設置されている。払出モータ361の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ363からの計数信号が払出装置基板360に入力される。また賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ362からの接点信号が払出装置基板360に入力される。払出装置基板360は、入力された計数信号や接点信号を払出制御部330に送信する。払出制御CPU331は、払出装置基板360から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機100の裏側には、発射制御基板364とともに発射ソレノイド365が設置されている。また、受け皿ユニット130内には球送りソレノイド366が設けられている。そして、発射制御基板364には発射ソレノイド365及び球送りソレノイド366の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド366は、受け皿ユニット130内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また発射ソレノイド365は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、遊技領域150aに向けて遊技球を1個ずつ連続的に打ち出す動作を行う。なお遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
そして、グリップユニット134には、発射レバーボリューム367、タッチセンサ368及び発射停止スイッチ369が設けられている。このうち発射レバーボリューム367は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。またタッチセンサ368は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット134(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ369は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
そして、受け皿ユニット130には受皿中継端子板370が設置されており、発射レバーボリューム367、タッチセンサ368、発射停止スイッチ369からの各信号が、受皿中継端子板370を経由して発射制御基板364に送信される。また、発射制御基板364からの駆動信号が、受皿中継端子板370を経由して球送りソレノイド366に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム367でアナログ信号が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド365が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整される。なお、発射制御基板364の駆動回路は、タッチセンサ368からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合、もしくは発射停止スイッチ369から発射停止信号が入力された場合に、発射ソレノイド365の駆動を停止する。この他に、受皿中継端子板370には遊技球等貸出装置接続端子板371が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板371にCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板364の駆動回路は発射ソレノイド365の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット130にはCR基板372が内蔵されており、このCR基板372には球貸ボタン132や返却ボタン133にそれぞれ接続されるスイッチや、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。球貸ボタン132又は返却ボタン133が操作されると、その操作信号がCR基板372から受皿中継端子板370、遊技球等貸出装置接続端子板371を経由してCRユニットに送信される。またCRユニットからは、プリペイドカードの残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板371から受皿中継端子板370を経由してCR基板372に送信される。CR基板372上の不図示の表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、プリペイドカードの残り度数を数値表示する。
演出制御部320は、遊技の進行に伴う演出全般の制御を行う。演出制御部320にも、演出制御CPU321を実装した回路基板が装備されている。演出制御CPU321には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM322やRAM323等の半導体メモリが内蔵されている。
また、演出制御部320には、不図示の入出力ドライバ等が装備されている他、ランプ駆動回路324や音響駆動回路325が装備されている。演出制御CPU321は、主制御CPU311から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、液晶表示器159を用いた画像表示による演出の制御のほか、ランプ駆動回路324や音響駆動回路325に指令を与えて各種ランプ121〜124や盤面ランプ126を発光させたり、スピーカ125から実際に効果音やBGM等を出力させたりする処理を行う。演出制御CPU321のROM322には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU321は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。
ランプ駆動回路324は、PWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、LEDを含む上述した各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を制御する。
音響駆動回路325は、不図示のサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、スピーカ125を駆動して音響出力を行う。
ガラス枠ユニット120にはガラス枠電飾基板127が設置されており、ランプ駆動回路324や音響駆動回路325からの駆動信号がガラス枠電飾基板127を経由して各種ランプ121〜124やスピーカ125に印加されている。またガラス枠電飾基板127には、演出切替ボタン135が接続されており、遊技者が演出切替ボタン135を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板127を通じて演出制御部320に入力される。
パネル電飾基板128は、ランプ駆動回路324からの駆動信号を盤面ランプ126に印加している。
インバータ基板129は、液晶表示器159のバックライトに印加される交流電源を生成している。
演出表示制御部340は、液晶表示器159による表示動作を制御している。演出表示制御部340には、表示制御CPU341とともに、表示プロセッサであるVDP344を実装した回路基板が装備されている。このうち表示制御CPU341は、不図示のCPUコアとともにROM342、RAM343等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。またVDP344は、不図示のプロセッサコアとともに画像ROM345やVRAM346等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。表示制御CPU341は、演出制御CPU321から受け取った演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU341は、VDP344に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP344は、制御信号に基づいて画像ROM345にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM346に転送する。さらにVDP344は、VRAM346上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器159の各画素を個別に駆動する。
電源制御ユニット380は、スイッチング電源回路を内蔵し、電源コード381を通じて不図示の島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成する。電源制御ユニット380で生成された電力は、主制御部310や払出制御部330、演出制御部320、インバータ基板129に分配される。さらに、払出制御部330を経由して発射制御基板364に電力が供給されるほか、遊技球等貸出装置接続端子板371を経由してCRユニットに電力が供給される。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。
盤用外部端子板382及び枠用外部端子板383は、主制御部310及び払出制御部330の指示を受けて、パチンコ機100の外部に向けて外部情報(特別図柄変動開始情報、賞球払出情報、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中といった遊技ステータス情報)を出力する。盤用外部端子板382から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータで集計される。
〔遊技制御処理〕
続いて、パチンコ機100において上述した各遊技状態を実現するための、主制御部310の主制御CPU311により実行される遊技制御処理について説明する。
主制御CPU311は、不図示のリセット回路からのリセット信号により所定の動作クロック(例えば、4msec)で1サイクルを実現可能な遊技制御プログラムに基づいて動作するようになっており、ROM312に格納された遊技制御プログラムを実行することにより、遊技制御処理を実現している。
図4は、遊技制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS401において、主制御CPU311は、電源が投入されてから初めて実行する処理か否かを判定する。初めて実行する処理であると判定された場合には、ステップS402に進み、そうでなければ、ステップ405に進む。
ステップS402において、主制御CPU311は、RAM313の初期化や初期データのセット等の初期化処理を実行し、ステップS403に進む。
ステップS403において、主制御CPU311は、各種制御部(例えば、演出制御部320や払出制御部330)に遊技制御の処理結果を出力する処理や、遊技制御に関する情報等を盤用外部端子板382を介してホールコンピュータ(不図示)に出力する処理を実行し、ステップS404に進む。
ステップS404において、主制御CPU311は、大当たり遊技状態を生起させるための内部抽選に使用する乱数値や、液晶表示器159に表示する演出図柄の種類を決定するための乱数値や、遊技制御に必要な乱数値を、上記動作クロックの一周期(4[ms])が経過するまでの時間を利用して更新し、その時間が経過するとステップS401に進む。
一方、ステップS401において、主制御CPU311は、電源が投入されてから初めて実行する処理でないと判定したときは、ステップS405に進み、第1始動入賞口スイッチ352及び第2始動入賞口スイッチ353及びのチェック処理を実行し、ステップS406に進む。
ステップS406において、主制御CPU311は、パチンコ機100が異常状態であるか否かを判定し、異常状態であると判定した場合には、ステップS403に進み、そうでない場合には、ステップS407に進み、図柄遊技処理を実行する。この図柄遊技処理の詳細については、後述する。なお、図柄遊技処理には、本来、普通図柄に関する遊技処理も含まれるが、ここでは、本発明の特徴と密接に関連する特別図柄の遊技処理について専ら説明することとし、普通図柄の遊技処理については省略する。図柄遊技処理が完了すると、ステップS408に進む。
ステップS408において、主制御CPU311は、時短機能を実現する時短処理を実行する。この時短処理についても後述する。時短処理が完了すると、ステップS403に進む。
以上が遊技制御処理の流れである。
〔図柄遊技処理〕
次に、遊技制御処理において実行される図柄(特別図柄)遊技処理の詳細について説明する。
図5は、図柄遊技処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS501において、主制御CPU311は、次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS505のいずれか)を選択する。いずれの処理を選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば、主制御CPU311は、次の選択先として特別図柄変動前処理を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば、主制御CPU311は、次の選択先として特別図柄変動中処理を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば、次の選択先として特別図柄停止表示中処理を選択することになる。
ステップS502において、主制御CPU311は、特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える処理(特別図柄変動前処理)を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを使用して後述する。
ステップS503において、主制御CPU311は、変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置163及び第2特別図柄表示装置164の駆動制御処理(特別図柄変動中処理)を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS504において、主制御CPU311は、第1特別図柄表示装置163及び第2特別図柄表示装置164の駆動制御処理(特別図柄停止表示処理)を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS505において、主制御CPU311は、大当たり遊技処理を実行する。この大当たり遊技処理は、ステップS504における特別図柄停止表示処理において、大当たりの態様で第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、第1特別図柄又は第2特別図柄が15ラウンド大当りを示す特定の態様で停止すると、それまでの通常遊技状態から遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当り遊技状態)に移行する契機が発生する。大当たり遊技処理においては、大入賞口156が一定時間(例えば30秒間又は9個の入賞をカウントするまで)、予め設定された作動回数(例えば15回)だけ励磁され、これにより大入賞口156が決まったパターンで開閉動作する。この間に大入賞口156に対して遊技球を集中的に入賞させることにより、遊技者には、まとまった多くの賞球を獲得する機会が与えられる。なお、このように大当り時に大入賞口156が開閉動作することを「ラウンド」と呼び、例えば、連続作動回数が全部で15回あれば、これらを「15ラウンド」と呼ぶ。
また、主制御CPU311は、大当たり遊技処理において大入賞口156の開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数)が設定されると、1ラウンド分の大入賞口156の開閉動作を終了させる毎にラウンド数カウンタの値を1だけ増分(インクリメント)する。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM313のカウント領域に記憶されている。ラウンド数カウンタの値が設定された作動回数に達すると、主制御CPU311は大当たり遊技を終了する。
なお、この大当たり遊技中は、上述のステップS501で「大当たり遊技処理」が選択されることから、特別図柄の変動表示は行われない。
〔特別図柄変動前処理〕
図6は、ステップS502における特別図柄変動前処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS601において、主制御CPU311は、RAM313に記憶されている保留数カウンタの値を参照し、第1特別図柄の保留球の数、又は、第2特別図柄の保留球の数が1以上かどうか判定する。第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれかの保留球の数が1以上と判定された場合には、ステップS602に進む。一方、いずれの保留球の数も0であった場合には、ステップS612に進み、ステップS612において、主制御CPU311は、デモ演出用コマンドを生成し、演出制御部320に出力するための処理(デモ設定処理)を行う。
ステップS602において、主制御CPU311は、特別図柄の記憶シフト処理を実行する。具体的には、RAM313の乱数記憶領域に記憶されている乱数値(大当たり決定乱数値及び大当たり図柄乱数値)のうち、第2特別図柄に対応する乱数値を優先的に読み出し、共通記憶領域に保存する処理を行う。このとき2つ以上のセレクションに乱数値が記憶されていれば、第1セクションから順に乱数値を読み出し、残った乱数値を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。シフトされた乱数値は、RAM313の乱数値記憶領域から消去される。そして、第2特別図柄に対応する乱数値が記憶されていない場合のみ、第1特別図柄に対応する乱数値を読み出して別の共通記憶領域に保存する処理が行われる。共通記憶領域に保存された各乱数値は、次の大当たり判定処理で内部抽選に使用される。その結果、第1特別図柄よりも、第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、本実施形態では、第2特別図柄の変動表示が優先的に行われるものとしたが、この処理に限定するものではない。
ステップS603において、主制御CPU311は、特別図柄の保留球数を減算する処理を実行する。具体的には、RAM313に記憶されている保留球カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかに対応する方)の値を1つ減算し、減算後の値を変動開始時の保留玉数に設定する。このとき減算対象となる保留球カウンタは、ステップS602で乱数値のシフトを行った方に対応するものである。これにより、第1特別図柄保留表示ランプ165又は第2特別図柄保留表示ランプ166による記憶数の表示態様が変化(1減少)する。
ステップS604において、主制御CPU311は、大当り判定処理を実行する。大当たり判定処理の詳細については、さらに別のフローチャートを使用して説明する。
ステップS605において、主制御CPU311は、大当りフラグがRAM313のフラグ領域にセットされているかどうかを判定する。大当たりフラグがセットされていない場合には、ステップS606に進み、大当たりフラグがセットされた場合には、ステップS608に進む。
ステップS606において、主制御CPU311は、第1特別図柄表示装置163または第2特別図柄表示装置164によるはずれ時の停止図柄データをセットする処理を実行する。例えば、ステップS602の特別図柄記憶シフト処理で第2特別図柄に対応する大当たり決定乱数値及び大当たり図柄乱数値の記憶を優先してシフトしていた場合、第2特別図柄表示装置164による停止図柄データをセットする。
ステップS607において、主制御CPU311は、第1特別図柄又は第2特別図柄について、はずれ時の変動パターンを決定する処理を実行する。変動パターンは、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別するものであり、これにより変動表示に要する時間も決まる。また、はずれ時の変動時間は、後述する現在の遊技モードが時短モードであるか否かによって基本的に異なる。そのため、このはずれ時変動パターン決定処理においては、遊技状態を示すフラグ等により、現在の状態がどの遊技モードであるかを確認し、本処理を実行する。例えば、時短モードの遊技状態であれば、基本的にはずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば1.5秒程度)に決定される。また時短モード以外の遊技状態であれば、はずれ時の変動時間はステップS603で設定した「変動開始時の保留球数(0個〜3個)」に基づき、通常の変動時間(例えば5〜10秒程度)に基本的に決定される。ここで、「基本的に」とあるのは、リーチ時を除く意であるが、リーチ時は、演出処理が加わるため、変動時間は長くなる。主制御CPU311は、設定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間(通常、0.5秒程度)の値を停止図柄表示タイマにセットする。
一方、大当たりフラグがセットされている場合のステップS608において、主制御CPU311は、大当たり図柄乱数値に基づき、今回の内部抽選で当選した第1特別図柄または、第2特別図柄について、当選図柄の種類(大当たり時停止図柄)を決定する処理を実行する。大当たり図柄乱数値と各図柄別の当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定テーブルで規定されており、該特別図柄判定テーブルを参照することにより当該図柄の種類が決定される。
ステップS609において、主制御CPU311は、RAM313のカウンタ領域から変動パターン決定乱数値を取得し、その値に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU311は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間(例えば、15秒〜30秒)が決定される。
ステップS610において、主制御CPU311は、その他の大当り時設定処理を実行する。具体的には、大当りに当選した場合における確率変動機能を作動させるフラグのセット、演出制御部320に送信する演出図柄の停止図柄の停止図柄コマンドや、抽選結果コマンドの生成、といった処理を行う。
ステップS611において、主制御CPU311は、特別図柄の変動開始処理を実行する。具体的には、決定された変動パターンに基づいて、変動パターンデータを選択し、変動パターンに対応する変動時間の値を変動タイマにセットする。そして、変動パターンに対応する停止図柄表示時間の値を表示タイマにセットして、特別図柄の変動表示を開始させる処理を行う。
以上のように、主制御CPU311による制御の下で、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる。ただし、第1特別図柄表示装置163や第2特別図柄表示装置164における変動表示は7セグメントLEDによる点灯/点滅表示であるため、遊技者への訴求力に乏しい。そこで、パチンコ機100では、通常、液晶表示器159において、演出図柄を使用した変動表示演出が別途行われている。この液晶表示器159における演出図柄の変動表示に関する処理の詳細についても、本発明とは直接の関係がないためその説明を省くこととする。
〔大当り判定処理〕
時短処理の説明の前に、上述の大当り判定処理の詳細について説明する。
図7は、大当たり判定処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS701において、主制御CPU311は、RAM313のフラグ領域にセットされた遊技状態を示すフラグを読み取り、現在遊技モードが通常モードAかどうかを判定する。
ここで、図9を使用して本実施形態に係るパチンコ機において存在する遊技モードについて説明する。
図9は、本実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技状態の遷移を表す状態遷移図である。
本実施形態に係るパチンコ機において存在する遊技モードは、大当り遊技状態を除くと、「通常モード(非時短モード)」と「時短モード」の2種類に大別することができる。ここで、本発明における「時短モード」は、図柄(第1、第2特別図柄及び/又はそれらに対応する演出図柄)の変動表示の時間あたりの回数が通常モード時よりも多くなるようにし、及び/又は電動チューリップによるサポートの実行によって遊技球の減りを遅くするモードと定義される。すなわち、第1特別図柄表示装置163や第2特別図柄表示装置164における特別図柄(或いはそれに対応する液晶表示器159における演出図柄)の変動時間の短縮、電動チューリップによるサポートのいずれか又はその両方が実施される遊技状態を指す。ここで、「電動チューリップによるサポート」とは、a)普通図柄による抽選で当選する確率を通常モード時よりも高く設定、b)普通図柄の抽選時の変動時間を通常モード時よりも短縮、c)電動役物が開状態となる時間を通常モード時よりも長く設定、のうちいずれか1つを少なくとも実行して、始動入賞口への入賞が起こりやすい状況を創出すること、と定義される。始動入賞口が2種類存在する本実施形態においては、上記第2始動入賞口155の可動片155aの開放時間を通常モード時より長くしたり或いはその開放回数を通常モード時より多くするといった状態が作り出されることになり、これにより第2始動入賞口155への多数の入賞が発生し、その結果、遊技球を減らさずに遊技することが可能な遊技状態が実現される。
本実施形態に係るパチンコ機は、2種類の通常モード(通常モードA、B)と、2種類の時短モード(時短モードA,B)を有することを特徴とし、現在の遊技モードは、遊技状態を示すフラグ等に設定される。
通常モードAは、電源投入後にのみ、設定される遊技モードであり、大当りの当選確率が低く設定されている抽選テーブルを使用し、特別図柄の変動時間の短縮を行わず、さらに電動チューリップによるサポートも行わない遊技モードである。
通常モードBは、通常モードAと同様に、特別図柄の変動時間の短縮を行わず、さらに電動チューリップによるサポートを行わないが、大当りの当選確率が通常モードAより高く設定されている抽選テーブルを使用する遊技モードである。
通常モードA、Bのいずれの遊技モードで遊技している場合でも、大当りの図柄が、現在の大当たり終了後と、その次の大当たりの終了後の連続する2回の時短を生じさせる図柄(以下、「連図柄」という)が当選した場合には、大当たり終了後に時短モードAに移行し、それ以外の図柄(以下、「単図柄」という)が当選した場合には、大当たり終了後に通常モードBに移行する。本実施形態に係るパチンコ機では、連図柄、単図柄の比率は、33%:67%に設定されており、また、第1特別図柄及び第2特別図柄による区別はなされていないが、この形態に限定するものではない。
時短モードAは、上述の「連図柄」が当選した場合に、大当たり終了後に移行する遊技モードであって、大当りの当選確率が高く設定されている抽選テーブルを使用し、特別図柄の変動時間の短縮を行わず、電動チューリップによるサポートのみを行う遊技モードである。時短モードAで遊技している場合に、「連図柄」が当選した場合には、大当たり終了後に時短モードAに移行し、「単図柄」が当選した場合には、大当たり終了後に時短モードBに移行する。
時短モードBは、時短モードAで遊技している場合に、「単図柄」が当選した場合にのみ、大当たり終了後に移行する遊技モードであって、大当りの当選確率が高く設定されている抽選テーブルを使用し、特別図柄の変動時間の短縮を行い、電動チューリップによるサポートも行う遊技モードである。時短モードBで遊技している場合に、「連図柄」が当選した場合には、大当たり終了後に時短モードAに移行し、「単図柄」が当選した場合には、大当たり終了後に通常モードBに移行する。
表1に、各遊技モードにおける特別図柄及び普通図柄の状態を示す。
例えば、時短モードAの場合、特別図柄関係では、大当たり判定の抽選テーブルは高確率で、変動時間の短縮を行い、変動回数は100回の制限があることを示している。そして、普通図柄関係では、電動チューリップによるサポートを行う、すなわち、a)普通図柄による抽選で当選する確率を通常モード時よりも高く設定、b)普通図柄の抽選時の変動時間を通常モード時よりも短縮、c)電動役物が開状態となる時間を通常モード時よりも長く設定、のうちいずれか1つを少なくとも実行することが分かる。
なお、本実施形態では、通常モードA,B、及び時短モードA,Bの内容は、以上のように設定されているが、複数の時短モードを有するパチンコ機であれば、本発明は、実現可能であり、上述の内容に限定されるものではない。
このように、2種類の時短モードを有し、「連図柄」の当選後に、時短モードAに移行し、その後、「単図柄」の当選後に、時短モードBに移行し、その後、「単図柄」の当選後に、通常モードBに移行することから、遊技者は、「連図柄」の当選後に、残り何回の大当たりの後まで、時短が続くのか認識でき、遊技者は、「連図柄」の当選により、後2回の大当たりが期待できる、従来からある「確変2回ループ」が擬似的に実現されている。
図7に戻り、ステップS701において、現在の遊技モードが通常モードAである場合には、ステップS702に進み、そうでなければ、ステップS703に進む。
ステップS702に進んだ場合、主制御CPU311は、大当り当選確率が低い方の抽選テーブルを内部抽選処理で使用するテーブルとして選択し、ステップS703に進んだ場合には、大当り当選確率が高い方の抽選テーブルを内部抽選処理で使用するテーブルとして選択する。内部抽選処理で使用するテーブルが選択された後に、ステップS704に進む。
ステップS704において、主制御CPU311は、選択された抽選テーブルを使用して、内部抽選処理を行う。具体的には、選択された抽選テーブルにおける大当り値の範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判定する処理を行う。この場合において、大当り決定乱数値は、既に述べた通り、第1特別図柄又は第2特別図柄で別々に読み出されるため、この判定処理は、各図柄別に行われることになる。例えば、上述の図6のステップS602において、第2特別図柄に対応する乱数値を読み出していれば、大当り判定は、第2特別図柄に対応して行われ、第1特別図柄に対応する乱数値を読み出していれば、大当り判定は、第2特別図柄に対応して行われることになる。読み出した乱数値が大当りの範囲内に含まれていれば、ステップS705に進み、そうでなければ、この大当り判定処理を抜ける。
ステップS705において、主制御CPU311は、大当りフラグをRAM313のフラグ領域にセットし、大当りフラグのセットが完了すると、ステップS706に進む。
ステップS706において、主制御CPU311は、大当りの図柄として「連図柄」が抽選されたか、「単図柄」が抽選されたかどうかの判定を行う。「連図柄」が抽選された場合には、ステップS707に進み、「単図柄」が抽選された場合には、ステップS708に進む。
ステップS707において、主制御CPU311は、大当り遊技終了後の遊技モードとして、時短モードAを選択し、遊技状態を示すフラグをRAM313のフラグ領域にセットし、フラグのセットが完了すると、この大当り判定処理を抜ける。
ステップS708において、主制御CPU311は、大当り時の遊技モードを判定し、遊技モードが時短モードAであった場合には、ステップS709に進み、その他のモード(通常モードA、B、及び時短モードB)であった場合には、ステップS710に進む。
ステップS709において、主制御CPU311は、大当り遊技終了後の遊技モードとして、時短モードBを選択し、遊技状態を示すフラグをRAM313のフラグ領域にセットし、フラグのセットが完了すると、この大当り判定処理を抜ける。
ステップS710において、主制御CPU311は、大当り遊技終了後の遊技モードとして、通常モードBを選択し、遊技状態を示すフラグをRAM313のフラグ領域にセットし、フラグのセットが完了すると、この大当り判定処理を抜ける。
〔時短処理〕
次に、図4の遊技制御処理のステップS408において実施される時短処理の詳細について説明する。
図8は、時短処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS801において、主制御CPU311は、大当り遊技処理が終了したかどうかを判定する。大当り遊技処理が終了した場合には、ステップS802に進み、そうでない場合(例えば、上述の遊技制御処理において、大当り遊技処理がそもそも実行されていない場合や、未だ大当り遊技処理の途中である場合など)は、この時短処理を抜ける。
ステップS802において、主制御CPU311は、図7の大当り判定処理において設定された、大当り遊技処理終了後の遊技モードを、RAM313のフラグ領域にセットされた遊技状態を示すフラグを読み取ることにより、判定する。設定された遊技モードが、通常モードBであった場合には、時短処理を行わないので、時短処理を抜け、時短モードAであった場合には、ステップS803に進み、時短モードBであった場合には、ステップS804に進む。
ステップS803において、主制御CPU311は、時短モードAの処理を行う。つまり、特別図柄の変動時間の短縮を行わず、電動チューリップによるサポートを行なう遊技処理を実施するための設定処理が行われる。時短モードAの処理が終了すると、時短処理を抜ける。
ステップS804において、主制御CPU311は、時短モードBの処理を行う。つまり、特別図柄の変動時間の短縮を行い、電動チューリップによるサポートも行なう遊技処理を実施するための設定処理が行われる。時短モードBの処理が終了すると、時短処理を抜ける。
以上のような一連の時短処理が終了すると、図4のステップ403の処理に進む。
以上のように、本発明によれば、2種類の時短モードを有し、「連図柄」の当選後に、時短モードAに移行し、その後、「単図柄」の当選後に、時短モードBに移行し、その後、「単図柄」の当選後に、通常モードBに移行することから、遊技者は、「連図柄」の当選後に、残り何回の大当たりの後まで、時短が続くのか認識でき、遊技者は、「連図柄」の当選により、後2回の大当たりが期待できる、従来からある「確変2回ループ」が擬似的に実現される。