本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。図1は、本実施の形態におけるスロットマシンの正面図である。また、図2は、スロットマシンの内部構造図である。本実施の形態におけるスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
スロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「白7a」(たとえば、左リール2Lの領域番号16の図柄)、「白7b」(たとえば、左リール2Lの領域番号19の図柄)、「白7c」(たとえば、左リール2Lの領域番号3の図柄)、「スイカa」(たとえば、左リール2Lの領域番号15の図柄)、「スイカb」(たとえば、左リール2Lの領域番号1の図柄)、「チェリー」(たとえば、左リール2Lの領域番号2の図柄)、「ベルa」(たとえば、左リール2Lの領域番号21の図柄)、「ベルb」(たとえば、左リール2Lの領域番号18の図柄)、「リプa」(たとえば、左リール2Lの領域番号20の図柄)、「リプb」(たとえば、左リール2Lの領域番号8の図柄)といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。
「白7b」、「白7c」は、ともに、「白7a」の図柄をベースとする点で共通しており、「白7b」は左上隅に縦方向に線が追加されている点、および「白7c」は底辺に横方向に線が追加されている点で異なっている。このため、「白7a」〜「白7c」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめて白7ともいう。「スイカa」「スイカb」についても同様に、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてスイカともいう。「ベルa」「ベルb」についても同様に、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてベルともいう。「リプa」「リプb」についても同様に、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてリプともいう。
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル1cの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12個のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長の長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、および演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。なお、3つのリール2L、2C、2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止、中リール2Cを第1停止することを中第1停止、右リール2Rを第1停止することを右第1停止と称する。
また、本実施の形態において、順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順(押し順ともいう)をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始(ゲーム結果を導出するためのリール回転開始)から一定期間経過していないためにゲーム結果を導出するためのリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられたペイアウト表示器13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷された下部パネル1dが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定条件成立時(たとえば後述するRT3終了時など、遊技者にとって有利な状態終了後)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定条件成立時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、後述するAT信号やCB信号などを含む外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、先ず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。後述するCB(チャレンジボーナス)時ではない非CB中においては、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として非CB中では遊技状態にかかわらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
有効ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、左リール2Lの中段、中リール2Cの中段、右リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが非CB中の有効ラインとして定められている。なお、本実施の形態では、非CB中では1本の有効ラインのみを適用しているが、複数の有効ラインを適用してもよい。
また、本実施の形態では、非CB中において入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。CB中以外では、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではない。入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに特定の図柄の組合せ(たとえば、ベルa−ベルa−ベルa)が揃うことで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
また、本実施の形態においては、CB中では規定数の賭数として2枚が定められており、賭数が設定されると、図14に示すように、入賞ラインLN、無効ラインLM4、および無効ラインLM3の一部と無効ラインLM4の一部によって形成されるV字型のライン(以下、V字ラインと称する)が有効ラインとして有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。
また、有効ライン上に、遊技状態の移行を伴なう図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。本実施の形態では、図10を用いて後述するように、リプ4〜7が入賞、あるいは、特殊出目が停止すると、リプレイ確率が異なるRT0〜3のうち対応する遊技状態に移行するように構成されている。
なお、本実施の形態では、3つのリール2L、2C、2Rを適用した例について説明しているが、1つのみリールを備え、この1つのリールの表示結果に応じて入賞が判定されるものでもよいし、2つのリールを備え、2つのリールの表示結果の組合せに応じて入賞が判定されるものでもよいし、4つ以上のリールを備え、これらリールの表示結果の組合せに応じて入賞が判定されるものでもよい。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は非CB中においては190ms(ミリ秒)に設定されている。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ラインLN上に表示させることができる。
なお、本実施の形態においては、後述するCB中に限って、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は75ms(ミリ秒)に設定されている。75msの間では最大で1コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから1コマ先までにある図柄、合計2コマ分の図柄となる。このため、CB中においては、遊技者の目押しの技量に大きく依存して入賞が可能となる。
[スロットマシンの構成]
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。図4の例では、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板91、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101、遊技の進行に応じた信号を外部に出力する外部出力基板1000などが設けられている。
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L〜33Rからの信号に基づき、リールモータ32L〜32Rを駆動制御する。
遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(図4の遊技制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
演出制御基板90は、液晶表示器51などの演出装置(図4の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(図4の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。電源基板101には、ホッパーモータ34b、各種の操作手段や検出手段(図4の電源基板101の右側に例示)などが接続されている。
[設定値について]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。なお、CBの当選確率については、設定値に依存することなくいずれの遊技状態においても一定の当選確率となっている。なお、CBについても他の小役などと同様に設定値に応じた当選確率を用いてもよい。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
[初期化について]
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。RAM41cの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタなど、初期化すると不都合があるデータに加え、遊技状態がRT0〜3のうちいずれに制御されているかを特定するためのRTフラグが格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAMのデータが破壊されているか否かにかかわらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、所定遊技状態(たとえば後述するRT3など、遊技者にとって有利な状態)中のメダル払出総数、後述する遊技状態フラグなど、所定遊技状態終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数など、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAMの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。本実施の形態においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、所定遊技状態終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAMのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる種類の初期化を行う。
[ゲーム処理]
メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、Sd1において、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態(RT0〜3)に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施の形態では、非CB中において、遊技状態に応じた規定数(たとえば3)の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。また、本実施の形態においては、CB中に限って、規定数(たとえば1)の賭数が設定された時点で、入賞ラインLN、無効ラインLM4、およびV字ラインが有効ラインとして有効化される。
賭数設定後、Sd2の内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。
Sd3のリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転(前回ゲームのリール回転開始から所定時間(例えば、4.1秒)経過していることを条件として回転)させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。リール回転処理では、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われる。
また、本実施の形態においては、リールの停止順(つまり、ストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順)に応じても、停止制御テーブルが一意に定められている。たとえば、後述する図15〜図17に示す停止制御テーブルの一例のように、CB中に通常リプと全ての小役が同時当選したときには、リールの停止順に応じて右リール2Rの停止に対して作成される停止制御テーブルが一意に定められている。
また、本実施の形態では、非CB中において滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ラインLN上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ラインLN上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ラインLN上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
本実施の形態においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
なお、本実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
本実施の形態のスロットマシン1では、メイン制御部41側において、遊技者の停止操作通りにリールの回転を停止させる制御を行う。サブ制御部91側において、AT中ではない、つまり非AT中のゲームにおいて左第1停止させなかった場合には、左第1停止させたときには科されることのない遊技者にとって不利な所定のペナルティを科す制御が行われる。これは、演出状態が非AT中のゲームにおいて左第1停止させるようにするためである。つまり、本実施の形態のスロットマシン1は、非AT中のゲームにおいて左第1停止させるように設計されている。
以下では、左第1停止させる押し順を「推奨押し順」ともいう。また、推奨押し順以外の押し順(つまり、右第1停止または中第1停止させる押し順)を「変則押し順」ともいい、「変則押し順」でストップスイッチ8L、8C、8Rを押すことを「変則押し」ともいう。
非AT中のゲームで変則押しした場合には、6ゲームの期間中、後述するAT抽選が実行されないペナルティが科されるようになっている。ペナルティが科されてしまうと、後述するリプ4、リプ6、およびリプ7などに入賞させることが難しくなり、遊技者にとって有利なRT3に移行しにくくなってしまう。そのため、遊技者は、ペナルティが科されないように、非AT中のゲームでは、推奨押し順である左第1停止をするようになる。
なお、ペナルティとしては、上記に限らない。たとえば、AT抽選において後述するナビストックが付与される確率を、ペナルティが科されていないときよりも低くするものであったり、付与されたときのナビストック数を、ペナルティが科されていないときよりも少なくするものであってもよい。さらには、すでに所有するナビストックを取り消すものであってもよい。また、遊技者にとって有利度合いが向上することを示唆するフリーズなどの制御を実行させないものであってもよい。フリーズ制御とは、ストップスイッチ8L、8C、8Rやスタートスイッチ7などゲーム進行において操作される操作手段の操作の有効化を遅延する制御のことである。ATとは、サブ制御部91によって制御される演出状態であって、内部抽選結果に応じた情報(押し順など)を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイムをいう。
図5に戻り、Sd4の入賞判定処理では、Sd3において全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。Sd4においては、遊技状態の移行を伴なう表示結果が停止されたときに、RTフラグおよびCBフラグを当該表示結果に応じた遊技状態を特定するための値に更新する。これにより、表示結果に応じた遊技状態に移行させることができる。
Sd5の払出処理では、Sd4において入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払い出などの処理を行う。また、払出処理では、クレジットの加算並びにメダルの払い出により遊技者に対して付与されたメダル数分のメダルOUT信号の出力を命令する出力命令をメイン制御部41のRAM41cに設定する。
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
また、メイン制御部41は、上記に例示した処理の実行に応じた遊技の進行状況および処理結果を特定可能なコマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、各種処理を行う。
本実施形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、内部当選コマンド、ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンド、遊技状態コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類、特別役の持ち越しの有無を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンドはストップスイッチやスタートスイッチが操作されたことを示すコマンドであり、各操作時に送信される。遊技状態コマンドは遊技状態が移行したときに送信される。具体的にはRTやCBなど遊技状態が移行したときに送信される。
本実施の形態のスロットマシン1においては、いずれかの有効ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴なう小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。また、入賞となる役には、遊技状態の移行を伴なう移行役が含まれる。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
[入賞役、特殊出目]
図6〜図8は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および、入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図9は、所定の小役を取りこぼしたときにのみ有効ライン上に停止される特殊出目を説明するための図である。また、図10は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。
先ず、図10(a)を参照しながら、本実施の形態におけるスロットマシン1が制御する遊技状態の遷移について説明する。本実施の形態においては、RT0(準備遊技状態)、RT1(通常遊技状態)、RT2(途中遊技状態)、およびRT3(有利遊技状態)のいずれかに制御されながら遊技が進行する。
RT0は、設定変更状態の後に移行制御される遊技状態であり、後述する特殊出目が導出されることによりRT1に遊技状態が移行する。RT1は、RT0から移行可能な遊技状態であり、通常、遊技者が最も多くの時間を費やす可能性がある遊技状態である。RT1では、後述するリプ4に入賞することでRT2に遊技状態が移行する。また、RT1では、後述するリプ6、7に入賞することでRT3に遊技状態が移行する。
RT2は、RT1から移行可能な遊技状態であり、RT1よりも再遊技役の当選確率が高くなる遊技状態である。RT2では、リプ6、7に入賞することでRT3に遊技状態が移行する。このように、RT2は、RT1からRT3へ遊技状態を移行するために経由される途中の遊技状態でもある。また、RT2では、特殊出目の導出でRT1に遊技状態が移行する。RT3は、RT1またはRT2から移行可能な遊技状態であり、RT1およびRT2よりも再遊技役の当選確率が高くなる遊技状態である。そのため、RT3は、遊技者にとって、最もメダルを消費することなく遊技できる点で有利な遊技状態となる。RT3では、特殊出目の導出でRT1に遊技状態が移行する。
入賞役のうち再遊技役には、図6および図7に示すリプ1〜7の7種類の再遊技役が含まれる。リプ1は、有効ラインに「リプa/リプb−リプa/リプb−リプa/リプb/スイカa/スイカb」の組合せが揃ったときに入賞となる。
本実施の形態における図柄組合せの説明における「/」は、“または”という意味を示し、「−」は、“隣り合うリールの区切り”を示し、左が“左リール2Lの図柄”を示し、真ん中が“中リール2Cの図柄”を示し、右が“右リール2Rの図柄”を示している。よって、たとえば「リプa/リプb−リプa/リプb−リプa/リプb/スイカa/スイカb」とは、図6に示すように、「リプa−リプa−リプa」、「リプa−リプa−リプb」、「リプa−リプa−スイカa」、「リプa−リプa−スイカb」、「リプa−リプb−リプa」、「リプa−リプb−リプb」、「リプa−リプb−スイカa」、「リプa−リプb−スイカb」、「リプb−リプa−リプa」、「リプb−リプa−リプb」、「リプb−リプa−スイカa」、「リプb−リプa−スイカb」、「リプb−リプb−リプa」、「リプb−リプb−リプb」、「リプb−リプb−スイカa」、および「リプb−リプb−スイカb」という、16種類の図柄の組合せを意味する。
リプ1は、有効ラインにリプaまたはリプbの図柄が少なくとも左リール2Lおよび中リール2Cに停止することにより入賞となる。図6および図7に示すリプ2〜7についても同様に、各々対応して図6および図7に示す図柄の組合せが有効ラインに揃ったときに入賞となる。また、図10に示されるように、RT1においてリプ4に入賞した後は、RT1よりも遊技者にとって有利なRT2に制御される。このため、リプ4を昇格リプともいう。
リプ5は、有効ラインに「白7a/白7b/白7c−リプa/リプb−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。図10(b)は、状態が維持されるリプ5入賞時のリール停止出目の一例を説明するための図である。図10(b)では、左リール2Lの領域番号15〜17が停止され、中リール2Cの領域番号9〜11が停止され、右リール2Rの領域番号7〜9が停止されている。その結果、入賞ラインLN上には「白7a−リプa−ベルa」の図柄組合せが停止されている。
これに対して、図10(c)は、RT1からRT2への移行の契機となるリプ4(昇格リプ)入賞時のリール停止出目の一例を説明するための図である。図10(c)では、左リール2Lの領域番号8〜10が停止され、中リール2Cの領域番号9〜11が停止され、右リール2Rの領域番号7〜9が停止されている。その結果、入賞ラインLN上には「ベルa−リプa−ベルa」の昇格リプ入賞の図柄組合せが停止されている。また、昇格リプ入賞時には無効ラインLM4上において「リプa−リプa−リプa」の図柄組合せが揃って停止されている。これにより昇格リプ入賞を遊技者が認識しやすくすることができる。また、昇格リプは、遊技者にとって有利なRT2への制御契機となる入賞役である。その結果、RT2へ制御されたことを遊技者が認識し易くすることができる。
また、リプ6の図柄組合せが入賞ラインLNに揃うと、「白7−白7−白7」の組合せが右下がり、すなわち無効ラインLM3に揃うこととなる。このため、リプ6は、右下7リプともいう。また、リプ7の図柄組合せが入賞ラインLNに揃うと、「白7−白7−白7」の組合せが右上がり、すなわち無効ラインLM4に揃うこととなる。このため、リプ7は、右上7リプともいう。なお、7リプとは、前述したように、右下7リプ、および右上7リプをまとめた総称をいう。
また、図10に示されるように、RT1またはRT2において7リプに入賞した後、すなわち、いずれかの無効ラインLMに「白7−白7−白7」の組合せが停止した後は、遊技者にとって有利なRT3に制御される。
リプ1〜7を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてリプ1〜7のいずれかに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ(リプが複数当選しているときにはいずれかのリプ)を入賞させることができる役といえる。後述するように、複数のリプに当選しているときには、操作手順に応じたリプが入賞するようにリール制御が行われる。
リプ1〜7のいずれかに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した枚数分のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
CBは、入賞ラインLNに「白7a/白7b/白7c−白7a/白7b/白7c−白7a/白7b/白7c」の組合せが揃ったときに入賞となる。このように、入賞ラインLNにおいて「白7−白7−白7」が停止する組合せを中段7揃いともいう。また、CBは、入賞ラインLNに「ベルa/ベルb−ベルa−リプa/リプb」の組合せが揃ったときにも入賞となる。このように、入賞ラインLNにおいて「白7−白7−白7」が停止する代わりに導出される「ベルa/ベルb−ベルa−リプa/リプb」の組合せを非中段7揃いともいう。
CBを構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてCBに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているCBを入賞させることができる役といえる。つまり、CBは取りこぼしのない役である。また、後述するように、CBに当選しているときには、操作手順に応じた図柄組合せ(中段7揃いまたは非中段7揃い)が導出されるようにリール制御が行われる。
CBに当選したときには、中段7揃いおよび非中段7揃いのいずれの図柄組合せが導出されたとしても同じCBに入賞する。より具体的には、本実施の形態においては、CB入賞前後でRTの状態が変わらず、また、CB中の抽選対象役および当選確率がいずれの図柄組合せで入賞しても変わらない。そのため、本実施の形態においては、中段7揃いが導出された場合と非中段7揃いが導出された場合とで入賞前後の遊技状態に違いはない。
次に、図8を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、ベル1、ベル2、押し順ベル1、押し順ベル2、押し順ベル3、押し順ベル4、押し順ベル5、押し順ベル6、押し順ベル7、押し順ベル8、チェリー1、チェリー2、チェリー3、スイカ1、スイカ2、スイカ3、スイカ4、1枚1、1枚2、および14枚役が含まれる。
ベル1は、有効ラインに「ベルa/ベルb−ベルa−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル1は、入賞ラインLNにおいて「ベル−ベル−ベル」の組合せが停止することにより入賞となるため、中段ベルともいう。
図8に示すベル2〜14枚役についても同様に、各々対応して図8に示す図柄の組合せが有効ラインに揃ったときに入賞となる。ベル2は、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM3において「ベル−ベル−ベル」の組合せが停止することにより入賞となるため、右下ベルともいう。
ベル1およびベル2を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてベル1またはベル2に当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているベル1またはベル2を入賞させることができる。
押し順ベル1〜8は、各々、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM1において「ベル−ベル−ベル」の組合せが停止することにより入賞となるため、上段ベルともいう。押し順ベル1〜8各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において押し順ベル1〜8のいずれかに当選していても、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルの種類に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選している押し順ベルに入賞することはない。ベル1、ベル2に入賞したときには、メダルが15枚払い出される。一方、押し順ベル1〜8のいずれかに入賞したときには、メダルが1枚払い出される。
チェリー1は、左リール2Lのチェリーが入賞ラインLN上に位置することにより入賞するため、中段チェリーともいう。チェリー2およびチェリー3は、各々、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、左リール2Lの「チェリー」が上段または下段に停止することにより入賞となるため、角チェリーともいう。
チェリー1〜3各々を構成する図柄のうち左リール2Lの図柄は、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてチェリー1〜3のいずれかに当選していても、ストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ、当選しているチェリーに入賞することはない。チェリー1〜3のいずれかに入賞したときには、メダルが2枚払い出される。
スイカ1は、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM1において「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが停止することにより入賞となるため、上段スイカともいう。スイカ2は、入賞ラインLN上に「スイカ−スイカ−スイカ」が停止することによって入賞となるため、中段スイカともいう。スイカ3は、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM3において「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが停止することにより入賞となるため、右下スイカともいう。スイカ4は、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM4において「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが停止することにより入賞となるため、右上スイカともいう。
スイカ1〜4各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてスイカ1〜4のいずれかに当選していても、スイカ1〜4のうち当選しているスイカの種類に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているスイカに入賞することはない。スイカ1〜4のいずれかに入賞したときには、メダルが6枚払い出される。
1枚1および1枚2各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において1枚1または1枚2に当選していても、1枚1および1枚2のうち当選している1枚の入賞役に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選している1枚の入賞役に入賞することはない。1枚1または1枚2に入賞したときには、メダルが1枚払い出される。
14枚役は、有効ラインに「any−リプa/リプb−ベルa/ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。14枚役を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選において14枚役に当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、14枚役を入賞させることができる。14枚役に入賞したときには、メダルが14枚払い出される。
次に、図9を用いて特殊出目を説明する。特殊出目は、小役のうち押し順ベル1〜8に当選(後述する左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選)しているゲームにおいて、当選している入賞役のうちいずれをも発生させることができない場合(取りこぼす場合)において、入賞ラインLNに停止する特定のはずれの図柄組合せである。
特殊出目は、図9に示すように、右ベルこぼし目、中ベルこぼし目、および、左ベルこぼし目を含む。右ベルこぼし目は、入賞ラインLNに「リプa/リプb−白7a/白7b/白7c−ベルa」が停止された図柄組合せをいう。中ベルこぼし目は、入賞ラインLNに「リプa/リプb−ベルa−白7a/白7b/白7c」が停止された図柄組合せをいう。左ベルこぼし目は、入賞ラインLNに「ベルa/ベルb−白7a/白7b/白7c−白7a/白7b/白7c」が停止された図柄組合せをいう。
右ベルこぼし目は、内部抽選において当選した抽選対象役が後述する右ベル1〜4のいずれかであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。また、中ベルこぼし目は、内部抽選において当選した抽選対象役が後述する中ベル1〜4のいずれかであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。また、左ベルこぼし目は、内部抽選において当選した抽選対象役が後述する左ベル1〜4のいずれかであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。また、図10に示されるように、RT0、RT2、およびRT3において、いずれの入賞も発生することなく、特殊出目が停止した後は、RT1に制御される。
[非CB中の抽選対象役、判定値数、リール制御]
次に、図11、図12を参照して、非CB中の内部抽選において読み出される抽選対象役、抽選対象役の判定値数、および抽選対象役に当選しているゲームにおけるリール制御について説明する。本実施の形態では、遊技状態が、RT0〜RT3のいずれであるかによって内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。図11、図12においては、縦の欄に、内部抽選で読み出され得る抽選対象役の種類を示し、横の欄に、抽選対象役ごとの、入賞役の組合せ、抽選される遊技状態、およびリール制御の内容を示している。
抽選対象役は、一の入賞役のみについて内部抽選される役と、複数の入賞役について同時に内部抽選される役とが設けられている。抽選対象役に対応して内部抽選される役については、入賞役の組合せの欄に示している。
たとえば、内部抽選において、抽選対象役のうち共通ベルが読み出されたときには、共通ベルに対応する入賞役であるベル2についての当否抽選が行われ、左ベル1が読み出されたときには、左ベル1に対応する入賞役の組合せであるベル2、押し順ベル1、および押し順ベル4すべてについての当否抽選が行われる。以下、同様に、左ベル2〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、14枚役、弱スイカ、強スイカ、CB、通常リプ、共通役、昇格リプ1〜5、維持リプ1〜3、押し順役1〜6、および特殊リプが内部抽選において読み出されたときには、当該読み出された抽選対象役に対応する入賞役の組合せ欄に示されている入賞役あるいは入賞役の組合せについて抽選される。
また、抽選対象役に対応する遊技状態の欄の○印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されることを示し、無印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
また、○印の下に示す数値は、判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「256」が設定されている抽選対象役の当選確率は、256/65536となる。なお、内部抽選において、いずれの抽選対象役にも当選しなかったときには、はずれとなる。
遊技状態がRT0であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、14枚役、弱スイカ、強スイカ、CB、および通常リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。遊技状態がRT1であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、14枚役、弱スイカ、強スイカ、CB、通常リプ、共通役、昇格リプ1〜5、維持リプ1〜3、押し順役1〜6、および特殊リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT2であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、14枚役、弱スイカ、強スイカ、CB、通常リプ、共通役、維持リプ1〜3、押し順役1〜6、および特殊リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。遊技状態がRT3であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、14枚役、弱スイカ、強スイカ、CB、通常リプ、維持リプ1〜3、押し順役1〜6、および特殊リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
RT0〜RT3のいずれの遊技状態においても、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、14枚役、弱スイカ、強スイカ、およびCBについては、抽選対象役に定められており、遊技状態にかかわらず共通の判定値数が定められている。すなわち、内部抽選において小役およびCBに当選する当選確率は、遊技状態にかかわらず一定である。なお、内部抽選において小役およびCBに当選する当選確率は、設定されている設定値に応じて異なるように定められているものであってもよい。
また、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4の判定値数を比較すると、中ベル1〜4、右ベル1〜4よりも左ベル1〜4の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。また、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカの判定値数を比較すると、それぞれ、「弱」が付された抽選対象役(弱チェリー、弱一枚、弱スイカ)よりも「強」が付された抽選対象役(強チェリー、強一枚、強スイカ)の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。また、中段チェリーと、弱チェリーおよび強チェリーとの判定値数を比較すると、中段チェリーが最も小さく、当選確率が最も低くなるように設定されている。
後述するように、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカに当選したときにAT抽選が行われ、「弱」が付された抽選対象役当選時よりも「強」が付された抽選対象役当選時の方が高い確率でAT当選し、「強」が付された抽選対象役当選時よりも中段チェリー当選時の方が高い確率でAT当選する。これにより、「弱」が付された抽選対象役よりも「強」が付された抽選対象役に当選すること、および、「強」が付された抽選対象役よりも中段チェリーに当選することに対し遊技者が抱く期待感を高めることができる。
また、14枚役は、RT0〜3のいずれの遊技状態であっても判定値数が「1」しか設定されていない。つまり、非CB中において、14枚役は、ベル、チェリー、スイカなどの小役に比べて入賞の発生確率が低く設定されている。
次に、通常リプ、共通役、昇格リプ1〜5、維持リプ1〜3、押し順役1〜6、および特殊リプの判定値数を、遊技状態ごとに比較する。いずれかの再遊技役に当選する確率は、RT3が最も高く、続いて、RT2、RT1の順となっており、RT0が最も低くなるように、判定値数が設定されている。たとえば、内部抽選の結果が通常リプとなる確率は、RT1よりもRT3の方が高くなっている。
また、RT1における昇格リプ1〜5の判定値数を比較すると、昇格リプ2〜5よりも昇格リプ1の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。また、RT1における押し順役1〜6の判定値数を比較すると、押し順役3〜6よりも押し順役1、2の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。このため、後述するように左リール2Lを第1停止させる限り、リプ4やリプ6に入賞し難くすることができる。
また、RT1においては、低確率ではあるものの、共通役および特殊リプに当選する。このため、RT1からRT2を介さずに直接RT3に移行可能となっている。よって、RT1中においては、共通役や特殊リプに当選することに対する期待感およびプレミア感を抱かせることができる。
なお、RT1〜RT3のいずれにおいても、非CB中で特殊リプに当選したときには、フリーズ状態にする制御するとともに、当該フリーズ状態において7リプ入賞となる旨を示唆する特殊リプ当選時演出が行われる。特殊リプ当選時演出としては、たとえば、液晶表示器51の画面上に「7を狙え!!」といった文字画像が表示される。本実施の形態においては、特殊リプに当選したときに後述するAT抽選によってナビストックが付与されることから、この特殊リプ当選時演出が行われることによって、遊技者にナビストック獲得に対して期待させることができる。
また、RT2における維持リプ1〜3の判定値数を比較すると、維持リプ2、3よりも維持リプ1の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。一方、RT2における押し順役1〜6の判定値数は、同じ値であり、同じ当選確率となるように設定されている。また、RT3における押し順役1〜6の判定値数は、RT2であるときよりも小さく、当選確率が低くなるように設定されている。
また、RT2における維持リプ1〜3の判定値数は、RT1であるときよりも大きく、当選確率が高くなるように設定されている。その一方で、RT2における維持リプ1〜3の判定値数は、RT3であるときよりも小さく、当選確率が低くなるように設定されている。
ここで、RT1〜3において読み出されるそれぞれの再遊技役の判定値数を合算し、その値を比較する。RT1における再遊技役の合算した判定値数は、「9578」となる。RT2における再遊技役の合算した判定値数は、「22039」となる。RT3における再遊技役の合算した判定値数は、「52187」となる。RT1とRT2とで、合算判定値数を比較すると、RT2の方がRT1よりも大きく、高い確率で再遊技役に当選するようになっている。これは、図10に示すように、RT2は、RT1からRT3へ遊技状態が移行するために経由される途中の遊技状態でもあり、RT1からRT2に遊技状態が移行した遊技者に対して、その後、RT3に遊技状態が移行するまでのRT2での期間において極力メダルを消費させないようにするためである。また、RT3の合算判定値数は、RT1およびRT2における合算判定値数よりも大きく、最も高い確率で再遊技役に当選するようになっている。これにより、RT3は、メダルの消費を最小限に抑えながら遊技できる点で、遊技者にとって最も有利な遊技状態となる。したがって、RT1、RT2に対するRT3の優位性を確保することができる。
また、本実施の形態においては、非AT中に左第1停止以外の停止操作をするとペナルティが科されるため、遊技者は非AT中に左第1停止をする傾向にあるが、左第1停止によってリプ4(昇格リプ)を入賞可能な昇格リプ1は、中第1停止や右第1停止によってリプ4(昇格リプ)を入賞可能な昇格リプ2〜5よりも判定値数が低く、当選しにくくなっている。そのため、非AT中に遊技者が左第1停止をする限りは、RT2に移行しにくくなっている。
このような状況で仮に運よくRT1からRT2に移行できたとしても、最も有利度合いの高いRT3へは、さらにRT2においてリプ6またはリプ7を入賞させなくてはならない。また、左第1停止によって、RT1からRT3へ直接移行するためには、押し順役1や押し順役2といった当選確率の非常に低い役に当選する必要がある。いずれにしても、非AT中におけるRT1からRT3への移行は簡単ではない。そのため、RT1からRT3へ移行する際に経由するRT2においては、再遊技役の合算判定値数をRT1よりも高く設定して極力メダルを消費させないようにすることで、遊技者の負担を軽減し、遊技の興趣を低下させないようになっている。
また、RT2からRT3へは、押し順役1、2の当選確率をRT1よりも高く設定していることで、RT1からRT2への移行よりも、非AT中において移行しやすくなっている。これにより、非AT中に運よくRT1からRT2へ移行した遊技者に対して、なかなかRT3へ移行しないことに対する不満を感じさせることを極力防止し、遊技の興趣を低下させないようになっている。
次に、図11および図12の右欄に記載されているリール制御の内容について説明する。当選した抽選対象役の種類(当選している入賞役)およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に応じて定められた入賞役を入賞ラインLN上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうちいずれかに当選している場合には、最初に停止操作がなされたリール(第1停止されたリール)が左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかに応じて、ベル1あるいはベル2を入賞ラインLN上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
左ベル1が当選し、左第1停止させた場合には、当選した小役のうちベル2を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。一方、左ベル1が当選し、中第1停止または右第1停止させた場合には、当選した小役のうち押し順ベル1または押し順ベル4を引込可能範囲で入賞ラインLN上に揃えて停止させる制御を行う。前述したように、押し順ベル1および押し順ベル4を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、および右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L、8C、8R各々が、押し順ベル1または押し順ベル4のうちいずれかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応する押し順ベル1または押し順ベル4に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、特殊出目のうち左ベルこぼし目を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
左ベル2〜4のいずれかが当選しているゲームにおいても同様に、左第1停止させた場合には、当選した小役のうちベル2を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。一方、左ベル2〜4のいずれかが当選し、中第1停止または右第1停止させた場合には、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルを引込可能範囲で入賞ラインLN上に揃えて停止させる制御を行う。前述したように、押し順ベルを構成する図柄は、いずれも、左リール2L、中リール2C、および右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L、8C、8R各々が、当選している押し順ベルに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応する押し順ベルに入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、特殊出目のうち左ベルこぼし目を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
また、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選しているときも同様である。すなわち、中ベル1〜4のいずれかに当選しているゲームにおける第1停止リールが、中リール2Cであった場合には、当選した小役のうちベル1の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中リール2C以外のリールであった場合には、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルの図柄組合せを引込可能範囲で入賞ラインLNに引き込み停止させる制御を行い、当選している押し順ベルの図柄組合せを入賞ラインLNに引き込み停止させることができない場合に、特殊出目のうち中ベルこぼし目を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
また、右ベル1〜4のいずれかが当選しているゲームにおける第1停止リールが、右リール2Rであった場合には、当選した小役のうちベル1の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、右リール2R以外のリールであった場合には、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルの図柄組合せを引込可能範囲で入賞ラインLNに引き込み停止させる制御を行い、当選している押し順ベルの図柄組合せを入賞ラインLNに引き込み停止させることができない場合に、特殊出目のうち右ベルこぼし目を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
このように、左ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、左第1停止させたときに確実にベル2を入賞させるようにリール制御が行われ、左リール2L以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベルを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行われる。
また、中ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、中第1停止させたときに確実にベル1を入賞させるようにリール制御が行われ、中リール2C以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベルを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行われる。
また、右ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、右第1停止させたときに確実にベル1を入賞させるようにリール制御が行われ、右リール2R以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベルを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行われる。
以上のように本実施の形態では、左ベルが当選したか、中ベルが当選したか、右ベルが当選したかによって、ベル1あるいは2を確実に入賞させるための第1停止リールを異ならせることにより、入賞させるための操作手順(入賞用操作手順)であり、かつ特殊出目の導出を回避するための操作手順を異ならせることができる。
なお、前述したように、中ベルや右ベルよりも、左ベルの当選確率は低くなるように設定されている。また、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止させなかった場合に遊技者にとって不利な所定のペナルティを科すことにより、左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときには、特に中ベルや右ベルに当選したときに、ベルを確実に入賞させることが困難となる。よって、非AT中のときに仮にRT2に制御された場合であっても、高い確率で特殊出目が停止されるため、当該RT2を維持させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左第1停止をさせないことによってはペナルティが科されないため、左ベル、中ベル、および右ベルに当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、ベルを確実に入賞させることができ、RT1に転落することを回避させることができる。
中段チェリーに当選しているゲームにおいては、左リール2Lのチェリーが入賞ラインLN上にしか停止されないようにリール制御が行われる。一方、弱チェリーあるいは強チェリーに当選しているゲームにおいては、左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止されるようにリール制御が行われる。これにより、左リール2Lのチェリーが中段に停止してチェリー入賞が発生したときには中段チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができ、左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止してチェリー入賞が発生したときには、中段チェリーではなく弱チェリーあるいは強チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができる。
また、強チェリーに当選しているゲームにおいてのみ、左リール2Lのチェリーが停止された無効ライン上において、中リール2Cおよび右リール2R各々のチェリーを停止させて、「チェリー−チェリー−チェリー」を停止させるリール制御が行われ得る。これにより、左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止し、かつ当該チェリーが停止された無効ライン上に「チェリー−チェリー−チェリー」が停止されたときには、弱チェリーではなく強チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができる。
弱一枚に当選しているゲームにおいては、はずれ図柄の組合せのうち、特殊出目と異なる予め定められた弱チャンス目(たとえば、入賞ラインLNに「白7b−スイカb−チェリー」など)を停止させるリール制御を行う。また、強一枚に当選しているゲームにおいては、はずれ図柄の組合せのうち、特殊出目とも弱チャンス目とも異なる予め定められた強チャンス目(たとえば、入賞ラインLNに「白7b−スイカb−スイカb」など)を停止させるリール制御を行う。チャンス目は、弱一枚や強一枚を取りこぼしたときだけでなく、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカなどを取りこぼしたときにも停止し得るように、リール制御が行われる。
14枚役に当選しているゲームにおいては、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順にかかわらず、14枚役の図柄組合せをを入賞ラインLNに引き込み、14枚役を入賞させるリール制御が行われる。
弱スイカに当選しているゲームにおいては、引込可能範囲でスイカ1よりもスイカ3または4を優先して入賞ラインLNに引き込み、右下スイカあるいは右上スイカを停止させ、スイカ3および4を引き込むことができない場合には、スイカ1も引き込むことができない場合であるため、前述した弱チャンス目あるいは強チャンス目を停止させるリール制御を行う。
強スイカに当選しているゲームにおいては、引込可能範囲でスイカ3、4よりもスイカ1または2を優先して入賞ラインLNに引き込み、上段または中段にスイカを停止させ、スイカ1または2を引き込むことができない場合にはスイカ3、4を引き込み、スイカ3、4をも引き込むことができない場合には、前述した弱チャンス目あるいは強チャンス目を停止させるリール制御を行う。
CBが当選しているゲームにおいては、左第1停止であった場合に非中段7揃いの図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中第1停止または右第1停止であった場合に中段7揃いの図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
また、通常リプに当選しているゲームにおいては、第1停止リールが、左リール2Lであった場合には、当選した再遊技役のうちリプ1の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2L以外の中リール2Cまたは右リール2Rであった場合には、当選した再遊技役のうちリプ2の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行う。
なお、非CB中にリプ1に入賞したときには、入賞したことを示す通常リプ入賞時演出が行われる。通常リプ入賞時演出としては、スピーカ53、54から所定の効果音が出力されるとともに、液晶表示器51の画面上に「再遊技」と書かれた風船が飛ぶような演出が実行される。これにより、遊技者に対して再遊技役に入賞したことを印象付けることができる。なお、通常リプ入賞時演出は、非CB中に限らず、CB中においても行われる。
共通役に当選しているゲームにおいては、左リール2Lを第1停止させた場合、または、中リール2Cを第1停止させその後左リール2L、右リール2Rの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行う。また、共通役に当選しているゲームにおいては、右リール2Rを第1停止させた場合、または、中リール2Cを第1停止させその後右リール2R、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行う。
また、昇格リプ1〜5のうちいずれかに当選している場合には、第1停止されたリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかなどに応じて、昇格リプであるリプ4を入賞させる制御が行われる。
昇格リプ1に当選しているゲームにおいては、第1停止リールが、左リール2Lであった場合には、リプ4の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2L以外の中リール2Cまたは右リール2Rであった場合には、リプ5を入賞させるリール制御を行う。昇格リプ2に当選しているゲームにおいて、中リール2Cを第1停止させ、その後左リール2L、右リール2Rの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合には、リプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
昇格リプ3に当選しているゲームにおいて、中リール2Cを第1停止させ、その後右リール2R、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合にはリプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。昇格リプ4に当選しているゲームにおいて、右リール2Rを第1停止させ、その後左リール2L、中リール2Cの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合にはリプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
昇格リプ5に当選しているゲームにおいて、右リール2Rを第1停止させ、その後、中リール2C、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合にはリプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
RT1においてリプ5に入賞した場合には、RT1が維持されるため、遊技状態が移行されるか否かの観点においてはリプ1が入賞した場合と同じとなる。このように、昇格リプ1〜5のいずれに当選したかによって、昇格リプであるリプ4を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
なお、前述したように、昇格リプ2〜5よりも、昇格リプ1の当選確率は低くなるように設定されている。一方、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、非AT中のときにおいて左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときには、昇格リプ1に当選したときにはRT2に制御され得るが、昇格リプ2〜5に当選したときには実質的に昇格リプを入賞させることができず、RT2へ制御させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左第1停止させないことによってはペナルティが科されないため、昇格リプに当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、昇格リプを確実に入賞させることができ、確実にRT2へ制御させることができる。
また、維持リプ1〜3のうちいずれかに当選している場合には、第1停止されたリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかなどに応じて、リプ1を入賞させる制御か、リプ5を入賞させる制御が行われる。
維持リプ1が当選しているゲームにおける第1停止リールが、左リール2Lであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ1の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2L以外の中リール2Cまたは右リール2Rであった場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
維持リプ2が当選しているゲームにおける第1停止リールが、中リール2Cであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ1の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、中リール2C以外の左リール2Lまたは右リール2Rであった場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
維持リプ3が当選しているゲームにおける第1停止リールが、右リール2Rであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ1の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、右リール2R以外の左リール2Lまたは中リール2Cであった場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
このように、維持リプ1〜3のいずれに当選したかによって、リプ1およびリプ5を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
また、押し順役1〜6のうちいずれかに当選している場合には、当該押し順役1〜6に対応した停止操作順に応じて、RT3への移行を伴う7リプであるリプ6を入賞させる制御か、遊技状態の移行を伴わないリプ1〜3のいずれかを入賞させる制御が行われる。
押し順役1が当選しているゲームにおいて、左中右の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。押し順役2が当選しているゲームにおいて、左右中の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1またはリプ2を入賞させる制御を行う。押し順役3が当選しているゲームにおいて、中左右の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
押し順役4が当選しているゲームにおいて、中右左の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。押し順役5が当選しているゲームにおいて、右左中の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ2またはリプ3を入賞させる制御を行う。押し順役6が当選しているゲームにおいて、右中左の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。このように、押し順役1〜6のいずれに当選したかによって、7リプであるリプ6を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
なお、本実施の形態におけるスロットマシン1では、前述したように、非AT中のときにおいて左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときには、押し順役1または2に当選したときにはリプ6を入賞させ得るが、押し順役3〜6のいずれかに当選したときには実質的にリプ6を入賞させることができず、RT3へ制御されることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左第1停止させないことによってはペナルティが科されないため、RT2において、押し順役1〜6に当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、7リプを確実に入賞させることができ、RT3へ制御させることができる。
また、RT1においては、前述したように、押し順役3〜6よりも、押し順役1、2の当選確率は低くなるように設定されている。このため、非AT中のゲームにおいては、押し順役1、2に当選したときにはRT3に制御され得るが、押し順役3〜6に当選したときには実質的に7リプを入賞させることができず、RT3へ制御させることが困難となる。
特殊リプが当選しているゲームにおいて、第1停止リールが、左リール2Lであった場合には当選した再遊技役のうちリプ1またはリプ2の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左リール2L以外であった場合にはリプ6を入賞させる制御を行う。
なお、本実施の形態においては、RT1〜RT3のいずれにおいても、非CB中で特殊リプに当選したときにリプ6が入賞すると、非CB中7リプ入賞時演出が行われる。非CB中7リプ入賞時演出においては、演出効果LED52が色彩豊かに点滅するとともに、液晶表示器51の画面上において「チャンス」の文字画像が表示される。これにより、非CB中7リプ入賞時演出が行われることによって、遊技者に、ナビストックを獲得した可能性が高いことを認識させることができる。
このように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、非AT中において左第1停止させるように設計されている上に、非AT中で特殊リプに当選したときには、左第1停止する限りリプ6を入賞させることができないようになっている。そのため、RT1およびRT2における非AT中では、実質的にリプ6入賞しないため、RT3に移行できなようになっている。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左第1停止以外の停止操作をしてもペナルティが科されないため、特殊リプに当選したゲームでナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、リプ6入賞とともにRT3へ移行することができるようになっている。なお、RT3においてリプ6が入賞したときには、遊技状態が維持される。
また、AT抽選においては、特殊リプが当選することによって高い確率でナビストックが付与されるようになっている。さらに、リプ6の図柄組合せは、「白7−白7−白7」の組合せが右下がりに揃うため、見た目上、入賞したことを遊技者が認識しやすくなっている。そのため、リプ6が入賞したときには、遊技者に対して、ナビストックが付与されたことを印象づけることができる。このように、非CB中において特殊リプが当選したときには、当選した役のうち、押し順に応じてリプ1、リプ2、およびリプ6のいずれかが必ず入賞し、リプ6が入賞したときには、遊技者にナビストックの付与に対して期待させることができる。
このように、メイン制御部41は、遊技状態に応じた抽選対象役について内部抽選し、当該抽選結果およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に応じて、リール制御を行い、表示結果にしたがってメダル払い出しや遊技状態移行を行う。また、メイン制御部41は、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信する。
[ゲームの流れ]
ここで、図10を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。本実施の形態におけるスロットマシン1では、図10に示されるように、設定変更状態が終了した後において、RT0に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT0では、ATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT0においてナビ演出が実行されることがないため、RT0において左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうちいずれかに当選したときに、高い確率でベルおよび押し順ベルを取りこぼして、入賞ラインLNに特殊出目が停止され、いつまでも特殊出目が停止されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。RT1〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。
先ず、非AT中のゲームの流れについて説明する。本実施の形態におけるスロットマシン1では、前述したように、RT0〜RT3において非AT中のときに、左第1停止させるように設計されている。このため、遊技者は、非AT中のときには、左リール2Lを第1停止させるように停止操作を行う。その結果、ゲームの流れは以下のようになる。
RT1では、リプ4やリプ6、7に入賞することにより、RT2やRT3に移行される。リプ4やリプ6、7に入賞するためには、図12で示したように、共通役に当選するか、押し順役1〜6、および特殊リプのいずれかに当選しかつ7リプ入賞させるための操作手順で停止操作するか、昇格リプ1〜5のいずれかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
しかし、共通役の当選確率は極めて低く設定されている。このため、共通役に当選することにより、リプ6、7に入賞する可能性は極めて低い。また、左第1停止されたときに昇格リプ入賞させる昇格リプ1の当選確率は、その他の昇格リプ2〜5の当選確率よりも低くなるように設定されている。このため、昇格リプ1〜5に当選することにより、昇格リプであるリプ4に入賞する可能性も高いとはいえない。さらに、左第1停止されたときにリプ6入賞させる押し順役1、2の当選確率は、その他の押し順役3〜6の当選確率よりも低くなるように設定されている。このため、押し順役1、2に当選することにより、リプ6に入賞する可能性も高いとはいえない。よって、左第1停止させる限り、RT2に移行される可能性は低い。
また、RT1において左第1停止させながら、運よくリプ4に入賞し、RT2に制御された場合でも、当該RT2への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、押し順ベルのうち、左第1停止させた場合にベル入賞となる左ベル1〜4の当選確率がその他の中ベル1〜4や右ベル1〜4の当選確率よりも極めて低くなるように設定されており、高い確率で特殊出目が停止される。このため、本実施の形態のスロットマシン1において、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、共通役、昇格リプ1〜5、押し順役1〜6、および特殊リプのいずれかに当選したときに、リプ4やリプ6、7を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ4入賞によりRT2に移行させ、リプ6、7入賞によりRT3に移行させることができる。
さらに、RT2では、共通役、押し順役1〜6、および特殊リプのいずれかに当選したときに、リプ6あるいはリプ7を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ6あるいはリプ7入賞によりRT3に移行させることができる。
RT3では、特殊リプに当選したときに、リプ6を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ6入賞によりRT3を維持させることができる。
また、少なくともRT1〜3では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカなど、所定の操作手順で停止操作しなければ入賞させることができない抽選対象役に当選したときに、当該抽選対象役に応じて遊技者にとって有利となる操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、小役の取りこぼしを防止して、メダルを確実に獲得することができる。また、特殊出目が停止されることを回避して、現在制御されている遊技状態への制御を維持することができる。
さらに、本実施の形態においては、RT0〜3のいずれにおいても、CBに当選したときには中段7揃いを入賞ラインLNに導出させるためのナビ演出が所定の確率で実行される。これにより、遊技者に中段7揃いを入賞ラインLNに導出させることができる。
このように、本実施の形態のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT3に制御されるように、かつRT3が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT3において消化されることとなる。本実施の形態では、遊技者にとって有利なRT3においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。
また、本実施の形態においては、いずれのRT状態においてもCB入賞することによって、RT状態を維持したままCB中のゲームに移行する。これにより、CBの発生によって、RT状態を変更するものと比較して、処理負担を削減できる。
[CB中の抽選対象役、判定値数、リール制御]
次に、図13を参照して、CB中の内部抽選において読み出される抽選対象役および抽選対象役の判定値数について説明する。本実施の形態では、遊技状態が、RT0〜RT3のいずれであるかによって内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。図13においては、縦の欄に、内部抽選で読み出され得る抽選対象役の種類を示し、横の欄に、抽選対象役ごとの抽選される遊技状態の内容を示している。
本実施の形態のCB(チャレンジボーナス)は、全ての小役の当選が同時に成立し、所定の条件(本実施の形態においては、15枚以上のメダルの払い出し)が成立するまで、遊技者の目押しにより小役の入賞を毎ゲーム可能とする。また、再遊技役については、CBが発生した遊技状態に応じて、全ての小役と同時当選する役が予め定められている。なお、小役については、内部抽選をした後に全ての小役が当選するように設定されるものであってもよいし、内部抽選の対象とはせずに予め全ての小役が当選するように設定されるものであってもよい。
遊技状態がRT0であるときには、リプ当選以外の全ての小役および通常リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。遊技状態がRT1であるときには、リプ当選以外の全ての小役、通常リプ、共通役、昇格リプ1〜5、維持リプ1〜3、押し順役1〜6、および特殊リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT2であるときには、リプ当選以外の全ての小役、通常リプ、共通役、維持リプ1〜3、押し順役1〜6、および特殊リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。遊技状態がRT3であるときには、リプ当選以外の全ての小役、通常リプ、維持リプ1〜3、押し順役1〜6、および特殊リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
なお、RT1〜RT3のいずれにおいても、CB中で特殊リプに当選したときには、非CB中に特殊リプに当選したときと同様に、特殊リプ当選時演出が行われる。これにより、非CB中に限らず、CB中においても、特殊リプ当選時演出が行われることによって、遊技者にナビストック獲得に対して期待させることができる。
次に、CB中のリール制御について説明する。CB中のゲームでいずれの再遊技役にも当選しなかった場合には、リプ当選以外の全ての小役のみが当選したことになる。この場合には、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のいずれであっても15枚のメダルが払い出されるようにリール制御が行われる。
CB中のゲームで通常リプと全ての小役が同時当選した場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順(左第1停止、中第1停止、右第1停止)に応じて、小役および再遊技役のうち入賞する役が決定され、決定された役を入賞させるリール制御が行われる。さらに、左第1停止されたゲームにおいては、右リール2Rを停止させるためのストップスイッチ8Rの操作タイミングに応じても、小役および再遊技役のうち入賞する役が決定され、決定された役を入賞させるリール制御が行われる。なお、中第1停止や右第1停止されたゲームにおいては、ストップスイッチ8C、8Rの操作タイミングにかかわらず予め定められた役が必ず入賞する。
たとえば、CB中のゲームで通常リプと全ての小役が同時当選したゲームにおいて左第1停止された場合、ストップスイッチ8Rの操作タイミングが所定の第1タイミングであるときには再遊技役であるリプ1が必ず入賞するためのリール制御が行われ、ストップスイッチ8Rの操作タイミングが第1タイミングとは異なる第2タイミングであるときには、必ず14枚のメダルが払い出されるように小役が入賞するためのリール制御が行われる。なお、第1タイミングおよび第2タイミング以外のタイミングでストップスイッチ8Rが操作されれば、再遊技役および小役のうち入賞可能な方が入賞するようにリール制御が行われる。
このように、メイン制御部41は、CB中のゲームで通常リプと全ての小役が同時当選したゲームにおいて左第1停止された場合、ストップスイッチ8Rの操作タイミングが第1タイミングであるか、あるいは第2タイミングであるかを判定し、その判定結果と停止制御テーブルとに基づき、ストップスイッチ8Rの操作タイミングに応じて、再遊技役および小役のうち入賞する役が決定され、決定された役を入賞させるリール制御が行われる。
また、CB中のゲームで通常リプと全ての小役が同時当選したゲームにおいて中第1停止された場合、操作タイミングにかかわらず、必ずリプ1が入賞するためのリール制御が行われる。また、CB中のゲームで通常リプと全ての小役が同時当選したゲームにおいて右第1停止された場合、操作タイミングにかかわらず、必ず14枚のメダルが払い出されるように小役が入賞するためのリール制御が行われる。
このように、メイン制御部41は、CB中のゲームで通常リプと全ての小役が同時当選したゲームにおいて、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順がいずれの押し順であるかを判定し、その判定結果と停止制御テーブルとに基づき、押し順に応じて、再遊技役および小役のうち入賞する役が決定され、決定された役を入賞させるリール制御が行われる。
CB中のゲームで共通役と全ての小役が同時当選した場合には、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のいずれであっても15枚のメダルが払い出されるように小役が入賞するためのリール制御が行われる。
CB中のゲームで昇格リプ1〜5のいずれかと全ての小役が同時当選した場合には、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のいずれであっても15枚のメダルが払い出されるように小役が入賞するためのリール制御が行われる。
CB中のゲームで維持リプ1と全ての小役が同時当選した場合には、中第1停止または右第1停止であれば15枚のメダルが払い出されるように小役が入賞するためのリール制御が行われ、左第1停止であれば14枚のメダルが払い出されるように小役が入賞するためのリール制御が行われる。維持リプ2と全ての小役が同時当選した場合には、左第1停止または右第1停止であれば15枚のメダルが払い出されるように小役が入賞するためのリール制御が行われ、中第1停止であれば14枚のメダルが払い出されるように小役が入賞するためのリール制御が行われる。維持リプ3と全ての小役が同時当選した場合には、左第1停止または中第1停止であれば15枚のメダルが払い出されるように小役が入賞するためのリール制御が行われ、右第1停止であれば14枚のメダルが払い出されるように小役が入賞するためのリール制御が行われる。
このように、RT0〜RT3でのCBにおいて、維持リプ1〜3と全ての小役が同時当選した場合には、当選した役のうち、維持リプ1〜3に対応する再遊技役よりも小役が優先的に入賞するようにリール制御が行われる。
CB中のゲームで押し順役1〜6のいずれかと全ての小役が同時当選した場合には、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のいずれであっても15枚のメダルが払い出されるように小役が入賞するためのリール制御が行われる。
CB中のゲームで特殊リプと全ての小役が同時当選した場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順(左第1停止、中第1停止、右第1停止)に応じて、小役および再遊技役のうちいずれを入賞させるか否かが変わる。なお、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のいずれがされたゲームにおいても、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず予め定められた役が必ず入賞する。
たとえば、CB中のゲームで特殊リプと全ての小役が同時当選したゲームにおいて左第1停止された場合、操作タイミングにかかわらず、必ずリプ6が入賞するためのリール制御が行われる。また、CB中のゲームで特殊リプと全ての小役が同時当選したゲームにおいて中第1停止された場合、操作タイミングにかかわらず、必ずリプ7が入賞するためのリール制御が行われる。また、CB中のゲームで特殊リプと全ての小役が同時当選したゲームにおいて右第1停止された場合、操作タイミングにかかわらず、必ず14枚のメダルが払い出されるように小役が入賞するためのリール制御が行われる。
このように、メイン制御部41は、CB中のゲームで特殊リプと全ての小役が同時当選したゲームにおいて、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順がいずれの押し順であるかを判定し、その判定結果と停止制御テーブルとに基づき、押し順に応じて、再遊技役および小役のうち入賞する役が決定され、決定された役を入賞させるリール制御が行われる。
なお、RT1〜RT3のいずれにおいても、CB中でリプ6またはリプ7が入賞すると、CB中7リプ入賞時演出が行われる。CB中7リプ入賞時演出においては、演出効果LED52が色彩豊かに点滅するとともに、液晶表示器51の画面上において「大チャンス」の文字画像が表示される。これにより、CB中7リプ入賞時演出が行われることによって、遊技者に、ナビストックを獲得した可能性が非常に高いことを認識させることができる。さらに、非CB中7リプ入賞時演出における文字画像は「チャンス」であるのに対して、CB中7リプ入賞時演出における文字画像は「大チャンス」であるため、CB中7リプ入賞時演出が実行されたときには、非CB中7リプ入賞時演出が実行されたときよりも、遊技者に、よりナビストックの獲得に対して期待させることができる。
ここで、図14は、CB中の小役入賞について説明するための図である。図14(a)は、CB中においてメダルを14枚払い出すときの入賞態様を示している。また、図14(b)は、CB中においてメダルを15枚払い出すときの入賞態様を示している。
図14に示すように、本実施の形態においては、CB中であるときに入賞ラインLN、無効ラインLM4、およびV字ラインが有効ラインとして有効化される。より具体的には、入賞ラインLN上に入賞図柄が導出されたとき、無効ラインLM4上に入賞図柄が導出されたとき、およびV字ライン上に入賞図柄が導出されたときにメダルの払い出しが行われる。
図14(a)に示すように、CB中の入賞において、メダルが14枚払い出される場合は、入賞ラインLNのみに入賞図柄が導出されるリール制御がされる。CB中のゲームで維持リプ2と全ての小役が同時当選した場合において中第1停止されたときには、小役のうち14枚役の入賞図柄が入賞ラインLNに導出されるようになっている。このように、メダルを14枚払い出すときには入賞ラインLNにのみ14枚役の入賞図柄が導出されるようになっている。
また、図14(b)に示すように、CB中の入賞において、15枚のメダルが払い出される場合は、入賞ラインLN、無効ラインLM4、V字ラインのうちのいずれか2以上の有効ラインに小役のうち14枚役とその他の小役が導出されるようになっている。
ここで、本実施の形態においては、1ゲームで払い出されるメダルは15枚が最大である。そのため、図14(b)に示すように、2ラインでの入賞のうち一方の有効ラインで14枚役が導出されてメダルが14枚払い出された場合、他方の有効ラインではいずれの小役が導出されても合計でメダルの払出枚数が15枚以上になるため、実際に払い出されるメダルは最大の15枚となる。
さらに、本実施の形態のCBは、メダルが15枚払い出されることで終了するため、図14(b)に示すように、CB中の最初の払い出しでメダルが15枚払い出される場合はそのゲームを最後にCBが終了してしまう。それに対して、図14(a)に示すようにCB中の最初の払い出しでメダルが14枚払い出される場合は、未だ終了条件の15枚に到達していないため、次のゲームも遊技することができ、その後のゲームでさらに14枚や15枚のメダルが払い出されることにより、結果的に15枚以上のメダルを遊技者が獲得することができる。つまり、CB中においては最初の払い出しで14枚の払い出しが行われるときの方が、最初の払い出しで15枚の払い出しが行われるときよりも遊技者にとって有利であるといえる。
また、図13に示されたCB中の内部抽選において読み出される抽選対象役および抽選対象役の判定値数は、全ての小役が当選していることを除いて、図12で示された非CB中の内部抽選において読み出される抽選対象役および抽選対象役の判定値数と同じである。つまり、再遊技役の抽選対象役および判定値数は、CB入賞前後で変更されないようになっている。そのため、CB入賞前のRT状態が遊技者にとって有利な状態であれば、CB入賞後においても、遊技者にとって有利な状態を維持したままでCB中のゲームが行われることになる。たとえば、CB入賞前がRT3であれば、CB入賞後においても、RT3と同じ再遊技役の抽選対象役および判定値数を維持したままでCB中のゲームが行われる。
さらに、図13に示すCB中の抽選対象役および抽選対象役の判定値数によると、1ゲーム内で14枚のメダルが払い出されるリール制御が行われる抽選対象役(たとえば、通常リプや維持リプ1〜3)は、RT3が最も当選しやすくなっている。そのため、すべての遊技状態の中でRT3のときにCB入賞した場合が、CB内で2回の払い出しを受けられる確率が最も高くなり、遊技者にとって最も有利となる。
ここで、図13に示すCB中の抽選対象役および抽選対象役の判定値数によると、RT2においては、メダルの消費を抑えるために、通常リプや維持リプ1〜3の当選確率がRT1よりも敢えて高く設定されている。仮に、RT2における通常リプや維持リプ1〜3の当選確率を高く上げすぎた場合、RT2における通常リプや維持リプ1〜3の当選確率がRT3と同様、もしくはそれ以上に高くなってしまう虞が生じる。この場合、CB中の最初の払い出しで14枚のメダルが払い出される確率もRT2とRT3とが同様、もしくはRT2の方がRT3よりも高くなってしまい、RT2の方がRT3と同様、もしくはそれ以上にCB中における有利度合いが向上してしまうような事態が起こり得る。その結果、RT1からRT3への途中段階で極力メダルを消費させないために、再遊技役への当選確率を高く設定しているにすぎないRT2において、RT3と同様に、CBに制御されたときの有利度合いが高まりすぎてしまう虞が生じる。
しかしながら、本実施の形態においては、図13に示すように、RT2の方がRT3よりも通常リプや維持リプ1〜3の当選確率が低く設定されているため、RT2の方がRT3よりもCB中における有利度合いが向上してしまうような事態が起こりにくい。その結果、RT1からRT3に移行するときに経由されるRT2において再遊技役への当選確率を高くしてもRT2における有利度合いが高まりすぎてしまうことがない。
なお、本実施の形態においては、後述するように、AT状態でCB入賞した場合、CB中のゲーム内で通常リプ、維持リプ1〜3、および特殊リプのいずれかに当選したときには、入賞ラインLNに14枚役の入賞図柄を導出させるためのナビ演出が実行されるようになっている。そのため、AT時においては、非AT時に比べて、1ゲーム内で14枚のメダルが払い出される可能性が高く、遊技者にとって有利となる。
また、図11に示す非CB中の抽選対象役、判定値数によると、14枚役はいずれの遊技状態においても判定値数が1である。そのため、非CB中においては、その他の入賞役が14枚役よりも高い確率で入賞が発生可能となる。つまり、非CB中では、14枚役が入賞可能なメインの役ではない。これに対して、図13に示すCB中の抽選対象役および抽選対象役の判定値数によると、全ての小役が再遊技役と同時当選し、さらに共通役、昇格リプ1〜5、押し順役1〜6が当選する以外は、いずれの抽選対象役が当選しても14枚役が導出され得る。このため、14枚役がその他の入賞役よりも高い確率で入賞が発生可能となる。つまり、CB中では、14枚役が入賞可能なメインの役となる。
このように、非CB中においては14枚役よりも高い確率でその他の入賞役が発生可能となり、CB中においてはその他の入賞役よりも高い確率で14枚役が発生可能となる。ここで、本実施の形態においては、14枚役に入賞しても、払い出し以外の特典は付与されないが、14枚役に入賞したときに、何らかの特典(たとえば、ナビストックやプレミア演出の実行など)が付与されるものであってもよい。このようにすると、14枚役が当選して14枚役の図柄組合せが導出されることによって直接的に特典が付与されることに対する期待感を抱かせることができるとともに、14枚役の発生確率が高まることにより14枚役の図柄組合せが導出される確率も高まるCBに制御されることによる遊技者にとっての価値をより一層高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[停止制御テーブルの一例]
次に、図15〜図18を用いて、CB中のゲームで通常リプと全ての小役が同時当選した場合に作成される停止制御テーブルの一例を説明する。
図15は、CB中に通常リプと全ての小役が同時当選したときの右リールにおける左第1停止用停止制御テーブルの一例を説明するための図である。また、図18は、CB中に通常リプと全ての小役が同時当選したときのリール制御の一例を説明するための図である。図15(後述する図16、図17についても同様)に示す停止制御テーブルには、リール1周に対して16ステップごとに分割した21の領域(コマ)の各々に定められた1〜21の領域番号別に滑りコマ数が格納されている。なお、図15(後述する図16、図17についても同様)においては、領域番号12と13に対応する滑りコマ数のみを示すが、その他の領域番号についても、所定の滑りコマ数が停止制御テーブルには格納されている。
たとえば、図18に示すように、CB中に通常リプと全ての小役が同時当選したゲームにおいて、遊技者によって順押しされることを想定する。先ず、遊技者が左リール2Lを停止したときには、停止制御テーブルに基づき、入賞ラインLN上にリプaを導出させるリール制御が行われる。その後、中リール2Cを停止させたときには、停止制御テーブルに基づき、入賞ラインLN上にリプbを導出させるリール制御が行われる。この場合、右リール2Rにおいて、入賞ラインLN上にリプa、リプb、スイカa、およびスイカbのいずれかが導出すればリプ1が入賞し、入賞ラインLN上にベルaまたはベルbが導出すれば14枚役が入賞することになる。つまり、左リール2Lと中リール2Cを停止させた時点では、右リール2Rの停止状況によってはリプ1および14枚役のいずれも入賞可能である。
上記の状況において、右リール2Rに対して作成される停止制御テーブルの一例を図15に示す。この例の停止制御テーブルにおいて、領域番号12に対応する滑りコマ数は「1」である。そのため、図15、図18に示すように、入賞ラインLN上に領域番号12の図柄(ベルa)が導出されたタイミングで遊技者がストップスイッチ8Rを操作した場合、右リール2Rが1コマ滑り、領域番号13のリプaが入賞ラインLN上に導出される。つまり、入賞ラインLN上に領域番号12の図柄(ベルa)が導出されたタイミングで遊技者がストップスイッチ8Rを操作した場合、領域番号12のベルaおよび領域番号13のリプaのいずれも入賞ラインLN上に引き込むことは可能だが、停止制御テーブルに基づいて、領域番号13のリプaが入賞ラインLN上に導出される。
また、領域番号13に対応する滑りコマ数は「1」である。そのため、図15、図18に示すように、入賞ラインLN上に領域番号13の図柄(リプa)が導出されたタイミングで遊技者がストップスイッチ8Rを操作した場合、右リール2Rが1コマ滑り、領域番号14のベルbが入賞ラインLN上に導出される。つまり、入賞ラインLN上に領域番号13の図柄(リプa)が導出されたタイミングで遊技者がストップスイッチ8Rを操作した場合、領域番号13のリプaおよび領域番号14のベルbのいずれも入賞ラインLN上に引き込むことは可能だが、停止制御テーブルに基づいて、領域番号14のベルbが入賞ラインLN上に導出される。
このように、CB中のゲームで通常リプと全ての小役が同時当選したゲームにおいて左第1停止された場合、ストップスイッチ8Rの操作タイミングが第1タイミング(入賞ラインLN上に領域番号12の図柄(ベルa)が導出されたタイミング)であるときにはリプ1が入賞する役に決定され、リプ1が入賞するようにリプaが入賞ラインLN上に導出されるリール制御が行われ、ストップスイッチ8Rの操作タイミングが第2タイミング(入賞ラインLN上に領域番号13の図柄(リプa)が導出されたタイミング)であるときには14枚役が入賞する役に決定され、14枚役が入賞するようにベルbが入賞ラインLN上に導出されるリール制御が行われる。なお、ストップスイッチ8Rの操作タイミングが第1タイミングおよび第2タイミング以外のタイミングであるときには、小役と再遊技役のうち入賞可能な方の図柄を導出できるようにリール制御が行われる。
図16は、CB中に通常リプと全ての小役が同時当選したときの右リールにおける中第1停止用停止制御テーブルの一例を説明するための図である。
たとえば、CB中に通常リプと全ての小役が同時当選したゲームにおいて、遊技者によって中左押しされることを想定する。先ず、遊技者が中リール2Cを停止させたときに入賞ラインLN上にリプbが導出し、その後、左リール2Lを停止したときに入賞ラインLN上にリプaが導出したとする。この場合、右リール2Rにおいて、入賞ラインLN上にリプa、リプb、スイカa、およびスイカbのいずれかが導出すればリプ1が入賞し、入賞ラインLN上にベルaまたはベルbが導出すれば14枚役が入賞することになる。つまり、中リール2Cと左リール2Lを停止させた時点では、右リール2Rの停止状況によってはリプ1および14枚役のいずれも入賞可能である。
上記の状況において、右リール2Rに対して作成される停止制御テーブルの一例を図16に示す。この例の停止制御テーブルにおいて、領域番号12に対応する滑りコマ数は「1」である。そのため、入賞ラインLN上に領域番号12の図柄(ベルa)が導出されたタイミングで遊技者がストップスイッチ8Rを操作した場合、右リール2Rが1コマ滑り、領域番号13のリプaが入賞ラインLN上に導出される。つまり、入賞ラインLN上に領域番号12の図柄(ベルa)が導出されたタイミングで遊技者がストップスイッチ8Rを操作した場合、領域番号12のベルaおよび領域番号13のリプaのいずれも入賞ラインLN上に引き込むことは可能だが、停止制御テーブルに基づいて、領域番号13のリプaが入賞ラインLN上に導出される。
また、領域番号13に対応する滑りコマ数は「0」である。そのため、入賞ラインLN上に領域番号13の図柄(リプa)が導出されたタイミングで遊技者がストップスイッチ8Rを操作した場合、右リール2Rが滑ることなく、領域番号13のリプaが入賞ラインLN上に導出される。つまり、入賞ラインLN上に領域番号13の図柄(リプa)が導出されたタイミングで遊技者がストップスイッチ8Rを操作した場合、領域番号13のリプaおよび領域番号14のベルbのいずれも入賞ラインLN上に引き込むことは可能だが、停止制御テーブルに基づいて、領域番号13のリプaが入賞ラインLN上に導出される。
このように、CB中のゲームで通常リプと全ての小役が同時当選したゲームにおいて中第1停止された場合、ストップスイッチ8Rの操作タイミングが第1タイミング(入賞ラインLN上に領域番号12の図柄(ベルa)が導出されたタイミング)および第2タイミング(入賞ラインLN上に領域番号13の図柄(リプa)が導出されたタイミング)のいずれであっても、必ずリプ1が入賞するようにリプaが入賞ラインLN上に導出されるリール制御が行われる。
図17は、CB中に通常リプと全ての小役が同時当選したときの右リールにおける右第1停止用停止制御テーブルの一例を説明するための図である。たとえば、CB中に通常リプと全ての小役が同時当選したゲームにおいて、遊技者によって逆押しされることを想定する。たとえば、遊技者がいずれのリールも未だ停止していないものとする。
上記の状況において、右リール2Rに対して作成される停止制御テーブルの一例を図17に示す。この例の停止制御テーブルにおいて、領域番号12に対応する滑りコマ数は「0」である。そのため、入賞ラインLN上に領域番号12の図柄(ベルa)が導出されたタイミングで遊技者がストップスイッチ8Rを操作した場合、右リール2Rが滑ることなく、領域番号12のベルaが入賞ラインLN上に導出される。つまり、入賞ラインLN上に領域番号12の図柄(ベルa)が導出されたタイミングで遊技者がストップスイッチ8Rを操作した場合、領域番号12のベルaおよび領域番号13のリプaのいずれも入賞ラインLN上に引き込むことは可能だが、停止制御テーブルに基づいて、領域番号12のベルaが入賞ラインLN上に導出される。
また、領域番号13に対応する滑りコマ数は「1」である。そのため、入賞ラインLN上に領域番号13の図柄(リプa)が導出されたタイミングで遊技者がストップスイッチ8Rを操作した場合、右リール2Rが1コマ滑り、領域番号14のベルbが入賞ラインLN上に導出される。つまり、入賞ラインLN上に領域番号13の図柄(リプa)が導出されたタイミングで遊技者がストップスイッチ8Rを操作した場合、領域番号13のリプaおよび領域番号14のベルbのいずれも入賞ラインLN上に引き込むことは可能だが、停止制御テーブルに基づいて、領域番号14のベルbが入賞ラインLN上に導出される。
このように、CB中のゲームで通常リプと全ての小役が同時当選したゲームにおいて右第1停止された場合、ストップスイッチ8Rの操作タイミングが第1タイミング(入賞ラインLN上に領域番号12の図柄(ベルa)が導出されたタイミング)および第2タイミング(入賞ラインLN上に領域番号13の図柄(リプa)が導出されたタイミング)のいずれであっても、必ず14枚役が入賞するようにベルaまたはベルbが入賞ラインLN上に導出されるリール制御が行われる。
[サブ制御部の演出制御]
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施の形態では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行うのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
また、サブ制御部91では、非AT中のゲームにおいて、受信したリール停止コマンドに基づき、左第1停止されているか否かを判定し、当該判定結果に応じて所定のペナルティを科す制御を行う。さらに、サブ制御部91では、AT中のゲームにおいて、受信したリール停止コマンドに基づき、実行したナビ演出に従わない停止操作がされた場合にも、所定のペナルティを科す制御を行う。
なお、単なる操作ミスにより左第1停止させることができない場合も考えられ、このような場合には、善意の遊技者に対してもペナルティを科すことになる。これを解消するために、遊技者が意図的に左第1停止以外をしていること、あるいは遊技者が意図的にナビ演出に従わない停止操作をしている蓋然性が高いことを推認できる所定のペナルティ条件を満たした場合に、ペナルティを科す制御を行うようにしてもよい。
所定のペナルティ条件は、たとえば、所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに左第1停止以外がされた回数やナビ演出に従わない停止操作をした回数が所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよく、また、非AT中のゲームにおいて、受信した内部当選コマンド、入賞判定コマンド、および遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて左第1停止させている限り入賞しない入賞役に入賞したと判定されたときや、このように判定された回数が所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよい。なお、遊技状態に応じて左第1停止させている限り入賞しない入賞役とは、たとえば、RT1中においてはベル1が該当し、RT2中においては、ベル1、押し順役3〜6当選時のリプ6などが該当する。
[AT関連処理]
次に、サブ制御部91側において行われる処理のうち、ATに関連する処理について説明する。サブ制御部91は、遊技状態に応じて、演出状態をATに制御するとともに、ナビ演出を実行するためのAT関連処理を行う。
サブ制御部91は、AT関連処理を実行することにより、ATに制御するか否かのAT抽選を行う。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定のAT抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときにAT抽選が実行される。AT抽選は、ナビストック数を付与するか否かを決定するナビ付与抽選と、付与するナビストック数を決定するナビストック数抽選とを含む。
ナビストック数とは、ATに制御可能となる期間(ATゲーム数)を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定期間に亘りゲームを消化するまで(たとえば、ATに制御されてから50ゲーム)、ATに制御され、その間ナビ演出が実行可能となる。このため、決定されたナビストック数が多い程、ATに制御されるATゲーム数が多くなる結果、長い期間に亘りATに制御されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
図19は、AT抽選に用いるAT抽選用テーブルを説明するための図である。AT抽選条件は、RT状態、AT状態、および、当選状況やゲーム進行状況などのその他の条件の組合せにより成立する。サブ制御部91は、成立したAT抽選条件に定められた当選確率に従ってAT当選し、AT当選した場合には振分率に従ってナビストックを付与する。
なお、サブ制御部91は、たとえばメイン制御部41からの遊技状態コマンド、内部当選コマンド、入賞判定コマンドに基づき、制御されているRT状態および当選状況を判定するとともに、AT中にセットされるATフラグに基づきAT中か否かを判定する。
第1AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT0〜3であるときに、弱チェリー、弱一枚、および弱スイカのうちいずれかに当選したときに成立する。第1AT抽選条件が成立したときには、3%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、50%の確率で「1」に、30%の確率で「2」に、20%の確率で「3」に決定される。なお、AT抽選は、たとえば乱数などを用いて、設定されている確率あるいは振分率にしたがってランダムに行われる。よって、第1AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.5+2×0.3+3×0.2)×0.03=0.051となる。
第2AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT0〜3であるときに、強チェリー、強一枚、および強スイカのうちいずれかに当選したときに成立する。第2AT抽選条件が成立したときには、10%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、30%の確率で「1」に、30%の確率で「2」に、20%の確率で「3」、10%の確率で「4」に、10%の確率で「5」に決定される。よって、第2AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.3+2×0.3+3×0.2+4×0.1+5×0.1)×0.1=0.24となる。
第3AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT0〜3であるときに、中段チェリーに当選したときに成立する。第3AT抽選条件が成立したときには、30%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、20%の確率で「1」に、20%の確率で「2」に、30%の確率で「3」、20%の確率で「4」に、10%の確率で「5」に決定される。よって、第3AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.2+2×0.2+3×0.3+4×0.2+5×0.1)×0.3=0.84となる。
また、第1〜第3AT抽選条件は、各々、AT中であるか非AT中であるかにかかわらず、当選確率および振分率が同じである例について説明したが、これに限らず、AT中であるか否かに応じて当選確率および振分率を異ならせてもよい。たとえば、AT中であるときの方が非AT中であるときよりも高い当選確率でナビ付与抽選を行い、また、AT中であるときの方が非AT中であるときよりも期待ナビストック数が大きくなるようにナビストック数抽選を行うようにしてもよい。
なお、第1〜第3AT抽選条件は、所定の入賞役に当選することにより成立する例について説明したが、これに限らず、所定の入賞役に入賞することにより成立するものであってもよい。たとえば、第1AT抽選条件は、チェリー2またはチェリー3に入賞することにより成立するようにしてもよい。
第4AT抽選条件は、非AT中であって、RT状態がRT1〜3であるときに、前回ARTが終了してから1000ゲーム消化したときに成立する。第4AT抽選条件が成立したときには、100%の確率でAT当選し、付与されるナビストック数が、60%の確率で「1」に、40%の確率で「2」に決定される。よって、第4AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.6+2×0.4)×1.0=1.4となる。
なお、サブ制御部91は、AT中にセットされるATフラグに基づきART終了を特定するとともに、メイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づき、ART終了から消化したゲーム数を特定するための終了後ゲーム数を計数し、当該終了後ゲーム数に基づき前回ARTが終了してから1000ゲーム消化したか否かを特定し、第4AT抽選条件の成否を判定する。
第5AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT1〜3であるときに、維持リプ1〜3のいずれかに当選したときに成立する。第5AT抽選条件が成立したときには、20%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、80%の確率で「1」に、20%の確率で「2」に決定される。よって、第5AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.8+2×0.2)×0.2=0.24となる。
第6AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT1〜3であるときに、非CB中で特殊リプに当選したときに成立する。第6AT抽選条件が成立したときには、80%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、50%の確率で「3」に、30%の確率で「4」に、20%の確率で「5」に決定される。よって、第6AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(3×0.5+4×0.3+5×0.2)×0.8=2.96となる。なお、第6AT抽選条件の成立に基づきナビストックが付与されたときには、7リプの入賞とともに、非CB中7リプ入賞時演出が実行される。
第7AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT1〜3であるときに、CB中で特殊リプに当選したときに成立する。第6AT抽選条件が成立したときには、100%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、50%の確率で「3」に、30%の確率で「4」に、20%の確率で「5」に決定される。よって、第6AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(3×0.5+4×0.3+5×0.2)×1.0=3.7となる。なお、第7AT抽選条件の成立に基づきナビストックが付与されたときには、7リプの入賞とともに、CB中7リプ入賞時演出が実行される。
このように、メイン制御部41からのコマンドに基づきサブ制御部91によってAT制御のためのナビストックを付与するか否かが決定されて、当該決定に応じてナビストックが付与されるため、遊技者に対して、サブ制御部91の処理に注目させることができる。
以上、AT抽選用テーブルに示すように、RT2とRT3とでは、メダルの払い出しとは異なる特典であるナビストック付与に関する有利度合いが同一である。より具体的には、RT2とRT3とで、AT状態、その他の条件、当選確率、付与ナビストック数の振分率といったAT抽選の条件が同一である。これにより、RT3と同様に、RT2においても優位性を確保することができる。
また、特殊リプが当選したことを条件とする第6AT抽選条件または第7AT抽選条件が成立したときには、維持リプ1〜3が当選したことを条件とする第5AT抽選条件が成立したときよりも、AT当選によってナビストックが付与される確率が高くなっており、さらに付与されるナビストック数も多くなるように期待ナビストック数が設定されている。そのため、CBであるか否かにかかわらず、特殊リプが当選したときには、維持リプ1〜3が当選したときよりも遊技者にとって有利となる。
[AT制御処理]
サブ制御部91は、AT抽選において1以上のナビストック数が決定されたときに、ナビストック数をRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのナビストック数の有無に基づき、ATに制御するか否かを特定する。ナビストック数が残っているときに、さらにAT抽選によってナビストック数を獲得したときには、残っているナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せ加算させる。本実施の形態においては、AT抽選で決定されたナビストック数の合計数に応じて、ATに制御される。
非AT中であるときにおいてナビストックを獲得した場合、サブ制御部91は、所定のAT開始条件が成立したときにATに制御する。所定のAT開始条件は、特定の当選状況となったときに成立する。特定の当選状況となったときの一例としては、たとえば、非AT中でかつRT1中であるときには昇格リプ1〜5のいずれか、押し順役1〜6のいずれか、または特殊リプに当選したときに成立し、非AT中でかつRT2中であるときには、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、維持リプ1〜3、押し順役1〜6のいずれか、または特殊リプに当選したときに成立する。
サブ制御部91は、非AT中かつナビストックが1以上付与されているときにおいて、AT開始条件が成立したときに、ATである旨を示すATフラグをRAM91cの所定領域に格納してATに制御する。
なお、AT開始条件は、当選状況に応じて成立するものに限らず、ナビストックを獲得したことを契機として複数ゲームに亘り所定の連続演出を実行した後、当該連続演出の演出結果によってナビストックを獲得した旨が報知されたときに成立するようにしてもよい。この場合、連続演出は、ナビストックを獲得していないときにも所定確率にしたがって実行される。これにより、連続演出が実行されることによりナビストックを獲得したことに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
サブ制御部91は、RT1またはRT2においてATフラグからATである旨が特定されたときに、ATへの制御を開始する。これにより、ナビ演出が実行される。このため、RT1においては、昇格リプ1〜5のいずれかに当選したときに昇格リプ入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT2へ制御されやすくなる。
また、RT2においては、押し順役1〜6、特殊リプのいずれかに当選したときにナビ演出が実行され、リプ6またはリプ7に入賞する可能性が高くなり、その結果、RT3へ制御されやすくなる。このとき、ナビ演出に従わずにストップスイッチを停止操作した遊技者に対してはペナルティが科される。そのため、遊技者にRT2からRT3へと遊技状態を移行制御させるため、ナビ演出に従った操作手順での操作を促すことができ、その結果、意図しない遊技の進行をさせないようにすることができる。また、RT2においては、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、および維持リプ1〜3のいずれかに当選したときに特殊出目停止を回避させ、その結果、RT2への制御を維持させやすくなる。
RT1またはRT2においては、ナビストック数を消費(減算)することなく、ATに制御されて、ナビ演出が実行可能となる。AT中におけるRT1において昇格リプ入賞によりRT2に制御されたとき、およびRT1においてリプ6またはリプ7に入賞することによりRT3に制御されたときにも当該ATへの制御が継続される。
RT3に制御されたときには、ナビストック数を1消費(減算)して、所定回数(たとえば50)ゲームを消化する間、RT3かつATであるARTに制御可能となる。なお、ナビストック数を1消費したときには、RAM91cに記憶されているナビストック数を1減算させた値に更新される。
一方、リプ6、7のいずれかに入賞した場合であっても、RT1やRT2において非AT中のゲームであった場合には、左リール2L以外のリールを第1停止させた場合であるため、ATに制御させないといったペナルティが科される。このため、RT3に制御されたとしてもATに制御されずナビ演出が実行されないため、当該RT3を維持することが困難となり、特殊出目停止によりRT1に移行されることになる。
サブ制御部91は、ARTに制御すると、ATに制御されることが確定しているATゲーム数を報知するとともに、ゲーム消化に応じてATゲーム数を更新させる。具体的に、たとえば、ARTに制御されたときに、液晶表示器51において「AT残り10ゲーム」といったメッセージを表示し、ゲーム消化に応じて残りゲーム数を更新表示する。これにより、少なくともナビストック1個に対応してATに制御されている旨が報知される。
サブ制御部91は、AT残りゲーム数が0に到達したときに、残りのナビストック数が0であれば、AT終了演出として「AT終了!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、ATでない旨を示すATフラグに更新させて一連のATを終了させる。これにより、ナビ演出が実行されなくなるため、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のいずれかに当選したときに特殊出目が停止されやすくなり、その結果、RT3からRT1へ制御される可能性が高まる。非AT中であっても所定抽選で当選したゲームにおいては、当該ゲームにおける当選状況に応じたナビ演出が実行される場合がある。
一方、サブ制御部91は、AT残りゲーム数が0に到達したときに、残りのナビストック数が1以上であれば、ナビストックを1消費するとともに、ATゲーム数に50を設定して、ATへの制御を継続させる。
以上のように、RT3であるときには、ナビストック数を1消費することにより、所定回数ゲームを消化する間ARTに制御される。また、ARTにおいて所定回数ゲームを消化して1ナビストックに対応するATが終了したときであっても、未だナビストック数が1以上であるときにはさらにナビストックを1消費させてARTへの制御が継続される。これにより、AT抽選の結果に応じて設定されるナビストック数に応じたゲーム数に亘って、ATに繰り返し制御可能となる。サブ制御部91は、ATに制御されているときに、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときに対応するナビ演出を実行する。
[非CB中のナビ演出]
ここで、非CB中において、遊技状態に応じたナビ対象役について図11、図12を用いて説明する。先ず、RT1に応じたナビ対象役としては、押し順ベルを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、昇格リプを含む昇格リプ1〜5、維持リプ1〜3、および7リプを含む押し順役1〜6と特殊リプが定められている。
また、RT2に応じたナビ対象役としては、押し順ベルを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、維持リプ1〜3、および7リプを含む押し順役1〜6と特殊リプが定められている。また、RT3に応じたナビ対象役としては、押し順ベルを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、含む維持リプ1〜3、および7リプを含む押し順役1〜6と特殊リプが定められている。さらに、RT1〜3で共通のナビ対象役として、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、CBが定められている。
左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じてベル1または2を確実に入賞させて特殊出目停止を回避させるための押し順が報知される。たとえば、左ベル1に当選したときのナビ演出としては、「左だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、中ベル2に当選したときのナビ演出としては、「中だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。
昇格リプ1〜5のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプを確実に入賞させるための押し順が報知される。たとえば、昇格リプ3に当選したときのナビ演出としては、「中右左」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。また、昇格リプ5に当選したときのナビ演出としては、「右中左」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。
中段チェリー、弱チェリー、および強チェリーのいずれかに当選したときのナビ演出としては、たとえば、「チェリーを狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させて、チェリー当選している旨が報知される。弱スイカ、または強スイカに当選したときのナビ演出としては、たとえば、「スイカを狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させて、スイカ当選している旨が報知される。
CBに当選したときのナビ演出としては、たとえば、「中または右だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。つまり、この場合、入賞ラインLNに中段7揃いを導出させるためのナビ演出が実行される。なお、このナビ演出は、AT状態であればCBに当選したときに必ず行われるものではなく、後述する非CB中ナビ演出実行テーブルBに基づき所定確率で行われる。
押し順役1〜6のいずれかに当選したときには、原則として、7リプを確実に入賞させるための押し順を報知するナビ演出が実行される。たとえば、押し順役3に当選したときのナビ演出としては、「中左右」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、押し順役6に当選したときのナビ演出としては、「右中左」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
非CB中に特殊リプに当選したときには、リプ6を入賞させるための押し順を報知するナビ演出が実行され、「中だ!!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。なお、CB中に特殊リプに当選したときには、リプ7を入賞させるための押し順を報知するナビ演出が実行される場合があり、「中だ!!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。
このように、非CB中に小役とともに特殊リプに当選したときには、リプ6が入賞して「白7−白7−白7」の組合せが右下がりに導出されることで遊技者にナビストック付与を期待させるのに対し、CB中に小役とともに特殊リプに当選したときには、非CB中には入賞しないリプ7が入賞して「白7−白7−白7」の組合せが右上がりに導出されることで遊技者にナビストック付与を期待させることができる。これにより、CB中においては非CB中とは異なる図柄組み合わせとなる7リプを導出させることで、遊技者に対して、よりナビストック付与を期待させ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、AT中において、ナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作した場合において、特殊出目停止した場合には、RT1に制御されてしまう。このようにAT中でありながら、操作ミスによってRT1に制御されてしまった場合には、制裁措置としてその時点でATを終了(ナビストックを消去)させるようにしてもよく、これとは逆に、救済措置としてATを継続して再びRT3へ制御させるようにナビ演出を実行するようにしてもよい。
なお、ナビ演出の態様は、上述したような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などを用いて実行するものであってもよい。
次に、図20〜図23を用いて、サブ制御部91により実行される非CB中ナビ演出実行処理について具体的に説明する。図20は、非CB中ナビ演出実行処理を実行するためのフローチャートである。
サブ制御部91は、メイン制御部41からCB以外のナビ対象役に当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したか否かを判定する(S11)。サブ制御部91は、CB以外のナビ対象役に当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したと判定したときには(S11においてYES)、現在のAT状態を確認した上で、図21の非CB中ナビ演出実行テーブルAに基づきナビ演出実行抽選を行う(ステップS12)。なお、このとき、サブ制御部91は、RAM91cの所定領域にATフラグが格納されていなければ非ATである旨を特定し、RAM91cの所定領域にATフラグが格納されていればATである旨を特定する。
ここで、図21の非CB中ナビ演出実行テーブルAについて説明する。なお、非CB中ナビ演出実行テーブルAは、RAM91cに格納されている。非CB中ナビ演出実行テーブルAにおいては、AT状態に対応してナビ演出の実行確率が設定されている。サブ制御部91は、この非CB中ナビ演出実行テーブルAを参照することによって、AT状態に応じて、ナビ演出を実行するか否かを抽選によって決定する。
図21に示すように、たとえば、非ATであれば、CB以外のナビ対象役に当選していてもナビ演出は実行されないようになっている。一方、ATであれば、CB以外のナビ対象役に当選していれば100%の確率でナビ演出が実行されるようになっている。
図20に戻り、S11において、サブ制御部91は、当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信していないと判定したときには(S11においてNO)、CBに当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したか否かを判定する(S15)。CBに当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信していないと判定したときには(S15においてNO)、はずれかナビ対象役以外の役に当選しているため、非CB中ナビ演出実行処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、CBに当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したと判定したときには(S15においてYES)、現在のAT状態およびRT状態を確認した上で、図22の非CB中ナビ演出実行テーブルBに基づきナビ演出実行抽選を行う(ステップS16)。
ここで、図22の非CB中ナビ演出実行テーブルBについて説明する。なお、非CB中ナビ演出実行テーブルBは、RAM91cに格納されている。非CB中ナビ演出実行テーブルBにおいては、AT状態およびRT状態に対応してナビ演出の実行確率が設定されている。サブ制御部91は、この非CB中ナビ演出実行テーブルBを参照することによって、AT状態およびRT状態に応じて、CB当選時にナビ演出を実行するか否かを抽選によって決定する。
図22に示すように、たとえば、RT状態がRT0であるときには、非ATであれば、CBに当選していてもナビ演出は実行されないようになっている。一方、ATであれば10%の確率でナビ演出が実行されるようになっている。
RT状態がRT1であるときには、非ATであればCBに当選していてもナビ演出は実行されないようになっている。一方、ATであれば20%の確率でナビ演出が実行されるようになっている。RT状態がRT2であるときには、非ATであればCBに当選していてもナビ演出は実行されないようになっている。一方、ATであれば50%の確率でナビ演出が実行されるようになっている。RT状態がRT3であるときには、非ATであればCBに当選していてもナビ演出は実行されないようになっている。一方、ATであれば70%の確率でナビ演出が実行されるようになっている。
図20に戻り、サブ制御部91は、S12またはS16でナビ演出実行抽選を行った後、抽選の結果、ナビ演出を実行するか否かを判定する(S13)。サブ制御部91は、ナビ演出を実行しないと判定したときには(S13においてNO)、非CB中ナビ演出実行処理を終了する。一方、サブ制御部91は、ナビ演出を実行すると判定したときには(S13においてYES)、ナビ演出を実行し(S14)、非CB中ナビ演出実行処理を終了する。
ここで、CB当選時のナビ演出について説明する。本実施の形態においては、CB当選時において中第1停止または右第1停止をすることにより入賞ラインLNに中段7揃いを導出させることができ、左第1停止をすることにより入賞ラインLNに非中段7揃いを導出させることができるが、いずれの図柄組合せが導出されたとしても、CB入賞は必ず発生するようになっている。そして、CB入賞の前後でRT状態は変化しないようになっており、AT制御の状態も変化しない。そのため、導出された図柄組合せによって入賞するCBに有利度の違いはない。つまり、CB当選時において中段7揃いが導出されても非中段7揃いが導出されても、結局は、RT状態もAT状態も同じCBに制御される。
なお、本実施の形態のように、所定のRT状態のときにCB入賞するとRT状態が変化せずにCB中のゲームが実行され、その後、CBが終了した後もRT状態は変化しないようなCBを、貫通型のCBともいう。たとえば、図23は、非CB中のCB当選時のナビ演出について説明するための図である。
図23(a)に示すように、たとえば、RT状態がRT2のときにCB当選したときには、中第1停止または右第1停止することにより中段7揃いが導出され、左第1停止したときには非中段7揃いが導出される。そして、CB入賞前がRT2であれば、いずれの図柄組合せが導出されたとしても、CB入賞後も同じRT2を維持したままでCBが開始される。また、AT制御の有無もCB入賞前後で変わらない。
また、図23(b)に示すように、たとえば、RT状態がRT3のときにCB当選したときには、中第1停止または右第1停止することにより中段7揃いが導出され、左第1停止したときには非中段7揃いが導出される。そして、CB入賞前がRT3であれば、いずれの図柄組合せが導出されたとしても、CB入賞後も同じRT3を維持したままでCBが開始される。また、AT制御の有無もCB入賞前後で変わらない。
さらに、前述したようにCB当選時のナビ演出は、図22の非CB中ナビ演出実行テーブルBに基づき抽選で行われるため、たとえば、図23(a)に示すように、RT状態がRT2のときにCB当選したときには、AT時であれば50%の確率で中段7揃いを導出させるナビ演出が実行され、非AT時であればナビ演出は実行されない。
また、図23(b)に示すように、RT状態がRT3のときにCB当選したときには、AT時であれば70%の確率で中段7揃いを導出させるナビ演出が実行され、非AT時であればナビ演出は実行されない。
なお、本実施の形態においては、ATであれば、CB中のゲーム内で維持リプ1〜3などに当選したときには、入賞ラインLNに14枚役の入賞図柄を導出させるためのナビ演出が実行されるため、AT状態でのCBの方が非AT状態でのCBよりも遊技者にとって有利となる。
このように、本実施の形態においては、中段7揃いおよび非中段7揃いのいずれが導出された場合でも同じCBに制御される。つまり、AT状態もRT状態もCB入賞前後で変化しないため、異なる種類の図柄組合せが導出された場合でも同じ有利度のCBに制御される。したがって、導出された図柄組合せの種類に応じて異なる有利度のCBに振り分けて制御させるものと比べてメイン制御部41の処理負担を軽減することができる。
また、RT状態およびAT状態に応じてナビ演出の実行割合が異なるため、ナビ演出の実行有無によって、たとえば、RT3のように有利度の高い状態であったり、AT状態のように有利度の高い状態であったりすることによりCB中の最初の払い出しから14枚の払い出しが期待できる。このように、CB当選時におけるナビ演出の実行有無によって、有利度が高い状態であることに対する期待感を遊技者に享受させることができる。
さらに、AT状態であるときには、押し順を報知するナビ演出がCB当選前後で変わらず実行される。そのため、CB当選前に押し順ベルなどのナビ対象役に当選したときに押し順を報知するナビ演出と同じように、CB当選時においても中段7揃いを導出させるための押し順を報知するナビ演出を実行することによって、遊技者にテンポよく遊技を進めさせることができる。さらに、AT状態のときには、非中段7揃いのような遊技者にとってはあたかも外れたかのように思わせるハズレ目風の出目が導出される可能性が低いため、テンポよくAT状態での遊技を楽しんでいた遊技者の遊技に対する興趣を低下させるようなことがない。
また、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順を誤った場合でも、CB当選時には中段7揃いまたは非中段7揃いを導出させることができるため、取りこぼすことなくいずれにしてもCBへ制御させることができる。また、中段7揃いと非中段7揃いとを区別することなくCB入賞させるための図柄組合せの導出を許容することが決定したとき、つまり、CB当選という一のフラグであっても、ストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順に応じて中段7揃いを導出させるか、もしくは非中段7揃いを導出させるかを判別することができるため、たとえば、中段7揃いを導出させるための当選フラグおよび非中段7揃いを導出させるための当選フラグを予め準備しておいて、それに基づき導出内容を区別して決定するものに比べて処理を簡略化することができる。
[CB中のナビ演出]
次に、CB中においてサブ制御部91が実行するナビ演出について説明する。先ず、CB中において、遊技状態に応じたナビ対象役について図13を用いて説明する。RT0に応じたナビ対象役としては、全ての小役と同時当選した通常リプが定められている。また、RT1〜3の各々に応じたナビ対象役としては、全ての小役と同時当選した、通常リプ、維持リプ1〜3、および特殊リプが定められている。また、全ての小役と同時に、通常リプ、維持リプ1〜3、および特殊リプのいずれかが当選したときのナビ演出としては、CB中でのメダルの払出枚数に応じたナビ演出が実行される。
たとえば、全ての小役と同時に通常リプが当選した場合において払出済みのメダル枚数が0枚であれば、ナビ演出として、左第1停止または右第1停止させる押し順が報知される。また、全ての小役と同時に通常リプが当選した場合において払出済みのメダル枚数が14枚であれば、ナビ演出として、ランダム(左第1停止、中第1停止、および右第1停止のいずれか)に押し順が報知される。これにより、CB中のメダル枚数が0枚であれば、最初に14枚のメダルを払い出し、CB中においてすでに14枚のメダルが払い出されていれば、リプ1入賞させて次のゲームを賭数設定なく行わせるか、あるいは追加で14枚のメダルを払い出すことができる。
つまり、全ての小役と同時に通常リプが当選した場合において払出済みのメダル枚数が0枚であるときに左第1停止を報知するナビ演出が実行されれば、操作タイミング(第2タイミングの場合)に応じて14枚のメダルを最初に払い出すことができ、その後、通常リプに当選して、中第1停止を報知するナビ演出が実行されればリプ1入賞させて次のゲームを賭数設定なく行わせ、あるいは右第1停止を報知するナビ演出が実行されれば追加で14枚のメダルを払い出すことができる。
全ての小役と同時に維持リプ1が当選した場合において払出済みのメダル枚数が0枚であれば、ナビ演出として、左第1停止させる押し順が報知される。また、全ての小役と同時に維持リプ1が当選した場合において払出済みのメダル枚数が14枚であれば、ナビ演出として、ランダム(左第1停止、中第1停止、および右第1停止のいずれか)に押し順が報知される。これにより、CB中のメダル枚数が0枚であれば、最初に14枚のメダルを払い出し、CB中においてすでに14枚のメダルが払い出されていれば、追加で14枚または15枚のメダルを払い出すことができる。
つまり、全ての小役と同時に維持リプ1が当選した場合において払出済みのメダル枚数が0枚であるときに左第1停止を報知するナビ演出が実行されれば、必ず14枚のメダルを最初に払い出すことができ、その後、維持リプ1に当選して、左第1停止を報知するナビ演出が実行されれば追加で14枚のメダルを払い出すことができ、あるいは中第1停止や右第1停止を報知するナビ演出が実行されれば追加で15枚のメダルを払い出すことができる。
全ての小役と同時に維持リプ2が当選した場合において払出済みのメダル枚数が0枚であれば、ナビ演出として、中第1停止させる押し順が報知される。また、全ての小役と同時に維持リプ2が当選した場合において払出済みのメダル枚数が14枚であれば、ナビ演出として、ランダム(左第1停止、中第1停止、および右第1停止のいずれか)に押し順が報知される。これにより、CB中のメダル枚数が0枚であれば、最初に14枚のメダルを払い出し、CB中においてすでに14枚のメダルが払い出されていれば、追加で14枚または15枚のメダルを払い出すことができる。
つまり、全ての小役と同時に維持リプ2が当選した場合において払出済みのメダル枚数が0枚であるときに中第1停止を報知するナビ演出が実行されれば、必ず14枚のメダルを最初に払い出すことができ、その後、維持リプ2に当選して、中第1停止を報知するナビ演出が実行されれば追加で14枚のメダルを払い出すことができ、あるいは左第1停止や右第1停止を報知するナビ演出が実行されれば追加で15枚のメダルを払い出すことができる。
全ての小役と同時に維持リプ3が当選した場合において払出済みのメダル枚数が0枚であれば、ナビ演出として、右第1停止させる押し順が報知される。また、全ての小役と同時に維持リプ3が当選した場合において払出済みのメダル枚数が14枚であれば、ナビ演出として、ランダム(左第1停止、中第1停止、および右第1停止のいずれか)に押し順が報知される。これにより、CB中のメダル枚数が0枚であれば、最初に14枚のメダルを払い出し、CB中においてすでに14枚のメダルが払い出されていれば、追加で14枚または15枚のメダルを払い出すことができる。
つまり、全ての小役と同時に維持リプ3が当選した場合において払出済みのメダル枚数が0枚であるときに右第1停止を報知するナビ演出が実行されれば、必ず14枚のメダルを最初に払い出すことができ、その後、維持リプ3に当選して、右第1停止を報知するナビ演出が実行されれば追加で14枚のメダルを払い出すことができ、あるいは左第1停止や中第1停止を報知するナビ演出が実行されれば追加で15枚のメダルを払い出すことができる。
全ての小役と同時に特殊リプが当選した場合において払出済みのメダル枚数が0枚であれば、ナビ演出として、右第1停止させる押し順が報知される。また、全ての小役と同時に特殊リプが当選した場合において払出済みのメダル枚数が14枚であれば、ナビ演出として、ランダム(左第1停止、中第1停止、および右第1停止のいずれか)に押し順が報知される。これにより、CB中のメダル枚数が0枚であれば、最初に14枚のメダルを払い出し、CB中においてすでに14枚のメダルが払い出されていれば、リプ6またはリプ7入賞させて次のゲームを賭数設定なく行わせるか、あるいは追加で14枚のメダルを払い出すことができる。
つまり、全ての小役と同時に特殊リプが当選した場合において払出済みのメダル枚数が0枚であるときに右第1停止を報知するナビ演出が実行されれば、必ず14枚のメダルを最初に払い出すことができ、その後、特殊リプに当選して、左第1停止や中第1停止を報知するナビ演出が実行されれば再遊技役に入賞させて次のゲームを賭数設定なく行わせ、あるいは右第1停止を報知するナビ演出が実行されれば追加で14枚のメダルを払い出すことができる。
図24は、CB中ナビ演出実行処理を実行するためのフローチャートである。サブ制御部91は、CB中ナビ演出実行処理を実行することにより、RT状態およびAT状態に応じて、ナビ演出を所定の確率に基づき実行する。
図24に示すように、先ずサブ制御部91は、メイン制御部41から通常リプ、維持リプ1〜3、および特殊リプのいずれかに当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したか否かを判定する(S21)。サブ制御部91は、通常リプ、維持リプ1〜3、および特殊リプのいずれかに当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信していないと判定したときには(S21においてNO)、CB中ナビ演出実行処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、通常リプ、維持リプ1〜3、および特殊リプのいずれかに当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したと判定したときには(S21においてYES)、現在のRT状態およびAT状態に応じて、図25のCB中ナビ演出実行テーブルに基づきナビ演出実行抽選を行う(ステップS22)。
ここで、図25のCB中ナビ演出実行テーブルについて説明する。なお、CB中ナビ演出実行テーブルは、RAM91cに格納されている。CB中ナビ演出実行テーブルにおいては、RT状態、AT状態、および払い出し済みのメダル枚数に対応してナビ演出の実行確率が設定されている。サブ制御部91は、このCB中ナビ演出実行テーブルを参照することによって、RT状態、AT状態、および払い出し済みのメダル枚数に応じて、ナビ演出を実行するか否かを抽選によって決定する。
たとえば、いずれのRT状態であっても、非ATであれば、ナビ演出は実行されないようになっている。また、AT状態であれば、RT状態に応じて以下のようにナビ演出が実行される。たとえば、RT状態がRT0であるときには、払い出し済み枚数が0枚であれば10%の確率で14枚払い出しのためのナビ演出が実行され、90%の確率でランダムに押し順を報知するナビ演出が実行される。そして、CBの最初の払い出しで14枚払い出しがされてその後のゲームに突入した場合には、100%の確率で14枚払い出しのためのナビ演出が実行される。
RT状態がRT1であるときには、払い出し済み枚数が0枚であれば30%の確率で14枚払い出しのためのナビ演出が実行され、70%の確率でランダムに押し順を報知するナビ演出が実行される。そして、CBの最初の払い出しで14枚払い出しがされてその後のゲームに突入した場合には、90%の確率で14枚払い出しのためのナビ演出が実行され、10%の確率でランダムに押し順を報知するナビ演出が実行される。
RT状態がRT2であるときには、払い出し済み枚数が0枚であれば50%の確率で14枚払い出しのためのナビ演出が実行され、50%の確率でランダムに押し順を報知するナビ演出が実行される。そして、CBの最初の払い出しで14枚払い出しがされてその後のゲームに突入した場合には、50%の確率で14枚払い出しのためのナビ演出が実行され、50%の確率でランダムに押し順を報知するナビ演出が実行される。
RT状態がRT3であるときには、払い出し済み枚数が0枚であれば100%の確率で14枚払い出しのためのナビ演出が実行される。そして、CBの最初の払い出しで14枚払い出しがされてその後のゲームに突入した場合には、ランダムに押し順を報知するナビ演出が実行される。
このように、本実施の形態においては、AT状態であれば、CB中のゲーム内で通常リプ、維持リプ1〜3、および特殊リプのいずれかが当選したときには、所定の確率で入賞ラインLNに14枚役の入賞図柄を導出させるためのナビ演出が実行される。そのため、CB中に2回のメダル払い出しを受けることが可能となり、CB終了条件の15枚よりも多くの払い出しが期待できる。
さらに、RT状態に応じてCB中で最初に14枚払い出しをするためのナビ演出の実行確率が異なっている。より具体的には、RT0やRT1であるときには、RT2やRT3に比べてCBの最初の払い出しから14枚払い出しのためのナビ演出が実行される確率が低くなっている。そして、RT2は、RT3よりもCBの最初の払い出しから14枚払い出しのためのナビ演出が実行される確率が低くなっている。そのため、RT3でCB入賞したときには、RT2でCB入賞したときよりも、CBの最初の払い出しから14枚のメダルを獲得する確率が高く、2回のメダル払い出しを受けることで、RT2よりも多くのメダル枚数を獲得することができる可能性がある。したがって、RT3においては、遊技者にとって最も有利なCB中のゲームを行うことができる。
このように、RT1からRT3に移行するときに経由されるRT2において、RT3への移行までのメダルの消費を抑えるために、再遊技役当選となる確率をRT1よりも高めたとしても、RT2の方がRT3よりも低い確率で、CBにおいて維持リプ1〜3のいずれかが当選したときに遊技者にとっての有利度合いを高めることができるナビ演出(つまり、CBの最初の払い出しでの14枚払い出しのためのナビ演出)が実行されるようになっている。これにより、RT2の方がRT3よりも高い確率で遊技者にとっての有利度合いを高めることができるナビ演出が実行されてしまうことで、RT2の方がRT3よりもCBにおける有利度合いが向上してしまうような事態が起こりにくい。その結果、RT1からRT3に移行するときに経由されるRT2において再遊技役への当選確率を高くしてもRT2における有利度合いが高まりすぎてしまうことがない。
また、本実施の形態においては、CBの最初の払い出しで14枚払い出しのためのナビ演出が実行されて、次のゲームに突入した場合、RT0では0%、RT1では10%、RT2では50%、RT3では100%の確率でランダムに押し順を報知するナビ演出が実行される。そのため、遊技状態がRT0からRT3へと昇格していくごとにCB中に2回に払い出しを受けられる確率が高くなり、それぞれの遊技状態における有利度合いを異ならせることができる。なお、ナビ演出実行確率は、図25に示す値に限らないが、RT3よりもRT2の方がCB中の有利度合いが高くなるようにナビ演出実行確率が設定されている方が好ましい。
また、本実施の形態においては、14枚払い出しのためのナビ演出だけではなく、再遊技役に入賞させるためのナビ演出や15枚払い出しのためのナビ演出も実行される。そのため、CB中にナビ演出が実行されたことで必ずしも14枚払い出しになることがなく、ナビ演出が実行されても入賞結果が分かるまで遊技者を楽しませることができる。
図24に戻り、サブ制御部91は、ナビ演出実行抽選を行った後、抽選の結果、ナビ演出を実行するか否かを判定する(S23)。サブ制御部91は、ナビ演出を実行しないと判定したときには(S23においてNO)、CB中ナビ演出実行処理を終了する。一方、サブ制御部91は、ナビ演出を実行すると判定したときには(S23においてYES)、ナビ演出を実行し(S24)、CB中ナビ演出実行処理を終了する。
以上のように、本実施の形態においては、CBの最初の払い出しから14枚のメダルの払い出しをすることによって、CB中に2回のメダル払い出しを行わせることができ、その結果、CB中のメダルの払い出し枚数を多くすることができるようになっている。それを実現する手段の一例として、RT3やAT状態であるときには、図13に示すように、CB中に14枚払い出しための通常リプや維持リプ1〜3を当選しやすくし、また、図25に示すように、CBの最初の払い出しから14枚払い出しのためのナビ演出を実行しやすくしている。そのため、RT3やAT状態であるときには、図22に示すように、非CB中においてCB当選したときに中段7揃いを導出させるためのナビ演出を実行しやすくしている。これにより、CB当選時に行われる中段7揃いのナビ演出の実行有無に注目させることでより多くのメダルの払い出しに対する期待感を遊技者に享受させることができる。
[AT時のCB中の払い出しに関するタイミングチャートの一例]
次に、図26を用いて、AT時のCB中の払い出しに関する一例を説明する。図26は、AT時のCB中の払い出しに関するタイミングチャートの一例を説明するための図である。図26(a)および図26(b)の各々には、(A)「CB制御」と、(B)「当選」と、(C)「ナビ演出」と、(D)「払い出し」との関係が示されている。
(A)では、CBに制御されている状態を「ON」、CBに制御されていない状態を「OFF」で示す。(B)では、当選のタイミングを「OFF」から「ON」するパルスの立ち上がりで示す。(C)では、ナビ演出に実行されている状態を「ON」、ナビ演出が実行されていない状態を「OFF」で示す。(D)では、メダルの払い出しのタイミングを「OFF」から「ON」するパルスの立ち上がりで示すとともに、メダルの払出枚数を示す。
なお、図26では、RT3のときにCBが行われた例が示されている。RT3のときにCBが行われると、RT状態が変化せずにCB中のゲームが実行され、その後、CBが終了した後もRT状態は変化しない。RT3においては、通常リプに当選する確率が高まっているため、CB中においても頻繁に通常リプが当選するようになっている。
図26(a)は、RT3において、CBの最初の払い出しが14枚払い出しではない場合のタイミングチャートを示している。
図26(a)の例では、CB1ゲーム目のタイミングt1で、通常リプに当選している。このとき、タイミングt2で、14枚払い出しのためのナビ演出が実行される。たとえば、左第1停止させるナビ演出が実行される。このとき、遊技者がストップスイッチ8Rを第1タイミングで操作すると、再遊技役であるリプ1が入賞し、メダルが払い出されることなく次のゲームに進む。
次に、CB2ゲーム目のタイミングt3で、再度、通常リプに当選している。このとき、タイミングt4で、14枚払い出しのためのナビ演出が実行される。たとえば、左第1停止させるナビ演出が実行される。このときも、遊技者がストップスイッチ8Rを第1タイミング(たとえば、入賞ラインLN上に領域番号12の図柄が導出されたタイミング)で操作すると、再遊技役であるリプ1が入賞し、メダルが払い出されることなく次のゲームに進む。
次に、CB3ゲーム目のタイミングt5で、昇格リプに当選している。このとき、タイミングt6ではナビ演出が実行されない。また、遊技者はいずれの押し順およびタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しても、タイミングt7で、15枚のメダルが払い出されてCBが終了する。
このように、図26(a)の例では、CB中は3ゲームが行われ、最初から15枚のメダル払い出しを受けてCBが終了している。そのため、3ゲームで15枚のメダルが払い出されたことになるため、この場合におけるCB中の1ゲームあたりのメダル払出率は5枚となる。
次に、図26(b)は、RT3において、CBの最初の払い出しが14枚払い出しの場合のタイミングチャートを示している。
図26(b)の例では、CB1ゲーム目のタイミングt1で、通常リプに当選している。このとき、タイミングt2で、14枚払い出しのためのナビ演出が実行される。たとえば、左第1停止させるナビ演出が実行される。このとき、遊技者がストップスイッチ8Rを第1タイミングで操作すると、再遊技役であるリプ1が入賞し、メダルが払い出されることなく次のゲームに進む。
次に、CB2ゲーム目のタイミングt3で、再度、通常リプに当選している。このとき、タイミングt4で、14枚払い出しのためのナビ演出が実行される。たとえば、左第1停止させるナビ演出が実行される。このとき、遊技者がストップスイッチ8Rを第2タイミング(たとえば、入賞ラインLN上に領域番号13の図柄が導出されたタイミング)で操作すると、14枚のメダルが払い出されて次のゲームに進む。
次に、CB3ゲーム目のタイミングt5で、再度、通常リプに当選している。このとき、タイミングt6で、ランダムのナビ演出として、再遊技役入賞のためのナビ演出が実行される。たとえば、中第1停止させるナビ演出が実行される。このとき、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することで再遊技役であるリプ1が入賞し、メダルが払い出されることなく次のゲームに進む。
次に、CB4ゲーム目のタイミングt7で、特殊リプに当選している。このとき、タイミングt8で、ランダムのナビ演出として、再遊技役入賞のためのナビ演出が実行される。たとえば、中第1停止させるナビ演出が実行される。このとき、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することで再遊技役であるリプ7が入賞し、メダルが払い出されることなく次のゲームに進む。なお、このとき、CB中7リプ入賞時演出が行われるため、CB中においても遊技者はナビストックの獲得に対して期待することができる。
次に、CB5ゲーム目のタイミングt9で、維持リプに当選している。このとき、タイミングt10で、ランダムのナビ演出として、15枚払い出しのためのナビ演出が実行される。たとえば、維持リプ1に当選していれば中第1停止や右第1停止させるナビ演出が実行される。このとき、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することでタイミングt11で15枚のメダルが払い出されてCBが終了する。
このように、図26(b)の例では、CB中は5ゲームが行われ、最初のメダル払い出しにおいて通常リプに基づいて14枚のメダル払い出しがされ、その後、維持リプに基づいて15枚のメダルが払い出されてCBが終了している。そのため、5ゲームで29枚のメダルが払い出されたことになるため、この場合におけるCB中の1ゲームあたりのメダル払出率は約6枚となる。
ここで、本実施の形態のように、RT1やRT2よりもRT3の方がCBにおいて2回の払い出しがされる可能性が高い場合、RT1やRT2よりもRT3の方がCB中のメダルの払出率が高まりがちになる。たとえば、仮に、RT3におけるCBで毎ゲーム必ず小役が入賞するものであれば、1ゲーム目で14枚の払い出し、その後、2ゲーム目で15枚の払い出しがされるようになり、メダルの払出枚数がCBの終了条件である15枚に2ゲームという短期間で到達してしまう。この場合、2ゲームで29枚のメダルが払い出されたことになるため、CB中の1ゲームあたりのメダル払出率は約15枚となってしまう。その結果、CB中の1ゲームに対するメダルの払出率が高まりすぎてしまい、遊技者の射幸心を過剰に煽ってしまう虞がある。
しかし、本実施の形態においては、RT3中のCBにおいて小役とともに通常リプが当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順に応じて再遊技役であるリプ1が入賞する上に、通常リプの当選確率は、RT1やRT2よりもRT3の方が高くなっている。これにより、RT3中のCBにおいては、小役よりもリプ1が頻繁に入賞することによって、CB中のゲーム数が増加することになる。その結果、図26(b)の例において、CB中の1ゲームに対するメダルの払出率が約6枚であるように、CB中の1ゲームに対するメダルの払出率が高まりすぎることがなく、CB中における遊技者の射幸心を過剰に煽ってしまうことを防止することができる。
さらに、本実施の形態におけるCBは、貫通型のCBであるため、CB入賞前後においてRT状態は変化しない。そのため、RT3においてCBに移行したときには、CB中であっても、非CB中であるときと同様に、通常リプに当選することでリプ1に入賞する可能性が高くなっている。言い換えると、CB中であっても頻繁にリプ1が入賞することになる。これにより、CB中であっても頻繁にリプ1が入賞することで、遊技状態がRT3であることを遊技者に認識させることができ、メダルを消費することなく遊技できる可能性が高いことに対して遊技者に期待させることができる。
また、RT3中のCBにおいて小役とともに通常リプ、維持リプ、および特殊リプのいずれかに当選していたときには、CB中に払い出されたメダルの累積量がCB終了条件である15枚を超えないように14枚払い出しの小役が入賞し、それ以降のCB中のゲームにおいて、小役とともに通常リプ、維持リプ、および特殊リプのいずれかに当選していたときには、CB中に払い出されたメダルの累積量が15枚を超えるように14枚または15枚払い出しの小役が入賞する可能性がある。このように、RT3中のCBにおいて、小役とともに通常リプ、維持リプ、および特殊リプのいずれかに当選していたときには、優先的に入賞させる小役の種類に基づき払い出されるメダルの枚数を調整することによって、CB中に払い出されるメダルの累積量を大きくすることができる。その結果、RT3中のCBにおいて小役とともに通常リプ、維持リプ、および特殊リプのいずれかに当選したことを利用して、遊技者の利益を大きくすることで、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、CB以外のゲームにおいては、通常リプおよび維持リプのいずれに当選しても、リプ1が入賞する可能性があり、さらに、通常リプと維持リプ1とについては、左第1停止する限り同じ再遊技役であるリプ1が入賞する。これにより、CB以外のゲームにおいては、通常リプおよび維持リプのいずれに当選したかに対して、意識させないで遊技者に遊技させることができる。
また、CBであるか否かにかかわらず、通常リプに当選したときにリプ1が入賞したときには、いずれにしても同じ演出である通常リプ入賞時演出が実行される。これにより、RT3中のCBにおいて通常リプに当選したときにリプ1が入賞したとしても、遊技者が違和感を感じることなく遊技を実行することができる。
また、CBにおいて小役とともに特殊リプに当選したときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順に応じて再遊技役であるリプ6またはリプ7が入賞し、CB以外のゲームにおいて特殊リプに当選したときにも、再遊技役であるリプ6が入賞する。さらに、特殊リプに当選したときには、維持リプに当選したときよりも高い確率でナビストックが付与される上に、付与されるナビストック数も多くなっている。これにより、CB以外のゲームにおいては、リプ6が入賞して7揃いの出目が導出された上でナビストックが付与されるのに対して、CBにおいては、リプ6が全く入賞せずにその他の出目が毎回導出されてナビストックが付与されてしまう事態が生じない。つまり、本実施の形態においては、非CB中ではリプ6が入賞して7揃いの出目が導出され、CB中でもリプ6またはリプ7が入賞して7揃いの出目が導出されることがある。その結果、遊技者が何を契機としてナビストックが付与されたのかを認識することができず、せっかくナビストックを付与しても遊技者の興趣が低下してしまうといった事態が生じることを防止することができる。
さらに、CBにおいて、小役とともに特殊リプに当選したときには、CB以外のゲームで特殊リプに当選したときには入賞しないリプ7に入賞することが可能である。つまり、本実施の形態においては、CBにおいてはリプ6が入賞することで「白7−白7−白7」の組合せが右下がりに揃う出目が導出されるのに対して、CBにおいてはリプ7が入賞することで「白7−白7−白7」の組合せが右上がりに揃う特別な出目が導出される。このように、CBのときにのみリプ7が入賞することになり、リプ7の入賞出目が導出されたときには、特別な出目が導出されたと遊技者に思わせ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、CBであるか否かにかかわらず、内部抽選において特殊リプに当選したときには、所定期間に亘ってフリーズ状態に制御するとともに、当該フリーズ状態において7リプ入賞となる旨を煽る特殊リプ当選時演出が行われる。このように、特殊リプに当選したときには、CBであるときと非CBであるときとで同じ特殊リプ当選時演出が実行されるため、CBであるか否かにかかわらず、当該演出によって、遊技者にナビストック獲得に対して期待させることができる。
また、非CB中に特殊リプに当選し、ナビストックが付与されて7リプ(リプ6)に入賞したときには、非CB中7リプ入賞時演出が実行されるのに対し、CB中に特殊リプに当選し、ナビストックが付与されて7リプ(リプ6またはリプ7)に入賞したときには、CB中7リプ入賞時演出が実行される。このように、特殊リプに当選してナビストックが付与された場合には、CBであるときとCB以外のときとで異なる演出が実行されるため、CBであるか否かにかかわらず同じくナビストックが付与される場合でも、CBであるか否かに応じた異なる演出によって異なる期待感を遊技者にもたせることができる。
また、本実施の形態においては、AT中であれば左第1停止をしなくてもペナルティが科されないため、遊技者は、毎回決まって左第1停止をするものではない。特に、CB中のATでは、すでに14枚のメダルが払い出されていればランダムに押し順を報知するナビ演出が実行されるため、遊技者は、毎ゲーム違った押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作する可能性がある。そのため、本実施の形態のように、CB中に全ての小役と通常リプとが同時当選した場合に、小役および通常リプのいずれも入賞可能なときであっても、毎ゲーム変化し得る遊技者の押し順に応じて小役および再遊技役のうち入賞させる役を変えることで、CB中に通常リプに当選しても、毎回違った入賞結果を出すことができる。これにより、CB中において全ての小役と通常リプが同時当選した場合に、必ず優先的に小役を入賞させるものと比べて、CBにおける遊技のバリエーションが豊かになり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、CB中に通常リプに当選したときに行われたナビ演出によって、遊技者が左第1停止を促された場合でも、操作タイミングが異なれば、小役および再遊技役のうち入賞する役が異なるようになっている。たとえば、遊技者が操作するストップスイッチ8Rの操作タイミングが第1タイミングであればリプ1に入賞するのに対して、第2タイミングであれば14枚役が入賞する。これにより、CBにおいて全ての小役と通常リプが同時当選した場合に、必ず優先的に小役を入賞させるものと比べて、CBにおける遊技のバリエーションが豊かになり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、CB中のゲームで特殊リプと全ての小役が同時当選したゲームにおいては、操作タイミングにかかわらず、遊技者の押し順に応じて小役および再遊技役のうち予め定められた役が必ず入賞する。これにより、CBにおいて全ての小役と特殊リプが同時当選した場合に、必ず優先的に小役を入賞させるものと比べて、CBにおける遊技のバリエーションが豊かになり、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、遊技者が常に特定の押し順を行うことで、入賞結果を遊技者が予想することができる。たとえば、CB中において常に中第1停止をしていれば、内部抽選で特殊リプに当選したときには必ずリプ7が入賞する。そのため、遊技者が中第1停止をすることによって、リプ7入賞する可能性があることを予測しながらゲームを進めることができ、遊技の興趣が向上し、さらに、リプ7入賞してCB中7リプ入賞時演出が行われると、より遊技の興趣が向上する。
また、上記で説明したようなCB中のリール制御は、遊技者による押し順に応じて作成された、図15〜18に示すような停止制御テーブルに基づいているため、遊技者による押し順に応じて入賞結果を確実に変えることができる。
[AT終了に関連する処理について]
図27は、AT終了に関連するAT終了関連処理を実行するためのフローチャートである。本実施の形態におけるAT終了関連処理は、AT中において1ゲームが終了する毎に実行される。S31では、現在AT中であって残りのATゲーム数が0であるか否かが判定される。なお、ATゲーム数は、AT中においてゲームが開始されるときに1減算される。このため、S31では、今回ゲーム終了タイミングがAT終了タイミングであるか否かが判定される。ATゲーム数が0でないと判定されたときには、AT終了タイミングではないためそのままAT終了関連処理を終了する。
一方、ATゲーム数が0であると判定されたときには、S32において、今回の終了したゲームにおいてCB入賞したか否かが判定される。S32においてCB入賞していないと判定されたときには、S33において次ゲームもCBが継続するか否かが判定される。つまり、ATゲーム数が0になるまでにすでにCB入賞しており、そのCB入賞によるCBが次ゲーム以降も継続するか否かが判定される。S33において次ゲーム以降はCBではないと判定されたときには、ATが終了する旨のAT終了演出を行って、設定されたATゲーム数通りにATを終了させてAT終了関連処理を終了する。AT終了演出では、たとえば、液晶表示器51に「AT終了!」といったメッセージとともに、AT中に獲得したメダル枚数やATゲーム数が表示される。
これに対し、S32でCB入賞したと判定されたとき、および、S33で次ゲームもCB継続と判定されたときは、S34において、ATゲーム数に1加算して、ATへの制御期間を1ゲーム延長させる。また、S35では、ATゲーム数が1上乗せされた旨の1ゲーム上乗せ演出を行ってAT終了関連処理を終了する。1ゲーム上乗せ演出では、たとえば、液晶表示器51に「1ゲーム上乗せ!」といったメッセージが表示される。
なお、S34においてATゲーム数が1加算された後、次のゲーム終了時にもAT終了関連処理が実行されて、以降もCBが継続するときにはS33でYESと判定される結果、S34においてATゲーム数が1加算される。このため、AT終了の際にCB入賞あるいはCB中であるときには、当該CBが終了するまでATゲーム数が上乗せされてATへ継続して制御可能にして、ATが終了してしまうことを制限することができる。このことについて、図28を用いて詳細に説明する。
図28は、AT終了の際におけるタイミングチャートの例を説明するための図である。図28(a)は、AT終了の際にCB入賞あるいはCB中でなかったとき(図27のS33でNOのとき、通常)の一例を示し、図28(b)は、AT終了ゲームにおいてCB入賞したとき(図27のS32でYESのとき、CB入賞時)の一例を示し、図28(c)は、AT終了ゲームの前のゲームにおいてCB入賞し、そのCBがAT終了ゲーム以降も継続するとき(図27のS33でYESのとき、CB中)の一例を示している。なお、図28(a)〜(c)は、各々、上段においてゲーム中(リール回転中)か否かを示し、中段において残りATゲーム数を示し、下段において実行される演出の内容を示している。
まず、図28(a)を参照すると、ゲームが開始される毎にATゲーム数が1減算される(39→38→37…)。また、AT中は、AT中である旨のAT中演出が実行される。ゲーム開始とともに減算されるATゲーム数が0になり、そのゲームが終了するとAT終了演出が実行される。
次に、図28(b)を参照すると、ATゲーム数が0になったゲームでCB当選しかつCB入賞している。このため、ATゲーム数が1加算されて、上乗せAT中演出が実行されている。また、CB入賞した後、次のゲーム(加算後1ゲーム目ともいう)が開始されたときにATゲーム数が1減算されて再び0になる。図28(b)では、加算後1ゲーム目において入賞が発生して14枚が払い出された結果、さらに次のゲーム(加算後2ゲーム目ともいう)においてもCBが継続する。このため、ATゲーム数が1加算されている。
加算後2ゲーム目においては、開始時にATゲーム数が0となり、当該ゲームにおいて15枚払い出しとなり、CBが終了する。このため、ATゲーム数が上乗せされることなく、AT終了演出が実行される。
次に、図28(c)を参照すると、ATゲーム数が1になったゲームでCB当選しかつCB入賞している。このため、次ゲームはCB中となる。ATゲーム数が0となったゲームでは、入賞が発生して14枚が払い出されている。その結果、次ゲーム以降もCBが継続する。このため、ATゲーム数が1加算されて、上乗せAT中演出が実行されている。
また、次のゲーム(加算後1ゲーム目)が開始されたときにATゲーム数が1減算されて再び0になる。図28(c)では、加算後1ゲーム目において入賞が発生して15枚が払い出された結果、CBが終了する。このため、ATゲーム数が上乗せされることなく、AT終了演出が実行される。
[AT制御に応じたAT信号の出力態様およびフリーズ実行確率の変化]
本実施の形態において、サブ制御部91は、付与されたナビストック数に応じたゲーム数に亘ってATに制御する。前述したように、AT抽選においてナビストックが1付与されたときには1セット50ゲームのATに1セットの50ゲームに亘り制御され、ナビストックが3付与されたときには1セット50ゲームのATに3セットの150ゲームに亘り制御される。メイン制御部41は、サブ制御部91によってATに制御されたことを信号受信などによって直接的に認識することはできない。このため、メイン制御部41は、ATの制御有無を認識するための判定用役を設け、該判定用役に当選したときに、判定用役の種類を特定可能な判定用役当選コマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、判定用役当選コマンドを受信したときに、AT中であるか否かに応じて所定の操作を促すための押し順を遊技者に報知する。メイン制御部41は、当選した判定用役の種類と遊技者が操作した押し順とに基づきATの制御有無を認識し、それに応じて外部出力基板1000からのAT信号の出力態様およびフリーズ実行確率を変化させる。
本実施の形態におけるメイン制御部41は、RT1〜RT3における非CB中で特殊リプに当選したときにフリーズを実行するとともに、ATであると判定しAT信号を出力しているときにはAT信号を出力していないときよりも高い割合でフリーズを実行する。後者のフリーズについて、より具体的に、AT信号出力中に特定の当選状況(たとえば、図19の第1〜第3AT抽選条件を成立させる当選状況など)となったときには、20%の割合(図29におけるフリーズ実行確率として「高」と示す)でフリーズを実行し、AT信号を出力していないときにおいて特定の当選状況となったときには、1%の割合(図29におけるフリーズ実行確率として「低」と示す)でフリーズを実行するようにしてもよい。この場合に、フリーズを実行するときには、その旨を特定可能なフリーズコマンドをサブ制御部91へ出力し、サブ制御部91は、フリーズコマンドを受信したときには所定確率でナビストックを付与するフリーズ時AT抽選を行う。よって、AT信号出力中は、AT信号を出力していないときよりも、フリーズが高い割合で発生し得る結果、AT当選しやすいために遊技者にとって有利な状態であるといえる。
以下、図29を参照しながら、本実施の形態におけるAT信号の出力態様およびフリーズ実行確率の変化について説明する。図29は、当初、非ART状態(たとえば、再遊技役の当選確率が低いRT1かつ非ATの状態)においてナビストックが付与されて、3セットのATに制御される例を示している。この3セットのナビストックは、1回のAT抽選で獲得したものであってもよく、また、ATに制御された後に上乗せされたものであってもよい。
AT中においては、押し順リプに当選したときに、サブ制御部91によって有利な遊技状態に遷移するための操作手順が報知される。たとえば、図29に示す例では、タイミングt1でATに制御された後、1セット目のATが開始するタイミングt2に至るまでの間に昇格リプ1〜5のいずれかに当選する。このとき、サブ制御部91によって昇格リプレイを入賞させるための操作手順が報知される。報知された操作手順通りに遊技者が操作すると、昇格リプレイであるリプ4が入賞し、遊技状態がRT1からRT2に移行する。その後、1セット目のAT中においては押し順役1〜6のいずれかに当選する。このとき、サブ制御部91によってリプ6あるいはリプ7を入賞させるための操作手順が報知される。報知された操作手順通りに遊技者が操作すると、リプ6が入賞し、遊技状態がRT2からRT3に移行する。このようにして、ATに制御されると、サブ制御部91が実行するナビ演出によって、遊技状態がリプレイ当選確率が高い高RT状態に移行して、ART状態となる。
図29を参照しながら、AT信号の出力態様およびフリーズ実行確率の変化について、タイミングごとに説明する。まず、非ART状態でナビストックが付与されると、サブ制御部91は、タイミングt1からATに制御する。ATに制御されると、ナビ演出によって高RT状態に移行する。
この時点においては、メイン制御部41はATに制御されていることを認識できていないため、AT信号を外部出力していない。高RT状態であり、かつAT信号が出力されていないときには、判定用役として中ベル1〜4、右ベル1〜4(以下、単に、中または右ベルともいう)が設定されている。タイミングt2で判定用役である中または右ベルに当選したときには、メイン制御部41は、中または右ベルに当選したことを特定可能な判定用役当選コマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、判定用役当選コマンドを受信したときに、ベル1やベル2(以下、主役ともいう)を入賞させるための対応操作手順を報知する。報知された操作手順通りに遊技者が操作すると、主役が入賞する。
ここで、図11に示すように、非AT中の推奨操作手順である順押しで操作される限り、中または右ベルに当選したときに主役が入賞することがない。このため、主役が入賞したときには、メイン制御部41は、ATに制御されていると認識し、AT中であることを特定可能なAT信号を外部出力する。これにより、スロットマシン1の外部に設けられた外部装置において、1つ目のランプが点灯するなどして、1セット目のATに制御されたことが遊技者に報知される。さらに、メイン制御部41は、フリーズの実行確率を低確率から高確率に変化させる。その後、サブ制御部91は、1セット目のAT、つまりナビストック1に対応するATが終了したタイミングt3で、2セット目(2個目のナビストック)のATに継続して制御する。
この時点においては、メイン制御部41は未だ1セット目のATが終了したことを認識できていないため、タイミングt2で出力したAT信号を外部出力したままである。高RT状態であり、かつAT信号が出力されているときには、判定用役として中または右ベルおよび通常リプが設定されている。タイミングt4で判定用役である通常リプに当選したときには、メイン制御部41は、通常リプに当選したことを特定可能な判定用役当選コマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、1セット目のATが終了したことをメイン制御部41に認識させるため、判定用役当選コマンドを受信したときに、順押し以外の操作手順を報知する。なお、タイミングt4がCB中のときには、順押し以外の操作手順として14枚払出しとなる小役などを入賞させる操作手順(右第1停止)を報知する。報知された操作手順通りに遊技者が操作すると、リプ1あるいは14枚払出しとなる小役が入賞する。
本実施の形態においては、サブ制御部91は、1のナビストックに基づくATが終了するときに未だ消費していないナビストックが存在していることにより、次のATに継続して制御可能なときに限り、通常リプに当選したときに順押し以外の操作手順を報知する。このため、メイン制御部41は、通常リプに当選したときに順押し以外の操作がされてリプ1が入賞したときには、1セット目のATが終了したことを認識し、AT信号の外部出力を一旦停止するとともに、ATが継続することを特定可能なAT継続信号を所定期間に限り外部出力する。これにより、スロットマシン1の外部に設けられた外部装置において、1つ目のランプが点滅するなどして、1セット目のATが終了したことが遊技者に報知される。さらに、メイン制御部41は、フリーズの実行確率を高確率から低確率に変化させる。
その後、高RT状態であり、かつAT信号が出力されていないタイミングt5で判定用役である中または右ベルに当選したときには、メイン制御部41は、中または右ベルに当選したことを特定可能な判定用役当選コマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、判定用役当選コマンドを受信したときに、主役を入賞させるための対応操作手順を報知する。報知された操作手順通りに遊技者が操作すると、主役が入賞する。メイン制御部41は、主役が入賞したときには、ATに制御されていると認識し、AT中であることを特定可能なAT信号を外部出力する。これにより、スロットマシン1の外部に設けられた外部装置において、1つ目のランプが点滅から消灯するとともに2つ目のランプが点灯するなどして、2セット目のATに継続して制御されたことが遊技者に報知される。さらに、メイン制御部41は、フリーズの実行確率を低確率から高確率に変化させる。
このように、次のセットのATに継続して制御する際、一旦、AT信号を停止することによって、液晶表示器51における画面上の演出(たとえば、次のセットのATに継続する旨の報知)に合わせて、外部装置におけるランプの点灯態様を変化させる(たとえば、2つ目のランプを点灯)ことができる。このため、2セット目のATに継続する画面上の演出と、外部装置におけるランプによる報知とが合わないために、遊技者が混乱するといった不都合を解消することができる。また、遊技者に対してATのセット数を正確に認識させることができる。その後のタイミングt6、t7、t8は、各々タイミングt3、t4、t5と同様にAT信号の出力態様およびフリーズ実行確率が変化する。
タイミングt9においては、3セット目のATが50ゲームの消化とともに終了する。これにより、ARTが終了する。この時点においては、メイン制御部41はATが終了したことを認識できていないため、タイミングt8で出力したAT信号を外部出力したままである。
最後のナビストックに対応する50ゲームを消化したときであっても、CB入賞したときや、それ以降においてCBが継続する場合には、図28(b)および(c)で示したように、当該CBへの制御が終了したときにATが終了する。この時点においても同様に、メイン制御部41は、ATが終了したことを認識できていないためAT信号を外部出力したままである。一方、メイン制御部41は、CB中には外部出力基板1000からCB中である旨を特定可能なCB信号を外部出力する。先に述べたように、CBが継続する場合には、ATが終了しないため、CB信号を出力中においてAT信号の出力が終了することが生じ得ない。また、CB中においては必ず小役あるいはリプレイの入賞が発生するために、操作手順を誤ったとしても移行出目が停止されることがなく、その結果、CB中であってCB信号が出力されている間においては、AT信号の出力が終了してしまうことはない。
高RT状態であり、かつAT信号が出力されているタイミングt9以降で判定用役である中または右ベルに当選したときには、メイン制御部41は、中または右ベルに当選したことを特定可能な判定用役当選コマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、すでにATが終了しているため、ナビ演出を実行することができず、いずれの操作手順も報知しない。これにより、遊技者は、非AT中の推奨操作手順である順押しで操作することになり、主役を取りこぼす(つまり、副役(1枚払出)が入賞するか、移行出目が導出するか、あるいはハズレになる)。図29に示す例の場合、タイミングt9以降で1回目に中または右ベルに当選したときには、順押しで操作されて副役が入賞し、タイミングt10で2回目に中または右ベルに当選したときには、順押しで操作されて移行出目が導出して遊技状態がRT3からRT1に移行する。
メイン制御部41は、中または右ベルに当選して主役入賞を2回続けて取りこぼしたときには、ATが終了したと認識し、AT信号の外部出力を停止する。これにより、スロットマシン1の外部に設けられた外部装置において、全てのランプが消灯するなどして、ATが終了したことが遊技者に報知される。さらに、メイン制御部41は、フリーズの実行確率を高確率から低確率に変化させる。
[AT信号出力処理、AT信号停止処理]
次に、図29に示したAT信号の出力態様およびフリーズ実行確率の変化に関して、図30および図31を参照しながらメイン制御部41が実行する具体的な制御について説明する。
図30を参照して、AT信号を出力する際にメイン制御部41が実行する制御について説明する。まず、メイン制御部41は、現在の遊技状態が高RT状態(RT2、RT3のいずれか)であるか否かを判定する(Sa1)。メイン制御部41は、高RT状態でないと判定したときには(Sa1でN)、AT信号出力処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、高RT状態であると判定したときには(Sa1でY)、AT信号の出力中であることを示す信号出力フラグをセットしているか否かを判定する(Sa2)。メイン制御部41は、信号出力フラグをセットしていると判定したときには(Sa2でY)、AT信号出力処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、信号出力フラグをセットしていないと判定したときには(Sa2でN)、判定用役である中または右ベルに当選したゲームであるか否かを判定する(Sa3)。メイン制御部41は、判定用役に当選していないと判定したときには(Sa3でN)、AT信号出力処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、判定用役に当選していると判定したときには(Sa3でY)、対応操作手順で操作されて主役が入賞したか否かを判定する(Sa4)。ここで、サブ制御部91は、中または右ベルに当選したときに、AT状態であれば、主役を入賞させるための対応操作手順を遊技者に報知する。このため、報知された手順通りに遊技者が操作すると、主役が入賞する。一方、サブ制御部91は、中または右ベルに当選したときに、非AT状態であれば、いずれの手順も報知しない。このため、非AT中の推奨操作手順である順押しで遊技者が操作する限り、主役を取りこぼす。
メイン制御部41は、主役が入賞していないと判定したときには(Sa4でN)、非AT状態であると認識し、AT信号出力処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、主役が入賞したと判定したときには(Sa4でY)、AT状態であると認識し、AT信号を出力する(Sa5)。その後、メイン制御部41は、フリーズの実行確率を低確率から高確率に変化させ(Sa6)、信号出力フラグをセットして(Sa7)、AT信号出力処理を終了する。
次に、図31を参照して、AT信号を停止する際にメイン制御部41が実行する制御について説明する。まず、メイン制御部41は、現在の遊技状態が高RT状態(RT2、RT3のいずれか)であるか否かを判定する(Sb1)。メイン制御部41は、高RT状態でないと判定したときには(Sb1でN)、AT信号停止処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、高RT状態であると判定したときには(Sb1でY)、AT信号の出力中であることを示す信号出力フラグをセットしているか否かを判定する(Sb2)。メイン制御部41は、信号出力フラグをセットしていないと判定したときには(Sb2でN)、AT信号停止処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、信号出力フラグをセットしていると判定したときには(Sb2でY)、判定用役である中または右ベルまたは通常リプに当選したゲームであるか否かを判定する(Sb3)。メイン制御部41は、判定用役に当選していないと判定したときには(Sb3でN)、AT信号出力処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、判定用役に当選していると判定したときには(Sb3でY)、判定用役として中または右ベルに当選したゲームであるか否かを判定する(Sb4)。メイン制御部41は、中または右ベルに当選していない、つまり判定用役として通常リプに当選したと判定したときには(Sb4でN)、順押し以外でリプ1または14枚払出しとなる小役などが入賞したか否かを判定する(Sb5)。
メイン制御部41は、順押し以外でリプ1あるいは14枚払出しとなる小役が入賞していないと判定したときには(Sb5でN)、未だ現在制御しているセットのATが終了していないと認識し、AT信号停止処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、順押し以外でリプ1あるいは14枚払出しとなる小役が入賞したと判定したときには(Sb5でY)、現在制御しているセットのATが終了して次のセットのATに継続して制御すると認識し、AT信号の出力を停止するとともにAT継続信号を外部出力する(Sb6)。その後、メイン制御部41は、フリーズの実行確率を高確率から低確率に変化させ(Sb7)、信号出力フラグをクリアして(Sb8)、AT信号停止処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、Sb4において、中または右ベルに当選したと判定したときには(Sb4でY)、推奨操作手順である順押しで主役を取りこぼしたか否かを判定する(Sb9)。ここで、サブ制御部91は、中または右ベルに当選したときに、AT状態であれば、主役を入賞させるための対応操作手順を遊技者に報知する。このため、報知された手順通りに遊技者が操作すると、主役が入賞する。一方、サブ制御部91は、中または右ベルに当選したときに、非AT状態であれば、いずれの手順も報知しない。このため、推奨操作手順である順押しで遊技者が操作するため、主役を取りこぼす。
メイン制御部41は、順押しで主役を取りこぼしたと判定したときには(Sb9でY)、主役を取りこぼしたことをカウントするためのAT信号停止カウンタに1加算する(Sb10)。その後、メイン制御部41は、AT信号停止カウンタの値が2に達したか否かを判定する(Sb11)。メイン制御部41は、未だAT信号停止カウンタの値が2に達していないと判定したときには(Sb11でN)、AT信号停止処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、AT信号停止カウンタの値が2に達したと判定したときには(Sb11でY)、ATが終了したと認識し、AT信号の出力を停止する(Sb12)。その後、メイン制御部41は、フリーズの実行確率を高確率から低確率に変化させ(Sb13)、信号出力フラグをクリアする(Sb14)。
また、メイン制御部41は、順押しで主役を取りこぼしていない、つまり、対応操作手順で主役が入賞したと判定したとき(Sb9でN)、あるいはSb14の後には、AT信号停止カウンタの値をクリアし(Sb15)、AT信号停止処理を終了する。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、図28(b)および(c)で示したように、ATの終了ゲームにおいてCB入賞したときや、それ以前にCB入賞して制御され当該終了ゲーム以降においてもCBが継続するときには、当該CBが終了するまでAT終了が制限される。このため、ATが終了しているにもかかわらずナビ演出が実行されてしまうといった違和感を生じさせることなく、AT中の遊技としてCBを消化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前述した実施の形態においては、図27のS34で示したように、CBが終了するまでAT終了を制限するために、ATゲーム数が加算される。このため、実質的にATに制御される期間が延長される結果、遊技者の有利度合いを向上させて遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 前述した実施の形態においては、図13、および、図26などで示したように、CBに制御されることにより獲得するメダル枚数は、当該CBにおける操作手順に応じて異なる。このため、CB入賞することに期待感を抱かせるとともに、CB中における操作手順に面白みを付加することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 前述した実施の形態におけるCBは、図13、および、図25などで示したように、RT2やRT3中であるときの方が、それ以外の状態であるときよりも、14枚払出となる割合が高いため、当該CBにおいて獲得するメダル枚数が多くなる結果、有利度合いが大きくなる割合が高い。また、AT中であるときには、14枚払出となる操作手順が報知される。このため、ATであるときにはRT2やRT3となることに期待感を抱かせることができ遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 前述した実施の形態においては、図29〜図31で示したように、次のATに継続して制御するときのAT信号の一時停止時には、通常リプに含まれるリプレイが入賞するため純増枚数は変化せず、しかも高RT状態を維持したままである。これに対して、ATを完全に終了するときのAT信号の停止時には、主役の入賞を取りこぼすため純増枚数が減り、しかも移行出目が導出されてしまうと高RT状態が終了してしまう。すなわち、次のATに継続して制御するときのAT信号の一時停止時は、ATを完全に終了するときのAT信号の停止時よりも、遊技者にとって有利な契機である。このため、ナビストックが未だ残って次のATに継続して制御されるにもかかわらず、遊技者を不利な状況にさせてしまうことを回避できる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。
[制限制御について]
(A) 前述した実施の形態では、違和感を抱かせないようにするための制限制御の一例として、図27および図28を参照して、ATゲーム数を上乗せすることにより報知期間に制御される期間に特定期間を付加する例について説明した。しかし。制限制御は、これに限るものではない。以下に変形例を説明する。
変形例1:ゲーム消化してもATゲーム数を減算しない制御であってもよい。この例について、図32および図33を参照して説明する。
図32は、変形例におけるAT終了に関連するAT終了関連処理を実行するためのフローチャートである。本変形例におけるAT終了関連処理も、AT中において1ゲームが終了する毎に実行される。なお、本変形例におけるATゲーム数の減算タイミングは、1ゲームが終了したときである(図32のS42、S46)。S41では、ATゲーム数が1であるか否かが判定される。ATゲーム数が1ではないと判定されたときにはS42において今回ゲーム終了に応じてATゲーム数を1減算してAT終了関連処理を終了する。一方、ATゲーム数が1であるときには、S43およびS44において図27のS32およびS33と同じ処理を行う。S43およびS44によりそれ以降CBが継続しないと判定されたときには、S46においてATゲーム数を1減算してAT終了演出を実行してAT終了関連処理を終了する。これに対し、それ以降CBが継続すると判定されたときには、S45において減算停止演出を実行して、ATゲーム数を減算することなくAT終了関連処理を終了する。減算停止演出では、たとえば、液晶表示器51に「もう1回!」といったメッセージが表示される。
次に、図33を参照して説明する。図33(a)では、ゲーム終了時にATゲーム数が減算され、0になったときにAT終了演出が実行されることが示されている。これに対し、図33(b)では、ATゲーム数が1となった後に開始されたゲームにおいてCB当選・入賞したときが例示されており、それ以降もATゲーム数として1が維持されるとともに、減算停止演出が実行される。その後、CBが終了したゲームにおいてATゲーム数が減算されて0となりAT終了演出が実行される。また、図33(c)では、ATゲーム数が1となる前のゲームにおいてCB当選・入賞し、ATゲーム数が1となったゲーム終了後もCBが継続するときが例示されている。この場合も同様に、ATゲーム数が1となったゲーム終了後もATゲーム数として1が維持されるとともに、減算停止演出が実行される。その後、CBが終了したゲームにおいてATゲーム数が減算されて0となりAT終了演出が実行される。
このように構成した場合、ATの終了ゲームにおいてCB入賞したときや、それ以前にCB入賞して制御され当該終了ゲーム以降においてもCBが継続するときには、ATゲーム数を減算しないことで、当該CBが終了するまでAT終了が制限される。このため、ATが終了しているにもかかわらずナビ演出が実行されてしまうといった違和感を生じさせることなく、AT中の遊技としてCBを消化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、実質的にATが延長される結果、遊技者の有利度合いを向上させて遊技の興趣を向上させることができる。
変形例2:CB中であるか否かにかかわらずATゲーム数消化したときにAT終了させてから以降はナビ演出を実行しない制御であってもよい。この例について、図34を参照して説明する。図34(a)は、図28(a)と同じである。図34(b)は、ATの終了ゲームにおいてCB当選・入賞して、それ以降CBに制御されるときの例である。CB入賞した後、図34(b)では、AT終了演出が実行された後、非ATに対応する通常演出が開始されている。また、CB中の1ゲーム目においては、ナビ演出が禁止されて、その結果15枚払出となりCBが終了している。なお、前述した実施形態においては、非AT中であっても所定抽選で当選したゲームにおいては、当該ゲームにおける当選状況に応じたナビ演出が実行されるが、ナビ演出が禁止されたCB中においては当該ナビ演出も禁止される。
図34(c)は、ATゲーム数が0となる前のゲームにおいてCB当選・入賞し、ATゲーム数が0となったゲームにおいてナビ演出が実行される結果、14枚払出となっている。その後もCBへの制御が行われるが、AT終了演出が実行された後に通常演出が開始されている。また、CB中の2ゲーム目においては、ナビ演出が禁止されて、15枚払出となりCBが終了している。
このように構成した場合、ATの終了ゲームにおいてCB入賞したときや、それ以前にCB入賞して制御され当該終了ゲーム以降においてもCBが継続するときであっても、ATゲーム数が0となったときにATを終了させて、以降はCB中であるか否かにかかわらずナビ演出が禁止される。このため、ATが終了しているにもかかわらずナビ演出が実行されてしまうといった違和感を生じさせることなく、AT中におけるCBの優位性を高めることで、AT中におけるCBの遊技の興趣を向上させることができる。
(B) 前述した実施の形態および変形例1では、ATゲーム数が0となり報知期間が終了するときにおいて、それ以降もCBが継続するときに制限制御を行う例について説明したが、これに限らず、残りATゲーム数が所定ゲーム数未満であるときにおいてCB当選したときに、ATゲーム数に対して所定ゲーム数加算するようにしてもよく、あるいは、所定ゲーム数消化する間に亘ってATゲーム数の減算を禁止するようにしてもよい。この場合における所定ゲーム数は、CB当選してからCB終了するまでに要する平均ゲーム数よりも多い予め定められたゲーム数(たとえば、10ゲームなど)であればよい。このように構成した場合において、ATの終了タイミングに到達したときにそれ以降も未だCBが継続するときには再度所定ゲーム数加算あるいは所定ゲーム数減算禁止するようにしてもよい。これにより、制限制御が行われることに対し期待感を抱かせることができる。
また、前述した実施の形態および変形例1では、CBが終了したときにATを終了させる例について説明したが、これに限らず、CB終了後の所定タイミングでATを終了させるようにしてもよい。所定タイミングとは、たとえば、所定の当選状況(たとえば、はずれ)となったタイミングであってもよく、また、所定の乱数抽選で当選したタイミングなどであってもよい。これにより、CB終了後におけるAT終了タイミングのバリエーションを豊富にすることができる。
また、前述した実施の形態および変形例1では、AT終了の際におけるCB制御に関連してATゲーム数の上乗せや減算禁止などの制限制御を行う例について説明したが、AT終了の際に限らず、AT中においてCB制御されたときには制限制御を行うようにしてもよい。これにより、CBにさらなる価値を付加でき、遊技の興趣を向上させることができる。
(C) 前述した変形例2においてAT中に生じたCBにおいては、非AT中における所定抽選で当選したときに実行され得るナビ演出も禁止する例について説明した。つまり、すべてのナビ演出を禁止する例について説明したが、これに限らず、たとえば、CB中において14枚払出となる小役を入賞させるための操作手順を報知するナビ演出のみ禁止するようにしてもよい。つまり、非AT中における所定抽選で当選したときには、当該CB中であってもナビ演出を実行するようにしてもよい。
[AT制御の管理について]
前述した実施の形態および変形例においては、遊技者にとって有利な期間としてのATに関する決定および制御を、サブ制御部91が実行する例について説明した。より具体的に、サブ制御部91は、メイン制御部91からのコマンドに基づいて、ATに制御するか否かを決定するAT抽選と、ATの有利度合い(たとえば、ATに制御可能となるゲーム数)を決定する有利度抽選と、AT抽選および有利度抽選の結果に基づいてATに制御するAT制御とを実行する例について説明した。
しかし、有利な期間としてのATに関する決定および制御については、メイン制御部41のみにより実行するようにしてもよい。メイン制御部41のみにより実行する例としては、たとえば、メイン制御部41は、AT抽選および有利度抽選を行うとともにその結果に基づいてATに制御するためのATフラグを設定し、ATフラグ設定中の内部抽選の結果に応じた操作手順を特定可能なナビ演出を実行させるために、操作手順を特定可能なナビコマンドをサブ制御部91に送信するものであってもよい。そして、サブ制御部91は、ナビコマンドに基づいて操作手順を特定可能なナビ演出を実行するものであってもよい。
なお、メイン制御部41は、操作手順を特定可能なナビコマンドを送信するものに限らず、内部抽選の結果を特定可能なコマンドと、AT中であることを特定可能なコマンドとをサブ制御部91に送信し、サブ制御部91は、受信したこれらのコマンドに基づいて所定の操作手順を特定可能なナビ演出を実行するようにしてもよい。
また、有利な期間としてのATに関する決定および制御をメイン制御部41のみにより実行するようにした場合には、AT中であることを報知可能な報知手段(たとえば、各リールに対応する演出効果LEDなどの発光手段)をメイン制御部41によって制御するようにしてもよい。また、メイン制御部41がAT中であるか否かを管理(ATフラグが設定されているか否か判定)して、その結果に応じて、メイン制御部41は、AT中である旨を示すAT中信号を外部出力するようにしてもよい。
つまり、本実施の形態においては、サブ制御部91によってATに関する決定および制御を管理して払出率を状況に応じて変化させるものであったが、メイン制御部41のみによってATに関する決定および制御を管理して払出率を状況に応じて変化させるものであってもよい。
上述のように、メイン制御部41のみによってATに関する決定および制御を管理するようにした場合には、さらに次のように構成してもよい。ATゲーム数を消化することなどによりATが終了するときには、遊技の進行を遅延させるフリーズを発生させて、フリーズ中にAT終了演出を実行するようにしてもよい。遅延は、BET操作(リプレイ入賞後の場合はリプレイ入賞による賭数設定処理やスタートスイッチ操作など)を所定期間に亘って無効化することにより行われるものであってもよい。このようにした場合には、ATが開始された後、ATゲーム数が0となり、当該ゲームが終了するタイミングでフリーズが発生してAT終了演出が実行されることになる。しかし、前述した実施の形態や変形例1で説明したように、本来のAT終了タイミング以降においてもCBが継続する場合には、ATゲーム数が0となっても、AT終了タイミングがCB終了時となる。このため、AT終了以降においてもCBが継続する場合には、ATゲーム数が0となってもフリーズが発生することを制限(発生させない)し、CBが終了してATが終了するときにフリーズを発生するようにしてもよい。これにより、ATが終了しないにもかかわらず遅延制御が行われてしまうことを防止でき、違和感を抱かせてしまうことを未然に防止できる。
[特別条件および特別遊技について]
前述した実施の形態および変形例では、特別条件がCB当選により成立する条件である例について説明したが、これに限らず、他の所定の入賞役当選により成立する条件であってもよく、また、所定の入賞役に入賞することにより成立する条件であってもよく、また、入賞役に関連しない事象(たとえば、消化ゲーム数、時間、乱数抽選で当選、操作手順など)に起因して成立するものであってもよい。
また、特別遊技が毎ゲームすべての小役が当選し得るCBに関する遊技である例について説明し、そのCBが15枚のメダル払い出しで終了するものであることを例示した。しかしながら、これに限らず、たとえば30枚や45枚など、所定枚数のメダル払い出しで終了するものであってもよい。また、特別遊技は、遊技者にとって有利な遊技であって手順情報が報知されるときの方が報知されないときよりも有利度合いが大きくなる遊技であれば、CBに関連する遊技に限らず、小役の当選確率が向上するビッグボーナスボーナスやレギュラーボーナス中の遊技や、再遊技役の当選確率が向上するリプレイタイム中の遊技など、どのような遊技であってもよい。
[リール制御について]
本実施の形態においては、CB中に全ての小役と特定の再遊技役(通常リプ、特殊リプ)が同時当選した場合に限り、ストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順や操作タイミングに応じて小役および再遊技役のうち入賞する役を変えるものであった。しかしながら、特定の再遊技役の当選時に限らず、CB中に全ての小役と不特定のいずれかの再遊技役が当選した場合でも、ストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順や操作タイミングに応じて小役および再遊技役のうち入賞する役を変えるものであってもよい。
これにより、CBにおいて、小役および再遊技役のうちいずれも入賞可能なときであっても、ストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順や操作タイミングなど、成否が毎ゲームで変化し得る所定条件の成否を判定した結果に基づいて、小役および再遊技役のうち入賞する役が変わるため、CBにおける遊技のバリエーションが豊かになり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、CB中に全ての小役といずれの再遊技役が当選した場合でも、ストップスイッチ8L、8C、8Rを特定の押し順で操作する限り、操作タイミングにかかわらず小役および再遊技役のうち予め定められた役を必ず入賞させるものであってもよい。
これにより、CBにおいて、小役およびいずれかの再遊技役のうち、入賞する役を遊技者が予想することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、CB中に全ての小役と通常リプに当選したゲームで左第1停止したときに、ストップスイッチ8Rの操作タイミングに応じて小役および再遊技役のうち入賞する役を変えていた。しかしながら、ストップスイッチ8Rの操作タイミングに限らず、ストップスイッチ8Cやストップスイッチ8Rの操作タイミングに応じても小役および再遊技役のうち入賞する役を変えるものであってもよい。さらに、左第1停止されたときに限らず、中第1停止や右第1停止されたときにも、操作タイミングに応じて小役および再遊技役のうち入賞する役を変えるものであってもよい。
また、本実施の形態においては、CB中に全ての小役と通常リプに当選したゲームで左第1停止したときには、リールの停止状況と押し順に基づき一意に作成された図15〜図17に示す停止制御テーブルに基づきリール制御を行っていたが、これはあくまで一例であり、その他の内容のテーブルを用いてリール制御を行うものであってもよい。さらに、第1タイミング(入賞ラインLN上に領域番号12の図柄が導出されたタイミング)と第2タイミング(入賞ラインLN上に領域番号13の図柄が導出されたタイミング)についても、他のタイミングを用いるものであってもよい。
なお、本実施の形態においては、CB中に限りストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順や操作タイミングに応じて小役および再遊技役のうち入賞する役を変えるものであったが、非CB中においても、押し順や操作タイミングに応じて小役および再遊技役のうち入賞する役を変えるものであってもよい。
また、成否が毎ゲーム必ず変化し得る所定条件に応じて、当選している複数の役のうち、優先して入賞させる役を変えるものであってもよい。たとえば、第1役と第2役が同時当選しているときに、所定条件が成立すれば第1役を優先的に入賞させ、第1役が入賞できなければ第2役を入賞させ、所定条件が成立しなければ第2役を優先的に入賞させ、第2役が入賞できなければ第1役を入賞させるものであってもよい。具体的には、以下のような処理が行われるものであってもよい。たとえば、再遊技役と小役が同時当選しているゲームにおいて、所定の第1タイミングでリールが停止されたときには入賞図柄の引き込み可能な範囲内で再遊技役を優先的に入賞させ、再遊技役が入賞できなければ小役を入賞させ、所定の第2タイミングでリールが停止されたときには入賞図柄の引き込み可能な範囲内で小役を優先的に入賞させ、小役が入賞できなければ再遊技役を入賞させるものであってもよい。
[ペナルティについて]
本実施の形態においては、非AT中のゲームにおいて左第1停止しなかった場合には、遊技者にとって不利な所定のペナルティを科す制御が行われていたが、CB中に限っては非AT中のゲームにおいて左第1停止しなかった場合でもペナルティを科す制御が行われないものであってもよい。
[CB中におけるリプ1、リプ6、およびリプ7の入賞について]
本実施の形態においては、CB中に限って、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は75ms(ミリ秒)に設定されているため、最大で1コマの図柄しか引き込むことができなかった。そのため、CB中において通常リプに当選したときでも、遊技者のストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によっては、リプ1を構成する図柄を引き込めない場合がある。また、同様に、CB中において特殊リプに当選したときでも、遊技者のストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によっては、リプ6やリプ7を構成する図柄を引き込めない場合がある。よって、このような場合においては、他の再遊技役を入賞させることができれば、当該他の再遊技役を構成する図柄を引き込んで停止させてもよいし、他の再遊技役を構成する図柄も引き込めないときは、小役を構成する図柄を引き込んで停止させてもよい。
[通常リプの当選確率について]
本実施の形態においては、通常リプの当選確率が、RT1では770/65536であるのに対して、RT3では32764/65536に設定されていた。このように、通常リプの当選確率は、RT1よりもRT3の方が高くなることで、CB中のRT3においても頻繁に通常リプに対応する再遊技役であるリプ1が入賞するものとなっていた。しかしながら、これに限らない。たとえば、通常リプは、RT1では当選しないのに対して(すなわち、当選確率0%)、RT3では当選するものであってもよい。
[演出の内容について]
本実施の形態においては、サブ制御部91が実行する、通常リプ入賞時演出、特殊リプ当選時演出、非CB中7リプ入賞時演出、およびCB中7リプ入賞時演出などの演出内容について説明したが、これらの演出内容はその他のものであってもよい。なお、非CB中7リプ入賞時演出とCB中7リプ入賞時演出とは異なる演出である方が好ましい。
[特殊リプ当選時の入賞結果について]
本実施の形態においては、非CB中に特殊リプに当選したときには、押し順に応じて、リプ6を入賞させ、CB中に特殊リプに当選したときには、押し順に応じて、リプ6またはリプ7を入賞させることが可能であった。これにより、CB中であるか否かにかかわらず、7揃い出目となる7リプ(リプ6、リプ7)が入賞することで、遊技者が何を契機としてナビストックが付与されたのかを認識することができず、せっかくナビストックを付与しても遊技者の興趣が低下してしまうといった事態が生じることを防止するようになっていた。しかし、非CB中に特殊リプに当選したときには、リプ6を常に入賞させるのに対し、CB中に特殊リプに当選したときには、リプ7を常に入賞させるものであってもよい。この場合でも、CB中であるか否かにかかわらず、7揃い出目となる7リプが入賞することになる。
[CB中の有利度を変化させる当選役について]
本実施の形態においては、CB中に2回の払い出しをさせてメダルの付与に関する有利度合いを高くする当選役として、通常リプ、維持リプ、および特殊リプを用いていた。しかしながら、これに限らず、たとえば昇格リプなど、その他の役当選であってもよい。
また、昇格リプなど遊技状態の遷移に関係する入賞が発生しない役であってもよい。これにより、CB中において、RT3よりもRT2の方が有利度合いを低くするために、最初の払い出しから14枚のメダルを取ることが可能な役の当選確率を低く設定しても、遊技状態の移行確率などに影響を与えることがなく遊技状態ごとのメダル払出率などにも影響を与えることがない。したがって、より簡単な設計でRT2の方がRT3よりもCB中における有利度合いが向上してしまうような事態を防ぐことができる。
なお、昇格リプなど遊技状態の遷移に関係する入賞が発生する役である場合でも、最初の払い出しから14枚のメダルを取ることが可能な役の当選確率を低く設定することなく、図25で示したように、CB中において、RT3よりもRT2の方がナビ演出実行確率を低くするだけで、遊技状態の移行確率などに影響を与えることがなく遊技状態ごとのメダル払出率などにも影響を与えることがない。したがって、CB中のナビ演出実行確率を調整するだけで、メダル払出率などを考慮することなく、より簡単な設計でRT2の方がRT3よりもCB中における有利度合いが向上してしまうような事態を防ぐことができる。
[CB入賞時の表示結果について]
本実施の形態においては、CB入賞時の表示結果の一例として、中段7揃いの図柄組合せと、非中段7揃いの図柄組合せとを例示した。しかしながら、これに限らず、その他の表示結果を用いてもよい。たとえば、左下から右上に揃える右上7揃いの図柄組合せであってもよい。また、7揃いに限らず、リプレイやチェリーなど、その他の図柄を用いてもよいし、本実施の形態にはない図柄(たとえば、キャラクタが表示された図柄)を用いてもよい。
[ナビ演出の実行確率について]
本実施の形態においては、図21、図22、および図25のテーブルに格納されたナビ演出の実行確率を例示した。しかしながら、これに限らず、ナビ演出の実行確率はその他の値を用いてもよい。たとえば、本実施の形態においては、非ATのときには一切ナビ演出が行われないようにナビ演出の実行確率が0%に設定されていたが、これに限らず、非ATであっても所定確率に基づきナビ演出が実行される場合があってもよい。なお、AT状態に制御されていたり、有利なRT状態に制御されていたりする方が、よりナビ演出が実行されるように確率設定される方が好ましいが、これに限らず、非AT状態のようにAT状態よりも遊技者にとって不利な状態の方がナビ演出が実行されやすくなっていたり、RT1のようにRT3よりも不利な状態の方がナビ演出が実行されやすくなっていてもよい。さらに、AT状態およびRT状態の双方に基づいてナビ演出の実行確率が設定されるものに限らず、いずれか一方に基づいてナビ演出の実行確率が設定されるものであってもよい。
[遊技状態の遷移について]
本実施の形態においては、昇格リプ(リプ4)が導出されたときにRT1からRT2に制御され、右下7リプ(リプ6)または右上7リプ(リプ7)が導出されたときにRT2からRT3に制御されることを例示した。しかしながら、これに限らず、その他の図柄組合せが導出されたときにRT2やRT3に制御されるものであってもよい。この場合、特に、現在のRT状態がRT2やRT3であることを遊技者が把握しにくい図柄組合せである方が、現在のRT状態が有利であることに対してCB当選時に行われるナビ演出の実行有無によってより期待感を与えることができるため好ましい。また、遊技状態の遷移は、図10に示したものに限らない。たとえば、RT1からRT3へは直接移行できずに、RT2を必ず経由しなければならないものであってもよい。
[その他の変形例]
上述した実施形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
[設定変更状態および設定確認状態について]
設定変更状態に関して、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
また、設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
[その他の構成について]
以下の構成を備えるスロットマシンであってもよい。
(1) 遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、当該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
前記可変表示装置に表示結果を導出させるために操作される導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記可変表示装置に表示結果が導出される前に、前記遊技用価値の付与を伴う付与入賞(たとえば、小役の入賞)と前記遊技用価値を用いることなく次のゲームを行うことが可能な再遊技入賞(たとえば、再遊技役の入賞)とを含む複数種類の入賞のうち、いずれかの発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(たとえば、メイン制御部41による内部抽選処理)と、
前記事前決定手段による決定結果と前記導出操作手段による操作とに応じて表示結果を前記可変表示装置に導出させる制御を行う導出制御手段(たとえば、メイン制御部によるリール回転処理)と、
前記事前決定手段の決定結果にかかわらず前記付与入賞の発生が必ず許容される遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、CB)に制御する有利状態制御手段(たとえば、メイン制御部によるCBに制御する処理)とを備え、
前記導出制御手段は、前記有利状態において前記事前決定手段により前記再遊技入賞の発生を許容すると決定され(たとえば、CB中において全ての小役と通常リプや特殊リプとが同時当選しているとき)、かつ、前記導出操作手段における操作に応じて前記付与入賞を発生可能な表示結果および前記再遊技入賞を発生可能な表示結果のいずれも導出可能なときに成否が毎ゲームで変化し得る所定条件(たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順や操作タイミングの一致)の成否を判定するとともに判定結果に基づいて前記付与入賞を発生可能な表示結果および前記再遊技入賞を発生可能な表示結果のうちいずれを導出するかを決定する導出決定手段(たとえば、図13、15〜18に示すように、メイン制御部41によって、押し順や操作タイミングに応じて入賞結果を変更する処理)を含む。
このような構成によれば、有利状態において、付与入賞を発生可能な表示結果および再遊技入賞を発生可能な表示結果のいずれも導出可能なときであっても、成否が毎ゲームで変化し得る所定条件の成否を判定した結果に基づいて、付与入賞を発生可能な表示結果および再遊技入賞を発生可能な表示結果のうち導出される表示結果が変わるため、有利な遊技状態における遊技のバリエーションが豊かになり、遊技の興趣を向上させることができる。
「成否が毎ゲームで変化し得る所定条件」は、ストップスイッチ8L、8C、8Rやスタートスイッチ7など、遊技者により操作されることに基づいて成否が毎ゲーム変化し得る所定条件を含む。また、「成否が毎ゲームで変化し得る所定条件」は、当選フラグの種類といった事前決定手段による決定結果の内容など、遊技者による操作に依存することのない事象に基づいて成否が毎ゲーム変化し得る所定条件を含む。また、「成否が毎ゲームで変化し得る所定条件」とは、成否が毎ゲーム必ず変化する所定条件を含むが、これに限らず、成否が毎ゲーム必ず変化しなくても変化することが可能な所定条件も含む。
「前記付与入賞を発生可能な表示結果および前記再遊技入賞を発生可能な表示結果のうちいずれを導出するかを決定する」とは、所定条件の成否の判定結果に基づいて、付与入賞を発生可能な表示結果および再遊技入賞を発生可能な表示結果のうちいずれを導出するかが予め決められているものを含む。また、「前記付与入賞を発生可能な表示結果および前記再遊技入賞を発生可能な表示結果のうちいずれを導出するかを決定する」とは、所定条件の成否の判定結果に基づいて、付与入賞を発生可能な表示結果および再遊技入賞を発生可能な表示結果のうちいずれを導出するかをその都度決定するものを含む。
(2) 上記(1)のスロットマシンにおいて、
前記可変表示装置は、複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能であり、
前記スロットマシンは、前記複数の可変表示領域のすべてに表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされ(たとえば、リール2L、2C、2Rの停止によって有効ライン上に定められた図柄の組合せに応じて入賞が発生する)、
前記導出操作手段は、前記複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させるために前記複数の可変表示領域のそれぞれに対応する操作がされ(たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rは、リール2L、2C、2Rのそれぞれを停止させるために対応して操作される)、
前記導出決定手段は、前記有利状態において前記事前決定手段により前記再遊技入賞の発生を許容すると決定され(たとえば、CB中において全ての小役と特定の再遊技役が同時当選しているとき)(たとえば、CB中において全ての小役といずれかの再遊技役が同時当選しているとき)、かつ、前記導出操作手段における操作に応じて前記付与入賞を発生可能な表示結果および前記再遊技入賞を発生可能な表示結果のいずれも導出可能な場合に前記導出操作手段の操作が特定の操作順序であったとき(たとえば、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のうち特定の押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたとき)には、操作タイミングにかかわらず前記付与入賞を発生可能な表示結果および前記再遊技入賞を発生可能な表示結果のうち予め定められた表示結果を必ず導出することを決定する。
このような構成によれば、有利状態において、付与入賞を発生可能とともに再遊技入賞の発生を許容すると決定された場合には、操作タイミングにかかわらず導出操作手段の操作を特定の操作順序で行うことで、付与入賞が発生可能な表示結果およびいずれかの再遊技入賞が発生可能な表示結果のうち、導出される表示結果を遊技者が予想することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
「前記導出決定手段は、前記有利状態において前記事前決定手段により前記再遊技入賞の発生を許容すると決定され」は、ある特定の再遊技入賞の発生を許容すると決定されたことを含む。また、「前記導出決定手段は、前記有利状態において前記事前決定手段により前記再遊技入賞の発生を許容すると決定され」は、不特定のいずれかの再遊技入賞の発生を許容すると決定されたことを含む。
(3) 上記(1)または(2)のスロットマシンにおいて、
前記可変表示装置は、複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能であり、
前記スロットマシンは、前記複数の可変表示領域のすべてに表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされ(たとえば、リール2L、2C、2Rの停止によって有効ライン上に定められた図柄の組合せに応じて入賞が発生する)、
前記導出操作手段は、前記複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させるために前記複数の可変表示領域のそれぞれに対応する操作がされ(たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rは、リール2L、2C、2Rのそれぞれを停止させるために対応して操作される)、
前記導出決定手段は、前記有利状態において前記事前決定手段により複数種類の前記再遊技入賞のうち特定の再遊技入賞の発生を許容すると決定され(たとえば、CB中において全ての小役と特定の再遊技役(通常リプや特殊リプ)が同時当選しているとき)、かつ、前記導出操作手段における操作に応じて前記付与入賞を発生可能な表示結果および前記特定の再遊技入賞を発生可能な表示結果のいずれも導出可能な場合に前記導出操作手段の操作が特定の操作順序であったとき(たとえば、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のうち特定の押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたとき)には、操作タイミングにかかわらず前記付与入賞を発生可能な表示結果および前記特定の再遊技入賞を発生可能な表示結果のうち予め定められた表示結果を必ず導出することを決定する(たとえば、図13に示すように、通常リプや特殊リプに当選したときに、押し順に応じて入賞結果が一義的に決められている)。
このような構成によれば、有利状態において、付与入賞を発生可能とともに特定の再遊技入賞の発生を許容すると決定された場合には、操作タイミングにかかわらず導出操作手段の操作を特定の操作順序で行うことで、付与入賞が発生可能な表示結果および特定の再遊技入賞が発生可能な表示結果のうち、導出される表示結果を遊技者が予想することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 上記(1)〜(3)のスロットマシンにおいて、
予め定められた操作タイミングで前記導出操作手段が操作された場合に前記可変表示装置に導出させる表示結果が特定可能となるように予め定められた複数の導出制御データ(たとえば、停止制御テーブル)を記憶する記憶手段(たとえば、RAM41c)をさらに備え、
前記導出決定手段は、前記有利状態において前記事前決定手段により前記付与入賞とともに前記再遊技入賞の発生を許容すると決定され(たとえば、CB中において全ての小役と通常リプや特殊リプとが同時当選しているとき)、かつ、前記導出操作手段における操作に応じて前記付与入賞を発生可能な表示結果および前記再遊技入賞を発生可能な表示結果のいずれも導出可能なときには、前記所定条件の成否の判定結果に応じて選択された前記導出制御データに基づいて前記付与入賞を発生可能な表示結果および前記再遊技入賞を発生可能な表示結果のうちいずれを導出するかを決定する(たとえば、図13、15〜18に示すように、メイン制御部41によって、押し順や操作タイミングに応じて入賞結果を変更する)。
このような構成によれば、有利状態において、付与入賞を発生可能な表示結果および再遊技入賞を発生可能な表示結果のいずれも導出可能なときであっても、成否が毎ゲームで変化し得る所定条件の成否を判定した結果に応じて選択された導出制御データに基づいて、付与入賞を発生可能な表示結果および再遊技入賞を発生可能な表示結果のうち導出される表示結果を確実に変えることができる。
(5) 上記(1)〜(4)のスロットマシンにおいて、
前記有利状態において入賞の発生が許容される前記付与入賞には、1ゲームを開始可能となるように設定が必要な賭数に用いられる遊技用価値である必要遊技用価値(たとえば、CB中における規定数の賭数としてのメダル2枚)よりも少ない遊技用価値が付与される第1付与入賞(たとえば、1枚1、2)と、前記必要遊技用価値よりも多い遊技用価値が付与される第2付与入賞(たとえば、1枚1、2以外の小役)とが含まれる。
このような構成によれば、第1付与入賞を発生可能であるか、もしくは第2付与入賞を発生可能であるかに応じて、成否が毎ゲームで変化し得る所定条件の成否を判定した結果に基づいて、付与入賞を発生可能な表示結果および再遊技入賞を発生可能な表示結果のうち導出される表示結果を変えることもできるため、有利な遊技状態における遊技のバリエーションがより豊かになり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等などの意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。