JP5684496B2 - バタークリーム用油中水型乳化油脂組成物 - Google Patents
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Description
(1)上記アルギン酸エステルの含有量が、上記バタークリーム用油中水型乳化油脂組成物の水相中、0.1〜30質量%である。
(2)上記バタークリーム用油中水型乳化油脂組成物に使用される油脂は、その構成脂肪酸組成中にベヘン酸を含有しており、該構成脂肪酸組成全体におけるベヘン酸含量が0.5〜10質量%である。
(3)上記ベヘン酸の由来の一部又は全部が、ベヘン酸を含有するランダムエステル交換油脂である。
先ず、本発明で使用するアルギン酸エステルについて述べる。
上記水相の20℃における粘度が10mPa・sよりも小さいとクリーミング性の改善効果が十分に得られない場合があり、また10000mPa・sよりも大きいと、水相の粘度が高くなり口溶けが悪くなる傾向がある。
尚、上記アルギン酸エステルを油相へ添加し、分散させてから使用する場合は、水相へ添加した場合に、上記粘度になるような量のアルギン酸エステルを含有させるものとする。上記粘度は、BROOKFIELD社製DV−I VISCOMETERにより測定したものである。
本発明のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物に使用する油脂としては、食用に適する油脂であれば特に制限されず、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ひまわり油等の常温で液体の油脂を使用することができるが、その他に、パーム油、パーム核油、ヤシ油、サル脂、マンゴ脂、乳脂、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の常温で固体の油脂も使用することができ、更に、これらの食用油脂に、水素添加、分別若しくはエステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂を使用することもできる。本発明では魚油又はその硬化油を使用せずとも上記目的を達成できることから、生産量が減少している魚油又はその硬化油を使用しないことが好ましい。尚、本発明では、上記の油脂の1種又は2種以上を選択して使用することができる。
上述したように本発明における油中水型の乳化形態には、W/O型、O/W/O型及びO/O型の乳化形態を含むが、以下の説明では、代表例として、W/O型の乳化形態の場合の製造方法について詳述する。
これらの水相と油相は好ましくは60℃以上に加温し、添加した成分を完全に溶解しておくことが好ましい。尚、アルギン酸エステルは油相に分散させて使用することもできる。
続いて、上記W/O型乳化物を冷却し、可塑化して、W/O型の乳化形態の本発明のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物を得る。冷却、可塑化する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等も挙げられる。
尚、O/W/O型の乳化形態の場合、油相1(内油相1)と水相と油相2(外油相)の割合は、質量比率で、好ましくは25〜65:10〜55:10〜35、更に好ましくは
25〜55:25〜55:10〜30である。また、O/O型の乳化形態の場合、油相1(内油相1)と水相と油相2(外油相)の割合は、質量比率で、好ましくは15〜45:
35〜65:5〜35、更に好ましくは20〜40:40〜60:10〜30である。
バタークリームとは、マーガリンやショートニングをクリーミングし、ここに、糖液や、卵類、乳等を配合して製造される油中水型或いは油中水中油型の乳化形態を持つクリームの総称であり、従来のバタークリームは、糖液等の比重の大きい原材料を多く配合するため、食感が重いものであった。本発明のバタークリームにおいては、本発明のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物を使用することにより、バタークリームの比重を小さくすることができるので、本発明のバタークリームは軽い食感を有する。また、本発明のバタークリームは、高温保存時(約30〜35℃)の耐熱保型性及び離水耐性も良好である。
本発明のバタークリームにおける本発明のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物の使用量は、バタークリームの用途や乳化形態等により異なるものであり、特に限定されるものではないが、おおよそバタークリーム中に20〜95質量%である。
構成脂肪酸組成における炭素数16〜18の不飽和脂肪酸含量が85質量%である大豆油68質量部と、構成脂肪酸組成におけるベヘン酸含量が48質量%であるハイエルシン菜種極度硬化油32質量部とを配合し、続いて化学触媒(ナトリウムメチラート)0.1質量部を添加してランダムエステル交換反応を行い、構成脂肪酸組成におけるベヘン酸含量が15.6質量%であり、炭素数16〜18の不飽和脂肪酸含量が57.8質量%であるランダムエステル交換油脂A−1を得た。
大豆油の配合量を68質量部から90質量部に変更し、ハイエルシン菜種極度硬化油の配合量を32質量部から10質量部に変更した以外は[製造例1]と同様にして、構成脂肪酸組成におけるベヘン酸含量が5.2質量%であり、炭素数16〜18の不飽和脂肪酸含量が76.5質量%であるランダムエステル交換油脂A−2を得た。
大豆油の配合量を68質量部から95質量部に変更し、ハイエルシン菜種極度硬化油の配合量を32質量部から5質量部に変更した以外は[製造例1]と同様にして、構成脂肪酸組成におけるベヘン酸含量が2.8質量%であり、炭素数16〜18の不飽和脂肪酸含量が80.8質量%であるランダムエステル交換油脂A−3を得た。
大豆油の配合量を68質量部から45質量部に変更し、ハイエルシン菜種極度硬化油の配合量を32質量部から55質量部に変更した以外は[製造例1]と同様にして、構成脂肪酸組成におけるベヘン酸含量が26.6質量%であり、炭素数16〜18の不飽和脂肪酸含量が38.3質量%であるランダムエステル交換油脂A−4を得た。
エステル交換油脂A−1を16.63質量部、パーム油を66.52質量部、レシチン0.20質量部、グリセリンモノオレイン酸エステル0.20質量部、及び香料0.10質量部を配合してなる油相と、水16.0質量部及びアルギン酸プロピレングリコールエステル(フードケミファ社製、ダックロイドPF)0.35質量部を配合してなる水相とを55〜65℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を90℃にて殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の本発明のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物を製造した。尚、水相粘度は650mPa・s(20℃)であった。[油脂の構成脂肪酸組成全体におけるベヘン酸含量:3.1質量%、油脂の構成脂肪酸組成全体におけるトランス酸含量:1.4質量%]
エステル交換油脂A−1を16.38質量部、パーム油を65.52質量部、レシチン0.20質量部、グリセリンモノオレイン酸エステル0.20質量部、及び香料0.10質量部を配合してなる油相と、水16.0質量部及びアルギン酸プロピレングリコールエステル(フードケミファ社製、ダックロイドSLF−3)1.6質量部を配合してなる水相とを55〜65℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を90℃にて殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の本発明のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物を製造した。尚、水相粘度は650mPa・s(20℃)であった。[油脂の構成脂肪酸組成全体におけるベヘン酸含量:3.1質量%、油脂の構成脂肪酸組成全体におけるトランス酸含量:1.4質量%]
エステル交換油脂A−1を16.62質量部、パーム油を66.48質量部、レシチン0.20質量部、グリセリンモノオレイン酸エステル0.20質量部、及び香料0.10質量部を配合してなる油相と、水16.0質量部及びアルギン酸プロピレングリコールエステル(フードケミファ社製、ダックロイドPF)0.40質量部を配合してなる水相とを55〜65℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を90℃にて殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の本発明のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物を製造した。尚、水相粘度は950mPa・s(20℃)であった。[油脂の構成脂肪酸組成全体におけるベヘン酸含量:3.1質量%、油脂の構成脂肪酸組成全体におけるトランス酸含量:1.4質量%]
エステル交換油脂A−1を16.57質量部、パーム油を66.29質量部、レシチン0.20質量部、グリセリンモノオレイン酸エステル0.20質量部、及び香料0.10質量部を配合してなる油相と、水16.0質量部及びアルギン酸プロピレングリコールエステル(フードケミファ社製、ダックロイドPF)0.64質量部を配合してなる水相とを55〜65℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を90℃にて殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の本発明のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物を製造した。尚、水相粘度は9700mPa・s(20℃)であった。[油脂の構成脂肪酸組成全体におけるベヘン酸含量:3.1質量%、油脂の構成脂肪酸組成全体におけるトランス酸含量:1.4質量%]
エステル交換油脂A−1を16.66質量部、パーム油を66.65質量部、レシチン0.20質量部、グリセリンモノオレイン酸エステル0.20質量部、及び香料0.10質量部を配合してなる油相と、水16.0質量部及びアルギン酸プロピレングリコールエステル(フードケミファ社製、ダックロイドPF)0.19質量部を配合してなる水相とを55〜65℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を90℃にて殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の本発明のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物を製造した。尚、水相粘度は95mPa・s(20℃)であった。[油脂の構成脂肪酸組成全体におけるベヘン酸含量:3.1質量%、油脂の構成脂肪酸組成全体におけるトランス酸含量:1.4質量%]
エステル交換油脂A−2を16.63質量部、パーム油を66.52質量部、レシチン0.20質量部、グリセリンモノオレイン酸エステル0.20質量部、及び香料0.10質量部を配合してなる油相と、水16.0質量部及びアルギン酸プロピレングリコールエステル(フードケミファ社製、ダックロイドPF)0.35質量部を配合してなる水相とを55〜65℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を90℃にて殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の本発明のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物を製造した。尚、水相粘度は650mPa・s(20℃)であった。[油脂の構成脂肪酸組成全体におけるベヘン酸含量:1.0質量%、油脂の構成脂肪酸組成全体におけるトランス酸含量:1.5質量%]
エステル交換油脂A−1を49.89質量部、パーム油を16.63質量部、大豆油を16.63質量部、レシチン0.20質量部、グリセリンモノオレイン酸エステル0.20質量部、及び香料0.10質量部を配合してなる油相と、水16.0質量部及びアルギン酸プロピレングリコールエステル(フードケミファ社製、ダックロイドPF)0.35質量部を配合してなる水相とを55〜65℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を90℃にて殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の本発明のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物を製造した。尚、水相粘度は650mPa・s(20℃)であった。[油脂の構成脂肪酸組成全体におけるベヘン酸含量:9.4質量%、油脂の構成脂肪酸組成全体におけるトランス酸含量:1.7質量%]
エステル交換油脂A−1を64.86質量部、パーム油を18.29質量部、レシチン0.20質量部、グリセリンモノオレイン酸エステル0.20質量部、及び香料0.10質量部を配合してなる油相と、水16.0質量部及びアルギン酸プロピレングリコールエステル(フードケミファ社製、ダックロイドPF)0.35質量部を配合してなる水相とを55〜65℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を90℃にて殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の本発明のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物を製造した。尚、水相粘度は650cp(20℃)であった。[油脂の構成脂肪酸組成におけるベヘン酸含量:12.2質量%、油脂の構成脂肪酸組成全体におけるトランス酸含量:2.2質量%]
エステル交換油脂A−3を8.32質量部、パーム油を66.52質量部、大豆油を8.32質量部、レシチン0.20質量部、グリセリンモノオレイン酸エステル0.20質量部、及び香料0.10質量部を配合してなる油相と、水16.0質量部及びアルギン酸プロピレングリコールエステル(フードケミファ社製、ダックロイドPF)0.35質量部を配合してなる水相とを55〜65℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を90℃にて殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の油中水型乳化組成物を製造した。尚、水相粘度は650cp(20℃)であった。[油脂の構成脂肪酸組成全体におけるベヘン酸含量:0.3質量%、油脂の構成脂肪酸組成全体におけるトランス酸含量:1.2質量%]
エステル交換油脂A−1を24.95質量部、パーム油を58.21質量部、レシチン0.20質量部、グリセリンモノオレイン酸エステル0.20質量部、及び香料0.10質量部を配合してなる油相と、水16.0質量部及びアルギン酸プロピレングリコールエステル(フードケミファ社製、ダックロイドPF)0.35質量部を配合してなる水相とを55〜65℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を90℃にて殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の本発明のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物を製造した。尚、水相粘度は650mPa・s(20℃)であった。[油脂の構成脂肪酸組成全体におけるベヘン酸含量:4.7質量%、油脂の構成脂肪酸組成全体におけるトランス酸含量:1.5質量%]
パーム油を74.84質量部、大豆油8.32質量部、レシチン0.20質量部、グリセリンモノオレイン酸エステル0.20質量部、及び香料0.10質量部を配合してなる油相と、水16.0質量部及びアルギン酸プロピレングリコールエステル(フードケミファ社製、ダックロイドPF)0.35質量部を配合してなる水相とを55〜65℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を90℃にて殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の本発明のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物を製造した。尚、水相粘度は650mPa・s(20℃)であった。[油脂の構成脂肪酸組成全体におけるベヘン酸含量:0.0質量%、油脂の構成脂肪酸組成全体におけるトランス酸含量:1.1質量%]
エステル交換油脂A−4を16.63質量部、パーム油を45.73質量部、大豆油20.79質量部、レシチン0.20質量部、グリセリンモノオレイン酸エステル0.20質量部、及び香料0.10質量部を配合してなる油相と、水16.0質量部及びアルギン酸プロピレングリコールエステル(フードケミファ社製、ダックロイドPF)0.35質量部を配合してなる水相とを55〜65℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を90℃にて殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の本発明のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物を製造した。尚、水相粘度は650mPa・s(20℃)であった。[油脂の構成脂肪酸組成全体におけるベヘン酸含量:5.3質量%、油脂の構成脂肪酸組成全体におけるトランス酸含量:0.9質量%]
エステル交換油脂A−1を16.66質量部、パーム油を66.66質量部、レシチン0.20質量部、グリセリンモノオレイン酸エステル0.20質量部、及び香料0.10質量部を配合してなる油相と、水16.0質量部及びアルギン酸ナトリウム(ダニスコ社製、FD155)0.18質量部を配合してなる水相とを55〜65℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を90℃にて殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の比較例のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物を製造した。尚、水相粘度は650mPa・s(20℃)であった。[油脂の構成脂肪酸組成全体におけるベヘン酸含量:3.1質量%、油脂の構成脂肪酸組成全体におけるトランス酸含量:1.4質量%]
エステル交換油脂A−1を16.37質量部、パーム油を65.49質量部、レシチン0.20質量部、グリセリンモノオレイン酸エステル0.20質量部、及び香料0.10質量部を配合してなる油相と、水17.5質量部及びキサンタンガム(大日本住友製薬社製、モナートガムOB)0.14質量部を配合してなる水相とを55〜65℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を90℃にて殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の比較例のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物を製造した。尚、水相粘度は650mPa・s(20℃)であった。[油脂の構成脂肪酸組成全体におけるベヘン酸含量:3.1質量%、油脂の構成脂肪酸組成全体におけるトランス酸含量:1.4質量%]
エステル交換油脂A−1を16.70質量部、パーム油を66.80質量部、レシチン0.20質量部、グリセリンモノオレイン酸エステル0.20質量部、及び香料0.10質量部を配合してなる油相と、水16.0質量部からなる水相とを55〜65℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を90℃にて殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の比較例のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物を製造した。尚、水相粘度は1mPa・s(20℃)であった。[油脂の構成脂肪酸組成全体におけるベヘン酸含量:3.1質量%、油脂の構成脂肪酸組成全体におけるトランス酸含量:1.4質量%]
菜種硬化油(融点35℃)41.75質量部、パーム硬化油(融点45℃)8.35質量部、菜種油33.40質量部、レシチン0.20質量部、グリセリンモノオレイン酸エステル0.20質量部、及び香料0.10質量部を配合してなる油相と、水16.0質量部からなる水相とを55〜65℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を90℃にて殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の比較例のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物を製造した。尚、水相粘度は1mPa・s(20℃)であった。[油脂の構成脂肪酸組成全体におけるベヘン酸含量:0.3質量%、油脂の構成脂肪酸組成全体におけるトランス酸含量:26.3質量%]
バタークリーム用油中水型乳化油脂組成物各300gを15℃に調温し、25℃の環境下において、卓上ミキサーでビーターを使用し、高速でクリーミングし、比重が0.35になるまでの時間を測定した。クリーミング性について下記(評価基準)に従って評価を行なった。
◎ 比重0.35に達するまで時間 4分未満
○ 比重0.35に達するまで時間 4分以上8分未満
△ 比重0.35に達するまで時間 8分以上12分未満
× 比重0.35に達するまで時間 12分以上
比重が0.35になったクリームに水を100gずつ投入混合し、抱水できなくなった点をもって抱水量とし、下記(評価基準)に従って評価を行なった。
◎ 抱水量が900g以上
○ 抱水量が600g以上900g未満
△ 抱水量が300g以上600g未満
× 抱水量が300g未満
実施例1〜12及び比較例1〜4それぞれで得られたバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物を比重0.35になるまでクリーミングしたもの100質量部に、転化糖液糖35質量部及びラム酒2.5質量部を混合し、低速で1分混合し、バタークリームをそれぞれ得た。
得られたバタークリームについて、官能試験(口溶け)及び耐熱保形性試験を行ない、その評価結果を下記[表2]に記載した。尚、官能試験においては、25℃に1晩調温したサンプルを用い、口溶けを下記(評価基準)に従い4段階で評価した。また耐熱保形性試験においては、バタークリームを一旦25℃に調温した後、絞り袋に入れ、菊型口金でシャーレに花型に絞り、蓋をし、これを5℃に60分調温後、20℃、25℃及び30℃の各恒温槽に一晩おき、離水状況及びダレの状況を観察し、下記(評価基準)に従い4段階で評価した。
5点 大変良好
4点 良好
3点 まずまず良好
2点 やや劣る
1点 不良
5点 離水がなく、保形性も全く問題ない。
4点 やや離水が見られるが、保形性は全く問題ない。
3点 やや離水が見られるが、保形性はほぼ問題ない。
2点 離水があり、保形性もやや悪い。
1点 離水が激しく、保形性も悪い。
それに対し、アルギン酸エステルを含有しない油中水型乳化油脂組成物は、耐熱保形性はある程度満足できるものの、クリーミング性、抱水性が劣るものであった(比較例1〜4)。
Claims (5)
- アルギン酸エステルを、水相の20℃における粘度が、100mPa・s〜1000mPa・sの範囲となるように含有し、該アルギン酸エステルの含有量が、水相中、0.7〜20質量%であることを特徴とするバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物(但し、油中水中油型の乳化形態であるものは除く)。
- 上記バタークリーム用油中水型乳化油脂組成物に使用される油脂は、その構成脂肪酸組成中にベヘン酸を含有しており、該構成脂肪酸組成全体におけるベヘン酸含量が0.5〜10質量%であることを特徴とする請求項1記載のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物。
- 上記ベヘン酸の由来の一部又は全部が、ベヘン酸を含有するランダムエステル交換油脂であることを特徴とする請求項2記載のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物。
- トランス酸を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載のバタークリーム用油中水型乳化油脂組成物を使用したバタークリーム。
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JP2012000023A (ja) | 2012-01-05 |
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