JP5684117B2 - ナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法、及びそれを用いた故障検出方法 - Google Patents

ナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法、及びそれを用いた故障検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、ナトリウム−硫黄電池のモジュール毎に、各ブロックの健全なストリングの数を求める方法と、それを用いたナトリウム−硫黄電池のモジュール毎に故障を検出する方法に関する。
ナトリウム−硫黄電池は、電力負荷の平準化や、電力の瞬低対策、あるいは自然エネルギー発電装置が発生する電力の変動補償等の用途において、電力貯蔵器として、益々の利用が期待されている。
ナトリウム−硫黄電池の運転サイクルは、負荷平準化用途においては、例えば、昼間に放電し夜間に充電するというサイクルを、休止期間を挟んで繰り返すというものである。この場合、ナトリウム−硫黄電池は、一日に一度、昼間の放電の後に、放電末近傍に至ることになる。一方、電力変動補償用途においては、自然エネルギー発電装置の出力(電力)を補償すべく、ナトリウム−硫黄電池は、短時間内に、充電と放電を繰り返す。
このようなナトリウム−硫黄電池は、一般に、複数の単電池を直列に接続してストリングを構成し、そのストリングを、複数、並列に接続してブロックを構成し、そのブロックを、複数、直列に接続してモジュールを構成し、更に、そのモジュールを、複数、直列に接続して、構成される。
ナトリウム−硫黄電池が、その期待される性能を発揮出来なければ、上記の用途において、例えば、負荷平準化、瞬低対策、電力変動補償等において、支障をきたすことになる。そのため、ナトリウム−硫黄電池の故障を検出することは、大変に重要である。
従来、このようなナトリウム−硫黄電池の故障は、放電終了後から充電開始までの休止期間において、電池の電圧が安定したときに、ブロック毎に電圧を測定し、そのブロックの電圧が設定範囲外であるか否か、あるいは、ブロック間の電圧差が設定範囲外であるか否か、を判定することによって、検出されている。ブロックとは、既述の通り、単電池を直列に接続してなるストリングを、更に並列に接続してなるものである。尚、先行文献として、例えば、特許文献1、2を挙げることが出来る。
特開2004−247319号公報 特許第3505116号公報
しかしながら、ナトリウム−硫黄電池では、放電末近傍という深い深度まで放電しなければ、その故障が、電圧の値又は電圧差として現れない。そのため、負荷平準化用途において、従来の故障検出方法によっては、一日に一度しか故障を検出する機会がなく、実際に故障が発生しても、それを検出するまでに時間遅れが生じる。
そして、電力変動補償用途においては、日々、放電末に到達するような出力は、要求されない場合が多い。むしろ、電力変動補償用途においては、ナトリウム−硫黄電池が放電末に到達すると、その後に、発電装置が発生する電力の変動を吸収することが出来ない(即ち、ナトリウム−硫黄電池の機能喪失に陥る)ことから、放電末に到達しないように、ナトリウム−硫黄電池を制御することが好ましい。そのため、電力変動補償用途において、従来の故障検出方法によっては、実質的に、ナトリウム−硫黄電池の故障を検出することが出来ない。
又、放電終了後、ナトリウム−硫黄電池の電圧が安定するまでには、数時間(短くて2時間程度)かかる。即ち、従来の故障検出方法では、電圧が安定するまで、数時間の休止期間が必要である。負荷平準化用途であれば格別、自然エネルギー発電装置が発生する電力の変動補償用途においては、このような長い休止期間を設けることは、予備系列設置が必要であることを意味するので、コスト面で好ましくない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、自然エネルギー発電装置が発生する電力の変動補償用途に適用可能な、ナトリウム−硫黄電池の故障を、適切に検出し得る手段を提供することである。研究が重ねられた結果、電圧ではなく、使用容量に基づく以下の手段によって、上記課題を解決出来ることが見出された。
即ち、本発明によれば、複数であるs個の単電池を直列に接続してストリングを構成し、そのストリングを、複数であるu個、並列に接続してブロックを構成し、そのブロックを、複数であるn個、直列に接続して構成されるナトリウム−硫黄電池における一のブロックの健全なストリングの数uoを、次の(1)式によって求めるナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法が提供される。
uo = (Qs/Qo)×us ・・・(1)
Qs :基準ブロックの使用容量[Ah]
Qo :対象ブロックの使用容量[Ah]
us :基準ブロックの健全ストリング数(us≦u)
既述のように、一般に、ナトリウム−硫黄電池は、複数のブロックで構成されるモジュールを、更に、複数、直列に接続して構成されるものであるが、本発明に係るナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法及びそれを用いた故障検出方法においては、ブロックを、複数、直列に接続して構成されるものを、ナトリウム−硫黄電池と呼び、このナトリウム−硫黄電池は、1つのモジュール(モジュール電池)を指している。即ち、本発明に係るナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法は、モジュール単位で、各ブロックの健全ストリング数を算出する方法であり、本発明に係る故障検出方法は、モジュール単位で、故障を検出する方法である。そして、当然に、単電池が故障したことに基づくモジュール(毎)の故障検出によって、通常いうところの(複数のモジュールからなる)ナトリウム−硫黄電池(全体)の故障と判断することは可能である。
本発明に係るナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法において、健全なストリングの数(健全ストリング数)は、故障していない単電池で構成されるストリングの数である。対象ブロックとは、健全なストリングの数uoを求めようとするナトリウム−硫黄電池における(一の)ブロックのことを指す。uoは対象ブロックの健全ストリング数ということが出来る。
基準ブロックは、ナトリウム−硫黄電池(モジュール)内のブロックのうち電圧が最も高いブロックであり、そのブロックの健全ストリング数が、基準ブロックの健全ストリング数である。但し、基準ブロックの健全ストリング数といえども、使用履歴に応じて単電池に故障が発生して、減少する。そして、単電池に故障が生じた結果、基準ブロック(ナトリウム−硫黄電池(モジュール)内のブロックのうち電圧が最も高いブロック)は代わる可能性がある。そこで、ここで用いる基準ブロックの健全ストリング数は、一回前の健全ストリング数とする。一回前の、とは、前回、対象ブロックの健全ストリング数算出方法(あるいは故障検出方法)を実施した際の、という意味である。
基準ブロックの健全ストリング数の初期値は、例えば12である。そして、基準ブロックが同じである限り、この数は変わらない。しかし、その(一回前に)基準ブロックであったブロックに(既述のように)単電池の故障が生じると、そのブロックは、ナトリウム−硫黄電池(モジュール)内のブロックのうち電圧が最も高いブロックではなくなり、そうなったときに、基準ブロックは交代する。その新たに基準ブロックとなるブロックの健全ストリング数は、一回前に(例えば12未満の数値として)算出されている筈であり、その一回前の数値が、基準ブロックの健全ストリング数として、採用される。
本発明に係るナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法においては、上記基準ブロックの使用容量Qs及び対象ブロックの使用容量Qoのそれぞれを、充放電終了後の単相域であるときに、次の(2)、(5)式によって、算出することが好ましい。
Qs = Qsn−Qsc ・・・(2)
Qsn:基準ブロック絶対深度[Ah]
Qsc:基準ブロック残留容量[Ah]
Qsn = us×f1(Vs(t,T,Icd)) ・・・(3)
f1(Vs(t,T,Icd)):(ナトリウム−硫黄電池(モジュール)内のブロックのうち)電圧が最も高いブロックの電圧Vsを基に、そのブロックの絶対深度を求める変換関数(電圧は単相域において充放電終了のt時間経過後に計測された不安定な開路電圧を基に、安定した開路電圧に変換し、更に充放電終了時の温度T及び充放電終了時の充放電電流Icdにより補正されたものとする)
Qsc= f2(Cs) ・・・(4)
f2(Cs):現在の基準ブロックの等価サイクルCsを基に、現在の基準ブロック残留容量Qscを求める変換関数
Qo = Qon−Qoc ・・・(5)
Qon:対象ブロック絶対深度[Ah]
Qoc:対象ブロック残留容量[Ah]
Qon = us×f3(Vo(t,T,Icd)) ・・・(6)
f3(Vo(t,T,Icd)):(ナトリウム−硫黄電池(モジュール)内のブロックのうち)健全なストリングの数を求めようとするブロックの電圧Voを基に、そのブロックの絶対深度を求める変換関数(電圧は単相域において充放電終了のt時間経過後に計測された不安定な開路電圧を基に、安定した開路電圧に変換し、更に充放電終了時の温度T及び充放電終了時の充放電電流Icdにより補正されたものとする)
Qoc= f4(Co) ・・・(7)
f4(Co):現在の対象ブロックの等価サイクルCoを基に、現在の対象ブロック残留容量Qocを求める変換関数
上記基準ブロックの使用容量Qs及び対象ブロックの使用容量Qoは、何れも、例えばナトリウム−硫黄電池の制御装置が管理する、管理値である。これら基準ブロックの使用容量Qs及び対象ブロックの使用容量Qoのそれぞれは、ナトリウム−硫黄電池が充電末になったら、0[Ah]に再設定することが出来る。
本発明に係るナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法及びそれを用いた故障検出方法において、現在の、とは、ある値を求めようとする(算出しようとする)そのとき、を指す。絶対深度は、電池の放電状態を表す数値であり、その単位は[Ah]である。この絶対深度[Ah]は、残留容量を含んだ製品容量に対する、ある状態の(現在の)使用容量(放電量)に相当する。絶対深度[Ah]にも、残留容量が含まれる。この絶対深度[Ah]は、管理値ではなく、電圧と一定の関係を有し(図2を参照、後述する)、ナトリウム−硫黄電池の電圧から求められる値である。残留容量[Ah]は、製品容量のうち充電することが出来ず、従って、使用する(放電する)ことが出来ない容量である。この残留容量[Ah]は、経年により増加する。
次に、本発明によれば、上記した何れかのナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法を用い、上記した(対象)ブロックの健全なストリングの数uoの値を判定することによって、ナトリウム−硫黄電池の故障を検出するナトリウム−硫黄電池の故障検出方法が提供される。
例えば、故障判定値を予め設けておき、uoを、その故障判定値と比較し、uoが、その故障判定値以下となったら、ナトリウム−硫黄電池の故障を検出したとする(ナトリウム−硫黄電池が故障したと判定する)ことが出来る。
本発明に係るナトリウム−硫黄電池の故障検出方法は、故障検出対象であるナトリウム−硫黄電池が、出力変動する発電装置と電力貯蔵補償装置とを組み合わせて電力系統へ電力を供給する連系システムにおいて電力貯蔵補償装置を構成し発電装置の出力変動を補償する、ナトリウム−硫黄電池である場合に、好適に用いられる。
本発明に係るナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法において、(ナトリウム−硫黄電池が)単相域であるか否かは、絶対深度と電圧との関係において、電圧が下降する領域であるか否かで、判断される(詳細は後述する)。あるいは、単相域であることを判断するための判定電圧を予め設定し、その電圧以下になったら単相域であると判断してもよい。この場合に、判定電圧の値は、2相域における一定の電圧より所定値だけ低く設定すればよい。
本発明に係るナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法において、温度とは、電池作動温度、具体的には、作動時のモジュール内温度を意味する。
本明細書における電圧、電流、深度、容量(電気量)等は、ブロック等の基準を示して式等に表されているが、これらは、適宜、他の基準の値、量に、相互に変換可能な場合があることは、いうまでもない。基準とは、単電池、ブロック、モジュール(本発明に係るナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法及びそれを用いた故障検出方法におけるナトリウム−硫黄電池)等である。
本発明に係るナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法では、対象ブロックの健全なストリングの数uoを、上記(1)式によって求める。この(1)式から理解されるように、本発明に係るナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法では、基準ブロックと対象ブロックの使用容量の比に基づいて、対象ブロックの健全ストリング数を求めている。
仮に、基準ブロックの充放電終了後の開路電圧と基準ブロックの健全ストリング数から基準ブロックの絶対深度を求め、同様に、対象ブロックの充放電終了後の開路電圧と基準ブロックのストリング数から対象ブロックの絶対深度を求めるものとする。ここで、本来は、対象ブロックの絶対深度を求めるに際しては、対象ブロックのストリング数を用いるべきであるが、これは不明である。そこで、基準ブロックを、ナトリウム−硫黄電池内で最も電圧の高いブロックとし、基準ブロックの健全ストリング数の一回前のデータ(初期値は例えば12)を用いて、絶対深度を算出する。そして、対象ブロックの健全ストリング数が基準ブロックの健全ストリング数と同じであれば、絶対深度は(概ね)同じ値となる筈である。しかし、対象ブロックの健全ストリング数が、基準ブロックの健全ストリング数より、少ない場合には、(対象ブロックの絶対深度を求めるに際し、基準ブロックのストリング数を用いたので、)対象ブロックの絶対深度は、基準ブロックの絶対深度より、大きく計算される。即ち、計算された基準ブロックと対象ブロックの深度の比と、基準ブロックの健全ストリング数によって、対象ブロックの健全ストリング数を求めることが可能である。但し、実際のブロックにおける深度の差は、放電した(使用した)ことにより発生するものなので、本発明に係るナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法では、絶対深度そのものではなく、残留容量分を含めない使用容量を用いている。
上記のように、本発明に係るナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法では、基準ブロックと対象ブロックとの使用容量の比を用いるので、放電末近傍という深い深度まで放電する必要はなく、単相域に入る程度まで放電した状態であれば(直前に充電を行っていても)、健全ストリング数uoを算出することが可能である。そして、本発明に係るナトリウム−硫黄電池の故障検出方法は、上記ブロックの健全なストリングの数uoの値を判定することによって、ナトリウム−硫黄電池の故障を検出するので、例えば、電力変動補償用途において、放電末に到達しないように制御されていても、故障検出を行なうことが可能である。
本発明に係るナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法は、(3)式、(6)式における変換関数に示されるように、充放電終了のt時間経過後に計測された電圧に基づいて絶対深度を求め、そこから残留容量を差し引いて、使用容量を求めているので、健全ストリング数uoを算出するにあたり、電圧が完全に安定するまでの長い休止期間は必要としない。よって、本発明に係るナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法は、自然エネルギー発電装置が発生する電力の変動補償用途に適用されるナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数を算出する手段として好適である。そして、本発明に係るナトリウム−硫黄電池の故障検出方法は、上記ブロックの健全なストリングの数uoの値を判定することによって、ナトリウム−硫黄電池の故障を検出するので、例えば、自然エネルギー発電装置が発生する電力の変動補償用途に適用されるナトリウム−硫黄電池の故障を検出する手段として、好適である。
図1は、ナトリウム−硫黄電池(モジュール)の一例を示す回路図である。 図2は、ナトリウム−硫黄電池の絶対深度と電圧との関係を示すグラフである。 図3は、ナトリウム−硫黄電池の経年劣化の様子を表した概念図であり、時間経過(下方向)とともに残留容量が増加する様子を表す図である。 図4は、単相域において充放電終了の後における、30分休止OCVと、2時間休止OCVと、の関係を示すグラフである。 図5は、充放電終了時の温度と、単相域において充放電終了の後における(2時間休止OCV−30分休止OCV)の値と、の関係を示すグラフである。 図6は、充放電終了時の充放電電流と、単相域において充放電終了の後における(2時間休止OCV−30分休止OCV)の値と、の関係を示すグラフである。 図7は、残留容量[Ah]と等価サイクル[サイクル]との関係を示すグラフである。
以下、本発明について、適宜、図面を参酌しながら、実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではない。本発明の要旨を損なわない範囲で、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良、置換を加え得るものである。例えば、図面は、好適な本発明の実施の形態を表すものであるが、本発明は図面に表される態様や図面に示される情報により制限されない。本発明を実施し又は検証する上では、本明細書中に記述されたものと同様の手段若しくは均等な手段が適用され得るが、好適な手段は、以下に記述される手段である。
先ず、図1〜図3を参酌して、ナトリウム−硫黄電池の構成、用途を例示するとともに、一般的な原理、動作について、説明する。図1は、ナトリウム−硫黄電池(モジュール)の一例を示す回路図である。図2は、ナトリウム−硫黄電池の絶対深度と電圧との関係を示すグラフである。図3は、ナトリウム−硫黄電池の経年劣化の様子を表した概念図である。
ナトリウム−硫黄電池3は、図1に示されるモジュール34によって構成される。そして、そのモジュール34はブロック33を複数(n個)直列に接続して構成され、そのブロック33はストリング32を複数(u個)並列に接続して構成され、そのストリング32は複数(s個)の単電池31を直列に接続して構成される。
単電池31は、陰極活物質である溶融金属ナトリウムと、陽極活物質である溶融硫黄とを、ナトリウムイオンに対して選択的な透過性を有するベータアルミナ固体電解質で隔離してなるものであり、ナトリウム−硫黄電池は、280〜350℃程度(300℃前後)で運転される高温二次電池である。放電においては、溶融ナトリウムが電子を放出してナトリウムイオンとなり、これが固体電解質管を透過して陽極側に移動し、硫黄及び外部回路を通ってきた電子と反応して多硫化ナトリウムを生成し、単電池31で2V程度の電圧を発生させる。充電においては、放電とは逆に、ナトリウム及び硫黄の生成反応が起こる。ナトリウム−硫黄電池の運転サイクルは、例えば負荷平準化用途においては、これら放電及び充電からなるサイクルを、休止を挟んで繰り返す。
図2に示されるように、ナトリウム−硫黄電池の作動中の電圧(例えばブロック電圧)は、充電末近傍を除き、十分に充電された状態では、概ね一定である。電圧は、充電末近傍になると明確に上昇し、放電が進むと硫黄のモル比が減少して、明確に下降する。ナトリウム−硫黄電池において、正極に生成する多硫化ナトリウムの組成は、絶対深度に関係して変化する。この組成の変化はNaのxの値で捉えられる。十分に充電されている状態では、正極はSとNaが共存する2相域となる。2相域では一定の電気化学反応が続き、充電末近傍では、内部抵抗の増加に伴って上昇するものの、それ以外は、電圧が一定である(図2における絶対深度と電圧との関係がフラットな領域)。放電が進むと単体のSはなくなり、Na(x<5)の単相域となる(図2における絶対深度と電圧との関係が下降する領域)。単相域では放電の進行に伴って硫黄のモル比が減少(xが減少)して電圧が概ね直線的に低下する。更に放電を進め、x=3以下になると、融点の高い固相(Na)が生成して、それ以上の放電は不可能である。
ナトリウム−硫黄電池では、図3に示されるように、他の多くの二次電池と同様に、その製品容量(絶対容量、定格容量)は一定である。しかし、新品時から多少の残留容量があって製品容量の100%を充電出来るわけではなく、時間経過とともに、充電出来ない(経年)残留容量は増加する。そのため、ナトリウム−硫黄電池の設計においては、使用可能容量に対し裕度を考慮し、残留容量が増加する分は、裕度で補い、最終年(期待寿命)まで使用可能容量を確保する。それぞれの年の裕度は、最終年の残留容量(裕度0(なし))から、それぞれの年の残留容量を引いた容量で表される。図3に示されるように、製品容量=使用可能容量+残留容量+裕度、である。そして、本発明にいう使用容量は、使用可能容量の範囲の中において、充電、放電の状況で定まる容量である。
次に、本発明に係るナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法について、図1に示されるナトリウム−硫黄電池3の場合を例にとって、説明する。尚、ナトリウム−硫黄電池3におけるモジュール34を構成するブロック33の数(直列数)は4、そのブロック33を構成するストリング32の数(並列数)は12、そのストリング32を構成する単電池31の数(直列数)は8、とする。
本発明に係るナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法では、ナトリウム−硫黄電池の対象ブロック(一のブロック)の健全なストリングの数uoを、次の(1’)式によって求める。
uo = (Qs/Qo)×us ・・・(1’)
Qs :基準ブロックの使用容量[Ah]
Qo :対象ブロックの使用容量[Ah]
us :基準ブロックの健全ストリング数(初期値:12)
usは、モジュール内のブロックのうち電圧が最も高いブロック(基準ブロック)の健全ストリング数であり、一回前に算出された健全ストリング数である。初期値は12(単電池が故障しているストリングは存在しない)であり、基準ブロックが代わらない限り、12である。但し、単電池の故障が発生して基準ブロックが代われば、新たな基準ブロックの健全ストリング数は12未満の数値であり、これは、一回前に、(基準ブロックではなく)対象ブロックとして算出された健全ストリング数である。
そして、対象ブロックの健全なストリングの数uoの値が、例えば、故障判定値10以下となったら、ナトリウム−硫黄電池3が故障したと判定する。換言すれば、例えば、健全な(正常な)ストリング32の数(並列数)が全12のうち10(列)以下となったら、ナトリウム−硫黄電池の故障が検出された、とする。
尚、本発明に係るナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法では、対象ブロックの健全なストリングの数uoを、基準ブロックの使用容量Qsと、対象ブロックの使用容量Qoと、の比に基づいて求めるので、対象ブロックの健全なストリングの数uoは、必ずしも自然数にならない。故障判定値についても、10.5、9.8等の小数点以下を含む実数で設定することが出来る。
又、(1’)式における基準ブロックの使用容量Qsは、充放電終了後の単相域であるときに、次の(2)式によって、算出される。
Qs = Qsn−Qsc ・・・(2)
Qsn:基準ブロック絶対深度[Ah]
Qsc:基準ブロック残留容量[Ah]
(2)式における基準ブロック絶対深度Qsn[Ah]は、次の(3’)式で求められる。(3’)式において、usは、基準ブロックを構成する健全なストリング32の数(初期値:12)である。
Qsn = us×f1(Vs(0.5,T,Icd))・・・(3’)
f1(Vs(0.5,T,Icd)):電圧が最も高い(基準)ブロック33の電圧Vs[V]を基に、そのブロック33の絶対深度[Ah]を求める変換関数(電圧[V]は単相域において充放電終了の30分(0.5時間)経過後に計測された不安定な開路電圧[V]を基に、安定した開路電圧[V]に変換し、更に充放電終了時の温度T[℃]及び充放電終了時の充放電電流Icd[A]により補正されたものとする)
ナトリウム−硫黄電池3は、放電終了の後、2〜4時間経過すれば、電圧が安定するので、ブロックの、その時点の(真の)放電末開路電圧を測定して、絶対深度を計算することは容易である。しかし、とりわけ自然エネルギー発電装置が発生する電力の変動補償等の用途では、それだけの長い時間、停止しておくことは困難である、そのため、本発明に係るナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法では、充放電終了の後に、ナトリウム−硫黄電池が示す過渡電圧に基づいて、(真の、安定した)放電末開路電圧を求める手段を用いる。このことは、後述する対象ブロック絶対深度Qonを求める場合も、同様である。
具体的には、モジュール34内のブロック33の電圧は、単相域(図2を参照)において充放電終了の後、(例えば)30分(=t時間)経過後のブロック33の開路電圧[V](不安定な開路電圧)を計測する。このときの開路電圧を30分休止OCV(Open Circuit Voltage、開路電圧)と呼ぶ。そして、この30分休止OCVを、例えば2時間経過後のブロック33の開路電圧[V](安定した開路電圧)に変換する。この開路電圧を2時間休止OCVと呼び、これを(温度及び充放電電流による補正前の)真の開路電圧の値と考える。
変換は、図4に示される関係によって行うことが出来る。図4中に示される式(y=1.1553x−0.2667)において、xが30分休止OCVであり、yが2時間休止OCV(補正前の真の開路電圧)である。尚、この図4では、縦軸と横軸の数値から明らかなように、2時間休止OCV及び30分休止OCVは、何れも単電池のOCVとして表されている。図4中に示される式(変換式)がブロックのOCVにも適用可能であることはいうまでもない。
そして、ブロック33の真の開路電圧の値を求めるために、更に、充放電終了時の温度T[℃]及び充放電電流Icd[A]によって補正をする。補正は、図5及び図6に示されるように、(2時間休止OCV−30分休止OCV)[V]の値と、温度[℃]及び充放電電流[A]とが、一定の関係を有することに基づき、行うことが出来る。(2時間休止OCV−30分休止OCV)[V]は、補正値(補正すべき値)であり、補正対象は、30分休止OCVに基づいて求めた2時間休止OCV(補正前、単電池OCV)[V]である。
図5中に示される式(y=−0.000334x+0.126763)において、xが温度であり、yが(2時間休止OCV−30分休止OCV)である。図5より、例えば、温度が10℃上昇すると、概ね−0.004V(−4mV)の補正を要する。
図6中に示される式(y=0.000174x+0.004195)において、xが充放電電流であり、yが(2時間休止OCV−30分休止OCV)である。図6より、例えば、充放電電流が10A大きくなると、概ね+0.003V(3mV)の補正を要する。
尚、本発明に係るナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法における充放電電流Icdによる補正では、放電電流の向きを正、充電電流の向きを負、とする。正の電流値を横軸に示す図6は、実質的に放電電流を示している。充電電流の場合には電流値は負の値となり、これは図6には示されていない。しかし、充放電電流と(2時間休止OCV−30分休止OCV)との関係は、充電電流の場合も同じ(y=0.000174x+0.004195)であり、単相域に入る程度まで放電した状態であれば、直前に充電を行っていても、充放電電流Icd[A]による補正を行うことが可能である。
上記のようにして、モジュール34に存在する各ブロック33の電圧を求めて、その中から電圧が最も高いブロック33を求める。そして、その電圧が最も高いブロック33の電圧[V]を絶対深度[Ah]に変換する。単相域で計測された電圧であるから、この電圧[V]は絶対深度[Ah]に変換可能である(図2を参照)。そして、得られる絶対深度(容量)は、ブロック33の電圧に基づいているから、1つのストリング32の容量に等しい。そこで、この絶対深度にストリング32の数であるusを掛ければ、最高電圧のブロック33の絶対深度が求まる。これが基準ブロック絶対深度Qsn[Ah]である。
(2)式における基準ブロック残留容量Qscは、次の(4)式によって求められる。
Qsc= f2(Cs) ・・・(4)
f2(Cs):現在の基準ブロックの等価サイクルCsを基に、現在の基準ブロック残留容量Qscを求める変換関数
図7は、残留容量[Ah]と等価サイクル(サイクル数)[サイクル]との関係を示すグラフであり、放電を繰り返すことによって(経年によって)、残留容量が増加することが表されている。この図7における残留容量は、単電池の残留容量であるが、ブロックの残留容量は、この単電池の残留容量から換算して求めることが出来る。従って、図7によれば、現在の基準ブロックの等価サイクル(Cs)に基づいて、現在の基準ブロック残留容量(Qsc)が求まる。
同様にして、以下の通り、対象ブロック絶対深度Qon、対象ブロック残留容量Qocが求められ、上記(1’)式における対象ブロックの使用容量Qoは、充放電終了後の単相域であるときに、次の(5)式によって、算出される。
Qo = Qon−Qoc ・・・(5)
Qon:対象ブロック絶対深度[Ah]
Qoc:対象ブロック残留容量[Ah]
(5)式における対象ブロック絶対深度Qon[Ah]は、次の(6’)式で求められる。(6’)式において、usは、基準ブロックを構成する健全なストリング32の数(初期値:12)である。
Qon = us×f3(Vo(0.5,T,Icd))・・・(6’)
f3(Vo(0.5,T,Icd)):健全なストリングの数を求めようとする(対象)ブロック33の電圧Vo[V]を基に、そのブロック33の絶対深度を求める変換関数(電圧[V]は単相域において充放電終了の30分(0.5時間)経過後に計測された不安定な開路電圧[V]を基に、安定した開路電圧[V]に変換し、更に充放電終了時の温度T[℃]及び充放電終了時の充放電電流Icd[A]により補正されたものとする)
図4を用いた、30分休止OCVから2時間休止OCVへの変換と、図5を用いた温度Tに基づく補正と、図6を用いた充放電電流Icdに基づく補正は、既述の、基準ブロック絶対深度を求める場合と、同様である(説明を省略する)。
以上のようにして、対象ブロックの電圧を求め、その電圧[V]を絶対深度[Ah]に変換する。単相域で計測された電圧であるから、この電圧[V]は絶対深度[Ah]に変換可能である(図2を参照)。そして、得られる絶対深度(容量)は、ブロック33の電圧に基づいているから、1つのストリング32の容量に等しい。そこで、この絶対深度にストリング32の数である12を掛ければ、健全なストリングの数を求めようとするブロック33の絶対深度[Ah]が求まる。これが対象ブロック絶対深度Qon[Ah]である。
(5)式における対象ブロック残留容量Qocは、次の(7)式によって求められる。
Qoc= f4(Co) ・・・(7)
f4(Co):現在の対象ブロックの等価サイクルCoを基に、現在の対象ブロック残留容量Qocを求める変換関数
既述の基準ブロック残留容量(Qsc)を求める場合と同様にして、図7によって、現在の対象ブロックの等価サイクル(Co)に基づいて、現在の対象ブロック残留容量(Qoc)を求めることが出来る。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)4つのブロックA1、B1、C1、D1で構成されているナトリウム−硫黄電池(モジュール)を使用した。各ブロックは12のストリングで構成され、そのストリングは8の単電池で構成されている。(基準ブロックの)健全ストリング数の初期値は12である。
使用開始後、241サイクルを経たところで、放電終了後30分経過時の、各ブロックの開路電圧(30分休止OCV)を測定した。そうすると、ブロックA1の電圧が最も高かったので、これを基準ブロックとした。そして、各ブロックの(未だ不安定な)電圧から、安定した電圧(2時間休止OCV)へ変換し、更に、温度補正と充放電電流による補正を施し、補正後の電圧値から、各ブロックの絶対深度を求めた((3)、(6)式を参照)。又、図7により、241サイクルに基づく単電池の残留容量を求め、それから換算して、ブロックの残留容量を求めたところ、556Ahであった((4)、(7)式を参照)。そして、各ブロックの絶対深度から、そのブロックの残留容量を減じて、各ブロックの使用容量を求めた((2)、(5)式を参照)。
得られた各ブロックの使用容量に基づいて、(1)式により、基準ブロックA1以外の、ブロックB1、C1、D1の健全ストリング数を算出した。結果を、ブロック及び換算した単電池の30分休止OCV、ブロックの絶対深度、ブロックの使用容量とともに、表1に示す。
Figure 0005684117
ここで、故障判定値を10とすれば、表1に示される結果より、健全なストリングの数が10以下のブロックはないから、ナトリウム−硫黄電池は故障していない(故障は検出されない)と判定することが出来る。
(実施例2)4つのブロックA2、B2、C2、D2で構成されているナトリウム−硫黄電池(モジュール)を使用した。各ブロックは12のストリングで構成され、そのストリングは8の単電池で構成されている。(基準ブロックの)健全ストリング数の初期値は12である。
使用開始後、241サイクルを経たところで、放電終了後30分経過時の、各ブロックの開路電圧(30分休止OCV)を測定した。そうすると、ブロックA2の電圧が最も高かったので、これを基準ブロックとした。そして、各ブロックの(未だ不安定な)電圧から、安定した電圧(2時間休止OCV)へ変換し、更に、温度補正と充放電電流による補正を施し、補正後の電圧値から、各ブロックの絶対深度を求めた((3)、(6)式を参照)。又、図7により、241サイクルに基づく単電池の残留容量を求め、それから換算して、ブロックの残留容量を求めたところ、556Ahであった((4)、(7)式を参照)。そして、各ブロックの絶対深度から、そのブロックの残留容量を減じて、各ブロックの使用容量を求めた((2)、(5)式を参照)。
得られた各ブロックの使用容量に基づいて、(1)式により、基準ブロックA2以外の、ブロックB2、C2、D2の健全ストリング数を算出した。結果を、ブロック及び換算した単電池の30分休止OCV、ブロックの絶対深度、ブロックの使用容量とともに、表2に示す。
Figure 0005684117
ここで、故障判定値を10とすれば、表2に示される結果より、ブロックC2の健全なストリングの数は10以下になっているから、ナトリウム−硫黄電池は故障した(故障を検出した)と判定することが出来る。
本発明に係るナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法及びそれを用いた故障検出方法は、負荷平準化、瞬低対策、又は自然エネルギー発電装置が発生する電力の変動補償等の用途に用いられるナトリウム−硫黄電池の状態を把握し、その故障を判断する手段として、好適に利用することが出来る。
3:ナトリウム−硫黄電池
31:単電池
32:ストリング
33:ブロック
34:モジュール

Claims (4)

  1. 複数であるs個の単電池を直列に接続してストリングを構成し、そのストリングを、複数であるu個、並列に接続してブロックを構成し、そのブロックを、複数であるn個、直列に接続して構成されるナトリウム−硫黄電池における一の前記ブロックの健全な前記ストリングの数uoを、次の(1)式によって求めるナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法。
    uo = (Qs/Qo)×us ・・・(1)
    Qs :基準ブロックの使用容量
    Qo :対象ブロックの使用容量
    us :基準ブロックの健全ストリング数(us≦u)
  2. 前記基準ブロックの使用容量Qs及び対象ブロックの使用容量Qoのそれぞれを、充放電終了後の単相域であるときに、次の(2)、(5)式によって、算出する請求項1に記載のナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法。
    Qs = Qsn−Qsc ・・・(2)
    Qsn:基準ブロック絶対深度
    Qsc:基準ブロック残留容量
    Qsn = us×f1(Vs(t,T,Icd))・・・(3)
    f1(Vs(t,T,Icd)):電圧が最も高いブロックの電圧Vsを基に、そのブロックの絶対深度を求める変換関数(電圧は単相域において充放電終了のt時間経過後に計測された不安定な開路電圧を基に、安定した開路電圧に変換し、更に充放電終了時の温度T及び充放電終了時の充放電電流Icdにより補正されたものとする)
    Qsc= f2(Cs) ・・・(4)
    f2(Cs):現在の基準ブロックの等価サイクルCsを基に、現在の基準ブロック残留容量Qscを求める変換関数
    Qo = Qon−Qoc ・・・(5)
    Qon:対象ブロック絶対深度
    Qoc:対象ブロック残留容量
    Qon = us×f3(Vo(t,T,Icd))・・・(6)
    f3(Vo(t,T,Icd)):健全なストリングの数を求めようとするブロックの電圧Voを基に、そのブロックの絶対深度を求める変換関数(電圧は単相域において充放電終了のt時間経過後に計測された不安定な開路電圧を基に、安定した開路電圧に変換し、更に充放電終了時の温度T及び充放電終了時の充放電電流Icdにより補正されたものとする)
    Qoc= f4(Co) ・・・(7)
    f4(Co):現在の対象ブロックの等価サイクルCoを基に、現在の対象ブロック残留容量Qocを求める変換関数
  3. 請求項1又は2に記載のナトリウム−硫黄電池の健全ストリング数算出方法を用い、前記ブロックの健全なストリングの数uoが予め設けた故障判定値以下となったことをもって、ナトリウム−硫黄電池の故障を検出するナトリウム−硫黄電池の故障検出方法。
  4. 故障検出対象であるナトリウム−硫黄電池が、出力変動する発電装置と電力貯蔵補償装置とを組み合わせて電力系統へ電力を供給する連系システムにおいて前記電力貯蔵補償装置を構成し前記発電装置の出力変動を補償する、ナトリウム−硫黄電池である請求項3に記載のナトリウム−硫黄電池の故障検出方法。
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