JP5288463B2 - ナトリウム−硫黄電池の充電方法 - Google Patents

ナトリウム−硫黄電池の充電方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5288463B2
JP5288463B2 JP2008278653A JP2008278653A JP5288463B2 JP 5288463 B2 JP5288463 B2 JP 5288463B2 JP 2008278653 A JP2008278653 A JP 2008278653A JP 2008278653 A JP2008278653 A JP 2008278653A JP 5288463 B2 JP5288463 B2 JP 5288463B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
charging
sodium
charge
battery
power
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008278653A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010108717A (ja
Inventor
杉原  淳
一人 古田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP2008278653A priority Critical patent/JP5288463B2/ja
Publication of JP2010108717A publication Critical patent/JP2010108717A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5288463B2 publication Critical patent/JP5288463B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

本発明は、ナトリウム−硫黄電池を充電する方法に関する。
ナトリウム−硫黄電池は、自己放電量小、高エネルギー密度、高出力で高速応答可能、メンテナンスフリーといった特長を有する高温二次電池であり、電力貯蔵システムの中心を担う電力貯蔵手段として、その普及が進んでいる。実用化されたナトリウム−硫黄電池は、所定数の単電池を直列に接続してストリングを構成し、所定数のストリングを並列に接続してブロックを構成し、このブロックを基本単位として、所定数のブロックを直列に接続した集合電池を、断熱容器に収容してなるものであり、作動時の電池温度は高温である。
このようなナトリウム−硫黄電池は、例えば、負荷平準化用途に使用される場合には、深夜に充電し昼間に放電する、といった充放電サイクルを、毎日、繰り返すように制御され、運転される。この場合、電池温度の変化もパターン化され、急な変動は生じ難いが、昼間の放電容量を確保するために、夜間に、単電池が故障しない程度の放電深度まで、十分に充電する必要がある。
しかし、充電量を多くしようとして、充電末カット電圧(充電を打切る基準電圧)を高めると、特定の単電池に電圧が集中して単電池が過電圧により故障するおそれがある。反対に、充電カット電圧を低く設定すると、未充電量が増加して、高エネルギー密度というナトリウム−硫黄電池の特長が生かせない。
これに対し、例えば、特許文献1では、第1段階で充電を行って所定電圧に達した後、第2段階で第1段階の充電電流よりも低い電流を通電して更に充電を行う充電方法が提案されている。又、特許文献2では、多段階に分けて充電を行い、電池電圧が各段階で所定電圧に達した後、各段階では一定の充電電力を、段階毎に徐々に低くしていく充電方法が開示されている。
特許第2878584号公報 特許第3505116号公報 特開2008−084677号公報
このような背景の下、近年になり、ナトリウム−硫黄電池は、風力、太陽光、地熱等から電力を作り出す自然エネルギー発電装置の出力の変動を補償する目的で使用されるようになってきている。ナトリウム−硫黄電池は、既述のように、エネルギー密度が高く、短時間で高出力が可能であり、高速応答性に優れることから、このナトリウム−硫黄電池に、その充電及び放電を制御する双方向変換器を併設し、電力貯蔵システムを構築することによって、数百m秒〜数秒オーダーで起き得る自然エネルギー発電装置の出力の変動を、補償することが可能である。
ナトリウム−硫黄電池が、出力変動の大きな自然エネルギー発電装置と組み合わされて電力貯蔵システムを構成する場合(出力変動発電装置併設用途ともいう)に、自然エネルギー発電装置の発電量は、日々、ナトリウム−硫黄電池を充電末に到達させるほど多くはない場合がある。又、ナトリウム−硫黄電池が充電末に到達すると、その後の発電装置の変動を吸収することが出来ないことから、むしろ充電末に到達しないように充電することが好ましいということも出来る。
ところが、そうすると、負荷平準化用途では行うことが出来た、充電末における放電深度管理値のリセットが行えず、放電深度の積算誤差が累積して、放電深度の管理を精度よく行えなくなるおそれがあり、その結果として、自然エネルギー発電装置の出力の変動を補償することが出来ない場合がある(特許文献3を参照)。
そこで、特許文献3に示されるように、ナトリウム−硫黄電池を系列に分け、特定した系列のナトリウム−硫黄電池を、意図的に、例えば充電末に至らしめ、十分に充電をするとともに、放電深度管理値のリセットを行う提案がなされているが、出力変動発電装置併設用途では、充電末を経たのにも拘らず、想定した放電容量を確保出来ない場合があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、出力変動発電装置併設用途においても、ナトリウム−硫黄電池を、常に十分に充電し得る手段を提供することである。調査、研究が重ねられた結果、出力変動発電装置併設用途のナトリウム−硫黄電池においては、自然エネルギー発電装置の発電状態の急な変化に対応するための出力の急増等が生じたり、負荷平準化用途のようにパターン化された運転がなされないので充電末に近づいたときの電池温度がばらついたり、同じくパターン化された運転がなされず充放電が頻繁に繰り返しなされて電池内の化学的状態(2Na+xS←→Na)が負荷平準化用途とは異なるものとなり、これらによって一時的に急な内部抵抗の増大が生じ、電池電圧(ブロック電圧)が充電末カット電圧に達してしまい、十分な充電がなされていないのではないかと想到するに至った。そして、これを解決する以下の手段を見出し、本発明が完成した。
即ち、先ず、本発明によれば、S個の単電池を直列に接続してストリングを構成し、P列のストリングを並列に接続してブロックを構成し、そのブロックを基本単位として所定数のブロックを直列に接続したナトリウム−硫黄電池を、一定の充電電力で充電し、その充電中に、次の[A]又は[B]の条件が成立する場合には(1)式で求まる充電末カット電圧VH1(V)で充電末を判断し、[A]及び[B]の条件が成立しない場合には(2)式で求まる充電末カット電圧VH2(V)で充電末を判断するナトリウム−硫黄電池の充電方法が提供される。
VH1=(2.075+α)×S+|I|×(R+f(rI)) ・・・(1)
α :分極電圧(V)
|I|:充電電流(A)(絶対値)
rI :定格充電電流に対する、変動した充電電流の比率
f(rI):補正抵抗(Ω)
R :電池の内部抵抗(ブロックの抵抗)(Ω)
VH2=(2.075+α)×S+|I|×R ・・・(2)
[A]次の(3)式を満たす。
0.8Qd<Qc ・・・(3)
Qd :充電末を判断しようとするときから遡って24時間以内の積算放電電気量(Ah)
Qc :充電末を判断しようとするときから遡って24時間以内の積算充電電気量(Ah)
[B]次の(4)、(5)、(6)式を全て満たす。
I<Itd ・・・(4)
Itd<0 ・・・(5)
|Itd|/|I|>0.9 ・・・(6)
I :充電電流(測定値、(A))
Itd:1次遅れ要素を含む電流(計算値、(A))
充電中に充電末カット電圧VH1(又はVH2)で充電末を判断するとは、充電中の電池電圧(例えばブロック電圧)が充電末カット電圧VH1(又はVH2)に等しくなったことをもって充電末と判断することを意味する。即ち、充電中に電池の開路電圧は測定出来ないので、分極電圧と内部抵抗による電圧上昇分を考慮して、充電中の電池電圧によって、充電末を判断する。(2)式で求まる充電末カット電圧VH2は、特許文献1,2に開示されているように、従来、充電末の判断に利用されているものである。
本発明に係るナトリウム−硫黄電池の充電方法において、(1)式及び(2)式における2.075は、充電末の単電池の開放電圧であり、単位は(V、ボルト)である。分極電圧αは、充電末における内部抵抗の増加から求めた電圧であり、その値は、通常、0.02〜0.15(V)である。積算充電電気量(Ah)は、放電開始時にリセットするものとする。
本発明に係るナトリウム−硫黄電池の充電方法におけるVH1とVH2との違いは、(1)式で求まる充電末カット電圧VH1では、内部抵抗Rに、定格充電電流に対する(変動した)充電電流の比率rIの関数で求まる補正抵抗f(rI)を加算している点である。現に定格電流で充電しているならば、比率rIは1である。
本明細書において、電流は、放電電流を正の値、充電電流を負の値とする。換言すれば、電流は、充電の方向において負の値であり、放電の方向において正の値であり、充電電流は、(その充電の方向において)負の値である。
本発明に係るナトリウム−硫黄電池の充電方法は、一定の充電電力で充電し、その充電中に、上記[A]又は[B]の条件が成立する場合には上記(1)式で求まる充電末カット電圧VH1(V)で充電末を判断するが、この充電末は、現に用いた充電電力では、これ以上充電すると過充電になることを意味しており、充電電力を下げれば、充電を継続することは可能である。即ち、本発明に係るナトリウム−硫黄電池の充電方法は、ある一定の充電電力で充電中の充電末を判断する手段であるということが出来る。従って、本発明に係るナトリウム−硫黄電池の充電方法は、充電電力を変える充電方法である、例えば、充電特許文献1に開示された2段階充電方法や、特許文献2に開示された多段階充電方法に、適用することが可能である。
次に、本発明によれば、出力変動する発電装置と電力貯蔵補償装置とを組み合わせて電力系統へ電力を供給する連系システムにおいて電力貯蔵補償装置を構成し発電装置の出力変動を補償する複数のナトリウム−硫黄電池のうち、特定のナトリウム−硫黄電池を、出力変動を補償する役割から外し、上記したナトリウム−硫黄電池の充電方法によって充電を行って、充電末に至らしめるナトリウム−硫黄電池の運転方法が提供される。
本発明に係るナトリウム−硫黄電池の充電方法では、[A]又は[B]の条件が成立する場合に、充電末を判断する充電末カット電圧VH1を、従来の充電末カット電圧VH2より補正抵抗f(rI)の分だけ大きくしているので、充電中に、一時的で急な電池の内部抵抗の増大が生じても、電池電圧(ブロック電圧)の監視によって充電末を適切に判断することが可能であり、十分な充電量を確保することが出来る。従って、出力変動発電装置併設用途においても、想定した放電容量を確保することが出来、自然エネルギー発電装置の出力の変動を補償することが可能である。
本発明に係るナトリウム−硫黄電池の充電方法では、充電末を判断するに際し、従来の充電末カット電圧VH2より補正抵抗f(rI)の分だけ大きな充電末カット電圧VH1を採用するのは、[A]又は[B]の条件が成立する場合だけであるので、充電中に、一時的で急な電池の内部抵抗の増大が生じない場合に、過充電がなされるおそれはなく、従来通り、電池電圧(ブロック電圧)を充電末カット電圧VH2と比較して、充電末を判断することが可能である。
即ち、本発明に係るナトリウム−硫黄電池の充電方法では、[A]又は[B]の条件が成立する場合に、一時的で急な電池の内部抵抗の増大が生じるものと条件付けている。これは、ナトリウム−硫黄電池の運転データの解析によって導かれた本発明の要件であり、一時的で急な電池の内部抵抗の増大が生じる原因は定かではないが、特に出力変動発電装置併設用途のナトリウム−硫黄電池において、(a)自然エネルギー発電装置の発電状態の急な変化に対応するための出力の急増等が生じる、(b)負荷平準化用途のようにパターン化された運転がなされないので充電末に近づいたときの電池温度がばらつく、(c)充放電が頻繁に繰り返しなされて電池内の化学的状態(2Na+xS←→Na)が負荷平準化用途とは異なるものとなる、といった現象が起こり、これらが一時的で急な内部抵抗の増大原因になっていると推定される。
以下、本発明について、適宜、図面を参酌しながら、実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではない。本発明の要旨を損なわない範囲で、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良、置換を加え得るものである。例えば、図面は、好適な本発明の実施の形態を表すものであるが、本発明は図面に表される態様や図面に示される情報により制限されない。本発明を実施し又は検証する上では、本明細書中に記述されたものと同様の手段若しくは均等な手段が適用され得るが、好適な手段は、以下に記述される手段である。
先ず、図1及び図2を参酌して、ナトリウム−硫黄電池の構成、用途を例示し、動作について説明する。図1は、ナトリウム−硫黄電池の基本単位であるブロックの一例を示す回路図である。図2は、ナトリウム−硫黄電池を主構成機器とする電力貯蔵補償装置と、出力が変動する発電装置と、を有する連系システムの一例を表すシステム構成図である。
ナトリウム−硫黄電池3は、単電池をS個直列に接続してストリングを構成し、このストリングをP列並列に接続してブロックを構成し、そのブロックを基本単位として、所定数を直列に接続した集合電池を断熱容器内に収容し、280〜360℃の高温で作動させるものである。
電力を貯蔵し出力することが可能な二次電池であるナトリウム−硫黄電池3は、例えば図2に示される連系システム8における電力貯蔵補償装置5を構成する。連系システム8は、風の力を風車の回転に変え発電機を回す複数の風力発電装置7(自然エネルギー発電装置)と、複数の電力貯蔵補償装置5と、を有し、その電力貯蔵補償装置5には、ナトリウム−硫黄電池3の他に、直流/交流変換機能を有する双方向変換器4と、変圧器9と、が備わる。双方向変換器4は、例えばチョッパとインバータあるいはインバータから構成することが出来る。
連系システム8では、電力貯蔵補償装置5のナトリウム−硫黄電池3が放電を行い、その放電による電力計42で測定される電力Pが、風力発電装置7により発電され出力された電力(電力計43で測定される電力P)の変動を補償する。その結果、連系システム8全体としての合成出力(電力計41で測定される電力P)は、P=P+P=一定(P=P−P)となる。換言すれば、そうなるように、ナトリウム−硫黄電池3の充放電(即ち電力P)を制御し、連系システム8全体の合成出力(電力P)を安定させて、例えば配電変電所と電力需要家間の電力系統1に供給する。
ナトリウム−硫黄電池3を放電する場合、充電する場合の何れの場合も、電力貯蔵補償装置5において、風力発電装置7からの出力(電力P)に基づき、その出力を補償する電力を入力又は出力させるように、双方向変換器4の(電池出力)制御目標値を変更することによってナトリウム−硫黄電池3を充電又は放電させ、風力発電装置7の出力変動を吸収することが出来る。電力貯蔵補償装置5を構成するナトリウム−硫黄電池3の放電深度が正確に管理出来なくなると、風力発電装置7の出力を補償出来なくなってしまうため、ナトリウム−硫黄電池3の放電深度を正確に管理する必要がある。
次に、引き続き図1及び図2を参酌して、本発明に係るナトリウム−硫黄電池の運転方法について説明する。複数の風力発電装置7と、複数の電力貯蔵補償装置5と、を組み合わせて電力系統1へ電力を供給する連系システム8において、複数の電力貯蔵補償装置5を構成する複数のナトリウム−硫黄電池3は、通常、自らの放電深度を正確に管理し、風力発電装置7の出力変動を補償するため、充放電を繰り返す動作をする。
しかし、放電深度は、制御機器において電流値の加減による積算で管理されるため、充放電を繰り返していると誤差が累積して、放電深度を正確に管理出来なくなる。
そこで、No.1〜No.qの電力貯蔵補償装置5に備わるナトリウム−硫黄電池3のうち、特定のナトリウム−硫黄電池3(電力貯蔵補償装置5)を、出力変動を補償する役割から外し、充電を継続させる。そして、充電末を判断すべき充電末カット電圧(単にカット電圧ともいう)まで、電池電圧を至らしめるが、この際に、後述する本発明に係るナトリウム−硫黄電池の充電方法を適用する。そして、適切に充電末に到達させ、そこで放電深度の管理値を0(Ah)にリセットする。
放電深度の管理値をリセットしたナトリウム−硫黄電池3には、再び、風力発電装置7の出力変動を補償するため、充放電を繰り返す動作をさせる。放電深度が正確に管理されているため、突然に、充電末又は放電末になることはあり得ず、常に風力発電装置7の出力を補償することが可能である。
次に、本発明に係るナトリウム−硫黄電池の充電方法について説明する。図3A及び図3Bは、本発明に係るナトリウム−硫黄電池の充電方法の一実施形態を示すグラフであり、充電末における電池電圧の経時的変化を示している。図3Aは一時的で急な内部抵抗の増大が起こらない場合、図3Bは一時的で急な内部抵抗の増大が起こる(起こった)場合、をそれぞれ表している。
ナトリウム−硫黄電池の充電動作においては、例えば、ブロック電圧Vb(図1を参照)を監視して、充電時の充電末カット電圧との比較により、充電末を判断する。ナトリウム−硫黄電池の充電を継続し、充電末に近づくと、内部抵抗の上昇に伴って、電池電圧(ブロック電圧Vb)は上昇するが、一時的で急な内部抵抗の増大が起こらない場合には、一時的で急な電池電圧の増大も起こらず(図3Aを参照)、この場合の充電末カット電圧VH2は、次の(2)式で規定される。
VH2=(2.075+α)×S+|I|×R ・・・(2)
一方、充電末に近づいたときに、一時的で急な内部抵抗の増大が起こる場合には、それによって一時的で急な電池電圧の増大が起こり(図3Bを参照)、この場合には、(2)式における内部抵抗Rに、定格電流(定格充電電流)に対する(変動した)充電電流の比率rIの関数で求まる補正抵抗f(rI)を加算し、充電末カット電圧VH2より大きな充電末カット電圧VH1で充電末を判断する。充電末カット電圧VH1は、次の(1)式で規定される。
VH1=(2.075+α)×S+|I|×(R+f(rI)) ・・・(1)
補正抵抗f(rI)は、定格電流(定格充電電流)に対する(変動した)充電電流の比率rIの関数として求められる。図4は、補正抵抗f(rI)の値を求めるための図であり、定格充電電流に対する(現在の)変動した充電電流の比率(比率rI)と、電池の内部抵抗に対する加算すべき補正抵抗の比率と、の関係を表すグラフである。ここでいう電池の内部抵抗は、一時的で急な内部抵抗の増大が起こらない場合の電池の内部抵抗Rであり、補正抵抗は補正抵抗f(rI)である。図4に示されるように、x軸で表される前者(比率rI)を比率xとし、y軸で表される後者を比率yとしたとき、両者は比例関係にあり、y=0.158xで表される。例えば、定格電流に対し80%の電流で充電する場合には、(加算すべき)補正抵抗f(rI)は内部抵抗Rの12.6%(=0.158×80%)となる。尚、補正抵抗f(rI)は、経年劣化に伴って上昇する内部抵抗Rの半値を上限値とすることが望ましい。即ち、f(rI)/R≦0.5であることが望ましい。
電池の充放電状態から、一時的で急な内部抵抗の増大が起こる場合を判断することが出来る。それは、充電末を判断しようとするときから遡って24時間以内の積算放電電気量Qd(Ah)と、充電末を判断しようとするときから遡って24時間以内の積算充電電気量Qc(Ah)とが、次の(3)式を満たす場合である。これは、充放電が頻繁に繰り返しなされた結果として形成された電池内の化学的状態(2Na+xS←→Na)に基づくものと考えられる。
0.8Qd<Qc ・・・(3)
又、充電電流の変動から、電池電圧(ブロック電圧Vb)が如何に変化しているかを捉えて、これが一時的で急な増大を生じている場合に、充電末カット電圧VH1で充電末を判断することが出来る。具体的には、充電電流I(A)を測定し、これから1次遅れ要素を含む電流Itd(A)を求め、次の(4)、(5)、(6)式を全て満たす場合に、充電末カット電圧VH1で充電末を判断する。
I<Itd ・・・(4)
Itd<0 ・・・(5)
|Itd|/|I|>0.9 ・・・(6)
電流Itd(A)を求める際の、1次遅れ要素における時定数として、電流変動時における変動量に対し63.2%に到達する時間を設定することが出来る。これは、立ち上がり(0%)時の傾斜のまま最終点(100%)まで到達したと仮定した時間で時定数を表現したとき、一般的に一次遅れの計算式から時定数に相当する時間経過したときの値を求めると、63.2%になるからである。電流変動時における変動量に対し63.2%に到達する時間(時定数)は、例えば1000〜1200秒とすることが好ましく、より好ましい時間(時定数)は1100秒である。
本発明に係るナトリウム−硫黄電池の充電方法は、風力、太陽光、地熱等の自然エネルギーを用いた、出力が変動する発電装置と、電力貯蔵補償装置と、を組み合わせて電力系統へ電力を供給する連系システムにおいて、上記電力貯蔵補償装置を構成するナトリウム−硫黄電池を充電する方法として利用することが出来る。
ナトリウム−硫黄電池の基本単位であるブロックの一例を示す回路図である。 ナトリウム−硫黄電池を主構成機器とする電力貯蔵補償装置と、出力が変動する発電装置と、を有する連系システムの一例を表すシステム構成図である。 本発明に係るナトリウム−硫黄電池の充電方法の一実施形態を示す図であり、一時的で急な内部抵抗の増大が起こらない場合の、充電末における電池電圧の経時的変化を表したグラフである。 本発明に係るナトリウム−硫黄電池の充電方法の一実施形態を示す図であり、一時的で急な内部抵抗の増大が起こる場合の、充電末における電池電圧の経時的変化を表したグラフである。 一時的で急な内部抵抗の増大が起こる場合における補正抵抗f(rI)の値を求めるための図であり、定格充電電流に対する(現在の)変動した充電電流の比率と、(一時的で急な内部抵抗の増大が起こらない場合の)電池の内部抵抗に対する加算すべき補正抵抗の比率と、の関係を表すグラフである。
符号の説明
1 電力系統
3 ナトリウム−硫黄電池
4 双方向変換器
5 電力貯蔵補償装置
7 風力発電装置
8 連系システム
9 変圧器
41,42,43 電力計

Claims (2)

  1. S個の単電池を直列に接続してストリングを構成し、P列の前記ストリングを並列に接続してブロックを構成し、そのブロックを基本単位として所定数のブロックを直列に接続したナトリウム−硫黄電池を、一定の充電電力で充電し、その充電中に、次の[A]又は[B]の条件が成立する場合には(1)式で求まる充電末カット電圧VH1で充電末を判断し、[A]及び[B]の条件が成立しない場合には(2)式で求まる充電末カット電圧VH2で充電末を判断するナトリウム−硫黄電池の充電方法。
    VH1=(2.075+α)×S+|I|×(R+f(rI)) ・・・(1)
    α :分極電圧
    |I|:充電電流(絶対値)
    rI :定格充電電流に対する、変動した充電電流の比率
    f(rI):補正抵抗
    R :電池の内部抵抗(ブロックの抵抗)
    VH2=(2.075+α)×S+|I|×R ・・・(2)
    [A]次の(3)式を満たす。
    0.8Qd<Qc ・・・(3)
    Qd :充電末を判断しようとするときから遡って24時間以内の積算放電電気量(Ah)
    Qc :充電末を判断しようとするときから遡って24時間以内の積算充電電気量(Ah)
    [B]次の(4)、(5)、(6)式を全て満たす。
    I<Itd ・・・(4)
    Itd<0 ・・・(5)
    |Itd|/|I|>0.9 ・・・(6)
    I :充電電流(測定値)
    Itd:1次遅れ要素を含む電流(計算値)
  2. 出力変動する発電装置と電力貯蔵補償装置とを組み合わせて電力系統へ電力を供給する連系システムにおいて前記電力貯蔵補償装置を構成し前記発電装置の出力変動を補償する複数のナトリウム−硫黄電池のうち、特定のナトリウム−硫黄電池を、前記出力変動を補償する役割から外し、請求項1に記載のナトリウム−硫黄電池の充電方法によって充電を行って、充電末に至らしめるナトリウム−硫黄電池の運転方法。
JP2008278653A 2008-10-29 2008-10-29 ナトリウム−硫黄電池の充電方法 Expired - Fee Related JP5288463B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008278653A JP5288463B2 (ja) 2008-10-29 2008-10-29 ナトリウム−硫黄電池の充電方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008278653A JP5288463B2 (ja) 2008-10-29 2008-10-29 ナトリウム−硫黄電池の充電方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010108717A JP2010108717A (ja) 2010-05-13
JP5288463B2 true JP5288463B2 (ja) 2013-09-11

Family

ID=42297974

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008278653A Expired - Fee Related JP5288463B2 (ja) 2008-10-29 2008-10-29 ナトリウム−硫黄電池の充電方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5288463B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3495606B2 (ja) * 1998-08-25 2004-02-09 日本電信電話株式会社 ナトリウム硫黄電池を用いた電力貯蔵システムおよびその充放電制御方法
JP3505111B2 (ja) * 1998-10-07 2004-03-08 日本碍子株式会社 ナトリウム−硫黄電池の運転方法
JP3505116B2 (ja) * 1999-11-04 2004-03-08 日本碍子株式会社 ナトリウム−硫黄電池の充電方法
JP5073258B2 (ja) * 2006-09-27 2012-11-14 日本碍子株式会社 ナトリウム−硫黄電池の制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010108717A (ja) 2010-05-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11855250B2 (en) Systems and methods for series battery charging
KR101463115B1 (ko) 배터리 팩, 배터리 팩의 전압 측정 방법 및 이를 포함하는 에너지 저장 시스템
CN108012538B (zh) 混合能量存储
US9865901B2 (en) Battery system and method for connecting a battery to the battery system
Ota et al. Autonomous distributed V2G (vehicle-to-grid) considering charging request and battery condition
US8837182B2 (en) Apparatus and method for tracking maximum power point and method of operating grid-tied power storage system using the same
JP5073258B2 (ja) ナトリウム−硫黄電池の制御方法
US20140145678A1 (en) Apparatus for managing battery, and energy storage system
BRPI1014063B1 (pt) Método de estabilizar energia proporcionada por uma fonte de energia para uma carga e sistema para proporcionar força a uma carga
JP2009261076A (ja) 風力発電所
US20120179399A1 (en) Battery system and energy storage system including the same
KR20160029741A (ko) 저장된 에너지를 관리하기 위한 장치 및 방법
KR20160023865A (ko) 전기화학 에너지 축전기들에 전기 에너지를 저장하기 위한 방법 및 장치
Chatrung Battery energy storage system (BESS) and development of grid scale BESS in EGAT
WO2010038663A1 (ja) ナトリウム-硫黄電池の制御方法
US9086461B2 (en) Circuit for measuring voltage of battery and power storage system using the same
Zich et al. Active battery management system for home battery energy storage
JP2019216528A (ja) 蓄電システム及び蓄電システムの制御方法
JP6071214B2 (ja) 二次電池の充電深度管理方法
JP5201863B2 (ja) ナトリウム−硫黄電池の制御方法
JP5288463B2 (ja) ナトリウム−硫黄電池の充電方法
JP2014103819A (ja) 充電装置、充電方法及び電力供給システムとその蓄電残量計測方法
KR20130125704A (ko) 전력 축적 시스템, 및, 축전 모듈의 제어 방법
JP2010263755A (ja) 充電制御方法
Esmaili et al. Evaluation of impact of energy storage on effective load carrying capability of wind energy

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110817

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130522

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130528

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130530

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5288463

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees