JP5683970B2 - ディスクブレーキロータ - Google Patents

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Description

本発明は、ディスクブレーキロータ、特に二輪車の制動装置に使用するフローティングタイプのディスクブレーキロータに関する。
従来、二輪車のディスクブレーキロータにおいて、制動時の発熱により摩擦パッドの摺動部が熱膨張し、摺動部にそりやうねり等の歪みが発生していた。この歪みは摩擦パッドの偏当りを誘発し、摺動部の偏摩耗や制動力の低下等の不具合を招来することになり、この欠点を改善するため、最近ではフローティングタイプのディスクブレーキロータが一般に使用されるようになってきた。
従来のフローティングタイプのディスクブレーキロータは、アウターロータにインナーロータが内嵌され、両者は加締ピンにて結合されている。この加締ピンは、制動時の発熱によるアウターロータの歪みを吸収するため、ピン孔の内径との間にすきまを設けた状態で、皿ばねとワッシャを介して、フローティング状態に加締められている。
しかしながら、アウターロータとインナーロータとを連結するこの加締ピンには、エンジン出力に対応した許容伝達トルクが要求されると同時に、両ロータの軸方向の相対変位をも規制しなければならないため、加締ピンを円周等配に多数設ける必要があった。当然、エンジンが高出力になれば、この加締ピンの本数を増やすか、あるいはサイズアップは避けられない。このような構造では軽量化に限界があり、燃費、および操縦安定性といった車両の特性を阻害することになる。こうした状況において、簡単な構造で軽量化ができると共に、部品点数を削減して組付作業性を向上させたディスクブレーキロータを本出願人は既に提案している。
このディスクブレーキロータ51は、図13に示すように、円板状の摺動部52aを有し、ステンレス鋼からなるアウターロータ52と、このアウターロータ52に所定の環状すきまを介して内嵌され、複数の車輪取付用孔58を有し、アルミ合金からなるインナーロータ53とを備えている。アウターロータ52の嵌合部に形成された凸部52cと、この凸部52cに係合し、インナーロータ53の嵌合部に形成された凹部53dとで、インナーロータ53の係合部60を構成している。
これら二つのロータ52、53を、係合部60によりトルク伝達可能に連結すると共に、アウターロータ52とインナーロータ53の嵌合部に設けられた環状すきまの円周上に中心を有する複数のピン孔57を形成し、このピン孔57に加締ピン56を遊嵌している。そして、この加締ピン56を皿ばね54とワッシャ55を介してアウターロータ52とインナーロータ53に加締めて、これら二つのロータ52、53の軸方向相対変位を規制するようにしたものである。
こうした構成にすることにより、制動時、アウターロータ52の摺動部52aの発熱によってアウターロータ52自体が熱膨張しても、凹凸部52c、53dからなる係合部60によってそれを許容して、摺動部52aに発生する歪みを抑制することができると共に、簡単な構造で大きなトルク伝達ができ、軽量化と組付作業性を向上させることができる。(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−227891号公報
こうしたディスクブレーキロータ51において、インナーロータ53をアルミ合金製とすることによって相当量の軽量化を達成することができる一方、軽量化を追及するあまり、インナーロータ53の強度不足と、薄肉化によるうねり等の精度劣化といった新たな課題が発生することになった。こうした課題を解決するために、インナーロータ53の肉厚をアウターロータ52よりも厚くして強度アップを図ると共に、素材のうねり等を切削により修正して高精度化を図ることも考えられるが、加工工数が増えてコスト高騰を招く。
さらに問題なのは、両ロータ52、53の肉厚の差によって、その嵌合部に僅かな段差が生じることである。品質的な信頼性の面で、こうした段差がある状態で、ガタなく均一に両ロータ52、53を結合することが望ましいが、これでは加締作業に時間を要し、また、作業者に熟練度が求められる。したがって、このような背景において、強度・精度の向上と軽量化、あるいは低コスト化といった相反する要求を同時に満足させるディスクブレーキロータの開発が望まれていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、強度・精度を向上させると共に、軽量化を達成し、かつ作業性を向上させて低コスト化が図れるディスクブレーキロータを提供することにある。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、内周部の環状基部に車輪を取り付けるための車輪取付用孔が円周等配に複数個形成され、外周部に放射状に突出して連結部が複数個形成されたブラケットと、外周部にブレーキパッドが摺接される摺接部が形成され、内周部に放射状に突出して嵌合部が複数個形成されたロータとを備え、このロータと前記ブラケットをトルク伝達可能に一体に固定してなるフローティングタイプのディスクブレーキロータにおいて、前記ブラケットの連結部が、凹所と、この凹所から外径側に開口する係止部とを備え、前記連結部の側面が径方向外方に向って拡がるように傾斜して形成され、前記係止部に嵌合される前記ロータの嵌合部がストレートな凸部からなると共に、前記連結部に鋼板からプレス加工によって、天板と、この天板の両端部に袖部を有する断面が略コの字状に形成され、前記袖部が前記ブラケットの連結部の側面に沿う所定の傾斜角をもって形成されている単一のクリップが弾性装着され、このクリップを介して前記ブラケットとロータが固定されている。
このように、ブラケットと、このブラケットに外嵌される別体のロータとからなるフローティングタイプのディスクブレーキロータにおいて、ブラケットの連結部が、凹所と、この凹所から外径側に開口する係止部とを備え、連結部の側面が径方向外方に向って拡がるように傾斜して形成され、係止部に嵌合されるロータの嵌合部がストレートな凸部からなると共に、連結部に鋼板からプレス加工によって、天板と、この天板の両端部に袖部を有する断面が略コの字状に形成され、袖部がブラケットの連結部の側面に沿う所定の傾斜角をもって形成されている単一のクリップが弾性装着され、このクリップを介してブラケットとロータがトルク伝達可能に固定されているので、従来のようにねじや加締ピン等を使用しなくてもワンタッチでクリップを装着することができ、強度・精度を向上させると共に、連結部の側面に沿ってクリップを径方向外方にスライドさせることによってガタをなくした状態で固定することができ、ディスクブレーキロータの回転によって遠心力が発生しても、連結部からクリップが外れるのを防止することができるので、組立の作業性を向上させて低コスト化を図ったディスクブレーキロータを提供することができる。
また、請求項に記載の発明のように、前記クリップが、前記天板の長手方向の中央部に下方に延びる底板を備え、この底板の縁部が前記天板側に折曲されると共に、前記ロータの凸部の側面に係止され、当該クリップが前記連結部を挟持した状態で位置決め保持されていても良い。
また、請求項に記載の発明のように、前記クリップが、前記天板の長手方向の中央部に下方に折曲して形成された係止片を備え、この係止片が前記連結部の凹所に係止され、当該クリップが前記連結部を挟持した状態で位置決め保持されていても良い。
また、請求項に記載の発明のように、前記天板に切り起こしされた爪部が形成され、前記ロータの凸部に所定の加圧力によって当接されていれば、ブラケットの係止部とロータの凸部との嵌合部のガタを抑えることができる。
また、請求項に記載の発明のように、前記連結部が前記ロータの内周部に形成されると共に、前記嵌合部が前記ブラケットの外周部に形成されていても良い。
本発明に係るフローティングタイプのディスクブレーキロータは、内周部の環状基部に車輪を取り付けるための車輪取付用孔が円周等配に複数個形成され、外周部に放射状に突出して連結部が複数個形成されたブラケットと、外周部にブレーキパッドが摺接される摺接部が形成され、内周部に放射状に突出して嵌合部が複数個形成されたロータとを備え、このロータと前記ブラケットをトルク伝達可能に一体に固定してなるフローティングタイプのディスクブレーキロータにおいて、前記ブラケットの連結部が、凹所と、この凹所から外径側に開口する係止部とを備え、前記連結部の側面が径方向外方に向って拡がるように傾斜して形成され、前記係止部に嵌合される前記ロータの嵌合部がストレートな凸部からなると共に、前記連結部に鋼板からプレス加工によって、天板と、この天板の両端部に袖部を有する断面が略コの字状に形成され、前記袖部が前記ブラケットの連結部の側面に沿う所定の傾斜角をもって形成されている単一のクリップが弾性装着され、このクリップを介して前記ブラケットとロータが固定されているので、従来のようにねじや加締ピン等を使用しなくてもワンタッチでクリップを装着することができ、強度・精度を向上させると共に、連結部の側面に沿ってクリップを径方向外方にスライドさせることによってガタをなくした状態で固定することができ、ディスクブレーキロータの回転によって遠心力が発生しても、連結部からクリップが外れるのを防止することができるので、組立の作業性を向上させて低コスト化を図ったディスクブレーキロータを提供することができる。
本発明に係るディスクブレーキロータの第1の実施形態を示す正面図である。 図1のインナーロータ単体を示す正面図である。 図1のアウターロータ単体を示す正面図である。 インナーロータとアウターロータを組み立てた状態を示す正面図である。 図1のクリップ単体を示す斜視図である。 (a)は、同上クリップを示す正面図、(b)は、(a)の上平面図、(c)は、(a)の下平面図、(d)は、(a)のVI−VI線に沿った断面図である。 (a)〜(c)は、本発明に係るディスクブレーキロータの組立手順を示す説明図である。 本発明に係るディスクブレーキロータの第2の実施形態を示す正面図である。 図8のクリップ単体を示す斜視図である。 (a)は、同上クリップを示す正面図、(b)は、(a)の上平面図、(c)は、(a)の下平面図、(d)は、(a)のX−X線に沿った断面図である。 本発明に係るディスクブレーキロータの第3の実施形態を示す正面図である。 (a)は、図11の要部拡大図、(b)は、図11のクリップ単体を示す斜視図である。 (a)は、従来のディスクブレーキロータを示す正面図、(b)は、(a)のA―A線矢視断面図、(c)は、(a)のB−B線矢視断面図、(d)は、(a)のC−C線矢視部分断面図である。
内周部の環状基部に車輪を取り付けるための車輪取付用孔が円周等配に複数個形成され、外周部に放射状に突出して連結部が複数個形成されたアルミニウム合金からなるブラケットと、外周部にブレーキパッドが摺接される摺接部が形成され、内周部に放射状に突出して嵌合部が複数個形成されたステンレス鋼からなるロータとを備え、このロータと前記ブラケットをトルク伝達可能に一体に固定してなるフローティングタイプのディスクブレーキロータにおいて、前記ブラケットの連結部が、凹所と、この凹所から外径側に開口する係止部および径方向外方に向って拡がる傾斜した側面とを備え、前記係止部に嵌合される前記ロータの嵌合部がストレートな凸部からなると共に、前記連結部に鋼板からプレス加工によって形成された単一のクリップが着脱可能に弾性装着され、このクリップが、天板と、この天板の両端部に前記連結部の側面に沿う袖部を有する断面が略コの字状に形成され、当該クリップを介して前記ブラケットとロータが固定されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るディスクブレーキロータの第1の実施形態を示す正面図、図2は、図1のインナーロータ単体を示す正面図、図3は、図1のアウターロータ単体を示す正面図、図4は、インナーロータとアウターロータを組み立てた状態を示す正面図、図5は、図1のクリップ単体を示す斜視図、図6(a)は、同上クリップを示す正面図、(b)は、(a)の上平面図、(c)は、(a)の下平面図、(d)は、(a)のVI−VI線に沿った断面図、図7(a)〜(c)は、本発明に係るディスクブレーキロータの組立手順を示す説明図である。
本発明の実施形態に係るディスクブレーキロータ1は、ブラケット2とロータ3、およびこれらを結合するクリップ4で構成されている。ディスクブレーキロータ1は、薄くて、割れ難く、摩擦係数が大きくて摩耗しないといった相反する性能を併せ持つことが要求されるため、ブラケット2は、軽量化のために圧延板材からなるアルミニウム合金やマグネシウム合金等の軽合金で形成されている。一方、ロータ3は、特に高温での強度および耐摩耗性に優れたステンレス鋼で形成されている。これにより、所望の強度を確保しつつ軽量化を達成することができ、燃費と操縦性を大きく向上させることができる。
ブラケット2は、図2に示すように、内周部の環状基部5に、車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付用孔6が円周等配に複数個(ここでは、5個)形成され、この車輪取付用孔6、6の間に、軽量化を図るためのまゆ形状の通孔7が形成されている。また、外周部には放射状に突出して連結部8、8が円周等配に複数個(ここでは、8個)形成され、連結部8、8と環状基部5との間に矩形状の通孔9(ここでは、8個)が形成されている。本実施形態では、矩形状の通孔9の数が連結部8と同数に設定されると共に、連結部8、8の位相と同じ位相に柱部10が形成されているので、所望の強度を確保しつつ軽量化を図ることができる。
ここで、連結部8は、凹所11と、この凹所11から外径側に開口し、後述するロータ3の凸部13が嵌合される係止部12とを備えている。凹所11は、矩形部11aと、先端が柱部12に向う尖塔部11bとからなる略矢じり形状に形成されている。
ロータ3は、図3に示すように、内周部に、放射状に突出してストレートな凸部13が円周等配に複数個(ここでは、8個)形成されている。また、ロータ3の摺接部14には円孔からなる水切り孔14aが複数個等配に形成され、摩耗粉や雨水等が摺接部14に滞留するのを防止する。特に、オフロードでの制動時等の泥水詰まりを効果的に防止することができると共に、この水切り孔14aにより、制動時にブレーキパッド(図示せず)が当接してその摩擦熱によって摺接部14が昇温しても空冷効果を高めることができる。なお、この水切り孔14aの形状は円孔に限らず楕円、長円あるいはまゆ形のような形状であっても良い。
ブラケット2とロータ3は、図4に示すように、ブラケット2の連結部8の係止部12にロータ3の凸部13を嵌合させることによって連結される。ここで、ブラケット2の係止部12の開口幅は、ロータ3の凸部13の幅寸法よりも0.1〜1.0mm大きくなるように設定されている。これにより、係止部12と凸部13の加工誤差が生じてもそれを許容して容易に両者を嵌合することができると共に、ブラケット2とロータ3の周方向のガタを最小限に抑えることができる。また、こうした係止部12とストレートな凸部13との嵌合により連結されているので、制動時にブレーキパッドが当接してその摩擦熱によって摺接部14が昇温して凸部13が膨張してもこれを許容し、摺接部14に発生する歪みを抑制することができる。
ブラケット2とロータ3の結合は、ブラケット2の連結部8にクリップ4を装着することにより行われる。クリップ4は、素材板厚が0.3〜1.0mmのばね鋼板(JIS規格のSWRH系等)あるいはステンレス鋼板(JIS規格のSUS系等)からプレス加工によって形成されている。
このクリップ4は、図5および図6に示すように、天板15の両端部に袖部16、16を有する断面が略コの字状に形成され、長手方向の中央部に天板15から下方に延びる底板17を備えている。クリップ4が装着されるブラケット2の連結部8の側面8aは、径方向外方に向って拡がるように傾斜して形成され、連結部8は略扇状に形成されている(図2参照)。一対の袖部16、16はこの連結部8の側面8aに沿うように所定の傾斜角αをもって形成され、その縁部16aは内方側に折曲され、天板15と袖部16および縁部16aによって連結部8を把持するように弾性変形させて装着される。一対の袖部16、16間の傾斜角αは5〜15°の範囲に設定され、連結部8の側面8aに沿ってこのクリップ4を径方向外方にスライドさせることによってガタをなくした状態で固定することができると共に、ディスクブレーキロータ1の回転によって遠心力が発生しても、連結部8からクリップ4が外れるのを防止することができる。
また、天板15の略中央には切り起こしされた爪部18が形成され、連結部8の係止部12に嵌合されたロータ3の凸部13に所定の加圧力によって当接し、両者の嵌合部のガタを抑えている。ここで、「切り起こし」とは、例えば、図示のように天板15に四角形の一辺を残し、他の三辺をプレス加工によってせん断すると共に、四角形の舌片を残る一辺を支点に折曲させて爪部とするような加工形態を言う。
連結部8と凸部13の一側面(表面)に当接する天板15に対し、底板17は、これら連結部8と凸部13の他方(裏面)の面と凸部13の先端面に当接し、連結部8を天板15と底板17とで挟持した状態で装着されている。そして、この底板17の縁部17aは天板15側に折曲され、ロータ3の凸部13の両側面に係止されてクリップ4が位置決め保持されている(図中二点鎖線にて示す)。
本実施形態では、ブラケット2の連結部8に凹所11が形成され、この凹所11の外径側に開口する係止部12にロータ3の凸部13が嵌合されると共に、連結部8に鋼板からプレス加工によって形成されたクリップ4を弾性変形させた状態で固定しているので、従来のようにねじや加締ピン等を使用しなくてもワンタッチで装着することができ、組立工数を軽減することができると共に、連結部8の係止部12とロータ3の凸部13の嵌合部のガタを抑えることができ、強度・精度を向上と作業性を向上させて低コスト化を図ったディスクブレーキロータを提供することができる。
次に、図7を用いて、本発明に係るディスクブレーキロータ1の組立手順を詳細に説明する。
(a)に示すように、連結部8の係止部12にロータ3の凸部13が位置するように配置されると共に、ブラケット2の連結部8の根元部にクリップ4が装着される。その後、(b)に示すように、係止部12に凸部13が嵌合されてブラケット2とロータ3が連結される。そして、傾斜した連結部8の側面8aに沿ってクリップ4が放射方向(矢印にて示す)にスライドされ、(c)に示すように、係止部12から凸部13が外れないようにクリップ4の爪部18によって加圧した状態で固定される。これにより、連結部8の係止部12とロータ3の凸部13との間に段差が生じるのを防止すると共に、連結部8とクリップ4との間にガタが生じるのを防止し、効果的にブラケット2とロータ3とのトルク伝達をすることができる。
このように、本発明に係るディスクブレーキロータ1では、ロータ3の内周部に放射状に突出して形成されたストレートな凸部13をブラケット2の連結部8に形成された係止部12に嵌合させ、別体のブラケット2とロータ3を、トルク伝達可能に一体に固定させ、予め連結部8に装着されたクリップ4を両者の嵌合後に、連結部8の側面8aに沿って径方向外方にスライドさせることにより、所定の加圧力が付与された状態で固定できるので、両者の嵌合部のガタを抑えることができる。
図8は、本発明に係るディスクブレーキロータの第2の実施形態を示す正面図、図9は、図1のクリップ単体を示す斜視図、図10(a)は、同上クリップを示す正面図、(b)は、(a)の上平面図、(c)は、(a)の下平面図、(d)は、(a)のX−X線に沿った断面図である。なお、この実施形態は、前述した第1の実施形態(図1)と、基本的には、装着されるクリップの配列が異なるだけで、前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符合を付して詳細な説明を省略する。
このディスクブレーキロータ19は、ブラケット2とロータ3、およびこれらを結合するクリップ20で構成されている。ブラケット2とロータ3は、ブラケット2の連結部8の係止部12にロータ3の凸部13を嵌合させることによって連結され、その結合は、ブラケット2の連結部8にクリップ20を装着することにより行われる。ここで、ブラケット2の連結部8にクリップ20の表裏が交互になるように装着されている。クリップ20は、素材板厚が0.3〜1.0mmのばね鋼板あるいはステンレス鋼板からプレス加工によって形成されている。
このクリップ20は、図9および図10に示すように、天板21の両端部に袖部16、16を有する断面が略コの字状に形成され、長手方向の中央部に天板21から下方に折曲された係止片22が形成されている。一対の袖部16、16は連結部8の側面8aの傾斜に沿うように所定の傾斜角αをもって形成され、その縁部16aは内方側に折曲され、天板21と袖部16および縁部16aによって連結部8を把持するように弾性変形させて装着される。そして、前述した実施形態と同様、連結部8の側面8aに沿ってこのクリップ20を径方向外方にスライドさせることによってガタをなくした状態で固定されると共に、クリップ20の一対の袖部16、16が連結部8の側面8aの傾斜に沿うように傾斜して形成されているので、ディスクブレーキロータ19の回転によって遠心力が発生しても、連結部8からクリップ20が外れるのを防止することができる。
また、天板21の略中央には切り起こしされた爪部23が形成され、連結部8の係止部12に嵌合されたロータ3の凸部13に所定の加圧力によって当接し、両者の嵌合部のガタを抑えている。また、天板21の爪部23を挟んで両側にはプレス加工によって天板21の底面に突出する凸球24が形成され、天板21が連結部8に面接触ではなく点接触している。これにより、連結部8の側面8aに沿ってクリップ20を径方向外方にスライドさせ易くなり、組立作業性を向上させることができる。
連結部8と凸部13の一側面(表面)に当接する天板21の爪部23に対し、係止片22は凸部13の先端面に当接し、クリップ20が位置決め保持されている(図中二点鎖線にて示す)。
本実施形態では、ブラケット2の連結部8に凹所11が形成され、この凹所11の外径側に開口する係止部12にロータ3の凸部13が嵌合されると共に、連結部8に鋼板からプレス加工によって形成されたクリップ20を弾性変形させた状態でワンタッチで装着することができ、組立工数を軽減することができる。また、連結部8の係止部12とロータ3の凸部13の嵌合部のガタを抑えることができると共に、ブラケット2の各連結部8に表裏が交互になるようにクリップ20が装着されているので、ブラケット2とロータ3間に軸方向に離間させる力が生じてもクリップ20の保持力によって効果的に防止することができる。
図11は、本発明に係るディスクブレーキロータの第3の実施形態を示す正面図、図12(a)は、図11の要部拡大図、(b)は、図11のクリップ単体を示す斜視図である。なお、前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符合を付して詳細な説明を省略する。
(a)に示すディスクブレーキロータ25は、ブラケット26とロータ27、およびこれらを結合するクリップ28で構成されている。ブラケット26は、内周部の環状基部29に、車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付用孔6が円周等配に複数個(ここでは、5個)形成されている。また、外周部には放射状に突出し、矩形状の凹所30を有するストレートな凸部31が円周等配に複数個(ここでは、8個)形成されている。また、凸部31と環状基部29との間に矩形状の通孔9(ここでは、8個)が形成されている。本実施形態では、矩形状の通孔9の数が凸部31と同数に設定されると共に、凸部31の位相と同じ位相に柱部10が形成されているので、所望の強度を確保しつつ軽量化を図ることができる。
ロータ27は、内周部に、放射状に突出して連結部32が円周等配に複数個(ここでは、8個)形成されている。この連結部32は、図12(a)に示すように、内周に放射状に形成された凹所からなる係止部33が形成され、この係止部33にブラケット26の凸部31が嵌合する。また、係止部33の両側には面取り部34が形成され、ブラケット26の凸部31の両側に傾斜して形成されたガイド部35が嵌合する。
ブラケット26とロータ27は、ブラケット26の凸部31にロータ27の連結部32を嵌合させることによって連結される。すなわち、凸部31と連結部32の係止部33が嵌合することによってトルク伝達可能に嵌合される。ここで、連結部32における係止部33の開口幅は、ブラケット26の凸部31の幅寸法よりも0.1〜1.0mm大きくなるように設定されている。これにより、係止部33と凸部31に加工誤差が生じてもそれを許容して容易に両者を嵌合することができると共に、ブラケット26とロータ27の周方向のガタを適正に保つことができる。
ブラケット26とロータ27の結合は、ロータ27の連結部32にクリップ28を装着することにより行われる。クリップ28は、素材板厚が0.3〜1.0mmのばね鋼板あるいはステンレス鋼板からプレス加工によって形成されている。
このクリップ20は、図12(b)に示すように、天板36の両端部に袖部37、37を有する断面が略コの字状に形成され、長手方向の中央部と両端部に天板36から下方に延びるそれぞれ底板38、39、39を備えている。クリップ28が装着されるロータ27の連結部32の側面32aは、径方向外方に向って拡がるように傾斜して形成され、連結部32は略扇状に形成されている。
一対の袖部37、37はこの連結部32の側面32aに沿うように所定の傾斜角をもって形成され、その縁部37aは内方側に折曲され、天板36と底板28、29と袖部37および縁部37aによって連結部32を把持するように弾性変形させて装着される。そして、前述した実施形態と同様、連結部32の側面32aに沿ってクリップ28を径方向外方にスライドさせることによってガタをなくした状態で固定されると共に、クリップ28の一対の袖部37、37が連結部32の側面32aの傾斜に沿うように傾斜して形成されているので、ディスクブレーキロータ25の回転によって遠心力が発生しても、連結部32からクリップ28が外れるのを防止することができる。
また、天板36の略中央には切り起こしされた爪部23が形成され、連結部32の係止部33に嵌合されたブラケット26の凸部31に所定の加圧力によって当接し、両者の嵌合部のガタを抑えている。そして、この底板38、39の縁部38a、39aは天板36側に折曲され、ブラケット26の凸部31とロータ27の連結部32の通孔40の側面に係止されてクリップ28が位置決め保持されている。
また、天板36の爪部23を挟んで両側にはプレス加工によって天板36の底面に突出する凸球24が形成され、天板36が連結部32に面接触ではなく点接触している。これにより、連結部32の側面32aに沿ってクリップ28を径方向外方にスライドさせ易くなり、組立作業性を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係るディスクブレーキロータは、二輪車の制動装置に使用するブラケットとロータが別体になったフローティングタイプのディスクブレーキロータに適用することができる。
1、19、25 ディスクブレーキロータ
2、26 ブラケット
3、27 ロータ
4、20、28 クリップ
5、29 環状基部
6 車輪取付用孔
7、9、40 通孔
8、32 連結部
8a、32a 連結部の側面
10 柱部
11、30 凹所
11a 矩形部
11b 尖塔部
12、33 係止部
13、31 凸部
14 摺接部
14a 水切り孔
15、21、36 天板
16、37 袖部
16a、17a、37a、38a、39a 縁部
18、23 爪部
22 係止片
24 凸球
34 面取り部
35 ガイド部
51 ディスクブレーキロータ
52 アウターロータ
52c 凸部
53 インナーロータ
53d 凹部
54 皿ばね
55 ワッシャ
56 加締ピン
57 ピン孔
58 車輪取付用孔
60 係合部
α 袖部の傾斜角

Claims (5)

  1. 内周部の環状基部に車輪を取り付けるための車輪取付用孔が円周等配に複数個形成され、外周部に放射状に突出して連結部が複数個形成されたブラケットと、
    外周部にブレーキパッドが摺接される摺接部が形成され、内周部に放射状に突出して嵌合部が複数個形成されたロータとを備え、
    このロータと前記ブラケットをトルク伝達可能に一体に固定してなるフローティングタイプのディスクブレーキロータにおいて、
    前記ブラケットの連結部が、凹所と、この凹所から外径側に開口する係止部とを備え、前記連結部の側面が径方向外方に向って拡がるように傾斜して形成され、前記係止部に嵌合される前記ロータの嵌合部がストレートな凸部からなると共に、前記連結部に鋼板からプレス加工によって、天板と、この天板の両端部に袖部を有する断面が略コの字状に形成され、前記袖部が前記ブラケットの連結部の側面に沿う所定の傾斜角をもって形成されている単一のクリップが弾性装着され、このクリップを介して前記ブラケットとロータが固定されていることを特徴とするディスクブレーキロータ。
  2. 前記クリップが、前記天板の長手方向の中央部に下方に延びる底板を備え、この底板の縁部が前記天板側に折曲されると共に、前記ロータの凸部の側面に係止され、当該クリップが前記連結部を挟持した状態で位置決め保持されている請求項1に記載のディスクブレーキロータ。
  3. 前記クリップが、前記天板の長手方向の中央部に下方に折曲して形成された係止片を備え、この係止片が前記連結部の凹所に係止され、当該クリップが前記連結部を挟持した状態で位置決め保持されている請求項1または2に記載のディスクブレーキロータ。
  4. 前記天板に切り起こしされた爪部が形成され、前記ロータの凸部に所定の加圧力によって当接されている請求項1乃至3いずれかに記載のディスクブレーキロータ。
  5. 前記連結部が前記ロータの内周部に形成されると共に、前記嵌合部が前記ブラケットの外周部に形成されている請求項1に記載のディスクブレーキロータ。
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