JP4736092B2 - ディスクブレーキ用ロータ - Google Patents

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Description

本発明はディスクブレーキ用ロータに係り、特にフローティング型のロータに関する。
ディスクブレーキ用ロータには、大別すると2つのタイプがある。ソリッド型と呼ばれるタイプと、フローティング型と呼ばれるタイプである。ソリッド型のロータは、1枚の鋼板によって構成されるものであり、ロータを構成する際に組付け等の工程を必要としないため、生産性が高く、安価に生産が可能となるという特徴を有する。これに対し、フローティング型のロータは、少なくともインナロータとアウタロータ、及びインナロータとアウタロータとを締結する締結部材といった3種類の構成部材によって構成されるものである。フローティング型のロータは、インナロータとアウタロータとの構成材料を変えることにより、軽量化を図ることができるといった特徴や、放熱性が良く、制動時にロータに生ずる歪みを抑制することができること、及びフローティング特性を有するためにブレーキング時におけるパッドとのなじみが良い等といった特徴を有し、ディスクブレーキ用ロータとしての性能面に優れている。
現在では、上記のようなタイプ毎の特徴が考慮され、性能面を優先させるブレーキシステムには、フローティング型のものが採用されることが多くなっており、種々の改良が加えられてきている。
例えば特許文献1に開示されているディスクブレーキ用ロータは、インナロータとアウタロータとをフローティングピンと呼ばれるピンにより締結する構成を採るものである。そして、特許文献1では、インナロータとアウタロータとの間のガタツキを防止するための皿バネを押えるワッシャの構成や、皿バネ自体の配置の形態を変えたことを特徴としている。これに対して特許文献2に開示されているディスクブレーキ用ロータは、インナロータとアウタロータとをリングバネと呼ばれる円缶状のバネを用いて締結するという構成を採っている。ここで、リングバネを用いる構成では、フローティングピンを用いる構成に比べて部品点数を減らすことができ、ロータの組立を迅速に行うことができるという利点がある。
特許第2568526号公報 特開2003−343619号公報
上記特許文献1、2に開示されているディスクブレーキ用ロータはいずれも、インナロータとアウタロータとの締結には必要十分な締め付け性を要することが前提とされている。このため、ロータを組立てる際にはフローティングピンをカシメるための治具や、リングバネを所定位置に嵌め込むための治具などが必要となり、分解、組立といったロータ自体のメンテナンス性や損傷部品の交換といったことは考慮されていなかった。つまり、アウタロータが摩耗した場合には、インナロータに損傷が無い場合であってもロータ全体を交換するということが通例とされてきたのである。
ところで現在、ディスクブレーキは様々な移動体に採用されており、従来からの自動車や自動二輪車の他、自転車などにも採用されてきている。このような移動体の中には、使用環境に応じた制動性能の切り替えや、消耗部品単体での交換性を向上させることによる交換部品のコスト削減といった観点から、インナロータとアウタロータとの組立分解を容易に行うことができるディスクブレーキ用ロータが望まれているものがある。
そこで本発明では上記課題を解決し、インナロータとアウタロータとの組立、分解を、特殊な治具を使用すること無く、簡易迅速に行うことを可能とするディスクブレーキ用ロータを提供することを目的とする。
インナロータとアウタロータとを固定するためには、円周方向の動きと軸方向の動きを抑制すれば良い。よって、上記目的を達成するための本発明に係るディスクブレーキ用ロータは、インナロータの外周とアウタロータの内周との対向する位置にそれぞれ設けられた複数の締結部を介して前記インナロータと前記アウタロータとを締結するディスクブレーキ用ロータであって、前記締結部は少なくとも前記インナロータに付加された回転力を前記アウタロータに伝達する凸部を有し、前記締結部をロータの円周方向に貫通する線条材を備えたことを特徴とする。
また、上記のような構成を有するディスクブレーキ用ロータでは、前記凸部を、前記インナロータに形成された凸部と前記アウタロータに形成された一対の凸部とにより構成される嵌合構造とし、前記締結部のうち、前記インナロータ側凸部にはロータの円周方向に沿った貫通孔を形成すると共に、前記アウタロータ側凸部には一対の凸部に対して互いに異なる主面を基準とした切欠きまたは溝を前記貫通孔の延長線上に位置するように形成し、前記線条材は、前記貫通孔及び前記切欠きまたは前記溝を貫く構成とすると良い。
また、上記構成を有するディスクブレーキ用ロータでは、前記凸部を、前記インナロータに形成された凸部と前記アウタロータに形成された一対の凸部とにより構成される嵌合構造とし、前記締結部には前記インナロータ側凸部及び前記アウタロータ側凸部をロータの円周方向に沿って貫く貫通孔を形成し、前記線条材は、前記インナロータ及び前記アウタロータにおける双方の凸部に形成された貫通孔を貫く構成としても良い。
また、上記構成を有するディスクブレーキ用ロータでは、前記凸部を、前記インナロータに形成された凸部と前記アウタロータに形成された一対の凸部とにより構成される嵌合構造とし、前記締結部のうち、前記アウタロータ側凸部には一対の凸部をロータの円周方向に沿って連続して貫く貫通孔を形成すると共に、前記インナロータ側凸部には隣接して形成されたインナロータ側凸部と異なる面を基準とした切欠きまたは溝を前記貫通孔の延長線上に位置するように形成し、前記線条材は、前記貫通孔及び前記切欠きまたは前記溝を貫く構成としても良い。
また同様に、上記構成を有するディスクブレーキ用ロータでは、前記凸部を、前記インナロータに形成された凸部と前記アウタロータに形成された一対の凸部とにより構成される嵌合構造とし、前記締結部を構成する前記インナロータ側凸部と前記アウタロータ側凸部とには互いに異なる側の主面を基準とした切欠きまたは溝を形成すると共に、隣接する締結部を構成するインナロータ側凸部及びアウタロータ側凸部では前記切欠きまたは溝を形成する基準面を逆転させる構成とし、前記線条材は、前記複数の締結部のインナロータ側凸部及びアウタロータ側凸部に形成された切欠きまたは溝を連続して貫く構成としても良い。
さらに、上記構成を有するディスクブレーキ用ロータでは、前記凸部を、前記アウタロータに形成された凸部と前記インナロータに形成された一対の凸部とにより構成される嵌合構造とし、前記締結部のうち、前記インナロータ側に形成された一対の凸部にはロータの円周方向に沿った貫通孔をそれぞれ形成すると共に、前記アウタロータ側凸部には1つの凸部に対して互いに異なる主面を基準とした複数の切欠きまたは溝を前記貫通孔の延長線上に位置するように連続して形成し、前記線条材は、前記貫通孔及び前記切欠きまたは前記溝を貫く構成としても良い。
また、上記のような特徴を有するディスクブレーキ用ロータでは、前記締結部のインナロータ側凸部における前記アウタロータ側凸との接触面に、インナロータ側凸部本体の肉厚よりも薄い薄肉部を形成する構成とすると良い。
また、上記構成のディスクブレーキ用ロータにおいて前記線条材は、インナロータ及びアウタロータに設けられた複数の締結部の全てを円周方向に連続して貫く1本の部材とすることが望ましい。
さらに、ディスクブレーキ用ロータを上記構成とする場合には、前記締結部を貫いて配置された前記線条材の端部同士を締結する構成とすることが望ましい。
上記のような特徴を有するディスクブレーキ用ロータであれば、インナロータとアウタロータとの組立、分解は、締結部を円周方向に貫く線条材の抜き差しのみで行うことが可能となる。このため、インナロータとアウタロータとの組立、分解を特殊な治具を使用すること無く、簡易迅速に行うことが可能となる。
また、締結部のインナロータ側凸部におけるアウタロータ側凸部との接触面に、薄肉部を形成することにより、接触面の摩耗が接触面全体に及ぶこととなる。このため、インナロータの接触面が摩耗した場合であっても接触面に段差が生じるといったことが無く、アウタロータに対する回転力の伝達を確実に行うことができる。
また、線条材を1本の部材とすることによれば、締結部毎に締結部材(線条材)を設ける場合に比べてロータを構成する部材の数を少なくすることができる。このため、インナロータとアウタロータとの組立、分解をより簡易、迅速に行うことが可能となる。
さらに、前記1本の部材により構成される線条材の端部同士(先端と後端)を締結する構成としたことにより、線条材の抜けを防ぐことができると共に、先端同士が軸方向にずれることによる隣接部材との干渉も避けることができるようになる。さらに、抜けや干渉ということを有効に防止することができるため、高速域での使用が可能となる。
以下、本発明のディスクブレーキ用ロータに係る実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明に係る一部の実施形態にすぎず、本発明の技術的範囲は以下の実施形態のみに拘束されるものでは無い。
まず、図1から図5を参照して本発明のディスクブレーキ用ロータに係る第1の実施形態について説明する。なお、図1は本実施形態に係るロータの全体構成を示す図であり、図2から図4はそれぞれロータの構成部品単体を示す図であり、図5はロータ組立時における部分拡大斜視図である。本実施形態に係るロータ10は、インナロータ20、アウタロータ40、及び前記インナロータ20と前記アウタロータ40とを締結する締結部材60とより構成されている。なお、本実施形態に係るロータ10は、二輪車に取り付けられることを想定したものであるが、他の移動体用のディスクブレーキ用ロータとして適応させても良い。
前記インナロータ20は、図2に示す構成を採る。なお、図2(A)はインナロータの左側面を、図2(B)はインナロータの正面を、図2(C)は同図(B)におけるA−A断面をそれぞれ示す図である。インナロータ20は、1枚の板材を所望の形状に機械加工することにより構成される。構成部材としては、アルミやアルミを主とした合金などを用いることが経済的であるが、軽量で剛性の高い物質であれば、他の部材を用いても良い。
インナロータ20の中心には、移動体の車輪を回転させる回転軸(不図示)を挿通させる中心孔22が備えられており、中心孔22の周囲には、車輪を構成するホイールのハブなどにインナロータ20を固定するためのボルト孔24が設けられている。そして本実施形態のインナロータ20では、ボルト孔24の外周に、複数(本実施形態では7本)のメインスポーク26とサブスポーク28、及びビーム30が設けられている。メインスポーク26とサブスポーク28は共に中心孔22の外周から放射状に配置されているが、サブスポーク28は中心孔22に対してリード角を持たせて配置されているため、先端側にてメインスポーク26と交差する構成が採られている。ここで、メインスポーク26とサブスポーク28とは同一平面上に形成されるため、サブスポーク28はメインスポーク26のすじかいとして働くこととなる。このような構成を採ることにより、制動時に生じる力をサブスポーク28側へ分散させることが可能となり、回転方向の力によりメインスポーク26が変形するという事態を防止することができる。
また、本実施形態のインナロータ20では軽量化のため、サブスポーク28はメインスポーク26よりも幅を狭く構成されている。そして、メインスポーク26は、中心部26aの肉厚を薄くし、放射線方向の断面構造がH型となるように形成されており、軽量化と曲げに対する剛性の保持との両立を図ることができる構成とされている。前記ビーム30は、前記メインスポーク26の先端側に配置され、隣接するメインスポーク26同士を相互に接続し、回転方向に作用する力に対する剛性の向上を図るようにしている。
また、前記メインスポーク26の先端部であって、前記ビーム30の外周側には、前記アウタロータ40との締結を行うための凸部である締結部32が設けられている。締結部32には側面に、詳細を後述する締結部材60を挿通させるための貫通孔34が形成されている。すなわち前記貫通孔34は、ロータの円周方向に沿って(接線方向を含む)設けられているのである。そして、メインスポーク26の側面であって、前記サブスポーク28を配置した側と反対側の側面には、突起部36が形成されている。突起部36を形成することにより、制動時に生じる衝撃や摩擦を当該突起部36で受けることが可能となり、メインスポーク26本体が変形したり摩耗したりすることを防ぐことができる。
前記突起部36は、インナロータ20全体、あるいは締結部32本体の肉厚と比べて薄肉に形成されている。このような構成とすることにより、インナロータ20とアウタロータ40との締結に軸方向(中心孔22に挿通させる回転軸の挿通方向)の遊びがある場合(フローティング特性を向上させた場合)であっても、アウタロータ40との接触面を担う突起部36はその側面全体がアウタロータ40と接触することとなる。このため、制動時の衝撃や摩擦を受けることによって突起部36に変形や摩耗が生じた場合であっても、変形箇所あるいは摩耗箇所に段差を生じさせることなく、突起部36の全体が均一に摩耗または変形することとなる。なお、メインスポーク26の先端部には切欠き38を形成したり面取りを施したりすると良い。このような加工を施すことにより、アウタロータ40における締結部50との干渉を防ぐことができるようになるからである。
次に、図3を参照してアウタロータ40について説明する。本実施形態のアウタロータ40は、リング状に形成された摺動部42と、前記インナロータ20との締結を図るための締結部50とを一体に形成した板状部材によって構成される。構成部材としてはステンレスが用いられることが多いが、セラミック、カーボンといった部材が用いられることもある。摺動部42の表面には、規則的、あるいは不規則的に配列された複数の貫通孔44が設けられている。この貫通孔44は、制動時にアウタロータ40に生じる熱の放熱や、軽量化、熱膨張により摺動部42の表面に生じる歪みの抑制等といった働きを担っている。
前記締結部50は、上述したインナロータ20におけるメインスポーク26の数と同数(本実施形態の場合7つ)、前記摺動部42の内周側に設けられる。締結部50は、インナロータ20に形成されたメインスポーク26の締結部32を嵌挿可能な間隔をあけて配置された一対の凸部(アンカ)によって構成される。本実施形態のアンカは、メインアンカ48とサブアンカ46とに分別することができる。
メインアンカ48は、インナロータ20の締結部32に形成された突起部36によって伝達される力を受けるアンカであり、サブアンカ46は、反対方向に加えられた力を受けるアンカである。本実施形態に係るロータ10は、二輪車に取り付けられることを想定したものであるため、進行方向に対する制動時に大きな力が付与される。このため、進行方向に向けられた回転の力を受けるメインアンカ48の幅をサブアンカ46の幅よりも広くとり、アンカ面に大きな力が付与された場合であっても耐え得る構成としている。
メインアンカ48の先端とサブアンカ46の先端とには、それぞれのアンカの肉厚を薄くするように加工(切削)された切欠き部48a,46aがそれぞれ設けられている。メインアンカ48の切欠き部48aとサブアンカ46の切欠き部46aとは、それぞれ切欠き部を構成する際の基準となる面を異にしている。すなわち、メインアンカ48に設けた切欠き部48aの基準面をアウタロータ40の一方の面としたならば、サブアンカ46に設ける切欠き部46aの基準面を他方の面とするようにしたのである。このような構成とすることにより、メインアンカ48とサブアンカ46とに設ける切欠き部48a,46aの加工面はロータ10の軸方向において互い違いに設けられることとなる。
また、切欠き部48a,46aは、前記インナロータ20の締結部32をメインアンカ48とサブアンカ46との間に嵌合(遊嵌を含む)させた際に、前記貫通孔34の延長線上に位置するように設けられる。このため、メインアンカ48の切欠き部48aの加工面とサブアンカ46の切欠き部46aの加工面との間には、詳細を後述する締結部材60の肉厚程度の隙間が設けられることとなる。
次に、図4を参照して締結部材60について説明する。本実施形態における締結部材60は、図4に示すようなリング状に形成された1本の線条材である。締結部材60を1本の線条材とすることにより、ロータ10を構成する部品点数を減らすことができ、組立、分解の作業性が向上する。締結部材60の構成部材としては、上記アウタロータ40と同様なステンレスを用いることができる。また、ステンレスの変わりに、ピアノ線のように弾性変形可能なバネ部材等を採用しても良い。さらに、線条材である締結部材60の外周にローレット加工を施し、滑り止めの役割を担わせるようにしても良い。このような構成とすることにより、締結部材60の装着容易性を向上させることができる。
次に、上記のような構成のインナロータ20、アウタロータ40、及び締結部材60を用いてロータ10を組立てる手順について説明する。まず、アウタロータ40の締結部50におけるメインアンカ48とサブアンカ46との間に、インナロータ20の締結部32を嵌合させる。次に、締結部材60を構成する線条材の両端部60a,60bを相対的にずらし、いずれか一方の端部60a(60b)をインナロータ20の締結部32とアウタロータ40の締結部50との間に挿通させる。締結部32,50に対する締結部材60の挿通は、複数の締結部32,50に対して連続的に行い、全ての締結部32,50に対する締結部材60の挿通が終了することにより、インナロータ20とアウタロータ40との締結が完了する。
締結部32,50に対する締結部材60の挿通をメインアンカ48側から行う場合は、図5に示すように、アウタロータ40におけるメインアンカ48の切欠き部48a上を通過させた締結部材60を、インナロータ20の締結部32に形成した貫通孔34に挿通させる。貫通孔34を挿通させた締結部材60はアウタロータ40のサブアンカ46の切欠き部(図では裏面側)46a上を通過し、締結部32,50を抜けることとなる。図5に示すように、締結部50では、基準面を異ならせて形成したメインアンカ48の切欠き部48aとサブアンカ46の切欠き部46aとにより、締結部材60を挟み込む構成を採っている。このため、貫通孔34に締結部材60を挿通させたインナロータ20とアウタロータ40とが、ロータ10の軸方向にずれることを防止することができる。
なお、図1(A)に示すように組立てられたロータ10では、図1(B)に示すように締結部材60の先端間にパイプ部材62を配置して、その中間部をカシメることにより、締結部材60の抜け止めを図ることが可能となる。インナロータ20とアウタロータ40とを分解する場合には、パイプ部材62、あるいは締結部材60のいずれかを切断し、締結部材60の端部を相対的にずらし、当該締結部材60を締結部32,50から引抜けば良い。
上記のような構成のロータ10によれば、インナロータ20とアウタロータ40との組立、分解は、線条材である締結部材60の抜き挿しのみで行うことができる。よって、特殊な治具を用いること無く簡易、迅速に行うことが可能となる。このため、摺動による摩耗の割合が大きいアウタロータ40のみを消耗部品として取り替えることができ、インナロータ20を再利用することが可能となる。さらに、インナロータ20とアウタロータ40との分解、組立を簡易迅速に行うことが可能なため、使用環境や天候等に応じて、適切なアウタロータ40を選択的に組付け、所望する制動性能を得ることが可能となる。
なお、本実施形態では、締結部材60の先端処理として、パイプ部材62によるカシメを例示したが、端部60a,60bのズレによる締結部材60の抜け、脱落を防止することができる構成であれば、適宜変更することができる。例えば、図6や図7に示すような形態であっても良い。
図6に示す形態は、締結部材60の一方の端部(例えば60b)に雄ネジ64を形成し、他方の端部(例えば60a)に前記雄ネジ64と螺合する雌ネジを有するジョイント部66を設けるというものである。ジョイント部66のみを回転自在な構成とすることで、締結部材60の端部60a,60b間の羅合が可能となる。このような構成とした場合には、ロータ10を分解する際に、締結部材60を切断する必要性が無く、締結部材60の再利用も可能となる。
また、図7に示す形態は、締結部材60の一方の端部(例えば60a)に、他方の端部(例えば60b)が軸方向にずれることを防止するカバー部68を取り付けたものである。このような構成とすることにより、インナロータ20とアウタロータ40との組立、分解を行う際には、端部60a,60bを円周方向に僅かにずらすだけで良い構成となる。なお、締結部材60の端部処理としては、線条材の端部をロータの半径方向に折り曲げるというものであっても良い。
また、本実施形態では、インナロータ20に対するアウタロータ40の組付け容易性を増すために、インナロータ20の締結部32には貫通孔34を形成し、アウタロータ40の締結部50を構成するメインアンカ48、サブアンカ46にはそれぞれ対向する加工面を有する切欠き部48a,46aを形成する構成としている。しかしながら、本実施形態に係るロータ10には、アウタロータ40における締結部50を構成するメインアンカ48及びサブアンカ46に形成した切欠き部48a,46aに変えて、貫通孔を形成したものも含まれる。
また、図示はしないが、インナロータ20やアウタロータ40の締結部32,50に貫通孔を設ける場合には、貫通孔の開口部にテーパ処理を施しておくと良い。このような構成とすることにより、テーパ部がガイドとなり、貫通孔に締結部材60を導くことができるようになり、締結部材60の組付け容易性が向上することとなる。
また、インナロータ20とアウタロータ40とを1本の線条材で締結する構成としたことにより、ロータ10が回転した際に、アウタロータ40はインナロータ20に対して自動的にセンタリングされることとなる。
また、本実施形態に係るロータ10では、インナロータ20とアウタロータ40とを締結するために用いる締結部材60が線条材のみとなるため、アウタロータ40のフローティング特性を向上させることが可能となり、ブレーキング時におけるパッドとのなじみが良くなる。さらに、フローティング特性が高いため、アウタロータ40に振れや反りが発生した場合であっても、引き摺りトルクを低く押えることができる。
また、本実施形態に係るロータは、図8や図9に示すような形態であっても良い。具体的には、ロータを構成するインナロータ20、またはアウタロータ40に対して、締結部材60である線条材を保護するためのタブを設けるといった構成である。そして、図8はインナロータ20にタブ30aを設けた形態の例を示し、図9はアウタロータ40にタブ42aを設けた形態の例を示す図である。なお、図8、図9においてはそれぞれ、(A)ロータの正面図であり、(B)は同図(A)におけるA−A断面を示す図である。以下、各図を参照してその詳細な構成について説明する。
まず、図8を参照して、インナロータ20にタブ30aを設けた形態の例について説明する。インナロータ20にタブ30aを設ける場合、隣接するメインスポーク26同士を接続するビーム30に設けることが望ましい。タブ30aをビーム30に設けることにより、締結部材60を保護するという効果の他に、ビーム30の剛性を増すという効果も得ることができるからである。タブ30aを構成する部分は、図8(B)に示すように、ビーム30を構成する部分の肉厚よりも薄く形成することで、タブ30a形成部の裏側に締結部材60である線条材を配置することを可能としている。
このようなタブ30aをインナロータ20に設けることによれば、タブ30a形成面側から飛び石などの飛散物がロータ10に衝突した場合であっても、締結部材60が損傷することを防止することができる。また、2輪車などの車両自体が転倒した場合であっても、地表面に存在する突起物と締結部材60とが直接接触し、締結部材60が変形、損傷するといったことを防止することができる。さらに、タブ30a形成面と逆側、すなわち締結部材60配置面側から締結部材60に対して飛散物や突起物などにより応力が加えられた場合であっても、タブ30aがサポートとなり、締結部材60が大きく変形することを防止することができるのである。
次に、図9を参照して、アウタロータ40にタブ42aを設けた形態の例について説明する。アウタロータ40にタブ42aを設ける場合、隣接する締結部50間に配設することとなる。タブ42aを構成する部分は、図9(B)に示すように、摺動部42を構成する部分の肉厚よりも薄く形成することで、タブ42a形成部の裏側に締結部材60である線条材を配置することを可能としている。このように、タブ42aをアウタロータ40に設けた場合であっても、上記のようにインナロータ20にタブ42aを設けた場合と同様な効果を得ることができる。なお、図9においては、タブ42aと締結部50を構成するメインアンカ48との間、及びタブ42aと締結部50を構成するサブアンカ46との間に凹部を設け、各部の構成区分を分かり易く示した。しかしながら、前記凹部を無くし、タブ42aとメインアンカ48、タブ42aとサブアンカ46とのそれぞれを連続して配置した形態とした場合であっても、本実施形態の一部とみなすことができる。
上記のように、インナロータ20にタブ30aを配置する場合と、アウタロータ40にタブ42aを配置する場合とには、それぞれ次のような点において、安全面や重量面での利点を求めることができる。例えば、タブ30aをインナロータ20に配置する形態の場合、インナロータ20の構成部材は一般にアウタロータ40の構成部材に比べて軽い。このため、タブ30aの大きさを多少大きくして安全性を確保した場合であっても、重量面からすると、その影響を小さくすることができるのである。
一方、アウタロータ40の構成部材は一般に、インナロータ20の構成部材に比べて剛性が高い。したがって、アウタロータ40にタブ42aを設ける場合には、インナロータ20にタブ30aを設ける場合に比べて、タブ42aの肉厚を薄くした場合であっても、同様な強度を保つことができるため、重量面での優位性を得ることができるのである。
保護、すなわち安全面からすると、タブの大きさは、できるだけ大きく、あるいは厚肉とした方が良い。一方、軽量化といった面からすると、タブは必要最少限な大きさとし、薄肉とする方が良い。このような観点及びタブの強度といった観点から、タブの大きさや強度は、安全面や重量といった側面を考慮した上で適宜定めるようにすれば良い。
また、上記形態では、インナロータ20にタブ30aを設ける場合も、アウタロータ40にタブ42aを設ける場合も、いずれか一方の面を基準としてタブを配置する構成を図に示した。しかしながら、タブの配置は、隣接するタブとの間で、その基準面を逆転させ、互い違いに設けられるようにしても良い。このような構成とすることによれば、ロータ10における表裏面でのバランスが向上するからである。
さらに、上記実施形態では、インナロータ20とアウタロータ40のいずれか一方のみにタブを設ける構成を示したが、両者にタブを設け、締結部材60をタブにより挟み込むような構成としても良い。このような構成とすることによれば、締結部材60は両側面からの飛散物や突起物の接触を防止することができることとなるため、安全性が向上する。
次に、図10を参照して本発明のディスクブレーキ用ロータに係る第2の実施形態について説明する。本実施形態に係るロータも、上記第1の実施形態に係るロータ10と同様に、インナロータ、アウタロータ、及び締結部材からなることを基本とし、その殆どの構成を第1の実施形態に係るロータ10と同様とする。したがって、その機能を同一とする箇所には図1の符号に100を足した符号を付してその詳細な説明は省略することとする。
本実施形態に係るロータ110は、インナロータ120におけるメインスポーク126の数を偶数(本実施形態では6つ)とした場合に適用することに優れている。第1の実施形態に係るロータ10との相違点は、アウタロータ140における締結部150の構成である。
具体的には、次のような構成上の違いがある。すなわち、第1の実施形態におけるアウタロータ40では、1つの締結部50を構成するメインアンカ48とサブアンカ46とに形成する切欠き部48a,46aの基準面がアウタロータ40の表と裏となるようにしていた。これに対し、本実施形態のアウタロータ140では、1つの締結部150を構成するメインアンカ148とサブアンカ146とに形成する切欠き部148a,146aの基準面は互いに同一面とし、隣り合う締結部150のアンカ(メインアンカ148とサブアンカ146)に形成する切欠き部148a,146aの基準面を逆にする構成としたのである。
このような構成であっても、隣接する締結部150のアンカ同士で締結部材160を軸方向に挟み込むことが可能となる。このため、締結部150を4つ以上設けた場合には、インナロータ120とアウタロータ140との軸方向のズレを抑制することができ、第1の実施形態に係るロータ10と同様な効果を得ることが可能となる。
次に、図11を参照して本発明のディスクブレーキ用ロータに係る第3の実施形態について説明する。本実施形態に係るロータも、上記第1の実施形態に係るロータ10と同様に、インナロータ、アウタロータ、及び締結部材からなることを基本とし、その殆どの構成を第1の実施形態に係るロータ10と同様とする。したがって、その機能を同一とする箇所には図1の符号に200を足した符号を付してその詳細な説明は省略することとする。なお、本実施形態に係るロータ210も、上記第2の実施形態に係るロータ110と同様に、インナロータ220におけるメインスポーク226の数を偶数(本実施形態では6つ)とした場合に適用することに優れている。
本実施形態に係るロータ210と、第1、第2の実施形態に係るロータ10,110との相違点は、インナロータ220における締結部232の構成である。本実施形態のインナロータ220では、第1、第2の実施形態においてメインスポーク226の締結部232に設けていた貫通孔34,134の代りに、切欠き部232aを設ける構成としたことを特徴とする。前記切欠き部232aの加工面は、隣接するメインスポーク226間で相互に逆向きとなるように、加工時の基準とする面を表裏逆に設定する。このような構成とすることにより、隣接するメインスポーク226の締結部232同士で締結部材260を挟み込むことが可能となる。また、インナロータ220の締結部をこのような構成とすることによれば、インナロータ220の側面からの加工が不要となり、生産性が向上する。
また、図11に示す形態では、アウタロータ240の締結部250を構成するメインアンカ248とサブアンカ246には、切欠き部に替えて貫通孔249,247を設ける構成とした。
このような構成であっても、第1、第2の実施形態に係るロータ10,110と同様に、インナロータ220とアウタロータ240とが軸方向にずれることを防止することができる。なお、図11に示す形態では、アウタロータ240の締結部250を構成するメインアンカ248とサブアンカ246には、貫通孔249,247を設けるように示しているが、貫通孔249,247に替えて、図1、あるいは図10のアウタロータ40,140に示したような切欠き部48a,46a(148a,146a)を設ける構成とした場合であっても、本実施形態に係るロータ210とみなすことができる。なお、図10に示すアウタロータ140のような構成の切欠き部を設ける場合には、嵌合構造を成すインナロータ220における締結部232とアウタロータ240とにおける締結部250に形成する切欠き部の加工面がそれぞれ逆向きとなるように構成する。
次に図12を参照して本発明のディスクブレーキ用ロータに係る第4の実施形態について説明する。本実施形態に係るロータも、上記第1の実施形態に係るロータ10と同様に、インナロータ、アウタロータ、及び締結部材からなることを基本とし、その殆どの構成を第1の実施形態に係るロータ10と同様とする。したがって、その機能を同一とする箇所には図1の符号に300を足した符号を付してその詳細な説明は省略することとする。
本実施形態に係るロータ310と、上記第1乃至第3の実施形態に係るロータとの相違点は、締結部332,350の構成にある。すなわち、上記3つの実施形態では締結部は、いずれも、インナロータ側に凸部、アウタロータ側に一対の凸部から成るアンカを備える構成としていたのである。これに対して本実施形態に係るロータ310では、アウタロータ340側に締結部50である凸部を構成し、インナロータ320側に前記締結部350である凸部を挟み込むようにして形成した一対の凸部から成るアンカ332a,332bを備える構成としているのである。
このような構成とすることにより、軽量部材で構成されているインナロータ320側の容積を増やし、重量部材で構成されているアウタロータ340側の容積を減らすことができる。このため、ロータ310全体としての軽量化を図ることができるのである。
また、締結部332,350の構成を図12に示すようなものとする場合、アウタロータ340側の締結部350は、1つの凸部に対して互いに異なる面を基準とした複数の切欠き350a,350bを設け、この切欠き350a,350bにおける加工面の間に、締結部材360である線条材を挿通させるようにすると良い。このような構成とすることにより、上記第1の実施形態におけるメインアンカ48とサブアンカ46とによる締結部材60の支持と同様な効果を奏することが可能となるからである。
なお、他の構成については、上述した第1乃至第3の実施形態に係るロータのいずれかと同様とする。このような構成のロータであっても、上記実施形態に係るロータのいずれかと同様な効果を奏することができる。
また、上記実施形態ではいずれも、締結部には貫通孔か切欠き部を設ける旨を示したが、切欠き部や貫通孔に替えて、締結部材を案内可能な溝を設ける構成としても良い。例えば第1の実施形態において、アウタロータ40の締結部50(メインアンカ48、サブアンカ46)に、切欠き部48a,46aに替えて溝を設ける場合、図13に示すように、ロータ10の半径方向に溝48b,46bを設ける構成であっても良いし、図14に示すように、ロータ10の軸方向(厚み方向)に溝48c(46c)を設ける構成であっても良い。各構成における溝の特性としては、図13に示す形態は、貫通孔を設ける場合に近似し、図14に示す形態は、切欠き部を設ける場合に近似することとなる。なお当然に、インナロータにおける締結部に溝を設ける場合であっても、アウタロータの場合と同様、2通りの溝を設けることができる。なおインナロータの場合、半径方向の溝を形成する際には、インナロータの外周側に、溝の開口部が位置することとなる。
また、第1の実施形態に係るロータ10において、アウタロータ40の締結部50を構成するメインアンカ48とサブアンカ46とに設けた切欠き部48a,46aを貫通孔とする場合には、締結部材60を締結部毎に分割する構成としても良い。
第1の実施形態に係るディスクブレーキ用ロータの構成を示す図である。 第1の実施形態に係るディスクブレーキ用ロータのインナロータの構成を示す図である。 第1の実施形態に係るディスクブレーキ用ロータのアウタロータの構成を示す図である。 第1の実施形態に係るディスクブレーキ用ロータの締結部材の構成を示す図である。 第1の実施形態に係るディスクブレーキ用ロータの締結部を示す部分拡大斜視図である。 締結部材における端末処理の例を示す図である。 締結部材における端末処理の他の例を示す図である。 第1の実施形態に係るディスクブレーキ用ロータの変形例であり、インナロータ側にタブを設けた形態を示す図である。 第1の実施形態に係るディスクブレーキ用ロータの変形例であり、アウタロータ側にタブを設けた形態を示す図である。 第2の実施形態に係るディスクブレーキ用ロータの構成を示す図である。 第3の実施形態に係るディスクブレーキ用ロータの構成を示す図である。 第4の実施形態に係るディスクブレーキ用ロータの構成を示す図である。 アウタロータ側締結部に、ロータの半径方向に溝を設けた場合の例を示す図である。 アウタロータ側締結部に、ロータの厚み方向に溝を設けた場合の例を示す図である。
符号の説明
10………ロータ、20………インナロータ、22………中心孔、24………ボルト孔、26………メインスポーク、28………サブスポーク、30………ビーム、32………締結部、34………貫通孔、36………突起部、38………切欠き、40………アウタロータ、42………摺動部、44………貫通孔、46………サブアンカ、46a………切欠き部、48………メインアンカ、48a………切欠き部、50………締結部、60………締結部材、60a,60b………端部、62………パイプ部材。

Claims (5)

  1. インナロータの外周とアウタロータの内周との対向する位置にそれぞれ設けられ、少なくとも前記インナロータに付加された回転力を前記アウタロータに伝達する凸部を有する複数の締結部と、前記締結部をロータの円周方向に貫通する線条材とを介して前記インナロータと前記アウタロータとを締結するディスクブレーキ用ロータであって、
    前記凸部を、前記インナロータに形成された凸部と前記アウタロータに形成された一対の凸部とにより構成される嵌合構造とし、
    前記締結部のうち、前記インナロータ側凸部にはロータの円周方向に沿った貫通孔を形成すると共に、前記アウタロータ側凸部には一対の凸部に対して互いに異なる主面を基準として肉厚を薄くするように設けた切欠きまたは互いに異なる主面を基準として当該アウタロータの厚み方向に設けた溝を前記貫通孔の延長線上に位置するように配置し
    前記線条材は、複数の前記締結部における前記貫通孔及び前記切欠きまたは前記溝を円周方向に連続して貫く1本の部材とし、その端部同士を締結したことを特徴とするディスクブレーキ用ロータ。
  2. インナロータの外周とアウタロータの内周との対向する位置にそれぞれ設けられ、少なくとも前記インナロータに付加された回転力を前記アウタロータに伝達する凸部を有する複数の締結部と、前記締結部をロータの円周方向に貫通する線条材とを介して前記インナロータと前記アウタロータとを締結するディスクブレーキ用ロータであって、
    前記凸部を、前記インナロータに形成された凸部と前記アウタロータに形成された一対の凸部とにより構成される嵌合構造とし、
    前記締結部のうち、前記アウタロータ側凸部には一対の凸部をロータの円周方向に沿って連続して貫く貫通孔を形成すると共に、
    前記インナロータ側凸部には隣接して形成されたインナロータ側凸部と異なる面を基準として肉厚を薄くするように設けた切欠き、または互いに異なる主面を基準として当該アウタロータの厚み方向に設けた溝を、前記貫通孔の延長線上に位置するように配置し、
    前記線条材は、複数の前記締結部における前記貫通孔、及び前記切欠きまたは前記溝を円周方向に連続して貫く1本の部材とし、その端部同士を締結したことを特徴とするディスクブレーキ用ロータ。
  3. インナロータの外周とアウタロータの内周との対向する位置にそれぞれ設けられ、少なくとも前記インナロータに付加された回転力を前記アウタロータに伝達する凸部を有する複数の締結部と、前記締結部をロータの円周方向に貫通する線条材とを介して前記インナロータと前記アウタロータとを締結するディスクブレーキ用ロータであって、
    前記凸部を、前記インナロータに形成された凸部と前記アウタロータに形成された一対の凸部とにより構成される嵌合構造とし、
    前記締結部を構成する前記インナロータ側凸部と前記アウタロータ側凸部とには互いに異なる側の主面を基準として肉厚を薄くするように設けた切欠き、または互いに異なる主面を基準として当該アウタロータの厚み方向に設けた溝を形成すると共に、隣接する締結部を構成するインナロータ側凸部及びアウタロータ側凸部では前記切欠きまたは前記溝を形成する基準面を逆転させる構成とし、
    前記線条材は、複数の前記締結部のインナロータ側凸部及びアウタロータ側凸部に形成された切欠きまたは溝を円周方向に連続して貫く1本の部材とし、その端部同士を締結したことを特徴とするディスクブレーキ用ロータ。
  4. 前記締結部のインナロータ側凸部に前記アウタロータ側凸部との接触面を担う突起部を設け、
    前記突起部は、インナロータ側凸部本体の肉厚よりも薄肉に形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のディスクブレーキ用ロータ。
  5. インナロータの外周とアウタロータの内周との対向する位置にそれぞれ設けられ、少なくとも前記インナロータに付加された回転力を前記アウタロータに伝達する凸部を有する複数の締結部と、前記締結部をロータの円周方向に貫通する線条材とを介して前記インナロータと前記アウタロータとを締結するディスクブレーキ用ロータであって、
    前記凸部を、前記アウタロータに形成された凸部と前記インナロータに形成された一対の凸部とにより構成される嵌合構造とし、
    前記締結部のうち、前記インナロータ側に形成された一対の凸部にはロータの円周方向に沿った貫通孔をそれぞれ形成すると共に、前記アウタロータ側凸部には1つの凸部に対して互いに異なる主面を基準として肉厚を薄くするように設けた複数の切欠き、または互いに異なる主面を基準として当該アウタロータの厚み方向に設けた溝を前記貫通孔の延長線上に位置するように連続して配置し、
    前記線条材は、複数の前記締結部における前記貫通孔、及び前記切欠きまたは前記溝を円周方向に連続して貫く1本の部材とし、その端部同士を締結したことを特徴とするディスクブレーキ用ロータ。
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