JP5683046B2 - 巻線成形装置および巻線成形方法 - Google Patents

巻線成形装置および巻線成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、自動車用回転電機などに使用されるコイルの製造にあたり、当該コイルを構成する巻線に対して成形を行う巻線成形装置および巻線成形方法に関する。
自動車用回転電機などに使用されるコイルに関する従来技術として、特許文献1には、レーンチェンジ部に相当するクランク形状部を備えるコイルが配置されたステータを有する回転電機の技術が開示されている。この特許文献1の技術では、平角導体を六角のボビンに巻いて巻線を成形し、その後、成形型を用いて前記の巻線を加工することにより、クランク形状部を備えるコイルを成形している。そして、このクランク形状部を備えるコイルをステータコアに配置して、ステータを製造している。
また、特許文献2には、2つの同相のコイルが互いに渡り線で接続されており、当該2つの同相のコイルがなす周回の一部が互い重なるようにして、ステータコアの隣接したスロットに配置される技術が開示されている。
特開2008−104293号公報 特開2009−195006号公報
ここで、特許文献1や特許文献2の技術では、いずれもコイルに備わるレーンチェンジ部は、コイルのユニット単位でかわすように設計が為されている。そのため、例えば、コイルが3回巻きなら、一方のコイルのユニットは他方のコイルのユニットと干渉しないように、導体3本分の幅をレーンチェンジ部でかわすように設計が為されている。しかしながら、このレーンチェンジ部として使える幅は、ステータコアの径の大きさによって制約されてしまう。そのため、コイルの巻回数が多くなるとレーンチェンジ部が大きくなるので、レーンチェンジ部をステータコアの径方向に逃がすことが困難になり、レーンチェンジ部をステータコアの軸方向に逃がさなければならないおそれがある。そして、これにより、コイルエンドが大きくなってしまい、ステータおよびモータが大型化してしまう。
そこで、本出願人は、特許出願(出願番号 特願2012−042124)において、ステータにおけるコイルエンドの小型化を可能とし、さらに、ステータコアへの組み付け性の向上を図ったコイルを提案した。
ここで、このようなコイルの製造方法における90°曲げ成形工程においては、平角導体の幅の大きさの隙間を持った巻線をその隙間の大きさを維持させながら折り曲げることにより、90°曲げ成形を行うことが要求される。そこで、巻線の隙間に当該巻線と同材質の平角導体からなるものであって巻線と同形状に成形したダミーコイルを挟み、巻線を折り曲げることが考えられる。しかしながら、ダミーコイルも折り曲げてしまうので、当該ダミーコイルは再利用できず破棄しなければならない。そのため、巻線とほぼ同量の平角導体が無駄になるので、コストが増大してしまう。そこで、このようなダミーコイルを使用せずに、隙間を持った巻線に対してコストを低減しながら曲げ成形を行うことが望ましい。
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、隙間を持った巻線に対してコストを低減しながら曲げ成形を行うことができる巻線成形装置および巻線成形方法を提供すること、を課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、導体を周状に巻きながら積層し、ステータコアのスロットの内部に配置される部分に相当する直線形状のスロット内予定部と、一対の前記スロット内予定部の間を連結するコイルエンド予定部とを備える巻線に対して成形を行う巻線成形装置において、前記巻線は、周状に巻かれつつ隣り合う前記導体の間に前記導体の幅の大きさの隙間を備えており、前記導体の幅の大きさの板厚からなり前記導体よりも剛性の大きい板状のブレードと、前記スロット内予定部を当該スロット内予定部の導体の延伸方向に移動可能としながら保持する保持手段と、を有し、前記ブレードを前記コイルエンド予定部における前記隙間と前記導体の積層方向の両側に配置し、かつ、前記保持手段により前記スロット内予定部を保持した状態で、前記スロット内予定部と前記コイルエンド予定部の接続部分を折り曲げて、前記スロット内予定部における前記導体の積層方向と前記コイルエンド予定部における前記導体の積層方向とがなす角度を所定の角度に成形する曲げ成形を行うこと、を特徴とする。
この態様によれば、導体の幅の大きさの板厚からなるブレードにより巻線の隙間を確保した状態で曲げ成形を行うので、導体の幅の大きさの隙間を持った巻線を当該隙間の大きさを維持させながら折り曲げることができる。そのため、曲げ成形後の巻線について隙間を確保しつつ所望の形状に成形することができる。このとき、ブレードを変形させないので、当該ブレードを再利用することができる。そのため、隙間を持った巻線に対してコストを低減しながら曲げ成形を行うことができる。
上記の態様においては、前記所定の角度に曲げ成形を行うときに、前記角度を一旦所定の角度よりも大きくした後に所定の角度に戻すこと、が好ましい。
この態様によれば、導体のスプリングバック現象による影響を抑制でき、かつ、巻線の折り曲げ部分に必要な量の導体を確保できるので、曲げ成形後の巻線を確実に所望の形状に成形することができる。
上記の態様においては、前記所定の角度は90°であること、が好ましい。
この態様によれば、隙間を持った巻線に対してコストを低減しながら90°曲げ成形を行うことができる。
上記の態様においては、前記曲げ成形を行う前に、前記コイルエンド予定部の前記保持手段側の両端部における前記隙間と前記導体の積層方向の両側に対し前記ブレードを前記一対の前記スロット内予定部の配列方向の外側から挿入すること、が好ましい。
この態様によれば、導体間の隙間が確保されている保持手段の近傍にてブレードを導体間の隙間に確実に挿入することができる。そのため、ブレードと導体とが干渉して巻線が変形することを防止できる。
上記の態様においては、前記保持手段に対して前記一対の前記スロット内予定部の配列方向の外側に前記保持手段を制止する制止手段を配置すること、が好ましい。
この態様によれば、曲げ成形をするときに保持手段を制止することができるので、曲げ成形後の巻線を確実に所望の形状に成形することができる。
上記課題を解決するためになされた本発明の他の態様は、導体を周状に巻きながら積層し、ステータコアのスロットの内部に配置される部分に相当する直線形状のスロット内予定部と、一対の前記スロット内予定部の間を連結するコイルエンド予定部とを備える巻線に対して成形を行う巻線成形方法において、前記巻線は、周状に巻かれつつ隣り合う前記導体の間に前記導体の幅の大きさの隙間を備えており、前記導体の幅の大きさの板厚からなり前記導体よりも剛性の大きい板状のブレードを前記コイルエンド予定部における前記隙間と前記導体の積層方向の両側に配置し、かつ、前記スロット内予定部を当該スロット内予定部の導体の延伸方向に移動可能としながら保持した状態で、前記スロット内予定部と前記コイルエンド予定部の接続部分を折り曲げて、前記スロット内予定部における前記導体の積層方向と前記コイルエンド予定部における前記導体の積層方向とがなす角度を所定の角度に成形する曲げ成形を行うこと、を特徴とする。
この態様によれば、導体の幅の大きさの板厚からなるブレードにより巻線の隙間を確保した状態で曲げ成形を行うので、導体の幅の大きさの隙間を持った巻線を当該隙間の大きさを維持させながら折り曲げることができる。そのため、曲げ成形後の巻線について隙間を確保しつつ所望の形状に成形することができる。このとき、ブレードを変形させないので、当該ブレードを再利用することができる。そのため、隙間を持った巻線に対してコストを低減しながら曲げ成形を行うことができる。
本発明に係る巻線成形装置および巻線成形方法によれば、隙間を持った巻線に対してコストを低減しながら曲げ成形を行うことができる。
コイルの外観斜視図である。 コイルの正面図である。 コイルの上面図である。 巻線工程による成形後における巻線の外観斜視図である。 巻線工程による成形後における巻線の上面図である。 凸成形工程による成形後における巻線の外観斜視図である。 凸成形工程による成形後における巻線の上面図である。 クランク成形工程による成形後における巻線の外観斜視図である。 クランク成形工程による成形後における巻線の上面図である。 90°曲げ成形工程による成形後における巻線の外観斜視図である。 90°曲げ成形工程による成形後における巻線の上面図である。 ステータコアに配置するために追加工した後のコイルの正面図である。 ステータコアに配置するために追加工した後のコイルの上面図である。 コイル籠において隣り合う2本のコイルを抜き出して示した正面図である。 コイル籠において隣り合う2本のコイルを抜き出して示した上面図である。 コイル籠の一部がステータコアに挿入される様子を表した斜視図である。 ステータの斜視図である。 90°曲げ成形装置の外観斜視図である。 90°曲げ成形装置の上面図である。 図19のA−A断面図である。 駆動ブロックの正面図である。 駆動ブロックの側面図である。 凸状型の側面図である。 キャリヤの外観斜視図である。 巻線をキャリヤに保持させた状態を示す図である。 凸状型を巻線の反リード側コイルエンド予定部の内側に配置したときを示す図である。 巻線の隙間にブレードを挿入したときを示す図である。 ブレード駆動部と凸状型とキャリヤを接近させたときを示す図である。 図28のB−B断面図である。 巻線を90°折り曲げたときを示す図である。 巻線を90°折り曲げたときの90°曲げ成形装置の外観斜視図である。 図30のC−C断面図である。 キャリヤの外観図である。 変形例においてクランク成形工程による成形後における巻線の外観斜視図である。 変形例においてクランク成形工程による成形後における巻線の上面図である。
ここでは、まず、最終的に製造されるコイルの構造および当該コイルの製造方法、さらに製造されたコイルを使用するステータについての全体的な概要について説明する。そして、その後、90°曲げ成形工程で使用する巻線成形装置およびその巻線成形方法について詳細に説明する。
〔コイルの構造〕
まず、最終的に製造されるコイル1の構造について説明する。ここで、図1はコイル1の外観斜視図であり、図2はコイル1の正面図であり、図3はコイル1の上面図である。なお、図1において色付け部分は、後述する開き円弧成形工程にて平角導体10が変形する部分を示したものである。コイル1は、平角導体10からなるものである。ここで、平角導体10は、導電性の高い銅やアルミニウム等の金属を矩形断面のワイヤとして形成したものであり、その周囲はエナメル等の絶縁被覆材で覆われている。そして、この平角導体10に対してエッジワイズ曲げ加工やフラットワイズ曲げ加工を行って、コイル1を製造する。ここで、「エッジワイズ曲げ加工」とは、平角導体10の矩形断面における短辺側の一方の面を内径面とし他方の面を外径面として、当該平角導体10を短辺側方向に曲げて成形することである。また、「フラットワイズ曲げ加工」とは、平角導体10の矩形断面における長辺側の一方の面を内径面とし他方の面を外径面として、当該平角導体10を長辺側方向に曲げて成形することである。
図1〜図3に示すように、コイル1は、平角導体10を周状に巻きながら積層して成形されるものである。このコイル1は、隣り合う平角導体10の間に平角導体10の積層方向の隙間δを備える。この隙間δは、平角導体10が挿入できる大きさとしており、詳しくは、平角導体10の短辺幅分の大きさとしている。そして、コイル1は、端部12、端部14、スロット内配置部16、リード側コイルエンド配置部18、反リード側コイルエンド配置部20、折り曲げ部22などを備えている。
ここで、スロット内配置部16は、コイル1をステータコア62(図16参照)に配置するときにスロット66(図16参照)の内部に配置される部分である。このスロット内配置部16は、図1や図2に示すように、図面の上下方向について直線形状に成形されている。
また、リード側コイルエンド配置部18は、コイル1をステータコア62(図16参照)に配置するときにスロット66(図16参照)の外部に配置される部分である。このリード側コイルエンド配置部18は、図1〜図3に示すように、レーンチェンジ部24と、第1縁部26と、第2縁部28などを備えている。第1縁部26と第2縁部28は、各々、図3に示すように、平角導体10の積層方向(図3の上方向)に湾曲する円弧形状部分であり、スロット内配置部16とレーンチェンジ部24とを接続している。
そして、図3に示すように、レーンチェンジ部24は、リード側コイルエンド配置部18の略中央部(中央部またはその近傍)にて、平角導体10の積層方向(図3の上下方向)について平角導体10の短辺幅分の大きさの段差からなるものである。なお、リード側コイルエンド配置部18における平角導体10の積層方向(図3の上下方向)は、コイル1をステータコア62(図16参照)に配置するときのステータコア62の径方向となる。
また、第1縁部26と第2縁部28は、図1と図2に示すように、各々、R形状部30を備える。このR形状部30は、第1縁部26とスロット内配置部16との接続側端部にてコイル1の周方向について円弧形状に形成され、第2縁部28とスロット内配置部16との接続側端部にてコイル1の周方向について円弧形状に形成される。なお、このリード側コイルエンド配置部18は、ステータコア62の軸方向の端面76(図16参照)に対し、電源供給用のリード線(不図示)が接続される側に配置される。
また、反リード側コイルエンド配置部20は、コイル1をステータコア62(図16参照)に配置するときにスロット66(図16参照)の外部に配置される部分である。この反リード側コイルエンド配置部20は、図1〜図3に示すように、レーンチェンジ部32と、第1縁部34と、第2縁部36などを備える。第1縁部34と第2縁部36は、各々、図2に示すように、スロット内配置部16とレーンチェンジ部32とを接続している。
そして、図2に示すように、レーンチェンジ部32は、反リード側コイルエンド配置部20の略中央部(中央部またはその近傍)にて、平角導体10の積層方向(図2の上下方向)について平角導体10の短辺幅分の大きさの段差からなるものである。なお、反リード側コイルエンド配置部20における平角導体10の積層方向(図2の上下方向)は、コイル1をステータコア62(図16参照)に配置するときのステータコア62の軸方向となる。
また、折り曲げ部22は、コイル1を用いて環状のコイル籠64(図16参照)を形成したときの当該コイル籠64の内側に向かって、反リード側コイルエンド配置部20がスロット内配置部16から突出させるために成形された部分である。そして、この折り曲げ部22を有することにより、リード側コイルエンド配置部18における平角導体10の積層方向と反リード側コイルエンド配置部20における平角導体10の積層方向とが直交する。
このように、コイル1は、隣り合う平角導体10の間に隙間δを備える。そして、このコイル1は、リード側コイルエンド配置部18に平角導体10の短辺幅分の大きさの段差からなるレーンチェンジ部24を備え、反リード側コイルエンド配置部20に平角導体10の短辺幅分の大きさの段差からなるレーンチェンジ部32を備えている。これにより、詳しくは後述するように、ステータ60のコイルエンドの小型化を可能とする。
〔コイルの製造方法〕
次に、以上のような構造のコイル1の製造方法の全体的な概要について説明する。コイル1の製造方法では、巻線工程、凸成形工程、クランク成形工程、90°曲げ成形工程、開き円弧成形工程の順に行う。
(巻線工程)
まず、巻線工程について説明する。巻線工程では、図4と図5に示すような形状の巻線38を成形する。このように成形された巻線38は、図4と図5に示すように、端部12と端部14を除いて、角丸長方形状(オーバル形状)に成形されている。そして、巻線38は、角丸長方形状に成形された部分において、直線形状のスロット内予定部40と、円弧形状のリード側コイルエンド予定部42と、円弧形状の反リード側コイルエンド予定部44とを備える。また、巻線38は、隣り合う平角導体10の間に隙間δを備える。この隙間δは、平角導体10が挿入できる大きさとし、詳しくは、平角導体10の短辺幅分の大きさとする。このように、巻線工程において、最終形状のコイル1に備わる隙間δが成形される。
スロット内予定部40は、前記のコイル1のスロット内配置部16(図1参照)に相当する部分である。そして、スロット内予定部40は、巻線38の周上にて、互いに対向するように1対備わる。図4や図5で示す例では、一例として、スロット内予定部40は合計5対備わる。
また、リード側コイルエンド予定部42は、前記のコイル1のリード側コイルエンド配置部18(図1参照)に相当する部分である。そして、リード側コイルエンド予定部42は、巻線38における周上にて、反リード側コイルエンド予定部44とともに互いに対向するように対をなす一対のコイルエンド予定部を構成する。図4や図5で示す例では、一例として、リード側コイルエンド予定部42は合計4つ備わる。そして、リード側コイルエンド予定部42の頂点部46は、平角導体10の積層方向(図4の奥行き方向)について、巻線38の外周方向(図4の上下方向)の位置が徐々に高くなっている。これにより、後述する90°曲げ成形工程による成形後において、頂点部46は、平角導体10の積層方向について、巻線38の外周方向の位置が同じ位置に揃う。
ここで、リード側コイルエンド予定部42は、スロット内予定部40との接続側端部にてR形状予定部50を備える。このR形状予定部50は、コイル1のR形状部30(図1、図2参照)に相当する部分であり、巻線38の周方向について円弧形状に形成される部分である。そして、R形状予定部50は、その曲率がコイル1のR形状部30の曲率と等しくなるように成形されている。そして、本実施例では、この後の各工程を通じてR形状予定部50の曲率に変更を加えることなく、コイル1を製造する。
また、反リード側コイルエンド予定部44は、前記のコイル1の反リード側コイルエンド配置部20(図1参照)に相当する部分である。そして、反リード側コイルエンド予定部44は、巻線38における周上にて、リード側コイルエンド予定部42とともに互いに対向するように対をなす一対のコイルエンド予定部を構成する。図4や図5で示す例では、一例として、反リード側コイルエンド予定部44は合計5つ備わる。そして、反リード側コイルエンド予定部44の頂点部48は、平角導体10の積層方向(図4の奥行き方向)について、巻線38の外周方向(図4の上下方向)の位置が同じ位置に揃っている。このように、巻線工程から後述する各工程を通して、反リード側コイルエンド予定部44の頂点部48の位置を同じ位置に揃えるように管理することにより、最終形状のコイル1における反リード側コイルエンド配置部20の寸法精度が向上する。これにより、後述するコイル籠64の組み立て性が向上する。なお、巻線工程で使用する巻線装置の詳細については、後述する。
(凸成形工程)
次に、凸成形工程について説明する。凸成形工程では、巻線38を図6と図7に示すような形状に成形する。このように成形された巻線38は、図6と図7に示すように、リード側コイルエンド予定部42と反リード側コイルエンド予定部44が各々、巻線38の外周方向(図6の上下方向)に突出する凸形状に成形される。なお、図7に示すように、隣り合う平角導体10の間に備わる隙間δを維持している。
リード側コイルエンド予定部42は、その略中央部(中央部またはその近傍)に凸部52を備え、この凸部52を挟んで両側に第1縁部26と第2縁部28を備えるように成形される。なお、リード側コイルエンド予定部42の頂点部46は、平角導体10の積層方向(図4の奥行き方向)について、巻線38の外周方向(図4の上下方向)の位置が徐々に高くなっている。
また、反リード側コイルエンド予定部44は、その略中央部(中央部またはその近傍)に凸部54を備え、この凸部54を挟んで両側に第1縁部34と第2縁部36を備えるように成形される。なお、反リード側コイルエンド予定部44の頂点部48は、平角導体10の積層方向(図6の奥行き方向)について、巻線38の外周方向(図6の上下方向)の位置が同じ位置に揃っている。
(クランク成形工程)
次に、クランク成形工程について説明する。クランク成形工程では、巻線38を図8と図9に示すような形状に成形する。このように成形された巻線38は、図8と図9に示すように、リード側コイルエンド予定部42と反リード側コイルエンド予定部44にて、各々、平角導体10の積層方向(図9の上下方向)に平角導体10の短辺幅の大きさの段差からなるレーンチェンジ部24,32が成形される。そして、リード側コイルエンド予定部42にて、第1縁部26と第2縁部28との間にレーンチェンジ部24が成形される。また、反リード側コイルエンド予定部44にて、第1縁部34と第2縁部36との間にレーンチェンジ部32が成形される。なお、図9に示すように、隣り合う平角導体10の間において隙間δを維持している。また、図9に示すように、レーンチェンジ部24とレーンチェンジ部32とは互いに反対方向に成形されている。このように、クランク成形工程において、最終形状のコイル1に備わるレーンチェンジ部24とレーンチェンジ部32とが成形される。
(90°曲げ成形工程)
次に、90°曲げ成形工程について説明する。90°曲げ成形工程では、巻線38を図10と図11に示すような形状に成形する。このように成形された巻線38は、図10と図11に示すように、リード側コイルエンド予定部42での平角導体10の積層方向と反リード側コイルエンド予定部44での平角導体10の積層方向とが直交するように成形される。そして、リード側コイルエンド予定部42の頂点部46は、平角導体10の積層方向(図10の奥行方向、図11の上下方向)について、巻線38の外周方向(図10の上下方向)の位置が同じ位置に揃っている。
このように、90°曲げ成形工程を行うことにより、最終形状のコイル1において、スロット内配置部16やリード側コイルエンド配置部18での平角導体10の積層方向と反リード側コイルエンド配置部20での平角導体10の積層方向とが直交するように成形される。
(開き円弧成形工程)
次に、開き円弧成形工程について説明する。開き円弧成形工程は、開き成形工程と円弧成形工程とを同時に行う工程である。開き円弧成形工程では、巻線38の周上における一対のスロット内予定部40の間隔が平角導体10の積層方向について徐々に広くなるように成形する開き成形を行う。すなわち、前記の図3に示すように、コイル1の周上における一対のスロット内配置部16の間隔L1〜L5が平角導体10の積層方向(図3の上方向)に沿って、間隔L1,L2,L3,L4,L5の順に徐々に広くなるように成形される。これにより、スロット内配置部16をステータ60(図16参照)の径方向に放射状に形成されるスロット66(図16参照)内に確実に配置できる。
また、同時に、リード側コイルエンド予定部42の第1縁部26と第2縁部28を、平角導体10の積層方向に湾曲する円弧形状に成形する円弧成形を行う。これにより、前記の図3に示すように、リード側コイルエンド配置部18の第1縁部26と第2縁部28が、平角導体10の積層方向(図3の上方向)に湾曲する円弧形状に成形される。そして、第1縁部26と第2縁部28を円弧形状に成形することにより、リード側コイルエンド配置部18をステータ60(図16参照)の周方向に沿って配置することができる。
以上のようにして、前記の図1〜図3に示すコイル1を製造することができる。
〔ステータの製造方法〕
次に、以上のように製造されたコイル1を使用したステータ60の製造方法について説明する。ここで、図12はステータコア62に配置するために追加工した後のコイル1の正面図であり、図13はステータコア62に配置するために追加工した後のコイル1の上面図である。また、図14はコイル籠64において隣り合う2本のコイル1A,1Bを抜き出して示した正面図であり、図15はコイル籠64において隣り合う2本のコイル1A,1Bを抜き出して示した上面図である。そして、図16はコイル籠64の一部がステータコア62に挿入される様子を表した斜視図であり、図17はステータ60の斜視図である。
まず、コイル1をステータコア62に配置するために、コイル1に対し追加工を行い、コイル1を図12と図13に示すような形状に成形する。具体的には、コイル1の一方の端部12に渡し部68とリード部70を備え、コイル1の他方の端部14に渡し部72と接合部74を備えるように成形する。次に、このように成形したコイル1を複数重ねてコイル籠64を形成する。次に、図16に示すように、ステータコア62の軸方向からコイル籠64をスロット66に配置するようにしてステータコア62に配置する。以上により、図17に示すようなステータ60を製造する。
ここで、コイル籠64において隣り合う2本のコイル1A,1Bを抜き出して示した図を図14と図15に示す。図14と図15に示すように、2本のコイル1A,1Bは、お互いの隙間δに入るように噛み合って組み合わされている。そして、リード側のレーンチェンジ部24A,24Bが隣り合うように配置され、また、反リード側のレーンチェンジ部32A,32Bが隣り合うように配置されている。このように、レーンチェンジ部24A,24Bとレーンチェンジ部32A,32Bは、各々、一本の平角導体10をかわすようにして配置されている。
このように、コイル1を使用してステータ60を製造するときには、隣り合う2本のコイル1A,1Bについて、一方のコイル1Aにおける隣り合う平角導体10の間の隙間δに他方のコイル1Bの平角導体10を挿入することができる。これにより、コイル1Aの平角導体10とコイル1Bの平角導体10とを交互に配置することができる。さらに、一方のコイル1Aのリード側コイルエンド配置部18と反リード側コイルエンド配置部20に備わるレーンチェンジ部24,32により、他方のコイル1Bの1本の平角導体10の幅をかわすことができる。そのため、前記の従来技術のように複数の導体の幅をレーンチェンジ部でかわす必要がなく、複数の導体の幅分のレーンチェンジ部をステータコア62の軸方向に逃がす必要はない。したがって、ステータ60のコイルエンドの軸方向の高さを短縮できる。以上のようにして、ステータ60におけるコイルエンドの小型化を図ることができる。また、同形状のコイル1を複数使用してステータ60を製造することができるので、ステータ60の組み立て性がよい。
〔巻線成形装置および巻線成形方法〕
次に、前記の90°曲げ成形工程において使用する巻線成形装置の一例である90°曲げ成形装置とその巻線成形方法について、詳しく説明する。まず、90°曲げ成形装置80の構成について説明する。
90°曲げ成形装置80は、図18〜図20に示すように、ブレード駆動部82、回転部84、凸状型86、キャリヤ88などの各構成部を有する。また、90°曲げ成形装置80は、これらの各構成部の駆動を制御する制御部(不図示)も有する。なお、図18は、後述するように、反リード側コイルエンド予定部44を、凸状型86とブレード保持部96Aとブレード保持部96Bとに密着させて保持したときを示している。また、以下の説明においては、図18に示すように、互いに直交するX軸とY軸とZ軸を定義するものとする。
ブレード駆動部82は、一対の駆動ブロックとして、駆動ブロック90Aと駆動ブロック90Bを備えている。この駆動ブロック90Aと駆動ブロック90Bは、互いに接近および退避可能である。そして、図18〜図22に示すように、駆動ブロック90Aは、本体部92A、ブレード94A、ブレード保持部96A、開き防止ブロック98Aなどを備えている。同様に、駆動ブロック90Bは、本体部92B、ブレード94B、ブレード保持部96B、開き防止ブロック98Bなどを備えている。
ブレード94Aとブレード94Bは、平角導体10の幅(詳しくは、短辺幅)の大きさの板厚からなる板状部材である。このブレード94Aとブレード94Bの剛性は、平角導体10の剛性よりも大きい。ここでは、一例として、ブレード94Aとブレード94Bの材質は鉄としている。そして、このブレード94Aとブレード94Bは、各々、ブレード保持部96Aとブレード保持部96Bに保持されている。ここでは、ブレード94Aとブレード94Bは、各々、6個ずつ設けられている。なお、図20に示すように、ブレード94Aとブレード94Bは、Z軸方向(図18参照、図20の上下方向)に位置ずれした状態で、X軸方向(図18参照、図20の左右方向)に配列されている。
ブレード保持部96Aは本体部92Aと一体となっており、ブレード保持部96Bは本体部92Bと一体となっている。そして、ブレード保持部96Aにおけるブレード94Aを保持する側の壁96Aaとブレード保持部96Bにおけるブレード94Bを保持する側の壁96Baは、反リード側コイルエンド予定部44の形状に倣った形状に成形されている。
開き防止ブロック98Aと開き防止ブロック98Bは、一対のスロット内予定部40の配列方向(図18のX軸方向、図19の上下方向)について、ブレード94Aとブレード94Bの外側に配置されている。
回転部84には、前記のブレード駆動部82が搭載されている。そして、この回転部84は、詳しくは後述するように、回転軸100を中心にして回転することができる。
凸状型86は、図19に示すように、その壁86aがブレード駆動部82側に凸状に突出するように形成されている。また、凸状型86は、図20や図23に示すように、溝104を備えている。ここでは、一例として、凸状型86は、溝104を左右に6個ずつ備えている。なお、左右の溝104は、互いにZ軸方向(図18参照、図20の上下方向)に位置ずれして配置されている。
キャリヤ88は、図24に示すように、一対の保持部として、保持部106Aと保持部106Bを備えている。この保持部106Aと保持部106Bは、各々、溝108Aと溝108Bを備えている。ここでは、一例として、溝108Aと溝108Bは、各々、5個設けられている。なお、キャリヤ88は、前記の巻線工程、凸クランク成形工程、90°曲げ成形工程、開き円弧成形工程の各工程で使用する装置間にて巻線38を搬送する役割も担っている。
次に、このような構成の90°曲げ成形装置80の作用として、巻線成形方法について説明する。まず、図25に示すように、保持部106Aの溝108Aと保持部106Bの溝108Bに、スロット内予定部40を挿入する。このようにして、保持部106Aと保持部106Bは、スロット内予定部40を当該スロット内予定部40の軸方向(平角導体10の延伸方向、溝108Aと溝108Bの長手方向、Y軸方向)に移動可能としながら保持する。
次に、図26に示すように、凸状型86を反リード側コイルエンド予定部44の内側に配置する。なお、反リード側コイルエンド予定部44は、前記の図8や図9に示すように、レーンチェンジ部32を備えている。
次に、図27に示すように、駆動ブロック90Aと駆動ブロック90Bを接近させて、ブレード94Aとブレード94Bを、反リード側コイルエンド予定部44における平角導体10の隙間δ(図9参照)内と積層方向の両側の部分(図27に示す反リード側コイルエンド予定部44の最上部と最下部)に配置する。また、このとき、ブレード94Aとブレード94Bを凸状型86の溝104(図20や図23参照)に挿入する。このようにして、反リード側コイルエンド予定部44をブレード94Aとブレード94Bとで保持する。
ここで、本実施例では、90°曲げ成形を行う前に、ブレード94Aとブレード94Bを、保持部106Aと保持部106Bの近傍にて、巻線38の横方向(前記の図19の上下方向、X軸方向)から反リード側コイルエンド予定部44における隙間δ内に挿入する。すなわち、反リード側コイルエンド予定部44の保持部106A側の端部44a(図25や図26参照)と保持部106B側の端部44a(図25や図26参照)における隙間δ内に、ブレード94Aとブレード94Bを一対のスロット内予定部40の配列方向の外側から挿入する。
次に、図28に示すように、保持部106Aに開き防止部材110Aを取り付け、保持部106Bに開き防止部材110Bを取り付けた後、ブレード駆動部82と凸状型86とキャリヤ88を互いに接近させる。これにより、反リード側コイルエンド予定部44を、凸状型86の壁86a(図19参照)とブレード保持部96Aの壁96Aa(図19参照)とブレード保持部96Bの壁96Ba(図19参照)とに密着させて保持する。なお、このとき、前記のように、反リード側コイルエンド予定部44を、ブレード94Aとブレード94Bによっても保持している。
また、このとき、開き防止ブロック98Aと開き防止ブロック98Bを、各々、本体部92Aと本体部92Bに取り付けて、保持部106Aと保持部106Bに対して一対のスロット内予定部40の配列方向の外側に配置する。そして、この開き防止ブロック98Aと開き防止ブロック98Bにより、保持部106Aと保持部106Bの動作を制止している。
ところで、巻線38は、詳細には、スロット内予定部40と反リード側コイルエンド予定部44の接続部分45を備えており、反リード側コイルエンド予定部44はこの接続部分45を介して1対のスロット内予定部40に連結している。そこで、前記のようにブレード駆動部82と凸状型86とキャリヤ88を互いに接近させたとき、図29に示すように、保持部106Aの溝108Aと保持部106Bの溝108Bに、スロット内予定部40とともに、スロット内予定部40と反リード側コイルエンド予定部44の接続部分45も挿入する。なお、この接続部分45は、後述するように、90°曲げ成形時に保持部106Aの溝108Aと保持部106Bの溝108Bの外部に送り出されて折り曲げられることにより、折り曲げ部22(図10や図11参照)となる部分である。
次に、ブレード94Aとブレード94Bにより巻線38の隙間δを維持した状態で、図30と図31に示すように、ブレード94Aとブレード94Bを回転させて巻線38を90°折り曲げる。具体的には、回転軸100(図31参照)を中心にして回転部84(図31参照)を回転させることにより、折り曲げ部22(図32参照)を成形しながら、反リード側コイルエンド予定部44をスロット内予定部40に対して90°曲げる。
なお、折り曲げ部22は、保持部106Aの溝108Aと保持部106Bの溝108Bの内部にてスロット内予定部40をその軸方向に移動させることにより、反リード側コイルエンド予定部44とスロット内予定部40の接続部分45を溝108Aと溝108Bから外部に送り出し、当該外部に送り出した接続部分45を折り曲げることにより成形する。
このようにして、図32に示すように、反リード側コイルエンド予定部44における平角導体10の積層方向とスロット内予定部40における平角導体10の積層方向とがなす角度θを90°に成形する90°曲げ成形を行う。
ここで、巻線38を単純に90°曲げるだけであると、スプリングバック現象にて成形後の角度θが90°未満になるおそれがある。また、巻線38を単純に90°曲げるだけであると、折り曲げ部22を成形するために必要な量の平角導体10を溝108Aと溝108Bの内部から外部に送り出すことができず、成形後の角度θが90°未満になるおそれがある。
そこで、本実施例では、まず、角度θを一旦90°よりも大きくする。具体的には、角度θを、90°よりも大きく、かつ、90°曲げ成形後の折り曲げ部22における所望の長さと等しい長さの平角導体10(前記の接続部分45)を溝108Aと溝108Bから外部に送り出すことができる大きさまで、一旦大きくする。そして、その後、前記の図32に示すように、角度θを90°に戻すことにより成形する。これにより、90°曲げ成形後の角度θが90°になるように、巻線38に対し90°曲げ成形を行うことができる。
また、図33に示すように、開き成形工程で開き成形を行うために、保持部106Aは回転支点112を中心に回転することができる構造となっている。そして、溝108Aの中心と回転支点112の中心は、90°に曲げられた反リード側コイルエンド予定部44が開き成形工程が行われたときに大きく変形しないようにX軸方向(図18参照、図33の左右方向)にズレ量α分ずれている。より具体的には端部44aのR形状の中心付近を回転中心としている。そのため、90°曲げ成形を行うときに、保持部106Aが回転支点112を中心に回転してしまうおそれがある。また、保持部106Bについても同様である。
そこで、本実施例では、開き防止ブロック98Aと開き防止ブロック98Bを配置している。これにより、開き防止ブロック98Aと開き防止ブロック98Bが、保持部106Aと保持部106Bの回転動作を制止するので、90°曲げ成形を行うときに保持部106Aと保持部106Bが回転することを防止できる。
〔本実施例の効果〕
本実施例によれば、90°曲げ成形装置80において、ブレード94A、ブレード94B、保持部106A、保持部106Bなどを有する。そして、ブレード94Aとブレード94Bは、平角導体10の短辺幅の大きさの板厚からなる板状部材であり、かつ、平角導体10よりも剛性が大きい。そして、90°曲げ成形装置80は、ブレード94Aとブレード94Bを各々、反リード側コイルエンド予定部44における隙間δと平角導体10の積層方向の上側と下側の両側に配置し、かつ、保持部106Aと保持部106Bによりスロット内予定部40を当該スロット内予定部40の軸方向に移動可能としながら保持した状態で、接続部分45を折り曲げる。そして、これにより、90°曲げ成形装置80は、反リード側コイルエンド予定部44における平角導体10の積層方向とスロット内予定部40における平角導体10の積層方向とがなす角度θを90°に成形する90°曲げ成形を行う。
このように、ブレード94Aとブレード94Bにより隙間δを確保した状態で90°曲げ成形を行うので、隙間δの大きさを維持させながら巻線38を折り曲げることができる。そのため、90°曲げ成形後の巻線38について、隙間δを確保しつつ所望の形状に成形することができる。そして、このとき、ブレード94Aとブレード94Bを変形させないので、ブレード94Aとブレード94Bを再利用することができる。そのため、隙間δを持った巻線38に対してコストを低減しながら90°曲げ成形を行うことができる。
また、90°曲げ成形装置80は、90°曲げ成形を行うときには角度θを一旦90°よりも大きくした後に90°に戻している。これにより、平角導体10のスプリングバック現象による影響を抑制でき、かつ、巻線38の折り曲げ部22に必要な量の平角導体10を確保できるので、90°曲げ成形後の巻線38を確実に所望の形状に成形することができる。
また、90°曲げ成形装置80は、90°曲げ成形を行う前に、反リード側コイルエンド予定部44の保持部106A側の端部44aと保持部106B側の端部44aにおける隙間δと平角導体10の積層方向の上側と下側の両側に対し、ブレード94Aとブレード94Bを一対のスロット内予定部40の配列方向の外側から挿入している。これにより、隙間δが確保されている保持部106Aと保持部106Bの近傍にてブレード94Aとブレード94Bを隙間δに確実に挿入することができる。そのため、ブレード94Aとブレード94Bを隙間δに挿入するときに、ブレード94Aとブレード94Bが平角導体10と干渉して巻線38が変形することを防止できる。
また、90°曲げ成形装置80は、90°曲げ成形を行うときに、保持部106Aと保持部106Bに対して、各々、一対のスロット内予定部40の配列方向の外側に開き防止ブロック98Aと開き防止ブロック98Bを配置する。これにより、90°曲げ成形をするときに保持部106Aと保持部106Bが開くことを制止できるので、90°曲げ成形後の巻線38を確実に所望の形状に成形することができる。
〔変形例〕
なお、上記の各工程は順序を変更してもよい。例えば、変形例として、前記の実施例の各工程の順序に対し凸成形工程とクランク成形工程の順序を入れ替えて、巻線工程、クランク成形工程、凸成形工程、90°曲げ成形工程、開き円弧成形工程の順序としてもよい。このような変形例において、クランク成形工程による成形後における巻線38について、その外観斜視図を図34に示し、その上面図を図35に示す。
このような変形例において、クランク成形工程による成形後における巻線38は、図34と図35に示すように、端部12と端部14を除いて、角丸長方形状(オーバル形状)に成形されている。そして、リード側コイルエンド予定部42は、その略中央部(中央部またはその近傍)にレーンチェンジ部24を備えている。また、反リード側コイルエンド予定部44は、その略中央部(中央部またはその近傍)にレーンチェンジ部32を備えている。
また、その他の変形例として、巻線工程、90°曲げ成形工程、クランク成形工程、凸成形工程、円弧開き成形工程の順に行う例や、巻線工程、90°曲げ成形工程、凸成形工程、クランク成形工程、円弧開き成形工程の順に行う例も考えられる。また、その他の変形例として、巻線工程、90°曲げ成形工程、円弧開き成形工程、クランク成形工程、凸成形工程の順に行う例や、巻線工程、90°曲げ成形工程、円弧開き成形工程、凸成形工程、クランク成形工程の順に行う例も考えられる。
また、その他の変形例として、開き成形工程と円弧成形工程とを別に行うことも考えられる。例えば、巻線工程、凸成形工程、クランク成形工程、円弧成形工程、90°曲げ成形工程、開き成形工程の順に行うことが考えられる。また、その他の変形例として、クランク成形工程と凸成形工程とを同時に行うことも考えられる。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
1 コイル
2 コイル
10 平角導体
16 スロット内配置部
18 リード側コイルエンド配置部
20 反リード側コイルエンド配置部
22 折り曲げ部
24 レーンチェンジ部
26 第1縁部
28 第2縁部
30 R形状部
32 レーンチェンジ部
34 第1縁部
36 第2縁部
38 巻線
40 スロット内予定部
42 リード側コイルエンド予定部
44 反リード側コイルエンド予定部
44a 端部
45 接続部分
46 (リード側コイルエンド予定部の)頂点部
48 (反リード側コイルエンド予定部の)頂点部
50 R形状予定部
52 (リード側コイルエンド予定部の)凸部
54 (反リード側コイルエンド予定部の)凸部
60 ステータ
62 ステータコア
64 コイル籠
66 スロット
68 渡し部
70 リード部
72 渡し部
74 接合部
76 端面
80 90°曲げ成形装置
82 ブレード駆動部
84 回転部
86 凸状型
88 キャリヤ
94A,94B ブレード
98A,98B 開き防止ブロック
100 回転軸
106A,106B 保持部
108A,108B 溝
δ 隙間
θ 角度

Claims (6)

  1. 導体を周状に巻きながら積層し、ステータコアのスロットの内部に配置される部分に相当する直線形状のスロット内予定部と、一対の前記スロット内予定部の間を連結するコイルエンド予定部とを備える巻線に対して成形を行う巻線成形装置において、
    前記巻線は、周状に巻かれつつ隣り合う前記導体の間に前記導体の幅の大きさの隙間を備えており、
    前記導体の幅の大きさの板厚からなり前記導体よりも剛性の大きい板状のブレードと、
    前記スロット内予定部を当該スロット内予定部の導体の延伸方向に移動可能としながら保持する保持手段と、を有し、
    前記ブレードを前記コイルエンド予定部における前記隙間と前記導体の積層方向の両側に配置し、かつ、前記保持手段により前記スロット内予定部を保持した状態で、
    前記スロット内予定部と前記コイルエンド予定部の接続部分を折り曲げて、前記スロット内予定部における前記導体の積層方向と前記コイルエンド予定部における前記導体の積層方向とがなす角度を所定の角度に成形する曲げ成形を行うこと、
    を特徴とする巻線成形装置。
  2. 請求項1の巻線成形装置において、
    前記所定の角度に曲げ成形を行うときに、前記角度を一旦所定の角度よりも大きくした後に所定の角度に戻すこと、
    を特徴とする巻線成形装置。
  3. 請求項1または2の巻線成形装置において、
    前記所定の角度とは90°であること、
    を特徴とする巻線成形装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つの巻線成形装置において、
    前記曲げ成形を行う前に、前記コイルエンド予定部の前記保持手段側の両端部における前記隙間と前記導体の積層方向の両側に対し前記ブレードを前記一対の前記スロット内予定部の配列方向の外側から挿入すること、
    を特徴とする巻線成形装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つの巻線成形装置において、
    前記保持手段に対して前記一対の前記スロット内予定部の配列方向の外側に前記保持手段を制止する制止手段を配置すること、
    を特徴とする巻線成形装置。
  6. 導体を周状に巻きながら積層し、ステータコアのスロットの内部に配置される部分に相当する直線形状のスロット内予定部と、一対の前記スロット内予定部の間を連結するコイルエンド予定部とを備える巻線に対して成形を行う巻線成形方法において、
    前記巻線は、周状に巻かれつつ隣り合う前記導体の間に前記導体の幅の大きさの隙間を備えており、
    前記導体の幅の大きさの板厚からなり前記導体よりも剛性の大きい板状のブレードを前記コイルエンド予定部における前記隙間と前記導体の積層方向の両側に配置し、かつ、前記スロット内予定部を当該スロット内予定部の導体の延伸方向に移動可能としながら保持した状態で、
    前記スロット内予定部と前記コイルエンド予定部の接続部分を折り曲げて、前記スロット内予定部における前記導体の積層方向と前記コイルエンド予定部における前記導体の積層方向とがなす角度を所定の角度に成形する曲げ成形を行うこと、
    を特徴とする巻線成形方法。
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