JP5682644B2 - マトリクスコンバータ - Google Patents

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Description

開示の実施形態は、マトリクスコンバータに関する。
マトリクスコンバータは、交流電源と負荷とを接続する複数の双方向スイッチを有しており、これらの双方向スイッチを制御して交流電源の各相電圧を直接スイッチングすることで負荷へ任意の電圧・周波数を出力する。
かかるマトリクスコンバータでは、負荷に接続する交流電源の相を双方向スイッチにより切り替える際に、双方向スイッチを構成する複数の片方向スイッチのそれぞれを所定の順序で個別にオン/オフ制御することにより切り替えを行う(この一連の切り替え動作を転流動作という)。この転流動作によって、交流電源の相間短絡やマトリクスコンバータの出力相の開放などが防止される(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2008/108147号
しかしながら、双方向スイッチを構成する片方向スイッチの入出力端子間には寄生容量が静電容量(入出力端子間にスナバ用コンデンサが接続された場合、入出力端子間の静電容量は寄生容量にスナバ用コンデンサ容量を加えたものとなる)として存在しており、かかる寄生容量により出力電圧や出力電流が歪み、マトリクスコンバータのドライブ性能が低下するおそれがある。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、出力電圧や出力電流の寄生容量による歪みを低減することができるマトリクスコンバータを提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係るマトリクスコンバータは、電力変換部と、転流制御部と、補償部とを備える。前記電力変換部は、片方向スイッチおよびダイオードとの直列接続体を逆並列接続して構成された複数の双方向スイッチを有し、交流電源の各相に接続される複数の入力端子と負荷の各相に接続される複数の出力端子との間に前記複数の双方向スイッチを有する。前記転流制御部は、前記双方向スイッチのオン/オフ制御により前記出力端子に接続する前記入力端子を切り替える際に、切り替え元の前記双方向スイッチおよび切り替え先の前記双方向スイッチによる3ステップまたは4ステップの転流動作を行う。前記補償部は、前記出力端子に接続する前記入力端子を切り替える際に生じる出力電圧誤差を、前記出力端子に接続する前記入力端子の前記切り替え前後の電位差、前記出力端子の出力電流および前記片方向スイッチの入出力端子間に存在する静電容量に基づいて補償する。
実施形態の一態様によれば、出力電圧や出力電流の歪みを低減することができる。
図1は、第1の実施形態に係るマトリクスコンバータを示す図である。 図2Aは、図1に示す双方向スイッチの構成例を示す図である。 図2Bは、図1に示す双方向スイッチの他の構成例を示す図である。 図2Cは、図1に示す双方向スイッチの他の構成例を示す図である。 図3は、図1に示す制御部の構成例を示す図である。 図4は、他の双方向スイッチの構成例を示す図である。 図5は、複数の双方向スイッチの片方向スイッチとゲート信号との対応関係を示す図である。 図6Aは、4ステップ電流転流動作において出力相電流が正である場合の、出力相電圧、ゲート信号、および、転流動作の各ステップとの関係を示す図である。 図6Bは、4ステップ電流転流動作において出力相電流が負である場合の、出力相電圧、ゲート信号、および、転流動作の各ステップとの関係を示す図である。 図7Aは、図6Aに示す片方向スイッチの状態を示す図である。 図7Bは、図6Bに示す片方向スイッチの状態を示す図である。 図8Aは、図2Aに示す双方向スイッチの状態が第1〜第4状態における、入力側電圧と出力相電圧との電位差と寄生容量に蓄積される電荷との関係を示す図である。 図8Bは、図2Bに示す双方向スイッチの状態が第1〜第4状態における、入力側電圧と出力相電圧との電位差と寄生容量に蓄積される電荷との関係を示す図である。 図8Cは、図2Cに示す双方向スイッチの状態が第1〜第4状態における、入力側電圧と出力相電圧との電位差と寄生容量に蓄積される電荷との関係を示す図である。 図9は、図4に示す双方向スイッチの構成例において、双方向スイッチの状態が第1〜第4状態における、入力側電圧と出力相電圧との電位差と寄生容量に蓄積される電荷との関係を示す図である。 図10Aは、図6Aに示す双方向スイッチの状態と寄生容量による電荷の流れとの関係を示す図である。 図10Bは、図6Bに示す双方向スイッチの状態と寄生容量による電荷の流れとの関係を示す図である。 図11Aは、Δt≦Tdの場合において寄生容量に蓄積された電荷による出力電圧波形への影響を示す図である。 図11Bは、Δt>Tdの場合において寄生容量に蓄積された電荷による出力電圧波形への影響を示す図である。 図12Aは、出力相電流が正である場合において、PWMパルスの1周期あたりの出力相電圧の変化を示す図である。 図12Bは、出力相電流が負である場合において、PWMパルスの1周期あたりの出力相電圧の変化を示す図である。 図13は、寄生容量補償器の構成の一例を示す図である。 図14は、寄生容量補償器による出力電圧誤差の算出処理フローの一例を示す図である。 図15Aは、電圧指令に対して寄生容量に起因する出力電圧誤差の補償がない場合の出力電流波形の一例を示す図である。 図15Bは、電圧指令に対して寄生容量に起因する出力電圧誤差の補償がある場合の出力電流波形の一例を示す図である。 図16は、4ステップ電圧転流動作における、出力相電圧、ゲート信号、および、転流動作の各ステップとの関係を示す図である。 図17Aは、出力相電流が正である場合における図16に示す双方向スイッチの状態と寄生容量による電荷の流れとの関係を示す図である。 図17Bは、出力相電流が負である場合における図16に示す双方向スイッチの状態と寄生容量による電荷の流れとの関係を示す図である。 図18Aは、3ステップ電流転流動作において出力相電流が正である場合の、出力相電圧、ゲート信号、および、転流動作の各ステップとの関係を示す図である。 図18Bは、3ステップ電流転流動作において出力相電流が負である場合の、出力相電圧、ゲート信号、および、転流動作の各ステップとの関係を示す図である。 図19Aは、3ステップ電圧転流動作において出力相電流が正である場合の、出力相電圧、ゲート信号、および、転流動作の各ステップとの関係を示す図である。 図19Bは、3ステップ電圧転流動作において出力相電流が負である場合の、出力相電圧、ゲート信号、および、転流動作の各ステップとの関係を示す図である。 図20Aは、寄生容量補償が不足している場合の出力電流の波形例を示す図である。 図20Bは、寄生容量補償が適切な場合の出力電流の波形例を示す図である。 図20Cは、寄生容量補償が過補償の場合の出力電流の波形例を示す図である。 図21は、寄生容量の設定値を増減させた場合において、出力電流中に含まれる特定の周波数成分の増減特性を示す図である。 図22は、寄生容量の設定値を増減させた場合において、出力電流中に含まれる特定の周波数成分の合計値の増減特性を示す図である。 図23は、第2の実施形態に係るマトリクスコンバータの構成を示す図である。 図24Aは、4ステップ電流転流動作において出力相電流が正である場合の、出力相電圧、ゲート信号、および、転流動作の各ステップとの関係を示す図である。 図24Bは、4ステップ電流転流動作において出力相電流が負である場合の、出力相電圧、ゲート信号、および、転流動作の各ステップとの関係を示す図である。 図25は、4ステップ電流転流動作においてステップ間隔が均等の場合(第1の実施形態)の寄生容量に起因する出力電圧誤差とステップ間隔が均等でない場合(第2の実施形態)の寄生容量に起因する出力電圧誤差を示す図である。 図26は、4ステップ電流転流動作における寄生容量補償器による電圧誤差の算出処理フローの一例を示す図である。 図27Aは、4ステップ電圧転流動作において出力相電流が正である場合の、出力相電圧、ゲート信号、および、転流動作の各ステップとの関係を示す図である。 図27Bは、4ステップ電圧転流動作において出力相電流が負である場合の、出力相電圧、ゲート信号、および、転流動作の各ステップとの関係を示す図である。 図28は、4ステップ電圧転流動作において、ステップ間隔が均等の場合(第1の実施形態)の寄生容量に起因する出力電圧誤差とステップ間隔が均等でない場合(第2の実施形態)の寄生容量に起因する出力電圧誤差を示す図である。 図29は、4ステップ電圧転流動作における寄生容量補償器による電圧誤差の算出処理フローの一例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示するマトリクスコンバータの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るマトリクスコンバータの構成を示す図である。図1に示すように、第1の実施形態に係るマトリクスコンバータ1は、3相交流電源2(以下、単に交流電源2と記載する)と負荷3との間に設けられる。負荷3は、例えば、交流電動機である。なお、以下においては、交流電源2側を入力側と記載し、負荷3側を出力側と記載する。また、交流電源2のR相、S相およびT相を入力相と記載し、負荷3のU相、V相およびW相を出力相と記載する。
マトリクスコンバータ1は、入力端子Tr、Ts、Ttおよび出力端子Tu、Tv、Twを備える。入力端子Tr、Ts、Ttには交流電源2のR相、S相およびT相が接続され、出力端子Tu、Tv、Twには負荷3のU相、V相およびW相が接続される。マトリクスコンバータ1は、交流電源2から入力端子Tr、Ts、Ttを介して供給される3相交流電力を任意の電圧および周波数の3相交流電力に変換して出力端子Tu、Tv、Twから負荷3へ出力する。
かかるマトリクスコンバータ1は、図1に示すように、電力変換部10と、LCフィルタ11と、入力電圧検出部12と、出力電流検出部13と、制御部14とを備える。
電力変換部10は、交流電源2の各相と負荷3の各相とを接続する複数の双方向スイッチSru、Ssu、Stu、Srv、Ssv、Stv、Srw、Ssw、Stw(以下、双方向スイッチSと総称する場合がある)を備える。
双方向スイッチSru、Ssu、Stuは、交流電源2のR相、S相、T相と負荷3のU相とをそれぞれ接続する。双方向スイッチSrv、Ssv、Stvは、交流電源2のR相、S相、T相と負荷3のV相とをそれぞれ接続する。双方向スイッチSrw、Ssw、Stwは、交流電源2のR相、S相、T相と負荷3のW相とをそれぞれ接続する。
双方向スイッチSは、片方向スイッチおよびダイオードとの直列接続体を逆並列接続して構成される。図2Aは、双方向スイッチSの構成例を示す図である。図2Aに示すように、双方向スイッチSは、片方向スイッチSioとダイオードDioとの直列接続体20と、片方向スイッチSoiとダイオードDoiとの直列接続体21とを逆並列接続して構成される。
片方向スイッチSio、Soiの入出力端子間には寄生容量(Cp)と呼ばれる静電容量が存在しており、図2Aに示す例では、説明を分かり易くするために、片方向スイッチSio、Soiとは別に寄生容量Cpを図示している。なお、片方向スイッチSio、Soiは、例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの半導体スイッチング素子である。また、次世代半導体スイッチング素子のSiC、GaNであってもよい。
双方向スイッチSは、図2Aに示す構成に限定されるものではない。例えば、双方向スイッチSは、図2Bに示すように、片方向スイッチSio、Soiのコレクタ同士を接続しない構成であってもよい。また、双方向スイッチSは、図2Cに示すように、直列接続体を構成する片方向スイッチとダイオードとの接続順序を入れ替えた構成であってもよい。また、少し構成は異なるが、図4に示すように、逆バイアス(IGBTのコレクタ側よりもエミッタ側が高圧になった状態)に対する耐量を備えたIGBTを用い、これを逆並列に接続して構成してもよい。
LCフィルタ11は、交流電源2のR相、S相およびT相と電力変換部10との間に設けられ、電力変換部10から交流電源2へと流れ込む高周波電流の発生を抑制する。具体的には、LCフィルタ11は、3つのリアクトルLr、Ls、Ltと3つのコンデンサCrs、Cst、Ctrによって構成され、電力変換部10を構成する双方向スイッチSのスイッチングに起因する高周波成分を除去する。
入力電圧検出部12は、交流電源2のR相、S相、T相の各相の電圧値Er、Es、Et(以下、入力相電圧Er、Es、Etと記載する)を検出する。なお、以下、入力相電圧Er、Es、Etを総称して入力相電圧Viと記載する場合がある。
出力電流検出部13は、電力変換部10と負荷3との間に流れる電流を検出する。具体的には、出力電流検出部13は、電力変換部10と負荷3のU相、V相、W相のそれぞれとの間に流れる電流の瞬時値Iu、Iv、Iw(以下、出力相電流Iu、Iv、Iwと記載する)を検出する。なお、以下、出力相電流Iu、Iv、Iwを総称して出力電流Ioと記載する場合がある。また、電力変換部10から負荷3のU相、V相、W相のそれぞれに出力される電圧の瞬時値を出力相電圧Vu、Vv、Vwと記載し、出力相電圧Vu、Vv、Vwを総称して出力電圧Voと記載する場合がある。
制御部14は、入力電圧検出部12により検出された入力相電圧Er、Es、Etおよび出力電流検出部13により検出された出力相電流Iu、Iv、Iwに基づいて、ゲート信号S1u〜S6u、S1v〜S6v、S1w〜S6wを生成する。
図3は、制御部14の構成例を示す図である。図3に示すように、制御部14は、電圧指令演算器30と、寄生容量補償器31(補償部の一例)と、減算器32と、PWMデューティ比演算器33と、転流演算器34(転流制御部の一例)とを有する。
電圧指令演算器30は、周波数指令f*および出力相電流Iu、Iv、Iwに基づき、各出力相の電圧指令Vu*、Vv*、Vw*(以下、電圧指令Vo*と総称する場合がある)を生成して出力する。周波数指令f*は、出力相電圧Vu、Vv、Vwの周波数の指令である。
寄生容量補償器31は、入力相電圧Er、Es、Et、出力相電流Iu、Iv、Iw、および寄生容量値に基づき、補償値ΔVu、ΔVv、ΔVwを生成する。かかる補償値ΔVu、ΔVv、ΔVwは、電力変換部10の双方向スイッチSを構成する片方向スイッチSoi、Sioの寄生容量Cpに起因する出力相電圧Vu、Vv、Vwの誤差を補償する。
減算器32は、電圧指令Vu*、Vv*、Vw*から補償値ΔVu、ΔVv、ΔVwを減算して電圧指令Vu1*、Vv1*、Vw1*(以下、電圧指令Vo1*と総称する場合がある)を生成し、かかる電圧指令Vu1*、Vv1*、Vw1*をPWMデューティ比演算器33へ出力する。
PWMデューティ比演算器33は、電圧指令Vu1*、Vv1*、Vw1*および入力相電圧Er、Es、Etに基づき、PWM電圧指令Vu2、Vv2、Vw2を生成する。PWM電圧指令Vu2、Vv2、Vw2を生成する技術は、公知技術であり、例えば、特開2008−048550号公報、特開2012−239265号公報などに記載されている技術が用いられる。
例えば、PWMデューティ比演算器33は、入力相電圧Er、Es、Etの絶対値の大小関係が変化しない期間において、入力相電圧Er、Es、Etの絶対値が大きい順に入力相電圧Ep、Em、Enとする。
また、PWMデューティ比演算器33は、電圧指令Vu1*、Vv1*、Vw1*を、入力相電圧Ep、Em、Enの各電圧値に対応したパルス幅変調信号に変換し、それぞれPWM電圧指令Vu2、Vv2、Vw2として出力する。
転流演算器34は、PWM電圧指令Vu2、Vv2、Vw2に対し、出力相電流毎の極性、または入力相電圧Ep、Em、Enの大小関係に基づいて転流時における双方向スイッチの切り替え順序を決定し、ゲート信号S1u〜S6u、S1v〜S6v、S1w〜S6wを生成する。かかるゲート信号S1u〜S6u、S1v〜S6v、S1w〜S6wは、電力変換部10を構成する双方向スイッチSの片方向スイッチSio、Soiにそれぞれ入力され、これにより、片方向スイッチSio、Soiがオン/オフ制御される。
図5は、複数の双方向スイッチSru、Ssu、Stu、Srv、Ssv、Stv、Srw、Ssw、Stwの片方向スイッチSio、Soiとゲート信号S1u〜S6u、S1v〜S6v、S1w〜S6wとの対応関係を示す図である。
双方向スイッチSruの片方向スイッチSio(図2A参照)は、ゲート信号S1uによってオン/オフ制御され、双方向スイッチSruの片方向スイッチSoi(図2A参照)は、ゲート信号S2uによって制御される。また、双方向スイッチSsuの片方向スイッチSioは、ゲート信号S3uによってオン/オフ制御され、双方向スイッチSsuの片方向スイッチSoiは、ゲート信号S4uによって制御される。また、双方向スイッチStuの片方向スイッチSioは、ゲート信号S5uによってオン/オフ制御され、双方向スイッチStuの片方向スイッチSoiは、ゲート信号S6uによって制御される。
同様に、双方向スイッチSrv、Ssv、Stvの片方向スイッチSio、Soiは、ゲート信号S1v〜S6vによってオン/オフ制御され、双方向スイッチSrw、Ssw、Stwの片方向スイッチSio、Soiは、ゲート信号S1w〜S6wによってオン/オフ制御される。
ここで、4ステップの電流転流動作について説明する。転流演算器34は、4ステップの電流転流動作を含むPWM制御を行うゲート信号S1u〜S6u、S1v〜S6v、S1w〜S6wを生成する。4ステップの電流転流動作は、出力電流Ioの極性に応じたスイッチングパターンにより行われる。
交流電源2から負荷3へ流れる出力電流Ioの極性を正(Io>0)とすると、次のステップ1〜ステップ4からなるスイッチングパターンで転流動作が行われる。
ステップ1: 切り替え元の双方向スイッチSを構成する片方向スイッチのうち、出力電流Ioと逆極性の片方向スイッチをオフにする。
ステップ2: 切り替え先の双方向スイッチSを構成する片方向スイッチのうち、出力電流Ioと同極性の片方向スイッチをオンにする。
ステップ3: 切り替え元の双方向スイッチSを構成する片方向スイッチのうち、出力電流Ioと同極性の片方向スイッチをオフにする。
ステップ4: 切り替え先の双方向スイッチSを構成する片方向スイッチのうち、出力電流Ioと逆極性の片方向スイッチをオンにする。
上述した4ステップの電流転流動作について、以下、図6A、図6B、図7Aおよび図7Bを参照し、U相を例に挙げて説明する。なお、V相やW相の転流動作はU相の転流動作と同様であるため、説明を省略する。
図6Aおよび図6Bは、出力相電圧Vu、ゲート信号S1u〜S6u、および、転流動作の各ステップとの関係を示す図である。図6Aは、出力相電流Iuが正である場合の転流動作を示し、図6Bは、出力相電流Iuが負である場合の転流動作を示す。また、図7Aおよび図7Bは、それぞれ図6Aおよび図6Bに示す時刻t1〜t17での片方向スイッチSio、Soiの状態を示す図である。なお、Ep=Er、Em=Es、En=Etの状態であるとする。
図6Aに示すように、時刻t1において、ゲート信号S6uがHighレベルからLowレベルへ変化することで、図7Aに示すように、切り替え元の双方向スイッチである双方向スイッチStuにおいて出力相電流Iuと逆極性の片方向スイッチSoiがオフになる(ステップ1)。
次いで、時刻t2において、ゲート信号S3uがLowレベルからHighレベルへ変化することで、図7Aに示すように、切り替え先の双方向スイッチである双方向スイッチSsuにおいて出力相電流Iuと同極性の片方向スイッチSioがオンになる(ステップ2)。
次いで、時刻t3において、ゲート信号S5uがHighレベルからLowレベルへ変化することで、図7Aに示すように、双方向スイッチStuにおいて出力相電流Iuと同極性の片方向スイッチSioがオフになる(ステップ3)。
次いで、時刻t4において、ゲート信号S4uがLowレベルからHighレベルへ変化することで、図7Aに示すように、双方向スイッチSsuにおいて出力相電流Iuと逆極性の片方向スイッチSoiがオンになる(ステップ4)。
図6Aに示す時刻t5〜t8、t10〜t13、t14〜t17および図6Bに示す時刻t1〜t4、t5〜t8、t10〜t13、t14〜t17においても、時刻t1〜t4の場合と同様に、図7Aおよび図7Bに示すように、ステップ1〜ステップ4からなるスイッチング処理が行われる。なお、ステップ間の間隔Td(以下、ステップ間隔Tdと記載する)は、片方向スイッチSio、Soiのターンオン時間およびターンオフ時間よりも長い時間に設定される。なお、説明の便宜上、ステップ間隔Tdを同じ値にしているが、それぞれ異なる値に設定してもよい。
このように、4ステップの電流転流動作を行うことで、交流電源2の相間短絡やマトリクスコンバータ1の出力相の開放などを防止しつつ、出力相電圧Vuとして出力する電圧を、En→Em→Ep→Em→Enへ変更することができる。
ところで、双方向スイッチSを構成する片方向スイッチSio、Soiの入出力端子間には寄生容量Cpが静電容量(入出力端子間にスナバ用コンデンサが接続された場合、入出力端子間の静電容量は寄生容量にスナバ用コンデンサ容量を加えたものとなる)として存在しており、かかる寄生容量Cpにより出力電圧Voや出力電流Ioが歪み、マトリクスコンバータのドライブ性能が低下するおそれがある。そこで、本実施形態に係るマトリクスコンバータ1では、上述したように、寄生容量補償器31および減算器32を設けることで、転流動作において寄生容量Cpに起因する出力電圧Voの誤差(以下、出力電圧誤差と記載する)を補償し、出力電圧Voや出力電流Ioの歪みを低減する。
ここで、片方向スイッチSio、Soiの入出力端子間に存在する寄生容量Cpによる出力電圧誤差について説明する。
上述したように、本実施形態に係るマトリクスコンバータ1では、双方向スイッチSを構成する片方向スイッチSio、Soiのオン/オフを、所定の順序に従い個別に制御することにより、4ステップの転流動作が行われる。双方向スイッチSの状態には4つの状態、すなわち、片方向スイッチSio、Soiが共にオンである第1状態、片方向スイッチSioのみがオンである第2状態、片方向スイッチSoiのみがオンである第3状態、片方向スイッチSio、Soiが共にオフである第4状態がある。
図8Aは、図2Aに示す双方向スイッチSの状態が第1〜第4状態における、入力相電圧Viと出力電圧Voとの電位差Va(=Vi−Vo)と寄生容量Cpに蓄積される電荷Qとの関係を示す図である。なお、片方向スイッチSio、Soiのオン抵抗は無視するものとする。
図8Aに示すように、双方向スイッチSが第1状態である場合、片方向スイッチSioのオンおよびダイオードDioによって入力側から出力側への経路は導通状態となり、片方向スイッチSoiのオンおよびダイオードDoiによって出力側から入力側への経路も導通状態となる。したがって、双方向スイッチSが第1状態である場合、双方向スイッチSは双方向で導通状態であるとみなせ、寄生容量Cpに蓄積される電荷Qを実質ゼロとして無視できる。
双方向スイッチSが第2状態である場合、片方向スイッチSioのオンおよびダイオードDioによって入力側から出力側への経路は導通状態になる。しかし、片方向スイッチSoiがオフしているため、出力側から入力側へは片方向スイッチSoiの入出力端子間に存在する寄生容量Cpを介して接続される。したがって、双方向スイッチSが第2状態である場合、入力相電圧Viが出力電圧Voよりも低く、電位差Va(=Vi−Vo)が負である場合に寄生容量Cpには電位差Vaに応じた電荷Qが蓄積される。
双方向スイッチSが第3状態である場合、片方向スイッチSoiのオンおよびダイオードDoiによって出力側から入力側への経路は導通状態になる。しかし、片方向スイッチSioがオフしているため、入力側から出力側へは片方向スイッチSioの入出力端子間に存在する寄生容量Cpを介して接続される。したがって、双方向スイッチSが第3状態である場合、入力相電圧Viが出力電圧Voよりも高く、電位差Va(=Vi−Vo)が正である場合に寄生容量Cpには電位差Vaに応じた電荷Qが蓄積される。
双方向スイッチSが第4状態である場合、片方向スイッチSioおよびSoiともにオフしているため、入力側から出力側へはオフしている片方向スイッチSioの入出力端子間に存在する寄生容量Cpを介して接続され、出力側から入力側へもオフしている片方向スイッチSoiの入出力端子間に存在する寄生容量Cpを介して接続される。したがって、双方向スイッチSが第4状態である場合、双方向スイッチSは寄生容量Cpのコンデンサとして機能し、寄生容量Cpには電位差Vaに応じた電荷Qが蓄積される。
以上のことは、図2Aに示す双方向スイッチSの構成のみならず、図2Bおよび図2Cに示す双方向スイッチSの構成においても同様である。図8Bは、図2Bに示す双方向スイッチSの状態が第1〜第4状態における、入力側電圧と出力相電圧との電位差と寄生容量の合成値Cp’(Cp’=Cp+Cp・Cd/(Cp+Cd))に蓄積される電荷Qとの関係を示す図である。また、図8Cは、図2Cに示す双方向スイッチSの状態が第1〜第4状態における、入力側電圧と出力相電圧との電位差と寄生容量Cpに蓄積される電荷Qとの関係を示す図である。
また、図4に示す双方向スイッチSの構成においても、図2A〜図2Cに示す双方向スイッチSの構成の場合と同様である。図9は、図4に示す双方向スイッチSの構成例において、双方向スイッチSの状態が第1〜第4状態における、入力側電圧と出力相電圧との電位差と寄生容量Cpに蓄積される電荷Qとの関係を示す図である。
図9に示すように、双方向スイッチSが第1状態である場合、片方向スイッチSioのオンによって入力側から出力側への経路は導通状態となり、片方向スイッチSoiのオンによって出力側から入力側への経路も導通状態となる。したがって、双方向スイッチSが第1状態である場合、双方向スイッチSは双方向で導通状態であるとみなせ、寄生容量Cpに蓄積される電荷Qを実質ゼロとして無視できる。
双方向スイッチSが第2状態である場合、片方向スイッチSioのオンによって入力側から出力側への経路は導通状態になる。しかし、片方向スイッチSoiがオフしているため、入力相電圧Viが出力電圧Voよりも低く、電位差Va(=Vi−Vo)が負である場合に寄生容量Cpには電位差Vaに応じた電荷Qが蓄積される。
双方向スイッチSが第3状態である場合、片方向スイッチSoiのオンによって出力側から入力側への経路は導通状態になる。しかし、片方向スイッチSioがオフしているため、入力相電圧Viが出力電圧Voよりも高く、電位差Va(=Vi−Vo)が正である場合に寄生容量Cpには電位差Vaに応じた電荷Qが蓄積される。
双方向スイッチSが第4状態である場合、片方向スイッチSioおよびSoiともにオフしているため、双方向スイッチSは寄生容量Cpのコンデンサとして機能し、寄生容量Cpには電位差Vaに応じた電荷Qが蓄積される。
次に、出力電流Ioが正である場合の転流動作において、寄生容量Cpがどのように影響するかを説明する。図10Aは、図6Aに示す時刻t1〜t4およびt14〜t17における双方向スイッチSの状態と寄生容量Cpによる電荷の流れとの関係を示す図である。
図10Aに示すように、寄生容量Cpへの充放電の開始タイミングは、時刻t2および時刻t16である。時刻t2では、双方向スイッチSsuの片方向スイッチSioをオンにすることで双方向スイッチSsuを通じて入力側から出力側に電流が流れ込み、出力相電圧Vuが瞬時に低圧のEnから高圧のEmへ変化する。そのため、双方向スイッチSru、Ssu、Stuの寄生容量Cpによる出力側電圧への影響は無視できる。
一方、時刻t16では、双方向スイッチSsuの片方向スイッチSioをオフにすると、出力相が高圧のEmから切り離され、低圧のEnと出力相とが双方向スイッチSru、Ssu、Stuの寄生容量Cpを介して接続された状態になる。そのため、出力相の電圧値は、出力相電流Iuによる双方向スイッチSru、Ssu、Stuの寄生容量Cpに対する充放電に応じた緩やかな変化となり、寄生容量Cpに起因する出力電圧誤差が生じる。
このように、出力電流Ioが正である場合、出力相に接続される入力相が高圧相から低圧相へ切り替わる場合(t14〜t17)に、寄生容量Cpに起因する出力電圧誤差が生じる。なお、図10Aに示す例では、入力側の電圧がEmとEnとの間で切り替わる例を説明したが、入力側の電圧がEpとEmとの間で切り替わる場合(t10〜t13)も同様である。
次に、出力電流Ioが負である場合の転流動作において、寄生容量Cpがどのように影響するかを説明する。図10Bは、図6Bに示す時刻t1〜t4およびt14〜t17における双方向スイッチSの状態と寄生容量Cpによる電荷の流れとの関係を示す図である。
図10Bに示すように、寄生容量Cpへの充放電の開始タイミングは、時刻t3および時刻t15である。時刻t15では、双方向スイッチStuの片方向スイッチSoiをオンにすることで双方向スイッチStuを通じて出力側から入力側に電流が流れ込み、出力相電圧Vuが瞬時に高圧のEmから低圧のEnへ変化する。そのため、双方向スイッチSru、Ssu、Stuの寄生容量Cpによる出力側電圧への影響は無視できる。
一方、時刻t3では、双方向スイッチStuの片方向スイッチSoiをオフにすると、出力相が低圧のEnから切り離され、高圧のEmと出力相とが双方向スイッチSru、Ssu、Stuの寄生容量Cpを介して接続された状態になる。そのため、出力相の電圧値は、出力電流Iuによる双方向スイッチSru、Ssu、Stuの寄生容量Cpに対する充放電に応じた緩やかな変化となり、寄生容量Cpに起因する出力電圧誤差が生じる。
このように、出力電流Ioが負である場合、出力相に接続される入力相が低圧相から高圧相へ切り替わる場合(t1〜t4)に、寄生容量Cpに起因する出力電圧誤差が生じる。なお、図10Bに示す例では、出力相に接続される入力相がEmとEnとの間で切り替わる例を説明したが、出力相に接続される入力相がEpとEmとの間で切り替わる場合(t5〜t8)も同様である。
負荷3が交流電動機である場合、負荷3は抵抗RとインダクタンスLとの直列回路とみなせる。そのため、転流動作における短い期間(図6Aに示すt16〜t17間または図6Bに示すt3〜t4間)であれば、その間の出力電流Ioは一定とみなせる。
したがって、下記式(1)の関係式を導くことができる。なお、ΔQは、出力相に接続される入力相が切り替わる際に寄生容量Cpによって充放電される電荷量(以下、充放電量ΔQと記載する)である。また、Δtは、双方向スイッチSrx、Ssx、Stx(xは、u、v、wのいずれか)において寄生容量Cpの充放電が終了して平衡な状態になるまでの期間(以下、充放電期間Δtと記載する)である。
Figure 0005682644
また、双方向スイッチSrx、Ssx、Stxの寄生容量Cpに充放電される電荷ΔQは、出力電圧Voが変化する前後で、下記式(2)に示すように表すことができる。下記式(2)において、変化前の出力相電圧がVo’、変化後の出力相電圧がVo、変化前の出力相電圧がVo’のときの入力相電圧がEp’、Em’、En’、および、変化後の出力相電圧がVoのときの入力相電圧がEp、Em、Enである。
Figure 0005682644
入力相電圧Ep、Em、Enは入力相電圧Er、Es、Etに対応し、3相平衡していることから、上記式(2)は、下記式(3)のように単純化することができる。
Figure 0005682644
そして、上記式(1)および式(3)から下記式(4)を導くことができる。なお、下記式(4)において、ΔVoは、変化前の出力電圧Vo’と変化後の出力電圧Voとの電圧差である。すなわち、ΔVo=Vo’−Voである。
Figure 0005682644
上記式(4)において、出力電流Ioがゼロに近づくと、充放電時間Δtの演算結果は、非常に長い時間となる。しかし、ステップ4の処理へ移行すると、双方向スイッチSの2つの片方向スイッチSio、Soiが共にオンになることから、寄生容量Cpに蓄積されている残存電荷が片方向スイッチを介した短絡電流として流れ、寄生容量Cpの残存電荷が瞬時に失われる。すなわち、ステップ4へ移行した転流動作の完了時に出力電圧Voが急峻に変化することから、ステップ4へ移行した後は寄生容量Cpの電荷による影響は無視できる。
したがって、充放電時間Δtがステップ3とステップ4との間の期間であるステップ間隔Td(図6Aに示すt16〜t17間または図6Bに示すt3〜t4間)を超えるか超えないかにより寄生容量Cpによる出力電圧誤差への影響が変わる。いいかえれば、ステップ3とステップ4との間の期間中に、寄生容量Cpに起因する出力電圧の変化が完了するか否かにより出力電圧誤差への影響が変わる。
図11Aは、Δt≦Tdの場合において寄生容量Cpに蓄積された電荷による出力電圧波形への影響を示す図であり、図11Bは、Δt>Tdの場合において寄生容量Cpに蓄積された電荷による出力電圧波形への影響を示す図である。図11Aの左図に示すように、Δt≦Tdの場合、ステップ4へ移行する前に電荷ΔQの放電が完了する。一方、図11Bの左図に示すように、Δt>Tdの場合、ステップ4へ移行するまでに電荷ΔQの放電が完了しない。
図11Aの右図および図11Bの右図は、寄生容量Cpによる出力相電圧の変化分を矩形波に換算した状態を示している。図11Aの右図および図11Bの右図から分かるように、Δt≦Tdの場合の出力電圧誤差の成分Δmは、下記式(5)で表すことができ、Δt>Tdの場合の出力電圧誤差の成分Δmは、下記式(6)で表すことができる。
Figure 0005682644
なお、上述した図11Aおよび図11Bに示す波形図は、出力電流Ioが正である場合の例である。出力電流Ioが負の場合は、出力電圧Voを低圧から高圧へ変化させる場合に寄生容量Cpの電荷による影響があり、図11Aおよび図11Bに示す図の上下を逆さにした波形図となる。
図12Aは、出力電流Ioが正である場合において、PWMパルスの1周期あたりの出力電圧Voの変化を示す図である。図12Aに示すように、出力電流Ioが正である場合、PWMパルスの1周期あたり、出力電圧Voを高圧から低圧へ変化させた期間で電圧誤差成分Δm1、Δm2が生じる。
図12Aに示すPWMパルスの周波数をFcarとすると、Δt≦Tdの場合、上記式(5)から、図12Aに示す電圧誤差成分Δm1による出力電圧Voの電圧誤差ΔM1は、下記式(7)に示すように表すことができる。また、Δt>Tdの場合、上記式(6)から、図12Aに示す電圧誤差成分Δm1による出力電圧Voの電圧誤差ΔM1は、下記式(8)に示すように表すことができる。
Figure 0005682644
また、Δt≦Tdの場合、上記式(5)から、図12Aに示す電圧誤差成分Δmによる出力電圧Voの電圧誤差ΔM2は、下記式(9)に示すように表すことができる。また、Δt>Tdの場合、上記式(6)から、図12Aに示す電圧誤差成分Δm2による出力電圧Voの電圧誤差ΔM2は、下記式(10)に示すように表すことができる。
Figure 0005682644
したがって、出力電流Ioが正である場合、出力電圧Voの電圧誤差ΔMは、下記式(11)に示すように、電圧誤差ΔM1と電圧誤差ΔM2とを加算して求めることができる。
Figure 0005682644
図12Bは、出力電流Ioが負である場合において、PWMパルスの1周期あたりの出力電圧Voの変化を示す図である。図12Bに示すように、出力電流Ioが負である場合、PWMパルスの1周期あたり、出力電圧Voを低圧から高圧へ変化させた場合に電圧誤差成分Δm1、Δm2が生じる。出力電流Ioが負である場合の出力電圧Voの電圧誤差ΔMは、出力電流Ioが正である場合に対して極性が反転するため、下記式(12)に示すように、電圧誤差ΔM1と電圧誤差ΔM2とを加算した値を反転することで求めることができる。
Figure 0005682644
このように、寄生容量Cpによって生じる出力電圧Voの電圧誤差ΔMは、充放電時間Δtがステップ間隔Tdを超えるか否かと、出力電流Ioの極性とにより場合分けすることで求めることができる。
寄生容量補償器31は、寄生容量Cpによって生じる出力電圧Voの電圧誤差ΔMを求め、かかる電圧誤差ΔMに応じた補償値を生成し、減算器32へ出力することで、減算器32により補償値を電圧指令Vo*から減算させる。これにより、出力電圧誤差補償を行った電圧指令Vo1*に基づき、電力変換部10を動作させることができ、出力電圧Voや出力電流Ioの歪みを低減することができる。
電荷ΔQによる出力電圧誤差は、U相、V相およびW相の各相で生じるものであり、寄生容量補償器31は、U相、V相およびW相の各相毎に補償値を生成する。図13は、寄生容量補償器31の構成の一例を示す図である。
図13に示すように、寄生容量補償器31は、U相寄生容量補償器41aと、V相寄生容量補償器41bと、W相寄生容量補償器41cと、切替器42a〜42cとを備える。
U相寄生容量補償器41aは、入力相電圧Er、Es、Etおよび出力相電流Iuに基づき、U相の電圧誤差ΔMである電圧誤差ΔMuを求め、かかる電圧誤差ΔMuをU相補償値ΔVuとして減算器32へ出力する。減算器32は、補償値ΔVuを減算したU相電圧指令Vu*を補償後のU相電圧指令Vu1*として、PWMデューティ比演算器33へ出力する。
同様に、V相寄生容量補償器41bは、入力相電圧Er、Es、Etおよび出力相電流Ivに基づき、V相の電圧誤差ΔMである電圧誤差ΔMvを求め、かかる電圧誤差ΔMvをV相補償値ΔVvとして減算器32へ出力する。これにより、補償値ΔVvを減算したV相電圧指令Vv*が補償後のV相電圧指令Vv1*として、減算器32からPWMデューティ比演算器33へ出力される。
また、W相寄生容量補償器41cは、入力相電圧Er、Es、Etおよび出力相電流Iwに基づき、W相の電圧誤差ΔMである電圧誤差ΔMwを求め、かかる電圧誤差ΔMwをW相補償値ΔVwとして減算器32へ出力する。これにより、補償値ΔVwを減算したW相電圧指令Vw*が補償後のW相電圧指令Vw1*として、減算器32からPWMデューティ比演算器33へ出力される。
切替器42aは、U相寄生容量補償器41aから出力される補償値ΔVuを減算器32へ出力する。一方、切替器42aは、寄生容量Cpの影響が現れない場合(例えば、PWM周期中は双方向スイッチSが連続オンしている場合)には、ゼロを補償値ΔVuとして減算器32へ出力する。
同様に、切替器42bは、V相寄生容量補償器41bから出力される補償値ΔVvを減算器32へ出力し、一方、寄生容量Cpの影響が現れない場合には、ゼロを減算器32へ出力する。
また、切替器42cは、W相寄生容量補償器41cから出力される補償値ΔVwを減算器32へ出力し、一方、寄生容量Cpの影響が現れない場合には、ゼロを減算器32へ出力する。
ここで、各寄生容量補償器41a〜41c(以下、寄生容量補償器41と総称する)における電圧誤差ΔMの算出処理の一例について図14を参照して説明する。図14は、寄生容量補償器41による電圧誤差ΔMの算出処理フローの一例を示す図である。
図14に示すように、寄生容量補償器41は、電圧誤差ΔMの算出処理を開始すると、まず、入力相電圧Er、Es、Etを入力相電圧Ep、Em、Enへ変換する(ステップS10)。次に、寄生容量補償器41は、下記式(13)を用いて電圧誤差成分Δm1に対応する充放電時間Δt1を算出する(ステップS11)。
Figure 0005682644
寄生容量補償器41の内部には、寄生容量Cpの値が予め設定されており、寄生容量補償器41は、このように設定されている寄生容量Cpの値を用いて上記式(13)の算出を行う。寄生容量Cpの値は、制御部14による寄生容量調整処理によって求めることができる。かかる寄生容量調整処理については、後で詳述する。
次に、寄生容量補償器41は、充放電時間Δt1がステップ間隔Td以内か否かを判定する(ステップS12)。充放電時間Δt1がステップ間隔Td以内であると判定すると(ステップS12;Yes)、寄生容量補償器41は、上記式(7)を用いて電圧誤差ΔM1を算出する(ステップS13)。一方、充放電時間Δt1がステップ間隔Td以内ではないと判定すると(ステップS12;No)、寄生容量補償器41は、上記式(8)を用いて電圧誤差ΔM1を算出する(ステップS14)。なお、ここでいうステップ間隔Tdとは、正確に言えば、4ステップ電流転流であればステップ3とステップ4との間隔を指し、4ステップ電圧転流(後述する)であればステップ2とステップ3との間隔を指している。
ステップS13またはステップS14の処理が終了した場合、寄生容量補償器41は、下記式(14)を用いて電圧誤差成分Δm2に対応する充放電時間Δt2を算出する(ステップS15)。
Figure 0005682644
次に、寄生容量補償器41は、充放電時間Δt2がステップ間隔Td以内か否かを判定する(ステップS16)。充放電時間Δt2がステップ間隔Td以内であると判定すると(ステップS16;Yes)、寄生容量補償器41は、上記式(9)を用いて電圧誤差ΔM2を算出する(ステップS17)。一方、充放電時間Δt2がステップ間隔Td以内ではないと判定すると(ステップS16;No)、寄生容量補償器41は、上記式(10)を用いて電圧誤差ΔM2を算出する(ステップS18)。
ステップS17またはステップS18の処理が終了した場合、寄生容量補償器41は、出力電流Ioが正であるか否かを判定する(ステップS19)。出力電流Ioが正であると判定すると(ステップS19;Yes)、寄生容量補償器41は、上記式(11)を用いて電圧誤差ΔMを算出する(ステップS20)。
一方、出力電流Ioが正でないと判定すると(ステップS19;No)、寄生容量補償器41は、上記式(12)を用いて電圧誤差ΔMを算出する(ステップS21)。ステップS20またはステップS21の処理を終了すると、寄生容量補償器41は、電圧誤差ΔMの算出処理を終了する。
以上のように、本実施形態に係るマトリクスコンバータ1では、転流動作において寄生容量Cpに起因する電圧誤差ΔMを出力相毎に求め、かかる電圧誤差ΔMを出力相毎に電圧指令Vo*から差し引くようにしている。そのため、寄生容量Cpに起因する出力電圧Voや出力電流Ioの歪みを低減することができ、マトリクスコンバータ1のドライブ性能の低下を抑制することができる。
図15Aは、電圧指令Vu*、Vv*、Vw*に対して寄生容量Cpに起因する出力電圧誤差の補償がない場合の出力相電流Iu、Iv、Iwの波形の一例を示す図である。一方、図15Bは、電圧指令Vu*、Vv*、Vw*に対して寄生容量Cpに起因する出力電圧誤差の補償がある場合の出力相電流Iu、Iv、Iwの波形の一例を示す図である。
図15Aおよび図15Bに示すように、寄生容量Cpに起因する出力電圧誤差の補償がない場合の出力相電流Iu、Iv、Iwの波形に比べ、寄生容量Cpに起因する出力電圧誤差の補償がある場合の出力相電流Iu、Iv、Iwの波形の歪みが低減されていることが分かる。
なお、上述の実施形態では、電圧指令から電圧誤差ΔMを減算することで、寄生容量Cpに起因する出力電圧誤差を補償するものであるが、出力電圧誤差の補償方法はかかる方法に限定されるものではない。すなわち、寄生容量Cpに起因する電圧誤差ΔMを補償することができれば、他の方法を用いてもよい。
具体的には、転流動作の開始タイミングを調整することで、寄生容量Cpに起因する出力電圧誤差を補償することもできる。例えば、電圧誤差ΔMが正の場合には、電圧誤差ΔMに応じて図6Aに示すt1〜t4(またはt5〜t8)の各切り替えタイミングを遅らせ、あるいはt14〜t17(またはt10〜t13)の各切り替えタイミングを早める。また、電圧誤差ΔMが負の場合には、電圧誤差ΔMに応じて図6Bに示すt1〜t4(またはt5〜t8)の各切り替えタイミングを早め、あるいはt14〜t17(またはt10〜t13)の各切り替えタイミングを遅らせる。
また、転流動作内のステップ間の間隔を調整することで、寄生容量Cpに起因する出力電圧誤差を補償することもできる。例えば、電圧誤差ΔMが正の場合には、電圧誤差ΔMに応じて図6Aに示すt1とt2との間を長くかつt2とt3との間を短くし(またはt5とt6との間を長くかつt6とt7との間を短くし)、あるいはt15とt16との間を短くかつt16とt17との間を長くする(またはt11とt12との間を短くかつt12とt13との間を長くする)。また、電圧誤差ΔMが負の場合には、電圧誤差ΔMに応じて図6Bに示すt1とt2との間を短くかつt2とt3との間を長くし(またはt5とt6との間を短くかつt6とt7との間を長くし)、あるいはt15とt16との間を長くかつt16とt17との間を短く(またはt11とt12との間を長くかつt12とt13との間を短く)する。
また、上述の実施形態では、4ステップの電流転流動作について説明したが、4ステップの電圧転流動作や3ステップの転流動作においても同様に寄生容量Cpに起因する出力電圧誤差が発生することから、これらの転流動作についても上述した補償方法を適用することができる。
4ステップの電圧転流動作は、入力相間の短絡と出力相の開放を防止するために、入力相電圧Viの高低に基づいて、切り替え前後の双方向スイッチSを構成する片方向スイッチSio、Soiのオン/オフの順番を決定する転流方法であり、次のステップ1〜ステップ4からなるスイッチングパターンで転流動作が行われる。かかる4ステップの電圧転流動作では、出力電流Ioの極性でスイッチングパターンを変える必要はない。
ステップ1: 切り替え先の逆バイアスされる片方向スイッチをオンにする。
ステップ2: 切り替え元の順バイアスされる片方向スイッチをオフにする。
ステップ3: 切り替え先の順バイアスされる片方向スイッチをオンにする。
ステップ4: 切り替え元の逆バイアスされる片方向スイッチをオフにする。
なお、片方向スイッチSioにおいては、入力側電圧の方が出力側電圧よりも低い状態を逆バイアスといい、入力側電圧の方が高い状態を順バイアスといい、片方向スイッチSoiにおいては、入力側電圧の方が出力側電圧よりも低い状態を順バイアスといい、入力側電圧の方が高い状態を逆バイアスという。
図16は、4ステップの電圧転流動作における、出力相電圧Vu、ゲート信号S1u〜S6u、および、転流動作の各ステップとの関係を示す図である。かかる電圧転流動作では、出力相電流Iuの正負でスイッチングパターンは同じである。
図17Aおよび図17Bは、図16に示す時刻t1〜t4およびt14〜t17における双方向スイッチSの状態と寄生容量Cpによる電荷の流れとの関係を示す図である。図17Aは、出力相電流Iuが正である場合の関係を示し、図17Bは、出力相電流Iuが負である場合の関係を示す。
図16および図17Aに示すように、出力相電流Iuが正である場合、出力相に接続される入力相が高圧相から低圧相に切り替わる際に、出力相電圧Vuにおいて寄生容量Cpの影響を受ける(t15〜t16間)。また、図16および図17Bに示すように、出力相電流Iuが負である場合、出力相に接続される入力相が低圧相から高圧相に切り替わる際に、出力相電圧Vuにおいて寄生容量Cpの影響を受ける(t2〜t3間)。
したがって、4ステップの電圧転流動作の場合も、4ステップの電流転流動作の場合と同様の寄生容量Cpに対する補償処理を行うことで出力電圧Voや出力電流Ioの歪みを低減することができる。
また、3ステップの転流動作の場合には、4ステップの転流動作と同様に、電圧転流と電流転流がある。図18Aおよび図18Bは、3ステップの電流転流動作における、出力相電圧Vu、ゲート信号S1u〜S6u、および、転流動作の各ステップとの関係を示す図である。図18Aは、出力相電流Iuが正の場合の関係を示し、図18Bは、出力相電流Iuが負である場合の関係を示す。
図18Aおよび図18Bに示すように、3ステップの電流転流動作は、4ステップの電流転流動作において、ステップ1とステップ2とを一つのステップとして同時に行う、あるいはステップ3とステップ4とを一つのステップとして同時に行うものである。
具体的には、出力相電流Iuが正の場合、U相に接続する入力相を低圧相から高圧相へ切り替える場合には、図18Aに示すステップ3において、対応する4ステップの電流転流動作のステップ3とステップ4とが同時に行われる(図6A参照)。また、U相に接続する入力相を高圧相から低圧相へ切り替える場合には、図18Aに示すステップ1において、対応する4ステップの電流転流動作のステップ1とステップ2とが同時に行われる(図6A参照)。
また、出力相電流Iuが負の場合、U相に接続する入力相を低圧相から高圧相へ切り替える場合には、図18Bに示すステップ1において、対応する4ステップの電流転流動作のステップ1とステップ2とが同時に行われる(図6B参照)。また、U相に接続する入力相を高圧相から低圧相へ切り替える場合には、図18Bに示すステップ3において、対応する4ステップの電流転流動作のステップ3とステップ4とが同時に行われる(図6B参照)。
一方、3ステップの電流転流動作においてU相に接続する入力相を高圧相から低圧相へ切り替える場合に、Iuが正時の4ステップの電流転流動作におけるステップ3は、ステップ2として存在する。また、U相に接続する入力相を低圧相から高圧相へ切り替える場合に、Iuが負時の4ステップの電流転流動作におけるステップ3は、ステップ2として存在する。したがって、3ステップの電流転流動作の場合も、4ステップの電流転流動作の場合と同様の寄生容量Cpに対する補償処理を行うことで出力電圧Voや出力電流Ioの歪みを低減することができる。
図19Aおよび図19Bは、3ステップの電圧転流動作における、出力相電圧Vu、ゲート信号S1u〜S6u、および、転流動作の各ステップとの関係を示す図である。図19Aは、出力相電流Iuが正の場合の関係を示し、図19Bは、出力相電流Iuが負である場合の関係を示す。
図19Aおよび図19Bに示すように、3ステップの電圧転流動作は、4ステップの電圧転流動作において、ステップ1とステップ2とを一つのステップとして同時に行う、あるいはステップ3とステップ4とを一つのステップとして同時に行うものである。
具体的には、出力相電流Iuが正の場合、U相に接続する入力相を低圧相から高圧相へ切り替える場合には、図19Aに示すステップ1において、対応する4ステップの電圧転流動作のステップ1とステップ2とが同時に行われる(図16参照)。また、U相に接続する入力相を高圧相から低圧相へ切り替える場合には、図19Aに示すステップ3において、対応する4ステップの電圧転流動作のステップ3とステップ4とが同時に行われる(図16参照)。
また、出力相電流Iuが負の場合、U相に接続する入力相を低圧相から高圧相へ切り替える場合には、図19Bに示すステップ3において、対応する4ステップの電圧転流動作のステップ3とステップ4とが同時に行われる(図16参照)。また、U相に接続する入力相を高圧相から低圧相へ切り替える場合には、図19Bに示すステップ1において、対応する4ステップの電圧転流動作のステップ1とステップ2とが同時に行われる(図16参照)。
一方、3ステップの電圧転流動作においてU相に接続する入力相を高圧相から低圧相へ切り替える場合に、Iuが正時の4ステップの電圧転流動作におけるステップ2は、ステップ2として存在する。また、U相に接続する入力相を低圧相から高圧相へ切り替える場合に、Iuが負時の4ステップの電圧転流動作におけるステップ2は、ステップ2として存在する。したがって、3ステップの電圧転流動作の場合も、4ステップの電圧転流動作の場合と同様の寄生容量Cpに対する補償処理を行うことで出力電圧Voや出力電流Ioの歪みを低減することができる。
次に、寄生容量調整処理について説明する。本実施形態に係るマトリクスコンバータ1では、上述したように、寄生容量Cpの値は、寄生容量調整処理によって求めることができる
図20Aは、寄生容量補償が不足している場合の出力電流Io(Iu、Iv、Iw)の波形例を示す図であり、図20Bは、寄生容量補償が適切な場合の出力電流Ioの波形例を示す図であり、図20Cは、寄生容量補償が過補償の場合の出力電流Ioの波形例を示す図である。
図20Aおよび図20Cに示すように、寄生容量補償が過補償の場合には、寄生容量補償が不足している場合と同様に出力電流Ioの歪みが大きくなることから、寄生容量補償を適切に行うことが望ましい。寄生容量補償の調整は、寄生容量補償に用いる寄生容量Cpの設定値(以下、寄生容量値Cp^と記載する)を増減させることによって行うことができる。したがって、寄生容量値Cp^を増減させ、寄生容量補償が適切になった場合の寄生容量値Cp^が寄生容量Cpの値であると推定することができる。
図21は、寄生容量値Cp^を増減させた場合において、出力電流Io中に含まれる特定の周波数成分の増減特性を示す図であり、出力電流Ioにおいてその基本周波数f(例えば、50Hz)の2倍から8倍までの周波数の成分それぞれについて歪み特性を示す。図21に示すように、出力電流Ioの基本周波数fの5倍および7倍の周波数による影響が大きいことが分かる。
図22は、寄生容量値Cp^を増減させた場合の出力電流Ioにおいて、その基本周波数fの(5倍+7倍)の周波数成分の合計(歪み)の増減特性、基本周波数fの2倍から10倍までの周波数成分の合計(歪み)の増減特性、および、基本周波数fの5倍の周波数成分(歪み)の増減特性を示す図である。図21および図22に示す特性から、出力相電流の歪みが最小となるように、または、基本周波数fの5倍、基本周波数fの(5倍+7倍)の周波数成分(歪み)等、特定の周波数成分の合計値が最小となるように、寄生容量値Cp^を調整することで、寄生容量補償を適切に行うことができることが分かる。
そこで、制御部14は、出力電流Ioの歪み、または特定の周波数成分の合計値、例えば基本周波数fの(5倍+7倍)の周波数成分の合計値が最小になる寄生容量値Cp^を求め、真の寄生容量値Cpを推定する。そして、制御部14は、推定した寄生容量値Cp^を用いて寄生容量補償を行う。以下、寄生容量値Cp^の推定処理の一例について説明する。なお、出力電流Ioの歪みに代えて出力電圧Voの波形形状(例えば、立上りまたは立下り時間)により真の寄生容量値Cpの推定処理を行うこともできる。
マトリクスコンバータ1の製造時に、寄生容量Cpの基本値Cp^0を予め設定する。かかる基本値Cp^0は、例えば、過去に実測した寄生容量Cpの平均値の2倍とする。なお、基本値Cp^0は、出力電流Ioの歪みから求めてもよく、また、出力端子Tu、Tv、Twの出力電圧波形においてなだらかに変化する部分の波形形状から求めてもよい。
その後、マトリクスコンバータ1に負荷3を接続する設置時に、寄生容量値Cp^のチューニング(以下、寄生容量チューニングと記載する)を行う。寄生容量チューニング時において、制御部14は、一定の低周波数(例えば、10Hz)の周波数指令f*による電力変換部10からの3相交流電圧を負荷3へ印加する。なお、出力電圧Voの振幅値は、例えば、V/f制御によって求める。
制御部14は、寄生容量チューニングにおいて、寄生容量補償に用いる寄生容量値Cp^を0[F]〜基本値Cp^0[F]の範囲で変更していく。例えば、寄生容量値Cp^を0[F]とした後に、寄生容量値Cp^を段階的に徐々に増加し、かかる増加処理を基本値Cp^0[F]までを上限として継続する。
制御部14は、寄生容量チューニングにおいて、寄生容量値Cp^を変更する毎に、周波数指令f*の整数倍周期の間、出力電流Ioを出力電流検出部13により取得する。なお、制御部14は、寄生容量値Cp^を変更した後、出力電流Ioが安定した波形になった状態で出力電流Ioの取得を行う。
制御部14は、取得した出力電流Ioから特定周波数の成分を抽出して出力電流Ioの歪みを求める。例えば、制御部14は、特定周波数の成分として、周波数指令f*の(5倍+7倍)の周波数成分を抽出し、抽出した成分の大きさに応じた値を出力電流Ioの歪みとする。なお、制御部14は、例えば、FFT(Fast Fourier Transform)またはバンドパスフィルタを用いて特定周波数の成分を抽出する。
制御部14は、寄生容量値Cp^を変更する毎に求めた出力電流Ioの歪みを内部のメモリ(図示せず)に記憶する。これにより、制御部14のメモリに、0[F]〜基本値Cp^0[F]までの範囲の出力電流Ioの歪みが記憶される。制御部14は、メモリに記憶した出力電流Ioの歪みのうち最小の歪みとなる寄生容量値Cp^を判定し、かかる寄生容量値Cp^を寄生容量補償に用いる寄生容量値Cp^として設定する。
このように、本実施形態に係るマトリクスコンバータ1では、出力相電流の歪みが最小になる寄生容量値Cp^を求め、チューニングによって調整した寄生容量値Cp^を用いて寄生容量補償を行う。そのため、寄生容量値Cp^を手動で調整する場合に比べ、調整負担を大幅に軽減することができる。なお、制御部14は、寄生容量値Cp^の調整処理を定期的(例えば、1月に1回)に行うこともでき、また、マトリクスコンバータ1の起動時に行うこともできる。
また、マトリクスコンバータ1において、出力端子Tu、Tv、Twの出力相電圧Vu、Vv、Vwを検出する出力電圧検出部を設ける場合、制御部14は、出力電圧検出部によって検出される出力相電圧Vu、Vv、Vwの波形から寄生容量Cpの値を求めることもできる。例えば、制御部14は、出力相電圧Vu、Vv、Vwの立上りまたは立下り波形から出力相毎に寄生容量に蓄積された電荷の充放電時間Δtを求め、出力相毎の充放電時間Δt、出力相電流Iu、Iv、Iwおよび出力相電圧Vu、Vv、Vwから所定の演算式を用いて寄生容量Cpの値を求める。なお、所定の演算式は、式(4)を変形した式であり、例えば、Cp=Δt×Io/3Vpである。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るマトリクスコンバータについて説明する。第1の実施形態に係るマトリクスコンバータ1では、各ステップ間においてステップ間隔Tdを同一の期間として説明したが(説明の便宜上同一にしているが、実用上は同一である必要はない)、第2の実施形態に係るマトリクスコンバータでは、ステップ間毎にステップ期間を変更する。
以下、図23〜図29を参照して、第2の実施形態に係るマトリクスコンバータについて具体的に説明する。なお、上述した第1実施形態の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付し、第1実施形態と重複する説明については適宜、省略する。
図23は、第2の実施形態に係るマトリクスコンバータの構成を示す図である。図23に示すように、第2の実施形態に係るマトリクスコンバータ1Aの制御部14Aは、電圧指令演算器30と、寄生容量補償器31A(補償部の一例)と、減算器32と、PWMデューティ比演算器33と、転流演算器34A(転流制御部の一例)とを有する。
転流演算器34Aは、4ステップの電流転流動作を付加したゲート信号S1u〜S6u、S1v〜S6v、S1w〜S6wを生成する。以下、一例としてゲート信号S1u〜S6uと出力相電圧Vuと、転流動作の各ステップ1〜4との関係について説明する。なお、ゲート信号S1v〜S6v、S1w〜S6wについてもゲート信号S1u〜S6uと同様の関係が成り立つ。
図24Aおよび、図24Bは、出力相電圧Vu、ゲート信号S1u〜S6u、および、転流動作の各ステップ1〜4との関係を示す図である。図24Aは、出力相電流Iuが正である場合の関係を示し、図24Bは、出力相電流Iuが負である場合の関係を示す。
出力相電流Iuが正である場合、転流演算器34Aは、図24Aに示すように、U相に接続する入力相を低圧相から高圧相へ転流する際、ステップ1とステップ2のステップ間隔をTd1+Td2、ステップ2とステップ3のステップ間隔をTd2、ステップ3とステップ4のステップ間隔をTd1とする。また、U相に接続する入力相を高圧相から低圧相へ転流する際、ステップ1とステップ2のステップ間隔をTd1、ステップ2とステップ3のステップ間隔をTd2、ステップ3とステップ4のステップ間隔をTd1+Td2とする。
出力相電流Iuが負である場合、U相に接続する入力相を低圧相から高圧相へ転流する際、ステップ1とステップ2のステップ間隔をTd3、ステップ2とステップ3のステップ間隔をTd2、ステップ3とステップ4のステップ間隔をTd2+Td3とする。また、U相に接続する入力相を高圧相から低圧相へ転流する際、ステップ1とステップ2のステップ間隔をTd2+Td3、ステップ2とステップ3のステップ間隔をTd2、ステップ3とステップ4のステップ間隔をTd3とする。
このように、出力相電流Iuの極性に応じて各ステップ間の間隔を設定変更することによって、PWM周期中において転流のスイッチングパターンによって生じる電圧誤差の発生を防止することができる(特許文献1参照)。なお、ステップ間隔Td1、Td3は、片方向スイッチSio、Soiのターンオフ時間以上に設定され、ステップ間隔Td2は、片方向スイッチSio、Soiのターンオン時間以上に設定される。
図24Aおよび図24Bに示すスイッチングパターンは、ステップ間隔を除き、図6Aおよび図6Bに示す第1の実施形態に係るスイッチングパターンと同じである。したがって、寄生容量Cpによる出力電圧への影響が生じる。
図25は、第1の実施形態のマトリクスコンバータ1のようにステップ間隔が均等の場合(説明の便宜上均等にしているが、実用上は均等でなくてもよい)の出力電圧誤差と、第2の実施形態のマトリクスコンバータ1Aのようにステップ間隔が均等でない場合の出力電圧誤差を示す図である。図25のように、第2の実施形態のマトリクスコンバータ1Aでは、出力相電流Iuが正である場合、出力U相に接続する入力相を高圧相から低圧相へ転流する際のステップ間隔(Td1+Td2)において出力電圧誤差が生じる。また、図示しないが、出力相電流Iuが負である場合、出力U相に接続する入力相を低圧相から高圧相へ転流する際のステップ間隔(Td2+Td3)において出力電圧誤差が生じる。
したがって、第2の実施形態のマトリクスコンバータ1Aでは、第1の実施形態のマトリクスコンバータ1の場合に比べ、寄生容量Cpの影響を受ける期間が長くなり、その分、寄生容量Cpによる出力電圧誤差が増加する。このことは、U相以外のV相およびW相でも同様である。
そこで、寄生容量補償器31Aでは、出力電流Ioの極性に応じて充放電時間Δt1、Δt2と比較するステップ間隔を変更するようにしている。図26は、4ステップ電流転流動作における寄生容量補償器31Aによる電圧誤差ΔMの算出処理フローの一例を示す図である。
図26に示すように、寄生容量補償器31Aは、出力相毎に、電圧誤差ΔMの算出処理を開始すると、まず、入力相電圧Er、Es、Etを入力相電圧Ep、Em、Enへ変換する(ステップS30)。次に、寄生容量補償器31Aは、出力電流Ioが正であるか否かを判定する(ステップS31)。出力電流Ioが正であると判定すると(ステップS31;Yes)、寄生容量補償器31Aは、ステップ間隔TddとしてTd1+Td2を設定する(ステップS32)。一方、出力電流Ioが負であると判定すると(ステップS31;No)、寄生容量補償器31Aは、ステップ間隔TddとしてTd2+Td3を設定する(ステップS33)。
ステップS32、S33の処理が終了すると、寄生容量補償器31Aは、出力相毎に、ステップS34〜S44に対応する処理を行う。ステップS34〜S44の処理は、図14に示すステップS11〜S21の処理と同様の処理であり、ステップS35、S37、S39、S41は、ステップS12、S14、S16、S18におけるステップ間隔Tdをステップ間隔Tddに置き換えた処理である。
このように、第2の実施形態に係るマトリクスコンバータ1Aは、出力電流Ioの極性に応じて各ステップ間の間隔を設定することによって、PWM周期中において転流のスイッチングパターンによって生じる電圧誤差の発生を防止しつつ(特許文献1参照)、寄生容量Cpに起因する出力電圧誤差をも低減することができる。
上述の実施形態では、4ステップの電流転流動作について説明したが、4ステップの電圧転流動作や、電流転流と電圧転流を組み合わせた4ステップの転流動作についても、上述した転流のスイッチングパターンによって生じる電圧誤差の発生の防止(特許文献1参照)、および寄生容量Cpに起因する出力電圧誤差の補償方法を適用することができる。
図27Aおよび図27Bは、4ステップ電圧転流動作において、出力相電圧Vu、ゲート信号S1u〜S6u、および、転流動作の各ステップ1〜4との関係を示す図である。図27Aは、出力相電流Iuが正である場合の関係を示し、図27Bは、出力相電流Iuが負である場合の関係を示す。
図27Aに示すように、出力相電流Iuが正である場合、U相に接続する入力相を低圧相から高圧相へ転流する際、ステップ1とステップ2のステップ間隔をTd3、ステップ2とステップ3のステップ間隔をTd2、ステップ3とステップ4のステップ間隔をTd2+Td3とする。また、U相に接続する入力相を高圧相から低圧相へ転流する際、ステップ1とステップ2のステップ間隔をTd2+Td3、ステップ2とステップ3のステップ間隔をTd2、ステップ3とステップ4のステップ間隔をTd3とする。
図27Bに示すように、出力相電流Iuが負である場合、U相に接続する入力相を低圧相から高圧相へ転流する際、ステップ1とステップ2のステップ間隔をTd1+Td2、ステップ2とステップ3のステップ間隔をTd2、ステップ3とステップ4のステップ間隔をTd1とする。また、U相に接続する入力相を高圧相から低圧相へ転流する際、ステップ1とステップ2のステップ間隔をTd1、ステップ2とステップ3のステップ間隔をTd2、ステップ3とステップ4のステップ間隔をTd1+Td2とする。
このように、出力相電流Iuの極性に応じて各ステップ間の間隔を設定することによって、PWM周期中において転流のスイッチングパターンによって生じる電圧誤差の発生を防止することができる。図27Aおよび図27Bに示すスイッチングパターンは、ステップ間隔を除き、図16に示す第1の実施形態に係るスイッチングパターンと同じである。したがって、4ステップの電流転流動作の場合と同様に、寄生容量Cpによる出力電圧への影響が生じる。
図28は、第1の実施形態のマトリクスコンバータ1のようにステップ間隔が均等の場合(説明の便宜上均等にしているが、実用上は均等でなくてもよい)の出力電圧誤差と、図27Aおよび図27Bに示すようにステップ間隔が均等でない場合の出力電圧誤差を示す図である。図28のように、第2の実施形態のマトリクスコンバータ1Aでは、出力相電流Iuが正である場合、出力U相に接続する入力相を高圧相から低圧相へ転流する際のステップ間隔Td2において出力電圧誤差が生じる。また、図示しないが、出力相電流Iuが負である場合、出力U相に接続する入力相を低圧相から高圧相へ転流する際のステップ間隔Td2において出力電圧誤差が生じる。
ステップ間隔Td2は、片方向スイッチSio、Soiのターンオフ時間Toff以上に設定される。第1の実施形態におけるステップ間隔Tdは、片方向スイッチSio、Soiのターンオフ時間Toffおよびターンオン時間Tonよりも長くなるように設定されている。そのため、Ton>Toffであれば、ステップ間隔Tdが均等である第1の実施形態の場合に比べ、寄生容量Cpの影響を受ける期間が短くなり、その分、寄生容量Cpによる出力電圧誤差は減少する。一方、Ton<Toffであれば、寄生容量Cpの影響を受ける期間は等しくなり、寄生容量Cpによる出力電圧への影響は、ステップ間隔Tdが均等である第1の実施形態の場合と同じである。
図29は、4ステップの電圧転流動作における寄生容量補償器31Aによる電圧誤差の算出処理フローの一例を示す図である。図29に示すステップS50〜S61の処理は、図14に示すステップS11〜S21の処理と同様の処理であり、ステップS52、S54、S56、S58は、ステップS12、S14、S16、S18におけるステップ間隔Tdをステップ間隔Td2に置き換えた処理である。
なお、第2の実施形態では、転流動作における各ステップ間のステップ間隔を適切な間隔に設定することで、転流のスイッチングパターンによって生じる電圧誤差を補正するが(この点については特許文献1を参照のこと)、転流のスイッチングパターンによって生じる電圧誤差を補償することができるのであれば、他の方法を用いてもよい。例えば、転流のスイッチングパターンによって生じる電圧誤差に応じて電圧指令を調整したり、PWMパルス幅を調整したりしてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1、1A マトリクスコンバータ
2 3相交流電源
3 負荷(交流電動機)
10 電力変換部
11 LCフィルタ
12 入力電圧検出部
13 出力電流検出部
14、14A 制御部
20、21 片方向スイッチとダイオードとの直列接続体
30 電圧指令演算器
31、31A 寄生容量補償器
32 減算器
33 PWMデューティ比演算器
34、34A 転流演算器
41 寄生容量補償器
41a U相寄生容量補償器
41b V相寄生容量補償器
41c W相寄生容量補償器
42a〜42c 切替器

Claims (6)

  1. 片方向スイッチおよびダイオードとの直列接続体を逆並列接続して構成された複数の双方向スイッチを有し、交流電源の各相に接続される複数の入力端子と負荷の各相に接続される複数の出力端子との間に前記複数の双方向スイッチが設けられた電力変換部と、
    前記双方向スイッチのオン/オフ制御により前記出力端子に接続する前記入力端子を切り替える際に、切り替え元の前記双方向スイッチおよび切り替え先の前記双方向スイッチによる3ステップまたは4ステップの転流動作を行う転流制御部と、
    前記出力端子に接続する前記入力端子を切り替える際に生じる出力電圧誤差を、前記出力端子に接続する前記入力端子の前記切り替え前後の電位差、前記出力端子の出力電流および前記片方向スイッチの入出力端子間に存在する静電容量に基づいて補償する補償部と、
    を備えることを特徴とするマトリクスコンバータ。
  2. 片方向スイッチを逆並列接続して構成された複数の双方向スイッチを有し、交流電源の各相に接続される複数の入力端子と負荷の各相に接続される複数の出力端子との間に前記複数の双方向スイッチが設けられた電力変換部と、
    前記双方向スイッチのオン/オフ制御により前記出力端子に接続する前記入力端子を切り替える際に、切り替え元の前記双方向スイッチおよび切り替え先の前記双方向スイッチによる3ステップまたは4ステップの転流動作を行う転流制御部と、
    前記出力端子に接続する前記入力端子を切り替える際に生じる出力電圧誤差を、前記出力端子に接続する前記入力端子の前記切り替え前後の電位差、前記出力端子の出力電流および前記双方向スイッチの入出力端子間に存在する静電容量に基づいて補償する補償部と、
    を備えることを特徴とするマトリクスコンバータ。
  3. 前記補償部は、
    前記出力電流が正であり、かつ、前記出力端子に接続する前記入力端子を高圧相に接続された入力端子から低圧相に接続された入力端子へと切り替える際に生じる前記出力電圧誤差を、前記高圧相と前記低圧相の電位差、前記出力電流および前記静電容量に基づいて補償する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のマトリクスコンバータ。
  4. 前記補償部は、
    前記出力電流が負であり、かつ、前記出力端子に接続する前記入力端子を低圧相に接続された入力端子から高圧相に接続された入力端子へと切り替える際に生じる前記出力電圧誤差を、前記高圧相と前記低圧相の電位差、前記出力電流および前記静電容量に基づいて補償する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のマトリクスコンバータ。
  5. 前記補償部は、
    前記転流動作により前記出力端子の出力電圧が変化しているステップ期間中に前記静電容量に起因する出力電圧の変化が完了するか否かによって前記出力電圧誤差の演算方法を切り替える
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のマトリクスコンバータ。
  6. 前記静電容量を測定あるいは調整する演算部を備え、
    前記補償部は、
    前記演算部によって演算された前記静電容量を用いて前記出力電圧誤差の補償を行う
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のマトリクスコンバータ。
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