JP2005130611A - 補助共振pwm電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、高速、高性能な電流検出器を使用せずに負荷電流を電流検出し、スイッチ損失の少ないゼロ電圧スイッチを行う補助共振PWM電力変換装置を提供する。
【解決手段】 直流電源1に、Cr1が並列接続された第1スイッチ手段Qx1, Dx1と、Cr2が並列接続された第2スイッチ手段Qx2, Dx2とが直列接続された複数のスイッチング回路Sと、接続点Aと直流電源の直流電圧の中性点との間に補助共振転流回路Rとが接続され、PWM信号に基づいて複数のスイッチング回路と補助共振転流回路のスイッチングが制御される。第1スイッチ手段、第2スイッチ手段をゼロ電圧スイッチングさせるスイッチタイミングが決まる共振電流注入時間を決めるとき、負荷電流IxをPWM信号1周期中の中間点で検出し、電流値Ix1による誤差分に相当した時間を補償し、検出した直流電圧の電圧値E1により直流電源電圧の変動に応じて共振電流注入時間を調整する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、補助共振PWM電力変換装置に関し、特に、直流電源の中性点に補助共振転流回路が接続されており、最適な共振電流時間によりゼロ電圧スイッチングを行うようにして、系統連携分散型とすることができる補助共振PWM電力変換装置に関する。
近年、スイッチ素子として半導体素子を用いた電力変換装置においては、スイッチングの高周波化によって装置の小型化が図られているが、一方で、スイッチング損失の増大や、EMIノイズの増大などが問題となっている。
そこで、この問題の解決策として、共振回路を利用してソフトスイッチングを行うことを利用した低損失の電力変換装置が開発されている。補助共振回路方式のソフトスイッチングは、直流電源の中性点に補助共振転流回路を接続し、電力変換装置のスイッチング回路をLC共振状態で動作させるものであり、そのスイッチング回路のスイッチ素子が、その端子間において、ゼロ電圧状態又はゼロ電流状態で動作するようになっている。
このソフトスイッチングを、電力変換装置におけるスイッチング回路の動作の仕方に適用することによって、スイッチ素子のターンオフ期間又はターンオン期間における電圧又は電流の傾きが緩やかになり、スイッチングの過渡時におけるスイッチング損失や、サージが減少するという利点が生じる。
これまで、補助共振PWM電力変換装置は、種々開発されている。例えば、共振型電力変換装置の制御装置において、負荷電流を検出する負荷電流検出手段と、負荷電流に応じた転流時に動作する共振回路の動作時間を有するメモリと、転流時に動作時間をもとに共振回路を動作させる制御手段とを備え、スイッチ素子がオフするときに、スイッチ素子に流れる電流が一定値になるように共振回路の動作時間を負荷の電流値に応じて変化させるようにした共振型電力変換装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
それまで利用されてきた従来の電力変換装置では、スイッチング回路のスイッチ素子の転流時において、オフすべきスイッチ素子には必ずある一定以上の電流を流し、該スイッチ素子のオフ時に該スイッチ素子に並列接続されたスナバコンデンサを電源電圧まで充電する必要があった。そのため、オフ時に該スイッチング素子の電流値が設定した基準電流値に達しない場合は、補助共振回路を動作させ、オフすべきスイッチ素子のオフを該スイッチ素子の電流値が基準電流値に達するまで遅らせていた。
オフすべきスイッチ素子の電流値が基準電流値に達するまでオフを遅らす場合、遅れ時間を補償し正確に該スイッチ素子をオフする必要がある。一般に共振回路の動作は共振周期が非常に短く、しかも大電流を流すため、電力変換器のスイッチング回路におけるスイッチ素子の電流値をフィードバックするには、非常に高速かつ高精度な検出器が必要であり制御も複雑となっていた。
また、そのスイッチング回路におけるスイッチ素子の電流検出の遅れや制御の遅れにより、共振電流を一定値に制御できなくなり、必要以上の過大な共振電流が流れ、そのため、スイッチ素子のオフ時のスイッチング損失が増加し、補助共振回路の損失も増加することとなり、スイッチングの遅れが大きくなるとデッドタイムが大きく変化するため、出力の電圧及び電流制御に大きな影響を与えていた。
そこで、特許文献1で提案された電力変換装置は、複雑かつ高性能な検出器を必要とせず、主スイッチング回路のスイッチ素子、スナバコンデンサ及び補助共振回路からなる共振回路の制御を容易かつ安定に動作させ、主スイッチング回路及び補助共振回路の損失を必要最小限にしようとしたものである。
また、電力変換装置の出力電流が変動しても、常に確実にゼロ電圧スイッチングを行うことができ、出力電流の変動に影響されずに部分共振動作を行うことができ、しかも十分なPWM制御範囲を確保することができるようにした補助共振PWM電力変換装置が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
ここで、この提案された従来の補助共振PWM電力変換装置の回路構成を、図6に示した。同図に示された補助共振PWM電力変換装置は、補助共振転流回路Rと、複数のスイッチング回路Sと、これらの回路を制御する制御回路とを備えている。
スイッチング回路Sは、直列接続された2つの主スイッチ素子Qx1、Qx2を有し、主スイッチ素子Qx1、Qx2は、直流電源1の両端子間に接続されている。主スイッチ素子Qx1、Qx2には、還流ダイオードDx1、Dx2と共振コンデンサCr1、Cr2とが夫々並列に接続されている。なお、図6では、回路構成を分かり易くするため、スイッチング回路Sとして、1相分が代表的に示されており、多相出力する場合には、スイッチング回路Sを、その多相分だけ、直流電源1に並列接続される。例えば、単相出力の場合であれば、スイッチング回路S及び補助共振転流回路Rの2組が、また、三相出力の場合であれば、スイッチング回路S及び補助共振転流回路Rの3組が、直流電源1に並列接続される。
主スイッチ素子Qx1、Qx2の中間接続点である出力端子Aには、補助共振転流回路Rが接続され、共振リアクトルLrの一方の端子が接続され、その共振リアクトルLrの他方の端子には、直列接続された補助スイッチ素子Qa1、Qa2が接続されている。コンデンサCn1、Cn2は、電源電圧Eを2分割するためのコンデンサであり、このコンデンサCn1、Cn2の中間接続点には、補助共振転流回路Rの他端が接続され、該中間接続点は、補助スイッチ素子Qa1、Qa2を介して共振用リアクトルLrの他方の端子に接続される。
主スイッチ素子Qx1、Qx2と、補助スイッチ素子Qa1、Qa2の夫々の制御端子には、各スイッチ素子をオン・オフ駆動する駆動回路2乃至5が接続されている。図6において破線で示された制御回路は、パルス信号Pを出力するPWM信号発生回路6、信号遅延回路7、そして、出力端子Aに接続されている出力ラインに流れる電流を検出する電流検出器8を備えている。信号遅延回路7は、PWM信号発生器6から出力されるパルス信号Pを所定量だけ遅延させて駆動回路2及び3に供給し、主スイッチ素子Qx1、Qx2のオン・オフのタイミングを遅延させる。
信号遅延回路7は、例えば、PWM信号発生器6が出力するパルス信号Pの立ち上がり時点から主スイッチ素子Qx2がオフするまでの時間に対応して遅延した第1遅延信号を駆動回路3に、そのパルス信号Pの立ち下がり時点から主スイッチ素子Qx1がオフするまでの時間に対応して遅延した第2遅延信号を駆動回路2に出力するようになっている。
ここで、負荷に流れる負荷電流をIxとしたとき、例えば、還流ダイオードDx2に電流Ixが還流しており、この状態から、主スイッチ素子Qx1へ転流するときの状態について説明する。PWM信号発生器6から、Hレベルのパルス信号Pが出力されたとしたとき、補助スイッチ素子Qa1がオンし、共振リアクトルLrに、電流Irが流れ始める。一方、電流検出器8によって検出された出力ラインに流れる電流に係る検出電流値に第1遅延信号を加算した加算信号が生成される。そして、パルス信号Pの立上り時点から、その加算信号に応じた時間だけ遅延させてパルス信号P1が出力される。
出力されたパルス信号P1によって、主スイッチ素子Qx2をオフにする。つまり、このとき、パルス信号Pの立ち上がり時点から加算信号に応じた時間だけ遅延された時点で主スイッチ素子Qx2がオフされることになる。
主スイッチ素子Qx2のオフにより、共振リアクトルLrと共振コンデンサCr1、Cr2が共振動作に入り、共振コンデンサCr2の電圧は上昇していく。この共振コンデンサCr2の電圧が電源電圧Eに達する時点で、還流ダイオードDx1がオンする。そして、主スイッチ素子Qx2がオフしてから所定時間遅延させた時点Txで、主スイッチ素子Qx1をオンさせる。この遅延させる所定時間は、予め定められた一定時間であり、時点Txは、共振コンデンサCr2の電圧が電源電圧Eに到達した時点と、出力電流Ixが共振リアクトルLrの電流Irと等しくなる時点との間の期間内に入るように設定されている。
主スイッチ素子Qx1が、この期間内における時点Txでオンされるので、ゼロ電圧スイッチングが行われることになる。ここで、還流ダイオードDx2に流れる電流Ixが変動して、大きくなった場合について説明する。
電流Ixが、高レベルに変動した場合、変動前と同じ時点で、主スイッチ素子Qx2をオフすると、電流Irが小さくなってしまい、この結果、ゼロ電圧スイッチングが困難となる。しかし、電流検出器8から出力される検出電流値と第1遅延信号とを加算した加算信号を出力し、パルス信号Pの立上り時点から、その加算信号に応じた時間だけ遅延させてパルス信号P1を出力するので、変動前の時点よりも遅い時点で、主スイッチ素子Qx2がオフすることになる。この結果、所定の大きさの電流Irを得ることができる。
ところで、電流Ixの変動に拘わらず、電流Irを一定とすれば、主スイッチ素子Qx2がオフになる時点から共振コンデンサCr2の電圧が電源電圧Eに到達する時点までの期間と、負荷電流Ixの変動に対応した時点から共振コンデンサCr2の電圧が電源電圧Eに到達する時点までの期間とは、一定となり、主スイッチ素子Qx2がオフになる時点と、負荷電流Ixの変動に対応した時点とを基準にして設定する時点Txは容易に得られる。つまり、電流Irが負荷電流Ixになる時点と、主スイッチ素子Qx2をオフにした時点との期間を一定にしておけば、電流Irが一定となるため、電流Ixの変動に応じて、主スイッチ素子Qx2のオフの時点を基準にして時点Txのタイミングを容易に取ることができる。
そこで、特許文献2に開示された補助共振PWM電力変換装置では、負荷電流Ixの検出値に基づき、PWM信号発生回路6から出力されるパルス信号に所定の遅延を施し、所定時間遅延させた時点Txで主スイッチ素子Qx1をオンさせているので、出力電流Ixの変動に拘わらず、常に確実にゼロ電圧スイッチングを行うことができるというものである。
特開平8−340676号公報 特開2000−184738号公報
ところで、上述した従来に提案された補助共振PWM電力変換装置では、負荷電流の電流値を検出し、この検出した電流値に基づいて、主スイッチ素子のオン・オフのタイミングを制御することにより、ゼロ電圧スイッチング又はゼロ電流スイッチングを実現しているものである。
いずれのPWM変換装置でも、その出力において、負荷電流の電流値を検出することが記載されてはいるものの、負荷電流の検出の仕方についての詳細には言及されていない。この検出電流値が細かく変動すると、高周波駆動される主スイッチ素子のタイミング制御に大きく影響し、オン・オフのタイミングを正確に制御することは難しくなる。そのため、上述した従来に提案された補助共振PWM電力変換装置では、出力電流Ixの変動が大きい場合や、動作周波数に比較して大幅に小さい周波数の交流電流を出力する場合のみに対応可能である。
従って、上述した従来に提案された補助共振PWM電力変換装置は、負荷として、交流電動機や、抵抗負荷などに適したものといえるが、例えば、図6に示されたような補助共振PWM電力変換装置を、系統連携分散型電力変換装置として適用しようとすると、電力変換装置の出力側にローパスフィルタを接続しなければならない。
そこで、補助共振PWM電力変換装置において、確実にゼロ電圧スイッチングを行わせるには、負荷電流の検出が必要となる。しかし、系統連携する場合には、ローパスフィルタが挿入されているので、この負荷電流の検出位置は、そのローパスフィルタの前後の2箇所が考えられる。ここで、接続点Aに接続された出力ライン上で負荷電流Ixの電流値を検出するが、その検出位置が、(a)接続点Aとローパスフィルタとの中間で行った場合と、(b)ローパスフィルタの負荷側で行う場合とに分けて、タイミング制御上の問題があることについて説明する。
(a)接続点Aとローパスフィルタとの中間で行った場合
この場合には、負荷電流Ixは、リップルを含んだ電流となる。この場合の負荷電流Ixの変化の様子を、図4に示した。同図では、太線で示された負荷電流Ixは、上側である主スイッチ素子Qx1のオン期間と、下側である主スイッチ素子Qx2のオン期間に合わせてリップルを有していることを示している。そこで、主スイッチ素子Qx1、Qx2のオフ時に流れる電流を正確に検出するには、図4に示すように、時間T1u、T2uのタイミングで負荷電流Ixをサンプリングし、電流値I1u、I2uの両方を検出する必要がある。
また、三相出力のPWM電力変換装置である場合、サンプリングのタイミングが6個所必要になる。この検出を正確に実現するには、高速、高性能な検出器が必要となる。そこで、その検出器を少なくして簡略化して電流値を検出したとすると、仮に、時間T1uのタイミングだけで、電流値I1uの検出を行って、主スイッチ素子のオン・オフのタイミングを制御すると、上下アームの共振電流注入時間に差が生じることとなって、直流電源の中性点にずれが発生する。この中性点変動により、共振動作時に、共振コンデンサCr1又はCr2に電荷が残ったまま、主スイッチ素子がオンになる可能性が発生する。この様になると、主スイッチ素子に過大なストレスがかかり、主スイッチ素子の破壊やノイズの発生原因となる。
(b)ローパスフィルタの負荷側で行う場合
この場合には、負荷電流Ixの検出電流は、図4に示された負荷電流Ixの変化とは異なり、リップルを含んでいない電流となっている。しかし、主スイッチ素子Qx1、Qx2に流れる電流と、負荷電流Ixの検出電流とには、ローパスフィルタに含まれるインダクタンスLとコンデンサCとによる位相差が存在することによって、ある時間で見たとき、その電流値に差が生じる。その検出電流値を基にして、確実に、共振コンデンサCr1、Cr2に電荷がなくなる共振電流注入時間を決定すると、ゼロ電圧スイッチングに必要な電流より大きな電流が、主スイッチング回路、補助共振転流回路に流れる結果になる。この場合には、(a)の場合のように、中性点変動は起こらないが、回路のスイッチ電力損失が増加し、効率が低下することになる。
この様に、(a)の負荷電流Ixの電流検出位置では、高速、高性能な検出器を用いれば、正確なタイミング制御を実現できるが、制御が複雑になり、しかも、コストが嵩むという問題がある。この問題を回避するため、電流検出の仕方を簡便なものとすると、中性点変動を来たし、主スイッチ素子の破壊やノイズの発生を招来するという問題がある。一方、(b)の負荷電流Ixの電流検出位置では、補助共振PWM電力変換装置の主スイッチング回路と負荷と間に、ローパスフィルタが介在するため、主スイッチ素子に流れる電流と負荷電流Ixの検出電流とに差が発生することになり、この差を含む検出電流値に基づいてタイミング制御が行われると、必要以上の電流を流す結果となって、スイッチ電力損失を増大させてしまうという問題がある。
系統連携する補助共振PWM電力変換装置において、負荷電流の検出電流値に基づいて正確なゼロ電圧スイッチングを実現するには、上述した問題がある。そこで、本発明の目的は、高速、高性能な検出器を使用せずに、負荷電流Ixの電流検出の仕方を工夫することによって、スイッチ電力損失の少ないゼロ電圧スイッチングを行える補助共振PWM電力変換装置を提供することである。
上記問題点を解決するため、本発明では、直流電源の両端に接続され、第1共振コンデンサが並列接続された第1スイッチ手段と、第2共振コンデンサが並列接続された第2スイッチ手段とが直列接続された複数のスイッチング回路と、前記第1スイッチ手段と前記第2スイッチ手段の接続点と前記直流電源の直流電圧の中性点との間に接続され、補助スイッチ素子を含む補助スイッチ手段と共振リアクトルとが直列に接続された補助共振転流回路と、PWM信号に基づいて、前記複数のスイッチング回路と前記補助共振転流回路のスイッチングを制御する制御回路とを有し、前記直流電源の直流電力を交流電力に変換して、前記接続点に接続された負荷に出力する補助共振PWM電力変換装置において、前記接続点から出力される負荷電流の電流値を、前記PWM信号における1周期の中間点のタイミングで検出する電流検出回路を備え、前記制御回路は、検出された前記電流値に基づいて、前記第1スイッチ手段、前記第2スイッチ手段又は前記補助スイッチ手段のオン・オフのスイッチタイミングを決定することとした。
そして、前記制御回路は、前記第1スイッチ手段又は前記第2スイッチ手段をゼロ電圧スイッチング又はゼロ電流スイッチングさせる前記スイッチタイミングを決める共振電流注入時間を演算するとき、前記電流値による誤差分に相当する補償時間を加算するようにし、さらに、前記直流電源の直流電圧を検出する電圧検出回路を備えて、前記第1スイッチ手段又は前記第2スイッチ手段をゼロ電圧スイッチング又はゼロ電流スイッチングさせる前記スイッチタイミングを決める共振電流注入時間を演算するとき、検出した前記電圧値に基づいて、前記直流電源の電圧変動に応じて該共振電流注入時間を調整するようにした。
また、前記した補助共振PWM電力変換装置では、前記接続点が、ローパスフィルタを介して系統に接続され、前記電流検出回路が、前記接続点と前記ローパスフィルタとの間の前記負荷電流の前記電流値を検出するようにした。
以上のように、本発明によれば、補助共振PWM電力変換装置が系統連携され負荷電流にリップルが含まれていても、高速・高性能な電流検出器を必要としなくて済み、コストを低減することができる。さらには、所定のブースト電流が得られるように、共振電流注入時間の大きさを決定する場合に、PWM信号の折り返し点でサンプリングされた電流値の誤差を補償し、電源の直流電圧の変動電圧値を参照するようにしたので、ゼロ電圧スイッチングを常に実現でき、スイッチの電力損失を低減することができ、スイッチ電力損失が少ない補助共振PWM電力変換器を提供できる。
次に、本発明による補助共振PWM電力変換装置における実施形態について、図を参照しながら説明する。本実施形態による負荷電流の電流検出の仕方を適用した補助共振PWM電力変換装置の回路構成について、図1に示した。図1に示された補助共振PWM電力変換装置の基本的な回路構成は、図6に示された従来技術による補助共振PWM電力変換装置の回路構成と同様であり、補助共振転流回路Rと、複数のスイッチング回路Sと、これらの回路を制御する制御回路とを備えている。
スイッチング回路Sは、直列接続された2つの主スイッチ素子Qx1、Qx2を有し、主スイッチ素子Qx1、Qx2は、直流電源1の両端子間に接続されている。主スイッチ素子Qx1、Qx2には、還流ダイオードDx1、Dx2と共振コンデンサCr1、Cr2とが夫々並列に接続されている。なお、図1においても、図6の場合と同様に、回路構成を分かり易くするため、スイッチング回路S及び補助共振転流回路Rとして、1相分が代表的に示されている。多相出力する場合には、スイッチング回路S及び補助共振転流回路Rを、その多相分だけ、直流電源1に並列接続される。
主スイッチ素子Qx1、Qx2の中間接続点である出力端子Aには、補助共振転流回路Rが接続され、共振リアクトルLrの一方の端子が接続され、その共振リアクトルLrの他方の端子には、直列接続された補助スイッチ素子Qa1、Qa2が接続されている。コンデンサCn1、Cn2は、電源電圧Eを2分割するためのコンデンサであり、このコンデンサCn1、Cn2の中間接続点には、補助共振転流回路Rの他端が接続され、該中間接続点は、補助スイッチ素子Qa1、Qa2を介して共振用リアクトルLrの他方の端子に接続される。なお、本実施形態による補助共振PWM電力変換装置は、系統連携分散型の交流電源とする場合を例としているので、主スイッチ素子Qx1、Qx2の中間接続点である出力端子Aには、ローパスフィルタ9が接続されている。
主スイッチ素子Qx1、Qx2と、補助スイッチ素子Qa1、Qa2の夫々の制御端子には、各スイッチ素子をオン・オフ駆動する駆動回路2乃至5が接続されていることも、図6の場合と同様である。しかし、図1に示した補助共振PWM電力変換装置では、破線で示された制御回路は、パルス信号Pを出力するPWM信号発生回路6、各駆動回路2乃至5にスイッチ素子Qx1、Qx2、Qa1及びQa2に駆動信号を供給するゲート信号制御回路10を備えていることが、図6の補助共振PWM電力変換装置と異なっている。さらに、出力端子Aに接続されている出力ラインに流れる電流を検出する電流検出器8と、直流電源1の直流電圧Eを検出する電圧検出回路11とを備えている。ここで、制御回路には、CPUを含むデジタル回路が使用され、高速、高性能な制御回路を実現している。
次いで、この様に回路構成された本実施形態の補助共振PWM電力変換装置において、正確なゼロ電圧スイッチングを実現するための負荷電流Ixの電流検出の仕方について説明する。図1に示した補助共振PWM電力変換装置においては、出力端子Aとローパスフィルタ9との間の出力ラインから、電流検出回路8によって負荷電流Ixの電流値が検出される。
前述したように、図4には、1相分に相当するスイッチング回路の主スイッチ素子Qx1、Qx2のオン・オフに対応して、負荷電流Ixの変化が示されている。ここで、主スイッチ素子Qx1、Qx2のオフ時に流れる電流を正確に検出するには、図示のように、時間T1u、T2uのタイミングで負荷電流Ixをサンプリングし、電流値I1u、I2uの両方を検出する必要があるが、この電流検出には、問題があることは、既に述べた。そこで、本実施形態における電流検出では、この問題を回避するものとして、主スイッチ素子のオンとオフ、つまり、時間T1uと時間T2uのタイミングで電流値I1u、I2uをサンプリングするのではなく、その中間点T0で負荷電流Ixの電流値I0をサンプリングするようにした。
図5に示されるように、図1に示された補助共振PWM電力変換装置が三相インバータである場合、PWM信号発生器6の出力信号における1周期のパターンが折り返しになるPWM出力パターンを採用することにより、中間点、つまり、折り返し点T0で、3相分の電流サンプリングを行うことができるようになり、複数の高速、高性能な検出器を使用する必要を無くし、簡単に、主スイッチ素子Qx1、Qx2に流れる平均的な電流を検出するだけで良くなる。
しかし、中間点又は折り返し点でサンプリングした電流値I0を、そのまま、主スイッチ素子のオン・オフのタイミング制御に使用すると、前述したように、時点T1uでのみサンプリングした場合と同様に、検出電流値I0にも誤差があることから、所定のブースト電流より大きい値の電流が流れることになる。そのため、電流検出の仕方を簡単化できても、スイッチの電力損失が大きくなっては、問題点を回避したことにならない。そこで、本実施形態における負荷電流の検出に際しては、電流検出の誤差を補償することとし、さらに、主スイッチ素子のターンオン、ターンオフの遅れ時間の誤差をも補償するようにして、ゼロ電圧スイッチングに最適な所定のブースト電流が得られる制御方式とした。
この制御方式について、図2及び図3のタイムチャートを参照しながら説明する。図2及び図3のタイムチャートには、図1に示された補助共振PWM電力変換装置の動作において現れる各部に流れる電流の変化と、各部の電圧の変化と、各スイッチ素子の動作タイミングとが、時間軸に沿った波形として図示されている。
ここで、図1に示された補助共振PWM電力変換装置において、出力端子Aからローパスフィルタ9に流れる負荷電流をIx、共振リアクトルLrに流れる電流をIax、そして、主スイッチ素子Qx1に流れる電流をIs1x、主スイッチ素子Qx2に流れる電流をIs2xとする。また、主スイッチ素子Qx1、還流ダイオードDx1又は共振コンデンサCr1の両端の電圧をVcx1と、主スイッチ素子Qx2、還流ダイオードDx2又は共振コンデンサCr2の両端の電圧をVcx2とする。
図1の補助共振PWM電力変換装置の制御回路に関連して、電流検出回路8の負荷電流Ixの検出電流値をIx1、電圧検出回路11の直流電源1の直流電圧Eに対する検出電圧値をE1としており、PWM信号発生回路6からゲート信号制御回路10に出力されるパルス信号をS01x、S02xとし、ゲート信号制御回路10が駆動回路2乃至5に出力する駆動信号をS1x、S2x、Sa1x及びSa2xとしている。
なお、これらの電流及び電圧の符号については、図1に示した補助共振PWM電力変換装置では、1相分について代表的に図示されているので、説明の都合上、便宜的に付したものである。図2及び図3では、負荷電流Ix、電流Iax、電圧Vcx1、電流Is1x、電圧Vcx2、そして、電流Is2xに係る変化状態が図示され、信号S01x、S02x、Sa1x、S2a2x、S1x及びS2xの出力状態が斜線を施して図示されている。
ここで、図1に示されたような補助共振PWM電力変換装置における一般的な動作について説明する。1相分の回路構成としては、直流電圧平滑と中性点電位維持のためのコンデンサCn1、Cn2が直流電源1に並列接続され、主スイッチ素子Qx1と還流ダイオードDx1と共振コンデンサCr1の組と、主スイッチ素子Qx2と還流ダイオードDx2と共振コンデンサCr2の組とからなるスイッチング回路が直流電源1に並列に接続されている。そして、双方向スイッチを形成している補助スイッチ素子Qa1と補助ダイオードDa1の組と、補助スイッチ素子Qa2と補助ダイオードDa2の組と、共振リアクトルLrとの直列接続からなる補助共振転流回路が、コンデンサCn1、Cn2の接続点である中性点と、出力端子Aとの間に接続されている。
この回路構成において、オフしようとしている主スイッチ素子と並列に接続されている共振キャパシタ(電圧Vcx1、Vcx2)をゼロ電圧から直流電圧Eまで充電させることにより、主スイッチ素子のゼロ電圧スイッチングターンオフを実現し、補助共振転流回路により、オンしようとする主スイッチ素子と並列に接続されている共振キャパシタを直流電圧Eからゼロ電圧まで放電させて、ゼロ電圧又はゼロ電流スイッチングターンオンを実現している。ここで、補助共振転流回路の双方向スイッチ自身についても、直列接続された共振リアクトルLrによって、ゼロ電流スイッチング動作をさせることができる。図2で示されたIbは、ブースト電流を表している。
転流時の動作モード遷移の仕方は、転流開始時の状態によって異なるが、主スイッチ素子の定常モードにおける導通状態は、相電流の向きとスイッチングパターンによって、4つの回路状態A、B、C及びDが存在することが既に知られている。回路状態Aのスイッチングパターンは、還流ダイオードDx2から主スイッチ素子Qx1に、回路状態Bでは、主スイッチ素子Qx1から還流ダイオードDx2に、回路状態Cでは、還流ダイオードDx1から主スイッチ素子Qx2に、そして、回路状態Dでは、主スイッチ素子Qx2から還流ダイオードDx1に転流する状態である。
図2は、上述した回路状態A乃至Dのうち、負荷電流Ixが正の場合である回路状態A及びBにおける各部の動作波形と、そのときの各スイッチング信号のタイミングについて例示している。回路状態Bは、負荷電流Ixが転流に必要な電流値以下の場合であって、共振回路により電流を追加している。これに対して、負荷電流Ixが正ではあるが、その負荷電流が転流に必要な電流値以上に流れていれば、共振回路を動作させる必要がない場合がある。この場合を回路状態B1とする。図3は、この回路状態B1における各部の動作波形と、そのときの各スイッチング信号のタイミングについて例示している。
(0061)
なお、回路状態B1では、負荷電流Ixが、所定のブースト電流Ib以上となっているため、共振電流が不要であり、負荷電流Ixにより転流が行われ、共振コンデンサCr1は、電源の直流電圧Eに、共振コンデンサCr2は、0Vになる。
そこで、図2及び図3に示された波形を参照しながら、本実施形態で採用した制御方式について説明する。ここでは、負荷電流Ixが正であり、還流ダイオードDx2に電流が流れており、その状態から主スイッチ素子Qx1へ転流するときとし、回路状態Aであるとする。
先ず、時間t0において、PWM信号発生器6からパルス信号So1xが出力されると、補助スイッチ素子Qa1用のゲート信号Sa1xが、ゲート信号制御回路10から出力される。そこで、補助スイッチ素子Qa1がオンして、共振リアクトルLrに電流が流れ始める。一方、電流検出回路8には、負荷電流Ix1が検出されており、ゲート信号制御回路10内で、所定の電流値のブースト電流を得るための共振電流注入時間△T1を次の式(1)で演算する。
△T1=Lr/(E1/2)×(Ib+Ix1)+T1 ・・・ 式(1)
ここで、Lrは、共振リアクトルLrのインダクタンス値、E1は、直流電源1の電圧Eを電圧検出回路11で検出した電圧値、Ibは、時間t1から時間t2の範囲内で電圧Vcx1が0Vになるように設定された所定の電流値を有するブースト電流、そして、Ix1は、負荷電流Ixを電流検出回路8で検出した電流値を表している。さらに、T1は、補償時間を表している。
図4において説明したように、中間点で負荷電流Ixをサンプリングした電流値をそのまま用いたのでは、主スイッチ素子にブースト電流より大きい電流が流れることになるので、サンプリングされた検出電流値を、スイッチ電力損失の少ないゼロ電圧スイッチングを実現するため、さらに、スイッチ素子のターンオン・オフの遅れ時間も、補償時間T1を追加して、共振電流注入時間ΔT1を補正している。さらに、直流電圧Eの検出電圧値E1を使用して、直流電源の電圧変動の補償を行っている。これで、電流検出誤差とスイッチ素子による遅れ時間及び直流電源電圧の変動も補償され、所定のブースト電流Ibを得ることが可能となる。
時間t0から共振電流注入時間ΔT1後の時点t1に、ゲート信号制御回路10から、主スイッチ素子Qx2をオフする信号S2xが出力され、主スイッチ素子Qx2がオフされる。即ち、PWM信号発生器6からのパルス信号S01xの立ち上り時点t0から演算された共振電流注入時間ΔT1に応じた時間だけ遅延した時点t1で、主スイッチ素子Qx2がオフされる。
主スイッチ素子Qx2のオフにより、共振リアクトルLrと共振コンデンサCr1、Cr2が共振動作に入り、電圧Vcx1が0Vになり、電圧Vcx2が電源の直流電圧Eに達する時点t2で、ダイオードDx1がオンする。そして、主スイッチ素子Qx2をオフしてから、所定時間ΔTxだけ遅延させた時点t3において、主スイッチ素子Qx1オンさせる。このΔTx時間は、予め定められた一定時間であり、所定のブースト電流Ibが得ることが出来れば、ダイオードDx1に電流が流れている時点t2から時点t4までの間に、所定時間ΔTxだけ遅延させる時点t3が来るように設定されている。
これで、主スイッチ素子Qx1が、時点t2から時点t4までの間において、確実にオンされるので、ゼロ電圧スイッチング、ゼロ電流スイッチングが行われることになる。前出の式(1)に従った演算を、スイッチング毎に行うことにより、負荷電流Ixが変動し、或いは、直流電源の直流電圧が変動しても、所定のブースト電流Ibを得ることができるので、常にゼロ電圧スイッチング可能な制御方式となる。
次に、負荷電流Ixが正で、主スイッチ素子Qx1に流れている状態から還流ダイオードDx2に転流する回路状態B、B1でのモードにおける動作を説明する。
負荷電流Ixがブースト電流Ib以下の時の動作では、PWM信号発生器6からパルス信号S02xが出力される時点t1Oで、補助スイッチ素子Qa2のゲート信号Sa2xが、ゲート信号制御回路10から出力される。そこで、補助スイッチ素子Qa2がオンして、共振リアクトルLrに電流が流れ始める。一方、電流検出回路8では、負荷電流Ixに係る電流値Ix1が検出されており、ゲート信号制御回路10内で、次に示される式(2)に従って、共振電流注入時間ΔT2が演算される。
ΔT2=Lr/(E1/2)×(Ib−Ix1)+T2 ・・・ 式(2)
ここでも、式(1)の場合と同様に、Lrは、共振リアクトルLrインダクタンス値、E1は、直流電源1の直流電圧Eを電圧検出回路11で検出した電圧値、Ibは、ブースト電流、そして、Ix1は、電流検出回路8で検出した負荷電流Ixに係る検出電流値を表している。
さらに、T2は、補償時間を表しており、式(1)の場合の補償時間T1と同様に、直流電圧Eの検出値E1を使用し、T2の補償時間を追加することにより、電流検出の誤差の補償、スイッチ素子のターンオン・オフに対する遅れ時間及び直流電源電圧の補償を行い、所定のブースト電流Ibが得られるようになっている。
時点t10から共振電流注入時間ΔT2後の時点t11に、ゲート信号制御回路10から、主スイッチ素子Qx1をオフするパルス信号S1xが出力され、主スイッチ素子Qx1がオフされる。即ち、PWM信号発生器6からのS02xの立ち上り時点t10から、演算された時間ΔT2に応じた時間だけ遅延した時点t11で、主スイッチ素子Qx1がオフされる。
主スイッチ素子Qx1のオフにより、共振リアクトルLrと共振コンデンサCr1、Cr2が共振動作に入り、電圧Vcx2が0Vになり、電圧Vcx1が電源1の直流電圧Eに達する時点t12で、還流ダイオードDx2がオンする。そして、主スイッチ素子Qx1がオフされから所定時間ΔTxだけ遅延させた時点t13で、主スイッチ素子Qx2がオンされる。この時間ΔTxは、予め定められた一定時間であり、所定のブースト電流Ibが得ることが出来れば、時点t12以降に、時点t13が来るように設定されている。
この様に、主スイッチ素子Qx2が、時点t12以降にオンされるので、ゼロ電圧スイッチングが行われたことになる。なお、実際には、主スイッチ素子Qx2がオンしても、電流Is2xは、ダイオードDx2を流れる。
ゲート信号制御回路10内で、検出した電流値Ix1と、電圧値E1とに基づいて、前述した式(2)に従って時間ΔT2の演算をスイッチ毎に行うことにより、負荷電流Ixが変動し、直流電源の直流電圧Eが変動しても、所定のブースト電流Ibを得る事ができるので、常にゼロ電圧スイッチングが可能となっている。
また、図3に示されるように、負荷電流Ixが正で、負荷電流Ixの大きさがブースト電流Ib以上となった場合の回路状態B1における動作は、PWM信号発生器6からパルス信号S02xが出力された時点t20でも、補助スイッチ素子Qa2は、オフのままであり、ゲート信号制御回路10から、オフ信号S1xが出力され、主スイッチ素子Qx1がオフする。
主スイッチ素子Qx1のオフと負荷電流Ixにより、共振コンデンサCr1、Cr2の電圧変化が起こり、電圧Vcx2が0Vになり、電圧Vcx1が電源の直流電圧Eに達する時点t22で、還流ダイオードDx2がオンする。そして、主スイッチ素子Qx1がオフした時点から所定時間ΔTxだけ遅延させた時点t23で、ゲート信号制御回路10から、オン信号S2xが出力され、主スイッチ素子Qx2がオンされる。なお、実際には、主スイッチ素子Qx2がオンしても、電流は、還流ダイオードDx2を流れる。
これまでの動作説明においては、負荷電流Ixが正である場合についてであったが、負荷電流Ixが負の場合(回路状態C、D)であっても、その動作は、負荷電流Ixが正の場合と同様となるため、検出電流値Ix1と検出電圧値E1に基づいて、前述の式(1)及び(2)に従って、共振電流注入時間ΔT1及びΔT2を演算し、主スイッチ素子をオフするタイミングを求めることにより、所定のブースト電流が得られるようになる。
以上のように、本実施形態による補助共振PWM電力変換装置のソフトスイッチングに係る制御方式では、リップルが存在する負荷電流について、主スイッチ素子のオン・オフのタイミングでサンプリングする代わりに、PWM信号パターンにおける折り返し点でサンプリングすることにより、高速・高性能な電流検出器を必要としなくて済み、コストを低減することができる。さらには、所定のブースト電流が得られるように、共振電流注入時間の大きさを決定する場合に、その折り返し点でサンプリングされた電流値の誤差を補償し、電源の直流電圧の変動電圧値を参照するようにしたので、ゼロ電圧スイッチングを常に実現でき、スイッチ電力損失を低減することができ、よって、効率の高い補助共振PWM電力変換器を提供できる。
なお、これまでの説明においては、本実施形態の制御方式を適用した補助共振PWM電力変換器は、系統連携分散型電源として使用することを前提としており、電力変換装置の出力側にローパスフィルタが接続された。しかし、本実施形態の制御方式の適用は、系統連携分散型電源の場合に限られず、負荷電流にリップルが含まれている場合に、ソフトスイッチングを実現する有効な手法であるので、負荷に、交流電動機などが接続され、交流電力を供給する場合にも、適用することができる。
本発明を適用した補助共振PWM電力変換装置の実施形態に係る回路構成を説明する図である。 本実施形態の補助共振PWM電力変換装置における動作(回路状態A、B)を説明する信号のタイムチャート図である。 本実施形態の補助共振PWM電力変換装置における動作(回路状態B1)を説明する信号のタイムチャート図である。 補助共振PWM電力変換装置の負荷電流に係る電流サンプリングのタイミングを説明する図である。 三相の補助共振PWM電力変換装置における負荷電流に係る電流サンプリングを説明する図である。 従来技術による補助共振PWM電力変換装置の回路構成を説明する図である。
符号の説明
1…直流電源
2〜5…駆動回路
6…PWM信号発生回路
7…信号遅延回路
8…電流検出回路
9…ローパスフィルタ
10…ゲート信号制御回路
11…電圧検出回路
Cr1、Cr2…共振コンデンサ
Dx1、Dx2、Da1、Da2…ダイオード
Lr…共振リアクトル
Qx1、Qx2…主スイッチ素子
Qa1、Qa2…補助スイッチ素子
R…補助共振転流回路
S…スイッチング回路

Claims (4)

  1. 直流電源の両端に接続され、第1共振コンデンサが並列接続された第1スイッチ手段と、第2共振コンデンサが並列接続された第2スイッチ手段とが直列接続された複数のスイッチング回路と、
    前記第1スイッチ手段と前記第2スイッチ手段の接続点と前記直流電源の直流電圧の中性点との間に接続され、補助スイッチ素子を含む補助スイッチ手段と共振リアクトルとが直列に接続された補助共振転流回路と、
    PWM信号に基づいて、前記複数のスイッチング回路と前記補助共振転流回路のスイッチングを制御する制御回路とを有し、
    前記直流電源の直流電力を交流電力に変換して、前記接続点に接続された負荷に出力する補助共振PWM電力変換装置において、
    前記接続点から出力される負荷電流の電流値を、前記PWM信号における1周期の中間点のタイミングで検出する電流検出回路を備え、
    前記制御回路は、検出された前記電流値に基づいて、前記第1スイッチ手段、前記第2スイッチ手段又は前記補助スイッチ手段のオン・オフのスイッチタイミングを決定することを特徴とする補助共振PWM電力変換装置。
  2. 前記制御回路は、前記第1スイッチ手段又は前記第2スイッチ手段をゼロ電圧スイッチング又はゼロ電流スイッチングさせる前記スイッチタイミングを決める共振電流注入時間を演算するとき、前記電流値による誤差分に相当する補償時間を加算することを特徴とする請求項1に記載の補助共振PWM電力変換装置。
  3. 前記直流電源の直流電圧を検出する電圧検出回路を備え、
    前記制御回路は、前記第1スイッチ手段又は前記第2スイッチ手段をゼロ電圧スイッチング又はゼロ電流スイッチングさせる前記スイッチタイミングを決める共振電流注入時間を演算するとき、検出した前記電圧値に基づいて、前記直流電源の変動に応じて該共振電流注入時間を調整することを特徴とする請求項2に記載の補助共振PWM電力変換装置。
  4. 前記接続点は、ローパスフィルタを介して系統に接続され、
    前記電流検出回路は、前記接続点と前記ローパスフィルタとの間の前記負荷電流の前記電流値を検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の補助共振PWM電力変換装置。
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