以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯電子機器の一例である携帯電話機を例として説明するが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されるものではなく、例えば、PHS(Personal Handyphone System)、PDA、ポータブルナビ、ポータブルゲーム機等に対しても適用できる。
(実施形態1)
図1は、実施形態1の携帯電子機器の開状態を示す斜視図である。また、図2は、実施形態1の携帯電子機器の閉状態を示す斜視図である。携帯電子機器1は、無線通信機能を備えた携帯電話機である。携帯電子機器1は、筐体1Cが第1筐体1CAと第2筐体1CBとでスライド可能に構成された、スライド型の携帯電子機器である。なお、開状態とは、携帯電子機器1の筐体1Cが開いた状態を示し、開状態とは、携帯電子機器1の筐体1Cが閉じた状態を示している。
第1筐体1CAと第2筐体1CBとは、略直方体形状であり、表面積が最も大きい面が互いに対向するような向きで配置されている。また、第1筐体1CAと第2筐体1CBとは、第1筐体1CAと第2筐体1CBとが対向している面が実質的に平行な状態(向かい合った状態)で、対向している面の長手方向(図1中矢印方向)に移動可能となるようにスライダにより連結されている。つまり、第1筐体1CAと第2筐体1CBとは、図1に示す位置と図2に示す位置との間を、長手方向(スライド方向)に相対的に移動可能な構成となっている。
また、第2筐体1CBには、第1筐体1CAと向かい合う面とは反対側の面に、表示部および接触検出部として機能する、タッチパネル2が設けられる。タッチパネル2は、所定の画像として、携帯電子機器1が受信を待機している状態のときに待受画面を表示したり、携帯電子機器1の操作を補助するために用いられるメニュー画像を表示したりする。ここで、待受画面とは、電話の発着信を待ち受けている状態の画面、または、アプリケーションプログラムの起動を待ち受けている状態の画面である。換言すると、待受画面は、携帯電子機器1が提供する各種機能画面へ画面が変わる前の画面である。なお、待受画面は、例えば、初期画面、標準画面、デスクトップ画面、ホーム画面、または、壁紙と呼ばれることもある。
タッチパネル2は、指、スタイラス、ペン等(以下、単に「指」という。)の被接触部を用いて行われる所定の接触操作を検出する。なお、タッチパネル2が所定の接触操作を検出する方式は、静電容量式、感圧式等の任意の方式であってよい。また、タッチパネル2は、第1筐体1CAと向かい合う面とは反対側の面に設けられているため、筐体1Cが開状態であるか閉状態であるかによらず、常に露出した状態となる。また、図1に示すように、第2筐体1CBには、携帯電子機器1の通話時に音声を発するスピーカ6が設けられている。
第1筐体1CAには、第2筐体1CBと向かい合う面に、通話相手の電話番号や、メール作成時等に文字を入力するための操作キー3が複数設けられ、また、タッチパネル2に表示されるメニューの選択および決定や、画面のスクロール、発信、終話等を容易に実行するための方向および決定キー4が設けられる。なお、操作キー3並びに方向および決定キー4は、携帯電子機器1の操作部28(図3参照)を構成する。また、操作キー3並びに方向および決定キー4は、第2筐体1CBと向かい合う面に設けられているため、筐体1Cが閉状態では、第2筐体1CBによって隠された状態となる。また、操作キー3並びに方向および決定キー4は、筐体1Cが開状態では、露出した状態となる。また、第1筐体1CAには、携帯電子機器1の通話時に音声を受け取るマイク5が設けられる。
次に、図3を参照して、携帯電子機器1の機能的な構成について説明する。図3は、実施形態1の携帯電子機器の機能的な構成を示すブロック図である。図3に示すように携帯電子機器1は、主制御部22と、記憶部24と、電源部25と、通信部26と、タッチパネル2と、操作部28と、音声処理部30と、表示制御部33と、入力処理部34と、開閉検出センサ36と、を有する。
主制御部22は、携帯電子機器1の全体的な動作を統括的に制御する処理部、例えばCPU(Central Processing Unit)である。すなわち、主制御部22は、携帯電子機器1の各種の処理が、操作部28の操作や携帯電子機器1の記憶部24に保存されるソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、通信部26、タッチパネル2等の動作を制御する。主制御部22は、記憶部24に保存されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、主制御部22は、複数のプログラム(アプリケーション、ソフトウェア)を並列で実行することができる。
記憶部24には、主制御部22での処理に利用されるアプリケーションのプログラムやデータが保存されている。具体的に、記憶部24には、アプリケーションのプログラムとして、インターネット通信を行うアプリケーションのプログラムや、メールの送受信を行うアプリケーションのプログラム、音声データの再生を行うアプリケーションのプログラム、発信、着信、通話処理を行うアプリケーションのプロフラム、ワンセグ放送処理を行うアプリケーションのプログラム等が保存されている。また、データとしては、画像データ、音声データ、電話帳データ等が記憶されている。
電源部25は、蓄電池または外部電源から得られる電力を、主制御部22を含む携帯電子機器1の各機能部へ供給する。
通信部26は、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。また、通信部26は、テレビ放送を受信するアンテナや、GPS信号を受信するアンテナも備える。
タッチパネル2は、タッチセンサ(接触検出部)2Aと表示部2Bとを有し、表示部2Bの表示領域は、タッチセンサ2Aの検出領域と重畳している。タッチセンサ2Aは、指(被接触部)を用いてタッチパネル2に対して行われた所定の接触操作を、タッチパネル2の検出領域上において検出された位置と共に接触入力信号として検出する。そして、タッチセンサ2Aは、検出した接触入力信号を、入力処理部34を介して主制御部22へ出力する。タッチセンサ2Aにより検出される所定の接触操作としては、例えばタッチ操作、タップ操作やスイープ操作が含まれる。なお、タッチ操作は、指がタッチパネル2に接触した状態が維持される操作である。また、タップ操作は、指がタッチパネル2を叩く操作、すなわち、指がタッチパネル2に接触してから離れるまでの操作である。また。スイープ操作は、指がタッチパネル2に接触した状態で移動する操作である。表示部2Bは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成され、主制御部22から表示制御部33を介して供給される映像データに応じた映像、画像データに応じた画像を表示する。
操作部28は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、発信キー、機能呼出キーなど、各種の機能が割り当てられた操作キー3と、方向および決定キー4とで構成され、これらのキーがユーザの操作により入力されると、その操作内容に対応する操作信号を発生させる。そして、発生した操作信号は、入力処理部34を介して主制御部22へ入力される。
音声処理部30は、マイク5に入力される音声信号やレシーバ6から出力される音声信号の処理を実行する。
開閉検出センサ36は、筐体1Cが開状態であるか閉状態であるかを検出する。具体的に、開閉検出センサ36は、第2筐体1CBの操作キー3、方向および決定キー4が配置されている面が露出している状態(つまり、図1に示す状態)を開状態と検出する。また、開閉検出センサ36は、第1筐体1CAと第2筐体1CBの互いに対向する面が完全に重なった状態(つまり、図2に示す状態)を閉状態と検出する。
例えば、開閉検出センサ36は、いわゆる変位センサであり、第1筐体1CAと第2筐体1CBとの相対的な移動の変位量を検出することにより、筐体1Cが閉状態であること、筐体1Cが開状態であること、また、筐体1Cが閉状態から開状態へ移行する移行状態であることを検出している。つまり、開閉検出センサ36は、検出した変位量がゼロである場合、筐体1Cは閉状態であると判定し、検出した変位量が最大値である場合、筐体1Cは開状態であると判定し、検出した変位量がゼロと最大値との間にある場合、筐体1Cは、閉状態から開状態、または開状態から閉状態へ移行する移行状態であると検出する。これにより、開閉検出センサ36は、第1筐体1CAに対して第2筐体1CBが相対的に移動している状態、すなわち筐体1Cの移行状態を検出することができる。
なお、開閉検出センサ36は、上記の構成に限らず、筐体1Cの移行状態を検出できれば、種々のセンサを用いることができる。例えば、開閉検出センサ36は、スライダ方向に沿って並んだ複数の検出点を検出することにより、スライダ方向における第1筐体1CAに対する第2筐体1CBの位置を検出することにより、閉状態、開状態および移行状態を検出してもよい。また、例えば、開閉検出センサ36として、少なくとも筐体1Cが閉状態の姿勢であるか否かを検出するセンサを用いてもよい。つまり、開閉検出センサ36により、少なくとも閉状態であるかを検出し、閉状態であることを検出できない場合は、全て開状態であるとすることで、筐体1Cが開状態であるか閉状態であるかを判定することができる。この場合、閉状態であることを検出するセンサを、別途設けることにより、閉状態、開状態および移行状態を検出する。
次に、図4を参照して、携帯電子機器1の動作、主制御部22によるタッチパネル2の表示処理について説明する。図4は、実施形態1の携帯電子機器の動作に対応するタッチパネルの表示の一例を説明する説明図である。
主制御部22は、第1筐体1CAに対して第2筐体1CBが相対的に移動している間、タッチパネル2により所定の接触操作が検出される場合、筐体1Cの開状態において第1制御を実行する。また、主制御部22は、第1筐体1CAに対して第2筐体1CBが相対的に移動している間、タッチパネル2により所定の接触操作が検出されない場合、筐体1Cの開状態において第2制御を実行する。なお、第1筐体1CAに対する第2筐体1CBの相対的な移動は、開閉検出センサ36によって検出される。つまり、開閉検出センサ36は、筐体1Cが移行状態であることを検出することにより、第1筐体1CAに対する第2筐体1CBの相対的な移動を検出する。
ここで、主制御部22は、ユーザに対して多様な操作方法を提供すべく、タッチパネル2に対する所定の接触操作の種類に応じて、実行する第1制御および第2制御を、様々な制御としている。以下、第1制御および第2制御の具体的な制御について説明する。
図4のS101に示すように、携帯電子機器1の主制御部22は、筐体1Cが閉状態である場合、例えば、タッチパネル2に、第1アプリケーションに関する第1画像D1を表示させている。第1画像D1としては、例えば、第1アプリケーションの起動画面、編集画面、操作画面または作動画面であり、より具体的な例としては、音楽に関する操作を行うための操作画面、メールを編集するための編集画面等である。
ここで、ユーザが筐体1Cを操作し、筐体1Cを閉状態から移行状態とする。すると、図4のS102に示すように、主制御部22は、タッチパネル2に第1画像D1を表示させている状態から、タッチパネル2に遷移画面D3を表示させる状態へ遷移させる遷移表示制御(第3制御)を実行する。遷移画面D3には、第1画像D1として第1アプリケーションを選択するための第1アプリ選択画像P1が表示され、また、後述する第2画像D2として優先アプリケーションを選択するための優先アプリ選択画像P2が表示されている。なお、優先アプリケーションは、筐体C1が閉状態から開状態へ移行することによって優先的に起動するアプリケーションである。
また、遷移表示制御では、第1筐体1CAに対する第2筐体1CBの相対的なスライド方向への移動の変位量に応じて、遷移画面D3における第1アプリ選択画像P1と優先アプリ選択画像P2との表示割合を変更している。なお、実施形態1では、スライド方向への変位量が大きければ、優先アプリ選択画像P2に対する第1アプリ選択画像P1の表示割合を大きくするが、この構成に限らず、第1アプリ選択画像P1に対する優先アプリ選択画像P2の表示割合を大きくしてもよい。
図4のS103に示すように、主制御部22は、筐体1Cが移行状態であり、所定の接触操作として、第1アプリ選択画像P1に対するタッチ操作の検出があると判定した場合、第1制御として、表示維持制御を実行する。図4のS104に示すように、表示維持制御は、筐体1Cの閉状態(S101の状態)においてタッチパネル2上に表示された第1画像D1の表示を、筐体1Cの開状態においても維持する制御である。
これに対し、図4のS105に示すように、主制御部22は、筐体1Cが移行状態であり、所定の接触操作として、第1アプリ選択画像P1に対するタッチ操作の検出がないと判定した場合、第2制御として、表示切替制御を実行する。図4のS106に示すように、表示切替制御は、筐体1Cの閉状態(S101の状態)においてタッチパネル2上に表示された第1画像D1の表示から、筐体1Cの開状態において第2画像D2の表示へ切り替える制御である。ここで、第2画像D2は、優先アプリケーションに関する画像であり、例えば、優先アプリケーションの起動画面である。なお、主制御部22が第1アプリ選択画像P1に対するタッチ操作の検出がないと判定する場合としては、優先アプリ選択画像P2がタッチ操作されている場合、またはタッチパネル2がタッチ操作されていない場合がある。また、上記では、筐体1Cが閉状態から開状態となる場合に適用して説明したが、筐体1Cが開状態から閉状態となる場合に適用してもよい。
次に、図5を参照して、上記のように構成された携帯電子機器1の制御動作について説明する。図5は、実施形態1の携帯電子機器の制御動作の一例を示すフローチャートである。
先ず、携帯電子機器1の主制御部22は、筐体1Cが閉状態である場合、タッチパネル2上に第1アプリケーションに関する第1画像D1を表示している(ステップS1)。この後、主制御部22は、開閉検出センサ36により筐体1Cの移行状態を検出したか否かを判定する(ステップS2)。主制御部22は、開閉検出センサ36により筐体1Cの移行状態を検出したと判定する(ステップS2:Yes)と、筐体1Cが閉状態から開状態へ移行することによって優先的に起動する優先アプリケーションがあるか否かを判定する(ステップS3)。なお、主制御部22は、開閉検出センサ36により筐体1Cの移行状態を検出しないと判定した場合(ステップS2:No)、筐体1Cの移行状態を検出するまで、ステップS2を繰り返す。
主制御部22は、ステップS3において、優先アプリケーションがあると判定する(ステップS3:Yes)と、タッチパネル2上に遷移画面D3を表示させる遷移表示制御を実行する(ステップS4)。すると、主制御部22は、遷移画面D3の第1アプリ選択画像P1にタッチ操作があったか否かを判定する(ステップS5)。主制御部22は、第1アプリ選択画面P1にタッチ操作があったと判定する(ステップS5:Yes)と、筐体1Cが開状態となった場合、第1画像D1の表示を維持する表示維持制御を実行する(ステップS6)。一方、主制御部22は、ステップS5において、第1アプリ選択画面P1にタッチ操作がない、すなわち優先アプリ選択画面P2にタッチ操作がある、またはタッチパネル2にタッチ操作がないと判定する(ステップS5:No)と、筐体1Cが開状態となった場合、第2画像D2の表示に切り替える表示切替制御を実行する(ステップS7)。
なお、主制御部22は、ステップS3において、優先アプリケーションがないと判定する(ステップS3:No)と、ステップS6に進み、筐体1Cが開状態となった場合、第1画像D1の表示を維持する表示維持制御を実行する。
ここで、図4に示す携帯電子機器1では、筐体1Cが閉状態である場合、タッチパネル2上に第1画像D1を表示すると共に、第1制御として表示維持制御を実行し、第2制御として表示切替制御を実行したが、図6に示すように、第1制御として表示切替制御を実行し、第2制御として表示維持制御を実行してもよい。図6は、実施形態1の携帯電子機器の動作に対応するタッチパネルの表示の一例を説明する説明図である。
図6のS101に示すように、携帯電子機器1の主制御部22は、筐体1Cが閉状態である場合、例えば、タッチパネル2に、第1アプリケーションに関する第1画像D1を表示させている。ここで、図6のS152に示すように、ユーザがタッチパネル2にタッチ操作した状態で、筐体1Cを閉状態から移行状態とする。すると、図6のS153に示すように、主制御部22は、タッチパネル2に第1画像D1を表示させている状態から、タッチパネル2に遷移画面D3を表示させる状態へ遷移させる遷移表示制御を実行する。遷移画面D3には、第1アプリ選択画像P1と優先アプリ選択画像P2とが表示されている。
図6のS153およびS154に示すように、遷移表示制御では、第1筐体1CAに対する第2筐体1CBの相対的なスライド方向への移動の変位量が大きければ、第1アプリ選択画像P1に対する優先アプリ選択画像P2の表示割合が大きくなる。これにより、携帯電子機器1は、ユーザに対し、第1画像D1をタッチパネル2の表示領域からフレームアウトさせる操作、すなわち第1画像D1を表示領域外に移動させる操作を提供することができる。
そして、図6のS155に示すように、主制御部22は、筐体1Cが移行状態であり、所定の接触操作として、第1アプリ選択画像P1に対するタッチ操作の検出があると判定した場合、第1制御として、第1画像D1の表示から第2画像D2の表示に切り替える表示切替制御を実行する。
これに対し、図6のS156に示すように、主制御部22は、筐体1Cが移行状態であり、所定の接触操作として、第1アプリ選択画像P1に対するタッチ操作の検出がないと判定した場合、第2制御として、第1画像D1の表示を維持する表示維持制御を実行する。
続いて、図7を参照して、図4とは異なる携帯電子機器1の動作、主制御部22によるタッチパネル2の表示処理について説明する。図7は、実施形態1の携帯電子機器の動作に対応するタッチパネルの表示の一例を説明する説明図である。図4に示す携帯電子機器1では、筐体1Cが閉状態である場合、タッチパネル2上に第1画像D1を表示すると共に、第1制御として表示維持制御を実行し、第2制御として表示切替制御を実行した。これに対し、図7に示す携帯電子機器1では、筐体1Cが閉状態となった場合、タッチパネル2上に待受画面D4を表示し、第1制御として、指定アプリ起動制御を実行し、第2制御として、優先アプリ起動制御を実行している。
図7のS111に示すように、携帯電子機器1の主制御部22は、筐体1Cが閉状態である場合、タッチパネル2上に待受画面D4を表示させている。待受画面D4には、複数のアイコン画像40が表示されており、各アイコン画像40は、所定のアプリケーションがそれぞれ関連付けられている。このため、主制御部22は、筐体1Cが閉状態である場合、タッチパネル2により所定のアイコン画像40のタップ操作が検出されると、アイコン画像40に関連付けられた所定のアプリケーション、つまりユーザから指定を受けたアプリケーションを起動する。
ここで、図7のS112に示すように、ユーザが指定したアイコン画像40をタッチ操作しながら、筐体1Cを閉状態から移行状態とする。すると、図7のS113に示すように、主制御部22は、タッチパネル2に待受画面D4を表示させている状態(S112の状態)から、タッチパネル2に遷移画面D3を表示させる状態へ遷移させる遷移表示制御を実行する。遷移画面D3には、指定のアイコン画像40に関連付けられたアプリケーションを選択するための指定アプリ選択画像P3が表示され、また、優先アプリケーションを選択するための優先アプリ選択画像P2が表示されている。
図7のS114に示すように、主制御部22は、筐体1Cが移行状態となり、所定の接触操作として、指定アプリ選択画像P3に対するタッチ操作の検出があると判定した場合、第1制御として、指定アプリ起動制御を実行する。指定アプリ起動制御は、筐体1Cが閉状態である場合においてタッチパネル2上に待受画面D4が表示された状態(S111の状態)から、筐体1Cが開状態となった場合において待受画面D4のアイコン画像40に関連付けられたアプリケーションを起動させる制御である。図7のS115に示すように、主制御部22は、指定アプリ起動制御を実行すると、タッチパネル2に所定のアプリケーションに関する第3画像D5を表示する。
これに対し、図7のS116に示すように、主制御部22は、筐体1Cが移行状態であり、所定の接触操作として、指定アプリ選択画像P3に対するタッチ操作の検出がないと判定された場合、第2制御として、優先アプリ起動制御を実行する。優先アプリ起動制御は、筐体1Cが閉状態である場合においてタッチパネル2上に待受画面D4が表示された状態(S111の状態)から、筐体1Cが開状態となった場合において優先アプリケーションを起動させる制御である。図7のS117に示すように、主制御部22は、優先アプリ起動制御を実行すると、タッチパネル2に第2画像D2を表示する。なお、主制御部22が指定アプリ選択画像P3に対するタッチ操作の検出がないと判定する場合としては、優先アプリ選択画像P2がタッチ操作されている場合、またはタッチパネル2がタッチ操作されていない場合がある。
次に、図8を参照して、上記のように構成された携帯電子機器1の制御動作について説明する。図8は、実施形態1の携帯電子機器の制御動作の一例を示すフローチャートである。
先ず、携帯電子機器1の主制御部22は、筐体1Cが閉状態である場合、タッチパネル2上に待受画面D4を表示している(ステップS11)。この後、主制御部22は、筐体1Cが閉状態である場合、待受画面D4のアイコン画像40にタッチ操作があったか否かを判定する(ステップS12)。主制御部22は、アイコン画像40にタッチ操作があったと判定する(ステップS12:Yes)と、開閉検出センサ36により筐体1Cの移行状態を検出したか否かを判定する(ステップS13)。主制御部22は、開閉検出センサ36により筐体1Cの移行状態を検出したと判定する(ステップS13:Yes)と、筐体1Cが閉状態から開状態へ移行することによって優先的に起動する優先アプリケーションがあるか否かを判定する(ステップS14)。
主制御部22は、ステップS14において、優先アプリケーションがあると判定する(ステップS14:Yes)と、タッチパネル2上に遷移画面D3を表示させる遷移表示制御を実行する(ステップS15)。すると、主制御部22は、遷移画面D3の指定アプリ選択画像P3にタッチ操作があったか否かを判定する(ステップS16)。主制御部22は、指定アプリ選択画面P3にタッチ操作があったと判定する(ステップS16:Yes)と、筐体1Cが開状態となった場合、指定のアイコン画像40に関連付けられたアプリケーションを起動する指定アプリ起動制御を実行する(ステップS17)。一方、主制御部22は、ステップS16において、指定アプリ選択画面P3にタッチ操作がない、すなわち優先アプリ選択画面P2にタッチ操作がある、またはタッチパネル2にタッチ操作がないと判定する(ステップS16:No)と、筐体1Cが開状態となった場合、優先アプリケーションを起動する優先アプリ起動制御を実行する(ステップS20)。また、主制御部22は、ステップS14において、優先アプリケーションがないと判定する(ステップS14:No)と、ステップS17に進み、指定アプリ起動制御を実行する。
なお、主制御部22は、ステップS12において、アイコン画像40に対するタッチ操作の検出がないと判定する(ステップS12:No)と、ステップS13と同様に、開閉検出センサ36により筐体1Cの移行状態を検出したか否かを判定する(ステップS18)。主制御部22は、開閉検出センサ36により筐体1Cの移行状態を検出したと判定する(ステップS18:Yes)と、ステップS14と同様に、優先的に起動する優先アプリケーションがあるか否かを判定する(ステップS19)。主制御部22は、優先アプリケーションがあると判定する(ステップS19:Yes)と、優先アプリ起動制御を実行する(ステップS20)。一方、主制御部22は、優先アプリケーションがないと判定する(ステップS19:No)と、指定アプリ起動制御および優先アプリ起動制御を実行することなく、待受画面D4を表示する(ステップS21)。また、主制御部22は、ステップS13およびステップS18において、開閉検出センサ36により筐体1Cの移行状態を検出しないと判定した場合(ステップS13、ステップS18:No)、ステップS12に進む。
続いて、図9を参照して、図4および図7とは異なる携帯電子機器1の動作、主制御部22によるタッチパネル2の表示処理について説明する。図9は、実施形態1の携帯電子機器の動作に対応するタッチパネルの表示の一例を説明する説明図である。図7に示す携帯電子機器1では、筐体1Cが閉状態である場合、タッチパネル2上に待受画面D4を表示すると共に、第1制御として指定アプリ起動制御を実行し、第2制御として優先アプリ起動制御を実行した。これに対し、図9に示す携帯電子機器1では、筐体1Cが閉状態である場合、タッチパネル2上に待受画面D4を表示し、第1制御として、ドラッグ制御を実行し、第2制御として、優先アプリ起動制御を実行している。
図9のS121に示すように、携帯電子機器1の主制御部22は、筐体1Cが閉状態である場合、タッチパネル2上に待受画面D4を表示させている。待受画面D4には、図7と同様に、複数のアイコン画像40が表示されており、各アイコン画像40は、所定のアプリケーションがそれぞれ関連付けられている。
ここで、図9のS122に示すように、ユーザが所定のアイコン画像40をタッチ操作しながら、筐体1Cを閉状態から移行状態を経て開状態とする。すると、図9のS123およびS124に示すように、主制御部22は、筐体1Cが移行状態であり、アイコン画像40に対する所定の接触操作の検出があると判定すると、タッチ操作されたアイコン画像40を移動させる。
図9のS123に示すように、主制御部22は、筐体1Cの移行状態において、所定の接触操作として、第2筐体1CBのスライド方向に対してアイコン画像40を逆方向に移動させる所定のスイープ操作の検出があると判定した場合、第1制御として、ドラッグ制御を実行する。図9のS124に示すように、ドラッグ制御は、タッチパネル2上に表示された待受画面D4のアイコン画像40を、スイープ操作前の表示位置(点線)から、スイープ操作の操作方向(第2筐体1CBのスライド方向の逆方向)へ向けて移動させる制御である。なお、スイープ操作後におけるアイコン画像40の表示位置に、アイコン画像40またはアイコン画像40に関連付けられたアプリケーションを削除するゴミ箱等の削除アプリをタッチパネル2上に表示してもよい。この場合、主制御部22は、ドラッグ制御を実行することで、スイープ操作により移動したアイコン画像40またはアイコン画像40に関連付けられたアプリケーションを削除アプリにより削除する削除制御を実行する。
これに対し、主制御部22は、筐体1Cが移行状態であり、所定の接触操作として、第2筐体1CBのスライド方向に対してアイコン画像40を逆方向に移動させる所定のスイープ操作の検出がないと判定した場合、優先アプリ起動制御を実行する。なお、優先アプリ起動制御は、図7と同様であるため、説明を省略する。
次に、図10を参照して、上記のように構成された携帯電子機器1の制御動作について説明する。図10は、実施形態1の携帯電子機器の制御動作の一例を示すフローチャートである。
先ず、携帯電子機器1の主制御部22は、筐体1Cが閉状態である場合、タッチパネル2上に待受画面D4を表示している(ステップS31)。この後、主制御部22は、筐体1Cが閉状態となった場合、待受画面D4のアイコン画像40にタッチ操作があったか否かを判定する(ステップS32)。主制御部22は、アイコン画像40にタッチ操作があったと判定する(ステップS32:Yes)と、開閉検出センサ36により筐体1Cの移行状態を検出したか否かを判定する(ステップS33)。そして、主制御部22は、筐体1Cの移行状態の検出があると判定する(ステップS33:Yes)と、筐体1Cが移行状態である場合において、アイコン画像40に対する所定のスイープ操作の検出があるか否かを判定する(ステップS34)。主制御部22は、アイコン画像40に対する所定のスイープ操作の検出があると判定する(ステップS34:Yes)と、ドラッグ制御を実行する(ステップS35)。
なお、主制御部22は、ステップS32において、アイコン画像40に対するタッチ操作の検出がないと判定する(ステップS32:No)と、ステップS33と同様に、開閉検出センサ36により筐体1Cの移行状態を検出したか否かを判定する(ステップS36)。主制御部22は、開閉検出センサ36により筐体1Cの移行状態を検出したと判定する(ステップS36:Yes)と、優先アプリケーションがあるか否かを判定する(ステップS37)。主制御部22は、優先アプリケーションがあると判定する(ステップS37:Yes)と、筐体1Cが開状態となった場合、優先アプリ起動制御を実行する(ステップS38)。一方、主制御部22は、優先アプリケーションがないと判定する(ステップS37:No)と、指定アプリ起動制御および優先アプリ起動制御を実行することなく、待受画面D4を表示する(ステップS39)。また、主制御部22は、ステップS34において、アイコン画像40に対する所定のスイープ操作の検出がないと判定する(ステップS34:No)と、ステップS37に進む。さらに、主制御部22は、ステップS33およびステップS36において、開閉検出センサ36により筐体1Cの移行状態を検出しないと判定した場合(ステップS33、ステップS36:No)、ステップS32に進む。
以上のように、実施形態1の携帯電子機器1によれば、主制御部22は、第1筐体1CAに対して第2筐体1CBが相対的に移動している間、タッチパネル2により所定の接触操作が検出された場合、第1制御を実行することができる。また、主制御部22は、第1筐体1CAに対して第2筐体1CBが相対的に移動している間、タッチパネル2により所定の接触操作が検出されない場合、第2制御を実行することができる。よって、携帯電子機器1は、第1筐体1CAに対する第2筐体1CBの相対的な移動に関連付けて、ユーザに対して多様な操作方法を提供することができる。
また、実施形態1の携帯電子機器1によれば、主制御部22は、第1制御として、第1画像D1の表示を維持する表示維持制御を実行することができ、第2制御として、第1画像D1の表示から第2画像D2の表示へ切り替える表示切替制御を実行することができる。このため、主制御部22は、筐体1Cが開閉動作しても、タッチパネル2に所定の接触操作があれば、第1画像D1の表示から第2画像D2の表示へ切り替えることなく、第1画像D1の表示を維持することができる。これにより、ユーザは、筐体1Cを開閉動作させても、タッチパネル2に所定の接触操作を行うことで、第1画像D1が切り替えられることがないため、第1画像D1の使用を継続できる。
また、実施形態1の携帯電子機器1によれば、主制御部22は、筐体1Cが移行状態である場合、遷移表示制御を実行することができる。このため、携帯電子機器1は、ユーザに対し、筐体1Cが移行状態である場合において遷移画面D3を表示させることで、ユーザが所定の接触操作を行うことにより、所定の画像をタッチパネル2に表示することができる。
また、実施形態1の携帯電子機器1によれば、主制御部22は、遷移表示制御の実行時において、遷移画面D3における各アプリ選択画像P1,P2,P3の表示割合を変更することができる。このため、携帯電子機器1は、ユーザに対する遷移画面D3の視認性を高めることにより、ユーザの操作性を向上させることができる。
また、実施形態1の携帯電子機器1によれば、主制御部22は、所定の接触操作として、アイコン画像40に対する所定のスイープ操作が検出される場合、アイコン画像40をスイープ操作の操作方向に移動させるドラッグ制御を実行することができる。このため、携帯電子機器1は、ユーザに対し、第1筐体1CAに対する第2筐体1CBの相対的な移動に関連付けたドラッグ操作を提供することができるため、ユーザの操作性を向上させることができる。
また、実施形態1の携帯電子機器1によれば、主制御部22は、第1制御および第2制御として、各アプリ起動制御を実行することができる。このため、携帯電子機器1は、ユーザに対し、第1筐体1CAに対する第2筐体1CBの相対的な移動に関連付けたアプリ起動操作を提供することができるため、ユーザの操作性を向上させることができる。
なお、実施形態1の携帯電子機器1では、タッチパネル2(のタッチセンサ2A)により所定の接触操作を検出したが、タッチセンサ2Aに代えて、第2筐体1CBの周囲に図示しない側面接触センサを設け、側面接触センサにより所定の接触操作を検出してもよい。この場合、タッチセンサ2Aおよび表示部2Bからなるタッチパネル2に代えて、表示部のみからなるディスプレイとしてもよい。
(実施形態2)
次に、図11を参照して、実施形態2に係る携帯電子機器50について説明する。図11は、実施形態2の携帯電子機器の動作に対応するタッチパネルの表示の一例を説明する説明図である。なお、重複した記載を避けるべく、実施形態1と異なる部分についてのみ説明する。実施形態1に係る携帯電子機器1は、筐体1Cが第1筐体1CAと第2筐体1CBとでスライド可能に構成された、スライド型の携帯電子機器1であったが、実施形態2に係る携帯電子機器50は、筐体51Cが第1筐体51CAと第2筐体51CBとで2軸回転可能に構成された、回転2軸ヒンジ型の携帯電子機器50である。
図11に示すように、第1筐体51CAと第2筐体51CBとは、略直方体形状であり、回転2軸ヒンジ53で連結されている。回転2軸ヒンジ53は、第1回動軸(第1回転ヒンジ)T1と第2回動軸(第2回転ヒンジ)T2とを有しており、第1筐体51CAの一端と第2筐体51CBの一端とを連結している。第1回動軸T1は、第1筐体51CAの他端および第2筐体51CBの他端が、互いに遠ざかる方向および互いに接近する方向に回動するように設けられている。また、第2回動軸T2は、第1回動軸T1と直交する軸となっている。このとき、第1筐体51CAは、その一面が操作面となっており、第2筐体51CBは、その一面が表示面となっている。そして、第2回動軸T2は、第1筐体51CAの操作面に対し第2筐体51CBの表示面が向き合う正回転方向、および第1筐体51CAの操作面に対し第2筐体51CBの表示面の反対側の面が向き合う逆回転方向に回動するように設けられている。
以上から、図11に示すように、第1筐体51CAと第2筐体51CBとは、第1回動軸T1により互いに遠ざかる方向に回動することで、携帯電子機器1の筐体1Cが開いた状態(以下「開状態」ともいう。)となる。また、第1筐体51CAと第2筐体51CBとは、第1回動軸T1により互いに接近する方向に回動することで、携帯電子機器1の筐体1Cが閉じた状態(以下「閉状態」ともいう。)となる。さらに、第1筐体51CAと第2筐体51CBとは、第2回動軸T2により正回転方向に回動することで、第1筐体51CAの操作面に対し第2筐体51CBの表示面が向き合う状態(以下「対向状態」ともいう。)となる。また、第1筐体51CAと第2筐体51CBとは、第2回動軸T2により逆回転方向に回動することで、第1筐体51CAの操作面に対し第2筐体51CBの表示面の反対側の面が向き合う状態(以下「反転状態」ともいう。)となる。以上から、第1筐体51CAと第2筐体51CBとは、開状態および閉状態と、対向状態および反転状態とを組み合わせた、4つの状態、すなわち、対向状態且つ開状態(以下「第1開状態」ともいう。)、反転状態且つ開状態(以下「第2開状態」ともいう。)、対向状態且つ閉状態(以下「第1閉状態」ともいう。)、反転状態且つ開状態(以下「第2閉状態」ともいう。)とすることができる。
第2筐体51CBには、対向状態において第1筐体51CAと向かい合う面(表示面)に、タッチパネル2とスピーカ6とが設けられており、実施形態1と同様の構成であることから、説明を省略する。また、第1筐体51CAには、対向状態において第2筐体51CBと向かい合う面に、操作部28とマイク5とが設けられており、実施形態1と同様の構成であることから、説明を省略する。
次に、携帯電子機器50の機能的な構成について説明する。なお、実施形態2の携帯電子機器50の機能的な構成は、実施形態1とほぼ同様の構成であることから、図3と同様の符号を用いて説明する。携帯電子機器50は、主制御部22と、記憶部24と、電源部25と、通信部26と、タッチパネル2と、操作部28と、音声処理部30と、表示制御部33と、入力処理部34と、開閉検出センサ36と、を有する。そして、実施形態2の携帯電子機器50では、開閉検出センサ36の構成のみ異なっている。
開閉検出センサ36は、筐体51Cが開状態であるか閉状態であるかを検出すると共に、筐体51Cが対向状態であるか反転状態であるかを検出する。例えば、開閉検出センサ36は、第1筐体51CAと第2筐体51CBとの第1回動軸T1周りにおける相対的な移動の変位量を検出することにより、筐体51Cが閉状態であること、筐体51Cが開状態であること、また、筐体51Cが閉状態から開状態へ移行する移行状態であることを検出している。また、開閉検出センサ36は、第1筐体51CAと第2筐体51CBとの第2回動軸T2周りにおける相対的な移動の変位量を検出することにより、筐体51Cが対向状態であること、筐体51Cが反転状態であること、また、筐体51Cが対向状態から反転状態へ移行する移行状態であることを検出している。なお、開閉検出センサ36は、実施形態1と同様に、筐体1Cの移行状態を検出できれば、種々のセンサを用いることができる。
次に、図11を参照して、携帯電子機器50の動作、主制御部22によるタッチパネル2の表示処理について説明する。図11のS131に示すように、実施形態2の携帯電子機器50の主制御部22は、筐体51Cの第1開状態において、例えば、タッチパネル2に、第1アプリケーションに関する第1画像D1を表示させている。
ここで、ユーザが筐体51Cを操作し、筐体51Cを第1開状態から移行状態とする。すると、図11のS132に示すように、主制御部22は、タッチパネル2に第1画像D1を表示させている状態から、タッチパネル2に遷移画面D3を表示させる状態へ遷移させる遷移表示制御を実行する。なお、遷移表示制御については、実施形態1と同様であるため、簡単に説明する。遷移画面D3には、第1アプリ選択画像P1と、優先アプリ選択画像P2とが表示されている。
図11のS133に示すように、主制御部22は、筐体51Cが移行状態であり、所定の接触操作として、第1アプリ選択画像P1に対するタッチ操作の検出があると判定した場合、第1制御として、表示維持制御を実行する。図11のS134に示すように、表示維持制御は、筐体51Cの第1開状態(S131の状態)においてタッチパネル2上に表示された第1画像D1の表示を、筐体51Cの第2閉状態においても維持する制御である。
これに対し、図11のS132に示すように、主制御部22は、筐体51Cが移行状態であり、所定の接触操作として、第1アプリ選択画像P1に対するタッチ操作の検出がないと判定した場合、第2制御として、表示切替制御を実行する。図11のS135に示すように、表示切替制御は、筐体51Cの第1開状態(S131の状態)においてタッチパネル2上に表示された第1画像D1の表示から、筐体51Cの第2閉状態において第2画像D2の表示へ切り替える制御である。
次に、上記のように構成された携帯電子機器50の制御動作について説明する。なお、携帯電子機器50の制御動作は、図5に示す制御動作と同様であるため、図5を用いながら簡単に説明する。
先ず、携帯電子機器50の主制御部22は、筐体51Cが第1開状態である場合、タッチパネル2上に第1アプリケーションに関する第1画像D1を表示している(ステップS1)。この後、主制御部22は、開閉検出センサ36により筐体51Cの移行状態を検出したか否かを判定する(ステップS2)。主制御部22は、開閉検出センサ36により筐体51Cの移行状態を検出したと判定する(ステップS2:Yes)と、筐体C51が第1開状態から第2閉状態へ移行することによって優先的に起動する優先アプリケーションがあるか否かを判定する(ステップS3)。
主制御部22は、ステップS3において、優先アプリケーションがあると判定する(ステップS3:Yes)と、タッチパネル2上に遷移画面D3を表示させる遷移表示制御を実行する(ステップS4)。すると、主制御部22は、遷移画面D3の第1アプリ選択画像P1にタッチ操作があったか否かを判定する(ステップS5)。主制御部22は、第1アプリ選択画面P1にタッチ操作があったと判定する(ステップS5:Yes)と、筐体51Cが第2閉状態となった場合において、第1画像D1の表示を維持する表示維持制御を実行する(ステップS6)。一方、主制御部22は、ステップS5において、第1アプリ選択画面P1にタッチ操作がない、すなわち優先アプリ選択画面P2にタッチ操作がある、またはタッチパネル2にタッチ操作がないと判定する(ステップS5:No)と、筐体51Cが第2閉状態となった場合において、第2画像D2の表示に切り替える表示切替制御を実行する(ステップS7)。
以上のように、実施形態2の携帯電子機器50においても、主制御部22は、第1筐体51CAに対して第2筐体51CBが相対的に移動している間、タッチパネル2により所定の接触操作が検出された場合、第1制御として、表示維持制御を実行することができる。また、主制御部22は、第1筐体51CAに対して第2筐体51CBが相対的に移動している間、タッチパネル2により所定の接触操作が検出されない場合、第2制御として、表示切替制御を実行することができる。よって、携帯電子機器50は、第1筐体51CAに対する第2筐体51CBの相対的な移動に関連付けて、ユーザに対して多様な操作方法を提供することができる。
なお、実施形態2の携帯電子機器50では、タッチパネル2(のタッチセンサ2A)により所定の接触操作を検出したが、タッチセンサ2Aに代えて、第2筐体51CBの周囲に側面接触センサを設け、側面接触センサにより所定の接触操作を検出してもよい。この場合、タッチセンサ2Aおよび表示部2Bからなるタッチパネル2に代えて、表示部のみからなるディスプレイとしてもよい。
また、実施形態2の携帯電子機器50では、タッチパネル2により所定の接触操作を検出したが、図11のS141に示すように、第2筐体51CBの周囲、すなわち第2筐体51CBにおいてタッチパネル2が配される面に隣接する面に側面接触センサ61を設け、タッチパネル2および側面接触センサ61により所定の接触操作を検出してもよい。この場合、主制御部22は、遷移表示制御において、図12に示すような制御を実行してもよい。
図12は、実施形態2の携帯電子機器の動作に対応するタッチパネルの表示の一例を説明する説明図である。図12のS142に示すように、遷移表示制御は、筐体51Cが移行状態である場合において、タッチパネル2上に遷移画面D3を表示する。遷移画面D3は、第1アプリ選択画像P1と、優先アプリ選択画像P2とを表示している。図11のS144に示すように、主制御部22は、第1アプリ選択画像P1がタッチ操作された状態(S143の状態)で、側面接触センサ61により所定の接触操作としてスイープ操作の検出があると判定した場合、図12のS145に示すように、第1アプリ選択画像P1から、第2アプリケーションを選択するための第2アプリ選択画像P4へ表示を切り替える。そして、主制御部22は、第2アプリ選択画像P4にタッチ操作の検出があると判定すると、筐体51Cが第2閉状態となった場合、第2アプリケーションを起動する第2アプリ起動制御を実行する。図12のS146に示すように、主制御部22は、第2アプリ起動制御を実行すると、タッチパネル2に第2アプリケーションに関する第4画像D6を表示する。
上記の構成によれば、携帯電子機器50は、遷移表示制御の実行時においても、ユーザに対して多様な操作方法を提供することができる。なお、上記の構成は、実施形態1の携帯電子機器1にも適用可能であり、この側面接触センサ61を、実施形態1の第2筐体1CBに配してもよい。
なお、実施形態1の携帯電子機器1はスライド型のものであり、実施形態2の携帯電子機器50は回転2軸ヒンジ型のものであったが、この構成に限らず、第1回転ヒンジにより第1筐体と第2筐体とを折りたたみ可能に連結した折りたたみ型の携帯電子機器1に適用してもよい。この場合。所定の接触操作を検出するセンサとして、タッチパネルおよび側面接触センサの少なくともいずれか一方を用いてもよい。