JP5678593B2 - 符号化支援装置、符号化装置、復号支援装置、復号装置、符号化支援プログラム、及び復号支援プログラム - Google Patents

符号化支援装置、符号化装置、復号支援装置、復号装置、符号化支援プログラム、及び復号支援プログラム Download PDF

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Description

本発明は、符号化支援装置、符号化装置、復号支援装置、復号装置、符号化支援プログラム、及び復号支援プログラムに係り、特に、画像情報を整数変換する際の演算に掛かる負荷を軽減する符号化支援装置、符号化装置、復号支援装置、復号装置、符号化支援プログラム、及び復号支援プログラムに関する。
非特許文献1には、Slepian-Wolfコーディック、整数変換、及び量子化を用いた映像符号化方式、並びに逆整数変換及び逆量子化の映像復号方式が開示されている。この映像符号化方式によれば、Slepian-Wolfコーディック、整数変換、及び量子化を組み合わせることによって、画像を示す画像情報を符号化する符号化装置における演算に掛かる負荷の軽減と効率的な高符号化とを両立することができる。
ここで、図14を参照しながら非特許文献1に開示されている映像符号化方式及び映像復号方式の概要を説明する。なお、本発明は、整数変換に関するものであるので、ここではSlepian-Wolfコーディックに関する説明を省略する。
図14は、非特許文献1に採用されている映像符号化方式及び映像復号方式が採用された画像情報処理システム100の構成の一例を示すブロック図である。同図に示すように、画像情報処理システム100は、入力された画像情報を符号化して出力する符号化装置102、及び符号化装置102から入力された符号化された画像情報を復号してLCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイなどの表示装置(図示省略)に出力する復号装置104を含んで構成されている。符号化装置102及び復号装置104は、各々CPU(中央処理装置)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を備えた別々のコンピュータによって構成されており、符号化装置102及び復号装置104は相互に情報の授受を行うことができるように通信網106を介して接続されている。
符号化装置102は、整数変換部108、係数調整量子化部110、及び送信部112を含んで構成されており、整数変換部108の入力端子は、符号化前の画像情報の供給源としての外部装置(図示省略)の出力端子に接続され、整数変換部108の出力端子は係数調整量子化部110の入力端子に接続され、係数調整量子化部110の出力端子は送信部112を介して通信網106に接続されている。
整数変換部108は、入力された画像情報に対して下記の数式(1)に示す直交変換行列Tを用いて整数変換を行うものである。なお、下記の直交変換行列Tは、H.264/AVCで採用されている変換行列である。そして、整数変換の手法も、H.264/AVCなどの映像符号化方式で用いられる手法と同様であり、入力された画像情報に正規直交系でない直交変換行列Tを乗じることにより画素単位で整数精度の画像情報に変換(整数変換)する、という手法が採用されている。このように画像情報を整数変換するのは、ハードウェア資源による計算をし易くするためであり、これによって復号装置104側でも整数精度での復号が可能となる。数式(1)に示す直交変換行列Tは、要素数が4のベクトルに対する変換行列である。一般的に、画像などの二次元情報は、例えば4×4の行列で表現されることが多い。数式(1)に示す直交変換行列Tのクロネッカー積を計算することで、画像などの4×4の二次元情報をラスタスキャン順に並べてベクトル表現したときの、直交変換行列を生成することができる。なお、画像などの4×4の二次元情報を表す行列の各行ベクトルを、数式(1)を用いて変換し、この結果得られた4×4の行列の各列ベクトルを、再び数式(1)を用いて変換し、4×4の行列を得ることによっても、画像などの二次元情報を直交変換することができる。ここで、行ベクトルから変換するか、列ベクトルから変換するかは、任意である。
整数変換部108は、上記のように整数変換を行って得た変換係数(同図では、「調整前変換係数」と表記。)を係数調整量子化部110に出力する。なお、以下では、整数変換部108において、4×4のデータサイズの画像情報に直交変換行列Tを乗じた場合を例に挙げて説明する。また、以下では、4×4の画像情報を直交変換行列Tによって変換した結果得られる4×4の情報の各要素を“帯域”と称する。
ところで、整数変換部108において整数変換が行われた場合、復号装置104にて後述するように逆整数変換を行う必要がある。しかし、このように整数変換及び逆整数変換を行うと、変換行列が正規直交系でないことに起因して、帯域毎の利得に大きな較差が生じてしまう。例えば、整数変換を行なうことによって40倍の利得が加わっている帯域もあれば100倍の利得が加わっている帯域もあるという変換行列が正規直交系でないことに起因する利得のbのばらつきが生じ、これによって帯域間で利得に大きな格差が生じるこのように帯域間で利得に大きな格差が生じると、後段で量子化した際に意図しない値が出力されてしまうことになる。
そこで、符号化装置102は、係数調整量子化部110を備えている。係数調整量子化部110は、係数調整部110A及び量子化部110Bを含んで構成されており、係数調整部110Aの入力端子は係数調整量子化部110の入力端子を構成し、係数調整部110Aの出力端子は量子化部110Bの入力端子に接続され、量子化部110Bの出力端子は係数調整量子化部110の出力端子を構成している。
係数調整部110Aは、整数変換部108での整数変換によって生じた帯域間の利得の格差を解消するために帯域毎に利得を調整(正規化)し、この調整後の変換係数(同図では、「調整後変換係数」と表記。)を量子化部110Bに出力する。なお、画像情報処理システム100では、帯域間の利得の格差を解消するためには係数調整部110Aでの変換係数の調整に加え、復号装置104においても逆量子化値の調整を行う必要がある(詳しくは後述)。
量子化部110Bは、係数調整部110Aから入力された変換係数を量子化し、量子化して得た量子化値を、符号化された画像情報として送信部112に出力する。なお、量子化の手法は、H.264/AVCなどの映像符号化方式で用いられる手法と同様である。
送信部112は、通信網106を介して復号装置104に情報を送信するための通信インタフェースであり、出力端子が通信網106を介して復号装置104に接続されている。従って、送信部112は、通信網106を介して復号装置104に符号化後の画像情報を送信することができる。
一方、復号装置104は、受信部114、逆量子化・調整部116、及び逆整数変換部118を含んで構成されており、受信部114の出力端子は逆量子化・調整部116の入力端子に接続され、逆量子化・調整部116の出力端子は逆整数変換部118の入力端子に接続され、逆整数変換部118の出力端子は上記の表示装置に接続されている。
受信部114は、通信網106を介して情報を受信するための通信インタフェースであり、入力端子が通信網106を介して符号化装置104に接続されている。従って、受信部114は、符号化装置102から送信された量子化値(符号化後の画像情報)を通信網106を介して受信することができる。
逆量子化・調整部116は、逆量子化部116A及び逆量子化値調整部116Bを含んで構成されており、逆量子化部116Aの入力端子は逆量子化・調整部116の入力端子を構成し、逆量子化部116Aの出力端子は逆量子化値調整部116Bの入力端子に接続され、逆量子化値調整部116Bの出力端子は逆量子化・調整部116の出力端子を構成している。なお、逆整数変換部118の出力端子は、復号装置104の出力端子を構成している。
逆量子化部116Aは、受信部114によって受信された量子化値を逆量子化し、逆量子化して得た逆量子化値(同図では、「調整前逆量子化値」と表記。)を逆量子化値調整部116Bに出力する。
逆量子化値調整部116Bは、後述する逆整数変換によって生じる帯域間の利得の格差を解消するために帯域毎に利得を調整し、調整して得た逆量子化値(同図では、「調整後逆量子化値」と表記。)を逆整数変化部118に出力する。
逆整数変換部118は、逆量子化値調整部116Bから入力された逆量子化値に対して、直交変換行列Tの転置行列を用いて逆整数変換を行い、逆整数変換結果を復号された画像情報として表示装置に出力する。
C.Brites, J. Ascenso, and F. Pereira, "Improving Transform Domain Wyner-Ziv Video Coding Performance", IEEE ICASSP, Toulouse, France, May 2006.
しかしながら、整数変換によって得られた変換係数の変換行列が正規直交系でないことに起因する帯域間の利得を調整する場合、例えば√2(2の平方根)などの膨大な桁数の小数を含む値の演算が必要になるため、整数を演算する場合に比べて演算に掛かる負荷が大きくなる、という問題点があった。整数変換によって得られた変換係数の小数点以下の値を切り上げる又は切り捨てて整数にすることによって利得の調整に係る演算の負荷を軽減することはできるものの、画像情報が再現される精度が著しく低下してしまう、という問題点があった。
本発明は上記問題点を解決するために成されたものであり、画像情報を符号化する場合の演算に掛かる負荷を、画像情報の再現の精度の低下を抑えつつ軽減することができる符号化支援装置、符号化装置、復号支援装置、復号装置、符号化支援プログラム、及び復号支援プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の符号化支援装置は、画像を示す画像情報を正規直交系でない直交変換行列を用いて直交変換して得られた直交変換係数を量子化する前段階で、該直交変換係数に乗じることによって該直交変換係数間の前記直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように該直交変換係数が調整される係数調整値について、該直交変換係数の各々に乗じることにより利得が平滑化されることによって該直交変換係数の各々が調整される平滑化調整値、及び前記利得の平滑化の度合いを示す予め定められた精度に基づいて、前記予め定められた精度で表現可能な値の集合から、前記表現可能な値と前記平滑化調整値及び予め定められた値の積との差が最小となる前記表現可能な値を前記係数調整値として帯域毎に算出する算出手段を含み、前記算出手段は、前記直交変換行列と該直交変換行列の転置行列との積の対角成分の平方根の逆数を前記平滑化調整値として前記帯域毎に算出する平滑化調整値算出手段を有する。
請求項に記載の符号化支援装置は、請求項に記載の発明において、前記算出手段が、次の数式用いて前記係数調整値を帯域毎に算出するものである。
請求項に記載の符号化支援装置は、請求項1または請求項2に記載の発明において、複数のビット数のうちの何れかを前記精度として指定する指定手段を更に含むものである。
請求項に記載の符号化装置は、請求項1〜請求項の何れか1項に記載の符号化支援装置と、前記画像情報を前記直交変換行列を用いて直交変換する直交変換手段と、前記直交変換手段によって直交変換されて得られた前記直交変換係数に対して、前記算出手段によって算出された対応する帯域の係数調整値を乗じることにより該直交変換係数を調整し、調整して得た直交変換係数を量子化する調整値量子化手段と、を含んで構成されている。
請求項に記載の符号化装置は、請求項に記載の発明において、入力された情報を演算する機能を有し、前記調整値量子化手段としても機能する演算装置と、前記演算装置の演算に掛かる負荷の大きさが予め定められた大きさ以上になった場合、前記精度として現時点で前記算出手段によって用いられる精度よりも低い精度に変更する変更手段と、を更に含んで構成されている。
請求項6に記載の符号化装置は、画像を示す画像情報を正規直交系でない直交変換行列を用いて直交変換して得られた直交変換係数を量子化する前段階で、該直交変換係数に乗じることによって該直交変換係数間の前記直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように該直交変換係数が調整される係数調整値であって、該直交変換係数の各々に乗じることにより利得が平滑化されることによって該直交変換係数の各々が調整される平滑化調整値、及び前記利得の平滑化の度合いを示す予め定められた精度に基づいて、前記予め定められた精度で表現可能な値の集合から、前記表現可能な値と前記平滑化調整値及び予め定められた値の積との差が最小となる前記表現可能な値である係数調整値を帯域毎に記憶した記憶手段と、前記画像情報を前記直交変換行列を用いて直交変換する直交変換手段と、前記直交変換手段によって直交変換されて得られた前記直交変換係数に対応する帯域の係数調整値を前記記憶手段から取得し、取得した係数調整値を該直交変換係数に乗じることにより該直交変換係数を調整し、調整して得た直交変換係数を量子化する調整値量子化手段と、を含み、前記平滑化調整値は、前記帯域毎に算出された、前記直交変換行列と該直交変換行列の転置行列との積の対角成分の平方根の逆数である。
請求項に記載の符号化装置は、請求項に記載の発明において、前記精度が複数存在し、前記記憶手段が、帯域毎にかつ前記精度毎に算出された係数調整値を帯域毎にかつ前記精度毎に記憶し、前記精度の何れかを指定する指定手段を更に含み、前記調整値量子化手段が、前記直交変換係数に乗じる係数調整値として、前記指定手段によって指定された精度に対応する係数調整値を前記記憶手段から取得するものである。
請求項に記載の符号化装置は、請求項または請求項記載の発明において、前記精度として第1の精度及び該第1の精度よりも低い第2の精度が存在し、前記記憶手段が、帯域毎にかつ前記精度毎に算出された係数調整値を帯域毎にかつ前記精度毎に記憶し、入力された情報を演算する機能を有し、前記調整値量子化手段としても機能する演算装置を更に含み、前記調整値量子化手段が、前記直交変換係数に乗じる係数調整値として、前記演算装置の演算に掛かる負荷の大きさが予め定められた大きさ未満の場合、前記第1の精度に対応する係数調整値を前記記憶手段から取得し、前記演算装置の演算に掛かる負荷の大きさが予め定められた大きさ以上の場合、前記第2の精度に対応する係数調整値を前記記憶手段から取得するものである。
請求項に記載の復号支援装置は、請求項または請求項に記載の符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化して得られた逆量子化値の各々を逆直交変換行列を用いて逆直交変換する前段階で、該逆量子化値に乗じることによって逆量子化値間の前記直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように該逆量子化値が調整される逆量子化調整値を、前記平滑化調整値及び前記精度に基づいて、該精度で前記逆量子化値間の前記利得の差が最も小さくなるように帯域毎に算出する逆量子化調整値算出手段を含んで構成されている。
請求項10に記載の復号支援装置は、前記逆量子化調整値算出手段が、前記直交変換行列と該直交変換行列の転置行列との積の対角成分の平方根の逆数を前記平滑化調整値として帯域毎に算出する第1の算出手段と、前記第1の算出手段によって算出された帯域毎の前記平滑化調整値及び前記精度に基づいて、該精度で前記直交変換係数間の前記利得の差が最も小さくなるように前記係数調整値を帯域毎に算出する第2の算出手段と、前記第1の算出手段によって算出された帯域毎の前記平滑化調整値及び前記第2の算出手段によって算出された帯域毎の前記係数調整値に基づいて、前記逆量子化値間の前記利得の差が最も小さくなるように前記逆量子化調整値を帯域毎に算出する第3の算出手段と、を有するものである。
請求項11に記載の復号支援装置は、請求項10に記載の発明において、前記第3の算出手段が、次の数式用いて前記逆量子化調整値を帯域毎に算出するものである。
請求項12に記載の復号装置は、請求項〜請求項11の何れか1項に記載の復号支援装置と、前記符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化し、逆量子化して得た逆量子化値に対して、前記逆量子化調整値算出手段によって算出された対応する帯域の逆量子化調整値を乗じることにより該逆量子化値を調整する逆量子化調整手段と、前記逆量子化調整手段によって調整された逆量子化値を前記直交変換行列の転置行列を用いて逆直交変換する逆直交変換手段と、を含んで構成されている。
請求項13に記載の復号装置は、請求項12に記載の発明において、入力された情報を演算する機能を有し、前記逆量子化調整手段としても機能する第2の演算装置と、前記第2の演算装置の演算に掛かる負荷の大きさが予め定められた大きさ以上になった場合、前記精度として現時点で前記逆量子化調整値算出手段によって用いられる精度よりも低い精度に変更する第2の変更手段と、を更に含んで構成されている。
請求項14に記載の復号装置は、請求項に記載の符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化して得られた逆量子化値の各々を逆直交変換行列を用いて逆直交変換する前段階で、該逆量子化値に乗じることによって逆量子化値間の前記直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように該逆量子化値が調整される逆量子化調整値であって、前記平滑化調整値及び前記精度に基づいて、該精度で前記逆量子化値間の前記利得の差が最も小さくなるように帯域毎に算出された逆量子化調整値を帯域毎に記憶した逆量子化調整値記憶手段と、前記符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化し、逆量子化して得た逆量子化値に対応する帯域の逆量子化調整値を前記逆量子化調整値記憶手段から取得し、取得した逆量子化調整値を該逆量子化値に乗じることにより該逆量子化値を調整する逆量子化調整手段と、前記逆量子化調整手段によって調整された逆量子化値を前記直交変換行列の転置行列を用いて逆直交変換する逆直交変換手段と、を含んで構成されている。
請求項15に記載の復号装置は、請求項に記載の符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化して得られた逆量子化値の各々を逆直交変換行列を用いて逆直交変換する前段階で、該逆量子化値に乗じることによって逆量子化値間の前記直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように該逆量子化値が調整される逆量子化調整値であって、前記平滑化調整値及び前記精度に基づいて、該精度で前記逆量子化値間の前記利得の差が最も小さくなるように帯域毎に算出された逆量子化調整値を帯域毎に記憶した逆量子化調整値記憶手段と、前記符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化し、逆量子化して得た逆量子化値に対応する帯域の逆量子化調整値を前記逆量子化調整値記憶手段から取得し、取得した逆量子化調整値を該逆量子化値に乗じることにより該逆量子化値を調整する逆量子化調整手段と、前記逆量子化調整手段によって調整された逆量子化値を前記直交変換行列の転置行列を用いて逆直交変換する逆直交変換手段と、を含み、前記逆量子化調整値記憶手段が、帯域毎にかつ前記精度毎に算出された逆量子化調整値を帯域毎にかつ前記精度毎に記憶し、前記逆量子化調整手段が、前記逆量子化値に乗じる逆量子化調整値として、前記指定手段によって指定された精度に対応する逆量子化調整値を前記逆量子化調整値記憶手段から取得するものである。
請求項16に記載の復号装置は、請求項に記載の符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化して得られた逆量子化値の各々を逆直交変換行列を用いて逆直交変換する前段階で、該逆量子化値に乗じることによって逆量子化値間の前記直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように該逆量子化値が調整される逆量子化調整値であって、前記平滑化調整値及び前記精度に基づいて、該精度で前記逆量子化値間の前記利得の差が最も小さくなるように帯域毎に算出された逆量子化調整値を帯域毎に記憶した逆量子化調整値記憶手段と、前記符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化し、逆量子化して得た逆量子化値に対応する帯域の逆量子化調整値を前記逆量子化調整値記憶手段から取得し、取得した逆量子化調整値を該逆量子化値に乗じることにより該逆量子化値を調整する逆量子化調整手段と、前記逆量子化調整手段によって調整された逆量子化値を前記直交変換行列の転置行列を用いて逆直交変換する逆直交変換手段と、を含み、前記逆量子化調整値記憶手段が、帯域毎にかつ前記精度毎に算出された係数調整値を帯域毎にかつ前記精度毎に記憶し、入力された情報を演算する機能を有し、前記逆量子化調整手段としても機能する第2の演算装置を更に含み、前記逆量子化調整手段が、前記逆量子化値に乗じる逆量子化調整値として、前記第2の演算装置の演算に掛かる負荷の大きさが予め定められた大きさ未満の場合、前記第1の精度に対応する係数調整値を前記記憶手段から取得し、前記演算装置の演算に掛かる負荷の大きさが予め定められた大きさ以上の場合、前記第1の精度に対応する係数調整値を前記記憶手段から取得するものである。
画像情報処理システムは、請求項または請求項に記載の符号化装置と、前記符号化装置によって符号化された情報を送信する送信手段と、前記送信手段によって送信された情報を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された情報を復号する請求項12または請求項13に記載の復号装置と、を含んで構成されている。
画像情報処理システムは、請求項に記載の符号化装置と、前記符号化装置によって符号化された情報を送信する送信手段と、前記送信手段によって送信された情報を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された情報を復号する請求項14に記載の復号装置と、を含んで構成されている。
画像情報処理システムは、請求項に記載の符号化装置と、前記符号化装置によって符号化された情報を送信する送信手段と、前記送信手段によって送信された情報を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された情報を復号する請求項15に記載の復号装置と、を含んで構成されている。
画像情報処理システムは、請求項に記載の符号化装置と、前記符号化装置によって符号化された情報を送信する送信手段と、前記送信手段によって送信された情報を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された情報を復号する請求項16に記載の復号装置と、を含んで構成されている。
画像情報処理システムは、請求項または請求項に記載の符号化装置と、前記符号化装置の前記利得調整値量子化手段によって量子化された量子化値を送信すると共に、該符号化装置の前記算出手段によって算出された係数調整値を送信する送信手段と、前記送信手段によって送信された前記量子化値及び前記係数調整値を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記量子化値を逆量子化して得られた逆量子化値の各々を逆直交変換行列を用いて逆直交変換する前段階で、該逆量子化値に乗じることによって逆量子化値間の前記直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように該逆量子化値が調整される逆量子化調整値を、前記受信手段によって受信された前記係数調整値及び前記精度に基づいて、該精度で前記逆量子化値間の前記利得の差が最も小さくなるように帯域毎に算出する逆量子化調整値算出手段、前記符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化し、逆量子化して得た逆量子化値に対して、前記逆量子化調整値算出手段によって算出された対応する帯域の逆量子化調整値を乗じることにより該逆量子化値を調整する逆量子化調整手段、及び前記逆量子化調整手段によって調整された逆量子化値を前記直交変換行列の転置行列を用いて逆直交変換する逆直交変換手段を有する復号装置と、を含んで構成されている。
画像情報処理システムは、請求項〜請求項の何れか1項に記載の符号化装置と、前記符号化装置の前記利得調整値量子化手段によって量子化された量子化値を送信すると共に、該符号化装置の前記記憶手段に記憶されている前記係数調整値を送信する送信手段と、前記送信手段によって送信された前記量子化値及び前記係数調整値を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記量子化値を逆量子化して得られた逆量子化値の各々を逆直交変換行列を用いて逆直交変換する前段階で、該逆量子化値に乗じることによって逆量子化値間の前記直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように該逆量子化値が調整される逆量子化調整値を、前記受信手段によって受信された前記係数調整値及び前記精度に基づいて、該精度で前記逆量子化値間の前記利得の差が最も小さくなるように帯域毎に算出する逆量子化調整値算出手段、前記符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化し、逆量子化して得た逆量子化値に対して、前記逆量子化調整値算出手段によって算出された対応する帯域の逆量子化調整値を乗じることにより該逆量子化値を調整する逆量子化調整手段、及び前記逆量子化調整手段によって調整された逆量子化値を前記直交変換行列の転置行列を用いて逆直交変換する逆直交変換手段を有する復号装置と、を含んで構成されている。
請求項17に記載の符号化支援プログラムは、コンピュータを、画像を示す画像情報を正規直交系でない直交変換行列を用いて直交変換して得られた直交変換係数を量子化する前段階で、該直交変換係数に乗じることによって該直交変換係数間の前記直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように該直交変換係数が調整される係数調整値を、該直交変換係数の各々に乗じることにより利得が平滑化されることによって該直交変換係数の各々が調整される平滑化調整値、及び前記利得の平滑化の度合いを示す予め定められた精度に基づいて、前記予め定められた精度で表現可能な値の集合から、前記表現可能な値と前記平滑化調整値及び予め定められた値の積との差が最小となる前記表現可能な値を前記係数調整値として帯域毎に算出する算出手段として機能させるための符号化支援プログラムであって、前記算出手段は、前記直交変換行列と該直交変換行列の転置行列との積の対角成分の平方根の逆数を前記平滑化調整値として前記帯域毎に算出する平滑化調整値算出手段を有する符号化支援プログラムである。
符号化プログラムは、コンピュータを、請求項1〜請求項の何れか1項に記載の符号化支援装置の前記算出手段によって算出された係数調整値を、前記画像情報が直交変換手段によって前記直交変換行列を用いて直交変換されて得られた対応する行列成分の前記直交変換係数に乗じることにより該直交変換係数を調整する調整手段、及び前記逆量子化調整手段によって調整された直交変換係数を量子化する量子化手段として機能させるためのものである。
符号化プログラムは、コンピュータを、画像を示す画像情報を正規直交系でない直交変換行列を用いて直交変換して得られた直交変換係数を量子化する前段階で、該直交変換係数に乗じることによって該直交変換係数間の前記直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように該直交変換係数が調整される係数調整値であって、該直交変換係数の各々に乗じることにより利得が平滑化されることによって該直交変換係数の各々が調整される平滑化調整値、及び前記利得の平滑化の度合いを示す予め定められた精度に基づいて、該精度で前記利得の差が最も小さくなるように前記直交変換行列の帯域毎に算出された係数調整値を帯域毎に記憶した記憶手段から、前記画像情報が直交変換手段によって前記直交変換行列を用いて直交変換されて得られた前記直交変換係数に対応する帯域の係数調整値を取得し、取得した係数調整値を該直交変換係数に乗じることにより該直交変換係数を調整する調整手段、及び前記逆量子化調整手段によって調整された直交変換係数を量子化する調整値量子化手段として機能させるためのものである。
請求項18に記載の復号支援プログラムは、コンピュータを、請求項または請求項に記載の符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化して得られた逆量子化値の各々を逆直交変換行列を用いて逆直交変換する前段階で、該逆量子化値に乗じることによって逆量子化値間の前記直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように該逆量子化値が調整される逆量子化調整値を、前記平滑化調整値及び前記精度に基づいて、該精度で前記逆量子化値間の前記利得の差が最も小さくなるように帯域毎に算出する逆量子化調整値算出手段として機能させるためのものである。
復号プログラムは、コンピュータを、請求項〜請求項11の何れか1項に記載の復号支援装置の前記逆量子化調整値算出手段によって算出された逆量子化調整値を、前記符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化し、逆量子化して得た対応する帯域の前記逆量子化値に乗じることにより該逆量子化値を調整する逆量子化調整手段、及び前記逆量子化調整手段によって調整された逆量子化値を前記直交変換行列の転置行列を用いて逆直交変換する逆直交変換手段として機能させるためのものである。
復号プログラムは、コンピュータを、請求項に記載の符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化して得られた逆量子化値の各々を逆直交変換行列を用いて逆直交変換する前段階で、該逆量子化値に乗じることによって逆量子化値間の前記直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように該逆量子化値が調整される逆量子化調整値であって、前記平滑化調整値及び前記精度に基づいて、該精度で前記逆量子化値間の前記利得の差が最も小さくなるように帯域毎に算出された逆量子化調整値を帯域毎に記憶した逆量子化調整値記憶手段から、前記符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化し、逆量子化して得た対応する帯域の前記逆量子化値に対応する帯域の逆量子化調整値を取得し、取得した逆量子化調整値を該逆量子化値に乗じることにより該逆量子化値を調整する逆量子化調整手段、及び前記逆量子化調整手段によって調整された逆量子化値を前記直交変換行列の転置行列を用いて逆直交変換する逆直交変換手段として機能させるためのものである。
請求項1,12141718に係る発明によれば、画像情報を符号化する場合の演算に掛かる負荷を、画像情報の再現の精度の低下を抑えつつ軽減することができる、という効果が得られる。
請求項に係る発明によれば、予め定められた精度で直交変換係数間の直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差を最も小さくする係数調整値を容易かつ高精度に算出することができる、という効果が得られる。
請求項に係る発明によれば、予め定められた精度で直交変換係数間の直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差を最も小さくする係数調整値を容易かつ高精度に算出することができる、という効果が得られる。
請求項に係る発明によれば、画像情報を符号化する場合の演算に掛かる負荷を容易に調整することができる、という効果が得られる。
請求項に係る発明によれば、符号化に係る処理の遅滞を効率的に抑制することができる、という効果が得られる。
請求項に係る発明によれば、画像情報を符号化する場合の演算に掛かる負荷を容易に調整することができる、という効果が得られる。
請求項に係る発明によれば、符号化に係る処理の遅滞を効率的に抑制することができる、という効果が得られる。
請求項10に係る発明によれば、予め定められた精度で逆量子化値間の直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差を最も小さくする係数調整値を容易かつ高精度に算出することができる、という効果が得られる。
請求項11に係る発明によれば、予め定められた精度で逆量子化値間の直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差を最も小さくする係数調整値を容易かつ高精度に算出することができる、という効果が得られる。
請求項13に係る発明によれば、復号に係る処理の遅滞を効率的に抑制することができる、という効果が得られる。
請求項15に係る発明によれば、画像情報を復号する場合の演算に掛かる負荷を容易に調整することができる、という効果が得られる。
請求項16に係る発明によれば、復号に係る処理の遅滞を効率的に抑制することができる、という効果が得られる。
第1の実施形態に係る画像情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る係数調整値計算処理の流れを示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る符号化処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る逆量子化調整値計算処理の流れを示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る復号処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る画像情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る係数調整値計算処理の流れを示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る逆量子化調整値計算処理の流れを示すフローチャートである。 第3の実施形態に係る画像情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。 第4の実施形態に係る画像情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。 第5の実施形態に係る画像情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。 第6の実施形態に係る画像情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。 第7の実施形態に係る画像情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。 従来の画像情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、本実施形態では、デジタルビデオカメラで撮影して得た動画像を構成している複数の画像の各々を示す画像情報が入力され、入力された画像情報を符号化装置により符号化し、符号化した画像情報を通信手段を介して復号装置に送信し、復号装置により画像情報を復号して表示装置に出力する画像情報処理システムに本発明を適用した場合について説明する。また、以下では、図14と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、図14と異なる点のみを説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本第1の実施形態に係る画像情報処理システム10の構成の一例を示すブロック図である。同図に示すように、画像情報処理システム10は、符号化装置12、復号装置14、及び精度指示装置16を含んで構成されている。符号化装置12は、図14に示す画像情報処理システム100の符号化装置102に比べ、係数調整量子化部110に代えて係数調整量子化部18を適用した点、及び係数調整値計算部22を新たに設けた点のみが異なっている。係数調整量子化部18は、図14に示す係数調整量子化部110に比べ、係数調整部110Aに代えて係数調整部20を適用した点のみが異なっている。
精度指示装置16は、一般的なパーソナル・コンピュータを含んで構成されており、通信網106を介して係数調整値計算部22と通信可能に接続されている。精度指示装置16は、符号化装置12において整数変換部108での整数変換によって生じた帯域間の利得の格差を解消するために帯域毎に利得を調整する際の精度、すなわち、帯域毎の調整前変換係数の各々のダイナミックレンジをどの程度平滑化するかという平滑化の度合いを示す精度(以下、「調整精度」という。)を符号化装置12に指示するためのものである。精度指示装置16には、キーボードやマウス(ポインティング・デバイス)などの受付装置(図示省略)が接続されており、調整精度を示す調整精度情報が受付装置によって受け付けられ、受け付けられた調整精度情報を係数調整値計算部22に送信する。なお、調整精度としては、3ビット、8ビットなどのビット数が例示できる。本第1の実施形態に係る画像情報処理システム10では、調整精度として、1ビット、3ビット、及び8ビットのうちの何れかのビット数を精度指示装置16を介して指示している。
係数調整値計算部22は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって構成されており、整数変換部108及び係数調整量子化部18として機能するコンピュータとは異なるハードウェア資源によって実現されるものである。係数調整値計算部22は、調整前変換係数に乗じることによって調整前変換係数間の変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように調整前変換係数が調整される係数調整値を算出するものである。この係数調整値は、帯域毎の調整前変換係数の各々に乗じることにより各調整前変換係数の利得が平滑化されることによって調整前変換係数の各々が調整される平滑化調整値、及び精度指示装置16によって指示された調整精度に基づいて、この調整精度で調整前変換係数間の変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように直交変換行列Tの帯域毎に算出される。
ここで、係数調整値の算出方法の一例を説明する。
先ず、次の数式(2)を用いて、調整前変換係数の帯域iの理想的な調整値である平滑化調整値K[i]を算出する。数式(2)において、“i”は帯域を示し、Hは数式(3)に示す直交変換行列Tとその転置行列Tとの積で表される行列を示す。なお、数式(4)は、K[i]の具体的な値の一例を示している。
平滑化調整値K[i]を算出した後、次の数式(5)を用いて係数調整値K[i]を算出する。数式(5)は、数式(2)を用いて算出されたK[i]を代入すると共に、調整精度としてのpビットで表現可能な値の集合Q(例えば、p=8であれば256通りの値からなる集合)を構成している値qを代入することによって、係数調整値K[i]としての(q−K[i]*2)の最小値を探り出すことを意味する数式である。なお、数式(5)において“n”は任意の整数である。
係数調整部20は、2つの入力端子及び1つの出力端子を備えており、一方の入力端子は整数変換部108の出力端子に接続され、他方の入力端子は係数調整値計算部22の出力端子に接続され、出力端子は量子化部110Bの入力端子に接続されている。
係数調整部20は、調整前変換係数に対して、係数調整値計算部22によって算出された対応する帯域の係数調整値を乗じることにより調整前変換係数を調整し、調整して得た調整後変換係数を量子化部110Bに出力する。
一方、復号装置14は、図14に示す画像情報処理システム100の復号装置104に比べ、逆量子化・調整部116に代えて逆量子化・調整部24を適用した点、係数調整値計算部28を新たに設けた点、及び逆量子化調整値計算部30を新たに設けた点のみが異なっている。係数調整値計算部28及び逆量子化調整値計算部30は、ASICによって構成されており、逆量子化・調整部24及び逆整数変換部118として機能するコンピュータとは異なるハードウェア資源によって実現されるものである。
係数調整値計算部28は、入力端子及び出力端子を備え、入力端子が通信網106を介して精度指示装置16の出力端子に接続され、出力端子が逆量子化調整値計算部30の入力端子に接続されている。係数調整値計算部28は、符号化装置12の係数調整値計算部22とほぼ同様の機能を有しており、係数調整値計算部22に比べ、係数調整値を係数調整部20に出力する点に代えて係数調整値を逆量子化調整値計算部30に出力する点、及び平滑化調整値を逆量子化調整値計算部30に出力する点が異なっている。なお、平滑化調整値は逆量子化調整値計算部30によって所持されていてもよい。
逆量子化調整値計算部30は、逆量子化部116Aによって逆量子化されて得られた逆量子化値に乗じることによって逆量子化の各々の変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように逆量子化値が調整される逆量子化調整値を算出するものである。この逆量子化調整値は、係数調整値計算部22から入力された平滑化調整値及び係数調整値に基づいて、逆量子化部116Aによって逆量子化されて得られた逆量子化値の各々の変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように直交変換行列Tの帯域毎に算出される。具体的には、次の数式(6)を用いて、逆量子化調整値L[i]を算出する。
逆量子化値調整部26は、2つの入力端子及び1つの出力端子を備えており、一方の入力端子は逆量子化部116Aの出力端子に接続され、他方の入力端子は逆量子化調整値計算部30の出力端子に接続され、出力端子は逆整数変換部118の入力端子に接続されている。
逆量子化値調整部26は、調整前逆量子化値に対して、逆量子化調整値計算部30によって算出された対応する帯域の逆量子化調整値を乗じることにより調整前逆量子化値を調整し、調整して得た調整後逆量子化値を逆整数変換部118に出力する。
次に、画像情報処理システム10の作用を説明する。
先ず、図2を参照しながら係数調整値計算部22の作用を説明する。なお、図2は、精度指示装置16によって調整精度が指示された際に係数調整値計算部22によって実行される係数調整値計算処理の流れを示すフローチャートである。
同図のステップ200では、数式(2)を用いて行列Hの帯域毎に平滑化調整値を算出し、その後にステップ202に移行し、数式(5)を用いて、上記ステップ200の処理によって算出された帯域毎の平滑化調整値及び精度指示装置16によって指示された調整精度としてのビット数から、帯域毎の係数調整値を算出する。そして、次のステップ204では、上記ステップ202の処理によって算出された係数調整値を内蔵された不揮発性メモリ(図示省略)の予め定められた記憶領域に記憶した後、本係数調整値計算処理を終了する。
次に、図3を参照しながら符号化装置12の作用を説明する。なお、図3は、符号化前の画像情報が符号化装置12に入力された際にコンピュータによって実行される符号化処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。なお、符号化処理プログラムは、コンピュータのROMに予め記憶されている。なお、以下の本第1の実施形態では、錯綜を回避するために、4×4の二次元配列された画素群毎の画像情報を対象にして符号化処理及び復号処理を行う場合について説明する。
同図のステップ250では、入力された画像情報を整数変換部108によって整数変換し、その後にステップ252に移行し、係数調整値計算部22の不揮発性メモリから係数調整値を取得する。
次のステップ254では、上記ステップ250の処理によって整数変換されて得られた帯域毎の調整前変換係数に対して、上記ステップ252の処理によって取得された対応する帯域の係数調整値を乗じることにより帯域毎に調整前変換係数を調整する。
次のステップ256では、上記ステップ254の処理によって帯域毎の調整前変換係数が調整されて得られた帯域毎の調整後変換係数を各々量子化し、その後にステップ258に移行し、上記ステップ256の処理によって帯域毎の調整後変換係数が各々量子化されて得られた各量子化値を復号装置14に送信した後、本符号化処理プログラムを終了する。
次に、図4を参照しながら係数調整値計算部28及び逆量子化調整値計算部30の作用を説明する。なお、図4は、精度指示装置16によって調整精度が指示された際に係数調整値計算部28及び逆量子化調整値計算部30によって実行される逆量子化調整値計算処理の流れを示すフローチャートである。
同図のステップ300では、係数調整値計算部28が数式(2)を用いて行列Hの帯域毎に平滑化調整値を算出し、その後にステップ302に移行し、係数調整値計算部28が上記ステップ300の処理によって算出された平滑化調整値及び精度指示装置16によって指示された調整精度としてのビット数を帯域毎に数式(5)に代入して帯域毎の係数調整値を算出する。
次のステップ304では、上記ステップ300の処理によって算出された平滑化調整値及び上記ステップ302の処理によって算出された係数調整値を帯域毎に数式(6)に代入して帯域毎の逆量子化調整値を算出し、その後にステップ306に移行し、係数調整値計算部28が上記ステップ304の処理によって算出された逆量子化調整値を内蔵された不揮発性メモリ(図示省略)の予め定められた記憶領域に記憶した後、本逆量子化調整値計算処理を終了する。
次に、図5を参照しながら復号装置14の作用を説明する。なお、図5は、復号前の画像情報として符号化装置12から送信された量子化値を復号装置14が受信した際にコンピュータによって実行される復号処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。なお、復号処理プログラムは、コンピュータのROMに予め記憶されている。
同図のステップ350では、受信した量子化値を逆量子化部116Aによって逆量子化し、その後にステップ352に移行し、逆量子化調整値計算部30の不揮発性メモリから逆量子化調整値を取得する。
次のステップ354では、上記ステップ350の処理によって逆量子化されて得られた帯域毎の調整前逆量子化値に対して、上記ステップ352の処理によって取得された対応する帯域の逆量子化調整値を乗じることにより帯域毎に調整前逆量子化値を調整する。
次のステップ356では、上記ステップ354の処理によって帯域毎の調整前逆量子化値が調整されて得られた帯域毎の調整後逆量子化値を直交変換行列Tの転置行列を用いて逆整数変換した後、本復号処理プログラムを終了する。
以上詳細に説明したように、本第1の実施形態に係る画像情報処理システム10では、画像情報を直交変換行列Tを用いて直交変換して得られた調整前変換係数(直交変換係数)を量子化する前段階で、調整前変換係数に乗じることによって調整前変換係数間の変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように調整前変換係数が調整値される係数調整値を、調整前変換係数の各々に乗じることにより利得が平滑化されることによって調整前変換係数の各々が調整される平滑化調整値、及び調整精度に基づいて、この調整精度で調整前変換係数間の変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が最も小さくなるように帯域毎に算出しているので、画像情報を符号化する場合の演算に掛かる負荷を、画像情報の再現の精度の低下を抑えつつ軽減することができる。
また、本第1の実施形態に係る画像情報処理システム10では、係数調整量子化部18によって量子化して得られた量子化値を逆量子化して得られた逆量子化値の各々を直交変換行列Tの転置行列を用いて逆直交変換する前段階で、逆量子化値に乗じることによって逆量子化値間の変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように逆量子化値が調整される逆量子化調整値を、平滑調整値及び調整精度に基づいて、この調整精度で逆量子化値間の変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が最も小さくなるように帯域毎に算出しているので、画像情報を符号化する場合の演算に掛かる負荷を軽減したことに伴う画像情報の再現の精度の低下を抑えることができる。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、符号化装置12及び復号装置14の各々で係数調整値を算出する場合の形態例を挙げて説明したが、本第2の実施形態では、符号化装置で係数調整値を算出し、復号装置で係数調整値を算出しない場合について説明する。なお、本第2の実施形態では、上記第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、上記第1の実施形態と異なる点のみを説明する。
図6は、第2の実施形態に係る画像情報処理システム50の構成の一例を示すブロック図である。同図に示すように、画像情報処理システム50は、図1に示す画像情報処理システム10に比べ、符号化装置12に代えて符号化装置52を適用した点、復号装置14に代えて復号装置54を適用した点のみが異なっている。
符号化装置52は、図1に示す符号化装置12に比べ、係数調整値計算部22に代えて係数調整値計算部56を適用した点、及び係数調整値送信部58を新たに設けた点のみが異なっている。
係数調整値計算部56は、図1に示す係数調整値計算部22に比べ、出力端子が1つ新たに設けられた点のみが異なっている。この出力端子は、係数調整値送信部58の入力端子に接続されている。したがって、係数調整値計算部56は、算出して得た係数調整値を係数調整値送信部58に出力することができる。
係数調整値送信部58は、通信網106を介して復号装置104に情報を送信するための通信インタフェースであり、出力端子が通信網106を介して復号装置54に接続されている。従って、係数調整値送信部58は、係数調整値計算部56から入力された係数調整値を通信網106を介して復号装置104に送信することができる。
一方、復号装置54は、図1に示す復号装置14に比べ、逆量子化調整値計算部30に代えて逆量子化調整値計算部60を適用した点、及び係数調整値計算部28に代えて係数調整値受信部62を適用した点のみが異なっている。
逆量子化調整値計算部60は、図1に示す逆量子化調整値計算部30に比べ、係数調整値受信部62の出力端子に接続された入力端子を新たに設けた点、通信網106を介して精度指示装置16と通信可能に接続されていない点、内蔵された不揮発性メモリ(図示省略)に平滑化調整値が予め記憶されている点のみが異なっている。
係数調整値受信部62は、通信網106を介して情報を受信するための通信インタフェースであり、入力端子が通信網106を介して符号化装置52に接続され、出力端子が逆量子化調整値計算部62の入力端子に接続されている。従って、係数調整値受信部62は、符号化装置52の係数調整値送信部58から送信された係数調整値を通信網106を介して受信し、受信した係数調整値を逆量子化調整値計算部60に出力することができる。
次に、画像情報処理システム50の作用を説明する。
先ず、図7を参照しながら係数調整値計算部56の作用を説明する。なお、図7は、精度指示装置16によって調整精度が指示された際に係数調整値計算部56によって実行される係数調整値計算処理の流れを示すフローチャートである。また、図7に示すフローチャートは、図2に示すフローチャートに比べ、ステップ206を新たに設けた点のみが異なっている。そのため、ここでは、図2に示すフローチャートと同一の処理については同一のステップ番号を付してその説明を省略し、図2に示すフローチャートの処理とは異なる処理のみを説明する。
同図のステップ204の処理が終了するとステップ206に移行する。ステップ206では、上記ステップ202の処理によって算出された係数調整値を係数調整値送信部58を介して復号装置54に送信した後、本係数調整値計算処理を終了する。
次に、図8を参照しながら逆量子化調整値計算部60及び係数調整値受信部62の作用を説明する。なお、図8は、精度指示装置16によって調整精度が指示された際に係数調整値計算部28及び逆量子化調整値計算部30によって実行される逆量子化調整値計算処理の流れを示すフローチャートである。また、図8に示すフローチャートは、図4に示すフローチャートに比べ、ステップ300を除いた点、ステップ301を新たに設けた点、ステップ302に代えてステップ302Bを適用した点、及びステップ304に代えてステップ304Bを適用した点のみが異なっている。そのため、ここでは、図4に示すフローチャートと同一の処理については同一のステップ番号を付してその説明を省略し、図4に示すフローチャートの処理とは異なる処理のみを説明する。
同図のステップ301では、係数調整値受信部62が係数調整値送信部58から送信される係数調整値の受信待ちを行う。係数調整値受信部62が係数調整値を受信すると、受信した係数調整値を自身に内蔵された不揮発性メモリ(図示省略)の予め定められた記憶領域に記憶してからステップ302Bに移行する。
ステップ302Bでは、逆量子化調整値計算部30が係数調整値受信部62の不揮発性メモリから係数調整値を取得し、その後にステップ304Bに移行する。ステップ304Bでは、逆量子化調整値計算部30が不揮発性メモリに記憶されている平滑化調整値及び上記ステップ302Bの処理によって取得された係数調整値を帯域毎に数式(6)に代入して帯域毎の逆量子化調整値を算出し、その後にステップ306に移行する。
以上詳細に説明したように、本第2の実施形態に係る画像情報処理システム50では、係数調整値計算部56によって算出された係数調整値を係数調整値送信部58により復号装置54に送信し、復号装置54が係数調整値送信部58から送信された係数調整値を係数調整値受信部62で受信し、係数調整量子化部18によって量子化して得られた量子化値を逆量子化して得られた逆量子化値の各々を直交変換行列Tの転置行列を用いて逆直交変換する前段階で、逆量子化値に乗じることによって逆量子化値間の変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように逆量子化値が調整される逆量子化調整値を、平滑化調整値及び係数調整値受信部62によって受信された係数調整値に基づいて、この係数調整値に対応する調整精度で逆量子化値間の変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が最も小さくなるように帯域毎に算出しているので、画像情報を符号化する場合の演算に掛かる負荷を軽減したことに伴う画像情報の再現の精度の低下を抑えることができ、更に、復号装置において係数調整値を算出する必要がないため、復号装置54での演算負荷を軽減することができる。
[第3の実施形態]
上記第1の実施形態では、符号化装置12及び復号装置14の各々にて係数調整値を計算する場合の形態例を挙げ、上記第2の実施形態では、符号化装置12にて係数調整値を計算する場合の形態例を挙げて説明したが、本第3の実施形態では、係数調整値計算部22での計算手法を用いて係数調整値を予め計算し、符号化装置及び復号装置の各々に係数調整値を予め所持させる場合について説明する。なお、本第3の実施形態では、上記第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、上記第1の実施形態と異なる点のみを説明する。
図9は、本第3の実施形態に係る画像情報処理システム10Bの構成を示すブロック図である。同図に示すように、画像情報処理システム10Bは、図1に示す画像情報処理システム10に比べ、精度指示装置16を除いた点、符号化装置12に代えて符号化装置12Bを適用した点、及び復号装置14に代えて復号装置14Bを適用して点のみが異なっている。
符号化装置12Bは、図1に示す符号化装置12に比べ、係数調整値計算部22に代えて調整値記憶部70を適用した点のみが異なっている。復号装置14Bは、図1に示す復号装置14に比べ、係数調整値計算部28に代えて調整値記憶部72を適用した点のみが異なっている。
係数調整値記憶部70,72は、不揮発性メモリ又はROMなどの電源を切っても記憶内容が保持されるメモリによって構成されており、調整値記憶部70には係数調整値が予め記憶され、調整値記憶部72には係数調整値及び平滑化調整値が予め記憶されている。
従って、係数調整部20は、調整前変換係数を調整する際に調整値記憶部70から係数調整値を取得し、逆量子化調整値計算部30は、逆量子化調整値を計算する際に調整値記憶部72から係数調整値及び平滑化調整値を取得する。
なお、本第3の実施形態では、調整値記憶部72に係数調整値及び平滑化調整値を予め記憶した形態例を挙げて説明しているが、調整値記憶部72に係数調整値を予め記憶させておき、他の不揮発性メモリに平滑化調整値を予め記憶させておいてもよい。
このように、係数調整部20及び逆量子化調整値計算部30の各々に係数調整値を予め所持させておくことにより、符号化及び復号を行う毎に係数調整値を計算する必要がなくなるので、例えば調整精度が固定値の場合(調整精度を選択する余地がない場合)やユーザが調整精度の変更を全く望まない場合には利便性を向上させることができる。
[第4の実施形態]
上記第3の実施形態では、係数調整値が固定値の場合の形態例を挙げて説明したが、本第4の実施形態では、複数の係数調整値のうちの何れかを選択し、選択した係数調整値を用いて調整前変換係数の調整及び逆量子化調整値の計算を行う場合について説明する。なお、本第3の実施形態では、上記第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、上記第1の実施形態と異なる点のみを説明する。
図10は、本第4の実施形態に係る画像情報処理システム10Cの構成を示すブロック図である。同図に示すように、画像情報処理システム10Cは、図1に示す画像情報処理システム10に比べ、精度指示装置16を除いた点、符号化装置12に代えて符号化装置12Cを適用した点、及び復号装置14に代えて復号装置14Cを適用して点のみが異なっている。符号化装置12Cは、図1に示す符号化装置12に比べ、受付部74を新たに設けた点、及び係数調整値計算部22に代えて調整値切替部76を適用した点のみが異なっている。なお、本第4の実施形態に係る調整値切替部76,80は、ASICによって構成されている。
受付部74は、キーボードやマウス(ポインティング・デバイス)、またはUI(ユーザ・インタフェース)パネルなどのユーザの指示を受け付け、受け付けた指示をコンピュータに伝える機能を有するものによって構成されている。受付部74の出力端子は調整値切替部76の入力端子に接続されている。従って、受付部74は、受け付けた指示を調整値切替部76に出力することができる。
調整値切替部76は、係数調整部20によって調整前変換係数が調整される際に用いられる係数調整値を、受付部74によって受け付けられた指示に応じて切り替える。調整値切替部76は、不揮発性メモリ(図示省略)を備えており、この不揮発性メモリには複数の係数調整値が記憶されている。調整値切替部76の出力端子は係数調整部20の入力端子に接続されている。従って、調整値切替部76は、受付部74によって受け付けられた指示に応じた係数調整値を不揮発性メモリから取得し、取得した係数調整値を係数調整部20に提供することができる。
一方、復号装置14Cは、図1に示す復号装置14に比べ、受付部78を新たに設けた点、及び係数調整値計算部28に代えて調整値切替部80を適用した点のみが異なっている。受付部78は、受付部74とほぼ同様に構成されており、出力端子が調整値切替部80の入力端子に接続されている点のみが受付部74と異なっている。従って、受付部78は、受け付けた指示を調整値切替部80に出力することができる。
調整値切替部80は、逆量子化調整値計算部30によって逆量子化調整値が計算される際に用いられる係数調整値及び平滑化調整値を提供するものであり、受付部78によって受け付けられた指示に応じて、逆量子化調整値計算部30に提供する係数調整値を切り替える。調整値切替部80は、不揮発性メモリ(図示省略)を備えており、この不揮発性メモリには複数の係数調整値が記憶されている。調整値切替部80の出力端子は逆量子化調整値計算部30の入力端子に接続されている。従って、調整値切替部80は、受付部78によって受け付けられた指示に応じた係数調整値を不揮発性メモリから取得し、取得した係数調整値を逆量子化調整値計算部30に提供することができる。
このように構成された画像情報処理システム10Cでは、符号化装置12Cと復号装置12Cとの各々で係数調整値を切り替える場合には、係数調整部20が調整前変換係数を調整する際に用いる係数調整値と逆量子化調整値計算部30が逆量子化調整値を計算する際に用いる係数調整値とを一致させる必要がある。そこで、符号化処理及び復号処理を実行する場合、受付部74,78を介して同一の係数調整値をユーザに指示させる。
符号化装置12Cにおいて、ユーザによって係数調整値が指示されると、係数調整部20からの要求に応じて、受付部74によって受け付けられた指示に応じた係数調整値が調整値切替部76によって係数調整部20に提供される。
一方、復号装置14Cにおいて、ユーザによって係数調整値が指示されると、受付部78によって受け付けられた指示に応じた係数調整値が調整値切替部80によって逆量子化調整値計算部30に提供される。
従って、本第4の実施形態に係る画像情報処理システム10Cによれば、符号化処理及び復号処理毎に係数調整値を計算する必要がないため、処理の高速化が期待できる。また、調整精度を自在に変更したいユーザにとっての利便性を向上させることができる。
[第5の実施形態]
上記第4の実施形態では、符号化装置12C及び復号装置14Cの各々において係数調整値をユーザに選択させる場合の形態例を挙げて説明したが、本第5の実施形態では、復号装置でユーザに係数調整値を選択させ、その係数調整値を復号装置に反映させる場合について説明する。なお、本第4の実施形態では、上記第4の実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、上記第4の実施形態と異なる点のみを説明する。
図11は、本第5の実施形態に係る画像情報処理システム10Dの構成を示すブロック図である。同図に示すように、画像情報処理システム10Dは、図10に示す画像情報処理システム10Cに比べ、符号化装置12Cに代えて符号化装置12Dを適用した点、及び復号装置14Cに代えて復号装置14Dを適用した点のみが異なっている。
符号化装置12Dは、図10に示す符号化装置12Cに比べ、調整値切替部76に代えて調整値切替部76Bを適用した点、及び係数調整値送信部58Bを新たに設けた点のみが異なっている。一方、復号装置14Dは、図10に示す復号装置14Cに比べ、受付部78及び調整値切替部80を除いた点、逆量子化調整値計算部30に代えて逆量子化調整値計算部60Bを適用した点、並びに係数調整値受信部62Bを新たに設けた点のみが異なっている。
調整値切替部76Bは、図10に示す調整値切替部76に比べ、1つの新たな出力端子を設けた点のみが異なっており、この出力端子は、係数調整値送信部58Bの入力端子に接続されている。係数調整値送信部58Bは、通信網106を介して復号装置14Dに情報を送信するための通信インタフェースであり、図6に示す係数調整値送信部58とほぼ同様に構成されている。係数調整値送信部58Bの出力端子は、通信網106を介して復号装置14Dに接続されている。従って、調整値切替部76Bは、受付部74によって受け付けられた指示に応じて切り替えた係数調整値を係数調整値送信部58Bを介して復号装置14Dに送信することができる。
一方、逆量子化調整値計算部60Bは、図6に示す逆量子化調整値計算部60とほぼ同様に構成されており、入力端子が係数調整値受信部62の出力端子に代えて係数調整値受信部62Bの出力端子に接続されている点のみが異なっている。
係数調整値受信部62Bは、通信網106を介して符号化装置12Dから送信された情報を受信するための通信インタフェースであり、図6に示す係数調整値受信部62とほぼ同様に構成されている。係数調整値受信部62Bの入力端子は、通信網106を介して符号化装置12Dに接続されている。従って、逆量子化調整値計算部60Bは、係数調整値送信部58Bから送信された係数調整値を係数調整値受信部62Bを介して受信することができる。
このように構成された画像情報処理システム10Dでは、符号化処理及び復号処理を実行する場合、受付部74を介して係数調整値をユーザに指示させる。符号化装置12Cにおいて、ユーザによって係数調整値が指示されると、係数調整部20からの要求に応じて、受付部74によって受け付けられた指示に応じた係数調整値が調整値切替部76によって係数調整部20に提供されると共に、係数調整値送信部58Bによって復号装置14Dに送信される。
一方、復号装置14Dにおいて、符号化装置12Dによって送信された係数調整値は係数調整値受信部62Bによって受信されると、係数調整値受信部62Bによって逆量子化調整値計算部60Bに出力される。逆量子化調整値計算部60Bでは、係数調整値受信部62Bから入力された係数調整値及び不揮発性メモリに予め記憶されている平滑化調整値を用いて逆量子化調整値が計算される。
従って、本第5の実施形態に係る画像情報処理システム10Dによれば、符号化装置12Dにおいて設定された係数調整値が復号装置14Dにも反映されるので、復号装置14D側でユーザが係数調整値を選択する必要がなくなり、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
[第6の実施形態]
上記第5の実施形態では、符号化装置12D側でユーザに係数調整値を選択させ、その係数調整値を復号装置14Dに反映させた場合の形態例を挙げて説明したが、本第6の実施形態では、復号装置側でユーザに係数調整値を選択させ、その係数調整値を符号化装置に反映させる場合の形態例を挙げて説明する。なお、本第6の実施形態では、上記第4の実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、上記第4の実施形態と異なる点のみを説明する。
図12は、本第6の実施形態に係る画像情報処理システム10Eの構成を示すブロック図である。同図に示すように、画像情報処理システム10Eは、図10に示す画像情報処理システム10Cに比べ、符号化装置12Cに代えて符号化装置12Eを適用した点、及び復号装置14Cに代えて復号装置14Eを適用した点のみが異なっている。
復号装置14Eは、図10に示す復号装置14Cに比べ、逆量子化調整値計算部30に代えて逆量子化調整値計算部60Cを適用した点、及び係数調整値送信部63を新たに設けた点のみが異なっている。一方、符号化装置12Eは、図10に示す符号化装置12Cに比べ、受付部74を除いた点、調整値切替部76に代えて調整値切替部76Cを適用した点、及び係数調整値受信部59を新たに設けた点のみが異なっている。
逆量子化調整値計算部60Cは、図10に示す逆量子化調整値計算部30に比べ、係数調整値送信部63の入力端子に接続された出力端子を新たに設けた点のみが異なっている。
係数調整値送信部63は、通信網106を介して復号装置14Dに情報を送信するための通信インタフェースであり、出力端子が通信網106を介して符号化装置12Eに接続されている。従って、逆量子化調整値計算部60Cは、受付部78によって受け付けられた指示に応じて切り替えた係数調整値を逆量子化調整値計算部60C及び係数調整値送信部63を介して符号化装置12Eに送信することができる。
調整値切替部76Cは、図10に示す調整値切替部76に比べ、係数調整値受信部59の出力端子に接続された入力端子を新たに設けた点、係数調整部20に提供する係数調整値を、入力された係数調整値に切り替えるように構成された点のみが異なっている。また、係数調整値受信部59は、通信網106を介して復号装置14Eに情報を送信するための通信インタフェースであり、入力端子が通信網106を介して復号装置14Eに接続されている。従って、係数調整値受信部59は、復号装置14Eから送信された係数調整値を受信し、受信した係数調整値を調整値切替部76Cに出力することができる。
このように構成された画像情報処理システム10Eでは、復号装置14Eにおいて、ユーザによって係数調整値が指示されると、受付部78によって受け付けられた指示に応じた係数調整値が調整値切替部80によって逆量子化調整値計算部60Cに提供されると共に、係数調整値送信部63によって符号化装置12Eに送信される。逆量子化調整値計算部60Cでは、調整値切替部80によって提供された係数調整値を用いて逆量子化調整値が計算される。
一方、符号化装置12Eにおいて、復号装置14Eによって送信された係数調整値は係数調整値受信部59によって受信されると、調整値受信部59によって調整値切替部76Cに出力される。調整値切替部76Cでは、係数調整部20に提供する係数調整値が、係数調整値受信部59から入力された係数調整値に切り替えられる。
従って、本第6の実施形態に係る画像情報処理システム10Eによれば、復号装置14Eにおいて設定された係数調整値が復号装置12Eにも反映されるので、符号化装置12E側でユーザが係数調整値を選択する必要がなくなり、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
[第7の実施形態]
上記第4〜6の実施形態では、ユーザによって係数調整値を選択させる場合の形態例を挙げて説明したが、本第7の実施形態では、符号化装置側のコンピュータのCPUの使用率に応じて係数調整値を変更する場合の形態例を挙げて説明する。なお、本第7の実施形態では、上記第5及び第6の実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、上記第5及び第6の実施形態と異なる点のみを説明する。
図13は、本第7の実施形態に係る画像情報処理システム10Fの構成を示すブロック図である。同図に示すように、画像情報処理システム10Fは、図11に示す画像情報処理システム10Dに比べ、符号化装置12Dに代えて符号化装置12Fを適用した点、及び復号装置14Dに代えて復号装置14Fを適用した点のみが異なっている。
符号化装置12Fは、図11に示す符号化装置12Dに比べ、受付部74を除いた点、調整値切替部76Bに代えて調整値切替部76Dを適用した点、及び係数調整値受信部59を新たに設けた点のみが異なっている。
調整値切替部76Dは、図11に示す調整値切替部76Bに比べ、係数調整値受信部59の出力端子に接続された入力端子を新たに設けた点、係数調整部20に提供する係数調整値を、符号化装置12FのコンピュータのCPUの使用率に応じて変更すると共に、変更後の係数調整値を係数調整値送信部58Bを介して復号装置14Fに送信するように構成された点のみが異なっている。なお、本第7の実施形態では、調整値切替部76Dの不揮発性メモリに1ビットの調整精度に対応する係数調整値、3ビットの調整精度に対応する係数調整値、及び8ビットの調整精度に対応する係数調整値が予め記憶されており、デフォルト状態で8ビットの調整精度に対応する係数調整値が係数調整部20に提供されるものとする。
一方、復号装置14Fは、図11に示す復号装置14Dに比べ、逆量子化調整値計算部60Bに代えて逆量子化調整値計算部60Dを適用した点、及び係数調整値送信部63を新たに設けた点のみが異なっている。
逆量子化調整値計算部60Dは、図11に示す逆量子化調整値計算部60Bに比べ、係数調整値送信部63の入力端子に接続された出力端子を新たに設けた点、複数の係数調整値が予め記憶された不揮発性メモリ(図示省略)を備えた点、逆量子化値を計算する際に用いる係数調整値を、復号装置14FのコンピュータのCPUの使用率に応じて変更可能な変更機能を有する点、及びこの変更機能を働かせて係数調整値を変更した後に変更後の係数調整値を係数調整値送信部63を介して符号化装置12Fに送信する点のみが異なっている。なお、本第7の実施形態では、逆量子化調整値計算部60Dの不揮発性メモリに1ビットの調整精度に対応する係数調整値、3ビットの調整精度に対応する係数調整値、及び8ビットの調整精度に対応する係数調整値が予め記憶されており、デフォルト状態で8ビットの調整精度に対応する係数調整値が逆量子化調整値を計算する際に用いられるものとする。
このように構成された画像情報処理システム10Fでは、デフォルト状態において、符号化装置12FのコンピュータのCPUの使用率が例えば100%に達したとき、調整値切替部76Dは不揮発性メモリから8ビットの調整精度に対応する係数調整値よりも対応する調整精度が低い係数調整値、すなわち、1ビットの調整精度に対応する係数調整値又は3ビットの調整精度に対応する係数調整値を取得(本第7の実施形態では、1ビットの調整精度に対応する係数調整値を取得)し、取得した係数調整値を係数調整部20に提供すると共に、係数調整値送信部58Bを介して復号装置14Fに送信する。
一方、復号装置14Fでは、符号化装置12Fによって送信された係数調整値が係数調整値受信部62Bによって受信されると、その係数調整値は係数調整値受信部62Bによって逆量子化調整値計算部60Dに出力される。逆量子化調整値計算部60Dでは、係数調整値受信部62Bから入力された係数調整値を用いて逆量子化調整値が計算され、計算された逆量子化調整値は逆量子化値調整部26に提供される。
また、復号装置14FのコンピュータのCPUの使用率に応じて係数調整値を変更する場合、すなわち、復号装置14の変更機能を働かせて係数調整値を変更する場合、符号化装置12F及び復号装置14Fの各々に接続された操作入力部(図示省略)を介して所定の指示を入力することにより、符号化装置12F及び復号装置14Fの各々を、符号化装置12FのコンピュータのCPUの使用率に応じて係数調整値を変更する符号化装置主体モードから、復号装置14FのコンピュータのCPUの使用率に応じて係数調整値を変更する復号装置主体モードに切り替える。これにより、画像情報処理システム10Fでは、デフォルト状態において、復号装置14FのコンピュータのCPUの使用率が例えば100%に達したとき、逆量子化調整値計算部60Dは不揮発性メモリから8ビットの調整精度に対応する係数調整値よりも対応する調整精度が低い係数調整値、すなわち、1ビットの調整精度に対応する係数調整値又は3ビットの調整精度に対応する係数調整値を取得(本第7の実施形態では、1ビットの調整精度に対応する係数調整値を取得)し、取得した係数調整値を用いて逆量子化調整値を計算し、計算して得た逆量子化調整値を逆量子化値調整値部26に提供すると共に、係数調整値送信部63を介して符号化装置12Fに送信する。
一方、符号化装置12Fでは、復号装置14Fによって送信された係数調整値が係数調整値受信部59によって受信されると、その係数調整値は係数調整値受信部59によって調整値切替部76Dに出力される。これに応じて、調整値切替部76Dは、係数調整部20に提供する係数調整値を、係数調整値受信部59から入力された係数調整値に切り替える。
従って、本第7の実施形態に係る画像情報処理システム10Eによれば、コンピュータのCPUの使用率に応じて係数調整値を調整精度のより低い係数調整値に変更しているので、符号化及び復号に係る処理の遅滞を抑制することができる。
なお、上記第7の実施形態では、係数調整値を変更する場合の形態例を挙げて説明したが、CPUの使用率に応じて、符号化装置12F及び復号装置14Fの各々に提供する調整精度を変更してもよい。但し、この場合、符号化装置12F及び復号装置14Fの各々において係数調整値を計算するための処理を要する。
また、上記第7の実施形態では、CPUの使用率が100%に達したときに調整精度のより低い係数調整値に変更する場合の形態例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、CPUの使用率が例えば100%よりも低い所定の使用率に達したときに調整精度のより低い係数調整値に変更してもよい。また、CPUの使用率に応じて多段階的に係数調整値を変更してもよい。この場合、CPUの使用率が例えば50%未満のときは8ビットの調整精度に対応する係数調整値を採用し、CPUの使用率が例えば50%以上90%未満のときは3ビットの調整精度に対応する係数調整値を採用し、CPUの使用率が例えば90%以上のときは1ビットの調整精度に対応する係数調整値を採用する、という形態が例示できる。
なお、上記第1及び第2の実施形態では、各種処理プログラムがROMに予め記憶されているが、これに限らず、各種処理プログラムをCD−ROMやDVD−ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリなどのコンピュータによって読み取られる記憶媒体に格納した状態で提供する形態を適用しても良いし、有線又は無線による通信手段を介して配信する形態を適用しても良い。
10,10B,10C,10D,10E,10F,50 画像情報処理システム
12,12B,12C,12D,12E,12F,52 符号化装置
14,14B,14C,14D,14E,14F,54 復号装置
16 精度指示装置
18 係数調整量子化部
20 係数調整部
22,28,56 係数調整値計算部
24 逆量子化・調整部
26 逆量子化値調整部
30,60,60B,60C,60D 逆量子化調整値計算部
58,58B,63 係数調整値送信部
59,62,62B 係数調整値受信部
70,72 調整値記憶部
76,76B,76C,76D,80 調整値切替部
108 整数変換部
110 量子化部
112 送信部
114 受信部
116A 逆量子化部
118 逆整数変換部

Claims (18)

  1. 画像を示す画像情報を正規直交系でない直交変換行列を用いて直交変換して得られた直交変換係数を量子化する前段階で、該直交変換係数に乗じることによって該直交変換係数間の前記直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように該直交変換係数が調整される係数調整値について、該直交変換係数の各々に乗じることにより利得が平滑化されることによって該直交変換係数の各々が調整される平滑化調整値、及び前記利得の平滑化の度合いを示す予め定められた精度に基づいて、前記予め定められた精度で表現可能な値の集合から、前記表現可能な値と前記平滑化調整値及び予め定められた値の積との差が最小となる前記表現可能な値を前記係数調整値として帯域毎に算出する算出手段を含み、
    前記算出手段は、前記直交変換行列と該直交変換行列の転置行列との積の対角成分の平方根の逆数を前記平滑化調整値として前記帯域毎に算出する平滑化調整値算出手段を有する
    符号化支援装置。
  2. 前記算出手段は、次の数式を用いて前記係数調整値を帯域毎に算出する請求項1記載の符号化支援装置。
  3. 複数のビット数のうちの何れかを前記精度として指定する指定手段を更に含む請求項1または請求項2に記載の符号化支援装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の符号化支援装置と、
    前記画像情報を前記直交変換行列を用いて直交変換する直交変換手段と、
    前記直交変換手段によって直交変換されて得られた前記直交変換係数に対して、前記算出手段によって算出された対応する帯域の係数調整値を乗じることにより該直交変換係数を調整し、調整して得た直交変換係数を量子化する調整値量子化手段と、
    を含む符号化装置。
  5. 入力された情報を演算する機能を有し、前記調整値量子化手段としても機能する演算装置と、
    前記演算装置の演算に掛かる負荷の大きさが予め定められた大きさ以上になった場合、前記精度として現時点で前記算出手段によって用いられる精度よりも低い精度に変更する変更手段と、を更に含む請求項4記載の符号化装置。
  6. 画像を示す画像情報を正規直交系でない直交変換行列を用いて直交変換して得られた直交変換係数を量子化する前段階で、該直交変換係数に乗じることによって該直交変換係数間の前記直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように該直交変換係数が調整される係数調整値であって、該直交変換係数の各々に乗じることにより利得が平滑化されることによって該直交変換係数の各々が調整される平滑化調整値、及び前記利得の平滑化の度合いを示す予め定められた精度に基づいて、前記予め定められた精度で表現可能な値の集合から、前記表現可能な値と前記平滑化調整値及び予め定められた値の積との差が最小となる前記表現可能な値である係数調整値を帯域毎に記憶した記憶手段と、
    前記画像情報を前記直交変換行列を用いて直交変換する直交変換手段と、
    前記直交変換手段によって直交変換されて得られた前記直交変換係数に対応する帯域の係数調整値を前記記憶手段から取得し、取得した係数調整値を該直交変換係数に乗じることにより該直交変換係数を調整し、調整して得た直交変換係数を量子化する調整値量子化手段と、を含み、
    前記平滑化調整値は、前記帯域毎に算出された、前記直交変換行列と該直交変換行列の転置行列との積の対角成分の平方根の逆数である符号化装置。
  7. 前記精度は複数存在し、
    前記記憶手段は、帯域毎にかつ前記精度毎に算出された係数調整値を帯域毎にかつ前記精度毎に記憶し、
    前記精度の何れかを指定する指定手段を更に含み、
    前記調整値量子化手段は、前記直交変換係数に乗じる係数調整値として、前記指定手段によって指定された精度に対応する係数調整値を前記記憶手段から取得する請求項6記載の符号化装置。
  8. 前記精度として第1の精度及び該第1の精度よりも低い第2の精度が存在し、
    前記記憶手段は、帯域毎にかつ前記精度毎に算出された係数調整値を帯域毎にかつ前記精度毎に記憶し、
    入力された情報を演算する機能を有し、前記調整値量子化手段としても機能する演算装置を更に含み、
    前記調整値量子化手段は、前記直交変換係数に乗じる係数調整値として、前記演算装置の演算に掛かる負荷の大きさが予め定められた大きさ未満の場合、前記第1の精度に対応する係数調整値を前記記憶手段から取得し、前記演算装置の演算に掛かる負荷の大きさが予め定められた大きさ以上の場合、前記第2の精度に対応する係数調整値を前記記憶手段から取得する請求項6または請求項7記載の符号化装置。
  9. 請求項4または請求項5に記載の符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化して得られた逆量子化値の各々を逆直交変換行列を用いて逆直交変換する前段階で、該逆量子化値に乗じることによって逆量子化値間の前記直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように該逆量子化値が調整される逆量子化調整値を、前記平滑化調整値及び前記精度に基づいて、該精度で前記逆量子化値間の前記利得の差が最も小さくなるように帯域毎に算出する逆量子化調整値算出手段を含む
    復号支援装置。
  10. 前記逆量子化調整値算出手段は、
    前記直交変換行列と該直交変換行列の転置行列との積の対角成分の平方根の逆数を前記平滑化調整値として帯域毎に算出する第1の算出手段と、
    前記第1の算出手段によって算出された帯域毎の前記平滑化調整値及び前記精度に基づいて、該精度で前記直交変換係数間の前記利得の差が最も小さくなるように前記係数調整値を帯域毎に算出する第2の算出手段と、
    前記第1の算出手段によって算出された帯域毎の前記平滑化調整値及び前記第2の算出手段によって算出された帯域毎の前記係数調整値に基づいて、前記逆量子化値間の前記利得の差が最も小さくなるように前記逆量子化調整値を帯域毎に算出する第3の算出手段と、を有する請求項9記載の復号支援装置。
  11. 前記第3の算出手段は、次の数式を用いて前記逆量子化調整値を帯域毎に算出する請求項10記載の復号支援装置。
  12. 請求項9〜請求項11の何れか1項に記載の復号支援装置と、
    前記符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化し、逆量子化して得た逆量子化値に対して、前記逆量子化調整値算出手段によって算出された対応する帯域の逆量子化調整値を乗じることにより該逆量子化値を調整する逆量子化調整手段と、
    前記逆量子化調整手段によって調整された逆量子化値を前記直交変換行列の転置行列を用いて逆直交変換する逆直交変換手段と、
    を含む復号装置。
  13. 入力された情報を演算する機能を有し、前記逆量子化調整手段としても機能する第2の演算装置と、
    前記第2の演算装置の演算に掛かる負荷の大きさが予め定められた大きさ以上になった場合、前記精度として現時点で前記逆量子化調整値算出手段によって用いられる精度よりも低い精度に変更する第2の変更手段と、を更に含む請求項12記載の復号装置。
  14. 請求項6に記載の符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化して得られた逆量子化値の各々を逆直交変換行列を用いて逆直交変換する前段階で、該逆量子化値に乗じることによって逆量子化値間の前記直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように該逆量子化値が調整される逆量子化調整値であって、前記平滑化調整値及び前記精度に基づいて、該精度で前記逆量子化値間の前記利得の差が最も小さくなるように帯域毎に算出された逆量子化調整値を帯域毎に記憶した逆量子化調整値記憶手段と、
    前記符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化し、逆量子化して得た逆量子化値に対応する帯域の逆量子化調整値を前記逆量子化調整値記憶手段から取得し、取得した逆量子化調整値を該逆量子化値に乗じることにより該逆量子化値を調整する逆量子化調整手段と、
    前記逆量子化調整手段によって調整された逆量子化値を前記直交変換行列の転置行列を用いて逆直交変換する逆直交変換手段と、
    を含む復号装置。
  15. 請求項7に記載の符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化して得られた逆量子化値の各々を逆直交変換行列を用いて逆直交変換する前段階で、該逆量子化値に乗じることによって逆量子化値間の前記直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように該逆量子化値が調整される逆量子化調整値であって、前記平滑化調整値及び前記精度に基づいて、該精度で前記逆量子化値間の前記利得の差が最も小さくなるように帯域毎に算出された逆量子化調整値を帯域毎に記憶した逆量子化調整値記憶手段と、
    前記符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化し、逆量子化して得た逆量子化値に対応する帯域の逆量子化調整値を前記逆量子化調整値記憶手段から取得し、取得した逆量子化調整値を該逆量子化値に乗じることにより該逆量子化値を調整する逆量子化調整手段と、
    前記逆量子化調整手段によって調整された逆量子化値を前記直交変換行列の転置行列を用いて逆直交変換する逆直交変換手段と、を含み、
    前記逆量子化調整値記憶手段は、帯域毎にかつ前記精度毎に算出された逆量子化調整値を帯域毎にかつ前記精度毎に記憶し、
    前記逆量子化調整手段は、前記逆量子化値に乗じる逆量子化調整値として、前記指定手段によって指定された精度に対応する逆量子化調整値を前記逆量子化調整値記憶手段から取得する
    復号装置。
  16. 請求項8に記載の符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化して得られた逆量子化値の各々を逆直交変換行列を用いて逆直交変換する前段階で、該逆量子化値に乗じることによって逆量子化値間の前記直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように該逆量子化値が調整される逆量子化調整値であって、前記平滑化調整値及び前記精度に基づいて、該精度で前記逆量子化値間の前記利得の差が最も小さくなるように帯域毎に算出された逆量子化調整値を帯域毎に記憶した逆量子化調整値記憶手段と、
    前記符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化し、逆量子化して得た逆量子化値に対応する帯域の逆量子化調整値を前記逆量子化調整値記憶手段から取得し、取得した逆量子化調整値を該逆量子化値に乗じることにより該逆量子化値を調整する逆量子化調整手段と、
    前記逆量子化調整手段によって調整された逆量子化値を前記直交変換行列の転置行列を用いて逆直交変換する逆直交変換手段と、を含み、
    前記逆量子化調整値記憶手段は、帯域毎にかつ前記精度毎に算出された係数調整値を帯域毎にかつ前記精度毎に記憶し、
    入力された情報を演算する機能を有し、前記逆量子化調整手段としても機能する第2の演算装置を更に含み、
    前記逆量子化調整手段は、前記逆量子化値に乗じる逆量子化調整値として、前記第2の演算装置の演算に掛かる負荷の大きさが予め定められた大きさ未満の場合、前記第1の精度に対応する係数調整値を前記記憶手段から取得し、前記演算装置の演算に掛かる負荷の大きさが予め定められた大きさ以上の場合、前記第1の精度に対応する係数調整値を前記記憶手段から取得する
    復号装置。
  17. コンピュータを、
    画像を示す画像情報を正規直交系でない直交変換行列を用いて直交変換して得られた直交変換係数を量子化する前段階で、該直交変換係数に乗じることによって該直交変換係数間の前記直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように該直交変換係数が調整される係数調整値について、該直交変換係数の各々に乗じることにより利得が平滑化されることによって該直交変換係数の各々が調整される平滑化調整値、及び前記利得の平滑化の度合いを示す予め定められた精度に基づいて、前記予め定められた精度で表現可能な値の集合から、前記表現可能な値と前記平滑化調整値及び予め定められた値の積との差が最小となる前記表現可能な値を前記係数調整値として帯域毎に算出する算出手段として機能させるための符号化支援プログラムであって、
    前記算出手段は、前記直交変換行列と該直交変換行列の転置行列との積の対角成分の平方根の逆数を前記平滑化調整値として前記帯域毎に算出する平滑化調整値算出手段を有する
    符号化支援プログラム。
  18. コンピュータを、
    請求項4または請求項5に記載の符号化装置の前記調整値量子化手段によって量子化して得られた前記直交変換係数毎の量子化値を逆量子化して得られた逆量子化値の各々を逆直交変換行列を用いて逆直交変換する前段階で、該逆量子化値に乗じることによって逆量子化値間の前記直交変換行列が正規直交系でないことに起因する利得の差が小さくなるように該逆量子化値が調整される逆量子化調整値を、前記平滑化調整値及び前記精度に基づいて、該精度で前記逆量子化値間の前記利得の差が最も小さくなるように帯域毎に算出する逆量子化調整値算出手段として機能させるための復号支援プログラム。
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