JP4241517B2 - 画像符号化装置及び画像復号装置 - Google Patents

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Description

本発明は画像データの符号化、復号技術に関するものである。
静止画像データの国際標準符号化方式であるJPEGでは、離散コサイン変換(DCT)を利用した非可逆符号化方式として、各成分8ビットのカラー画像データと各成分12ビットのカラー画像データの符号化・復号化処理が規定されており、8ビット画像の符号化はベースラインJPEG、8ビットを含む12ビット画像の符号化は拡張JPEGとして区別されている(非特許文献1)。
この非特許文献の付属書BのB.2.2節の表B.2にフレームヘッダパラメータのサイズと値が規定されており、符号化・復号化する画像データのビット数が2番目のパラメータPとして規定されている。シーケンシャルDCTのベースラインは8ビット画像のみに限定され、シーケンシャルDCTの拡張とプログレッシブDCTは8ビットと12ビット画像の符号化・復号化ができるようになっている。画像データ中の符号化したビット数が前記フレームヘッダパラメータに記述され、復号時は該パラメータに基づいて復号処理を行うので、いずれのビット数であっても符号化したビット数と、復号後の画像データのビット数は同じである。
これまでのカラー画像入力機器は、技術的な課題やコスト上の理由から、各8ビット以下の精度でデータを生成しており、JPEG圧縮と言えば、8ビットデータの圧縮を行うベースラインJPEGが一般的であった。
近年、画像入力機器の精度が向上し、デジタルカメラやスキャナなど8ビットを越える精度を有する画像データの生成が手軽にできるようになってきた。これに対応して、12ビットデータの圧縮が可能な拡張JPEGの必要性が増してきている。
拡張JPEGがベースラインJPEGと大きく異なる点は、入力データのビット数が4ビット分増加しており、これにより、色変換部、DCT変換部、量子化部において16倍の値が処理できるようビット数の拡張が図られている。
JPEG符号化・復号化処理を専用回路にて行う符号化・復号化装置においても、当然、12ビットデータの圧縮・伸張が可能な拡張JPEG符号化・復号化部の導入が必須となってくる。
導入する拡張JPEG符号化・復号化部を用いて、従来からあるベースラインJPEG符号を復号処理する場合、JPEG符号のヘッダ中にある量子化テーブル情報を抽出して、該量子化テーブルに基づいて逆量子化処理を行い、その後、逆DCT変換、色変換処理を行うのが一般的である。
以下では、図1にブロック図を示し、復号処理について説明する。
同図において、101は外部から入力されたベースラインJPEG符号、103はヘッダ解析部、105は量子化テーブル格納部、107はハフマン復号部、109は逆量子化部、111は逆DCT変換部、113は色変換部、115は復号化した各成分8ビットのカラー画像データである。
ヘッダ解析部103は、ベースラインJPEG符号101のヘッダ情報を解析して、該ヘッダ中の量子化テーブル情報を抽出し、量子化テーブル情報中の量子化ステップ値を、そのまま量子化テーブル格納部105に格納する。
一方、ベースラインJPEG符号101の中のハフマン符号化されたコードは、ハフマン復号部107にて復号され、復号されたDCT係数の量子化値は逆量子化部109に送られる。
逆量子化部109は、該DCT係数量子化値に前記量子化テーブル格納部105から読み出した量子化ステップ値を乗算して、量子化値をDCT係数に戻して、逆DCT変換部111へ送る。
逆DCT変換部111にてDCT変換係数を実空間データに戻し、該データを色変換部113へ転送する。該色変換部では、例えば輝度と色差信号であるYCbCrから3原色であるRGBへの変換を行う。この色変換は、ITU−R BT.601に準拠した以下の式1が一般的に用いられる。
R=Y+((Cr−k)×1.4020)
G=Y−((Cb−k)×0.3441)−((Cr−k)×0.7139)
B=Y+((Cb−k)×1.7718) …式1
8ビットデータの変換では、k=128という値を用いる。以上の色変換により元の各色8ビットのRGBデータが復元される。
ITU−T勧告書T.81(ISO/IEC 10918−1)
さて、拡張JPEG復号機能を有する装置に着目した場合、ベースラインJPEG符号化データを復号する場合には、12ビット中の上位4ビットを0にし、下位8ビットに実データを格納して演算するだけであるので、処理内容そのものはベースラインJPEGに対応した復号部での処理とまったく同じように機能し、基本的には問題は無い。
しかし、装置自信は12ビットのデータを処理する能力を有するものであるから、上位ビット方向に拡張された復号処理部の有効利用による演算精度の向上という観点から見ると次のような問題がある。
12ビットデータの圧縮・伸張が可能な拡張JPEG符号化・復号化部を用いて8ビットデータの符号化・復号化処理を行っても、従来のベースラインJPEGと同様の処理方法では、12ビット演算のハードウェアが有効に活用されず、演算精度の向上による画質の改善を図ることができない。また、伸張・再圧縮の繰り返しによる画質劣化を抑えることもできない。
本発明は、拡張JPEG符号化及び復号装置の機能を最大限に利用し、精度の高いベースラインJPEG符号化、並びに復号を実行する技術を提供しようとするものである。
この課題を解決するため、例えば本発明の画像復号装置は以下の構成を備える。すなわち、
拡張JPEG符号化データを復号する機能を有する画像復号装置であって、
符号化データがベースラインJPEG符号化データであるか、拡張JPEG符号化データであるかを、前記符号化データのヘッダ情報を解析することで判定する判定手段と、
符号化データを復号する復号手段と、
前記判定手段で符号化データがベースラインJPEG符号化データであると判定した場合、前記復号手段で復号された復号値をD、前記符号化データのヘッダに含まれる量子化テーブル情報の量子化ステップ値をQ、逆量子化データをXとしたとき、
X=D×Q×2n
(nは1以上、4以下の整数)
として逆量子化データXを算出する算出手段と、
該算出手段で得られた逆量子化データXに対し、逆DCT変換する逆DCT変換手段と、
前記判定手段で、入力した符号化データがベースラインJPEG符号化データであると判定した場合、前記逆DCT変換後の画像データを丸め処理して出力し、前記判定手段で入力した符号化データが拡張JPEG符号化データであると判定した場合には、前記逆DCT変換後の画像データを復号結果として出力する出力手段とを備える。
また、本発明の画像符号化装置は以下の構成を備える。すなわち、
複数成分で構成される画像データをJPEG符号化する画像符号化装置であって、
符号化対象の画像データの各成分が12ビットで表現されているか否かを判定する判定手段と、
該判定手段によって各成分が12ビット未満で表現されている画像データであると判定した場合、各成分を2倍(nは1乃至4の整数)してビット数を拡張するビット拡張手段と、
各色成分が12ビットで表現されている画像データ、或いは、前記ビット拡張手段で各成分のビット数が拡張された画像データを入力し、輝度、色差成分に変換する色変換手段と、
該色変換手段で得られた各成分値をDCT変換するDCT変換手段と、
ベースラインJPEG用の量子化テーブル情報、拡張JPEG用の量子化テーブル情報を出力でき、前記判定手段で符号化対象の画像データの各成分が8ビットで表現されていると判定した場合、ベースラインJPEG用の量子化テーブル情報の量子化ステップ値を2倍して出力し、符号化対象の画像データの各成分が12ビットで表現されていると判定した場合、拡張JPEG用の量子化テーブル情報の量子化ステップ値を出力する量子化テーブル出力手段と、
前記DCT変換手段で変換して得られた係数を前記保持手段から出力された量子化ステップ値に基づいて量子化する量子化手段と、
量子化された係数から符号列を生成する符号列生成手段と、
前記判定手段の判定結果を示す情報、及び、使用された量子化テーブル情報をヘッダの所定領域に格納し、前記符号列生成手段で生成された符号列を後続させることでベースラインJPEG符号化データ、或いは、拡張JPEG符号化データを生成する符号化手段とを備える。
本発明によれば、1画素の各成分が8ビットで表わされる画像データについても、拡張JPEG復号、符号装置が有する12ビットのデータ処理能力を有効活用することが可能となり、演算精度を高め、ゆるやかに階調が変化する画像部分で見られるJPEG圧縮による画像劣化、すなわち、擬似輪郭を生じにくくすることが可能となり、画質の向上を図ることができる。また、伸張・再圧縮の繰り返しによる画質の劣化も小さく抑えることができる。
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図2は実施形態におけるベースラインJPEG、拡張JPEGの両方に対して復号する画像復号装置のブロック構成図である。
図中、201は符号化データ入力部であり、入力元がメモリカード等の記憶媒体であればその記憶媒体をアクセスするデバイスであるし、ネットワーク上にある符号化画像データファイルを入力するのであればネットワークインタフェースとなる。すなわち、入力部はその種類を問わない。
203はヘッダ解析部であって、入力する符号データのヘッダのフレーム開始マーカ(SOF0マーカ)を解析することで、入力符号が各色(1画素を構成する各色成分)が8ビットで表わされるカラー画像データの符号化データ(以下、ベースラインJPEG符号化データという)、各色(1画素を構成する各成分)が12ビットのカラー画像データの符号化データ(以下、拡張JPEG符号化データという)であるかを判定して、その結果を出力すると共に、ヘッダ中に格納されている量子化テーブル情報(Qテーブル情報)を抽出する。
205はビットシフト部であって、ヘッダ解析部203から、復号対象データがベースラインJPEG符号化データであることを示す通知を受けると、ヘッダ解析部203から出力される量子化テーブル情報で示される量子化ステップを4ビット左(上位)にシフト(16倍)し、その結果を量子化テーブル格納部207に格納する。なお、拡張JPEG符号化データの場合には、ビットシフト部205はビットシフトせず、入力した量子化テーブル情報をそのまま量子化テーブル格納部207に格納する。
209はハフマン復号化部であって、入力した符号データをハフマン復号する。211は逆量子化部であって、ハフマン復号部209で復号された数値を、量子化テーブル格納部207に格納された量子化ステップを乗算することで、DCT変換係数(DCT変換した結果)に戻す逆量子化部211である。
213は逆DCT(IDCT)部であって、内部的に(小数点以下のビットを含めて)係数を12ビット以上の精度で演算する。
215は色変換部であって、IDCT部213で得られたYCbCrの輝度、色差成分で表わされる画像データをR,G,Bの各色成分で表わされる色空間に変換する。この変換における演算精度は、小数点以下のビットを含め、少なくとも12ビット以上で行われる。
なお、この色変換は、JPEG圧縮が一般的に輝度、色差成分の状態で符号化され、最終的にRGB色空間で用いられることを想定して備えられている機能であるが、装置として、輝度、色差成分のまま出力すれば良いのであれば、特に色変換を実行する必要は無い。その場合には、後述の処理も、輝度、色差成分のまま処理されるであろう。
217は丸め処理部であって、ヘッダ解析部203からの判定結果に基づいて下位所定ビットの丸め処理を行う丸め処理部である。219は、ヘッダ解析部203からの判定結果に基づいて、画像データ221として正規のビット数にするビットシフト部である。なお、拡張JPEG符号化データの場合、丸め処理部217にて小数点以下のビットデータの四捨五入を行い、整数部分である12ビットをそのまま出力し、ビットシフト部219はビットシフトを行わないで、各色(各成分)12ビットの画像データとして出力することになる。
さて、上記の構成において、ヘッダ解析部203が、復号対象の符号化データが拡張JPEG符号化データであると判定した場合、ヘッダに含まれる量子化テーブル情報がそのまま量子化テーブル格納部207に格納され、逆量子化部211、IDCT部213、色変換部215は拡張JPEGデータの復号処理を行う。そして、丸め処理部217では各成分を12ビットに丸め、ビットシフト部219ではビットシフトを行わないで、各色(各成分)成分とも12ビットのデータとして出力する。
なお、色変換部215で行うYCbCr→RGB変換であるが、ITU−R BT.601に準拠した式1を用いる。ただし、8ビットの演算ではk=128であったので、12ビットではその16倍(4ビット上位方向へシフトした値)であるため、k=2048として処理する。
一方、ベースラインJPEG符号化データの場合、実施形態の各処理部は12ビット以上の演算能力を有することを利用し、8ビット→12ビット拡張処理を行い、拡張JPEG符号化データの復号処理と同じ処理を行わせ、高い精度で逆量子化、IDCT、色変換を行う。
このため、ヘッダ解析部203が、入力した符号化データのヘッダのマーカを解析し、ベースラインJPEGデータであると判断した場合、符号化データのヘッダから抽出した量子化テーブルの量子化ステップを16倍(4ビット上位方向にシフト)し、量子化テーブル格納部207に格納する。逆量子化部211は、16倍された量子化ステップを用いて、ハフマン復号部209より得られたデータを逆量子化することになる。この後、IDCT部213、色変換部215は12ビット扱い(k=2048)として処理することになる。
ただし、このままでは、復号結果として12ビットとして出力することになるので、丸め処理部217では、丸め処理で得られた整数部分(12ビット)中の最下位から4ビット(ビット0〜3)の丸め処理を行う。具体的には、4ビットでは0乃至15を表現できるので、その中央値“8”を閾値として、最下位4ビットに着目しそれが“8”未満である場合には下位4ビットを全て0、“8”以上の場合には最下位から5番目のビット(ビット4)に“1”を加算する。ビットシフト部219は、12ビットのデータを右(下位)方向に4ビットだけシフト(1/16倍)することで、正規の8ビットデータを生成することが可能になる。
以上説明したように、本実施形態によれば、拡張JPEG符号化データを復号可能な装置を最大限に活用し、精度良いベースラインJPEG符号化データを復号することが可能になる。
なお、上記実施形態では、8ビットデータを符号化したベースラインJPEG符号を復号処理する場合、ヘッダ中の量子化テーブル情報を16倍してから量子化テーブル格納部207に格納したが、これに限らず、以下に記す2つの処理方法も考えられる。
1.ヘッダ中の量子化テーブル情報をそのまま量子化テーブル格納部207に格納し、該格納部から読み出してから16倍する方法。
2.ヘッダ中の量子化テーブル情報をそのまま量子化テーブル格納部207に格納し、逆量子化部211における乗算までは格納したテーブルをそのまま用い、逆量子化部の出力時点で16倍する方法。
これらは、すべて等価な処理であり、結果的にDCT係数が16倍になれば、どのような処理でもよい。
また上記実施形態では、DCT係数が24=16倍になるようにしたが、23=8倍になるようにしてもよい。DCT係数の値は、符号化時の量子化処理と復号時の逆量子化処理によって誤差を有する。この誤差は量子化ステップに依存し、量子化ステップが大きいほど、誤差も大きくなり得る。そして、DCT係数の値が元の値よりもかなり大きくなることがある。
そのため、逆DCT変換処理において途中の演算結果が想定レンジをオーバーしてしまい、その対策としてレベルがクリップされることがある。このクリップ処理を回避するには、DCT係数を16倍にまで拡張しないで、8倍に拡張するようにすればよい。そうすると、上位1ビットに余裕ができ、前述のクリップ処理を回避することができる。
<第2の実施形態>
上記実施形態(第1の実施形態)は復号装置を説明したが、このビット数を拡張する考え方を符号化装置に適用する例を第2の実施形態として説明する。すなわち、演算精度の向上は、復号処理側だけでなく、符号化処理側でも可能であることを説明する。
図3は第2実施形態である符号化処理のブロック図を表している。
同図において、301は入力されるRGB各色成分が8ビット、或いは12ビットで表わされるカラー画像データを示している。303はビット拡張部であって、制御信号300が各色成分が8ビットで表現されていることを示す場合、各成分値を左(上位)に4ビットシフト(24=16倍)するものである。また、各色成分が12ビットである場合には、シフト処理は行わない。
305は各色成分で表わされるRGB色空間を輝度・色差成分で表わされるYCbCr色空間に変換する色変換部(12ビット以上の演算で行う)、307はDCT部、309は逆量子化部であり、それぞれが少なくとも12ビット以上で演算するものとする。311はハフマン符号化部である。
313は量子化テーブル格納部であって、8ビット用の量子化ステップ値、12ビット用の量子化ステップ値を格納している。
315は制御信号300が各色成分が8ビットで表現されていることを示す場合、量子化テーブル格納部313に格納された8ビット用の量子化ステップ値を4ビットだけ左(上位)にシフト(24=16倍)するものである。また、制御信号300が、各色成分が12ビットであることを示す場合、12ビット用の量子化ステップを用いるので、このシフト処理は行わない。
319は、入力されるカラー画像データが各色8ビットであるか、12ビットであるかを示す制御信号300を出力する解析部である。この解析部319は、入力される画像データがファイルであれば、該ファイルのヘッダを解析するものとする。ただし、入力画像データが外部機器からの入力である場合には、インターフェースの通信を制御する制御ソフトからの情報によって、制御信号300を発生するものとしても構わない。
各色成分(RGB)が12ビットで表わされる場合、ビット拡張部303は入力する画像データをスルーとし、色変換部305、DCT部307は拡張JPEG符号化処理を行うべく、12ビット以上の精度で演算を行う。
ここで行う色変換処理は、ITU−R BT.601に準拠した以下の式2を用いる。Y =0.299×R+0.587×G+0.114×B
Cb=(−0.299×R−0.587×G+0.886×B)×0.564+k
Cr=(0.701×R−0.587×G−0.114×B)×0.713+k …式2
ここで、式2では12ビットデータに対する演算であるため、k=2048という値を用いる。
そして、ビットシフト部315は量子化テーブル格納部313に格納された12ビット用の量子化ステップをスルーにすることで、量子化部309は量子化を行い、ハフマン符号化部311でエントロピー符号化を行い、最終的に符号データを生成する。このとき、生成される符号化データのヘッダには、拡張JPEGであることを示すマーカ、及び、量子化テーブル値を格納する。
一方、ベースラインJPEG符号化を行う場合、入力される画像データは各色成分が8ビットであるので、ビット拡張部303にて12ビット化(4ビット上位方向へシフト)し、色変換部305、DCT部307では12ビットデータとして処理する。この結果、DCT部307から出力されるデータも12ビットになる。
そこで、ビットシフト部315では量子化テーブル格納部313からの量子化ステップ値を4ビット上位方向にシフトした結果を量子化部309に出力する。
量子化部309は、DCT部307より出力された係数値を、ビットシフト部315からの量子化ステップで除算することで量子化を行う。上記の量子化部309の出力結果と、通常の8ビット演算によってDCT変換を行い、8ビット用の量子化ステップ値で除算する場合とを比較すると、両者はほぼ同じ値になるが、若干の相違が発生する。この差は演算精度の向上に起因するものである。
この量子化後の係数は、ハフマン符号化部311にてエントロピー符号化が行われ、符号データとして出力する。このとき、符号データのヘッダには、ベースラインJPEG符号データであることを示すマーカ、及び、ビットシフトする以前の8ビット用の量子化テーブル情報を格納する。
上記実施形態では、量子化テーブル格納部313から読み出した量子化ステップ値を制御信号300に基づいてシフト処理したが、量子化テーブル格納部に格納する量子化ステップ値を制御信号300に基づいてあらかじめ16倍しておいてもよい。この場合、該量子化ステップ値を符号化データのヘッダに組み込む際に1/16倍する必要がある。
本実施形態で符号化処理して得られる符号は、ネットワーク等を通して外部機器へ送ることが可能である。
また、第1実施形態と同様であるが、8ビットの入力を必ずしも12ビット化する必要はなく、10ビット(22=4倍)化、11ビット(23=8倍)化にしても良い。つまり、12ビット演算能力を有する装置では、12ビット以下のデータについて演算可能であることが約束されているので、8ビットのデータをそれより多く、2n倍(nは1乃至4の整数)により12ビット以内にまで拡張して演算するだけで、通常の8ビット演算によるベースラインJPEGのフォーマットを維持した符号化データを生成できるし、復号処理も可能となる。また、8ビット以外の入力データを12ビット化して、演算精度を上げることも可能である。
更に、本発明は、ベースラインJPEGで規定された1画素8ビットや、拡張JPEGで規定された1画素12ビットに限らず、これらと同様の関係を有する他の符号化方式においても応用できるであろう。
従来の復号化装置の構成を示す図である。 実施形態における復号化装置の構成を示す図である。 実施形態における符号化装置の構成を示す図である。

Claims (9)

  1. 拡張JPEG符号化データを復号する機能を有する画像復号装置であって、
    符号化データがベースラインJPEG符号化データであるか、拡張JPEG符号化データであるかを、前記符号化データのヘッダ情報を解析することで判定する判定手段と、
    符号化データを復号する復号手段と、
    前記判定手段で符号化データがベースラインJPEG符号化データであると判定した場合、前記復号手段で復号された復号値をD、前記符号化データのヘッダに含まれる量子化テーブル情報の量子化ステップ値をQ、逆量子化データをXとしたとき、
    X=D×Q×2n
    (nは1以上、4以下の整数)
    として逆量子化データXを算出する算出手段と、
    該算出手段で得られた逆量子化データXに対し、逆DCT変換する逆DCT変換手段と、
    前記判定手段で、入力した符号化データがベースラインJPEG符号化データであると判定した場合、前記逆DCT変換後の画像データを丸め処理して出力し、前記判定手段で入力した符号化データが拡張JPEG符号化データであると判定した場合には、前記逆DCT変換後の画像データを復号結果として出力する出力手段と
    を備えることを特徴とする画像復号装置。
  2. 前記逆DCT変換手段で得られた画像データは、輝度、色差成分であり、更に、前記輝度、色差成分を、カラー画像を構成する各色成分に変換する色変換手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像復号装置。
  3. 前記算出手段は、
    前記判定手段で符号化データがベースラインJPEG符号化データであると判定した場合には、符号化データのヘッダに格納されている量子化テーブル情報の量子化ステップ値Qを2倍した結果を保持し、拡張JPEG符号化データであると判定した場合には、符号化データのヘッダに格納されている量子化テーブル情報の量子化ステップ値Qをそのまま保持する保持手段と、
    前記復号手段で復号された復号値Dに前記保持手段で保持された量子化ステップQを乗算することで逆量子化データを演算する演算手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像復号装置。
  4. 前記算出手段は、
    符号化データのヘッダに格納されている量子化テーブル情報の量子化ステップ値を保持する保持手段と、
    前記復号手段で復号された復号値に前記保持手段で保持された量子化ステップQを乗算する第1の演算手段と、
    前記判定手段で符号化データが拡張JPEG符号化データであると判定した場合には、前記第1の演算手段の演算結果を前記演算手段の演算結果として出力し、ベースラインJPEG符号化データであると判定した場合には、前記第1の演算手段で得られた結果を2倍し、前記演算手段の演算結果として出力する第2の演算手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像復号装置。
  5. 前記算出手段は、
    符号化データのヘッダに格納されている量子化テーブル情報の量子化ステップ値を保持する保持手段と、
    前記判定手段で符号化データが拡張JPEG符号化データであると判定した場合には、前記保持手段に保持されている量子化ステップ値を出力し、ベースラインJPEG符号化データであると判定した場合には、前記保持手段に保持されている量子化ステップ値を2倍して出力する第1の演算手段と、
    該第1の演算手段の出力値を、前記復号手段で復号された復号値に乗算する第2の演算手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像復号装置。
  6. 複数成分で構成される画像データをJPEG符号化する画像符号化装置であって、
    符号化対象の画像データの各成分が12ビットで表現されているか否かを判定する判定手段と、
    該判定手段によって各成分が12ビット未満で表現されている画像データであると判定した場合、各成分を2倍(nは1乃至4の整数)してビット数を拡張するビット拡張手段と、
    各色成分が12ビットで表現されている画像データ、或いは、前記ビット拡張手段で各成分のビット数が拡張された画像データを入力し、輝度、色差成分に変換する色変換手段と、
    該色変換手段で得られた各成分値をDCT変換するDCT変換手段と、
    ベースラインJPEG用の量子化テーブル情報、拡張JPEG用の量子化テーブル情報を出力でき、前記判定手段で符号化対象の画像データの各成分が8ビットで表現されていると判定した場合、ベースラインJPEG用の量子化テーブル情報の量子化ステップ値を2倍して出力し、符号化対象の画像データの各成分が12ビットで表現されていると判定した場合、拡張JPEG用の量子化テーブル情報の量子化ステップ値を出力する量子化テーブル出力手段と、
    前記DCT変換手段で変換して得られた係数を前記保持手段から出力された量子化ステップ値に基づいて量子化する量子化手段と、
    量子化された係数から符号列を生成する符号列生成手段と、
    前記判定手段の判定結果を示す情報、及び、使用された量子化テーブル情報をヘッダの所定領域に格納し、前記符号列生成手段で生成された符号列を後続させることでベースラインJPEG符号化データ、或いは、拡張JPEG符号化データを生成する符号化手段と
    を備えることを特徴とする画像符号化装置。
  7. 前記ビット拡張手段は、各成分を8倍してビット数を拡張することを特徴とする請求項6に記載の画像符号化装置。
  8. 前記ビット拡張手段は、各成分を16倍してビット数を拡張することを特徴とする請求項6に記載の画像符号化装置。
  9. 前記色変換手段は、色変換前の画像データが輝度、色差成分で構成されている場合には、色変換処理を行わないことを特徴とする請求項6に記載の画像符号化装置。
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