以下に、本発明の実施形態に係るランプについて、図面を参照しながら説明する。なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1におけるランプについて、図1〜図11Bを用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1におけるランプ100の構成概要を示す上面図および斜視図であり、図2は、実施の形態1におけるランプ100の分解斜視図である。
なお、図1を含む各図において、ランプ100の構造が分かり易いように、便宜上、ランプ100において半導体発光素子(LED112)が配置された側を上方に向けて図示している。
図1および図2に示すように、本発明の実施の形態1におけるランプ100は、直管形LEDランプであり、複数のLEDモジュール110が並べられた基台115と、透光性を備える外殻部材120とを備える。
LEDモジュール110は、基板114と、基板114上に配置された発光部111とを有する。発光部111は、複数のLED112と、これら複数のLED112を封止する封止部材113とにより構成されている。
LED112としては、例えば青色LEDが採用され、封止部材113としては、例えば、シリコーン樹脂等の透光性材料に所定の蛍光体粒子が分散された材料が採用される。また、この蛍光体粒子としては、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系の黄色蛍光体粒子が採用される。
黄色蛍光体粒子は、LED112からの青色光によって励起されると黄色光を放出する。その結果、当該黄色光とLEDモジュール110からの青色光とによって得られる白色光が発光部111から放出される。
なお、本実施の形態では、基板114と基台115とによって構成される構造物を基体116と呼ぶ。また、この場合、基体116にLED112が配置されていると表現される。
外殻部材120は、本実施の形態ではガラス管である。なお、図1等において、外殻部材120の内部の構造を説明するために、外殻部材120は透明に描かれているが、外殻部材120は透明である必要はない。
例えば、透明である外殻部材120の外面または内面に、拡散膜が形成されていてもよい。これにより、LEDモジュール110が発する光を拡散させることができる。このような拡散膜としては、例えば、外殻部材120の内面にシリカまたは炭酸カルシウム等が塗布されることで形成された拡散膜が例示される。
また、基体116(基板114および基台115)の材料に特に限定はないが、例えば、LED112からの光を透過させる透光性を有する材料(ガラス、または、透光性を有するセラミックスなど)で構成されている。
ここで、LED112からの光が、直接的に基体116に到達した場合、または、上記の拡散膜等を経て、間接的に基体116に到達した場合を想定する。この場合、当該光は、基体116を透過することができ、その結果、外殻部材120の外方まで放出される。つまり、基体116が透光性を有することで、ランプ100は、より広範囲に光を放射することができる。
また、基体116は、保持部材140によって、外殻部材120の内方の所定の位置に保持されている。なお、本実施の形態では、図1の平面図に示すように、3つの保持部材140によって基体116が保持されているが、保持部材140の数は1以上であればよい。
また、本実施の形態では、例えば、LED112が、外殻部材120の長手方向(X軸方向)に垂直な断面の中心付近に位置するように、基体116が保持されている。
保持部材140は、複数の線状部材141を有し、複数の線状部材141のそれぞれが外殻部材120の内面と接触することで、基体116を外殻部材120の内方の所定の位置に保持する。
簡単に言うと、保持部材140は、基体116から外殻部材120の内面の方向に向かう複数の腕(線状部材141)を備えている。
また、複数の線状部材141のそれぞれは、弾性を有し、かつ、基体116から外殻部材120の内面の方向であって互いに異なる方向に延びている。
本実施の形態では、保持部材140は、2つの線状部材141を有し、これら2つの線状部材141は、基体116を挟んで、およそ互いに反対方向に延びており、外殻部材120の内面方向に広がる弾性力によって、言わば突っ張ることで基体116を所定の位置に保持している。
線状部材141はその先端部分が外殻部材120内面に線接触で接触している。線状部材141は外殻部材120内面に対して点接触でもよいが、線接触の方が接触面積が多いため強固に保持できる。
1つの保持部材140は、例えば1本の弾性を有する金属棒または金属板が折り曲げられることで形成されている。保持部材140の形状等の詳細については、図3を用いて後述する。
外殻部材120は、基体116の挿入口である端部開口121が熱により封止されることで形成された封止端部125を有する。
具体的には、外殻部材120には、保持部材140が取り付けられた状態の基体116が端部開口121から挿入される。その後、端部開口121に、例えば軟質ガラスで構成された封止体130が熱により溶着されることで、封止端部125が形成される。これにより、端部開口121が封止され閉塞される。すなわち、端部開口121の周縁と封止体130のフレア部分(端部開口121に対応する形状および大きさの部分)の周縁とを熱溶着している。
このように、外殻部材120の端部開口121が封止されることで、外殻部材120内をほぼ密閉状態にできるので、例えば、長期間に渡り、水あるいは水蒸気などが外殻部材120内に浸入することを防ぐことができ、水分によるLEDモジュール110の劣化等を抑制することができる。
また、例えば、ヘリウムを外殻部材120に封入することが可能である。この場合、LED112で発生する熱についての放熱効率が向上される。
つまり、金属製のヒートシンクのような、光の照射の妨げとなる構成要素を基体116に取り付けることなく、実効的な放熱性が保障される。その結果、例えばLED112の光出力の低下および寿命の短縮化が抑制される。
なお、図2では省略されているが、封止体130のほぼ中央には排気管として機能する1本の細管を備えており、この排気管を介して、外殻部材120の内部の大気と、ヘリウム等のガスとの置き換えが行われ、その後、熱により排気管の先端部が封止され閉塞(チップオフ)される。
また、封止体130を端部開口121に熱溶着する工程では、例えば、バーナー等からの約700℃の熱が数十秒の間、LED112等を有する基体116の方向に放射されることになる。
そこで、本実施の形態のランプ100は、封止端部125と基体116との間に配置された遮熱体135を備える。
遮熱体135は、耐熱性のある物体である。本実施の形態では、遮熱体135は、板状の部材であり、より具体的には、円盤状のセラミックである。
また、本実施の形態では、遮熱体135は、封止端部125から見た場合に、基体116の、封止端部125側の側面を覆うように配置されている。
本実施の形態のランプ100では、この遮熱体135により、上記の熱溶着の工程で発生する放射熱が基体116の方向へ直接向かうのを遮蔽するので、放射熱による基体116への悪影響が抑制される。
なお、遮熱体135は、上記の熱溶着の工程で発生する放射熱に対する耐性を有し、かつ、放射熱の基体116への影響を抑制できれば、その形状および素材に限定はない。
本実施形態では、厚みが1mmの遮熱体135を用いた。厚みが薄いと遮熱効果が無くなっていき、厚みが厚くなると重くなり好ましくない。また、遮熱体135側面と外殻部材120の内面との間隔を約2mmとしている。この間隔を開けすぎると遮熱効果が減少していき、間隔が狭いと、遮熱体135が外殻部材120内面に接触し、挿入時に傷がつきやすくなったり、振動などで衝突したりして、割れの原因となったり、異音の原因となり好ましくない。
また、遮熱体135は、例えば、赤外線反射膜付きガラスで構成されていてもよい。この場合、基体116から見て、遮熱体135の外側にまで、LED112からの光を到達させることができる。つまり、照明光として利用される光束を増加させることができる。
また、封止端部125は、封止体130を用いずに形成されていてもよい。例えば、封止端部125は、加熱軟化状態において金型で挟んで圧潰封止するピンチシール工法により形成されていてもよい。
また、本実施の形態のランプ100は、一対の口金ピン151を有する口金150と、ランプ100を照明器具に取り付けるための取付部材160とを備える。
口金150は、例えば、口金ピン151を介して受け取った交流電力を直流電力に変換する点灯回路(図示せず)を有する。これにより口金150は、口金ピン151と、導電部材152および153を介して、複数のLEDモジュール110に直流電力を供給することができる。
具体的には、図2に示すように、封止体130には、外殻部材120の外部からLED112に電力を供給するための導電部材152を封着するともに貫通させる第一孔132が形成されている。つまり、導電部材152は、気密性が保たれる状態で第一孔132を貫通している。
なお、導電部材152は、第一孔132で封着されている部分を含む一部と、他の部分とが別体で構成されていてもよい。
さらに、本実施の形態では、遮熱体135には導電部材153が貫通する第二孔137が形成されている。なお、導電部材153は、導電部材152と連結され、かつ、複数のLEDモジュール110と電気的に接続されている。つまり、導電部材153は、導電部材152とともに、LED112に電力を供給するための部材として機能する。
このように、本実施の形態のランプ100では、LED112が配置された基体116から延ばされたリード線(導電部材152+導電部材153)が遮熱体135と封止体130とを貫通している。
つまり、この場合、封止体130を貫通しているリード線(導電部材152+導電部材153)が遮熱体135を貫通して基体116に接続されて一体化したマウント体を、端部開口121から外殻部材120の内方に挿入する。
保持部材140の線状部材141は弾性を有している。そのため、この挿入作業の際には、保持部材140は、弾性変形しながら無理なく外殻部材120の内方に挿入され、基体116が所定の位置まで挿入された後は、復元力により、基体116を適切に保持することができる。
例えば、線状部材141を縮めた状態で挿入し、挿入後、復元させて広げることにより所定位置に突っ張った状態で配置させる。その後、封止体130と外殻部材120とが接触した箇所を周状に熱溶着し封止端部125を形成する。外殻部材120外部に位置する導電部材152と口金150の口金ピン151との接続、および口金150の外殻部材120端部への固着等の作業を経てランプ100の製造工程が完了する。
なお、基体116を外殻部材120に挿入する時点で、導電部材152と口金150とが接続されていてもよい。
ここで、外殻部材120の、封止端部125とは反対側の端部、つまり、取付部材160が設置された端部では、導電部材等を外部まで延ばす必要がない。そのため、本実施の形態のように、外殻部材120の気密性を保持する必要がある場合、例えば、当該端部が閉じられた状態で外殻部材120が形成されてもよい。
また、当該端部は、封止端部125と同じく、封止体130によって封止されてもよい。この場合は、封止端部125と同じく、遮熱体135を、当該端部と基体116との間に所定の手段によって固定することで、当該端部に対する加熱時の放射熱の基体116への影響が抑制される。
また、上述のように、当該端部は、導電部材等を外部まで延ばす必要がないため、当該端部の封止に用いられる封止体130には、第一孔132は設けられない。
また、外殻部材120の長さが比較的に短い場合など、口金150と照明器具との結合部分によるランプ100の片持ちが可能な場合、取付部材160はなくてもよい。
取付部材160が取り付けられた端部においても、口金150側と同様に2ピン構成の口金を用いてランプと機能するよう構成してもよい。
図3は、実施の形態1における保持部材140の形状の例を示す図である。
具体的には、図3には、(a)〜(f)の6種類の形状のバリエーションが示されている。また、図3の(a)〜(f)それぞれ、保持部材140の管軸方向(X軸方向)から見た場合の形状を示している。
図3の(a)に示す保持部材140は、図1および図2に示す保持部材140と同じ形状であり、基体116から左右に延びた線状部材141が外殻部材120の内面と接触している。
なお、保持部材140の基体116への取り付け方法に特に限定はなく、例えば、接着剤により取り付けられてもよく、また、保持部材140の一部が基体116に埋め込まれることで保持部材140が基体116に取り付けられてもよい。
また、例えば、図3の(b)に示すように、保持部材140の一部で基体116の端部を挟み込むことで、保持部材140を基体116に取り付けてもよい。これにより、保持部材140を容易かつ確実に基体116に取り付けることができる。
また、この場合、例えば、基体116に、保持部材140の当該一部と係合する溝または切り欠きを設けることで、保持部材140をより確実かつ安定的に基体116に取り付けることができる。
また、保持部材140は、例えば、図3の(c)に示すように、図3の(a)に示す保持部材140の上下を逆にした形状であってもよい。
また、図3の(c)に示すように、保持部材140の一部が、基体116の、LED112が配置された側に取り付けられる場合、例えば、隣接する2つのLEDモジュール110に挟み込むようにして、保持部材140を基体116に取り付けてもよい。これにより、例えば、保持部材140がより確実に基体116に固定される。
また、2つの線状部材141が延ばされる方向は、左右でなくてもよく、例えば、図3の(d)に示すように、上下であってもよい。
この場合、LEDモジュール110の発光部111の直上に、線状部材141が存在することになる。しかし、当該線状部材141を、例えば、可能な範囲で細くすることで、当該線状部材141による遮光量を極小化することができる。
また、複数の線状部材141それぞれの長さまたは形状は均一である必要はなく、例えば、図3の(d)および(e)に示すように、2つの線状部材141それぞれの長さまたは形状が異なっていてもよい。
これにより、2つの線状部材141それぞれの固有振動数を異ならせることができ、その結果、これら2つの線状部材141の共振の発生が抑制される。そのため、例えば、ランプ100の運搬時および照明器具への取り付け時などに、基体が大きく揺れることが防止される。
また、例えば、図3の(f)に示すように、保持部材140は3以上の線状部材141を有してもよい。
図3の(f)に示す保持部材140は、3つの線状部材141を有しており、基体116を中心として、右斜め上、左斜め上、および真下の方向に、それぞれ線状部材141が延びている。
このように、保持部材140が3以上の線状部材141を有することで、例えば、基体116がより安定的にランプ100に配置される。
また、線状部材141の上面視における形状(Z軸方向から見た形状)も直線である必要なく、全体または一部が湾曲または屈曲した形状であってもよい。
図4は、実施の形態1における保持部材140の上面視における形状の例を示す図である。
例えば、図4の(a)に示すように、保持部材140の基体116を横切る部分を蛇行させてもよい。これにより、例えば、保持部材140のY軸周りの回転が規制され、その結果、保持部材140がより安定的に基体116に固定される。
また、図4の(b)に示すように、保持部材140の全体を、その上面視において蛇行するように形成してもよい。これにより、例えば、線状部材141を径方向に縮めやすくなり、その結果、保持部材140が取り付けられた基体116の外殻部材120への挿入がより容易になる。
以上説明した図3および図4に示す複数の保持部材140のいずれも、重力以外の外力を与えない状態(自然状態)では、外径の最大値は、外殻部材120の内径よりも大きく、弾性変形しながら外殻部材120の内方に挿入される。
つまり、各保持部材140は自身が有する復元力により、基体116を、外殻部材120の内方の所定の位置に保持することができる。
なお、図3および図4に示す、保持部材140の形状のバリエーションのそれぞれは、保持部材140として採用し得る形状の例である。すなわち、保持部材140は、図3および図4に示される形状以外の形状であってもよい。
また、線状部材141の長手方向に垂直な断面は、円形または楕円形である必要はなく、長方形等の多角形でもよい。
つまり、1つの保持部材140は、例えば金属板から打ち抜かられる、または、切り出されることで作製されてもよく、線状部材141は、全体として長細い直線形状または曲線形状であればよい。
すなわち、線状部材141として、長手方向に垂直な方向(例えば図3におけるX軸方向)に数ミリ程度の幅を有する弾性体が採用されてもよい。
また、保持部材140は、部分ごとに断面の形状およびサイズが異なっていてもよい。また、保持部材140は、互いに別体である、基体116に取り付けられる部分と、複数の線状部材141とが連結されることで形成されてもよい。
以上説明したように、本実施の形態のランプ100は、簡素な構成であることから、その組み立ても容易である。その結果、例えば複数のランプ100を生産する際に効率よく生産することができる。
また、本実施の形態では、外殻部材120は、その内径が全長において均一であるガラス管である場合について説明した。しかしながら、外殻部材120は、例えば端部開口121の内径が他の部分より小さく形成されていてもよい。
図5は、実施の形態1における、端部開口121の内径を他の部分より小さく形成した場合の外殻部材120の外観を示す斜視図であり、図6は、図5に示す外殻部材120と口金150との関係を示す上面図である。
図5に示すように、端部開口121の内径をD1とし、外殻部材120の、保持部材140の位置における内径をD2とした場合、D1<D2となるように、外殻部材120が形成されている。なお、この場合、D1に応じて、封止体130の外径が決定される。
この場合、長尺状のガラス管である外殻部材120において破損しやすい部分である端部開口121の強度が向上される。そのため、例えば、ランプ100を製造する工程における外殻部材120の破損が防止される。
また、図6に示すように、口金150の外径を、D1に応じた大きさにすること、すなわち、少なくとも口金150の肉厚の厚み分を、端部開口の外径を小さくすれば端部開口に口金を取り付けた場合に、外殻部材120の外周面と口金150の外周面との段差を少なくすることができる。これにより、例えば、ランプの集合容器等、ある一定の空間に複数のランプ100を並列に並べて保管する際に、段差が少ない分、当該空間を有効に利用し、段差を持ったものと比べ、一層多くのランプ100を保管・収納することが可能となる。
図7は、図5に示す外殻部材120に、保持部材140が取り付けられた基体116が挿入される様子を示す斜視図である。
このように端部開口121の内径D1が比較的に小さく形成された場合であっても、ランプ100の組み立ての際には、基体116に取り付けられた保持部材140は、全長が縮まる方向に弾性変形することで端部開口121を通過し外殻部材120内に挿入することができる。
具体的には、保持部材140に対して外側から内側へ向く外力を与えることで、その外径を端部開口121の内径D1より小さくすることができる。その結果、保持部材140は、端部開口121を通過可能な大きさとなり、外殻部材120に挿入することができる。
また、保持部材140は、その後に自然状態に復元し、あるいは後述するように、熱によって変形前の形状に復元し、外径が大きくなるため、このときの復元力により、適切に基体116を所定の位置に保持することができる。
なお、保持部材140の素材としては、弾性を有し、かつ、経年変化し難い金属等が例示される。
また、例えば、保持部材140の少なくとも1つの線状部材141が、形状記憶合金により構成されていてもよい。
図8は、実施の形態1における保持部材140が形状記憶合金により構成されている場合のランプ100の製造工程の一部を示す斜視図である。
例えば、形状記憶合金を加工することで保持部材140が作製された場合を想定する。つまり、2つの線状部材141はいずれも形状記憶合金である。
この場合、保持部材140は、図8に示すように、2つの線状部材141が径方向に縮められ、保持部材140の外径が、端部開口の内径D1よりも小さくされた状態を保ったまま、外殻部材120の内方に挿入される。
これにより、基体116の外殻部材120への挿入時における、保持部材140と外殻部材120の内面との擦れ合いが防止され、傷の発生を防止できる。
特に、図8に示すように、端部開口の内径D1が比較的に小さく形成された場合、外殻部材120の内部の内径D2と、保持部材140との距離が比較的に大きくなるため、当該擦れ合いの防止の確実性が向上される。
また、形状記憶合金は変態点の温度以上まで加熱されると元の形状に戻るため、例えば、LEDモジュール110の発光熱で、保持部材140の外径は自然状態に戻るように大きくなり、その結果、基体は安定的に保持される。
また、端部開口121に封止体130を熱溶着する場合、この熱溶着の際に発生する熱を利用して保持部材140の外径を大きくさせることもできる。
また、LEDモジュール110は、本実施の形態では、複数のLED112と、これら複数のLED112を封止する封止部材113とを有するとした。しかし、LEDモジュール110とは異なる構造のLEDモジュールを、ランプ100の光源として採用してもよい。
図9は、表面実装(SMD:Surface Mount Device)型のLEDを有するLEDモジュール110aの外観を示す斜視図である。
図9に示すLEDモジュール110aは、基板114と、基板114上に配置されたSMD型LED118とを有する。
SMD型LED118は、キャビティ(凹部)を有する樹脂製のパッケージと、キャビティ内に実装されたLEDチップと、LEDチップを封止するようにキャビティ内に封入された蛍光体含有樹脂とで構成されている。
このような構成を有する、SMD型LED118をランプ100の光源として採用した場合であっても、ランプ100は、簡素な構成で多方向の配光特性を実現することができる。
また、複数のLEDモジュール110を1つのLEDモジュールに置き換えてもよい。
図10は、長尺状の1枚の基板114aを備えるLEDモジュール110bの外観を示す斜視図である。
例えば、外殻部材120の全長に近い長さの1枚の基板114aに、複数のLED112と封止部材113とにより構成される発光部111aであって、基板114aの長さに応じた長さの発光部111aを形成する。
このようにして得られたLEDモジュール110bに、本実施の形態における基体116と同じく、1以上の保持部材140を取り付け、外殻部材120に挿入する。すなわち、この場合、基板114aが基体116としても機能する。
つまり、本実施の形態において複数のLEDモジュール110で担っていた発光機能を、1以上の他の形状および大きさのLEDモジュールに置き換えてもよい。また、この場合であっても、ランプ100は、簡素な構成で多方向の配光特性を実現することができる。
また、本実施の形態において、封止体130と遮熱体135とは別体である。しかし、封止体130と遮熱体135とが接合されていてもよい。
図11Aは、実施の形態1における封止体130と遮熱体135とが接合された状態を示す上面図である。
このように、封止体130と遮熱体135とを接合した場合、例えば、外殻部材120の、封止端部125とは反対側の端部の封止に封止体130を用いる場合に、遮熱体135を、当該端部と基体116との間で固定するための手段を別途用いる必要がない。
なお、互いに接合された封止体130および遮熱体135を実現する場合、それぞれ別体として作製された封止体130と遮熱体135とを接着剤等で接合してもよく、また、例えば、封止体130と遮熱体135とを一体成形してもよい。
例えば、封止体130と遮熱体135とをガラスにより一体成形した場合を想定する。この場合、遮熱体135の部分に、例えば、耐熱性が高くかつ赤外線を通し難い塗料を塗布することで、遮熱体135の、放射熱に対する遮断効果を向上させることができる。
また、本実施の形態では、遮熱体135の管軸方向(X軸方向)から見た場合の形状は円である。しかし、遮熱体135の形状は、他の形状であってもよい。
例えば、図11Bに示すように、遮熱体135管軸方向(X軸方向)から見た場合の形状は、8角形等の多角形であってもよい。例えば、遮熱体135の形状の複数の候補の中から、製造が容易な形状を選択すればよい。
(実施の形態2)
以下、実施の形態1における保持部材140および遮熱体135等を、電球形ランプに適用した例について、図12および図13を用いて説明する。
図12は、実施の形態2におけるランプ200の分解斜視図であり、図13は、実施の形態2におけるランプ200の正面図である。
ランプ200は、電球形ランプであり。透光性を有する外殻部材の一例であるグローブ220に口金290が取り付けられた電球である。グローブ220内には、複数のLEDが実装されたLEDモジュール210が収納されている。
また、ランプ200は、2本のリード線252と、点灯回路280とを備え、点灯回路280からリード線252を介して、LEDモジュール210に発光のための電力が供給される。
また、LEDモジュール210には保持部材140が取り付けられており、LEDモジュール210は保持部材140によって、グローブ220の内方の所定の位置に保持されている。
つまり、本実施の形態では、LEDモジュール210の基板が、実施の形態1における基体116と同様の役割を担っている。
また、ランプ200は、封止体230を備える。具体的には、封止体230は、グローブ220の端部開口221に熱により溶着されている。すなわち、端部開口221の周縁と封止体230のフレア部分(端部開口221に対応する形状および大きさの部分)の周縁とを熱溶着している。
さらに、ランプ200は、封止体230が端部開口221に熱溶着されることで形成された封止端部と、LEDモジュール210との間に、遮熱体235を備える。
以下、ランプ200の基本的な構成要素のそれぞれについて説明する。
グローブ220は、可視光に対して透明なシリカガラス製の中空部材である。従って、ユーザは、グローブ220内に収納されたLEDモジュール210を、グローブ220の外側から視認できる。また、ランプ200は、LEDモジュール210で生じた光がグローブ220によって損失することを抑制することができる。さらに、ランプ200は、高い耐熱性を得ることができる。
LEDモジュール210は、上述の本発明の実施の形態1におけるLEDモジュール110と同じ構成を有している。
つまり、このランプ200を例えば天井から下方に向けて吊り下げて設置した場合、LEDモジュール210の下方および全ての側方を含めた広い範囲に白色光が放出される。
また、本実施の形態では、グローブ220の形状は、一般的な白熱電球と同様のA形(JIS C7710)である。
なお、グローブ220の形状は、必ずしもA形である必要はない。例えば、グローブ220の形状は、G形またはE形等であってもよい。また、グローブ220は、シリカガラス製である必要はない。例えば、グローブ220は、アクリル等の樹脂製の部材であってもよい。
また、封止体230の下端は、図12に示すように、端部開口221の形状と一致するようにフレア状に形成されている。そして、フレア状に形成された封止体230の下端は、グローブ220の端部開口221を塞ぐように熱により溶着されている。
また、封止体230は、可視光に対して透明な軟質ガラスから構成される。これにより、ランプ200は、LEDモジュール210で生じた光が封止体230によって損失することを抑制することができる。また、ランプ200は、封止体230によって影が形成されることを防ぐこともできる。また、LEDモジュール210が発した光によって封止体230が光り輝くので、ランプ200は、視覚的に優れた美観を発揮することも可能となる。
また、封止体230内には、2本のリード線252それぞれの一部が封着されている。その結果、グローブ220内の気密性が保たれた状態で、グローブ220内にあるLEDモジュール210にグローブ220外から電力を供給することが可能となる。
従って、ランプ200は、実施の形態1におけるランプ100と同様に、水あるいは水蒸気などのグローブ220の内方への浸入を防止することができ、その結果、LEDモジュール210の劣化等が抑制される。
また、例えばヘリウムをグローブ220に封入することができるため、金属製のヒートシンク等を用いることなく、LEDモジュール210で発生した熱についての放熱効率が向上される。
また、遮熱体235は、図12に示すように、封止体230の上端とLEDモジュール210との間に配置されていてもよく、図13の点線で示すように、封止体230の上下方向の途中に配置されてもよい。
例えば、遮熱体235を、遮熱体235が遮断すべき放射熱の発生源により近い位置に配置することで、遮熱体235による放射熱の遮断効率を向上させることができる。
なお、リード線252は、必ずしも2本である必要はない。例えば、ランプ200は、複数のLEDモジュール210をグローブ220内に備える場合、LEDモジュール210ごとに2本のリード線252を備えてもよい。
また、リード線252にも、LEDモジュール210を保持する役割を担わせてもよい。これにより、ランプ200における、LEDモジュール210に対する保持力を向上させることができる。
また、ランプ200が光源として採用するLEDモジュールの種類について特に限定はなく、例えば、図9に示す、SMD型LED118を有するLEDモジュール110aが、ランプ200の光源として採用されてもよい。
また、ランプ200が備える保持部材140の形状も、図12および図13に示す形状以外であってもよい。例えば、図3に示す各種形状の保持部材140のいずれかが、ランプ200に備えられてもよい。
以上、本発明のランプについて、実施の形態1および2に基づいて説明した。しかしながら、本発明は、これらの説明内容に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態1および2のいずれかに施したもの、あるいは、上記説明された複数の構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、LEDモジュール110および210では、光源として青色LEDチップが採用され、かつ、青色光から白色光への波長変換材として黄色蛍光体粒子が採用されている。しかし、LEDモジュール210と蛍光体粒子の組み合わせは、この組み合わせに限定されない。
例えば、LEDモジュール110および210は、青色光を放出する青色LEDチップと、青色光により励起されて緑色光を放出する緑色蛍光体粒子および赤色光を放出する赤色蛍光体粒子とによって白色光を放出してもよい。
また例えば、LEDモジュール110および210は、青色光よりも短波長である紫外光を放出する紫外LEDチップと、主に紫外光により励起されて青色光、赤色光および緑色光を放出する青色蛍光体粒子、緑色蛍光体粒子および赤色蛍光体粒子とによって白色光を放出してもよい。
また、実施の形態1では、図1に示すように、基台115上に、複数のLEDモジュール110が1列に並べられている。しかし、複数のLEDモジュール110の並べ方はこれに限られず、2列以上に並べてもよく、ジグザグ状に並べてもよい。
また、実施の形態1では、LEDモジュール110は、基台115の厚み方向に垂直な2つの主面のうちの一方の面にのみ配置されている。しかし、当該2つの主面の双方にLEDモジュール110を配置してもよい。
このことは、実施の形態2でも同様であり、例えば、2つのLEDモジュール210の裏面同士を張り合わせたものを、ランプ200の光源として採用することで、ランプ200は、より広範囲な配光特性を得ることもできる。
また、実施の形態1および2におけるLEDモジュール110および210が備える半導体発光素子としてLEDを例示した。しかし、LEDモジュール110および210が備える半導体発光素子は、半導体レーザまたは有機EL(Electro Luminescence)であってもよい。
また、封止体130および230は、必ずしも可視光に対して透明である必要はなく、また軟質ガラス製である必要もない。
また、リード線252等の導電部材は、熱伝導率が高い銅を含む金属線であることが好ましい。これにより、LEDモジュール110または210で生じた熱を、積極的に導電部材を介して、口金150または290に逃がすことができる。
上記各実施形態では、外殻部材120,220としてガラス製のものを用いたが、この場合、生産設備として従来の蛍光ランプや白熱電球の設備を用いることができるため、生産コスト等を低減することができる。
また、封止体130、230を用いて外殻部材120、220封止したが、封止体130、230のような別部材を用いずに、外殻部材120、220の端部開口121,221を、リード線を外部に延出した状態で、このリード線とともに圧潰し封止してもよい。これは外殻部材の端部開口の外径が小さいほど有効である。
また、遮熱体135および235はセラミックで構成されているとした。これにより、例えばランプ100および200の重量を不要に増加させることなく、かつ、高い遮熱効果を得ることができる。
しかし、遮熱体135および235はセラミックで構成されている必要はない。遮熱体135および235を、例えば、多孔質であってかつ赤外線を通し難い素材を用いて作製することで、放射熱に対する効果的な遮断が可能である。
また、遮熱体135または235を備えるランプ100または200において、保持部材140は必須ではない。つまり、保持部材140以外の部材により、基体(LEDモジュールの基板が基体である場合も含む)が保持されている場合であっても、遮熱体135及び235のそれぞれによる遮熱効果は発揮される。