JP5675591B2 - 切り替え可能な特殊効果物質 - Google Patents

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Description

本発明は、選択した化合物により電磁線の吸収度を変化させる方法に関する。同じく本発明は、材料の標識、変色、レーザー溶接、熱管理またはフリーラジカル捕捉剤または光開始剤の提供のためのこれらの化合物の使用、および酸素検出のための使用を包含する。さらに本発明は、材料により電磁線の吸収または透過を調節する方法に関する。同じく、特別に選択した化合物および材料は、本発明の主題の一部をなす。また、選択した化合物を包含するポリマー、コーティング剤またはガラスも、本発明の主題の一部をなす。
本発明のさらなる実施形態は、請求項、明細書および実施例によって推察することができる。上述した本発明の主題の特性および下記の特性は、各ケースで特定された組み合わせのみならず、本発明の適用範囲を外れなければ他の組み合わせにおいても使用することができる。好ましいおよびきわめて好ましくは特に、すべての特性がそれぞれに好ましくおよびきわめて好ましく定義された本発明の実施形態である。
イミド窒素、例えばアミノ(Langhals et al., Chem. Eur. J. 1998, 4, 2110−2116; Mohr et al., Anal. Chem. 2000, 72, 1084−1087)またはアニリノ(Zhang et al., J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 10640−10641)に共有結合したドナーラジカルを包含するペリレンテトラカルボン酸モノおよびジイミドは、光誘起分子間電子移動反応を呈することができ、そのため蛍光を発する傾向がほとんどない。ドナーラジカルのプロトン化またはドナーラジカルの金属イオンとの相互作用は、蛍光の消滅を打ち消すことができる。したがって、かかる化合物は、例えばpHまたは金属イオン感受性蛍光センサーとして提案されてきた(Sauer et al., Angew. Chem. 2003, 115, 1834−1835)。
4−カルバゾ−ル−9−イルブタン−1−スルホン酸をドナーとして用いた場合における、溶液中でのN,N’−ジ(2−ジメチルアミノエチル)−1,6,7,12−テトラクロロペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシミド(アクセプター)への分子間電子移動については、記載されており、静電力により2分子が互いに接近した時にこの移動が行われるとされている(Bonnet et al., Synthetic Metals 156(2006)1292−1298)。
O’Neil et al.(Science 257(1992)63−65)は、フェニル基にポルフィリン置換基を有するN,N’−ジフェニル−3,4,9,10−ペリレンビス(ジカルボキシイミド)を記述している。波長585nmを有するレーザーパルスを吸収後、一過性の吸収が713nmで観察され、さらなる吸収が546nmで観察される。赤外線内での吸収は記述されていない。一過性の吸収の期間は、数100ピコ秒の範囲内である。
以下の特許出願、DE10 2006 011 269 A1号、DE10 2006 011 270 A1号およびDE10 2006 011 271 A1号は、ペリレン染料、ペリレン−3,4:9,10−テトラカルボキシイミドの還元によって得られるフリーラジカルアニオンを開示している。このフリーラジカルアニオンおよびその塩は、他の使用法の中でもとりわけ着色料として使用される。
上記の先行技術の文書はいずれも、分子を電磁線により励起させて電磁線の吸収を持続的かつ制御可能に変化させる方法について開示していない。
電磁線の吸収、例えば材料によるIR線の吸収を調節するため、IR内で吸収する化合物(WO02/077081号)を材料に添加することが多い。要件の応用またはプロファイルによれば、これらの化合物は種々の濃度で材料に添加される。これによりこれらの材料のIRの吸収は恒久的になる。ただし、このIR吸収は一般に切り替え可能ではない。
材料の可視および不可視の標識には、可視光内またはIR内で吸収するまたは蛍光を発する物質が繁用されている(WO98/52950号、WO99/56125号およびWO2007/099059号)。ただし、これらの材料の標識は恒久的であり、マーカーを除去しない限りは簡単にオンオフの切り替えができない。
このため、可視光またはIRの波長域における吸収が恒久的ではなくむしろ切り替え可能である化合物を提供することが、本発明の目的であった。さらに、吸収が調節可能(切り替え可能)であることにより材料のマーカーとして使用できる物質を見出すことが本発明の目的であった。また、材料による電磁線の吸収を調節することのできる簡便な方法を提供することが本発明のもうひとつの目的であった。
本発明の開示内容により明らかなこれらおよびその他の目的は、下記の化合物または下記の化合物を包含する材料により電磁線の吸収を変化させる本発明に係る方法の種々の実施形態により達成される。
このため、本発明は、一般式(I)
Figure 0005675591
または(II)
Figure 0005675591
の1つ以上の化合物により電磁線の吸収を変化させる方法を提供するものであって、これらの化合物に波長300〜750nmの電磁線を照射する。記号および添字はそれぞれ下に示す通りである。
1、R2は同じであるか異なっており、それぞれ独立してアミノ、C1−C8−アルキルアミノ、C1−C8−ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、N−ヘテロシクリル、トリアリールアミニル、ヒドロキシル、C1−C8−アルコキシ、アリールオキシであり、
3、R4は同じであるか異なっており、それぞれ独立して単結合、C1−C8−アルキレン、C3−C6−シクロアルキレン、アリーレン、C8−C14−フェニルアルキレンであり、
Xは同じであるか異なっており、それぞれ独立してC1−C20−アルコキシ、C1−C20−アルキルチオ、アリールオキシ、アリールチオ、ハロゲン、シアノ、CO2R、SO3R、SO2Rまたは基
Figure 0005675591
[式中、
AはS、SO2
rは2、3、4、5、6、
8はC1−C20−アルキル、C1−C20−アルコキシ]であり、
m=1であれば、異なるXが一緒になってチオ基であってよく、
Rは同じであるか異なっており、それぞれ独立してH、C1−C8−アルキル、アリールであり、
n、pは0、1、2、3または4であり、
mは0、1、2または3であり、
qは0、1または2であって、
置換基R、R1、R2、R3またはR4それぞれ、場合により水素で飽和された1個以上のヘテロ原子により任意の位置で中断されてよく、これらのヘテロ原子の数は4以下、好ましくは3以下、さらに好ましくは2以下、特に1以下であるおよび/または任意の位置でそれぞれNR56、CONR56、COOM、COOR5、SO3M、SO35
[式中、
5、R6は同じであるか異なっており、それぞれ独立してH、C1−C8−アルキル、アリール、
MはH、アルカリ金属、NR7 4
7は独立してH、C1−C8−アルキル]
CN、NO2、C1−C20−アルキル、C1−C20−アルコキシ、アリール、アリロキシ、複素環、ヘテロ原子またはハロゲンによって5回以下、好ましくは4回以下、さらに好ましくは3回以下置換されてよく、前述の基によりこれらが同様に2回以下、好ましくは1回以下置換されてよい。
本明細書では、Ca−Cbという表現は、特定の数の炭素原子を有する化合物または置換基を指す。炭素原子の数は、a〜bの、aおよびbを含む全範囲から選択することができる;aは少なくとも1であり、bは常にaよりも多い。さらにこの化合物または置換基はCa−Cb−Vの表現によって規定される。ここでVは、例えばアルキル化合物またはアルキル置換基などの化合物のクラスまたは置換基のクラスを示す。
本明細書では、赤外放射線(略してIR放射線)は、可視光と長波長マイクロ波との間のスペクトル域の電磁波を指す。これは、波長域約780nm〜1mmまでに相当する。短波IR放射線(760nm〜)は近赤外線(NIR)、波長約5〜25μmの放射線は中赤外線(MIR)と呼ばれることが多い。超長波IR放射線(25μm〜1mm)は、遠赤外線(FIR)と呼ばれる。赤外放射線は熱放射線の一部をなす。
本明細書では、可視光は約380〜780nmのスペクトル域の電磁波を指す。
本明細書では、IR放射線の波長域の電磁線を吸収する物質は、IR吸収体とも呼ぶ。IR吸収体は好ましくは760〜2000nm、きわめて好ましくは780〜1500nmの波長域で吸収し、IR放射線の吸光係数は少なくとも100l/(cm×モル)である。IR放射線の吸光係数は、好ましくは1000l/(cm×モル)以上、きわめて好ましくは104l(cm×モル)以上である。
本明細書では、可視光を吸収する物質は着色物質とも呼ばれる。着色物質は好ましくは可視光の吸光係数を、少なくとも100l/(cm×モル)有する。可視光の吸光係数は、好ましくは1000l/(cm×モル)以上、きわめて好ましくは104l(cm×モル)以上である。
ハロゲンは、フルオリン、クロリン、ブロミンまたはヨードであり、好ましくはフルオリン、クロリンまたはブロミンであり、より好ましくはクロリンまたはブロミンである。
具体的には、種々の置換基を特定する総称を、以下の通り規定する。
1−C20−アルキル:20個までの炭素原子を有する直鎖または分枝鎖炭化水素基、例えばC1−C10−アルキルまたはC11−C20−アルキル、好ましくはC1−C8−アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピルなどのC1−C3−アルキルまたは、C4−C6−アルキル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、2−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピルまたは、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2,4,4−トリメチルペンチル、1,1,3,3−テトラメチルブチルなどのC7−C8−アルキル。
アリール:例えばフェニル、ナフチルまたはアントラセニルなどの6〜14個の環員炭素原子を包含する単環式から三環式芳香族、好ましくは単環式からニ環式、より好ましくは単環式芳香族。
アリールオキシは、酸素原子(−O−)を介して結合した単環から三環式芳香族(上に規定した通り)、好ましくは単環式からニ環式、より好ましくは単環式芳香族である。
アリールチオは、硫黄原子(−S−)を介して結合した単環から三環式芳香族(上に規定した通り)、好ましくは単環式からニ環式、より好ましくは単環式芳香族である。
1−C8−アルキレン:1〜8個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖炭化水素基、例えばC1−C6−アルキレン、特にメチレン、ジメチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレンまたはヘキサメチレン。
8−C14−フェニルアルキレン:8〜14個の炭素原子を有し、アルキレン鎖がフェニレン基で中断されるか、フェニレン末端基を包含する直鎖または分枝鎖炭化水素基、好ましくはC9−C10−フェニルアルキレン。
複素環:酸素、窒素および/または硫黄原子、場合によりフリル、チオフェニル、ピリル、ピリジル、インドリル、ベンゾキサゾリル、ジオキソリル、ジオキシル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ジメチルピリジル、メチルキノリル、ジメチルピリル、メトキシフリル、ジメトキシピリジル、ジフルオロピリジル、メチルチオフェニル、イソプロピルチオフェニルまたはtert−ブチルチオフェニルなどの複数の環を包含する5〜12員環、好ましくは5〜9員環、より好ましくは5〜6員環。
N−ヘテロシクリル:窒素原子を介して結合した複素環、好ましくはピロリジノ、ピペリジノ、N’−アルキルピペラジニル、モルフォリノ、ピロリル、インドリル、カルバゾリル、フェノチアジニル、きわめて好ましくはピロリジノ、ピペリジノ、モルフォリノ、カルバゾリル。
1−C20−アルコキシは、酸素原子(−O−)を介して結合した1〜20個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基(上に規定した通り)、例えばC1−C10−アルコキシまたはC11−C20−アルコキシ、好ましくはC1−C8−アルキルオキシ、特に好ましくはC1−C3−アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシである。
1−C20−アルキルチオは、硫黄原子(−S−)を介して結合した1〜20個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基(上に規定した通り)、例えばC1−C10−アルキルチオまたはC11−C20−アルキルチオ、好ましくはC1−C8−アルキルチオ、特に好ましくはC1−C3−アルキルチオである。
ヘテロ原子は好ましくは酸素、窒素、硫黄またはリンである。
トリアリールアミニルは好ましくはN,N−ジアリールアニリン−4−イルである。
1−C8−ジアルキルアミノは、2個のアルキル置換基を有するアミノ基であって、各アルキル置換基は他方のアルキル置換基と関係なく1〜8個の炭素原子を有してよい。この2個のアルキル置換基は好ましくは同じである。
本発明に係る方法の実行のため、同様に当然ながら一般式(I)の化合物の混合物または一般式(II)の化合物の混合物または一般式(I)および(II)の化合物のその他の混合物を使用することができる。
一般式(I)または(II)の記号は好ましくはそれぞれ以下の通り規定される。
1、R2は同じであるか異なっており、それぞれ独立してアミノ、C1−C8−アルキルアミノ、C1−C8−ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、N,N−ジアリールアニリン−4−イル、カルバゾリルであり、
3、R4は同じであるか異なっており、それぞれ独立して単結合、C1−C8−アルキレンであり、
Xは同じであるか異なっており、それぞれ独立してC1−C20−アルコキシ、アリールオキシ、ハロゲン、シアノ、SO2Rまたは基
Figure 0005675591
[式中、
AはS、SO2
rは2、3、4、5、6、
8はC1−C20−アルキル、C1−C20−アルコキシ]
mは1または2であって、
置換基R1、R2、R3およびR4はそれぞれ、任意の位置で上述の通り置換されるか、ヘテロ原子で中断されてよく、その他のすべての記号および添字はそれぞれ最初に規定した通りである。置換基R1およびR2はここではより好ましくはC1−C20−アルキルまたはC1−C20−アルコキシ基で置換される。
より好ましくは、一般式(I)または(II)の記号はそれぞれ以下の通り規定される。
1、R2は、いずれもアミノ、C1−C8−アルキルアミノ、C1−C8−ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、N,N−ジアリールアニリン−4−イル、カルバゾリルであり、
3、R4は同じであるか異なっており、それぞれ独立してC1−C8−アルキレンであり、
Xは同じであるか異なっており、それぞれ独立してハロゲン、シアノ、アルコキシまたは基
Figure 0005675591
[式中、
AはS、SO2
rは2、3、4、5、6、
8はC1−C20−アルキル、C1−C20−アルコキシ]
n、pは0、1または2、
mは1または2であって、
置換基R1、R2、R3およびR4はそれぞれ、任意の位置で上述の通り置換されるか、ヘテロ原子で中断されてよく、その他のすべての記号および添字はそれぞれ最初に規定した通りである。置換基R1およびR2はここではより好ましくはC1−C20−アルキルまたはC1−C20−アルコキシ基で置換される。
一般式(I)または(II)の化合物を製造する一般的な方法は当業者に既知であり、例えばF. Wuerthner, Chem. Commun. 2004, p. 1564−1579に記載がある。例えば、一般式(I)または(II)の化合物は、ペリレンビス(無水ジカルボン酸)またはペリレンイミド−無水ジカルボン酸とアミンを一般的に80〜160℃の溶媒中で反応させて、例えばアリールアミンと反応させる場合はルイス酸、例えば酢酸亜鉛を添加することにより得ることができる。
本発明によれば、一般式(I)または(II)の化合物の照射による電磁線の吸収の変化を、波長300〜750nmの電磁線によって実施する。好ましくは波長域400〜700nmで照射する。この吸収の変化は、照射により、例えば一般式(I)または(II)の化合物のフリーラジカルアニオンなど化合物が変化することが考えうる原因のひとつである。上述の照射により、一般式(I)または(II)の化合物から変化したこれらの化合物は、本明細書では「照射により変化した化合物」または「電磁線の吸収が変化した化合物」と呼ばれる。
照射は例えば白色光源、好ましくは太陽放射線または同様に好ましくはキセノンランプを用いて実施する。同様に、照射は狭帯域電磁線、好ましくはレーザーまたはレーザーダイオードを用いて実施することができる。
一般式(I)または(II)の化合物またはこれらの化合物と接触させる材料は、例えば最終用途に応じて、一回照射するか、間隔をおいて反復的に、または持続的に照射することができる。照射時間は、持続的照射を実施しない限り、典型的には数ミリ秒〜数時間までの範囲で実施する。多くは数秒〜1時間までの範囲の照射時間を使用する。照射強度はそれほど重要でないことが多い。ただ、照射時間および強度が特別な用途に十分なだけ吸収を変化させることが保証されなければならないだけである。照射強度が高いだけ、一般にはこの目的のために必要な照射時間が短縮される。ただし、照射強度が高すぎれば、一般式(I)または(II)の化合物の破壊につながる。当業者は、特定の化合物に対して好適な照射強度および時間を決定するためにルーチン検査を使用することができる。
本発明に係る方法による電磁線の吸収の変化は、照射により、化合物が照射前には存在しなかった電磁スペクトル域内での電磁線の吸収帯を有するように変化することを意味する。これらの吸収属性の変化は、好ましくは可視変色をもたらす。本発明に係る方法は、好ましくは照射により変化した化合物が、照射前の一般式(I)または(II)の化合物よりも長い波長の電磁線を吸収することができることが意味するように、吸収スペクトルを深色移動させる。例えば、これにより好ましくはこれらの化合物が視覚により感知できる色の変化を呈し、より具体的には無色から着色の印象へと変化する。また、好ましくは照射が、照射により変化した化合物がIR吸収体となることが意味するように、それまでには存在しなかったIR域での吸収をもたらす。
一般に、一般式(I)または(II)の化合物は、一回の照射後に、分子構造および/または環境の作用に応じて、照射後数ミリ秒〜数日の期間、電磁線の吸収の変化を呈する。吸収の変化は好ましくは数秒〜数時間までの範囲の期間、維持される。
照射による吸収の変化は、一般的には上述のように再び消失することがあるが、数時間〜数日間の期間、維持されることが多い。
酸素含有ガス、特に空気の除去により、電磁線の吸収で生じた変化の持続時間が延長される。逆に、この作用を用いて酸素の存在を検出することができる。すなわち、照射により一般式(I)または(II)の化合物を酸素プローブまたは指標として使用することができる。酸素の存在下で、吸収で生じる変化の持続時間は著明に短縮することが多い。この持続時間の短縮を測定することにより、酸素の含量を測定することができる。このため、本発明はさらに、照射終了時の一般式(I)または(II)の化合物を酸素検出に使用する方法も提供する。
また、一般式(I)または(II)の化合物を、本発明の照射後にフリーラジカル捕捉剤として、フリーラジカル捕捉剤を照射によって制御された方法で切り替え可能に使用するという利点とともに、使用方法が見出される。
また、一般式(I)または(II)の化合物を、本発明の照射後に、例えば重合反応のために光開始剤として使用方法が見出される。
上述の本発明に係る方法は、一般式(I)または(II)の化合物の照射によって電磁線に関する吸収特性が変化する化合物を得るのが有用とされるあらゆる分野の産業において、その使用法が見出される。特性の変化はスイッチとして利用できることが多い。一般式(I)または(II)の化合物と接触させた材料は、この特性の変化の結果として、同様に新しい属性をもつに至ることが多い。材料と接触させる、より具体的には材料に添加する一般式(I)または(II)の化合物の量は、その特定の用途の内容によって左右され、広範囲にわたることがある。
好ましい実施形態において、一般式(I)または(II)の化合物は溶媒中に溶解し、好ましくはIR吸収体として使用するか、変色をもたらすために照射する。好適な溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、NMP、DMF、ジメチルアセトアミド、ピリジン、ジクロロメタン、テトラヒドロフランおよび酢酸エチルなどの有機溶媒が挙げられる。好ましくは、NMP、ピリジン、DMFまたはジメチルアセトアミドである。溶媒の混合物を使用することも可能であることは理解されるはずである。
本発明に係る一般式(I)および(II)の化合物のIR吸収体を使用できる期間または変色の提供期間は、分子の特定の構造によって、および該当すればその化合物を接触させる材料の種類によって異なる。使用できる期間は、一般に照射終了後から数ミリ秒〜数時間の範囲内であり、使用できる期間は数秒〜数時間の範囲であることが多い。
一般式(I)および(II)の化合物またはこれらの化合物を接触させる材料を持続的または間隔を置いて反復的に照射する場合は、IR吸収体としての持続的な使用または変色の持続的な提供を実現することができる。
さらに本発明は、ある材料による電磁線の吸収を制御する、特に切り替え可能に制御する方法を提供し、この方法では、一般式(I)または(II)の1つ以上の化合物をこの材料と接触させ、これらの化合物に波長300〜750nmの電磁線を照射する。好ましくは、一般式(I)または(II)の化合物を材料に添加する。すなわち、これらの化合物が材料中に存在し、特に均質に分布する。同様に、一般式(I)または(II)の化合物は好ましくは材料の表面に主として存在し、例えば一般式(I)または(II)の化合物を包含する層の形態、より具体的にはコーティング層の形態で存在する。
一般式(I)または(II)の化合物の量は、照射する材料の表面積に対して一般に0.001〜6.0g/m2である。好ましくは、0.03〜3.0g/m2、より好ましくは0.05〜2.5g/m2、特に0.09〜1.0g/m2を使用する。
化合物は、材料の質量に対して一般に0.02ppm〜10000ppmの量で使用する。化合物は好ましくは1ppm〜5000ppm、好ましくは2ppm〜3000ppm、特に5ppm〜2000ppmの量で使用する。
本発明に係る方法において、材料は好ましくは窓、例えばガラスウインドウまたはプラスチック窓である。本発明に係る方法は、例えば建築物、自動車、航空機または他の機械などのあらゆるタイプの窓に応用することができる。
本発明に係る方法を用いて、好ましくはIR波長域での材料による電磁線の吸収を調節する。
一般的に、材料によるIRの吸収を調節するための本発明に係る方法によれば、入射IR放射線の少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、特に少なくとも50%が吸収される。特定の実施形態においては、入射IR放射線の80%以上、より具体的には90%以上が吸収される。
IRの吸収を調節するための本発明に係る方法の特定の実施形態において、一般式(I)または(II)の化合物は窓の表面に存在する。一般式(I)または(II)の化合物を上述のように太陽放射線で照射すると、窓の表面でIRの吸収が調節される。
さらにIRの吸収を調節するための本発明に係る方法の特定の実施形態において、一般式(I)または(II)の化合物は、窓材料に組み込まれて存在する。一般式(I)または(II)の化合物を上述のように太陽放射線で照射すると、窓によるIRの吸収が調節される。
また、好ましくは本発明に係る方法を用いて、材料による電磁線の吸収が可視光の波長域で調節される。
可視光の吸収を調節するための本発明に係る方法の特定の実施形態において、一般式(I)または(II)の化合物は窓の表面に存在する。一般式(I)または(II)の化合物を上述のように太陽放射線で照射すると、窓の表面で可視光の吸収が調節される。より具体的には、これにより窓に薄い色がつく。
可視光の吸収を調節するための本発明に係る方法のさらに特定の実施形態において、一般式(I)または(II)の化合物は、窓材料内に組み込まれて存在する。一般式(I)または(II)の化合物を上述のように太陽放射線で照射すると、窓による可視光の吸収が調節される。より具体的には、これにより窓に薄い色がつく。
さらに、本発明は、好ましくはIRまたは可視光の波長域において材料、特に窓による電磁線の透過を調節する方法を提供し、この材料を一般式(I)または(II)の化合物と接触させる。上述の照射後、これらの化合物は、特にIR放射線または可視光の吸収体として働き、従って特定の放射線の材料による透過を抑制する。
より具体的には、太陽放射線中の赤外線の窓を介する透過を調節することができるため、窓の後ろの部屋の太陽放射線による加熱を遅延させるか、抑制することができる(熱管理)。
また、本発明に係る方法または照射によって変化する化合物は、したがって熱管理または断熱に使用することができる。
したがって、本発明は熱管理または断熱のための方法を提供し、この方法では材料を最初に一般式(I)または(II)の化合物と接触させる。材料によるIRの吸収を変化させ、それによって熱管理を行うため、本発明に係る上述の方法によってIRの吸収量を増加させる。
一般式(I)または(II)の化合物は好ましくは、窓、特に窓ガラスと接触して存在する。本発明に係る方法では、窓を介したIRの透過が調節されるため、窓の後ろの部屋の熱管理が可能になる。この文脈において、窓とは、建築物の窓であってよいのは当然ながら、自動車、航空機または運転室の機械の窓であっても当然ながらよい。
また、太陽放射線中の可視光の窓による透過を、好ましくは調節することができるのがよく、これにより窓の後ろの部屋の明るさを太陽光の入射時に調節することができる(明るさの管理)。
また、したがって本発明の化合物は、上述の熱管理に用いるのと同様の方法で明るさの管理に使用することができる。
さらに本発明は、材料を標識するための本発明に係る方法の利用を提供する。好ましくは、本発明に係る方法を、紙、鉱油、プラスチックまたは金属の表面の標識検出に使用することである。特に好ましくは、一般式(I)または(II)の化合物を鉱油または紙のマーカーとして使用することである。きわめて好ましくは紙を標識するための使用、より具体的には文書、証券または紙幣の偽造防止対策としての使用である。
鉱油のマーカーとしての使用の利点のひとつは、鉱油はそれ自体、化合物(I)または(II)の照射後に変化した吸収スペクトル域において、全く放射線を吸収しないことが多いため、超微量のマーカーでも検出が可能な優れたシグナルノイズ比を得ることができることである。これは、本発明に係る方法を用いて得られたIR域での吸収の変化に関して特に言えることである。
一般式(I)または(II)の化合物はそれ自体可視光を吸収し、したがって特に紙およびプラスチックなどの材料の染色に使用することもできることが多い。照射によって変化した化合物の吸収スペクトルがIR域へと深色移動する条件下で、本発明に係る方法によりこの染色を抑制するか除去することができる。
さらに本発明は、材料を標識するための方法を提供し、この方法では材料を一般式(I)または(II)の化合物と接触させる。この標識を検出するためには、本発明に係る上述の方法により、材料内での吸収を変化させて、その変化を検出する。検出は一般には視覚(裸眼)または(吸収)分光計を用いて行う。
本発明による紙の標識は、例えば、一般式(I)および/または(II)の化合物を、標識する紙の表面に、一般式(I)または(II)の化合物を包含する溶液を例えば噴霧、含浸または滴下することにより塗布して実施する。より具体的には、一般式(I)および(II)の化合物を、印刷用インクとの混合物として紙に塗布することができる。一般式(I)および(II)の化合物の量は、使用によって多岐にわたる。好ましくは、印刷用インクの量に対して一般式(I)または(II)の化合物を10質量%未満、きわめて好ましくは5質量%未満使用する。標識は例えば変色によって視覚で、または(吸収)分光計を用いて検出できる。
鉱油は、一般式(I)または(II)の化合物を、標識する鉱油に添加することによって、本発明に従って標識する。一般式(I)および(II)の化合物の量は、使用によって多岐にわたる。好ましくは、使用する鉱油の量に対して一般式(I)または(II)の化合物を5ppm未満、きわめて好ましくは1ppm未満使用する。標識検出は、例えば(吸収)分光計を用いて行うことができる。
また、本発明に係る方法は、レーザー溶接に使用することができる。
したがって本発明はさらに材料のレーザー溶接の方法を提供し、この方法では材料を最初に一般式(I)または(II)の化合物と接触させる。溶接では、本発明に係る上述の方法によって材料中のIRの吸収量を増加させる。
材料、特にプラスチックの溶接は、レーザー感受性IR吸収体を添加してプラスチック材料の中または上へレーザーエネルギーを吸収させ、レーザーエネルギーを吸収させることによって材料を局所的に加熱することにより実施する。例えば二つの材料のレーザー溶接では、溶接する材料の接合部にレーザーエネルギーを吸収させることによって著明な加熱が発生し、材料が溶解して二つの材料が互いに融合する。片方の材料だけがレーザー感受性IR吸収体を材料中または表面の層に包含するだけで十分であることが多い。レーザー溶接性は、材料、特にプラスチックの性状および使用するレーザーの波長および放射パワーによって異なる。例えば、CO2レーザー、エキシマーレーザーまたはNd:YAGレーザーは、本発明に係る方法を用いたレーザー溶接に有用である。
一般に、一般式(I)および(II)の化合物の全含量は、溶接する材料に対して0.0001〜1質量%である。含量は好ましくは0.001〜0.1質量%である。より具体的には、0.001〜0.1質量%で十分なプラスチックの溶接性が得られる。
一般式(I)および(II)の化合物は、例えば押出成形などの当業者に既知の方法を用いて、事実上すべてのプラスチックに組み込むことができ、特にそれらにレーザー溶接性を付与することができる。典型的なプラスチック材料は、そのプラスチック母材がポリ(メタ)アクリレート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオレフィン、スチレンポリマーおよびスチレンコポリマー、ポリカーボネート、シリコン、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリケトン、ポリエーテルケトン、PEEK、硫化ポリフェニレン、ポリエステル(PET、PEN、PBTなど)、酸化ポリエチレン、ポリウレタン、ポリオレフィン、シクロオレフィンコポリマーまたはフッ素化ポリマー(PVDF、EFEP、PTFEなど)を主原料にしたものである。同様に、上述のプラスチックを構成要素として含む混合物、またはこれらの分類から派生し、その後の反応で変化したポリマーに組み込むことも可能である。これらの材料は多岐にわたるものが既知であり、市販されている。
さらに、本発明は、最初に記述した一般式(I)の新しい特定の化合物を提供する。
[式中、
1、R2は同じであるか異なっており、それぞれ独立してC1−C8−アルキルアミノ、C1−C8−ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、トリアリールアミニル、カルバゾリル
3、R4は同じであるか異なっており、それぞれ独立してC1−C8−アルキレン、アリーレンであり、
Xは同じであるか異なっており、それぞれ独立してハロゲン、シアノまたは基
Figure 0005675591
[式中、
AはS、SO2
rは2、3、4、5、6、
8はC1−C20−アルキル、C1−C20−アルコキシ]
n、pは0、1または2、
mは0または1]であって、
置換基R1、R2はそれぞれ、C1−C20−アルキル、C1−C20−アルコキシによって任意の位置でしかし5回以下に限って置換されてよく、およびこれらの化合物を波長300〜750nmの電磁線で照射することにより得られ、照射により変化した化合物。
好ましくは、最初に記述した一般式(I)の特定の化合物である。
[式中、
1、R2は同じであるか異なっており、それぞれ独立して−N(CH32
Figure 0005675591
であり、
3、R4は同じであるか異なっており、それぞれ独立して−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2
Figure 0005675591
であり、
Xは同じであるか異なっており、それぞれ独立してハロゲン、シアノまたは基
Figure 0005675591
[式中、
AはS、SO2
rは2、3、4、5、6、
8はC1−C20−アルキル、C1−C20−アルコキシ]
n、pは0、1または2、
mは0または1、
R’はH、C6−C8−アルキル、C6−C8−アルコキシ]であって、
」は化学結合の結合部位およびこれらの化合物を波長300〜750nmの電磁線で照射することにより得られ、照射により変化した化合物を示す。R’は好ましくは、Hまたは
Figure 0005675591
である。
きわめて好ましくは、置換基R1=R2およびR3=R4およびすべての置換基Xは、互いに同じである。
きわめて特に好ましい最初に記述した一般式(I)の本発明による新しい特定の化合物は、これを製造するための新しい本発明による中間体とともに実施例に特定する。
さらに本発明は、一般式(I)および(II)の化合物の製造における使用法を見出すことのできる一般式(III)、(IV)および(V)の新しい中間体を提供する。
Figure 0005675591
[式中、
10はC1−C20−アルキル、C1−C20−アルコキシ、
11は−(CH2r−OH、
Figure 0005675591
−(CH2r−NH2、−(CH2r−COOR22、−(CH2r−NH3 +-、−(CH2r−SH、
[式中、
rは2、3、4、5または6であり、
は負の1価に帯電した対イオンと等価のアニオン、例えばCl-、Br-、1/2SO4 2-、好ましくはハロゲン化物であり、
22はC1−C20−アルキル、好ましくはメチルまたはエチルである]。
Figure 0005675591
[式中、
20はC1−C20−アルキル、C1−C20−アルコキシ、
21はH、−(CH2r−OH、
Figure 0005675591
、−(CH2r−NH2、−(CH2r−NH3 +-、−(CH2r−SH、
[式中、
rは2、3、4、5または6であり、
Y−は負の1価に帯電した対イオンと等価のアニオン、例えばCl-、Br-、1/2SO4 2-、好ましくはハロゲン化物である]、
Xは2H、Sである]。
Figure 0005675591
[式中、
30はC1−C20−アルキル、C1−C20−アルコキシ、
31はH、CHO、CH2CN、CH=CH−CN、CH=CH−COOR32、(CH2r−NH2、(CH2r−COOR32、NH2、NO2、ハロゲン、(CH2r−SH、(CH2r−NHCO−t−Bu、
[式中、rは2、3、4、5または6である]
Xは単結合、2H、S、
32はC1−C20−アルキル、
30はC1−C4−アルキルまたはC1−C4−アルコキシではなく、同時にR31はHまたはCHOではなく、同時にXは2Hではないことを条件とする]。
上記の式において、2Hはそれぞれ個別に式(IV)または(V)の2個の環に結合した、2個の個別の水素原子を意味する。
さらに本発明は、上述の新しい特定の一般式(I)の化合物と接触する、例えばガラス、プラスチック、布または金属などの材料、および特にそれらを包含する材料を提供する。
一般式(I)および(II)の化合物を接触させる、特に組み込むには、その特定の材料において当業者に既知の他の添加剤と材料を接触させる方法を用いることができる。紙の場合、これらは例えば染料を用いたバルク染色または印刷用インクの塗布である。プラスチックの場合、プラスチックのコーティング方法またはプラスチックのバルク染色方法を、例えば押出成形機を用いて使用することができる。ここでは、スピンコーティング法または物質を材料の上に蒸着させる方法も用いることができる。
また、一般式(I)および(II)の化合物を最初に溶媒に溶解し、その溶液を材料と接触させた後に、例えば乾燥プロセスによって溶媒を除去することが可能である。
このため、本発明はさらに、一般式(I)または(II)の化合物を包含するポリマー、コーティング剤またはガラスを提供する。
本発明では、IRまたは可視光のスペクトル域での所望の吸収が恒久的ではなく、切り替え可能である応用例に、化合物を使用することができる。また、本発明は、材料の信頼に足る標識方法を提供する。同様に、本発明は、材料による電磁線の吸収を調節することのできる簡便な方法を提供する。
以下の実施例は、本発明の説明を目的としたものであって、これを限定するものではない。
実施例
実施例1:N,N’−ビス[2−(3,6−ジヘキシル−N−カルバゾリル)エチル]−ペリレンテトラカルボキシイミドの調製
a) N−メトキシカルボニルメチル−3,6−ジ−n−ヘキシルカルバゾール
Figure 0005675591
α)無水ジメチルホルムアミド50mL中の3,6−ジ−n−ヘキシルカルバゾール(J.J. Piet et al., Chem. Phys. Lett. 289 (1998) 13−18による調製)溶液10.07g(30.0mmol)を、窒素下で炭酸カリウム11.2g(81.0mmol)と混合し、50℃に加熱した。45分間攪拌した後、97%ブロモ酢酸メチル14.19g(90.0mmol)を1時間以内で滴下した。その後、反応混合物を50℃にて24時間攪拌した。反応混合物を水300mL中に注ぎ入れ、キシレン300mLで抽出した。水相を除去し、キシレン200mL(各回)と3回振盪することにより抽出した。集めた有機相を水200mL(各回)で2回、飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、乾燥するまで濃縮した。粗産物13.72gが得られ、これを溶離液としてトルエン/n−ヘプタン(2:1)を用い、シリカゲル(60Å、60〜200μm)上にて精製した。淡黄色の油8.03g(理論値の66%)を得た。
H NMR解析:
Figure 0005675591
β)メチルイソブチルケトン40mL中の3,6−ジ−n−ヘキシルカルバゾール3.00g(8.94mmol)および97%ブロモ酢酸メチル1.55g(9.84mmol)の溶液を、50%NaOH 7.15gおよびAliquat 175 0.14gとともに室温で30分間攪拌した。次に、この反応混合物を水70mLと混合した。水相を除去し、メチルイソブチルケトン30mL、次に酢酸エチル20mLと振盪することにより抽出した。集めた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液50mL(各回)で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥するまで濃縮した。帯黄色の油3.6g(理論値の94%)を得た。H NMRに基づけば、この化合物は実施例1aα)と同一である。
b) N−(2−ヒドロキシエチル)−3,6−ジ−n−ヘキシルカルバゾール
Figure 0005675591
0℃に冷却したテトラヒドロフラン(THF)30mL中の97%水素化リチウムアルミニウム0.88g(22.4mmol)の懸濁液に、THF30mL中のN−メトキシカルボニルメチル−3,6−ジ−n−ヘキシルカルバゾール8.00g(19.6mmol)の溶液を、アルゴン下にて15分以内で滴下し、その間温度は0〜5℃に維持した。反応混合物を室温まで温め、さらに30分間攪拌した。水/THF20mLを滴下した後、溶液を室温にて15分間攪拌し、10%NaOH2mLを混合して、沈殿した固形物を濾過した。濾過物をジエチルエーテル/水(1:1)200mLと混合した。水相を除去し、ジエチルエーテル100mL(各回)と2回振盪することにより抽出した。集めた有機相を水100mL(各回)で2回、飽和塩化ナトリウム溶液100mLで1回、中性になるまで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、乾燥するまで濃縮した。無色の固形物7.5g(理論値の100%)を得た。
H NMR解析:
Figure 0005675591
c) N−[2−(N−フタルイミド)エチル]−3,6−ジ−n−ヘキシルカルバゾール
Figure 0005675591
THF200mL中のN−(2−ヒドロキシエチル)−3,6−ジ−n−ヘキシルカルバゾール7.50g(19.8mmol)、フタルイミド3.14g(21.3mmol)および99%トリフェニルホスフィン5.29g(20.0mmol)の溶液に、98%ジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)3.94g(22.1mmol)を窒素下で室温にて滴下した(発熱)。室温で27時間攪拌した後、反応混合物を乾燥するまで濃縮し、氷冷メタノールと混合した。固形物を吸引濾過した。黄色の固形物8.93g(理論値の89%)を得て、これを118〜119℃で融解した。
H NMR解析:
Figure 0005675591
d) N−(2−アミノエチル)−3,6−ジ−n−ヘキシルカルバゾール
Figure 0005675591
THF150mLおよびエタノール150mL中のN−[2−(N−フタルイミド)エチル]−3,6−ジ−n−ヘキシルカルバゾール8.90g(17.5mmol)の溶液を、98%ヒドラジン一水和物1.79g(35.0mmol)と混合し、この混合物を沸騰するまで還流下で20時間加熱した。水80mLを添加した後、反応混合物を濃縮し、水およびジエチルエーテルそれぞれ160mLと混合し、20%NaOHでpHを13.6に調節した。水相を除去し、ジエチルエーテル150mL(各回)で2回抽出した。集めた有機相を水150mL(各回)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過物を濃縮した後、黄褐色の油5.25g(理論値の79%)を単離し、しばらくしてから晶出し、56℃で融解した。
H NMR解析:
Figure 0005675591
e)N,N’−ビス[2−(3,6−ジヘキシル−N−カルバゾリル)エチル]ペリレンテトラカルボキシイミド
Figure 0005675591
N−メチル−ピロリジノン(NMP)100mL中で、ペリレンテトラカルボン酸二無水物2.00g(5.10mmol)およびN−(2−アミノエチル)−3,6−ジ−n−ヘキシルカルバゾール4.05g(10.7mmol)を120℃で6時間攪拌した。室温まで冷却した後、メタノール100mLを添加した。沈殿した固形物を吸引濾過し、乾燥した(5.53g)。粗産物をクロロベンゼン270mL中で再晶出した。固形物を吸引濾過し、クロロベンゼンおよびペンタンで洗浄し、乾燥した。融点314〜315℃の赤色の微結晶4.65g(理論値の82%)を得た。
UV/vis(クロロホルム):λmax(ε)=526nm(84730)
768044(M=1113.49g/mol):
算出値C81.98 H7.24 N5.03 O5.75
測定値C81.8 H7.2 N4.9 O5.7
実施例2:N,N’−ビス[3−(3,6−ジ−n−ヘキシル−N−カルバゾリル)プロピル]ペリレンテトラ−カルボキシイミドの調製
a) N−[3−(N−フタルイミド)プロピル]−3,6−ジ−n−ヘキシルカルバゾール
Figure 0005675591
無水THF25mL中の、鉱油中の60%水素化ナトリウム1.28g(32.0mmol)の懸濁液に、無水THF25mL中の3,6−ジ−n−ヘキシルカルバゾール6.71g(20.0mmol)の溶液を15分以内で滴下した。無水THF25mL中の98%N−(3−ブロモプロピル)フタルイミド8.76g(32.0mmol)の溶液を15分以内で滴下した後、反応混合物を沸騰するまで還流下で21時間加熱した。室温まで冷却した後、THF/水(1:1)10mLを滴下して、過剰な水素化ナトリウムを破壊する。反応混合物を水300mLおよび飽和塩化ナトリウム溶液50mLと混合し、キシレン300mLで抽出した。水相を除去し、キシレン200mL(各回)と2回振盪することにより抽出した。集めた有機相を水200mL(各回)で2回、飽和塩化ナトリウム溶液200mLで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した後、乾燥するまで濃縮した。粗産物(黄色の油12.46g)を、溶離液としてn−ヘプタン/酢酸エチル(10:1)を用い、シリカゲル(60Å、60〜200μm)上にて精製した。濃黄色の油7.52g(理論値の72%)を得た。
b) N−(3−アミノプロピル)−3,6−ジ−n−ヘキシルカルバゾール
Figure 0005675591
THF100mLおよびエタノール100mL中のN−[3−(N−フタルイミド)プロピル]−3,6−ジ−n−ヘキシルカルバゾール6.91g(13.2mmol)の溶液を、98%ヒドラジン一水和物1.35g(26.4mmol)と混合し、沸騰するまで還流下で20.5時間加熱した。水120mLを添加した後、反応混合物を濃縮し、水120mLおよびジエチルエーテル100mLと混合し、20%NaOHでpHを13.5に調節した。水相を除去し、ジエチルエーテル120mL(各回)で2回抽出した。集めた有機相を水100mL(各回)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過物を濃縮した後、淡黄色の油4.24g(理論値の82%)を単離し、しばらくしてから晶出した。
H NMR解析:
Figure 0005675591
c) N,N’−ビス[3−(3,6−ジ−n−ヘキシル−N−カルバゾリル)プロピル]ペリレンテトラカルボキシイミド
Figure 0005675591
N−(3−アミノプロピル)−3,6−ジ−n−ヘキシルカルバゾール4.20g(10.7mmol)およびペリレンテトラカルボン酸二無水物2.00g(5.10mmol)を、N−メチルピロジノン(NMP)50mL中で攪拌しながら120℃まで加熱し、この温度を8.5時間維持した。反応混合物を室温まで冷却した後、メタノール150mLを添加して固形物を沈殿させる。これを吸引濾過し、メタノールで2回洗浄して乾燥する。粗産物5.64gを、溶離液として塩化メチレン/n−ヘプタン/アセトン(10:3:1)を用いたシリカゲル(60Å、60〜200μm)上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。融点218〜220℃の濃赤色の固形物4.50g(理論値の78%)を得た。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=524nm(73040)
788444(M=1141.56g/mol):
算出値C82.07 H7.42 N4.91 O5.61
測定値C82.0 H7.4 N4.8 O5.8
実施例3:N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)−1,6,7,12−テトラクロロ−ペリレンテトラカルボキシイミドの調製
Figure 0005675591
1,6,7,12−テトラクロロペリレンテトラカルボン酸二無水物5.30g(10.0mmol)およびN,N−ジメチル−1,3−プロピレンジアミン2.45g(24.0mmol)を、NMP100mL中で窒素下にて攪拌しながら80℃まで加熱し、この温度を4時間維持した。反応混合物を室温まで冷却した後、濾過した。残留物をメタノールで洗浄し、乾燥した。粗産物(3.21g)をo−ジクロロベンゼンから2回再晶出した。オレンジ色の固形物1.09g(理論値の16%)を得た。これは246℃から分解した。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=518nm(39990)
3428Cl444(M=698.44g/mol):
算出値C58.47 H4.04 Cl20.30 N8.02 O9.16
測定値C58.1 H4.1 Cl20.7 N8.0
実施例4:N,N’−ビス[2−(3,6−ジヘキシル−N−カルバゾリル)エチル]−1,6,7,12−テトラクロロペリレンテトラカルボキシイミドの調製
Figure 0005675591
1,6,7,12−テトラクロロペリレンテトラカルボン酸二無水物2.00g(3.77mmol)を用いて実施例1に従って調製を実施した。融点277℃の濃赤褐色の固形物1.37g(理論値の29%)を得た。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=520nm(39620)
7676Cl444(M=1251.29g/mol):
算出値C72.95 H6.12 Cl11.33 N4.48 O5.11
測定値C73.3 H6.3 Cl11.4 N3.8 O4.9
実施例5:N,N’−ビス[3−(3,6−ジ−n−ヘキシル−N−カルバゾリル)プロピル]−1,6,7,12−テトラクロロペリレンテトラカルボキシイミドの調製
Figure 0005675591
1,6,7,12−テトラクロロペリレンテトラカルボン酸二無水物2.50g(4.72mmol)を用いて実施例2に従って調製を実施した。赤褐色の固形物2.54g(理論値の56%)を得て、107℃で焼結した。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=518nm(37610)
7880Cl444(M=1279.34g/mol):
算出値C73.23 H6.30 Cl11.08 N4.38 O5.00
測定値C72.9 H6.5 Cl11.1 N4.3 O5.2
実施例6:N,N’−ビス[4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル]−1,6,7,12−テトラクロロペリレンテトラカルボキシイミドの調製
Figure 0005675591
1,6,7,12−テトラクロロペリレンテトラカルボン酸二無水物3.18g(6.00mmol)、N,N−ジフェニル−p−フェニレンジアミン3.90g(15.0mmol)および酢酸亜鉛0.15g(0.075mmol)を、クロロベンゼン60mLに添加し、この混合物を還流下で沸騰するまで8時間加熱した。室温まで冷却した後、沈殿物を吸引濾過し、メタノールで洗浄して乾燥した(3.50g)。粗産物を加熱しながら比較的大量のクロロベンゼンに溶解した。溶液を熱濾過した。濾過物を濃縮し、室温でジエチルエーテルにて覆った。冷蔵庫で3日間静置した後、晶出した固形物を吸引濾過し、洗浄して乾燥した。融点>410℃の赤褐色の固形物0.55g(理論値の9%)を得た。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=518nm
MALDI−TOF−MS:m/e=1012.3(算出値1012.1)
実施例7:N,N’−ビス{4−[N,N−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル−4−フェニル)−アミノ]フェニル}−1,6,7,12−テトラクロロペリレンテトラカルボキシイミドの調製
Figure 0005675591
1,6,7,12−テトラクロロペリレンテトラカルボン酸二無水物3.18g(6.00mmol)、N,N−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−p−フェニレンジアミン7.27g(15.0mmol)および酢酸亜鉛0.15g(0.075mmol)を、クロロベンゼン60mLに添加し、この混合物を還流下で沸騰するまで5時間加熱した。室温まで冷却した後、沈殿物を吸引濾過し、メタノールで洗浄して乾燥した(8.05g)。粗産物を、トルエン/n−ヘプタン(3.5:1〜2:1)を用いたシリカゲル(60Å、60〜200μm)上でのクロマトグラフィーによって精製した。融点374〜375℃のピンク色の固形物2.05g(理論値の54%)を得た。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=520nm(48910)
9296Cl444(M=1463.63g/mol):
算出値C75.45 H6.47 Cl9.79 N3.87 O4.42
測定値C75.7 H6.8 Cl9.3 N3.8
実施例8:N,N’−ビス[3−(3,6−ジ−n−ヘキシル−N−カルバゾリル)プロピル]−1,7−ジブロモ−ペリレンテトラカルボキシイミドの調製
Figure 0005675591
ジブロモペリレンテトラカルボン酸二無水物6.00g(10.9mmol)およびN−(3−アミノプロピル)−3,6−ジヘキシルカルバゾール9.00g(22.9mmol)を、クロロベンゼン100mLに溶解した。溶液を80℃まで加熱し、この温度を5.5時間維持した。室温まで冷却した後、溶液を乾燥するまで濃縮し、メタノール70mLと混合した。3時間攪拌した後、固形物を吸引濾過し、メタノールで洗浄して乾燥した(13.0g)。粗産物を塩化メチレンを溶離剤として用いたシリカゲル(60Å、60〜200μm)上で精製した。赤色の固形物9.2g(理論値の65%)を得た。H NMRによれば、この物質は異性体N,N’−ビス[3−(3,6−ジ−n−ヘキシル−N−カルバゾリル)プロピル]−1,6−ジブロモペリレンテトラカルボキシイミドを18%包含した。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=526nm(48440)
7882Br244(M=1299.36g/mol):
算出値C72.10 H6.36 Br12.30 N4.31 O4.93
測定値C72.0 H6.5 Br12.4 N4.3 O5.0
実施例9:N,N’−ビス{4−[N,N−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル−4−フェニル)−アミノ]フェニル}−1,7−ジブロモペリレンテトラカルボキシイミドの調製
Figure 0005675591
実施例7に従い、1,6,7,12−テトラクロロペリレンテトラカルボン酸二無水物の代わりに、ジブロモペリレンテトラカルボン酸二無水物3.30g(6.0mmol)を用いて調製を実施した。赤褐色の固形物2.08g(理論値の23%)を得た。H NMRによれば、この物質は少量の1,6−ジブロモ異性体を包含した。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=526nm(60510)
9298Br244(M=1483.64g/mol):
算出値C74.48 H6.66 Br10.77 N3.78 O4.31
測定値C74.5 H6.8 Br11.4 N3.7 O4.0
実施例10:N,N’−ビス{3−[4−(N,N−ジ−n−ヘキシルフェニルアミノ)フェニル]プロピル}−1,6,7,12−テトラクロロペリレンテトラカルボキシイミドの調製
a) N,N−(ジ−4−n−ヘキシルフェニル)アニリン
Figure 0005675591
トルエン1000mL中の4−ブロモ−n−ヘキシルベンゼン(M.P.Aldred et al., J.Mater. Chem. 2005, 15, 3208−3213に従って調製)203g(0.845mol)、アニリン30.2g(0.325mol)、ナトリウムtert−ブトキシド105g(1.09mol)、トリス(ジベンジリデン−アセトン)ジパラジウム11g(0.012mol)および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン8.4g(0.015mol)の混合物を90℃まで加熱し、この温度を16時間維持した。室温まで冷却した後、塩化メチレンを添加した。混合物を濾過した。
濾過物を乾燥するまで濃縮した。残留物を塩化メチレン中に取り、石油エーテルを溶離液として用いたシリカゲル上でのクロマトグラフィーによって精製した。トリアリールアミン120g(理論値の90%)を得た。
H NMR解析:
Figure 0005675591
b) 4−[N,N−(ジ−4−n−ヘキシルフェニル)アミノ]ベンズアルデヒド
Figure 0005675591
DMF940mL中のN,N−(ジ−4−n−ヘキシルフェニル)アニリン234g(0.567mol)の溶液に、オキシ塩化リン181g(1.19mol)を0℃で滴下した。次に、反応混合物を95℃まで加熱し、この温度で24時間攪拌した。反応混合物を氷水に注ぎ入れ、NaOHで中和し、塩化メチレンで抽出した。有機相を除去し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥するまで濃縮して得られた粗産物を、シリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製した。所望のアルデヒド170g(理論値の67%)を得た。
H NMR解析:
Figure 0005675591
c) 4−[N,N−(ジ−4−n−ヘキシルフェニル)アミノ]シナモンニトリル
Figure 0005675591
無水THF2500mL中のジメチルシアノメタンホスフォネート73.5g(0.415mol)の溶液に、n−ブチルリチウム170mL(2.5mol/L)を−78℃にて窒素下で添加した。−78℃で2時間攪拌した後、無水THF1200mL中の4−[N,N−(ジ−4−n−ヘキシルフェニル)アミノ]ベンズアルデヒド170.6g(0.386mol)の溶液を添加した。その後、反応混合物を3時間以内で攪拌しながら室温にした。水1000mLを添加した。混合物を酢酸エチルで抽出した。集めた有機相を乾燥し、濾過し、乾燥するまで濃縮した。粗産物をシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製した。所望のニトリル172g(理論値の96%)を得た。
H NMR解析:
Figure 0005675591
d) 4−(3−アミノプロピル)−N,N−ジ−(4−n−ヘキシルフェニル)アニリン
Figure 0005675591
n−プロパノール2000mL中の4−[N,N−(ジ−4−n−ヘキシルフェニル)アミノ]シナモンニトリル47g(0.195mol)の溶液を、還流下で30分間沸騰するまで加熱した。次に、ナトリウム120g(5.2mol)を数回に分けて添加した。反応混合物を1時間攪拌した後、室温まで冷却した。水500mLを添加した。反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥し、濾過して、乾燥するまで濃縮した。粗産物をシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製した。アミン43.7g(理論値の92%)を得た。
H NMR解析:
Figure 0005675591
e) N,N’−ビス{3−[4−(N,N−ジ−n−ヘキシルフェニルアミノ)フェニル]プロピル}−1,6,7,12−テトラクロロペリレンテトラカルボキシイミド
Figure 0005675591
1,6,7,12−テトラクロロペリレンテトラカルボキシイミド1.06g(2.00mmol)および4−(3−アミノプロピル)−N,N−ジ−(4−n−ヘキシルフェニル)アニリン1.18g(5.40mmol)を、クロロベンゼン20mL中で窒素下にて80℃で12時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、減圧下で乾燥するまで濃縮した。得られた油を、塩化メチレン/n−ヘプタン(5:1)を用いたシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製した。溶媒を除去した後、融点146℃の赤褐色の固形物1.28g(理論値の45%)を得た。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=518nm(42070)
9092Cl444(M=1435.57g/mol):
算出値C75.30 H6.46 Cl9.88 N3.90
測定値C75.2 H6.5 Cl9.8 N3.9
実施例11:N,N’−ビス{3−[4−(N,N−ジ−n−ヘキシルフェニルアミノ)フェニル]プロピル}−1,7−ジブロモペリレンテトラカルボキシイミドの調製
Figure 0005675591
実施例10eに従い、1,6,7,12−テトラクロロペリレンテトラカルボン酸二無水物の代わりに、ジブロモペリレンテトラカルボン酸二無水物3.00g(5.45mmol)を用いて調製を実施した。赤褐色の固形物1.28g(理論値の25%)を得た。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=524nm(50430)
9094Br244(M=1455.59g/mol):
算出値C74.27 H6.51 Br10.98 N3.85 O4.40
測定値C74.8 H6.9 Br10.5 N3.7 O4.1
実施例12:N,N’−ビス{3−[4−(N,N−ジ−n−ヘキシルオキシフェニルアミノ)フェニル]プロピル}−1,7−ジブロモペリレンテトラカルボキシイミドの調製
a) N,N−(ジ−4−n−ヘキシルオキシフェニル)アニリン
Figure 0005675591
実施例10a)に従い、4−ブロモ−n−ヘキシルオキシベンゼン(S.Sharma et al., Liquid Cryst. 2003, 30, 451−461)128g(0.50mol)を用いて調製を実施した。固形物81g(理論値の81%)を得た。
H NMR解析:
Figure 0005675591
b) 4−[N,N−(ジ−4−n−ヘキシルオキシフェニル)アミノ]ベンズアルデヒド
Figure 0005675591
実施例10b)に従い調製を実施した。N,N−(ジ−4−n−ヘキシルオキシフェニル)アニリン130g(0.29mol)を用いて、アルデヒド111g(理論値の81%)を得た。
H NMR解析:
Figure 0005675591
c) 4−[N,N−(ジ−4−n−ヘキシルオキシフェニル)アミノ]シナモンニトリル
Figure 0005675591
実施例10c)に従い調製を実施した。4−[N,N−(ジ−4−n−ヘキシルオキシフェニル)アミノ]ベンズアルデヒド69g(0.145mol)を用いて、ニトリル64g(理論値の89%)を得た。
H NMR解析:
Figure 0005675591
d) 4−(3−アミノプロピル)−N,N−ジ−(4−n−ヘキシルオキシフェニル)アニリン
Figure 0005675591
実施例10d)に従い調製を実施した。4−[N,N−(ジ−4−n−ヘキシルオキシフェニル)アミノ]シナモンニトリル47g(0.195mol)を用いて、油状アミン43.7g(理論値の92%)を得た。
H NMR解析:
Figure 0005675591
e) N,N’−ビス{3−[4−(N,N−ジ−n−ヘキシルオキシフェニルアミノ)フェニル]プロピル}−1,7−ジブロモペリレンテトラカルボキシイミド
Figure 0005675591
実施例10e)に従い、ジブロモペリレンテトラカルボン酸二無水物3.00g(5.45mmol)を用いて調製を実施した。赤色の微結晶3.68g(理論値の44%)を得て、これを84〜85℃で融解した。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=524nm(52790)
9094Br248(M=1519.58g/mol):
算出値C71.14 H6.24 Br10.52 N3.69 O8.42
測定値C71.0 H6.4 Br10.8 N3.8 O8.6
実施例13:N,N’−ビス[3−(3,6−ジ−n−ヘキシル−N−カルバゾリル)プロピル]−1,7−ジシアノペリレンテトラカルボキシイミドの調製
Figure 0005675591
a) N,N’−ビス[3−(3,6−ジ−n−ヘキシル−N−カルバゾリル)プロピル]−1,7−ジブロモ−ペリレンテトラカルボキシイミド2.50g(1.92mmol)、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム0.28g(0.76mmol)、98%ヨウ化銅0.070g(0.385mmol)および1−ブチルイミダゾール0.48g(3.85mmol)を、1,3,5−トリメチルベンゼン25mLに添加した。懸濁液を還流下で沸騰するまで6時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却した後、メタノール80mLを添加した。沈殿物を吸引濾過し、メタノールで洗浄して乾燥した(2.6g)。粗産物を塩化メチレン80mLに溶解し、シリカゲル(60Å、60〜200μm)上でのクロマトグラフィーによって精製した。黒色の固形物1.72g(理論値の19%)を得た。
b) N−メチルピロリジノン15mL中のN,N’−ビス[3−(3,6−ジ−n−ヘキシル−N−カルバゾリル)プロピル]−1,7−ジブロモペリレンテトラカルボキシイミド1.50g(1.15mmol)の溶液を、シアン化銅0.31g(3.5mmol)と混合し、150℃まで加熱した。この温度で1時間攪拌した後、反応混合物を静置して室温まで冷却した。メタノール50mLを添加した後、反応混合物を短時間攪拌し、濾過した。残留物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液8mLでスラリー状にし、吸引濾過し、水、次にメタノールで洗浄して、乾燥した(1.3g)。粗産物を塩化メチレン80mLに溶解し、塩化メチレン/n−ヘプタン(5:1)を用いたアルミナ(中性、58Å)上でのクロマトグラフィーによって精製した。黒色の固形物0.65g(理論値の47%)を得て、これを242〜244℃で融解した。H NMRによれば、この物質は副産物として1,6−ジシアノ異性体を包含した。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=524nm(53700)
808264(M=1191.58g/mol):
算出値C80.64 H6.94 N7.05
測定値C80.8 H6.8 N6.9
実施例14:N,N’−ビス[4−(N,N−ジ−t−オクチルフェニルアミノ)フェニル]−1,7−ジシアノ−ペリレンテトラカルボキシイミドの調製
Figure 0005675591
実施例13b)に従い、N,N’−ビス{4−[N,N−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル−4−フェニル)アミノ]フェニル}−1,7−ジブロモペリレンテトラカルボキシイミド1.50g(1.01mmol)から調製を実施した。ニトロエタンを用いた再晶出の後、濃赤色の微結晶0.38g(理論値の27%)を得て、333〜334℃で融解した。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=524nm(71050)
949864(M=1375.87g/mol):
算出値C82.06 H7.18 N6.11 O4.65
測定値C81.4 H7.2 N5.9 O4.7
実施例15:N,N’−ビス{3−[4−(N,N−ジ−n−ヘキシルオキシフェニルアミノ)フェニル]−プロピル}−1,7−ジシアノペリレンテトラカルボキシイミドの調製
Figure 0005675591
実施例13b)に従い、N,N’−ビス{3−[4−(N,N−ジ−n−ヘキシルオキシフェニルアミノ)フェニル]プロピル}−1,7−ジブロモペリレンテトラカルボキシイミド2.00g(1.32mmol)から調製を実施した。濃赤色の微結晶1.06g(理論値の57%)を得て、207℃で融解した。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=524nm(60680)
929468(M=1411.81g/mol):
算出値C78.27 H6.71 N5.95 O9.07
測定値C78.3 H7.0 N5.8 O9.0
実施例16:N,N’−ビス[2−(3,6−ジ−n−ヘキシル−N−カルバゾリル)エチル]ナフタレン−テトラカルボキシイミドの調製
Figure 0005675591
NMP50mL中の95%1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物1.50g(5.31mmol)およびN−(2−アミノエチル)−3,6−ジ−n−ヘキシルカルバゾール(実施例1d)参照)4.22g(11.2mmol)の溶液を、120℃で2.5時間加熱した。室温まで冷却した後、反応溶液をメタノール100mLと混合した。沈殿物を吸引濾過し、洗浄して乾燥した(5.29g)。粗産物をトルエン中で再晶出した。褐色の固形物4.41g(理論値の84%)を得て、252℃で融解した。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=378nm(30360)
667644(M=989.37g/mol):
算出値C80.13 H7.74 N5.66 O6.47
測定値C80.2 H7.6 N5.7 O6.4
実施例17:N,N’−ビス[3−(3,6−ジ−n−ヘキシル−N−カルバゾリル)プロピル]ナフタレンテトラカルボキシイミドの調製
Figure 0005675591
実施例17に従い、N−(3−アミノプロピル)−3,6−ジ−n−ヘキシルカルバゾールを用いて調製を実施した。1,4,5,8−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物1.50g(5.31mmol)を用いて、淡紫色の固形物4.53g(理論値の80%)を得て、176〜178℃で融解した。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=380nm(26510)
688044(M=1017.42g/mol):
算出値C80.28 H7.93 N5.51 O6.29
測定値C80.4 H7.9 N5.5 O6.4
実施例18:N,N’−ビス{3−[4−(N,N−ジ−n−ヘキシルフェニルアミノ)フェニル]プロピル}−ナフタレンテトラカルボキシイミドの調製
Figure 0005675591
トルエン50mL中の95%1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物1.58g(5.59mmol)および4−(3−アミノプロピル)−N,N−ジ(4−n−ヘキシルフェニル)アニリン(実施例10d)を参照)5.53g(11.8mmol)の溶液を、80℃で5時間加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を乾燥するまで濃縮した(濃青色の油)。粗産物を、溶離液として塩化メチレン/n−ヘプタン(4:1)として用いたシリカゲル(60Å、60〜200μm)上でのクロマトグラフィーによって精製した。青色の樹脂状固形物5.15g(理論値の75%)を得て、50〜54℃で融解した。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=380nm(28280)
809244(M=1173.65g/mol):
算出値C81.87 H7.90 N4.77 O5.45
測定値C81.8 H8.0 N4.7 O5.5
青色を帯びた無色の針がn−ヘキサンから晶出し、これを104〜105℃で融解した。この物質のH NMRスペクトルは、上記の青色の樹脂状固形物と同一であった。
実施例19:N,N’−ビス{3−[4−(N,N−ジ−n−ヘキシルフェニルアミノ)フェニル]プロピル}−ピロメリットイミドの調製
Figure 0005675591
トルエン50mL中の無水ピロメリト酸3.00g(13.8mmol)および4−(3−アミノプロピル)−N,N−ジ−(4−n−ヘキシルフェニル)アニリン(実施例10d)を参照)13.59g(28.88mmol)の溶液を窒素下で100℃にて6時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応混合物を減圧下で褐色の油になるまで濃縮した。この油を、溶離液として塩化メチレン/メタノール(20:1)として用いたシリカゲル(60Å、60〜200μm)上でのクロマトグラフィーによって精製した。さらにニトロエタンからの再晶出により精製を実施した。淡紫色の固形物8.98g(理論値の58%)を得て、112℃で融解した。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=304nm(55925)
769044(M=1133.59g/mol):
算出値C81.24 H8.07 N4.99 O5.70
測定値C81.2 H8.2 N5.0 O5.8
実施例20:N,N’−ビス{3−[4−(N,N−ジ−n−ヘキシルオキシフェニルアミノ)フェニル]プロピル}ピロメリットイミドの調製
Figure 0005675591
実施例19に従い、無水ピロメリト酸3.00g(13.8mmol)および4−(3−アミノプロピル)−N,N−ジ−(4−n−ヘキシルオキシフェニル)アニリン14.52g(28.9mmol)を用いて調製を実施した。ピンク色の針9.86g(理論値の60%)を得て、135℃で融解した。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=302nm(51670)
769048(M=1187.59g/mol):
算出値C76.87 H7.64 N4.72 O10.78
測定値C76.9 H7.6 N4.7 O10.7
実施例21:3−(3,6−ジメチル−N−カルバゾリル)塩化プロピルアンモニウムの調製
a) N−[3−(N−フタルイミド)プロピル]−3,6−ジメチルカルバゾール
Figure 0005675591
実施例2a)に従い調製を実施した。3,6−ジメチルカルバゾール9.76g(50.0mmol)を用いて、黄色の微結晶18.32g(理論値の96%)を調製し、これを134〜135℃で融解した。
b) 3−(3,6−ジメチル−N−カルバゾリル)塩化プロピルアンモニウム
Figure 0005675591
THFおよびエタノール各250mL中のN−[3−(N−フタルイミド)プロピル]−3,6−ジメチル−カルバゾール15.00g(39.2mmol)の溶液に、98%ヒドラジン一水和物3.93g(78.4mmol)を添加した。溶液を還流下で沸騰するまで20時間加熱し、固形物を沈殿させた。室温まで冷却した後、水600mLを添加した。有機溶媒を除去した後、ジエチルエーテル400mLを添加し、20%NaOH62mLを用いて混合物のpHを13.5に調節した。水相を除去し、ジエチルエーテル150mL(各回)を用いて2回抽出した。集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、油になるまで濃縮し、これを塩化メチレン100mLに溶解し、濃縮HCl15mLと混合して、固形物を沈殿させた。これを吸引濾過し、塩化メチレンおよびn−ペンタンで洗浄して乾燥した。無色の結晶7.08g(理論値の63%)を得て、247℃で融解した。
H NMR解析:
Figure 0005675591
実施例22:N−[2−(4−ジフェニルアミノフェニル)エチル]ピバルアミドの調製
a) 4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニルアセトニトリル
Figure 0005675591
ジメトキシエタン300mL中の(p−トルエンスルホニル)メチルイソシアニド(TOSMIC)68.3g(0.35mol)の溶液を、ジメトキシエタン300mL中のカリウムtert−ブトキシド78g(0.70mol)の撹拌懸濁液に、窒素下で−30℃にて滴下した。溶液を−55℃に冷却した後、ジメトキシエタン100mL中の4−(N,N−ジフェニルアミノ)ベンズアルデヒド92g(0.34mol)の溶液を滴下した。−55℃で1時間攪拌した後、メタノールを添加した。反応溶液を還流下で沸騰するまで30分間加熱した。溶液を乾燥するまで濃縮した後、残留物を水600mLおよび酢酸30mL中に取った。水溶液を塩化メチレンで抽出した。集めた有機相を飽和炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮した。所望のニトリル75g(理論値の79%)を得た。
H NMR解析:
Figure 0005675591
b) N−[2−(4−ジフェニルアミノフェニル)エチル]ピバルアミド
Figure 0005675591
0℃に冷却した無水メタノール500mL中の4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル−アセトニトリル150g(0.528mol)の溶液に、ジ−tert−ブチルピロカーボネート153g(0.70mol)および塩化ニッケル1.25g(53mmol)を攪拌しながら添加した。水素化ホウ素ナトリウム136.8g(3.70mol)を2時間以内に数回にわけて添加した。30分間攪拌した後、溶媒を減圧下で除去した。帯赤色の残留物を酢酸エチルに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液とともに振盪することにより抽出した。有機相を除去し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して乾燥するまで濃縮した。保護アミン100g(理論値の49%)を得た。
H NMR解析:
Figure 0005675591
実施例23:4−(3−アミノプロピル)−N,N−ジ(4−t−オクチルフェニル)アニリンの調製
a) N,N−(ジ−4−t−オクチルフェニル)アニリン
Figure 0005675591
トルエン1600mL中の4,4’−ジ−tert−オクチルフェニルアミン198.6g(0.505mol)、ナトリウムtert−ブトキシド102.5g(0.653mol)、100g(1.04mol)、トリス(ジベンジリデン−アセトン)ジパラジウム10g(0.011mol)および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン10g(0.018mol)の混合物を、攪拌しながら90℃で16時間加熱した。室温まで冷却した後、塩化メチレンを添加した。溶液を濾過し、減圧下で乾燥するまで濃縮した。残留物を塩化メチレンに取り、溶離液として石油エーテルを用いたシリカゲル上のクロマトグラフィーによって精製した。所望のトリアリールアミン210g(理論値の88%)を得た。
H NMR解析:
Figure 0005675591
b) 4−[N,N−(ジ−4−t−オクチルフェニル)アミノ]ベンズアルデヒド
Figure 0005675591
実施例10b)に従い調製を実施した。N,N−(ジ−4−t−オクチルフェニル)アニリン290g(0.618mol)を用いて、アルデヒド250g(理論値の83%)を得た。
H NMR解析:
Figure 0005675591
c) 4−[N,N−(ジ−4−t−オクチルフェニル)アミノ]シナモンニトリル
Figure 0005675591
実施例10c)に従い調製を実施した。4−[N,N−(ジ−4−t−オクチルフェニル)アミノ]ベンズアルデヒド52.7g(0.298mol)を用いて、ニトリル140g(理論値の96%)を得た。
H NMR解析:
Figure 0005675591
d) 4−(3−アミノプロピル)−N,N−ジ(4−t−オクチルフェニル)アニリン
Figure 0005675591
実施例10d)に従い調製を実施した。4−[N,N−(ジ−4−t−オクチルフェニル)アミノ]シナモンニトリル130g(0.250mol)を用いて、アミン93g(理論値の70%)を得た。
H NMR解析:
Figure 0005675591
実施例24:3−[N,N−(ジ−4−ヘキシルフェニル)−4−アニリノ]プロパンチオールの調製
a) エチル4−[N,N−(ジ−4−ヘキシルフェニル)アミノ]シンナメート
Figure 0005675591
無水THF2500mL中のジエチルジエトキシホスフォリルアセテート46.5g(0.207mol)の溶液に、n−ブチルリチウム85mL(2.5mol/L)を窒素下で−78℃にて添加した。−78℃で2時間攪拌した後、無水THF800mL中の4−[N,N−(ジ−4−n−ヘキシルフェニル)アミノ]ベンズアルデヒド85.0g(0.193mol)の溶液を添加した。その後、反応混合物を3時間攪拌しながら室温にした。水800mLを添加した。混合物を酢酸エチルで抽出した。集めた有機相を乾燥し、濾過し、乾燥するまで濃縮した。粗産物をシリカゲル上のクロマトグラフィーによって精製した。所望の桂皮エステル80g(理論値の81%)を得た。
Figure 0005675591
b) エチル3−[N,N−(ジ−4−ヘキシルフェニル)−4−アニリノ]プロピオネート
Figure 0005675591
テトラヒドロフラン400mL中のエチル4−[N,N−(ジ−4−ヘキシルフェニル)アミノ]シンナメート82g(0.16mol)の溶液を、パラジウム触媒18g(活性炭に対して10質量%)の存在下で水素雰囲気下で室温にて攪拌した。24時間後、反応混合物をセライト層で濾過して、触媒を除去した。濾過物を乾燥するまで濃縮して、エステル78g(理論値の95%)を得た。
Figure 0005675591
c) 3−[N,N−(ジ−4−ヘキシルフェニル)−4−アニリノ]プロパノール
Figure 0005675591
テトラヒドロフラン1000mL中の水素化リチウムアルミニウム10.5g(0.276mol)の溶液に、エチル3−[N,N−(ジ−4−ヘキシルフェニル)−4−アニリノ]−プロピオネート70.8g(0.138mol)を窒素下で室温にて添加した。添加が終了した後、溶液を60℃まで加熱し、この温度で24時間攪拌した。室温まで冷却した後、水素が認められなくなるまで水を添加した。濾過し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶液を乾燥するまで濃縮した。所望のアルコール61g(理論値の93%)を得た。
Figure 0005675591
d) 4−(3−ブロモプロピル)−N,N−(ジ−4−ヘキシルフェニル)アニリン
Figure 0005675591
3−[N,N−(ジ−4−ヘキシルフェニル)−4−アニリノ]プロパノール60g(0.125mol)を、40%HBr600mLに溶解した。溶液を80℃まで加熱し、この温度で24時間攪拌した。室温まで冷却した後、溶液を塩化メチレンで抽出した。集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、乾燥するまで濃縮した。アミン62g(理論値の94%)を得た。
Figure 0005675591
e) 3−[N,N−(ジ−4−ヘキシルフェニル)−4−アニリノ]プロパンチオール
Figure 0005675591
エタノール300mL中の4−(3−ブロモプロピル)−N,N−(ジ−4−ヘキシルフェニル)アニリン53.3g(0.10mol)およびチオ尿素9.6g(0.10mol)の混合物を、還流下で沸騰するまで48時間加熱した。40%NaOH50mLを添加した後、反応混合物を60℃で4時間攪拌した。冷却後、塩化メチレンで抽出した。集めた有機相を乾燥し、乾燥するまで濃縮した。所望のチオール36.5g(理論値の75%)を得た。
Figure 0005675591
実施例25:3−[N,N−(ジ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4−アニリノ]プロパンチオールの調製
a) エチル4−[N,N−(ジ−4−ヘキシルオキシフェニル)アミノ]シンナメート
Figure 0005675591
エチル4−[N,N−(ジ−4−ヘキシルフェニル)アミノ]シンナメートの調製法(実施例24a)に従って調製を実施した。4−[N,N−(ジ−4−n−ヘキシルオキシフェニル)アミノ]ベンズアルデヒド(実施例12b)140g(0.296mol)を用いて、桂皮エステル130g(理論値の81%)を得た。
Figure 0005675591
b) エチル3−[N,N−(ジ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4−アニリノ]プロピオネート
Figure 0005675591
エチル3−[N,N−(ジ−4−ヘキシルフェニル)−4−アニリノ]プロピオネートの調製法(実施例24b)に従って調製を実施した。エチル4−[N,N−(ジ−4−ヘキシルオキシフェニル)アミノ]シンナメート(実施例25a)182g(0.335mol)を用いて、プロピオンエステル178g(理論値の97%)を得た。
Figure 0005675591
c) 3−[N,N−(ジ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4−アニリノ]プロパノール
Figure 0005675591
3−[N,N−(ジ−4−ヘキシルフェニル)−4−アニリノ]プロパノールの調製法(実施例24c)に従って調製を実施した。エチル3−[N,N−(ジ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4−アニリノ]プロピオネート(実施例25b)178g(0.327mol)を用いて、アルコール161g(理論値の98%)を得た。
Figure 0005675591
d) 4−(3−ブロモプロピル)−N,N−(ジ−4−ヘキシルオキシフェニル)アニリン
Figure 0005675591
4−(3−ブロモプロピル)−N,N−(ジ−4−ヘキシルフェニル)アニリンの調製法(実施例24d)に従って調製を実施した。3−[N,N−(ジ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4−アニリノ]プロパノール(実施例25c)60g(0.125mol)を用いて、アミン62g(理論値の94%)を得た。
Figure 0005675591
e) 3−[N,N−(ジ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4−アニリノ]プロパンチオール
Figure 0005675591
3−[N,N−(ジ−4−ヘキシルフェニル)−4−アニリノ]プロパンチオールの調製法(実施例24e)に従って調製を実施した。4−(3−ブロモプロピル)−N,N−(ジ−4−ヘキシルオキシフェニル)アニリン(実施例25d)164g(0.29mol)を用いて、チオール102g(理論値の68%)を得た。
Figure 0005675591
実施例26:4−(3−アミノプロピル)−N,N−ジ−(4−トリル)アニリンの調製
a) エチル4−[N,N−(ジ−4−トリル)アミノ]シンナメート
Figure 0005675591
4−[N,N−(ジ−4n−ヘキシルフェニル)アミノ]シナモンニトリルの調製法(実施例10c)に従って調製を実施した。4−[N,N−(ジ−4−トリル)アミノ]ベンズアルデヒド104.3g(0.347mol)を用いて、桂皮エステル80g(71%)を得た。
Figure 0005675591
b) 4−(3−アミノプロピル)−N,N−ジ−(4−トリル)アニリン
Figure 0005675591
4−(3−アミノプロピル)−N,N−ジ−(4−n−ヘキシルフェニル)アニリンの調製法(実施例10d)に従って調製を実施した。エチル4−[N,N−(ジ−4−トリル)アミノ]シンナメート100g(0.309mol)(実施例26a)を用いて、アミン78.7g(81%)を得た。
Figure 0005675591
実施例27:4−(3−アミノプロピル)−N,N−ジ−(4−メトキシフェニル)アニリンの調製
a) 4−[N,N−(ジ−4−メトキシフェニル)アミノ]シナモンニトリル
Figure 0005675591
4−[N,N−(ジ−4−n−ヘキシルフェニル)アミノ]シナモンニトリルの調製法(実施例10c)に従って調製を実施した。4−[N,N−(ジ−4−メトキシフェニル)アミノ]ベンズアルデヒド170.6g(0.386mol)を用いて、シナモンニトリル150g(84%)を得た。
Figure 0005675591
b) 4−(3−アミノプロピル)−N,N−ジ−(4−メトキシフェニル)アニリン
Figure 0005675591
4−(3−アミノプロピル)−N,N−ジ−(4−n−ヘキシルフェニル)アニリンの調製法(実施例10d)に従って調製を実施した。4−[N,N−(ジ−4−メトキシフェニル)アミノ]シナモンニトリル(実施例27a)70g(0.196mol)を用いて、アミン43.7g(60%)を得た。
Figure 0005675591
実施例28:N,N−(ジ−4−ヘキシルオキシフェニル)−p−フェニレンジアミンの調製
a) ジ−(4−ヘキシルオキシフェニル)アミン
Figure 0005675591
トルエン780mL中の4−ヘキシルオキシアニリン118g(0.61mol)、4−ブロモヘキシル−オキシベンゼン130g(0.51mol)、ナトリウムtert−ブトキシド146.9g(1.52mol)、ジパラジウムトリス(ジベンジリデンアセトン)13.96g(0.015mol)および1,1’−ビス(ジフェニル−ホスフィノ)フェロセン8.46g(0.015mol)の溶液を、90℃で16時間加熱した。室温まで冷却した後、溶液を塩化メチレンと混合し、濾過した。濾過物を減圧下で濃縮して塩化メチレンに取り、溶離液として石油エーテルを用いたシリカゲル上でのクロマトグラフィーによって精製した。アミン120g(理論値の64%)を得た。
Figure 0005675591
b) N,N−(ジ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4−ニトロアニリン
Figure 0005675591
ジメチルホルムアミド1300mL中のジ(4−ヘキシルオキシフェニル)アミン177.7g(0.48mol)およびカリウムtert−ブトキシド161.3g(1.44mol)の溶液に、1−フルオロ−4−ニトロベンゼン169.5g(1.20mol)を0℃で滴下した。反応混合物を室温まで温め、一晩攪拌した。溶媒を減圧下で除去した後、残留物を塩化メチレンに取り、溶離液として石油エーテルを用いたシリカゲル上でのクロマトグラフィーによって精製した。アミン150g(理論値の64%)を得た。
Figure 0005675591
c) N,N−(ジ−4−ヘキシルオキシフェニル)−p−フェニレンジアミン
Figure 0005675591
テトラヒドロフラン750mL中のN,N−(ジ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4−ニトロアニリン150g(0.306mol)の溶液に、パラジウム/炭素(10質量%)を添加した。反応混合物を水素雰囲気下で一晩攪拌した。次に、溶媒を減圧下で除去した。アミン130g(理論値の92%)を得た。
Figure 0005675591
実施例29:N,N’−ビス[4−(N,N−ジ−t−オクチルフェニルアミノ)フェニル]ペリレンビス−(ジカルボキシイミド)の調製
Figure 0005675591
ペリレンテトラカルボン酸二無水物1.18g(3.00mmol)、N,N−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−p−フェニレンジアミン3.64g(7.50mmol)および酢酸亜鉛0.075g(0.038mmol)を、N−メチルピロリジノン30mLに添加し、140℃で48時間加熱した。室温まで冷却した後、メタノール60mLを添加した。沈殿物を吸引濾過し、メタノールおよび水で洗浄し、乾燥した(3.87g)。粗産物をトルエン/酢酸エチル(15:2)を用いたシリカゲル(60Å、60〜200μm)上でのクロマトグラフィーによって精製した。次に、この物質をtert−アミルアルコール150mL中で再晶出した。融点364℃の固形物1.00g(理論値の33%)を得た。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=526nm(98190)
9210044(M=1325.65g/mol):
算出値C83.34 H7.60 N4.23 O4.83
測定値C82.8 H7.8 N4.2 O5.2
実施例30:N,N’−ビス{3−[4−(N,N−ジ−n−ヘキシルオキシフェニルアミノ)フェニル]プロピル}ペリレンビス(ジカルボキシイミド)の調製
Figure 0005675591
ペリレンテトラカルボン酸二無水物1.18g(3.00mmol)および4−(3−アミノプロピル)−N,N−ジ(4−n−ヘキシルオキシフェニル)アニリン3.17g(6.30mmol)をそれぞれ、N−メチルピロリジノン30mLに懸濁溶解し、120℃で5時間加熱した。室温まで冷却した後、メタノール60mLを添加した。沈殿物を吸引濾過し、メタノールおよび水で洗浄し、乾燥した(4.00g)。粗産物をシクロヘキサン−酢酸エチル−n−プロパノール(14:3:3)を用いたシリカゲル(60Å、60〜200μm)上でのクロマトグラフィーによって精製した。融点221〜223℃の濃赤色の固形物2.11g(理論値の53%)を得た。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=524nm(74930)
909648(M=1361.79g/mol):
算出値C79.38 H7.11 N4.11 O9.40
測定値C79.4 H7.3 N4.0 O9.2
実施例31:N,N’−ビス{3−[4−(N,N−ジ−n−ヘキシルフェニルアミノ)フェニル]プロピル}−1,7−ジシアノペリレンビス(ジカルボキシイミド)の調製
Figure 0005675591
N−メチルピロリジノン50mL中のN,N’−ビス{3−[4−(N,N−ジ−n−ヘキシルフェニルアミノ)フェニル]プロピル}−1,7−ジブロモペリレンビス(ジカルボキシイミド)2.00g(1.37mmol)の溶液を、シアン化銅0.37g(4.1mmol)と混合し、150℃まで加熱した。この温度で2時間攪拌した後、反応混合物を室温まで冷却させた。メタノール50mLを添加した後、反応混合物を短時間攪拌し、濾過した。残留物をメタノール30mLで洗浄し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液10mLでスラリー状にし、吸引濾過し、水、次にメタノールで洗浄して、乾燥した(1.81g)。粗産物を塩化メチレンに溶解し、シリカゲル(60Å、60〜200μm)10gにロードして、トルエン−酢酸エチルを用いたシリカゲル上でのクロマトグラフィーによって精製した。濃赤色の樹脂1.69gを得て、これを還流温度でニトロエタン20mLに溶解し、冷却中に晶出した。固形物を吸引濾過し、メチルエチルケトン100mLから再晶出した。濃赤色の微結晶0.71g(理論値の38%)を得て、204〜205℃で融解した。H NMRによれば、この物質は副産物として1,6−ジシアノ異性体を包含した。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=524nm(61700)
929464(M=1347.81g/mol):
算出値C81.99 H7.03 N6.24 O4.75
測定値C81.9 H6.9 N6.1 O4.8
実施例32:N,N’−ビス{3−[4−(N,N−ジ−n−ヘキシルオキシフェニルアミノ)フェニル]プロピル}−1,7−ジシアノペリレンビス(ジカルボキシイミド)の調製
Figure 0005675591
N−メチルピロリジノン20mL中のN,N’−ビス{3−[4−(N,N−ジ−n−ヘキシルオキシフェニルアミノ)フェニル]プロピル}−1,7−ジブロモペリレンビス(ジカルボキシイミド)2.00g(1.32mmol)の溶液を、シアン化銅0.35g(4.0mmol)と混合し、150℃まで加熱した。この温度で2時間攪拌した後、反応混合物を室温まで冷却させた。メタノール50mLを添加した後、反応混合物を短時間攪拌し、濾過した。残留物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液20mLでスラリー状にし、吸引濾過し、水、次にメタノールで洗浄して、乾燥した(1.78g)。粗産物を5:1の塩化メチレン/n−ヘプタンを用いたアルミナ(活性、中性、BrockmannグレードI、58Å)上でのクロマトグラフィーによって精製した。精製した産物をさらに6:1:0.1のトルエン/n−ヘプタン/アセトンを用いてシリカゲル(60Å、60〜200μm)上でのクロマトグラフィーによって精製した。濃赤色の微結晶1.06g(理論値の57%)を得て、206〜207℃で融解した。H NMRによれば、この物質は副産物として1,6−ジシアノ異性体を包含した。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=524nm(60680)
929468(M=1411.81g/mol):
算出値C78.27 H6.71 N5.95 O9.07
測定値C78.3 H7.0 N5.8 O9.0
実施例33:N,N’−ビス(2−ジブチルアミノエチル)−1,7−ジブロモペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)の調製
Figure 0005675591
クロロベンゼン60mL中のジブロモペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボン酸無水物)3.60g(6.54mmol)(1,7−ジブロモ異性体約80%および1,6−ジブロモ異性体約20%)および2−ジブチルアミノエチルアミン2.40g(13.9mmol)の懸濁液を80℃まで加熱し、この温度で4時間攪拌した。室温まで冷却した後、固形物を吸引濾過し、メタノール50mLに取り、3時間攪拌した。固形物を吸引濾過し、メタノール30mLで洗浄し、乾燥した。粗産物(4.98g)をジメチルホルムアミド中で再晶出した。沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥した。赤色の粉末4.55g(理論値の81%)を得て、194℃で融解した。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=524nm(49320)
4450Br244(M=858.72g/mol):
算出値C61.54 H5.87 Br18.61 N6.52 O7.45
測定値C61.2 H5.9 Br18.6 N6.5 O7.8
実施例34:N,N’−ビス(2−ジブチルアミノプロピル)−1,7−ジブロモペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)の調製
Figure 0005675591
クロロベンゼン60mL中のジブロモペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボン酸無水物)3.50g(6.36mmol)(1,7−ジブロモ異性体約80%および1,6−ジブロモ異性体約20%)および3−ジブチルアミノプロピルアミン2.49g(13.4mmol)の懸濁液を80℃まで加熱し、この温度で5.5時間攪拌した。室温まで冷却した後、固形物を吸引濾過し、メタノール40mLに取り、3時間攪拌した。固形物を吸引濾過し、メタノール30mLで洗浄し、乾燥した。粗産物(4.86g)をジメチルホルムアミド中で再晶出した。沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥した。赤色の粉末4.33g(理論値の77%)を得て、179〜180℃で融解した。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=524nm(50250)
4654Br244(M=886.78g/mol):
算出値C62.31 H6.14 Br18.02 N6.32 O7.22
測定値C62.1 H6.1 Br18.1 N6.3 O7.4
実施例35:N,N’−ビス(2−ジブチルアミノプロピル)−1,7−ジフェノキシペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)の調製
Figure 0005675591
N,N’−ビス(2−ジブチルアミノプロピル)−1,7−ジブロモペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)2.00g(2.26mmol)、フェノール0.43g(4.5mmol)および炭酸カリウム0.62g(4.5mmol)を、1−メチル−2−ピロリドン40mL中で100〜105℃まで加熱し、この温度で6時間攪拌した。冷却後、メタノール50mLを添加し、混合物をさらに30分間攪拌した。沈殿物を吸引濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥した。粗産物(1.84g)を6:1:0.02の塩化メチレン/メタノール/アセトンを用いたシリカゲル(60Å、60〜200μm)上でのクロマトグラフィーによって精製した。濃赤色の固形物1.34g(理論値の65%)を得た。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=536nm(49160)
586446(M=913.18g/mol):
算出値C76.29 H7.06 N6.14 O10.51
測定値C75.7 H7.1 N6.3 O10.9
実施例36:N,N’−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,7−ビス{3−[4−(ビス−{4−n−ヘキシルフェニル}アミノ)フェニル]プロパンチオ}ペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)の調製
Figure 0005675591
N,N’−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,7(6)−ジブロモペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)2.00g(2.30mmol)、3−[N,N−(ジ−4−ヘキシルフェニル)−4−アニリノ]プロパンチオール2.58g(5.30mmol)および炭酸カリウム0.74g(5.3mmol)を、N−メチル−2−ピロリドン30mL中で80℃にて7.5時間攪拌した。室温まで冷却した後、メタノールおよび水50mLを添加した。沈殿物を濾過し、メタノールおよび水で洗浄し、乾燥した。粗産物(2.95g)をシリカゲル(60Å、60〜200μm)上でのクロマトグラフィーによって精製した。第一画分(1.34g)をイソプロパノール120mL中で再晶出した。濃赤色の微結晶0.53g(理論値の14%)を得た。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=570nm(31460)
11412844s(M=1682.44g/mol):
算出値C81.39 H7.67 N3.33 O3.80 S3.81
測定値C81.5 H7.6 N3.3 O3.8 S3.7
実施例37:N,N’−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,7−ビス{3−[4−(ビス−{4−n−ヘキシルフェニル}アミノ)フェニル]プロパンスルホニル}ペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)の調製
Figure 0005675591
塩化メチレン20mL中のN,N’−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,7−ビス{3−[4−(ビス−{4−n−ヘキシルフェニル}アミノ)フェニル]プロパンチオ}ペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)1.00g(0.59mmol)の溶液に、77%3−クロロペル安息香酸0.93g(4.2mmol)を0℃で滴下した。0℃で1時間攪拌した後、溶液を室温まで温め、さらに16時間攪拌した。ヨウ化ナトリウム0.18g(1.19mmol)を添加した後、溶液を室温で5時間攪拌した。反応溶液を水と混合した。有機相を除去し、硫酸マグネシウムで乾燥して、乾燥するまで濃縮した。粗産物(1.67g)を20:1の塩化メチレン/イソプロパノールを用いたシリカゲル(60Å、60〜200μm)上でのクロマトグラフィーによって精製した。濃赤色の固形物0.50g(理論値の49%)を得た。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=526nm(32320)
11412848s(M=1746.44g/mol):
算出値C78.40 H7.39 N3.21 O7.33 S3.67
測定値C78.3 H7.6 N3.2 O6.6 S3.4
実施例38:N,N’−ビス{3−[4−(N,N−ジ−n−ヘキシルオキシフェニルアミノ)フェニル]プロピル}ナフタレン−1,8:4,5−ビス(ジカルボキシイミド)の調製
Figure 0005675591
トルエン50mL中の95%1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物1.05g(3.73mmol)および4−(3−アミノプロピル)−N,N−ジ−(4−n−ヘキシルオキシフェニル)アニリン(実施例12d参照)4.14g(7.83mmol)の溶液を80℃で10時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応混合物を乾燥するまで濃縮した(緑青色の油)。粗産物(6.5g)を、溶離液として塩化メチレン/n−ヘプタン(5:1)を用いたシリカゲル(60Å、60〜200μm)上でのクロマトグラフィーによって2回精製した。淡青色の固形物2.1g(理論値の45%)を得て、155℃で融解した。
UV/vis(塩化メチレン):λmax(ε)=380nm(29030)
809246(M=1237.65g/mol):
算出値C77.64 H7.49 N4.53 O10.34
測定値C77.7 H7.4 N4.6 O10.7
実施例39(調製、Bonnet et al., Synthetic Metals 156(2006)1292−1298参照):
Figure 0005675591
N,N’−ビス(3−ジメチルアミノエチル)−1,6,7,12−テトラクロロペリレンテトラカルボキシイミドを濃度2.97*10-3mol/LNMPに溶解した。NMP中の化合物のモル吸光係数は36930(l/mol*cm)であった。この溶液の一部を、75ワットのキセノンランプで光導波路を介して照射し、溶液の全容量が光線で覆われるようにした。照射と同時に、透過モードのUV−vis分光計を用いてスペクトルの変化を測定した。
756nmで吸収帯が認められ、その強度は照射時間6秒以内に2.7吸光単位増加する。
Figure 0005675591
実施例40:
N,N’−ビス(3−ジメチルアミノエチル)−1,6,7,12−テトラクロロペリレンテトラカルボキシイミドをガラスに厚さ130nmで蒸着させた。この染料層を75ワットのキセノンランプで光導波路を介して照射した。照射により吸収帯は765nmで認められる。
Figure 0005675591
照射中に認められる765nmでの吸収量は、暗所で15分間保管した後には開始値まで減少する。
Figure 0005675591
実施例41:
N,N’−ビス[3−(3,6−ジ−n−ヘキシル−N−カルバゾリル)プロピル]ペリレンテトラカルボキシイミドを濃度8.77*10-4mol/LNMPに溶解した。NMP中の化合物のモル吸光係数は74100(l/mol*cm)であった。この溶液の一部を、1mmキュベット中で75ワットのキセノンランプで照射し、溶液の全容量が入射光線で覆われるようにした。照射と同時に、透過モードのUV−vis分光計を用いてスペクトルの変化をウルブリヒト球を介して測定した。
706nmで吸収帯が認められ、無限照射時間の場合は照射から2分以内にその値の>80%まで増加し、その後暗所に保管した後に半分の値まで減少する(回復)。
Figure 0005675591
実施例42:
N,N’−ビス(3−ジメチルアミノエチル)−1,6,7,12−テトラクロロペリレンテトラカルボキシイミドを用いた紙の染色の実施
パルプ(上質セルロースパルプ)を秤量した。乾燥質量1.7gの湿らせたパルプを水65mLに添加し、この材料を10〜15分間攪拌した。N,N’−ビス(3−ジメチルアミノエチル)−1,6,7,12−テトラクロロペリレンテトラカルボキシイミド0.1gを水および酢酸2mLに溶解し、100mLにした。この溶液10mLを調製したパルプに添加し、水を添加して混合物を1Lにした。この混合物を濾紙を用いて吸引濾過した。パルプを濾紙から取り出し、2枚の濾紙間で90℃にて5分間乾燥させた。乾燥した試料を、Y光導波路を介して75ワットのキセノンランプで照射し、結果得られたUV吸収量を、照射と同時にUV−vis分光計で測定した。
照射とともに認められた768nmでの吸収量は、暗所で30分保管した後、86%減少する(照射から2分後に得られた値に対して)。
Figure 0005675591
実施例43:
「滴下試験」の実施およびその後の紙への照射
N,N’−ビス(3−ジメチルアミノエチル)−1,6,7,12−テトラクロロペリレンテトラカルボキシイミド0.1gを水および酢酸2mLに溶解し、100mLにした。ピペットを用いてこの溶液2mLを採取した。この溶液を1枚の紙に滴下し、90℃で乾燥した。
乾燥試料を、Y光導波路を介して75ワットのキセノンランプで照射し、結果得られたUV吸収量を、照射と同時にUV−vis分光計で測定した。
照射とともに認められた768nmでの吸収量は、暗所で30分保管した後、開始値の約11%まで減少する。
Figure 0005675591

Claims (24)

  1. 一般式(I)
    Figure 0005675591
    [式中、記号および添字はそれぞれ下に示す通りである、
    1、R2は同じであるか異なっており、それぞれ独立してアミノ、C1−C8−アルキルアミノ、C1−C8−ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、N−ヘテロシクリル、トリアリールアミニル、ヒドロキシル、C1−C8−アルコキシ、アリールオキシであり、
    3、R4は同じであるか異なっており、それぞれ独立して単結合、C1−C8−アルキレン、C3−C6−シクロアルキレン、アリーレン、C8−C14−フェニルアルキレンであり、
    Xは同じであるか異なっており、それぞれ独立してC1−C20−アルコキシ、C1−C20−アルキルチオ、アリールオキシ、アリールチオ、ハロゲン、シアノ、CO2R、SO3R、SO2Rまたは基
    Figure 0005675591
    であり、その式中、
    AはS、SO2であり、
    rは2、3、4、5、6であり、
    8はC1−C20−アルキル、C1−C20−アルコキシであり、
    m=1であれば、異なるXが一緒になってチオ基であってよく、
    Rは同じであるか異なっており、それぞれ独立してH、C1−C8−アルキル、アリールであり、
    n、pは0、1、2、3または4であり、
    mは0、1または2であり、かつ
    置換基R、R1、R2、R3またはR4はそれぞれ任意の位置で、場合により水素で飽和された1個以上のヘテロ原子により中断されてよく、これらのヘテロ原子の数は4以下であるおよび/または任意の位置でそれぞれNR56、CONR56、COOM、COOR5、SO3M、SO35(式中、R5、R6は同じであるか異なっており、それぞれ独立してH、C1−C8−アルキル、アリールであり、MはH、アルカリ金属、NR7 4であり、R7は独立してH、C1−C8−アルキルである)、CN、NO2、C1−C20−アルキル、C1−C20−アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環、ヘテロ原子またはハロゲンによって5回以下置換されてよく、前述の基によりこれらが同様に2回以下置換されてよい]の1つ以上の化合物により電磁線の吸収を変化させる方法において、これらの化合物に波長300〜750nmの電磁線を照射することを特徴とし、波長300〜750nmの電磁線を照射することにより一般式(I)の化合物の吸収スペクトルが深色移動し、かつ電磁線の変化した吸収を検出する、一般式(I)の1つ以上の化合物により電磁線の吸収を変化させる方法。
  2. 式中の記号および添字がそれぞれ下に示す通りである、
    1、R2は同じであるか異なっており、それぞれ独立してアミノ、C1−C8−アルキルアミノ、C1−C8−ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、N−ヘテロシクリル、N,N−ジアリールアニリン−4−イルであり、
    3、R4は同じであるか異なっており、それぞれ独立して単結合、C1−C8−アルキレンであり、
    Xは、同じであるか異なっており、それぞれ独立してC1−C20−アルコキシ、アリールオキシ、ハロゲン、シアノ、SO2Rまたは基
    Figure 0005675591
    であり、その式中、
    AはS、SO2であり、
    rは2、3、4、5、6であり、
    8はC1−C20−アルキル、C1−C20−アルコキシであり、
    mは1または2であり、かつ
    置換基R1、R2、R3およびR4はそれぞれ、請求項1に記載の任意の位置で置換されるか、ヘテロ原子で中断されてよく、その他のすべての記号および添字は請求項1に記載の通りである、請求項1に記載の方法。
  3. 式中の記号および添字がそれぞれ下に示す通りである、
    1、R2はいずれもアミノ、C1−C8−アルキルアミノ、C1−C8−ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、N−ヘテロシクリル、N,N−ジアリールアニリン−4−イルであり、
    3、R4は同じであるか異なっており、それぞれ独立して単結合、C1−C8−アルキレンであり、
    Xは同じであるか異なっており、それぞれ独立してハロゲン、シアノ、アリールオキシまたは基
    Figure 0005675591
    であり、その式中、
    AはS、SO2であり、
    rは2、3、4、5、6であり、
    8はC1−C20−アルキル、C1−C20−アルコキシであり、
    mは1または2であり、かつ
    置換基R1、R2、R3およびR4はそれぞれ、請求項1に記載の任意の位置で置換されるか、ヘテロ原子で中断されてよく、その他のすべての記号および添字は請求項1に記載の通りである、請求項1に記載の方法。
  4. 波長300〜750nmの電磁線を照射することにより一般式(I)の化合物の色が視覚で感知できる変化を呈する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 波長300〜750nmの電磁線を照射することにより一般式(I)の化合物がIR内で吸収する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 材料の標識を検出するための請求項1に記載の方法の使用。
  7. 紙の標識を検出するための請求項6に記載の使用。
  8. 鉱油の標識を検出するための請求項6に記載の使用。
  9. 変色を生じさせるための請求項1に記載の方法の使用。
  10. 紙の変色または紙の上での変色を生じさせるための請求項9に記載の使用。
  11. レーザー溶接のための請求項1に記載の方法の使用。
  12. 熱管理のための請求項1に記載の方法の使用。
  13. 光開始剤の提供のための請求項1に記載の方法の使用。
  14. フリーラジカル捕捉剤の提供のための請求項1に記載の方法の使用。
  15. 酸素検出のための請求項1に記載の方法の使用。
  16. 材料による電磁線の吸収または透過を調節する方法であって、請求項1に記載の一般式(I)の一つ以上の化合物を前記材料と接触させ、これらの化合物に波長300〜750nmの電磁線を照射することを特徴とし、波長300〜750nmの電磁線を照射することにより一般式(I)の化合物の吸収スペクトルが深色移動する、材料による電磁線の吸収または透過を調節する方法。
  17. 前記材料によるIR放射線の吸収が調節される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記材料が熱管理または断熱のために使用される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記材料による可視光の吸収が調節される、請求項16に記載の方法。
  20. 前記材料が明るさの管理のために使用される、請求項19に記載の方法。
  21. 前記材料が窓である、請求項16から20までのいずれか1項に記載の方法。
  22. 請求項1に記載の一般式(I)の化合物であって、その式中、
    1、R2が同じであるか異なっており、それぞれ独立してC1−C8−アルキルアミノ、C1−C8−ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、N−ヘテロシクリル、トリアリールアミニルであり、
    3、R4が同じであるか異なっており、それぞれ独立してC1−C8−アルキレン、アリーレンであり、
    Xが同じであるか異なっており、それぞれ独立してハロゲン、シアノまたは基
    Figure 0005675591
    であり、その式中、
    AはS、SO2であり、
    rは2、3、4、5、6であり、
    8はC1−C20−アルキル、C1−C20−アルコキシであり、
    n、pが0、1または2であり、かつ
    mが0または1であり、かつ
    置換基R1、R2がそれぞれ、C1−C20−アルキル、C1−C20−アルコキシによって任意の位置で5回以下置換されてよい、一般式(I)の化合物。
  23. 請求項22に記載の化合物と接触された材料。
  24. 請求項22に記載の化合物を含有するポリマー、コーティング剤またはガラス
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