JP5675317B2 - 焼入装置 - Google Patents
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Description
また、このような焼入装置では、従来、油槽内にダクトを設置し、このダクト内でスクリュを回転させ、焼入油を油槽内で循環させているものがある。
そこで、金属部品を収容しているバスケットに対して焼入油を上から下へと流すように循環させる焼入装置がある(例えば特許文献1参照)。
このように、バスケットの上から下へと流れる焼入油の流速が速くなることで、ワークを急冷することができ、焼入性を向上させることが可能となる。
この構成により、ワークを収容したバスケットと、ダクトの開口部との間の隙間を小さくすることができ、また、昇降籠の脇を下方へ流れ昇降籠の下に達した焼入油が、ダクトの開口部に流れ込むのを遮断部材によって阻止することができる。
この場合、昇降籠の脇からバスケット側へ焼入油が侵入するのを防ぎ、バスケット及びその周囲における焼入油の流速の低下を防ぐことが可能となる。さらに、 バスケットの上から下へと焼入油が流れる下降流を整流することができ、バスケットの周囲の焼入油の流れが安定し、バスケットに収容したワークの焼入処理後 の品質を均一化することが可能となる。
この場合、直管部を流れた焼入油を、昇降籠の上端面と同じ高さ又は当該上端面よりも低い位置で油槽内に開放することができ、この昇降籠に搭載したバスケットの上から下へと焼入油が流れる下降流を、生じさせやすくしている。
〔1.焼入装置の全体構成について〕
図1は、焼入装置の実施の一形態を示す概略図であり、正面から見た断面図である。この焼入装置は、焼入油7を貯留している油槽1と、昇降籠20を有している昇降装置2とを備えている。昇降装置2は、昇降籠20を油槽1の上方位置Uと油槽1内の下位置Dとの間を昇降させる。図1では、下位置Dにある昇降籠20を破線で示している。昇降籠20内には、上下重ねた複数のバスケット10が搭載される。
図2は、油槽1及びその内部を説明する斜視図であり、昇降籠20が下位置Dに降下した状態である。図3はその正面図であり、図4はその平面図である。なお、本実施形態では、図4の平面図において、油槽1のほぼ中央に沈められるバスケット10を中心として、後述のダクト3の直管部34,34が設けられている方向を左右方向とし、これに直交する水平方向(図4では上下の方向)を前後方向とする。そして、油槽1の高さ方向が上下方向である。
このように、載置部24は、複数本のローラ24aが等間隔に並べられて構成されていることから、これらローラ24a上に、重ねられたバスケット10を載置することができる(図3参照)。そして、この載置部24では、隣り合うローラ24a間が開口した形態となり、このローラ24a間の各開口によって、焼入油7(後述する焼入油7の下降流)は、載置部24を容易に通過することができる。
そこで、延長筒部35は、昇降籠20の下枠21に下から上へと挿入状態となって、バスケット10を載せているローラ24aの下端面24bに接近した位置まで上へと延びている。これにより、延長筒部35の上端(入口開口部30)は、水平に並んだローラ24aに接近した状態にある。
このように、バスケット10の上から下へと流れる焼入油7の流速が速くなることで、当該バスケット10に収容したワークWを急冷することができ、焼入性を向上させることが可能となる。
さらに、前記側壁25と前記前壁6との間を塞ぐように、縦長の壁16が設けられている。この縦長の壁16は板状の部材であり、前壁6に取り付けられている。
この壁部材によれば、昇降籠20の脇からバスケット10側へ焼入油7が侵入するのを防ぐことができ、バスケット10及びその周囲における焼入油7の流速の低下を防止することが可能となる。さらに、この壁部材によれば、バスケット10の上から下へと焼入油7が流れる下降流を整流することができる。つまり、壁部材を整流板とすることができる。この結果、バスケット10の周囲の焼入油7の流れが安定し(流速が均一となり)、バスケット10に収容したワークWの焼入処理後の品質を均一化することが可能となる。
図6は、前記実施形態に係る焼入装置により、高温状態(約870℃)にあるワークWを、油槽1の焼入油に浸漬して急冷して得た製品(ナット)の、品質テスト結果を示す図である。この品質テストでは、8段に重ねたバスケット10を昇降籠20に搭載し、油槽1内の下位置Dへ降下させ、油冷を5分行い、その後、油槽1の上方に引き上げ、サンプルとして複数のナットを取り出し、硬さ測定を行った。なお、各バスケット10には多数(数百個)のボルトが収容されている。また、このテスト(油冷)を3回実施している。
2 昇降装置
3 ダクト
4 スクリュ
5 後壁
6 前壁
7 焼入油
10 バスケット
10a 下端面
16 縦長の壁
20 昇降籠
20a 上端面
21 下枠
22 上枠
23 連結部材
24 載置部
24b 下端面
25 側壁
30 入口開口部(開口部)
33 曲管部
34 直管部
35 延長筒部
36 遮断部材
D 下位置
U 上方位置
W ワーク
Claims (4)
- 焼入油を貯留する油槽を備え、焼入温度に加熱にしたワークを収容したバスケットを前記焼入油に浸漬して当該ワークを急冷する焼入装置であって、
前記バスケットを搭載する昇降籠を有し、当該昇降籠を前記油槽の上方位置と前記油槽内の下位置との間を昇降させる昇降装置と、
前記下位置にある前記昇降籠に搭載した前記バスケットの直下で前記焼入油を取り入れる開口部を有しているダクトと、
前記焼入油を前記開口部から取り入れ前記焼入油を前記バスケットの上から下へと流す下降流を生じさせるスクリュと、を備え、
前記ダクトは、
前記下位置にある前記昇降籠に搭載した前記バスケットの下端面に接近した位置まで上へと延び上端部が前記開口部となる延長筒部と、
前記延長筒部の前記開口部よりも下側の外周から水平方向外側に延び、前記昇降籠の脇を下方へ流れ当該昇降籠の下に達した前記焼入油が前記開口部に流れ込むのを阻止する板状の遮断部材と、
を有し、
前記昇降籠には上下方向に開口している下枠が備えられ、当該下枠の内側が開口され、前記昇降籠が下位置にある際に、前記遮断部材は、前記下枠と、当該下枠の開口に挿入状態となっている前記延長筒部との間を塞いでいることを特徴とする焼入装置。 - 前記昇降籠は、上下方向に開口している下枠及び上枠と、前記下枠と前記上枠とを上下連結している連結部材と、前記下枠の上方で前記バスケットを載せるために設けられ前記下降流を通過可能とする開口を有した載置部と、を有し、
前記延長筒部は、前記下枠に下から上へと挿入状態となって、前記バスケットを載せている前記載置部の下端面に接近した位置まで上へと延びており、
前記遮断部材は、前記下枠と、当該下枠に挿入状となっている前記延長筒部との間を塞いでいる請求項1に記載の焼入装置。 - 前記昇降籠の左右両側の側壁および前記昇降籠が下位置にある際に、当該昇降籠内のバスケットの前後を覆うように油槽内に設けられた前壁および後壁によって、前記バスケットの側方を全周にわたって囲む壁部材を備えている請求項1又は2に記載の焼入装置。
- 前記ダクトは、前記開口部から取り入れた下降流の焼入油を、前記油槽の下部で上昇流へと転じさせる曲管部と、当該曲管部と連続し上昇流となる焼入油を上に導く直管部と、を有し、
前記直管部は、前記下位置にある前記昇降籠の上端面と同じ高さ位置又は当該上端面よりも低い位置で開口している請求項1から3のいずれかに記載の焼入装置。
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