JP5674025B2 - めっき前処理装置及びめっき前処理方法 - Google Patents

めっき前処理装置及びめっき前処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、めっき前処理装置およびめっき前処理方法に関するものであり、特には、多層配線基板の表層から内層に到る有底ビアを電気的に接続するためのめっき装置およびめっき前処理方法に関するものである。
電子機器の高密度化に伴い、電子機器に用いられる多層配線基板に対しても高密度化が求められており、必要な層間のみを接続可能な、いわゆるIVH(インタースティシャルバイアホール)を有する構造の多層配線基板が主流となっている。
多層配線基板にIVHを形成する場合は、エッチングによって表層の銅箔にコンフォーマルマスクとなる窓孔を設け、この窓孔にレーザを照射して表層と内層の間に配置された絶縁樹脂を除去することで、表層から内層に到る有底ビア(非貫通穴)を形成した後、この有底ビア内に対して、レーザの加工残渣であるスミアを除去するデスミア処理を行い、さらに無電解めっきや電気めっきを行って表層と内層とを電気的に接続する。
しかし、内層表面の加工残渣をデスミア処理で除去しても、デスミア処理後に露出した内層表面の表面粗さが大きいと、めっきによって内層と表層との層間接続を形成した場合に、十分な接続信頼性を得ることが難しい場合がある。特に内層表面が、銅箔のマット面である場合は、表面粗さが大きいため、影響が出易い場合がある。
そこで、レーザ加工によって表層から内層に到る有底ビアを形成した後、有底ビアの底部となる内層表面に対してエッチングを行うことで、内層表面の表面粗さを小さくし、内層表面とその後に形成する無電解めっきや電気めっきとの接続信頼性を向上させた多層配線基板が開示されている(特許文献1、2)。
一方、多層配線基板のIVHに対して無電解めっきや電気めっきを行うためのめっき装置としては、従来、多層配線基板を保持可能なめっき用のラックに収納し、一連のめっき処理槽に順番に浸漬させる垂直式のものが用いられてきた。しかし、このような垂直式のめっき装置は、処理能力が低いうえ、多層配線基板をラックへの出し入れに手間がかかる問題がある。このため、近年、このような問題を改善した水平搬送式のめっき装置が提案されている(特許文献3、4)。
特開2002−217536号公報 特開2010−080702号公報 特開昭62−025496号公報 特開平8−023164号公報
特許文献1、2に開示されるように、レーザ加工によって表層から内層に到る有底ビアを形成した後、めっきの前処理として、有底ビアの底部となる内層表面に対してエッチングを行う場合には、エッチング量のコントロールが重要であり、エッチング量が低下すると、有底ビアの底部に露出した内層表面の表面粗さが大きいままとなり、所定の表面粗さよりも小さくすることができないため、内層表面とその後に形成する無電解めっきや電気めっきとの接続信頼性が低下する可能性がある。
また、特許文献3、4の水平搬送式のめっき装置は、めっきの前処理としてのエッチングを行う場合のエッチング量のコントロールについては考慮されていない。このため、エッチング量が大きく変動してしまい、内層表面の表面粗さを所定の大きさよりも小さく維持することができないため、内層表面とその後に形成する無電解めっきや電気めっきとの接続信頼性が低下する可能性がある。
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、多層配線基板の表層から内層に到る有底ビアを電気的に接続するためのめっきを行う際に、内層とめっきとの接続信頼性を確保可能なめっき前処理装置及びめっき前処理方法を提供する。
上記課題を解決するために本発明は、以下に示す構成を備える。
(1) 多層配線基板の表層から内層に到る有底ビアを電気的に接続するためのめっき用の前処理を行うめっき前処理装置であって、被めっき体である前記多層配線基板の脱脂を行う脱脂槽と、脱脂に用いた脱脂液を前記多層配線基板から洗浄除去する水洗槽Aと、前記多層配線板の有底ビアの底部に露出した内層表面に対してエッチングを行うソフトエッチング槽と、前記エッチングに用いたソフトエッチング液を前記多層配線基板から洗浄除去する水洗槽Bと、を備え、前記水洗槽Aの水洗水の実際の温度が、前記ソフトエッチング槽のソフトエッチング液の設定温度に対して、−5〜0℃の範囲に制御されるめっき前処理装置。
(2) (1)において、水洗槽Aの水洗水の設定温度が、ソフトエッチング槽のソフトエッチング液の設定温度と連動して制御されるめっき前処理装置。
(3) (1)または(2)において、水洗槽Aが、複数の槽に分けられ、この複数の槽が、最後尾の槽からめっき前処理装置の前方に向かうにつれて、液面が低くなるように形成されるめっき前処理装置。
) (1)〜(3)の何れかにおいて、被めっき体である多層配線基板が、水平方向に搬送されるめっき前処理装置。
) (1)〜()の何れかにおいて、ソフトエッチング槽のソフトエッチング液が、過硫酸アンモニウム水溶液、過硫酸ナトリウム水溶液、硫酸−過酸化水素水溶液の何れかであるめっき前処理装置。
) 多層配線基板の表層から内層に到る有底ビアを電気的に接続するためのめっき用の前処理を行うめっき前処理方法であって、被めっき体である前記多層配線基板の脱脂を行う脱脂工程と、脱脂に用いた脱脂液を前記多層配線基板から洗浄除去する水洗A工程と、前記多層配線板の有底ビアの底部に露出した内層表面に対してエッチングを行うソフトエッチング工程と、前記エッチングに用いたソフトエッチング液を前記多層配線基板から洗浄除去する水洗B工程と、を備え、前記水洗工程Aの水洗水の実際の温度が、前記ソフトエッチング工程のソフトエッチング液の設定温度に対して、−5〜0℃の範囲に制御されるめっき前処理方法。
本発明によれば、多層配線基板の表層から内層に到る有底ビアを電気的に接続するためのめっきを行う際に、内層とめっきとの接続信頼性を確保可能なめっき前処理装置及びめっき前処理方法を提供することができる。
本発明のめっき前処理装置の一例の模式図である。 本発明のめっき前処理装置の一例の処理工程を表すフロー図である。 本発明のめっき前処理装置の一例を適用する多層配線基板の製造工程を表 すフロー図である。
本発明のめっき前処理装置としては、図1に示すように、多層配線基板の表層から内層に到る有底ビアを電気的に接続するためのめっき用の前処理を行うめっき前処理装置1であって、被めっき体である前記多層配線基板の脱脂を行う脱脂槽3と、脱脂に用いた脱脂液11を前記多層配線基板から洗浄除去する水洗槽A4と、前記多層配線板の有底ビアの底部に露出した内層表面に対してエッチングを行うソフトエッチング槽5と、前記エッチングに用いたソフトエッチング液13を前記多層配線基板から洗浄除去する水洗槽B6と、を備え、前記水洗槽A4の水洗水12の実際の温度が、前記ソフトエッチング槽5のソフトエッチング液13の設定温度に対して、所定範囲に制御されるめっき前処理装置1が挙げられる。
本発明において、実際の温度とは処理液を実測したときの温度を言い、設定温度とは所定の処理を行うために目標にされた温度を言う。通常は、設定温度は実際の温度とほぼ等しいが、処理を稼動している間に種々の要因によって変動する可能性がある。例えば、本発明のめっき前処理装置においては、ソフトエッチング槽で処理される多層配線基板とソフトエッチング液との温度差によって、ソフトエッチング液の実際の温度は、設定温度に対して変動する可能性がある。
本発明のめっき前処理装置を用いてめっき前処理を行う対象としては、図3に示すように、多層配線基板14であって、表層15から内層17に到る有底ビア23を有しており、この有底ビアの表層15と内層17とを電気的に接続するためのめっき22を行うものが挙げられる。ここで、表層15とは、本発明のめっき前処理装置を用いてめっき前処理を行う際に、多層配線基板14の最も外側の配線層(配線パターンを有する層)となっていることを意味するものであり、必ずしも、必要な層数を積層し終わった後の完成した多層配線基板14としての表層15を意味するものではない。また、内層17とは、本発明のめっき前処理装置を用いてめっき前処理を行う際に、多層配線基板14の内層の配線層(配線パターンを有する層)となっていることを意味するものであり、必ずしも、必要な層数を積層し終わった後の完成した多層配線基板14としての内層17を意味するものではない。表層15及び内層17は、導電性を有し、配線層として機能するものであれば、材料や製法等は特に限定されないが、後述するソフトエッチング液によってエッチング可能なものである必要がある。一般には、多層配線基板14の製造で用いられる電解銅箔や圧延銅箔が用いられる。多層配線基板14とは、表層15と内層17とを有するものをいい、必要な層数を積層し終わった後の多層配線基板14だけでなく、途中段階のものを含む。表層15から内層17に到る有底ビア23とは、表層15の配線層側に開口を有し、内層17の配線層を底部とする行き止まりの孔をいう。表層15から内層17に到る有底ビア23は、例えば、配線パターンを形成した内層の上に、絶縁層16と表層15となる銅箔とを積層した後(図3(1))、コンフォーマルマスクとなる窓孔18をエッチング等で形成し(図3(2))、窓孔18から露出した部分の絶縁層16をレーザ加工によって除去し(図3(3))、レーザ加工の加工残渣20をデスミア処理で除去(図3(4))したものが挙げられる。このような、表層15から内層17に到る有底ビア23を有する多層配線基板14では、この後、脱脂やソフトエッチングを含むめっき前処理を行い(図3(5))、その後で、無電解めっきや電解めっき等のめっきを行って、表層15と内層17との層間接続が形成される。しかし、内層17表面の加工残渣をデスミア処理で除去しても、デスミア処理後に露出した内層17表面(有底ビア底部21)の表面粗さが大きいと、めっきによって内層17と表層15との層間接続を形成した場合に、十分な接続信頼性を得ることが難しい場合がある。本発明によれば、デスミア処理後に露出した内層17表面のソフトエッチング量を安定して維持できるので、内層17表面(ソフトエチング面24)の表面粗さを所定の粗さよりも小さくすることが可能となり、多層配線基板14の表層15から内層17に到る有底ビア23を電気的に接続するためのめっきを行う際に、内層とめっきとの接続信頼性を確保することができる。
本発明のめっき前処理装置で行われる処理工程としては、図2に示すように、被めっき体である前記多層配線基板の脱脂を行う脱脂工程と、脱脂に用いた脱脂液を前記多層配線基板から洗浄除去する水洗A工程と、前記多層配線板の有底ビアの底部に露出した内層表面に対してエッチングを行うソフトエッチング工程と、前記エッチングに用いたソフトエッチング液を前記多層配線基板から洗浄除去する水洗B工程とが挙げられる。
脱脂槽で行われる脱脂工程は、被めっき体である多層配線基板から油脂汚れ等を除去する工程である。脱脂は、めっき前処理用の脱脂液として一般に用いられる溶剤、アルカリ性水溶液、酸性水溶液等を用いることができる。脱脂処理の条件としては、脱脂液の種類等によって一般的に用いられる条件を用いればよく、例えば、30〜40℃の温度で、4分〜6分の条件を用いることができる。30℃程度の温度に制御した脱脂液中で5分程度処理するようにすると、後述する水洗槽Aの水洗水に持ち込まれる多層配線基板の温度が安定化するので、水洗槽Aの水洗水の温度を所定範囲に制御するうえで望ましい。
水洗槽Aで行われる水洗A工程は、脱脂に用いた脱脂液を前記多層配線基板から洗浄除去する工程である。水洗槽Aの水洗水の温度は、ソフトエッチング槽のソフトエッチング液の設定温度に対して、所定範囲に制御される。水洗水の温度制御は、所定範囲の温度制御が可能であれば特に限定はないが、例えば、加温用のヒータと冷却用のチラーを水洗槽A内に設けることにより行うことができる。ヒータとしては、電気ヒータ、蒸気ヒータ、温水ヒータ、オイルヒータ等が挙げられ、チラーとしては、水冷チラー、空冷チラー、オイルチラー等が挙げられる。これらのうち、熱交換器を使用するものは、熱交換器が水洗槽A内に設置される。水洗槽Aン内の水洗水の温度をより均一にするには、循環ポンプを備えるのが望ましい。
水洗槽Aは、一つの槽によって形成されていてもよいが、複数の槽に分けられ、この複数の槽が、最後尾の槽からめっき前処理装置の前方に向かうにつれて、液面が低くなるように形成されるのが望ましい。これにより、最後尾の槽に水洗水が供給されると、前方の槽にオーバーフローするので、最後尾の槽の水洗水を温度制御するようにするだけで、水洗槽Aの複数の槽の全ての水洗水を温度制御することができる。また、水洗槽Aに入った多層配線基板は、水洗A工程を終了する直前に、実際に温度制御されている最後尾の槽を通過するので、最も設定温度に近い温度の水洗水によって洗浄されることになる。このため、設定温度に最も近づいた状態で、次のソフトエッチング工程へ、多層配線基板を送り込むことができる。さらに、脱脂工程を終えた多層配線基板が、複数の槽を通る間に、段階的に設定温度に近い温度となってから、最後尾の槽に持ち込まれるので、実際に温度制御している最後尾の槽の水洗水の温度に対する影響を小さくすることができ、温度の変動を抑えることができる。
水洗槽Aの水洗水の温度は、ソフトエッチング槽のソフトエッチング液の設定温度に対して、−5℃〜同等の範囲に制御される。洗浄槽Aが複数の槽から形成され、最後尾の槽から前方に向ってオーバーフローする構成の場合は、最後尾の槽の水洗水の温度を上記の範囲に制御すればよい。また、最後尾の槽の水洗水の温度(実際の温度)が、常にソフトエッチング槽のソフトエッチング液の設定温度に対して、−5℃〜同等の範囲となるように、最後尾の槽の水洗水の設定温度を、ソフトエッチング槽のソフトエッチング液の設定温度と連動させておくのが望ましい。また、最後尾の槽の水洗水の設定温度を、ソフトエッチング槽のソフトエッチング液の温度(実際の温度)と連動させておくと、ソフトエッチング液の温度(実際の温度)とソフトエッチング液の設定温度との温度差が所定範囲になるように制御し易いので望ましい。なお、水洗槽Aは、脱脂液を十分に洗浄可能なように、多層配線基板の表層ビアのアスペクト比や搬送速度等に応じて、洗浄時間や水洗のスプレー圧等が設定されている必要がある。このため、一般に、洗浄条件はスプレー圧0.05MPa以上0.5MPa以下、洗浄時間1分以上であり、多層配線基板の板厚やサイズにもよるが、板厚が0.1mm以上3mm以下、サイズが500mm×600mm以下の場合であれば、このような一般的な洗浄条件の下で、水洗槽Aの水洗水の温度を、ソフトエッチング槽のソフトエッチング液の設定温度に対して、−5℃〜同等の範囲に制御することによって、多層配線基板の温度を、ソフトエッチング液の温度に影響を与えない程度の温度(ソフトエッチング液の設定温度に対して、−5℃〜同等の範囲。)にすることができる。ここで、ソフトエッチング液が内層表面をエッチングする反応自体は、発熱反応であるが、水洗槽Aの水洗水の温度がソフトエッチング液の設定温度−5℃未満の場合、ソフトエッチング液の設定温度に対して、多層配線基板の温度が低過ぎるため、多層配線基板がソフトエッチング槽に持ち込まれることによって、ソフトエッチング液の実際の温度が低下する傾向がある。このため、内層表面のソフトエッチング量が低下し、内層表面の表面粗さが大きい(Ra>4.0μm)ままとなる可能性がある。一方、水洗槽Aの水洗水の温度がソフトエッチング液の設定温度よりも高い場合、ソフトエッチング液が内層表面をエッチングする反応自体が発熱反応であるため、ソフトエッチング液の実際の温度が上昇する傾向がある。この場合は、ソフトエッチング液による内層表面のエッチング量が増加するため、例えば内層が銅の場合は、ソフトエッチング液中の銅濃度が短期間の使用で上昇してしまう結果、エッチング量の管理が難しく、かえってエッチング量を低下させてしまい易い。このため、この場合も内層表面のソフトエッチング量が低下し、内層表面の表面粗さが大きい(Ra>4.0μm)ままとなる可能性がある。
ソフトエッチング槽で行われるソフトエッチング工程は、内層表層の酸化皮膜を除去し、また表層IVHの有底ビア底部の内層表面の表面粗さを低減するために行うものである。レーザ加工を行った後のIVHの有底ビア底部の内層の表面には、レーザ加工の残渣が残っており、この残渣はデスミア処理等によって残渣の除去が行われるが、レーザ加工の残渣を完全に取り除いても、露出した内層の表面粗さが大きい場合(JIS B 0601−1994に規定する算術平均粗さRaが、>4.0μmの場合。)は、めっきの析出が阻害されて接続信頼性の低下に繋がる可能性がある。しかし、内層表面のレーザ加工の残渣をデスミア処理等によって除去した後に、このソフトエッチング工程を適切に行うことにより、内層の表面粗さを4.0μm以下に小さくすることができるので、内層表面へのめっき析出性が改善され、接続信頼性を確保可能になる。
ソフトエッチング工程で用いるソフトエッチング液としては、めっき前処理用のエッチング液として、一般に用いられるものを使用することができ、このようなものとしては、過硫酸アンモニウム水溶液(以下、「APS」という場合がある。)、過硫酸ナトリウム水溶液(以下、「SPS」という場合がある。)、硫酸−過酸化水素水溶液(以下、「硫酸/過水」という場合がある。)等を挙げることができる。それぞれのソフトエッチング液の組成・処理条件としては、APSであれば、50〜200g/l、25〜40℃、50秒〜70秒、SPSであれば、50〜200g/l、25〜40℃、50秒〜70秒、硫酸/過水であれば、硫酸の濃度が5〜300g/l、過酸化水素の濃度が5〜200g/l、35〜40℃、50秒〜70秒が望ましい。これらの条件により、内層の表面粗さを4.0μm以下に小さくすることができる。
水洗槽Bで行われる水洗は、ソフトエッチングに用いたソフトエッチング液を多層配線基板から洗浄除去する工程である。水洗槽Bでの洗浄条件は、前工程で多層配線基板に付着したソフトエッチング液を十分に洗浄可能なように、多層配線基板の表層ビアのアスペクト比や搬送速度等に応じて、洗浄時間や水洗のスプレー圧等が設定される。このような条件としては、例えば、スプレー圧0.05MPa以上、0.5MPa以下、洗浄時間5分以上が挙げられる。
本発明のめっき前処理装置では、被めっき体である多層配線基板が、水平方向に搬送される。水平搬送式のめっき装置では、ラック等に複数枚を収納してラック毎にまとめて処理する垂直式とは異なり、被めっき体である多層配線基板が1枚ずつ搬送される。このため、多層配線基板が持ち込まれることによる各処理槽の処理液の温度の瞬間的な変動は小さく、仮に処理液と温度差のある多層配線基板が連続的に持ち込まれる場合でも処理液の温度は徐々に変動する。本発明では、水洗槽Aにおいて、水洗水の温度を所定範囲に制御するが、この水洗槽Aにおいても同様であるため、ハイパワーのヒータ(加熱装置)やチラー(冷却装置)は不要である。また、ソフトエッチング槽においても、同様であり、水洗槽Aにおける水洗後の多層配線基板とソフトエッチング液とが温度差を有していても、多層配線基板が連続的に持ち込まれることによるソフトエッチング液の温度の変動は小さいため、エッチング量の変動を比較的小さくすることができる。
以下、本発明を実施例により説明するが,本発明はこれに限定されない。
(実施例1)
図3に示すようにして、エッチングによって表層15の銅箔にコンフォーマルマスクとなる窓孔18を設け、この窓孔18にレーザ光19を照射して表層と内層の間に配置された絶縁樹脂を除去することで、表層から内層に到る有底ビア(非貫通穴)を形成した後、この有底ビア23内に対して、レーザの加工残渣20であるスミアを除去するデスミア処理を行った多層配線基板14を、48枚準備した。この多層配線基板14は、板厚が0.6mm、サイズが500mm×600mm、配線層が6層である。
この多層配線基板に対して、図1に示すように、被めっき体である多層配線基板の脱脂を行う脱脂槽3と、脱脂に用いた脱脂液11を多層配線基板から洗浄除去する水洗槽A4と、多層配線板の有底ビアの底部に露出した内層表面に対してエッチングを行うソフトエッチング槽5と、エッチングに用いたソフトエッチング液13を多層配線基板から洗浄除去する水洗槽B6とを備えるめっき前処理装置1により、めっき前処理を行った。
脱脂槽の脱脂液としては、アルカリ水溶液であるPC−453(メルテックス株式会社製、商品名)を用い、30℃、5分の条件で脱脂を行った。
図1に示すように、水洗槽A4は、第1水洗41〜第3水洗43までの3段に設けられ、第3水洗43に新しい水洗水12が供給され、液面10の差によって、搬送方向とは逆方向に、第2水洗42、第1水洗41へとオーバーフローし、その後排水口(図示しない。)から排水される。第3水洗43には、ヒータ及びチラーの熱交換器26(図1では、一つにまとめて示す。)が設けられ、水洗水12の温度を所定範囲に制御する。水洗水12の温度(実際の温度)は、直後のソフトエッチング工程に用いるソフトエッチング液13の設定温度と連動して制御される。本実施例では、ソフトエッチング液13の設定温度(40℃)に対して、第3水洗43の水洗水12の実際の温度が、常に、−5〜0℃の範囲に入るように、第3水洗43の水洗水12の設定温度を37℃とした。また、スプレー圧は0.2MPa、洗浄時間は5分(1槽当り1分40秒)である。
ソフトエッチング工程に用いるソフトエッチング液は、100g/lのSPSを用い、設定温度40℃、30秒の条件でソフトエッチングを行った。
図1に示すように、水洗槽B6は、水洗槽A4と同様に、第1水洗61〜第3水洗63までの3段に設けた。洗浄条件は、スプレー圧0.2MPa、洗浄時間5分(1槽当り1分40秒)である。
上記のようにして、めっき前処理を行った多層配線基板に対して、IVH用の穴内部にパラジウムコロイド触媒であるHS201B(日立化成工業株式会社製、商品名)を使用して触媒核を付与後、CUST2000(日立化成工業株式会社製、商品名)を使用して厚さ2μmの下地無電解めっき層を形成した。次に、厚さ20μmの電気めっきを形成した。
(実施例2)
実施例1と同様の多層配線基板を準備し、実施例1と同様のめっき前処理装置を用いて、めっき前処理を行った。めっき前処理のうち、脱脂は15℃、5分の条件で行った。これ以外は、実施例1と同様である。
(実施例3)
実施例1と同様の多層配線基板を準備し、実施例1と同様のめっき前処理装置を用いて、めっき前処理を行った。めっき前処理のうち、脱脂は45℃、5分の条件で行った。これ以外は、実施例1と同様である。
(実施例4)
実施例1と同様の多層配線基板を準備し、実施例1と同様のめっき前処理装置を用いて、めっき前処理を行った。めっき前処理のうち、ソフトエッチング液は、100g/lのAPSを用い、設定温度40℃、1分の条件でソフトエッチングを行った。これ以外は、実施例1と同様である。
(実施例5)
実施例1と同様の多層配線基板を準備し、実施例1と同様のめっき前処理装置を用いて、めっき前処理を行った。めっき前処理のうち、ソフトエッチング液は、硫酸の濃度が100g/l、過酸化水素の濃度が100g/lの硫酸/過水を用い、設定温度40℃、1分の条件でソフトエッチングを行った。これ以外は、実施例1と同様である。
(参考例1)
実施例1と同様の多層配線基板を準備し、実施例1と同様のめっき前処理装置を用いて、めっき前処理を行った。めっき前処理のうち、水洗槽Aの水洗水の温度は、ソフトエッチング液の設定温度(40℃)に対して、第3水洗の水洗水の実際の温度が、常に、−11〜−9℃の範囲となるように、第3水洗の水洗水の設定温度を30℃とした。これ以外は、実施例1と同様である。
(参考例2)
実施例1と同様の多層配線基板を準備し、実施例1と同様のめっき前処理装置を用いて、めっき前処理を行った。めっき前処理のうち、水洗槽Aの水洗水の温度は、ソフトエッチング液の設定温度(40℃)に対して、第3水洗の水洗水の実際の温度が、常に、+2〜+5℃の範囲となるように、第3水洗の水洗水の設定温度を45℃とした。これ以外は、実施例1と同様である。
表1に、各実施例及び各参考例において、本発明のめっき前処理装置を用いて、多層配線基板のめっき前処理を行った際のソフトエッチング液の実際の温度、内層表面の仕上がりについてまとめた。実施例1〜5では、ソフトエッチング液の実際の温度が38〜42℃、エッチング量が1.5〜2.0μmに制御され、内層表面の表面粗さが3μm未満であり、接続信頼性が良好となる基準である4μm以下を満足した。一方、参考例1では、ソフトエッチング液の実際の温度が30〜33℃と低く、エッチング量が0.9〜1.2μmと小さく、内層表面の表面粗さが4.1μmと大きい結果であった。参考例2では、ソフトエッチング液の実際の温度が45〜47℃と高く、エッチング量が2.5〜2.9μmと大きく、内層表面の表面粗さが1.9μmと小さいが、多層配線基板を48枚処理した後で、ソフトエッチング液の銅濃度を想定した結果、実施例1〜5に比べて、約2倍程度の増加量であった。このため、ソフトエッチング液の寿命が短い可能性がある。
Figure 0005674025
1…めっき前処理装置
2…投入部
3…脱脂槽
4…水洗槽A、41…第1水洗、42…第2水洗、43…第3水洗
5…ソフトエッチング槽
6…水洗槽B、61…第1水洗、62…第2水洗、63…第3水洗
7…搬送ロール
8…スプレーノズル
10…液面
11…脱脂液
12…水洗水
13…ソフトエッチング液
14…多層配線基板
15…銅箔(表層)
16…絶縁層
17…銅箔(内層)
18…窓孔
19…レーザ光
20…加工残渣
21…有底ビア底部
22…めっきまたは無電解めっきまたは電気めっき
23…有底ビア
24…(内層の)ソフトエッチング面
25…循環ポンプ
26…ヒータ及びチラーの熱交換器

Claims (6)

  1. 多層配線基板の表層から内層に到る有底ビアを電気的に接続するためのめっき用の前処理を行うめっき前処理装置であって、
    被めっき体である前記多層配線基板の脱脂を行う脱脂槽と、
    脱脂に用いた脱脂液を前記多層配線基板から洗浄除去する水洗槽Aと、
    前記多層配線板の有底ビアの底部に露出した内層表面に対してエッチングを行うソフトエッチング槽と、
    前記エッチングに用いたソフトエッチング液を前記多層配線基板から洗浄除去する水洗槽Bと、を備え、
    前記水洗槽Aの水洗水の実際の温度が、前記ソフトエッチング槽のソフトエッチング液の設定温度に対して、−5〜0℃の範囲に制御されるめっき前処理装置。
  2. 請求項1において、水洗槽Aの水洗水の設定温度が、ソフトエッチング槽のソフトエッチング液の設定温度と連動して制御されるめっき前処理装置。
  3. 請求項1または2において、水洗槽Aが、複数の槽に分けられ、この複数の槽が、最後尾の槽からめっき前処理装置の前方に向かうにつれて、液面が低くなるように形成されるめっき前処理装置。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、被めっき体である多層配線基板が、水平方向に搬送されるめっき前処理装置。
  5. 請求項1〜の何れかにおいて、ソフトエッチング槽のソフトエッチング液が、過硫酸アンモニウム水溶液、過硫酸ナトリウム水溶液、硫酸−過酸化水素水溶液の何れかであるめっき前処理装置。
  6. 多層配線基板の表層から内層に到る有底ビアを電気的に接続するためのめっき用の前処理を行うめっき前処理方法であって、
    被めっき体である前記多層配線基板の脱脂を行う脱脂工程と、
    脱脂に用いた脱脂液を前記多層配線基板から洗浄除去する水洗A工程と、
    前記多層配線板の有底ビアの底部に露出した内層表面に対してエッチングを行うソフトエッチング工程と、
    前記エッチングに用いたソフトエッチング液を前記多層配線基板から洗浄除去する水洗B工程と、を備え、
    前記水洗工程Aの水洗水の実際の温度が、前記ソフトエッチング工程のソフトエッチング液の設定温度に対して、−5〜0℃の範囲に制御されるめっき前処理方法。
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