JP5671763B2 - 光ファイバ複合架空地線の接続部収納構造 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバ複合架空地線(OPGW)の光ファイバ同士の接続部を収納する光ファイバ複合架空地線用接続箱に関するものである。特に、金属パイプを介することなく地線内に光ケーブルを収納してなる光ファイバ複合架空地線(パイプレスOPGW)の光ファイバ同士を接続するのに好適に利用できる光ファイバ複合架空地線用接続箱に関する。
架空地線に光ファイバを内蔵することで、雷撃から送電線を保護する架空地線としての機能と通信機能とを兼備するOPGWが、特許文献1に開示されている。
このOPGWは、金属パイプと、その内部に間隔をあけて収納される光ケーブルと、金属パイプの外周に配置される複数の素線からなる地線とを備える。光ケーブルは、テンションメンバ(TM)と、TMの外周に配置される複数の光ファイバユニットと、TMと光ファイバユニットとを一括して覆うシースとで構成されている。各光ファイバユニットは、複数の光ファイバ心線を備える。
また、同文献には、このOPGWの端部同士を接続する接続箱が開示されている。この接続箱は、容器状の本体と、各OPGWの地線を本体の外部で把持するOPGW把持金具と、光ケーブルのTMを本体の内部で固定するTMクランプとを備える。金属パイプ、シース、及びTMは順次段階的に地線から露出されて本体内に導入され、各光ファイバユニットはTMと分岐される。各光ファイバユニットの光ファイバ心線同士は接続されて、その接続部を含む光ファイバ心線の余長が本体内に収納される。この接続箱では、接続箱内ではTMだけがTMクランプにより把持され、金属パイプと光ファイバユニットは把持されていない。
特開平11−271555号公報
従来のOPGWは、地線や金属パイプが腐食すると、その腐食生成物自体が光ケーブルを押圧したり、その腐食生成物により変形された金属パイプが光ケーブルを押圧したりすることがある。そうすると、光ファイバの伝送損失(以下、単に伝送損失という)が増加することがある。また、腐食によって金属パイプに孔が開くと、その孔を介して金属パイプ内に水(雨水)が浸入する場合がある。その水が凍結に伴い膨張すると、光ケーブルが押圧されて、伝送損失が増加することがある。そこで、上述の腐食現象が発生しても、伝送損失の発生を回避するOPGWの構造として、耐圧壊性能を向上させた光ケーブルを金属パイプを介さず地線内に収納したパイプレス光ファイバ複合架空地線が提案されている。このパイプレスOPGWの光ケーブルは、従来のOPGWの光ケーブルに比べて、単位長さ当たりの質量が200%程度重い。また、パイプレスOPGWの光ケーブルは、従来のOPGWの光ケーブルに比べると、耐候性向上の観点からシースの厚さが厚いが、一般の屋外用の光ケーブルに比べるとシースの厚さは薄い。このようなパイプレスOPGWの端部同士を接続するための接続箱として好適なものが提案されていない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、パイプレスOPGWの端部同士を接続するのに好適に利用できるOPGW用接続箱を提供することにある。
本発明者らは、上述したような従来の接続箱を利用して上記パイプレスOPGWの端部同士の接続を試みた。具体的には、パイプレスOPGWの地線端部から光ケーブルを引き出すと共に、所定長のTMを光ケーブルから露出させ、そのTMを把持した。ところが、上述のようにパイプレスOPGWの光ケーブルは従来のOPGWの光ケーブルに比べて重くなっているため、TMのみを把持する構造では、光ケーブルに突き上げが作用した場合、TMが座屈(毀損)する虞のあることが判明した。
一般に、OPGWは着雪や風荷重の作用により地線が伸びると、光ケーブルに引張力が作用する。一方、OPGWが冷却されて地線が収縮すると、光ケーブルに撓みが生じ突き上げ力が作用する。従来の接続箱の仕様は、突き上げ力に対して、TMのみを把持してTMの座屈耐力で問題が生じない構造としている。パイプレスOPGWの光ケーブルは、従来のOPGWの光ケーブルに比べて重量が重くなっているため、従来に比べてより大きな突き上げ力がTMに作用する場合がある。そうすると、従来のOPGWにおける光ケーブルのTMと同様のサイズのTMなどでは、その座屈耐力が不足してTMが座屈する虞がある。また、突き上げ力に伴い光ケーブルに撓みが生じた場合、TMに曲げが作用してより一層座屈し易くなる。TMが座屈すれば、光ケーブルの端部が接続箱内に保持されなくなる。その結果、光ファイバを接続箱内で正常に保持できなくなり、光ファイバの断心に至ることがある。また、光ケーブルと地線との間に金属パイプが介在されておらず、光ケーブルに引張力又は突き上げ力が作用した際、地線端部の内周縁に光ケーブルが接触し、光ケーブルを損傷させる可能性がある。
本発明者らは、従来の接続箱の他、種々の構成の接続箱について試行錯誤を試みた。その結果、光ケーブル自体を金具で直接把持するのではなく特定の部材を介在させて間接的に把持する接続箱とすることで、シースが比較的薄い光ケーブルであっても、光ケーブルの軸方向への移動が防止でき、かつ光ケーブルに過度の把持力が作用しないため伝送損失の増加も抑制できる、との知見を得た。その知見に基づき、本発明を以下に規定する。
本発明のOPGW用接続箱は、複数の素線を撚り合わせた集合体の中心部に筒状の収納空間を有する地線と、収納空間に配置される光ケーブルとを備える光ファイバ複合架空地線の端部同士を接続するためのものである。この接続箱は、接続箱に一体に配置されて光ケーブルを把持する光ケーブル把持金具と、光ケーブルと光ケーブル把持金具との間に介在され、光ケーブル把持金具の把持力により光ケーブルの軸方向の動きを抑制する弾性部材とを備える。この光ケーブルは、地線の収納空間に金属パイプを介することなく配置され、テンションメンバ(TM)と、TMの外周に配置される複数の光ファイバユニットと、これらTMと光ファイバユニットとを一括して覆う厚さが1.5mm未満のシースとを有する。
上記の構成によれば、光ケーブル把持金具を備えて、光ケーブル自体を把持することで、光ケーブルが軸方向へ移動することを防止できる。従って、上述したTMのみを把持する場合に問題であったTMの座屈や、TMの座屈に伴う光ケーブルの軸方向への移動がない。そのため、光ファイバの断心を防止でき、かつ光ケーブルと地線の端部の内周縁との接触を防止して、光ケーブルの損傷を防止できる。
本発明の接続箱において弾性部材を介して光ケーブルを把持することは、とりわけ光ケーブルの伝送損失の増加の抑制に有効である。本発明の接続箱で接続される光ケーブルのシースはOPGW以外の用途で使用される一般的な屋外用の光ケーブルのシースよりも薄いため、外圧により伝送損失が増加し易い。特に、把持金具で直接光ケーブルを把持した場合、その把持力が直接的に光ケーブルに作用し、伝送損失の増加を招き易い。その点、弾性部材を介して光ケーブルを把持すれば、弾性部材がクッションとなって光ケーブルを把持するため、伝送損失の増加を招き難い。その上、弾性部材の変形により、光ケーブルとの接触面積も確保し易いため、より小さな把持力でも光ケーブルを確実に保持することができる。
本発明のOPGW用接続箱の一形態として、光ケーブル把持金具は、光ケーブルを把持するために互いに向かい合う対向面と、その対向面同士の間隔を規制することで、弾性部材における光ケーブルの径方向への過度の把持力の付加を抑制するストッパー部とを備えることが挙げられる。
上記の構成によれば、ストッパー部が弾性部材(光ケーブル)への一定以上の把持力の付加を防止できるため、過度の把持力が光ケーブルに付加されることを抑制できる。
本発明のOPGW用接続箱の一形態として、光ケーブル把持金具は、弾性部材における光ケーブルの軸方向の両端に当接することで、弾性部材の上記軸方向への変形を抑制するガイド部を備えることが挙げられる。
上記の構成によれば、ガイド部により弾性部材が上記軸方向及び径方向へ変形することを防止できるため、弾性部材自体の変形量の増加を抑制できる。従って、弾性部材の変形量の増加を抑制した状態で、光ケーブルの把持力を十分に得ることができる。また、弾性部材の変形量の増加を抑制できることで、弾性部材の永久変形も抑制できるため、長期に亘って把持力が低下せず、適切な把持力で光ケーブルを把持できる。仮に、光ケーブル把持金具からはみ出るまで弾性部材が変形した場合に、その光ケーブル把持金具からはみ出た箇所では、光ケーブル把持金具による弾性部材を介した把持力を光ケーブルに十分に付加できなくなる。対して、上記のようにガイド部を備えることで、光ケーブルの弾性部材との接触面全域に均等に圧力を付加できる。
本発明のOPGW用接続箱の一形態として、TMを把持するTM把持金具を備えることが挙げられる。その際、光ケーブル把持金具とTM把持金具との間の距離が、20mm以上30mm以下であることが好ましい。
上記の構成によれば、TMも安定して接続箱に保持できる。また、万一、光ケーブル把持金具による光ケーブルの把持が緩んだ場合でも、TMの把持により光ケーブルの軸方向への動きをある程度抑制できる。そして、把持金具間の距離を20mm以上とすることで、光ファイバユニットを取り回し易く、把持金具間の距離を30mm以下とすることで、接続箱を小さくし易い。
本発明のOPGW用接続箱の一形態として、弾性部材の硬さが、タイプAデュロメータ硬さで30度以上90度以下であることが挙げられる。
上記の構成によれば、弾性部材の硬さを30度以上とすることで光ケーブルを十分な把持力で把持できる。一方、弾性部材の硬さを90度以下とすることで、光ケーブルへの過度の把持力の付加を抑制できる。そのため、光ケーブルの変形を抑制でき、伝送損失の増加を抑制できる。
本発明のOPGW用接続箱の一形態として、光ケーブル把持金具での光ケーブルの把持長が、10mm以上30mm以下であることが挙げられる。
上記の構成によれば、把持長を10mm以上とすることで、光ケーブルへの局所的な把持力の付加を抑制できるため、伝送損失の増加を招かない。一方、把持長を30mm以下とすることで、光ケーブルの把持長全長に亘って均一的に把持できる。その上、接続箱内で把持金具の配置スペースを確保できるため接続箱が大きくならない。
本発明のOPGW用接続箱は、光ケーブルへの適切な把持力と光ケーブルの低伝送損失化とを両立でき、パイプレスOPGWの光ファイバ同士を接続することに好適に利用できる。
実施形態に係るOPGW用接続箱の蓋の一部を切り欠いた切欠上面図である。 図1に示すOPGW用接続箱の(II)−(II)で切断した部分断面図である。 実施形態の接続箱に用いる光ケーブル把持金具とテンションメンバ把持金具との概略を示す斜視図である。 (A)は、光ケーブル把持金具の正面図であり、(B)は、(A)における(B)−(B)で切断した部分断面図である。 (A)は、パイプレスOPGWの横断面図であり、(B)は、(A)の光ケーブルの横断面図である。 試験例において、弾性部材の硬度が30度のときの、光ケーブル把持金具の締付量に対する引抜力及び光ケーブルの変形量を示すグラフである。 試験例において、弾性部材の硬度が60度のときの、光ケーブル把持金具の締付量に対する引抜力及び光ケーブルの変形量を示すグラフである。 試験例において、弾性部材の硬度が90度のときの、光ケーブル把持金具の締付量に対する引抜力及び光ケーブルの変形量を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。まず、図5を参照して、OPGW用接続箱1を利用して接続するパイプレスOPGW10について説明し、次に、主に図1〜4を参照して、OPGW用接続箱1を説明する。その後、このOPGW用接続箱1を用いたOPGW10の接続方法を説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
《パイプレスOPGW》
パイプレスOPGW10は、図5(A)に示すように、複数の素線100cを撚り合わせた集合体の中心部に円筒状の収納空間を有する地線100と、上記収納空間に金属パイプを介することなく配置される光ケーブル110とを備える。この収納空間の大きさは、地線100の内周面と光ケーブル110の外周面との間に十分な隙間が形成される程度である。
地線100は、内層100iと外層100oとの2層構造で構成している。内層100iは、アルミ覆鋼線を扇状に成形してなる素線100c(8本)を撚り合わせて構成し、外層100oは、内層100iの外周面に配置され、アルミ覆鋼線の丸線からなる素線100c(13本)を撚り合わせて構成している。
光ケーブル110は、図5(B)に示すように、テンションメンバ(TM)111と、TM111の外周に配置される複数の光ファイバユニット112と、これらTM111と光ファイバユニット112とを一括して覆うシース114とを有する。ここでは、FRP(Fiber Reinforce Plastics)からなるTM111の外周に4つの光ファイバユニット112と4つの介在紐113とを配置して、これらをシース114で一括に覆って構成している。
シース114の厚さは、1.5mm未満である。例えば、シース114の厚さは、1.0mm以下とすることが挙げられる。シース114の厚さの下限は、例えば0.5mm程度である。ここでは、シース114の厚さを0.7mm程度としている。
各光ファイバユニット112は、光ファイバ用テンションメンバ(光ファイバ用TM)115と、光ファイバ用TM115の外周に配置される複数の光ファイバ心線116と、これら光ファイバ用TM115と光ファイバ心線116とを一括して覆うテープ117とを有する。ここでは、光ファイバ用TM115の外周に6つの光ファイバ心線116を配置してテープ117で一括に覆って構成している。
《OPGW用接続箱》
図1に示すOPGW接続箱1は、上述のパイプレスOPGW10に備わる光ファイバ同士を接続・収納するためのもので、本体1bと本体1b内を開閉する蓋1rとを備える。このOPGW用接続箱1の主たる特徴とするところは、接続箱1の本体1bに一体に配置されて、パイプレスOPGW10の光ケーブル110を把持する光ケーブル把持金具2を備える点にある。本例では、OPGW用接続箱1は、外形が矩形容器状の本体1bと蓋1rとをシリコーンゴムからなるOリング1o(図2)を介して複数のボルトで締め付けることで密封構造を構成している。
[接続箱本体]
接続箱1の本体1bには、弾性部材3(図3、4)を介して光ケーブル110を把持する光ケーブル把持金具2と、TM111を把持するTM把持金具4とを備える。以下、図1の紙面左側の光ケーブル把持金具2及びTM把持金具4について説明する。図1の紙面右側の光ケーブル把持金具2及びTM把持金具4は、紙面左側のそれと同様の構造を有するため、その説明は省略する。
(光ケーブル把持金具)
光ケーブル把持金具2は、主に図3、4を参照して説明する。なお、図3においてx−x方向を幅、y−y方向を厚さ、z−z方向を高さとする。光ケーブル把持金具2は、台座部材21と押え部材22との一対の部材で構成される。この光ケーブル把持金具2は、接続箱1の本体1b内において、導入孔52(後述)の内側開口付近に位置する地線100の端面と対向する位置に配置される(図1、2)。台座部材21は、本体1bに固定されて光ケーブル110が載置される部材である。一方、押え部材22は、この台座部材21に対して着脱自在に配置される部材である。台座部材21に後述の弾性部材3を介して光ケーブル110を載置し、押え部材22を台座部材21に固定することで、地線100の中心軸上に光ケーブル110を把持する。
台座部材21の形状は、逆T字の角柱状である。台座部材21の押え部材22との対向面に形成される凹部(図示せず)を備える。上記凹部は、光ケーブル110(弾性部材3)を載置し易くするためのものである。凹部の形状は、弾性部材3の外周に適合する形状とすることが好ましい。そうすれば、弾性部材3(光ケーブル110)を位置決めし易く、かつ光ケーブル110を把持する際に弾性部材3及び光ケーブル110を位置ずれし難くできる。ここでは、凹部の形状を略半円状としている。それにより、台座部材21に押え部材22を締め付けた際、光ケーブル110の外周全周に亘って締付力を略均一に作用できる。台座部材21の下部の幅方向への突出部は、接続箱1の本体1b(図1)に固定するためのボルト2bを挿通する挿通孔(図示せず)を有するフランジ部21fである。この挿通孔にボルト2bを挿通することで、本体1bに台座部材21を固定する。
押え部材22の形状は、Π字の角柱状である。押え部材22の上記凹部と対向する位置には、同形状の凹部(図示せず)を有する。この押え部材22の台座部材21への固定は、ボルト2bの締付けによる。このボルト2bの締付けにより光ケーブル110に把持力を付与して光ケーブル110を把持する。
台座部材21及び押え部材22の材質は、例えば、アルミニウム合金(A5052)が挙げられる。
光ケーブル把持金具2の光ケーブル把持長Lgは、光ケーブル110を圧迫しすぎない程度とすることが挙げられる。具体的には、光ケーブル把持長Lgを10mm以上とすることが好ましい。そうすれば、光ケーブル110への局所的な把持力の付加を抑制できるため、伝送損失の増加を招かない。この光ケーブル把持長Lgの上限は30mm程度とすることが好ましい。そうすれば、光ケーブル110の把持長Lgの全長に亘って均一的に把持できる上に、接続箱1を小さくできる。光ケーブル把持長Lgは、15mm以上25mm以下とすることが特に好ましい。ここでは、光ケーブル把持長Lgを20mmとしている。
〈ストッパー部〉
光ケーブル把持金具2は、光ケーブル110を把持する対向面同士の間隔を規制するためのストッパー部23を備えることが好ましい。具体的には、ストッパー部23は、台座部材21と押え部材22とを所望の締付量で締め付けた際、両部材21、22同士が当接してそれ以上締付量が増加しないようにする。それにより、押え部材22の台座部材21への締付量を制御できて、光ケーブル把持金具2による光ケーブル110への過度の把持力の付加を抑制できる。上記締付量最大値は、台座部材21と押え部材22の締付前における対向面同士の最短距離で決まる。即ち、この最短距離が所望の長さ(例えば、1mm程度)となるストッパー部23を設ける。
ここでは、ストッパー部23は、押え部材22における台座部材21との対向面の幅方向(図3のx−x方向)両側に、厚さ方向(図3のy−y方向)全長に亘って形成される突条(突出量3mm)で構成している。なお、突出量とは、両部材21、22を所望の締付量で締め付けた際、台座部材21に当接する当接面と、ストッパー部23の根元における締付方向と直交する仮想面との差とする。即ち、ここでいう突条の突出量は、突条のない平面からの高さである。ストッパー部23は、光ケーブル把持金具2と一体に構成してもよいし、別部材で構成してもよい。前者の場合、本例のように、台座部材21及び押え部材22の少なくとも一方の他方との対向面に形成される突条の他、上記対向面から他方側に突出する突起などが挙げられる。後者の場合、両部材21、22の間に介在する介在物などが挙げられる。
〈ガイド〉
光ケーブル把持金具2は、弾性部材3における光ケーブル110の軸方向の両端に当接することで、弾性部材3が上記軸方向へ突出して変形することを防止するガイド部24を備えることが好ましい。そうすれば、弾性部材3が上記軸方向及び径方向へ変形することによる弾性部材3自体の変形量の増加、及び弾性力の低下を抑制できる。そのため、長期に亘って把持力が低下せず、適切な把持力で光ケーブル110を把持できる。
ここでは、ガイド部24は、光ケーブル把持金具2と別部材で構成し、台座部材21と押え部材22のそれぞれの両端面にボルト2b3により固定している。なお、ガイド部24は、光ケーブル把持金具2と一体に構成してもよい。
ガイド部24は、光ケーブル110との対向面に切欠を有する平板で構成される。ここでは、切欠の形状は半円状としている。ガイド部24が切欠を有することで、切欠きのない場合に比べて、ガイド部24を弾性部材3の端面における略全周に当接させることができるため、弾性部材3の軸方向の変形を抑制し易い。特に、切欠の形状を半円状とすることで、上記効果を得やすい。
ガイド部24の材質は、台座部材21や押え部材22と同様の材質の金属、例えば、アルミニウム合金(A5052)とすることが挙げられる。
(弾性部材)
弾性部材3は、光ケーブル把持金具2による光ケーブル110への過度の把持力を抑制するための部材である。この弾性部材3を介することで、光ケーブル把持金具2により光ケーブル110を直接把持する場合のように光ケーブル110を圧迫しすぎないので伝送損失の増加を抑制できる。この光ケーブル110は、シース114の厚さが上述のように薄いため外圧により変形し易いが、弾性部材3により伝送損失が増加しない程度に適切に把持できるためである。
弾性部材3は、一対の半円筒状の弾性片で構成され、光ケーブル110に装着させて上述の光ケーブル把持金具2で所望の把持力で把持した際、光ケーブル110の外周全周を覆う(図3、4(A))。なお、図4では、説明の便宜上、光ケーブル110を省略して示している。
弾性片の光ケーブル110との対向面は、光ケーブル110の外周に沿った半円筒面状とすることが好ましい。そうすれば、光ケーブル把持金具2で光ケーブル110を把持した際、光ケーブル把持金具2の把持力を光ケーブル110の全周に亘って略均一に付加し易い。そのため、光ケーブル110を過度に締付けることなく把持できて、光ケーブル110の軸方向の動きを効果的に抑制できる。
半円筒状の弾性片の軸方向の長さは、図4(B)に示すように、上述した光ケーブル把持長Lgと同じ長さとすることが挙げられる。そうすれば、光ケーブル110への局所的な把持力の付加を抑制できる。具体的には、10mm以上30mm以下とすることが好ましい。そうすれば、上述した光ケーブル把持長Lgの範囲内における効果と同等の効果が得られる。
半円筒状の弾性片の径方向の厚さは、2mm以上10mm以下であることが好ましい。弾性片の径方向の厚さを、2mm以上とすることで、光ケーブル110への過度の把持力の付加を抑制し易く、10mm以下とすることで、光ケーブル110への十分な把持力を付加できる上に、光ケーブル把持金具2の高さが高くなり難い。
弾性部材3の材質は、光ケーブル把持金具2により所望の把持力で光ケーブル110を把持した際、光ケーブル110に過度の把持力が付加されない程度の硬度を有する材質が挙げられる。具体的には、弾性部材3の硬さが、タイプAデュロメータ(JIS K 6253−3(2012))で30度以上90度以下の材質であることが好ましい。弾性部材3の硬さを30度以上とすることで、光ケーブル110を十分な把持力で把持できる。一方、弾性部材3の硬さを90度以下とすることで、光ケーブル110を変形し難くでき、伝送損失の増加を抑制できる。弾性部材3の材質は、特に弾性部材3の硬さが30度以上80度以下の材質であることが好ましく、更には40度以上70度以下の材質であることが好ましい。このような材質としては、例えば、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。
(TM把持金具)
TM把持金具4は、TM111の端部を把持するための部材である。ここでは、接続箱1の本体1b(図1)に固定されてTM111が載置される台座部材41と、この台座部材41に対して着脱自在に配置される押え部材42との一対の部材で構成している(図3)。この台座部材41にTM111を載置して押え部材42を固定することでTM111を把持する。
台座部材41の形状は、逆T字の角柱状である。この台座部材41の押え部材42との対向面には、載置溝及びその載置溝を挟んで並列に形成される2本の挿通溝とが設けられている。これら3本の溝は、台座部材41の厚さ方向の全長に亘って形成されている。
上記載置溝は、TM111を載置し易くするためのものである。ここでは、載置溝の形状をV字状としている。そうすれば、TM111を位置ずれし難く、かつ十分にTM111を把持できる。上記挿通溝は、光ファイバユニット112を挿通させるための挿通孔43の一部を構成する。挿通溝の大きさは、後述する押え部材42の挿通溝とで挿通孔43を構成した際、光ファイバユニット112の外径よりも大きくなる大きさとする。そうすれば、光ファイバユニット112を把持せず、光ファイバユニット112に外圧を作用させないようにできる。ここでは、挿通溝の形状を半円状としている。
上記載置溝と挿通溝との形成箇所は、近接していることが好ましい。そうすれば、TM111と光ファイバユニット112との間隔を狭くでき、シース114から引き出された光ファイバユニット112を過度に屈曲して広げる必要がなくなる。
台座部材41の下部の幅方向への突出部は、接続箱1の本体1b(図1)に固定するためのボルト4bを挿通する挿通孔(図示せず)を有するフランジ部41fである。この挿通孔にボルト4bを挿通することで、本体1bに台座部材41を固定する。
押え部材42の形状は、薄い直方体状である。押え部材42の上記載置溝との対向箇所は、平面で構成され、上記挿通溝に対向する位置に挿通孔43の一部を構成する挿通溝を備える。上記挿通溝の大きさ及び形状も、台座部材41の挿通溝と同様の大きさ及び形状(半円状)としている。この押え部材42の台座部材41への固定は、ボルト4bの締付けによる。そして、押え部材42を台座部材41に固定した際、両部材41、42に備わる上記挿通溝により、光ファイバユニット112を挿通させる挿通孔43が形成される。
挿通孔43の径は、光ファイバユニット112の外径よりも十分大きい。そのため、光ファイバユニット112を把持せず、光ファイバユニット112に外圧を作用させない。
TM把持金具4の配置箇所は、パイプレスOPGW10の軸方向に沿った位置で、光ケーブル把持金具2よりも本体1bの内側である。この位置において、TM把持金具4における光ケーブル把持金具2との距離Lcは、20mm以上30mm以下となるように配置することが好ましい。この距離Lcを20mm以上とすることで、光ケーブル把持金具2とTM把持金具4との間で光ファイバユニット112を取り回し易い。この距離Lcを30mm以下とすることで、両把持金具間の距離が長くなりすぎず、接続箱1を小さくできる。ここでは、この距離Lcを25mmとしている。
TM把持金具4(台座部材41及び押え部材42)の材質は、上述した光ケーブル把持金具2と同様、アルミニウム合金(例えば、A5052)が挙げられる。
(その他の部材)
その他、接続箱1の本体1bには、光ファイバ心線116及びその接続部を配置・固定する収納トレイ6を備える(図1、2)。収納トレイ6は、各光ファイバ心線116及び接続部を配置・固定する複数の余長収納シート61と、各余長収納シート61同士の間隔を保持する共に、各余長収納シート61を固定するスペーサ62とで構成される。ここでは、スペーサ62に形成された切り込み(図示せず)に余長収納シート61を嵌め込むことで、余長収納シート61同士の間隔を保った状態で固定している。
各余長収納シート61は、中央に設けられるケーブルハウジング61h(図1、2)と、ケーブルハウジング61hを挟んで並列に設けられるファイバーバンド61b(図1)とを有する。このケーブルハウジング61hは、複数の挿通孔を有し、各余長収納シート61上で取り回す光ファイバ心線116を挿通させて位置決めする。また、ファイバーバンド61bは、面ファスナーからなり、光ファイバ心線116を固定する。本体1b内にこの収納トレイ6が備わることにより、光ケーブル把持金具2とTM把持金具4は接続箱1内で収納トレイ6と干渉しない位置に設置される。そのため、接続箱1内において、光ケーブル把持金具2とTM把持金具4の設置スペースが制約される。
《作用効果》
上述したOPGW用接続箱1によれば、以下の効果を奏する。
(1)光ケーブル把持金具2を備えて、光ケーブル110自体を把持することで、着雪や風荷重の作用による地線100の伸びに伴う光ケーブル110の引っ張りや、冷えによる地線100の収縮に伴う光ケーブル110の接続箱1内への突き上げによる光ケーブル110の軸方向への動きを防止できる。従って、光ファイバ心線116の断心を防止できる。その上、光ケーブル110と地線100の端部の内周縁との接触も防止できるため、光ケーブル110の損傷を防止できる。
(2)弾性部材3を介して光ケーブル110を把持することで、光ケーブル110への過度な締め付けを抑制して光ケーブル110が過度に変形することを抑制できるため、伝送損失の増加を抑制できる。
(3)光ケーブル把持金具2がストッパー部23を備えることで、光ケーブル110への一定以上の把持力の付加を機械的に防止できるため、過度の把持力が光ケーブル110に付加されることを抑制できる。光ケーブル110に過度の把持力が作用しないため、伝送損失の増加を抑制できる。即ち、光ケーブル把持金具2による光ケーブル110の締付け作業で過度の締め付けを防止できる。
(4)光ケーブル把持金具2がガイド部24を備えることで、弾性部材3の軸方向及び径方向へ変形することを防止できるため、弾性部材3自体の変形量の増加を抑制できる。従って、弾性部材3の変形量の増加を抑制した状態で、光ケーブル110の把持力を十分に得ることができる。また、弾性部材3の変形量の増加を抑制できることで、弾性部材3の永久変形も抑制できるため、長期に亘って把持力が低下せず、適切な把持力で光ケーブル110を把持できる。さらに、光ケーブル把持金具2から弾性部材3がはみ出ることを抑制できるため、光ケーブル110の弾性部材3との接触面全域に均等に圧力を付加できる。
《OPGW用接続箱を用いたパイプレスOPGWの接続方法》
上述したOPGW用接続箱1を用いてパイプレスOPGW10の光ファイバ心線116同士を接続するパイプレスOPGWの接続方法を説明する。
まず、パイプレスOPGW10をOPGW用接続箱1に引き入れると共に把持する。適当な位置でパイプレスOPGW10の地線100を切断して光ケーブル110を露出させる。そして、パイプレスOPGW10の光ケーブル110を接続箱1の本体1b内に引き込むと共に、パイプレスOPGW10の地線100を接続箱1の本体1bの外側でOPGW把持金具5により把持する。
OPGW把持金具5は、一対の板状の把持部材50,51を備え、一方の把持部材50が本体1bの外側にボルト5bで一体に固定され、他方の把持部材51が、把持部材50に対して着脱自在に配置されている。把持部材50、51は、パイプレスOPGW10の地線100を把持した際、パイプレスOPGW10の外周の略全周を覆うように、中央が湾曲した板材で構成されている。この把持部材50に把持部材51をボルト5bで固定することで、パイプレスOPGW10の地線100を把持する。その際、地線100の端面がOPGW把持金具5に備える導入孔52の内側開口付近に位置するように、パイプレスOPGW10の地線100を把持する。
続いて、光ケーブル110及びTM111を接続箱1の本体1b内で把持する。光ケーブル110のシース114を除去し、TM111及び光ファイバユニット112を露出させる。その際、シース114の端面が光ケーブル把持金具2とTM把持金具4との間(例えば、シース114の端面とTM把持金具4の端面との距離が15mm程度)に位置するように除去する。そして、TM111をTM把持金具4で把持すると共に、光ファイバユニット112をTM把持金具4の挿通孔43に挿通させる。その後、光ケーブル110を、弾性部材3を介して光ケーブル把持金具2で把持する。なお、光ケーブル110とTM111の把持は、どちらを先に行ってもよい。
続いて、光ファイバ心線116同士を融着接続して、接続箱1の本体1b内に収納・固定する。TM把持金具4の挿通孔43を挿通した光ファイバユニット112のテープ117を除去して光ファイバ心線116を露出させる。各光ファイバ心線116を収納トレイ6の各余長収納シート61上で円弧状にループ取りしてケーブルハウジング61hに挿通させると共に、ファイバ−バンド61bで挟んで固定する。そして、各光ファイバ心線116を、上述と同様にして接続箱1の本体1b内に引き込んだ他方側のパイプレスOPGW10の光ファイバ心線116と融着接続させる。
《試験例》
図1〜4を参照して説明したOPGW用接続箱1において、タイプAデュロメータ(JIS K 6253−3(2012))での硬度が30度、60度、90度の3種類の弾性部材3(いずれも非圧縮時の内径:4.2mm、外径:12mm)を用いて、それぞれ図5を参照して説明したパイプレスOPGW10を接続した。本例では、光ケーブル110は、TM111(FRP製)の径が0.65mm、シース114の厚さが0.7mmである。そして、光ケーブル把持金具の光ケーブル把持長Lgを20mmとし、光ケーブル把持金具とTM把持金具4の間の距離Lcを27mmとした。なお、光ケーブル把持金具の押え部材は、ストッパー部を有さず、締付量を種々変更できる構成とした。
[光ケーブルの変形量及び引抜力測定]
光ケーブル110に対する押え部材の締付量を変化させ、光ケーブル110の変形量と引抜力を測定した。この測定は、TM111を把持せずに行った。その結果を図6〜8に示す。光ケーブル110の締付時に、光ケーブルの伝送損失も合せて測定した。なお、締付量は、光ケーブル把持金具の台座部材と押え部材の間隔の変化量を測定し、光ケーブル110の変形量は、押え部材の所定の締付を行った後、光ケーブル把持金具から光ケーブル110を取り出して締付前の光ケーブル110の外径との最大差を測定した。
光ケーブル110の変形量については、図6〜8から、同一締付量において、弾性部材3の硬度が高いほど光ケーブル110の変形量が大きく、弾性部材3の硬度が低いほど光ケーブル110の変形量を抑制できることがわかる。また、弾性部材3の硬度が高いほど、締付量の増加に対する光ケーブル110の変形量の増加の割合が大きくなり易く、弾性部材3の硬度が低いほど上記割合が低いことがわかる。
光ケーブル110の引抜力については、図6〜8から、弾性部材3の硬度が高いほど、引抜力を大きくし易いことがわかる。弾性部材3の硬度が60度及び90度の場合、締付量が0.5mm以上で引抜力が8kgf以上であった。一方、弾性部材3の硬度が30度の場合、締付量が1.5mm以上では引抜力が8kgf以上であったが、締付量が1.5mm未満では引抜力が8kgf未満であった。
伝送損失については、図6〜8に示していないが、弾性部材3の硬度が30度及び60度の場合、伝送損失の増大が見られなかった。一方、弾性部材3の硬度が90度の場合、締付量が2.5mm未満では、伝送損失の増大が見られなかったが、締付量が2.5mm以上となると、伝送損失の増大がみられた。
一方で、パイプレスOPGW10を、架設する送電鉄塔の頂部から接続箱までの距離、送電鉄塔間の距離、及び架設環境などに安全率を考慮した上で、OPGW用接続箱1内の光ケーブル110に作用する引抜力を算出した結果、必要引抜力は8kgf程度であった。
以上の試験結果と算出結果から、硬度が60度の弾性部材3を介して光ケーブル110を把持すれば、光ケーブル110の把持構造として実用的に利用可能であることがわかる。なお、硬度が30度や90度の弾性部材3を介して光ケーブル110を把持する場合でも、締付量を調整することで、硬度が60度の弾性部材3を介する場合と同様に、光ケーブル110の把持構造として実用的に利用可能であることがわかる。硬度が30度の弾性部材3の場合、光ケーブル110への締付による伝送損失の増大は生じ難い上に、締付量を調整することで必要把持力を得ることができる。弾性部材3の硬度が低い場合、弾性部材3の変形量が大きくなる。そのため、長期的な把持力の維持及び必要把持力の観点から、弾性部材3の硬度は30度以上が好ましい。弾性部材3の硬度が90度の場合、締付量に対して引抜力及び光ケーブル110の変形量が大きいものの、締付量を調整することで、両特性を満足することができる。弾性部材3の硬度が高い場合、締付量を十分に小さくとらないと、上記両特性を満足することが難しくなる。また、締付量を小さくするためには、弾性部材3を含めた光ケーブル把持金具2の製造精度を高める必要がある。そのため、製造コストの観点から、弾性部材3の硬度は90度以下が好ましい。従って、弾性部材3の硬度が30度以上90度以下であれば、光ケーブル110の把持構造として実用的に利用可能であると考えられる。特に、弾性部材3の硬度を40度以上80度以下、更には40度以上70度以下とすれば、より優れた効果を得ることができる。
なお、図6〜8に示していないが、例えば、光ケーブル把持長Lgを変化させた点を除いて上述と同様にして引抜力及び光ケーブル110の変形量を測定した場合、締付量を一定とすれば、把持長Lgが長く(短く)なるほど、引抜力も光ケーブル110の変形量も小さく(大きく)なると考えられる。この点と上述の試験結果とを併せて考慮すると、光ケーブル110の把持長Lgは10mm以上30mm以下程度が好ましい。
[突き上げ力測定]
硬度が60度の弾性部材3を用い、光ケーブル110に対する押え部材の締付量を変化させて、光ケーブル110の突き上げ力を測定した。その結果を試料No.1〜6として表1に示す。従来の接続箱(接続箱内でTMのみ把持)を利用してパイプレスOPGW10を把持して、TMの突き上げ力を測定した。その結果を試料No.101〜103として表1に併せて示す。
Figure 0005671763
弾性部材3を介して光ケーブル110を把持した試料No.1〜6のいずれの突き上げ力も5.0kgf以上、より具体的には9.0kgf以上であった。一方、パイプレスOPGW10を、架設する送電鉄塔の頂部から接続箱までの距離、送電鉄塔間の距離、及び架設環境などに安全率を考慮した上で、OPGW用接続箱1内の光ケーブル110に作用する突き上げ力を算出した結果、突き上げ力は3.9kgf程度であった。このことから、硬度60度の弾性部材3を介して光ケーブル110を把持すれば、光ケーブル110の把持構造として実用的に利用可能であることがわかる。
一方、従来の接続箱を用いた試料No.101〜103の場合、TMへの突き上げ力が3.8kgf以下であった。上述のように光ケーブル110に付加される突き上げ力が3.9kgf程度であることからすれば、パイプレスOPGW10を用いる場合、従来の接続箱のようにTMを把持するだけでは、光ケーブル110の把持構造としては実用的ではないことがわかる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、素線の数や層数、光ファイバユニットの数、光ファイバ心線の数を適宜変更できる。また、光ケーブルを接続箱の外で把持することができる。具体的には、パイプレスOPGWの光ケーブルを地線から露出させ、光ケーブルの露出箇所と地線とを接続箱の側壁から外部に突出する金具でそれぞれ個別に把持する。その際、光ケーブルと金具との間に上述の弾性部材を介在させる。
本発明のOPGW用接続箱は、金属管を介することなく地線内にシース厚の薄い光ケーブルを収納したOPGWの接続に好適に利用可能である。
1 OPGW用接続箱 1b 本体 1r 蓋 1o Oリング
2 光ケーブル把持金具
21 台座部材 21f フランジ部 22 押え部材
23 ストッパー部 24 ガイド部
2b,2b,2b ボルト
3 弾性部材
4 テンションメンバ(TM)把持金具
41 台座部材 41f フランジ部 42 押え部材 43 挿通孔
4b,4b ボルト
5 OPGW把持金具
50、51 把持部材 52 導入孔 5b,5b ボルト
6 収納トレイ
61 余長収納シート
61h ケーブルハウジング 61b ファイバーバンド
62 スペーサ
10 OPGW(パイプレスOPGW)
100 地線 100c 素線 100i 内層 100o 外層
110 光ケーブル
111 テンションメンバ(TM) 112 光ファイバユニット
113 介在紐 114 シース
115 光ファイバ用テンションメンバ(光ファイバ用TM)
116 光ファイバ心線 117 テープ

Claims (5)

  1. 複数の素線を撚り合わせた集合体の中心部に筒状の収納空間を有する地線と、前記収納空間に配置される光ケーブルとを備える光ファイバ複合架空地線の端部同士と、
    前記地線の各端部から引き出した前記光ケーブルの光ファイバ同士を接続した接続部を収納する光ファイバ複合架空地線用接続箱とを備える光ファイバ複合架空地線の接続部収納構造であって、
    前記接続箱は、
    前記接続箱に一体に配置されて前記光ケーブルを把持する光ケーブル把持金具と、
    前記光ケーブルと前記光ケーブル把持金具との間に介在され、当該光ケーブル把持金具の把持力により当該光ケーブルの軸方向の動きを抑制する弾性部材とを備え、
    前記光ケーブルは、
    前記地線の収納空間に金属パイプを介することなく配置され、
    テンションメンバと、前記テンションメンバの外周に配置される複数の光ファイバユニットと、これらテンションメンバと光ファイバユニットとを一括して覆う厚さが1.5mm未満のシースとを有し、
    前記弾性部材の硬さが、タイプAデュロメータで30度以上90度以下である光ファイバ複合架空地線の接続部収納構造
  2. 前記光ケーブル把持金具は、
    光ケーブルを把持するために互いに向かい合う対向面と、
    前記対向面同士の間隔を規制することで、前記光ケーブルへの過度の把持力の付加を抑制するストッパー部とを備える請求項1に記載の光ファイバ複合架空地線の接続部収納構造
  3. 前記光ケーブル把持金具は、前記弾性部材における前記光ケーブルの軸方向の両端に当接することで、当該弾性部材の前記軸方向への変形を抑制するガイド部を備える請求項1または請求項2に記載の光ファイバ複合架空地線の接続部収納構造
  4. 更に、前記テンションメンバを把持するテンションメンバ把持金具を備え、
    前記光ケーブル把持金具と前記テンションメンバ把持金具との間の距離が20mm以上30mm以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光ファイバ複合架空地線の接続部収納構造
  5. 前記光ケーブル把持金具での前記光ケーブルの把持長が、10mm以上30mm以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光ファイバ複合架空地線の接続部収納構造
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