JP5671461B2 - 生物物質の同定のための方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体中の生物物質の同定に関する。
微生物(例えばバクテリア、ウイルス)、細胞、ペプチド類などのような生物物質の同定のために質量分析法を用いることが知られている。
例えば、MALDI‐MS(マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法)は、微生物を含んだ検体物質のレーザーイオン化、およびイオン化された粒子の質量スペクトロスコピー分析を含む。MALDI‐MSでは、イオン化のために微生物およびマトリックス物質の混合物をターゲットプレート上に供することによって微生物が調製される。混合物が乾燥する間にマトリックス物質が微生物に付着して、比較的低エネルギーでのソフトイオン化が可能になり、それによって微生物の分析成分としての大分子フラグメントが保存される。ターゲットプレート上の選択されたターゲット位置から物質をイオン化するために、これらのターゲット位置へレーザーショットが発射される。それぞれターゲット位置に対して、結果の質量スペクトロスコピー分析が行われる。
MALDI‐MSは実験室での分析に大いに適することがわかっているが、いくつか問題を残している。微生物の不均質な混合物をもつ検体では、単一のレーザーショットが、様々な種の微生物の混合物から物質をイオン化するという重大なリスクがあり、これが個別種の同定を複雑にする。たとえ単離された単一の微生物をターゲットプレート上で見付けることができても、レーザーショットによってイオン化されたすべての物質のノイズの中からそれを検出することはできないであろう。MALDI‐MSでは、例えば患者からインビボで採取された元の検体が微生物の不均質な混合物を含む場合、最初に増殖ステップを用いることによってこれらの問題が克服される。増殖は、大部分が1つの株である相当な数の微生物を、単一レーザーショット内で確実に生成するために用いることができる。しかしながら、増殖には1日以上かかることもある。結果として、インビボの検体採取と分析結果の提供との間に短いターンアラウンド時間が必要な場合、実際のMALDI‐MSは適していない。これがその適用範囲を制限する。
例えば、MRSAバクテリアが害を及ぼしかねない環境に受入患者を移す前の例では、患者から検体を採取し、検体中に存在する多くの微生物の中からMRSAバクテリアを同定することが望ましいであろう。実際に役立つためには、好ましくは、かかる測定の結果が多くとも数時間以内に入手可能でなければならない。微生物の増殖が必要なことが、従来のMALDI‐MSをこの目的で実際に用いることを妨げる。
微生物を同定するためのMALDI‐MS使用は、A.L.ファンウィキジェ(A.L.van Wuijckhuijse)らによる「バイオエアロゾル分析のためのマトリックス支援レーザーデポープション・イオン化エアロゾル・フリクト時間型質量分析法:空中浮遊生物病原体のための高速検出器の開発(Matrix‐assisted laser deporption/ionization aerosol time of flicght mass spectroscopy for the analysis of bioaerosols:development of a fast detector for airborne biological pathogens)」と題する、Journal of Aerosol Science Vol 36 ページ677‐697(EPO参照番号XP004936536)に発表された論文から知られている。この文献は、モノカルチャーのバクテリア検体を所定値に希釈することによって生成された溶液を噴霧するための噴霧器の使用について記載する。この文献に示された噴霧化は、均一サイズの液滴を保証していない。その結果、一滴当たりのバクテリア数は変動するかもしれないが、1つのバクテリア種しか用いなかったので、これは問題にならなかった。そのうえ、この文献の噴霧化方法は、たとえ小さい液滴にわたって分布するにしても、大きい検体容量を利用できることが必要とされる。
国際公開第02052246号から、空気中のバイオエアロゾル粒子を検出し同定するための装置が知られている。この装置は、バイオエアロゾル粒子を含んだ空気を収集し、ノズルを通して、該粒子をもつ空気を分析チャンバに送り込む。分析チャンバにおいて微生物をもつ粒子が検出され、検出された粒子がイオン化される。大気圧から質量分析から用いられる高真空に移行するときに多くの粒子が失われるので、この装置は比較的多数の粒子を必要とする。捕捉粒子に対する試験粒子の効率は、1パーセントと低いこともある。
米国特許出願第2005/0230615号から、液滴が振動オリフィス・エアロゾル発生器を用いて形成されるMALDI‐IM(Ion Mobility:イオン移動度)測定技術が知られている。液滴中の微生物については何も開示されていない。液滴が微生物を含む場合、MALDI‐IMを用いてこれらの微生物を同定することは、不可能ではないとしても難しくなるであろう。
MALDI‐MS用ターゲットプレートの調製における流動場分画法(FFFF)の利用は、フーケン・リー(Hookeun Lee)らによる「流動場分画法およびマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間質量分析法による全バクテリア細胞の分析(Analysis of Whole Bacterial Cells by Flow‐Field Flow Fractionation and Matrix‐Assisted Laser Desorption/Ionization Time‐of‐Flight Mass Spectroscopy)」と題する、Anal.Chem.2003,75,2746‐2752に発表された論文から知られている。この文献は、ターゲットプレートが使われる場合には、無処置のバクテリア細胞を分離してMALDI‐MS用に細胞密度を増やすためにFFFFが利用できることを示す。
なかんずく、本発明の目的は、バクテリア、真菌およびウイルスのような、微生物の様々なタイプの混合物をもつ液体検体に基づいて迅速に結果を提供することができる、生物物質を同定するための方法および装置を提供することである。
検体中に微生物を備える、生物物質を同定する方法であって、
−該検体およびMALDIマトリックス物質を備える液体を調製すること;
−該液体の連続的な流れを生成すること;
−該流れを該流れの一連の部分に分離し、飛行する液滴を形成すること;
−該液体を、該微生物の測定された密度に依存した希釈レベル、C*V<1を満足する微生物の密度Cに相当する希釈レベルまで希釈すること、ここでVは分離された部分当たりの体積であること;
−該液滴からの物質を飛行中にイオン化すること;
−該イオン化された物質からの質量スペクトルを測定すること、を備える該方法が提供される。
本明細書において、飛行する液滴は、検体からの生物物質およびMALDIマトリックス物質、例えば結晶を形成するマトリックス物質、を備える液体の流れを、該流れの一連の部分に分離することによって形成される。例えば、圧電素子をもつ能動的な液滴形成器を用いることができる。イオン化および質量分析は、飛行中の液滴に対して行われる。このような方法で、ターゲットプレートの必要性と不利な点とを解消することができ、その一方で高効率が実現される。液滴は、飛行中に乾燥することができる。従って、乾燥した液滴が乾燥粒子としてイオン化される。本明細書において用語「液滴」は、液滴が乾燥することによって形成される乾燥粒子を含む。好ましくは、液滴のそれぞれ1つからの物質に対して質量スペクトルが測定される。
検体または液体は、微生物の密度CがC*V<1を満足する濃度に相当する希釈レベルまで希釈される。ここでVは該液体の上記部分の体積である。かくして、個々の液滴における液滴体積中に平均して1つ未満の微生物または細胞が生じることになる。延いては、一滴当たり1つの微生物または細胞をもつ液滴に関する相当な数の測定を確実に実現することができる。結果として、個々の微生物および/または細胞に対して質量スペクトルを得ることができる。
ある実施形態において、希釈レベルは、検体中の細胞および/または微生物の濃度に適合させることができる。密度検出器を用いて、例えば検出される微生物をカウントすることによって濃度を測定することができ、測定された濃度を用いて希釈を制御することができる。密度検出器は、例えば、流れにおける、あるいはMALDIマトリックスが前駆流に加えられたときに流れに流入する該前駆流における微生物をカウントすることによって、該流れにおける密度を検出するために配置された(フロー)サイトメータを備えることができる。
ある実施形態において、流れは、検体およびマトリックス物質をもつ該流れの生成位置以降に実質的な軸の再配置なしに、液滴形成器まで流れる。すなわち、液体が分離される部分は、それまでにマトリックス物質が加えられたか、または少なくとも希釈された後の該流れの一連の区画に対応する。このような方法で、複数の微生物をもつ液滴の確率は低減される。これは、この流れにおける密度をサイトメータで測定し、この測定結果に基づいて希釈を制御することによって改善される。ある実施形態において、希釈は、流れの発生から下流で該流れにキャリア液体を混合することによって行うことができる。これも、複数の微生物をもつ液滴の確率を低減する。
ある実施形態において、検体中の生物物質を同定するための装置であって、該装置は、
−該検体とMALDIマトリックス物質とが混合された液体の連続的な流れを供給するように構成された流れ発生器;
−ミキサと微生物の密度を測定するための検出器とを備えた混合ユニットであって、該ミキサの希釈レベルは、該微生物の測定された密度に依存して、C*V<1を満足する微生物の濃度Cに相当する希釈レベルに制御される、ここでVは分離された部分当たりの体積である、混合ユニット;
−該流れを該流れの一連の部分に分離し、上記部分から形成された液滴を、飛行経路に沿った飛行に供するように構成された液体部分セパレータ;
−該飛行経路に向けられ、該液滴からの物質をイオン化するための放射を供給するように構成された放射源;
−個々の該液滴から該イオン化された物質の質量スペクトログラムを得るように構成された質量分析計、を備える。液体部分セパレータは、例えば圧電共振子を備える、液滴形成器とすることができる。
別の実施形態において、該装置の液体部分セパレータは、気体流供給出口と気体力学的ノズルを形成するように構成された該出口に液体の流れを供給するための導管とを備える。
また別の実施形態において、該装置は、個々の液滴における液滴体積中に平均して1つ未満の微生物の濃度に相当する希釈レベルまで、検体または液体に希釈剤を加えるように構成された希釈ユニットを備える。代わりに、液滴の過半数が多くても1つの検体からの微生物を含む濃度を用いることもできる。さらなる実施形態において、希釈ユニットは、検体または検体をもつ液体の密度を検出し、該検出された密度に依存して希釈を上記レベルに制御するように構成された密度検出器を備える。
ある実施形態において、液体部分セパレータは、イオン化が行われる真空空間へ直接に液滴を放出するように構成するができる。
別の実施形態において、本装置は、液滴形成と放射源からのパルス発生とを同期させるように構成された制御ユニットを備える。
これらおよび他の目的ならびに有利な様態は、例となる実施形態の記載から明らかになるであろう。
微生物を同定するための装置を示す 螢光スクリーニングをもつ同定装置を示す 超音波セパレータをもつ同定装置を示す さらなる同定装置を示す 液体流セパレータの例を示す 液体流セパレータの例を示す 液体流セパレータの例を示す 同定装置の実施形態を示す 同定装置の実施形態を示す 同定装置の実施形態を示す
図1は、生物物質を同定するための装置を概略的に示す。微生物の同定への応用がこの装置の文脈において記載されることになるが、当然のことながら、本装置は、飛行する小滴に対してMALDI質量分析を行う装置の一実施形態に過ぎない。当然のことながら、微生物の代わりに、細胞(例えば、血液細胞、ペプチド類など)のような他の生物物質を用いることもできる。
本装置は、検体受取り部10、導管11、第1の混合ユニット12、第2の混合ユニット14、チャンバ15、ピエゾ共振子16、制御回路17、パルスレーザー18および質量分析計19を備える。ピエゾ共振子16は、インクの液滴を形成するためにインクジェットプリンタで用いられるタイプであってもよい。導管11は、検体受取り部10、第1の混合ユニット12、第2の混合ユニット14およびピエゾ共振子16を直列に接続する。制御回路17は、ピエゾ共振子16およびパルスレーザー18に連結される。
ピエゾ共振子16は、チャンバ15の中に位置する。第2の混合ユニット14からの導管11は、ピエゾ共振子16を貫く開口部へ排出する。パルスレーザー18は、この開口部からチャンバ15へ放出される小滴の飛行経路に向けられる。質量分析計19は、チャンバ15に取り付けられ、小滴が飛行経路においてパルスレーザー18からの放射を吸収することによって生じたイオン化フラグメントを受取るように配置される。
動作中に、検体受取り部10からの検体物質、第1の混合ユニット12からの希釈剤、および第2の混合ユニット14からのマトリックス物質を含んだ、液体の流れが区画に分離され、結果としてそれぞれが小さい液滴になってチャンバ15を通過する飛行に向けて放出される。チャンバ15を通過する飛行中に、液滴は飛行しながら乾燥し、その間に液滴中のマトリックス物質が微生物の周りで結晶化して乾燥粒子を生じる。その後、パルスレーザー18から乾燥粒子へレーザーパルスが発射される。これが乾燥粒子からの物質のイオン化をもたらす。イオン化された物質は、質量分析計19で分析される。
例えば、1〜100マイクロメートルの範囲の直径をもつ液滴を用いることができる。好ましくは、この範囲における実質的に同じ均一サイズをもつ液滴が用いられるが、これは、液体の流れを規則的な距離で分断することによって、例えば平均流量が一定の流れに対して適切な周波数の周期的擾乱を与えることによって、実現することができる。
液滴のサイズが小さいために飛行中の時間をほとんど必要としない、液滴がイオン化のために調製される。飛行中に調製が生じるので、微生物のあらゆる面をマトリックス物質が取り囲んだ微生物を形成することができる。従来のMALDI‐MSの場合のように液滴とターゲットプレートとの界面で結晶化核が発生することはない。好ましくは、微生物をもつほとんどの液滴が1つ以下の微生物を含むように、希釈率と液滴サイズとの組み合わせが選択される。例えば、液滴の体積中に平均して多くても1つの微生物の濃度に相当する希釈レベルを用いることができる。
パルスレーザー18は、一度に1つの乾燥粒子へ発射されるので、1つの微生物をもつ液滴からの粒子について測定された各質量スペクトルは、1つの微生物だけを表す。そのうえ,液滴を用いることは、イオン化される検体のサイズが、液滴サイズ、および液滴内に溶解および分散された物質の量によって決定されることを意味する。これは、従来のMALDI‐MSと対比すべきである。従来のMALDI‐MSでは、検体のサイズが液滴サイズよりずっと大きいこともある、ターゲットプレート上のレーザースポット・サイズによって決定されるので、より多くの物質がイオン化されて、質量スペクトルにおける”ノイズ”レベルの増加に繋がりかねない。同様に、様々な微生物の混合物がイオン化させるかもしれない。
ペニシリン耐性有りおよび無しの個々の黄色ブドウ球菌(Staphylococcus Aureus)が識別できることを示すために、実験が行われた。この実験では、検体物質、希釈剤およびマトリックス物質を含んだ液体のエアロゾル化が用いられた。個々の粒子(真空乾燥された小滴)がパルスレーザーでイオン化され、イオン化された物質の質量スペクトルが取得された。ペニシリン耐性のある黄色ブドウ球菌をもつ粒子、およびペニシリン耐性のない黄色ブドウ球菌をもつ粒子が、それらの質量スペクトルに基づいて識別できることがわかった。
第1の混合ユニット12は、希釈ユニットとしての機能を果たす。それは、第1のミキサ120、希釈剤リザーバ122および検出器124を備える。希釈剤リザーバ122は、希釈剤を供給するために第1のミキサ120に連結され、第1のミキサ120は、希釈剤を検体受取り部10からの検体物質と混合するように構成される。検出器124は、例えば微生物をもつ液体が循環される導管において、微生物が測定ビームを通過して流れたときに、個々の微生物から散乱された光を検出するように構成された光検出器とすることができる。単位時間間隔あたりに平均して検出される微生物のカウントから、密度を決定することができる。別の実施形態において、光散乱強度は、希釈剤と検体受取り部10からの物質とを含んだ第1のミキサ120中の液体から測定することもできる。
このタイプの検出器は、それ自体が知られている。既知のタイプのサイトメータまたはフローサイトメータを用いることができる。それ自体が知られるように、サイトメータは、個々の微生物における物質の空間的濃度の近接する液体のバックグラウンドに対する相違に相当する、生物物質密度の局所的なゆらぎを検出するデバイスとすることができる。例えば、微生物をもつ液体の流れが生じる位置において時間的変動を検出することができ、あるいは検出位置をスキャンすることによって空間的変動を検出することもできる。例えば、微生物当たりの最大液体体積より少ないサイズをもつ小領域にフォーカスされた、蛍光または他の光学的特性の検出を提供するデバイスを利用したオン光検出を用いることもできる。微生物に特有のNADHのような物質が螢光を発する波長において蛍光を検出する、1つ以上の検出器を用いることができる。散乱、回折などのような他の光学的特性も用いることもできる。
粒子検出器124は、第1のミキサ120の制御入力に連結されることが示される。該制御機構は、測定された密度が所定の密度以下に低下するまで、検体に加えられる希釈剤の量を増やすように配置される。所望の密度が達成されるまで希釈された検体を希釈剤注入位置に沿って循環させるために、液体循環回路を用いることができる。実際には、制御コンピュータ(示されていない)を用いて密度検出器124から測定データを受取り、このデータに基づいてミキサ制御信号を生成することができる。
動作中に、微生物を含んだ液体検体が検体受取り部10に供される。ポンプ(示されていない)は、導管11を通して検体物質を第1の混合ユニット12に送る。第1のミキサ120は、検体物質に希釈剤を加える。例えば、希釈剤として水またはエタノールを用いることができる。バッチ式処理を用いることもできる。その場合には検体物質のバッチが第1の混合回路12に供給される。その後、バッチが処理されて第1の混合ユニット12から出てしまうまで、さらなる物質を検体受取り部10から得ることなく、該バッチの処理が続けられる。例えば、0.01から10ミリリットルに及ぶバッチサイズを用いることができる。
密度検出器124によって観測された密度が所定のレベルに低下するまで、フィードバックループを用いて希釈率が増加される。フィードバックの代わりに、初期密度を測定し、得られたレベルを用いて添加希釈剤量を所定のレベルに制御する、フィードフォワードによる解決法を用いることもできる。ある実施形態において、所定のレベルは、液滴の過半数が1つ以下の微生物を含むように選択される。このレベルは、一滴当たり平均して1つ未満の微生物、または一滴当たりの平均が4から4分の1の間の微生物が得られるように設定することができる。液体中の微生物の総カウントで十分であり、微生物のタイプを特定しないことに注目すべきである。かくして、任意のタイプの微生物を1つだけもつ妥当な数の液滴を確保することができる。
実際のレベルは、検出器124からの測定結果と微生物の濃度との関係を用いて、小滴形成のパラメータを設定することによって制御される液滴のサイズとの組み合わせにおいて選択することができる。一実施形態において、このレベルは、微生物からの物質が質量分析によって観測される、液滴の割合に関する観測に基づくキャリブレーション・ステップの間に、1つの微生物を含んだ液滴の割合が、生成された質量スペクトルの例えば10分の1から半分という所定のレベルになるまで、該レベルを調整することによって実験的に設定することができる。一例では検体:希釈剤が1:5の希釈比までの希釈を用いることができる。
注目すべきことは、微生物の様々な濃度をもつ検体が、微生物を含まない無用な小滴の数の観点から、あるいは1つより多い生物を含む多数の小滴において、効率に大きな変化をもたらさないことを確かにするために、第1の混合ユニット14におけるフィードバックが役立つことである。もし濃度を予め制御することができれば、フィードバックも密度測定も必要ないかもしれない。同様に、もし多数の小滴が複数の生物をもつリスクが、所定の希釈後に持続するほど濃度が高くないことが分かっており、効率の損失が受け入れられるのであれば、フィードバックあるいは密度測定を省略することができる。この場合、所定の希釈率を用いることができるか、あるいは第1の混合ユニット12を省略することさえできる。
第2の混合ユニット14は、第2のミキサ140およびマトリックス物質リザーバ142を備える。マトリックス・リザーバ142は、第2のミキサ140にマトリックス物質を供給するために第2のミキサ140に連結され、第2のミキサ140は、希釈された第1の混合ユニット12からの検体物質と該マトリックス物質とを混合するように構成される。
動作中に、液体は、第1の混合ユニット12から第2の混合ユニット14へ移される。この目的のために導管11が示されたが、液体オプバッチは、任意の方法で第2の混合ユニット14へ移すことができることが理解されるべきである。別の実施形態において、第2の混合ユニット14は、第1の混合ユニット14と組み合わせることができる。第2の混合ユニット14にはMALDIマトリックス物質が加えられる。MALDIマトリックス物質は、それ自体が先行技術から知られている。微生物に付着して結晶化するのに適し、微生物からの物質をイオン化するレーザーパルスを吸収するのに適した光吸収帯をもつマトリックス物質を用いることができる。広い範囲の適切なマトリックス物質が知られている。結晶を形成しないMALDIマトリックス物質も同様に知られている。特定のタイプの生物向けのMALDIマトリックス物質もしくは特定の有機物質を用いることができるが、代わりに、より広い範囲の生物および/または有機物質に適用可能なMALDIマトリックス物質を用いることもできる。第2の混合ユニット14は、100:1から10000:1程度のマトリックス:検体モル比を提供するのに十分な量のMALDIマトリックス物質を加えるように構成することができる。
第2の混合ユニット14から得られた液体は、連続的な液体の流れとして導管11を経由し、ピエゾ共振子16を貫く開口部へポンプで送られる。第2の混合ユニット14をピエゾ共振子に直接に接続する導管11が示されているが、当然のことながら、任意の他の手段によって、液体のバッチを第2の混合ユニット14から導管11の入力位置へ輸送することができる。導管11の入力において中間リザーバ(示されていない)を用いることもできる。導管11を通して流れ液体をピエゾ共振子16へ送るために、液体ポンプ(示されていない)を用いることができる。あるいは導管11を通して液体の流れをピエゾ共振子16へ進めるために、第2の混合ユニット14または液体が移された中間リザーバ中の液体にポンプを用いて圧力を加えてもよい。導管11がとても短くて、第2の混合ユニット14または中間リザーバからピエゾ共振子16を貫く開口部へ実効的な直接接続が形成されてもよい。
ある実施形態において、ピエゾ共振子16は、フレーム、液体の流れが向かう開口部が20マイクロメートルのオリフィスをもつ膜、および膜とフレームとを連結する圧電性物質を備える。好ましくは、少なくとも10マイクロメートルの開口部が用いられる。圧電性物質は、オリフィスを液体流の方向に前後して動かすように配置される。該動きを駆動するために、圧電性物質上に電極が供される。
動作中に、制御回路17は、電極を電気的に高周波励起する。例えば、1KHzから1MHzの範囲の周波数を用いることができる。高周波電圧は、液体流の方向に開口部の周期運動を生じさせる。それによって液体流は部分に分裂し、結果として小滴が生じる。チャンバ15を通過する飛行経路に沿って一連の小滴が放出される。好ましくは、同じサイズの液滴が生成されるように、ピエゾ共振子16の励振周波数に一定の設定値が用いられる。液滴サイズを制御するための技術は、それ自体がインクジェット印刷技術から知られている。
液体の流れを液滴に分離するためにピエゾ共振子16を用いる、例となる実施形態が記載されたが、当然のことながら、他の小滴形成技術を用いることもできる。
チャンバ15では、低圧力、例えば1000分の1ミリバールから数ミリバールの範囲の雰囲気が維持される。雰囲気は、任意の気体からなってもよい。一例において普通の空気が用いられる。ピエゾ共振子16からイオン化位置までの飛行経路の長さは、液滴の速度を所与として、飛行経路を縦走するために必要な時間が、例えば結晶化によって、マトリックスを所定の状態にするのに十分なほど少なくとも沿うことが好ましい。ある実施形態において、質量分析に適するレベルに達するまで気体圧を減少させるために、飛行経路に沿って1つ以上の中間ノズル・スキマーを用いることができる。ある実施形態において、質量分析は、10−6ミリバール付近、またはより一般的に10−5ミリバール未満の圧力で行われる。液滴が形成される段階で低い開始圧力を用いることにより、この圧力に到達する前の液滴の損失を低く保つことができ、装置の効率は向上する。すべての液滴が同じ飛行経路に沿って形成されるという事実も、効率を向上させる。好ましくは、液滴は、真空中に直接に注入されるが、液滴形成の安定性を増すために、より高い圧力の段階を加えることが望ましいこともある。
数マイクロメートル・サイズ(例えば、1および10マイクロメートルの間の範囲)の液滴は、数ミリ秒以内もしくは数マイクロ秒以内でもマトリックス形成(例えば、結晶化)を実現するのに十分に乾燥する。20m/秒の速度では、これは飛行経路の長さに厳しい制約は課さない。さらに高速の毎秒100〜300メートルの範囲を用いることもできる。
飛行経路に沿ってガスジェットを生成するために、ピエゾ共振子16の近くに気体流源(示されていない)を供することができる。かかるジェットは、連続した液滴が凝集する機会を低減するのに役立つこともある。
制御回路17は、ピエゾ共振子16からの小滴がレーザービームを通過する時点で、パルスレーザー18からのパルスが飛行経路に到達するように相対位相をもつ、ピエゾ共振子16の振動と同期したパルスを生成するようにパルスレーザー18を制御する。それによって小滴からの粒子のイオン化がもたらされる。質量分析計19は、出現した粒子の質量スペクトルを分析する。
レーザーパルスとピエゾ共振子16の振動との同期は、レーザーパルスをピエゾ共振子16の励起信号と同期させることによって実現することができる。代わりに、小滴検出器(示されていない)を用いて、小滴をチャンバ15中の飛行経路に沿って検出することができ、かかる検出器からの信号によってパルスレーザー18をトリガーすることができる。各小滴の到達時間を予測するために小滴の速度を測定するように、この検出器を構成することもできる。代わりに、実験的に決定しうる所定のスピードを仮定することもできる。
制御回路17、または測定用コンピュータに質量スペクトルを収集し、基準スペクトルもしくは基準スペクトルの部分または既知の微生物に対するバイオマーカーのリストと比較して、それぞれの液滴中の微生物のタイプを同定することができる。簡単なスクリーニングの実施形態では、少数の基準スペクトルとの比較で十分なこともありうる。同定された微生物のカウントを計算して、該カウントを液滴の総カウントまたは基準タイプの微生物もしくは細胞を含んだ液滴のカウントと比較することによって、同定された微生物の濃度を決定することができる。より調査的な実施形態では、検体中の微生物の広範なタイプまたは細胞タイプを同定するために、より多数の基準スペクトログラムと比較を行うことができる。
図2は、小滴の予備スクリーニングを用いる実施形態を示す。追加のレーザー20および蛍光検出器22が加えられた。さらにまた、レーザー20は、小滴における微生物の蛍光を励起するように選択された波長をもつ。例えば、266nmの波長を用いることができる。さらにまた、レーザー20は、小滴がイオン化位置に到達する手前で、それらの飛行経路24の一部に向けられる。連続波レーザー、または液滴形成に同期したパルスレーザーを用いることができる。追加のレーザー20による照射後に飛行する液滴からの蛍光を捉えるために、蛍光検出器22も同様に飛行経路24に向けられる。蛍光検出器22は、微生物の存在を示唆する蛍光が検出された液滴だけに条件付きでパルスレーザーを発射するように構成された制御回路17に連結される。さらに、追加のレーザー20は、発射をトリガーする、すなわち、発射の時点を選択するために用いることができる。別の実施形態において、1つ以上のレーザーで検出された液滴の時点および/または速度を用いて発射をトリガーするために、1つ以上のレーザーを用いることができる。これは、追加のレーザー20を用いるか否かによらず行うことができる。
さらなる実施形態において、ピエゾ共振子16で液体が液滴に分離される前に、蛍光を導管11で検出することもできる。この場合、追加のレーザーおよび蛍光検出器は、導管11に向けられ、制御回路17は、検出の時間、ピエゾ共振子16への流速およびピエゾ共振子16の励起信号から、微生物が単離されることになる液滴を確定することができる。微生物からの蛍光検出がマトリックスの結晶化によって阻害されるのを防ぐために、導管11における蛍光検出が役立つ可能性がある。
図3は、検体受取り部10に、または検体受取り部10と第1の混合ユニット12との間の導管11に向けられ、微生物のクラスターを個々の微生物に分離するように構成された超音波源30を本装置が備える、ある実施形態を示す。加えて、超音波源30は、綿棒または濾過紙片のような、微生物がその上に収集された検体キャリアから該微生物を分離するために用いることもできる。
微生物のクラスターを超音波分離するための技術は、それ自体が知られている。クラスターの分離は、1つより多い微生物が存在する小滴の数を一度に減少させるために用いることができる。超音波源30が検体受取り部10に向けられた例が示されるが、当然のことながら、クラスターを分離するために、1つ以上の超音波源30を検体受取り部10とピエゾ共振子16との間の任意の位置に向けることができる。第1の混合ユニット12の手前でのクラスターの分離は、密度決定の信頼性が向上し、より均質な希釈が得られるという利点をもつ。
超音波を用いてクラスターを分離する代わりに、それ自体が知られた、例えば液体の振とうによる、液体の渦生成を伴うボルテックス法のような、他の分離技術を用いることもできる。クラスターの分離なしでは、いくつかの液滴が微生物のクラスターを含みうるリスクが存在する。ある場合、例えばクラスターが均質なとき、もしくはクラスターにおける異なったタイプの生物を区別する必要がないときには、これは問題ないかもしれない。
図4aは、ピエゾ共振子16をもつセパレータのより詳細を概略的に示す。導管11は、液滴の放出を周期的に制限するピエゾ共振子16を貫く開口部で終わる。液体の流れを液滴に分離するためにピエゾ共振子16を用いる実施形態が記載されたが、当然のことながら、他の小滴形成技術を用いることもできる。例えば、それ自体が知られた気体力学的ノズルを用いることができる。気体力学的ノズルでは、導管11が気体流の方へ開いており、液体の流れが気体流に注入された時または後に気体流が該流れを小滴に分離する機能を果たす。図4bは、気体流が供給される大きい方の導管50中に導管11の端部が排出する構成の例を用いることができることを示す。かくして、液体の流れを気体環境中に注入した後に、液滴を形成することができる。好ましくは、小滴サイズの狭い範囲が得られるように、気体および液体の流量、ならびに開口部のサイズが設定される。それによって効率が向上し、小滴をヒットすべき時間に確実にパルスレーザー18を発射するために必要な制御が簡素化される。
別の実施形態では、液体の流れが導管を通して導管開口部に送られ、該開口部から液滴に断裂して飛行に向かう、蛇口からの滴下に類似した、液滴分離メカニズムを用いることができる。開口部からの液滴を断裂させるために、重力または開口部を通過する気体流を用いることができる。この実施形態において、液滴サイズは、液体の流れの流量、開口部の直径および/または形状、ならびに気体の流速を選択することによって制御することができる。また別の実施形態において、図4cに示されるような、導管11への気体注入口54を用いて、導管11を通過する液体の流れに規則的な間隔で気泡を注入することができる。気泡を形成するためには、気体注入口54におけるバルブ56を用いることができる。導管11の開口部に流れが到達する前に、気泡が流れを区画に分離する。結果として、流れが導管11の開口部から送り出されるときに、各区画からそれぞれの液滴が生じる。
記載されるように、本装置は、液体の流れが微生物およびマトリックス物質を含む、微生物を同定するプロセスを提供する。液体流は、小滴に、好ましくは単分散の小滴に分割される。該小滴は、飛行経路に沿った飛行に供される。これらの小滴は、飛行の間に真空中で乾燥する。結果として生じた乾燥粒子は、質量スペクトログラムを得るためにイオン化される。該粒子は、飛行中に分析される。例示された実施形態において、液体は、微生物をもつ液滴の過半数が1つだけの微生物を含む希釈レベルまで希釈される。
装置に関する特定の実施形態が示されたが、当然のことながら、このプロセスは、装置の修正された実施形態を用いて実施することもできる。例えば、導管11を用いる代わりに、希釈剤混合ユニット、マトリックス物質混合ユニットおよび小滴形成ステーションに搬送できる可搬性の検体ホルダを用いることができる。希釈剤の混合およびマトリックス物質の混合は、図4に示されるような、検体を希釈剤およびマトリックス物質の両方と混合するための混合ステージ42をもつ単一の混合ユニット40で同時に、または異なった時間間隔で行うことができる。搬送の一部は導管で行うことができ、他の部分は搬送ユニットを用いて行うことができる。希釈およびマトリックス物質を添加するシーケンスは、変更することもでき、あるいは任意の混合ステップを複数の混合ステップに分けることもできる。
微生物への応用が例として記載されたが、当然のことながら、本技術は、細胞、例えば血液細胞またはかかる細胞の特定タイプのような、他のタイプの生物物質を同定するために用いることもできる。検体は、様々な物質の混合物を含むことができ、異なった液滴の質量スペクトログラムから得られた結果を組み合わせることによって、検体から複数のタイプの物質を同定することができる。
入院スクリーニングの応用において、生物物質の検体を患者から、例えば唾液から、または任意の粘膜もしくは血液検体または尿検体あるいはその組み合わせから採取することができ、記載されるように検体を処理することができる。液滴中の微生物の質量スペクトログラムからの同定結果、または、特異的な抗生物質耐性をもつ黄色ブドウ球菌のような有害微生物の基準質量スペクトログラムと一致する質量スペクトログラムをもつ微生物を含んだ液滴のカウントを、通常の処置のために患者を受け入れるべきかどうか決めるために用いることができる。有害な微生物をもつ患者は、特別な処置に変えることができる。
同様に、複数の患者からの検体を採取し、記載されるように検体を処理することによって、有害な微生物の感染の発生をモニターすることができる。ある実施形態において、例えば人間の集団における有害な微生物の同定が、例えば病棟において、必要な場合、個々の患者を選び出す必要はなく異なった患者からの検体を混合することができる。
診断への応用において、患者から生物物質の検体を採取することができ、特定の微生物の感染を検出するために該検体を記載されるように処理することができる。
イオン化のために十分な電力を連続的に供給する必要のないパルスレーザーを用いた実施形態が記載されたが、当然のことながら、液滴の別の特質が連続波レーザーの使用を可能にすることもある。レーザーの代わりに、液滴の少なくとも一部をイオン化するための光を提供する他のタイプの光源を用いることもできる。例えば、UV光または赤外光を用いることもできる。光の代わりに、イオン衝撃あるいは超音波放射のような、イオン化のための他の手段を考慮することもできる。
図5は、検体リザーバ50、第1のキャリア液体リザーバ520、ポンプ522、第1の混合ステージ524、流動場分画器54、サイズ検出器540、三方バルブ542、マトリックス・リザーバ550、第2の混合ステージ552、第2のキャリア液体リザーバ560、第3の混合ステージ562、フローサイトメータ57および液滴形成器58を備える同定装置を示す。ポンプ522、第1の混合ステージ524、流動場分画器54、三方バルブ542、第2の混合ステージ552、第3の混合ステージ562および液滴形成器58は、液体流チャンネルに沿って直列に連結される。第1のキャリア液体リザーバ520は、ポンプ522の入力に送り込まれる。検体リザーバ50は、第1の混合ステージ524の入力に送り込まれる。サイズ検出器540は、流動場分画器54から下流かつ三方バルブ542の上流で液体フローチャンネルの一部に連結される。マトリックス・リザーバ550は、第2の混合ステージ552の入力に送り込まれる。第2のキャリア液体リザーバ560は、第3の混合ステージ562の入力に送り込まれる。フローサイトメータ57は、第3の混合ステージ562から下流かつ液滴形成器58の上流で液体流チャンネルの一部に連結される。
示されていないが、本装置は、液体流チャンネルに沿った1つ以上の位置、例えば三方バルブ542と第2の混合ステージ552との間に、可変量の液体を貯蔵するためのバッファを含むことができる。該バッファは、流量の変動を低減するために用いることができる。
動作中に、ポンプ522は、フローチャンネルを通して第1のキャリア液体リザーバ520からのキャリア液体を送る。例えばキャリア液体として、酢酸アンモニウムを加えた水を用いることができる。第1の混合ステージ524は、パルス時間間隔中に、検体液体のパルス化された量をキャリア液体の流れに混合する。流動場分画器54は、流れを粒子サイズに従って時間的に連続した分画に分画化する。サイズ検出器540は、粒子のサイズを時間の関数として検出し、検出されたサイズに依存して、流れを第2の混合ステージ552か、または廃液出力へ送るように三方バルブ542を制御する。第2の混合ステージ552は、マトリックス・リザーバ560からのMALDIマトリックス物質を流れに混合する。連続的な混合を用いてもよい。第3の混合ステージ562は、付加的なキャリア液体を流れに混合する。フローサイトメータ57は、流れにおける微生物の密度を測定する。第3の混合ステージ562の混合率は、測定された密度に依存して制御される。液滴形成器58は、流れを流れの一連の部分に分離し、それぞれの部分から形成された各液滴を放出する。
好ましくは、フローチャンネルは、流れが、第2の混合ステージ552から液滴形成器58まで実質的な軸の再調整なしに流れるように設計される。すなわち、該フローチャンネルでは、液体が蓄積されて混合できる大きいリザーバは回避される。結果として、液滴形成器58によって分離される液体の部分は、すでに第2の混合ステージ552後、あるいは少なくとも第3の混合ステージ562後の流れにおける一連の区画に対応している。第3の混合ステージ562での希釈は、流動する流れにキャリア液体を混合することによって行われる。
第3の混合ステージ562を制御するために、フィードバックループを用いることができる。該フィードバックループは、測定された密度”C”がプリセット目標値より高いか低いかに従って、混合率を上方かまたは下方へ変化させるように設計される。C0*V=Aを満足するプリセット目標値C0を用いることができ、ここでVは液滴形成器58によって分離される流れの部分の体積であり、Aは2未満、より好ましくは1未満の数であり、例えば、値A=0.2を用いることができる。たとえ所定の最低限のキャリア液体を加えるか、あるいはまったく液体を加えなくても密度が余りに低下してプリセット目標値未満のままである場合には、第3の混合ステージ562における制御を密度に依存しないようにすることができる。
流動場分画器54の代わりに、検体液体のパルスをもつ流れを粒子サイズが徐々に変化する流れに分画化する、任意の他の断片化デバイスを用いることができる。これは、液滴中に存在すると微生物の同定を阻害しかねない、検体からの比較的サイズの小さい物質の量を減少させる利点をもつ。その上に、これは、微生物の異なった分画間における微生物密度の違いを経時的に提供するように、第3の混合ステージ562での混合率を適合させることができるという利点をもつ。かくして、分画のそれぞれに対してより容易に単一の微生物をもつ液滴を実現することができる。大きく異なった密度をもつ分画が同時に存在する場合には、これは難しいかもしれない。
従来の流動場分画器54を用いることもできる。かかるカラムは、例えば、先に引用されたフーケン・リーらによる論文に記載される。簡潔に言えば、かかる装置は、検体物質をもつキャリア液体の流れが流れる、細いリボン状の開口チャンネルを用いる。該チャンネルにおける流れに直角な方向の位置の関数として異なった流速が発生する。外部場によって、様々な横方向密度分布が粒子の様々な分画に対して実現される。電場、加えられた温度勾配、重力などのような外部場を用いることができる。場の効果と密度勾配に抗する拡散とのバランスから密度分布が生じる。結果として、時間によって分離された様々な分画が微生物は損なわれないまま流動場分画器54の出力に現れることになる。
サイズ検出器540は、出現する分画の粒子サイズを検出する機能を果たす。厳しく管理された流動場分画プロセスが用いられたときには、サイズ検出器540を省略することができる。この場合、三方バルブ542は、検体物質のパルスから所定の遅延時間後に、液体を第2の混合ステージ552へ送るための時間間隔を規定する、例えばタイマによって制御することができる。サイズ検出器540は、サイズの尺度として光散乱を測定するように構成することができるが、導電率測定または蛍光検出のような他の技術を用いることもできる。
フローサイトメータ57は、通過する液体における微生物に起因する蛍光の時間的なピークを検出するように構成された、蛍光検出器を備えることができる。例えば、NADHに対応する波長での蛍光を用いることができる。第3の混合ステージ562を制御するために、かかるピークの時間単位当たりのカウントを密度信号として用いることができる。ある実施形態において、パルスレーザー(示されていない)のレーザー発射を可能にするために、フローサイトメータ57からの個々の微生物の検出を利用することができる。液滴への発射は、液滴が形成されることになる液体流の部分でフローサイトメータ57が微生物を検出しないときに停止される。微生物の密度が、生物の密度に応じて第3の混合ステージ562がキャリア液体を混合するレベル未満に低下した場合、発射の制御を利用して質量分析を効率的に維持することができる。
図6は、制御入力がフローサイトメータ57に連結された付加的な三方バルブ60を、フローサイトメータ57と液滴形成器58との間にもつ装置を示す。動作中に、個々の微生物の検出を利用して、微生物が検出されたときは液滴形成器58へ、さもなければ廃液出力へ液体を送るように、付加的な三方バルブ60が制御される。このような方法で、無用な液滴の数は最小限に抑えられる。微生物の密度が、生物の密度に応じて第3の混合ステージ562がキャリア液体を混合するレベル未満へ低下した場合、廃液出力の制御を利用して質量分析を効率的に維持することができる。ある実施形態において、液体が廃液出力に送られないときに液滴形成をトリガーするために、液滴形成器58の「オン・デマンド」制御が用いられる。図7は、フローサイトメータ57が第3の混合ステージ562の上流に位置する装置を示す。かくして、検出された微生物の密度と混合率との所定の関係に従ってフィードフォワード制御が実現される。次の関係を用いることができる
add=Norg*Vdrop/A−Fin
ここで、Faddは第2のキャリア液体リザーバ560からの混入流量であり、Norgは単位時間当たりに検出された微生物の流れ込み密度であり、Vdropはそこから液滴が形成される液体部分の体積であり、Aは所望の密度であり、Aは好ましくは1未満、例えばA=0.2である。図5および6のフィードバックによる解決法では、この関係がフィードバックによって実現される。密度は、検出された微生物をカウントすることによって、あるいは一連の検出間の時間距離から決定することができる。ある実施形態において、図7の実施形態の第3の混合ステージ562は、個々の微生物の検出に依存して制御することができ、混合率は、生物の一連の検出間の時間距離に依存して制御され、時間距離が減少した場合に追加キャリア液体量が増加される。
図7のフィードフォワードによる解決法は、より小さい検体の検出を可能にする利点をもつ。フィードフォワードによる解決法は、付加的な三方バルブ60(示されていない)の使用、または発射を可能にすることと組み合わせることができる。この場合、制御は統計的であってもよく、液滴の低いパーセンテージだけが微生物を含むときに発射が阻止される。フローサイトメータ57が第2および第3の混合ステージ552、562の間に位置する実施形態が示されたが、当然のことながら、フローサイトメータ57は、第2の混合ステージ562の上流にも配置することができる。この場合、密度は、MALDIマトリックス物質の添加前に測定される。第2の混合ステージ562が、既知の比率でMALDIマトリックス物質を加えるように設計された場合、第2の混合ステージ562の手前の流れにおける微生物の密度をこのステージ後の密度に換算することができる。より良好な制御のためには、第2の混合ステージ562後のフローサイトメータ57が好ましい。
レーザーの発射および/または付加的な三方バルブ(示されていない)を制御するために、図7のサイトマ57からの密度測定結果を用いることができる。付加的な三方バルブは、図6における三方バルブ60と同様の位置に、あるいはフローサイトマ57と第3の混合ステージ552との間に位置することができる。ある実施形態において、サイズ検波器54は、微生物の少なくとも閾値密度を検出した時点で、液体を第2の混合ステージ552へ送るように三方バルブ542を制御する、サイトメータによって置き換えることができる。この場合、このサイトメータは、第3の混合ステージ562による希釈を制御するためにも用いることができる。しかし、単一のサイトメータが両方複数の目的が示されたが、当然のことながら、これらの目的の1つまたは群をそれぞれ実行するために、複数のサイトメータを代わりに用いることもできる。
ある実施形態において、希釈を制御する手段がなかったとしてもパルスレーザー18の発射を制御するために、液滴形成器58の上流にフローサイトメータを用いることができる。これは、例えば、微生物の密度が決して高過ぎないであろうことが知られているときに用いることができる。別の実施形態において、三方バルブを制御し、微生物の検出時点、または微生物の密度が閾値をエクセシードすることを検出した時点で、液滴形成器58へ選択的に液体を供給するために、液滴形成器58の上流にフローサイトメータを用いることができる。これは、希釈を制御する手段がなかったとしても行うことができる。レーザー発射および三方バルブの制御を組み合わせて用いることもできる。
かくして、検体中の生物物質を同定するための装置であって、
−該検体と結晶を形成するマトリックス物質とが混合された液体の連続的な流れを供給するように構成された流れ発生器;
−該流れを該流れの一連の部分に分離し、上記部分から形成された液滴を、飛行経路に沿った飛行に供するように構成された液体部分セパレータ;
−該飛行経路に向けられ、該液滴からの物質のイオン化のための放射を供給するように構成された放射源;
−個々の該液滴から該イオン化された物質の質量スペクトログラムを得るように構成された質量分析計;および
−流れ発生器と該液体部分セパレータとの間に配置され、該流れにおける微生物を検出するように構成されたサイトメータであって、該放射源および/または流路セレクタに連結され、該放射源を動作可能にするおよび/または微生物の検出に依存して該流れを該液体部分セパレータかまたは他の処へ向けるかの選択を制御する該サイトメータを備える該装置を提供することができる。このような方法で、微生物の小さい検体をより高い効率で本装置に処理させることができる。
さらなる処理のための液体の通過と該液体の廃棄とを切り替えるために流路セレクタを実現すべく三方バルブの使用が記載されたが、当然のことながら、マニホールドのような他のタイプのバルブをこのために用いることもできる。
様々な検体を処理するために、流動場分画器54をもつ複数の分岐を並行して用いることができる。例えば、各分岐は、三方値542までを含んだものに相当する構成部品を含むことができる。これらの分岐を第2の混合ステージ552の入力へ連続して接続するために、液体マニホールドを用いることができる。それ故に、たとえ流動場分画法に多くの時間がかかったとしても、装置を効率的に使用することができる。
検体中の生物物質を同定する方法であって、該検体およびMALDIマトリックス物質を備える液体を調製すること;該液体の連続的な流れを生成すること;飛行する液滴を形成するために、該流れを一連の部分に分離すること;飛行中に、該液滴からの物質をイオン化すること;および該イオン化された物質からの質量スペクトルを測定することを備える該方法が提供される。
生物物質は、微生物を備える。本方法は、検体または液体を個々の部分の体積中に平均して1つ未満の微生物の濃度に相当する希釈レベルまで、希釈することを備えることができる。希釈レベルは測定することができ、液体が上記濃度に希釈されるまで進むように、希釈を制御することができる。分離ステップの前に、微生物のクラスターを個々の微生物に分離するためにクラスター分離ステップを検体または液体に適用することができる。
例えば、上記流れにおける一連の部分を規則的な間隔で分離することによって、液体を実質的に等しい体積の部分に分離することができる。液体の一連の部分が分離する間または分離後に、飛行に向けて該部分を放出することができる。代わりに、飛行に向けて流れを放出することができ、流れの中で飛行中に、該流れを一連の部分に分離することができる。液滴は、少なくともマトリックス物質の結晶が飛行中に形成される乾燥レベルまで、イオン化ステップに先立って飛行中に乾燥することができる。飛行中の液滴の軌道の少なくとも一部に沿って、ガスジェットを適用することができる。蛍光に基づいて、上記イオン化の前に液滴をスクリーニングすることができ、少なくとも所定の蛍光強度を生成することが検出された液体部分をもつ液滴だけがイオン化される。
検体中の生物物質を同定するための装置であって、該検体と結晶を形成するマトリックス物質とが混合された液体を調製するように構成されたミキサ;該液体の連続的な流れを供給するように構成された流れ発生器;該流れを部分に分離し、上記部分から形成された液滴を、飛行経路に沿った飛行に供するように構成された液体部分セパレータ;該飛行経路に向けられ、該液滴からの物質をイオン化するための放射を供給するように構成された放射源;および個々の該液滴から該イオン化された物質の質量スペクトログラムを得るように構成された質量分析計を備える該装置が提供される。

Claims (14)

  1. 検体中に微生物を備える生物物質を同定する方法であって、
    −前記検体の連続的な流れを生成すること;
    −前記検体を、前記微生物の測定された密度に依存した希釈レベル、C*V<1を満たす微生物の密度Cに相当する希釈レベルまで希釈すること、ここでVは、分離された部分当たりの体積であり、前記希釈は、前記流れの前記生成から下流の流れにキャリア液体を混合することによって行われること;
    −前記検体にMALDIマトリックス物質を加えること;
    −前記希釈後に、前記流れを前記流れの一連の部分に分離し、飛行する液滴を形成すること;
    −前記液滴からの物質を飛行中にイオン化すること;
    −前記イオン化された物質からの質量スペクトルを測定すること
    を備える前記方法。
  2. サイトメータを用いて前記流れにおける前記微生物の前記密度を測定すること、およびサイトメータ出力結果に依存して前記希釈を制御することを備える、請求項1に記載の方法。
  3. 前記流れにおける前記サイトメータを用いた前記測定は、前記希釈の上流において、前記流れ、あるいは前記MALDIマトリックスが前駆流に加えられたときに前記流れに流入する前記前駆流に関して行われる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記測定された密度を閾値と比較すること、および前記密度が前記閾値未満であるときに前記イオン化を動作不能にすることを備える、請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
  5. 前記密度は、前記希釈から下流かつ前記流れの部分への分離の上流においてサイトメータを用いて測定され、前記方法は、サイトメータによる微生物の検出に依存して前記イオン化するために個々の前記部分を選択することを備える、請求項1から4のいずれか1つに記載の方法。
  6. 前記液体を異なったサイズの粒子を連続的に備える流れに断片化すること、前記流れを希釈すること、前記断片化後に前記微生物の前記密度を測定すること、および前記微生物の前記測定された密度に依存して、前記希釈を制御することを備える、請求項1から5のいずれか1つに記載の方法。
  7. 前記断片化は、流動場分画法を適用することを備える、請求項6に記載の方法。
  8. 前記液体を実質的に等しい体積の部分に分離することを備える、請求項1から7のいずれか1つに記載の方法。
  9. 前記分離ステップの前に微生物のクラスターを個々の微生物に分離するために、クラスター分離ステップを前記検体または前記液体に適用することを備える、請求項1から8のいずれか1つに記載の方法。
  10. F=Norg*Vdrop/A−Fin
    ここで、Norgは、単位時間当たりに検出された微生物の前記流れ込み密度であり、Vdropは、そこから液滴が形成される前記液体部分の前記体積であり、Finは、前記流れの流れ込み流量であり、Aは、1未満の目標密度である、
    に従って前記液体を希釈するキャリア液体の流量Fを制御することを備える、請求項1から9のいずれか1つに記載の方法。
  11. 検体中の生物物質を同定するための装置であって、
    −前記検体の連続的な流れを生成する手段と;
    −前記検体の連続的な流れを生成する前記手段より下流に設けられ、ミキサと微生物の密度を測定するための検出器を備える混合ユニットであって、前記ミキサの希釈レベルは、前記微生物の測定された密度に依存して、C*V<1を満たす微生物の濃度Cに相当する希釈レベルに制御される、ここでVは分離された部分当たりの体積である、混合ユニットと;
    −MALDIマトリックス物質を前記検体に加える手段と;
    −前記流れを前記流れの一連の部分に分離し、前記部分から形成された液滴を、飛行経路に沿った飛行に供するように構成された液体部分セパレータと;
    −前記飛行経路に向けられ、前記液滴からの物質のイオン化のための放射を供給するように構成された放射源と;
    −個々の前記液滴から前記イオン化された物質の質量スペクトログラムを得るように構成された質量分析計と、
    を備える前記装置。
  12. 前記検出器は、前記流れにおける、または前駆流に前記MALDIマトリックスが加えられたときに前記流れに流入する前記前駆流における前記密度を測定するように構成されたサイトメータを備える、請求項11に記載の装置。
  13. 抗生物質に対する耐性をもつバクテリアを検出する方法であって、請求項1の方法によって得られた質量スペクトルから前記バクテリアを同定することを備える方法。
  14. 病院における所定の微生物の感染の発生に関するモニター方法であって、
    −少なくとも2人の患者から生物物質の検体を採取すること;
    −それぞれの患者からの単数および/または複数の検体ならびにMALDIマトリックス物質を備える単数または複数の液体を調製すること;
    −前記単数または複数の液体の単数または複数の連続的な流れを生成すること;
    −飛行する液滴を形成するために、前記単数または複数の流れを一連の部分に分離すること;
    −前記検体または前記液体を、前記微生物の測定された密度に依存する希釈レベル、C*V<1を満足する微生物の濃度Cに相当する希釈レベルまで希釈すること、ここでVは、分離された部分当たりの体積であること;
    −前記液滴の飛行中に、前記液滴からの物質をイオン化すること;
    −個々の前記液滴に対する質量スペクトルを測定すること;
    −前記液滴の少なくとも一部に対する前記質量スペクトルが所定の微生物の前記質量スペクトルと一致したときに、感染の警告を発生させることを備える前記方法。
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